JP3861462B2 - カラーフィルター用光重合性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置、CCDなどの固体撮像素子、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイなどと組み合わせて用いるカラーフィルターの製造に好適な光重合性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のカラーフィルターとしては、染色法、印刷法、電着法、顔料分散法などの方法で、ガラス基板上に赤、緑、青などの画素を形成したものが用いられている。
従来のカラーフィルターのうち、染色法によるカラーフィルターは、ゼラチンやポリビニルアルコールなどに感光剤として重クロム酸塩を混合した感光性樹脂を用いて画像を形成した後、染色して製造されている。この染色法による場合、多色の画像を同一基板上に形成するためには、防染工程が必須であり、工程が複雑になるという問題点がある。また、染料を使用するため、耐光性に劣る上に、感光剤として用いる重クロム酸は公害防止の観点から使用が望ましくないという問題もある。
【0003】
印刷法によるカラーフィルターは、スクリーン印刷又はフレキソ印刷などの方法で、熱硬化インキ又は光硬化インキをガラス基板に転写させて製造される。印刷法であれば、画像形成、染色が不要であるため、工程が簡略であるが、反面、高精細な画像が得られず、インクの平滑性の点においても問題がある。
電着法によるカラーフィルターは、顔料又は染料を含んだ浴に電極を設けたガラス基板を浸し、電気泳動により色相を付着させて製造されている。電着法によるカラーフィルターは、平滑性に優れるが、予め、ガラス基板に電極を設ける必要があるため、複雑なパターンを形成させるのが困難であるという問題がある。
【0004】
顔料分散法によるカラーフィルターは、光硬化性樹脂に顔料を分散させた着色レジストにより画像を形成することにより製造されている。顔料分散法は、高耐熱性のカラーフィルターを製造することができ、また、染色が不要である上に、高精度の画像を形成することができるという利点がある。
このため、現在、顔料分散法は、カラーフィルター製造技術の主流となっているが、顔料分散法では、多量の顔料を含む着色レジストにより画像形成を行った際、基板に顔料が残り易く、地汚れが発生するという問題がある。カラーフィルターの製造では、赤、緑、青の色画素を順次形成していくため、地汚れの発生は、カラーフィルターの色再現性、塗膜の平滑性等を劣化させる原因となる。
【0005】
このような地汚れを防ぐために、従来は、現像時間の制御、現像液濃度の調節、ブラシなどによる除去といった方法がとられていた。しかしながら、現像時間の制御、現像液濃度の調節、ブラシなどによる除去では、地汚れの発生を完全に除去することができず、作業性の低下、コストアップ、現像液の廃液処理などにおいても問題を生じていた。
また、有機カルボン酸を着色レジストに添加する方法(特開平4−369653号公報、同5−343631号公報)、或いは、バインダー樹脂の酸価を高くすることにより溶解性を向上させる方法も提案されている。しかし、有機カルボン酸を添加する方法や、単にバインダー樹脂の酸化を高くして溶解性を向上させただけでは、地汚れの発生を完全に防止することはできなかった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、顔料分散法によるカラーフィルターの製造において、地汚れの発生を著しく低減することができるカラーフィルター用光重合性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来考えられていたように、単にアルカリ現像液に対する組成物の溶解性を上げるために、該現像液に対する溶解性の高い樹脂(A)をバインダー樹脂として使用するだけでなく、あえて溶解性の低い樹脂(B)を併用する点に特徴がある。
すなわち本発明は、バインダー樹脂、モノマー、光重合開始剤、着色顔料および溶剤を含み、該バインダー樹脂として、アルカリ現像液に対する溶解性の異なる樹脂を2種類以上含有することを特徴とし、該アルカリ現像液に対する溶解性が異なる樹脂が、それぞれ(A)酸価が30〜250(KOH-mg/g)の樹脂と、(B)酸価が0.1〜25(KOH-mg/g)の樹脂であり、且つ(A)および(B)の樹脂の構成モノマーのうち少なくとも一部が共通しており、(A)および(B)を少なくとも各1種類ずつ含むことを特徴とする、カラーフィルター用光重合性組成物に存する。
【0007】
以下、本発明に関し詳細に説明する。
樹脂の現像液に対する溶解性を調節するには様々な方法があるが、そのひとつとして樹脂の酸価を調節する方法がある。本発明においても、アルカリ現像液に対する溶解性の異なる樹脂として、分子量が同程度で、酸性基の含有量が異なる樹脂を2種類以上用意して、これらを併用する方法が簡便である。樹脂の酸性基含有量は、KOH水溶液を用いた滴定量、すなわち酸価にて表される。
【0008】
本発明において、バインダー樹脂として使用される樹脂(A)として、好ましくは酸価30〜250(KOH−mg/g)、より好ましくは50〜150(KOH−mg/g)であるものを使用する。また樹脂(B)として、好ましくは酸価0.1〜25(KOH−mg/g)、より好ましくは2〜20(KOH−mg/g)であるものを使用する。樹脂(A)の酸価が上記範囲より低いと、アルカリ現像液に対する溶解性が低下して現像不能になる恐れがある。また上記範囲より高いと、感度低下や現像時の膜荒れを起こしやすくなる。樹脂(A)および(B)は、上記範囲であれば各々2種類以上を併用しても良く、本発明の組成物としての性能を損なわない範囲でなら(A)および(B)以外の酸価を有する樹脂を併用しても良い。
樹脂(A)および(B)は、重合時に使用する原料モノマーにおける、側鎖に酸性基を有するモノマーの割合を調整する方法や、主鎖となるポリマー形成後に酸性基を有する化合物を付加させる方法や、これらの方法により得られたポリマーの酸性基に更に何らかの化合物を付加させて酸性基を無効にする方法など、通常考えられるあらゆる方法にて製造できる。
【0009】
樹脂(A)および(B)は、GPCで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が1000〜15000であるものが好ましく、5000〜11000であるものがより好ましい。
これらの樹脂の混合割合は、樹脂(A)および(B)の総量に対して、好ましくは樹脂(B)が3〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
【0010】
本発明においてバインダー樹脂として使用する、アルカリ現像液に対する溶解性の異なる樹脂としては、出来るだけ基本骨格が類似しているもの、つまり樹脂を構成するモノマーが共通しているものが好ましい。
具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、イソプレンスルホン酸、スチレンスルホン酸、(o,m又はp)−ポリビニルフェノールなどの酸性基を有するモノマーと、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸クロライド、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどのモノマーとを共重合させたバインダー樹脂が挙げられる。(なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル又はメタクリル」を示す。「(メタ)アクリレート」についても同様である。)
【0011】
特に、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸などの酸性基としてカルボキシル基を有するモノマーと、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のフェニル基を有するモノマーとを共重合成分として含有するバインダー樹脂が、アルカリ現像性、顔料分散性の点から好ましく、中でも最も好ましいのは、(メタ)アクリル酸とスチレンを共重合成分として含有するバインダー樹脂である。
【0012】
また、このようなバインダー樹脂の側鎖に、エチレン性2重結合を付加させることもできる。樹脂側鎖に2重結合を付与することにより光硬化性が高まるため、解像性、密着性をさらに向上することができ好ましい。エチレン性2重結合を導入する合成手段として、例えば、特公昭50−34443、特公昭50−34444等に記載の方法等が挙げられる。具体的には、カルボキシル基や水酸基等の酸性基にグリシジル基、エポキシシクロヘキシル基および(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物やアクリル酸クロライド等を反応させる方法が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アリルクロライド等の化合物を使用し、カルボキシル基や水酸基等の酸性基を有する樹脂に反応させることにより側鎖に重合基を有する樹脂を得ることができる。特に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートのような脂環式エポキシ化合物を反応させた樹脂は高耐薬品性となるため好ましい。
【0013】
本発明に係る光重合開始剤としては、紫外光により後述するモノマー中のエチレン性不飽和基を重合させるラジカルを発生させることのできる化合物が挙げられる。具体的には、(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−エトキシカルボニル−4−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル化トリアジン誘導体、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジ(3′−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2′−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(4′−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などのイミダゾール誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4′−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどのアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸エステル誘導体、9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体、9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム等のチタニウム誘導体などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用される。例えば、特公昭53−12802号公報、特開平1−279903号公報、特開平2−48664号公報、特開平4−164902号公報、特開平6−75373号公報などに記載の開始剤との組み合わせ例が挙げられる。
【0014】
モノマーとしては、具体的にイソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロドデシルアクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ビスフェノールAのEO付加ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート、グリセリンPO付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ノボラックエポキシのアクリル酸変性物、ノボラックエポキシのアクリル酸及び酸無水物の変性物、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリル化イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステルアクリレートなどが挙げられる。これらのモノマーのなかでは特に3官能以上のアクリルモノマーが好ましい。これらのモノマーは単独又は2種以上を組み合わせて使用される(なお、EOとはエチレンオキシド、POとはプロピレンオキシドを示す。)。
【0015】
本発明に係る顔料としては、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラックなどの無機顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、チオインジゴ系顔料などの有機顔料などが挙げられる。これらのうち特にフタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ジスアゾ系顔料が好ましい。これらの顔料は単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0016】
なお、本発明に使用される顔料を具体的にカラーインデックス(C.I)ナンバーで示すと次の通りである。
C.I.赤;9,97,122,123,149,168,177,180,192,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240
C.I.青;15,15;6,22,60,64
C.I.緑;7,36
C.I.黒;7
C.I.黄色;20,24,86,93,109,110,117,125,137,138,147,148,153,154,166,168
C.I.オレンジ;36,43,51,55,59,61
C.I.バイオレット;19,23,29,30,37,40,50
C.I.茶;23,25,26
【0017】
本発明に係る溶剤としては、具体的に、次のようなものが挙げられる。
ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、(n,sec又はt)−酢酸ブチル、ヘキセン、シェル TS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどの有機溶剤が挙げられる。
【0018】
これらの溶剤は1種を単独で使用しても良く、また、2種以上を混合して使用することも可能である。
なお、溶剤は、沸点が100〜200℃の範囲のもの、特に、120〜170℃の範囲のものを選択して使用するのが好ましい。
【0019】
本発明のカラーフィルター用光重合性組成物は、バインダー樹脂100重量部に対し、光重合開始剤を0.05〜50重量部、モノマーを5〜200重量部、顔料を10〜500重量部、溶剤を50〜5000重量部の範囲で含有することが好ましい。
光重合開始剤の含有量が上記範囲未満であると十分な感度が得られず、また、上記範囲を超えると内部硬化性が悪くなり、ときに開始剤の再結晶がおこり析出することがある。モノマーの添加量が上記範囲未満であると像露光された画線部の架橋密度が十分でなくなり良好な画像が得られにくく、また、上記範囲を超えると乾燥後のレジスト膜のベタつきが大きくなり作業性に劣るようになる。顔料の添加量が上記範囲未満であるとカラーフィルター作成に必要な色濃度が出しにくくなり、また、上記範囲を超えると顔料による光吸収が強くなりすぎ、内部光硬化が起こらなくなり画像が出なくなる。溶剤の添加量が上記範囲未満であると塗布むらができやすく膜厚の均一性に欠け、上記範囲を超えると十分な膜厚を得ることができず、また、ピンホールなどの塗布欠陥ができやすくなる。
【0020】
本発明のカラーフィルター用光重合性組成物においては、上記の成分の他、必要に応じ増感剤、顔料分散助剤、塗布性改良剤、架橋剤、現像改良剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤、露光可視画剤などを適宜配合する事ができる。これらは単独もしくは数種併用することも可能である。
【0021】
本発明のカラーフィルター用光重合性組成物によりカラーフィルターを形成するには、まず、上記組成からなるカラーフィルター用光重合性組成物を調製し、これをカラーレジスト感光液として、スピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷などの公知の方法でガラス基板に塗布する。なお、ガラス基板にはクロム、酸化鉛などの金属やカーボンブラックなどでブラックマトリックスが形成されていても良い。この塗布膜厚は乾燥後の膜厚で0.5〜10μmが好ましい。
【0022】
塗布膜は、コンベクションオーブン又はホットプレートを用いて乾燥する。乾燥温度は50〜150℃、乾燥時間は30秒〜60分が好適である。
その後、マスクを通して露光することによりレジスト膜に潜像を形成する。この露光には、高圧水銀灯が一般的に用いられる。
次いで、未露光部分を溶解させる溶剤で現像することにより画像を形成することができる。
【0023】
ここで、現像液としては、アセトン、トルエン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤も使用可能であるが、環境問題からアルカリ現像液の方が好ましい。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液などが用いられる。これらの現像液には界面活性剤、消泡剤、pH調整剤などが含有されていても良い。現像液の温度は5〜50℃が適当である。現像方法としては、特に制限はなく、バドル法、ディッピング法、スプレー法など公知の方法を採用することができる。現像時間は現像方法により異なるが、通常、10秒〜5分の範囲が適当である。また、プリウエットを採用しても良い。
画像形成後は、現像液の乾燥、レジスト膜の硬化を高める目的で、必要に応じてポストベーク、後光硬化などを採用しても良い。
【0024】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】
〔アルカリ現像液の調整〕
純度85%のKOH 15g、「エマルゲンA−60」(花王(株)製界面活性剤)25g、水225gを均一になるまで撹拌し、これを更に水で100倍に希釈した。
【0026】
〔バインダー樹脂の溶解度の評価〕
評価する樹脂のプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートの40重量%溶液を調整し、5cm×5cmの液晶用ガラス基板に、スピンコーターにて塗布し、80℃のホットプレート上にて1分間乾燥した。組成物の乾燥膜厚は2.5μmであった。
300mlビーカーに、上記で得られたアルカリ現像液を250mlとり、23℃に調整した。ここに、組成物の乾燥膜を有するガラス基板(以下「サンプル」)を浸漬し軽く揺動した。その後サンプルを取り出して水洗し、乾燥させた後、基板上に残った組成物の膜厚を測定した。現像液への浸漬前後の膜厚差を浸漬時間で割ったものを、アルカリ現像液に対する樹脂の溶解度とした。
【0027】
合成例1:バインダー樹脂(A)の合成
スチレン44.20g(0.425mol)、アクリル酸5.40g(0.075mol)、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート50gを300ml4つ口フラスコにいれ、窒素雰囲気下、80℃で撹拌した。ここに、AIBN0.3118g(1.91×10-3mol)をプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート10gに溶かしたものを添加し、6hr撹拌した。窒素を止め、P−メトキシフェノール0.22g(1.5×10-3mol)をプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート15gに溶かしたものを添加した後、95℃に昇温して2hr撹拌した。 得られた樹脂のGPC換算重量平均分子量は7500、酸価は70、アルカリ現像液に対する溶解度は10.00×10-3μm/secであった。
【0028】
合成例2:バインダー樹脂(B)の合成
スチレンを50.75g(0.487mol)、アクリル酸を0.94g(0.013mol)使用した以外は、合成例1と同様に合成を行った。得られた樹脂のGPC換算重量平均分子量は9000、酸価は15、アルカリ現像液に対する溶解度は0.50×10-3μm/secであった。
【0029】
実施例1
合成例1、2で得られたバインダー樹脂を用いて、下記表−1に示す配合比率でカラーフィルター用光重合性組成物を調合し、クロムが蒸着されたガラス基板にスピンコーターで塗布した。
【0030】
【表1】
【0031】
このサンプルをホットプレートで80℃にて1分間乾燥した。組成物の乾燥膜厚は1.5μmであった。
次に、高圧水銀灯によりマスクパターンを通してサンプルを200mj/cm2 で露光したあと、上記[アルカリ現像液の調整]の項にて得られたアルカリ現像液を用いて1分間現像した。現像後、充分な水でリンスしたあと、乾燥した。現像されたサンプルにハロゲンライトを当て、地汚れを目視で観察した。非画線部に全く地汚れが見られないものを○、わずかに白く見える箇所があるものを△、全体的に白っぽく見えるものを×とし、結果を表−2に示す。
【0032】
実施例2〜4、比較例1〜5
合成例1、2と同様に、アルカリ現像液に対する溶解度の異なるバインダー樹脂を各々合成し、実施例1と同様に画素を形成し、地汚れを観察した。使用したバインダー樹脂とその混合割合、アルカリ現像液に対する溶解度、および各々の地汚れの有無を、表−2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
○:地汚れが全くない
△:わずかに白くみえる箇所がある
×:全体的に白っぽくみえる
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、アルカリ現像液に対する溶解度の異なる、2種類以上の樹脂を併用することにより、赤、緑、青の各色画素及びブラックマトリックスを形成する際に、高感度、高解像性の性能を維持した上で、非画像部の地汚れを著しく低減することができ、色再現性や塗膜の平滑性に優れた高特性カラーフィルターを製造することができる。
Claims (6)
- バインダー樹脂、モノマー、光重合開始剤、着色顔料および溶剤を含み、該バインダー樹脂として、(A)酸価が30〜250(KOH−mg/g)の樹脂と、(B)酸価が0.1〜25(KOH−mg/g)の樹脂を含み、且つ(A)
および(B)の樹脂の構成モノマーのうち少なくとも一部が共通していることを特徴とする、カラーフィルター用光重合性組成物。 - (A)および(B)の樹脂の、GPCで測定した重量平均分子量がそれぞれ1000〜15000である、請求項1記載のカラーフィルター用光重合性組成物。
- (A)および(B)の総量に対し、(B)を3〜40重量%含む、請求項1または2記載のカラーフィルター用光重合性組成物。
- (A)および(B)が側鎖としてカルボキシル基を有する、請求項1ないし3のいずれか記載のカラーフィルター用光重合性組成物。
- (A)および(B)が側鎖として重合基を有する基を有する、請求項1ないし3のいずれか記載のカラーフィルター用光重合性組成物。
- モノマーがエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含む、請求項1ないし5のいずれか記載のカラーフィルター用光重合性組成物。」
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