JP4844450B2 - カラーフィルターの製造方法及びカラーフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に、インクジェット方式により所定のパターンの画素を形成するカラーフィルターの製造方法、及び基板上に所定のパターンの画素を形成したカラーフィルターに関する。
更に詳細には、本発明は、スピンコート法により形成される、十分な色特性を得ることが可能な平均膜厚の画素を有するカラーフィルターと、同等或いは同等に近い色特性及び輝度のカラーフィルターを得ることが可能な、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造方法、及びカラーフィルターに関する。
カラーフィルターには、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルター等がある。例として、液晶表示装置に用いられるカラーフィルター構造の代表例を、図1を用いて説明する。
一般にカラー液晶表示装置(101)は、図1(a)に示すように、カラーフィルター1とTFT基板等の電極基板2とを対向させて1〜10μm程度の間隙部3を設け、当該間隙部3内に液晶化合物Lを充填し、その周囲をシール材4で密封した構造をとっている。カラーフィルター1は、透明基板5上に、画素間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成されたブラックマトリックス(以下、BMと表記する場合がある。)層6と、各画素を形成するために複数の色(通常、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色)を所定順序に配列した画素部7と、保護膜8と、透明電極膜9とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。また、カラーフィルター1及びこれと対向する電極基板2の内面側には配向膜10が設けられる。さらに間隙部3には、カラーフィルター1と電極基板2の間のセルギャップを一定且つ均一に維持するために、スペーサーが設けられる。スペーサーとしては一定粒子径を有するパール11を分散したり、又は、図1(b)に示すようにセルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサー12を、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリックス層6が形成されている位置と重なり合う領域に形成する。そして、各色に着色された画素それぞれ又はカラーフィルターの背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
従来から行われているカラーフィルターの画素などを所定のパターン形状で形成する方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、及びBの画素を形成する。また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず着色剤である顔料及びアルカリ可溶性の光硬化性樹脂を含有する塗工液(顔料分散液)を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成する。これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBの画素を形成する。さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、及びBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる印刷法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、特許文献1には、基板表面にインクジェット方式でインクを吹き付けて画素を形成する方法が提案されている。
当該透明基板上のブラックマトリックス層に囲まれた領域にインクジェット方式により画素が形成されると、そのインクとブラックマトリックス層表面との親和性やブラックマトリックス層の高さ、吐出するインキ量などの関係から、ブラックマトリックス層に囲まれた開口部における画素の形状は、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも画素の中心側に厚みの最大部を有するような形状となったり、逆に、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの大きい部分を有し、且つ当該厚みの大きい部分よりも画素の中心側に厚みの最小部を有するような形状となったり、さらに、その表面が凹凸形状になるなど、不均一な画素になりやすい。
特開昭59−75205号公報
インクジェット方式により形成された画素のような、不均一な形状の画素は、それと同一の平均膜厚、同一の材料の構成比を有する平坦な画素、例えばスピンコート法により形成された画素に比べて輝度が低くなる傾向にある。よって、インクジェット方式で画素を形成する際は、できるだけ均一な形状の画素を要求される。
画素の平均膜厚を小さくしたり、画素中の材料の配合比、又は材料を変更したりすることで輝度を向上させることは可能であるが、このような方法では、スピンコート法等により得られる、平坦な画素を有するカラーフィルターと同等或いは同等に近い色特性を有するカラーフィルターを実現することは難しい。
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、スピンコート法により形成される、平坦な画素を有するカラーフィルターと、同等或いは同等に近い色特性及び輝度のカラーフィルターを、インクジェット方式により形成する、カラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、スピンコート法により形成される、平坦な画素を有するカラーフィルターと、同等或いは同等に近い色特性及び輝度のカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.5〜0.9であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層を形成する工程(B)と、前記Rインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素を形成する工程(C)とを含むものである。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるG画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Gインク層を形成する工程(B)と、前記Gインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるG画素を形成する工程(C)とを含むものである。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるB画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Bインク層を形成する工程(B)と、前記Bインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるB画素を形成する工程(C)とを含むものである。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法の他の実施態様は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素を形成する場合には0.5〜0.9、G画素を形成する場合には0.7〜1.0、B画素を形成する場合には0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用インクジェットインクを準備する工程(A)と、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インク、G画素形成用インク、及びB画素形成用インクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層、Gインク層、及びBインク層をそれぞれ形成する工程(B)と、前記各インク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素、G画素、及びB画素をそれぞれ形成する工程(C)とを含むものである。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、前記顔料分散剤中にポリエチルイミン誘導体、又はポリアリルアミン誘導体を含有するため、カラーフィルターの画素の断面形状におけるBM際の落ち込みを抑制でき、また、インクジェット方式により付着させて硬化させたインク層の膜厚分布の範囲を狭くすることができる
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、上記主溶剤を溶剤全量に対して80重量%以上と高い配合割合で含有するため、精細度が要求される画素の位置を正確に、且つ平均膜厚を均一に制御することができ、本発明の画素形状の範囲内にコントロールすることができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、インクジェットインクのP/V比が上記特定の範囲であることにより、インクの吐出性能が良く、インクの決壊防止ができ、得られる膜物性のバランスが良く、膜表面の荒れを防止できる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、インクジェットインクの固形分濃度が上記特定の範囲であることにより、パターニング時に決壊が起こり難い。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、画素の平均膜厚、膜厚分布を上記特定の範囲内とし、かつ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は5%以下とすることによって、画素の形状がインクジェット方式によるやや不均一な形状であっても厚みがほぼ均一なスピンコート法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して輝度の低下が小さく、色特性が同等或いはそれに近い画素を有するカラーフィルターを容易に得ることができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、画素の平均膜厚を2.5μm以下とすることによって、インクジェット方式によってもインクが決壊しにくい。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、画素の膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあることにより、画素の輝度が低下しにくい。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、前記透明基板上に、高さが2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を有するため、上記本発明特有の形状を有する画素を得ることが容易であり、輝度が低下しにくい。
上記カラーフィルターの製造方法によれば、スピンコート法を用いて形成した同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に近い色特性及び輝度を有するカラーフィルターを製造することができる。また、インクジェット方式であるため、生産性が高く、コスト低減や歩留まり向上が実現可能である。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、前記各画素は、膜厚分布が1.5μm〜2.5μmの範囲にあることが、特に上記輝度の低下を抑制することができる点から好ましい。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、前記カラーフィルター用インクジェットインクがレベリング剤を含有することが、膜を形成した場合の端部盛り上がりが低減される点から好ましい。前記レベリング剤は、通常、顔料分散工程の後に添加する。
また、本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、R画素とを少なくとも備え、当該R画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.5〜0.9であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、G画素とを少なくとも備え、当該G画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、B画素とを少なくとも備え、当該B画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターの他の実施態様は、透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、画素とを少なくとも備え、
当該各画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素では0.5〜0.9、G画素では0.7〜1.0、B画素では0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインク、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインク、及びカラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックスによって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。
本発明に係るカラーフィルターにおいて、画素の平均膜厚、膜厚分布が上記特定の範囲内であり、かつ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であることによって、画素の形状がインクジェット方式によるやや不均一な形状であっても厚みがほぼ均一なスピンコート法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して輝度の低下が小さく、色特性が同等或いはそれに近い画素を有するカラーフィルターとなる。
本発明に係るカラーフィルターにおいて、画素の膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあることにより、画素の輝度が低下しにくい。
また、本発明に係るカラーフィルターは、前記透明基板上に、高さが2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を有するため、上記本発明特有の形状を有する画素を得ることが容易であり、輝度が低下しにくい。
インクジェット方式等、手法上の制約により画素の形状が均一でなくなる傾向の製造方法を用いた場合でも、このようなカラーフィルターはそれと同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に等しい輝度を有する。
また、本発明のカラーフィルターにおいて、前記各画素は、膜厚分布が1.5μm〜2.5μmの範囲にあることが、特に上記輝度の低下を抑制することができる点から好ましい。
また、本発明のカラーフィルターは、前記画素がレベリング剤を含有してもよい。このようなカラーフィルターは、画素の端部盛り上がりが低減される点から好ましい。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法によれば、インクジェット方式でありながら平坦性の高い画素を有するカラーフィルターを形成することが可能であり、得られるカラーフィルターは、同じ平均膜厚、材料の構成比で、スピンコート法で形成した画素を有するカラーフィルターと比較して十分な輝度を有する。
また、本発明に係るカラーフィルターは、不均一な形状の画素を有しているにもかかわらず、それと同一の平均膜厚、材料の構成比で平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと同等の又は同等に近い、十分な輝度と色特性を有している。従来、平坦性の高い画素を形成するために画素の製造手法が厳しく制約されていたが、本発明に係るカラーフィルターは製造手法選択の自由度が非常に高い。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、顔料、顔料分散剤、バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤全量に対して60重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素を形成する場合には0.5〜1.0、G画素を形成する場合には0.5〜1.2、B画素を形成する場合には0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が15重量%〜25重量%である、カラーフィルター用インクジェットインクを準備する工程(A)と、インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インク、G画素形成用インク、及びB画素形成用インクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層、Gインク層、及びBインク層をそれぞれ形成する工程(B)と、前記各インク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素、G画素、及びB画素をそれぞれ形成する工程(C)とを含むものである。
上記カラーフィルターの製造方法によれば、スピンコート法を用いて形成した同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に近い色特性及び輝度を有するカラーフィルターを製造することができる。また、インクジェット方式であるため、生産性が高く、コスト低減や歩留まり向上が実現可能である。
1.インクジェットインクを準備する工程(A)
以下、本発明に係るカラーフィルターの製造方法における、インクジェットインクを準備する工程(A)について説明する。
本発明に用いるインクジェットインクは、顔料、顔料分散剤、バインダー形成系、溶剤、及び、必要に応じて界面活性剤を含有する。
(顔料)
本発明に用いるインクジェットインクにおける着色剤としては、公知の有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175;
C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、アンバー等を挙げることができる。本発明において、他の顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いるインクジェットインクにおいて、顔料は、インクジェットインクの固形分全量に対して、通常は1〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の割合で配合される。
(顔料分散剤)
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインクジェットインク中に配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系等の界面活性剤などを使用できる。また、特殊アクリル系重合体などの分散補助樹脂を更に用いても良い。本発明の製造方法には、顔料分散剤中に、ポリエチルイミン誘導体、又はポリアリルアミン誘導体を含有することが、インクジェット方式により付着させて硬化させたインク層の膜厚分布の範囲を狭くしやすい点から好ましい。
ここで、ポリエチルイミン誘導体とは、6−ヒドロキシヘキサン酸と、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸および4−ヒドロキシデカン酸から選択される少なくとも1の他のヒドロキシカルボン酸とから誘導しうる複数の繰り返し単位を各々が含有している複数のポリ(カルボニルアルキレンオキシ)鎖を有していて、6−ヒドロキシヘキサン酸から誘導しうる単位の他のヒドロキシカルボン酸(単数または複数)から誘導しうる単位に対する重量比が90:10〜10:90の範囲内であるポリエチレンイミン基、あるいはそれらの酸との塩を含む分散剤である。
好ましくは、6−ヒドロキシヘキサン酸から誘導しうる単位の、他のヒドロキシカルボン酸(単数または複数)から誘導しうる単位に対する重量比は、20:80から80:20の範囲内であり、特には20:80から50:50の範囲内である。
上記ポリエチレンイミン(本明細書中の以下において「PEI」と称す)基は、分枝でも直鎖でもよく、典型的には少なくとも500、好ましくは少なくとも1,000、特には少なくとも10,000の重量平均分子量を有している。平均分子量は、好ましくは600,000より小さく、より好ましくは200,000より小さく、特には50,000より小さい。
上記ポリ(カルボニルアルキレンオキシ)鎖(本明細書の以下において「PCAO鎖」と称す)は、上記のヒドロキシカルボン酸(または、適当ならば対応するラクトン類)の重合によって誘導しうるポリエステル鎖であり、上記鎖は、6−ヒドロキシヘキサン酸と上記の他のヒドロキシカルボン酸の少なくとも1とから誘導しうる複数のカルボニルアルキレンオキシ(本明細書中の以下において「CAO」と称す)繰り返し単位を、ブロックまたはランダム配置中に含むコポリエステル鎖である。PCAO鎖は典型的には、平均で、2から100、好ましくは3から40、より好ましくは4から15の上記CAO基を含有しており、鎖終止末端基(chain-stopping terminal group)を、例えば、置換されていてもよいアルキルカルボニル、特には12以上の炭素原子を含有しているアルキルカルボニル基のようなオキシ末端に有していてもよい。
PCAO鎖は、PEI基とPCAO鎖のヒドロキシカルボン酸との間に形成される共有アミドおよび/またはイオン性塩結合によってPEI基に付着されていてもよい。当該酸は、本明細書中以下において、PCAO酸と称す。そのようなアミド結合は、PCAO酸の末端カルボキシレート基とPEI中の第一級または第二級アミノ基との反応によって形成されてもよい一方、塩結合は、PCAO酸の末端カルボキシレート基とPEI中の置換アンモニウム基の正に帯電した窒素原子との間に形成される。
PCAO鎖のPEI基に対する重量比は、典型的には、2:1から30:1、好ましくは3:1から20:1、より好ましくは8:1から20:1、そして特には10:1から15:1の範囲内である。
ポリエチルイミン誘導体は、PCAO鎖に結合していないPEI基中の窒素原子が遊離アミノ基として存在しているようなポリアミンの形態、または上記窒素原子が、有機および/または無機酸から誘導しうる対イオンと会合した置換アンモニウム基として存在しているような塩の形態、または遊離アミノ基と置換アンモニウム基とを含有する中間体形態であってもよい。
ポリエチルイミン誘導体は、PEIをPCAO酸(単数または複数)またはその前駆体と反応させることにより調製することができる。
また、ポリアリルアミン誘導体とは、ポリアリルアミンの側鎖のアミノ基を、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルとポリアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)のいずれかで修飾することにより、顔料の分散されるべき樹脂に対する相溶性の範囲が広く、且つ優れた顔料分散能を有する、下記一般式(I)で表されるポリアリルアミン誘導体である。
Figure 0004844450
(式中、XおよびYは、それぞれ独立に水素、重合開始剤残基又は連鎖移動触媒残基のいずれかを、R1 は遊離のアミノ基、下記一般式(II)又は(III)で示される基を、nは2〜1,000の整数を表す。但しn個のR1 中、少なくとも1個は一般式(III)で示される基を表す。
Figure 0004844450
式中、R2 は遊離のカルボン酸を有するポリエステル、遊離のカルボン酸を有するポリアミド、または遊離のカルボン酸を有するポリエステルアミドのいずれかからカルボキシル基を除いた残基を表す。)
本発明のポリアリルアミン誘導体は、例えばポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド、又はエステルとアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物とを反応させて得られるものである。
このポリアリルアミン誘導体は、例えば、重合度2〜1,000のポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有する、下記一般式(IV)または(V)で表されるポリエステルおよび下記一般式(VI)または(VII)で表されるポリアミドの1種を単独でまたは2種以上を併用して原料として作成することができる。
Figure 0004844450
(式中Rは、炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基を、そしてaは2〜100の整数を示す。)
Figure 0004844450
(式中Rは、炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基、C64またはCH=CHを、Rは炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基、ポリアルキレングリコールから2つの水酸基を除いた残基を、そしてbは2〜100の整数を示す。また、前記鎖中にエーテル結合を有することもある。)
Figure 0004844450
(式中Rは、炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基を、そしてcは2〜100の整数を示す。)
Figure 0004844450
(式中Rは、炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基、C64またはCH=CHを、Rは炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基を、そしてdは2〜100の整数を示す。)
なお、本発明において顔料分散剤として好適に用いられるポリアリルアミン誘導体は、ポリアリルアミンに、一般式(IV)と一般式(V)の繰り返し成分がランダムに重合したポリエステル、一般式(VI)と一般式(VII)の繰り返し成分がランダムに重合したポリアミド、更に一般式(IV)並びに/又は(V)、及び一般式(VI)並びに/又は(VII)の繰り返し成分がランダムに重合したポリエステルアミドを反応させても製造することができる。
上記顔料分散剤は市販品として、ポリアリルアミン誘導体としてはアジスパーPb821(味の素ファインテクノ株式会社製)、ポリエチレンイミン誘導体としてはSolsperse33000(Avecia社製)等を用いることができる。
上記ポリエチルイミン誘導体、ポリアリルアミン誘導体の他、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤を用いることができる。
上記顔料分散剤の含有量は、固形分全体に対して5〜50重量%、更に固形分全体に対して10〜30重量%であることが好ましい。
前記顔料分散剤のガラス転移温度(Tg)は、200℃以下、好ましくは150℃以下であることが、カラーフィルターの画素の断面形状におけるBM際の落ち込みを、より抑制できる点から好ましい。なおここでのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によるものである。例えば、熱化学反応熱量計(セイコーインスツル株式会社製)を用いて、温度範囲25〜280℃、昇温速度7.5℃/分の条件下で測定することができる。
(バインダー形成系)
本発明に用いるインクジェットインクは、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するために、バインダー形成系を含有する。本発明において、バインダー形成系とはインク中に含まれる、画素を所定の位置に付着させ、固定するために含有させる液状混合物であり、後の硬化プロセスにおいて反応性を有する硬化性化合物の他、それ自体反応性を有さない化合物も含むものである。
本発明に用いるインクは、インクジェット方式に用いるインクであるため、所定のパターンを形成するためには、所定のパターン形成領域にのみインクを選択的に付着させて固化すれば形成することができ、露光及び現像を行なうことによりパターンを形成する必要がない。従って、バインダー形成系としては、必ずしも露光現像が可能な光硬化性バインダー形成系を用いなくても良く、非硬化性の熱可塑性樹脂組成物を用いても良いが、硬化性の樹脂を含むバインダー形成系を用いることが硬化皮膜に充分な硬度を付与するため好ましい。
硬化性バインダー形成系としては、例えば、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダー形成系や、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む光硬化性バインダー形成系、更には、熱硬化性バインダー及び光硬化性バインダーの両方を含むものを用いることができる。本発明に係るインクジェットインクにおいては、P/V比を高くした場合であっても、耐溶剤性、密着性、ITO耐性等の画素の膜物性をより良好にする点から、バインダー形成系は熱硬化性バインダー形成系であることが好ましい。なお、ここでITO耐性とは、ITO回路形成時又は配向膜形成時の不具合に対する耐性であり、具体的にはITO回路形成後の230〜250℃での耐熱性が挙げられる。また、熱硬化性バインダーを用いる場合には、光照射装置を始めとする特別な附帯設備が不要となり、生産性が高いというメリットもある。
(1)熱硬化性バインダー形成系
熱硬化性バインダー形成系としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に含有させても良い。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、インクジェットの吐出安定性、及びインクジェットインクにより形成された画素の耐溶剤性、密着性、ITO耐性等の膜物性の点から、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が好適に用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させるために、比較的分子量の低い化合物とを併用することが好ましい。
i)1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物
通常バインダー形成系成分として用いられる比較的分子量の高い重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 0004844450
(式(1)において、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12の炭化水素基である。)
Figure 0004844450
(式(2)において、R3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 0004844450
(式(3)において、R1およびR2は式(1)と同じである。)
式(3)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位として用いることにより、本発明のインクジェットインクから形成される硬化塗膜に充分な硬度および透明性を付与することができる。式(3)において、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
式(3)において、R1として好ましいのは水素またはメチル基であり、R2として好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 0004844450
(式(4)において、R3は式(2)と同じである。)
式(4)で表されるモノマーは、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いられる。当該重合体を含有するインクジェットインクは保存安定性に優れており、保存中および吐出作業中に粘度上昇を生じ難いが、その理由の一つは式(2)または式(4)中のエポキシ基がグリシジル基だからであると推測される。式(4)で表されるモノマーの代わりに脂環式エポキシアクリレートを用いると、インクジェットインクの粘度が上昇しやすい。
式(4)において、R3として好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、カラーフィルターの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
上記バインダー性エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み重量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
また、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の分子量が3,000よりも小さすぎるとカラーフィルターの細部としての硬化層に要求される強度、耐溶剤性等の物性が不足し易いからである。一方、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000よりも大きすぎると粘度上昇が起こり易くなり、インクジェット方式で吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなるおそれや、長期保存の安定性が悪くなるおそれがあるからである。
上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあり、少なくともグリシジルメタクリレート(GMA)及びメチルメタクリレート(MMA)を用いて重合させたGMA/MMA系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有して重合させたものであってもよい。
上記バインダー性エポキシ化合物の合成例としては、例えば、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水酸基を含有しない溶剤を仕込み、攪拌しながら120℃に昇温する。水酸基を含有しない溶剤を用いるのは、合成反応の最中にエポキシ基が分解するのを避けるためである。次いで上記式(3)で表されるモノマー、上記式(4)で表されるモノマー、及び、必要に応じて他のモノマーを組み合わせた組成物と重合開始剤の混合物(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下する。滴下終了後、120℃に降温して触媒を追加し3時間反応させ、130℃に昇温し2時間保ったところで反応を終了することにより、上記バインダー性エポキシ化合物が得られる。
本発明に用いる熱硬化性バインダー形成系には、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(以下、「多官能エポキシ化合物」ということがある。)であって、上記バインダー性エポキシ化合物よりも分子量が小さいものを用いても良い。中でも、上述のように上記バインダー性エポキシ化合物と当該多官能エポキシ化合物を併用することが好ましい。この場合、多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、これと組み合わせるバインダー性エポキシ化合物よりも小さいことを条件に、4,000以下が好ましく、3,000以下が特に好ましい。
上記バインダー性エポキシ化合物には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているため、上記共重合体の分子内に導入できるエポキシ量には限界がある。インクジェットインクに比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を添加すると、インクジェットインク中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。
多官能エポキシ化合物の中でも、酸−エポキシ反応の架橋密度を上げるためには、一分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物を用いるのが好ましい。特に、インクジェット方式の吐出ヘッドからの吐出性を向上させるために前記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量を10,000以下とした場合には、硬化層の強度や硬度が低下し易いので、そのような4官能以上の多官能エポキシ化合物をインクジェットインクに配合して架橋密度を充分に上げるのが好ましい。
多官能エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。
より具体的には、商品名エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(ジャパンエポキシレジン社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(ジャパンエポキシレジン社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(ジャパンエポキシレジン社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(ジャパンエポキシレジン社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(ジャパンエポキシレジン社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
これらの多官能エポキシ化合物の中でも、商品名エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、及び、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
<エポキシ化合物の配合割合>
上記バインダー性エポキシ化合物と、必要に応じて配合される多官能エポキシ化合物の配合割合は、重量比ではバインダー性エポキシ化合物を10〜80重量部と多官能エポキシ化合物を10〜60重量部の割合で配合するのが好ましく、バインダー性エポキシ化合物を20〜60重量部と多官能エポキシ化合物を20〜50重量部の割合で配合するのが更に好ましく、バインダー性エポキシ化合物を30〜40重量部と多官能エポキシ化合物を25〜35重量部の割合で配合するのが特に好ましい。
ii)硬化剤
本発明に用いられる熱硬化性バインダー形成系には、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
これら硬化剤は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(バインダー性エポキシ化合物と多官能エポキシ化合物)100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。硬化剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不充分となり、強靭な塗膜を形成することができないおそれがある。また、硬化剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るおそれがある。
iii)触媒
本発明に用いられる熱硬化性バインダー形成系には、硬化層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。具体的には、(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[R3NR']+X-、スルホニウム化合物[R3SR']+X-、オキソニウム化合物[R3OR']+X-等を挙げることができる。なお、ここでR及びR’はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
熱潜在性触媒は、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物及び硬化剤の合計100重量部に対して、通常は0.01〜10.0重量部程度の割合で配合する。
(2)光硬化性バインダー形成系
i)重合体
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むバインダー形成系においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、比較的分子量の高い重合体を主体とし、必要に応じて、多官能のモノマーやオリゴマー、単官能のモノマーやオリゴマー、光により活性化する光重合開始材、及び、増感剤などを配合して、光硬化性バインダー形成系を構成する。
それ自体は重合反応性のない重合体を比較的分子量の高い重合体として用いる場合には、バインダー形成系に、2官能以上の多官能モノマー、オリゴマーのような多官能重合性成分を配合する。この場合、バインダー形成系内において、多官能重合性成分が光照射によりそれ自体が自発的に重合するか、或いは、光照射により活性化した光重合開始剤等の他の成分の作用により重合して塗工膜中にネットワーク構造を形成し、当該ネットワーク構造内に重合反応性のない樹脂や顔料などの成分が包み込まれて硬化する。
そのような重合反応性のない重合体としては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:(メタ)アクリル酸(以後、この表現はアクリル酸とメタクリル酸の両方を総称するものとする。)、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
それ自体が重合反応性を有する重合体としては、重合反応性のない重合体の分子に重合性の官能基を導入してなるオリゴマー又はオリゴマーよりも高分子量のポリマーであって、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、或いは、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUVインクジェットインクに配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
この中で、ラジカル重合型プレポリマーは、市場において最も容易に入手でき、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類、ウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを例示できる。
中でも、本発明において好適に用いることができる比較的分子量の高い重合体としては、以下のグラフトポリマーが挙げられる。
本発明において好適に用いられるグラフトポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であり、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がメタクリレート系モノマー単位を含有するメタクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマーである。
上記グラフトポリマーは、スチレン系ポリマー鎖により主鎖(幹部)が構成され、メタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良いし、逆に、メタクリレート系ポリマー鎖により主鎖が構成され、スチレン系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良い。上記したうちでも、スチレン系ポリマー鎖により主鎖が構成され、メタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有するものの方が好ましい。
スチレン系ポリマー鎖は、スチレン系モノマーを主成分とするポリマー鎖であって、ただ1種類のスチレン系モノマーの単独重合体であってもよいし、2種類以上のスチレン系モノマーの共重合体であってもよいし、スチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
スチレン系モノマーとは、スチレンの他、アルキル置換スチレン(メチルスチレン、エチルスチレン、トリメチルスチレン、オクチルスチレンなど)、メトキシスチレン、α−メチルスチレン等の、置換基が付いたスチレンモノマーを含む。
スチレン系モノマーと共重合させることができるモノマーとしては、各種の(メタ)アクリレートモノマーや、アクリロニトリル、アミド系モノマー等が挙げられる。
本発明に用いるインクジェットインクにおいては、顔料分散性の観点からスチレン系ポリマー鎖は、スチレン系モノマー単位を50重量%以上の割合で含有するのが好ましく、さらには60重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
メタクリレート系ポリマー鎖は、メタクリレートを主成分とするポリマー鎖であり、ただ1種類のメタクリレートの単独重合体であってもよいし、2種類以上のメタクリレートの共重合体であってもよいし、メタクリレートと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
メタクリレート系モノマーとしては、アルキルメタクリレート(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n‐ブチルメタクリレート、iso‐ブチルメタクリレート、tert‐ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなど)、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフタルイミドエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、等が挙げられる。Tgが30℃以上のグラフトポリマーが得られるようにメタクリレート系モノマーを選択して用いるのが好ましい。Tgが30℃未満のグラフトポリマーは、硬化後の皮膜硬さが低下するため、好ましくない。
また、メタクリレートと共重合させるモノマーとしては、アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、アミドモノマー、イミド基含有モノマー、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、ダイセル化学製の商品名プラクセルFMシリーズ等を用いることができる。
メタクリレート系ポリマーは、比較的高いTgを有し、且つ、スチレンとミクロ相分離を起こすことから硬度・分散性の点で優れている。かかる観点から、メタクリレート系ポリマー鎖はメタクリレート系モノマー単位を50重量%以上の割合で含有するのが好ましく、さらに70重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
上記グラフトポリマーは、エチレン性不飽和結合やエポキシ基等の光重合性官能基を有していてもよい。上記グラフトポリマーに光重合性官能基を導入することによって、光硬化性を付与することができる。当該光重合性官能基が導入されたグラフトポリマーは、架橋点が向上して表面硬度が向上する点から、本発明において比較的分子量が高い光硬化性樹脂として好適に用いることができる。グラフトポリマーの重合性官能基がエチレン性不飽和結合である場合には、光ラジカル重合反応により硬化可能であり、当該重合性官能基がエポキシ基である場合には、光カチオン重合が可能である。特に、エチレン性不飽和結合を有するグラフトポリマーは、(メタ)アクリル系モノマー等のエチレン性不飽和結合含有モノマー及び/又はオリゴマーと組み合わせて用いることにより、硬化の反応性に優れるインクジェットインクを得ることができる。光重合性官能基は、スチレン系ポリマー鎖又はメタクリレート系ポリマー鎖の一方又は両方に導入してよく、或いは、主鎖又はグラフト部の一方又は両方に導入してよい。
中でも、上記グラフトポリマーとしては、エチレン性不飽和結合をエチレン性不飽和結合当量で1200g/eq以下の割合で有し、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がベンジルメタクリレートから誘導されるモノマー単位を含有するベンジルメタクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマーが好ましいグラフトポリマーとして挙げられる。メタクリレートモノマーの中でも、ベンジルメタクリレートは特に顔料分散性に優れているため、画素等を形成するためのカラーフィルター用インクジェットインクに用いられることが好ましいからである。
当該グラフトポリマーは、スチレン系ポリマー鎖により主鎖(幹部)が構成され、ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良いし、逆に、ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖により主鎖が構成され、スチレン系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良い。上記したうちでも、スチレン系ポリマー鎖により主鎖が構成され、ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有するものの方が好ましい。
当該グラフトポリマーのベンジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレートを主成分とするポリマー鎖であり、ベンジルメタクリレートの単独重合体であってもよいし、ベンジルメタクリレートと上述したような他のモノマーとの共重合体であってもよい。
ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレートモノマー単位を30重量%以上の割合で含有するのが好ましく、50重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
当該グラフトポリマーは、主鎖又はグラフト部分の少なくとも一方がエチレン性不飽和結合を有しており、光又は熱ラジカル重合反応により硬化可能である。当該グラフトポリマーのエチレン性不飽和結合当量は、1200g/eq以下である必要があり、700g/eq以下であるのが好ましい。ここで、エチレン性不飽和結合当量とは、グラフトポリマーの重量平均分子量を一分子中に含有されるエチレン性不飽和結合の数で除した値である。グラフトポリマーのエチレン性不飽和結合当量が1200g/eqを超える場合には、硬化後の皮膜硬度、及び耐溶剤性が不充分となる場合があり好ましくないからである。一方、エチレン性不飽和結合当量が1200g/eq以下のグラフトポリマーは、一分子中に含まれるエチレン性不飽和結合が多いので耐溶剤性、硬度、強度、密着性などの諸物性に優れるからである。そして、吐出性を向上させるために分子量が比較的小さいグラフトポリマーを用いる場合でも、エチレン性不飽和結合当量が1200g/eq以下であれば充分に硬化させることができるので、吐出性に優れたインクが得られ、且つ、諸物性に優れる硬化皮膜を形成できるからである。
グラフトポリマーのグラフト(枝)部分/主鎖(幹)部分の重量比は、20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30であることが好ましい。グラフト部分の重量比が20%を下回ると溶解性、粘度、流動性、吐出性等が悪くなるため、好ましくない。また主鎖部分の重量比が20%を下回ると、顔料分散性が悪くなり好ましくない。
さらに、上記グラフトポリマーの酸価やアミン価を変えることによって、インクの溶剤に対する溶解性、皮膜の耐溶剤性、顔料の分散安定性、染色性、膜硬度、膜強度、などの諸物性を調節できる。
上記グラフトポリマーの製造方法としては、(1)ポリマーとパーオキサイド触媒下で、モノマーを重合させて水素引き抜きによりグラフトする方法、(2)片末端に官能基がついたポリマーと他の官能基がついたポリマーを付加反応させる方法、及び、(3)重合性ポリマー(マクロモノマー)とモノマーを共重合させる方法などを利用できるが、生成物の純度が高い点で、マクロモノマー法が好ましい。上記グラフトポリマーの合成手順としては、特開2002−201387号公報の段落番号0094〜0105の具体例を参考にすることができる。
なお、本発明に用いるインクはインクジェット方式に用いられるインクであるため、インクの粘度が高すぎて吐出ヘッドからの吐出性に悪影響を及ぼさないように、比較的分子量の高い重合体の分子量は、重量平均分子量で25,000以下であることが好ましい。
比較的分子量の高い重合体は、インクジェットインクの固形分全量に対して、1〜50重量%の割合で配合するのが好ましい。
ii)多官能重合性成分
それ自体が重合硬化できる重合性を有する比較的分子量の高い重合体を用いる場合にも、塗膜の強度や基盤に対する密着性を向上させるためには、多官能のモノマーやオリゴマーなどの多官能重合性成分を配合するのが好ましい。重合性を有する比較的分子量の高い重合体の分子は、比較的分子量の高い重合体同士で重合するだけでなく、多官能モノマー等の他の重合性成分とも重合してネットワークを形成し、硬化する。
塗工膜のネットワーク構造を形成する多官能重合性成分としては、2官能以上のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。光硬化性樹脂に十分な膜強度や密着性を付与するために、通常は4官能以上のモノマーやオリゴマーが用いられている。
しかしながら、特に、本発明に用いるインクはインクジェット方式のインクとして用いるため、比較的分子量の高い重合体以外の重合性成分としては、官能基数が比較的少ない2官能乃至3官能のモノマー又はオリゴマーやモノマーを主体として用いるのが好ましく、粘度が100cps以下の2乃至3官能モノマーを用いるのが特に好ましい。インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難くなり、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインクの吐出性が安定するため、インクの吐出量や吐出方向が安定し、インクを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができるからである。
2官能乃至3官能のモノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、3−ブチレングリコールジメタクリレート等を例示することができる。
本発明に用いるインクジェットインクにおいて、2乃至3官能モノマーの配合割合は、インクジェットインクの固形分全量に対して、20〜70重量%の割合で配合することが好ましい。
2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の20重量%に満たない場合には、インクジェットインクがモノマーによって十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがあるからである。
ただし、インクジェットインク中に配合される多官能モノマーが全て2乃至3官能性モノマーである場合には、インクの乾燥による粘度上昇が起こり難いので、インクジェットヘッドの吐出性が安定するが、その反面、インク層を硬化して得られた硬化層の膜強度、基板に対する密着性、耐溶剤性等が不十分となる場合がある。そこで、上記の2乃至3官能モノマーと共に、4官能以上の多官能モノマーやオリゴマーを適量配合することにより架橋密度を上げて、硬化層のパターンに十分な膜強度と密着性を付与することができる。
4官能以上の多官能モノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。
4官能以上の多官能成分は、インクジェットインクの固形分全量に対して、通常、1〜30重量%の割合で配合することが好ましい。本発明に係るインクジェットインクは、2乃至3官能性モノマーによる吐出性安定化と、4官能以上の多官能成分による強度及び密着性向上のバランスをとるために、2乃至3官能性モノマー100重量部に対して、4官能以上の多官能成分の配合割合を、通常は1〜50重量部とし、望ましくは当該配合割合の下限を2重量部以上とし、且つ/又は、当該配合割合の上限を35重量部以下とするのが好ましい。
4官能以上の多官能成分の配合割合が前記2乃至3官能性モノマー100重量部に対して1重量部に満たない場合には、インクを硬化させた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られないおそれがある。また、4官能以上の多官能成分の前記配合割合が50重量部を超える場合には、インクの硬化速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれがあるからである。
iii)単官能重合性成分
また、光硬化性バインダー形成系には、必要に応じて、単官能のモノマー、オリゴマーを配合してもよい。
単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。
iv)光重合開始剤
光硬化性バインダー形成系には、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、樹脂や多官能モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合など)や、各材料の種類を考慮して適宜選択されるが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メチルベンゾイルホルメート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどの光重合開始剤を用いることができる。
なお、光重合開始剤の含有量は、固形分全体に対して0.1〜5重量%、更に固形分全体に対して0.5〜2重量%であることが好ましい。
また、硬化したインク層に十分な密着性、強度、硬度を付与するためには、顔料やその他の成分を含めたインクの固形分全量に占めるバインダー形成系成分の合計割合を25重量%以上とするのが好ましい。
本発明のカラーフィルター製造方法にかかるインクジェットインクにおいて、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)は、R画素を形成する場合0.5〜1.0、好ましくは0.5〜0.9、G画素を形成する場合0.5〜1.2、好ましくは0.7〜1.0、B画素を形成する場合0.3〜0.6、好ましくは0.3〜0.5である。このようなインクは、インクの吐出性能、インクの決壊防止、得られる膜物性のバランスの点から好ましい。P/V比が低すぎると、充分な着色力を得るためには画素形成領域に付着させるインクの液滴量を多くしなければならないため、画素形成領域からインクが決壊するなどの問題が起こる場合がある。一方、P/V比が高すぎると、吐出ヘッドで目詰まりや飛行曲がりが発生する等の吐出性能が低下したり、膜の表面が荒れるなどの問題が起こる場合がある。
また、カラーフィルター用インクジェットインク全重量に対する固形分濃度が15〜25重量%、好ましくは18〜22重量%である。固形分濃度が低すぎると、画素中に塗布するインク液量を増やす必要があるため、パターニング時の決壊などの問題が起こる。一方、固形分濃度が高すぎると、吐出ヘッドで目詰まりや飛行曲がりが発生する等の吐出性能が低下するなどの問題が起こる場合がある。
(溶剤)
本発明に用いるインクジェットインクは、当該インクを保存用の高濃度液として又は直ちにヘッドから吐出できるように調製するために、溶剤を配合する。
本発明に用いるインクジェットインクは、主溶剤として沸点が180℃〜260℃、好ましくは210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、好ましくは0.1mmHg以下の溶剤成分を主溶剤として用い、そのような主溶剤を溶剤の全量に対して60重量%以上の割合で配合する。
沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分は適度な乾燥性及び蒸発性を有している。そのため、このような溶剤成分を高い配合割合で含有する単独溶剤又は混合溶剤を用いると、インクジェットインクが吐出ヘッドのノズル先端において急速には乾燥しないので、インクの急激な粘度上昇や目詰まりが発生せず、吐出の直進性や安定性に悪影響を及ぼさない。よって、精細度が要求される画素の位置を正確に、且つ平均膜厚を均一に制御することができる。
また、被吐出面に吹き付けた後、乾燥が適度な速度で進行するので、インクが被塗布面になじんで塗工膜表面がより水平且つ滑らかになってから、自然乾燥又は一般的な加熱工程によってインクを速やかに且つ完全に乾燥させることができ、本発明の画素形状の範囲内にコントロールすることができる。更に、湿潤剤や極めて沸点の高い溶剤を用いる場合と比べて、乾燥工程後の塗膜中に溶剤が残留するおそれも少ない。
有機溶剤は、必要に応じて主溶剤以外の溶剤成分を少量ならば含有していても良い。しかしながら、その場合でも、上記した沸点と蒸気圧を有する主溶剤を溶剤全量に対して60重量%以上の割合で使用する。主溶剤の割合が溶剤全量の60重量%に満たない場合には、インクジェット方式に適した乾燥性、蒸発性を確実に得ることができない場合がある。
主溶剤は、できるだけ高い配合割合で用いるのが望ましく、具体的には少なくとも60重量%以上、好ましくは80重量%以上とし、更に好ましくは90%以上、できるだけ100重量%とするのが望ましい。
基板表面に濡れ性可変層を形成し露光することにより、基板上のインク層を形成したい部分に親インク性領域を形成し、当該親インク性領域に本発明のインクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させる場合には、主溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上、好ましくは30°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを選択して用いてもよい。
濡れ性に関して上記挙動を示す溶剤を用いてインクを調製すると、インクは、後述する濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな反撥性を示し、当該濡れ性可変層の濡れ性を変化させて親水性が大きくなる方向に変化させた後は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな親和性を示す。従って、濡れ性可変層の表面の一部を選択的に露光して形成した親インク性領域に対するインクの濡れ性と、その周囲の領域に対する撥インク性領域の濡れ性の差を大きくとることができるようになり、親インク性領域にインクジェット方式で吹き付けたインクが、親インク性領域の隅々にまで均一に濡れ広がる。その結果、微細且つ精緻なインク層のパターンをインクジェット方式により形成できるようになる。
ここで、臨界表面張力に関し上記特性を有する試験片は如何なる材料で形成されていても差し支えない。臨界表面張力30mN/mを示す試験片としては、例えば、表面が平滑なポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、平滑なガラス表面に前記ポリマーや表面改質剤等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。また、臨界表面張力70mN/mを示す試験片としては、例えば、ナイロンや親水化処理したガラス表面等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。
主溶剤は、以下に示すような溶剤の中から選んで用いることができる:エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールオリゴマーエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル類;酢酸エチル、安息香酸プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル類;炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル類;エタノール、イソプロパノール、フェノールのようなアルコール類又はフェノール類;ジエチルエーテル、アニソールのような脂肪族又は芳香族エーテル類;2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールのようなグリコールオリゴマー類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシアルコールエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類。
また、本発明に用いるカラーフィルター用インクジェットインクには顔料が含まれるため、特に溶剤の大部分を占める主溶剤としては水酸基を含有しないものを用いることが好ましい。このような主溶剤を用いることにより、顔料の分散性及び分散安定性を有するインクを得ることができる。また、熱硬化性バインダー形成系を用いる場合は、上述のように合成反応の最中にエポキシ基が分解する問題を避けることができる。
主溶剤として好ましいものとしては、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチルなどを例示することができる。これらの溶剤は、沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の要求を満たしているだけでなく、分子中に水酸基を有していない点でも好ましい。さらに、これらの溶剤は、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から顔料分散液の調製に用いられている分散性の高い溶剤と混合し或いは混合せずそのまま分散溶剤として用い、顔料分散液を調製することができる。
好ましいものとして例示した上記溶剤は、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すという要求も満たしている。従って、これらの溶剤は、基板表面に濡れ性可変層を設けて露光し、露光部分と未露光部分の間の濡れ性の差を利用してインクジェットインクを選択的に付着させる場合にも、主溶剤として好適に用いることができる。
また、溶剤中に水分が混入している場合も溶剤中に水分子の水酸基が存在することになるので、水酸基を有する溶剤を用いる場合と同様の問題を生じるおそれがある。従って、水との混和性の低い有機溶剤を用いてインクジェットインクを調製するのが好ましい。かかる観点から、インクジェットインクを調製する溶剤の水に対する溶解性は、液温が20℃の水100重量部に対して20重量部以下であることが好ましい。
具体例として挙げた上記主溶剤の中では、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートは水酸基を有しておらず、また、液温が20℃の水100重量部に対する溶解性も6.5重量部と低い水混和性を示すので、特に好ましい。
溶剤は、当該溶剤を含むインクジェットインクの全量に対して、通常は75〜85重量%の割合で用いてインクジェットインクを調製する。溶剤が少なすぎると、インクジェットインクの粘度が高く、インクジェットインクの場合にはインクジェットヘッドからの吐出が困難になる。また、溶剤が多すぎると、所定の濡れ性変化部位(インク層形成部位)に対するインク盛り量(インク堆積量)が充分でないうちに当該濡れ性変化部位に堆積させたインクの膜が決壊し、周囲の未露光部へはみ出し、さらには隣の濡れ性変化部位(インク層形成部位)にまで濡れ広がってしまう。言い換えれば、インクを付着させるべき濡れ性変化部位(インク層形成部位)からはみ出さないで堆積させることのできるインク盛り量が不充分となり、乾燥後の膜厚が薄すぎて、それに伴い充分な透過濃度を得ることができなくなる。
本発明においては、特に、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分の配合割合を溶剤全体の90重量%以上用いる場合には、顔料分散液の調製時に3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から用いられている分散溶剤を十分な量だけ用いることができない場合がある。その場合には、主溶剤として使用可能な溶剤の中から顔料の分散性、分散安定性が比較的良好なものを選択し、従来から用いられている分散溶剤と混合したものを分散溶剤として用いるか、或いは、主溶剤をそのまま分散溶剤として用いる。
(レベリング剤)
本発明に用いるインクジェットインクは、必要に応じてレベリング剤を含有することができる。レベリング剤としては、例えば、下記のアクリル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ビニルエーテル系界面活性剤等を使用することが好ましい。
インクに上記レベリング剤を含有させると、膜表面全体に当該レベリング剤が拡散し、画素部全体において表面張力が均一化され、更に表面からの溶剤の蒸発が均一化されることにより粘度の高低差が抑えられるため、乾燥過程における溶質の流れがなくなる又は緩和され、その結果、膜を形成した場合の端部盛り上がりが低減されると推定される。また、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいて、アクリル系界面活性剤を用いる場合には、特に電気特性や、画素上に形成されるオーバーコート層をはじき易くなるといったリコート性に問題が生じないという利点を有する。フッ素系界面活性剤も、画素端部に厚膜部分を生じ難くする効果を有するが、フッ素系界面活性剤が用いられる場合には、リコート性が悪化しない範囲内で含まれる。
レベリング剤を添加する場合は、通常、顔料分散工程の後に添加する。
[アクリル系界面活性剤]
ここで、アクリル系界面活性剤とは、アクリル単量体から得られる重合体が含有される界面活性剤をいう。中でも、少なくともアクリル酸アルキルエステル単量体を用いて得られる重合体であることが好ましく、更に、少なくともアルキル基の炭素数が2から9であるアクリル酸アルキルエステル単量体を用いて得られる重合体であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。
アルキル基の炭素数が2から9であるアクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばアクリル酸エチルエステル、アクリル酸ノルマルプロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸ノルマルブチルエステル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸ターシャリーブチルエステル、アクリル酸ノルマルオクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸イソノニルエステル等が挙げられる。
本発明で用いられるアクリル系界面活性剤は、上記アクリル酸アルキルエステル単量体を少なくとも含み、更に他のエチレン性二重結合を有するモノマーを使用した二種類以上のモノマーから成るコポリマーやターポリマー等の共重合体であってもよいが、中でも、上記アクリル酸アルキルエステル単量体のホモポリマー、或いは、上記アクリル酸アルキルエステル単量体を2種以上選択して用いて得られるコポリマーやターポリマー等の共重合体であることが好ましい。これらの共重合体において、コモノマーが全て炭素数2から9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルコモノマーである場合、割合は、格別に制限されない。
本発明で用いるアクリル酸アルキルエステル重合体又は共重合体を合成する方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などがあり、また、重合を行うための開始剤としては、一般に用いられるアゾ重合開始剤や過酸化物などが用いられる。
また、上記アクリル系界面活性剤の重量平均分子量は1000〜100000、更に、1000〜60000であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点から好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、GPC測定においてポリスチレン換算により求めたものである。
また、上記アクリル系界面活性剤のSP値は、8〜9、更に、8〜8.5であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点から好ましい。また、上記アクリル系界面活性剤のSP値は用いられるバインダー形成系のSP値との差が1〜1.5であることが好ましく、更に、上記アクリル系界面活性剤のSP値は用いられるバインダー形成系のSP値よりも1〜1.5低いことが好ましい。上記アクリル系界面活性剤のSP値が上記のような範囲の値を有する場合には、塗工されたインク中で、乾燥・加熱時などにアクリル系界面活性剤がバインダー形成系中に相溶せずに表面付近に集まり易くなり、塗膜表面全体に当該界面活性剤が拡散し、塗膜表面全体の表面張力を強くし、塗膜表面からの乾燥が均一化され易くなると推定される。一方、上記SP値が上記範囲内より小さい場合は、レベリング剤としての効果が十分に発揮されない場合があるからである。また、上記SP値が上記範囲内より大きい場合には、基板上で均一に濡れ広がり難くなり、また硬化後の塗膜に表面荒れが発生する可能性があるからである。
なおここで、SP値とは、物質同士の相溶性、非相溶性を示す指標であり、混合される2つの物質間でSP値の差が小さければ相溶性、溶解性が大きく、易溶性となり、一方、その差が大きければ相溶性、溶解性が小さく、難溶性乃至不溶性となる。
SP値の測定方法や計算方法は幾つかあるが、本発明においては、Michael M. Coleman, John F. Graf, Paul C. Painter (Pennsylvania State Univ.)が書いた、"Specific Interactions and the Miscibility of Polymer Blends" (1991), Technomic Publishing Co.に記載されている計算方法を用いる。但し、‐COOH基と‐OH基については記載がないため、R. F. Fedorsが書いたPolymer Engineering and Science, 14(2), 147(1974)に記載の値を用いる。
なお、本発明に用いられるアクリル系界面活性剤は、アクリル単量体から得られる重合体が主成分として含有されていれば、他の成分が添加されていても、或いはアクリル単量体から得られる重合体が化学的に修飾されていても良い。
アクリル系界面活性剤の市販品としては、楠本化成(株)製、商品名:L−1983−50、230、L−1982−50、L−1984−50、LHP−95等が好適に用いられる。
また、上記アクリル系界面活性剤の含有量は、固形分全体に対して0.001〜5重量%、更に固形分全体に対して0.001〜2重量%、特に固形分全体に対して0.01〜1.5重量%であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。0.001重量%未満の場合では適切な効果が現れず、端部が厚膜になるおそれがあり、一方、5重量%を上回ると、塗膜の端部が低くなりすぎて画素端部の白抜けを発生させるおそれがある。なおここで、配合割合を特定するためのインクジェットインクの固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマー等も固形分に含まれる。また、上記アクリル系界面活性剤の含有量は、アクリル系界面活性剤の固形分の含有量として表している。
[フッ素系界面活性剤]
本発明において、フッ素系界面活性剤とは、フッ素を含有する界面活性剤をいう。フッ素系界面活性剤は、通常、炭化水素系界面活性剤の疎水基の水素原子をフッ素原子で全部あるいは一部置換したものである。
本発明に用いられるフッ素系界面活性剤としては、フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)及びシリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)を少なくとも用いて重合されたフッ素系共重合体であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。
フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)としては、公知のものを使用することが可能であるが、具体的には下記一般式(a1)で表される化合物、あるいは一般式(a2)で表される化合物のように1分子中に複数個のパーフロロアルキル基を有する化合物が挙げられる。
Figure 0004844450
(式中、Rf は炭素原子数1〜20のパ−フロロアルキル基又は部分フッ素化アルキル基を表し、これらのアルキル基は直鎖状又は分岐状であっても良く、また、主鎖中に酸素原子が介入したもの(例えば、−(OCFCF22CF(CF2 等)であっても良く、R はH、CH3、Cl又はFを表し、Xは2価の連結基を表し、aは0又は1を表す。)
Figure 0004844450
(式中、jは1〜14の整数を表す。)
一般式(a1)におけるXは、具体的には、下記式で表される連結鎖が挙げられる。
Figure 0004844450
(式中、nは1〜10の整数を表し、R2 はH又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
Figure 0004844450
フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)中のパ−フロロアルキル基又は部分フッ素化アルキル基の炭素原子数は、3以上が好ましく、6以上が特に好ましい。フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)の具体例としては、以下の式(a−1)〜(a−56)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004844450
Figure 0004844450
Figure 0004844450
Figure 0004844450
Figure 0004844450
フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)は、単独の化合物を使用しても良く、2種類以上の化合物を併用しても良い。
一方、シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)も、公知のものを使用することが可能であり、ポリシロキサン鎖の片末端あるいは両末端に2価の連結基を介して、ビニル基、アクリロイル基、あるいはメタクリロイル基のようなエチレン性二重結合を有する官能基が連結したものが好ましい。シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)は、重合反応性の面から、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)の具体例としては、例えば、一般式(b−1)で表される化合物、又は一般式(b−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004844450
[式中、R3及びR4は、各々独立的に、炭素原子数1〜20のアルキル基又はフェニル基を表し、また、シロキシ単位毎に同一でも異なっていてもよい。pは3〜520の整数を表し、qは0又は1を表し、X2 は2価の連結基であって、具体的には、一般式 −CH2CH(OH)CH2OCO−、−(CH2n1NHCH2CH(OH)CH2OCO−、−(CH2n1OCO−、−(CH2n1−O−(CH2m1OCO− 又は −OCH2CH(OH)CH2 OCO−(式中、n1及びm1は、それぞれ独立的に、2〜6の整数を表す。)で表される連結鎖を表す。R1 は前記一般式(a1)において定義したものと同じものを表し、Z1はメチル基、フェニル基又は一般式 CH2=C(R1)−(X2q−で表される基を表す。]
Figure 0004844450
(式中、R5、R5'、R5''、R6、R6'、R6''、R7、R7'及びR7''は、各々独立的に、炭素原子数1〜20のアルキル基又はフェニル基を表す。r、s及びtは、各々独立的に、0又は1〜200の整数を表す。X2、q及びR1は、一般式(b−1)において定義したものと同じものを表す。)
シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)のシリコ−ン鎖部分の分子量は、5,000以下が好ましく、また1,000以下が特に好ましい。また、シリコ−ン鎖部分の構造は、上記一般式(b−2)で表されるような分岐型のものが好ましく、その中でも、上記一般式(b−2)中で、r、s及びtが0のものが特に好ましい。
シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)の具体例としては、以下の式(b−1−1)〜(b−3−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004844450
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シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)は、単独の化合物を使用しても良く、2種類以上の化合物を併用しても良い。
本発明に用いられるフッ素系界面活性剤としては、特に、フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)として(a−1)で表されるモノマー、シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)として(b−3−1)で表されるモノマーを少なくとも用いて重合されたフッ素系共重合体、或いは、フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)として(a−56)で表されるモノマー、シリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)として(b−2−1)で表されるモノマーを少なくとも用いて重合されたフッ素系共重合体であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。
また、本発明に用いられるフッ素系界面活性剤は、その構成モノマーとして上記フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)及びシリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)に加え、非フッ素且つ非シリコ−ン系のエチレン性二重結合を含有するモノマーを併用したものであっても良い。
非フッ素且つ非シリコ−ン系のエチレン性二重結合を含有するモノマーとしては、例えば、スチレン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、酢酸ビニルのように脂肪酸ビニル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の一価ないし二価のカルボン酸のようにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ステアリルエステルのようにアルキル基の炭素原子数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチルエステルのように(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18のヒドロキシアルキルエステル;ジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノプロピルエステルのように(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18のアミノアルキルエステル;メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステルのように(メタ)アクリル酸の炭素原子数3〜18のエーテル酸素含有アルキルエステル;
ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はジ(メタ)アクリル酸エステル、若しくは末端が炭素原子数1〜6のアルキル基によってキャップされた重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、そしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、
メチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルのようにアルキル炭素原子数が1〜18のアルキルビニルエーテル;グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートのように(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル;サートマー社製のスチレンマクロモノマー4500、新中村化学工業(株)製のNKエステルM−230Gのようにマクロモノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、部分スルホン化スチレン、モノ(アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ−ト、モノ(メタクリロキシエチル)アシッドホスフェ−ト等が挙げられる。
これらの非フッ素且つ非シリコ−ン系のエチレン性二重結合を含有するモノマーの中でも、側鎖にポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、そしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はジ(メタ)アクリル酸エステル、若しくは末端が炭素原子数1〜6のアルキル基によってキャップされた重合度1〜100の、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、そしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルのようにポリオキシアルキレン基を側鎖に有する(メタ)アクリレートモノマー;炭素原子数6以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルのように炭素原子数6以上のアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)及びシリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)と、更に必要に応じて、非フッ素且つ非シリコ−ン系のエチレン性二重結合を含有するモノマーとを共重合させるフッ素系重合体の製造方法には何ら制限はなく、公知の方法、即ち、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更にエマルジョン重合法等によって製造できるが、特にラジカル重合法が簡便であり、工業的に好ましい。
この場合、重合開始剤は、公知のものを使用することができ、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物、トリアセチルアセトナト マンガン等の金属キレート化合物等が挙げられる。また、重合反応には、必要に応じて、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコ−ル酸、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のようにカップリング基を有するチオ−ル化合物等の連鎖移動剤を重合開始剤と併用することができる。
また光増感剤や光開始剤の存在下での光重合あるいは放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても本発明に係るフッ素系のランダムもしくはブロック共重合体を得ることができる。
重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下に実施する方が好ましい。溶剤としては、例えば、エタノ−ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノールのようにアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようにケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようにエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのように極性溶剤;1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルムのようにハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようにエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのように芳香族類;パーフロロオクタン、パーフロロトリ−n−ブチルアミンのようにフッ素化イナートリキッド類等が挙げられる。
フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)とシリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)との共重合比率は、重量比で、100:1〜1:100の範囲が好ましく、40:1〜1:40の範囲が特に好ましい。また、フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)とシリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)に、非フッ素且つ非シリコ−ン系のエチレン性二重結合を含有するモノマーを導入する場合、フッ素化アルキル基とエチレン性二重結合を含有するモノマー(A)とシリコーン鎖とエチレン性二重結合を含有するモノマー(B)との合計重量に対し、1,000倍以下が好ましく、100倍以下が特に好ましい。
本発明で使用するフッ素系重合体の分子量は、数平均分子量(Mn)で、1,000〜2000,000の範囲が好ましく、1,000〜500,000の範囲が特に好ましい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、中でも、大日本インキ化学工業(株)製メガファックR−08MH、メガファックF482、メガファックF470、メガファックF471、メガファックF472SF、HAS−36等が好適に用いられる。
また、上記フッ素系界面活性剤の含有量は、固形分全体に対して0.0001〜1重量%、更に固形分全体に対して0.0001〜0.6重量%、特に固形分全体に対して0.001〜0.3重量%であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。0.0001重量%未満の場合では適切な効果が現れず、端部が厚膜になるおそれがあり、一方、1重量%を上回ると、塗膜の端部が低くなりすぎて画素端部の白抜けを発生させるおそれがあり、また、リコート性が劣るおそれがある。また、上記フッ素系界面活性剤の含有量は、フッ素系界面活性剤の固形分の含有量として表している。なお、本発明においてリコート性とは、本発明に係るインクジェットインクを用いて形成された塗膜の上に、例えばオーバーコート層等の層形成用塗工液を塗布した時に、はじきが発生することなく均一に塗布できる性質をいう。リコート性が悪化するとは、本発明に係るインクジェットインクを用いて形成された塗膜の上に、例えばオーバーコート層等の層形成用塗工液を塗布した時に、はじきが発生することをいい、具体的には、微小な突起を核としてその周辺において、オーバーコート層等の層形成用塗工液の膜厚が薄く、不均一になっている状態をいう。
[シリコーン系界面活性剤]
本発明においては、更に、ポリエーテル及び/又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサン構造を含有するシリコーン系界面活性剤を固形分全体に対して0.001〜2.5重量%含んでいても良い。シリコーン系界面活性剤も、端部に厚膜部分を生じ難くする効果を有するからである。但し、シリコーン系界面活性剤が、固形分全体に対して2.5重量%を超えるとき、電気特性及びリコート性が悪化する場合がある。
シリコーン系界面活性剤としては、上記の中でも、フェニル基を有するシリコーン系界面活性剤であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点からH好ましい。また、シリコーン系界面活性剤の重量平均分子量としては、500〜10000であることが好ましく、更に1000〜3000であることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、ビッグケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK−307、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−330、BYK−331、BYK−344、BYK−silclean3700;信越化学工業(株)製、商品名KP−321、KP−324等が好適に用いられる。
また、上記シリコーン系界面活性剤の含有量は、固形分全体に対して0.001〜2.5重量%、更に固形分全体に対して0.001〜1.25重量%、特に固形分全体に対して0.01〜0.75重量%であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。0.001重量%未満の場合では適切な効果が現れず、端部が厚膜になるおそれがあり、一方、2.5重量%を上回ると、塗膜の端部が低くなりすぎて画素端部の白抜けを発生させるおそれや、体積抵抗値が上昇して電気特性に問題が生じるおそれや、リコート性が劣るおそれがある。また、上記シリコーン系界面活性剤の含有量は、上記シリコーン系界面活性剤の固形分の含有量として表している。
[ビニルエーテル系界面活性剤]
本発明に用いるインクジェットインクは、ビニルエーテル系界面活性剤を含んでも良い。ここで、ビニルエーテル系界面活性剤とは、ビニルエーテルモノマーを用いて得られる重合体よりなる界面活性剤である。
ビニルエーテル系界面活性剤に用いられるビニルエーテルモノマーとしては、式(5)で表されるアルキルビニルエーテルであることが好ましい。
Figure 0004844450
(式中のRは1〜8の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素である。)
式(5)中のRは、炭素数が1〜8の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素である。好ましくは炭素数が3〜4、より好ましくは炭素数が4の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素である。炭素数が8を上回ると重合体の溶剤等への溶解性が低下するおそれがある。アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどが挙げられるが、中でも、ビニルエーテルモノマーとしてイソブチルビニルエーテルを用いたビニルエーテル系界面活性剤が、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。
ビニルエーテル系界面活性剤においては、前記ビニルエーテルモノマーと他のモノマーとを用いて共重合させてもよい。共重合可能なモノマーとしては、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、モルホリンエチルビニルエーテル等の窒素含有ビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;ジイソプロピルフマレート、ジシクロヘキシルフマレート等のフマル酸ジエステル;無水マレイン酸;無水イタコン酸等が挙げられる。重合方法はラジカル重合、イオン重合等の重合法を採ることができる。式(5)で表されるアルキルビニルエーテルは重合させるモノマーの全体中、70〜100重量%、さらに好ましくは80〜100重量%含まれることが好ましい。70重量部を下回ると適切な効果が現れず、端部が厚膜になるおそれがある。
上記ビニルエーテル系界面活性剤の重量平均分子量は1,000〜10,000、更に1,500〜5,000であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点から好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、GPC測定においてポリスチレン換算により求めたものである。
さらに、上記ビニルエーテル系界面活性剤のSP値は、8〜9、更には、8〜8.5であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする効果の点から好ましい。これは本発明のカラーフィルター用インクジェットインクの場合、カルボキシル基が潜在化されているので上記ビニルエーテル系界面活性剤との溶解性に優れ、さらに加熱時に脱ブロックすることによりビニルエーテル系界面活性剤がバインダー形成系中に相溶せずに表面付近に集まり易くなり、塗膜表面全体に当該界面活性剤が拡散し、塗膜表面全体の表面張力を適切なレベルにし、塗膜表面からの乾燥が均一化され易くなるからと推定される。
例えば、ポリビニルイソブチルエーテルの場合、SP値は8.35、ポリビニルイソプロピルエーテルの場合、SP値は8.31となる。
また、上記ビニルエーテル系界面活性剤の含有量は、固形分全体に対して0.05〜1.25重量%、更に固形分全体に対して0.10〜1.00重量%であることが、端部に厚膜部分を生じ難くする点から好ましい。0.05重量%未満の場合では適切な効果が現れず、端部が厚膜になるおそれがあり、一方、1.25重量%を上回ると、塗膜の端部が低くなりすぎて画素端部の白抜けを発生させるおそれがあり、また、体積抵抗値が上昇して電気特性に問題が生じるおそれや、リコート性が劣るおそれがある。なお、上記ビニルエーテル系界面活性剤の含有量は、ビニルエーテル系界面活性剤の固形分の含有量として表している。
ビニルエーテル系界面活性剤の市販品としては、楠本化成(株)製、商品名:LHP−90等が好適に用いられる。
以上の界面活性剤のほか、脂肪酸エステル系界面活性剤、特殊アクリル系重合体などを用いることができる。
(その他の成分)
更に、本発明に用いるカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
b)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
c)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
d)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど。
(インクの製造方法)
本発明で用いられるインクジェットインクは、各成分を単独溶剤又は混合溶剤である溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー形成系等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、そこに顔料を分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。
顔料分散液を投入する残部の溶剤としては、最終的な溶剤全体の組成から顔料分散液の調製に用いた溶剤の分を差し引いた組成を有するものを用い、最終濃度にまで希釈してインクジェットインクを完成させても良い。また、顔料分散液を比較的少量の主溶剤に投入して高濃度のインクジェットインクを調製しても良い。高濃度のインクジェットインクは、そのまま保存し、使用直前に最終濃度に希釈してインクジェット方式に使用することができる。
2.インク層を形成する工程(B)
次に、インクジェット方式によって工程(A)で準備したインクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、インク層を形成する。インクジェット方式であるため、従来のフォトリソグラフィー法等に比べて生産性が高く、コスト低減や歩留まり向上が実現可能である。
以下、インク層を形成する工程(B)について、図2を用いて説明する。
先ず、図2(A)に示すようにカラーフィルターの透明基板を準備する。
透明基板5としては、従来よりカラーフィルターに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに適している。本発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的で表面処理を施したものを用いてもよい。
次に、図2(B)に示すように、透明基板5の一面側の画素部間の境界となる領域にブラックマトリックス層6を形成する。
ブラックマトリックス層6は、インクを所定領域に付着させるための隔壁であり、画素7R,7G,7Bの間及び画素形成領域の外側を取り囲むように設けられることにより、表示画像のコントラストを向上させることができる。
ブラックマトリックス層6の高さは2.0μm〜3.0μm、更に2.0μm〜2.5μmであることが、特にインクジェット方式を用いて製造する場合に、本発明に係るカラーフィルターを容易に得ることができる点から好ましい。ブラックマトリックス層の高さが3.0μmを超えると、ブラックマトリックス層の強度及びパターン精度が不十分な場合がある。また、得られる画素は中央部付近が大きく落ち込んだ形状になり、当該形状は、輝度の低下を改善する上で特に大きな阻害要因となる。一方、2.0μm未満の場合、インク層を堆積する際に決壊が生じやすく、また、得られる画素は、ブラックマトリックスの端部付近の膜厚が大きく落ち込み、且つ中央部が大きく盛り上がった形状になり、やはり輝度の低下を引き起こす。
ブラックマトリックス層6として、金属薄膜を形成する場合には、当該薄膜をパターニングすることにより形成することができる。このパターニングの方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の通常のパターニング方法を用いることができる。
また、ブラックマトリックス層6として、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層を形成する場合には、パターニングの方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。或いは、後述する画素7と同様にインクジェット方式を用いて形成しても良い。
上記高さを有するブラックマトリックス層の形成が容易な点から、樹脂バインダー中に遮光性粒子を含有させたブラックマトリックス層を用いることが好ましい。
次に、図2(C)に示すように、ブラックマトリックス層のパターンの幅方向中央に、ブラックマトリックス層よりも幅の狭い撥インク性隔壁20を必要に応じて形成する。このような撥インク性隔壁の組成は、撥インク性を有する樹脂組成物であれば、特に限定されるものではない。また、特に透明である必要はなく、着色されたものであってもよい。例えば、ブラックマトリックス層に用いられる材料であって、黒色の材料を混入しない材料等を用いることができる。具体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を挙げることができる。取扱性および硬化が容易である点等の理由から、光硬化性樹脂が好適に用いられる。また、この撥インク性隔壁は、撥インク性が強いほど好ましいので、その表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理したものでもよい。
撥インク性隔壁のパターニングは、撥インク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光硬化性塗工液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができる。撥インク性隔壁の高さは、上述したようにインクジェット方式により着色する際にインクが混色することを防止するために設けられるものであることから、ある程度高いことが好ましい。具体的には、吹き付けるインクの堆積量によっても異なるが、通常は0.1μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。
次に、赤(R)、緑(G)、青(B)の顔料が配合された、上記本発明に用いるインクジェットインクをそれぞれ用意する。そして、図2(D)に示すように、透明基板5の表面に、ブラックマトリックス層6のパターンにより画成された各色の画素形成領域21R、21G、21Bに、対応する色の画素形成用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する。インク層は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態で配列されるように形成される。このインクの吹き付け工程において、インクジェットインクは、ヘッド22の先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続ける必要がある。この場合、所定の画素形成領域内に、対応する色のインクを正確に、且つ、均一に付着させることができ、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。また、各色の画素形成用インクジェットインクを、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、印刷等の方法で各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。
付着させるインクの量はインクの組成により異なるが、後述する画素の形状を得るために必要なインクの量を画素形成領域に付着させる。
3.画素を形成する工程(C)
次に、前記工程(B)で得られるインク層を硬化させ、本発明特有の形状を有する画素を形成する。図2(E)に示すように、各色のインク層23R、23G、23Bを乾燥し必要に応じてプリベークした後、適宜露光及び/又は加熱することにより硬化させる。インク層を適宜露光及び/又は加熱すると、インクジェットインク中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化して画素が形成される。
本発明により得られるカラーフィルターの画素は、製造方法上の制約のために厚みが画素の領域内で不均一であることが特徴的である。上述のように、本発明に係る画素の形状は、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも画素の中心側に厚みの最大部を有するような形状であったり、逆に、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの大きい部分を有し、且つ当該厚みの大きい部分よりも画素の中心側に厚みの最小部を有するような形状であったり、さらに、その表面が凹凸形状であったりする。ここで、画素の外縁部とは、画素の平面形状を規定している縁部である。また、画素の外縁部又はその近傍に沿ってとは、少なくとも外縁部又はその近傍の一部に沿って厚みの小さい部分を有していれば良い旨を言う。また、画素の厚みとは、基板の基準面(平均高さを有する面)からの高さをいう。以下の説明では、画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも画素の中心側に厚みの最大部を有するような形状の場合を中心に説明する。
本発明に係るカラーフィルターの画素の一例の、透明基板に垂直方向の断面図を図3(a)及び図3(b)に示す。図3(a)及び図3(b)において、画素31は、画素の外縁部32又はその近傍33に厚みの小さい部分34を有し、且つ当該厚みの小さい部分34よりも画素の中心側に厚みの最大部35を有するような形状である。
上記中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素のような、厚みが不均一な画素は、例えばインクジェット方式を用いて形成する場合に得られる。インクジェット方式を用いる場合には、高精細に画素を形成することができる上、コスト低減や歩留まり向上を実現可能というメリットを有する。なお、上記中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素のような、厚みが不均一な画素は、インクジェット方式以外の方式で形成されても良い。
上記のような中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素は、スピンコート法を用いて形成された画素の形状とは顕著に異なるものである。スピンコート法を用いて形成された画素は、図4(a)に示されるように画素の厚みがほぼ一定となり、厚みが一定でない部分が存在する場合には、通常、画素の中央部付近には盛り上がりは存在せず、図4(b)のように画素の端部のブラックマトリックスに乗り上がった部分に盛り上がりが存在する。
本発明により得られるカラーフィルターを構成する各画素内の、平均膜厚は1.5μm〜2.5μm、膜厚分布は1.0μm〜3.0μmの範囲内、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は5%以下である。このような画素を有するカラーフィルターは、画素の形状がやや不均一ではあるが、十分な色特性が得られる平均膜厚を有し、厚みがほぼ均一なスピンコート法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して輝度の低下が小さく、色特性が同等或いはそれに近いというメリットがある。
画素の平均膜厚、膜厚分布、及び1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は、例えば、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)を用いて測定することができる。画素の平均膜厚(μm)は、画素形成領域の全エリアの膜厚を1μm毎に求め、それらの平均を求めたものである。また、画素の膜厚分布(μm)は、画素形成領域の膜厚分布を意味する。膜厚分布が広くなるほど、画素の平坦性が悪い傾向にある。また、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が大きいほど平坦性が悪い傾向にある。
ここで、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は下記式により定義する。
R(%)=(n1+n)/n×100
(但し、Rは1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合(%)、n1は1.5μm以下の膜厚となる測定点の数、nは2.5μm以上の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
本発明により得られる画素の平均膜厚は、1.5μm〜2.5μmである。画素の平均膜厚が上記範囲内のとき、得られるカラーフィルターは、スピンコート法により形成される、十分な色特性を得ることが可能な平均膜厚の画素を有するカラーフィルターと同等或いは同等に近い色特性を有する。
G画素は、R画素、B画素と比べて、通常、使用する顔料の着色力が小さいため、P/V比を高くするか、平均膜厚を大きくすることにより、他の画素との表示上のバランスを整える必要があるが、P/V比を高くしすぎると画素の耐溶剤性が劣る点から、G画素の平均膜厚は1.6μm以上、好ましくは1.8μm以上である。このため、RGBの膜厚差をなくすため、RGBすべての平均膜厚を1.5μm以上とする必要がある。
一方、インクジェット方式で2.5μm以上の平均膜厚を有する画素を製造する場合、上述の通りブラックマトリックス層の高さが制限されることから、インク層を形成する工程において吹き付けるべきインクの量が、ブラックマトリックス層の高さに対して大きくなりすぎることによりインクの決壊が発生し、得られる画素に混色を生じる可能性がある。よって、画素の平均膜厚は2.5μm以下、好ましくは2.2μm以下である必要がある。
上記画素の平均膜厚の範囲内であれば、例えば、赤色画素7Rが最も薄く、緑色画素7G、青色画素7Bの順に厚くなるというように各色の画素の厚みを変えて、各色ごとに最適な厚みに設定してもよい。
また、上記平均膜厚を有する画素の膜厚分布は1.0μm〜3.0μmの範囲にある。また、膜厚分布が3.0μmを超える場合は、上記と同様に輝度が低下する場合がある。
また、上記平均膜厚及び膜厚分布を有する画素の、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は5%以下である。
尚、本発明により得られるカラーフィルターを構成する各画素内の、平均膜厚は1.7μm〜2.4μm、膜厚分布は1.5μm〜2.5μm、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は3%以下であることがより好ましい。
カラーフィルターの画素は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。画素における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
本発明において、主に画素の形状由来の輝度の低下を表す指標として輝度ロスΔY(%)を用いる。輝度ロスΔYは、下記式から求める。
ΔY(%)=(Y−Y)/Y×100
(但し、Yは測定対象のカラーフィルターの輝度、Yはスピンコート法により得られるカラーフィルターの輝度を意味する。)
ここで、スピンコート法とは、インクジェット用インクを透明基板上にスピンコートにより塗布し、硬化させることで画素を形成する方法である。
輝度ロスの評価は以下のように行うことができる。
まず、インクジェット方式を用いて、図6(A)の断面図のように、所望の形状の同色画素が配列されてなる測定対象のカラーフィルターを準備する。次に、測定対象のカラーフィルターと同等の色度で(Rの場合はx、G、Bの場合はyを揃えた)、ほぼ平坦な画素が図6(B)の断面図のように配列されてなる、スピンコート法により得られるカラーフィルターを準備する。
次に、準備したカラーフィルターの画素領域のうち、広域分光装置(商品名「島津自記分光光度計UV−3100PC」、島津製作所社製)を用いて、試料検出面積 幅4mm、高さ11mmとして、可視波長域の分光透過スペクトル測定を行った結果からY及びYを算出し、更に式(1)より輝度ロスΔYを求める。
本発明により得られるカラーフィルターは、ΔY(%)≦5であることが好ましい。輝度ロスが上記範囲内のとき、十分な色特性が得られる平均膜厚を有し、厚みがほぼ均一なフォトリソグラフィー法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して遜色のない輝度である。
尚、カラーフィルターの輝度の測定方法として通常用いる顕微分光測定は、インクジェットカラーフィルター特有の、厚みが不均一な形状を有する画素について輝度を評価する場合、その評価結果が実際の使用態様であるパネルに設置された状態における輝度の評価結果と異なることから、本発明の輝度測定に使用することはできない。
次に、図2(F)に示すように、透明基板の画素24R、24G、24Bを形成した側に、保護膜8を形成する。
保護膜8は、カラーフィルターの表面を平坦化すると共に、画素7に含有される成分が液晶層に溶出するのを防止するために設けられる。保護膜8は、公知のネガ型の光硬化性透明樹脂組成物又は熱硬化性透明樹脂組成物を、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により、ブラックマトリックス層6及び画素7を覆うように塗布し、光又は熱によって硬化させることによって形成できる。
保護膜8の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルターの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1μm〜2.0μmの範囲で設定することができる。
その他においては、通常のカラーフィルターを形成する方法と同様の方法を用いて製造することができる。
4.カラーフィルター
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に形成された、顔料、顔料分散剤、バインダーを含有する画素とを少なくとも備え、当該各画素は、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下である。インクジェット方式等、手法上の制約により画素の形状が均一でなくなる傾向の形成方法を用いた場合でも、このようなカラーフィルターはそれと同じ平均膜厚、同じ材料の構成比で、平坦な形状の画素を有するカラーフィルターと比較して、同等或いは同等に等しい輝度を有する。
本発明に係るカラーフィルターの形成方法としては、インクジェット方式の他、染色法、印刷法、電着法等、公知の方法であってもよい。
図5は、本発明に係るカラーフィルターの一例(カラーフィルター103)を示す縦断面図である。このカラーフィルター103は、透明基板5に所定のパターンで形成されたブラックマトリックス6と、当該ブラックマトリックス上に所定のパターンで形成した画素7(7R,7G,7B)と、当該画素を覆うように形成された保護膜8を備えている。また、保護膜8上に液晶駆動用の透明電極膜9が形成されている。カラーフィルター103の最内面、この場合には透明電極上には、配向膜10が形成されている。
柱状スペーサー12は凸状スペーサーの一形状であり、ブラックマトリックス層6が形成された領域(非表示領域)に合わせて、透明電極9上の所定の複数箇所(図5では4箇所)に形成されている。柱状スペーサー12は、透明電極9上若しくは画素7上若しくは保護膜8上に形成される。カラーフィルター102においては、保護膜8上に透明電極膜9を介して柱状スペーサーが海島状に形成されているが、保護膜8と柱状スペーサー12を一体的に形成し、その上を覆うように透明電極膜9を形成しても良い。また、カラーフィルターがブラックマトリックス層を備えていない場合には、画素を形成していない領域に柱状スペーサーを形成することができる。
以下、各構成部材について説明する。
(透明基板)
本発明のカラーフィルターを構成する透明基板は、上記製造方法において説明したものと同様である。
(画素)
本発明のカラーフィルターを構成する画素は、顔料、顔料分散剤、バインダーを含有することが好ましく、更に必要に応じてレベリング剤を含有する。
バインダーには、上記バインダー形成系の説明で説明したバインダー形成系の構成成分のうち、インク層を硬化させる工程において反応性を有する成分についてはその反応生成物が含まれ、反応性を有さない成分についてはその成分が含まれる。
詳細は、上記製造方法において説明したものと同様である。
(ブラックマトリックス層)
ブラックマトリックス層は表示画像のコントラストを向上させるために設けられるが、インクジェット方式によるカラーフィルターを作成する場合には、各画素を仕切るための隔壁の役割も果たす。
ブラックマトリックス層を設ける場合は、その高さが、2.0μm〜3.0μm、更に2.0μm〜2.5μmであることが、特にインクジェット方式を用いて製造する場合に、本発明に係るカラーフィルターを容易に得ることができる点から好ましい。詳細は、上記製造方法において説明したものと同様である。
(保護膜)
保護膜は、上記製造方法において説明したものと同様である。
(スペーサー)
凸状スペーサーは、カラーフィルター103をTFTアレイ基板等の液晶駆動側基板と貼り合わせた時にセルギャップを維持するために、基板上の非表示領域に複数設けられる。凸状スペーサーの形状及び寸法は、基板上の非表示領域に選択的に設けることができ、所定のセルギャップを基板全体に渡って維持することが可能であれば特に限定されない。凸状スペーサーとして図示したような柱状スペーサー12を形成する場合には、2μm〜10μm程度の範囲で一定の高さを持つものであり、突出高さ(パターンの厚み)は液晶層に要求される厚み等から適宜設定することができる。また、柱状スペーサー12の太さは5μm〜20μm程度の範囲で適宜設定することができる。また、柱状スペーサー12の形成密度(密集度)は、液晶層の厚みムラ、開口率、柱状スペーサーの形状、材質等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、赤色、緑色及び青色の各画素の1組に1個の割合で必要充分なスペーサー機能を発現する。このような柱状スペーサーの形状は柱状であればよく、例えば、円柱状、角柱状、截頭錐体形状等であっても良い。
凸状スペーサーは、例えば、硬化性樹脂組成物の塗工液をスピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により透明基板上に直接、又は、透明電極等の他の層を介して塗布し、乾燥して、硬化性樹脂層を形成する。スピンコーターの回転数は、保護膜を形成する場合と同様に500〜1500回転/分の範囲内で設定すればよい。通常、スペーサーを形成するためのインクジェットインクは光硬化性インクジェットインクが好適に用いられるため、次に、この樹脂層を凸状スペーサー用フォトマスクを介して露光し、アルカリ液のような現像液により現像して所定の凸状パターンを形成し、この凸状パターンを必要に応じてクリーンオーブン等で加熱処理(ポストベーク)することによって凸状スペーサーが形成される。
凸状スペーサーは、カラーフィルター上に直接又は他の層を介して間接的に設けることができる。例えば、カラーフィルター上にITO等の透明電極又は保護膜を形成し、その上に凸状スペーサーを形成しても良いし、カラーフィルター上に保護膜と透明電極をこの順に形成し、さらに透明電極上に凸状スペーサーを形成しても良い。
(透明電極)
透明電極9は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて形成することができる。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ましくは100〜300nm程度とすることできる。
(その他の層)
通常カラーフィルターに形成されるその他の部材をさらに含んでいても良い。配向膜やその他の部材においては、通常カラーフィルターに用いられるものを用いて、通常の方法で形成することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
(製造例1:バインダー性エポキシ化合物の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。
Figure 0004844450
*1)表中の略号は以下の通りである。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
(実施例1)
(1)赤色顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液、及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液をそれぞれ調製した。
[顔料分散液の組成]
・顔料:10重量部
・顔料分散剤(アジスパーPb821(味の素ファインテクノ株式会社製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):50重量部
なお、上記顔料分散剤アジスパーPb821のガラス転移温度は、熱化学反応熱量計(セイコーインスツル株式会社製)を用いて、温度範囲25〜280℃、昇温速度7.5℃/分の条件下で測定したところ、57℃であった。
(2)バインダーの調製
サンプル瓶にテフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記の割合に従って前記製造例1に記載のバインダー性エポキシ化合物、多官能エポキシ樹脂等を加え、室温で十分に攪拌溶解し、次いで、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):10重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1重量部
・トリメリット酸:2重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):1重量部
(3)インクジェットインクの調製
表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
(4)塗膜の形成
(a)スピンコート法による塗膜の形成
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚2.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記ブラックマトリックスパターン上の全面に、スピンコート法によりインクジェットインクを塗布し、インクジェットで作成した色板基板とxが一致する赤色塗膜を形成した。
得られたスピンコート法による塗膜の乾燥後の膜厚は、接触式膜厚測定装置(日本真空技術(株)製、商品名「Dectak-3030ST」)により行った。
(b)インクジェット法による塗膜の形成
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚2.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された画素形成部に、上記インクジェットインクをインクジェット方式によって付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に画素パターンを形成した。得られたインクジェット法による塗膜の、乾燥後の平均膜厚、膜厚分布、1.5μm以下及び2.5μm以上の面積の合計の割合は、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)により行った。
(実施例2)
(1)緑色顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液をそれぞれ調製した。
[顔料分散液の組成]
・顔料:10重量部
・顔料分散剤(アジスパーPb821(味の素ファインテクノ株式会社製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):50重量部
(2)バインダーの調製
実施例1と同様にバインダー組成物の調製を行った。
(3)インクジェットインクの調製
表2に示される配合割合で、上記調製したPG36顔料分散液、PY150顔料分散液、及びバインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
(4)塗膜の形成
スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
(1)青色顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液をそれぞれ調製した。
[顔料分散液の組成]
・顔料:10重量部
・顔料分散剤(Solsperse33000(Avecia社製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):50重量部
なお、上記顔料分散剤Solsperse33000は、23℃で液状である。
(2)バインダーの調製
実施例1と同様にバインダー組成物の調製を行った。
(3)インクジェットインクの調製
表2に示される配合割合で、上記調製したPB15:6顔料分散液、PV23顔料分散液、及びバインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
(4)塗膜の形成
スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を、実施例1と同様に行った。
(実施例4)
実施例1の(3)インクジェットインクの調製工程において、表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合した後に、更に、混合したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、及び、バインダー組成物の全重量に対し、レベリング剤としてビニルエーテル系界面活性剤(商品名「LHP−90」、楠本化成製)を0.5重量%添加し、混合したこと以外は、実施例1と同様に、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を行った。
(比較例1〜12)
(1)赤色顔料分散液の調製
比較例1〜6について、赤色顔料分散液を実施例1と同様に調製した。比較例7は、顔料分散剤として、イソシアネート類が重合した主鎖構造を有するDisperbyk161((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例1と同様に調製した。比較例8は、顔料分散剤として、変性アクリル系ブロック共重合体であるDisperbyk2000((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例1と同様に調製した。比較例9は、顔料分散剤として、Disperbyk161((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例2と同様に調製した。比較例10は、顔料分散剤として、Disperbyk2000((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例2と同様に調製した。比較例11は、顔料分散剤として、Disperbyk161((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例3と同様に調製した。比較例12は、顔料分散剤として、Disperbyk2000((ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%))を用いたこと以外は、実施例3と同様に調製した。
なお、上記顔料分散剤Disperbyk161のガラス転移温度は、アジスパーPb821と同様に測定したところ、261℃であった。また、上記顔料分散剤Disperbyk2000のガラス転移温度は、アジスパーPb821と同様に測定したところ、194℃であった。
(2)バインダーの調製
実施例1と同様にバインダー組成物の調製を行った。
(3)インクジェットインクの調製
表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、PG36顔料分散液、PY150顔料分散液、PB15:6顔料分散液、PV23顔料分散液、及び、バインダー組成物を充分に混合し、インクジェットインクを調製した。
(4)塗膜の形成
比較例1〜4及び比較例7〜12は、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を、実施例1と同様に行った。比較例5は、ブラックマトリックスの膜厚が1.2μmであること以外は実施例1と同様に、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を行った。また、比較例6は、ブラックマトリックスの膜厚が3.2μmであること以外は実施例1と同様に、スピンコート法による塗膜の形成、及びインクジェット法による塗膜の形成を行った。
[評価]
得られたカラーフィルターについて、下記評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
1.画素の平均膜厚、膜厚分布、及び1.5μm以下及び2.5μm以上の面積の合計の割合
画素の平均膜厚、膜厚分布、及び1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合は、例えば、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)を用いて測定した。
画素の平均膜厚(μm)として、画素形成領域の全エリアの膜厚を1μm毎に求め、それらの平均を求めた。画素の膜厚分布(μm)として、画素形成領域の膜厚の分布を求めた。
1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合Rは下記式より求めた。
R(%)=(n1+n)/n×100
(但し、n1は1.5μm以下の膜厚となる測定点の数、nは2.5μm以上の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
尚、1画素中における膜厚が1.5μm以下の領域の面積の割合Rは下記式より求めた。
(%)=n1/n×100
(但し、n1は1.5μm以下の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
また、1画素中における膜厚が2.5μm以上の領域の面積の割合Rは下記式より求めた。
(%)=n/n×100
(但し、nは2.5μm以上の膜厚となる測定点の数、n0は画素形成領域の全エリアの測定点の数を意味する。)
2.色度(x,y)、輝度Y、輝度ロス
実施例において得られたカラーフィルターの画素領域のうち、ライン方向に1600μm、ラインと垂直方向に200μmの範囲について、広域分光装置(商品名「島津自記分光光度計UV−3100PC」、島津製作所社製)を用いて、試料検出面積 幅4mm、高さ11mmとして、可視波長域(400〜700nm)の分光透過スペクトル測定を行った結果から、インクジェット法により得られた測定対象のカラーフィルター(IJ−CF)の色度(x,y)、輝度Y1、及びスピンコート法により得られたカラーフィルター(SPIN−CF)の色度(x,y)、輝度Yを算出した。
更に下記式より輝度ロスΔY(%)を求めた。
ΔY(%)=(Y−Y)/Y×100
ΔY(%)≦5の場合、十分な色特性が得られる平均膜厚を有し、厚みがほぼ均一なフォトリソグラフィー法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して遜色のない輝度であると判定した。
3.膜物性(耐溶剤性(耐薬品性))
得られたカラーフィルターを、N−メチルピロリドン(NMP)に液温40℃で1時間浸漬した前後の色差ΔEabを測定した。色差はCIE(国際照明委員会)によって1976年に定められたΔEabの色差式によって求めた。実際の測定は、顕微分光測定器(OSP−SP100、オリンパス光学工業(株)製)によって行った。
また、得られたカラーフィルターを、イソプロピルアルコール(IPA)に液温60℃で1時間浸漬した前後の色差ΔEabを測定し、色差ΔEabを求めた。
膜物性が良いものを○、不十分なものを×とした。判定基準は以下の通りである。
<判定基準>
IPA、NMP浸漬前後のΔEabがいずれも3以下の場合:○
IPA、NMP浸漬前後のΔEabの一方、又は両方が3を超える場合:×
4.パターニング性
画素を設けたカラーフィルターについて、隣接画素の混色を顕微鏡で確認する。パターニング性が良いものを○、不十分なものを×とした。判定基準は以下の通りである。
<判定基準>
決壊が発生した場合:×
決壊が発生しなかった場合:○
Figure 0004844450
<結果のまとめ>
実施例1〜実施例4で得られた、本発明に係るインクジェット方式によるカラーフィルターは、膜厚分布及び膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が本発明の範囲内であることから、画素の形状が平坦に近く、また、輝度ロスが小さいことから、十分な色特性が得られる平均膜厚を有し、厚みがほぼ均一なスピンコート法により得られる画素を有するカラーフィルターと比較して輝度の低下が小さい。更に、膜物性、パターニング性も良好である。
実施例1のインクジェットインクに対し、更にレベリング剤を添加したインクジェットインクを用いた実施例4のインクジェットカラーフィルターは、実施例1の輝度ロスよりも小さい点において、優れていた。
一方、インクのP/V比が本発明の範囲よりも小さく、平均膜厚が本発明の範囲を超えている、比較例1及び2で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚分布が3.0μmより大きい領域に分布を有し、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性が悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が著しかった。更に比較例1では所望の色濃度をパターニングしようとすると決壊が発生した。
インクのP/V比が本発明の範囲よりも大きい、比較例3及び4で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚分布が1.0μm未満の領域に分布があり、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性が悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が著しかった。更に比較例4では膜物性も悪かった。
使用したインク及び平均膜厚は実施例1と同じであるが、ブラックマトリックス層の高さが2.0μm未満の比較例5で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚分布が1.0μm未満及び3.0μmを超える領域に分布を有し、画素の端部付近の膜厚が大きく落ち込み、中央部が盛り上がった形状になり、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下は極めて著しかった。
使用したインク及び平均膜厚は実施例1と同じであるが、ブラックマトリックス層の高さが3.0μmを超える比較例6で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
使用したインク、平均膜厚及びブラックマトリックス層の高さは実施例1と同じであるが、膜厚分布の範囲の下限が本発明の範囲よりも小さい比較例7及び8で得られたインクジェット方式による赤色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
使用したインク、平均膜厚及びブラックマトリックス層の高さは実施例2と同じであるが、膜厚分布の範囲の下限が本発明の範囲よりも小さい比較例9及び10で得られたインクジェット方式による緑色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
使用したインク、平均膜厚及びブラックマトリックス層の高さは実施例3と同じであるが、膜厚分布の範囲の下限が本発明の範囲よりも小さい比較例11及び12で得られたインクジェット方式による緑色カラーフィルターは、膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が高く、画素の平坦性は悪かった。また、スピンコート法によるカラーフィルターと比較して輝度の低下が認められた。
液晶パネルの一例についての模式的断面図である。 液晶パネルの別の例についての模式的断面図である。 本発明のカラーフィルターの製造方法のうち、インクジェット方式によりインク層を形成する工程、画素を形成する工程を説明する図である。 本発明のインクジェットインクを用いてカラーフィルターを製造する方法の一例を説明する図である。 本発明のカラーフィルターの画素の一例の模式的縦断面図である。 本発明に係るカラーフィルターの一例を示す模式的縦断面図である。 本発明に係る評価用のカラーフィルターの一例を示す模式的縦断面図である。
符号の説明
1 カラーフィルター
2 電極基板
3 間隙部
4 シール材
5 透明基板
6 ブラックマトリックス層
7(7R、7G、7B) 画素
8 保護膜
9 透明電極膜
10 配向膜
11 パール
12 柱状スペーサー
20 撥インク性隔壁
21 画素形成領域
22 インクジェットヘッド
23 インク層
24 画素部
31 画素
32 外縁部
33 外縁部の近傍
34 厚みが小さい部分
35 厚みの最大部
36 ブラックマトリックス
101、102 カラー液晶表示装置
103、104 カラーフィルター

Claims (13)

  1. 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.5〜0.9であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
    透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
    インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層を形成する工程(B)と、
    前記Rインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素を形成する工程(C)
    とを含む、カラーフィルターの製造方法。
  2. 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
    透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
    インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるG画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Gインク層を形成する工程(B)と、
    前記Gインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるG画素を形成する工程(C)
    とを含む、カラーフィルターの製造方法。
  3. 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
    透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
    インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるB画素形成用インクジェットインクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Bインク層を形成する工程(B)と、
    前記Bインク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるB画素を形成する工程(C)
    とを含む、カラーフィルターの製造方法。
  4. 顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素を形成する場合には0.5〜0.9、G画素を形成する場合には0.7〜1.0、B画素を形成する場合には0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用インクジェットインクを準備する工程(A)と、
    透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に、高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層を形成する工程と、
    インクジェット方式によって、前記工程(A)で得られるR画素形成用インク、G画素形成用インク、及びB画素形成用インクを透明基板上の所定領域に選択的に付着させて、Rインク層、Gインク層、及びBインク層をそれぞれ形成する工程(B)と、
    前記各インク層を硬化させて、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるR画素、G画素、及びB画素をそれぞれ形成する工程(C)
    とを含む、カラーフィルターの製造方法。
  5. 前記各画素は、膜厚分布が1.5μm〜2.5μmの範囲にある、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  6. 前記インクジェットインクがレベリング剤を含有する、請求項1乃至のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
  7. 前記レベリング剤を顔料分散工程の後に添加する、請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  8. 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、R画素とを少なくとも備え、
    当該R画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.5〜0.9であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。
  9. 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、G画素とを少なくとも備え、
    当該G画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.7〜1.0であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。
  10. 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、B画素とを少なくとも備え、
    当該B画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。
  11. 透明基板と、当該透明基板上の高さ2.0μm〜3.0μmのブラックマトリックス層により画成された領域に形成された、画素とを少なくとも備え、
    当該各画素は、顔料、ポリエチルイミン誘導体又はポリアリルアミン誘導体を含有する顔料分散剤、熱硬化性バインダー形成系、溶剤を含有し、該溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で含有し、顔料の重量と、顔料分散剤とバインダー形成系の重量の和との比(P/V比)が、R画素では0.5〜0.9、G画素では0.7〜1.0、B画素では0.3〜0.5であり、インク全重量に対する固形分濃度が18重量%〜22重量%である、カラーフィルター用R画素形成用インクジェットインク、カラーフィルター用G画素形成用インクジェットインク、及びカラーフィルター用B画素形成用インクジェットインクを、インクジェット方式によって、前記透明基板上の前記ブラックマトリックス層によって画成された所定領域に選択的に付着させて形成されてなり、平均膜厚が1.5μm〜2.5μm、膜厚分布が1.0μm〜3.0μmの範囲にあり、且つ、1画素中における膜厚が1.5μm以下及び2.5μm以上の領域の面積の合計の割合が5%以下であるカラーフィルター。
  12. 前記各画素は、膜厚分布が1.5μm〜2.5μmの範囲にある請求項8乃至11のいずれかに記載のカラーフィルター。
  13. 前記画素がレベリング剤を含有する請求項8乃至12のいずれかに記載のカラーフィルター。
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