JP4544292B2 - カラーフィルター用インク、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器 - Google Patents
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Description
カラーフィルターは、従来、着色剤、感光性樹脂、官能性モノマー、重合開始剤等を含む材料(着色層形成用組成物)で構成された塗膜を基板上に形成し、その後、フォトマスクを介して光を照射する感光処理、現像処理等を行う、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いて製造されてきた。このような方法では、通常、基板のほぼ全面に、各色に対応する塗膜を形成し、その一部のみを硬化させ、それ以外の大部分を除去するという操作を繰り返すことにより、各色が重なり合わないようにカラーフィルターを製造する。このため、カラーフィルターの製造において形成される塗膜は、最終的に得られるカラーフィルターには、その一部のみが着色層として残存するのみで、その大部分が製造工程において除去されることとなる。このため、カラーフィルターの製造コストが上昇するばかりでなく、省資源の観点からも好ましくない。
本発明のカラーフィルター用インクは、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクであって、
顔料と、溶剤と、分散剤と、硬化性樹脂材料とを含み、
前記分散剤として、酸価を有する酸価分散剤と、アミン価を有するアミン価分散剤とを含み、
前記酸価分散剤の酸価は、5〜370KOHmg/gであると共に、アミン価は、0KOHmg/gであり、
前記アミン価分散剤のアミン価は、5〜200KOHmg/gであると共に、酸価は、0KOHmg/gであり、
前記酸価分散剤の酸価をAV[KOHmg/g]、前記アミン価分散剤のアミン価をBV[KOHmg/g]、前記酸価分散剤の含有率をXA[wt%]、前記アミン価分散剤の含有率をXB[wt%]としたとき、0.10≦(AV×XA)/(BV×XB)≦0.95の関係を満足し、
前記硬化性樹脂材料が、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1、イソシアネート基またはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えたビニル単量体a2、および、水酸基を備えたビニル単量体a3を単量体成分として含有してなる重合体Aと、少なくとも下記式(1)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体を単量体成分として含有してなる重合体Bとを含むものであり、
前記重合体A中における前記エポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率は、50〜99wt%であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a2の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a3の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記エポキシ基含有ビニル単量体a1、前記ビニル単量体a2および前記ビニル単量体a3以外の重合性ビニル単量体a4の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、20重量部以下であることを特徴とする。
これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターを用いて表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターを用いて表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターを用いて表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターを用いて表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターを用いて表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルター用インクは、前記分散剤と前記溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、前記溶剤中に前記分散剤を分散させた分散剤分散液を得る予備分散工程と、前記分散剤分散液に前記顔料を添加し、無機ビーズを多段で添加して微分散処理を行い、顔料分散体を得る微分散工程と、前記顔料分散体と前記硬化性樹脂材料とを混合する硬化性樹脂混合工程とを有する方法を用いて製造されたものであることが好ましい。
本発明のカラーフィルター用インクの製造方法は、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクを製造する方法であって、
分散剤と溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、前記溶剤中に前記分散剤を分散させた分散剤分散液を得る予備分散工程と、
前記分散剤分散液に顔料を添加し、無機ビーズを多段で添加して微分散処理を行い、顔料分散体を得る微分散工程と、
前記顔料分散体と硬化性樹脂材料とを混合する硬化性樹脂混合工程とを有し、
前記分散剤として、酸価を有する酸価分散剤と、アミン価を有するアミン価分散剤とを用い、
前記酸価分散剤の酸価は、5〜370KOHmg/gであると共に、アミン価は、0KOHmg/gであり、
前記アミン価分散剤のアミン価は、5〜200KOHmg/gであると共に、酸価は、0KOHmg/gであり、
前記酸価分散剤の酸価をAV[KOHmg/g]、前記アミン価分散剤のアミン価をBV[KOHmg/g]、前記酸価分散剤の含有率をXA[wt%]、前記アミン価分散剤の含有率をXB[wt%]としたとき、0.10≦(AV×XA)/(BV×XB)≦0.95の関係を満足し、
前記硬化性樹脂材料として、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1、イソシアネート基またはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えたビニル単量体a2、および、水酸基を備えたビニル単量体a3を単量体成分として含有してなる重合体Aと、少なくとも下記式(1)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体を単量体成分として含有してなる重合体Bとを用い、
前記重合体A中における前記エポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率は、50〜99wt%であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a2の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a3の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記エポキシ基含有ビニル単量体a1、前記ビニル単量体a2および前記ビニル単量体a3以外の重合性ビニル単量体a4の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、20重量部以下であることを特徴とする。
これにより、コントラストに優れた画像表示が可能で、各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れ、かつ、耐久性にも優れたカラーフィルターを提供することができる。
これにより、表示部の各部位での色むら、濃度むら等が抑制され、個体間での特性の均一性に優れ、コントラストに優れた画像表示が可能で、かつ、耐久性にも優れた画像表示装置を提供することができる。
本発明の画像表示装置は、液晶パネルであることが好ましい。
これにより、表示部の各部位での色むら、濃度むら等が抑制され、個体間での特性の均一性に優れ、コントラストに優れた画像表示が可能で、かつ、耐久性にも優れた画像表示装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の画像表示装置を備えたことを特徴とする。
これにより、表示部の各部位での色むら、濃度むら等が抑制され、個体間での特性の均一性に優れ、コントラストに優れた画像表示が可能で、かつ、耐久性にも優れた電子機器を提供することができる。
《カラーフィルター用インク》
本発明のカラーフィルター用インクは、カラーフィルターの製造(カラーフィルターの着色部の形成)に用いられるインクであり、特に、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるものである。
カラーフィルター用インクは、顔料と、溶剤と、分散剤と、硬化性樹脂材料とを含むものである。
顔料としては、各種有機顔料、各種無機顔料を用いることができるが、有機顔料であるのが好ましい。有機顔料を用いることにより、例えば、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の発色性を特に優れたものとすることができる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。より具体的には、有機顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,15,16,17,20,24,31,34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,55,60,61,65,71,73,74,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138,139,150,151,152,153,154,155,156,157,166,168,175,180,184,185;C.I.ピグメントオレンジ1,5,13,14,16,17,20,20:1,24,34,36,38,40,43,46,49,51,61,63,64,71,73,104;C.I.ピグメントバイオレット1,3,14,16,19,23,29,32,36,38,50;C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,40,41,42,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,53:1,57,57:1,57:2,58:2,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,81,81:1,83,88,90:1,97,101,102,104,105,106,108,108:1,112,113,114,122,123,144,146,149,150,151,166,168,170,171,172,174,175,176,177,178,179,180,185,187,188,190,193,194,202,206,207,208,209,215,216,220,224,226,242,243,245,254,255,264,265;C.I.ピグメントブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60,27,28,29,35,36,60,80;C.I.ピグメントグリーン7,36,15,17,18,19,26,50,58;C.I.ピグメントブラウン7,11,23,25,33;C.I.ピグメントブラック1,7や、これらの誘導体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
C.I.ピグメントレッド177の誘導体、C.I.ピグメントレッド254の誘導体として、下記式(2)または下記式(3)で示される化合物(誘導体)を含有するものである場合、上述したような効果がさらに顕著に発揮される。
C.I.ピグメントグリーン58を構成する臭素化フタロシアニンは、分子全体として、高度な共役系が形成されており、平面的な構造となるのが、エネルギー的に安定している。そして、臭素化フタロシアニンは、平面状の各分子が積層されるように(平行に)配置することにより、各分子間が有する共役系のπ電子が重なり合った、安定した状態になる。このため、C.I.ピグメントグリーン58は、本来、凝集し易く、溶剤中に安定的に分散させるのが困難である。
一方、上記のような顔料誘導体では、式(4)中において窒素原子に結合している水素原子は、フタルイミド構造を構成する酸素原子との間で、水素結合を形成する。このようなことから、式(4)中において窒素原子に結合している水素原子は、実体的には、キノリン構造を構成する窒素原子とともに、フタルイミド構造を構成する酸素原子とも強固に結合しており、上記のような顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)では、式(4)中において1〜7の番号を付した7原子による安定的な環構造(7員環構造)が形成されている。このような7員環構造を形成することにより、キノリン構造による平面と、フタルイミド構造による平面とは、非平行状態をとることになる。
このように、キノリン構造による平面と、フタルイミド構造による平面とが、非平行となることにより、C.I.ピグメントグリーン58(臭素化フタロシアニン)に対して適度な親和性を有する顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)が、C.I.ピグメントグリーン58の分子間に入り込み、上記のように、本来、凝集し易いC.I.ピグメントグリーン58を凝集しにくいものとすることができる。さらに、上記のような顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)は、分子内にスルホ基を有しているため、後述する溶剤に対する分散性に優れている。以上のようなことが、相乗的に作用し合い、上記のような非常に優れた効果が得られるものと考えられる。
C.I.ピグメントグリーン58と上記のような顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)とを含む場合、カラーフィルター用インク中における顔料誘導体(スルホン化顔料誘導体)の含有率は、特に限定されないが、C.I.ピグメントグリーン58(主顔料):100重量部に対して、2〜32重量部であるのが好ましく、7〜28重量部であるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の長期分散安定性、液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターのコントラスト、明度を特に優れたものとすることができる。
溶剤は、カラーフィルター用インクにおいて、顔料を分散する分散媒として機能するものである。また、溶剤は、後述するようなカラーフィルター用インクの製造方法では、分散媒分散液中において、通常、熱可塑性樹脂を溶解する溶媒として機能するものである。そして、通常、カラーフィルター用インクを構成する溶剤(分散媒)は、カラーフィルターを製造する過程において、その大部分が除去されるものである。
また、溶剤の25℃における蒸気圧は、0.7mmHg以下であるのが好ましく、0.1mmHg以下であるのがより好ましい。溶剤の蒸気圧が前記範囲内と値であると、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドにおける目詰まり等をより効果的に防止することができ、カラーフィルターの生産性を特に優れたものとすることができる。
分散剤は、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散性を向上させるのに寄与する成分である。
本発明において、カラーフィルター用インクは、分散剤として、所定の酸価を有する酸価分散剤と、所定のアミン価を有するアミン価分散剤とを含む。これにより、カラーフィルター用インクの粘度を低下させる粘度低減効果を発揮する酸価分散剤による効果と、カラーフィルター用インクの粘度を安定化させるアミン価分散剤による効果とが両立され、カラーフィルター用インク中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルターにおけるコントラスト等を特に優れたものとすることができる。また、酸価分散剤とアミン価分散剤とを用いることにより、以下のような効果も得られる。すなわち、後述するような方法でカラーフィルター用インクを製造する場合、微分散工程において、分散剤分散液中に添加された顔料粒子(微分散されていない比較的粒径の大きい顔料粒子)の表面に、分散剤を効率よく付着(吸着)させ、当該顔料粒子(微分散されていない比較的粒径の大きい顔料粒子)の分散剤分散液中における分散性を優れたものとすることができる。これにより、微分散工程における微分散処理を効率よく行うことができ、カラーフィルター用インクの生産性を特に優れたものとすることができるとともに、最終的に得られるカラーフィルター用インク中における顔料粒子(微分散された顔料微粒子)の長期分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、後述するような方法は、顔料の微分散処理を行うのに先立ち、分散剤と熱可塑性樹脂と溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、溶剤中に分散剤を分散させた分散剤分散液を得る予備分散工程を有しているが、このような方法において、酸価分散剤とアミン価分散剤とを併用することにより、分散剤の会合(酸価分散剤とアミン価分散剤との会合)を確実に防止し、顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
上記のように、酸価分散剤は、所定の酸価(零を除く)を有している。
酸価分散剤の酸価(固形分換算したときの酸価)は、特に限定されないが、5〜370KOHmg/gであるのが好ましく、20〜270KOHmg/gであるのがより好ましく、30〜135KOHmg/gであるのがさらに好ましい。酸価分散剤の酸価が前記範囲内の値であると、アミン価分散剤と併用することによる相乗効果がより顕著に発揮され、顔料の分散安定性、液滴の吐出安定性等を特に優れたものとすることができる。分散剤についての酸価は、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めることができる。
なお、酸価分散剤は、所定のアミン価を有していないもの、すなわち、アミン価が零である。
上記のように、アミン価分散剤は、所定のアミン価(零を除く)を有している。
アミン価分散剤のアミン価(固形分換算したときのアミン価)は、特に限定されないが、5〜200KOHmg/gであるのが好ましく、30〜170KOHmg/gであるのがより好ましく、40〜130KOHmg/gであるのがさらに好ましい。アミン価分散剤のアミン価が前記範囲内の値であると、酸価分散剤と併用することによる相乗効果がより顕著に発揮され、顔料の分散安定性、液滴の吐出安定性等を特に優れたものとすることができる。分散剤についてのアミン価は、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めることができる。
なお、アミン価分散剤は、所定の酸価を有していないもの、すなわち、酸価が零である。
本発明において、カラーフィルター用インクは、酸価分散剤、アミン価分散剤以外の分散剤を含むものであってもよい。言い換えると、カラーフィルター用インクは、酸価およびアミン価がいずれも零である分散剤を含むものであってもよい。
このような分散剤の具体的な例としては、ディスパービック101、ディスパービック103、ディスパービック106、ディスパービック108、ディスパービック109、ディスパービック112、ディスパービック116、ディスパービック140、ディスパービック142、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2050、ディスパービック2070(以上、ビックケミー社製);EFKA 4008、EFKA 4009、EFKA 4010、EFKA 4406、EFKA 4408、EFKA 4015(以上、チバスペシャリティ−社製);ソルスパース9000、ソルスパース13000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース32500、ソルスパース32550、ソルスパース33500、ソルスパース35100、ソルスパース35200、ソルスパース38500、ソルスパース41090、ソルスパース20000(以上、ルーブリゾール社製);アジスパーPA111、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB824(以上、味の素ファインテクノ社製);ディスパロン1850、ディスパロン1860、ディスパロン2150、ディスパロン7004、ディスパロンDA−100、ディスパロンDA−234、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−725、ディスパロンPW−36(以上、楠本化成社製);および、フローレン DOPA−14、フローレン DOPA−15B、フローレン DOPA−17、フローレン DOPA−22、フローレン DOPA−44、フローレン TG−710、フローレン D−90(以上、共栄化学社製)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、このような分散剤(他の分散剤)を含む場合、その含有率(複数種の「他の分散剤」を含む場合には、その総和)が、酸価分散剤の含有率、および、アミン価分散剤の含有率よりも少ないものであるのが好ましい。これにより、酸価分散剤とアミン価分散剤とを併用することによる効果が、より確実に発揮される。
カラーフィルター用インク中における分散剤の含有率は、特に限定されないが、2.5〜10.2wt%であるのが好ましく、3.2〜9.2wt%であるのがより好ましい。
カラーフィルター用インクは、一般に、形成される着色部の基板に対する密着性を向上させる等の目的で、樹脂材料(バインダー樹脂)を含んでいる。また、インクジェット法によるインク付与工程の後工程での、薬品塗布や洗浄による悪影響を防止するため、樹脂材料には、耐溶剤性が要求される。しかしながら、従来のカラーフィルター用インクでは、カラーフィルター(着色部)の耐久性を十分に優れたものとすることが困難であった。また、従来のカラーフィルター用インクでは、インクジェット法により、長期間液滴吐出を行ったり、連続して液滴吐出を行ったりすると、吐出された液滴の軌道が変化し(いわゆる、飛行曲がりが発生し)、目的に部位に液滴を着弾させることができなくなったり、液滴の吐出量が不安定化する等の問題を生じることがあった。このような問題を生じると、液滴を着弾させるべき基板上等において、異なる色の着色部を形成するのに用いられる複数種のインクが混ざり合って(混色して)しまったり、本来同一の着色濃度であることが求められる複数個の着色部の間での着色濃度のばらつきが発生してしまい、結果として、カラーフィルターの各部位での色むら、濃度むら等が発生してしまったり、多数のカラーフィルター間での特性(特に、コントラスト比、色再現域等の色特性)にばらつきを生じ、カラーフィルターの信頼性は低いものとなってしまう。このような問題は、特に、大型基板(例えば、G5以上)上に液滴吐出をして着色部を形成する場合に顕著となり、カラーフィルターの生産性(歩留まり)を著しく低下させる原因になっていた。
本発明のカラーフィルター用インクは、硬化性樹脂材料が、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなる重合体Aと、アルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなる重合体Bとを含むものである。
重合体Aは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものである。重合体Aは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Aが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有するものである。
重合体Aは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものである。このようなエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有することにより、重合体A中にエポキシ基を容易かつ確実に導入することができる。また、エポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インク中における上述したような顔料の分散安定性を優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの長期保存性、吐出安定性を優れたものとすることができる。また、エポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部を、耐溶剤性に優れたものとすることができる。また、エポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクを用いて着色部を形成する際に、比較的温和な条件で硬化性樹脂材料(バインダー樹脂)を硬化させることができるとともに、形成される着色部の硬度等を優れたものとする上で有用である。また、重合体Aが、後述するようなビニル単量体a2、ビニル単量体a3等を含むものである場合、重合体の合成を好適に行うことができ、所望の特性を有する重合体Aを容易かつ確実に得ることができる。
エポキシ基含有ビニル単量体a1の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸エチルグリシジル、グリシジルビニルベンジルエーテル(セイミケミカル株式会社製、商品名VBGE)、下記式(5−1)〜式(5−31)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、エポキシ基含有ビニル単量体a1としては、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における上述したような顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの長期保存性、吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の硬度、耐溶剤性等を特に優れたものとすることができる。また、重合体Aと後述する重合体Bとの相溶性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の透明性を非常に高いものとすることができる。
重合体A中におけるエポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、50〜99wt%であるのが好ましく、70〜94wt%であるのがより好ましい。重合体A中におけるエポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率が前記範囲内の値であると、カラーフィルター用インク中における上述したような顔料の分散安定性を優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの長期保存性、吐出安定性を優れたものとすることができる。また、重合体A中におけるエポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率が前記範囲内の値であると、カラーフィルター用インクを用いて着色部を形成する際に、比較的温和な条件で硬化性樹脂材料(バインダー樹脂)を硬化させることができるとともに、形成される着色部の硬度、耐溶剤性等を特に優れたものとすることができる。なお、重合体Aが、複数種の化合物の混合物である場合、エポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Aが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率でエポキシ基含有ビニル単量体a1を含有しているのが好ましい。
重合体Aは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものであればよいが、エポキシ基含有ビニル単量体a1に加え、さらに、イソシアネート基またはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えたビニル単量体a2を単量体成分として含有してなるもの(共重合体)であるのが好ましい。これにより、カラーフィルター用インク中における気体(溶存気体、マイクロバブル等として存在する気泡等)の含有率をより効果的に低くすることができ、インクジェット法による液滴吐出の安定性が特に優れたものとなる。その結果、製造されるカラーフィルターにおいて、各部位での色むら、濃度むらや、個体間での特性のばらつきが発生するのをより効果的に防止することができる。
上記(メタ)アクリロイルイソシアネートのイソシアネート基は、ブロックイソシアネート基であることが好ましい。ここで言うブロックイソシアネート基とは、末端をブロック剤でマスキングしたイソシアネート基を指す。ブロックイソシアネート基を持つ単量体としては、例えば、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等が挙げられ、また、昭和電工株式会社製「カレンズMOI−BM」の商品名で市販されている。これら重合性ビニル単量体は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体Aは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものであればよいが、エポキシ基含有ビニル単量体a1に加え、さらに、水酸基を備えたビニル単量体a3を単量体成分として含有してなるもの(共重合体)であるのが好ましい。これにより、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の基板に対する密着性、特に、画像表示に伴う急激な温度変化に、繰り返しさらされた場合における密着性を特に優れたものとすることができる。その結果、例えば、カラーフィルターを長期間使用した場合においても、光漏れ(白抜け、輝点)等の問題が発生するのをより確実に防止することができる。すなわち、カラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる。また、重合体Aが、ビニル単量体a3を単量体成分として含有してなるものであると、重合体Aと後述する重合体Bとの相溶性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の透明性を非常に高いものとすることができる。
重合体Aは、上述したようなエポキシ基含有ビニル単量体a1、ビニル単量体a2、および、ビニル単量体a3以外の重合性ビニル単量体a4を単量体成分として含有していてもよい。このような重合性ビニル単量体a4としては、エポキシ基含有ビニル単量体a1と共重合可能なビニル単量体を用いることができ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル、アラルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;CF3(CF2)3CH2CH=CH2、CF3(CF2)3CH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH=CH2、CF3(CF2)5CH=CH2、CF3(CF2)7CH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH=CH2、CF3(CF2)9CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH=CH2、F5C6CH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2CH2OCH2CH=CH2、H(CF2)6CH2OCH2CH=CH2、H(CF2)8CH2OCH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2、H(CF2)8CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、F(CF2)8CH2CH2OCOCH=CH2、F(CF2)8CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)4CH2OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)4CH2OCOCH=CH2等のフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル化合物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、重合体Aは、単量体成分として、後述するようなアルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を含有するものではない。
硬化性樹脂材料(バインダー樹脂)中に占める重合体Aの割合(含有率)は、特に限定されないが、25〜80wt%であるのが好ましく、33〜70wt%であるのがより好ましい。なお、重合体Aが複数種の化合物の混合物である場合、重合体Aの含有率としては、これらの化合物の含有率の総和を採用する。
本発明のカラーフィルター用インクにおいて、硬化性樹脂材料(バインダー樹脂)は、上述したような重合体Aに加え、少なくとも下記式(1)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなる重合体Bを含むものである。
重合体Bは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Bが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、少なくともアルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有するものである。
重合体Bは、少なくとも式(1)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなるものである。このようなアルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有することにより、重合体B中にアルコキシシリル基を容易かつ確実に導入することができる。また、アルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有することにより、硬化性樹脂材料(硬化性樹脂組成物)を硬化させて着色部を形成する際に、重合体Aの硬化を補うことができ、比較的温和な条件で着色部を形成することができるとともに、形成される着色部の硬度、基板に対する密着性、耐光性、耐熱性等を、いずれも、十分に優れたものとすることができる。また、重合体Bが、後述するようなビニル単量体b2等を含むものである場合、重合体の合成を好適に行うことができ、所望の特性を有する重合体Bを容易かつ確実に得ることができる。
重合体Bは、少なくともアルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなるものであればよいが、アルコキシシリル基含有ビニル単量体b1に加え、さらに、アルコキシシリル基含有ビニル単量体b1以外の重合性ビニル単量体b2を単量体成分として含有していてもよい。このような重合性ビニル単量体b2としては、アルコキシシリル基含有ビニル単量体b1と共重合可能なビニル単量体を用いることができ、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物、上記多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFAシリーズ、プラクセルFMシリーズ等)やエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環重合した化合物等の水酸基を備えた重合性ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル、アラルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;CF3(CF2)3CH2CH=CH2、CF3(CF2)3CH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH=CH2、CF3(CF2)5CH=CH2、CF3(CF2)7CH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH=CH2、CF3(CF2)9CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH=CH2、F5C6CH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2OCH2CH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2CH2OCH2CH=CH2、H(CF2)6CH2OCH2CH=CH2、H(CF2)8CH2OCH2CH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)9CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2、H(CF2)8CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、F(CF2)8CH2CH2OCOCH=CH2、F(CF2)8CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)4CH2OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)4CH2OCOCH=CH2等のフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、重合体Bは、単量体成分として、前述したようなエポキシ基含有ビニル単量体a1を含有するものではない。また、重合体Bは、単量体成分として、上記のようなフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体を含まないものであるのが好ましい。
硬化性樹脂材料(バインダー樹脂)中に占める重合体Bの割合(含有率)は、特に限定されないが、20〜60wt%であるのが好ましく、25〜55wt%であるのがより好ましい。なお、重合体Bが複数種の化合物の混合物である場合、重合体Bの含有率としては、これらの化合物の含有率の総和を採用する。
硬化性樹脂材料(硬化性樹脂組成物)は、上述したような重合体Aと重合体Bとを含むものであるが、さらに、下記式(6)で表されるフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有してなる重合体Cを含むものであってもよい。
重合体Cは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Cが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、少なくともフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有するものである。
重合体Cは、少なくとも式(6)で表されるフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有してなるものである。このようなフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有することにより、重合体C中にフルオロアルキル基またはフルオロアリール基を容易かつ確実に導入することができる。また、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有することにより、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクを用いて形成される着色部の耐熱性を特に優れたものとすることができる。また、重合体Cが、後述するようなビニル単量体c2等を含むものである場合、重合体の合成を好適に行うことができ、所望の特性を有する重合体Cを容易かつ確実に得ることができる。
重合体Cは、上述したようなフルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1以外の重合性ビニル単量体c2を単量体成分として含有していてもよい。このような重合性ビニル単量体c2としては、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基含有ビニル単量体c1と共重合可能なビニル単量体を用いることができ、具体的には、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、商品名「カレンズMOI」)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の、(メタ)アクリロイル基が炭素数2〜6のアルキレン基を介してイソシアネート基と結合した(メタ)アクリロイルイソシアネート、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名「カレンズMOI−BM」)等の、イソシアネートまたはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えた重合性ビニル単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物、上記多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFAシリーズ、プラクセルFMシリーズ等)やエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環重合した化合物等の水酸基を備えた重合性ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル、アラルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、重合体Cは、単量体成分として、前述したようなエポキシ基含有ビニル単量体a1、アルコキシシリル基含有ビニル単量体b1を含有するものではない。
なお、カラーフィルター用インクを構成する硬化性樹脂材料(バインダー樹脂)は、上述した重合体A、重合体B、重合体C以外の重合体を含むものであってもよい。
カラーフィルター用インクは、熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。これにより、カラーフィルターインク中における顔料粒子の分散性を特に優れたものとすることができる。特に、後述するような製造方法において、予備分散工程で、熱可塑性樹脂を用いることにより、カラーフィルターインク中における顔料粒子の分散安定性を非常に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における熱可塑性樹脂の含有率は、特に限定されないが、1.5〜7.7wt%であるのが好ましく、2.1〜7.2wt%であるのがより好ましい。
本発明のカラーフィルター用インクは、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、各種染料;各種架橋剤;ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩等のオニウム塩等の熱酸発生剤;ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等の光酸発生剤;各種重合開始剤;酸架橋剤;増感剤;光安定剤;接着性改良剤;各種重合促進剤;各種光安定化剤;ガラス、アルミナ等の充填剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等が挙げられる。
次に、上述したようなカラーフィルター用インクの製造方法の好適な実施形態について、説明する。
本実施形態の製造方法は、分散剤と、熱可塑性樹脂と、溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、溶剤中に分散剤を分散させた分散剤分散液を得る予備分散工程と、分散剤分散液に顔料を添加し、無機ビーズを多段で添加して微分散処理を行い、顔料分散体を得る微分散工程と、顔料分散体と硬化性樹脂材料とを混合する硬化性樹脂混合工程とを有する。
予備分散工程においては、分散剤と、熱可塑性樹脂と、溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、溶剤中に分散剤を分散させた分散剤分散液を調製する。これにより、分散剤の会合状態を解いた(ほぐした)状態とすることができる。ところで、本発明で用いる酸価分散剤およびアミン価分散剤は、本来、互いに電気的に引き付け合い易いという性質を有しているが、本実施形態のように、顔料の微分散(微分散工程)に先立って予備分散工程を行うことにより、顔料粒子の表面に、酸価分散剤およびアミン価分散剤を、会合状態を十分に解いた状態で、均一かつ安定的に付着させることができ、分散剤同士の凝集、顔料粒子同士の凝集等を確実に防止することができ、顔料の分散安定性、液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、本工程で調製する分散剤分散液中における熱可塑性樹脂の含有率は、特に限定されないが、6〜30wt%であるのが好ましく、8〜26wt%であるのがより好ましい。熱可塑性樹脂の含有率が前記範囲内の値であると、前述したような効果がより顕著に発揮される。
本工程では、各種攪拌機を用いて上記各成分の混合物を攪拌することにより、分散剤分散液を得る。
本工程で用いることのできる攪拌機としては、例えば、ディスパーミル等の一軸または二軸ミキサー等が挙げられる。
次に、上記工程で得られた分散剤分散液に顔料を添加し、無機ビーズを多段で添加して微分散処理を行う(微分散工程)。
このように、本実施形態では、顔料を添加するのに先立ち、上記のような予備分散工程を設けるとともに、顔料を微分散させる工程(微分散工程)において無機ビーズを多段で添加する。微分散工程において、無機ビーズを多段で添加することにより、顔料の微粒化の効率を優れたものとすることができ、最終的に得られるカラーフィルター用インク中における顔料粒子を十分に小さいものとすることができる。特に、上述したような酸価分散剤およびアミン価分散剤を併用することによる効果と、予備分散工程および多段での微分散工程を有する方法を用いることによる効果とが、相乗的に作用し合い、最終的に得られるカラーフィルター用インクは、顔料の分散安定性、および、液滴の吐出安定性が、非常に優れたものとなり、非常に優れた明度、コントラストのカラーフィルターの製造に用いることができるもののとなる。
本工程で用いる無機ビーズ(第1の無機ビーズ、第2の無機ビーズ)は、無機材料で構成されたものであればいかなる材料で構成されたものであってもよいが、無機ビーズの好適な例としては、ジルコニア製のビーズ(例えば、Toray ceram 粉砕ボール(商品名)、株式会社東レ製)等が挙げられる。
本工程では、まず、前述した予備分散工程で調製した分散剤分散液に顔料を添加し、所定の粒径の第1の無機ビーズを用いて一次微分散する第1の処理を行う。
第1の処理で用いる第1の無機ビーズは、第2の処理で用いる第2の無機ビーズよりも粒径の大きいものであるのが好ましい。これにより、微分散工程全体としての、顔料の微粒化(微分散)の効率を、特に優れたものとすることができる。
分散剤分散液に添加する顔料の使用量は、特に限定されないが、分散剤分散液100重量部に対し、12重量部以上であるのが好ましく、18〜35重量部であるのがより好ましい。
第1の処理で用いることのできる攪拌機としては、例えば、パールミル等のメディア型分散機や、ディスパーミル等の一軸または二軸ミキサー等が挙げられる。
攪拌機を用いた攪拌処理時間(第1の処理の処理時間)は、特に限定されないが、10〜120分間であるのが好ましく、15〜40分間であるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インクの生産性を低下させることなく、顔料の微粒化(微分散)を効率よく進行させることができる。
第1の処理を行った後、第2の無機ビーズを用いた第2の処理を行う。これにより、顔料粒子が十分に微分散した顔料分散体が得られる。
第2の処理は第1の無機ビーズを含む状態で行うものであってもよいが、第2の処理に先立ち、第1の無機ビーズを除去するのが好ましい。これにより、第2の処理における顔料の微粒化(微分散)の効率を特に優れたものとすることができる。第1の無機ビーズの除去は、例えば、ろ過等の方法により、容易かつ確実に行うことができる。
第2の処理は、各種攪拌機を用いて行うことができる。
第2の処理で用いることのできる攪拌機としては、例えば、パールミル等のメディア型分散機や、ディスパーミル等の一軸または二軸ミキサー等が挙げられる。
また、第2の処理での攪拌機が有する攪拌翼の回転数は、特に限定されないが、1000〜5000rpmであるのが好ましく、1200〜3800rpmであるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インクの生産性を低下させることなく、顔料の微粒化(微分散)をより効率よく進行させることができる。また、熱可塑性樹脂等の熱等による劣化、変性等を確実に防止することができる。
なお、微分散工程(例えば、第1の処理、第2の処理)においては、必要に応じて、例えば、溶剤による希釈等の処理を行ってもよい。
上記のような微分散工程で得られた顔料分散体を、硬化性樹脂材料と混合する(硬化性樹脂混合工程)。これにより、カラーフィルター用インクが得られる。
本工程は、第2の処理で用いた第2の無機ビーズを除去した状態で行うのが好ましい。第2の無機ビーズの除去は、例えば、ろ過等の方法により、容易かつ確実に行うことができる。
本工程で用いることのできる攪拌機としては、例えば、ディスパーミル等の一軸または二軸ミキサー等が挙げられる。
攪拌機を用いた攪拌処理時間(本工程の処理時間)は、特に限定されないが、1〜60分間であるのが好ましく、15〜40分間であるのがより好ましい。
なお、本工程では、前記工程で用いた溶剤とは異なる組成の液体を添加してもよい。これにより、前述した予備分散工程での分散剤の分散、および、微分散工程での顔料粒子の微分散を好適に行いつつ、所望の特性を有するカラーフィルター用インクを確実に得ることができる。
上述したようなカラーフィルター用インクは、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるものである。カラーフィルターは、通常、フルカラー表示に対応するため、複数色の着色部(通常は、光の三原色に対応するRGBの3色)を有している。そして、これら複数色の着色部の形成には、それぞれに対応する色の複数種のカラーフィルター用インクが用いられる。すなわち、カラーフィルターの製造には、複数色のカラーフィルター用インクを備えるインクセットが用いられる。本発明においては、カラーフィルターの製造において、上述したようなカラーフィルター用インクが、少なくとも1種の着色部の形成に用いられるものであればよいが、全色の着色部の形成に用いられるのが好ましい。
次に、上述したようなカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されるカラーフィルターの一例について説明する。
図1は、本発明のカラーフィルターの好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、カラーフィルター1は、基板11と、上述したカラーフィルター用インクを用いて成形された着色部12とを備えている。着色部12としては、互いに異なる色の第1の着色部12A、第2の着色部12B、および第3の着色部12Cが設けられている。そして、隣接する着色部12の間には、隔壁13が設けられている。
基板11は、光透過性を有する板状の部材で、着色部12、隔壁13を保持する機能を有している。
基板11は、実質的に透明な材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルター1を透過する光により、より鮮明な画像を形成することができる。
着色部12は、上述したようなカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて形成されたものである。
着色部12は、上述したようなカラーフィルター用インクを用いて形成されたものであるため、各画素間での特性のばらつきが小さく、不本意な混色(複数種のカラーフィルター用インクの混合)等が確実に防止されている。このため、カラーフィルター1は、色むら、濃度むら等の発生が抑制された、信頼性が高いものとなっている。また、カラーフィルター1は、着色部12の発色性に優れ、コントラストに優れたものとなっている。
各着色部12は、後述する隔壁13により囲まれた領域であるセル14内に設けられている。
隣接する着色部12の間には、隔壁(バンク)13が設けられている。これにより、隣接する着色部12同士が混色してしまうのを確実に防止することができ、その結果、鮮明な画像を確実に表示することができる。
隔壁13は、透明な材料で構成されたものであってもよいが、遮光性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、コントラストに優れた画像を表示することができる。隔壁(遮光部)13の色は、特に限定されないが、黒色であるのが好ましい。これにより、表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
次に、カラーフィルター1の製造方法の一例について説明する。
図2は、カラーフィルターの製造方法を示す断面図、図3は、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図、図4は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図、図5は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図、図6は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。
まず、基板11を準備する(1a)。本工程で準備する基板11は、洗浄処理が施されたものであるのが好ましい。また、本工程で準備する基板11は、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理が施されたものであってもよい。
次に、基板11の隔壁形成用の感放射線性組成物を基板11の一方の面のほぼ全体に付与し、塗膜3を形成する(1b)。なお、基板11上に感放射線性組成物を付与した後、必要に応じて、プリベーク処理を行ってもよい。プリベーク処理は、例えば、加熱温度:50〜150℃、加熱時間:30〜600秒という条件で行うことができる。
次に、インクジェット方式により、カラーフィルター用インク2を、隔壁13で囲まれたセル14内に付与する(1d)。
本工程は、形成すべき複数色の着色部12に対応する複数種のカラーフィルター用インク2を用いて行う。この際、隔壁13が設けられているため、2種以上のカラーフィルター用インク2が混ざり合うことが確実に防止される。
カラーフィルター用インク2の吐出は、図3〜図6に示すような液滴吐出装置を用いて行う。
上述のように、液滴吐出手段103は、第1位置制御装置104によってX軸方向に移動させられる。一方、ステージ106は、第2位置制御装置108によってY軸方向に移動させられる。つまり、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108によって、ステージ106に対する液滴吐出ヘッド114の相対位置が変わる(ステージ106に保持された基板11と、液液滴吐出手段103とが相対的に移動する)。
制御手段112は、カラーフィルター用インク2を吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。
したがって、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズル線密度は、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズル線密度の2倍である。なお、本明細書において「X軸方向のノズル線密度」とは、複数のノズルをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像の単位長さ当たりの数に相当する。もちろん、液滴吐出ヘッド114が含むノズル列の数は、2つだけに限定されない。液滴吐出ヘッド114はM個のノズル列を含んでもよい。ここで、Mは1以上の自然数である。この場合には、M個のノズル列のそれぞれにおいて複数のノズル118は、ノズルピッチHXPのM倍の長さのピッチで並ぶ。さらに、Mが2以上の自然数の場合には、M個のノズル列のうちの一つに対して、他の(M−1)個のノズル列は、ノズルピッチHXPのi倍の長さだけ重複無くX軸方向にずれている。ここで、iは1から(M−1)までの自然数である。
本実施形態の液滴吐出手段103では、基板11のX軸方向の寸法分の長さ全体をカバーするように液滴吐出ヘッド114を配置しているが、本発明における液滴吐出手段は、基板11のX軸方向の寸法分の長さの一部をカバーするようにものでもよい。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124とを含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の吐出部127を有する。
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として、ピエゾ素子の代わりに静電アクチュエータを用いるものでもよい。また、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として電気熱変換素子を用い、この電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用してカラーフィルター用インクを吐出する構成であってもよい。
次に、セル14内のカラーフィルター用インク2から溶剤(分散媒)を除去し、硬化性樹脂材料を硬化させることにより固形状の着色部12とする(1e)。これにより、カラーフィルター1が得られる。
本工程は、通常、加熱により行うが、本工程においては、例えば、活性エネルギー線の照射や、カラーフィルター用インク2が付与された基板11を減圧環境下に置く等の処理を行ってもよい。活性エネルギー線を照射することにより、硬化性樹脂材料の硬化反応を効率よく進行させたり、加熱温度を比較的低いものとした場合であっても、硬化性樹脂材料の硬化反応を確実に進行させることができ、基板11等への悪影響の発生がより確実に防止される等の効果が得られる。活性エネルギー線としては、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線、g線、i線、エキシマレーザー等を使用することができる。また、カラーフィルター用インク2が付与された基板11を減圧環境下に置くことにより、溶剤(分散媒)をより効率よく除去することができたり、画素(セル)内での着色部の形状を、確実に好ましいものとすることができたり、加熱温度を比較的低いものとした場合であっても、溶剤(分散媒)を確実に除去することができ、基板11等への悪影響の発生がより確実に防止される等の効果が得られる。
本工程での加熱温度は、特に限定されないが、50〜260℃であるのが好ましく、80〜240℃であるのがより好ましい。
次に、カラーフィルター1を有する画像表示装置(電気光学装置)である液晶表示装置の好適な実施形態について説明する。
図7は、液晶表示装置の好適な実施形態を示す断面図である。同図に示すように、液晶表示装置60は、カラーフィルター1と、カラーフィルター1の着色部12が設けられた面側に配された基板(対向基板)66と、カラーフィルター1と基板66との間の空隙に封入された液晶よりなる液晶層62と、カラーフィルター1の基板11の液晶層62に対向する面とは反対の面側(図7中下側)に設けられた偏光板67と、基板66の液晶層62に対向する面とは反対の面側(図7中上側)に設けられた偏光板68とを有している。そして、カラーフィルター1の着色部12および隔壁13が設けられた面(着色部12および隔壁13の基板11に対向する面とは反対の面)には、共通電極61が設けられており、基板(対向基板)66の液晶層62、カラーフィルター1に対向する面には、カラーフィルター1の各着色部12に対応する位置に、マトリクス状に、画素電極65が配されている。さらに、共通電極61と液晶層62との間には配向膜64が設けられ、基板66(画素電極65)と液晶層62との間には配向膜63が設けられている。
共通電極61、画素電極65は、可視光に対して光透過性を有する材料で構成されたものであり、例えば、ITO等で構成されている。
また、図中省略しているが、各画素電極65に対応するように、複数のスイッチング素子(例えば、TFT:薄膜トランジスタ)が設けられている。そして、各着色部12に対応する各画素電極65について、共通電極61との間での電圧の印加状態を制御することにより、各着色部12(各画素電極65)に対応する領域での、光の透過性を制御することができる。
前述したようなカラーフィルター1を有する液晶表示装置等の画像表示装置(電気光学装置)1000は、各種電子機器の表示部に用いることができる。
図8は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が画像表示装置1000を備えている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、画像表示装置1000を表示部に備えている。
図10は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、画像表示装置1000が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
例えば、前述した実施形態においては、各色の着色部に対応するカラーフィルター用インクを、セル内に付与した後に、一括で、セル内の各色のカラーフィルター用インクから溶剤(分散媒)を除去し、硬化性樹脂材料を硬化させるもの、すなわち、着色部形成工程(硬化工程)を1回のみ行うものとして説明したが、インク付与工程および着色部形成工程は、各色に対応して、繰り返し行うものであってもよい。
[1]重合体の合成(重合体溶液の調製)
(合成例1)
攪拌機、還流冷却機、滴下漏斗、窒素導入管および温度計を備えた1Lの反応容器に、溶媒(溶剤)としての1,3−ブチレングリコールジアセテート:37.6重量部を入れて、90℃に加熱した。続いて、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN):2重量部、および、1,3−ブチレングリコールジアセテート(溶媒):3重量部を加えた後、該フラスコ内に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100):27重量部、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名MOI−BM):1.5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):1.5重量部を混合させた溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤としての2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、商品名V−601):5重量部を1,3−ブチレングリコールジアセテート(溶媒):20重量部に溶解した溶液(重合開始剤溶液)を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。重合開始剤溶液の滴下が終了した後、AIBN:0.2重量部、および、1,3−ブチレングリコールジアセテート(溶媒):1重量部を添加し約2時間同温程度に保持した後、AIBN:0.2重量部、および、1,3−ブチレングリコールジアセテート(溶媒):1重量部を添加し約2時間同温程度に保持し、その後、室温程度まで冷却して、重合体Aを含む、固形分30wt%の重合体溶液A1を得た。
重合体の合成(重合体溶液の調製)に用いる単量体成分の種類、使用量、溶媒(溶剤)の種類を表1に示すように変更した以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Aを含む、固形分30wt%の9種の重合体溶液(重合体溶液A2〜A10)が得られた。
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100)、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名MOI−BM)、および、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の代わりにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):30重量部を使用した以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Bを含む、固形分30wt%の重合体溶液B1(単独重合体溶液)が得られた。
重合体の合成(重合体溶液の調製)に用いる単量体成分の種類、使用量、溶媒(溶剤)の種類を表1に示すように変更した以外は、前記合成例10と同様の操作を行った。その結果、重合体Bを含む、固形分30wt%の5種の重合体溶液(重合体溶液B2〜B6)が得られた。
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100)、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名MOI−BM)、および、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の代わりに1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名ビスコート8FM):30重量部を使用した以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Cを含む、固形分30wt%の重合体溶液C1(単独重合体溶液)が得られた。
重合体の合成(重合体溶液の調製)に用いる単量体成分の種類、使用量、溶媒(溶剤)の種類を表1に示すように変更した以外は、前記合成例16と同様の操作を行った。その結果、重合体Cを含む、固形分30wt%の2種の重合体溶液(重合体溶液C2、C3)が得られた。
単量体成分として、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100):13.5重量部、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名MOI−BM):0.75重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):0.75重量部、および、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):15重量部を用いた以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Xを含む、固形分30wt%の重合体溶液X1が得られた。
(実施例1)
酸価分散剤としてのディスパービック111:5.04g(14重量部)と、アミン価分散剤としてのディスパービック166:28.07g(78重量部)と、熱可塑性樹脂としてのSPCN−17X(昭和高分子社製):19.53g(54重量部)と、溶剤としての1,3−ブチレングリコールジアセテート:91.14g(253重量部)とを、内容量400ccの攪拌機(一軸ミキサー)に投入し、ディスパーミルで10分間攪拌して予備分散を行うことにより、分散剤分散液を得た(予備分散工程)。このとき、攪拌機が有する攪拌翼の回転数は、2000rpmとなるようにした。
まず、得られた分散剤分散液に、顔料:35.99g(100重量部)を添加し、10分間攪拌を行った。このとき、攪拌機が有する攪拌翼の回転数は、2000rpmとなるようにした。また、顔料としては、C.I.ピグメントレッド177と下記式(2)で表される顔料誘導体との混合物:17.99gと、C.I.ピグメントレッド254と下記式(3)で表される顔料誘導体との混合物:18.00gとの混合物を用いた。また、このとき、分散剤分散液と顔料との混合物中における顔料の含有率が16wt%となるように、溶剤としての1,3−ブチレングリコールジアセテートで希釈した。
次に、フィルター(「PALL HDCII Membrane Filter」、PALL社製)を用いたろ過により、無機ビーズ(第1の無機ビーズ)を除去し、その後、平均粒径0.1mmの無機ビーズ(第2の無機ビーズ、ジルコニア製、「Toray ceram 粉砕ボール」(商品名)、東レ株式会社製):720gを添加し、更に30分間攪拌し第2段目の分散処理(第2の処理)を行った。このとき、攪拌機が有する攪拌翼の回転数は、2000rpmとなるようにした。また、このとき、得られる顔料分散体中における顔料の含有率が13wt%となるように、溶剤としての1,3−ブチレングリコールジアセテートで希釈した。
その後、フィルター(「PALL HDCII Membrane Filter」(商品名)、PALL社製)を用いたろ過により、無機ビーズ(第2の無機ビーズ)を除去し、顔料分散体を得た。
カラーフィルター用インクの調製に用いる材料の種類・使用量、微分散工程(第1の処理、第2の処理)、硬化性樹脂混合工程の処理条件を表2、表4に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてカラーフィルター用インク(インクセット)を調製した。
分散剤として、アミン価分散剤を用いず、酸価分散剤としてのディスパービック111のみを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてカラーフィルター用インク(インクセット)を調製した。
(比較例2)
分散剤として、酸価分散剤を用いず、アミン価分散剤としてのディスパービック166のみを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてカラーフィルター用インク(インクセット)を調製した。
分散剤として、酸価分散剤、アミン価分散材を用いず、ディスパービック2001(酸価分散剤でも、アミン価分散剤でもない分散剤)を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてカラーフィルター用インク(インクセット)を調製した。
(比較例4〜6)
重合体溶液の種類、使用量を変更するとともに、カラーフィルター用インクに含まれる硬化性樹脂材料の種類、含有率を表に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてカラーフィルター用インク(インクセット)を調製した。比較例4は硬化性樹脂材料として重合体Aのみを含む比較例、比較例5は硬化性樹脂材料として重合体Bのみを含む比較例、比較例6は硬化性樹脂材料として重合体Aおよび重合体Bを含まず、その代わりに、同一分子内に単量体成分としてエポキシ基含有ビニル単量体およびアルコキシシリル基含有ビニル単量体を含む重合体Xを含む比較例である。
なお、上記各実施例および各比較例では、各工程で添加する溶剤(希釈溶媒)として、対応する重合体溶液(そのカラーフィルター用インクの調製に用いられる重合体溶液)を構成する溶媒(溶剤)と同一の組成を有するものを用いた。
[3.1]加熱処理後の外観変化
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクについて、65℃の環境下に、7日間放置した後、目視による観察を行い、以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:加熱前からの変化が全く認められない。
B:顔料粒子の凝集・沈降がわずかに認められる。
C:顔料粒子の凝集・沈降がはっきりと認められる。
D:顔料粒子の凝集・沈降が顕著に認められる。
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクについて、65℃の環境下に、7日間放置した後の粘度(動粘度)を測定し、製造直後の粘度との差を求めた。すなわち、製造直後の粘度をν0[mPa・s]、65℃の環境下に、7日間放置した後の粘度をν1[mPa・s]としたとき、ν1−ν0で表される値を求めた。このようにして求められた値について、以下の5段階の基準に従い、評価した。
B:ν1−ν0の値が0.3mPa・s以上0.5mPa・s未満。
C:ν1−ν0の値が0.5mPa・s以上0.7mPa・s未満。
D:ν1−ν0の値が0.7mPa・s以上0.9mPa・s未満。
E:ν1−ν0の値が0.9mPa・s以上。
前記各実施例および各比較例で得られたカラーフィルター用インク(製造直後のカラーフィルター用インク)、および、65℃の環境下に7日間放置したカラーフィルター用インク(加熱環境下に放置したカラーフィルター用インク)を用いて、下記に示すような試験による評価を行った。
チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した図3〜図6に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、各インクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、90000発(90000滴)の液滴の連続吐出を行った。液滴吐出ヘッドの中央部付近の指定したノズルから吐出された90000発の液滴について、着弾した各液滴の中心位置の中心狙い位置からのズレ量dの平均値を求め、以下の4段階の基準に従い、評価した。この値が小さいほど飛行曲がりの発生が効果的に防止されていると言える。
A:ズレ量dの平均値が0.02μm未満。
B:ズレ量dの平均値が0.02μm以上0.07μm未満。
C:ズレ量dの平均値が0.07μm以上0.11μm未満。
D:ズレ量dの平均値が0.11μm以上。
チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した図3〜図6に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、各インクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、90000発(90000滴)の液滴の連続吐出を行った。液滴吐出ヘッドの左右両端の指定の2つのノズルについて、吐出された液滴の総重量を求め、上記2つのノズルから吐出された液滴の平均吐出量の差の絶対値ΔW[ng]を求めた。このΔWの、液滴の目標吐出量WT[ng]に対する比率(ΔW/WT)を求め、以下の4段階の基準に従い、評価した。ΔW/WTの値が小さいほど、液滴吐出量の安定性に優れていると言える。
A:ΔW/WTの値が、0.018未満。
B:ΔW/WTの値が、0.018以上0.400未満。
C:ΔW/WTの値が、0.400以上0.700未満。
D:ΔW/WTの値が、0.700以上。
チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した図3〜図6に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、各インクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、9000発(9000滴)の液滴の連続吐出を行い、その後、30秒間、液滴の吐出を中断した(1シーケンス目)。その後、同様に、液滴の連続吐出、および、滴々の吐出の中断の操作を繰り返し行った。液滴吐出ヘッドの中央部付近の指定したノズルについて、1シーケンス目に吐出された液滴の平均重量W1[ng]と、20シーケンス目に吐出された液滴の平均重量W20[ng]とを求めた。そして、W1とW20との差の絶対値の、液滴の目標吐出量WT[ng]に対する比率(|W1−W20|/WT)を求め、以下の3段階の基準に従い、評価した。|W1−W20|/WTの値が小さいほど、間欠印字性能(液滴吐出量の安定性)に優れていると言える。
A:|W1−W20|/WTの値が、0.023未満。
B:|W1−W20|/WTの値が、0.023以上0.600未満。
C:|W1−W20|/WTの値が、0.600以上。
チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した図3〜図6に示すような液滴吐出装置、前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用いて、40%RHの環境下で、液滴吐出装置を72時間、連続で運転させることにより、カラーフィルター用インクセットを構成する各インクの吐出を行った。
連続運転後における、液滴吐出ヘッドを構成するノズルの目詰まりの発生率([(目詰まりノズル数)/(全ノズル数)]×100)を求め、ノズルの目詰まりが発生しているものについては、可塑材料で構成されたクリーニング部材により、目詰まりの解消が可能であるか否かを調べた。その結果を、以下の4段階の基準に従い、評価した。
B:ノズルの目詰まりの発生率が0.4%未満(ただし、ゼロを除く)であり、かつ、クリーニングによる目詰まりの解消が可能。
C:ノズルの目詰まりの発生率が0.4%以上0.8%未満であり、かつ、クリーニングによる目詰まりの解消が可能。
D:ノズルの目詰まりの発生率が0.8%以上、または、クリーニングによる目詰まりの解消が不可能。
なお、上記の評価は、各実施例および各比較例について、同様の条件で行った。
前記各実施例および各比較例で得られたカラーフィルター用インク(製造直後のカラーフィルター用インク)、および、65℃の環境下に7日間放置したカラーフィルター用インク(加熱環境下に放置したカラーフィルター用インク)を用いて、以下のようにして、カラーフィルターを製造した。
次に、カーボンブラックを含む隔壁形成用の感放射線性組成物を、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し、塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
上記のような方法を用いて、各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて、それぞれ、8000枚のカラーフィルターを製造した。
上記のようにして得られた各カラーフィルターを用いて、以下のような評価を行った。
[6.1]色むら、濃度むら
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されたカラーフィルターのうち、それぞれ、8000枚目に製造されたカラーフィルターを用いて、同条件で図7に示すような液晶表示装置を製造した。
これらの液晶表示装置を用いて、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示、白色の単色表示を行った状態で目視による観察を行い、各部位での色むら、濃度むらの発生状況を、以下の5段階の基準に従い、評価した。
B:色むら、濃度むらがほとんど認められない。
C:色むら、濃度むらがわずかに認められる。
D:色むら、濃度むらがはっきりと認められる。
E:色むら、濃度むらが顕著に認められる。
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されたカラーフィルターのうち、それぞれ、1〜10枚目、および、7990〜7999枚目に製造されたカラーフィルターを用意し、これらのカラーフィルターについて、それぞれ、無作為に100画素を抽出した。抽出された100画素について、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示、白色の単色表示を行い、分光光度計(大塚電子社製、MCPD3000)を用いて測色し、色度を求めた。各カラーフィルターについて、上記の100画素について求められた色度の平均値を、そのカラーフィルターの色度とした。その結果から、各実施例および各比較例について、それぞれ、1〜10枚目、7990〜7999枚目に製造されたカラーフィルター(合計20枚のカラーフィルター)の間で最大となる色差(Lab表示系での色差ΔE)を求め、以下の5段階の基準に従い、評価した。
B:色差(ΔE)が0.5以上1.0未満。
C:色差(ΔE)が1.0以上1.5未満。
D:色差(ΔE)が1.5以上2.0未満。
E:色差(ΔE)が2.0以上。
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されたカラーフィルターのうち、それぞれ、3001〜3010枚目に製造されたカラーフィルターを用いて、同条件で図7に示すような液晶表示装置を製造した。
これらの液晶表示装置を用いて、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示を行った状態で目視による観察を行い、光漏れ(白抜け、輝点)が発生していないことを確認した。
取り外した各カラーフィルターを、20℃の環境下に1.5時間、次いで、50℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−15℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計30回繰り返した(合計240時間)。
これらの液晶表示装置を用いて、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示を行った状態で目視による観察を行い、光漏れ(白抜け、輝点)の発生状況を、以下の5段階の基準に従い、評価した。
B:1〜2枚のカラーフィルターにおいて、光漏れ(白抜け、輝点)が認められる。
C:3〜5枚のカラーフィルターにおいて、光漏れ(白抜け、輝点)が認められる。
D:6〜9枚のカラーフィルターにおいて、光漏れ(白抜け、輝点)が認められる。
E:10枚のカラーフィルターにおいて、光漏れ(白抜け、輝点)が認められる。
前記各実施例および各比較例で得られたカラーフィルター用インク(製造直後のカラーフィルター用インク)、および、65℃の環境下に7日間放置したカラーフィルター用インク(加熱環境下に放置したカラーフィルター用インク)を用いて、下記に示すような試験による評価を行った。
着色膜の形成は、ガラス板への液滴吐出後、ホットプレート上にて110℃で8分間の加熱処理を施し、さらに220℃のオーブン内で45分間加熱処理を施すことにより、行った。カラーフィルター用インクの吐出量は、形成される着色膜の厚さが1.5μmとなるように、調整した。
A:CRが3300以上。
B:CRが2200以上3300未満。
C:CRが2200未満。
緑色の着色膜が形成されたガラス基板については、以下の3段階の基準に従い、評価した。
A:CRが12000以上。
B:CRが5800以上12000未満。
C:CRが5800未満。
A:CRが3000以上。
B:CRが2500以上3000未満。
C:CRが2500未満。
これらの結果を表6、表7に示す。なお、表中、製造直後のカラーフィルター用インクを「加熱前」と示し、65℃の環境下に7日間放置したカラーフィルター用インク(加熱環境下に放置したカラーフィルター用インク)を「加熱後」と示した。
また、市販の液晶テレビを分解し、液晶表示装置部分を、上記のようにして製造したものと交換して、上記と同様の評価を行ったところ、上記と同様な結果が得られた。
Claims (8)
- インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクであって、
顔料と、溶剤と、分散剤と、硬化性樹脂材料とを含み、
前記分散剤として、酸価を有する酸価分散剤と、アミン価を有するアミン価分散剤とを含み、
前記酸価分散剤の酸価は、5〜370KOHmg/gであると共に、アミン価は、0KOHmg/gであり、
前記アミン価分散剤のアミン価は、5〜200KOHmg/gであると共に、酸価は、0KOHmg/gであり、
前記酸価分散剤の酸価をAV[KOHmg/g]、前記アミン価分散剤のアミン価をBV[KOHmg/g]、前記酸価分散剤の含有率をXA[wt%]、前記アミン価分散剤の含有率をXB[wt%]としたとき、0.10≦(AV×XA)/(BV×XB)≦0.95の関係を満足し、
前記硬化性樹脂材料が、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1、イソシアネート基またはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えたビニル単量体a2、および、水酸基を備えたビニル単量体a3を単量体成分として含有してなる重合体Aと、少なくとも下記式(1)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体を単量体成分として含有してなる重合体Bとを含むものであり、
前記重合体A中における前記エポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率は、50〜99wt%であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a2の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a3の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記エポキシ基含有ビニル単量体a1、前記ビニル単量体a2および前記ビニル単量体a3以外の重合性ビニル単量体a4の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、20重量部以下であることを特徴とするカラーフィルター用インク。
- 前記溶剤が、1,3−ブチレングリコールジアセテートを含むものである請求項1に記載のカラーフィルター用インク。
- カラーフィルター用インクは、前記分散剤と前記溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、前記溶剤中に前記分散剤を分散させた分散剤分散液を得る予備分散工程と、前記分散剤分散液に前記顔料を添加し、無機ビーズを多段で添加して微分散処理を行い、顔料分散体を得る微分散工程と、前記顔料分散体と前記硬化性樹脂材料とを混合する硬化性樹脂混合工程とを有する方法を用いて製造されたものである請求項1または2に記載のカラーフィルター用インク。
- インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクを製造する方法であって、
分散剤と溶剤とを含む混合物を攪拌することにより、前記溶剤中に前記分散剤を分散させた分散剤分散液を得る予備分散工程と、
前記分散剤分散液に顔料を添加し、無機ビーズを多段で添加して微分散処理を行い、顔料分散体を得る微分散工程と、
前記顔料分散体と硬化性樹脂材料とを混合する硬化性樹脂混合工程とを有し、
前記分散剤として、酸価を有する酸価分散剤と、アミン価を有するアミン価分散剤とを用い、
前記酸価分散剤の酸価は、5〜370KOHmg/gであると共に、アミン価は、0KOHmg/gであり、
前記アミン価分散剤のアミン価は、5〜200KOHmg/gであると共に、酸価は、0KOHmg/gであり、
前記酸価分散剤の酸価をAV[KOHmg/g]、前記アミン価分散剤のアミン価をBV[KOHmg/g]、前記酸価分散剤の含有率をXA[wt%]、前記アミン価分散剤の含有率をXB[wt%]としたとき、0.10≦(AV×XA)/(BV×XB)≦0.95の関係を満足し、
前記硬化性樹脂材料として、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体a1、イソシアネート基またはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えたビニル単量体a2、および、水酸基を備えたビニル単量体a3を単量体成分として含有してなる重合体Aと、少なくとも下記式(1)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体を単量体成分として含有してなる重合体Bとを用い、
前記重合体A中における前記エポキシ基含有ビニル単量体a1の含有率は、50〜99wt%であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a2の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記ビニル単量体a3の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、2〜20重量部であり、
前記重合体Aにおける前記エポキシ基含有ビニル単量体a1、前記ビニル単量体a2および前記ビニル単量体a3以外の重合性ビニル単量体a4の含有率は、100重量部の前記エポキシ基含有ビニル単量体a1に対し、20重量部以下であることを特徴とするカラーフィルター用インクの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のカラーフィルター用インクを用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを備えたことを特徴とする画像表示装置。
- 画像表示装置は、液晶パネルである請求項6に記載の画像表示装置。
- 請求項6または7に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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