JP5073239B2 - カラーフィルタ用インクジェットインク、並びにこれを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用インクジェットインク、並びにこれを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット法により液滴付与してカラーフィルタを構成する画素を形成するのに好適なカラーフィルタ用インクジェットインク、並びにこれを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
表示装置用カラーフィルタは、例えば、ガラス等の基板上に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等のドット状画像をマトリックス状に配置し、ドット状に設けられた画像と画像との間をブラックマトリックス等の濃色離画壁で隔離した構造を有している。
カラーフィルタを作製する方法には、従来から、(1)染色法、(2)印刷法、(3)着色した感光性樹脂液の塗布、露光、及び現像して着色されたパターン像を形成する方法(着色レジスト法)、(4)仮支持体上に形成されたパターン画像を順次、最終もしくは仮の基材上に転写する方法、(5)着色した感光性樹脂液を予め仮支持体上に塗布等して感光性着色層を形成しておき、この感光性着色層を最終もしくは仮の基材上に直接転写し、露光し、現像して着色されたパターン像を形成する方法(転写法)が知られている。加えて、インクジェット法を用いる方法も知られている。
これらの方法のうち、前記着色レジスト法は、位置精度高くカラーフィルタを作製できるが、感光層樹脂液の塗布にロスが多く、コスト的には有利とはいえない。また、前記インクジェット法によるのみでは、樹脂液のロスが少なくコスト的に有利であるものの、位置精度のよい画素が得られにくい傾向がある。
上記に対応して、ブラックマトリックスを着色レジスト法で形成し、その後にRGB等の着色パターン(画素)をインクジェット法を利用して形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、ガラス基板に対し濡れ性の良いインクを用いる場合には、インクに対して濡れ性の悪い物質で予め境界となる隔壁を印刷しておく方法や、ガラスに対して濡れ性の悪いインクを使う場合には、インクとの濡れ性の良い材料で予めパターンを形成しておき、インクが定着するのを助ける方法が開示されている。
しかしながら、ガラス基板や境界となる隔壁を親インク性や撥インク性に制御することは、画素間の混色やインクの濡れ性の制御には効果的であるが、画素部自体の形状が凸型や凹型になり、画素部の平坦性を得られないという問題がある。このような場合は、画素内での色濃度にバラツキを生じ、画像の表示品質が著しく劣る。
画素の平坦性を付与する方法として、例えば、画素を形成しようとする領域(画素形成領域)にインク受容層を設ける方法が提案されている。具体的には、インク受容時の膨張吸収効果により画素の平坦性が付与されること(例えば、特許文献2参照)、インク吸収層へインクを付与した後に熱プレス処理で表面の平坦性を得る方法(例えば、特許文献3参照)、加熱溶融硬化型樹脂組成物からなる受容層にインクを付与した後に加熱処理により受容層を溶融、硬化させて画素の平坦性を得る方法(例えば、特許文献4参照)が記載されている。しかしながら、これらの方法はいずれも、受容層内に付与されたインクの拡散が画素内で不均一なために、画素の平坦性はある程度得られるものの、画素内の色濃度のバラツキを解消することは困難である。
また、画素部に平坦化層を設け、画素部の平坦性を得る方法に関する開示があり(例えば、特許文献5参照)、基板側から露光し、画素の厚みに応じて平坦化層の硬化の度合いを調節して平坦性を付与する方法が記載されている。また、フィルム状の保護層を転写によって形成する方法に関する開示もある(例えば、特許文献6参照)。ところが、いずれにおいても前記同様に、画素内の色濃度のバラツキまでは解消することはできない。
上記以外に、画素の平坦性を付与するインクとして、着色顔料と体質顔料を有するインクが開示されており(例えば、特許文献7参照)、樹脂と顔料の重量比や着色顔料と体質顔料の重量比及びインク中の固形分についての記載がある。しかし、要求される平坦性の程度の点では不充分であった。
また、濃淡のインクを用いて画素内の濃度調節を行ないながら平坦性を付与する方法が開示されているが(例えば、特許文献8参照)、工程が煩雑になるうえ、充分な平坦性を得ることはできない。
画素部の乾燥状態を制御することで、平坦性を得る方法もある。具体的には、インクが乾燥する前に露光することで、画素部の平坦性が得られること(例えば、特許文献9参照)、インクの粘度が高いほど高温で乾燥する方法(例えば、特許文献10参照)、乾燥条件を画素の形状に合わせて調節する方法(例えば、特許文献11参照)が記載されている。しかしながら、特許文献9〜10の方法では充分な平坦性は得られず、特許文献11の方法では製造工程上は非現実的である。さらに、画素部の端が最高部の80%以上の厚みを有するカラーフィルタ(例えば、特許文献12〜13参照)や、基板との接触角の規定等が記載されたものもあるが(例えば、特許文献14〜15参照)、平坦性を得るには不充分である。
また、ノズルからインクを吐出するインクジェット法では、インクは、ノズル部での乾燥などに起因して吐出性を損なわない性状に構成されていることが重要である。
特開昭59−75205号公報 特開平8−304618号公報 特開2000−162425号公報 特開2001−66415号公報 特開平8−304619号公報 特開平10−197719号公報 特開平9−132740号公報 特開2004−177867号公報 特開平11−142641号公報 特開2002−372613号公報 特開2003−266003号公報 特開2002−148429号公報 特開2002−156520号公報 特開9−230123号公報 特開平7−35917号公報
上記のように、インクジェット法を利用してRGB等の着色パターン(画素)を形成する場合に、形成される画素の平坦性を向上させる技術については種々の検討がなされているものの、高度の平坦性を確保できるまでには至っていない。また、表示品質の点では、混色、白抜け、色ムラの発生を抑えることが重要である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、吐出安定性に優れると共に、平坦性が良好で、混色、白抜け、及び色ムラを抑えた画素形成を行ない得るカラーフィルタ用インクジェットインク、並びに、生産性が高く、画素の平坦性に優れ、画素内での混色、白抜け、及び色ムラを抑えた表示品質の良好なカラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 隔壁により区画された基材上の凹部へのインクジェット法による着色領域の形成に用いられるカラーフィルタ用インクジェットインクであって、隔壁との接触角が40°以上であり、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で50mPa・s以上2000mPa・s以下であり、固形分中に重合性モノマーを40質量%以上含み、前記重合性モノマーは、25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーを含み、重合性モノマー全体に占める、前記25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーの割合が、65質量%以上であるカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<2> 着色剤を更に含み、前記インク残部の全質量に占める前記着色剤の割合が20質量%以上であることを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
> 有機溶剤を更に含み、前記有機溶剤の含有割合が40質量%以上であることを特徴とする<1>又は>に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
> 基材上に遮光性の隔壁を形成し、前記隔壁で離隔された凹部に、前記隔壁との接触角が40°以上であって、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で50mPa・s以上2000mPa・s以下であり、固形分中に重合性モノマーを40質量%以上含み、前記重合性モノマーは、25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーを含み、重合性モノマー全体に占める、前記25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーの割合が、65質量%以上であるカラーフィルタ用インクジェットインクをインクジェット法により付与し画素を形成するカラーフィルタの製造方法である。
> 着色剤を更に含み、前記インク残部の全質量に占める前記着色剤の割合が20質量%以上であることを特徴とする<4>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
> 有機溶剤を更に含み、前記有機溶剤の含有割合が40質量%以上であることを特徴とする<又は<5>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
> (前記カラーフィルタ用インクジェットインクが有機溶剤を含む場合には、該有機溶剤を除去して)前記インク残部とした後に、前記インク残部に活性エネルギー線の照射及び/又は加熱を施す工程を有し、前記インク残部を重合硬化させて前記画素を形成することを特徴とする<>〜<>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
> <>〜<>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタである。
> <>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置である。
本発明によれば、吐出安定性に優れると共に、平坦性が良好で、混色、白抜け、及び色ムラを抑えた画素形成を行ない得るカラーフィルタ用インクジェットインク、並びに、生産性が高く、画素の平坦性に優れ、画素内での混色、白抜け、及び色ムラを抑えた表示品質の良好なカラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクについて詳細に説明すると共に、該カラーフィルタ用インクジェットインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置についても詳述する。
<カラーフィルタ用インクジェットインク>
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、画素と各画素を互いに離隔する遮光性の隔壁とを有するカラーフィルタを作製する場合に、予め基材上に設けられた隔壁により区画されている該基材上の凹部にインクジェット法によって液滴を吐出し、着色領域を形成するために用いられ、水との接触角が110°となる条件でプラズマ処理された隔壁との接触角を40°以上とし、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度(25℃)を40〜4000mPa・sとして構成したものである。
本発明のインクジェットインクにおいては、基準とする隔壁との間の接触角が40°以上であり、インク残部の粘度を40〜4000mPa・sの範囲に調整するので、画素内における混色、白抜け、及び色ムラの発生が抑えられると共に、画素の平坦性を効果的に向上させることができる。これにより、画素間の色差を解消でき、画素と隔壁(例えばブラックマトリクス)との間の段差が小さくなり、保護層等を付設することなく、画像表示させた際の表示品質を効果的に向上させることができる。また、インクジェット法により液滴付与する際の吐出安定性にも優れる。
本発明では、基準とする隔壁に対するカラーフィルタ用インクジェットインクの接触角を40°以上とする。
ここでの接触角は、カラーフィルタ用インクジェットインクが、下記の隔壁標準サンプルの隔壁表面に滴下されたインク滴の25℃での接触角であり、該接触角が40°以上であると、混色等の問題を回避することができる。
この接触角は、製造上は可能な限り大きいことが好ましく、接触角の上限値としては
150°程度である。中でも、接触角としては45°以上であることが好ましく、50°以上であることがより好ましい。
(隔壁標準サンプル)
上記隔壁標準サンプル(以下、単に「標準サンプル」ともいう)は、隔壁付基板に、隔壁と水との接触角が110°となる条件でプラズマ処理を施すことにより作製する。
接触角の測定は、プラズマ処理してから2時間以内に行う。
前記隔壁付基板としては、以下のようにして作製されたものを用いる。
〜隔壁付基板の作製〜
−隔壁形成用の濃色組成物K1の調製−
まず、下記「K顔料分散物1」25質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8質量部をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン53質量部、下記「バインダー1」9.1質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.002質量部、下記「DPHA液」4.2質量部、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン0.16質量部、及び下記「界面活性剤1」0.044質量部をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌することにより、濃色組成物K1を調製する。詳細な組成は以下に示す。
*K顔料分散物1
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35)…13.1%
・分散剤(下記化合物1)…0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合体、分子量3.7万)…6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53%
*バインダー1
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合体、分子量3.8万)…27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73%
*DPHA液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)…76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…24%
*界面活性剤1
・下記構造物1…30%
・メチルエチルケトン…70%
−隔壁の形成−
無アルカリガラス基板(以下、単位「ガラス基板」という。)をUV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、さらに超純水で超音波洗浄する。その後、ガラス基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させる。
ガラス基板を冷却後、23℃に温調し、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)にて、上記より得た濃色組成物K1を塗布する。引き続き、VCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させ、塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして、膜厚2.2μmの濃色感光層K1を形成する。
超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用い、濃色感光層K1が形成されたガラス基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と濃色感光層K1との間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cmでパターン露光する。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を100倍希釈したもの)にて23℃で80秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得る。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行ない、大気下にて露光量2500mJ/cmにて上面からポスト露光を行なって、光学濃度3.9の隔壁を形成し、隔壁付基板を得る。
〜プラズマ処理〜
以上で作製した隔壁付基板に、隔壁と水との接触角が110°となる条件でプラズマ処理を施すことで、「隔壁標準サンプル」が得られる。
プラズマ処理の条件としては、隔壁と水との接触角が110°となる条件であれば、特に限定はないが、例えば、以下のような条件が好適である。
−条件−
・装置 :カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置
・使用ガス :CF
・ガス流量 :80sccm
・圧力 :40Pa
・RFパワー:50W
・処理時間 :30sec
(接触角の測定)
接触角の測定は、前記隔壁標準サンプルの表面(具体的には、微細な隔壁パターンの群からなる画素領域を取り囲むようにして、該画素領域の周囲に設けられた幅5mmの額縁状パターンの表面)に、カラーフィルタ用インクジェットインクの液滴を滴下し、滴下後20秒経過時のこの液滴を光学顕微鏡写真(500倍)にて撮影し、撮影された写真から基材上の25℃における接触角θを求める方法により行なうことができる。
また、公知の接触角計を用いて、液滴の形状を観察することにより測定することもできる。例えば、協和界面科学(株)製の接触角計(CA−A)を用いて20メモリの大きさの液体試料をつくり、針先から液体試料を出して、前記隔壁標準サンプルにおける額縁状パターンの表面に触れさせ、該額縁状パターンの表面上に液体が移ると液滴ができ、この液滴を形成した後、20秒の液滴の形状を接触角計の覗き穴より観察し、接触角を求めることができる。
(インク残部の流動性)
本発明に用いられるインクジェットインクは、平均厚みを1mmとした状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件で8時間乾燥して得られたインク残部の粘度が25℃で40mPa・s以上4000mPa・s以下である。
前記インク残部の25℃における粘度は、50mPa・s以上3000mPa・s以下であることがより好ましく、50mPa・s以上2000mPa・s以下であることがさらに好ましく、50mPa・s以上1000mPa・s以下であることが特に好ましい。インク残部の粘度が上記範囲内であると乾燥後においても着色領域(画素)が流動性を有するため、平坦な画素を得ることができる。
本発明における「インク残部」とは、インクジェットインクを、平均厚みを1mmとした状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件で8時間乾燥して得られた残渣をいう。ここで、平均厚みとは、容器底面積とインク容積から計算で求めた厚みである。粘弾性測定装置を用いてインク残部の粘度を測定する場合、例えば、インクジェットインクを平均厚みが1mmとなるようにアルミ製の受け皿に入れ、45℃で8時間真空乾燥(0.67kPa)を行い、得られた残渣(インク残部)を薬サジを用いてアルミ皿から集めて試料に供することができる。粘弾性測定装置を用いた粘度の測定は、例えば、Jasco International Co.Ltd製の粘弾性測定装置DynAlyser DAS−100を用いて温度25℃、周波数 1Hzの条件で測定できる。
インク残部の粘度は、レーザーピックアップ法を用いて測定してもよい。レーザーピックアップ法とは、電場の変化に対するペースト状化合物の表面の応答速度から粘度を測定する方法のことである。上記レーザーピックアップ法を用いた測定法の例として、まず、カラーフィルタ用インクジェットインクをガラス板にスピナー塗布し、45℃で8時間真空乾燥(0.67kPa)を行い、これを測定試料とする。この試料のインク残部に強度の強い(0.6W程度)レーザー光を照射すると、試料界面は数nm程度の変形をする。変形量は非常に微小であるが、その中心付近の曲率は光を用いて検出できる程度に大きい。ここでは、試料界面に変形を誘起するポンプ光として倍波のYAGレーザーを用い、変形を検出するプローブ光として十分に強度の弱いHe−Neレーザーを用いる。同表面に照射されたプローブ光は、試料表面の変形曲率を受けて広がって帰ってくるので、この一部を切り出し、強度変化を見ることで表面の変形情報を得ることができる。
ポンプ光をステップ関数的にon/offすると、試料表面はそれに追随して持ち上がり、また元のフラットな状態へ戻る。粘性の高い試料ではこの変形に時間を要すため、変形速度より粘性を測定する。また変形量そのものは主に表面張力によって決定されるので、信号強度の変化より粘度情報を得ることができる。
インク残部の粘度(25℃)を、40mPa・s以上4000mPa・s以下とするには、下記方法が挙げられる。
例えば、後述する重合性モノマーを併用し、併用する重合性モノマーとしてより低粘度のモノマーを選択して用いる方法が挙げられる。また、バインダー成分として、高分子量や高極性の樹脂の含有量を減らし、インク中の高粘度成分を少なくする方法や、顔料に最適な分散剤を選択し、顔料分散液の粘度を低下させる方法、等が挙げられる。これらの中でも特に、低粘度の重合性モノマーを用いる方法が有効であり、画素の膜強度を付与する点で、重合性基を3つ以上有する3官能以上の重合性モノマー、特に25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーを用いた方法が好ましい。
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、好ましくは着色剤、有機溶剤、重合性モノマーを含み、更に必要に応じて、顔料分散剤、重合開始剤を用いて構成することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを構成する成分を説明する。
(着色剤)
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、着色剤の少なくとも一種を含有することが好ましい。この着色剤としては、有機顔料、無機顔料、染料など、公知のものを使用できるが、充分な透過濃度や耐光性、基板への密着性、その他の諸耐性が要求される点から、種々の有機顔料が好適である。
着色剤の具体例としては、特開2005−17716号公報の段落番号[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報の段落番号[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報の段落番号[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。これらの中でも、画素の保存安定性の点から、顔料が特に好ましい。
着色剤の含有量は特に限定されるものではないが、所望の色相、濃度を得る観点から、インク残部に占める着色剤の割合として、20質量%以上が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、25〜60質量%が更に好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
本発明において、併用するのが好ましい前記顔料の組み合わせとしては、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、60質量%以上が好ましく、特に70質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
顔料の粒径としては、数平均粒径で0.001〜0.1μmが好ましく、更に0.01〜0.08μmが好ましい。顔料の数平均粒径が、0.001μm未満であると粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなることがあり、また、0.1μmを超えると顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。
なお、ここでいう「粒径」とは、粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円で表したときの直径をいい、また、「数平均粒径」とは、多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
顔料は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と有機溶剤と(好ましくは後述する顔料分散剤と)を予め混合して得られる組成物を、公知の分散機を用いて分散させることによって調製することができる。この際に、顔料の分散安定性を付与するために、少量の樹脂を添加してもよい。また、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述するモノマーに添加して分散させることによって調製することも可能である。
前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
(有機溶剤)
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、有機溶剤の少なくとも一種を含有することが好ましい。有機溶剤としては、アルコール等の水溶性有機溶剤、及びエステルやエーテル等の非水溶性有機溶剤が挙げられる。
溶剤が水溶性有機溶剤の場合は、重合性モノマーやバインダー成分を併用するときにはこれらは水溶性であることが必要である。水溶性のバインダーや重合性モノマーは、極性基を有するため、水溶性有機溶剤を除去した後のインク残部の粘度が高くなりやすく、カラーフィルタの画素形状を平坦化することが困難になることがあるため、非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非水溶性有機溶剤としては、特に制限はないが、沸点が低くインクジェットインク中からの除去が容易な有機溶剤は、通常インクジェットヘッドでも蒸発しやすいため、ヘッド上でのインクの粘度上昇等を容易に引き起こし、吐出性の悪化を伴なう場合が多いため、インクジェットヘッドでのインクの乾燥を防止する観点から、常圧での沸点が160℃以上の有機溶剤を少なくとも含んでいることが好ましい。
有機溶剤がカラーフィルタ用インクジェットインク中に占める割合は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
有機溶剤の割合が前記範囲内であると、1画素を形成する領域に打滴されるインク量を確保することができ、画素内でインクが良好に濡れ広がって平坦性に優れた画素形成が行なえる点で有効である。
また、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、含有する有機溶剤の50質量%以上が、760mmHg(101.3kPa)で160℃以上の沸点を有する化合物で構成されることが好ましい。
760mmHg下で160℃以上の沸点を有する有機溶剤としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0031]〜[0037]に記載の高沸点溶媒やアルキレングリコールアセテート、アルキレングリコールジアセテート等が挙げられる。中でも、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1,3−ブタンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
また、有機溶剤の沸点の上限は、インクジェット法によりインクジェットインクを吐出してカラーフィルタを作製することができる限り、特に制約されるものではないが、インクの調製工程及びカラーフィルタの作製工程における操作性の観点からみると、沸点が290℃以下、好ましくは280℃以下の、常温(20℃)で比較的低粘度の液体である有機溶剤が望ましい。
(重合性モノマー)
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、重合性モノマーの少なくとも一種を用いて構成することができる。重合性モノマーとしては、活性エネルギー線及び/又は熱により重合反応が可能であれば特に限定されるものではなく、単官能モノマー及び2つ以上の重合性基を有する多官能モノマーのいずれも用いることが可能である。
中でも、膜の強度や耐溶剤性等の点から、2つ以上の重合性基を有する多官能モノマー(2官能以上の重合性モノマー)が好ましく、3つ以上の重合性基を有するモノマー(3官能以上のモノマー)がより好ましく、3官能以上のモノマーの中でも、25℃での粘度が700mPa・s以下の3官能以上のモノマーが好ましく、特に好ましくは、25℃での粘度が200mPa・s以下の3官能以上のモノマーである。
重合性モノマー全体に占める3官能以上のモノマーの割合は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上限としては70質量%が好ましい。
重合性基の種類としては特に制限はないが、官能基数が増えることで重合性モノマー自身の粘度が上昇することから、官能基自身の粘度が低い方が好ましく、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基が特に好ましい。
3官能以上の重合性モノマーの具体例としては、特開2001−350012号公報の段落番号[0061]〜[0063]に記載の3官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号[0016]に記載の3官能以上のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の3官能以上のモノマー等が挙げられる。これらの中で、特に好ましいものとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
また、前記3官能以上のモノマーを2種以上併用することも可能である。
前記インク残部の粘度を低下させ、カラーフィルタを構成する画素での重合反応を促進する目的で、単官能モノマーや2官能モノマーを適宜併用してもよい。これらの単官能モノマーや2官能モノマーとしては、例えば、特開2001−350012号公報の段落番号[0065]に記載の単官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号[0015]〜[0016]に記載の単官能又は2官能のアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の1〜2官能のモノマー等が挙げられる。
また、膜の強度を補ったり、基板との密着を付与するために、25℃での粘度が700mPa・sを超える高粘度の多官能モノマーやウレタンアクリレート等の高極性モノマー、オリゴマー等を少量併用してもよい。
併用するうえで好ましい多官能モノマーや高極性モノマー及びオリゴマーとしては、特に制限はなく、汎用のものを適宜選択できるが、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート(例えば東亜合成(株)製のアロニクスM−1000、M−1200、M−1210、M−1600)、ポリエステルアクリレート(例えば、東亜合成(株)製のアロニクスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−7300K、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050)、等が挙げられる。
これらの併用してもよいモノマーの添加量は、インク残部の粘度が25℃で4000mPa・s以下になる範囲内で適宜調節することができる。
重合性モノマーのカラーフィルタ用インクジェットインク中における含有量としては、インク固形分中の20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。重合性モノマーの含有量が前記範囲内であると、画素の重合硬化が良好に行なえ、傷がつきにくい程度に画素の膜強度を高めることができ、ITO等の透明導電膜を付与する際にレチキュレーションが発生したり、配向膜を設ける際の耐溶剤性の不足を回避することができる。
(顔料分散剤)
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクには、着色剤(特に顔料)の分散安定性を確保するために、顔料分散剤を添加することが好ましい。
顔料分散剤を用いる場合の使用量は、カラーフィルタ用インクジェットインクの全質量に対して、0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜9質量%の範囲がより好ましく、0.1〜8質量%の範囲が特に好ましい。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体などが挙げられる。
さらに、顔料分散剤の具体例としては、特開2005−15672号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の例を好適なものとして挙げることができる。
(重合開始剤)
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクには、重合性モノマーの重合反応を促進する目的で、重合開始剤を併用してもよい。
重合開始剤としては、カラーフィルタを構成する画素の重合硬化を活性エネルギー線により行なう場合には光重合開始剤が好適であり、画素の重合硬化を熱により行なう場合には熱重合開始剤が好適に用いられる。
光重合開始剤としては、例えば、特開2006−28455号公報の段落番号[0079]〜[0088]に記載のものが挙げられ、好ましい具体例としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンが挙げられる。
熱重合開始剤としては、一般に知られている有機過酸化物系化合物やアゾ系化合物を用いることができる。これにより、画素の膜強度を向上させることが可能である。
また、熱重合開始剤の他に、イミダゾールなどの硬化触媒を用いることもできる。
有機過酸化物系化合物及びアゾ系化合物は、一種単独で用いる以外に二種以上を併用することができる。
前記有機過酸化物は、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ有機化合物をいう。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
具体的には、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、メチルヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が好適であり、より好ましくは、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール系化合物、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド系化合物、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル系化合物である。
また、前記アゾ系化合物としては、例えば、特開平5−5014号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる化合物である。
有機過酸化物系化合物又はアゾ系化合物(熱重合開始剤)の中でも、半減期温度の比較的高いもの(好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上)のものを使用すると、組成物の粘度が経時変化することなく好適に構成でき、例えば、アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が挙げられる。
重合開始剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤の含有量としては、重合性モノマーの量に対して、0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合硬化を良好に行なうのに有効であり、インクジェットインクの粘度が経時変化したり、重合開始剤の分解物による着色が問題になることもない。
また、前記重合開始剤以外に、インク残部が25℃で前記範囲内の粘度を維持し流動性を失わない範囲内で、バインダーや界面活性剤並びにその他の添加剤などを併用してもよい。
併用可能なバインダーの例としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0015]〜[0030]に記載のバインダー樹脂や、特開2001−350012号公報の段落番号[0041]〜[0050] に記載のバインダーなどが挙げられる。
また、界面活性剤の例としては、特開平7−216276号公報の段落番号[0021]や、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に記載の界面活性剤を好適なものとして挙げることができる。界面活性剤の含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインクの全質量に対して、5質量%以下が好ましい。
前記その他の添加剤としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基材上に遮光性の隔壁を形成し、前記隔壁で離隔された凹部に、インクジェット法によりカラーフィルタ用インクジェットインクを付与して画素を形成するカラーフィルタの製造方法であり、
前記カラーフィルタ用インクジェットインクを、前記隔壁との接触角が40°以上であって、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で40mPa・s以上4000mPa・s以下となるように構成したものである。
前記カラーフィルタ用インクジェットインクは、更に、着色剤及び/又は有機溶剤を含むことが好ましい。
ここで、カラーフィルタ用インクジェットインク、及び、隔壁と前記カラーフィルタ用インクジェットインクとの接触角については前述のとおりである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基材上に、(例えば色相の異なる2色以上の)画素群と、画素群を構成する各画素を互いに離隔する遮光性の隔壁とを有するカラーフィルタを作製するものであり、カラーフィルタを構成する隔壁で離隔されている凹部に、前記隔壁との接触角が40°以上であって、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で40mPa・s以上4000mPa・s以下であるカラーフィルタ用インクジェットインク(好ましくは本発明のカラーフィルタ用インクジェットインク)をインクジェット法により付与し、着色された画素を形成するようにしたものである。
本発明のカラーフィルタ及びその製造方法においては、上記の接触角及びインク残部の粘度を有するカラーフィルタ用インクジェットインク(好ましくは本発明のカラーフィルタ用インクジェットインク)で画素が構成されるので、基材上の凹部にインクジェット付与する際の吐出を安定的に行なえ、生産性を高め得ると共に、平坦性に優れ、混色、白抜け、色ムラの発生が抑えられた画素を有するカラーフィルタが得られ、ひいては表示装置を構成して画像表示したときの表示品質を効果的に向上させることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、隔壁により取り囲まれた凹部に、カラーフィルタ用インクジェットインクをインクジェット法により付与して着色層を形成する工程(以下、「着色層形成工程」ということがある。)を設けて構成することができ、好ましくは更に、形成された少なくとも1色の着色層を活性エネルギー線の照射により硬化する硬化工程や、少なくとも1色の着色層あるいは所望の色相の着色層の全てを形成した後に熱により硬化する硬化工程を設けることができる。また、必要に応じて、ベーク処理等の他の工程を設けて構成することができる。
なお、隔壁は、着色層形成工程前に予め基板上に形成されたものであり、隔壁の形成方法の詳細については後述する。
−着色層形成工程−
着色層形成工程は、基板上に設けられた隔壁(ブラックマトリクス等の濃色離画壁を含む)間で取り囲まれた凹部に、前記隔壁との接触角が40°以上であって、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で40mPa・s以上4000mPa・s以下であるカラーフィルタ用インクジェットインク(好ましくは本発明のカラーフィルタ用インクジェットインク)の液滴をインクジェット法で付与して着色層を形成する。この着色層は、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素を構成するものである。
なお、本工程で用いるカラーフィルタ用インクジェットインクの接触角、インク残部の粘度、成分等については、既述の通りである。
着色層の形成は、既述のように基板上に形成された隔壁で取り囲まれた凹部に、着色画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを、隔壁との接触角が40°以上となるようにして侵入させて、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
画素を形成する方法については、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、予め基板上に形成された透明な受像層の上に打滴する方法など、公知の方法を適用することができる。
カラーフィルタのパターン形状については、特に限定はなく、ブラックマトリックス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、更にはデルタ配列状であってもよい。
インクジェット法としては、帯電したインクジェットインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
インクジェットインクの射出条件としては、インクジェットインクを30〜60℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。インクジェットインクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こしやすいため、インクジェットインク温度をできるだけ一定に保つことが重要である。
インクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)には、公知のものを適用でき、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを用いることができる。これらの中でも、インクジェットインクに対する熱の影響を少なくすることができ、使用可能な有機溶剤の選択が広いこと等から、ピエゾヘッドの方がより好ましい。
また、ヘッドは、インクの温度が管理できるように温調機能を持つものが好ましい。
射出時の粘度は、5〜25mPa・sとなるように射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようにインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。ノズルの形状は、必ずしも円形である必要はなく、楕円形、矩形等の形状に制限されるものではない。ノズル径は、10〜100μmの範囲であることが好ましい。なお、ノズルの開口部自身は必ずしも真円とは限らないが、その場合、ノズル径は該開口部の面積と同等の円で表したときの径とする。
本発明のカラーフィルタは、RGB3色のインクをインクジェット法により順次吐出して打滴形成された3色の着色層からなる群(画素群)で構成された形態が好ましい。
−硬化工程−
本発明においては、吐出されたカラーフィルタ用インクジェットインクの液滴(インク滴)を(該インク滴に有機溶剤が含まれる場合は該有機溶剤を除去して)インク残部とした後に、該インク残部に活性エネルギー線を照射し、及び/又はインク残部を加熱する工程(以下、照射する工程を「第1の硬化工程」と、加熱する工程を「第2の硬化工程」ということがある。)を設けることにより、インク残部を重合硬化させて画素を形成してもよい。
例えば、インク残部の熱重合が開始する温度をT℃とした場合に、T℃未満の温度で予備加熱(以下、「予備加熱工程」ということがある。)を行なって(インク滴が有機溶剤を含む場合には該有機溶剤を除去して)インク残部とした後に、インク残部に活性エネルギー線を照射し、及び/又はインク残部をT℃以上の温度で加熱する工程を設けることにより、インク残部を重合硬化させて画素を形成するようにすることができる。
以下、上記の第1の硬化工程、第2の硬化工程、及び予備加熱工程について説明する。
〈第1の硬化工程〉
第1の硬化工程では、前記着色層形成工程で形成された少なくとも1色の着色層に活性エネルギー線を照射して重合硬化する。赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む各色の本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを重合硬化させることにより、硬化した画素を形成することができる。硬化は、1色の着色層を形成するごとに行なってもよいし、複数色の着色層を形成した後に行なうようにしてもよい。
R,G,B等のインクジェットインクの硬化は、インクの持つ感光波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発するエネルギー源を用いて重合硬化を促進する露光処理を施すことにより行なえる。
エネルギー源としては、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、又はイオンビームなど、既述の重合開始剤が感応するものを適宜選択して用いることができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性光線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間としては、重合性モノマーと重合開始剤との組合せに応じて適宜設定することができるが、例えば1〜30秒とすることができる。
〈第2の硬化工程〉
第2の硬化工程では、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む所望の色相の着色層の全てを熱により硬化する。上記したように、前記第1の硬化工程を設けると共に第2の硬化工程を設けるようにしてもよく、この場合にはカラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させることができる。なお、第2の硬化工程のみで硬化させることもできる。
本工程では、所望の色相からなる着色層及び隔壁を形成後に前記第1の硬化工程を行なった後、さらに加熱処理(いわゆるベーク処理)を行なって熱による硬化を施すことができる。すなわち、光照射により光重合した着色層及び隔壁が形成されている基板を、電気炉、乾燥器等に入れて加熱する、あるいは赤外線ランプを照射して加熱する。
このときの加熱温度及び加熱時間は、インクジェットインクの組成や画素をなす着色層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を確保する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを用いたカラーフィルタの製造方法においては、活性エネルギー線の露光及び/又は熱処理による画素の重合硬化を行なう前に、予備加熱工程を設けてもよい。
予備加熱工程における加熱温度には特に制限はないが、画素の熱重合が開始する温度をT℃とした場合、前記加熱温度としては、T℃未満であって画素の重合反応が起きない温度範囲が好ましく、50℃以上100℃以下の範囲がより好ましく、60℃以上90℃以下の範囲がさらに好ましい。予備加熱工程を設けることにより、インクジェット付与された着色層(画素)中に有機溶剤が含まれる場合には該有機溶剤の蒸発が促進され、カラーフィルタを効率的に作製することができるうえ、インク残部の粘度が熱により低下するためにより高い流動性が得られ、白抜け及び色ムラの発生が抑えられ、高い平坦性の画素を有するカラーフィルタを作製することが可能である。
前記予備加熱工程は、インク残部の粘度(25℃)が40〜4000mPa・sにあって流動性を有するインクであれば、画素が熱によって重合するインクのみならず、光によって重合するインクにおいても有効である。光によって重合するインクの場合、インクが熱重合を開始する温度Tは、熱によって光重合開始剤等が分解して重合反応が開始する温度又は、モノマー自体が熱によって分解し、重合反応が開始する温度を意味する。
予備加熱工程の時間には、特に制限はなく、好ましくは1〜5分間である。
前記温度Tは、以下のようにして求めることができる。
インクを加熱し、加熱前のインク粘度に対して、加熱によりインクの重合が開始し、インクのゲル化等が観察される温度をTとする。より具体的には、加熱後のインク粘度の上昇が5mPa・s以上の場合の加熱温度をTとする。
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを用いたカラーフィルタの製造方法においては、前記着色層形成工程から予備過熱工程、第1の硬化工程、第2の硬化工程までを、24時間以内に行なう態様が好ましく、12時間以内に行なう態様がより好ましく、6時間以内に行なう態様がさらに好ましい。着色層が形成された後、最終の硬化工程(第2の硬化工程)まで長時間放置されると、インク中の顔料の凝集や各種バインダー等の析出を生じやすく、形成される画素の面状が悪化することがある。
〜隔壁〜
本発明では、基板上に形成された隔壁により取り囲まれた凹部に、インクジェット法によりカラーフィルタ用インクジェットインクの液滴を付与して画素形成される。この隔壁は、いずれの形態に構成されたものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合には、ブラックマトリクスなどの遮光性を有するものであることが好ましい。
隔壁は、公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020]や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
前記公知の作製方法の中でも、コスト低減の観点から、感光性樹脂転写材料を用いた方法が好ましい。感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に少なくとも遮光性を有する感光性の樹脂層を設けたものであり、この樹脂層を基板面に貼り合わせて圧着し、該遮光性を有する感光性の樹脂層を基板上に転写することができる。
感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載の感光性樹脂転写材料、例えば一体型の転写フィルムを用いて形成することが好ましい。この一体型の転写フィルムの構成例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層(本発明において、「感光性樹脂層」は光照射により硬化し得る樹脂層をいい、遮光性を有するときには「遮光性を有する樹脂層」ともいい、所望色に着色されているときには「着色樹脂層」ともいう。)/保護フィルムの構造に積層された構成が挙げられる。
感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、及び保護フィルム、並びに転写材料の作製方法については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載されており、好適である。
また、隔壁には、インクジェット法により吐出されたインクジェットインク間の混色を防ぐために、撥インク処理を施してもよい。
撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を隔壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)隔壁に撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)基板上に形成された隔壁にプラズマ処理を施して撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)隔壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、中でも特に、(3)基板上に形成された隔壁にプラズマ処理を施して撥インク性を付与する方法が好ましい。
上記のように、画素(着色層)及び隔壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、画素及び隔壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R,G,B等の画素及び隔壁を保護すると共に、表面を平坦化することができる。但し、工程数が増える点からは設けないことが好ましい。
オーバーコート層は、樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性に優れ、カラーフィルタ形成用の光硬化性組成物の樹脂成分が一般にアクリル系樹脂を主成分として密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものやオーバーコート剤の市販品としてJSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されたものであり、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等を含む色画素の少なくとも一つが該製造方法により形成されていればよい。
カラーフィルタの用途には、特に制限はなく、例えば、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に好適である。
<表示装置>
本発明の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを用いて構成されたものである。本発明のカラーフィルタを備えるので、白抜けや色ムラなどによる表示ムラが抑制され、表示品質の良好な画像表示が可能である。
本発明の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが含まれる。
表示装置の定義や各表示装置の説明については、例えば、「電子ディスプレイデバイス」(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)、「ディスプレイデバイス」(伊吹順章著、産業図書、(株)平成元年発行)などに記載されている。
表示装置の中でも、液晶表示装置が特に好ましい。液晶表示装置の詳細については、例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術」(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)に記載されている。液晶表示装置には、特に制限はなく、例えば、前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている様々な方式の液晶表示装置に適用できる。
中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に構成されるのが有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば、「カラーTFT液晶ディスプレイ」(共立出版(株)、1996年発行)に記載されている。さらに、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−」(東レリサーチセンター調査研究部門、2001年発行)の43ページに記載されている。
液晶表示装置は、カラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなど、様々な部材を用いて構成される。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場」(島 健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)」(表 良吉、(株)富士キメラ総研、2003年発行)に記載されている。
本発明の表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)などの様々な表示モードを採用できる。
本発明のカラーフィルタは、上記した各種の表示装置に搭載することができ、例えばテレビやモニターに搭載したときに白抜けや表示ムラの発生が抑制され、広い色再現域と高コントラスト比を有する画像の表示を行なうことができる。また、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の表示装置等にも好適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。また、特に断りのない限り、「接触角」は、インクと隔壁(隔壁ベタサンプル)との接触角である。
(実施例1)
−隔壁形成用の濃色組成物K1の調製−
まず、下記表1(処方K1)に記載の量のK顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、下記表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌することにより、濃色組成物K1を調製した。なお、表1中の量は質量基準であり、詳細な組成は以下に示す。
*K顔料分散物1
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35)…13.1%
・分散剤(下記化合物1)…0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合体、分子量3.7万)…6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53%
*バインダー1
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合体、分子量3.8万)…27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73%
*DPHA液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)…76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…24%
*界面活性剤1
・下記構造物1…30%
・メチルエチルケトン…70%
−隔壁の形成−
無アルカリガラス基板(以下、単位「ガラス基板」という。)をUV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、さらに超純水で超音波洗浄した。その後、ガラス基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
ガラス基板を冷却後、23℃に温調し、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)にて、上記より得た濃色組成物K1を塗布した。引き続き、VCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させ、塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして、膜厚2.2μmの濃色感光層K1を形成した。
超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用い、濃色感光層K1が形成されたガラス基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と濃色感光層K1との間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を100倍希釈したもの)にて23℃で80秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行ない、大気下にて露光量2500mJ/cmにて上面からポスト露光を行なって、隔壁として光学濃度3.9のブラックマトリクスを形成し、隔壁付基板を作製した。
上記で得られた隔壁付基板は、隔壁により区画された150μm×450μmの長方形の開口部を有する基板である。また、該隔壁の膜厚は2μmで、ライン幅は30μmである。
−プラズマ撥インク処理−
次いで、隔壁(ブラックマトリクス)が形成された隔壁付基板に対し、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、下記条件で隔壁にプラズマ撥インク処理を行なった。
(条件)
・使用ガス :CF
・ガス流量 :80sccm
・圧力 :40Pa
・RFパワー:50W
・処理時間 :30sec
−顔料分散液の調製−
ブロム化フタロシアニングリーン(C.I.Pigment Green 36)に、下記分散剤A及び溶剤(1,3−ブタンジオールジアセテート;以下、1,3−BGDAと略記する)を下記表2に示すように配合し、プレミキシング後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)により直径0.65mmのジルコニアビーズを用いて、周速9m/sにて9時間分散し、G用顔料分散液(G1)を調製した。
続いて、前記G用顔料分散液(G1)の調製に用いた顔料及び顔料以外の成分を下記表2に示すように変更し配合したこと以外は、前記G用顔料分散液(G1)と同様にして、G用顔料分散液(G2)、R用顔料分散液(R1),(R2)、及びB用顔料分散液(B1),(B2)を調製した。
−画素用インクジェットインクの調製―
下記表3に示すように、1,3−ブタンジオールジアセテート(1,3−BGDA;沸点232℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;沸点146℃)、アロニクスM−309(トリメチロールプロパントリアクリレート、粘度:85mPa・s(at25℃)、東亜合成(株)製)、前記界面活性剤1、及び熱重合開始剤(V−40(アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル))、和光純薬(株)製)を混合し、25℃で30分間攪拌した後、不溶物が無いことを確認し、モノマー液とした。
次に、上記より得られたB用顔料分散液(B1)及び(B2)を混合して撹拌しながら、前記モノマー液をゆっくりと添加し、25℃で30分間撹拌してB用インクジェットインク(インクB−1)を調製した。
また同様にして、R用顔料分散液(R1),(R2)、G用顔料分散液(G1),(G2)をそれぞれ用いて、R用インクジェットインク(インクR−1)、G用インクジェットインク(インクG−1)を調製した。
−インク物性の測定−
調製したインクジェットインクの各々について下記の測定を行なった。測定結果は、下記表3に示す。
(1)インク粘度の測定
上記で得た各インクジェットインクの粘度を、東機産業(株)製のE型粘度計(RE−80L)を用いて以下の条件にて測定した。
(測定条件)
使用ロータ:1°34’×R24
測定時間 :2分間
測定温度 :25℃
(2)隔壁とインクとの接触角の測定
協和界面科学(株)製の接触角計(CA−A)を用い、20メモリの大きさの液体試料(インク試料)をつくり、針先から該インク試料を出して、下記の隔壁ベタサンプル(隔壁標準サンプル)に接触させることにより、下記の隔壁ベタサンプルの表面(具体的には、微細な隔壁パターンの群からなる画素領域を取り囲むようにして、該画素領域の周囲に設けられた幅5mmの額縁状パターンの表面)に、インク滴を形成し、インク滴形成後20秒経過時に、接触角計の覗き穴からインク滴の形状を観察し、25℃における接触角θを求めた。ここで、隔壁ベタサンプルとしては、後述のプラズマ処理から2時間の隔壁ベタサンプルを用いた。
−隔壁ベタサンプル−
前記(隔壁標準サンプル)で説明した方法により、隔壁ベタサンプルを作製した。プラズマ処理は、隔壁と水との接触角が110°となる条件(具体的には下記の条件)で行った。
−−条件−−
・装置 :カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置
・使用ガス :CF
・ガス流量 :80sccm
・圧力 :40Pa
・RFパワー:50W
・処理時間 :30sec
(3)インク残部の粘度の測定
各インクジェットインクを、平均厚み1mmとなるようにアルミ製の受け皿にそれぞれ入れ、風乾した後、45℃で8時間真空乾燥(0.67kPa)を行ない、薬サジを用いてアルミ皿から集めて試料とした。この試料を、JascoInternational Co.Ltd製の粘弾性測定装置DynAlyser DAS−100を用いて、測定温度25℃、周波数 1Hzにて測定した。
−インクジェット法による画素の形成−
次に、上記のインクR−1、G−1、B−1を用いて、上記で得たプラズマ撥インク処理後の隔壁付基板のブラックマトリクス(隔壁)で区画された凹状の領域(隔壁で囲まれた凹部)に、Dimatix社製のインクジェットヘッド(SE−128)を用いて所望の濃度になるまで各インクの吐出を順に行ない、R、G、Bの画素パターンを形成した。そして、この画素パターンを隔壁付基板と共に、ホットプレート上で90℃2分乾燥することにより、有機溶剤が含まれる場合には該有機溶剤を除去して、インク残部とした後に、隔壁付基板と共に、230℃オーブン中で30分間ベーク処理を行なって、ブラックマトリクス及び画素パターンがともに硬化されたカラーフィルタ1を得た。以下、R、G、Bの画素パターンが設けられた隔壁付基板を「カラーフィルタ基板」という。
−評価−
(1)画素部の平坦性の評価
カラーフィルタを構成する画素を非接触式表面形状測定装置New View 6K(Zygo社製)を用いて観察し、表面形状のプロファイルを算出した。そして、画素の最も低い部分を「A」とし、最も高い部分を「B」として高低差(B−A)を求め、高低差を指標に下記評価基準にしたがって平坦性の評価を行なった。なお、実用上許容可能な範囲は「○」以上である。
その結果、R、G、Bいずれの画素も「◎」であり、平坦性が非常に良好な画素が得られ、表面平滑なカラーフィルタ1を作製することができた。
[評価基準]
◎:B−A<0.1μm
○:0.1≦B−A<0.3μm
△:0.3≦B−A<0.6μm
×:0.6μm≦B−A
(2)混色、白抜けの評価
得られたカラーフィルタ1の混色、白抜けの評価は、光学顕微鏡による観察によって行った。
混色については以下のようにして評価した。
まず、前記「−インクジェット法による画素の形成−」において、Gヘッドの位置を画素開口部中心からx方向に1μmずらして(以下「着弾位置ずれ量」という)、G−1インクを打滴することにより、カラーフィルタを作製した。同様にして、上記ずれ量を2、3、・・・40μmとしたカラーフィルタをそれぞれ作製した。なお、x方向の開口部のサイズは150μmである。
上記で得られた40種類のカラーフィルタについて、それぞれ光学顕微鏡により、混色または隔壁表面のインク残りの発生有無を確認し、後述の評価基準に従って評価した。
白抜けについては、光学顕微鏡により100画素を観察し、白抜けが確認された画素数を数えることで評価した。
その結果、カラーフィルタ1はR、G、Bいずれの画素も○であり、混色、白抜けの発生が抑制されたカラーフィルタ1を作製することができた。
[評価基準]
○:混色又はインク残りが観察される着弾位置ずれ量が25μm以上であり、かつ、白抜けは観察されなかった。
△:混色又はインク残りが観察される着弾位置ずれ量が25μ未満で、白抜けが5箇所未満。
×:混色又はインク残りが観察される着弾位置ずれ量が25μ未満で、白抜けが5箇所以上。
−液晶表示装置の作製−
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素、並びにブラックマトリクスの上に更に、スパッタリングによりITO(Indium Tin Oxide)の透明電極を形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
次いで、カラーフィルタ基板側の透明電極上の、ブラックマトリクス(隔壁)の上方に位置する領域にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射し、その後さらに熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして液晶セルを得た。次に、得られた液晶セルの両面に(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付け、次いで、冷陰極管を用いたバックライトを構成して偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置1とした。
(実施例2)
実施例1で調製したインクB−1において、モノマー(アロニクスM-309)を下記表4に示すモノマー成分に変更したこと以外、インクB−1と同様にして、本発明のB用インクジェットインク(インクB−2〜B−7)、及び比較のB用インクジェットインク(インクB−8〜B−11)を調製した。
−画素の形成、並びに、平坦性、混色、白抜け、及び色ムラの評価−
上記のインクB−2〜B−11及び実施例1で調製したインクB−1を用いて、実施例1と同様にして、隔壁付基板にBlue画素を形成することにより、Blue単色のカラーフィルタを作製した。
得られたBlue単色のカラーフィルタについて、実施例1と同様の方法により、平坦性、混色、白抜けの評価を行なった。ここで、混色については、打滴されたインクが隣の画素にはみ出した場合に混色ありとみなして判断した。
さらに、以下に示す方法により色ムラの評価を行った。評価結果は下記表5に示す。
(色ムラの評価)
上記Blue単色のカラーフィルタを白色光にかざし、各カラーフィルタの面積10cm×10cmの範囲を、被験者10人に目視で観察させることにより、色ムラの評価を行った。評価基準を以下に示す。
[評価基準]
○:色ムラがあると認識した人数:0人
△:色ムラがあると認識した人数:1人〜2人
×:色ムラがあると認識した人数:3人以上
(実施例3)
実施例1のインクジェットインク(RGB)の調製において、顔料分散液及び他の成分を下記表6〜7に示すように変更して配合したこと以外、実施例1と同様にして、インクジェットインクR−2〜R−7、インクG−2〜G−7を調製した。
前記表6〜7中のバインダー3の詳細は以下の通りである。
*バインダー3
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=70/30[モル比])のランダム共重合物、分子量1.0万)…45%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…55%
上記のインクR−2〜R−7及びG−2〜G−7を用い、実施例1と同様にして、画素を形成し、平坦性の評価を行なうと共に、ITOスパッタ時のシワの発生の程度を以下に示す方法により評価した。評価結果は下記表8〜表9に示す。
(レチキュレーションの評価)
ITOの透明電極のスパッタ形成時におけるシワの発生の程度を目視により観察し、下記評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
5…シワが全く発生していなかった。
4…ほとんどシワが発生していなかった。
3…わずかにシワの発生が見られた。
2…部分的にシワの発生が見られた。
1…シワが大きく発生しており、画素に曇りが発生した。
前記表8に示すように、インクの残部粘度(25℃)を40〜4000mPa・sとした本発明では、良好な平坦性が得られた。また、前記表9に示すように、重合性基を3個以上有するモノマーを含有しない場合(インクR−5、G−5)では、ITOスパッタ時にレチキュレーションが悪化する傾向が見られた。
(実施例4)
実施例1のカラーフィルタ1及び液晶表示装置1の作製において、インクR−1、G−1、B−1をそれぞれ下記表10に示すように変更したこと以外、実施例1と同様にして、カラーフィルタ2〜8及び対応する液晶表示装置2〜8を作製した。
−評価−
上記より得られた液晶表示装置について、下記の評価を行なった。評価結果は下記表11に示す。
(画素内の色濃度のバラツキ評価)
R,G,Bの各単色画像を表示し、各色ごとに面積10cm×10cmの範囲における濃度ムラの程度を10人に観察させて下記の評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
○:濃度ムラがあると認識した人数:0人
△:濃度ムラがあると認識した人数:1人〜2人
×:濃度ムラがあると認識した人数:3人以上
(表示ムラの評価)
各液晶表示装置を白表示した場合と黒表示した場合とにおける表示ムラを下記の評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
○:白表示、黒表示ともに表示ムラは認められなかった。
△:黒表示では表示ムラが見られないが、白表示で表示ムラが認められた。
×:白表示、黒表示ともに表示ムラが認められた。
(実施例5)
−隔壁の形成−
(濃色感光性転写材料K2の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、この熱可塑性樹脂層上に下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて中間層を形成した。この中間層上にさらに、実施例1で調製した濃色組成物K1を塗布、乾燥させて感光性樹脂層を形成した。このようにして、仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2μmの感光性樹脂層とを積層し、その後さらに感光性樹脂層上に保護フィルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着した。
以上のようにして、仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と感光性樹脂層とが積層された濃色感光性転写材料を作製した。以下、これを「濃色感光性転写材料K2」と称する。
<熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1>
・メタノール … 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 6.36部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) … 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) …13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) … 9.1部
・前記界面活性剤1 … 0.54部
<中間層用塗布液の処方P1>
・PVA−205 … 32.2部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) … 14.9部
・蒸留水 …524部
・メタノール …429部
無アルカリガラス基板(以下、単位「ガラス基板」という。)に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。その後、この基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
シランカップリング処理後のガラス基板に、上記の濃色感光性転写材料K2から保護フィルムを除去して露出した感光性樹脂層の表面を前記ガラス基板の表面と接するようにして重ね合わせ、ラミネータLamicII型(株式会社日立インダストリイズ製)を用いて、ガラス基板にゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。続いて、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、PET仮支持体を除去した。PET仮支持体を除去後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、ガラス基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク表面と感光性樹脂層との間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、ポリプロピレングリコール、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、及びステアリルエーテルを合計で0.1質量%含有;商品名:T−PD2(富士写真フィルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水を11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaにてシャワー現像し、熱可塑性樹脂層及び中間層を除去した。引き続き、このガラス基板面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけてガラス基板上の液だまりを減らした。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士写真フィルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を用い、29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaにて感光性樹脂層をシャワー現像し、パターン像を得た。
続いて、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD1(富士写真フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈したものを用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、更にナイロン毛を有する回転ブラシによりパターン像を擦って残渣除去を行ない、隔壁を得た。
その後、上記の露光時に用いた露光機によりマスクを用いずに、このガラス基板に対して両面から3000mJ/cm2の露光量でポスト露光した後、220℃で15分間熱処理を行なった。
−撥インク材料を塗布する方法による撥インク処理−
次いで、下記の方法により撥インク処理を行なった。
隔壁の形成されたガラス基板の隔壁形成面側に、予めフッ素系界面活性剤(フロラードFC−430、住友3M(株)製)0.5質量%(下記感光性樹脂の固形分に対して)が内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ポジ型フォトレジストAZP4210、ヘキストシャパン(株)製)を、膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行なった。次いで、ガラス基板の隔壁が形成されていない側(裏面側)から110mJ/cm2(38mW/cm2 ×2.9秒)の露光量にて隔壁を介して露光した。続いて、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行ない、ガラス基板上の隔壁の上部に撥インク性樹脂層を形成した(既述した(4)の撥インク処理)。このとき、隔壁で取り囲まれた凹部の内外において表面エネルギー差が形成された。
撥水性樹脂層形成後の画素形成領域と隔壁との表面エネルギーは、離画壁(撥水性樹脂層上)で10〜15dyne/cm(10〜15×10−3N/m)であり、画素形成領域(ガラス基板上)で55dyne/cm(10〜15×10−3N/m)前後であった。
次いで、実施例1と同様にして、インクR−1、G−1、B−1を用いてR、G、Bの画素パターンを形成した。その後、この画素パターンを隔壁付基板と共にホットプレート上で90℃2分乾燥することにより有機溶剤を除去してインク残部とした後に、230℃オーブン中で30分間ベーク処理を行なって、ブラックマトリクス及び画素パターンがともに硬化されたカラーフィルタ9を得た。そして、カラーフィルタを構成する画素の平坦性を実施例1と同様の方法により評価したところ、R,G,Bともにカラーフィルタ1と同様に平坦性は良好であった。
さらに、このカラーフィルタ9を用いて実施例1と同様にして液晶表示装置9を作製し、この液晶表示装置9について実施例4と同様の評価を行なった。評価結果は下記表11に示す。
前記表11に示すように、本発明の液晶表示装置1〜6及び9では、色濃度のバラツキ及び表示ムラが少なく、表示画像の表示品質は良好であった。これに対し、比較の液晶表示装置7〜8では、色濃度のバラツキが大きく、表示ムラが顕著に認められ、表示画像の品質の点で劣っていた。
(実施例6)
実施例2におけるB−1インクを用いたカラーフィルタの作製において、プラズマ撥インク処理の処理時間を5secに代えた以外は実施例2におけるB−1インクを用いたカラーフィルタの作製と同様にして、比較用のBlue単色のカラーフィルタを作製し、評価を行った。評価結果を表12に示す。
表12からわかるように、隔壁とインクとの接触角が40°より小さい比較用のカラーフィルタは混色、白抜けが発生し、本発明のカラーフィルタに比べて品質が劣っていた。

Claims (7)

  1. 隔壁により区画された基材上の凹部へのインクジェット法による着色領域の形成に用いられるカラーフィルタ用インクジェットインクであって、
    水との接触角が110°となる条件でプラズマ処理された隔壁との接触角が40°以上であり、
    平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で50mPa・s以上2000mPa・s以下であり、
    固形分中に重合性モノマーを40質量%以上含み、
    前記重合性モノマーは、25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーを含み、
    重合性モノマー全体に占める、前記25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーの割合が、65質量%以上であるカラーフィルタ用インクジェットインク。
  2. 着色剤を更に含み、前記インク残部の全質量に占める前記着色剤の割合が20質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  3. 有機溶剤を更に含み、前記有機溶剤の含有割合が40質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  4. 基材上に遮光性の隔壁を形成し、前記隔壁で離隔された凹部に、前記隔壁との接触角が40°以上であって、平均厚み1mmの状態で5mmHg(0.67kPa)、45℃の条件にて8時間乾燥させて得られたインク残部の粘度が25℃で50mPa・s以上2000mPa・s以下であり、固形分中に重合性モノマーを40質量%以上含み、前記重合性モノマーは、25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーを含み、重合性モノマー全体に占める、前記25℃での粘度が700mPa・s以下である3官能以上の重合性モノマーの割合が、65質量%以上であるカラーフィルタ用インクジェットインクをインクジェット法により付与し画素を形成するカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記インク残部とした後に、前記インク残部に活性エネルギー線の照射及び/又は加熱を施す工程を有し、前記インク残部を重合硬化させて前記画素を形成することを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
  7. 請求項に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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