JP2009230018A - インクジェット塗布装置および画素形成基板の製造方法およびカラーフィルタの製造方法および有機機能性素子の製造方法 - Google Patents

インクジェット塗布装置および画素形成基板の製造方法およびカラーフィルタの製造方法および有機機能性素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロストークの影響を少なくすることが求められていた。
【解決手段】副走査方向に複数のノズルが整列しているインクジェットヘッドが複数個副走査方向に整列している列が複数列主走査方向に設けられており、主走査方向に移動しながらインクジェットヘッド中の複数のノズルのうち一部のノズルからインクを吐出することにより塗布するインクジェット塗布装置において、基板を複数回主走査させるときに、各開口部へ吐出するインクジェットヘッドの位置を走査回数ごとに異なる位置に配置し、ノズル及び基板のパラメータ情報から有効なノズルを選択する手段と、有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数を関数を用いて決定する手段と、各開口部の吐出量基準値を入力できる手段を具備するインクジェット塗布装置等を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高精細なパターンを吐出するためのインクジェット塗布装置および画素形成基板の製造方法に関するものであり、カラーフィルタの製造方法および有機機能性素子の製造方法に関する、特に隔壁パターンに対し一定量の液滴を吐出させるために適したインクジェット塗布装置に関する。
カラーフィルタの基板サイズは年々大型化が進んでいる。従来では、フォトリソグラフィー工程を繰り返す顔料分散法等が用いられてきたが、カラーフィルタのコストダウン化を図るために、近年は工程数が少なく、カラーフィルタの各着色層を同時に形成することが可能なインクジェット装置を用いた方法が検討されている。
インクジェット装置を用いたカラーフィルタの製造方法としては、隔壁で区切られた開口部に、インクジェットノズルヘッドのノズルからカラーフィルタの各色に対応する着色インクを吐出し、各着色層を形成する方法が一般的である。このとき、各開口部に吐出、充填されるインクの充填量のバラツキが小さいほどカラーフィルタの色ムラが低減され、高品質なカラーフィルタを製造することができる。
一方、カラーフィルタとしては、画像表示装置等の高解像度化、それに伴う高精細化によって、年々微細化する傾向にある。カラーフィルタの画素の微細化に従って、インクジェットで塗工するパターンピッチは狭くなっていくため、インクジェットノズルヘッドからのインクの吐出量を少量でかつ均一となるように高い精度で制御する必要がある。このため、インクジェット装置を用いたカラーフィルタの製造方法においては、複数のインクジェットノズルヘッドを積み重ねて解像度を向上させる方法が検討されている。
しかしながら、インクジェットノズルヘッドから吐出されるインク量は、ノズルごとにバラツキを持っているために、吐出量が異なる場合がある。特に、複数のインクジェットノズルヘッドを積み重ねた、高解像度を目的とする吐出装置の場合には、一つのノズルから吐出されるインク量がごく微小量のために、バラツキは相対的に大きいものとなってしまう。
この場合、各開口部に対し、同量のインクを充填するために、各ノズルから同じ回数のインクを吐出したとしても、ノズルごとのバラツキにより最終的なインクの充填量に差が生じてしまい、各画素間の色ムラとなってカラーフィルタの品質および歩留まりを低下させる原因となっていた。
結果として、同一ノズルヘッドセットの組み合わせによって吐出した各々の隔壁の開口部(セル)への吐出量はほぼ等しくなるために、同一ノズルヘッドセットで形成した吐出パターンのライン(以下、開口部ライン)と、異なるノズルヘッドセットにより形成した開口部ラインでの吐出量の差があるために視覚的に色ムラとして現われてしまうことになる。
このような問題の解決のため、ノズルごとの吐出バラツキを抑える手段として、例えばノズルごとに駆動電圧値を変更できる回路装置を組み込み、理想吐出量と実際の吐出量を比較し、吐出量を調整することでムラを低減する方法が、特許文献1に掲載されている。
また、インクジェットヘッドは、通常吐出されるインクが、共通した液室を通じて、多数のノズルに分配される構造となっている。このため、あるノズルに圧力が付加され吐出動作が行われると、そのノズルに近傍する他のノズル内に存在するインクに圧力が伝達され、他のノズルの吐出量が不安定になるといったクロストークによる不具合を回避したマスクパターンを作成することで濃度むらを緩和する方法も知られている。
しかしながら上記特許文献1に示すように、ノズル毎に駆動電圧値を変更し、補正するには、各ノズルのバラツキや、隣接ノズルが同時タイミングで吐出している場合、または吐出していない場合では吐出量が異なる隣接のクロストークによる影響等を、全て把握する必要がある。このため、何回も吐出し、その測定を繰り返し行い、各ノズルの吐出バラツキが無くなるまで作業をするため、膨大な時間や材料を使用する問題があった。
同様の問題は、予め基板上に隔壁を形成した、その開口部に1層あるいは複数の有機機能層を積層した有機EL素子、または有機太陽電池等の有機機能性素子を、インクジェット法を用いて製造した際にも生じる。例えば、有機EL素子においては、吐出装置からの有機機能性インクを吐出し、形成した発光層にムラやバラツキが生じていると、全体として発光ムラやバラツキの目立った有機EL素子となってしまう。
以下に公知文献を記す。
特開2005−40653号公報
本発明は、これら上記の問題を鑑みてなされたもので、ノズル毎に吐出量を測定した後、そのバラツキを補正することにより、駆動電圧を変更することなく、ノズル毎の吐出バラツキによる濃度むらが発生し品質低下しない、高品質なカラーフィルタ及び有機機能性素子を製造することができるインクジェット塗布装置を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、基板と基板上にパターン状に設けられた隔壁とで形成された画素を多数配列して構成される基板の各開口部に、主走査方向に移動しながら複数のノズルから前記開口部にインクを吐出するインクジェット塗布装置であって、
副走査方向に複数のノズルが整列しているインクジェットヘッドが複数個副走査方向に整列している列が複数列主走査方向に設けられており、主走査方向に移動しながら前記インクジェットヘッド中の複数のノズルのうち一部のノズルからインクを吐出することにより塗布するインクジェット塗布装置において、
上記基板を複数回主走査させるときに、各開口部へ吐出するインクジェットヘッドの位置を走査回数ごとに異なる位置に配置し、前記ノズル及び前記基板のパラメータ情報から有効なノズルを選択する手段と、前記有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数を関数を用いて決定する手段と、各開口部の吐出量基準値を入力できる手段を具備することを特徴とするインクジェット塗布装置である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記有効なノズルから、前記ドロップ数を増減するノズルをランダムに選択する手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗布装置である。
本発明の請求項3に係る発明は、複数のノズルを有する複数のノズルヘッドからなるインクジェット塗布装置であって、ノズルヘッドごとに、ノズルから一回に吐出するインクの吐出量を設定する手段を具備することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット塗布装置である。
本発明の請求項4に係る発明は、予め形成した基板上パターンの開口部に、複数のノズルからインクを吐出し、基板上に画素を形成する画素形成基板の製造方法であって、前記ノズル及び前記基板のパラメータ情報から有効なノズルを選択する工程と、前記有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数を関数を用いて決定する工程とを備えたことを特徴とする画素形成基板の製造方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記関数は、入力された各開口部の吐出量基準値をもとに増減頻度が決定されることを特徴とする請求項4に記載の画素形成基板の製造方法である。
本発明の請求項6に係る発明は、前記有効なノズルから、前記ドロップ数を増減するノズルをランダムあるいは指定する工程を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の画素形成基板の製造方法である。
本発明の請求項7に係る発明は、複数のノズルを有する複数のノズルヘッドからなる画素形成基板の製造方法であって、ノズルヘッドごとに、ノズルから一回に吐出するインクの吐出量を設定する工程を備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法である。
本発明の請求項8に係る発明は、前記ドロップ数の増減数が、同一ノズルヘッドによって開口部に吐出したインクの液量と各開口部の吐出量基準値とのズレの大きさにより重み付けされることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法である。
本発明の請求項9に係る発明は、関数によって増減させる前の前記ドロップ数を、前記各開口部の吐出量基準値に最も近くなるように設定されることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法である。
本発明の請求項10に係る発明は、基板上に隔壁パターンと、該隔壁パターンの開口部に画素として着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、請求項4乃至9のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法であるカラーフィルタの製造方法である。
本発明の請求項11に係る発明は、基板上に隔壁パターンと、該隔壁パターンの開口部に一層あるいは複数の有機機能層を画素として形成する有機機能性素子の製造方法であって、請求項4乃至9のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法により、有機機能層を形成することを特徴とする有機機能性素子の製造方法である。
本発明の請求項1に係るインクジェット塗布装置によって、各開口部に吐出するインクの吐出量にランダムなバラツキを与える等の関数手段を有することにより、開口部ごとに実際に吐出するドロップ数に幅を持たせることで、副走査方法の開口部の列の間に一定幅のバラツキを持たせ、副走査方法の開口部の列全体の平均吐出量のバラツキを目立たなくすることができ、これにより全体的な色ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項2に係るインクジェット塗布装置によって、ドロップ数を増減させるノズルをランダムに選択することにより、各ノズルの吐出量のバラツキから生じる色ムラを低減することができ、全体として各開口部間の吐出量のバラツキを低減することができた。
本発明の請求項3に係るインクジェット塗布装置によって、ノズルヘッドごとに吐出量を調整することが可能となり、各副走査方法の開口部の列の平均液量を理想液量に近づけることができ、副走査方法の開口部の列ごとの膜厚のバラツキを低減した画素形成基板を形成することが可能となった。
本発明の請求項5に係る画素形成基板の製造方法によって、各ノズルから吐出するインクの吐出量にバラツキを与えることにより、あらかじめ各ノズル間で生じていた吐出量のバラツキによる各開口部間の吐出量のバラツキを軽減することができた。
本発明の請求項6に係る画素形成基板の製造方法によって、ドロップ数を増減させるノズルをランダムに選択することにより、各ノズルの吐出量のバラツキから生じる色ムラを低減することができ、全体としての各開口部の副走査方向の列の総液量のバラツキを低減することができた。
本発明の請求項7に係る画素形成基板の製造方法によって、ノズルヘッドごとに吐出量を調整することが可能となり、各副走査方法の開口部の列の平均液量を理想液量に近づけることができ、副走査方法の開口部の列ごとの膜厚のバラツキを低減した画素形成基板を形成することが可能となった。
本発明の請求項8に係る画素形成基板の製造方法によって、ノズルの吐出量のバラツキの程度に合わせたインクの吐出の制御が容易にでき、さらに吐出量基準値からのずれを補正できることにより、より理想総液量に近づけることが可能となり、画素形成基板の製造ができた。
本発明の請求項9に係る画素形成基板の製造方法によって、吐出量基準値に近づけることができたことにより、より少ない増減させるドロップ数によって、理想総液量に近づけることが可能となった。
本発明の請求項10に係るカラーフィルタの製造方法によって、より均質な着色層が形成できた。このことにより高精細で色むら、バラツキの少ない高品質なカラーフィルタがより短時間で製造可能となった。
本発明の請求項11に係る有機機能性素子の製造方法によって、より均質な膜厚の有機機能層が形成することができ、発光ムラの少ない有機EL素子等、高品質な有機機能性素子を製造することが可能となった。
図1は、本発明のインクジェット塗布装置の全体構成の一例である。本発明のインクジェット塗布装置には、複数のインクジェットノズルを複数列組み合わせて配置したインクジェットノズルヘッド1を複数個副走査方向に配列したインクジェットノズルヘッドユニット2を持つ構成である。カラーフィルタを生成するためには、画素である着色層を形成する各色(例えばR、G、B)のインクの吐出を行う必要があるため、前述した複数個並んでいるインクジェットノズルヘッドの組み合わせが各色配置されている。また、インクジェットノズルヘッドユニットは主走査方向に移動し、画素の形成を行う。
基板置き台3は、主走査方向と直行する副走査方向に移動可能であり、さらにθ方向に回転可能である。θ方向に回転可能なため、基板置き台の上に置かれた基板の隔壁とインクジェットノズルヘッドユニットを平行に合わせることができ、副走査方向に動作させることで画素の形成を行うことができる。また、基板置き台には図示されていないが吸着機構を備えており、基板置き台におかれた基板を固定することが可能である。
本発明のインクジェット塗布装置は、少なくともインクを隔壁の開口部に吐出するためのインクジェットノズルヘッドに存するノズルと、あらかじめ入力されたパラメータ情報に基づいて位置情報を認識あるいは計測し、これを出力する手段と、ノズルから吐出するインクのドロップ数の増減を関数を用いて決定する手段とを有する。
さらには、ドロップ数を増減させるノズルをランダムに選択する手段と各開口部の吐出量基準値を入力する手段を有する吐出パターン生成装置である。なお、パラメータ情報とは、例えば基板のサイズ、形成パターン等の事前に入力される情報と、ノズル及び基板の位置等の逐次入力されるノズル及び基板に係る情報を合わせた、吐出パターンに係る情報である。
吐出量基準値とは、各開口部に対して液量の増減を指定するデータである。本発明では、図14に示す通り、副走査方向に1本あるいは複数本の基準データを持ってもよい。
それぞれの開口部の吐出量基準値と、それと副走査方向に隣接する開口部の吐出量基準値の間は、図15の通り、スプライン関数等で代表される関数により補完あるいは近似された値が使われる。
前記吐出量基準値は、膜厚計、色度計、輝度計など、測定読み取り値と液量が関係付けられるものであれば、何でも良い。
本発明に用いる関数は、ざらつき感を低減するための乱数である。通常乱数は、図8に示すような形態である。このパワースペクトルは、図9に示すような形態である。
一方、画像評価手法に関する公知文献では、人間の目で対象物を観察する際、敏感に知覚するかどうかの一つの尺度として、光学伝達関数であるModulation Transfer Function(MTF)、あるいは視覚伝達関数であるVisual Transfer Function(VTF)を用いることが一般的である。
この関数で、知覚に敏感なのは、空間周波数における低周波数部分である。中でも、知覚される周波数では1本/mm付近にピークをもつ。そこで、乱数の中で、該当する周波数成分を除去した乱数を画像に展開すると、ざらつき感が低減されることが、実験等で確認されている。
本発明では、3本/mm以下の低周波をカットしたその乱数の一例を図10に示す。またそのパワースペクトルを図11に示す。
本発明に用いるインクジェットノズルヘッド及びインクを吐出するためのノズルは、複数のノズルが配置された構成のものであれば適用可能であるが、図2のように、一列に配置されたノズルが、複数の組み合わされているものを用いる。この場合、各相のノズルは各々異なったタイミングでインクを吐出される。例えば図2はインクジェットノズルヘッド1の断面図の模式図であるが、ノズルA相、ノズルB相、ノズルC相(以下A相、B相、C相と記す)の同じ行からインクが吐出されるタイミングはA、B、Cの順でずれる。この方式(以下、シェアウェーブモードの3相分割と記載)では各ノズルの間隔、例えばA層〜B層、B層〜C層を狭め、高密度なインクジェットノズルヘッドとすることができるために、高精細な吐出パターン形成が必要なカラーフィルタの製造に適している。
このインクジェットノズルヘッド1は、A相、B相、C相に対応するバッファ(以下、ラインバッファと記載)を備えていて、各相のラインバッファは相互に情報を転送することができる。このインクジェットノズルヘッドから吐出されるまでの簡単な動作フローを
図3に示す。
まず、A相ラインバッファが、吐出パターン情報を受けとり、その転送された情報のうちA相に関する情報に基づいてA相インク吐出口から吐出を開始する。また、A相インク吐出口から吐出開始と同時に、吐出パターン情報をA相ラインバッファからB相ラインバッファに転送する。A相インク吐出口から吐出終了後、B相インク吐出口は、転送された吐出パターン情報のうちB相に関する情報に基づいて吐出を開始する。また、B相インク吐出口から吐出開始と同時に、吐出パターン情報をB相ラインバッファからC相ラインバッファに転送する。B相インク吐出口から吐出終了後、C相インク吐出口は、転送された吐出パターン情報のうちC相に関する情報に基づいて吐出を開始する。C相インク吐出口から吐出終了後、ラインカウンターにて設定回数ライン吐出を行ったかどうかの判定を行い、設定回数の吐出が行なわれていなければ、吐出パターン情報をA相ラインバッファに転送する。再び、A相インク吐出口は吐出パターン情報に基づいて吐出開始する。以下、前述した動作をライン数分繰り返し行い、所望の吐出パターンを作成することで開口部にインクジェットを塗布して画素形成基板を製造する。
以上がシェアウェーブモードの3相分割での吐出制御方法であるが、本発明のインクジェット塗布装置はその他の方式でも問題ない。以下、本発明の画素形成基板の製造方法によってカラーフィルタを形成する場合を例に説明するが、その他の光学素子、例えば有機EL素子の場合であれば開口部に発光層の各色画素を形成する場合にも同様に本発明を用いることができる。
吐出パターン情報に基づいてインクジェットノズルヘッドのノズルからインクを吐出する制御手段として、例えばインクジェットノズルヘッドコントローラー4を吐出装置に接続する。インクジェットノズルヘッドコントローラー4は、インクジェットノズルヘッドを駆動し、インクジェットノズルヘッドパラメータ情報と吐出パターンが格納されている。インクジェットノズルヘッドパラメータ情報は、インクジェットノズルヘッドを駆動させるための情報である。吐出パターン情報は、インクジェットノズルヘッドの位置情報を引数として、特定のノズルの吐出についての情報が格納されている。吐出を行う際にインクジェットノズルヘッドコントローラーから各ノズルに吐出パターン情報が転送され、画素の形成を行うことが可能である。
また、上記インクジェットノズルヘッドコントローラー4のインクジェットノズルヘッドを駆動させるためのインクジェットノズルヘッドパラメータ情報には、インクジェットノズルヘッドごとに最適の電圧値のパラメータを設定できることが好ましい。全てのインクジェットノズルヘッドの駆動電圧を同じ値に設定すると、インクジェットノズルヘッドから吐出される液滴の量が個体差により変わるため、基板内にインクを均一に吐出することができなくなるおそれがある。インクジェットノズルヘッドごとに最適の電圧値のパラメータを設定できるようにすることによって、インクジェットノズルヘッドごとの吐出量を制御することが可能となり、各開口部の吐出量を調整することができる。
本発明の有する、位置情報を認識、または計測し、これを出力する手段は、予め入力されたカラーフィルタのサイズ、隔壁パターンのピッチ、開口部のパターン(ストライプ配列、開口部(セル)配列、モザイク配列等の情報配列パターンを含む)等のカラーフィルタ基板のパラメータと、インクジェットノズルヘッド及びノズルの位置情報(ヘッドの位置ずれ情報を含む)と、吐出装置の基板の置き台の移動量等のパラメータ(以下、合わせて吐出パターン情報と記載)から、ノズルから基板上に吐出されるインクの着弾位置を算出する。あるいは、吐出装置に設置されたカメラによって、基板表面の画像を取得し、処理し、インクの着弾位置を算出することもできる。
基板上の隔壁パターンに対してインクジェットノズルヘッド及びノズルの位置が算出した後、この情報を基に、インクの着弾位置が、画素の形成位置(目的とする隔壁の開口部:セル)であるか否かをプログラムにより処理判断する。着弾位置が目的とする隔壁の開口部に該当する場合のみ有効なノズルとして認識され、そうではないノズルからは吐出されない。
図4は、ノズルが有効か否かの判断の具体例である。インクジェットノズルヘッドのノズル5のうち、カラーフィルタ基板の開口部の直上部にあたるノズルについては有効と判断され、それ以外のノズルは無効と判断し、吐出パターン情報を生成する。そして、この吐出パターン情報に従って、各インクジェットノズルヘッドのノズルは目的とする開口部内にインクを吐出する。
ここで本発明のインクジェット塗布装置及び画素形成基板の製造方法を用いない場合には、開口部ライン(副走査方向の列)内においては、開口部ごとの吐出量のバラツキが小さい場合、つまり各開口部の吐出量の標準偏差が小さい場合(開口部ライン内の吐出量の標準偏差)でも、各開口部ライン間の吐出量の標準偏差(開口部ライン間の吐出量の標準偏差)が、開口部ライン内の吐出量の標準偏差に比べて大きいために、全体として視覚的に色ムラの大きいカラーフィルタとなってしまう。
そこで本発明のインクジェット塗布装置は、有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数が乱数を用いて決定する手段を有することによって、この問題を解決する。つまり、ある一定規定量のドロップ数(以下、基本ドロップ数)から、各開口部ごとに実際に吐出するドロップ数に幅を持たせることで、開口部ライン内に任意のバラツキを持たせ、各開口部ラインごとの平均吐出量のバラツキを目立たなくすることができ、これにより全体的な色ムラを低減することができる。
ここで、ノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数を乱数を用いて決定する手段は、上述の有効なノズルから吐出するノズルを選択し、さらに、演算用計算機により、乱数を用いて、吐出するインクのドロップ数を規定の値から任意の増減を与える。あらかじめ設定あるいは、入力した基準値の増減数の範囲内で、ランダムに増減数を振り分けることで、画素となす各開口部に吐出するインクのドロップ数に幅を持たせ、ノズルごとの吐出量バラツキによる各画素間の色ムラを低減することが可能となる。各開口部ラインにおいて、ランダムにドロップ数の増減を与えることによって、意図的に開口部ライン間の吐出量の標準偏差と、開口部ライン内の吐出量の標準偏差を近づけることができるからである。
また、理想的な着色層の膜厚を形成するため、吐出量基準値をインクの理論総液量として吐出することが理想であるが、課題でも述べたように、ノズルごとの吐出量のバラツキ、クロストークの影響などによって、実際の平均インク総液量は、理論インク総液量である吐出量基準値からずれている場合がある。そこで、実際に吐出された(各開口部ラインにおける)平均インク総液量が多い場合には、増減するドロップ数が減少する方向に乱数の割り振りに加重を掛ける事により、平均インク総液量を吐出量基準値により近い値にすることが可能であり、より高品質なカラーフィルタが製造できる。例えば、平均液量が吐出量基準値よりも多い場合には、ドロップ数が減少する割合よりも増加する割合が増えるように、ランダム関数を増減するドロップ数に割り振る。
なお、インクの平均液量が吐出量基準値に比べて大きな液量差がある場合には、ノズルから吐出する基本ドロップ数を増減すればよい。これにより平均液量と吐出量基準値の差を1ドロップ以下にすることができる。従来の方法、例えばノズルからの1ドロップの吐出量を増減する方法も考えられるが、ノズルヘッドごとにノズルからの吐出量を設定する
場合には、ノズルヘッド全体でノズルからの吐出量が変わってしまうために、液量の調整は困難である。
そこで、本発明のように、ドロップ数の増減を決定する乱数の割り振りに加重を掛ける事により、1ドロップの液量以下であっても吐出量基準値に近い値まで平均インク総液量を近づけることが可能となる。
また、本発明のインクジェット塗布装置においては、ドロップ数を増減させるノズルをランダムに選択する手段を有することが好ましい。吐出するノズルの選択に乱数を用いてランダムに指定することによって、各ノズルの吐出量のバラツキから生じるムラを軽減することができ、全体として各開口部間の吐出量のバラツキをより低減することが可能となる。
本発明は、インクジェット法を用いた画素形成基板の製造方法において、画素の膜厚のバラツキを軽減し、ムラをなくすものであるから、予め形成した基板上パターンの開口部に、複数のノズルからインクを吐出し、基板上に画素を形成した画素形成基板の製造に適用可能である。以下に本発明を用いた画素形成基板の製造方法の例として、カラーフィルタ及び有機機能性素子の製造方法を説明する。
カラーフィルタあるいは有機機能性素子のいずれの素子の製造についても、基板上に隔壁が形成し、そこに開口部を形成することにより作成できる。
基板について以下に説明する。基板は、画素の支持基板として用いるものである。目的とする光学素子により、基板の種類は異なるが、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、ドライフィルム等、公知の透明基板材料を使用することができる。中でもガラス基板は、カラーフィルタ、有機EL素子用途において、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
隔壁について以下に説明する。本発明ではインクジェット塗布装置により基板にインクを塗布し、カラーフィルタあるいは有機機能性素子などの画素形成基板を形成する。異なる種類のインク同士の混色(又は混合)を防止するため、基板上に予め隔壁を形成することが好ましい。
隔壁は、基板の表面を多数の領域に区分けすると共に、この多数の領域のそれぞれに吐出されたインクの混色を防止する機能を有するものである。混色を防止するため、隔壁には一定の撥インク作用を示すものを用いることが望ましい。例えば、撥インク剤を含む樹脂組成部により隔壁を形成する方法、樹脂組成物により形成した隔壁にプラズマ処理を行い撥インク性を付与する方法、隔壁を光触媒層とともに形成し光触媒作用により隔壁に撥インク性を付与する方法などを例示することができる。また、ディスプレイの表示画面を構成するカラーフィルタ、有機EL素子においては、この隔壁に遮光性を付与することで、表示画面のコントラストを向上させることができる。いずれの場合であっても、隔壁を樹脂組成物より形成する場合には、樹脂バインダーと撥インク剤とを必須成分として含有する必要がある。
隔壁は印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知の隔壁形成方法により形成することができる。
カラーフィルタの製造方法について以下に説明する。カラーフィルタを形成する場合、まず前記の基板上に、上記の方法で隔壁を形成する。着色インクを使用して、本発明の吐出パターン形成装置により着色層を形成する。着色インクは、着色顔料、溶媒、樹脂バイ
ンダーを必要に応じて含むことができる。
有機機能性素子の製造方法について以下に説明する。有機EL素子または有機太陽電池、あるいは有機半導体を形成する場合にもまず前記の基板上に、隔壁を形成する。インクに有機発光材料を含むものとし、本発明の吐出パターン生成装置及び吐出方法を用いて基板上に吐出、有機機能層を形成し製造することができる。このインクは、有機発光材料、溶媒、樹脂バインダーを、必要に応じて含むことができる。溶媒、樹脂バインダーは、前記隔壁の形成で掲げたものと同様の材料を使用することができる。
有機発光材料について以下に説明する。有機発光材料としてクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の有機溶剤に可溶な有機発光材料や該有機発光材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系などの高分子有機発光材料が挙げられる。
本発明のインクジェット塗布装置による画素形成基板の製造方法を具体例により説明する。
まず、前述したように吐出パターンに従って、ノズルの有効・無効が判断される。基板上の隔壁の開口部に存在し、かつ開口部に形成する画素に対応するインクを吐出するノズルを有効とする(図4参照)。
次に、一つの開口部内にある有効なノズルの数(以下、吐出ノズル数)Nは、各開口部部に充填するインクの総液量である吐出量基準値や、開口部のサイズ等によって任意に決定することが出来る。
一つのノズルから一回に吐出されるインクの量(1ドロップの吐出量)がdとし、全ての吐出ノズルからのインクのドロップ数(基準ドロップ数)をDとすると、インクの理想総液量MはD×aで表され、各ノズルに割り当てられるドロップ数dはD/Nとその余りとなる。
図5は、有効なノズルから、矢印で示されている吐出するノズルを、各開口部の中で選択する説明図である。選択する方法は任意であるが、一定の組み合わせでノズルを選択した場合、ノズルの吐出量のバラツキによって、各開口部の総液量に偏りが生じる恐れがあるので、ランダムに吐出するノズルを選択することが好ましい。ランダムに吐出ノズルを選択することにより、各ノズルの吐出量のバラツキによる各開口部間の総液量の差を緩和することができるからである。図5は選択されたノズルが一つの開口部中に一つの場合、図6は複数ある場合の模式図である。また、ノズル選択をランダムでなく、指定することも可能である。
次に、本発明においては、実際の平均総液量M’と吐出量基準値である理想総液量Mと表示する)との差を考慮し、各開口部ラインのドロップ数を調整する。ここで調整により、吐出量基準値である理想総液量からできるだけ近しくなることが望ましい。例えば、増減するドロップ数は、平均総液量M’と吐出量基準値である理想総液量Mとの差と、基準データによって決定することができ、関数処理後のドロップ数am(x,y)は以下のようなフローで決定される。
なお、am(x,y)は、開口部の総ドロップ数、a(x,y)は、関数処理前の平均
総ドロップ数、dwは、関数処理で増減させたい液量、dは、1ドロップの吐出量、
k(x)は基準データの値、r1(i)は、乱数データである。
上記のフローによって、例えば実際の平均総液量M’ ’が理想総液量よりも多い場合には、各開口部のドロップ数は、確率的に基準ドロップ数よりも少ないドロップ数に傾き、結果として、補正された平均総液量は吐出量基準値である理想総液量に近い値となる。
また、上記ドロップ数を増減するノズルをランダムに選択することにより、各ノズルの吐出量のバラツキによる、総液量の偏りを軽減することができる。
また、決定されたドロップ数の増減値が、連続する開口部間で一定以上偏った場合には、再度乱数によって計算しなおし、一定以上の偏りをなくすことも可能である。
以上のように、本発明の方法によれば、ノズルごとの吐出量のバラツキを測定し、ノズルごとに吐出量を補正するといった煩雑な作業を伴わず、各画素間の色ムラを低減することが可能となる。さらに、同一ノズルにおける吐出回ごとの吐出量のバラツキに対しても、影響を低減することができる。
次に、実施例1として、本発明のカラーフィルタの製造方法を説明する。
撥インク性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物として、下記組成比で配合した黒色感光性樹脂組成物を用いた。基板としては無アルカリガラス(1737:コーニング(株)製)を用い、その上にこの黒色感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、温度90℃のホットプレートにて1分間プリベーク処理をして基板上に膜厚2.0μmの被膜を形成した。
感光性樹脂組成物の組成は、
シクロヘキサノン(沸点155.7℃) 80重量部
クレゾール−ノボラック樹脂:EP4050G(旭有機材工業(株)製) 15重量部
メラミン樹脂:MW30(三和ケミカル(株)製) 5重量部
カーボン顔料:MA−8(三菱マテリアル(株)製) 23重量部
分散剤:ソルスパース5000(ゼネカ(株)製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業社製)5重量部光重合開始剤:イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)2重量部含フッ素化合物:モディパーF−600(日本油脂(株)製、質量平均分子量35000)5重量部である。
続いてストライプ状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2の露光処理を施し、さらに現像処理を行うことで所望される隔壁パターンを得た。その後、熱風式焼成炉内にて表1から表3に示す焼成条件で加熱処理を施した。
着色インクの調整について以下に説明する。下記組成物を、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加え、70℃5時間の条件で反応させ、アクリル共重合体樹脂を得た。
着色インク組成物の組成は、
メタクリル酸 20重量部
メチルメタクリレート 10重量部
ブチルメタクリレート 55重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量部
乳酸ブチル 300重量部
であり、得られたアクリル共重合体樹脂が、全体に対して10重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて希釈し、アクリル共重合体樹脂の希釈液を得た。
この希釈液80.1gに対し、着色顔料19.0g、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.9gを添加して、3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。なお、赤色顔料として、ピグメントレッド177を、緑色顔料としてピグメントグリーン36を、青色顔料としてピグメントブルー15を、各々使用した。
得られた各着色ワニスに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、その顔料濃度が12〜15重量%、粘度が15cpsになるように、各々調整して添加し、赤色、緑色、及び青色着色インクを得た。
これを用いて以下の様にカラーフィルタの製造を行ったので、以下に説明する。図1に示される本発明のインクジェット塗布装置を用いて、着色層を形成した。ここで、各開口部の吐出量基準値である理想総液量Mは660pl、設定量dwは12pl、ドロップ数の増減数bは2、1ドロップの吐出量dは6plである。
次に、インクジェット塗布装置のインクジェットノズルヘッドコントローラー4(図1参照)に図14に示されたアルゴリズムで各開口部のドロップ数を決定するプログラムを組み込み、画素の形成を行った。
実施例1の結果は、図12、図13の各表は基板上着色層の各開口部を示し、図12は、ドロップ数は補正前の各開口部のドロップ数であり、図13は、実施例1での補正後のドロップ数である。
実施例1の各開口部の総液量を実測した結果、補正後の平均総液量M’’は660.077plと吐出量基準値である理想総液量Mの660plに近い値となり、全体として色ムラの低減されたカラーフィルタとなった。
以上のように、ノズルごとの吐出量のバラツキを測定して、ノズルごとに吐出量を制御することなく、短時間で各着色層の開口部ごとの吐出量のバラツキを低減し、高品位なカラーフィルタを製造することができた。
本発明のインクジェット塗布装置による画素形成基板の製造方法の比較例として、従来の画素形成基板の製造方法を用いた実施例2を実施した。以下に、詳細に説明する。
実施例2は、総ドロップ数は、実施例1の補正前の基準ドロップ数を各開口部への吐出し、吐出量基準値である理想総液量Mは660plの塗布条件で着色層を形成し、それ以外は実施例1の方法と同様の方法である。実施例2の結果は、平均総液量M’’は図7のようになる。このように、開口部ライン上では同一のノズルヘッドを用いている、開口部ライン内の吐出量はほぼ等しくなってしまい、異なるノズルヘッドを用いた開口部ライン間の吐出量がバラツキ、開口部ライン内の標準偏差と開口部ライン間の標準偏差とが離散した、その色ムラが視覚的に目立ってしまった。
本発明のインクジェット塗布装置の全体構成図例を示す概略図である。 シェアウェーブモードのインクジェットノズルヘッドのノズル概略図である。 シェアウェーブモードのインク吐出動作フローチャートである。 インクジェットノズルヘッドのノズルから有効なノズルを選択する概略図である。 開口部内の乱数により1つ選択されたノズルを示す概略図である。 開口部内の乱数により2つ選択されたノズルを示す概略図である。 調整前の開口部内総液量の一例の表である。 乱数の一例を示すグラフである。 乱数のパワースペクトルを示すグラフである。 低周波数の乱数を除去した乱数を示すグラフである。 低周波数の乱数を除去した乱数のパワースペクトルを示すグラフである。 調整前のドロップ数の一例の表である。 実施例1の結果のドロップ数の一例の表である。 実施例1のフローチャートである。 基準値の例を示すグラフである。 基準値と基準値間を補完する例を示すグラフである。
符号の説明
1…インクジェットノズルヘッド
2…インクジェットノズルヘッドユニット
3…基板置き台
4…インクジェットノズルヘッドコントローラー
5…ノズル
6…有効なノズル
7…開口部

Claims (11)

  1. 基板と基板上にパターン状に設けられた隔壁とで形成された画素を多数配列して構成される基板の各開口部に、主走査方向に移動しながら複数のノズルから前記開口部にインクを吐出するインクジェット塗布装置であって、
    副走査方向に複数のノズルが整列しているインクジェットヘッドが複数個副走査方向に整列している列が複数列主走査方向に設けられており、主走査方向に移動しながら前記インクジェットヘッド中の複数のノズルのうち一部のノズルからインクを吐出することにより塗布するインクジェット塗布装置において、
    上記基板を複数回主走査させるときに、各開口部へ吐出するインクジェットヘッドの位置を走査回数ごとに異なる位置に配置し、前記ノズル及び前記基板のパラメータ情報から有効なノズルを選択する手段と、前記有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数を関数を用いて決定する手段と、各開口部の吐出量基準値を入力できる手段を具備することを特徴とするインクジェット塗布装置。
  2. 前記有効なノズルから、前記ドロップ数を増減するノズルをランダムに選択する手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗布装置。
  3. 複数のノズルを有する複数のノズルヘッドからなるインクジェット塗布装置であって、ノズルヘッドごとに、ノズルから一回に吐出するインクの吐出量を設定する手段を具備することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット塗布装置。
  4. 予め形成した基板上パターンの開口部に、複数のノズルからインクを吐出し、基板上に画素を形成する画素形成基板の製造方法であって、前記ノズル及び前記基板のパラメータ情報から有効なノズルを選択する工程と、前記有効なノズルから吐出するインクのドロップ数の増減数を関数を用いて決定する工程とを備えたことを特徴とする画素形成基板の製造方法。
  5. 前記関数は、入力された各開口部の吐出量基準値をもとに増減頻度が決定されることを特徴とする請求項4に記載の画素形成基板の製造方法。
  6. 前記有効なノズルから、前記ドロップ数を増減するノズルをランダムあるいは指定する工程を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の画素形成基板の製造方法。
  7. 複数のノズルを有する複数のノズルヘッドからなる画素形成基板の製造方法であって、ノズルヘッドごとに、ノズルから一回に吐出するインクの吐出量を設定する工程を備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法。
  8. 前記ドロップ数の増減数が、同一ノズルヘッドによって開口部に吐出したインクの液量と各開口部の吐出量基準値とのズレの大きさにより重み付けされることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法。
  9. 関数によって増減させる前の前記ドロップ数を、前記各開口部の吐出量基準値に最も近くなるように設定されることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法。
  10. 基板上に隔壁パターンと、該隔壁パターンの開口部に画素として着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、請求項4乃至9のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法であるカラーフィルタの製造方法。
  11. 基板上に隔壁パターンと、該隔壁パターンの開口部に一層あるいは複数の有機機能層を画素として形成する有機機能性素子の製造方法であって、請求項4乃至9のいずれか1項に記載の画素形成基板の製造方法により、有機機能層を形成することを特徴とする有機機能性素子の製造方法。
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