JPH11109616A - 着色樹脂組成物及びカラーフィルター - Google Patents

着色樹脂組成物及びカラーフィルター

Info

Publication number
JPH11109616A
JPH11109616A JP27087197A JP27087197A JPH11109616A JP H11109616 A JPH11109616 A JP H11109616A JP 27087197 A JP27087197 A JP 27087197A JP 27087197 A JP27087197 A JP 27087197A JP H11109616 A JPH11109616 A JP H11109616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
colored resin
meth
colored
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27087197A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichiro Takasaki
龍一郎 高崎
Fumiyuki Matsuo
史之 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP27087197A priority Critical patent/JPH11109616A/ja
Publication of JPH11109616A publication Critical patent/JPH11109616A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、現像性、解像性の良好な着色樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 (a)カルボキシル基を有するビニル樹
脂にエポキシ基及びエチレン性不飽和結合を同一分子内
に有する化合物を反応させ、さらに、多塩基酸無水物を
反応させた樹脂及び(b)着色色材を含有することを特
徴とする着色樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色樹脂組成物に関
し、更に具体的にはカラーテレビ、液晶表示素子、固体
撮像素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルタ
ーの製造で使用されるカラーフィルター用着色樹脂組成
物及び該組成物より得られるカラーフィルタに係る。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、通常、ガラス、プ
ラスチックシート等の透明基板の表面に黒色のマトリッ
クスを形成し、続いて、赤、緑、青等の3種以上の異な
る色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色
パターンで形成したものである。パターンサイズはカラ
ーフィルターの用途並びにそれぞれの色により異なるが
5〜700μ程度である。また、重ね合わせの位置精度
は数μ〜数十μであり、寸法精度の高い微細加工技術に
より製造されている。
【0003】カラーフィルターの代表的な製造方法とし
ては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。
これらのうち、特に、色材料を含有する光重合性組成物
を透明基板上に塗布し、画像露光、現像、必要により硬
化を繰り返すことでカラーフィルター画像を形成する顔
料分散法は、カラーフィルター画素の位置、膜厚等の精
度が高く、耐光性・耐熱性等の耐久性に優れ、ピンホー
ル等の欠陥が少ないため、広く採用されている。
【0004】ブラックマトリックスは赤、緑、青の色パ
ターンの間に格子状、ストライプ状またはモザイク状に
配置するのが一般的であり、各色間の混色抑制によるコ
ントラスト向上あるいは光漏れによるTFTの誤動作を
防ぐ役割を果たしている。このため、ブラックマトリッ
クスには高い遮光性が要求される。従来、ブラックマト
リクスはクロム等の金属膜で形成する方法が一般的であ
った。この手法は透明基板上にクロム等の金属を蒸着し
フォトリソ工程を経てクロム層をエッチング処理するも
のであるため、薄い膜厚で高遮光性が高精度で得られ
る。その反面、製造工程が長く且つ生産性の低い手法で
あり高コスト、また、エッチング処理の廃液などによる
環境問題が生じる等の問題を抱えている。
【0005】このため、低コスト、無公害のブラックマ
トリックスとして遮光性の顔料、染料を分散させた感光
性樹脂で形成されたブラックマトリックス(樹脂ブラッ
クマトリックス)が精力的に研究されている。しかしな
がら、樹脂ブラックマトリックスは後述するような問題
を抱えているため、いまだ実用化できていないのが現状
である。樹脂ブラックマトリクスにおいて、クロム等の
金属膜によるブラックマトリクスと同等の遮光性(光学
濃度)を発現させるためには、遮光性顔料、染料の含有
量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要があ
る。
【0006】しかしながら、膜厚を厚くする方法におい
ては、ブラックマトリックスリクスの凹凸の影響を受け
て、その上に形成するRGBの着色画素の平坦性が損な
われる。このため、液晶セルギャップの不均一化あるい
は液晶の配向の乱れを発生させ表示能力の低下を起こ
す。また、カラーフィルタ上に設ける透明電極ITO膜
の断線が発生する等の問題も生じる。
【0007】また、遮光性顔料、染料の含有量を多くし
た場合、従来の感光性樹脂では感度、現像性、解像性、
密着性等が悪化する問題があり、生産性の低下のみなら
ずカラーフィルターに要求される精度、信頼性が得られ
なくなる。すなわち、薄膜、高遮光性の条件下で感度、
現像性、解像性、密着性を十分に発揮できる感光材料が
実現できていないため樹脂ブラックマトリクスの実用化
を阻んでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決し薄膜、高遮光性を有するパターンをフォトリソ
グラフィー法で容易に形成できる十分な感度、解像性、
現像性、耐久性をもつ着色樹脂組成物を提供するもので
あり、特に、カラーフィルターの樹脂ブラックマトリッ
クスを高精度、低コストで製造可能とするものである。
また、ブラックマトリックスを樹脂化することによりカ
ラーフィルターの高画質化、無公害化をはかるものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
進めた結果、特定の樹脂を用いることにより、かかる目
的を解決しえることを見出し発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は(a)カルボキシル基を有す
るビニル樹脂にエポキシ基及びエチレン性不飽和結合を
同一分子内に有する化合物を反応させ、さらに、多塩基
酸無水物を反応させた樹脂及び(b)着色色材を含有す
ることを特徴とする着色樹脂組成物に存する。他の要旨
は透明基板上に、上記着色樹脂組成物により形成された
ブラックマトリックス及び/又は着色画素を有するカラ
ーフィルターに存する。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明では、カルボキシル基を有するビニル樹脂にエポキ
シ基及びエチレン性不飽和結合を同一分子内に有する化
合物を反応させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させた
樹脂を用いることに最大の特徴があり、かかる樹脂を使
用することにより、着色色材を多量に配合しても着色樹
脂組成物の現像性、硬化特性に優れるため、カラーフィ
ルター製造に要求される感度、解像性、現像性、耐久性
を満足させることができる。以下に樹脂に関して詳細に
説明する。
【0011】カルボキシル基を有するビニル樹脂として
は、少なくともエチレン性不飽和結合とカルボキシル基
を有する化合物を重合成分として含有する樹脂であれば
特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸2−マレイノロイルオキシエチル、メタ
クリル酸2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸2
−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、マレイン酸、
クロトン酸、イタコン酸、フマル酸などのホモポリマ
ー、あるいは上記モノマーをスチレン、α−メチルスチ
レン、(o,m,p−)ヒドロキシスチレン、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロ
ピル、(メタ)アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチル
アクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジルエーテ
ル、(メタ)アクリル酸クロライド、ベンジル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどのモノマ
ーと共重合させたポリマー等が挙げられる。
【0012】尚、共重合ポリマーのモノマーは3種以上
から構成されていても良い。好ましい構成モノマーとし
ては(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ
る。尚、アルキルエステルは、好ましくはC1 〜C6
ルキルエステルである。中でも、カルボキシル基を有す
るビニル樹脂の内、構成モノマーとして、(メタ)アク
リル酸を含有するアクリル樹脂が好適に用いられる。
尚、本明細書に於て、(メタ)アクリルは、アクリル又
はメタクリルを示す。
【0013】エポキシ基及びエチレン性不飽和結合を同
一分子内に有する化合物としては、アリルグリシジルエ
ーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート
や下記に示す構造の化合物等が挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】これらの化合物の中ではエチレン性不飽和
結合を含む基として(メタ)アクリロイル基を有する化
合物が好ましく、また、エポキシ基としては脂環式エポ
キシ基を有する化合物が好ましい。特に、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートが
好ましい。カルボキシル基を有するビニル樹脂に、エポ
キシ基及びエチレン性不飽和結合を同一分子内に有する
化合物を付加させる方法としては公知の手法を用いるこ
とができる。
【0016】例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチ
ルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アン
モニウム塩、ピリジン、トリフェニルフォスフィン等を
触媒として有機溶剤中反応温度50〜150℃で数〜数
十時間反応させることにより上記樹脂のカルボキシル基
にエポキシ化合物を導入することができる。
【0017】エポキシ基及びエチレン性不飽和結合を同
一分子内に有する化合物の導入量はカルボキシル基1当
量に対し0.05〜1.05当量の範囲が好ましい。よ
り好ましくは0.1〜1当量の範囲である。多塩基酸無
水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク
酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメ
チレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物などを用いることができる。
【0018】多塩基酸無水物は前述の樹脂のカルボキシ
ル基とエポキシ基との反応により生じた水酸基にエステ
ル結合により樹脂に導入される。反応方法としては公知
の手法を用いることができ、反応条件としては前述した
樹脂のカルボキシル基にエポキシ化合物を導入する反応
と同様な条件で行うことができる。多塩基酸無水物の付
加量はエポキシ基及びエチレン性不飽和結合を同一分子
内に有する化合物を基準に、該化合物1当量に対し通
常、0.0005〜1、好ましくは0.001〜1当量
の範囲である。
【0019】このようにして合成される樹脂の好ましい
分子量の範囲はGPCによるポリスチレン換算の重量平
均分子量で1000〜500000の範囲である。より
好ましくは1500〜400000の範囲である。ま
た、中和滴定で求める樹脂酸価は20〜300KOH・
mg/gの範囲が好ましい。分子量及び樹脂酸価が上記
範囲から外れると塗膜形成能、現像性、画像特性などが
劣る傾向がある。
【0020】次に、本発明で使用される着色色材につい
て説明するに、着色材としては、特に限定されるもので
はなく一般的な染料、無機顔料、有機顔料のなかから選
択することができるが、耐久性の観点から顔料を用いる
のが好ましい。例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チ
タン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラッ
ク、などの無機顔料、アントラキノン系顔料、ベリレン
系顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン顔料、イソイン
ドリン顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、ベ
リノン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、チオインジ
ゴ顔料などの有機顔料などが挙げられる。これらは単独
または複数混合して用いることができる。
【0021】また、RGB等の着色色材を配合した樹脂
組成物は、着色画素用のレジストとして充分用いること
ができるが、特に、黒色色材を配合した樹脂組成物は、
ブラックマトリックス形成用のレジストとして高性能を
発揮する事ができ特に有用である。黒色色材は単色で黒
色の色材の単独もしくは複数の使用または、赤、緑、青
色等の混合による黒色色材が使用可能である。また、こ
れら色材は無機または有機の顔料、染料の中から適宜選
択することができる。
【0022】混合使用可能な色材の具体例としてはビク
トリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(4
1000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシッ
ク13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダ
ミンB(45170)、サフラニンOK70:100
(50240)、エリオグラウシンX(42080)、
No.120/リオノールイエロー(21090)、リ
オノールイエローGRO(21090)、シムラーファ
ーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエ
ロー4T−564D(21095)、シムラーファース
トレッド4015(12355)、リオノールレッド7
B4401(15850)、ファーストゲンブルーTG
R−L(74160)、リオノールブルーSM(261
50)、リオノールブルーES(ピグメントブルー1
5:6)、リオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド
168)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリ
ーン36)等が挙げられる(なお、上記の( )内の数
字は、カラーインデックス(C.I.)を意味する)。
【0023】また、さらに他の混合使用可能な顔料につ
いてC.I.ナンバーにて示すと、例えば、黄色顔料2
0,24,86,93,109,110,117,12
5,137,138,147,148,153,15
4,166、オレンジ顔料36,43,51,55,5
9,61、赤色顔料9,97,122,123,14
9,168,177,180,192,215,21
6,217,220,223,224,226,22
7,228,240、バイオレット顔料19,23,2
9,30,37,40,50、青色顔料15,15:
1,15:4,22,60,64、緑色顔料7、ブラウ
ン顔料23,25,26等を挙げることができる。
【0024】また、単独使用可能な黒色色材としては、
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、
シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。こ
れらの中で、特にカーボンブラックが遮光率、画像特性
の観点から好ましい。カーボンブラックの例としては、
以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
【0025】三菱化学社製:MA7、MA8、MA1
1、MA100、MA220、MA230、#52、#
50、#47、#45、#2700、#2650、#2
200、#1000、#990、#900 デグサ社製:Printex95、プリンテックス9
0、Printex85、Printex75、Pri
ntex55、Printex45、Printex4
0、Printex30、Printex3、Prin
texA、PrintexG、SpecialBlac
k550、SpecialBlack350、Spec
ialBlack250、SpecialBlack1
00
【0026】キャボット社製:Monarch460、
Monarch430、Monarch280、Mon
arch120、Monarch800、Monarc
h4630、REGAL99、REGAL99R、RE
GAL415、REGAL415R、REGAL25
0、REGAL250R、REGAL330、BLAC
K PEARLS480、PEARLS130 コロンビヤン カーボン社製:RAVEN11、RAV
EN15、RAVEN30、RAVEN35、RAVE
N40、RAVEN410、RAVEN420、RAV
EN450、RAVEN500、RAVEN780、R
AVEN850、RAVEN890H、RAVEN10
00、RAVEN1020、RAVEN1040
【0027】なお、上記のカーボンブラックは、所望の
遮光率、画像特性を達成しうる範囲で他の黒色または有
色の無機、有機顔料と併用しても良い。以上、樹脂及び
着色色材について説明したが、本発明の着色樹脂組成物
は感光性樹脂組成物として用いるため、通常光重合開始
剤及びエチレン性不飽和結合を同一分子内に一個以上有
する化合物(以下、エチレン性化合物と称す)を配合し
て用いるのが好ましい。
【0028】光重合開始剤としては活性光線照射により
エチレン性不飽和結合を重合させる活性ラジカルを生じ
る化合物であればよく、このような化合物として、例え
ば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキ
シナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s
−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル
化トリアジン誘導体、2−トリクロロメチル−5−
(2′−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−ベンゾ
フリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2
−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−(6″−ベン
ゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾー
ル、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−
オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘
導体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェ
ニルイミダゾール2量体、2−(2′−クロロフェニ
ル)−4,5−ビス(3′−メトキシフェニル)イミダ
ゾール2量体、2−(2′−フルオロフェニル)−4,
5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−メト
キシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量
体、(4′−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニル
イミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベン
ゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、2−メチル
アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−
ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等の
アントラキノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、ベン
ゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノ
ン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェ
ノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフ
ェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキ
シ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−
1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケト
ン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケ
トン、2−メチル−(4′−(メチルチオ)フェニル)
−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリ
クロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセ
トフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキ
サントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、
2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロ
ピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息
香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体、9−フェニル
アクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン
等のアクリジン誘導体、9,10−ジメチルベンズフェ
ナジン等のフェナジン誘導体、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル
−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−
Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、
ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−
トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、
ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジ−フルオ
ロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル
−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフ
ェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−T
i−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ
−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ
−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等のチタ
ノセン誘導体等が挙げられる。
【0029】これらの化合物の中でビイミダゾール化合
物、チタノセン化合物、トリアジン化合物、オキサジア
ゾール化合物が特に感度、解像性、現像性、密着性に優
れた性能を示すため好ましい。これらの中でも特にビイ
ミダゾール化合物が優れた性能を示すため好ましい。
【0030】本発明の光重合開始剤には上記成分以外に
さらに増感色素を加えることもできる。高遮光下で光重
合反応を起こさせる必要があるため、増感色素を添加す
るのは好ましい。このような増感色素としては例えば特
開平3−239703号公報、特開平5−289335
号公報に記載の複素環を有するクマリン化合物、特開昭
63−221110号公報に記載されている3−ケトク
マリン化合物、特開平4−221958号公報、特開平
4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開
平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、特開
昭47−2528号公報、特開昭54−155292号
公報、特開昭56−166154号公報、特開昭59−
56403号公報に記載の(p−ジアルキルアミノベン
ジリデン)ケトン、スチリル系色素、特開平6−295
061号に記載のジュロリジル基を有する増感色素、特
願平8−522769号に記載のジアミノベンゼン化合
物等を挙げることができる。
【0031】これらの増感色素のなかで特に好ましいの
はアミノ基含有増感色素であり、より具体的には、アミ
ノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物であ
る。具体的に例示するならば、例えば、4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−アミノベンゾ
フェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4′−ジア
ミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,4−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェ
ノン系化合物、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベ
ンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−
(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベン
ゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエ
チルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジ
メチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p
−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,
5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−
チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリ
ジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−
(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−
ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルア
ミノフェニル)ピリミジンなどのp−ジアルキルアミノ
フェニル基含有化合物等を挙げることができる。
【0032】さらに、上記光重合開始剤に多官能チオー
ルを開始系の一部として使用することにより高遮光下に
おいても均一な光硬化反応を起こすことができるため添
加するのは好ましい。多官能チオールとしてはSH基を
2ケ以上有する化合物であれば特に限定されないが、添
加するのに好ましい多官能チオールとして、例えば、ヘ
キサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチ
ルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオグリコ
レート、エチレングリコールビスチオグリコレート、ト
リメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタ
エリスリトールテトラキスチオグリコレート、ブタンジ
オールビスチオプロピオネート、エチレングリコールビ
スチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス
チオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス
チオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げ
られる。こららの多官能チオールは1種または複数組み
合わせて使用することが可能である。
【0033】エチレン性化合物は、光重合に於ける架橋
剤として有効であり、例えば、脂肪族(ポリ)ヒドロキ
シ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリ
ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不
飽和カルボン酸と多価カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物により得られるエステル、芳香族ポリヒドロキ
シ化合物のエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加
物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応、脂肪族ポリ
ヒドロキシ化合物のエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド付加物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応、カ
プロラクトン変性多価アルコールと不飽和カルボン酸と
のエステル、多価アルコールと多価イソシアナートと不
飽和カルボン酸との反応物、スチリル末端化合物、含リ
ン酸不飽和化合物、ポリエポキシと不飽和カルボン酸と
の付加物等が挙げられる。
【0034】これらのうち、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては具体的に
は、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
エタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル
酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタク
リレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコ
ネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代
えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマ
レイン酸エステル等が挙げられる。
【0035】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリ
レート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシン
ジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガ
ロールトリアクリレート等が挙げられる。不飽和カルボ
ン酸と多価カルボン酸及び脂肪族ポリヒドロキシ化合物
とのエステル化反応により得られるエステルとしては必
ずしも単一物では無いが代表的な具体例としては、アク
リル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、ア
クリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合
物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリト
ールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオー
ル及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
【0036】その他本発明に用いられるエチレン性化合
物の例としては、エチレンビスアクリルアミド等のアク
リルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル
類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物なども
有用である。以上挙げたエチレン性化合物の中で最も好
ましいものは同一分子内にエチレン性不飽和結合を2個
以上、さらに好ましくは3個以上有するものである。ま
た、不飽和結合を有する基としては好ましくは(メタ)
アクリル基、さらに好ましくはアクリル基を有するもの
である。このような化合物としてトリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が
挙げられる。
【0037】以上、挙げた本発明組成物の好ましい配合
量は、樹脂(カルボキシル基を有するビニル樹脂にエポ
キシ基及びエチレン性不飽和基を同一分子内に有する化
合物を反応させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させた
樹脂)100重量部に対して光重合開始剤を使用する場
合その割合は0.1〜50重量部、好ましくは1〜45
重量部、エチレン性不飽和結合を有する化合物を使用す
る場合、その割合は10〜200重量部、好ましくは2
0〜180重量部である。また、着色色材は溶剤を除い
た全固形分中15〜70wt%であるが、本発明で特に
有効な黒色色材を用いる場合には35〜70wt%、よ
り好ましくは40〜65%の範囲である。
【0038】光重合開始剤が上記範囲内であるとより高
感度となり作業効率に優れ、また、塗膜形成機能の点で
も好ましい。エチレン性不飽和結合を有する化合物が上
記範囲であると架橋密度向上による耐久性、耐熱性向上
と現像性がバランスし、好ましい。黒色色材を用いる場
合、上記範囲未満であると遮光性が低下するため、充分
な光学濃度の樹脂ブラックマトリックスを形成するのが
困難となる。逆に、上記範囲を越えると感度、解像性、
現像性等の低下が激しくなるため画像形成が困難とな
る。
【0039】多官能チオールを配合量する場合には開始
系として用いることから溶剤を除いた全固形分に対して
0.01〜10重量%、より好ましくは0.02〜7重
量%、さらに好ましくは0.03〜5重量%の範囲で添
加するのが望ましい。配合比率が上記範囲からはずれる
と感光液の安定性、臭気、感度、解像性、現像性、密着
性等が低下する傾向がある。低添加量では感度、密着性
が低下し、高添加量では安定性、臭気、解像性、現像性
が低下する。
【0040】本発明の組成物は通常、前述した成分を有
機溶剤に溶かした感光液の状態で使用される。溶剤とし
ては特に制限は無いが、例えば、ジイソプロピルエーテ
ル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテ
ル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエー
テル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチル
ステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#
18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、
ブチルブチレート、アプコシンナー、ブチルエーテル、
ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノ
ニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、Socal
solvent No.1およびNo.2、アミルホ
ルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケト
ン、ソルベッソ#150、酢酸ブチル(n、sec、
t)、ヘキセン、シェル TS28ソルベント、ブチル
クロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾネー
ト、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペン
タノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、
メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピ
オネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソア
ミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテ
ート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロ
ヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、
メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロ
ピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチ
ルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カル
ビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレン
グリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオ
ン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピ
オン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−
メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン
酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグラ
イム、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブ
チルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3
−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレング
リコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブ
チルアセテート等の有機溶剤を具体的に挙げることがで
きる。
【0041】有機溶剤は各成分を溶解または分散させる
ことができるもので、沸点が100〜200℃の範囲の
ものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜
170℃の沸点をもつものである。これらの溶剤は単独
もしくは混合して使用することができる。本発明の着色
樹脂組成物は、これらの溶剤を用いて、固形分濃度が5
〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲とな
るように調液して使用するのが望ましい。
【0042】本発明の組成物はこれら必須成分以外に顔
料分散剤、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤等を
含有することができる。特に、本組成物では黒色色材を
微細に分散し、且つ、その分散状態を安定化させること
が品質安定上重要なため顔料分散剤を配合するのが望ま
しい。
【0043】次に本発明の感光性着色樹脂組成物及び感
光液の製造方法について、色材として黒色色材を用いた
場合を例に説明する。本発明においては、通常黒色色材
はあらかじめペイントコンディショナー、サンドグライ
ンダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェ
ットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが
好ましい。分散処理により黒色色材が微粒子化されるた
め塗布特性の向上及び着色樹脂組成物により形成される
ブラックマトリックスの遮光能力向上が達成される。
【0044】分散処理においては黒色色材と溶剤または
これらと本発明の樹脂、あるいは分散剤を併用した系に
て処理するのが好ましい。特に高分子分散剤を用いると
経時の分散安定性に優れるので好ましい。尚、配合する
全成分を混合した感光液での分散処理は、分散時に生じ
る発熱のため高反応性の成分が変性するおそれがあるの
で好ましくない。
【0045】サンドグラインダーで分散する場合には、
0.1から数ミリ径のガラスビーズ又はジルコニアビー
ズが好ましく用いられる。分散させる条件は、通常、温
度は0℃から100℃であり、好ましくは、室温から8
0℃の範囲である。分散時間はインキの組成(黒色色
材、溶剤、分散剤)及びサンドグラインダーの装置サイ
ズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジス
トの20度光沢値が100〜200の範囲となるように
インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジス
ト光沢が低い場合には分散処理が十分でなく荒い顔料粒
子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等
の点で不十分である。また、光沢値を上記範囲を越える
まで分散処理すると超微粒子が多数生じるために却って
分散安定性が損なわれることになりやすい。
【0046】次に上記分散処理により得られた黒色イン
キと感光液成分として必要な上記の他の成分を添加、混
合し均一な溶液とする。製造工程においては微細なゴミ
が感光液に混じることが多いため、得られたレジスト感
光液はフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
続いて、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いたカラー
フィルターの製造方法について説明する。
【0047】まず、透明基板上に、上述の如く調製し
た、黒色色材を含有する感光液をスピナー,ワイヤーバ
ー,フローコーター,ダイコーター,ロールコーター,
スプレー等の塗布装置により塗布して乾燥した後、該試
料の上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して
画像露光,現像,必要に応じて熱硬化或いは光硬化によ
り遮光用ブラックマトリックス画像を形成させ、さらに
赤、緑、青の着色色材を含有する感光液を用いてこの操
作をRGB3色について各々繰り返し、カラーフィルタ
ー画像を形成させる。
【0048】なお、本発明の感光性着色樹脂組成物を用
いてカラーフィルターの画素を形成する場 合には、非
常に高感度、高解像力であるため、ポリビニルアルコー
ル等の酸素遮断層を設けることなしに露光、現像して画
像を形成することが可能である。ここで用いる透明基板
は、カラーフィルター用の透明基板であり、その材質は
特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポ
リエチレン等のポリオレフィン等、ポリカーボネート、
ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性プ
ラスチックシート、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリ(メタ)アクリル樹脂等の熱硬化性プラスチックシ
ート、或いは各種ガラス板等を挙げることができる。特
に、耐熱性の点からガラス板、耐熱性プラスチックが好
ましく用いられる。
【0049】このような透明基板には、表面の接着性等
の物性を改良するために、あらかじめ、コロナ放電処
理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリ
マー等の各種ポリマーの薄膜処理等を行うこともでき
る。塗布方法は特に限定されないが、塗布、乾燥後の樹
脂ブラックマトリックスの膜厚が0.1〜2μ、好まし
くは0.1〜1.5μ、さらに好ましくは0.1〜1μ
の範囲とするのが良い。
【0050】乾燥においてはホットプレート、IRオー
ブン、コンベクションオーブン等を用いることができ、
好ましい乾燥条件は40〜150℃、乾燥時間は10秒
〜60分の範囲である。また、露光に用いる光源は、例
えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステン
ランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラ
ンプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴ
ンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザ
ー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特
定の照射光の波長のみを使用する場合には光学フィルタ
ーを利用することもできる。
【0051】現像処理は、未露光部の感光性樹脂膜を溶
解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けない。
例えばアセトン、塩化メチレン、トリクレン、シクロヘ
キサノン等の有機溶剤を使用することができる。しかし
ながら、有機溶剤は環境汚染、人体に対する有害性、火
災危険性などをもつものが多いため、このような危険性
の無いアルカリ現像液を使用するの方が好ましい。この
ようなアルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ
剤、或いはジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、水酸化テトラアルキルアンモニウム塩等の有機のア
ルカリ剤を含有した水溶液が挙げられる。アルカリ現像
液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の有機溶剤、
水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有
させることもできる。特に、界面活性剤は現像性、解像
性、地汚れなどに対して改良効果をもつものが多いため
添加するのは好ましい。
【0052】例えば、現像液用の界面活性剤としては、
ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン
酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリア
ルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テト
ラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性
剤等を挙げることができる。現像処理方法については特
に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15
〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラ
シ現像、超音波現像等の方法により行われる。
【0053】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以
下の実施例に限定されるものではない。
【0054】合成例−1 スチレン/アクリル酸共重合体(共重合モル比率6/
4、重量平均分子量5000)57g、テトラエチルア
ンモニウムクロライド0.3g、p−メトキシフェノー
ル0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート(PGMEA)100gに溶かした。オイル
バスによりこの溶液を110℃まで昇温した後、(3,
4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート25
gを滴下し24時間反応を行った。反応液を室温まで冷
却し、無水マレイン酸8gを加えた後反応液を90℃ま
で昇温させ、さらに5時間反応を行った。この反応液を
純水に再沈殿させて目的とする樹脂を得た。
【0055】合成例−2 無水マレイン酸8gをテトラヒドロ無水フタル酸15g
に変えた以外は合成例−1と同様にして反応を行い目的
とする樹脂を得た 合成例−3 スチレン/アクリル酸共重合体を重量平均分子量100
00のものに変えた以外は合成例−1と同様にして反応
を行い目的とする樹脂を得た。
【0056】合成例−4 スチレン/アクリル酸共重合体を重量平均分子量100
00のものに変えた以外は合成例−2と同様にして反応
を行い目的とする樹脂を得た。 合成例−5(比較例) ベンジルメタクリレート140g、メタクリル酸17
g、エタノール200g、アゾイソブチロニトリル1.
5gを加えオイルバスにより昇温させリフラックス、窒
素雰囲気条件下で8時間反応させた。この反応液を純水
に再沈殿させてベンジルメタクリレート/メタクリル酸
共重合樹脂を得た。(共重合モル比率8/2、重量平均
分子量35000)
【0057】(カーボンブラックの分散)カーボンブラ
ックMA−220(三菱化学社製)50重量部、分散樹
脂としてBYK−182(ビックケミー社製)を固形分
として5重量部の割合で、また、分散液の固形分濃度が
50wt%となるようにPGMEAを加えた。分散液の
重量は50gを分取し、これを攪拌機によりよく攪拌し
プレミキシングを行った。次に、ペイントシェーカーに
より25〜45℃の範囲で6時間分散処理を行った。ビ
ーズは0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液
と同じ重量を加えた。分散終了後、フィルターによりビ
ーズと分散液を分離した。
【0058】感光液の調合 上述したカーボンブラック分散インキを用いて固形分と
して下記の配合割合となるように各成分を加えスターラ
ーにより攪拌、溶解させ、ブラックレジスト感光液を調
整した。 1)感光液の組成
【0059】
【表1】 顔料 カーボンブラック MA−220 50g バインダー樹脂 (表−1に記載) 25g アクリルモノマー;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15g 光重合開始剤 ・2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体 2g ・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 1g ・ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート 1g 溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 300g 分散剤 BYK−182 5g 界面活性剤 FC−430(住友3M社製) 100ppm
【0060】2)レジストの評価 ブラックレジスト感光液をスピンコーターにてガラス基
板(7059、コーニング社製)に塗布し、ホットプレ
ートで80℃、1分間乾燥した。乾燥後のレジストの膜
厚を触針式膜厚計(α−ステップ、テンコール社製)で
測定したところ1μであった。次に、このサンプルをマ
スクを通して高圧水銀灯で露光量を変えて像露光した。
温度25℃、濃度0.05%の水酸化カリウム水溶液に
浸漬現像しレジストパターンを得た。下記の項目につき
評価した結果を表−1に示す。
【0061】1.現像性 現像時間1分以内で像形成可能なものを現像性良好、2
分の現像時間でも非画線部が現像できないものを現像性
不良とした。
【0062】2.感度 25μのパターンをマスク寸法通りに形成できる露光量
(適正露光量)をもって感度とした。
【0063】2.解像力 画像形成できる最小レジストパターンサイズをもって解
像力を評価した。なお、15μ以下のレジストパターン
を再現できるものを解像力良好とした。
【0064】3.遮光性 現像後のベタ部の光学濃度(OD)をマクベス反射濃度
計 TR927(コルモルグン社製)で測定した。な
お、OD値は遮光能力を示す数値であり数値が大きい程
高遮光性であることを示す。
【0065】
【表2】
【0066】尚、実施例1〜2の遮光性感光樹脂液を使
用してガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、
次いで赤、緑及び青の着色感光液を用いて赤、緑、青の
各画素を形成することにより遮光性に優れたブラックマ
トリックスを有するカラーフィルターを製造できる。
【0067】
【発明の効果】本発明の着色樹脂組成物は、特に黒色色
材を多量に配合した高遮光性の感光性樹脂組成物として
用いた場合も感度、現像性、解像性に優れる。このた
め、液晶表示素子に用いられるカラーフィルターの樹脂
ブラックマトリックスを高精度で形成することができ
る。本発明の着色樹脂組成物により形成されたブラック
マトリクスを有するカラーフィルターは精度、平坦性、
耐久性において優れるため、従来以上に液晶素子の表示
品位を向上させることができる。また、製造工程および
カラーフィルター自体にも有害な物質を含まないため、
人体に対する危険性を低減し環境安全性を向上させるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/038 501 G03F 7/038 501

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボキシル基を有するビニル樹
    脂にエポキシ基及びエチレン性不飽和結合を同一分子内
    に有する化合物を反応させ、さらに、多塩基酸無水物を
    反応させた樹脂及び(b)着色色材を含有することを特
    徴とする着色樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有するビニル樹脂が構
    成モノマーとして、(メタ)アクリル酸を含有するアク
    リル樹脂である請求項1に記載の着色樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ基及びエチレン性不飽和結合を
    同一分子内に有する化合物のエポキシ基が脂環式エポキ
    シ基であり、エチレン性不飽和結合を含む基が(メタ)
    アクリル基である請求項1又は2記載の着色樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 更に、エチレン性不飽和結合を1個以上
    有する化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性着色樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 着色色材が黒色顔料である請求項1〜4
    のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 着色色材がカーボンブラックである請求
    項5記載の着色樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の着色樹
    脂組成物からなることを特徴とするカラーフィルター用
    着色樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 透明基板上に請求項1〜6のいずれかに
    記載の着色樹脂組成物により形成されたブラックマトリ
    ックス及び/又は着色画素を有することを特徴とするカ
    ラーフィルタ。
JP27087197A 1997-10-03 1997-10-03 着色樹脂組成物及びカラーフィルター Pending JPH11109616A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27087197A JPH11109616A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 着色樹脂組成物及びカラーフィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27087197A JPH11109616A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 着色樹脂組成物及びカラーフィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11109616A true JPH11109616A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17492134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27087197A Pending JPH11109616A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 着色樹脂組成物及びカラーフィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11109616A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7399574B2 (en) 2001-09-28 2008-07-15 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Curable resin for photo-patterning, process for producing the same, curable resin composition, color filter, liquid crystal panel substrate, and liquid crystal panel
JP2009288705A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Fujifilm Corp 着色硬化性組成物、カラーフィルタ、その製造方法、及び、固体撮像素子
KR100936901B1 (ko) * 2001-08-16 2010-01-15 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 패턴의 형성방법
JP2014089453A (ja) * 2013-11-25 2014-05-15 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 感光性組成物
JP2014173064A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Mitsubishi Chemicals Corp 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置
WO2020059381A1 (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 富士フイルム株式会社 遮光性組成物、硬化膜、カラーフィルタ、遮光膜、光学素子、固体撮像素子、ヘッドライトユニット

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100936901B1 (ko) * 2001-08-16 2010-01-15 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 패턴의 형성방법
US7399574B2 (en) 2001-09-28 2008-07-15 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Curable resin for photo-patterning, process for producing the same, curable resin composition, color filter, liquid crystal panel substrate, and liquid crystal panel
JP2009288705A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Fujifilm Corp 着色硬化性組成物、カラーフィルタ、その製造方法、及び、固体撮像素子
JP2014173064A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Mitsubishi Chemicals Corp 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置
JP2014089453A (ja) * 2013-11-25 2014-05-15 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 感光性組成物
WO2020059381A1 (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 富士フイルム株式会社 遮光性組成物、硬化膜、カラーフィルタ、遮光膜、光学素子、固体撮像素子、ヘッドライトユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5800952A (en) Photopolymerizable composition for a color filter, color filter and liquid display device
JP4441995B2 (ja) 光重合性組成物、光重合性着色組成物およびカラーフィルター
JP3709565B2 (ja) カラーフィルター用重合組成物
KR20100055356A (ko) 수지 블랙 매트릭스, 차광성 감광성 수지 조성물, tft 소자 기판 및 액정 표시 장치
KR101492877B1 (ko) 경화성 조성물, 컬러 필터 및 그 제조 방법
JP3644201B2 (ja) カラーフィルター用レジスト組成物及びカラーフィルター
JPH1184126A (ja) カラーフィルター用光重合性組成物及びカラーフィルター
JP3882254B2 (ja) カラーフィルター用光重合性組成物及びカラーフィルター
JP3641894B2 (ja) カラーフィルター用黒色光重合性組成物
JP3921730B2 (ja) カラーフィルター用光重合性組成物
JP4019726B2 (ja) カラーフィルタ用感光性組成物およびカラーフィルタ
JPH09227635A (ja) カラーフィルター用光重合性組成物、カラーフィルターおよび液晶表示素子
JPH11109616A (ja) 着色樹脂組成物及びカラーフィルター
JP2003035815A (ja) カラーフィルター用組成物及びカラーフィルター
JP3641895B2 (ja) カラーフィルター用光重合性組成物及びカラーフィルター
JP2001164142A (ja) 顔料分散体組成物
JP2002116538A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いたカラーフィルター
JP3641897B2 (ja) カラーフィルター用光重合性組成物及びカラーフィルター
JP2000056124A (ja) 遮光性画素およびそれを用いたカラーフィルター
JP2000227655A (ja) 光重合性組成物、光重合性着色組成物およびカラーフィルター
JPH11271517A (ja) カラーフィルター用感光性樹脂組成物およびカラーフィルター
JP2020012115A (ja) 緑色顔料着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置
JPH10186124A (ja) カラーフィルター用レジスト組成物及びカラーフィルター
JP3915201B2 (ja) 遮光性感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタ
JPH11327127A (ja) 遮光性感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルター