JP4742648B2 - カラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法、カラーフィルターの製造方法、並びに液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このようなカラーフィルターにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
インクジェット方式でインクを正確なパターンに合わせて吹き付けて画素を形成するためには、吐出ヘッドから吐出する際の直進性、安定性が求められる。しかし、インクの蒸発速度が早すぎると、吐出ヘッドのノズル先端でインクの粘度が急激に増加してインク滴の飛行曲がりが発生したり、時間を空けて間歇的に吐出すると目詰まりを起こして再吐出できなくなったりする。
さらに、ヘッド13のオリフィス表面13aにインクが塗れ広がっていると、図4に示すように正面方向Vxに吐出されたインク滴14が、インクの塗れ広がった方向Vyに引張られ、飛行曲がりが発生する。従って、オリフィス表面でのインクの塗れ広がりによって、吐出の直進性はさらに悪くなる。
カラーフィルターの着色剤としては顔料を用いることが多いが、カラーフィルター用インクの顔料分散性が悪いと、顔料粒子同士の凝集により吐出ヘッドのノズル部で目詰まりを起こす。従って、着色剤として顔料を用いる場合には、顔料分散性もインクの吐出性能に影響を与える。
しかし、これらの公報に開示されたインクを基板上に吐出した後は、インク層を乾燥させる過程において、乾燥し難い湿潤剤や高沸点溶剤が最後まで残り、完全に乾燥させることが困難となる。
例えば、インクジェット方式を用いたカラーフィルターの製造に用いられる基板上に形成されるブラックマトリックス等の隔壁も、撥水性材料を含むもの、プラズマ処理されたもの等と多様化してきている。このような中、着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付けて画素を形成する場合において、着弾したインク滴がブラックマトリックスのきわ部分に濡れ広がらない場合がある。このようにインク層を形成すべき領域全体の隅々にまでインクが濡れ広がらない場合には、カラーフィルターとした後に画素部分に色抜けが生じたり、色全体として薄くなったり、輝度低下等の問題となる。領域の隅にインクを付着させるために、領域の端の方にインクを着弾させる方法も考えられるが、ブラックマトリックスの間隙からインクが流出する恐れがあり、インク自体によってブラックマトリックスのきわ部分にまで濡れ広がらせる方法が望まれる。
また、本発明の第二の目的は、色抜けなく均一性の高い画素部を備え、高輝度なカラーフィルターを得ることが可能なカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記目的を達成するカラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、前記溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して85重量%以上の割合で含有することにより、適度な乾燥性及び蒸発性を有するため、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性に優れ、更に効率よく乾燥させることができ、更に、インクジェットインク中に炭素数9〜14のアルカン系溶剤がインク全量に対して0.1〜10重量%含まれることにより、上記効果を阻害することなくインクの粘度及び表面張力を適切に低下することが可能で、インク自体の濡れ広がり性が向上する結果、着弾したインク滴がインク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなり、且つヘッドから吐出した時の直進性、安定性に優れ、更に効率よく乾燥させることができる。その結果、多様化している基板に対しても、ブラックマトリックスのきわ部分にまで着弾したインクが濡れ広がることが可能になり、画素の色抜けや輝度低下を防止できる。
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、より性能の良いカラーフィルターを用いることから、高品質な液晶表示装置とすることができる。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して85重量%以上の割合で含有し、更にアルカン系溶剤を含有することを特徴とする。
(バインダー成分)
バインダー成分としては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー成分を用いてもよい。しかしながら、塗工膜に十分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット方式により基板上にインク層(塗工膜)のパターンを形成後、当該インク層を重合反応により硬化させることのできるバインダー成分を用いるのが好ましく、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性のバインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー成分のような、重合硬化可能なバインダー成分を用いることができる。
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むバインダー成分においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、比較的分子量の高い重合体を主体とし、必要に応じて、光重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマーやオリゴマー、光重合性官能基を1つ有する単官能のモノマーやオリゴマー、光により活性化する光重合開始剤、及び、増感剤などを配合して、光硬化性バインダー成分を構成する。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
比較的分子量の高い重合体は、インクの固形分全量に対して、通常、1〜50重量%の割合で配合する。ここで、配合割合を特定するためのインクの固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマー等も固形分に含まれる。
塗工膜のネットワーク構造を形成する多官能重合性成分としては、2官能以上のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。光硬化性樹脂に十分な膜強度や密着性を付与するために、通常は4官能以上のモノマーやオリゴマーが用いられている。
ここで、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の20重量%に満たない場合には、インクがモノマーによって十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがある。
4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。
ここで、4官能以上の多官能成分の配合割合が前記2乃至3官能性モノマー100重量部に対して1重量部に満たない場合には、インクを硬化させた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られないおそれがある。また、4官能以上の多官能成分の前記配合割合が50重量部を超える場合には、インクの硬化速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれがある。
単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させるために、比較的分子量の低い化合物とを併用することが好ましい。
式(4)において、R3として好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
本発明に用いられる熱硬化性バインダー成分には、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物であって、上記バインダー性エポキシ化合物よりも分子量が小さいもの(以下、「多官能エポキシ化合物」ということがある。)を添加するのが好ましい。多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、これと組み合わせるバインダー性エポキシ化合物よりも小さいことを条件に、4,000以下が好ましく、3,000以下が特に好ましい。
これらの多官能エポキシ化合物の中でも、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、及び、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明において熱硬化性バインダー成分には、硬化樹脂層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[R3NR']+X-、スルホニウム化合物[R3SR']+X-、オキソニウム化合物[R3OR']+X-等を挙げることができる。なお、ここでR及びR'はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
着色剤としての顔料は、画素(画素部)のR、G、B等やブラックマトリックス層の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
遮光性の高い顔料を含有するインクジェットインクで形成したインク層は、内部にまで光が到達し難いので、本発明のインクジェットインクを用いてブラックマトリックス層のパターンを形成する場合には、後述するバインダーは、光硬化性のバインダーを用いるよりも、熱硬化性バインダーを用いるのが好ましい。ただし、インク層の厚さや露光時間を長くするなど硬化方法を調節することによって、光でも硬化させることが可能である。
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインク中に必要に応じて配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクに用いられる溶剤は、主溶剤として沸点が180℃〜260℃、好ましくは210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)の蒸気圧が0.5mmHg以下、好ましくは0.1mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して85重量%以上、好ましくは90重量%以上の割合で含有し、更にアルカン系溶剤を含有することを特徴とする。また、主溶剤の表面張力は、29mN/m以上であることが好ましい。
更に、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、インクジェットヘッドのノズル先端においては急速に乾燥しないが、適度な乾燥性を有する。従って、基板上に吐出された後は、基板表面になじんで十分にレベリングさせてから、自然乾燥や一般的な加熱方法によって比較的短時間に且つ完全に乾燥させることができる。従って、本発明のインクを用いると、均一性の高いパターンが得られると共に、効率よく乾燥させることができる。
主溶剤は、できるだけ高い配合割合で用いるのが望ましく、具体的には溶剤全量の85重量%以上、好ましくは90重量%以上とするのが望ましい。従って、主溶剤を適切に選択することにより、顔料分散体の調製時に分散溶剤と混合使用するか、或いは、主溶剤をそのまま分散溶剤として使用するのが好ましい。
ここで、アルカン系溶剤とは、飽和炭化水素系溶剤のことであり、直鎖状脂肪族飽和炭化水素、分岐鎖状脂肪族飽和炭化水素、または脂環式飽和炭化水素からなるものである。アルカン系溶剤は、表面張力が低く、反応性が低く、また上述のように主溶剤が溶剤全量の85重量%以上となる範囲内で添加するのであれば顔料分散性を阻害しない。従って、アルカン系溶剤が含まれることにより、上記主溶剤が奏する効果を阻害することなくインクの粘度及び表面張力を適切に低下することが可能で、インク自体の濡れ広がり性が向上するため、着弾したインク滴がインク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなる。その結果、多様化している基板に対しても、ブラックマトリックスのきわ部分にまで着弾したインクが濡れ広がることが可能になり、画素の色抜けや輝度低下を防止できる。本発明に用いられるアルカン系溶剤としては、2種以上混合して用いても良い。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)増感剤:例えば、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエートなど。
b)硬化促進剤(連鎖移動剤):例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなど、
c)高分子化合物からなる光架橋剤又は光増感剤:高分子光架橋・増感剤は、光架橋剤あるいは光増感剤として機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その例としては、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−(メタ)アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの(共)重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
d)分散助剤:例えば、銅フタロシアニン誘導体等の青色顔料誘導体や黄色顔料誘導体等など。
f)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
g)酸化防止剤:例えば、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなど。
h)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
i)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、或いは各種の界面活性剤など。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、各成分を上記溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、そこに顔料を必要に応じて顔料分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、最後にアルカン系溶剤を添加することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。或いは、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤にアルカン系溶剤を添加した混合溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、カラーフィルターにおいて画素やブラックマトリックス等、所定のパターンを有する膜を形成するのに特に好適に用いられる。カラーフィルターとしては、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルターのいずれにも好適に用いることができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにR、G、B又はブラック等の所望の顔料を配合し、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させ、硬化させることによって、画素部や遮光層などの着色硬化層を形成することができる。
また、遮光部2としては、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよい。用いられる樹脂バインダーとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製遮光部のパターニングの方法としては、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
遮光部2を形成したい場合には、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクであって黒色顔料などの遮光性着色剤を配合してなる遮光部形成用インクを調製し、この遮光部形成用インクを、透明基板1の表面の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させてインク層を所定のパターン状に形成し、当該インク層を電離放射線照射などの方法で硬化させ、必要に応じてベークすることによって遮光部を形成できる。
このような濡れ性可変層を基板上に設ける場合には、主溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを用いて調製したインクを用いるのが好ましい。
上記光触媒含有層9のような濡れ性可変層の画素部形成領域の濡れ性を選択的に変化させて親インク性を大きくすると、本発明のインクは、画素部形成領域に容易に付着して均一に広がり、一方、画素部形成領域の周囲領域では強く反撥して排除されるので、画素部形成領域に選択的に且つ均一に付着し、その結果、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。
臨界表面張力をこのように変化させることのできる濡れ性可変層を用いると、インクは、濡れ性を変化させて親インク性を大きくした画素部形成領域等のパターン形成領域において、非常に小さな接触角を示し、一方、パターン形成領域の周囲においては非常に大きな接触角を示し、濡れ性の差を非常に大きくとることができる。
なお、上記a)図示した光触媒含有層9のように光触媒を含有し且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増大するもの、及びb)濡れ性可変層の下側(透明基板側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大するものについては、特開2001−350012号公報の段落番号149〜段落番号174記載のものを好適に用いることができる。
本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する。
本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、上記本発明に係るインクジェットインクを用い、より性能の良いカラーフィルターが得られる上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法を用いた工程を有することから、高品質な液晶表示装置とすることができる。
液晶表示装置におけるその他の製造方法及び構成は、通常用いられる方法及び構成を用いることができるので、ここでは説明を省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:GPC法によるポリスチレン換算の値である。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
サンプル瓶にテフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記の割合に従って前記製造例1に記載のバインダー性エポキシ化合物、多官能エポキシ樹脂等を加え、室温で十分に攪拌溶解し、次いで、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):15重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、油化シェルエポキシ製):3重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.5重量部
・トリメリット酸:3重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):7.5重量部
実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物30重量部、BCA20重量部を充分に混合し、アルカン系溶剤を含まない比較例1のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
更に、実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物30重量部を充分に混合した後、アルカン系溶剤をインク全量に対して20重量%となるように添加し、表3に示されるように溶剤の全量に対してBCAが85重量%以上含まれない比較例3のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
1.インクの粘度
23℃で、回転振動型粘度計(VM-1G、山一電機社製)を用い測定した。
ガラス基板上に光触媒含有の濡れ性可変層を下記のように形成し、濡れ性の異なる基材上でのインクの接触角を測定した。
(1)光触媒含有濡れ性可変層の形成
[濡れ性可変層用組成物]
イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルシランが主成分であるMF−160E(トーケムプロダクツ(株)製)0.4gとテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン製TSL8114)3gと、光触媒である酸化チタン水分散体であるST−K01(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間攪拌した。これをイソプロピルアルコール(純正化学製)により3倍希釈し濡れ性可変層用組成物とした。
[濡れ性可変層作製]
上記組成物を上記遮蔽部パターンが形成されたガラス基板上に遮蔽部を覆うようにスピンコートにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性可変層(0.2μm)を形成した。
[濡れ性変化:露光]
光触媒含有濡れ性可変層に超高圧水銀ランプを用いて、365nmの波長で35.5mW/cm2の照度を300秒間、遮蔽部が形成されている側(表面)から照射し露光することにより、濡れ性を変化させた部位を形成した。濡れ性可変層は、非露光部は撥液性部となり、露光部は親液性部となる。
非露光部の濡れ性を変化させていない撥液性部、及び露光を行った濡れ性を変化させた親液性部の表面自由エネルギーを測定した。JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨海表面張力を固体の表面エネルギーとした。その結果、濡れ性を変化させていない撥液性部は30mN/m、露光を行った濡れ性を変化させた親液性部は100mN/mであった。
(3)インクの接触角測定
非露光である、濡れ性を変化させていない撥液性部及び、露光を行った濡れ性を変化させた親液性部位に3μLインクを滴下し、30秒後のインクの接触角をθ/2法で測定した。測定機器としては、協和界面科学社製のDrop06Masterを用いた。
[吐出安定性の試験]
インクジェットヘッドにインクを充填し当該ヘッドから吐出して、上述と同様に光触媒含有濡れ性可変層を設けて所定のパターン状に露光したガラス製透明基板の画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。さらに、初期吐出を停止してヘッドを30分間静止させた後、同じヘッドから別の画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。このような間歇吐出において、最初に吐出動作を行った時の吐出性(初期吐出性)と、その後に再吐出を行った時の吐出性(間歇吐出安定性)を観察し、下記基準に従って評価した。
○:ヘッドの全部の穴(オリフィス)からインクを吐出することが可能である。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出ない。
[間歇吐出安定性の評価基準]
○:ヘッドの全部の穴からインクを再吐出することが可能である。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出ない。
ブラックマトリックス近傍における濡れ広がり性を簡易的に見る方法として、以下を行なった。
(1)パターニングしたBMの作製
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(NHテクノガラス製NA−35)上にカーボンブラックを含有するDN−83(東京応化(株)製)をスピンコートにより塗布し、80℃3分間乾燥後、10mm×10mmを遮蔽したパターンを有する石英ガラスのマスクをDN−83塗布面上部に100μmのギャップを開けて設置し、マスク上部から超高圧水銀ランプにおいて365nmで35.5mW/cm2の波長を10秒間照射した。現像後、230℃のオーブン中で30分焼成することで、BM膜厚1.2μm、10mm×10mmの開口部を有する遮蔽部パターンを作製した。
(2)光触媒を含む濡れ性変化層の作製
上記「2.インクの基材表面に対する接触角」において用いたのと同じ濡れ性可変層用組成物を、上記遮蔽部パターンが形成されたガラス基板上に、遮蔽部を覆うようにスピンコートにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(0.2μm)を形成した。
光触媒含有濡れ性可変層に超高圧水銀ランプを用いて、365nmの波長で35.5mW/cm2の照度で300秒間、遮蔽部が形成されていない側(裏面)から露光を行い、10mm×10mmの開口部領域のみ濡れ性を変化させた部位を形成した。非露光部(撥液性)位及び、露光部(親液性部)位の41mN/mの濡れ性標準試薬(純正化学製)の接触角を測定したところ、撥液性部おいては、60〜70°であり、親液性部は5°以下であった。
(4)インクの濡れ広がり性の評価
濡れ性を変化させた10mm×10mm(面積100mm2)の親液性部領域中央に各アルカンを添加したインクをマイクロピペット(GILSON社製pipetman−P)で1.5μL滴下し、水平に30秒間放置した後の濡れ広がりを観察した。濡れ広がり面積が親液性部領域100mm2に対して90%以上の場合○、70〜90%の場合△、70%以下のものを×とした。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液を調製した。
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体((溶剤BCA中に固形分30重量%))):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
上記調製したPR254顔料分散液68.85重量部及びPR177顔料分散液6.15重量部、及び、実施例1と同じバインダー組成物20重量部とBCA5重量部を充分に混合した。その後、n−ドデカンを5重量部添加し、表4に示される配合割合の実施例6のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。
実施例6と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PR254顔料分散液68.85重量部及びPR177顔料分散液6.15重量部、及びバインダー組成物20重量部とBCA10重量部を充分に混合し、アルカン系溶剤を含まない表4に示される配合割合の比較例4のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、PG7(C.I.ピグメントグリーン7)顔料分散液、PY138(C.I.ピグメントイエロー138)顔料分散液及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
上記調製したPG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、実施例1と同じバインダー組成物22重量部とBCA3重量部を充分に混合した。その後、n−ドデカンを5重量部添加し、表5に示される配合割合の実施例7のカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。
実施例4と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、バインダー組成物22重量部とBCA8重量部を充分に混合し、アルカン系溶剤を含まない表5に示される配合割合の比較例5のカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された青色画素形成部に、実施例1の青色インクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の緑色画素形成部に、実施例7の緑色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の赤色画素形成部に、実施例6の赤色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
RGB画素パターンを形成した基板を、IPAに5分間浸漬させ、次いでIPA蒸気にて乾燥を行ない洗浄した後、基板設定温度200℃にて、6×10−3Torrの真空下でITO(酸化インジウムスズ)電極を120nmの厚さになるように成膜した。このITO成膜を行った基板を更にIPAに5分間浸漬し、IPAで蒸気洗浄を行った後、ポリイミドをスピンコートし、180℃、60分間の焼成を行って配向膜を形成し、カラーフィルターを得た。
得られたカラーフィルターの色度座標を表6に示す。
青色インクジェットインクとして、比較例1の青色インクジェットインク、緑色インクジェットインクとして、比較例5の緑色インクジェットインク、赤色インクジェットインクとして、比較例4の赤色インクジェットインクを用いた以外は、実施例8と同様にして基板上にRGB3色の画素パターンを形成し、同様にカラーフィルターを製造した。
アルカン系溶剤が含まれないインクを用いた比較例6の画素の色度座標を表7に示す。
また、得られた画素の透過写真を図5に実施例8と併せて示す。図5に示されるように、画素の隅までインクが濡れ広がらず、画素の隅に色抜けが発生してしまった。
2…遮光部
3…撥インキ性凸部
4…画素部形成領域
5…インクジェットヘッド
6…インキ層
7…画素部
8…保護膜
9…光触媒含有層
10…フォトマスク
11…露光部
12…光線
13…オリフィス
14…インク滴
101、102…カラーフィルター
Claims (8)
- 少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して85重量%以上の割合で含有し、更に炭素数9〜14のアルカン系溶剤を、インク全量に対して0.1〜10重量%含有することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記アルカン系溶剤の20℃での表面張力が28mN/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記アルカン系溶剤がN−デカン及びN−ドデカンから選ばれることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記主溶剤が、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 顔料及び顔料分散剤を、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製する工程と、
得られた当該顔料分散体、バインダー成分及びその他の成分を、新たに用意した前記主溶剤及び炭素数9〜14のアルカン系溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記主溶剤に混合後、炭素数9〜14のアルカン系溶剤を添加することにより、溶剤全量に占める前記主溶剤の配合割合が85重量%以上、インク全量に対する炭素数9〜14のアルカン系溶剤の配合割合が0.1〜10重量%になるように調節する工程を有することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインクの製造方法。 - 基板上の所定領域に前記請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、
前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。 - 基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、前記請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成することを特徴とする、請求項6に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記請求項6又は7に記載のカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する、液晶表示装置の製造方法。
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