JP4941043B2 - 着色組成物およびこれを用いた着色パターン欠陥修正方法 - Google Patents
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Description
この欠陥部修正装置は、欠陥部をレーザーで焼きとばしたり、色ヌケ部に紫外線硬化樹脂からなる組成物を塗布して、紫外線で硬化させるものである。
組成物を塗布する手段としては、上記公報のようにディスペンサによって組成物を必要量垂らす方法、インクジェットによる方法、または特開特許文献2に提示されているような、先端が平面を形成している針状物の先端に組成物を付着させ、それを欠陥部に押しつける手段等がある。この中で針状物により直接組成物を塗布する方法が、より微小な色ヌケ欠陥に対応できるので好ましく用いられている。
すなわち本発明の第一は、(A)バインダ樹脂および/またはモノマー、(B)着色剤、(C)沸点が200℃以上の溶媒、及び、(D)沸点が150℃以下の溶媒を含み、(C)沸点が200℃以上の溶媒の表面張力が(D)沸点が150℃以下の溶媒の表面張力よりも3.0以上大きく、且つ、固形分濃度が40重量%以上であることを特徴とする着色組成物に存する。
尚、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。また「全固形分」とは、後記する溶媒成分以外の本発明の硬化性組成物の全成分を意味するものとする。
本発明の着色組成物は、(A)バインダ樹脂および/またはモノマー、(B)着色剤、(C)沸点が200℃以上の溶媒、及び、(D)沸点が150℃以下の溶媒を含有する。[(A)バインダ樹脂および/またはモノマー]
本発明の着色組成物は、バインダ樹脂および/またはモノマーを含有する。バインダ樹脂とモノマーは、一方のみを使用してもよく、また併用してもよい。併用する場合、バインダ樹脂のモノマーに対するの割合(P/M比)は、その種類にもよるが、通常1/99〜90/10程度、好ましくは5/95〜50/50程度である。
重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
これらの中で、本発明に使用する透明樹脂としては、現在、カラーフィルターの着色画素や、ブラックマトリクスの製造に広く使用されている、感光性樹脂が好ましい。
本発明における(A−1)バインダ樹脂としては、例えば、現在、例えばカラーフィルターの着色画素や、ブラックマトリクスの製造に広く使用されているバインダ樹脂から適宜選択して使用することができる。
中でも、以下に記載する(A−1−1)「エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させ、更に該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる密着性アップ樹脂」(以下、単に(A−1−1)樹脂と称する)が特に好ましい。
式(1)において、R7とR8が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和の何れでもよく、又、炭素数が5〜6であるのが好ましい。
バインダ樹脂にこれらの構造を導入することによって、本発明の硬化性組成物をカラーフィルターや液晶表示素子に使用する場合に、該硬化性組成物の耐熱性を向上させたり、該硬化性組成物を用いて形成された画素の強度を増すことが可能である。
す。
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体において、前記一般式(1) で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
その溶媒の具体例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの溶媒の使用量は得られる共重合体100重量部に対し、通常30〜1000重量部、好ましくは50〜800重量部である。溶媒の使用量がこの範囲外では共重合体の分子量の制御が困難となる。
続いて、エポキシ樹脂含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共
重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、多塩基酸無水物(密着性向上成分)とを反応させる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。不飽和一塩基酸の付加割合が少なすぎると、硬化性組成物の経時安定性等に関して、残存エポキシ基による悪影響が懸念される。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、及び/又は無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。この付加割合が多すぎると、耐アリカリ性が低下するおそれがあり、少なすぎると被修正部分への密着性(以下、単に密着性と称する事がある)が不十分となる可能性がある。尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
また、密着性を調整する為に、生成したカルボキシル基の一部に、重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物の具体例としては、フェニル基やアルキル基を有するグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。市販品として、例えば、ナガセ化成工業社製の商品名「デナコールEX−111」、「デナコールEX−121」、「デナコールEX−141」、「デナコールEX−145」、「デナコールEX−146」、「デナコールEX−171」、「デナコールEX−192」等がある。
分子量が上記範囲における下限値未満であると、耐熱性や膜強度に劣る可能性があり、上限値を超えると組成物を、後述する針状媒体(リペア針と称することがある)に付着した時に糸を引きやすくなる。又、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
なお、本発明の着色組成物に使用されるバインダ樹脂として、修復部分との密着性、馴染み易さの観点からは、修復しようとする着色パターンの形成時に使用された組成物中に含まれるバインダ樹脂を使用することも好ましい。
本発明の着色組成物中に含まれるバインダ樹脂の量は、全固形分中、通常0〜90重量%、好ましくは5〜50重量%である。
本発明の着色組成物に使用されるモノマーとしては、単独で、または前述したバインダ樹脂とともに成膜性や、被塗工面に対する密着性を付与するためのバインダ成分を構成し、特に硬化反応性を付与する作用をする。また、このモノマーは、溶媒の一部と置き換えられる成分であり、溶媒の使用量を減らせる効果を付与すると共に、インキの粘度等の物性を調整するための成分でもある。
このような反応性官能基を有するモノマーは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
反応性官能基を有するモノマーとして、反応性官能基を1分子内に2以上有する多官能の反応性モノマーを用いる場合には、高い架橋密度が得られ、十分な硬化性を示すので好ましい。
光アニオン重合性モノマーとしては、例えば、電子吸引性基をもつビニル基、環状ウレタン基、環状尿素類、環状シロキサン基等を有するモノマーが挙げられる。
熱反応性の系としては、例えば、エポキシ基と活性水素、環状尿素基と水酸基等の開環付加反応系等を用いることができる。特に好ましくは、経時安定性の点からグリシジル基、脂環式エポキシ基、オキセタニル基を有するモノマー(オリゴマーも含む)と多価カルボン酸無水物又は多価カルボン酸の組み合わせを例示することができる。また、硬化性の点からは、グリシジル基、脂環式エポキシ基、オキセタニル基を有するモノマーと特許第2682256号公報、同第2850897号公報、同第2894317号公報、および特開2001−350010号公報に開示されているようなブロックカルボン酸の組み合わせを使用するのが特に好ましい。
ン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
また、光反応及び熱反応性モノマーとしては、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチルなどの(メタ)アクリレート類;o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどのビニルグリシジルエーテル類;2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、脂環式エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、前述した(A−1)バインダ樹脂と、この(A−2)モノマーを併用する場合、(A−2)モノマーは全固形分中、通常0〜90重量%程度であり、好ましくは3〜85重量%程度である。一方、(A−1)バインダ樹脂を含有しない場合は、(A−2)モノマーは全固形分中、通常20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%程度である。
本発明の着色組成物に含まれる着色剤としては、特に制限はなく、一般の染料、顔料を用いることができる。ただし、染料は、一般的に耐光性、耐熱性、耐溶媒性などが顔料より劣っていることが多く、顔料の方がより好ましく用いられる。
着色剤の色としては、特に制限はないが、修正される着色パターンの色に応じて選ばれるのが好ましい。例えばカラーフィルターの着色パターンの場合は、普通R、G、Bの3色で構成される。従って本発明の修正用カラー組成物をカラーフィルターの着色パターン修正用に用いる場合には、それぞれ赤色顔料、緑色顔料、青色顔料単独で着色剤としてもよいし、あるいは実際のカラーフィルターの着色パターン形成用着色組成物に多く用いられているように、複数の顔料を混合して組み合わせることにより、色を合わせて着色剤としてもよい。複数の顔料を組み合わせる場合には、Rは赤色顔料と黄色顔料または橙色顔料の組み合わせ、Gは緑色顔料と黄色顔料または橙色顔料、Bは青色顔料と紫色顔料の組み合わせなどを好ましく用いることができる。
黄色顔料の例としてはピグメントイエロー20、24、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、173などがあげられる。橙色顔料の例としてはピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65などがあげられる。赤色顔料の例としてはピグメントレッド9、97、122、123、144、149、166、168、177、180、192、215、216、224などがあげられる。紫色顔料の例としてはピグメントバイオレット19、23、29、32、33、36、37、38などがあげられる。青色顔料の例としてはピグメントブルー15(15:3、15:4、15:6など)、21、22、60、64などがあげられる。緑色顔料の例としてはピグメントグリーン7、10、36、47などがあげられる。本発明ではこれらに限定されずに種々の顔料を使用することができる。なお、顔料は必要に応じて、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などの表面処理が施されているものを使用してもよい。
本発明の着色組成物における(B)着色剤の含有量は、全固形分に対して、通常5〜70重量%程度、好ましくは10〜50重量%程度である。
本発明の着色組成物は、少なくとも(C)沸点が200度以上である高沸点溶媒と、(D)沸点が150度以下である低沸点溶媒とを含む。(C)高沸点溶媒と(D)低沸点溶媒との重量比(C)/(D)は、通常0.1/99.9〜99/1程度、好ましくは1/99〜49/51程度である。重量比が上記範囲を下回る場合も上回る場合も、少量の方の溶媒の影響が表れず、本発明の2溶媒の組み合わせによるレベリング効果が現われにくい。
着色パターン上の欠陥修正部分に付着した本発明の着色組成物は、その表面で低沸点溶
媒の揮発がおこり、組成物の表面は高沸点溶媒の多い組成となる。
ここで、本発明で使用される(C)高沸点溶媒は、(D)低沸点溶媒よりも表面張力が高く、その差が3.0以上、好ましくは4.0以上、より好ましくは
5.0以上である。
そのため、(C)高沸点溶媒を多く含む組成物表面の表面張力が大きくなり、表面張力の大きい液滴表面から、低い内部へと組成物の流動がおこるため、レベリングされ修正部分が均一となる。
特に、沸点と表面張力とも高い1.3−ブチレングリコール(208℃、36.1)、トリアセチン(260℃,35.2)、プロピレングリコールフェニルエーテルエーテル(243℃、38.1)が好ましい。
これら、(D)低沸点溶媒に求められる条件を勘案すると、上記の中でも特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(146℃,26.7)が好ましい。
表面張力差が3.0以上となる溶媒の、具体的な組み合わせを以下に示す。
(C)高沸点溶媒と、(D)低沸点溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、複数種併用してもよい。例えば、本発明の着色組成物中が、(C)高沸点溶媒および(D)低沸点溶媒のうち、少なくとも一方を複数種含む場合には、(C)高沸点溶媒のうち最も表面張力高い溶媒と、(D)低沸点溶媒のうち最も表面張力の低い溶媒との差は必ず3.0以上となるよう、組み合わせを選択する。
また、(D)低沸点溶媒の量は、溶媒全量に対して1〜99.9重量%であるが、蒸発して表面張力差が出易い点からは、51〜99重量がより好ましい。
なお、本発明の着色組成物における固形分濃度は、通常40〜95重量%程度、好ましくは50〜90重量%程度である。
固形分濃度が上記範囲を下回ると、リペア針への付着量、欠陥部への転写量が少なく、未修正部分が残る可能性があり、逆に上回ると針への付着量、欠陥部への転写量が多くなり修正部の高さが高くなるという問題が生じるおそれがある。
本発明の着色組成物において、(A)バインダ樹脂および/またはモノマーとして感光性の化合物を使用した場合、(E)光重合開始系を含有することが好ましい。
(E)光重合開始系は、通常、光重合開始剤、及び必要に応じて添加される増感色素、重合加速剤等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4
,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
ルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノ
ン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
本発明の着色組成物において、これらの光重合開始系の含有割合は、全固形分中、通常1〜30重量%、好ましくは5〜10重量%である。この含有割合が著しく低いと光感度が低くなり十分な硬化膜が得られないという問題が生じる場合があり、反対に著しく高いと、成膜成分が少なくなり針への付着性、被修正部分への転写性が低下するという問題が生じるおそれがある。
本発明の着色組成物における、これら増感色素の割合は、全固形分中、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
本発明の着色組成物において、(B)着色剤として顔料を使用する場合には、(E)分散剤を使用することが好ましい。(F)分散剤としては、例えばカラーフィルターの着色画素や、ブラックマトリクスの製造に使用される分散剤から適宜選択して使用することができる。
(F)分散剤としては、高分子分散剤が好ましく、中でもブロック共重合体および/またはグラフト共重合体である高分子分散剤が好ましい。
特に好ましいものの一つに、(F−1):窒素原子を含有するグラフト共重合体、が挙げられる。以下、これについて詳述する。
窒素原子を含有するグラフト共重合体は、(B)着色剤である顔料を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、顔料と分散剤との吸着の障害となる部分(分子)が、顔料への吸着部周辺に配置することを、積極的に排斥し得る構造を有しているためと推察される。窒素原子を含有するグラフト共重合体としては、主鎖に窒素原子を含有する繰り返し単位を有するものが好ましい。中でも、式(I)で表される繰り
返し単位または/及び式(II)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
〜(V)のいずれかを表す。
式(I)中、R51は、メチレン、エチレン、プロピレン等の直鎖状または分岐状の炭素数1〜5のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜3であり、更に好ましくはエチレン基である。Aは水素原子または下記式(III)〜(V)のいずれかを表すが、好ましく
は式(III)である。
4のアルキレン基、又はエチレンオキシ、プロピレンオキシ等の炭素数1〜4のアルキレンオキシ基が好ましい。W2はエチレン、プロピレン、ブチレン等の直鎖状または分岐状
の炭素数2〜10のアルキレン基を表し、中でもエチレン、プロピレン等の炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。Y2は水素原子または−CO−R52(R52はエチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜10のアルキル基を表し、中でもエチル、プロピル、ブチル、ペンチル等の炭素数2〜5のアルキル基が好ましい。)を表す。qは、1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。
〜50のヒドロキシアルキル基を表し、中でもステアリル等の炭素数10〜20のアルキル基、モノヒドロキシステアリル等の水酸基を1〜2個有する炭素数10〜20のヒドロキシアルキル基が好ましい。
本発明のグラフト共重合体における式(I)または(II)で表される繰り返し単位の含有率は、高い方が好ましく、通常50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。式(I)で表される繰り返し単位と、式(II)で表される繰り返し単位の、両方を併有してもよく、その含有比率に特に制限は無いが、式(I)の繰り返し単位を多く含有していた方が好ましい。式(I)または式(II)で表される繰り返し単位の合計数は、1分子中に通常1〜100、好ましくは10〜70、更に好ましくは20〜50である。
尚、本発明のグラフト共重合体であれば、主鎖が直鎖状であっても分岐していてもよい。
しくは10〜70mgKOH/gであり、更に好ましくは15〜40mgKOH/g以下である。アミン価が低すぎると分散安定性が低下し、粘度が不安定になることがあり、逆に高すぎると残渣が増加したり、液晶パネルを形成した後の電気特性が低下することがある。
本発明においては、上述のものと同様の構造を有する市販のグラフト共重合体を適用することもできる。
本発明の着色組成物は、(F)分散剤として(F−2):アクリル系ブロック共重合体を含有していてもよい。(F−2)アクリル系ブロック共重合体は、顔料を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、分子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。
アクリル系ブロック共重合体のブロック共重合体を構成するAブロックは、4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有する。
びR33は、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R31、R32及びR33のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。Z−は、対アニオンを表す。)で表わされる4級アンモニウム塩基を有する。この4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。
−N+R31R32R33におけるR31、R32、R33としては、それぞれ独立に、より好まし
いのは、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。
4級アンモニウム塩基を有するAブロックとしては、下記一般式(VI)で表わされる部分構造を含有するものが好ましい。
一般式(VI)において、R31、R32、R33の炭化水素基は、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20の芳香族基を有する置換基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ベンジル基、フェニル基等を挙げることができる。中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基が好ましい。
レン基、アリーレン基、−CONH−R35−、−COO−R36−(但し、R35及びR36は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基(−R37−O−R38−:R37及びR38は、各々独立にアルキレン基)を表わす。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R36−である。
また、対アニオンのZ−としては、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、BF4 −、CH3COO−、PF6 −等が挙げられる。
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基、エチレン基が好ましく、R44は水素原子であるのが好ましい。このような化合物として下記式で表される置換基が挙げられる。
るが、かかる4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基非含有部分構造はAブロック中に含まれないことが最も好ましい。
Bブロックは、特に下記一般式(VII)で表される、(メタ)アクリル酸エステル系モ
ノマー由来の部分構造であることが好ましい。
てもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。もちろん該Bブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造が、4級アンモニウム塩基を含有しないBブロック中に存在する場合、各部分構造は該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。Bブロック中に上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造以外の部分構成を含有する場合、当該(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外の部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜99重量%、より好ましくは0〜85重量%である。
本発明に係るA−Bブロック共重合体およびB−A−Bブロック共重合体の、1g中のアミン価は、通常1〜300mgKOH/g程度であるが、その好ましい範囲は、Aブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合と有さない場合とで異なる。
は、0.1〜10mmolであることが好ましい。この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。このようなブロック共重合体中には、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があり、そのアミン価は、通常、共重合体1gあたり1〜100mgKOH/g程度、好ましくは1〜50mgKOH/g、より好ましくは1〜30mgKOH/gである。
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mgKOH/g以下であり、その分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で通常1000以上、100,000以下の範囲である。ブロック共重合体の分子量が小さすぎると分散安定性が低下し、大きすぎるとリペア針への付着時に糸引きが生じたり、欠陥修正部の高さが高くなる。
本発明においては、上述のものと同様の構造を有する市販のアクリル系ブロック共重合体を適用することもできる。
また、本発明の着色組成物は、(F)分散剤として、(F−3)ウレタン樹脂分散剤を含有していてもよい。(F−3)ウレタン樹脂分散剤としては、ポリイソシアネート化合物と、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られるウレタン樹脂が特に好ましい。
れたもの、若しくはこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
又、ポリオレフィングリコールとしては、ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらの同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物のうち、特にポリエーテルグリコールとポリエステルグリコールが好ましい。尚、同一分子内に水酸基を1個又は2個
有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。又、製造する際の触媒としては、通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系;鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。
本発明の着色組成物に用いられる(F)分散剤としては、上記の各種分散剤以外に、その他の分散剤を含有していてもよい。
その他の分散剤としては、例えば、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
上述してきた分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ゼネカ社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(味の素社製)等を挙げることができる。これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
分散剤の含有割合が少なすぎると、色材への吸着が不足し、凝集を防ぐことができず、高粘度化ないしゲル化してしまうことがあるため、分散安定性が悪化し、再凝集や増粘等の問題が発生する可能性がある。逆に多すぎると、相対的に顔料の割合が減るため、着色力が低くなり、色濃度に対して欠陥修正部分への組成物の付着量を多く(厚く)する必要があり、カラーフィルタに用いた場合、液晶セル化工程でのセルギャップ制御不良が出ることがある。
なお、本発明の硬化性組成物は、後述する該硬化性組成物調製時の分散処理工程において、上記(F)分散剤とともに、前述の(A)バインダ樹脂の一部を含有させることにより、共に分散剤としての役割を担わせてもよい。
本発明の着色組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、分散助剤、有機カルボン酸又は/及び有機カルボン酸無水物、可塑剤、染料、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。
本発明の着色組成物の調製には、溶媒と着色剤を混合してあらかじめ分散した顔料分散液に、樹脂溶液を混合する方法、あるいは、樹脂と溶媒と顔料とを混合して分散する方法などを用いることができる。これら製造方法の選択については、顔料の種類により、適宜適当なものを選ぶのが好ましい。
本発明の着色組成物において、(B)着色剤が顔料である場合、その分散方法は特に限定されず、ホモジナイザー、ボールミル、サンドグラインダー、3本ロール、高速度衝撃ミルなど、種々の方法をとりうる。
着色組成物の粘度が低すぎると塗布後にスポットがにじんで広がってしまう。逆に粘度が高すぎると、塗布スポットの膜厚は大きくなり色は濃くなるものの、塗布スポット上面がなだらかでなくなり、糸を引いたように尖るため、突起高さが大きくなる。特にカラーフィルターの場合には、表示パネルのセルギャップは一般的には4μm程度であるために、突起高さが4μmより大きくなると、対向基板にまで突起が到達し、表示不良が生じる。従って、好ましい突起高さの範囲内としては4μm以内、より好ましくは3μm以内、さらに好ましくは2μm以内、さらにいうならば1μm以内が好ましい。なお、ここでいう突起高さとは、正常画素部上面と着色組成物にて修正後のスポットにおける最上部との高さの差のことをいう。突起高さを測定する手段としては、一般的な方法を用いることができ、例えば触針式膜厚計、レーザー顕微鏡、あるいは簡便な方法として、光学顕微鏡観察における焦点深度の差より概算する方法などがある。
この範囲を超えて、粘度が低いか高いかすれば、界面活性剤を添加しても効果が十分で
なく、突起高さが大きくなり、上記のような問題が生じる可能性がある。
なんとなれば、固形分濃度が低すぎれば、乾燥前の塗布スポットはなだらかな形状で上に凸になるものの、乾燥後のスポットの膜厚が小さくなりやすく、従ってスポットの色が薄くなりやすく、あるいは逆に固形分濃度が高すぎれば、組成物保存安定性に問題が生じ、ゲル化したり、顔料凝集に起因して粘度上昇が生じたりしやすいからである。
以上、本発明の着色組成物の粘度、着色剤濃度、固形分濃度について述べたが、以下では、本発明の着色組成物の代表的な用途である液晶ディスプレー用カラーフィルタの修正を例に使用方法の一例を説明する。
カラーフィルター製造プロセスの概略としては、一般的には、まず透明基板上にブラッ
クマトリクスを形成し、続いてR、G、B3色のストライプパターンを1色ずつ形成していく。さらに、必要があればRGBストライプ上に保護膜を形成させて、さらにその上部に透明導電膜を積層してカラーフィルターとする。
本発明の着色組成物を用いれば、正常画素上面からの突起も十分小さいので、液晶表示パネルを組んだ際でも表示不良などは起こりえず、また色にじみがないので、修正部分の面積が大きくなって修正個所が目立つこともない。
本発明の着色組成物を塗布した後に乾燥する方法としては、特に限定はなく、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより乾燥する。加熱乾燥の場合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜300℃の範囲で1分〜3時間行うのが好ましい。また、修正の場合、局所的かつ短時間での乾燥が要求されることが多いので、例えば赤外線スポットヒーターなどを用いて、修正箇所だけを加熱して乾燥する方法も好ましく使用できる。着色剤の著しい昇華、あるいはスポット自体の熱破壊などが生じない範囲で、なるべく高温短時間で硬化させるのが効率的であり、好ましい。また、赤外線の場合は修正組成物の色によって吸収強度が異なり、長波長側に吸収がある、例えば青色などは効率的に硬化が進むが、長波長側の透過が大きい赤色などは、吸収効率が悪く、熱硬化が進みにくい。従って色毎に赤外線照射条件を変化させることが好ましい。ブラックマトリクス、R、G、Bストライプのパターンニングをした後のカラーフィルターを赤外線吸収効率の比較的悪い赤色組成物等で修正する場合は、修正個所周辺に位置するブラックマトリクスなど、赤外線吸収効率のよい箇所からの伝熱で、間接的に熱を与え、硬化を進ませることもできる。
低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
以上の方法により、本発明の修正組成物により欠陥部分の修正を行い、必要があれば、保護膜、透明導電膜を形成せしめ、無欠陥品と同等の性能を有するカラーフィルターを製造する。
なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
まず、実施例および比較例で用いたバインダ樹脂の合成について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算
の重量平均分子量である。
先ず、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145部及びアゾ系重合開始剤(和光純薬(株)製「V−59」)5.1部を反応容器に仕込み、窒素置換しながら攪拌し90℃に昇温した。ここに、スチレン20部、グリシジルメタクリレート57部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製「FA−513M」)82部を2時間かけて滴下し、更に、90℃で4時間攪拌し続けた。
得られた重合反応液を反応液の4倍量のヘキサン中に滴下し、重合体を析出させた。次いで、デカンテーションにより樹脂固形物を回収し、乾燥させた。
(実施例1:緑色着色組成物の調製)
まず、下記に示す顔料、分散剤、及び溶剤を混合、攪拌しミルベースを作った。これをペイントシェーカーで0.5mmジルコニアビーズを用い、室温で4時間分散処理して、緑色分散液を調製した。この分散液に、残りの成分を加えて、10μフィルターでろ過し、緑色着色組成物を得た。
顔料 C.I.Pigment Green 36
(東洋インキ社製「リオノールグリーン6YK」) 15.7部
C.I.Pigment Yellow 150
(バイエル社製「ファンチョンファーストエローY5688」)9.5部
分散剤
ウレタン系顔料分散剤
(ビッグケミー社製「Disperbyk161」) 10.3部
モノマー
ペンタエリスリトールトリアクリレート
(日本化薬社製「PET−30」) 28.4部
重合開始剤
アセトフェノン系開始剤
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」)
4.1部
低沸点溶剤
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(ダイセル社製「PGMEA(MMPGAC)」) 24.7部
高沸点溶剤
トリアセチン
(ダイセル社製「DRA−150」) 7.2部
顔料、分散剤、樹脂、モノマー、開始剤、溶剤の組成を以下の表−1に示す割合(但し、表中の数値は、着色組成物全量を100とした重量比)に変えた以外は、実施例1と同様にして各色の着色組成物を得た。
*2 イルガフォ−レッドB−CF(チバスペシャルティケミカルズ社製)
*3 ファンチョンファーストエローY5688(バイエル社製)
*4 Printex75(デグサ社製)
*5 Disperbyk161(ビッグケミー社製)
*6 <バインダ樹脂の合成>にて得られた樹脂
*7 PET−30(日本化薬社製)
*8 イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製)
*9 PGMEA(MMPGAC)(ダイセル社製)
*10 DRA−150(ダイセル社製)
実施例1にて調製した緑色着色組成物において、低沸点溶媒と高沸点溶媒を各々以下の表−2に示した様に変えた以外は、実施例1と同様に緑色着色組成物を調製した。各溶媒の沸点、表面張力とその差、およびレべリング性について、以下に示す。
実施例及び比較例で得られた着色組成物をリペア針の先端に付着させ、ガラス基板に接触、付着させた。付着させるリペア針の先端は直径50μmで平坦になっており、基板に組成物を付着させる時は、針取り付け部の重量(約20g)が、この先端にかかるため約800kg/cm2と大きな荷重がかかる。そのため、基板への付着直後は針先端の平坦部のリペアインクが押し出され、組成物が輪状に付着するのが、実体顕微鏡で観察される。
実体顕微鏡で、この付着部を付着直後30秒間観察し、レベリング性を以下の様に評価した。
◎:付着後5秒以内にレベリングし円状になる。
○:付着後30秒以内にレベリングし円状になる。
×:付着後30秒以内でもレベリングせず輪状のままである。
高沸点溶媒として、トリアセチンの代わりにPGMEAを用いた以外は、実施例2と同様に着色組成物の調製を行った。(比較例10)。
ここで得られた赤色着色組成物(比較例10)と、実施例2にて得られた赤色着色組成物につき、各溶媒の沸点、表面張力とその差、およびレべリング性を以下に示す。
高沸点溶媒として、トリアセチンの代わりにPGMEAを用いた以外は、実施例3と同様に着色組成物の調整を行った(比較例11)。
ここで得られた黒色着色組成物(比較例11)と、実施例3にて得られた黒色着色組成物につき、各溶媒の沸点、表面張力とその差、およびレベリング性を以下に示す。
実施例1、2、3、5、及び比較例1、10、11のリペアインクをリペア針に付着させ、各Green,Red,Black画素内にある色抜け欠陥上にスポット状に転写塗布した。続けて、3kw超高圧水銀灯により500mj/cm2で露光した後、熱風オーブン内で230℃*15分間、乾燥キュアした。各着色組成物のレベリング性(上述の「レベリング性の評価」参照)、及び熱風乾燥後の修正スポットの突起高さを評価した。
Claims (6)
- (A)バインダ樹脂および/またはモノマー、(B)着色剤、(C)沸点が200℃以上の溶媒、及び、(D)沸点が150℃以下の溶媒を含み、(C)沸点が200℃以上の溶媒の表面張力が(D)沸点が150℃以下の溶媒の表面張力よりも3.0以上大きく、また、(C)溶媒と(D)溶媒との重量比が(C)/(D)=1/99〜49/51であり、且つ、固形分濃度が40重量%以上であることを特徴とする着色組成物。
- (C)溶媒が、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリアセチン、1,3−ブチレングリコール、およびプロピレングリコールフェニルエーテルの群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1記載の着色組成物。
- (C)溶媒が、トリアセチン、1,3−ブチレングリコール、およびプロピレングリコールフェニルエーテルの群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1または2記載の着色組成物。
- (D)溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 着色剤が顔料である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の着色組成物を使用する着色パターン欠陥修正方法であり、針状の塗布媒体に着色組成物を付着させる工程、針状の塗布媒体に付着した着色組成物をパターン欠陥部に転写させる工程、転写された着色組成物を加熱乾燥させる工程を含む、着色パターン欠陥修正方法。
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