JP5509553B2 - 顔料分散体、カラーフィルター用着色組成物、カラーフィルター、液晶表示装置および有機elディスプレイ - Google Patents
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Description
明るく良好な色再現領域を実現するために、RGB各色のx、y、YのCIE標識値を特定し、また、顔料の選択、混合比率、粒度、レジスト中の顔料の配合比率で実現する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、ヘキサフルオロプロペン構造を有するフッ素系化合物を界面活性剤として用い、かつRGBのCIE色度図を特定した色純度がよく保存安定性がよい塗膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
このように、前記何れの方法においてもTV用LCDの為のカラーフィルタの色再現領域としては不充分であり、更なる色再現性に優れたLCD用カラーフィルタが求められていた。
。
[1]顔料、溶剤、分散剤およびバインダー樹脂を含有してなる顔料分散体において、該顔料が、緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6、および以下の定義にてあらわされる顔料Yを含有し、
顔料Yの含有量が、緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6および顔料Yの合計に対し、重量分率で5〜50重量%であり、かつ
C.I.ピグメント・ブルー15:6に対する緑色顔料の割合が、重量分率で0.2〜
1.6であり、
前記バインダー樹脂が、以下の(1)〜(5)からなる群から選ばれる少なくとも1つである顔料分散体。
下記一般式(I)
<バインダー樹脂>
(1)エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなるアルカリ可溶性樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる、アルカリ可溶性樹脂
(2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂
(3)前記カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂
(4)酸基を有する(メタ)アクリル系樹脂
(5)カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
[2]緑色顔料が、C.I.ピグメントグリーン7および/またはC.I.ピグメントグリーン36を含む、前記[1]記載の顔料分散体。
[3]顔料総量の含有割合が、全固形分中、80重量%以下である、前記[1]または[2]記載の顔料分散体。
[4]顔料総量の含有割合が、全固形分中、40重量%以上である、前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の顔料分散体。
[5]分散剤が、側鎖に4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体を含有する、前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の顔料分散体。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の顔料分散体、およびバインダー樹脂を含有してなるカラーフィルター用着色組成物。
[7]さらに、光重合開始系および/または熱重合開始剤を含有してなる、前記[6]記載のカラーフィルター用着色組成物。
[8]顔料の含有割合が、全固形分中、60重量%以下である、前記[6]または[7]記載のカラーフィルター用着色組成物。
[9]顔料の含有割合が、全固形分中、10重量%以上である、前記[6]〜[8]のいずれか一つに記載のカラーフィルター用着色組成物。
[10]赤色画素、青色画素、緑色画素、および前記[6]〜[9]のいずれか一つに記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成した画素を有するカラーフィルター。
[11]前記[10]記載のカラーフィルターを用いてなる液晶表示装置。
[12]前記[10]記載のカラーフィルターを用いてなる有機ELディスプレイ。
また本発明のカラーフィルター用着色組成物は、比較的低い顔料濃度で、所望のシアン色を実現できることから、画像形成性、現像性などに優れ、コントラストが高く、色濃度が高い画素が得られ、色再現性に優れた高品質なカラーフィルターおよび液晶表示装置を容易に作製することができる。
尚、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。また「全固形分」とは、顔料分散体または着色組成物に含まれる、溶剤成分以外の全成分を意味するものとする。
また本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表される値である。なお測定方法については後述する。
[1]顔料分散体の構成成分
以下に本発明の顔料分散体の各構成成分を説明する。本発明に係る顔料分散体は、顔料、溶剤及び分散剤を必須成分とし、更に要すれば、上記成分以外の他の添加物等が配合されていてもよい。
[1−1]顔料:
本発明の顔料分散剤に使用される顔料としては、緑色顔料、C.I.ピグメントブルー15:6、および以下の定義にて表される顔料Yが挙げられる。
<顔料Y>
下記一般式(I)
アゾニッケル錯体化合物に挿入される化合物としては、メラミンまたはメラミン誘導体が好ましく、中でも特に下記一般式(IX)で表される化合物が好ましい。
前記アゾニッケル錯体化合物(ホスト化合物)の結晶格子中に挿入される、いわゆるゲスト化合物である前記一般式(IX)で表される化合物の量は、ホスト化合物に対して、通常5〜200重量%、好ましくは5〜120重量%であり、より好ましくは10〜100重量%である。なお、挿入されている前記一般式(IX)で表される化合物の量は、溶剤などで洗出不可能であり、元素分析値から算出することができる。前記一般式(IX)で表される化合物は、ホスト化合物に含まれるニッケル1原子に対し、2分子含有されていることが、特に好ましい。
本発明における顔料Yに該当する化合物としては、C.I.ピグメントイエロー150などが挙げられる。顔料Yは、1種類を単独で使用しても、複数種併用してもよい。
緑色顔料としては、特に制限は無いがC.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン7、臭素化フタロシアニン等が挙げられる。
臭素化亜鉛フタロシアニン顔料としては、フタロシアニン骨格が有する16個の水素原子を臭素原子乃至塩素原子で置換したものが挙げられる。中でも1分子中に臭素原子を平均13個以上含有する臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましい。更には、1分子中に臭素原子を13〜16個有し、且つ1分子中に塩素を含まないか又は平均3個以下有する臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましく、特に1分子中に臭素原子を平均14〜16個有し、且つ1分子中に塩素原子を含まないか又は平均2個以下有する臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましい。
顔料の平均一次粒径は次の方法で求めることができる。まず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。
個々の顔料粒子の粒径:X1,X2,X3,X4,・・・Xi,・・・Xm
平均粒径 = ΣXi/m
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の青色顔料や黄色顔料を含有していてもよい。併用しうる顔料として、例えば黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー(P.Y.)1、1:1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、126、127、128、129、138、139、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、199、200、202、203、204、205、206、207、208、213,214,215等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
併用しうる青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。これらの内、好ましくは15、15:1、15:2、15:3、15:4、または16である。
緑色顔料が多すぎると、所望のシアン色を得るために必要な顔料量が多くなるため、顔料分散体やこれを用いてなる着色組成物中の顔料濃度が高くなり、画像形成性が低下する傾向がある。逆に緑色顔料が少なすぎると、輝度(Y値)が低下するという問題が生じる傾向がある。
また本発明のカラーフィルター用着色組成物における顔料の含有割合は、全固形分中、通常10重量%以上、好ましくは15重量%以上、又、通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
本発明の顔料分散体や後述する着色組成物は、溶剤を必須成分とする。溶剤は、顔料分散体や着色組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
溶剤は、本発明の顔料分散液や後述する着色組成物において、顔料、分散剤のほか、場合により配合した上記以外の成分などを溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。かかる溶剤としては、各成分を溶解または分散させることができるものであればよい。
グリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等が挙げられる。
ルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤中、塗布性、表面張力などのバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
インクジェット法にてカラーフィルターの画素を形成する場合、溶剤としては、沸点が、通常130℃以上300℃以下であり、好ましくは、150℃以上280℃以下である。沸点が低すぎると、得られる塗膜の均一性が不良になる傾向がある。逆に沸点が高すぎると、後述するように、硬化性樹脂組成物の乾燥抑制の効果は高いが、熱焼成後においても塗膜中に残留溶剤が多く存在し、品質上の不具合を生じたり、真空乾燥などでの乾燥時間が長くなり、タクトタイムを増大させるなどの不具合を生じたりする場合がある。
なお、インクジェット法によるカラーフィルター製造において、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微細であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。より好ましくは、沸点が200℃以上、特に好ましくは沸点が220℃以上である溶剤を含有する。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、顔料分散液および/またはカラーフィルター用着色組成物に含まれる全溶剤中、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上が最も好ましい。高沸点溶剤が50重量%未満である場合には、液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
さらに、顔料分散液や着色組成物の粘度調整や固形分の溶解度調整のためには、沸点が180℃より低い溶剤を一部含有することも効果的である。このような溶剤としては、低粘度で溶解性が高く、低表面張力であるような溶剤が好ましく、エーテル類、エステル類やケトン類などが好ましい。中でも特に、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノールアセテートなどが好ましい。
本発明の顔料分散体や着色組成物において、溶剤の含有割合に特に制限はないが、その上限は通常99重量%とする。溶剤が99重量%を超える場合は、溶剤を除く各成分の濃度が小さくなり過ぎて、塗布膜を形成するには不適当となるおそれがある。一方、溶剤含有割合の下限値は、塗布に適した粘性等を考慮して、通常75重量%、好ましくは80重量%、更に好ましくは82重量%である。
本発明の顔料分散体や着色組成物は、さらに分散剤を含有することが好ましい。分散剤の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、側鎖に4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体が好ましい。
側鎖に4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体(以下、単に「アクリル系ブロック共重合体」と称する)は、前述した緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6および顔料Yを極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、分子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。
4級アンモニウム塩基は、好ましくは−N+R31R32R33・Z−(但し、R31
、R32及びR33は、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R31、R32及びR33のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。Z−は、対アニオンを表す。)で表わされる4級アンモニウム塩基を有する。この4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。
−N+R31R32R33におけるR31、R32、R33としては、それぞれ独立に
、より好ましいのは、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。
4級アンモニウム塩基を有するAブロックとしては、下記一般式(VII)で表わされる
部分構造を含有するものが好ましい。
れていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R31、R32、及びR33のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。R34は、水素原子又はメチル基を表す。X1は、2価の連結基を表し、Z−は、対アニオンを表す。
一般式(VII)において、R31、R32、R33の炭化水素基は、それぞれ独立して
、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20の芳香族基を有する置換基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ベンジル基、フェニル基等を挙げることができる。中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基が好ましい。
キレン基、アリーレン基、−CONH−R35−、−COO−R36−(但し、R35及びR36は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基(−R37−O−R38−:R37及びR38は、各々独立にアルキレン基)を表わす。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R36−である。
なお、アクリル系ブロック共重合体は、Aブロック中に、本発明の特徴である前記分散剤と同様の3級アミノ基を若干有していてもよい。これは、3級アミノ基の4級化反応が完全に完了していない場合に残るものであり、そのアミン価は、通常10mgKOH/g以下程度である。
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[wt%]である。)
上記の如き特定の4級アンモニウム塩基を含有する部分構造は、1つのAブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上の4級アンモニウム塩基含有部分構造は、該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。また、該4級アンモニウム塩基を含有しない部分構造が、Aブロック中に含まれていてもよく、該部分構造の例としては、後述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。かかる4級アンモニウム塩基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、かかる4級アンモニウム塩基非含有部分構造はAブロック中に含まれないことが最も好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。もちろん該Bブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造が、4級アンモニウム塩基を含有しないBブロック中に存在する場合、各部分構造は該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。Bブロック中に上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造以外の部分構成を含有する場合、当該(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外の部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜99重量%、より好ましくは0〜85重量%である。
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mgKOH/g以下であり、その分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で通常1000以上、100,000以下の範囲である。ブロック共重合体の分子量が小さすぎると分散安定性が低下し、大きすぎると現像性、解像性が低下する傾向にある。
本発明の顔料分散体および着色組成物は、上述の(F−1)以外の分散剤を含有していても良く、そのような分散剤の例としては、例えば(F−2):窒素原子を含有するグラフト共重合体、(F−3):ウレタン樹脂分散剤などが挙げられる。本発明に使用される分散剤としては、これらの中でも(F−1)が特に好ましい。
(F−2):窒素原子を含有するグラフト共重合体
窒素原子を含有するグラフト共重合体としては、主鎖に窒素原子を含有する繰り返し単位を有するものが好ましい。中でも、式(II)で表される繰り返し単位または/及び式(III)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
式(II)中、R51は、メチレン、エチレン、プロピレン等の直鎖状または分岐状の炭素数1〜5のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜3であり、更に好ましくはエチレン基である。Aは水素原子または下記式(IV)〜(VI)のいずれかを表すが、好ましくは式(IV)である。
もブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等の炭素数4〜7のアルキレン基が好ましい。pは1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。
炭素数2〜10のアルキレン基を表し、中でもエチレン、プロピレン等の炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。Y2は水素原子または−CO−R52(R52はエチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜10のアルキル基を表し、中でもエチル、プロピル、ブチル、ペンチル等の炭素数2〜5のアルキル基が好ましい。)を表す。qは、1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。
〜50のヒドロキシアルキル基を表し、中でもステアリル等の炭素数10〜20のアルキル基、モノヒドロキシステアリル等の水酸基を1〜2個有する炭素数10〜20のヒドロキシアルキル基が好ましい。
当該グラフト共重合体における式(II)または(III)で表される繰り返し単位の含有
率は、高い方が好ましく、通常50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。式(II)で表される繰り返し単位と、式(III)で表される繰り返し単位の、両方を併
有してもよく、その含有比率に特に制限は無いが、式(II)の繰り返し単位を多く含有していた方が好ましい。式(II)または式(III)で表される繰り返し単位の合計数は、1
分子中に通常1〜100、好ましくは10〜70、更に好ましくは20〜50である。
単位としては、例えばアルキレン基、アルキレンオキシ基などが例示できる。本発明のグラフト共重合体は、その末端が−NH2及び−R51−NH2(R51は、前記R51と同義)のものが好ましい。
尚、当該グラフト共重合体は、主鎖が直鎖状であっても分岐していてもよい。
上記分散剤のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。重量平均分子量が3000未満であると、顔料の凝集を防ぐことができず、高粘度化ないしはゲル化してしまうことがあり、100000を超えるとそれ自体が高粘度となり、また有機溶媒への溶解性が不足する場合がある。
本発明においては、上述のものと同様の構造を有する市販のグラフト共重合体を適用することもできる。
ウレタン樹脂分散剤としては、ポリイソシアネート化合物と、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られるウレタン樹脂が特に好ましい。
ルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート;及び、これらの3量体、水付加物、並びにこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体であり、これらを単独で用いても、複数種併用してもよい。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、又はこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール、又はそれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオール若しくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、ポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えば、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
シメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール;キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール;N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等のジオール類と、を重縮合させて得られたもの、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類若しくは炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオールあるいはポリラクトンモノオール、例えば、ポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのは、ポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトン、より具体的には、モノオールにε−カプロラクトンを開環付加重合して得られる化合物である。
又、ポリオレフィングリコールとしては、ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらの同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物のうち、特にポリエーテルグリコールとポリエステルグリコールが好ましい。尚、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等が好ましい。
例えば、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーーテルリン酸系、ポリエステルリン酸系、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
宜選択して使用すればよい。これらの分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明に係る顔料分散体には、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために分散助剤として顔料誘導体等を添加しても良い。顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。
良いし、置換数の異なる化合物の混合物でも良い。
顔料誘導体の添加量は、顔料に対して通常0.1重量%以上、また、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。添加量が少ないとその効果が発揮されず、逆に添加量が多過ぎると分散性、分散安定性がかえって悪くなるためである。
本発明に係る顔料分散体は、後述するバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部または全部を含有していてもよい。具体的には、後述する顔料分散体の調製における分散処理工程において、前述の分散剤とともにバインダー樹脂を含有させることにより、該バインダー樹脂は、分散剤との相乗効果で分散安定性に寄与し、結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。このように、分散処理工程に使用される樹脂を、分散樹脂と称することがある。
本発明の着色組成物は、少なくとも前述した顔料分散体および後述するバインダー樹脂を含有していればよく、これら以外の成分としては、カラーフィルタ形成材料として使用できるものであれば、特に制限無く使用できる。例えば、特開昭60−184202号公報などに記載されたいわゆるリフトオフ方式のカラーフィルタ製造工程に用いる熱着色組成物、特開2004−220036号公報などに記載されたインクジェット方式のカラーフィルタ製造工程に用いる熱着色組成物、後述する光重合性樹脂組成物など、いずれのタイプの樹脂組成物であってもよい。着色組成物が光重合性組成物である場合には、光重合開始剤系を必須成分とする。
以下、本発明の着色組成物が光重合性樹脂組成物である場合を例に、詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
バインダー樹脂としては、前述したように、どのような手段により硬化する着色組成物とするかにより、好ましい樹脂は異なる。光重合性樹脂組成物の場合、バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号などの各公報等に記載される公知の高分子化合物を使用することができるが、好ましくは
[2−1−2]:主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂
[2−1−3]:前記カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂
[2−1−4]:(メタ)アクリル系樹脂
[2−1−5]:カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
等が挙げられる。以下、これら各樹脂について説明する。
特に好ましい樹脂の一つとして、「エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」が挙げられる。
式(1)において、R7とR8が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和の何れでもよく、又、炭素数が5〜6であるのが好ましい。
バインダー樹脂にこれらの構造を導入することによって、本発明の着色組成物をカラーフィルターや液晶表示素子に使用する場合に、該着色組成物の耐熱性を向上させたり、該着色組成物を用いて形成された画素の強度を増すことが可能である。
尚、一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体において、前記一般式(1) で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来す
る繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−iso−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等のビニル化合物類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド類;N−(メタ)アクリロイルフタルイミド等が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの溶剤の使用量は得られる共重合体100重量部に対し、通常30〜1000重量部、好ましくは50〜800重量部である。溶剤の使用量がこの範囲外では共重合体の分子量の制御が困難となる。
続いて、エポキシ樹脂含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。不飽和一塩基酸の付加割合が少なすぎると、着色組成物の経時安定性等に関して、残存エポキシ基による悪影響が懸念される。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、及び/又は無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。この付加割合が多すぎると、現像時の残膜率が低下するおそれがあり、少なすぎると溶解性が不十分となる可能性がある。尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
また、現像性を向上させるために、生成したカルボキシル基の一部に、重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
又、この両方を付加させてもよい。
上述のバインダー樹脂の、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。分子量が3000未満であると、耐熱性や膜強度に劣る可能性があり、100000を超える
と現像液に対する溶解性が不足する傾向がある。又、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基を有していれば特に限定されず、通常、カルボキシル基を含有する重合性単量体を重合して得られる。
カルボキシル基含有重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等のビニル系単量体;アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、或いはそれらの無水物等の酸或いは無水物を付加させた単量体等が挙げられる。これらは複数種使用してもよい。
又、主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂は、上記のカルボキシル基含有重合性単量体に、カルボキシル基を有さない他の重合性単量体を共重合させてもよい。
本発明における主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂の酸価は、通常30〜500KOHmg/g、好ましくは40〜350KOHmg/g、さらに好ましくは50〜300KOHmg/gである。
前記、主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂の、カルボキシル基部分にエポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂も特に好ましい。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、分子内にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有するものであれば特に限定されるものではない。
く、好適な脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、下記一般式(3a)〜(3m)で表される化合物が挙げられる。
価の炭化水素基をそれぞれ示し、nは1〜10の整数である。
一般式(3a)〜(3m)における、R12のアルキレン基は、炭素数1〜10であるものが好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が例示できるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。又、R13の炭化水素基としては、炭素数が1〜10であるものが好ましく、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられる。
中でも、一般式(3c)で表される化合物が好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記[2−1−2]記載の樹脂のカルボキシル基部分に、前記エポキシ基含有不飽和化合物を付加させるには、公知の手法を用いることができる。例えば、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有不飽和化合物とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;ピリジン、トリフェニルホスフィン等の触媒の存在下、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより、樹脂のカルボキシル基にエポキシ基含有不飽和化合物を導入することができる。
又、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2000〜100000、好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜30000である。
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルを単量体成分とし、これらを重合してなるポリマーをいう。好ましい(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマー、及び下記一般式(4)及び/又は(5)で示される化合物を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー、を挙げることができる。
2価の連結基又は直接結合を表し、Xは下記式(6)で示される基又は置換されていてもよいアダマンチル基を示す。L3は下記式(6)におけるR3b又はR4bと結合して環を形
成してもよい。
[2−1−4a]:(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマー
(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマーは、顔料との親和性が高いという点で、好ましく用いられる。
まず、一般式(4)の化合物について説明する。
一般式(4)で表されるエーテルダイマーにおいて、R1aおよびR2aで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアル
キル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。なお、R1aおよびR2aは、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
一般式(5)中、R1bは、好ましくは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子、メチル基である。
また、一般式(6)中、R2b、R3b、R4bの有機基としては、それぞれ独立に、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、又はアシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1のカルボキシル基、又は炭素数1〜15のアシルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基である。
L1、L2は2価の連結基、L3は2価の連結基又は直接結合であれば特に限定を受けな
いが、少なくともL1又はL2のどちらかは炭素数1以上の連結基であるのが好ましい。また、L1、L2、L3はそれぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜15のアルキレン、−O−
0−、−S−、−C(=O)−、炭素数1〜15のアルケニレン、フェニレン、あるいはそれらの組み合わせが好ましい。
また、一般式(6)の好ましいものとしては、下記一般式(7)で示される化合物を挙げることができる。
一般式(7)中、R5b、R6bの有機基としては、それぞれ独立に、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、又はアシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1のカルボキシル基、又は炭素数1〜15のアシルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基である。
また、R1bのアルキル基、R2b、R3b、R4b、の各有機基、L1、L2、L3の2価の連 結基、Xのアダマンチル基は、それぞれ独立して置換基を有していてよく、具体的には以下の置換基を挙げることができる。
表されるスルファモイル基;−SO3R28で表されるスルホン酸エステル基;2−チエニ
ル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基;トリメチルシリル基などのトリアルキルシリル基等。
また、上記置換基の位置関係は特に限定されず、複数の置換基を有する場合、同種でも異なっていてもよい。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては下記が挙げられる。
−1−4b]で述べたポリマーを含め、いずれも酸基を有することが好ましい。酸基を有
することにより、得られる着色組成物が、酸基とエポキシ基が反応してエステル結合を形成する架橋反応(以下、酸−エポキシ硬化と略する)により硬化が可能な着色組成物、あるいは未硬化部をアルカリ現像液で顕像可能な組成物、とすることができる。前記酸基と
しては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基等が挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分が、前記酸基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
前記(メタ)アクリル系樹脂にラジカル重合性二重結合を導入するには、例えば「重合後にラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマー」(以下「ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合した後に、後述するようなラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行えばよい。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂が、[2−1−4a]の項で説明した、前記一般式(4)の化合物を必須の単量体成分とするポリマーである場合、エポキシ基を有することが好ましい。
前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらエポキシ基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分は、上記必須の単量体成分のほかに、必要に応じて、他の共重合可能なモノマーを含んでいてもよい。
また、特に(メタ)アクリル系樹脂の一部または全部を、後述するように分散剤として用いる場合は、(メタ)アクリル酸ベンジルを用いることが好ましく、その含有量は、通常全単量体成分中1〜70重量%、好ましくは5〜60重量%であるのがよい。
次に、[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂の製造方法(重合方法)について説明する。
ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
また分子量調整のために、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸がよい。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、通常は全単量体成分に対して0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
前記アクリル系樹脂を得る際に、単量体成分として、前述した酸基を付与しうるモノマーを用いることにより酸基を導入する場合、重合後に酸基を付与するための処理を行う必要がある。該処理は、用いるモノマーの種類によって異なるが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有するモノマーを用いた場合には、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマーを用いた場合には、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加させるか、もしくは、まず(メタ)アクリル酸のような酸を付加させ、結果生じた水酸基に、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマーを用いた場合には、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させればよい。
該処理は、用いるモノマーの種類によって異なるが、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーを用いた場合には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の、エポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いた場合には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の、水酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の、エポキシ基を有するモノマーを用いた場合には、(メタ)アクリル酸等の酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。
尚、前記(メタ)アクリル系樹脂成分のうち、一般式(4)で示される化合物を必須の単量体成分とするポリマーは、それ自体公知の化合物であり、例えば、特開2004−300203号公報及び特開2004−300204号公報に記載の化合物を挙げることが出来る。
エポキシアクリレート樹脂は、エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させることにより合成される。かかる反応生成物は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ樹脂が原料であり、かつ「アクリレート」が代表例であるので、慣用に従いこのように命名したものである。
産化学社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、フルオレンエポキシ樹脂(例えば、新日鐵化学社製のカルドエポキシ樹脂「ESF−300」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「XD−1000」、大日本インキ社製の「EXA−7200」、日本化薬社製の「NC−3000」、「NC−7300」)、および下記構造式で示されるエポキシ樹脂(特開平4−355450公報参照)、等を好適に用いることができる。
エポキシ樹脂の他の例としては共重合型エポキシ樹脂が挙げられる。共重合型エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイドなど(以下「共重合型エポキシ樹脂の第1成分」と称す。)とこれら以外の1官能エチレン性不飽和基含有化合物(以下、「共重合型エポキシ樹脂の第2成分」と称す。)、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、下記一般式(8)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上、とを反応させて得られた共重合体が挙げられる。
一般式(8)の化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
このような共重合型エポキシ樹脂としては、具体的には日本油脂社製の「CP−15」、「CP−30」、「CP−50」、「CP−20SA」、「CP−510SA」、「CP−50S」、「CP−50M」、「CP−20MA」等が例示される。
エステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、アクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、アクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、アクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、クロトン酸−2−サクシノイルオキシエチル等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル及びアクリル酸−2−フタロイルオキシエチルであり、特にアクリル酸−2−マレイノイルオキシエチルが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、好ましくは、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、特に好ましい化合物は、無水テトラヒドロフタル酸及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。これらは1種を単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
多塩基酸無水物の付加量は、生成するエポキシアクリレート樹脂の酸価が10〜150mg−KOH/gの範囲となるような量が好ましく、更に20〜140mg−KOH/gの範囲が特に好ましい。樹脂の酸価が小さすぎるとアルカリ現像性に乏しくなり、また、樹脂の酸価が大きすぎると硬化性能に劣る傾向が認められる。
バインダー樹脂としては、また、例えば特開2005−154708号公報などに記載のアクリル系のバインダーも用いることができる。
上述した各種バインダー樹脂のうち、特に好ましいのは、[2−1−1]:「エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」である。
また前述の各種バインダー樹脂は、特に前述の分散剤等との併用による相乗効果により、分散安定性に寄与し、結果として分散剤の添加量を減少させることができるため、現像性が向上した、具体的には例えば、基板上の非画像部に未溶解物が残存することなく基板との密着性に優れた、高濃度の色画素を形成し得るといった効果を奏し、好ましい。
このように、分散処理工程に使用するバインダー樹脂(分散樹脂)としては、前述した各種樹脂を使用することができるが、特に[2−1−2]:主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂、または[2−1−4]:(メタ)アクリル系樹脂(特に記一般式(4)で表される化合物を必須とするモノマー成分を重合してなるポリマー)が好ましく、[2−1−2]:主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂
が最も好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色組成物には、更に、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、光重合性モノマー、光重合開始系、熱重合開始剤、有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物、界面活性剤、熱重合防止剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤、染料等が挙げられる。
光重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明の着色組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述の光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明における単量体は、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも含有する概念を意味する。
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、又は、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であっても良い。代表例としては、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
み合わせて使用することもできる。
本発明の着色組成物は、塗膜を硬化させる目的で、光重合開始系および/又は熱重合開始剤を含むことが好ましいが、硬化の方法は上記開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色組成物が、バインダー樹脂としてエチレン性C=C二重結合を有する樹脂を含む場合や、光重合性モノマー成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始系および/又は熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始系を、着色組成物に配合するのが好ましい。なお、本発明において光重合開始系は、光重合開始剤に重合加速剤、増感色素などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
本発明の着色組成物は、さらに光重合開始系を含有していてもよい。光重合開始系は、通常、光重合開始剤、及び必要に応じて添加される増感色素、重合加速剤等の付加剤の混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
キシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4’−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
その他に、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体類;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p一ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類;p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体類;9−フェニルアクリジン、9−(pメトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体類;9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体類;ベンズ
アンスロン等のアンスロン誘導体類等も挙げられる。
必要に応じて用いられる重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;又は脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
本発明の着色着色組成物において、これらの光重合開始剤及び重合加速剤の合計の含有割合は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、又、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。この含有割合が著しく低いと露光光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起したり、開始剤そのものの影響で輝度が低下することがある。
この含有割合が著しく低いと、露光光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反対に著しく高いと、未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起することがある。
本発明で用いられる熱重合開始剤の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物および過酸化水素等を挙げることができる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。
アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキセン−1−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド(2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル)、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−エチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(ジメチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(ジメチル−2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)等を挙げることができ、これらのうちでも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が好ましい。
ルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキシド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキシドとベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキシドとジベンゾイルパーオキシドの混合物等を挙げることができる。
なお、前述した光重合開始剤のうち、例えばα−アミノアルキルフェノン系化合物などのように、熱重合開始剤としても働くものがある。そのため、熱重合開始剤として、光重合開始剤の例として挙げた中から選択した化合物を使用してもよい。
これらの熱重合開始剤類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色組成物は、分子量1000以下の有機カルボン酸および/または有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
有機カルボン酸化合物としては、具体的には、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸などのトリカルボン酸などが挙げられる。また、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸などのフェニル基に直接カルボキシル基が結合したカルボン酸、およびフェニル基から炭素結合を介してカルボキシル基が結合したカルボン酸類が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のもの、具体的には、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸が好ましい。
これら分子量1000以下の有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物を添加することによって、高いパターン密着性を保ちながら、着色組成物の未溶解物の残存をより一層低減することが可能である。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤の濃度範囲としては、全組成物量に対して通常0.001重量%以上、好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、最も好ましくは0.03重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.3重量%以下の範囲が用いられる。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール等が用いられる。熱重合防止剤の配合量は、組成物の全固形分に対し0重量%以上、3重量%以下の範囲であることが好ましい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が用いられる。これら可塑剤の配合量は、組成物の全固形分に対し、通常10重量%以下の範囲であることが好ましい。
次に、本発明に係る着色組成物(以下、レジストと称することがある)を調製する方法を説明する。
まず、顔料、溶剤および分散剤とを各所定量秤量し、分散処理工程において、緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6および顔料Yを含有するシアン色顔料を分散させて顔料分散体を調製する。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理を行なうことによって色材が微粒子化されるため、着色組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板における画素の透過率が向上する。
又、顔料としては上述の緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6および顔料Yを含有するシアン色顔料を含有することが必須ではあるが、本発明の効果を損なわない範囲で、調色用に他の顔料と混合して分散を行ってもよい。
設定する。なお、分散時間は、顔料分散体の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整する必要がある。
次に、本発明に係るカラーフィルタについて説明する。
本発明の着色組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。これが基板上へ供給され、カラーフィルターや液晶表示装置、有機ELディスプレイなどの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色組成物の応用例として、カラーフィルターの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)および有機ELディスプレイについて、説明する。
カラーフィルターの画素は、後述するように様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色組成物を使用してフォトリソグラフィ法にて形成する場合を例に、詳細に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
カラーフィルターの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスルホン系樹脂等の熱可塑性樹脂製シート;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂シート;又は各種ガラス等が挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。これらの透明基板には、接着性等の表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理やオゾン処理等の表面処理、シランカップリング剤やウレタン系樹脂等の各種樹脂等による薄膜形成処理等を行なってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、又、通常10mm以下、好ましくは7mm以下の範囲とされる。又、各種樹脂による薄膜形成処理を行なう場合、その膜厚は、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、又、通常10μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。
その遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム等のクロム化合物、ニッケルとタングステン合金等が用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。これらの遮光金属薄膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成する。
たエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリックスを形成することができる。この場合、先ず、蒸着又はスパッタリング法等により、透明基板上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上にポジ型フォトレジスト用樹脂組成物の塗布膜を形成する。次いで、ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリックスを形成することができる。
スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法による塗布条件は、着色組成物の組成や、作製するカラーフィルターの種類等によって適宜選択すればよい。例えば、両方法のいずれにおいても、ノズル先端のリップ幅は50〜500μmとし、ノズル先端と基板面との間隔は30〜300μmとするのが好ましい。
塗布膜の厚さは、厚過ぎるとパターン現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがある一方で、薄過ぎると顔料濃度を高めることが困難となり、所望の色発現が不可能となることがある。塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上、又、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。
ンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。予備乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて適宜選択することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて選択されるが、具体的には、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、又、通常80℃以下、好ましくは70℃以下の範囲であり、乾燥時間は通常15秒以上、好ましくは30秒以上、又、通常5分間以下、好ましくは3分間以下の範囲である。又、再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い温度が好ましく、具体的には、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、又、通常200℃以下、好ましくは160℃以下、特に好ましくは130℃以下の範囲である。又、乾燥時間は、加熱温度にもよるが、通常10秒以上、好ましくは15秒以上、又、通常10分以下、好ましくは5分以下の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高過ぎるとバインダー樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。尚、この塗布膜の乾燥工程としては、温度を高めず減圧チャンバー内で乾燥を行なう減圧乾燥法を用いてもよい。
ここで、アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノールアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
アルコール等が挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、又、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。
現像の後のカラーフィルターには、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、又、通常280℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で選ばれ、時間は5分間以上、60分間以下の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色及びシアン色をパターニングし、カラーフィルターを形成する。尚、5色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
又、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。又、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソによる柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
本発明に係る液晶表示装置は、例えば、上述したカラーフィルター(以降、「カラーフィルター基板」と称することがある)と、薄膜トランジスタ(TFT)による駆動基板とを、液晶層を介して対向した構造により構成することができる。より具体的には、配向膜材料を塗布し配向処理を施したカラーフィルター基板と、同じくTFT駆動基板とを、周辺シール材を介して貼り合わせ、その空隙に液晶材料を注入することで、液晶表示装置とすることができる。
配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行った後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。又、対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶パネルの用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
本発明のカラーフィルターを用いて有機ELディスプレイを作成する場合、例えば図1に示すように、カラーフィルター上に有機保護層30および無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製することができる。有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルター上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、および陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
[合成例1:バインダー樹脂−1の合成]
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート114.0重量部を500mlの4つ口フラスコに入れ、窒素バブリングを行いながら85℃まで昇温した。これにベンジルメタクリレート96.8重量部、メタクリル酸33.3重量部、2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル) 9.85重量部をプロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセタート96.45重量部に溶解し、4時間かけて滴下した。滴下後反応液を85℃に保ったままさらに2時間攪拌し、その後窒素バブリングを止めて100℃に昇温し1時間攪拌した。得られたバインダ樹脂の重量平均分子量は8000、酸価175mgKOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート85.2重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA−513M)66重量部を滴下し、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)28.5重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダ樹脂のGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400 酸価33mgKOH/gであった。
1モルのジアゾバルビツール酸を8リットルの90℃熱水中で1モルのバルビツール酸とKOH滴定下にpH5で反応させ、これに2モルのメラミンを加えた。pHを塩酸で5に調整し、1モルの40%濃度塩化ニッケル溶液を滴加した。90℃で1時間反応させた後に、pHをKOHで5に調整した。反応液のpHをその後塩酸で3.2に調整し、熱処理を98℃で8時間実施した。
その後pHをKOHで5に調整し、顔料を吸引濾紙上で単離し、洗浄し、減圧乾燥オーブン中80℃で乾燥させた後、標準実験室ミルで約2分間すり砕き、顔料Y1を得た。
下記表−1および以下の説明に示す種類および重量部の顔料、分散剤、分散樹脂および溶剤を混合し、該混合物の2.3重量倍の0.5mm径ジルコニアビーズとともにステンレス容器に充填し、ペイントシェイカーにて6時間分散させ、顔料分散体を調製した。なお、表−1中、溶剤以外はいずれも固形分換算での量を表す。
「G36」:C.I.ピグメントグリーン36
「顔料Y」:合成例3にて得られた「顔料Y1」
「B15:6」:C.I.ピグメントブルー15:6
「G7」:C.I.ピグメントグリーン7
「Disperbyk 2000」:ビックケミー社製、高分子分散剤。親溶媒性を有するAブロックと、窒素原子含有官能基を有するBブロックからなるメタクリル系ABブロック共重合体。窒素原子含有官能基(吸着基)が主に下記構造
「PGMEA」:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
「PGME」:プロピレングリコールモノメチルエーテル
予め、「分散体−1」18.1重量部、および「分散体−2」17.2重量部を混合し、膜厚2.8μmに形成した画素のYxy表色系における色度が(x, y)=(0.117, 0.469)、Y値=17.9となるよう、シアン色顔料分散体を調製した。これに、表−2記載のバインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始系、界面活性剤及び溶剤を加え、固形分濃度が23重量%となるよう調製・混合し、表−2記載の組成であるカラーフィルター用シアン色組成物(レジスト)を得た。なお加える溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)であり、組成物の固形分濃度が上述の値になり、かつ組成物に含まれる(PGMEA):(PGME)=9:1(重量比)となるように加えた。
得られたレジストにおける顔料濃度は、全固形分に対し19.9重量%であった。
このレジストを用いて着色組成物塗布基板を作成し、後述する方法にてその色度を測定した。結果を表−2に示す。
「分散体−1」の代わりに「分散体−4」を用いた以外は実施例1と同様に、シアン色顔料分散体およびカラーフィルター用シアン色組成物(レジスト)を得た。
予め、「分散体−2」13.5重量部、および「分散体−3」60.6重量部を混合し、実施例1と同様に、シアン色顔料分散体およびカラーフィルター用シアン色組成物(レジスト)調製した。得られたレジストにおける顔料濃度は、全固形分に対し42.5重量%であった。
このレジストを用い、実施例2と同様に色度を測定した。結果を表−2に示す。
「DPHA」:商品名、日本化薬(株)製。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
「TO1382」:商品名、東亞合成(株)製。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物。
「BI」:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
「I−907」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「Irgacure 907」。(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)「2−MBI」:2−メルカプトベンゾイミダゾール
「DETX−S」:日本化薬社製「KAYACURE DETX−S」(2,4−ジエチルチオキサントン)
「F475」:商品名、大日本インキ化学工業社製。フッ素系界面活性剤
これら以外は、表−1におけると同義である。
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、AN100)上に、上記着色組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、300mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行った。その後、現像処理を、0 .1重量%炭酸ナトリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で現像を行った。ついで、
3kg/cm2の水圧で30秒間スプレー水洗処理を行い着色組成物塗布基板を作成した
。その後、温度230℃で、30分間の熱硬化処理を行った。
こうして得られた塗布基板について、日立製作所製分光光度計U−3310により透過スペクトルを測定した。C光源にて算出した色度を表−2に示す。実施例1および2のいずれも、比較例1に比べて高いY値(輝度)を示すことがわかる。
「ランベルト ベーア」の法則(溶液の濃度が吸光度に比例する)に基づくCCM(コンピューター・カラー・マッチング)により、レジスト中の全固形分に対する顔料濃度を
計算した。予め、各種顔料の顔料濃度毎の透過スペクトルデータをデータベースに入力しておき、所望の色度(本実施例および比較例では(x, y)=(0.117, 0.469))と、使用する顔料の種類を入力することにより、必要な顔料の配合量とY値が計算され、出力される。
・緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、36および58から選ばれた少なくとも1種、
・顔料Y1(前記合成例3にて得られたもの)、および
・C.I.ピグメントブルー15:6
を含有すること、および膜厚2.8μmの乾燥塗布膜を形成した場合に達成する色度として上述した色度を入力し、各顔料の必要な量および達成させるY値を出力させた。結果を以下の表−3に示す。
(1)本発明に係る顔料分散体は、従来より低い顔料濃度にて、求めるシアン色を実現できる。
(2)本発明に係る顔料分散体を用いて調製した着色組成物は、従来のシアン色着色組成物より顔料濃度が低いため、画像形成性に優れる。
(3)従来のRGB色画素に加えて、本発明の着色組成物を用いて形成されたシアン色画素を有することにより、色再現性の広いカラーフィルターおよび液晶表示装置を得ることができる。
50 透明陽極
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子輸送層
55 陰極
100 有機EL素子
20 シアン色カラーフィルター
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (12)
- 顔料、溶剤、分散剤およびバインダー樹脂を含有してなる顔料分散体において、該顔料が、緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6、および以下の定義にてあらわされる顔料Yを含有し、
顔料Yの含有量が、緑色顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:6および顔料Yの合計に対し、重量分率で5〜50重量%であり、かつ
C.I.ピグメント・ブルー15:6に対する緑色顔料の割合が、重量分率で0.2〜1.6であり、
前記バインダー樹脂が、以下の(1)〜(5)からなる群から選ばれる少なくとも1つである顔料分散体。
<顔料Y>
下記一般式(I)
<バインダー樹脂>
(1)エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなるアルカリ可溶性樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる、アルカリ可溶性樹脂
(2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂
(3)前記カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂
(4)酸基を有する(メタ)アクリル系樹脂
(5)カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
- 緑色顔料が、C.I.ピグメントグリーン7および/またはC.I.ピグメントグリーン36を含む、請求項1記載の顔料分散体。
- 顔料総量の含有割合が、全固形分中、80重量%以下である、請求項1又は2に記載の顔料分散体。
- 顔料総量の含有割合が、全固形分中、40重量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔料分散体。
- 分散剤が、側鎖に4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の顔料分散体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の顔料分散体、およびバインダー樹脂を含有してなるカラーフィルター用着色組成物。
- さらに、光重合開始系および/または熱重合開始剤を含有してなる、請求項6記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 顔料の含有割合が、全固形分中、60重量%以下である、請求項6又は7に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 顔料の含有割合が、全固形分中、10重量%以上である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 赤色画素、青色画素、緑色画素、および請求項6〜9のいずれか一項に記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成した画素を有するカラーフィルター。
- 請求項10記載のカラーフィルターを用いてなる液晶表示装置。
- 請求項10記載のカラーフィルターを用いてなる有機ELディスプレイ。
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