カラーフィルタの基板サイズは年々大型化が進んでいる。従来では、フォトリソグラフィー工程を繰り返す方法等によってカラーフィルタは製造されているが、カラーフィルタのコストダウン化を図るために、近年は工程数が少なく、カラーフィルタの各着色層を同時に形成することが可能なインクジェット装置を用いた方法が検討されている。
図1はカラーフィルタの一例を示した図である。基板10上にブラックマトリックス(以下BMパターン)11、レッドのR画素12、グリーンのG画素13、ブルーのB画素14からなる着色画素(以下RGB画素)、透明電極15、フォトスペーサー(Photo Spacer)/バーテイカルアライメント(Vertical Alignment)16が順次形成されたものである。
図2にインクジェット装置を用いたカラーフィルタの製造方法の一例を説明するための図を示す。図2(a)はカラーフィルタの平面図を示し、基板10上にR画素12、G画素13、B画素14が配列されている。図2(b)はA1−A2のRGBの各画素が形成される前の断面を示すもので、基板10上にはBMパターン11が形成されて、そのBMパターンが隔壁となって区切られた画素用のセル17が形成される。図2(c)は着色インクが画素用のセル17に、インクジェットノズルヘッドユニット(図示せず)のノズルからカラーフィルタの各色に対応する着色インクを吐出し、画素用のセル17に着色インクを充填し、R画素12、G画素13、B画素14が形成された図を示す。このように予め基板10にBMパターン11を形成し、BMパターン11によってつくられた画素用のセル17に着色インクを吐出、充填してRGB画素を形成する方法が一般的である。このとき、各画素用のセル17に吐出、充填されるインクの充填量のバラツキが小さいほどカラーフィルタの濃度ムラが低減され、高品質なカラーフィルタを製造することができる。ここでいう画素とは、インクジェットで形成する最小単位のものをいい、図2で示すカラーフィルタの場合であれば、BMパターン11で囲まれた個々のセル部分が画素に対応する。これらの画素は、一般的には所定の大きさで規則正しく配列されるものである。
前記方法によって基板全面にRGB画素を形成するには、図3に示すように基板10を載置したテーブル(図示せず)を矢印22で示される方向(主走査方向)に移動しながらノズルからインクを吐出して、インクジェットノズルヘッドユニット20のインク吐出有効幅21に相当する領域25のRGB画素を形成する(図3(a)参照)。その後、インクジェットノズルヘッドユニット20をインクジェットノズルヘッドユニット移動機構(図示せず)によって矢印23で示される方向(副走査方向)に移動した後、基板10を載置するテーブル(図示せず)によって矢印24で示される方向(主走査方向)に基板10を移動し(図3(b)参照)、領域26RGB画素を形成する(図3(c)参照)。前記主走査と副走査が繰り返し行われ、基板10の全面のRGB画素が形成される。
一方、カラーフィルタとしては、画像表示装置等の高解像度化、それに伴う高精細化によって、年々微細化する傾向にある。カラーフィルタの画素の微細化に伴って、インクジェットノズルヘッドユニットからのインクの吐出量を少量でかつ均一となるように高い精度で制御する必要がある。このため、インクジェット装置を用いたカラーフィルタの製造方法においては、複数のインクジェットノズルヘッドを多数個配列して解像度を向上させる方法が検討されている。
インクジェット方式は大別して、連続噴射法(コンティニアス方式とも呼ばれる)、ドロップオンデマンド法(通称DOD)の2種類があるが、連続噴射法では、ドロップオンデマンド法と比較してノズルの集積度は低く、又、ノズルから噴出されるインクの粒子(以下、ドロップ)の着弾精度が概して悪く、ドロップの大きさが大きく、更にインクに荷電性能を付与させたり、顔料などの色材使用に制限があるなどで、カラーフィルタや有機エレクトロルミネッセンス等のインクに対する純度や塗布量によって決まる膜厚の管理の厳しい用途には使用できない。
従って、カラーフィルタや有機エレクトロルミネッセンス(以下EL)等、高精度なトパターン形成をインクジェットで実施する場合は、ノズルの集積度が高く、インク着弾対象物にインクを吐出させる時だけ、ノズルからドロップを吐出させるドロップオンデマンド方式(DOD方式)を用いるのが一般的である。
図4は前記ドロップオンデマンド方式(DOD方式)のインクジェットノズルヘッドユニットの概略図を示す。インクジェットノズルヘッドユニット20はノズル31が複数個配列されたノズルヘッド32及びノズルヘッド33からなるインクジェットノズルヘッド34が複数個配列されたレッドインクを吐出するRヘッド、グリーンインクを吐出するGヘッド、ブルーインクを吐出するBヘッドから構成されている(図4ではRヘッド、Gヘッド、Bヘッド共に2個のノズルヘッドからなるインクジェットノズルヘッド34が5個で構成されている)。
図5は解像度を向上させるための千鳥構造を説明する図で、ノズル31はノズルヘッド32内及びノズルヘッド33内(図5の(a))で千鳥配列の構造となっており、更にノズルヘッド32及びノズルヘッド33間(図5の(b))でも千鳥配列の構造となるようにインクジェットノズルヘッド34は組み立てられている。
前記ドロップオンデマンド方式(DOD方式)のノズル31からのインク吐出量を変化させる場合は、サーマルタイプのインクジェットノズルヘッドであっても、圧電セラミックスをアクチュエータとして利用したピエゾ方式であっても、電圧を変化させれば多少の吐出量変化を与えることができるが、大幅に変化させることはできない。そこで、大幅にインクジェットノズルヘッドユニット各ノズルからの吐出量を変化させる手段として、マルチドロップレット式インクジェット駆動方法がある。これは、例えば、5pl(ピコリットル)とか10plといった微少ドロップを瞬間的に連続して吐出させて5plとか10plといった微少ドロップの整数倍の吐出量コントロールを行うもので、たとえば10plを3ビットで制御すれば0〜7ドロップの8段階に、即ち0pl〜70plを10pl刻みに吐出量変化させることが可能となる。
しかしながらインクジェットによってRGB画素を形成する場合には次に説明する問題点がある。
図6はR画素を形成する場合を例として、インクジェットノズルヘッドユニットの中のRインクを吐出するRヘッドのインクジェットノズルヘッド1からインクジェットノズルヘッド5までの5個のインクジェットノズルヘッドを抜き出して示している。51はインクジェットノズルヘッド1によって形成される領域を示している。同様に52はインクジェットノズルヘッド2によって形成される領域を、53はインクジェットノズルヘッド3によって形成される領域を、54はインクジェットノズルヘッド4によって形成される領域を、55はインクジェットノズルヘッド5によって形成される領域を示している。領域51のR1画素(図6では領域51のR画素は4個)はインクジェットノズルヘッド1によって形成される。同様に領域52のR2画素はインクジェットノズルヘッド2によって、領域53のR画素はインクジェットノズルヘッド3によって(図6では領域53にはR画素が存在しないので、実際には形成されない)、領域54のR3画素はインクジェットノズルヘッド4によって、領域55のR4画素はインクジェットノズルヘッド5によって形成される。各画素に吐出、充填されるインク量のバラツキが小さいほど濃度ムラが少ない高品位なカラーフィルタを製造することができるが、インクジェットノズルヘッドのノズルから吐出されるインク量はインクジェットノズルヘッド間、すなわちインクジェットノズルヘッド1からインクジェットノズルヘッド5の間でバラツキがあり、またインクジェットノズルヘッド内のノズル間にもバラツキがある。これは、ノズル各々の開口端部の形状や濡れ性の違い、また圧力発生部材の加工状態、固定状態のバラツキ等によるものである。
図6の場合、領域51の4個のR1の各画素、同じように領域52の4個のR2の各画素、領域54の4個のR3の各画素、領域55の4個のR4の各画素においては、各領域内の各画素には同じインクジェットノズルヘッドのノズルによってインクが吐出、充填されるため同量のインクが吐出、充填されるが、インクジェットノズルヘッド1からインクジェットノズルヘッド5間ではインクジェットノズルヘッド間のバラツキのためにR1、R2、R3、R4間では充填量にバラツキが生じて、各領域間の濃度ムラとなってカラーフィルタの品質および歩留まりを低下させる原因となっていた。
同様の問題は、予め基板上に形成した画素に1層あるいは複数の有機機能層を積層した有機EL素子、または有機太陽電池等の有機機能性素子を、インクジェット法を用いて製造した際にも生じる。例えば、有機EL素子においては、インクジェットパターン形成装置からの有機機能性インクを吐出し、形成した発光層にインク量のバラツキによる濃度ムラが生じていると、全体として発光ムラの目立った有機EL素子となってしまう。
このような問題の解決のため、ノズル毎の吐出インク量のバラツキを抑える手段として、例えばノズル毎に駆動電圧値を変更できる回路装置を組み込み、例えば10plといった理想とする吐出量と実際の吐出量を比較し、吐出量を理想吐出量になるように駆動電圧値を調整することでインク量のバラツキを少なくする方法が、特許文献1に掲載されている。
また、同系色で濃度の異なる複数のインクを用い予想された階調にあうようにインクの吐出量を変更することで、階調値のバラツキを少なくする方法が、特許文献2に記載されている。
次に、本発明を実施するための形態であるインクジェットパターン形成装置を詳細に説明する。
図7は、本発明に係るインクジェットパターン形成装置の全体構成例であって、インクジェットノズルヘッド62が複数個からなるインクジェットノズルヘッドユニット60、基板50を載置するテーブル61から成るインクジェットパターン形成装置本体64及びインクジェットノズルヘッッドユニットコントローラ65を備えている。
また、パターン形成は基板50を載置するテーブル61を主走査方向(図7のY方向)に移動し、インクジェットノズルヘッドユニット60を副走査方向(図7のX方向)に移動してRGBのパターン形成が行われる。
本発明に係るインクジェットパターン形成装置のテーブル61は、副走査方向にも移動可能であり、さらにテーブル61の中心を軸として回転可能で、テーブル61の上に置かれた基板の画素とインクジェットノズルヘッドユニット60を平行に合わせることができ、また、テーブル61は図示されていないが吸着機構を備えており、テーブル61に載置された基板を固定することが可能である。
図8は、本発明のインクジェットパターン形成装置のインクジェットノズルヘッドユニット60を説明するための図で、カラーフィルタを製造するためには、RGBの3色のインクを吐出する必要があるため、複数個のノズル(図示せず)を備えたノズルヘッド42とノズルヘッド43の複数個(図8では2個)のノズルヘッドが主走査方向に配列されたインクジェットノズルヘッド44−1があって、更にインクジェットノズルヘッド44−2、インクジェットノズルヘッド44−3、インクジェットノズルヘッド44−4、インクジェットノズルヘッド44−5の複数のインクジェットノズルヘッドが副走査方向に複数個(図8では5個)配列されたRヘッド46、同じように配列されたGヘッド47、Bヘッド48が主走査方向に配置されている。
本発明に係るインクジェットパターン形成装置のノズルヘッドを、図9に示す。ノズルヘッドは、シェアウェーブモードによるインク吐出を行うことができる。シェアウェーブモードによるノズルヘッドの駆動方法は、インクを充填する複数の圧力室を、2枚の圧電セラミックスを接着固定した後、切削加工して形成し、各圧力室を形成する圧電部材をアクチュエータとし、アクチュエータに駆動パルス電圧を選択的に印加し変形させ、これにより圧力変化を起こし、1または複数のドロップを吐出制御する方法である。
図9(a)は、櫛歯状に加工した2枚の圧電セラミックを貼り合わせたものをノズル表面から見たもので、各圧電セラミックには図示していない電極が予め付与されている。そして、図中のA、B、C、A…と書かれた部分は表面から奥方向に例えば0.5mmとか1mmといった深さの液室が形成され、該液室にインクが充填される。
図9(b)は、図9(a)の圧電セラミックスに貼り合わせるノズルプレート部を示したもので、液室と同じく、A,B,C、A(以下、A相,B相,C相、A相)…と繰り返し多数個配列されている。
図9(c)は、A相に接する2枚の圧電セラミックスへの印加波形を例として示したものである。
図9の3−1の状態は、A相,B相,C相の何れの圧電セラミックスにも電圧印加がなされていない状態を示す。
図9の3−2の状態では、A相に接する2枚の圧電セラミックスを広げる方向に電圧印加(正極性の電圧を印加)をしたところである(アクティブ動作)。
図9の3−3の状態では、A相に接する2枚のの圧電セラミックス液室を縮める方向に電圧印加(負極性の電圧を印加)したところである(インアクティブ動作)。このとき、70で示されるA相のノズルからインクが吐出される。A相のノズルからインクが吐出される時にはB相、C相の隣接相からは吐出しないように調整される。
図9の3−4の状態では、A相に残る残留振動が減衰して無くなるまで待つ、休止期間(OFF動作:オフ)を表している。
以降、吐出をB相、C相と繰り返す事によって全ノズルからインクのドロップを吐出させる事ができる。つまりA相→B相→C相→A相…と繰り返す3相分割駆動である。A相、B相、C相の各相に印加される印加電圧波形とインクの吐出の様子を図10に示す。基板を載置したテーブルを主走査方向に移動すると共に、テーブルの移動量によって発生する同期信号(例えば、テーブルが主走査方向に1μm移動する毎に1パルス信号を発生する同期信号)と同期して、各相からはインクのドロップが吐出される。
実際にインクのドロップを吐出して塗布(以下、塗布)する場合には、アクティブとインアクティブの繰り返し回数により塗布量を調整することができるので、必要塗布量に応じて各相はアクティブ・インアクティブの回数を増やすことになる(図10ではA相、B相、C相ともにインクのドロップを2回吐出している)。また、次の開始まではオフの休止時間が存在し、このサイクルで塗布を行っていく。
以上がシェアウェアモードの3相分割での吐出制御方法である。この方式では、高密度なノズルヘッドユニットとすることができるため、高精細なパターン形成が必要なカラーフィルタの製造に適している。しかし、本発明のインクジェットパターン形成装置は前記シェアウェアモードの方式に限らず、バブルジェット(登録商標)方式等のオンデマンドインクジェット方式も適宜採用できる。
本発明のインクジェットノズルヘッドユニットは、A相、B相、C相に対応するバッファ(以下、ラインバッファという。)を備えていて、後で述べるノズルパラメータ情報と基板パラメータ情報から作られるパターン形成情報をA相→B相→C相に転送することができる様になっている。
上記パターン形成情報は、全てのノズルに対してインクのドロップを吐出するか否か、更に吐出する場合は吐出するドロップ数はいくつかといった情報を含んでいる。
次に、基板のRGBの各画素にドロップを吐出し、基板全面の画素を形成する動作を、図11及び図12のフローチャートを用いて説明する。
図11は基板80の全面に形成されるRGBの各画素の配列を模式図で示したものである。図11では主走査方向(図11の列方向)にR画素、G画素、B画素が連続しており、更に前記R画素、G画素、B画素の連続が、副走査方向に(図11の行方向)に繰り返し配置されている。
図11において、1回目の主走査で例えば1列目のR画素と2列目のG画素と3列目のB画素の半分が形成され、2回目の主走査で3列目のB画素の半分と4列目のR画素と5列目のG画素が形成され、以下同じ様に3回目の主走査で、6列目のB画素と7列目のR画素と8列目のG画素の半分が形成され、4回目の主走査で8列目のG画素の半分と9列目のB画素が形成されて、カラーフィルタ全面のパターン形成が行われる。上記では、1回の主走査で形成される副走査方向の幅は1列目のR画素、2列目のG画素、及び3列目のB画素の半分の大きさであるが、インクジェットノズルヘッドユニットはRGB画素の大きさが異なるカラーフィルタを形成する度に、副走査方向の寸法の異なるインクジェットノズルヘッドユニットを交換して使用するわけではなく、後で述べるノズル及び基板のパラメータ情報を基にパターン形成が行われる。
前述したパターン形成情報は図11の81−1、81−2、81−3、81−4で示される領域毎にあり、例えば81−1の斜線で示した領域のパターン形成情報は、R画素、G画素、B画素の半分をパターン形成するための情報であり、該パターン形成情報は各行毎に4個(図11では主走査が4回行われるので4個)が9行あり、即ち図11の基板全面のパターン形成情報は、副走査方向4個と主走査方向9個の合計36個のパターン形成情報で構成される。
パターン形成について図12のフローチャートを用いて次に説明する。まず、パターン形成開始後(S1)、1回目の主走査でA相ラインバッファが、パターン形成情報81−1(S2)を受けとり(S3)、その情報のうちA相に関する情報に基づいてA相ノズルから吐出を開始する(S4)。また、A相ノズルから吐出開始と同時に、パターン形成情報をA相ラインバッファからB相ラインバッファに転送する(S5)。
A相ノズルから吐出終了後、B相ノズルは、転送されたパターン形成情報のうちB相に関する情報に基づいて吐出を開始する(S6)。また、B相ノズルから吐出開始と同時に、パターン形成情報をB相ラインバッファからC相ラインバッファに転送する(S7)。
B相ノズルから吐出終了後、C相ノズルは、転送されたパターン形成情報のうちC相に関する情報に基づいて吐出を開始する(S8)。
C相ノズルから吐出終了後、ラインカウンターにて設定回数ライン吐出を行ったかどうかの判定を行い(S9)、設定回数の吐出が行なわれていなければ、パターン形成情報をA相ラインバッファに転送する。再び、A相ノズルはパターン形成情報に基づいて吐出開始する。以下、前述した動作をライン数分繰り返し行い、所望のパターン形成を行う。
ここで云う設定回数ラインとは、図11に示す基板の1主走査分のRGB画素を形成するのに必要なライン数をであって(図11ではライン数は9行、即ち9で設定ライン数は9)、前もって設定される。
前記ライン数分のパターン形成が終わると(S10)、インクジェットノズルヘッドユニット(図示せず)が副走査方向に移動して2回目の主走査に入り(S11)、A相ラインバッファが、パターン形成情報81−2を受けとり、前記1回目の主走査におけるパターン形成と同様に設定回数ライン分(1回目の主走査時と同じく9)のパターン形成を行う。
同様に、3回目の主走査、4回目の主走査におけるパターン形成が行われ、基板全体のパターン形成が終了する(S12)。本発明の実施形態では、基板80を主走査方向に移動し、インクジェットノズルヘッドユニット(図示せず)を副走査方向に移動するが、これに限定されず、基板80とインクジェットノズルヘッドユニットを相対的に移動して主走査と副走査を行っても良い。
パターン形成情報に基づいてインクジェットノズルヘッドユニットのノズルからインクを吐出する制御手段として、例えば図7に示すインクジェットノズルヘッドユニットコントローラー65をインクジェットパターン形成装置本体64に接続する。インクジェットノズルヘッドユニットコントローラー65は、インクジェットノズルヘッドユニットを駆動し、ノズルパラメータ情報と基板パラメータ情報から作られるパターン形成情報が格納されている。ノズルパラメータ情報は、インクジェットノズルヘッドユニットを駆動させるための情報であって、ノズルの配列データや、ノズルヘッドの配列データや、インクジェットノズルヘッドの配列データや、インク吐出量データからなるもので、又、基板パラメータ情報は、基板内の画素の位置を示す情報であって、基板の大きさや、1枚の基板の
中でのカラーフィルタの面付け情報や、RGB画素の配列データからなるもので、前記ノズルパラメータ情報と基板パラメータ情報から作られるパターン形成情報は、各ノズルが基板のどの位置でインクをどれだけの量を吐出するかの情報で、吐出を行う際にノズルヘッドユニットコントローラーから各ノズルにパターン形成情報が出力され、RGBのパターン形成を行うことが出来る。
また、上記インクジェットノズルヘッドユニットコントローラー65のインクジェットノズルヘッドユニットを駆動させるためには、インクジェットノズルヘッド毎に最適の電圧値を設定できることが好ましい。全てのインクジェットノズルヘッドの駆動電圧を同じ値に設定すると、インクジェットノズルヘッドから吐出されるインクの量に個体差があるため、基板内にインクを均一に吐出することができなくなるおそれがある。インクジェットノズルヘッド毎に最適の電圧値のパラメータを設定できるようにすることによって、インクジェットノズルヘッド毎の吐出量を制御することが可能となり、その結果、各画素の吐出量をより精度よく制御することができる。
インクジェットによるパターン形成では、各画素へのインクのドロップの吐出量制御のほかに、インクのドロップの着弾位置の制御が必要である。これには、予め入力された前記ノズルパラメータ情報や基板パラメータ情報とインクジェットパターン形成装置のテーブルの移動量からインクジェットノズルヘッドユニット及びインクジェットノズルヘッドの位置を算出し、ノズルから基板上に吐出されるインクの着弾位置を決定する。このほかに、インクジェットパターン形成装置に設置されたカメラによって、基板表面の画像を取得処理し、インクの着弾位置を算出することによってインクのドロップの着弾位置の制御を行っても良い。
基板上の画素に対してインクジェットノズルヘッドユニット及びインクジェットノズルヘッドの位置が算出された後、この位置情報を基に、インクの着弾位置が、目的とする画素であるか否かをプログラムにより処理判断する。着弾位置が目的とする画素に該当する場合のみ有効なノズルとして選択され、該ノズルからはインクが吐出され、有効なノズルではないノズルからは吐出されない。
図13は、インクを吐出する有効なノズルを選択する手段の具体例を示す図である。図13は例えば図8の46(Rヘッド)のノズルヘッド42及びノズルヘッド43からなるインクジェットノズルヘッド44−1を抜き出したもので、11はBMパターン,12は画素を示しており、画素12の直上部にあたるノズル31については有効と判断され、それ以外のノズルは無効と判断され、その結果からパターン形成情報を生成する。そして、このパターン形成情報に従って、図13の矢印で示されるノズル31から目的とする画素12内にインクを吐出する。
ここで本発明のインクジェットパターン形成装置及びパターン形成方法を用いない場合には、主走査方向内においては、画素毎の吐出量のバラツキが小さい場合、つまり各画素の吐出量の標準偏差(主走査方向内の吐出量の標準偏差)が小さい場合でも、各主走査方向間の吐出量の標準偏差(主走査方向間の吐出量の標準偏差)が、主走査方向内の吐出量の標準偏差に比べて大きいために、吐出量の差による濃度ムラが発生し、全体として視覚的に色ムラの大きいカラーフィルタとなってしまう。
そこで本発明のインクジェットパターン形成装置は、画素毎に有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減を基準となるデータから多値誤差拡散法を用いて算出する手段を有することによって、この問題を解決する。つまり、画素に吐出したいドロップ数に対して、画素毎に実際に吐出するドロップ数を増減させて幅を持たせることで、主走査方向内には任意のバラツキを持たせ、各主走査方向の平均吐出量のバラツキを目立たなくす
ることができ、かつ全体的に拡散することで増減させた時に発生するざらつきを抑制することができ、これにより全体的な濃度ムラを低減することができる。
更に詳細に先ず、前記有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減を求める手段を説明する。
ここで、有効なノズルから画素毎に吐出するインクのドロップ数の増減を求める手段として、入力された基準となるデータ(以下基準データ)を用いて決定する。前記基準データは、各画素に対して液量の増減を決定するデータである。前記基準データは次のように求める。
図14は基準データの求め方を説明する図である。図14はRGB画素の配列を模式図で示しており、主走査方向(図14の列方向)にR画素が10個、G画素が10個、B画素が10個各々連続に形成されており、該連続したR,G,Bの画素が副走査方向(図14では行方向)に9列形成されている。基準データを求める手順は、先ず、カラーフィルタの全面のRGB画素をインクジェットパターン形成装置によってテスト的に形成する。次に例えばB1、B2に沿ったRGBの各画素の膜厚を膜厚計によって計り、各画素毎のインクの液量を読み取る(図14ではB1、B2に沿ったR,G,Bそれぞれ3画素の計9画素のインクの液量を読み取る)。膜厚とインクの液量は前もって関係付けられており、測定した膜厚から各画素毎のインクの液量が読み取る。次に読み取った各画素のインク量から所望の膜厚を得るために必要なドロップ数を求め、該ドロップ数から基準データを算出する。
前記各画素のインクの液量を読み取るまでの手順を更に詳細に述べる。RGBの画素をテスト的に形成するとき、例えば斜線で示したR画素の10個の各画素に1ノズルあたり10plを吐出するノズルで、2μmの膜厚を得ようと400pl(有効なノズルによるインクのドロップ40個)のインクを吐出して(400plは目標とするインク液量で、目標とするインクの膜厚が得られるインク量)画素を形成する。B1、B2に沿ったR画素82の膜厚を測定した結果1.96μmであったとする。前もって関係付けられている膜厚とインクの液量からなる検量線から(この場合、膜厚とインクの液量は直線の関係になっており1.96μmは400*(1.96/2)=392plに相当する)、インク量は392plと読み取る.実際には400plに対して392plしか吐出されていなく1ノズルあたりの1ドロップの平均吐出量は(392/400)*10=9.8plとなる。
次に読み取った各画素毎のインク量から所望の膜厚を得るために必要なドロップ数を求め、該ドロップ数から基準データを算出する手順を述べる。前記所望の膜厚は2.0μmであるので、膜厚測定したR画素82には(10/9.8)*40=400/9.8=40+(8/9.8)のドロップ数のインクを吐出する必要がある。しかし8/9.8のドロップのインクを吐出することが出来ないので、40ドロップあるいは41ドロップのインクを吐出する事とする。上記8/9.8のドロップの液量は(8/9.8)*9.8=8(pl)となる。この8plを基準データとする。この基準データ8plは5画素のうちの4画素に1ドロップ増やして41ドロップを、1画素には40ドロップを吐出することを示している。これによって5画素に吐出されるドロップ量は(41*4+40*1)*9.8=2000(pl)となり、1画素あたりの平均のドロップ量は400plとなる。
前記膜厚計のほかに色度計、輝度計など、測定読み取り値とインクの液量が関係付けられるものであれば適宜使用することが出来る。上記のように本発明では、1つの主走査方向に対して1つの基準データを持っていれば良い。
インクドロップ数を増減させる画素に割り振る手段について次に説明する。求められた基準データは図15には基準データの配置方法の例を示す。図15は単色の基準データの配置図である。図15のように副走査方向へは各測定で求められた基準データを各画素へ配置し、主走査方向へは副走査方向へ配置された基準データが繰り返し配置される。
図15の左上の画素を基準位置として多値誤差拡散処理を開始する。
基準位置の画素の増減させるドロップ数Sを決めるには、基準位置の基準データの値をA、インクジェットノズルヘッドの一つのノズルから吐出される1ドロップの液量(以下単位ドロップ量)をD、インクジェットノズルヘッドから吐出させるドロップのコントロール数(以下階調数)をBとすれば、次式で求められる。
a=floor((A+(D×B)+(D/2))/D)・・・・・(1)
S=a−B・・・・・(2)
E=A−S×D・・・・・(3)
上式Eは基準位置の単位ドロップでは吐出できない差の値である。この単位ドロップでは吐出できない差の値Eを図16に示すようなフィルタの係数によって周辺画素へ差を振り分ける。
図15の左上の画素を基準位置として基準位置を中心に右隣の画素では、図16のフィルタ係数7/16×Eで求められる値を基準データにプラスする。以下、図17に示される矢印の順に1列目の画素を左から順次右端の画素まで計算処理を行う。1列目右端の画素の計算が終わったら、次に2行目の左端から右端まで行い、最終的には右下端までの計算処理を行う。
インクのドロップ数を増減させるノズルを選択する手段を次に説明する。ドロップ数を増減させるノズルは、前記有効なノズルからノズルを選択するが、隣接するノズルの吐出ドロップ数の違いや、吐出する時間の重なりにより吐出量が変化してしまうクロストークの影響を極力与えないものを選択する。更には次に説明する単位ドロップ量に重み付けすることによってドロップ数を増減させるノズルを選択する。
シェアウエーブモードによるインクジェットの場合には前記クロストークの影響によってインクの吐出量に変化が生じる。このため、画素内に目標としたインクの量を吐出、充填出来ない。これを解決するために上記のようにクロストークの影響を極力与えないノズルを選択するか、更には前記重み付けを行いノズルを選択する。
前記重み付けする理由を次に述べる。
ドロップ数を増減させるノズル法を、クロストークの影響を極力与えないノズルを選択するが、前述のように、インクジェットノズルヘッドに使用されているノズルは、ノズル各々の開口端部の形状や濡れ性の違い、また圧力発生部材の加工状態、固定状態のバラツキ等によって吐出されるドロップの液量にバラツキがある。このため、例えば図13の有効なノズル(図13の場合は13個)の内、1つのノズルを選択して9.8plの液量を増やして吐出したい場合に、13個のノズルから吐出されるドロップの液量にはバラツキがあるため、9.8plに最も近い液量を吐出するノズルを選択することが望ましい。その結果、画素に最適な液量を吐出することが出来る。このために、インクジェットノズルヘッドユニットに使われている複数ノズルから1回に吐出するインクの吐出量即ち1ドロップの液量を設定することが望ましい。
そこで、本発明では複数のノズルを有するインクジェットノズルヘッドの各ノズルから
1回に吐出するインクの吐出量を設定する手段を有し、前記吐出量を各ノズルの単位ドロップ量として重み付けを行う。
各ノズルから1回に吐出するインクの吐出量は、各ノズルから吐出されるをインクの1ドロップの液量を計測して設定される。次に計測する方法を次に述べる。
図18は全ノズルの1ドロップの液量を計測する方法を説明するための図である。90は基板、91はBMパターン、92はノズル、93はノズルヘッドを示す。図18(a)はノズル92が配列されている模式図、図18(b)は配列されているノズル92の拡大図、図18(c)はBMパターン91が形成された基板の断面を示す図である。ノズル92は、A相、B相、C相の繰り返しであって、基板90上にはBMパターン91が例えばA相のノズル92のピッチPで、図示していないが多数行にわたって形成されている。このBMパターン91で形成された画素に先ず、A相のノズルからドロップを1ないし複数のドロップを吐出し、その後、基板90を載置するテーブル(図示せず)によって、ノズルヘッド93に対して1行分移動した後、A相のノズル同様にB相のノズルからドロップを1ないし複数のドロップを吐出し、その後同様にC相のノズルからドロップを吐出する。その後、各画素の膜厚を膜厚計によって測定し、その結果から吐出された液量を求め、全ノズルにわたって、各ノズルの1ドロップの液量を求める。
求めた各ノズルの1ドロップの液量を単位ドロップ量として重み付けする。
上記の重み付けは、単位ドロップ量に対して考慮することで、吐出量の主走査方向毎の画素に吐出されるインク量のバラツキを補正することができ、目標の吐出量に対して、重み付けをしない場合よりも標準偏差を小さくすることができ、目標の吐出量に限りなく近づけることが可能である。
本発明は、インクジェット法を用いたパターンの形成において、画素に吐出したインクの膜厚のバラツキを軽減し、濃度ムラをなくすものであるから、インクジェット法を用いた素子の作製に適用可能である。次に本発明を用いた素子の製造方法の例として、カラーフィルタ及び有機機能性素子の製造方法を説明する。
カラーフィルタあるいは有機機能性素子のいずれの素子の製造についても、基板上に隔壁で区切られた画素用のセルを形成し、該セルにドロップを充填することによって行える。
基板について以下に説明する。基板は、パターンの支持基板として用いるものである。目的とする光学素子により、基板の種類は異なるが、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、ドライフィルム等、公知の透明基板材料を使用することができる。中でもガラス基板は、カラーフィルタ、有機EL素子用途において、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
隔壁について次に説明する。本発明ではインクジェットパターン形成装置により基板にインクを付与し、カラーフィルタあるいは有機機能性素子を形成する。異なる種類のインク同士の混色(又は混合)を防止するため、基板上に予め隔壁を形成することが好ましい。
隔壁は、基板の表面を多数の領域に区分けすると共に、この多数の領域のそれぞれに吐出されたインクの混色を防止する機能を有するものである。混色を防止するためには,一定の撥インク作用を示すものを用いることが望ましい。例えば、撥インク剤を含む樹脂組成部により隔壁を形成する方法、樹脂組成物により形成した隔壁にプラズマ処理を行い撥
インク性を付与する方法、隔壁を光触媒層とともに形成し光触媒作用により隔壁に撥インク性を付与する方法などを例示することができる。また、ディスプレイの表示画面を構成するカラーフィルタ、有機EL素子においては、この隔壁に遮光性を付与することで、表示画面のコントラストを向上させることができる。いずれの場合であっても、隔壁を樹脂組成物より形成する場合には、樹脂バインダーと撥インク剤とを必須成分として含有する必要がある。
隔壁は印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知のパターン形成方法により形成することができる。
カラーフィルタの製造方法について次に説明する。カラーフィルタを形成する場合、まず基板上に、上記の方法で隔壁を形成する。着色インクを使用して、本発明のインクジェットパターン形成装置により着色層を形成する。着色インクは、着色顔料、溶媒、樹脂バインダーを必要に応じて含むことができる。
有機機能性素子の製造方法について次に説明する。有機EL素子または有機太陽電池、あるいは有機半導体を形成する場合にもまず基板上に、隔壁を形成する。インクに有機発光材料を含むものとし、本発明のインクジェットパターン形成装置及びパターン形成方法を用いて基板上に吐出、有機機能層を形成し製造することができる。インクに有機発光材料を含むものとし、本発明のインクジェットパターン形成装置を用いて基板上に吐出、有機機能層を形成し製造することができる。このインクは、有機発光材料、溶媒、樹脂バインダーを、必要に応じて含むことができる。溶媒、樹脂バインダーは、前記隔壁の形成で掲げたものと同様の材料を使用することができる。
有機発光材料について次に説明する。有機発光材料としてクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の有機溶剤に可溶な有機発光材料や該有機発光材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系などの高分子有機発光材料が挙げられる。
以上のように、本発明の方法によれば各画素間の濃度ムラを低減させることが可能となる。さらに、各ノズルのバラツキやクロストークの影響をなくして、バラツキ等を全て吸収したものが塗布することが可能であり、影響を低減することができる。
次に実施例として、本発明のカラーフィルタの製造方法を説明する。
撥インク性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物として、下記組成比で配合した黒色感光性樹脂組成物を用いた。基板としては無アルカリガラス(1737:コーニングジャパン(株)製)を用い、その上にこの黒色感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、温度90℃のホットプレートにて1分間プリベーク処理をして基板上に膜厚2.0μmの被膜を形成した。
感光性樹脂組成物の組成は、
シクロヘキサノン(沸点155.7℃) 80重量部
クレゾール−ノボラック樹脂:EP4050G(旭有機材工業(株)製) 15重量部
メラミン樹脂:MW30(三和ケミカル(株)製) 5重量部
カーボン顔料:MA−8(三菱マテリアル(株)製) 23重量部
分散剤:ソルスパース5000(ゼネカ(株)製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業社製)5重量部光重合開始剤:イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)2重量部含フッ素化合物:モディパーF−600(日本油脂(株)製、質量平均分子量35000)5重量部である。
続いてストライプ状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光処理を施し、さらに現像処理を行うことで所望される隔壁を得た。その後、熱風式焼成炉内にて加熱処理を施した。
着色インクの調整について次に説明する。下記組成物を、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加え、70℃5時間の条件で反応させ、アクリル共重合体樹脂を得た。
着色インク組成物の組成は、
メタクリル酸 20重量部
メチルメタクリレート 10重量部
ブチルメタクリレート 55重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量部
乳酸ブチル 300重量部
であり、得られたアクリル共重合体樹脂が、全体に対して10重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて希釈し、アクリル共重合体樹脂の希釈液を得た。
この希釈液80.1gに対し、着色顔料19.0g、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.9gを添加して、3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。なお、赤色顔料として、ピグメントレッド177を、緑色顔料としてピグメントグリーン36を、青色顔料としてピグメントブルー15を、各々使用した。
得られた各着色ワニスに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、その顔料濃度が12〜15重量%、粘度が15cpsになるように、各々調整して添加し、赤色、緑色、及び青色着色インクを得た。
図7に示される本発明のインクジェットパターン形成装置を用いて、着色層を形成した。ここで、入力された基準データAは図15で示すような基板の左の主走査方向より5,7.5,−12・・・とする。インクジェットノズルヘッドのノズルから吐出される単位ドロップ量Dは10pl、インクジェットノズルヘッドの階調数を15とする。ドロップ数を増減させるドロップ数Sは、(1)式及び(2)式及び(3)式より図19に示すようなドロップ数の増減となる。
実施例の結果、基準データAを各主走査方向に割り振ることで単位ドロップ量D(=10pl)とインクジェットノズルヘッドの階調数(=15)の関係によって目標に対してずれることはなく、全体として濃度ムラの低減されたカラーフィルタとなった。
本発明を実施するための形態及び実施例では、基板上に隔壁で区切られた画素用のセルを形成し、該セルにドロップを充填することによってインクジェットパターンを形成したが、これに限らず、例えば基板上に設けられた受像層に撥インク作用のあるパターンを形成し、該撥インク作用のあるパターンで区切られた画素用のセルにインクドロップを充填してインクジェットパターンを形成しても良い。
このようにして、ノズル及び基板のパラメータ情報からインクを吐出する有効なノズルを選択し、有効なノズルから吐出するインクのドロップ数を画素毎に吐出するドロップ数を増減させて幅を持たせることで、従来各主走査方向間に発生した濃度ムラ、ざらつきがなく、かつ短時間で高精度な物を得ることができた。