JP2015180959A - カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、及び反射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】隔壁やマトリックスを必要とせずに、インクジェット法によりカラーフィルターを製造する方法、これによって得られたカラーフィルター、及びこのカラーフィルターを備えた反射型表示装置を提供する。
【解決手段】撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含んだ第一のインキ組成物の接触角θLが3°〜25°となるように表面処理された支持基材に対して、インクジェット法により第一のインキ組成物を所定のピッチで吐出し、紫外線を照射して硬化させることで、第一の着色塗膜によって形成された直線隙間領域を設け、該直線隙間領域に対して、少なくとも前記第一の着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上であると共に紫外線硬化成分を含んだ第二のインキ組成物を第一の着色塗膜に隣接するようにしてインクジェット法により吐出して第二の着色塗膜を形成することで、着色塗膜からなる縞模様の着色領域を支持基材上に形成してカラーフィルターを得るようにする。
【選択図】図3
【解決手段】撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含んだ第一のインキ組成物の接触角θLが3°〜25°となるように表面処理された支持基材に対して、インクジェット法により第一のインキ組成物を所定のピッチで吐出し、紫外線を照射して硬化させることで、第一の着色塗膜によって形成された直線隙間領域を設け、該直線隙間領域に対して、少なくとも前記第一の着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上であると共に紫外線硬化成分を含んだ第二のインキ組成物を第一の着色塗膜に隣接するようにしてインクジェット法により吐出して第二の着色塗膜を形成することで、着色塗膜からなる縞模様の着色領域を支持基材上に形成してカラーフィルターを得るようにする。
【選択図】図3
Description
本発明は、カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、及び反射型表示装置に関し、詳しくは、反射型表示装置をカラー表示化するのに好適なカラーフィルターの製造方法、これによって得られたカラーフィルター、及び、このカラーフィルターを備えた反射型表示装置に関する。
紙に替わる電子媒体として、電子ペーパー等の表示装置の開発が盛んに行われている。従来型のディスプレイであるCRTや液晶ディスプレイに対して、電子ペーパー等では、白色粒子や黒色粒子等からなる表示媒体を用いた反射型の表示方式を主に採用しており、高い白反射率や高いコントラスト比を有することが必要になる。加えて、表示した画像に対するメモリ効果があることや、低電圧で駆動できること、更には、薄くて軽いこと、安価であることなどが求められる。特に、表示特性としては、紙と同質な白反射率・コントラスト比が要求され、また、従来の紙媒体(印刷等)は当然のごとくフルカラー表示をしていることから、電子ペーパー等の表示装置に対するカラー化の要望は非常に大きい。
これまで提案されているカラー表示ができる電子ペーパーの技術としては、例えば反射型液晶素子にカラーフィルターを形成した媒体がすでに製品化されているが、偏光板を用いるため光利用効率が低く、暗い白色表示しかできていない。さらに黒色を表示することができないため、コントラスト比も悪い。
また、偏光板を用いずに、明るい反射型表示装置として、帯電した白色粒子と黒色粒子とを電場で動かすことを原理とする電気泳動方式が知られている。一般に、この電気泳動方式による散乱反射率は高々40%弱と言われており、現在では、更に反射効率の向上が求められている。特に、カラー表示化を行うとすると、カラー層による吸収により光の利用効率は低下することから、明るいカラー電子ペーパーの開発に対する期待は大きい。
例えば、特許文献1、2及び3には、電圧を印加することで帯電した粒子が任意に白色状態と黒色状態とに切り替わる電気泳動方式の反射型表示装置において、カラーフィルターを設けてカラー表示を可能にする技術が記載されている。ところが、これらで言うカラーフィルターは、いずれも液晶表示装置等で用いられているような従来のカラーフィルターであり、遮光部となるブラックマトリックスや所定の画素領域を形成する隔壁を有することから、帯電粒子の散乱反射光による明るさを損ねてしまう問題がある。
一方、特許文献4には、ブラックマトリックスを有さないカラーフィルターを反射型表示装置に適用することが記載されている。ところが、この特許文献4では、カラーフィルターを形成する支持基材に対してある色のレジスト材を塗布し、乾燥させた後、露光機を用いてパターン露光をし、アルカリ現像液によって現像して着色領域を形成し、これを各色分繰り返してカラーフィルターを製造する、いわゆるフォトリソグラフ法を採用することから、工程数が嵩みコスト的に不利であると共に、レジスト材を無駄に使用してしまう問題がある。
ところで、既に液晶表示装置等で良く知られているインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造では、例えば特許文献5、6及び7にあるように、画素が構成される領域に赤、青、緑のインキ組成物を塗布し、硬化させて着色塗膜を形成する。その際、必要な箇所に精度良くかつ正確に着色塗膜を形成するために、予めフォトリソ工程によって隔壁等を設けて、これによって形成された領域に各色のインキ組成物を同時に塗布することから、前述のフォトリソグラフィー法に比べてコストを削減でき、また、インキ組成物の無駄をなくすことができる。
そして、特許文献8には、バンク(隔壁)を設けることなく、複数の着色領域に着色塗膜を形成する方法が提案されているが、この技術は、バンクの代わりに支持基材上にブラックマトリックスを形成して、その領域内にインキ組成物を塗布して塗り分けを行うものである。
本発明は、上述の従来技術の状況を鑑みてなされたものであって、隔壁やマトリックスを必要とせずに、インクジェット法によりカラーフィルターを製造できるようにする方法を提供することを目的とする。これにより、例えばモノクロ表示の反射型表示装置について、明るさを低下させることなく、簡便且つ安価にカラー表示化が可能になる。
本発明者等は、上記課題を解決すべく様々な検討を行なった結果、撥インキ成分を含んだ紫外線硬化型の第一のインキ組成物を用いて、支持基材上に所定の隙間領域を設けるように第一の着色塗膜を形成し、次いで、この隙間領域に対して、紫外線硬化型の第二のインキ組成物を吐出して第二の着色塗膜を形成することで、隔壁やマトリックスを介さずに着色塗膜を隣接させて、支持基材上に複数の着色領域を設けることが可能であることを見出した。これによれば、隔壁やマトリックスによる明るさの低下の問題を解消でき、また、着色塗膜の重なり合わせによる混色の問題も防ぐことができることから、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第一及び第二のインキ組成物を用いて、支持基材上に縞模様を有する複数の着色領域を備えたカラーフィルターを製造する方法であって、前記第一のインキ組成物が、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含み、第一のインキ組成物の接触角θLが3°〜25°となるように表面処理された支持基材に対して、インクジェット法により第一のインキ組成物の1滴が支持基材へ着弾した後の液滴拡がり径D1に対する液滴着弾間のピッチp1がp1<D1となるように吐出し、紫外線を照射して硬化させることで、支持基材上に直線状に並んだ第一の着色塗膜によって形成された直線隙間領域を設け、次いで、該直線隙間領域に対して、少なくとも前記第一の着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上であると共に紫外線硬化成分を含んだ第二のインキ組成物を、第一の着色塗膜に隣接するようにしてインクジェット法により吐出し、紫外線を照射して硬化させて第二の着色塗膜を形成することで、隔壁及びマトリックスを介さずに、着色塗膜からなる縞模様を有する複数の着色領域を支持基材上に形成することを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。
また、本発明は、上記の方法によって得られて、隔壁及びマトリックスを有さずに、インクジェット法により形成されたカラーフィルターである。更に、本発明は、このカラーフィルターを備えた反射型表示装置である。
本発明において用いる第一のインキ組成物は、少なくとも撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含み、第二のインキ組成物は、少なくとも紫外線硬化成分を含む。このうち、第一のインキ組成物に必須である撥インキ成分としては、紫外線硬化成分に可溶なフッ素系の化合物を挙げることができる。フッ素系化合物は、フッ素含有単位として下記一般式(1)で表される、すなわち炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基Rfを含有する(メタ)アクリル酸エステル単位もしくはα-クロロアクリル酸エステル単位とを主体として公知の(メタ)アクリル酸エステル単位との共重合体を用いるのが良い。また、フッ素含有単位と共重合される(メタ)アクリル酸エステルとしては、公知のものを使用することができる。
CH2=C(R1)COOXRf ・・・(1)
(式中、R1は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はClを示し、Xは、炭素数1〜6の2価の有機基を示し、Rfは、炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基を示す。)
CH2=C(R1)COOXRf ・・・(1)
(式中、R1は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はClを示し、Xは、炭素数1〜6の2価の有機基を示し、Rfは、炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基を示す。)
上記式(1)で表される単量体の例として、CH2=CH(R1)COOR2Rf、CH2=CH(R1)COOR2NR3SO2Rf、CH2=CH(R1)COOR2NR3CORf、CH2=CH(R1)COOCH2CH(OH)R4Rf等が挙げられる。ここで、R2は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。このうち、R2の具体例としては、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−CH(CH2CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2(CH2)3CH2−、−CH(CH2CH(CH3)2)−等が挙げられる。また、R3の具体例としては、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3等が挙げられる。更に、R4の具体例としては、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−CH(CH2CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−等が挙げられる。上記式(1)におけるXは、入手の容易さから、炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましい。上記式(1)で表される単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。Rfが炭素数4〜6の直鎖状若しくは分枝状のパーフルオロアルキル基、又は、〔(CF3)2CF〕2C=C(CF3)−若しくは(CF3)2C=C(CF2CF3)−であることにより、フッ素系化合物は第一のインキ組成物の他の成分との相溶性が良好であり、第一のインキ組成物を塗装して塗膜を形成させたときにフッ素系化合物同士が凝集することがない。
第一のインキ組成物における撥インキ成分の含有量については、好ましくは、インキ中固形分100質量部に対して0.01質量部〜2質量部であるのが良い。2質量部を超えるとインクジェットノズルの汚染や支持基材の汚染を引き起こしたり、撥インキ成分が析出したりするおそれがある。反対に0.01質量部より少ないと、紫外線照射後に得られる第一の着色塗膜の表面撥インキ性が十分ではなく着色塗膜の重なりが顕著になるおそれがあり、特に、第一の着色塗膜に対する第二のインキ組成物の静的接触角θkを35°以上にするのが困難になってしまう。
また、第一のインキ組成物及び第二のインキ組成物に含まれる紫外線硬化成分としては多官能モノマーを使用することができ、好ましくは、液状の多官能アクリルモノマーを挙げることができる。より好ましくは、インクジェット吐出に容易な低粘性の2官能乃至3官能の多官能アクリルモノマーが良い。官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができるが、勿論これら以外のものであってもよい。紫外線硬化成分の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート等を例示することができる。また、これらに加えて、更に光硬化性を高めるために、4官能以上の多官能アクリルモノマーやオリゴマーを添加してもよい。例えば、ペンタエリストールを骨格とする3官能もしくは4官能のアクリレートや、メタクリレート、ジペンタエリスリトールを骨格とする5官能もしくは6官能のアクリレート、メタクリレート等が挙げられる。なお、紫外線硬化成分は、第一のインキ組成物に含まれるものと第二のインキ組成物に含まれるものとが異なっていてもよいが、均一な着色塗膜を支持基材上に形成するうえで、同じものを使用するのが望ましい。
第一及び第二のインキ組成物には、それぞれ造膜性を目的に、インクジェット吐出が可能な粘度範囲でバインダーを添加してもよい。バインダーとしては、それ自体は重合反応性のない樹脂、又はそれ自体が重合反応性を有する樹脂のいずれを用いてもよく、2種以上のバインダーを組み合わせて用いてもよい。
また、第一及び第二のインキ組成物には、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)等をはじめとして、求める色に合わせて所定の着色剤を配合することができる。但し、電子ペーパー等の反射型表示装置に用いるカラーフィルターでは、無色透明、或いは、色を調節する必要のない着色領域を含む場合もあることから、その場合には着色剤を配合せずに着色塗膜を形成するようにしても勿論よい。
着色剤を配合する場合には、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらのなかでも有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いことから、好ましく用いることができる。有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、次のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
すなわち、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175;
C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7等が挙げられる。
また、無機顔料や体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。なお、第一及び第二のインキ組成物に配合する着色剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
着色剤は、インクジェット法によってインキ組成物を吐出する際のノズル詰まり等を考慮して、好ましくは、高分子分散剤と共に100nm以下の粒子に微粒化・分散安定化されるのが良い。すなわち、分散剤は、着色剤を良好に分散させるために、インキ組成物中に必要に応じて配合される。例えば、分散剤として、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の中でも、以下に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類等の高分子界面活性剤である。
第一及び第二のインキ組成物ともに、着色剤を配合する場合の含有量は、インキ中の固形分全量に対して着色剤は通常1〜60質量%、好ましくは5〜40質量%の割合で配合するのが良い。インキ中の固形分全量に対して着色剤の配合割合が1質量%より少ないと、インキ組成物を所定の膜厚に塗布した際(一般的には0.1〜2.0μm程度)の透過濃度が十分でないおそれがある。反対に60質量%を超えると、インキ組成物を支持基材上に塗布して硬化させた際、支持基材に対する着色塗膜の密着性が劣るおそれがあり、また、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがある。
また、第一及び第二のインキ組成物には、光重合開始剤を配合してもよい。光重合開始剤は、バインダーや多官能モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合など)のほか、各材料の種類を考慮して適宜選択されるが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メチルベンゾイルホルメート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等の光重合開始剤を挙げることができる。
また、第一及び第二のインキ組成物には溶剤を配合してもよい。溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類、γ−ブチロラクトン等の高沸点溶剤類等を用いることができる。
第一及び第二のインキ組成物を得るには、それぞれ上述したような基本の成分を混合し、必要に応じて、表面張力調整剤や低粘度化を目的とした反応性希釈剤を混合して、インクジェット用インキとして連続吐出特性に適した特性値に調製する。一般に用いられるインクジェットヘッドは、ピエゾ素子によるものである。そのため、粘度はヘッド温度20〜45℃において5〜30mPa・secとなるようにし、表面張力は20〜40N/mにするのが好適である。また、第二のインキ組成物は、第一のインキ組成物から形成された第一の着色塗膜に対して静的接触角θkが35°以上、好ましくは40°以上である必要があり、第一のインキ組成物がインキ中固形分100質量部に対して0.01質量部〜2質量部の割合で撥インキ成分を含有することでそれを達成できる。
また、カラーフィルターの製造に用いる支持基材については、光を透過できるものであれば特に制限はないが、例えば、液晶ディスプレイ等で使用されるガラスはもとより、電子ペーパー等で使用されるアクリル、PET、PC、ポリオレフィン等の透過率90%以上の透明なプラスチックシート若しくはフィルムを用いることができる。
表面に均一な着色塗膜を有したカラーフィルターを製造するには、予め支持基材を表面処理して、支持基材に対する第一及び第二のインキ組成物の接触角を調整するようにしてもよい。インクジェット法により支持基材上に吐出されたインキ組成物は液状であることから、その表面張力と支持基材の持つ表面張力によって濡れ拡がりの程度が変わる。そのため、必要に応じて支持基材を表面処理するなどを行うと好ましい。特に第一のインキ組成物では、支持基材に対する第一のインキ組成物の接触角θLが3°以上になるようにするのが好適である。接触角がこれより低いと支持基材上でインキ組成物の液滴が濡れ拡がり過ぎてしまい、所定の着色塗膜を形成するための制御ができなくなるおそれがある。着色塗膜を直線に形成する場合のこの接触角θLの好適な上限値は25°である。接触角θLが25°を超えると、例えば、ノズルから吐出されるインキ組成物の液滴を直線状に連続的に並べて直線を描こうとするときに、先に基材上に着弾した液滴に後から吐出された液滴が吸収されて特定箇所に液滴が集中してしまい、いわゆるバルジと呼ばれるような、液滴の不均一な濡れ広がりが形成されてしまうおそれがある。桝目模様の着色塗膜を形成する場合には、接触角θLの好適な上限値は45°である。この上限値を超えると着色面積が安定しなくなるおそれがある。一方、第二のインキ組成物の支持基材に対する接触角θLは、第一のインキ組成物が硬化した塗膜の隙間を埋める観点から、その接触角に限定されるものではない。より濡れ広がりを重視する場合は、接触角θLは25°以下が好ましい。
支持基材の表面処理法としては、支持基材の種類に応じながら適宜公知の手段を利用することができる。例えば、大気圧プラズマ法、コロナ放電、紫外線処理のほか、フッ素系撥インキ剤をあらかじめ塗布しておくか、或いはシランカップリング剤を用いた処理等が挙げられる。
支持基材上に吐出したインキ組成物を硬化させて着色塗膜を形成する際には、インキ感度にもよるが、第一のインキ組成物を支持基材上に吐出して所定の隙間領域を設けるようにして第一の着色塗膜を形成する場合、及び、この隙間領域に対して第二のインキ組成物を吐出して、第一の着色塗膜に隣接させて第二の着色塗膜を形成する場合ともに、紫外線照射量が200mJ/cm2程度以上となるようにするのが良く、好ましくは500mJ/cm2以上であるのが良い。この紫外線照射は、例えば支持基材を載置するステージを備えたインクジェット装置を用いて、第一及び第二のインキ組成物の吐出と紫外線照射とを同一ステージ上で行うようにすれば、工程間での支持基材の受け渡し等が不要になり、効率良くカラーフィルターを製造することができる。
また、第一の着色塗膜からなる隙間領域を形成するにあたっては、第一のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して硬化させた後、得られた第一の着色塗膜に隣接させて第一のインキ組成物を吐出し、再び紫外線を照射して硬化させるようにして、第一のインキ組成物の吐出と紫外線照射による硬化とからなるサイクルを複数のサイクルに分けて行うようにしてもよい。
また、支持基材上に第一及び第二の着色塗膜を形成した後に、更に十分な紫外線を照射するようにしてもよい。この際の紫外線照射量は1000mJ/cm2以上であるのが好適であるが、硬化の程度はインキ組成物の種類や露光機照度/出力波長にも依存するため、一般的には、露光量の残体積率依存性が少なくなる露光量以上が好ましい。また、紫外線硬化とは別に、80℃〜160℃程度の熱処理を加えて、カラーフィルターとしての耐久性をより向上させるようにしてもよい。
本発明によれば、第一のインキ組成物を用いて、支持基材上に所定の隙間領域を設けるようにして第一の着色塗膜を形成した後、この隙間領域に対して第二のインキ組成物を吐出し、第二の着色塗膜を形成するようにして、インキ組成物からなる着色塗膜の形成を複数回に分けたことで、従来法のようにフォトリソプロセスを必要とするブラックマトリックスや隔壁を形成せずに、インクジェット法によってカラーフィルターを製造することができるようになる。そのため、隔壁やマトリックスによる明るさの低下の問題や、着色塗膜の重なり合わせによる混色の問題を解消することができ、得られたカラーフィルターは、TFT素子の遮光目的であるブラックマトリックスを必要としないようなパネル、例えば反射型表示装置をカラー化するのに好適であり、明るく、色純度に優れたカラー表示装置を提供することができる。更には、本発明の方法は、これ以外にも任意のサイズで多品種のカラーフィルターを得るのに適した方法であると言える。
以下、図面を用いて本発明におけるカラーフィルターの製造方法をより詳細に説明する。なお、以下は製造手順を示す例であり、用いるインキ組成物の色や、支持基材に対する着色の色順等について制限されるものではない。
[ストライプ状カラーフィルターの製造例1]
図3は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の直線状着色塗膜が並んで縞模様の着色領域を備えたストライプ状カラーフィルターの製造手順を示すものである。先ず、図3(A)に示すように、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてレッドに着色された第一のインキ組成物を、インクジェット装置のヘッドから吐出して支持基材上に液滴を直線状に並べる。この際、着色塗膜のライン幅w0に対して3×w0のピッチでインキ組成物のラインを描くように吐出し、必要に応じて加熱乾燥を行って揮発成分を除去した後、紫外線照射して(UV1)、表面撥インキ性を有したレッドの着色塗膜を形成する。
図3は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の直線状着色塗膜が並んで縞模様の着色領域を備えたストライプ状カラーフィルターの製造手順を示すものである。先ず、図3(A)に示すように、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてレッドに着色された第一のインキ組成物を、インクジェット装置のヘッドから吐出して支持基材上に液滴を直線状に並べる。この際、着色塗膜のライン幅w0に対して3×w0のピッチでインキ組成物のラインを描くように吐出し、必要に応じて加熱乾燥を行って揮発成分を除去した後、紫外線照射して(UV1)、表面撥インキ性を有したレッドの着色塗膜を形成する。
続いて、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてグリーンに着色された第一のインキ組成物を、図3(B)に示すように、先に形成したレッドの着色塗膜に隣接させて吐出する。この際にも3×w0のピッチでグリーンのインキ組成物でラインを描くようにする。そして、必要に応じて加熱乾燥を行った後、紫外線照射して(UV2)、表面撥インキ性を有したグリーンの着色塗膜を形成する。ここで、先に形成されたレッドの着色塗膜は、いわば隔壁のような役割を果たすと共に、表面撥インキ性が付与されていることから、グリーンの着色塗膜がレッドの着色塗膜上に大きく重なって混色の問題が顕著になるようなおそれはない。隣接する着色塗膜の重なりが大きくなって混色の問題を引き起こさないようにするためには、レッドの着色塗膜に対するグリーンのインキ組成物の静的接触角θkが35°以上となるようにするのが良く、好ましくは40°以上となるようにするのが良い。
次いで、レッドの着色塗膜とグリーンの着色塗膜とによって支持基材上に形成された直線隙間領域に対して、図3(c)に示すように、紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてブルーに着色された第二のインキ組成物を吐出し、必要に応じて加熱乾燥を行った後、紫外線照射して(UV3)、ライン幅w0のブルーの着色塗膜を形成する。この際、先に形成されたレッドの着色塗膜とグリーンの着色塗膜とがいわば隔壁のような役割をすると共に表面撥インキ性が付与されており、これらの着色塗膜に対するブルーのインキ組成物の静的接触角θkが35°以上、好ましくは40°以上であることから、ノズルから吐出されたブルーのインキ組成物がこれらを超えていくことはない。先のグリーンのインキ組成物の場合を含めて、着色塗膜に対するインキ組成物の静的接触角θkを確認する方法について、本発明では、事前試験として、図1(B)に示すように、実際の紫外線照射や加熱乾燥と同じ条件にしてガラス基板(支持基材)上に1〜5μmの膜厚で着色塗膜を形成し、これに対してインキ組成物を0.5μl滴下して、1秒後に接触角を測定(23℃)するようにした。
支持基材に塗布されるレッド、グリーン、ブルーの各インキ組成物は、図1(A)に示すように、支持基材との接触角θLが3度以上25度以下であることが好ましい。θLが3度以下であると濡れ拡がりが大きくなり過ぎて、ライン幅w0を制御しにくくなる。反対に、θLが25度を超えると、インクジェット描画時にバルジが発生しやすく、良好な直線性を描くのが難しくなる。支持基材に対するレッド、グリーン、ブルーの各インキ組成物の接触角θLを近い値に揃えることで、紫外線照射後に得られる着色塗膜のライン幅w0を均一にすることができる。なお、この接触角θLを確認する方法としては、例えば事前試験として、図1(A)に示すように、支持基材に対してインキ組成物を0.5μl滴下して、1秒後に接触角を測定(23℃)することができる。
また、レッド、グリーン、ブルーの各インキ組成物を用いてインクジェット法によりライン描画する具体的な手順については、図2に示すように、液滴を連続的に着弾させる必要があり、ラインを形成するためには着弾後の個々の液滴が合体する必要がある。そのため、支持基材への着弾時の液滴拡がり直径Dに対して液滴着弾間のピッチp1がD>p1となるように設定する。この着弾時の液滴拡がり径Dは、ヘッドから飛翔してきた液滴の直径dよりも常に大きい。また、着弾直後はその運動エネルギーが消費された後に接触基板と静的な安定状態に至る。したがって、着弾直後の拡がり径は測定することは困難であるから、1滴が基板に着弾した後に安定して観察される拡がり径D1を用いてp1<D1とする。一方、p1>D1とすれば各液滴は基材上で独立したドットとなる。更に、目標とする1ライン幅w0に対してはインクジェットノズルから吐出する1液滴量、吐出周期、打点ピッチ、ノズル間隔など、公知のインクジェット塗工条件を調整すればよい。なお、直線状の着色塗膜は、複数のノズルから吐出される液滴によって1ラインの着色塗膜を形成するようにしても勿論よい。
各色の着色塗膜を得る際の紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いることができるが、支持基材を載置するステージを備えたインクジェット装置を用いて、インキ組成物の吐出と紫外線照射とを同一ステージ上で行うような場合には、照度の高いLED−UVランプを用いるようにしてもよい。また、図3(D)に示すように、ブルーの着色塗膜を得た後、3色の着色塗膜全面を更に硬化させるように紫外線照射を行うようにしてもよく、別途加熱処理するようにしてもよい。なお、支持基材上に2色目以降のインキ組成物を塗工して紫外線硬化させた後は、隣接する着色塗膜ではその重なりは少ないものとなるが、あえて着色塗膜を隣接させずに無着色領域を積極的に形成するようにしてもよい。この場合、無着色領域を表示画素として利用すると明るい表示を得ることができる。
[ストライプ状カラーフィルターの製造例2]
また、1度に複数色のインキ組成物を吐出して、ストライプ状カラーフィルターを製造するようにしてもよい。すなわち、図4(A)に示すように、先ず、1回目のインクジェット塗工において、着色剤を配合してレッド(R)、ブルー(B)、グリーン(G)に着色された第一のインキ組成物を、同色のラインがWav3×6〔Wav3は目標とする3色の着色領域のライン幅の平均値;Wav3=(wR+wG+wB)/3〕のピッチとなるように、R、G、Bの順に並べて同時に吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成する(UV1)。次いで、上記によって第一のインキ組成物からなる各色の着色塗膜の間に形成された直線状の隙間領域に対して、図4(B)に示すように、着色剤を配合してレッド(R)、ブルー(B)、グリーン(G)に着色された第二のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成する(UV2)。1回目の塗工及び2回目の塗工ともに、必要に応じて加熱乾燥して揮発成分を除去してから紫外線照射するようにしてもよいことは先述の例のとおりである。このようにして、直線状の着色塗膜の偶数列と奇数列とに分けた2回のインクジェット塗工を基本単位として3色の着色塗膜を形成し、支持基材の面積に応じて必要な分だけこの基本単位を繰り返したり、ヘッド数を増やしたりして縞模様の着色領域を備えたカラーフィルターを製造することができる。なお、各着色塗膜を形成した後、更に全面に紫外線を照射する全面硬化を行ってもよく、加熱処理するようにしてもよい。
また、1度に複数色のインキ組成物を吐出して、ストライプ状カラーフィルターを製造するようにしてもよい。すなわち、図4(A)に示すように、先ず、1回目のインクジェット塗工において、着色剤を配合してレッド(R)、ブルー(B)、グリーン(G)に着色された第一のインキ組成物を、同色のラインがWav3×6〔Wav3は目標とする3色の着色領域のライン幅の平均値;Wav3=(wR+wG+wB)/3〕のピッチとなるように、R、G、Bの順に並べて同時に吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成する(UV1)。次いで、上記によって第一のインキ組成物からなる各色の着色塗膜の間に形成された直線状の隙間領域に対して、図4(B)に示すように、着色剤を配合してレッド(R)、ブルー(B)、グリーン(G)に着色された第二のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成する(UV2)。1回目の塗工及び2回目の塗工ともに、必要に応じて加熱乾燥して揮発成分を除去してから紫外線照射するようにしてもよいことは先述の例のとおりである。このようにして、直線状の着色塗膜の偶数列と奇数列とに分けた2回のインクジェット塗工を基本単位として3色の着色塗膜を形成し、支持基材の面積に応じて必要な分だけこの基本単位を繰り返したり、ヘッド数を増やしたりして縞模様の着色領域を備えたカラーフィルターを製造することができる。なお、各着色塗膜を形成した後、更に全面に紫外線を照射する全面硬化を行ってもよく、加熱処理するようにしてもよい。
[ストライプ状カラーフィルターの製造例3]
更には、例えば着色顔料を含有しない透明樹脂インキ組成物であるホワイト(W)を、もしくはイエロー顔料を含有するイエローインキ組成物(Y)を加えて、4色の着色領域を備えたストライプ状カラーフィルターを製造することもできる。すなわち、図5(A)に示すように、1回目のインクジェット塗工において、レッド(R)及びブルー(B)に着色された第一のインキ組成物を、同色のラインがWav4×4〔Wav4は目標とする4色の着色領域のライン幅の平均値;Wav4=(wR+wG+wB+ww)/4〕のピッチとなるように、RとBとが交互に並ぶように同時に吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成する(UV1)。次いで、上記によって第一のインキ組成物からなるR及びBの着色塗膜の間に形成された直線状の隙間領域に対して、図5(B)に示すように、ホワイト(W)及びグリーン(G)に着色された第二のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成すればよい(UV2)。
更には、例えば着色顔料を含有しない透明樹脂インキ組成物であるホワイト(W)を、もしくはイエロー顔料を含有するイエローインキ組成物(Y)を加えて、4色の着色領域を備えたストライプ状カラーフィルターを製造することもできる。すなわち、図5(A)に示すように、1回目のインクジェット塗工において、レッド(R)及びブルー(B)に着色された第一のインキ組成物を、同色のラインがWav4×4〔Wav4は目標とする4色の着色領域のライン幅の平均値;Wav4=(wR+wG+wB+ww)/4〕のピッチとなるように、RとBとが交互に並ぶように同時に吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成する(UV1)。次いで、上記によって第一のインキ組成物からなるR及びBの着色塗膜の間に形成された直線状の隙間領域に対して、図5(B)に示すように、ホワイト(W)及びグリーン(G)に着色された第二のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して各着色塗膜をライン状に形成すればよい(UV2)。
図4及び図5に示した場合のようなカラーフィルターの製造例は、
(1)複数のヘッドを使用したインクジェット方式により(n+1)列目、(n+3)列目、(n+5)列目・・・のような奇数列のライン領域に対して、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含んだ第一のインキ組成物を塗布する工程と;
(2)紫外線を照射して上記(1)記載のインキ組成物を硬化して第一の着色塗膜を形成する工程と;
(3)インクジェット方式によりn列目、(n+2)列目、(n+4)列目・・・のような偶数列のライン領域に対して、第一の着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上であると共に紫外線硬化成分を含んだ第二のインキ組成物を塗布する工程と;
(4)紫外線を照射して上記(3)記載のインキ組成物を硬化して第二の着色塗膜を形成する工程と;
を含んで、支持基材上に縞模様の着色領域を形成するストライプ状カラーフィルターの製造方法と言うことができる。なお、上記(1)工程で言う奇数列と(3)工程で言う偶数列は順序が逆であってもよい。
(1)複数のヘッドを使用したインクジェット方式により(n+1)列目、(n+3)列目、(n+5)列目・・・のような奇数列のライン領域に対して、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含んだ第一のインキ組成物を塗布する工程と;
(2)紫外線を照射して上記(1)記載のインキ組成物を硬化して第一の着色塗膜を形成する工程と;
(3)インクジェット方式によりn列目、(n+2)列目、(n+4)列目・・・のような偶数列のライン領域に対して、第一の着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上であると共に紫外線硬化成分を含んだ第二のインキ組成物を塗布する工程と;
(4)紫外線を照射して上記(3)記載のインキ組成物を硬化して第二の着色塗膜を形成する工程と;
を含んで、支持基材上に縞模様の着色領域を形成するストライプ状カラーフィルターの製造方法と言うことができる。なお、上記(1)工程で言う奇数列と(3)工程で言う偶数列は順序が逆であってもよい。
[モザイク状カラーフィルターの製造例1]
図6は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、ホワイト(W)の4色が桝目模様の着色領域を形成したモザイク状カラーフィルターの製造手順を示すものである。先ず、図6(A)に示す1回目のインクジェット塗工では、支持基材上でx−y方向に並んだ仮想の桝目(縦d1×横d1)において、4つの桝目からなる単位桝目群(2d1×2d1)の右上桝目に対して、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてレッドに着色された第一のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して(UV1)、表面撥インキ性を有したレッドの着色塗膜を形成する。このように1度のインクジェット塗工において、桝目の左右上下方向に対してインキ組成物が隣接しないようにすることで、所定の着色塗膜を正確に形成することができる。この際、目標の桝目を1滴のインキ組成物で埋めるようにしてもよく、2滴以上のインキ組成物で埋めるようにしてもよい。
図6は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、ホワイト(W)の4色が桝目模様の着色領域を形成したモザイク状カラーフィルターの製造手順を示すものである。先ず、図6(A)に示す1回目のインクジェット塗工では、支持基材上でx−y方向に並んだ仮想の桝目(縦d1×横d1)において、4つの桝目からなる単位桝目群(2d1×2d1)の右上桝目に対して、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてレッドに着色された第一のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して(UV1)、表面撥インキ性を有したレッドの着色塗膜を形成する。このように1度のインクジェット塗工において、桝目の左右上下方向に対してインキ組成物が隣接しないようにすることで、所定の着色塗膜を正確に形成することができる。この際、目標の桝目を1滴のインキ組成物で埋めるようにしてもよく、2滴以上のインキ組成物で埋めるようにしてもよい。
次いで、図6(B)に示す2回目のインクジェット塗工では、桝目群の左下桝目に対して、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含むと共に着色剤が配合されてグリーンに着色された第一のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して(UV2)、表面撥インキ性を有したグリーンの着色塗膜を形成する。
そして、図6(C)に示す3回目のインクジェット塗工では、単位桝目群の左上桝目に対して、着色剤が配合されてブルーに着色されたインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して(UV3)、ブルーの着色塗膜を形成する。この際、先に得たレッドの着色塗膜とグリーンの着色塗膜とによって囲まれるように形成された桝目隙間領域では、その上下左右に隣接する4つの桝目が表面撥インキ性を有した第一の着色塗膜で囲まれ、これらの着色塗膜がいわば隔壁(又はマトリックス)のような役割をすることから、これらの着色塗膜に対するブルーのインキ組成物の静的接触角θkが35°以上、好ましくは40°以上であれば、ノズルから吐出されたブルーのインキ組成物はこれらを超えていくことはない。
同様に、図6(D)に示す4回目のインクジェット塗工では、単位桝目群の右下桝目に対して吐出する着色顔料を含有しない透明樹脂含有インキ組成物(ホワイト)は、先に得たレッドの着色塗膜とグリーンの着色塗膜とによって囲まれるように形成された桝目隙間領域では、その周りを取り囲む第一の着色塗膜が隔壁(又はマトリックス)のような役割を果たすことから、これらの着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上、好ましくは40°以上であれば、ノズルから吐出されたホワイトのインキ組成物はこれらを超えていくことはない。すなわち、3回目及び4回目のインクジェット塗工に用いるインキ組成物は、撥インキ成分を必ずしも必要としない第二のインキ組成物を用いることができる。勿論、この第二のインキ組成物が撥インキ成分を含んでいてもよい。ホワイトのインキ組成物を塗布した後、紫外線を照射して着色塗膜を形成することで、桝目模様に4色の着色領域を備えたモザイク状カラーフィルターを得ることができる。なお、例えばホワイトの着色塗膜のかわりに無着色領域を設けてこれを透明画素領域として利用することは、電子ペーパー用途では可能である。また、図7及び図8に示すように、第一のインキ組成物をインクジェット塗工する際における着色数ならびにヘッド数は、複数色であってもよく、複数ヘッドを用いるようにしてもよい。つまり、同一インクジェット塗工回において、x方向又はy方向に並んだ桝目にインキ組成物が塗布されて互いに辺で画素が接触しないように塗工条件を調整すればよい。例えば、3色を塗工する場合、1回目の塗工時にそれぞれの色のヘッドより、互いにx方向又はy方向に接触しないように塗り分け、第2回目に3色を使って隙間を埋めていく方法などを具体的に挙げることができる。
紫外線照射の条件や、各インキ組成物を紫外線硬化する前に必要に応じて加熱乾燥を行うこと、更には4色の着色塗膜を支持基材上に形成した後に全面の紫外線照射や加熱処理を行うようにしてもよいことは、いずれも先に述べたストライプ状カラーフィルターの製造例の場合と同様である。また、モザイク状カラーフィルターを製造する場合は、第一のインキ組成物は支持基材との接触角θLが3°以上であることが好ましく、3°未満であると濡れ広がり面積を制御することが困難になる。また、上限は45度以下であることが好ましく、これを超えると複数液滴が合体した場合に着色面積が安定しない。更に、第二のインキ組成物の支持基材に対する接触角は、第一のインキ組成物による着色塗膜の間を埋めるので、その接触角に限定されるものではない。より濡れ広がりを重視する場合は、接触角θLは25°以下が好ましい。この接触角θLを確認する方法や、第一の着色塗膜に対する第二のインキ組成物の静的接触角θkを確認する方法を含めて、ストライプ状カラーフィルターの製造例で述べた内容は、このモザイク状カラーフィルターを製造する場合も同様に適用できる。
[モザイク状カラーフィルターの製造例2]
また、図7は、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の3色が桝目模様の着色領域を形成するモザイク状カラーフィルターの製造手順を示すものである。この例では、1回目のインクジェット塗工において、(xn,yn)、(xn+1,yn)、(xn,yn+1)及び(xn+1,yn+1)の4つの桝目からなる単位桝目群aの桝目(xn,yn)と桝目(xn+1,yn+1)の位置関係となる2つの桝目に対して、それぞれレッドに着色された第一のインキ組成物を4滴ずつ吐出し、紫外線硬化(UV1)により表面撥インキ性を誘導してレッドの着色塗膜を形成する。次いで、桝目(xn,yn+1)と桝目(xn+1,yn+2)の位置関係となる2つの桝目に対して、それぞれグリーンに着色された第一のインキ組成物を4滴ずつ吐出し、紫外線硬化(UV2)により表面撥インキ性を誘導してグリーンの着色塗膜を形成する。
また、図7は、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の3色が桝目模様の着色領域を形成するモザイク状カラーフィルターの製造手順を示すものである。この例では、1回目のインクジェット塗工において、(xn,yn)、(xn+1,yn)、(xn,yn+1)及び(xn+1,yn+1)の4つの桝目からなる単位桝目群aの桝目(xn,yn)と桝目(xn+1,yn+1)の位置関係となる2つの桝目に対して、それぞれレッドに着色された第一のインキ組成物を4滴ずつ吐出し、紫外線硬化(UV1)により表面撥インキ性を誘導してレッドの着色塗膜を形成する。次いで、桝目(xn,yn+1)と桝目(xn+1,yn+2)の位置関係となる2つの桝目に対して、それぞれグリーンに着色された第一のインキ組成物を4滴ずつ吐出し、紫外線硬化(UV2)により表面撥インキ性を誘導してグリーンの着色塗膜を形成する。
上記によって、例えば桝目(xn,yn+2)は、上下左右に隣接する4つの桝目がレッドとグリーンに着色された第一の着色塗膜によって囲まれた桝目隙間領域になるため、3回目のインクジェット塗工では、これらレッドとグリーンの着色塗膜に対して静的接触角θkが35°以上、好ましくは40°以上であるブルーに着色された第二のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射して第二の着色塗膜を形成することで、3色の桝目模様を有したモザイク状のカラーフィルターを得ることができる。なお、図7に示されるように、桝目を埋めた4つの着色塗膜の角の部分に無着色領域が残るが、このような無着色領域は電子ペーパー等に適用するカラーフィルターでは特に問題にはならない。また、上述したように、1回目のインクジェット塗工と2回目のインクジェット塗工では、桝目内に形成された着色塗膜が辺部分を接触させており、3回目のインクジェット塗工時には、これらの着色塗膜がいわゆる隔壁の役割を果たすことから、吐出された第二のインキ組成物は、先に形成された着色塗膜の表面撥インキ性により混色は生じず、また、着色塗膜の重なりや未着色の部分を少なくすることができる。以上記載した各色の塗工過程において着色される桝目の位置関係は規定されるが、着色の順番は本記載に限定されるものではない。
[モザイク状カラーフィルターの製造例3]
また、図8は、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の3色が桝目模様の着色領域を形成するモザイク状カラーフィルターの製造手順の別の例を示すものであり、この例では、1回目のインクジェット塗工によって、3色それぞれの第一のインキ組成物を単位桝目群aにおける桝目(xn,yn)と桝目(xn+1,yn+1)の位置関係となるように吐出し、紫外線を照射(UV1)して3色の着色塗膜を形成する。
また、図8は、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の3色が桝目模様の着色領域を形成するモザイク状カラーフィルターの製造手順の別の例を示すものであり、この例では、1回目のインクジェット塗工によって、3色それぞれの第一のインキ組成物を単位桝目群aにおける桝目(xn,yn)と桝目(xn+1,yn+1)の位置関係となるように吐出し、紫外線を照射(UV1)して3色の着色塗膜を形成する。
次いで、2回目のインクジェット塗工では、桝目(xn,yn+1)と桝目(xn+1,yn)のように、1回目のインクジェット塗工で形成された桝目隙間領域に対して3色それぞれの第二のインキ組成物を吐出し、紫外線を照射(UV2)して3色の着色塗膜を形成し、モザイク状カラーフィルターを得るようにする。このように、桝目を埋める着色塗膜の4角を非接触とし、他方、4辺を隣接する着色塗膜と接触させることで、無着色領域の少ないカラーフィルターを形成することが可能である。この場合、1回のインクジェット塗工で複数色・複数ヘッドでの同時塗工も可能であることは前述したとおりである。
以下、実施例等により本発明をより具体的に説明する。なお、以下の説明における「部」は、いずれも質量部を示す。
[着色インクジェットインキ(R1;レッド、G1;グリーン、B1;ブルー、W1:ホワイト)の調製]
表1に示したように、先ず、カラーフィルター用微細顔料を用いて高分子分散剤を共存下、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを溶媒としてビーズミル中で分散を行い、レッド、グリーン、ブルー、及びホワイトの分散液を調製した。この分散液をもとに表1に示す組成で混合し、更に撥液剤成分である含フッ素オリゴマー(ダイキン化学工業製商品名:オプツールDAC)、及び高分子分散剤成分を加えて、混合溶液を1μmマイクロフィルターによって加圧ろ過を行い、各色の着色インクジェットインキ(インキ組成物)を調製した。物性値をあわせて表1に示す。
表1に示したように、先ず、カラーフィルター用微細顔料を用いて高分子分散剤を共存下、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを溶媒としてビーズミル中で分散を行い、レッド、グリーン、ブルー、及びホワイトの分散液を調製した。この分散液をもとに表1に示す組成で混合し、更に撥液剤成分である含フッ素オリゴマー(ダイキン化学工業製商品名:オプツールDAC)、及び高分子分散剤成分を加えて、混合溶液を1μmマイクロフィルターによって加圧ろ過を行い、各色の着色インクジェットインキ(インキ組成物)を調製した。物性値をあわせて表1に示す。
なお、表1における略称の意味は次のとおりである。
「PET30」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬製)
「EGDAC」:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業製)
「KBM-5103」:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製)
「Irgcure907」:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバジャパン製)
「BYK-378」:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系界面活性剤(ビッグへミー社製)
「PR254」:ピグメントレッド254
「PY150」:ピグメントイエロー150
「PG36/PY150=50/50」:ピグメントグリーン36とピグメントイエロー150との共分散
「PB15:6」:ピグメントブルー15:6
「PET30」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬製)
「EGDAC」:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業製)
「KBM-5103」:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製)
「Irgcure907」:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバジャパン製)
「BYK-378」:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系界面活性剤(ビッグへミー社製)
「PR254」:ピグメントレッド254
「PY150」:ピグメントイエロー150
「PG36/PY150=50/50」:ピグメントグリーン36とピグメントイエロー150との共分散
「PB15:6」:ピグメントブルー15:6
また、表1に示す物性値について、インキ粘度は、E型粘度計を用いて23℃にて測定を行った。インキ表面張力は、白金板を用いた浮力法により、CBVP−Z(協和界面科学製)を用いて23℃にて測定した。また、以下で述べる着色画素の表面形状ならびに大きさについては、着弾後ならびに硬化後の形状を光学顕微鏡で測定し、また形状を光学干渉式表面形状測定器WYCO NT 1100(日本ビーコ社製)を用いて測定した。更に、コニカミノルタ製インクジェットヘッド(KM512M、14pl仕様)を用いて、駆動周波数4.8kHz、表2に示す印加電圧にて、ヘッド温度23℃にて上記で得られた各着色インキR1、B1、G1、及びW1の10分間連続吐出試験を行ったところ、ノズル詰まりは全く無く、良好な吐出特性を示すことを確認した。
また、実際のインクジェット塗工時の接触角は、その液滴が非常に小さく、接触角計で直接接触角を測定するのは困難を伴うため、事前に着弾直後の拡がり径と支持基材に対する接触角との関係を規定した。すなわち、支持基材上に拡がった一定体積vの液滴が占める静的接触角θLと拡がり径D1は図14に示すような関係を有し、例えば14pl液滴であれば、静的接触角3〜25°に対して拡がり径は140μm〜65μmの範囲となる。以下、インクジェット塗工時の液滴体積を測定し、このグラフで得られた関係式から、拡がり径D1を光学顕微鏡で測定し、支持基材に対するインキ組成物の静的接触角θLに換えて実施例に記載した。
[実施例1]
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて、前述の着色インクジェットインキG1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基材である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて紫外線を1500mJ(I線基準)照射し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて、前述の着色インクジェットインキG1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基材である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて紫外線を1500mJ(I線基準)照射し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
更に、打点ピッチを50μmとして同様のインクジェット用PETフィルム上にラインを形成した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて紫外線を1500mJ(I線基準)照射し、更に80℃にて30分間熱処理した。得られたパターンのドット径、ドット高さ、ライン幅、ライン幅を表3に示した。
次に、図9に示すように、ライン間ピッチをライン幅の2倍、即ち132μmに設定し、1ノズルを用いて前述と同様にして打点ピッチ50μmで5ラインを平行してインクジェット用PETフィルム上に描画した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて紫外線を1500mJ(I線基準)照射した。引き続き、得られた5ラインの着色塗膜の隙間に着色インキG1を同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃にて3分間乾燥後、紫外線を1500mJ照射し、更に80℃で30分熱処理を行った。得られた連続した9ラインの境界を顕微鏡観察した。ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、着色塗膜に対する着色インキG1の静的接触角θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJの紫外線照射を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキG1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。また、表2に示したように、インクジェット用PETフィルムに滴下した着色インキG1の1滴あたりの濡れ拡がり径が75.9μmであったことから、図14に示したグラフから、この着色インキG1のインクジェット用PETフィルムに対する静的接触角θLはおよそ20°であると言える。これらに関して表4に示す。
[実施例2]
実施例1と同様にして着色インキG1を用いてインクジェット用PETフィルム上に5本のラインをピッチ132μmで形成し、80℃3分間乾燥後、紫外線露光機にて1500mJを照射した。引き続き、5ライン間に着色インキR1を実施例1と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、80℃にて30分間熱処理を行った。最初に描画したグリーンと2回目に描画したレッドとの境界面を顕微鏡観察したが、着色層間での混色は観察されず、さらにラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。
実施例1と同様にして着色インキG1を用いてインクジェット用PETフィルム上に5本のラインをピッチ132μmで形成し、80℃3分間乾燥後、紫外線露光機にて1500mJを照射した。引き続き、5ライン間に着色インキR1を実施例1と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、80℃にて30分間熱処理を行った。最初に描画したグリーンと2回目に描画したレッドとの境界面を顕微鏡観察したが、着色層間での混色は観察されず、さらにラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。
[実施例3]
実施例1と同様にして着色インキG1を用いて5本のラインをピッチ132μmで形成し、80℃で3分間乾燥した後、1500mJの紫外線露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキB1を実施例1と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例1と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したグリーンと2回目に描画したブルーとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。
実施例1と同様にして着色インキG1を用いて5本のラインをピッチ132μmで形成し、80℃で3分間乾燥した後、1500mJの紫外線露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキB1を実施例1と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例1と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したグリーンと2回目に描画したブルーとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。
[実施例4]
実施例1と同様にして着色インキG1を用いて5本のラインをピッチ132μmで形成し、80℃で3分間乾燥した後、1500mJの紫外線露光を行った。引き続き、5ライン間にホワイトインキW1を実施例1と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例1と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したグリーンと2回目に描画したホワイトとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。
実施例1と同様にして着色インキG1を用いて5本のラインをピッチ132μmで形成し、80℃で3分間乾燥した後、1500mJの紫外線露光を行った。引き続き、5ライン間にホワイトインキW1を実施例1と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例1と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したグリーンと2回目に描画したホワイトとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキG1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、45°を示すことを確認した。
[実施例5]
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述の着色インクジェットインキB1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基板である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述の着色インクジェットインキB1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基板である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
また、打点ピッチを50μmでインクジェット用PETフィルム上にラインを形成した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光、さらに80℃にて30分間熱処理した。得られたパターンのライン幅、ライン幅を表3に示した。
次に、図9に示すように、ライン間ピッチをライン幅の2倍、即ち133μmに設定し、1ノズルを用いて前述と同様にして打点ピッチ50μmで5ラインを平行してインクジェット用PETフィルム上に描画した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光を行った。
引き続き、5ライン間に着色インキB1を同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃にて3分間乾燥後、1500mJ露光、更に80℃で30分熱処理を行った。得られた連続した9ラインの境界を顕微鏡観察した。ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、透明塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例6]
実施例5と同様にして着色インキB1を用いてインクジェット用PETフィルム上に5本のラインをピッチ133μmで形成し、80℃3分間乾燥後、紫外線露光機にて1500mJを照射した。引き続き、5ライン間に着色インキG1を実施例5と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、80℃にて30分間熱処理を行った。最初に描画したブルーと2回目に描画したグリーンとの境界面を顕微鏡観察したが、着色層間での混色は観察されず、さらにラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキG1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
実施例5と同様にして着色インキB1を用いてインクジェット用PETフィルム上に5本のラインをピッチ133μmで形成し、80℃3分間乾燥後、紫外線露光機にて1500mJを照射した。引き続き、5ライン間に着色インキG1を実施例5と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、80℃にて30分間熱処理を行った。最初に描画したブルーと2回目に描画したグリーンとの境界面を顕微鏡観察したが、着色層間での混色は観察されず、さらにラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキG1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例7]
実施例5と同様に、着色インキB1を用い5本のラインをピッチ133μmで形成し、80℃3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキR1を実施例5と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例5と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したブルーと2回目に描画したレッドとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
実施例5と同様に、着色インキB1を用い5本のラインをピッチ133μmで形成し、80℃3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキR1を実施例5と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例5と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したブルーと2回目に描画したレッドとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例8]
実施例5と同様に、着色インキB1を用い5本のラインをピッチ133μmで形成し、80℃3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間にホワイトインキW1を実施例5と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例5と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したブルーと2回目に描画したホワイトとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
実施例5と同様に、着色インキB1を用い5本のラインをピッチ133μmで形成し、80℃3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間にホワイトインキW1を実施例5と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例5と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したブルーと2回目に描画したホワイトとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキB1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例9]
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述の着色インクジェットインキR1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基板である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述の着色インクジェットインキR1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基板である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
また、打点ピッチを50μmとして同様のインクジェット用PETフィルム上にラインを形成した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光、さらに80℃にて30分間熱処理した。得られたパターンのライン幅、ライン幅を表3に示した。
次に、図9に示すように、ライン間ピッチをライン幅の2倍、即ち134μmに設定し、1ノズルを用いて前述と同様にして打点ピッチ50μmで5ラインを平行してインクジェット用PETフィルム上に描画した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキR1を同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃にて3分間乾燥後、1500mJ露光、更に80℃で30分熱処理を行った。得られた連続した9ラインの境界を顕微鏡観察した。ラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキR1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例10]
実施例9と同様にして着色インキR1を用いてインクジェット用PETフィルム上に5本のラインをピッチ134μmで形成し、80℃で3分間乾燥後、紫外線露光機にて1500mJを照射した。引き続き、5ライン間に着色インキG1を実施例9と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、80℃にて30分間熱処理を行った。最初に描画したレッドと2回目に描画したグリーンとの境界面を顕微鏡観察したが、着色層間での混色は観察されず、さらにラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキG1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
実施例9と同様にして着色インキR1を用いてインクジェット用PETフィルム上に5本のラインをピッチ134μmで形成し、80℃で3分間乾燥後、紫外線露光機にて1500mJを照射した。引き続き、5ライン間に着色インキG1を実施例9と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、80℃にて30分間熱処理を行った。最初に描画したレッドと2回目に描画したグリーンとの境界面を顕微鏡観察したが、着色層間での混色は観察されず、さらにラインは互いに接しているが、互いの重なりは5μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキG1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例11]
実施例9と同様にして着色インキR1を用いて5本のラインをピッチ134μmで形成し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキB1を実施例9と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例9と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したレッドと2回目に描画したブルーとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
実施例9と同様にして着色インキR1を用いて5本のラインをピッチ134μmで形成し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間に着色インキB1を実施例9と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例9と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したレッドと2回目に描画したブルーとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例12]
実施例9と同様にして着色インキR1を用いて5本のラインをピッチ134μmで形成し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間にホワイトインキW1を実施例9と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例9と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したレッドと2回目に描画したホワイトとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
実施例9と同様にして着色インキR1を用いて5本のラインをピッチ134μmで形成し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光を行った。引き続き、5ライン間にホワイトインキW1を実施例9と同様にして打点ピッチ50μmで描画し、実施例9と同様にして、乾燥、露光、熱処理を行った。最初に描画したレッドと2回目に描画したホワイトとの境界面を顕微鏡観察したが、ラインは互いに接しているが、互いの重なりは1μm未満であった。なお、θk(図1参照)測定を目的に、5インチガラス基板上にインキR1をスピンコートし、一括露光機(照度50mJ/cm2)でもって1500mJ露光を行い、着色塗膜基板を作成した。この基板上にインキB1を0.5μl滴下して静的接触角を測定した(23℃)ところ、50°を示すことを確認した。
[実施例13]
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述のホワイトインクジェットインキW1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基板である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述のホワイトインクジェットインキW1を充填し、1ノズルを用いて、透明支持基板である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に200μm打点ピッチでもって孤立のドットを描画し、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光し、更に80℃にて30分間熱処理を行った。そのとき得られたドット径、高さを表2(5ドット形成の平均値)に示した。
また、打点ピッチを50μmとして同様のインクジェット用PETフィルム上にラインを形成した。更に描画後、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥を行い、紫外線露光機にて1500mJ(I線基準)露光、さらに80℃にて30分間熱処理した。得られたパターンのライン幅、ライン幅を表3に示した。
[比較例1〜3]
前述の実施例で用いたR1、B1、G1インキにおいて、撥液剤成分を除いた以外は同様にして着色インキR1`、G1`、B1`を調製した。このうち、着色インキG1`を用いて、実施例1と同様にして5ラインを133μmピッチで形成し、更にライン間に着色インキG1`を(比較例1)、またはB1`(比較例2)、あるいはR1`(比較例3)を描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、更に80℃30分間熱処理を行った。比較例1では、最初に描画したグリーンと2回目に描画した着色層との境界面を顕微鏡観察した。互いの重なりが観察され、その重なりは5μmを超えていた。比較例2及び3についても同様であった(表4)。
前述の実施例で用いたR1、B1、G1インキにおいて、撥液剤成分を除いた以外は同様にして着色インキR1`、G1`、B1`を調製した。このうち、着色インキG1`を用いて、実施例1と同様にして5ラインを133μmピッチで形成し、更にライン間に着色インキG1`を(比較例1)、またはB1`(比較例2)、あるいはR1`(比較例3)を描画し、80℃で3分間乾燥後、1500mJ露光し、更に80℃30分間熱処理を行った。比較例1では、最初に描画したグリーンと2回目に描画した着色層との境界面を顕微鏡観察した。互いの重なりが観察され、その重なりは5μmを超えていた。比較例2及び3についても同様であった(表4)。
[実施例14]
(3ライン合体条件1〜4の検討)
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述の着色インクジェットインキG1を充填し、透明支持基材である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に3ノズルからの液滴吐出を用いてライン幅W1(μm)のラインを以下のように形成した(図10)。即ち、ヘッドを走行方向に対してチルトさせて、2ノズルからインキを吐出してラインが形成された場合のライン間ピッチLPを90μmに調整し、各々のラインの打点ピッチP1=50μmでもって、独立した2ラインを形成した(ラインi及びラインii)。続いてを2つのライン間に、ライン間の中間位置LP/2=45μmに1ノズルを用いて打点ピッチP1=50μmでもって描画を行って(ラインiii)、合体したラインを形成した。描画後、80℃にて3分乾燥後、1500mJで紫外線硬化を行った(3ライン合体条件1)。その形状を顕微鏡観察したところ、1本の直線性良好なラインが形成され、そのライン幅W1は153μm、高さは2.2μmであった(表5)。
(3ライン合体条件1〜4の検討)
コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mを用いて前述の着色インクジェットインキG1を充填し、透明支持基材である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に3ノズルからの液滴吐出を用いてライン幅W1(μm)のラインを以下のように形成した(図10)。即ち、ヘッドを走行方向に対してチルトさせて、2ノズルからインキを吐出してラインが形成された場合のライン間ピッチLPを90μmに調整し、各々のラインの打点ピッチP1=50μmでもって、独立した2ラインを形成した(ラインi及びラインii)。続いてを2つのライン間に、ライン間の中間位置LP/2=45μmに1ノズルを用いて打点ピッチP1=50μmでもって描画を行って(ラインiii)、合体したラインを形成した。描画後、80℃にて3分乾燥後、1500mJで紫外線硬化を行った(3ライン合体条件1)。その形状を顕微鏡観察したところ、1本の直線性良好なラインが形成され、そのライン幅W1は153μm、高さは2.2μmであった(表5)。
(3ライン合体条件2)
3ライン合体条件1において最初に形成するラインi及びラインiiの2ライン間ピッチLPを100μmとし、これらのライン間の中間にLP/2=50μmとしてラインiiiを形成して合体ラインを形成するようにした以外は3ライン合体条件1と同様にして、直線性の良いラインを形成した。得られた合体ラインの線幅W1は163μmであり、高さは1.8μmであった(表5)。
3ライン合体条件1において最初に形成するラインi及びラインiiの2ライン間ピッチLPを100μmとし、これらのライン間の中間にLP/2=50μmとしてラインiiiを形成して合体ラインを形成するようにした以外は3ライン合体条件1と同様にして、直線性の良いラインを形成した。得られた合体ラインの線幅W1は163μmであり、高さは1.8μmであった(表5)。
(3ライン合体条件3、4)
3ライン合体条件1と同様にして3ノズルからの液滴吐出で合体ラインを形成することを、着色インキR1(3ライン合体条件3)及び着色インキB1(3ライン合体条件4)を用いて同様な条件で行った。その形状を顕微鏡観察したところ、1本の直線性良好なラインが形成されており、その線幅W1は各々154μm、153μm、高さは各々2.2μm、2.3μmであった(表5)。
3ライン合体条件1と同様にして3ノズルからの液滴吐出で合体ラインを形成することを、着色インキR1(3ライン合体条件3)及び着色インキB1(3ライン合体条件4)を用いて同様な条件で行った。その形状を顕微鏡観察したところ、1本の直線性良好なラインが形成されており、その線幅W1は各々154μm、153μm、高さは各々2.2μm、2.3μmであった(表5)。
(3色ストライプ同時印刷/6Wav3ピッチ例)
図4に示すようなライン幅Wav3=153μm、3色画素ピッチ3Wav3=459μmとして、長さ90.6mmのストライプを作製して、有効着色面積90.6mm×122.4mmのストライプ状カラーフィルターを、[ストライプ状カラーフィルターの製造例2]に基づき以下のようにして東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に作成した。その際、図4中の各1ラインは、それぞれ3ライン合体条件1、3及び4に示したようにしてKM512Mヘッドの3ノズルからのインキ吐出による合体ラインから形成した。
図4に示すようなライン幅Wav3=153μm、3色画素ピッチ3Wav3=459μmとして、長さ90.6mmのストライプを作製して、有効着色面積90.6mm×122.4mmのストライプ状カラーフィルターを、[ストライプ状カラーフィルターの製造例2]に基づき以下のようにして東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に作成した。その際、図4中の各1ラインは、それぞれ3ライン合体条件1、3及び4に示したようにしてKM512Mヘッドの3ノズルからのインキ吐出による合体ラインから形成した。
先ず、3色の着色インキR1、G1及びB1を充填したKM512Mヘッドを準備し、3ライン合体条件1、3及び4で形成される合体ラインについて、同色の合体ラインが6×Wav3のピッチでR、G、Bの順に並ぶようにして同時に吐出し、80℃で3分間乾燥後、1500mJの紫外線露光を行った。引き続き、描画位置を3×Wav3=459μmシフトさせて、上記着色塗膜によって1ライン分ずつ形成された直線隙間領域に対して、それぞれ3ライン合体条件1、3及び4で合体ラインが形成されるように着色インキR1、G1及びB1を吐出し、80℃で3分間乾燥させた後に1500mJの紫外線露光を行い、更に80℃で30分間の熱処理を行った。その結果、それぞれの長さが90.6mmであって同色の着色塗膜がライン平均幅Wav3で並び、幅122.4mmの領域を占める3色ストライプのカラーフィルターが得られた。各色の着色塗膜の線幅は何れも152〜154μmであり、高さは2.2〜2.3μmであった。また、各ストライプは連続して接しており、各ストライプ境界面を観察したところ、互いの重なり並びに未着色部分の幅は5μm未満であった。
[実施例15]
(4色ストライプ同時印刷/4Wav4ピッチ例)
図5に示したように、[ストライプ状カラーフィルターの製造例3]に基づき3色ストライプに加えて着色インキ(無色インキ)W1を加えた4色ストライプのカラーフィルターを、以下のようにして東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に着色領域;長さ90.6mm×幅122.4mm(対角6インチ)で作成した。その際、図5中の各1ラインは、3ライン合体条件1、3及び4で示したようにKM512Mヘッドの3ノズルからのインキ吐出によって形成した。
(4色ストライプ同時印刷/4Wav4ピッチ例)
図5に示したように、[ストライプ状カラーフィルターの製造例3]に基づき3色ストライプに加えて着色インキ(無色インキ)W1を加えた4色ストライプのカラーフィルターを、以下のようにして東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に着色領域;長さ90.6mm×幅122.4mm(対角6インチ)で作成した。その際、図5中の各1ラインは、3ライン合体条件1、3及び4で示したようにKM512Mヘッドの3ノズルからのインキ吐出によって形成した。
先ず、着色インキR1及びB1をKM512Mのそれぞれのヘッドに充填し、着色インキR1は3ライン合体条件4に従い4×Wav4=612μmピッチで直線合体ラインを描画し、同時に、着色インキB1は着色インキR1からなる合体ラインから306μmシフトさせて、3ライン合体条件3に従い4×Wav4=612μmピッチで直線合体ラインを描画し、80℃で3分間乾燥させた後、1500mJの紫外線露光を行った。引き続き、着色インキG1と無色インキW1を各々のヘッドに充填して、先に印刷したレッドとブルーのライン間に図5に示すようにピッチ4×Wav4=612μmで描画した。描画後、80℃にて3分間乾燥させて、1500mJの紫外線露光を行い、更に80℃にて30分間熱処理を行った。その結果、各着色塗膜を153μmピッチで有した4色ストライプのカラーフィルターが得られた。各着色塗膜の線幅は何れも151〜153μmであり、高さは2.2〜2.3μmであった。また、各ストライプ境界面を観察したところ、互いの重なり並びに未塗工部分の幅は5μm未満であった。図11はこの実施例15で得られたストライプ状カラーフィルターの写真である。
[参考例16]
(12打点ドット条件の検討、3回塗り3色カラーフィルターの形成)
図6に示したような[モザイク状カラーフィルターの製造例1]に基づき、3色ならびに無色のモザイク状カラーフィルター(4色目は無色なので着色塗膜を形成しない)を作製した。先ず、コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mに前述の着色インクジェットインキG1を充填し、透明支持基材である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に液滴を吐出して、図12に示したように、1桝目を埋める着色塗膜(以下、これを「1画素」と言う)のサイズを165μm×165μmとし、この1画素のピッチをx−y方向に330μm×330μmとなるように設定して、y方向に150個、x方向に200個描画した。この1画素を形成するにあたって、先ず、1画素内のI列目において1ノズルよりY方向に向かって打点ピッチP1=52μmで3打点を形成し、更にY方向に165μm空けて同様な3打点をP1=52μmで形成し、これを150個繰り返すことでY方向に描画した。引き続き、X方向にPL=108μmずらして、1画素内のI列目と平行なIV列に対してI列目と同様にしてY方向に描画した。次に、1画素内のI列目、IV列目の間にPL/3=36μmとしてII列目をI列目と同様にして形成し、更にPL/3=36μmずらしてIII列目を同様に描画した。このようにして1画素内のI列目、II列目、III列目、及びIV列目で形成された、即ち12打点で形成された1画素は、一つの連続した着色塗膜を形成しており、画素サイズはx方向もy方向も163〜166μmと一様であった。同様にして、この1画素をx方向に330μmピッチでもって200列形成した。このようにグリーンパターンを形成した後、80℃にて3分間乾燥後、1500mJの紫外線露光を行った。なお、図12において1画素を形成する12打点に付した丸付き数値は、打点の順番を表すものである。また、ここまでの操作は、図6(A)に示した1回目の塗工とUV1の紫外線照射に相当する。
(12打点ドット条件の検討、3回塗り3色カラーフィルターの形成)
図6に示したような[モザイク状カラーフィルターの製造例1]に基づき、3色ならびに無色のモザイク状カラーフィルター(4色目は無色なので着色塗膜を形成しない)を作製した。先ず、コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mに前述の着色インクジェットインキG1を充填し、透明支持基材である東洋紡績製インクジェット用PETフィルム(型番GT701♯130)上に液滴を吐出して、図12に示したように、1桝目を埋める着色塗膜(以下、これを「1画素」と言う)のサイズを165μm×165μmとし、この1画素のピッチをx−y方向に330μm×330μmとなるように設定して、y方向に150個、x方向に200個描画した。この1画素を形成するにあたって、先ず、1画素内のI列目において1ノズルよりY方向に向かって打点ピッチP1=52μmで3打点を形成し、更にY方向に165μm空けて同様な3打点をP1=52μmで形成し、これを150個繰り返すことでY方向に描画した。引き続き、X方向にPL=108μmずらして、1画素内のI列目と平行なIV列に対してI列目と同様にしてY方向に描画した。次に、1画素内のI列目、IV列目の間にPL/3=36μmとしてII列目をI列目と同様にして形成し、更にPL/3=36μmずらしてIII列目を同様に描画した。このようにして1画素内のI列目、II列目、III列目、及びIV列目で形成された、即ち12打点で形成された1画素は、一つの連続した着色塗膜を形成しており、画素サイズはx方向もy方向も163〜166μmと一様であった。同様にして、この1画素をx方向に330μmピッチでもって200列形成した。このようにグリーンパターンを形成した後、80℃にて3分間乾燥後、1500mJの紫外線露光を行った。なお、図12において1画素を形成する12打点に付した丸付き数値は、打点の順番を表すものである。また、ここまでの操作は、図6(A)に示した1回目の塗工とUV1の紫外線照射に相当する。
続いて、コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512Mに前述の着色インクジェットインキR1を充填し、図6(B)で説明したように前述のグリーンの着色塗膜からなる1画素の斜め下の桝目に対して、グリーンの1画素の場合と同様にレッドの着色塗膜からなる1画素を描画した。すなわち、グリーンの場合と同様にして、1画素をx−y方向に330μm×330μmピッチで150個×200列描画した後、80℃にて3分間乾燥させて、1500mJの紫外線露光を行った。これによりグリーンの着色塗膜からなる1画素とレッドの着色塗膜からなる1画素とが桝目の対角線上では重なりなく形成できた。ここまでの操作は、図6(B)に示した2回目の塗工とUV2の紫外線照射に相当する。
次いで、グリーンの着色塗膜とレッドの着色塗膜とから形成された桝目隙間領域に対して、図6(C)に示したように、3回目の塗工として3色目の着色インキB1を用いてG1及びR1の場合と同様にして描画を行い、80℃で3分間乾燥させた後、1500mJの紫外線露光(UV3)を行った。最後に、80℃にて30分熱処理を行って3色のモザイク配置のカラーフィルター(無着色領域を利用すると4色)を形成した。各色ともに1画素の幅はいずれも164〜165μmであり、高さは2.9〜3.2μmであった。また、各画素の境界面を観察したところ、互いの未塗工部分の幅は15μm未満であり、また、互いに重なり合うオーバーラップの部分は5μm幅未満であった。図13はこの参考例16で得られたモザイク状カラーフィルターの写真である。
[比較参考例4]
(3回のフォトリソ法による3色モザイクフィルターの作製)
参考例16で作製したモザイク状カラーフィルターを3回のフォトリソグラフィー法を用いて6インチガラス上に作製した。フォトマスクは、各色用に164μm×164μmのクロム蒸着膜の付かない窓が開いた石英マスクを用いた。用いたインキは新日鐵化学株式会社製エスグリーン、エスブルー、エスレッドである。
(3回のフォトリソ法による3色モザイクフィルターの作製)
参考例16で作製したモザイク状カラーフィルターを3回のフォトリソグラフィー法を用いて6インチガラス上に作製した。フォトマスクは、各色用に164μm×164μmのクロム蒸着膜の付かない窓が開いた石英マスクを用いた。用いたインキは新日鐵化学株式会社製エスグリーン、エスブルー、エスレッドである。
まず、6インチガラス上にエスレッドをスピンコートにより塗布し、80℃で乾燥させた後、高照度露光機(照度50mJ/cm2)を用いて、前述フォトマスクを通して100mJ露光を行った。引き続き、0.05%KOH現像液中23℃にて60分現像して、モザイクパターンを形成し、230℃にて30分間熱処理を行った。そのとき作製された画素は、順テーパ形状であり、166μm×166μmの面積を有し、膜厚は1.5μmであった。
引き続き、前述のレッド画素の載った基板にエスグリーンをスピンコートにより塗布し、80℃で乾燥させた後、高照度露光機ステージ上、アライメントを行い、同様な条件で、露光、現像、熱処理を行った。更に、エスブルーを塗布して3色の画素(一画素部分は無着色)のカラーフィルターを作製した。
得られたカラーフィルターを顕微鏡で観察したところ、各色間でのアライメントのズレでもって無着色の隙間が生じていたり、また、重なり部分が5μmを超えるところが観察された。即ち、フォトリソグラフ法では2色目以降のインキは、前の画素の上に重ねて塗工されるため、その後の露光精度でもって、重なりや隙間が生じやすいのに対し、参考例16に示したようなインクジェット法では、第2のインキを隙間部分に広げるので、第一のインキ組成物の硬化物の撥液性によって、画素同士は接触するが、重なりの少ないカラーフィルターを作製可能であることを確認した。
Claims (7)
- 第一及び第二のインキ組成物を用いて、支持基材上に縞模様を有する複数の着色領域を備えたカラーフィルターを製造する方法であって、
前記第一のインキ組成物が、撥インキ成分及び紫外線硬化成分を含み、第一のインキ組成物の接触角θLが3°〜25°となるように表面処理された支持基材に対して、インクジェット法により第一のインキ組成物の1滴が支持基材へ着弾した後の液滴拡がり径D1に対する液滴着弾間のピッチp1がp1<D1となるように吐出し、紫外線を照射して硬化させることで、支持基材上に直線状に並んだ第一の着色塗膜によって形成された直線隙間領域を設け、次いで、
該直線隙間領域に対して、少なくとも前記第一の着色塗膜に対する静的接触角θkが35°以上であると共に紫外線硬化成分を含んだ第二のインキ組成物を、第一の着色塗膜に隣接するようにしてインクジェット法により吐出し、紫外線を照射して硬化させて第二の着色塗膜を形成することで、隔壁及びマトリックスを介さずに、着色塗膜からなる縞模様を有する複数の着色領域を支持基材上に形成することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。 - 第一の着色塗膜からなる隙間領域を形成するにあたり、第一のインキ組成物を吐出し、硬化させた後、得られた第一の着色塗膜に隣接させて第一のインキ組成物を吐出し、硬化させるようにして、第一の着色塗膜の形成を複数のサイクルに分けて行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 支持基材を載置するステージを備えたインクジェット装置を用いて、インキ組成物の吐出と紫外線照射とを同一ステージ上で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 電子ペーパー等の反射型表示装置に用いられるカラーフィルターであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって得られて、隔壁及びマトリックスを有さずに、インクジェット法により形成されたカラーフィルター。
- 反射型表示装置に用いられる請求項5に記載のカラーフィルター。
- 請求項5又は6に記載のカラーフィルターを備えた反射型表示装置。
Priority Applications (1)
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