JP2009013338A - 着色組成物、カラーフィルタ及び表示装置 - Google Patents

着色組成物、カラーフィルタ及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画素部平坦性に優れたカラーフィルタを得ることができる着色組成物、及びこれを用いて得られたカラーフィルタ、及び色むらが抑制された表示装置を提供する。
【解決手段】色材、溶剤を含有し、該溶剤が下記一般式(1)からなるジオール誘導体であることを特徴とする着色組成物。
一般式(1) A−C2n−B
[一般式(1)中、C2nはnが5以上の整数である直鎖若しくは分岐アルキレン基を表す。Aはヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表し、Bは炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色組成物、着色組成物を用いて作製したカラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを備えた表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、特に大画面液晶テレビの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、カラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来の製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
これらの問題を解決したカラーフィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色インクを吹き付けして着色層(画素部)を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
かかるインクジェット方式によるカラーフィルタ製造方法では、インク吐出時の画素面厚みムラが生じやすく、その帰結として完成したカラーフィルタのITO抵抗値が上がってしまい、高品位なカラーフィルタを得られないという問題があった。この問題に対して、高圧下にてインク吐出を行う方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
また、顔料分散安定性の改良を目的とする、アセテート構造を2つ有する溶媒を含有するインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭59−75205号公報 特開2004−339332号公報 特開2004−223354号公報 特開2006−299090号公報
しかしながら、高圧下にてインク吐出を行う方法によっても、インク吐出時の画素面厚みムラの発生抑制効果は十分ではなく、画素部平坦性に問題があった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、画素部平坦性に優れたカラーフィルタを得ることができる着色組成物、及びこれを用いて得られたカラーフィルタ、及び色むらが抑制された表示装置を提供することを目的とする。
<1> 色材、溶剤を含有し、該溶剤が下記一般式(1)からなるジオール誘導体を含有することを特徴とする着色組成物。
一般式(1) A−C2n−B
[一般式(1)中、C2nはnが5以上の整数である直鎖若しくは分岐アルキレン基を表す。Aはヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表し、Bは炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表す。]
<2> 前記一般式(1)中のA,Bが共にアセトキシル基であることを特徴とする上記<1>に記載の着色組成物。
<3> 前記一般式(1)のnが12以下であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4> 前記一般式(1)の総炭素数が9以上16以下であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<5> 前記ジオール誘導体の沸点が240℃以上300℃以下であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<6> 前記色材が顔料であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<7> 前記顔料がC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6、及びC.I.ピグメント・バイオレット23から選択される1種以上であること特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<8> 顔料の数平均粒径が10〜100nmの範囲にあること特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<9> 顔料分散剤を含有することを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<10> 界面活性剤を含有することを特徴とする上記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<11> 重合性モノマーを含有し、該重合性モノマーがアクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、オキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することを特徴とする上記<1>〜<10>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<12> バインダー樹脂を含有することを特徴とする上記<1>〜<11>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<13> 粘度が20℃で10〜30mPa・sであることを特徴とする上記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<14> 表面張力が20〜40mN/mであることを特徴とする上記<1>〜<13>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<15> 上記<1>〜<14>のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて作製したことを特徴とするカラーフィルタ。
<16> 上記<15>に記載のカラーフィルタを用いた表示装置。
本発明によれば、画素部平坦性に優れたカラーフィルタを得ることができる着色組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記着色組成物を用いてカラーフィルタを作製することができる。更に、本発明によれば、色むらが抑制された表示装置を提供することができる。
本発明の着色組成物は、色材、溶剤を含有し、該溶剤が下記一般式(1)からなるジオール誘導体を含有することを特徴とする。
さらに、前記着色組成物は、顔料分散剤、界面活性剤、重合性モノマー、バインダー樹脂を含有することが好ましく、必要に応じてその他の添加物を添加することができる。
本発明の着色組成物の構成とすることにより、着色組成物の色材分散性は良好となり、該着色組成物を用いて作製されたカラーフィルタの画素形状は平坦性に優れたものとなる。
以下、本発明の着色組成物の構成成分、カラーフィルタ、及び表示装置について詳細に説明する。
(溶剤)
本発明の着色組成物が含有する溶剤は、少なくとも下記一般式(1)で表されるジオール誘導体を含有するを特徴とする。
一般式(1) A−C2n−B
一般式(1)中、C2nはnが5以上の整数である直鎖若しくは分岐アルキレン基を表し、前記nは5〜12であることが好ましく、5〜10がより好ましく、6〜8が特に好ましい。
前記一般式(1)の総炭素数が9以上16以下であることが好ましい。
前記一般式(1)中、Aはヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表し、前記炭素数1〜6のアルコキシル基としては、炭素数1〜4が好ましく、炭素数2〜4が特に好ましい。
前記Aは、上記の中でも、アセトキシル基が好ましい。
前記一般式(1)中、Bは炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表し、前記炭素数1〜6のアルコキシル基としては、炭素数1〜4が好ましく、炭素数2〜4が特に好ましい。
前記Bは、上記の中でも、アセトキシル基が好ましい。
前記一般式(1)中、A,Bは共にアセトキシル基であることが特に好ましい。
A,Bが共にアセトキシル基であると、重合性モノマーやバインダーの溶解性が良好となる上、原材料も入手しやすく、合成も容易で得率も高く、コストメリットがある。また、更に、インクジェット方式でカラーフイルターの画素を形成する際に、隔壁部分へのインクのあふれを抑制し、インクの混色がなく、平坦性の高いカラーフィルターを得ることが出来る。
前記一般式(1)で表されるジオール誘導体の具体例を下記するがこれに限定されるものではない。
前記ジオール誘導体の例示化合物であるモノエーテルとしては、ペンタンジオールモノメチルエーテル、ペンタンジオールモノエチルエーテル、ペンタンジオールモノプロピルエーテル、ペンタンジオールモノブチルエーテル、ヘキサンジオールモノメチルエーテル、ヘキサンジオールモノエチルエーテル、ヘキサンジオールモノプロピルエーテル、ヘキサンジオールモノブチルエーテル、ヘプタンジオールモノメチルエーテル、ヘプタンジオールモノエチルエーテル、ヘプタンジオールモノプロピルエーテル、ヘプタンジオールモノブチルエーテル、オクタンジオールモノメチルエーテル、オクタンジオールモノエチルエーテル、オクタンジオールモノプロピルエーテル、オクタンジオールモノブチルエーテル、ノナンジオールモノメチルエーテル、ノナンジオールモノエチルエーテル、ノナンジオールモノプロピルエーテル、ノナンジオールモノブチルエーテル、デカンジオールモノメチルエーテル、デカンジオールモノエチルエーテル、デカンジオールモノプロピルエーテル、デカンジオールモノブチルエーテル、ウンデカンジオールモノメチルエーテル、ウンデカンジオールモノエチルエーテル、ウンデカンジオールモノプロピルエーテル、ウンデカンジオールモノブチルエーテル、ドデカンジオールモノメチルエーテル、ドデカンジオールモノエチルエーテル、ドデカンジオールモノプロピルエーテル、ドデカンジオールモノブチルエーテルが挙げられる。
前記ジオール誘導体の例示化合物であるジエーテルとしては、ペンタンジオールジメチルエーテル、ペンタンジオールジエチルエーテル、ペンタンジオールジプロピルエーテル、ペンタンジオールジブチルエーテル、ヘキサンジオールジメチルエーテル、ヘキサンジオールジエチルエーテル、ヘキサンジオールジプロピルエーテル、ヘキサンジオールジブチルエーテル、ヘプタンジオールジメチルエーテル、ヘプタンジオールジエチルエーテル、ヘプタンジオールジプロピルエーテル、ヘプタンジオールジブチルエーテル、オクタンジオールジメチルエーテル、オクタンジオールジエチルエーテル、オクタンジオールジプロピルエーテル、オクタンジオールジブチルエーテル、ノナンジオールジメチルエーテル、ノナンジオールジエチルエーテル、ノナンジオールジプロピルエーテル、ノナンジオールジブチルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、デカンジオールジプロピルエーテル、デカンジオールジブチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジプロピルエーテル、ウンデカンジオールジブチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジエチルエーテル、ドデカンジオールジプロピルエーテル、ドデカンジオールジブチルエーテルが挙げられる。
前記ジオール誘導体の例示化合物であるモノエーテルアセテートとしては、ペンタンジオールモノメチルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノエチルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ペンタンジオールモノブチルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノメチルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノエチルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ヘキサンジオールモノブチルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノメチルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノエチルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ヘプタンジオールモノブチルエーテルアセテート、オクタンジオールモノメチルエーテルアセテート、オクタンジオールモノエチルエーテルアセテート、オクタンジオールモノプロピルエーテルアセテート、オクタンジオールモノブチルエーテルアセテート、ノナンジオールモノメチルエーテルアセテート、ノナンジオールモノエチルエーテルアセテート、ノナンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ノナンジオールモノブチルエーテルアセテート、デカンジオールモノメチルエーテルアセテート、デカンジオールモノエチルエーテルアセテート、デカンジオールモノプロピルエーテルアセテート、デカンジオールモノブチルエーテルアセテート、ウンデカンジオールモノメチルエーテルアセテート、ウンデカンジオールモノエチルエーテルアセテート、ウンデカンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ウンデカンジオールモノブチルエーテルアセテート、ドデカンジオールモノメチルエーテルアセテート、ドデカンジオールモノエチルエーテルアセテート、ドデカンジオールモノプロピルエーテルアセテート、ドデカンジオールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
前記ジオール誘導体の例示化合物であるジアセテートとしては、ペンタンジオールジアセテート、ヘキサンジオールジアセテート、ヘプタンジオールジアセテート、オクタンジオールジアセテート、ノナンジオールジアセテート、デカンジオールジアセテート、ウンデカンジオールジアセテート、ドデカンジオールジアセテートが挙げられる。
前記ジオール誘導体の例示化合物の中でもジアセテートが好ましい。
尚、本発明において、前記ジオール誘導体の位置番号は記載されていないが、全ての位置番号を含むものとする。例えば、ペンタンジオールジアセテートは、1,2−ペンタンジオールジアセテート、1,4−ペンタンジオールジアセテート、1,5−ペンタンジオールジアセテート、2,3−ペンタンジオールジアセテート、2,4−ペンタンジオールジアセテートを含む。
前記着色組成物におけるジオール誘導体の沸点は、常圧(1.01×10Pa(760mmHg))下で200℃以上300℃以下であることが好ましく、更に好ましくは240℃以上300℃以下であり、特に好ましくは250℃以上290℃以下である。
前記着色組成物の溶剤の沸点を200℃以上300℃以下とすることにより、着色組成物のジオール誘導体の揮発を抑制することができ、また、ベイク処理後の画素中の残留溶剤を十分蒸散させることができる点で好ましい。
前記着色組成物中のジオール誘導体の添加量としては、全溶剤に対して1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、5質量%以上90質量%以下がより好ましく10質量%〜80質量%以下が特に好ましい。
前記ジオール誘導体の含有量を1質量%以上100質量%以下とすることにより、インクの粘度を低く抑えたままノズル先端でのインクの乾燥を抑制できるためインクジェット方式でのインク吐出が容易となり、欠けのない安定した画素形成がし易い点で好ましい。また、隔壁部分へのインクのあふれを防止し、平坦性の高いカラーフィルターを作成し易く、また、色ごとの混色を防止し易い点で好ましい。また、隔壁以外の部分に対する濡れ広がりが良好となり、ムラなく均一な画像形成がし易い点で好ましい。
前記着色組成物は、前記ジオール誘導体を1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記着色組成物は、前記ジオール誘導体のほか、必要に応じてその他の溶剤を用いることができる。
前記その他の溶剤としては、例えば、「化学便覧応用編 改定3版、丸善株式会社、昭和60年8月15日発行」、「溶剤ポケットブック、株式会社オーム社、1989年6月20日発行」、「溶剤ハンドブック、株式会社講談社、1982年8月10日発行」に記載されている溶剤で前記ジオール誘導体以外の溶剤を用いることができる。
また、特開2004−220036号公報の段落番号[0066]及び[0092]〜[0096]、特開2006−284752号公報の段落番号[0082]〜[0089]、特開2006−299090号公報の段落番号[0024]〜[0029]、特開2006−345449号公報の段落番号[0019]、WO04−7626号公報、特開2006−83362号公報の段落番号[0024]、特開2005−234045号公報の段落番号[0063]〜[0067]、特許第3692365号公報の段落番号[0014]〜[0026]、特開2006−163306号公報の段落番号[0053]、特開2000−310706号公報の段落番号[0031]〜[0037]等に記載の溶剤で前記ジオール誘導体以外の溶剤を好適に用いることが出来る。
前記着色組成物におけるその他の溶剤の沸点は、常圧(1.01×10Pa(760mmHg))下で100℃以上300℃以下であることが好ましく、更に好ましくは150〜280℃であり、特に好ましくは200〜280℃である。
前記着色組成物のその他の溶剤の沸点を100℃以上300℃以下とすることにより、着色組成物のその他の溶剤の揮発を抑制することができ、ベイク処理後の画素中の残留溶剤を十分蒸散させることができる点で好ましい。
前記着色組成物中の溶剤の含有量としては、全質量中50質量%〜95質量%であることが好ましく、60質量%〜90質量%がより好ましく70質量%〜85質量%、が特に好ましい。
前記溶剤の含有量を50質量%以上95質量%以下とすることにより、インクの粘度を低く抑え、インクジェット方式でのインク吐出が容易となり、欠けのない安定した画素形成がし易い点で好ましい。また、隔壁以外の部分に対する濡れ広がりが良好となりムラなく均一な画像形成がし易い点で好ましい。また、所定の色濃度を得るための隔壁以外の部分(画素部分)に対する打滴量を少なく抑え易く、隔壁部分へのインクのあふれを防止し、平坦性の高いカラーフィルターを作成し易く、また、色ごとの混色を防止し易い点で好ましい。
(色材)
本発明における着色組成物は少なくとも1種の色材を含有する。
本発明において使用される色材は、有機顔料、無機顔料、染料など、公知のものを使用できるが、十分な透過濃度や耐光性、基板への密着性、その他の諸耐性が要求されるため、種々の顔料が好適である。該色材の具体例としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物や、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の色材を好適に用いることができる。色材として顔料を含有することで、画素の保存安定性が向上する。
本発明における色材の含有量は特に限定されるものではないが、所望の色相、濃度を得るという観点から、着色組成物に占める色材の割合は10質量%以上が好ましく、12〜70質量%がさらに好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
本発明の着色組成物における顔料は、赤色、緑色、又は青色の顔料を含むことが好ましい。これにより、本発明の着色組成物を用いてカラーフィルタの赤色画素、緑色画素、及び青色画素を好適に形成できる。
前記顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6、及びC.I.ピグメント・バイオレット23から選択される1種以上であることが好ましい。これらの顔料を含有することにより、着色組成物は分散状態が安定化し、また、色純度も良好となる。
赤色画素形成用の着色組成物中の顔料は、少なくとも1種の赤色顔料を含むことが好ましいが、1種のみの赤色顔料を用いる形態に限定されることはなく、2種以上の赤色顔料を組み合わせて混合系顔料として用いる形態や、赤色顔料とその他の色の顔料とを組み合わせて混合系顔料として用いる形態も好適である。このような組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられる。
緑色画素形成用の着色組成物中の顔料は、少なくとも1種の緑色顔料を含むことが好ましいが、1種のみの緑色顔料を用いる形態に限定されることはなく、2種以上の緑色顔料を組み合わせて混合系顔料として用いる形態や、緑色顔料とその他の色の顔料とを組み合わせて混合系顔料として用いる形態も好適である。このような組み合わせとしては、例えば、
C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられる。C.I.ピグメント・グリーン7は、C.I.ピグメント・グリーン36に代えて、又は共に用いることができる。
青色画素形成用の着色組成物中の顔料は、少なくとも1種の青色顔料を含むことが好ましいが、1種のみの青色顔料を用いる形態に限定されることはなく、2種以上の青色顔料を組み合わせて混合系顔料として用いる形態や、青色顔料とその他の色の顔料とを組み合わせて用いる形態も好適である。このような組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36及び/又はC.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、色純度の観点等からは、30質量%以上が好ましく、特に50質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は色純度の観点等からは、50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、色純度の観点等からは、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
本発明で用いる顔料は、数平均粒径1〜200nmのものが好ましく、10〜100nmのものがより好ましく、10〜50nmのものが特に好ましい。顔料の数平均粒径が1nm以上であれば、粒子の表面エネルギーが小さくなるため凝集しにくくなり、顔料分散が容易になると共に、分散状態を安定に保つのが容易になるため好ましい。また、顔料の数平均粒径が200nm以下であれば、顔料による偏光の解消が生じにくいため、コントラストが向上し、好ましい。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
また、本発明では必要に応じて、無機顔料あるいは体質顔料を用いることができる。無機顔料又は体質顔料を用いることで、画素の厚みを適度に調整したり、着色組成物の粘度を適度に調節し、画素の硬度や形状さらには耐久性を向上させたりすることができる。
無機顔料又は体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。体質顔料の添加量は目的に応じて、適宜調節することができるが、全顔料に対して1質量%〜70質量%の範囲が好ましく、5質量%〜50質量%の範囲がより好ましい。
本発明の着色組成物を用いて、カラーフィルタの基板上にブラックマトリクスパターン層を形成することができる。
前記着色組成物を用いてカラーフィルタの基板上にブラックマトリクス層のパターンを形成する場合には、前記着色組成物中に遮光性の高い黒色顔料を配合することが好ましい。遮光性の高い黒色顔料としては、例えば、カーボンブラックや四三酸化鉄などの無機系着色剤、又は、シアニンブラックなどの有機系着色剤を使用できる。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と前記溶剤とを、好ましくは後述する顔料分散剤を予め混合して得られる組成物を、公知の分散機を用いて分散させることによって調製することができる。この際に、顔料の分散安定性を付与するために、少量の樹脂を添加してもよい。また、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述するモノマーに添加して分散させることによって調製することも可能である。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
(顔料分散剤)
本発明の着色組成物には、顔料の分散安定性を得るために、顔料分散剤を添加することが好ましい。
前記着色組成物に顔料分散剤を含有させることにより、着色組成物の安定性が向上し、適正な液粘度及び表面張力とすることができる点で好ましい。また、該着色組成物を用いて作製したカラーフィルタは、画素部の平坦性が向上し、カラーフィルタの色むらの減少の点で好ましい。
その使用量は着色組成物全質量に対して0.1〜10質量%の範囲で分散剤を含有させるのが好ましく、0.1〜9質量%がより好ましく、0.1〜8質量%での範囲が特に好ましい。
該顔料分散剤として、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体などを用いることができる。顔料分散剤の具体例としては、特開2005−15672号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の例が、本発明においても好適なものとして使用できる。
本発明に用いられるその他の分散剤としては、特開2004−339330号公報の段落番号[0060]〜[0094]に記載の分散剤や、特開2004−339331号公報の段落番号[0051]〜[0070]に記載の「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる分散剤」をあげることができる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
(重合性モノマー)
本発明の着色組成物は、重合性モノマー(以下、「硬化性成分」ともいう)の少なくとも1種を含有し、該重合性モノマーがアクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、オキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することが好ましい。
重合性モノマーとしては、重合性基を2つ以上有するモノマー(以下、「2官能以上のモノマー」ともいう)が好ましい。重合性モノマーとしては、活性エネルギー線及び/または熱により重合反応可能であれば特に限定されるものではないが、膜の強度や耐溶剤性等の点から重合性基を3つ以上有するモノマー(以下、「3官能以上のモノマー」ともいう)がより好ましい。
重合性基の種類としては、特に制限はないが、上記の通り、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、オキセタニル基が特に好ましい。
重合性モノマーの具体例としては特開2001−350012号公報の段落番号[0061]〜[0065]に記載のエポキシ基含有モノマー、特開2002−371216号公報の段落番号[0016]に記載のアクリレートモノマー及びメタクリレートモノマー。特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2003−341217号公報の段落番号[0021]〜[0084]及び特開2004 −91556号公報の段落番号[0022]〜[0058]等に記載のオキセタニル基含有モノマー、並びに、シーエムシー出版「反応性モノマーの市場展望」に記載のモノマー等が挙げられる。
エポキシ系モノマーであるエポキシ基含有モノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
より具体的には、商品名エピコート828(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(油化シェルエポキシ社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(油化シェルエポキシ社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(油化シェルエポキシ社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(油化シェルエポキシ社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(油化シェルエポキシ社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
また、アクリル系モノマーである、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーとしては、3官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。4官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。
また、オキセタニル系モノマーであるオキセタニル基含有モノマーとしては、前記特開2003−341217号公報の段落番号[0021]〜[0084]に記載された化合物を本発明にも好適に使用しうる。更に、特開2004 −91556号公報の段落番号[0022]〜[0058]に記載された化合物も本発明に使用することができる。
以下、オキセタニル基を有する化合物の具体例([O−1]〜[O−25])を挙げるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
Figure 2009013338
Figure 2009013338
Figure 2009013338
Figure 2009013338
これらのオキセタニル基を有する化合物(オキセタニル基含有モノマー)は、着色組成物固形分に対し、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは0.5〜60質量%、さらに好ましくは1〜50質量%の割合で添加することができる。また前記オキセタニル基含有モノマー(オキセタン系化合物)は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
着色組成物粘度を低下させ、画素部の重合反応を促進する目的で、単官能モノマーや2官能モノマーを適宜併用しても良い。これらの単官能モノマーや2官能モノマーを併用すると、着色組成物粘度が低下し、ノズル詰まりを防止できる効果が得られる。これらの単官能モノマーや2官能モノマーとしては、例えば特開2001−350012号公報の段落番号[0065]に記載の単官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号0015〜0016に記載の単官能又は2官能のアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の1〜2官能のモノマー等が挙げられる。
また、膜の強度を補ったり、基板との密着を付与したりする目的で、高粘度の多官能モノマーやウレタンアクリレート等の高極性モノマー、オリゴマー等を使用してもよい。好ましい多官能モノマーや高極性モノマー、及びオリゴマーとしては特に制限はなく、汎用のものを使用可能である。例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート(例えば東亜合成(株)製アロニクスM−1000、M−1200、M−1210、M−1600)、ポリエステルアクリレート(例えば東亜合成(株)製アロニクスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−7300K、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050)、等が挙げられる。
前記重合性モノマーの使用量は、着色組成物固形分中の20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。モノマーの使用量が20質量%以上であれば、画素部の重合が十分となるため、画素部の膜強度の不足に起因する傷の発生が起こりにくくなったり、透明導電膜を付与する際にクラックやレチキュレーションが発生しにくくなったり、配向膜を設ける際の耐溶剤性が向上したり、電圧保持率を低下させない等の効果が得られる。ここで、配合割合を特定するための着色組成物の固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマー等も固形分に含まれる。
(バインダー樹脂)
本発明における着色組成物には、例えば、着色組成物粘度の調整、画素の硬度の調整、画素形状の制御の目的で、バインダー樹脂を用いることが好ましい。バインダー樹脂としては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー樹脂を用いてもよい。具体的には、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンスチレン共重合樹脂、エチレン酢ビ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、およびこれらの共重合樹脂などをあげることができる。これらは、膜強度、着色組成物粘度、着色組成物残部粘度、顔料分散安定性、熱安定性、非着色性、耐水性、耐薬品性を考慮し、適宜選択することができる。
バインダー樹脂の添加量は特に制限はないが、着色組成物固形分100質量部に対して0.1質量部〜70質量部が好ましい。バインダー樹脂は溶剤に溶解させて用いてもよく、また溶剤に分散させて用いることも可能である。溶剤に分散させて用いる場合は、分散されるバインダー樹脂の平均粒径は1.0μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。1.0μm以上であると、ヘッドでの詰まり、膜の透明性、平滑性が低下する場合がある。
また、バインダー樹脂は着色組成物粘度を上昇させる場合があり、本質的にこれを用いないことも好ましい。
また、硬化後の着色組成物に十分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット方式により基板上に画素のパターンを形成後、当該画素を重合反応により硬化させることのできるバインダー樹脂を用いるのが好ましい。例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性バインダー樹脂や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性バインダー樹脂のような、重合硬化可能なバインダー樹脂を用いることができる。
(1)光硬化性バインダー樹脂
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂(光硬化性バインダー樹脂)においては、付与された着色組成物の液滴の形状安定性や基盤に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の大きい重合体を含むことができる。ここでいう比較的分子量が大きいとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が大きいことをいう。比較的分子量の大きい重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。
重合反応性のない重合体としては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
それ自体が重合反応性を有する重合体としては、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、又は、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
この中で、ラジカル重合型プレポリマーは、市場において最も容易に入手でき、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類、ウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを例示できる。
本発明においては、着色組成物の粘度が高すぎて吐出ヘッドからの吐出性に悪影響を及ぼさないように、それ自体が重合反応性を有する重合体として用いられるエチレン性二重結合含有化合物の分子量は、重量平均分子量で100,000以下であることが好ましい。
前記比較的分子量の大きい重合体は、着色組成物の固形分全量に対して、通常、1〜50質量%の割合で配合することができる。
(2)熱硬化性バインダー樹脂
熱硬化性バインダー樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の大きい重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させたりするために、比較的分子量の小さい化合物とを併用することが好ましい。
比較的分子量の大きい重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と下記式(2)で表される構成単位の少なくとも1種とから構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 2009013338
式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数1〜12
の炭化水素基である。また、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導することができる。
Figure 2009013338
式(3)中、RおよびRは、式(1)におけるRおよびRと同じである。
式(3)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位の少なくとも1種として用いることにより、本発明における着色組成物から形成される画素に良好な硬度および透明性を付与することができる。式(3)において、Rは、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
式(3)において、Rとして好ましいのは水素原子又はメチル基であり、Rとして好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2009013338
式(4)中、Rは式(2)におけるRと同じである。
式(4)で表されるモノマーは、例えば、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いることができる。
式(4)において、Rとして好ましいのは水素原子又はメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、カラーフィルタの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
上記バインダー性エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み重量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比90:10以下であることにより、硬化の反応点の比率を多くすることができ架橋密度をより高くすることができる。一方、式(2)の構成単位の量が上記の比10:90以下であることにより、嵩高い骨格の比率を多くすることができ硬化収縮を抑制することができる。
また、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量が3,000以上であることにより、カラーフィルタの細部としての画素に要求される強度、耐溶剤性等の物性が良好になる。
更に、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000以下であることにより、粘度上昇を抑制することができ、吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が良好になる。また、長期保存の安定性が良好になる。
上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるグリシジルメタクリレート(GMA)/メチルメタクリレート(MMA)系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有していてもよい。
(重合開始剤)
本発明における着色組成物において、モノマー及びバインダー樹脂の重合反応を促進する目的で、重合開始剤を併用しても良い。重合開始剤は、着色組成物に用いるモノマー及びバインダーの種類、重合経路にあわせて選択することができる。
(1)アクリレート(メタクリレート)モノマー、光硬化性バインダー樹脂に好適な重合開始剤
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、光硬化性バインダー樹脂に好適な重合開始剤としては、画素部の重合を活性エネルギー線により行う場合には、光重合開始剤が用いられ、画素部の重合を熱により行う場合には、熱重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、例えば特開2006−28455号公報の段落番号[0079]〜[0088]に記載のものが挙げられ、好ましい具体例としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンが挙げられる。
また、熱重合開始剤としては、一般に知られている有機過酸化物系化合物やアゾ系の化合物を用いることができる。これにより、画素部の強度を向上させることが可能となる。また、熱重合開始剤の他にイミダゾールなどの硬化触媒を用いることもできる。有機過酸化物系化合物及びアゾ系の化合物は、1種単独で用いる以外に2種以上を併用することができる。ここで有機過酸化物は、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ有機化合物を言う。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。具体的には3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、メチルヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が好ましく、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール系化合物、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド系化合物、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル系化合物が好ましい。
また、前記アゾ系化合物としては、例えば特開平5−5014号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる化合物である。有機過酸化物系化合物又はアゾ系化合物(熱重合開始剤)の中でも、半減期温度の比較的高いもの(好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上)のものを使用すると、組成物の粘度が経時変化することなく好適に構成でき、例えば、アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が好ましい熱重合開始剤として挙げられる。
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、光硬化性バインダー樹脂に好適な光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤の含有量としては、着色組成物固形分量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。重合開始剤の含有量がモノマーに対して0.1質量%以上であれば重合開始剤としての効果を十分に発揮することができ、また10質量%以下であれば着色組成物の粘度の経時変化を抑制したり、重合開始剤の分解物による着色の発生を防いだりすることができる。
これらの開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(2)オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤
オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤としては、酸を発生させる化合物を挙げることができる。本発明における酸を発生させる化合物とは、着色組成物の吐出後に光、又は熱により酸を発生させうる化合物を意味し、吐出後の着色組成物の液滴中で、光及び/又は熱の作用によりブレンステッド酸、ルイス酸を発生するものであれば、いかなる化合物も使用することができる。
発生させる酸としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、硫酸、硫酸モノエステル、スルフィン酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、トリフルオロホウ酸、ホウ素錯体、アンチモン誘導体、ヘキサフルオロリン酸などを挙げることができる。
その中でも、前記オキセタニル基含有モノマー(オキセタン化合物)を光及び/又は熱により効果的に硬化させることのできる酸としては、塩酸、スルホン酸、又は、ホウ素原子若しくはリン原子を有する酸を発生させることが好ましく、リン原子を有する酸を発生させることが最も好ましい。
このような酸を発生させる具体的な化合物(光重合開始剤)としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物が挙げられ、中でもヨードニウム塩またはスルホニウム塩などのオニウム塩酸発生剤が好適に用いられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基を有するオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載された有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載された化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報等に記載の化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシル基、アリールオキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。より好ましくは、アルコキシル基が3置換以上、最も好ましくは、4置換以上置換されていることが好ましい。また、光による硬化性が良好なその他の好ましいジアリールヨードニウム塩の形態として、ジアリールの少なくとも1つが300nm以上に吸収を有するクロモフォアの一部を形成している。又は置換基として、300nm以上に吸収を有する官能基を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、熱分解性、安定性のバランス、また、増感剤などと併用した場合の光硬化性の観点から、トリアリールスルホニウム塩であり、ハロゲン原子、カルボキシ基などの電子吸引性基を少なくとも1つ有することが好ましく、更に好ましくは2置換以上、最も好ましくは3置換以上であることが好ましい。
また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩は、トリアリールの少なくとも1つが300nm以上に吸収を有するクロモフォアの一部を形成している。又は置換基として、300nm以上に吸収を有する官能基を有するトリアリールスルホニウム塩などが好ましい。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
前記オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤の含有量は、着色組成物に含有される全固形分に対し0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、より良好な感度と強固な硬化部を形成することができる。また、上記、酸を発生させる化合物は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
−硬化剤−
エポキシ系モノマー(エポキシ基含有モノマー)、熱硬化性バインダー樹脂には、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、エポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」2003年11月19日発行、第3章に記載の硬化剤、促進剤を好適に用いることが出来、例えば、多価カルボン酸無水物又は多価カルボン酸を用いることができる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテート、グリセリントリストリメリテートなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
また、本発明に用いることが出来る多価カルボン酸には、ビニルエーテルブロックカルボン酸を用いることが好ましい。具体的にはエポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」P193〜194、特開2003−66223号公報、特開2004−339332号公報、に記載のビニルエーテルブロックカルボン酸をあげることができる。カルボン酸をビニルエーテルでブロック化することで、カルボン酸とエポキシ化合物の付加反応(エステル化反応)が室温で徐々に進行し、着色組成物粘度が経時で上昇することを抑制することができる。また、各種溶剤やエポキシモノマー、エポキシ樹脂への溶解性が向上し均一な組成を作ることができる。このビニルエーテルブロックカルボン酸は後述の熱潜在性触媒と併用することが好ましい。熱潜在性触媒と併用することで加熱時に脱ブロック化反応が促進され、加熱時の膜ベリが少なく、より強度の高いカラーフィルタを形成することが出来る。
これら多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100質量部当たり、通常は1〜100質量部の範囲であり、好ましくは5〜50質量部である。硬化剤の配合量を1質量部以上とすることで、硬化性が良好となり、強靭な画素を形成することができる。また、硬化剤の配合量を100質量部以下とすることで、形成された画素の基板に対する密着性を良好にすることができるうえに、均一で平滑な画素を形成することができる。
(熱潜在性触媒)
また、本発明において、エポキシ基含有モノマー、熱硬化性バインダー樹脂を用いる場合には、画素の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。
具体的には、
(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合物。
(ロ)BF、FeCl、SnCl、AlCl、ZnClなどのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物。
(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物。
(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。
また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[RNR、スルホニウム化合物[RSR、オキソニウム化合物[ROR等を挙げることができる。尚、ここで、R〜Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基等を表す。
また、熱潜在性触媒は、液晶汚染性等の面から、ハロゲンフリーの酸性触媒であることが好ましい。ハロゲンフリーの酸性触媒として具体的には、ノフキュアーLC‐1およびノフキュアーLC‐2(いずれも商品名、日本油脂(株)製)を例示することができる。
(界面活性剤)
界面活性剤の例として、特開平7−216276号公報の段落番号[0021]や、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、着色組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
その他の添加剤としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
(着色組成物の物性値)
本発明において、着色組成物の物性値としては、20℃における粘度が2〜100mPa・sであることが好ましく、装置で吐出する際には着色組成物温度を20〜90℃の範囲でほぼ一定温度に保持することが好ましく、そのときの粘度が2〜30mPa・sとすることが好ましい。また25℃の表面張力としては10〜50mN/mが好ましく、装置で吐出する際には着色組成物温度を20〜90℃の範囲で略一定温度に保持することが好ましく、そのときの表面張力が20〜40mN/mとすることが好ましい。着色組成物温度を所定精度で一定に保持するためには着色組成物温度検出手段と、着色組成物加熱もしくは冷却手段、および検出された着色組成物温度に応じて加熱もしくは冷却を制御する制御手段を有することが好ましい。さらにあるいは、着色組成物温度に応じて着色組成物を吐出させる手段への印加エネルギーを制御することにより、着色組成物物性変化に対する影響を軽減する手段を有することも好適である。
また着色組成物が基板着弾後に濡れ拡がる形状を適正に保つためには、基板に着弾後の着色組成物物性を所定に保持することが好ましく、このためには基板もしくは、およびこの近傍を所定温度範囲内に保持することが好ましい。あるいは基板を支持する台の熱容量を大きくする等により、温度変化の影響を低減することも有効である。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、前記着色組成物を用いて作製したことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、前記着色組成物を用いて作製することにより、着色画素部の平坦性が優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルタは、具体的には、隔壁により区画された基板上の凹部に、インクジェット方式により前記着色組成物の液滴を付与する着色組成物付与工程と、少なくとも前記液滴を加熱処理する加熱工程とを含む製造方法により製造することが好ましい。
本発明のカラーフィルタを製造する製造方法は、好ましくは形成された少なくとも1色の着色層を活性エネルギー線の照射により硬化する硬化工程を更に有することができる。なお、前記隔壁は、着色組成物付与工程前に予め基板上に形成されたものであり、隔壁の形成方法の詳細については後述する。
−着色組成物付与工程−
着色組成物付与工程は、隔壁(濃色離画壁)により区画された基板上の凹部に、着色組成物の液滴を、インクジェット方式で付与して着色層を形成する。この着色層は、例えば、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素とすることができる。
着色層の形成は、後述のようにして基板上に形成された隔壁により区画された基板上の凹部に、着色画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するための着色組成物を侵入させて、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
カラーフィルタパターンの形状については、特に限定はなく、ブラックマトリクス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
本発明においては、インクジェット方式によって着色組成物の液滴が、隔壁により区画された基板上の凹部に付与される。インクジェット方式については後述する。
−基板−
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)ガラス)、石英ガラス、無アルカリガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)、合成樹脂フフィルム等が挙げられる。また、これらの基板上には、必要に応じて、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
−隔壁−
本発明では、基板上に形成された隔壁により区画された基板上の凹部に、インクジェット方式により着色組成物の液滴を付与して着色層が形成される。この隔壁はどの様なものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクス(BM)の機能を持った遮光性を有する隔壁であることが好ましい。該隔壁は公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020]や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
前記公知の作製方法の中でも、コスト削減の観点から感光性樹脂転写材料を用いることが好ましい。感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に少なくとも遮光性を有する樹脂層を設けたものであり、基板に圧着して、該遮光性を有する樹脂層を該基板に転写することができる。
感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフィルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フィルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層(本発明において「感光性樹脂層」とは光照射により硬化しうる樹脂をいい、それが遮光性を有するときには「遮光性を有する樹脂層」ともいい、目的の色に着色されているときには「着色樹脂層」ともいう。)/保護フィルムを、この順に積層した構成が挙げられる。
感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムや、転写材料の作製方法については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載のものが好適なものとして挙げられる。
また、前記隔壁は、着色組成物の混色を防ぐために、撥着色組成物処理を施してもよい。該撥着色組成物処理については、例えば、(1)撥着色組成物性物質を隔壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥着色組成物層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥着色組成物性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)隔壁の壁上面に撥着色組成物材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された隔壁にプラズマによる撥着色組成物化処理を施す方法が好ましい。
(濡れ性可変層)
本発明において、基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親着色組成物性の大きい着色組成物層形成領域を形成する工程の他の方法としては、カラーフィルタの透明基板上に、光触媒の作用により親着色組成物性が大きくなる方向に濡れ性を変化させる濡れ性可変層を形成し、当該濡れ性可変層の表面の所定領域内の濡れ性を露光により選択的に変化させて、周囲と比べて親着色組成物性の大きい着色組成物層形成領域を形成する方法を用いてもよい。具体的には、特開2006−284752号公報の段落番号[0113]〜[0121]等に詳しく記載されている。
−インクジェット方式−
本発明において、隔壁により区画された基板上の凹部に着色組成物の液滴が、インクジェット方式により付与される。本発明において用いられるインクジェット方式としては、帯電した着色組成物を連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的に着色組成物を噴射する方法、着色組成物を加熱してその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の、各種の方法を採用できる。
本発明のカラーフィルタは、RGB等の少なくとも3色の着色組成物を上記インクジェット方式により付与して、少なくとも3色の着色層からなる群で構成された形態が好ましい。
本発明においては、着色組成物付与工程での基板上への液滴付与の終了から後述する加熱工程における加熱処理の開始までの時間は30秒以上であることが好ましい。
前記時間が30秒以上の場合、形成される画素の平坦性が十分となり、表示装置を構成した場合に色むらが発生しにくい傾向がある。
−加熱工程−
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記着色組成物付与工程の終了後に、少なくとも付与された着色組成物の液滴を加熱処理する加熱工程を含むことが好ましい。
具体的には、液滴に含まれる溶剤を除去して着色組成物残部とした後に、前記着色組成物残部を加熱することで着色組成物残部を硬化させて着色層を形成することができる。この加熱工程は1段階で行うことも、多段階で行うことも可能である。
1段階での加熱とは、溶剤除去後、初めから完全に着色組成物を硬化させる所定の温度にて加熱することで、多段階での加熱とは初めは比較的低温で加熱を開始し順次加熱温度を上げて最終的に完全に着色組成物を硬化させる所定の温度で加熱することである。加熱方法としては、ホットプレート、電気炉、乾燥器等による加熱、あるいは赤外線を照射することによる加熱が挙げられるが、これに限るわけではない。
この加熱工程の前に着色組成物残部を活性エネルギー線で硬化させる工程を行ってもよい。
加熱工程での加熱温度及び加熱時間は、着色組成物の組成や着色層の厚みに依存するが、一般に充分な画素強度、耐溶剤性、耐アルカリ性などを確保する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法において、前記着色組成物付与工程から加熱工程までを、24時間以内で行う事が好ましく、12時間以内で行う事がより好ましく、6時間以内に行う事がさらに好ましい。着色層が形成された後、最終の硬化工程(加熱工程)まで長時間放置しないことにより、着色組成物中の顔料の凝集や各種バインダー等の析出が抑制され、画素の面状が良化する。
上記のように着色領域(着色画素)及び隔壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色領域及び隔壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R、G、B等の着色領域及び隔壁を保護すると共に表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは設けないことが好ましい。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、既述のカラーフィルタの製造方法により作製されたものであり、例えば、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく好適に適用できる。本発明のカラーフィルタにおいては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)、紫色(V)等の色画素の少なくとも一つが本発明のカラーフィルタの製造方法により形成されていればよい。
<表示装置>
本発明の表示装置としては既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などをいう。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなどさまざまな部材から構成される。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行 )」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明の表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。前述したようなカラーフィルタを用いることを特徴とし、これにより、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有することができ、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の表示装置等にも好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
[実施例1]
[隔壁形成用の濃色組成物の調製]
まず表1に記載の量のK顔料分散物1と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、攪拌しながら、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、フェノチアジン、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって濃色組成物K1を得た。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・顔料分散剤(下記化合物1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
Figure 2009013338
<バインダー1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
Figure 2009013338
Figure 2009013338
−隔壁の形成−
(感光性転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方Cからなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る酸素遮断層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記表1に記載の濃色組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に、乾燥膜厚が6.0μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの酸素遮断層と、乾燥膜厚が2.5μmの感光性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフイルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と酸素遮断層とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性転写材料K1を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方C>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを
2当量脱水縮合した化合物(新中村化学(株)製BPE−500) 9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
<酸素遮断層用塗布液:処方P1>
・PVA205(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(BASF社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
(隔壁の形成)
無アルカリガラス基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記感光性転写材料K1の保護フィルムを剥離後、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量90mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を純水で100倍に希釈したもの)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、マトリックス状ブラック(K)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で1000mJ/cmの光でポスト露光し、更に、該基板に対して該樹脂層と反対側から超高圧水銀灯で1000mJ/cmの光でポスト露光し、その後、220℃、30分熱処理し、隔壁を形成した。
〔撥インク化プラズマ処理〕
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
(条件)
使用ガス :CF
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
−顔料分散液の調製−
ブロム化フタロシアニングリーン(C.I.Pigment Green36、商品名:Rionol Green 6YK、東洋インキ製造(株)製)に顔料分散剤ソルスパース24000GR(日本ルーブリゾール(株)製)、C.I.Pigment Yellow 150(商品名:Bayplast Yellow 5GN 01、バイエル株式会社製)及び溶剤(1,3−ブタンジオールジアセテート)(以下1,3−BGDAと略す。)を下記の表2に示す如く配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで9時間分散し、G用顔料分散液(G1)を調製した。G用顔料分散液(G1)において、顔料及びその他の成分を表2に示す如く配合した以外はG用顔料分散液(G1)と同様にして、G用顔料分散液(G2)、R用顔料分散液(R1)、(R2)、(R3)、(R4)、B用顔料分散液(B1)、(B2)を調製した。
Figure 2009013338
次いで、下記表3に示す処方のとおり、溶剤、モノマー、バインダー、界面活性剤成分、熱重合禁止剤を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液を調製した。
次に、R用顔料分散液(R1)及びR用顔料分散液(R2)を混合した混合液を撹拌しながら、前記モノマー液をゆっくりと添加し、25℃で30分間撹拌し、R用インクジェットインク(インクR−1)を調製した。
以下同様に、G用インクジェットインク(インクG−1)、B用インクジェットインク(インクB−1)各色インクを調製した。
用いた素材の詳細を示す。
・C.I.Pigment Red 254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・C.I.Pigment Red 177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 製)
・C.I.Pigment Green 36(商品名:Rionol Green6YK、東洋インキ製造(株)製)
・C.I.Pigment Yellow 150(商品名:Bayplast Yellow 5GN 01、バイエル株式会社製)
・C.I.Pigment Blue 15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製)
・C.I.Pigment Violet 23(商品名:Hostaperm Violet RL−NF、 クラリアントジャパン(株)製)
・DPHA(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)
・界面活性剤2:下記構造物2の1%1,6−HDDA溶液
・界面活性剤3(商品名:ソルスパース20000 日本ルーブリゾール(株)製)
・アクリル樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40質量%)
・1,3−BGDA(1,3−ブタンジオールジアセテート;沸点232℃、n=3、総炭素数7)
・1,6−HDDA(1,6−ヘキサンジオールジアセテート;沸点260℃、n=6、総炭素数10)
・1,8−ODDA(1,8−オクタンジオールジアセテート;沸点280℃、n=8、総炭素数12)
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート;沸点247℃)
・ソルスパース22000(日本ルーブリゾール(株)製)
・ソルスパース5000(日本ルーブリゾール(株)製)
・エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・バインダー性エポキシ樹脂(グリシジルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート=6/4モル比のランダム共重合物 分子量9600)
・カルボキシル基ブロック化トリメリット酸(n−プロピルビニルエーテルでトリメリット酸のカルボキシル基をブロック化したもの。固形分69.9%、溶剤シクロヘキサノン)
[カルボキシル基ブロック化トリメリット酸の合成]
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、シクロヘキサノン14.5質量部、1,2,4−トリメリット酸31.4質量部、n−プロピルビニルエーテル54.1質量部を仕込み、攪拌しながら加熱し70℃に昇温した。次いで、70℃の温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が3以下になったところで反応を終了し、カルボキシル基ブロック化トリメリット酸が得られた。
Figure 2009013338
Figure 2009013338
Figure 2009013338
−インクジェット方式による画素部の形成―
本実施例では上記で作製したインクジェットインクR−1、G−1、B−1を用い、インクの打滴を以下の形態で行った。
3色のインクジェットヘッドとしてDimatix社製SX−3を3個具備したヘッド部を有し、吐出制御装置として専用のピエゾ駆動回路およびステージ制御専用回路を有するインクジェットインク打滴装置を用いてインクの打滴を行った。SX−3はオンデマンド型ピエゾ駆動のヘッドであって、一つのヘッドに128のノズルが508μmの間隔で配置されている。
ピエゾを駆動するにあたり、電圧の中心値を50V、パルス幅を8マイクロ秒として、前述の飛翔形状観察及び吐出量計測により、各々のノズルからの吐出量の差が2%以内となるようにノズルごとの電圧を調整した。吐出量の中心値は8ng/滴であった。
上記工程で作製した基板を専用自動2次元移動ステージ上に固定された基板台に載置した。
ヘッドと基板の間隔は500μmに調整されており、ヘッドのピエゾが駆動されてからインク滴が形成され、基板に着弾するまでの時間は約63μ秒であった。
基板上の画素のサイズは、X方向が300μm、Y方向が100μmであって、X方向に対してヘッドを53.8度傾けることにより、Y方向の見かけ上のノズル間隔が300μmとなるように調整した。
ピエゾは連続打滴する場合の駆動周波数を10KHzに設定されており、基板を8.2cm/秒の等速度で移動させて画素のX方向270μmの区間内に33滴264ngを打滴した。
更に、基板を移動させて複数の凹部に上記条件でインクを打滴した。
この後、ホットプレートで90℃2分間加熱乾燥させた後、220℃オーブン中で30分加熱処理することで隔壁、画素ともに完全に硬化させカラーフィルタを作製した。このとき、インク打滴終了から最初の加熱乾燥までに要した時間を、30秒、600秒と変化させて、カラーフィルタをそれぞれ作製した。
<表示装置の作製>
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びに隔壁の上に更に、ITO(IndiumTinOxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
前記ITOの透明電極上の隔壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた隔壁外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、実施例の液晶表示装置1とした。
[実施例2〜4、比較例1、2]
実施例1におけるインクジェットインクの調製において、各インクの組成を上記表3、表4に示した組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインク(R−2、G−2、B−2)、(R−3、G−3、B−3)、(R−4、G−4、B−4)、(R−5、G−5、B−5)及び(R−6、G−6、B−6)を調製した。
実施例1のインクジェット方式による画素部の形成において、インクジェットインク(R−1、G−1、B−1)の代わりに、上記インクジェットインク(R−2、G−2、B−2)、(R−3、G−3、B−3)、(R−4、G−4、B−4)、(R−5、G−5、B−5)及び(R−6、G−6、B−6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ及び表示装置について以下の評価を行い、結果を表3、表4に示す。
<平坦性評価>
画素の形状を、非接触式表面形状測定装置 New View 6K(Zygo社製)を用いて観察し、表面形状のプロファイルを算出した。最も低い部分をA,最も高い部分をBとし、高低差(B−A)により平坦性の評価を以下の評価基準で行った。
−評価基準−
◎:B−A<0.1μm
○:0.1≦B−A<0.3μm
△:0.3≦B−A<0.6μm
×:0.6μm≦B−A
<色むら評価>
得られた赤色(R)の着色画素部を有するカラーフィルタを光学顕微鏡で1画素内の濃度ムラを確認した。
−評価基準−
○:反射像、透過像ともに色ムラが観察されない。
△:透過像では反射ムラが観察されないが、反射像に若干色ムラが観察される
×:透過像で色ムラが観察される。
<あふれの評価>
125μmX150μm4隅の曲率が25μmΦの開口部を有する線幅25μmの隔壁を有するガラス基板の開口部にインクを打滴し、ホットプレートで90℃2分間加熱乾燥させた後、220℃オーブン中で30分加熱処理し、硬化させた後に着色画素を顕微鏡で観察して、隔壁部分へのインクのあふれを評価する。
−評価基準−
◎:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量のx1.4倍の打滴量であふれに問題がない。
○:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量のx1.2倍の打滴量であふれに問題ない。
△:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量であふれに問題ない。
×:画素の平均高さが隔壁の高さと同じになる打滴量であふれが発生する。
表3、表4から明らかな通り、本発明の着色組成物を用いて形成したカラーフィルタは画素の平坦性に優れ、色むらの発生が少ないことが判る。また、本発明の着色組成物は隔壁部分へのあふれが抑制され、画素欠陥が発生しにくい特性を有することがわかる。

Claims (16)

  1. 色材、溶剤を含有し、該溶剤が下記一般式(1)からなるジオール誘導体を含有することを特徴とする着色組成物。
    一般式(1) A−C2n−B
    [一般式(1)中、C2nはnが5以上の整数である直鎖若しくは分岐アルキレン基を表す。Aはヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表し、Bは炭素数1〜6のアルコキシル基、又はアセトキシル基を表す。]
  2. 前記一般式(1)中のA,Bが共にアセトキシル基であることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記一般式(1)のnが12以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色組成物。
  4. 前記一般式(1)の総炭素数が9以上16以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 前記ジオール誘導体の沸点が240℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 前記色材が顔料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物。
  7. 前記顔料がC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:6、及びC.I.ピグメント・バイオレット23から選択される1種以上であること特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物。
  8. 顔料の数平均粒径が10〜100nmの範囲にあること特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物。
  9. 顔料分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色組成物。
  10. 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色組成物。
  11. 重合性モノマーを含有し、該重合性モノマーがアクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、オキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の着色組成物。
  12. バインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の着色組成物。
  13. 粘度が20℃で10〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の着色組成物。
  14. 表面張力が20〜40mN/mであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の着色組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて作製したことを特徴とするカラーフィルタ。
  16. 請求項15に記載のカラーフィルタを用いた表示装置。
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