JP4844450B2 - カラーフィルターの製造方法及びカラーフィルター - Google Patents
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Description
更に詳細には、本発明は、スピンコート法により形成される、十分な色特性を得ることが可能な平均膜厚の画素を有するカラーフィルターと、同等或いは同等に近い色特性及び輝度のカラーフィルターを得ることが可能な、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造方法、及びカラーフィルターに関する。
これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、特許文献1には、基板表面にインクジェット方式でインクを吹き付けて画素を形成する方法が提案されている。
画素の平均膜厚を小さくしたり、画素中の材料の配合比、又は材料を変更したりすることで輝度を向上させることは可能であるが、このような方法では、スピンコート法等により得られる、平坦な画素を有するカラーフィルターと同等或いは同等に近い色特性を有するカラーフィルターを実現することは難しい。
また、本発明は、スピンコート法により形成される、平坦な画素を有するカラーフィルターと、同等或いは同等に近い色特性及び輝度のカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるG画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Gインク層を形成する工程(B)と、前記Gインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるG画素を形成する工程(C)とを含むものである。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるB画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Bインク層を形成する工程(B)と、前記Bインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるB画素を形成する工程(C)とを含むものである。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法の他の実施態様は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素を形成する場合には0.5〜0.9、G画素を形成する場合には0.7〜1.0、B画素を形成する場合には0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インク、G画素形成用インク、及びB画素形成用インクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層、Gインク層、及びBインク層をそれぞれ形成する工程(B)と、前記各インク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素、G画素、及びB画素をそれぞれ形成する工程(C)とを含むものである。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、上記主溶剤を溶剤全量に対して80重量%以上と高い配合割合で含有するため、精細度が要求される画素の位置を正確に、且つ平均膜厚を均一に制御することができ、本発明の画素形状の範囲内にコントロールすることができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、インクジェットインクのP/V比が上記特定の範囲であることにより、インクの吐出性能が良く、インクの決壊防止ができ、得られる膜物性のバランスが良く、膜表面の荒れを防止できる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、インクジェットインクの固形分濃度が上記特定の範囲であることにより、パターニング時に決壊が起こり難い。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、画素の平均膜厚、膜厚分布を上記特定の範囲内とし、かつ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は5%以下とすることによって、画素の形状がインクジェット方式によるやや不均一な形状であっても厚みがほぼ均一なスピンコート法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して輝度の低下が小さく、色特性が同等或いはそれに近い画素を有するカラーフィルターを容易に得ることができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、画素の平均膜厚を2.5μm以下とすることによって、インクジェット方式によってもインクが決壊しにくい。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、画素の膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあることにより、画素の輝度が低下しにくい。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、前記透明基板上に、高さが2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を有するため、上記本発明特有の形状を有する画素を得ることが容易であり、輝度が低下しにくい。
上記カラーフィルターの製造方法によれば、スピンコート法を用いて形成した同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に近い色特性及び輝度を有するカラーフィルターを製造することができる。また、インクジェット方式であるため、生産性が高く、コスト低減や歩留まり向上が実現可能である。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、前記カラーフィルター用インクジェットインクがレベリング剤を含有することが、膜を形成した場合の端部盛り上がりが低減される点から好ましい。前記レベリング剤は、通常、顔料分散工程の後に添加する。
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、G画素とを少なくとも備え、当該G画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、B画素とを少なくとも備え、当該B画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターの他の実施態様は、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、画素とを少なくとも備え、
当該各画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素では0.5〜0.9、G画素では0.7〜1.0、B画素では0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインク、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインク、及びカラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックスによって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターにおいて、画素の平均膜厚、膜厚分布が上記特定の範囲内であり、かつ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であることによって、画素の形状がインクジェット方式によるやや不均一な形状であっても厚みがほぼ均一なスピンコート法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して輝度の低下が小さく、色特性が同等或いはそれに近い画素を有するカラーフィルターとなる。
本発明に係るカラーフィルターにおいて、画素の膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあることにより、画素の輝度が低下しにくい。
また、本発明に係るカラーフィルターは、前記透明基板上に、高さが2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を有するため、上記本発明特有の形状を有する画素を得ることが容易であり、輝度が低下しにくい。
インクジェット方式等、手法上の制約により画素の形状が均一でなくなる傾向の製造方法を用いた場合でも、このようなカラーフィルターはそれと同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に等しい輝度を有する。
また、本発明のカラーフィルターは、前記画素がレベリング剤を含有してもよい。このようなカラーフィルターは、画素の端部盛り上がりが低減される点から好ましい。
また、本発明に係るカラーフィルターは、不均一な形状の画素を有しているにもかかわらず、それと同一の平均膜厚、材料の構成比で平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと同等の又は同等に近い、十分な輝度と色特性を有している。従来、平坦性の高い画素を形成するために画素の製造手法が厳しく制約されていたが、本発明に係るカラーフィルターは製造手法選択の自由度が非常に高い。
以下、本発明に係るカラーフィルターの製造方法における、インクジェットインクを準備する工程(A)について説明する。
本発明に用いるインクジェットインクは、顔料、顔料分散剤、バインダー形成系、溶剤、及び、必要に応じて界面活性剤を含有する。
本発明に用いるインクジェットインクにおける着色剤としては、公知の有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
本発明に用いるインクジェットインクにおいて、顔料は、インクジェットインクの固形分全量に対して、通常は1〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の割合で配合される。
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインクジェットインク中に配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系等の界面活性剤などを使用できる。また、特殊アクリル系重合体などの分散補助樹脂を更に用いても良い。本発明の製造方法には、顔料分散剤中に、ポリエチルイミン誘導体、又はポリアリルアミン誘導体を含有することが、インクジェット方式により付着させて硬化させたインク層の膜厚分布の範囲を狭くしやすい点から好ましい。
ここで、ポリエチルイミン誘導体とは、6−ヒドロキシヘキサン酸と、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸および4−ヒドロキシデカン酸から選択される少なくとも1の他のヒドロキシカルボン酸とから誘導しうる複数の繰り返し単位を各々が含有している複数のポリ(カルボニルアルキレンオキシ)鎖を有していて、6−ヒドロキシヘキサン酸から誘導しうる単位の他のヒドロキシカルボン酸(単数または複数)から誘導しうる単位に対する重量比が90:10〜10:90の範囲内であるポリエチレンイミン基、あるいはそれらの酸との塩を含む分散剤である。
好ましくは、6−ヒドロキシヘキサン酸から誘導しうる単位の、他のヒドロキシカルボン酸(単数または複数)から誘導しうる単位に対する重量比は、20:80から80:20の範囲内であり、特には20:80から50:50の範囲内である。
上記ポリ(カルボニルアルキレンオキシ)鎖(本明細書の以下において「PCAO鎖」と称す)は、上記のヒドロキシカルボン酸(または、適当ならば対応するラクトン類)の重合によって誘導しうるポリエステル鎖であり、上記鎖は、6−ヒドロキシヘキサン酸と上記の他のヒドロキシカルボン酸の少なくとも1とから誘導しうる複数のカルボニルアルキレンオキシ(本明細書中の以下において「CAO」と称す)繰り返し単位を、ブロックまたはランダム配置中に含むコポリエステル鎖である。PCAO鎖は典型的には、平均で、2から100、好ましくは3から40、より好ましくは4から15の上記CAO基を含有しており、鎖終止末端基(chain-stopping terminal group)を、例えば、置換されていてもよいアルキルカルボニル、特には12以上の炭素原子を含有しているアルキルカルボニル基のようなオキシ末端に有していてもよい。
PCAO鎖のPEI基に対する重量比は、典型的には、2:1から30:1、好ましくは3:1から20:1、より好ましくは8:1から20:1、そして特には10:1から15:1の範囲内である。
ポリエチルイミン誘導体は、PEIをPCAO酸(単数または複数)またはその前駆体と反応させることにより調製することができる。
上記顔料分散剤の含有量は、固形分全体に対して5〜50重量%、更に固形分全体に対して10〜30重量%であることが好ましい。
前記顔料分散剤のガラス転移温度(Tg)は、200℃以下、好ましくは150℃以下であることが、カラーフィルターの画素の断面形状におけるBM際の落ち込みを、より抑制できる点から好ましい。なおここでのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によるものである。例えば、熱化学反応熱量計(セイコーインスツル株式会社製)を用いて、温度範囲25〜280℃、昇温速度7.5℃/分の条件下で測定することができる。
本発明に用いるインクジェットインクは、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するために、バインダー形成系を含有する。本発明において、バインダー形成系とはインク中に含まれる、画素を所定の位置に付着させ、固定するために含有させる液状混合物であり、後の硬化プロセスにおいて反応性を有する硬化性化合物の他、それ自体反応性を有さない化合物も含むものである。
熱硬化性バインダー形成系としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に含有させても良い。
通常バインダー形成系成分として用いられる比較的分子量の高い重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。
上記バインダー性エポキシ化合物と、必要に応じて配合される多官能エポキシ化合物の配合割合は、重量比ではバインダー性エポキシ化合物を10〜80重量部と多官能エポキシ化合物を10〜60重量部の割合で配合するのが好ましく、バインダー性エポキシ化合物を20〜60重量部と多官能エポキシ化合物を20〜50重量部の割合で配合するのが更に好ましく、バインダー性エポキシ化合物を30〜40重量部と多官能エポキシ化合物を25〜35重量部の割合で配合するのが特に好ましい。
本発明に用いられる熱硬化性バインダー形成系には、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
本発明に用いられる熱硬化性バインダー形成系には、硬化層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。具体的には、(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[R3NR']+X-、スルホニウム化合物[R3SR']+X-、オキソニウム化合物[R3OR']+X-等を挙げることができる。なお、ここでR及びR’はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
熱潜在性触媒は、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物及び硬化剤の合計100重量部に対して、通常は0.01〜10.0重量部程度の割合で配合する。
i)重合体
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むバインダー形成系においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、比較的分子量の高い重合体を主体とし、必要に応じて、多官能のモノマーやオリゴマー、単官能のモノマーやオリゴマー、光により活性化する光重合開始材、及び、増感剤などを配合して、光硬化性バインダー形成系を構成する。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUVインクジェットインクに配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
本発明において好適に用いられるグラフトポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であり、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がメタクリレート系モノマー単位を含有するメタクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマーである。
スチレン系モノマーと共重合させることができるモノマーとしては、各種の(メタ)アクリレートモノマーや、アクリロニトリル、アミド系モノマー等が挙げられる。
メタクリレート系ポリマー鎖は、メタクリレートを主成分とするポリマー鎖であり、ただ1種類のメタクリレートの単独重合体であってもよいし、2種類以上のメタクリレートの共重合体であってもよいし、メタクリレートと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
メタクリレート系ポリマーは、比較的高いTgを有し、且つ、スチレンとミクロ相分離を起こすことから硬度・分散性の点で優れている。かかる観点から、メタクリレート系ポリマー鎖はメタクリレート系モノマー単位を50重量%以上の割合で含有するのが好ましく、さらに70重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
当該グラフトポリマーのベンジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレートを主成分とするポリマー鎖であり、ベンジルメタクリレートの単独重合体であってもよいし、ベンジルメタクリレートと上述したような他のモノマーとの共重合体であってもよい。
ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレートモノマー単位を30重量%以上の割合で含有するのが好ましく、50重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
さらに、上記グラフトポリマーの酸価やアミン価を変えることによって、インクの溶剤に対する溶解性、皮膜の耐溶剤性、顔料の分散安定性、染色性、膜硬度、膜強度、などの諸物性を調節できる。
比較的分子量の高い重合体は、インクジェットインクの固形分全量に対して、1〜50重量%の割合で配合するのが好ましい。
それ自体が重合硬化できる重合性を有する比較的分子量の高い重合体を用いる場合にも、塗膜の強度や基盤に対する密着性を向上させるためには、多官能のモノマーやオリゴマーなどの多官能重合性成分を配合するのが好ましい。重合性を有する比較的分子量の高い重合体の分子は、比較的分子量の高い重合体同士で重合するだけでなく、多官能モノマー等の他の重合性成分とも重合してネットワークを形成し、硬化する。
塗工膜のネットワーク構造を形成する多官能重合性成分としては、2官能以上のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。光硬化性樹脂に十分な膜強度や密着性を付与するために、通常は4官能以上のモノマーやオリゴマーが用いられている。
2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の20重量%に満たない場合には、インクジェットインクがモノマーによって十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがあるからである。
4官能以上の多官能モノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。
4官能以上の多官能成分の配合割合が前記2乃至3官能性モノマー100重量部に対して1重量部に満たない場合には、インクを硬化させた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られないおそれがある。また、4官能以上の多官能成分の前記配合割合が50重量部を超える場合には、インクの硬化速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれがあるからである。
また、光硬化性バインダー形成系には、必要に応じて、単官能のモノマー、オリゴマーを配合してもよい。
単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。
光硬化性バインダー形成系には、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、樹脂や多官能モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合など)や、各材料の種類を考慮して適宜選択されるが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メチルベンゾイルホルメート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどの光重合開始剤を用いることができる。
また、硬化したインク層に十分な密着性、強度、硬度を付与するためには、顔料やその他の成分を含めたインクの固形分全量に占めるバインダー形成系成分の合計割合を25重量%以上とするのが好ましい。
本発明に用いるインクジェットインクは、当該インクを保存用の高濃度液として又は直ちにヘッドから吐出できるように調製するために、溶剤を配合する。
本発明に用いるインクジェットインクは、主溶剤として沸点が180℃〜260℃、好ましくは210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、好ましくは0.1mmHg以下の溶剤成分を主溶剤として用い、そのような主溶剤を溶剤の全量に対して60重量%以上の割合で配合する。
また、被吐出面に吹き付けた後、乾燥が適度な速度で進行するので、インクが被塗布面になじんで塗工膜表面がより水平且つ滑らかになってから、自然乾燥又は一般的な加熱工程によってインクを速やかに且つ完全に乾燥させることができ、本発明の画素形状の範囲内にコントロールすることができる。更に、湿潤剤や極めて沸点の高い溶剤を用いる場合と比べて、乾燥工程後の塗膜中に溶剤が残留するおそれも少ない。
主溶剤は、できるだけ高い配合割合で用いるのが望ましく、具体的には少なくとも60重量%以上、好ましくは80重量%以上とし、更に好ましくは90%以上、できるだけ100重量%とするのが望ましい。
本発明に用いるインクジェットインクは、必要に応じてレベリング剤を含有することができる。レベリング剤としては、例えば、下記のアクリル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ビニルエーテル系界面活性剤等を使用することが好ましい。
レベリング剤を添加する場合は、通常、顔料分散工程の後に添加する。
ここで、アクリル系界面活性剤とは、アクリル単量体から得られる重合体が含有される界面活性剤をいう。中でも、少なくともアクリル酸アルキルエステル単量体を用いて得られる重合体であることが好ましく、更に、少なくともアルキル基の炭素数が2から9であるアクリル酸アルキルエステル単量体を用いて得られる重合体であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。
アルキル基の炭素数が2から9であるアクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばアクリル酸エチルエステル、アクリル酸ノルマルプロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸ノルマルブチルエステル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸ターシャリーブチルエステル、アクリル酸ノルマルオクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸イソノニルエステル等が挙げられる。
また、上記アクリル系界面活性剤の重量平均分子量は1000〜100000、更に、1000〜60000であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点から好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、GPC測定においてポリスチレン換算により求めたものである。
SP値の測定方法や計算方法は幾つかあるが、本発明においては、Michael M. Coleman, John F. Graf, Paul C. Painter (Pennsylvania State Univ.)が書いた、"Specific Interactions and the Miscibility of Polymer Blends" (1991), Technomic Publishing Co.に記載されている計算方法を用いる。但し、‐COOH基と‐OH基については記載がないため、R. F. Fedorsが書いたPolymer Engineering and Science, 14(2), 147(1974)に記載の値を用いる。
アクリル系界面活性剤の市販品としては、楠本化成(株)製、商品名:L−1983−50、230、L−1982−50、L−1984−50、LHP−95等が好適に用いられる。
本発明において、フッ素系界面活性剤とは、フッ素を含有する界面活性剤をいう。フッ素系界面活性剤は、通常、炭化水素系界面活性剤の疎水基の水素原子をフッ素原子で全部あるいは一部置換したものである。
また光増感剤や光開始剤の存在下での光重合あるいは放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても本発明に係るフッ素系のランダムもしくはブロック共重合体を得ることができる。
本発明においては、更に、ポリエーテル及び/又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサン構造を含有するシリコーン系界面活性剤を固形分全体に対して0.001〜2.5重量%含んでいても良い。シリコーン系界面活性剤も、端部に厚膜部分を生じ難くする効果を有するからである。但し、シリコーン系界面活性剤が、固形分全体に対して2.5重量%を超えるとき、電気特性及びリコート性が悪化する場合がある。
シリコーン系界面活性剤としては、上記の中でも、フェニル基を有するシリコーン系界面活性剤であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点からH好ましい。また、シリコーン系界面活性剤の重量平均分子量としては、500〜10000であることが好ましく、更に1000〜3000であることが好ましい。
また、上記シリコーン系界面活性剤の含有量は、固形分全体に対して0.001〜2.5重量%、更に固形分全体に対して0.001〜1.25重量%、特に固形分全体に対して0.01〜0.75重量%であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。0.001重量%未満の場合では適切な効果が現れず、端部が厚膜になるおそれがあり、一方、2.5重量%を上回ると、塗膜の端部が低くなりすぎて画素端部の白抜けを発生させるおそれや、体積抵抗値が上昇して電気特性に問題が生じるおそれや、リコート性が劣るおそれがある。また、上記シリコーン系界面活性剤の含有量は、上記シリコーン系界面活性剤の固形分の含有量として表している。
本発明に用いるインクジェットインクは、ビニルエーテル系界面活性剤を含んでも良い。ここで、ビニルエーテル系界面活性剤とは、ビニルエーテルモノマーを用いて得られる重合体よりなる界面活性剤である。
ビニルエーテル系界面活性剤に用いられるビニルエーテルモノマーとしては、式(5)で表されるアルキルビニルエーテルであることが好ましい。
式(5)中のR8は、炭素数が1〜8の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素である。好ましくは炭素数が3〜4、より好ましくは炭素数が4の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素である。炭素数が8を上回ると重合体の溶剤等への溶解性が低下するおそれがある。アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどが挙げられるが、中でも、ビニルエーテルモノマーとしてイソブチルビニルエーテルを用いたビニルエーテル系界面活性剤が、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。
例えば、ポリビニルイソブチルエーテルの場合、SP値は8.35、ポリビニルイソプロピルエーテルの場合、SP値は8.31となる。
ビニルエーテル系界面活性剤の市販品としては、楠本化成(株)製、商品名:LHP−90等が好適に用いられる。
以上の界面活性剤のほか、脂肪酸エステル系界面活性剤、特殊アクリル系重合体などを用いることができる。
更に、本発明に用いるカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
b)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
c)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
d)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど。
本発明で用いられるインクジェットインクは、各成分を単独溶剤又は混合溶剤である溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー形成系等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、そこに顔料を分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。
次に、インクジェット方式によって工程(A)で準備したインクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、インク層を形成する。インクジェット方式であるため、従来のフォトリソグラフィー法等に比べて生産性が高く、コスト低減や歩留まり向上が実現可能である。
先ず、図2(A)に示すようにカラーフィルターの透明基板を準備する。
透明基板5としては、従来よりカラーフィルターに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに適している。本発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的で表面処理を施したものを用いてもよい。
ブラックマトリックス層6は、インクを所定領域に付着させるための隔壁であり、画素7R,7G,7Bの間及び画素形成領域の外側を取り囲むように設けられることにより、表示画像のコントラストを向上させることができる。
また、ブラックマトリックス層6として、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層を形成する場合には、パターニングの方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。或いは、後述する画素7と同様にインクジェット方式を用いて形成しても良い。
上記高さを有するブラックマトリックス層の形成が容易な点から、樹脂バインダー中に遮光性粒子を含有させたブラックマトリックス層を用いることが好ましい。
付着させるインクの量はインクの組成により異なるが、後述する画素の形状を得るために必要なインクの量を画素形成領域に付着させる。
次に、前記工程(B)で得られるインク層を硬化させ、本発明特有の形状を有する画素を形成する。図2(E)に示すように、各色のインク層23R、23G、23Bを乾燥し必要に応じてプリベークした後、適宜露光及び/又は加熱することにより硬化させる。インク層を適宜露光及び/又は加熱すると、インクジェットインク中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化して画素が形成される。
上記中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素のような、厚みが不均一な画素は、例えばインクジェット方式を用いて形成する場合に得られる。インクジェット方式を用いる場合には、高精細に画素を形成することができる上、コスト低減や歩留まり向上を実現可能というメリットを有する。なお、上記中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素のような、厚みが不均一な画素は、インクジェット方式以外の方式で形成されても良い。
ここで、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は下記式により定義する。
(但し、Rは1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合(%)、n1は1.5μm以下の膜厚となる測定点の数、n2は2.5μm以上の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
一方、インクジェット方式で2.5μm以上の平均膜厚を有する画素を製造する場合、上述の通りブラックマトリックス層の高さが制限されることから、インク層を形成する工程において吹き付けるべきインクの量が、ブラックマトリックス層の高さに対して大きくなりすぎることによりインクの決壊が発生し、得られる画素に混色を生じる可能性がある。よって、画素の平均膜厚は2.5μm以下、好ましくは2.2μm以下である必要がある。
上記画素の平均膜厚の範囲内であれば、例えば、赤色画素7Rが最も薄く、緑色画素7G、青色画素7Bの順に厚くなるというように各色の画素の厚みを変えて、各色ごとに最適な厚みに設定してもよい。
また、上記平均膜厚及び膜厚分布を有する画素の、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は5%以下である。
ΔY(%)=(Y2−Y1)/Y2×100
(但し、Y1は測定対象のカラーフィルターの輝度、Y2はスピンコート法により得られるカラーフィルターの輝度を意味する。)
ここで、スピンコート法とは、インクジェット用インクを透明基板上にスピンコートにより塗布し、硬化させることで画素を形成する方法である。
まず、インクジェット方式を用いて、図6(A)の断面図のように、所望の形状の同色画素が配列されてなる測定対象のカラーフィルターを準備する。次に、測定対象のカラーフィルターと同等の色度で(Rの場合はx、G、Bの場合はyを揃えた)、ほぼ平坦な画素が図6(B)の断面図のように配列されてなる、スピンコート法により得られるカラーフィルターを準備する。
本発明により得られるカラーフィルターは、ΔY(%)≦5であることが好ましい。輝度ロスが上記範囲内のとき、十分な色特性が得られる平均膜厚を有し、厚みがほぼ均一なフォトリソグラフィー法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して遜色のない輝度である。
尚、カラーフィルターの輝度の測定方法として通常用いる顕微分光測定は、インクジェットカラーフィルター特有の、厚みが不均一な形状を有する画素について輝度を評価する場合、その評価結果が実際の使用態様であるパネルに設置された状態における輝度の評価結果と異なることから、本発明の輝度測定に使用することはできない。
保護膜8は、カラーフィルターの表面を平坦化すると共に、画素7に含有される成分が液晶層に溶出するのを防止するために設けられる。保護膜8は、公知のネガ型の光硬化性透明樹脂組成物又は熱硬化性透明樹脂組成物を、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により、ブラックマトリックス層6及び画素7を覆うように塗布し、光又は熱によって硬化させることによって形成できる。
保護膜8の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルターの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1μm〜2.0μmの範囲で設定することができる。
その他においては、通常のカラーフィルターを形成する方法と同様の方法を用いて製造することができる。
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に形成された、顔料、顔料分散剤、バインダーを含有する画素とを少なくとも備え、当該各画素は、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。インクジェット方式等、手法上の制約により画素の形状が均一でなくなる傾向の形成方法を用いた場合でも、このようなカラーフィルターはそれと同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に等しい輝度を有する。
本発明に係るカラーフィルターの形成方法としては、インクジェット方式の他、染色法、印刷法、電着法等、公知の方法であってもよい。
以下、各構成部材について説明する。
本発明のカラーフィルターを構成する透明基板は、上記製造方法において説明したものと同様である。
本発明のカラーフィルターを構成する画素は、顔料、顔料分散剤、バインダーを含有することが好ましく、更に必要に応じてレベリング剤を含有する。
バインダーには、上記バインダー形成系の説明で説明したバインダー形成系の構成成分のうち、インク層を硬化させる工程において反応性を有する成分についてはその反応生成物が含まれ、反応性を有さない成分についてはその成分が含まれる。
詳細は、上記製造方法において説明したものと同様である。
ブラックマトリックス層は表示画像のコントラストを向上させるために設けられるが、インクジェット方式によるカラーフィルターを作成する場合には、各画素を仕切るための隔壁の役割も果たす。
ブラックマトリックス層を設ける場合は、その高さが、2.0μm〜3.0μm、更に2.0μm〜2.5μmであることが、特にインクジェット方式を用いて製造する場合に、本発明に係るカラーフィルターを容易に得ることができる点から好ましい。詳細は、上記製造方法において説明したものと同様である。
保護膜は、上記製造方法において説明したものと同様である。
凸状スペーサーは、カラーフィルター103をTFTアレイ基板等の液晶駆動側基板と貼り合わせた時にセルギャップを維持するために、基板上の非表示領域に複数設けられる。凸状スペーサーの形状及び寸法は、基板上の非表示領域に選択的に設けることができ、所定のセルギャップを基板全体に渡って維持することが可能であれば特に限定されない。凸状スペーサーとして図示したような柱状スペーサー12を形成する場合には、2μm〜10μm程度の範囲で一定の高さを持つものであり、突出高さ(パターンの厚み)は液晶層に要求される厚み等から適宜設定することができる。また、柱状スペーサー12の太さは5μm〜20μm程度の範囲で適宜設定することができる。また、柱状スペーサー12の形成密度(密集度)は、液晶層の厚みムラ、開口率、柱状スペーサーの形状、材質等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、赤色、緑色及び青色の各画素の1組に1個の割合で必要充分なスペーサー機能を発現する。このような柱状スペーサーの形状は柱状であればよく、例えば、円柱状、角柱状、截頭錐体形状等であっても良い。
透明電極9は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて形成することができる。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ましくは100〜300nm程度とすることできる。
通常カラーフィルターに形成されるその他の部材をさらに含んでいても良い。配向膜やその他の部材においては、通常カラーフィルターに用いられるものを用いて、通常の方法で形成することができる。
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
(1)赤色顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液、及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液をそれぞれ調製した。
・顔料:10重量部
・顔料分散剤(アジスパーPb821(味の素ファインテクノ株式会社製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):50重量部
なお、上記顔料分散剤アジスパーPb821のガラス転移温度は、熱化学反応熱量計(セイコーインスツル株式会社製)を用いて、温度範囲25〜280℃、昇温速度7.5℃/分の条件下で測定したところ、57℃であった。
サンプル瓶にテフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記の割合に従って前記製造例1に記載のバインダー性エポキシ化合物、多官能エポキシ樹脂等を加え、室温で十分に攪拌溶解し、次いで、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):10重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1重量部
・トリメリット酸:2重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):1重量部
表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
(a)スピンコート法による塗膜の形成
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚2.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記ブラックマトリックスパターン上の全面に、スピンコート法によりインクジェットインクを塗布し、インクジェットで作成した色板基板とxが一致する赤色塗膜を形成した。
得られたスピンコート法による塗膜の乾燥後の膜厚は、接触式膜厚測定装置(日本真空技術(株)製、商品名「Dectak-3030ST」)により行った。
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚2.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された画素形成部に、上記インクジェットインクをインクジェット方式によって付着させた。
(1)緑色顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液をそれぞれ調製した。
・顔料:10重量部
・顔料分散剤(アジスパーPb821(味の素ファインテクノ株式会社製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):50重量部
実施例1と同様にバインダー組成物の調製を行った。
表2に示される配合割合で、上記調製したPG36顔料分散液、PY150顔料分散液、及びバインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を、実施例1と同様に行った。
(1)青色顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液をそれぞれ調製した。
・顔料:10重量部
・顔料分散剤(Solsperse33000(Avecia社製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):50重量部
なお、上記顔料分散剤Solsperse33000は、23℃で液状である。
実施例1と同様にバインダー組成物の調製を行った。
表2に示される配合割合で、上記調製したPB15:6顔料分散液、PV23顔料分散液、及びバインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を、実施例1と同様に行った。
実施例1の(3)インクジェットインクの調製工程において、表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合した後に、更に、混合したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、バインダー組成物の全重量に対し、レベリング剤としてビニルエーテル系界面活性剤(商品名「LHP−90」、楠本化成製)を0.5重量%添加し、混合したこと以外は、実施例1と同様に、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を行った。
(比較例1〜12)
(1)赤色顔料分散液の調製
比較例1〜6について、赤色顔料分散液を実施例1と同様に調製した。比較例7は、顔料分散剤として、イソシアネート類が重合した主鎖構造を有するDisperbyk161((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例1と同様に調製した。比較例8は、顔料分散剤として、変性アクリル系ブロック共重合体であるDisperbyk2000((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例1と同様に調製した。比較例9は、顔料分散剤として、Disperbyk161((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例2と同様に調製した。比較例10は、顔料分散剤として、Disperbyk2000((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例2と同様に調製した。比較例11は、顔料分散剤として、Disperbyk161((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例3と同様に調製した。比較例12は、顔料分散剤として、Disperbyk2000((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例3と同様に調製した。
なお、上記顔料分散剤Disperbyk161のガラス転移温度は、アジスパーPb821と同様に測定したところ、261℃であった。また、上記顔料分散剤Disperbyk2000のガラス転移温度は、アジスパーPb821と同様に測定したところ、194℃であった。
実施例1と同様にバインダー組成物の調製を行った。
表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、PG36顔料分散液、PY150顔料分散液、PB15:6顔料分散液、PV23顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
(4)塗膜の形成
比較例1〜4及び比較例7〜12は、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を、実施例1と同様に行った。比較例5は、ブラックマトリックスの膜厚が1.2μmであること以外は実施例1と同様に、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を行った。また、比較例6は、ブラックマトリックスの膜厚が3.2μmであること以外は実施例1と同様に、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を行った。
得られたカラーフィルターについて、下記評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
1.画素の平均膜厚、膜厚分布、及び1.5μm以下及び2.5μm以上の面積の合計の割合
画素の平均膜厚、膜厚分布、及び1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は、例えば、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)を用いて測定した。
画素の平均膜厚(μm)として、画素形成領域の全エリアの膜厚を1μm毎に求め、それらの平均を求めた。画素の膜厚分布(μm)として、画素形成領域の膜厚の分布を求めた。
R(%)=(n1+n2)/n0×100
(但し、n1は1.5μm以下の膜厚となる測定点の数、n2は2.5μm以上の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
R1(%)=n1/n0×100
(但し、n1は1.5μm以下の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
また、1画素中における膜厚が2.5μm以上の領域の面積の割合R2は下記式より求めた。
R2(%)=n2/n0×100
(但し、n2は2.5μm以上の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
実施例において得られたカラーフィルターの画素領域のうち、ライン方向に1600μm、ラインと垂直方向に200μmの範囲について、広域分光装置(商品名「島津自記分光光度計UV−3100PC」、島津製作所社製)を用いて、試料検出面積 幅4mm、高さ11mmとして、可視波長域(400〜700nm)の分光透過スペクトル測定を行った結果から、インクジェット法により得られた測定対象のカラーフィルター(IJ−CF)の色度(x1,y1)、輝度Y1、及びスピンコート法により得られたカラーフィルター(SPIN−CF)の色度(x2,y2)、輝度Y2を算出した。
更に下記式より輝度ロスΔY(%)を求めた。
ΔY(%)=(Y2−Y1)/Y2×100
ΔY(%)≦5の場合、十分な色特性が得られる平均膜厚を有し、厚みがほぼ均一なフォトリソグラフィー法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して遜色のない輝度であると判定した。
得られたカラーフィルターを、N−メチルピロリドン(NMP)に液温40℃で1時間浸漬した前後の色差ΔEabを測定した。色差はCIE(国際照明委員会)によって1976年に定められたΔEabの色差式によって求めた。実際の測定は、顕微分光測定器(OSP−SP100、オリンパス光学工業(株)製)によって行った。
また、得られたカラーフィルターを、イソプロピルアルコール(IPA)に液温60℃で1時間浸漬した前後の色差ΔEabを測定し、色差ΔEabを求めた。
膜物性が良いものを○、不十分なものを×とした。判定基準は以下の通りである。
<判定基準>
IPA、NMP浸漬前後のΔEabがいずれも3以下の場合:○
IPA、NMP浸漬前後のΔEabの一方、又は両方が3を超える場合:×
画素を設けたカラーフィルターについて、隣接画素の混色を顕微鏡で確認する。パターニング性が良いものを○、不十分なものを×とした。判定基準は以下の通りである。
<判定基準>
決壊が発生した場合:×
決壊が発生しなかった場合:○
実施例1のインクジェットインクに対し、更にレベリング剤を添加したインクジェットインクを用いた実施例4のインクジェットカラーフィルターは、実施例1の輝度ロスよりも小さい点において、優れていた。
インクのP/V比が本発明の範囲よりも大きい、比較例3及び4で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚分布が1.0μm未満の領域に分布があり、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性が悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が著しかった。更に比較例4では膜物性も悪かった。
使用したインク及び平均膜厚は実施例1と同じであるが、ブラックマトリックス層の高さが3.0μmを超える比較例6で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
使用したインク、平均膜厚及びブラックマトリックス層の高さは実施例2と同じであるが、膜厚分布の範囲の下限が本発明の範囲よりも小さい比較例9及び10で得られたインクジェット方式による緑色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
使用したインク、平均膜厚及びブラックマトリックス層の高さは実施例3と同じであるが、膜厚分布の範囲の下限が本発明の範囲よりも小さい比較例11及び12で得られたインクジェット方式による緑色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
2 電極基板
3 間隙部
4 シール材
5 透明基板
6 ブラックマトリックス層
7(7R、7G、7B) 画素
8 保護膜
9 透明電極膜
10 配向膜
11 パール
12 柱状スペーサー
20 撥インク性隔壁
21 画素形成領域
22 インクジェットヘッド
23 インク層
24 画素部
31 画素
32 外縁部
33 外縁部の近傍
34 厚みが小さい部分
35 厚みの最大部
36 ブラックマトリックス
101、102 カラー液晶表示装置
103、104 カラーフィルター
Claims (13)
- 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.5〜0.9であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層を形成する工程(B)と、
前記Rインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素を形成する工程(C)
とを含む、カラーフィルターの製造方法。 - 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるG画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Gインク層を形成する工程(B)と、
前記Gインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるG画素を形成する工程(C)
とを含む、カラーフィルターの製造方法。 - 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるB画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Bインク層を形成する工程(B)と、
前記Bインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるB画素を形成する工程(C)
とを含む、カラーフィルターの製造方法。 - 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素を形成する場合には0.5〜0.9、G画素を形成する場合には0.7〜1.0、B画素を形成する場合には0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インク、G画素形成用インク、及びB画素形成用インクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層、Gインク層、及びBインク層をそれぞれ形成する工程(B)と、
前記各インク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素、G画素、及びB画素をそれぞれ形成する工程(C)
とを含む、カラーフィルターの製造方法。 - 前記各画素は、膜厚分布が1.5μm〜2.5μmの範囲にある、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記インクジェットインクがレベリング剤を含有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記レベリング剤を顔料分散工程の後に添加する、請求項6に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、R画素とを少なくとも備え、
当該R画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.5〜0.9であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。 - 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、G画素とを少なくとも備え、
当該G画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。 - 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、B画素とを少なくとも備え、
当該B画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。 - 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、画素とを少なくとも備え、
当該各画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素では0.5〜0.9、G画素では0.7〜1.0、B画素では0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインク、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインク、及びカラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。 - 前記各画素は、膜厚分布が1.5μm〜2.5μmの範囲にある請求項8乃至11のいずれかに記載のカラーフィルター。
- 前記画素がレベリング剤を含有する請求項8乃至12のいずれかに記載のカラーフィルター。
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