JP2008139496A - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び表示装置 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表示品質に優れる共に、パネル化の工程適性に優れ、信頼性の高いパネルが得られるカラーフィルタを、高い生産性で製造可能なカラーフィルタの製造方法、それにより得られたカラーフィルタ及び該カラーフィルタを備えた表示装置の提供。
【解決手段】隔壁を設けた基板上に、着色剤、有機溶剤、及びモノマーを少なくとも含有し、且つ、該モノマーの含有量合計が全固形分中の40質量%以上であり、該モノマー全量のうちの50質量%以上が4官能以上のモノマーであり、重合開始剤の含有量合計が全固形分中の5.0質量%以下であるインクを用いて、インクジェット方式により液滴付与して着色層を形成する工程と、着色層が形成された基板を200℃以上240℃以下の温度条件で20分以上60分以下加熱する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法、それにより得られたカラーフィルタ及び該カラーフィルタを備えた表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタの製造方法、それにより得られたカラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを備えた表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、大画面液晶テレビの発達、特に大画面液晶テレビの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、カラー液晶ディスプレイは高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタは、通常赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、及びBのそれぞれの画素に対応する電極を、ON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、及びBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示を行うものである。
従来のカラーフィルタの製造方法としては、例えば、染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を付与し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、及びBのカラーフィルタ層を形成する。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この顔料分散法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、及びBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、及びBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法、等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
上記の問題を解決したカラーフィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色インクを吹き付けして着色層(画素部)を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法により得られたカラーフィルタは、1画素の面内における平坦性が悪く、表示性能が良くないという欠点があった。また、液晶TV等の表示装置用のカラーフィルタを考慮した場合、特許文献1に記載の方法は、かかる用途に適用する際に必要な色度特性、ベーク条件、等が明示されておらず、この方法をそのまま用いて得られたカラーフィルタは、液晶TV等の表示装置用のカラーフィルタとしての性能が不充分であった。
特開平8−160219号公報
本発明は、前記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、表示品質に優れる共に、パネル化の工程適性に優れ、信頼性の高いパネルが得られるカラーフィルタを、高い生産性で製造可能なカラーフィルタの製造方法、それにより得られたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記実情に鑑み鋭意研究を行ったところ、特定のインクを用いてインクジェット法によりカラーフィルタの着色層を形成した後に、該着色層に対して加熱温度及び加熱時間を特定の条件に制御した加熱処理を行うことにより、前記課題を解決しうることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> 隔壁を設けた基板上に、着色剤、有機溶剤、及びモノマーを少なくとも含有し、且つ、該モノマーの含有量合計が全固形分中の40質量%以上であり、該モノマー全量のうちの50質量%以上が4官能以上のモノマーであり、重合開始剤の含有量合計が全固形分中の5.0質量%以下であるインクを用いて、インクジェット方式により液滴付与して着色層を形成する工程と、着色層が形成された基板を200℃以上240℃以下の温度条件で20分以上60分以下加熱する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<2> 前記インクが重量平均分子量10000以上の高分子化合物を含まないことを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<3> 前記モノマー全量のうち、50質量%以上が4官能以上6官能以下のモノマーである前記<1>又は<2>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 前記モノマー全量のうち、90質量%以上が3官能以上のモノマーである前記<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 前記モノマーの少なくとも1種は、重合性基がアクリロイル基又はメタクリロイル基である前記<1>乃至<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 前記着色剤が顔料であることを特徴とする前記<1>乃至<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 前記前記インク固形分中に占める前記着色剤の割合が、20質量%以上であることを特徴とする前記<1>乃至<6>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<8> 前記顔料が、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、及び、C.I.ピグメント・ブルー15:6からなる群より選択されるいずれか1種であることを特徴とする前記<1>乃至<7>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> 前記インクの全量に占める有機溶剤の割合が、40質量%以上であることを特徴とする前記<1>乃至<8>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
<10>
前記有機溶剤の50質量%以上が、760mmHg(101.3kPa)で160℃以上の沸点を有する有機溶剤であることを特徴とする前記<1>乃至<9>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> 界面活性剤を更に含有することを特徴とする前記<1>乃至<10>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<12> 前記<1>乃至<11>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたことを特徴とするカラーフィルタである。
<13> 前記<12>に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする表示装置である。
<14> 液晶表示装置であることを特徴とする前記<13>に記載の表示装置である。
<15> 前記液晶表示装置における液晶モードが、STN、TN、VA、IPS、及びOCBからなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする前記<14>に記載の表示装置である。
本発明によれば、表示品質に優れる共に、パネル化の工程適性に優れ、信頼性の高いパネルが得られるカラーフィルタを、高い生産性で製造可能なカラーフィルタの製造方法、それにより得られたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを備えた表示装置を提供するこができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法、それにより得られたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを備えた表示装置について詳細に説明する。
[カラーフィルタの製造方法、及び、それにより得られたカラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色剤、有機溶剤、及びモノマーを少なくとも含有し、且つ、該モノマーの含有量合計が全固形分中の40質量%以上であり、該モノマー全量のうちの50質量%以上が4官能以上のモノマーであり、重合開始剤の含有量合計が全固形分中の5.0質量%以下であるインク(以下、適宜「特定インクジェットインク」と称する。)を用いて、インクジェット方式により液滴付与して着色層を形成する工程(以下、適宜「着色層形成工程」と称する。)と、着色層が形成された基板を200℃以上240℃以下の温度条件で20分以上60分以下加熱する工程(以下、適宜「加熱処理工程」と称する。)と、を含むことを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタの製造方法(以下、適宜「本発明の製造方法」と称する。)により得られたカラーフィルタである。
本発明の製造方法は、着色層形成工程と加熱処理工程とを含むことにより、表示品質(色特性等)に優れる共に、パネル化の工程適性に優れ(即ち、耐ITOスパッタ性、耐溶剤性、等)に優れ、信頼性の高いパネル(即ち、表示ムラなどがない良好な表示品位のパネル)が得られるカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)を、高い生産性で製造することができる。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
〔着色層形成工程〕
本工程では、隔壁パターンを設けた基板上に、特定インクジェットインクを用いて、インクジェット方式により液滴付与して着色層を形成する。
以下では、まず、本工程に用いられる特定インクジェットインクについて詳述する。
<特定インクジェットインク>
本発明における特定インクジェットインクは、着色剤、有機溶剤、及びモノマーを少なくとも含有し、且つ、該モノマーの含有量合計が全固形分中の40質量%以上であり、該モノマー全量のうちの50質量%以上が4官能以上のモノマーであり、重合開始剤の含有量合計が全固形分中の5.0質量%以下であることを特徴とする。
特定インクジェットインクは、インク残部の粘度を前記範囲にする観点から、重量平均分子量10000以上の高分子化合物を含まないことが好ましい。
ここで、「重量平均分子量10000以上の高分子化合物を含まない」とは、インクの全固形分中0〜10質量%であることを意味する。
重量平均分子量10000以上の高分子化合物量は、インクの全固形分中、より好ましくは0〜5.0質量%であり、最も好ましくは0質量%である。平坦性向上の観点から、該高分子化合物量は少ない方が好ましく、インクの全固形分中0〜10質量%であると平坦な画素を形成できる。
更に、特定インクジェットインクは、インク残部の粘度を満足する範囲で、分散剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、界面活性剤、或いは、その他の添加剤を含有してもよい。
次に、本発明における特定インクジェットインク中の各成分について詳しく述べる。
(着色剤)
本発明の特定インクジェットインクに使用しうる着色剤は、有機顔料、無機顔料、染料など、公知のものを使用でき、充分な透過濃度や耐光性、基板への密着性、その他の諸耐性が要求されるため、種々の有機顔料が好適である。
着色剤の具体例としては、特開2005−17716号公報の[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報の[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報の[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。これらの中でも、着色剤としては、画素の保存安定性の点から、顔料が特に好ましい。
特定インクジェットインクにおける着色剤としては、表示装置に用いた場合に、高い色純度を達成できるという観点から、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、及び、C.I.ピグメント・ブルー15:6からなる群より選択されるいずれか1種の顔料であることが好ましい。
特定インクジェットインクにおける着色剤の含有量は、特に限定されるものではないが、所望の色相、濃度を得るという観点から、インク固形分中に占める着色剤の割合が10質量%以上であることが好ましく、20〜70質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
特定インクジェットインクに含有される着色剤は、1種のみであってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
顔料を併用する場合、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
本発明における好適な顔料であるC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、又は、C.I.ピグメント・ブルー15:6と、他の顔料とを併用する場合、全顔料中におけるC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、又はC.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は以下の通りである。
C.I.ピグメント・レッド254は、60質量%以上が好ましく、特に70質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は、50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
本発明で用いる顔料は、数平均粒径が0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料の数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料の分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなる傾向がある。また、顔料の数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。
尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、顔料と後述する顔料分散剤及び有機溶剤とを予め混合して得られる組成物を、公知の分散機を用いて分散させることによって調製することができる。この際に、顔料の分散安定性を付与するために、少量の樹脂を添加してもよい。また、顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する重合性モノマーに添加して分散させることによって調製することも可能である。
顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
(顔料分散剤)
本発明の特定インクジェットインクにおける着色剤として顔料を用いる場合には、顔料の分散安定性を得るために、顔料分散剤を添加することが好ましい。
顔料分散剤の使用量は、特定インクジェットインク中の顔料の全質量に対して、0.1〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜9質量%がより好ましく、0.1〜8質量%の範囲が特に好ましい。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体などを用いることができる。
また、顔料分散剤の具体例としては、特開2005−15672号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の例が、本発明も好適なものとして使用できる。
(モノマー)
特定インクジェットインクは、該インクの全固形分中、モノマーを40質量%以上含有する。
特定インクジェットインクに用いられるモノマーは、熱により重合反応可能であれば特に限定されるものではないが、膜減りや、膜の強度や耐溶剤性等の点から多官能であるモノマーがより好ましい。また、活性エネルギー線での重合能もつことも生産性の観点で好ましい。
モノマーが有する重合性基の種類としては特に制限はないが、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基等が挙げられる。この中でも、インクの経時安定性、インクジェット方式での吐出安定性、膜減りの小ささという観点からアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
インクの粘度が大きくなりすぎないという観点から、モノマーの分子量は3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下が特に好ましい。
特定インクジェットインクは、4官能以上のモノマーをモノマー全量のうちの50質量%以上含有する。インク中のモノマー含有量、官能基数の割合が上記の好ましい範囲内であると、インク打滴後のベーク工程での膜減り率が小さくなる。
また、モノマー全量のうちの、50質量%以上が4官能以上6官能以下のモノマーであると、インクの粘度が大きくなりすぎず、インクジェット方式によりインクを安定的に吐出でき、且つ、形成された画素部の平坦性が上がるという観点で好ましい。
さらに、モノマー全量のうちの90質量%以上が3官能以上のモノマーであることが、形成された画素部の平坦性が上がる観点から好ましい。
3官能以上の重合性モノマーの具体例としては、特開2001−350012号公報の段落番号[0061]〜[0063]に記載の3官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号0016に記載の3官能以上のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の3官能以上のモノマー等が挙げられる。これらの中で、特に好ましいものとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記3官能以上のモノマーを2種以上併用することも可能である。
4官能以上のモノマーの具体例としては特開2002−371216号公報の段落番号[0016]に記載の4官能以上のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の4官能以上のモノマー等が挙げられる。
これら4官能以上のモノマーの中で、特に好ましいものとしては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この他、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートやペンタエリスリトールテトラメタクリレートも特に好ましいモノマーである。
これら特に好ましい4官能以上のモノマーとして、例えば、UA−32P(新中村化学(株)製)、KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)、V#400(大阪有機(株)製)等が挙げられる。
特定インクジェットインクには、インク及びインク固形分の粘度を低下させる目的で、単官能モノマーや2官能モノマーを適宜併用してもよい。この場合、膜減りが小さいという観点から、2官能モノマーである方がより好ましい。これらの単官能モノマーや2官能モノマーとしては、例えば特開2001−350012号公報の段落番号[0065]に記載の単官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号0015〜0016に記載の単官能又は2官能のアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の1〜2官能のモノマー等が挙げられる。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、アルコール等の水溶性有機溶剤及びエステルやエーテル等の非水溶性有機溶剤が挙げられるが、下記理由から非水溶性有機溶剤が好ましい。
溶剤が水溶性有機溶剤の場合は、使用するバインダーやモノマーが水溶性である必要がある。これらの水溶性バインダーやモノマーは、極性基を有するため、水溶性有機溶剤を除去した後のインク固形分の粘度が高くなりやすく、カラーフィルタ画素の形状を平坦にすることが困難になる。
非水溶性有機溶剤としては特に制限はないが、沸点が低くインクジェットインク中からの除去が容易な有機溶剤は、通常インクジェットヘッド上でもすばやく蒸発するため、ヘッド上でのインクの粘度上昇等を容易に引き起こし、吐出性の悪化を伴う場合が多い。このため、本発明においては、インクジェットヘッドでのインクの乾燥を防止するため、常圧での沸点が160℃以上の有機溶剤を少なくとも含んでいることが好ましい。
これらの有機溶剤の特定インクジェットインクの全質量に占める割合は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。有機溶剤のインク組成物中に占める割合が40質量%より少ない場合は、1画素内に打滴するインク量が少なくなるため、画素内でのインクの濡れ広がりが不足し、形成された画素部の平坦性が悪化するという問題が発生する場合がある。
また、特定インクジェットインクは、含有する有機溶剤全体の50質量%以上が、760mmHg(101.3kPa)で160℃以上の沸点を有する有機溶剤であることが好ましい。該160℃以上の沸点を有する有機溶剤としては、特開2000−310706[0031]〜[0037]に記載の高沸点溶媒やアルキレングリコールアセテート、アルキレングリコールジアセテート等が挙げられ、中でもジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1,3−ブタンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
また、有機溶剤の沸点の上限は、特定インクジェットインクを用いてインクジェット方式によりカラーフィルタを製造することができる限り、特に制約されるものではないが、インクの調製程及びカラーフィルタの製造工程における操作性の観点からみると、沸点が290℃以下、好ましくは280℃以下の、常温(20℃)で比較的低粘度の液体である有機溶剤が望ましい。
(重合開始剤)
特定インクジェットインクは、モノマーの重合反応を促進する目的で、重合開始剤を含有してもよい。
重合開始剤としては、画素部の重合を活性光線により行う場合には、光重合開始剤が用いられ、画素部の重合を熱により行う場合には、熱重合開始剤が用いられる。
光重合開始剤としては、例えば、特開2006−28455号公報の段落番号[0079]〜[0088]に記載のものが挙げられ、好ましい具体例としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンが挙げられる。
熱重合開始剤としては、一般に知られている有機過酸化物系化合物やアゾ系の化合物を用いることができる。これにより、画素部の強度を向上させることが可能となる。また、熱重合開始剤の他にイミダゾールなどの硬化触媒を用いることもできる。有機過酸化物系化合物及びアゾ系の化合物は、一種単独で用いる以外に二種以上を併用することができる。ここで有機過酸化物は、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ有機化合物を言う。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。具体的には3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、メチルヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が好ましく、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール系化合物、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド系化合物、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル系化合物が好ましい。
また、前記アゾ系化合物としては、例えば、特開平5−5014号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる化合物である。有機過酸化物系化合物又はアゾ系化合物(熱重合開始剤)の中でも、半減期温度の比較的高いもの(好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上)のものを使用すると、組成物の粘度が経時変化することなく好適に構成でき、例えば、アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が挙げられる。
重合開始剤(光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤)の含有量としては、インクの全固形分量に対して、5.0質量%以下であり、好ましくは2.0質量%以下でより好ましくは0.5質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
重合開始剤の含有量は少ないほど好ましく、下限は0質量%である。該重合開始剤の含有量がインクの全固形分に対して5.0質量%以下であると、膜減り率が小さくなり好ましい。
重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(その他の添加剤)
また、上述した重合開始剤以外に、バインダーや界面活性剤やその他の添加剤などを併用してもよい。
併用するバインダーの例としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0015]〜[0030]に記載のバインダー樹脂や、特開2001−350012号公報の段落番号[0041]〜[0050]に記載のバインダーなどが挙げられる。
界面活性剤の例としては、特開平7−216276号公報の段落番号[0021]、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、特定インクジェットインクの全量に対して5質量%以下が好ましい。
上記以外の他の添加剤としては、特開2000−310706号公報の段落番号[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
<着色層の形成>
着色層形成工程では、以上説明した特定インクジェットインクを用いて、隔壁を設けた基板上に、インクジェット方式により液滴付与して着色層を形成する。具体的には、基板上に設けられた隔壁で離隔されている凹部に、特定インクジェットインクをインクジェット法により付与して、少なくとも1色の着色層を形成する。
以下、着色層形成工程における着色層の形成について説明する。なお、隔壁は、着色層形成工程前に予め基板上に形成されたものであり、当該隔壁の形成方法の詳細については後述する。
着色層形成工程では、隔壁間の凹部に、特定インクジェットインクをインクジェット法で液滴付与して着色層を形成する。この着色層は、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素となるものである。
着色層の形成は、既述のようにして基板上に形成された隔壁で取り囲まれた凹部に、着色画素(例えば、RGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを付与して、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
本発明に適用されるインクジェット法については、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、予め基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
カラーフィルタにおける画素パターンの形状については、特に限定はなく、ブラックマトリックス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
インクジェット法としては、帯電したインクジェットインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
インクジェットインクの射出条件としては、インクジェットインクを30〜60℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。インクジェットインクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こしやすいため、インクジェットインク温度をできるだけ一定に保つことが重要である。
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう。)には、公知のものを適用でき、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。
インクジェットヘッドとしては、ピエゾ駆動型ヘッドの他、他のインクジェットヘッド、例えば、熱駆動型ヘッドを用いてもよい。
ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。これらの中で、インクジェットインクの安定性に対する熱の影響や使用可能な有機溶剤の選択が広いことから、ピエゾヘッドの方がより好ましい。
インクジェットヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。ノズルの形状は必ずしも円形である必要はなく、楕円形、矩形等、形にはこだわらない。ノズル径は10〜100μmの範囲であることが好ましい。尚、ノズルの開口部自身必ずしも真円とは限らないが、その場合にノズル径とは該開口部の面積と同等の円を仮定しその径とする。
なお、インクジェットインクの射出の実施形態は、特に限定されるものではなく、隔壁を設けた基板を移動させて行ってもよいし、1次元方向にヘッドを、これと略直交する1次元方向に基板を移動させて行ってもよい。
本発明の製造方法により得られるカラーフィルタは、RGB等の少なくとも3色のインクを吹き付けて少なくとも3色の着色層からなる群で構成された形態が好ましい。
<隔壁を設けた基板>
本発明の製造方法においては、ガラス(例えば、ソーダガラス板、酸化ケイ素をスパッタしたガラス板、無アルカリガラス板、石英ガラス板等)、合成樹脂フィルム、紙、金属板等からなる基板上に、予め隔壁を設けた基板が用いられる。
この隔壁はどの様なものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する濃色隔壁(以下、単に「隔壁」とも言う。)であることが好ましい。
隔壁は、公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020] や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
隔壁の作製に関する公知の作製方法の中でも、コスト削減の観点からは、感光性樹脂転写材料を用いることが好ましい。感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に少なくとも遮光性を有する樹脂層を設けたものであり、基板に圧着して、該遮光性を有する樹脂層を該基板に転写することができる。
感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、即ち、一体型となったフィルムを用いて形成するものであることが好ましい。
一体型フィルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層(本発明において「感光性樹脂層」とは光照射により硬化しうる樹脂をいい、それが遮光性を有するときには「遮光性を有する樹脂層」ともいい、目的の色に着色されているときには「着色樹脂層」ともいう。)/保護フィルムを、この順に積層した構成が挙げられる。感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムや、転写材料の作製方法については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載のものが好適なものとして挙げられる。
また、隔壁には、インクジェットインクの混色を防ぐために、撥インク処理を施してもよい。撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を隔壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)隔壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された隔壁にプラズマによる撥インク化処理を施す方法が好ましい。
〔活性エネルギー線を照射して着色層を硬化する工程〕
本発明の製造方法は、前記着色層形成工程で形成された少なくとも1色の着色層に活性エネルギー線を照射して硬化する工程を有してもよい。本発明の必須工程である後述する加熱処理工程に先立ちこの工程を行うことによって、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させことができる。なお、本発明においては、この工程を行わずに後述する加熱処理工程のみを行ってもよい。
活性エネルギー線を照射して着色層を硬化する工程では、赤色(R)、緑色(G)、及び、青色(B)を含む各色の特定インクジェットインクを硬化させることにより、硬化した着色層を形成することができる。硬化は、1色の着色層を形成するごとに行なってもよいし、複数色の着色層を形成した後に行なうようにしてもよい。
R、G、B等の特定インクジェットインクの硬化は、インクの持つ感光波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発するエネルギー源を用いて重合硬化を促進する露光処理を施すことにより行なえる。
エネルギー源としては、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、又はイオンビームなど、既述の重合開始剤が感応するものを適宜選択して用いることができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性光線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間としては、重合性化合物と重合開始剤との組合せに応じて適宜設定することができるが、例えば、1〜30秒とすることができる。
〔加熱処理工程〕
本発明の製造方法においては、前記着色層形成工程又は前記活性エネルギー線を照射して着色層を硬化する工程に次いで、着色層が形成された基板を200℃以上240℃以下の温度条件で20分以上60分以下加熱する工程(加熱処理工程)を行う。
加熱処理工程は、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む所望の色相の着色層の各色が形成された後に逐次行ってもよいし、所望の色相の着色層の全色が形成された後に行ってもよい。
本発明における加熱処理工程が、本発明に係る特定の条件下で行われることにより、パネル化の工程適性(即ち、パネル化工程における耐ITOスパッタ性、耐溶剤性、等)に優れ、信頼性の高いパネルが得られるカラーフィルタを製造することができる。
加熱処理工程は、200℃以上240℃以下の温度条件で20分以上60分以下加熱することが必要であり、より好ましくは、210℃以上230℃以下の温度条件で25分以上50分以下加熱することである。加熱処理工程における加熱温度が高すぎた場合、及び/又は、加熱時間が長すぎた場合は、カラーフィルタの色変化が大きくなってしまう。
加熱処理工程に適用される加熱態様としては、電気炉、乾燥器、等に入れて加熱する態様、あるいは、赤外線ランプを照射して加熱する態様、等が挙げられ、適宜選択することができる。
なお、本発明の製造方法においては、前記加熱処理工程、又は、前記活性エネルギー線を照射して着色層を硬化する工程を行う前に、予備加熱工程を設けてもよい。
予備加熱工程における加熱温度は特に制限は無いが、画素部の重合が開始する温度をT℃とした場合に、T℃未満であり、画素部の重合が起きない温度が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましく、60℃以上90℃以下がさらに好ましい。
予備加熱工程を行うことで、画素部中の有機溶剤の蒸発が促進され、カラーフィルタを効率的に作製することができるため、より高い流動性が得られ、高い平坦性を有する画素部を備えたカラーフィルタを得ることが可能になる。
予備加熱工程は、高い平坦性を有する画素部が作製できるインクであれば、画素部が熱によって重合するインクのみならず、光によって重合するインクにおいても有効である。光によって重合するインクの場合、前記インクが熱重合を開始する温度Tは、熱によって光重合開始剤等が分解して重合反応が開始する温度又は、重合性モノマー自体が熱によって分解し、重合反応が開始する温度を意味する。
予備加熱工程の時間は特に制限が無いが、1〜5分間行うことが好ましい。
以上のようにして、本発明の製造方法によりカラーフィルタが製造される。
なお、本発明の製造方法によりカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)を製造した後に、耐性向上の目的で、着色層及び隔壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。オーバーコート層を設けることで、R、G、B等の着色層及び隔壁を保護すると共に表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは、設けないことが好ましい。
オーバーコート層は、樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の製造方法により製造されたものであり、例えば、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく好適に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有することができ、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の表示装置等にも好適に用いることができる。
[表示装置]
本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルタを備えたものであれば、特に限定されるものではない。例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが挙げられる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。
液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明の表示装置は、特にカラーTFT方式の液晶表示装置として有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置は、カラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行 )」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明の表示装置には、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。
本発明の表示装置が液晶表示装置である場合には、液晶表示モードとしては、STN、TN、VA、IPS、及びOCBからなる群から選択されるいずれかであることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」及び「部」は、「質量%」及び「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
[実施例1]
(濃色隔壁を設けた基板の作製)
濃色隔壁を設けた基板を以下のようにして作製した。
−隔壁形成用の濃色組成物の調製−
濃色組成物K1は、まず、表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー2、フェノチアジン、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤(下記化合物1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
Figure 2008139496
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
Figure 2008139496
Figure 2008139496
−隔壁の形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上述のように調製した濃色組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.3μmの濃色組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色組成物層K1との間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cmで隔壁幅20μm、スペース幅100μmにパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色組成物層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を100倍希釈したもの)を23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2500mJ/cmにて上面からポスト露光を行って、膜厚2.0μm、光学濃度4.0の隔壁を得た。
−撥インク化プラズマ処理−
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
使用ガス :CF
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
(顔料分散液の調製)
<G用顔料分散液(G1)>
ブロム化フタロシアニングリーン(C.I.Pigment Green36、商品名:Rionol Green 6YK、東洋インキ製造(株)製)に、前記化合物1及び溶剤(1,3−ブタンジオールジアセテート)(以下1,3−BGDAと略す。)を下記の表2に示す如く配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで25時間分散し、G用顔料分散液(G1)を調製した。尚、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、この顔料分散液の数平均粒径を測定した。
<その他の顔料分散液>
G用顔料分散液(G1)において、顔料及びその他の成分を表2に示す如く配合した以外は、G用顔料分散液(G1)と同様にして、G用顔料分散液(G2)、R用顔料分散液(R1)、R用顔料分散液(R2)、B用顔料分散液(B1)、B用顔料分散液(B2)を調製した。
Figure 2008139496
表2に記載される顔料の詳細を以下に示す。
・C. I. Pigment Red 254(商品名:Irgaphor Red B-CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・C. I. Pigment Red 177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・C. I. Pigment Yellow 150(商品名:Bayplast Yellow 5GN 01、バイエル株式会社製)
・C. I. Pigment Blue 15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製)
・C. I. Pigment Violet 23(商品名:Hostaperm Violet RL-NF、 クラリアントジャパン(株)製)
(画素用着色インクの調製)
次いで、下記表3に示す処方のとおり、溶剤、モノマー、バインダー、開始剤、界面活性剤成分を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液を調製した。
次に、G用顔料分散液(G1)、G用顔料分散液(G2)を撹拌しながら、前記モノマー液をゆっくりと添加し、25℃で30分間撹拌し、G用インクジェットインク(インクG1)を調製した。
なお、インクG1と同様にして、表3に示す各色インクを調製した。
Figure 2008139496
表3に示される、モノマー、重合開始剤、界面活性剤の詳細を以下に示す。
・PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;沸点146℃)
・DPHA(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)
・PTA(大阪有機(株)製、商品名:V#400)
・TMPTA(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD TMPTA)
・界面活性剤:前記界面活性剤1の欄に示した構造物1
・重合開始剤:(V−40(アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル))、和光純薬(株)製)
(インクジェット方式による着色層(画素部)の形成)
次に、上記記載のインクR1、インクG1、インクB1を用いて、前記濃色隔壁を設けた基板の隔壁で区分された領域内(凸部で囲まれた凹部)に、Dimatix社製インクジェットヘッド(SE−128)により、打滴量3.5plで所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、RGBからなる着色層(画素)を形成した(本発明の製造方法における着色層形成工程)。
得られた濃色隔壁及び着色層を有する基板を、220℃オーブン中で30分加熱処理し濃色隔壁及び着色層の双方をともに完全に硬化させた(本発明の製造方法における加熱処理工程)。
以上のようにして、実施例1のカラーフィルタ1を得た。
(ITO、配向膜の形成)
得られたカラーフィルタ1のR画素、G画素、及びB画素並びに濃色隔壁(ブラックマトリクス)の上に、更に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ1に設けた透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
前記ITOの透明電極上の隔壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
[実施例2]
実施例1において、加熱処理工程の加熱温度及び加熱時間を、220℃30分から210℃20分に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ2を作製した。得られたカラーフィルタ2上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[実施例3]
実施例1において、加熱処理工程の加熱温度及び加熱時間を、220℃30分から240℃20分に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ3を作製した。得られたカラーフィルタ3上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[実施例4]
実施例1において、加熱処理工程の加熱温度及び加熱時間を、220℃30分から210℃60分に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ4を作製した。得られたカラーフィルタ4には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[実施例5]
実施例1において、加熱処理工程の加熱温度及び加熱時間を、220℃30分から240℃60分に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ5を作製した。得られたカラーフィルタ5上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[比較例1]
実施例1において、加熱処理工程の加熱温度及び加熱時間を、220℃30分から190℃20分に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ6を作製した。得られたカラーフィルタ6上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[比較例2]
実施例1において、加熱処理工程の加熱温度及び加熱時間を、220℃30分から250℃20分に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ7を作製した。得られたカラーフィルタ7上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[比較例3]
実施例1において、インクR1、G1、B1を、インクR2、G2、B2に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ8を作製した。得られたカラーフィルタ8上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[比較例4]
実施例1において、インクR1、G1、B1を、インクR3、G3、B3に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ9を作製した。得られたカラーフィルタ9上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
[比較例5]
実施例1において、インクR1、G1、B1を、インクR4、G4、B4に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ10を作製した。得られたカラーフィルタ10上には、実施例1と同様にしてITO及び配向膜を形成した。
(カラーフィルタの評価)
実施例及び比較例の各カラーフィルタ(ITO及び配向膜を更に形成したもの)について、ホワイトの色温度、ITOスパッタ時のレチキュレーション(以下、ITOレチと略す)の発生、配向膜塗布後のクラックの発生、及び画素部の平坦性を評価した。結果を表4に示す。
<ホワイトの色温度>
ホワイトの色温度は、オリンパス(株)製の顕微分光光度計「OSP−SP200」でRGB画素のスペクトルを測定し、色温度12000Kの三波長例陰極管光源データで計算した。
<ITOレチの発生>
ITOレチは、オリンパス(株)製の微分干渉顕微鏡「MX50」により目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○ :細かい「しわ」等の発生は、全く認められなかった。
△○:細かい「しわ」等の発生が僅かに認められたが、実用上使用可能な程度であった。
△ :細かい「しわ」等の発生が少し認められた(△ は△○に比してやや程度が悪いことを表す。)。
× :細かい「しわ」等の発生が認められ、使用不可能な程度であった。
<配向膜塗布後のクラック発生>
配向膜塗布後のクラックは、オリンパス(株)製の微分干渉顕微鏡「MX50」により目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○ :クラックの発生は、全く認められなかった。
× :クラックの発生が認められ、使用不可能な程度であった。
<画素部の平坦性の評価>
上記にて得られたカラーフィルタを構成している画素部の形状を、非接触式表面形状測定装置 New View 6K(Zygo社製)を用いて観察し、表面形状のプロファイルを算出した。最も低い部分をA、最も高い部分をBとし、高低差(B−A)により平坦性の評価を以下の基準で行い、以下の評価基準で評価した。尚、評価は、カラーフィルタ中の任意のR画素100画素について行い、その平均値を算出した。
−評価基準−
○:B−A<0.3μm
△:0.3≦B−A<0.6μm
×:0.6μm≦B−A
Figure 2008139496
表4に示されるように、本発明の製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、色温度、ITOレチの発生、及び配向膜塗布後のクラックの発生、画素部の平坦性のいずれについても優れた結果が得られていることがわかる。この結果は、本発明のカラーフィルタは、色特性やパネル化の工程適性に優れたものであることを示しており、かかるカラーフィルタを適用したパネルは、信頼性の高いものとなるといえる。
[実施例6〜10、比較例6〜9]
実施例1〜5、比較例1〜5で作製したカラーフィルタ1〜10中、ITOレチの発生が無いか実用上使用可能な程度であり、且つ、配向膜塗布後のクラックの発生が無かったカラーフィルタ1〜5、7〜10を用いて、実施例6〜10、比較例6〜9の表示装置を以下に示すように作製した。
カラーフィルタ1〜5、7〜10を用いて、実施例1と同様にして、ITOからなる透明電極、配向膜等を形成し、次いで、画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に、エポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置1〜5、7〜10とした。
(表示装置の評価)
完成した液晶表示装置1〜5、7〜10を白表示した場合について、目視観察し評価した。結果を表5に示す。
<表示ムラの評価>
液晶表示装置の各々について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視にて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
−評価基準−
○:表示ムラは全く認められなかった。
△:表示ムラが僅かに認められた。
×:表示ムラが顕著に認められた。
Figure 2008139496
表5に示されるように、本発明のカラーフィルタ1〜5を備えた表示装置である、液晶表示装置1〜5(本発明の液晶表示装置)は、表示品質に優れた液晶表示装置であることが分かる。

Claims (15)

  1. 隔壁を設けた基板上に、着色剤、有機溶剤、及びモノマーを少なくとも含有し、且つ、該モノマーの含有量合計が全固形分中の40質量%以上であり、該モノマー全量のうちの50質量%以上が4官能以上のモノマーであり、重合開始剤の含有量合計が全固形分中の5.0質量%以下であるインクを用いて、インクジェット方式により液滴付与して着色層を形成する工程と、
    着色層が形成された基板を200℃以上240℃以下の温度条件で20分以上60分以下加熱する工程と、
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記インクが重量平均分子量10000以上の高分子化合物を含まないことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記モノマー全量のうち、50質量%以上が4官能以上6官能以下のモノマーである請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記モノマー全量のうち、90質量%以上が3官能以上のモノマーである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記モノマーの少なくとも1種は、重合性基がアクリロイル基又はメタクリロイル基である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記着色剤が顔料であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記インク固形分中に占める前記着色剤の割合が、20質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記顔料が、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、及び、C.I.ピグメント・ブルー15:6からなる群より選択されるいずれか1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記インクの全量に占める有機溶剤の割合が、40質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記有機溶剤の50質量%以上が、760mmHg(101.3kPa)で160℃以上の沸点を有する有機溶剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 界面活性剤を更に含有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたことを特徴とするカラーフィルタ。
  13. 請求項12に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする表示装置。
  14. 液晶表示装置であることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
  15. 前記液晶表示装置における液晶モードが、STN、TN、VA、IPS、及びOCBからなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
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