JP2007177015A - カラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット法で液滴付与して形成された着色部における色ムラ、隣接する画素間での混色を抑え、表示品質を向上させる。
【解決手段】赤色の着色剤、青色の着色剤、及び緑色の着色剤より選択される少なくとも一種を含む着色剤と光重合性モノマーとを含むと共に、固形分量が50質量%以上であり、光重合性モノマー中における多官能モノマーの割合が95質量%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタを構成する画素の形成に好適なカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク、並びにインクジェット法で液滴付与してなるカラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置に関する。
表示装置用カラーフィルタは、例えば、ガラス等の基板上に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等のドット状画像をマトリックス状に配置し、ドット状に設けられた画像と画像との間をブラックマトリックス等の濃色離画壁で隔離した構造を有している。
カラーフィルタを作製する方法には、従来から、(1)染色法、(2)印刷法、(3)着色した感光性樹脂液の塗布、露光、及び現像して着色されたパターン像を形成する方法(着色レジスト法;例えば、特許文献1参照)、(4)仮支持体上に形成されたパターン画像を順次、最終もしくは仮の基材上に転写する方法(例えば、特許文献2参照)、(5)着色した感光性樹脂液を予め仮支持体上に塗布等して感光性着色層を形成しておき、この感光性着色層を最終もしくは仮の基材上に直接転写し、露光し、現像して着色されたパターン像を形成する方法(転写法)が知られている(例えば、特許文献3参照)。加えて、インクジェット法を用いる方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
これらの方法のうち、前記着色レジスト法は、位置精度高くカラーフィルタを作製できるが、感光層樹脂液の塗布にロスが多く、コスト的には有利とはいえない。また、前記インクジェット法によるのみでは、樹脂液のロスが少なくコスト的に有利であるものの、位置精度のよい画素が得られにくい傾向がある。
上記に対応して、ブラックマトリックスを着色レジスト法で形成し、その後にRGB等の着色パターン(画素)をインクジェット法を利用して形成する方法が提案されている。ところが、形成されたブラックマトリックスの断面形状のうち、基材上方の基板面から離れた上端やそのエッジ部が、現像後の製造過程で丸くなだらかな形状に変化しやすく、後に各色のインクがブラックマトリックス間に打滴された場合に先行して形成されたブラックマトリックスをのり越え、色滲みやはみ出し、隣接する画素間での混色、白抜けを起こしてしまい、混色を起したときには表示品位は低下する。
このような現象に関連して、ブラックマトリックスと付与されたインクとの間で互いに弾き合う性質を持たせたり、ブラックマトリックスで取り囲まれた領域のインク濡れ性を高める方法に関する開示がある(例えば、特許文献5〜7参照)。
また、バインダー及び2官能もしくは3官能の多官能モノマーを含有するカラーフィルタ用の光硬化性インキ組成物や、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマー及びエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーを含む活性エネルギー線硬化性インクジェットインキに関する開示がある(例えば、特許文献8〜9参照)。
特開昭63−298304号公報 特開昭61−99103号公報 特開昭61−99102号公報 特開平8−227012号公報 特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平10−142418号公報 特開2001−272529号公報 特開2003−371216号公報
しかしながら、上記のように、弾き合う性質の付与やインク濡れ性を高める方法では、特殊な素材が必要であり、あるいはブラックマトリックスで囲まれた領域の表面エネルギーを高めるための表面改質処理が必要であり、コスト的に課題がある。また、バインダーを用いたインキ組成物では、インクジェットヘッド先端でのインクの増粘を起こしやすく、長時間連続して吐出するときの吐出安定性が保てず、また、前記硬化性インクジェットインキのように単官能モノマーを多く用いた系では、硬化後のITO蒸着等の後工程での影響を受けて表示装置とした場合の表示画像に表示ムラを生じてしまう課題がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、インクジェット法で液滴付与して形成された着色部における色ムラ、隣接する画素間での混色を抑え、表示ムラがなく表示品質の良好なカラーフィルタを得ることができるカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク、並びに、色ムラ、混色がなく色相が良好で表示ムラのない表示品位の高いカラーフィルタ及びその製造方法、及び液晶表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 着色剤と重合性モノマーとを含むカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクであって、固形分量が50質量%以上であり、前記重合性モノマー中における多官能モノマーの割合が95質量%以上であると共に、前記着色剤は、赤色の着色剤、青色の着色剤、及び緑色の着色剤より選択される少なくとも一種を含むカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクである。
<2> 前記多官能モノマーが、ラジカル重合性化合物であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクである。
<3> 前記多官能モノマーが、カチオン重合性化合物であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクである。
<4> 前記固形分量が70質量%以上であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクである。
<5> 基板上に色相の異なる2色以上の画素群と前記画素群を構成する各画素を互いに離隔する遮光性の濃色離画壁とを有するカラーフィルタの製造方法であって、前記濃色離画壁で離隔されている凹部に、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクをインクジェット法により付与して着色層を形成するカラーフィルタの製造方法である。
<6> 前記<5>に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタである。
<7> 前記<6>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置である。
本発明によれば、インクジェット法で液滴付与して形成された着色部における色ムラ、隣接する画素間での混色を抑え、表示ムラがなく表示品質の良好なカラーフィルタを得ることができるカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク、並びに、色ムラ、混色がなく色相が良好で表示ムラのない表示品位の高いカラーフィルタ及びその製造方法、及び液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクについて詳細に説明すると共に、この硬化性インクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置の詳細についても述べる。
<カラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク>
本発明のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク(以下、「本発明の硬化性インク」ということがある。)は、着色剤と重合性モノマーとを少なくとも含み、固形分量が50質量%以上であって、例えば後述の重合開始剤の作用を受けて重合する重合性モノマーとして、多官能モノマーを重合性モノマーの総量に対して95質量%以上含有してなるものである。
本発明の硬化性インクは、固形分量が50質量%以上、換言すれば、溶剤含量が50質量%未満のいわゆる低溶剤型に構成することで、吐出時加温状態にあるヘッド部などでの溶剤揮発による増粘が抑えられるので、吐出性が安定し、吐出不良やヘッド詰まりを防止できる。また、重合性モノマー全体に占める多官能モノマーの割合を95質量%以上とすることで、バインダー及び単官能モノマーを減らした構成としながら、後工程の影響を受けにくい高度の硬化性を確保できるので、インクジェット法で打滴形成された着色部での色ムラや混色が抑えられ、表示ムラのない表示品質の良好なカラーフィルタを得ることができる。さらに、記録後の露光硬化(好ましくは紫外線硬化)により定着されるため、揮発成分がなく、また、硬化後体積収縮が小さいため、画素の有効範囲内で膜厚が均一であり、色の均一性、液晶層の厚さの均一性をも向上させることができる。
ここで、固形分とは、溶剤以外の成分をいい、溶剤については後述する。
本発明においては、増粘を抑えて吐出性を安定化し、効果的に吐出不良やヘッド詰まりを防止できる点で、本発明の硬化性インクの固形分量は70質量%以上が好ましく、更には80質量%以上であるのがより好ましい。
ここで、従来からの希釈インクを用いた系では、RGB画素の必要な光学濃度を出すために多くのインクを打滴する必要があり、混色を防止するために濃色離画壁に充分な撥インク性を付与する等の必要があるが、本発明においてはいわゆる無溶剤型のインクを用い、打滴量を減らすことができるため、工程の短縮化及び低コスト化に寄与する。
後述するように、活性エネルギー線の付与による第1の硬化工程を行なうことで、膜厚及び色相が均一で厚みの均一な液晶層を形成するのに有効であり、さらに第1の硬化工程と後述の熱による第2の硬化工程とを併用すると、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させるのにより効果的である。
以下、本発明の硬化性インクを構成する各成分について詳述する。
(着色剤)
本発明の硬化性インクは、公知の着色剤(染料、顔料)を用いて構成することができる。公知の着色剤のうち、顔料を用いる場合は着色液体組成物中に均一に分散されていることが望ましく、したがって粒径として0.1μm以下が好ましく、特には0.08μm以下であることが好ましい。
公知の染料ないし顔料としては、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー5、C.I.ピグメント・イエロー16、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー20、C.I.ピグメント・イエロー24、C.I.ピグメント・イエロー31、C.I.ピグメント・イエロー55、C.I.ピグメント・イエロー60、C.I.ピグメント・イエロー61、C.I.ピグメント・イエロー65、C.I.ピグメント・イエロー71、C.I.ピグメント・イエロー73、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー81、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー95、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー98、C.I.ピグメント・イエロー100、C.I.ピグメント・イエロー101、C.I.ピグメント・イエロー104、C.I.ピグメント・イエロー106、C.I.ピグメント・イエロー108、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー113、C.I.ピグメント・イエロー114、C.I.ピグメント・イエロー116、C.I.ピグメント・イエロー117、C.I.ピグメント・イエロー119、C.I.ピグメント・イエロー120、C.I.ピグメント・イエロー126、C.I.ピグメント・イエロー127、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー129、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー152、C.I.ピグメント・イエロー153、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー156、C.I.ピグメント・イエロー166、C.I.ピグメント・イエロー168、C.I.ピグメント・イエロー175、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185;
C.I.ピグメント・オレンジ1、C.I.ピグメント・オレンジ5、C.I.ピグメント・オレンジ13、C.I.ピグメント・オレンジ14、C.I.ピグメント・オレンジ16、C.I.ピグメント・オレンジ17、C.I.ピグメント・オレンジ24、C.I.ピグメント・オレンジ34、C.I.ピグメント・オレンジ36、C.I.ピグメント・オレンジ38、C.I.ピグメント・オレンジ40、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・オレンジ46、C.I.ピグメント・オレンジ49、C.I.ピグメント・オレンジ51、C.I.ピグメント・オレンジ61、C.I.ピグメント・オレンジ63、C.I.ピグメント・オレンジ64、C.I.ピグメント・オレンジ71、C.I.ピグメント・オレンジ73;C.I.ピグメント・バイオレット1、C.I.ピグメント・バイオレット19、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・バイオレット29、C.I.ピグメント・バイオレット32、C.I.ピグメント・バイオレット36、C.I.ピグメント・バイオレット38;
C.I.ピグメント・レッド1、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド4、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド.8、C.I.ピグメント・レッド9、C.I.ピグメント・レッ10、C.I.ピグメント・レッド11、C.I.ピグメント・レッド12、C.I.ピグメント・レッド14、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド17、C.I.ピグメント・レッド18、C.I.ピグメント・レッド19、C.I.ピグメント・レッド21、C.I.ピグメント・レッド22、C.I.ピグメント・レッド23、C.I.ピグメント・レッド30、C.I.ピグメント・レッド31、C.I.ピグメント・レッド32、C.I.ピグメント・レッド37、C.I.ピグメント・レッド38、C.I.ピグメント・レッド40、C.I.ピグメント・レッド41、C.I.ピグメント・レッド42、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド48:2、C.I.ピグメント・レッド48:3、C.I.ピグメント・レッド48:4、C.I.ピグメント・レッド49:1、C.I.ピグメント・レッド49:2、C.I.ピグメント・レッド50:1、C.I.ピグメント・レッド52:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド57:2、C.I.ピグメント・レッド58:2、C.I.ピグメント・レッド58:4、C.I.ピグメント・レッド60:1、C.I.ピグメント・レッド63:1、C.I.ピグメント・レッド63:2、C.I.ピグメント・レッド64:1、C.I.ピグメント・レッド81:1、C.I.ピグメント・レッド83、C.I.ピグメント・レッド88、C.I.ピグメント・レッド90:1、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド101、C.I.ピグメント・レッド102、C.I.ピグメント・レッド104、C.I.ピグメント・レッド105、C.I.ピグメント・レッド106、C.I.ピグメント・レッド108、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ピグメント・レッド113、C.I.ピグメント・レッド114、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド146、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド150、C.I.ピグメント・レッド151、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド170、C.I.ピグメント・レッド171、C.I.ピグメント・レッド172、C.I.ピグメント・レッド174、C.I.ピグメント・レッド175、C.I.ピグメント・レッド176、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド179、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド187、C.I.ピグメント・レッド188、C.I.ピグメント・レッド190、C.I.ピグメント・レッド193、C.I.ピグメント・レッド194、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド206、C.I.ピグメント・レッド207、C.I.ピグメント・レッド208、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・レッド216、C.I.ピグメント・レッド220、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・レッド226、C.I.ピグメント・レッド242、C.I.ピグメント・レッド243、C.I.ピグメント・レッド245、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド255、C.I.ピグメント・レッド264、C.I.ピグメント・レッド265;
C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー60;
C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36;
C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25;
C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック7;
、等が挙げられる。
上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の硬化性インクにおいてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の硬化性インクにおいてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の硬化性インクにおいてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。さらに、前記顔料は組み合わせて用いてもよい。
併用するのが好ましい顔料の組み合わせは、前記C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又はC.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが、前記C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又はC.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが、前記C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又はC.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせがそれぞれ挙げられる。
併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、又はC.I.ピグメント・ブルー15:6の各含有量としては、前記C.I.ピグメント・レッド254では、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましく、前記C.I.ピグメント・グリーン36では、50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましく、前記C.I.ピグメント・ブルー15:6では、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する重合性化合物に添加して分散させることによって調製することができる。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば「顔料の事典」(朝倉邦造著、第一版、朝倉書店、2000年、438項)に記載の、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に、「顔料の事典」の310項に記載の機械的摩砕により摩擦力を利用して微粉砕してもよい。
着色剤(顔料)の粒径は、数平均粒径で0.001〜0.1μmが好ましく、更には0.01〜0.08μmが好ましい。数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなり、分散状態を安定に保つのが難しくなることがある。また、数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じてコントラストが低下することがある。
なお、「粒径」とは、電子顕微鏡写真画像の粒子をこれと同面積の円で表したときの直径をいい、「数平均粒径」とは、粒子の粒径を求めて100個の平均をとった平均値をいう。
着色層のコントラストは、分散されている顔料の粒径を小さくすることで向上させることができる。粒径を小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節することで達成できる。分散には、前記公知の分散機を用いることができる。
分散時間は、好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがあり、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、インクジェットヘッドからの吐出が困難になることがある。
また、2色以上の着色層のコントラストの差は600以内が好ましいが、600以内に調整するには、顔料粒径を調節することが望ましい。
カラーフィルタを構成する各着色層のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは2800以上、更に好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。コントラストが2000未満であると、このカラーフィルタを備えた液晶表示装置の画像を観察したときに、全体が白っぽい印象となって見難い画像となることがある。各着色層のコントラストの差は、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、更に好ましくは350以内であり、最も好ましくは200以内である。コントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色層からの光漏れ量が大きく相違しないため、黒表示の色バランスが良い。
前記「着色層のコントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR、G、Bについての色ごとに個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定は、被測定物の両側に偏光板を重ねて偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定し、さらに偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定し、得られた測定値を用いてY1/Y2を算出して行なえる。なお、コントラスト測定に用いる偏光板は、カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
着色剤の着色液体組成物中における量は、所望の色相、濃度が得るために適宜選択することができるが、好ましくは着色液体組成物の全質量に対し、5質量%以上が好ましく、より好ましくは7質量%以上である。
(重合性モノマー)
本発明の硬化性インクは、重合性モノマーの少なくとも一種を含み、重合性モノマー中における多官能モノマーの割合が95質量%以上となるように用いられる。重合性化合物は、ラジカル活性種による重合反応により硬化するラジカル重合性化合物、及びカチオン活性種によるカチオン重合反応により硬化するカチオン重合性化合物を用いることができる。
本発明の硬化性インクは、ラジカル重合性化合物を用いた場合はラジカル重合性インクに、カチオン重合性化合物を用いた場合はカチオン重合性インクに構成することができ、いずれの構成も好適である。
−ラジカル重合性化合物−
ラジカル重合性化合物としては、具体的には、以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ラジカル重合性化合物としては、主として2官能以上のモノマー、オリゴマーが用いられる。
前記2官能以上のモノマー、オリゴマーには、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレー、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これら化合物は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
上記以外に、重合性モノマーの総量に占める多官能モノマーの割合が前記範囲(95質量%以上)を満たす範囲で必要に応じて、単官能モノマーを併用してもよい。単官能モノマーには、例えば、ブタンジオールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。
−カチオン重合性化合物−
カチオン重合性化合物は、光重合開始剤から発生されるカチオン活性種により重合反応を生起し、硬化する化合物である。
カチオン重合性化合物としては、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーが挙げられ、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載の、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、オキシラン化合物などが挙げられる。
ビニルエーテルを官能基に有するカチオン重合性化合物として、例えば、ウレタン系ビニルエーテル(ビニルエーテルウレタン)、エステル系ビニルエーテルなどが挙げられる。これらのオリゴマーは単独で又は混合して使用することができる。
また、芳香族エポキシ樹脂の具体例として、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させた化合物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラックジグリシジルエーテル、ビスフェノールFノボラックジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、脂環式エポキシ樹脂の具体例として、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物又は、シクロペンテンオキサイド構造含有化合物、又はビニルシクロヘキサン構造を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるビニルシクロヘキサンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂の具体例として、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、脂肪族長鎖不飽和炭化水素を酸化剤で酸化することによって得られるエポキシ含有化合物、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、また、プロピレングリコール,グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール,クレゾール,ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
重合性モノマーの本発明の硬化性インク中における量は、インクの全質量に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。重合性化合物が前記範囲内であると、一般的な活性エネルギー線の強度で硬化性を満足することができ、照射時間を長くするなどの必要もない。
(重合開始剤)
本発明の硬化性インクは、重合開始剤の少なくとも一種を用いて構成することができる。重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により、ラジカル活性種を発生し、ラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤、及び、カチオン活性種を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始するカチオン重合開始剤のいずれをも重合性化合物に合わせて用いることができる。
−ラジカル重合開始剤−
ラジカル重合開始剤としては以下のものが挙げられる。例えば、ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセエトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド等、が挙げられる。
−カチオン重合開始剤−
カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体、及び有機ポリハロゲン化合物が好ましい。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号公報、特公昭54−14278号公報、特開昭51−56885号公報、米国特許第3,70 8,296号明細書、同第3,853,002号明細書等に記載の化合物が挙げられる。
また、光カチオン重合開始剤として、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ケイ素化合物/アルミニウム錯体等が挙げられる。
重合開始剤の本発明の硬化性インク中における量は、前記重合性モノマー(質量)に対して、0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。重合開始剤が前記範囲内であると、一般的な活性エネルギー線の強度で硬化性を満足することができ、照射時間を長くするなどの必要もない。
(溶剤)
本発明の硬化性インクは、インクジェット法で打滴するのに適度な流動性を付与するために、溶剤を用いて希釈するようにしてもよい。
本発明における溶剤とは、本発明の硬化性インクに含まれる着色剤、重合性モノマー、添加剤、ポリマーなどの機能性材料の溶解又は分散を助けるもので、硬化性インクの流動性を高める働きをして打滴などを行ない易くすると共に、硬化性インクを打滴して所定の乾燥又は熱処理を行なった後は、その大半(概ね9割以上)が蒸発などにより除かれる性質のものである。
通常、沸点が100℃以下の有機溶剤を用いることができる。また、硬化性インクの乾燥を防いでヘッドの目詰まりを防止する観点からは、沸点が200℃以下、場合によってはそれよりも沸点の高い高沸点溶剤を用いることができる。溶剤としては、「新版溶剤ポケットブック」(有機合成科学協会編、オーム社発行)や「溶剤ハンドブック」(浅原照三ほか編、講談社、1976年)に記載のものをさす。
溶剤の具体例としては、イオン交換水、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等の高沸点溶剤類を用いることができる。
本発明の硬化性インクでは、溶剤をインクの全質量の50質量%未満の割合で含有することができる。
溶剤含量がインクの全質量の50質量%以上であると、濃色離画壁で取り囲まれた凹部である着色層形成領域におけるインク量(インク堆積量)が所望量に満たないうちに、濃色離画壁が決壊して所望の領域外にはみ出し、ひいては隣接する着色層形成領域に濡れ広がって混色を起こしやすい。換言すると、着色層を形成すべき領域(濃色離画壁間の凹部)からはみ出さないで堆積したインク量が不足して乾燥膜厚が薄くなりすぎ、したがって高い透過濃度が得られない。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明におけるカラーフィルタは、基板上に、色相の異なる2色以上の画素群と画素群を構成する各画素を互いに離隔する遮光性の濃色離画壁とを有してなるものであり、濃色離画壁と濃色離画壁とで取り囲まれた凹部にインクジェット法により着色層を設けて画素パターンを形成してなるものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、濃色離画壁で離隔されている凹部に、既述の本発明のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクをインクジェット法により付与して着色層を形成する工程(以下、「着色層形成工程」ということがある。)を有し、好ましくは更に、形成された少なくとも1色の着色層を活性光線の照射により硬化する硬化工程や、所望の色相の着色層の全てを形成した後に熱により硬化する硬化工程を有し、必要に応じてベーク処理、撥インク処理する等の他の工程を設けて構成することができる。
なお、濃色離画壁は、着色層形成工程前に予め基板上に形成されたものであり、濃色離画壁の形成方法の詳細については後述する。
−着色層形成工程−
着色層形成工程は、濃色離画壁間の凹部に、着色剤(R,G又はBを含む)と重合性モノマーとを含み、固形分量が50質量%以上であって重合性モノマー中における多官能モノマーの割合が95質量%以上のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクの液滴をインクジェット法で付与して着色層を形成する。この着色層は、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素となるものである。
着色層の形成は、既述のようにして基板上に形成された濃色離画壁で取り囲まれた凹部に、着色画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するための着色液体組成物として、本発明の硬化性インクを侵入させて、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
インクジェット法については、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、予め基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
カラーフィルタパターンの形状については、特に限定はなく、ブラックマトリックス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
インクジェット法としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
インクの射出条件としては、インクを40〜70℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。着色液体組成物は、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こしやすいため、インク温度をできるだけ一定に保つことが重要である。
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう。)には、公知のものを適用でき、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。ヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。
本発明におけるカラーフィルタは、RGB3色のインクを吹き付けて3色の着色層からなる群で構成された形態が好ましい。
−硬化工程−
次に、着色層形成工程以外に設けることができる工程について以下に説明する。
《第1の硬化工程》
前記着色層形成工程で形成された少なくとも1色の着色層に活性光線を照射して硬化する工程(第1の硬化工程)を設けることができる。第1の硬化工程では、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む各色の本発明の硬化性インクを硬化させることにより、硬化した着色層を形成することができる。硬化は、1色の着色層を形成するごとに行なってもよいし、複数色の着色層を形成した後に行なうようにしてもよい。
R,G,B等の本発明に係る硬化性インクの硬化は、インクの持つ感光波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発するエネルギー源を用いて重合硬化を促進する露光処理を施すことにより行なえる。
エネルギー源としては、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、又はイオンビームなど、既述の重合開始剤が感応するものを適宜選択して用いることができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性光線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間としては、重合性化合物と重合開始剤との組合せに応じて適宜設定することができるが、例えば、1〜30秒とすることができる。
《第2の硬化工程》
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む所望の色相の着色層の全てを熱により硬化する工程(第2の硬化工程)を更に設けることができる。上記したように、前記第1の硬化工程を設けると共に第2の硬化工程を設けることによって、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させことができる。
本工程では、所望の色相からなる着色層及び濃色離画壁を形成し、前記第1の硬化工程を行なった後にさらに加熱処理(いわゆるベーク処理)を行なって熱による硬化を施す。すなわち、光照射により光重合した着色層及び濃色離画壁が形成されている基板を、電気炉、乾燥器等に入れて加熱する、あるいは赤外線ランプを照射して加熱する。
このときの加熱温度及び加熱時間は、着色液体組成物の組成や着色層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を確保する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
−隔壁形成工程−
既述の着色層形成工程及び硬化工程を行なう前には、濃色離画壁を形成する隔壁形成工程を設けることができ、この隔壁形成工程は、基板上に感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂層を(好ましくは貧酸素条件下で)パターン状に露光、現像する工程を設けて構成され、必要に応じて他の工程が設けられる。
本発明におけるカラーフィルタを構成する濃色離画壁の形成は、既述の着色層形成工程及び硬化工程を行なう前に、基板の少なくとも一方に感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を形成し、形成された感光性樹脂層を(好ましくは貧酸素条件下で)パターン状に露光し、現像することにより行なえる。濃色離画壁は、既述のように、本発明の硬化性インク(着色液体組成物)による液滴をインクジェット法で打滴して形成される着色層を離隔する隔壁パターンである。また、隔壁形成工程において少なくとも感光性樹脂層を形成、露光した後には、必要に応じてベーク処理する、撥インク処理する等の他の工程を設けることができる。
[感光性樹脂層の形成]
感光性樹脂層は、着色剤、重合性化合物、及び光開始系を含む感光性樹脂組成物を用いて構成することができ、必要に応じて更にバインダー、公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等の他の成分を用いて構成できる。
具体的には、感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物(例えば重合性モノマーと光重合開始剤とバインダーと色材とを少なくとも含む。)を基板上に付与する方法(好ましくは、感光性樹脂組成物を塗布する塗布法)や、感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂層を有する感光性転写材料を用いて感光性樹脂層を基板上に転写する方法(転写法)により形成することができる。感光性樹脂組成物及び感光性転写材料の詳細については後述する。
感光性樹脂層を塗布形成する方法(塗布法)による場合、塗布は、液を吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズル又はスリットコーターを用いて行なうことが好ましい。
具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いることができる。その他の例として、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて行なうようにしてもよい。
塗布法による場合には、基板上に感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を塗布形成する工程を設け、後述するように、塗布形成された感光性樹脂層を〔好ましくは貧酸素条件(例えば、感光性樹脂層上に更に酸素遮断層を塗布形成し該酸素遮断層を介して、あるいは不活性ガス雰囲気又は減圧条件)にして〕露光し、現像してパターニングすることによって濃色離画壁を形成する。酸素遮断層は、後述の感光性転写材料に酸素遮断層と同様に構成することができる。
露光、現像の詳細については後述する。
転写法による場合、後述する感光性転写材料を用い、仮支持体上に膜状に形成された感光性樹脂層を基板面に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって貼り付け(ラミネート)、仮支持体を残したまま(貧酸素条件下)前記感光性樹脂層を、あるいは更に仮支持体を剥離して感光性樹脂層を転写し、転写形成された前記感光性樹脂層を〔好ましくは貧酸素条件(例えば、感光性樹脂層上に設けられた酸素遮断層を介して)にして〕露光し、現像してパターニングすることにより濃色離画壁を形成する。露光、現像の詳細については後述する。
ラミネートは、具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法により行なえる。なお、感光性転写材料及び転写法による転写に関する詳細については後述する。
感光性樹脂層の層厚としては、感光性樹脂組成物の固形分及び形成する濃色離画壁の高さに依存し、特に限定されるものではないが、一般に、1〜20μmが好ましく、1.5〜10μmがより好ましく、2〜5μmが更に好ましく、2〜4μmが特に好ましい。
本発明における感光性樹脂層及び感光性樹脂組成物は、好ましくは光学濃度の高い濃色の層又は組成物であり、好ましい光学濃度は濃色離画壁を形成した時に、2.5〜10.0となる光学濃度である。より好ましい光学濃度は2.5〜6.0であり、特に好ましくは3.0〜5.0である。また、感光性樹脂層及び感光性樹脂組成物は、後述のように好ましくは光開始系で硬化させることから、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要であり、値としては2.0〜10.0が好ましく、より好ましくは2.5〜6.0であり、最も好ましくは3.0〜5.0である。前記範囲内であると、重合硬化が良好になり、所望形状の濃色離画壁を形成することができる。濃色の性質は、後述する染料、顔料などの各種色材又は各形態の炭素あるいはこれらの組合せからなる材料を用いて付与することができ、黒色が最も多い。
〜感光性樹脂組成物、感光性樹脂層〜
以下、濃色離画壁を形成するための感光性樹脂組成物、及びこれを用いてなる感光性樹脂層の構成成分について詳述する。
−重合性化合物−
濃色離画壁形成用の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を含有するのが好ましい。後述の光開始系からの活性種の作用を受けて硬化し、パターンを形成することができる。
重合性化合物としては、単官能もしくは多官能のモノマーが挙げられ、多官能性モノマーが好ましい。多官能性モノマーは、重合性基を2以上有する重合性モノマーであり、一種単独で又は他のモノマーと組み合わせて用いることができる。
単官能もしくは多官能のモノマーの具体的な例としては、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のジイソシアネートとの反応物も挙げられる。
上記のうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
重合性化合物の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における含有量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、光硬化後のアルカリ現像液に対する耐性を確保するのに有効である。
−光開始系−
濃色離画壁形成用の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、光開始系の少なくとも一種を含有するのが好ましい。光開始系は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、前記重合性化合物の重合を開始する活性種を発生する化合物であり、公知の化合物の中から適宜選択することができる。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビスイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
具体的には、特開2001−117230公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs−トリアジン誘導体、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、などのアクリジン系化合物;
6−(p−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;その他、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビスイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール、などが挙げられる。
上記のうち、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビスイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、トリハロメチル基含有化合物及びアクリジン系化合物から選択される少なくとも一種が特に好ましい。トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物は、汎用性でかつ安価である点でも有用である。
特に好ましいのは、前記トリハロメチル基含有化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾールであり、前記アクリジン系化合物としては9−フェニルアクリジンであり、前記トリアジン系化合物としては、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンであり、前記ベンゾフェノン系化合物としては、ミヒラーズケトンであり、前記ビイミダゾール系化合物としては、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾールである。
光開始系は、一種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
光開始系の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における総量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。該総量が前記範囲内であると、光硬化効率が高く短時間で硬化でき、現像時に形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面の荒れが生じることもない。
前記光開始系は、水素供与体を併用して構成されてもよい。水素供与体としては、感度をより良化することができる点で、以下に定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。ここで、「水素供与体」とは、露光により前記光重合開始剤から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物をいう。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「メルカプタン系水素供与体」という。)である。
また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という。)である。
なお、水素供与体はメルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
上記のメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン、等が挙げられる。これらのうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
上記のアミン系水素供与体の具体例としては、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。これらのうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記水素供与体は、一種単独で又は2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に基板上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組合せの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。より好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンであり、特に好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを組合せた場合の、メルカプタン系水素供与体(M)とアミン系水素供与体(A)との質量比(M:A)は、通常1:1〜1:4が好ましく、1:1〜1:3がより好ましい。
前記水素供与体の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における総量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
−色材−
濃色離画壁形成用の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、色材の少なくとも一種を含有するのが好ましい。色材を含有することにより、所望色よりなる可視画像を形成することができる。
色材としては、特開2005−17716号公報の段落番号[0038]〜[0040]に記載の顔料及び染料や、特開2005−361447号公報の段落番号[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報の段落番号[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
中でも、有機顔料、無機顔料、染料等を好適であり、感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物に遮光性が要求される場合は、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉などの遮光剤、並びに赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。黒色の色材の例としては、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが好適に挙げられ、特にカーボンブラックが好ましい。
また、色材として顔料を選択する場合は、感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中に均一に分散されることが好ましい。
色材の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における含有量としては、層又は組成物の固形分(質量)に対して、現像時間を短縮する点で、30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましく、50〜55質量%が更に好ましい。
前記顔料は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に用いる分散機としては、特に制限はなく、例えば、「顔料の事典」〔朝倉邦造著、第一版、438項、朝倉書店(2000年)〕に記載の、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。さらに、「顔料の事典」の310項に記載の機械的摩砕により摩擦力を利用し、微粉砕するようにしてもよい。
色材(特に顔料)の粒子径としては、分散安定性の観点から、数平均粒径で0.001〜0.1μmが好ましく、0.01〜0.08μmがより好ましい。なお、「粒子径」とは、粒子を電子顕微鏡写真における該粒子の面積と同面積の円で表したときの直径をいい、「数平均粒径」とは、複数の粒子の粒子径の100個の平均値をいう。
−バインダー−
濃色離画壁形成用の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、バインダーの少なくとも一種を用いて構成することができる。
バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、等を挙げることができる。
また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げられる。さらに、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用できる。
特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーは、一種単独で用いてもよいし、通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用するようにしてもよい。
バインダーの感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における含有量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
−溶剤−
本発明における濃色離画壁を作製する際に用いる感光性樹脂組成物は、一般に前記成分以外に、有機溶剤を用いて構成することができる。有機溶剤の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等が挙げられる。
−他の成分−
本発明における感光性樹脂組成物又は感光性樹脂層には、さらに下記成分、例えば界面活性剤、紫外線吸収剤、並びに公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、熱重合防止剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに、感光性樹脂組成物は少なくとも150 ℃ 以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
〈界面活性剤〉
感光性樹脂組成物を基板上又は後述の感光性転写材料の仮支持体上に塗布する場合には、感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有させることで、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に記載の界面活性剤が好適に挙げられる。なお、界面活性剤の感光性樹脂組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、0.001〜1質量%が一般的であり、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.03〜0.3質量%が特に好ましい。
〈紫外線吸収剤〉
感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報に記載の化合物、並びにサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。
例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
紫外線吸収剤を用いる場合の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量としては0.5〜15質量%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10質量%が特に好ましい。
〈熱重合防止剤〉
感光性樹脂組成物には、熱重合防止剤を含むことが好ましい。熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤を用いる場合の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量としては0.01〜1質量%が一般的であり、0.02〜0.7質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
また、感光性樹脂組成物には、前記成分以外に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」やその他の添加剤等を含有させることもできる。
〜感光性転写材料〜
次に、前記転写法に用いる感光性転写材料について詳述する。
感光性転写材料は、仮支持体上に、少なくとも前記感光性樹脂組成物を用いて構成された感光性樹脂層を設けて構成されたもの、好ましくは仮支持体側から感光性樹脂層と酸素遮断層とを設けて構成されたものを用いることができる。感光性樹脂層上に酸素遮断層が設けられた材料を用いた場合は、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層は、酸素遮断層により大気中の酸素から保護されるため自動的に貧酸素条件下となる。そのため、露光する工程を不活性ガス下や減圧下で行なう必要がなく、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。また、濃色離画壁を容易かつ低コストに形成し得る点でも有効である。
感光性転写材料は、必要に応じて更に、熱可塑性樹脂層や保護フィルムなどを設けて構成することができる。
−仮支持体−
仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等、薄いシートもしくはフィルム又はこれらの積層体が好ましい。中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、好ましくは20〜150μmである。厚みが前記範囲内であると、仮支持体の剥離時における破れを回避でき、仮支持体を介して露光したときの解像度の低下を回避することができる。
−感光性樹脂層−
感光性樹脂層は、既述の感光性樹脂組成物を用いてなり、形状等の特性や形成方法等については既述の塗布法で塗布形成される層と同様であり、好ましい態様も同様である。
−酸素遮断層−
仮支持体と感光性樹脂層との間、あるいは熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間には、酸素遮断層を更に設けることが好ましい。酸素遮断層とは、500cm/(m・day・atm)以下の酸素透過率を有する層であり、酸素透過率は100cm/(m・day・atm)以下であることが好ましく、50cm/(m・day・atm)以下であることがより好ましい。酸素透過率が500cm/(m・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができずに所望形状の濃色離画壁が得られないことがある。
具体的な例として、特開昭46−2121号や特公昭56−40824号の各公報に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらの二種以上の組合せ等が挙げられる。
ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PVA)などを主成分(特にPVAを主成分)とした層が好ましく、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のポリマーを添加してもよく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組合せが特に好ましい。PVAとしては、鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポリビニルピロリドンの含有量は酸素遮断層の全固形分の1〜75質量%が好ましく、より好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。
酸素遮断層中におけるPVAの含有量としては、25〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。これらのポリマーの添加量は、層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。なお、ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
−熱可塑性樹脂層−
仮支持体と感光性樹脂層との間には、必要に応じて熱可塑性樹脂層を設けることができる。熱可塑性樹脂層を設けることで、濃色離画壁が形成される基板との密着性を向上させるのに有効である。
熱可塑性樹脂層は、少なくとも樹脂成分を含んでなり、アルカリ可溶性に構成されることが好ましい。樹脂成分としては、アルカリ可溶性であって、実質的な軟化点が80℃以下である熱可塑性樹脂が好ましい。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などとのケン化物、等が挙げられる。
上記以外に更に、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)における、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質も、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。
これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
−保護フィルム−
仮支持体上に形成された感光性樹脂層の表面には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために、保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは、仮支持体と同一もしくは類似の材料で構成されてもよく、転写を良好に行なう点で感光性樹脂層からの分離が容易に行なえるものであることが重要である。
保護フィルムを構成する材料としては、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。保護フィルムの厚みは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
感光性転写材料は、例えば、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の構成成分を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させることにより熱可塑性樹脂層を設け、この熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いてなる溶液を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、その後更に中間層上に、中間層を溶解しない溶剤を用いて既述のように調製された感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を積層することにより作製することができる。
なお、塗布は、既述の公知の塗布方法により行なえるが、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)を用いて行なうことが好ましい。
感光性転写材料の作製は、上記以外に、仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシートと、保護フィルム上に感光性樹脂層を設けたシートとを用意し、酸素遮断層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより、また、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を有するシートと、保護フィルム上に感光性樹脂層及び中間層を有するシートとを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層とが接するように貼り合わせることにより、行なうこともできる。
−基板−
基板(永久支持体)としては、金属の基材、金属を貼り合わせた基材、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等が挙げられる。好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なもの、特にガラスや合成樹脂フィルムである。
[露光、現像]
上記のようにして形成された感光性樹脂層の露光は、所望のパターンが設けられたマスクを用い、マスクを通して感光性樹脂層に光を照射することにより行なえる。このとき、露光は貧酸素条件下で行なうことが好ましい。貧酸素条件は、例えば、感光性樹脂層の上に酸素遮断層を設ける又は感光性転写材料を用いる場合は露光時に仮支持体を除去せずに残しておくことにより、あるいは不活性ガス雰囲気又は減圧雰囲気とすることにより形成することができる。中でも、不活性ガス雰囲気又は減圧雰囲気に調整して形成した貧酸素条件下で露光するのが好ましい。
貧酸素条件下とは、不活性ガス雰囲気下、減圧下、酸素を遮断し得る酸素遮断層下のことを指す。
不活性ガスとは、N、H、COなどの一般的な気体や、He、Ne、Arなどの希ガス類をいう。この中でも、安全性や入手の容易さ、コストの点から、Nが好適である。減圧下とは、500hPa以下、好ましくは100hPa以下の状態を指す。なお、酸素を遮断しうる酸素遮断層については、感光性転写材料において既述した通りである。
露光には、例えば、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(例えば、日立電子エンジニアリング(株)製)等を用いることができる。また、光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
照度としては、好ましくは300mW/cm以上であり、特に好ましくは2,000mW/cm以上である。本発明の効果を得る観点では、照度の上限値は特になく、装置、設備上支障がなければ所望の照度に上げることができる。この照度は、光源の出力を高める、光源の数を増やす、また、光源と被露光体との距離を狭くする等の方法により前記範囲に調整することができる。
露光後は、現像液を用いて現像処理を行ない、感光性樹脂層にパターン像を形成する。その後は、必要に応じて、水洗処理が行なわれる。
現像前には、感光性樹脂層上に純水をシャワーノズル等にて噴霧し、感光性樹脂層の表面を均一に湿らせておくことが好ましい。現像処理に用いる現像液には、アルカリ性物質の希薄水溶液が好適に用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
前記アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は、0.1〜30質量%が好ましい。
さらに、公知の界面活性剤を添加してもよく、界面活性剤の濃度は0.01〜10質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。
感光性樹脂層の未硬化部を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の温度は通常、室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、感光性樹脂層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度などによるが、通常10秒〜2分程度である。この範囲内では、形状の好適な濃色離画壁が得られる。換言すれば、現像時間が短すぎると現像除去しようとする領域の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、逆に長すぎると、硬化部までエッチングされることがある。現像処理の後に、水洗工程を入れることも可能である。
本発明における濃色離画壁の高さとしては、基板法線方向における高さで1〜20μmが好ましく、1.5〜10μmがより好ましい。高さが前記範囲内であると、既述のようにインクジェット法で着色層を打滴形成する際に、インクが濃色離画壁を乗り越えにくく、インクの滲みやはみ出し、隣接する画素パターン間での混色及び画素パターン中の白抜けなどを防いで、色相が良好で表示品位の高いカラーフィルタを形成するのに有効である。
本発明における濃色離画壁の幅としては、基板の法線方向と直交する方向における幅で5μm以上50μm以下であることが好ましい。幅が前記範囲内であると、ばらつきの少ない濃色離画壁が得られ、欠け及び混色のない画素を提供するのに有効である。
以下、濃色離画壁を形成する例を具体的に説明する。
1)感光性樹脂組成物を用いた塗布による濃色離画壁の形成
基板を洗浄後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。その後、基板を調温し、調温された基板上に感光性樹脂組成物を塗布する。塗布後、塗布層中の溶媒の一部を乾燥させて層の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、プリベークして感光性樹脂層を得る。塗布は、公知のスリット状ノズルを備えたガラス基板用コーター(例えばエフ・エー・エス・アジア社製のMH−1600)等を用いて行なえる。また、乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)により行なえ、プリベークは、例えば120℃で3分間加熱して行なうことができる。感光性樹脂層の層厚については、既述の通りである。
続いて、感光性樹脂層が形成された基板とパターンを有するマスク(例えば石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層との間の距離を適宜(例えば200μm)設定し、窒素パージして酸素分圧を制御して窒素雰囲気下で露光する。露光は、例えば超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(例えば日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)等で行なえ、露光量は適宜(例えば300mJ/cm)選択することができる。このときの酸素分圧は、酸素計(例えば飯島電子工業(株)製のG−102型)を用いて測定できる。露光後、現像液で現像処理を行なってパターン像を得、必要に応じて水洗処理して濃色離画壁を得る。
2)感光性転写材料を用いた転写法による濃色離画壁の形成
まず、感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去し、露出した感光性樹脂層の表面を基板面に重ね合わせてラミネータ等を通過させ、加熱及び/又は加圧して積層体とする。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択することができ、より生産性を高める観点からはオートカットラミネーターも使用可能である。次いで、積層体から仮支持体を剥離して除去する。続いて、仮支持体を除去して露出した露出面(酸素遮断層表面)の上方に所望のフォトマスク(例えば石英露光マスク)を配置し、減圧により貧酸素条件にしてマスクを介してパターン状に紫外線を照射し、照射後所定の処理液を用いて現像処理して濃色離画壁を得る。このとき、必要に応じて水洗処理が施される。現像処理に用いる現像液及び露光に用いる光源は、前記塗布法による場合の現像液及び光源と同様である。
[他の工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法には、形成された濃色離画壁及び着色層を更に加熱(ベーク)して硬化させる熱処理工程(下記ポストベーク)や、ポスト露光する工程、既述した濃色離画壁の形成後であって着色層形成工程前に基板上の濃色離画壁に撥インク処理を施す工程、オーバーコート(OC)層を形成するOC工程、等の他の工程を設けてもよい。
〜熱処理工程〜
熱処理(ポストベークともいう。)を施すことにより、感光性樹脂層に含まれるモノマーや架橋剤などを反応させて、濃色離画壁の硬度を確保することができる。
熱処理の温度は、150〜250℃の範囲が好ましい。温度が、150℃以下であると硬度が不充分となることがあり、250℃以上であると樹脂が着色して色純度が悪くなることがある。また、熱処理の時間は、10〜150分が好ましい。処理時間が、10分未満であると硬度が不充分となることがあり、150分以上であると樹脂が着色して色純度が悪くなることがある。熱処理は、色によって変えてもよい。
また、前述のインクジェット法により全色を形成後に、更に最終の熱処理を行なって硬度を安定化させるようにしてもよい。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
〜ポスト露光工程〜
現像と熱処理の間には、ポスト露光(再露光ともいう。)を実施することができる。ポスト露光を実施すると、濃色離画壁の断面形状のコントロール、濃色離画壁の硬度のコントロール、濃色離画壁の表面凹凸のコントロール、濃色離画壁の膜減りのコントロールなどを行なえる観点で好ましい。
ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号[0074]に記載の、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射することが、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。ポスト露光は、必要に応じて両面から実施することができ、その露光量は上面側を100〜2000mJ/cmの範囲とし、下面側を100〜2000mJ/cmの範囲として、前記コントロールの目的に応じて適宜調整することができる。
撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を濃色離画壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)濃色離画壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された濃色離画壁にプラズマによる撥インク化処理を施す方法が好ましい。
上記のように着色層(着色画素)及び濃色離画壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色層及び濃色濃色離画壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R,G,B等の着色層及び濃色濃色離画壁を保護すると共に表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは設けないことが好ましい。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されたものであり、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく好適に適用できる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを設けて構成されたものであり、このカラーフィルタは既述の本発明のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクを用いたカラーフィルタの製造方法により作製されるので、色相が良好で表示品位の画像表示が可能である。
液晶表示装置の定義や各表示装置の説明については、例えば「電子ディスプレイデバイス」(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)、「ディスプレイデバイス」(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)などに記載されている。
また、液晶表示装置については、例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術」(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)に記載されている。液晶表示装置の形態に特に制限はなく、例えば、前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載の色々な方式の液晶表示装置に構成することができる。
中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に構成されると効果的である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば、「カラーTFT液晶ディスプレイ」(共立出版(株)、1996年発行)に記載がある。さらに、本発明の液晶表示素子は、IPS等の横電界駆動方式、MVA等の画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置に構成することも可能である。これらの方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−」(東レ・リサーチセンター調査研究部門、2001年発行)の43頁に記載されている。
液晶表示装置は、カラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなど、様々な公知の部材を用いて構成することができる。上記した本発明のカラーフィルタ用隔壁付基板、液晶表示素子用カラーフィルタは、これら公知の部材で構成された液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場」(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)」(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003年発行)に記載されている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−黒色感光性樹脂組成物K1の調製−
まず、下記表1に記載の量のK顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加し、温度40℃(±2℃)にて150r.p.m.で30分間攪拌することにより、黒色感光性樹脂組成物K1を調製した。
Figure 2007177015
前記表1中の各成分の詳細を以下に示す。
*K顔料分散物1
・カーボンブラック(Nipex35、デグッサ社製)…13.1部
・下記分散剤1…0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)…6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53部
Figure 2007177015
*バインダー1
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物、分子量3.8万)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
*DPHA液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート…76部
(KAYARAD DPHA、重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…24部
*界面活性剤1
・下記構造物1…30部
・メチルエチルケトン…70部
Figure 2007177015
−黒色離画壁の形成−
無アルカリガラス基板(以下、単位「ガラス基板」という。)をUV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、さらに超純水で超音波洗浄した。その後、ガラス基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
ガラス基板を冷却後、23℃に温調し、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)にて、上記より得た黒色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続き、VCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させ、塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして、膜厚5μmの黒色感光層K1を形成した。
超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用い、黒色感光層K1が形成されたガラス基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と黒色感光層K1との間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、黒色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)にて23℃で80秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行ない、大気下にて露光量2,000mJ/cmにてポスト露光を行なった後、220℃で30分間ベーク処理を行なって、光学濃度3.9の黒色離画壁を形成し、黒色離画壁付基板を作製した。
−ラジカル着色液体組成物の製法−
〈顔料分散液の調製〉
下記表2に示す組成中の成分を混合し、1時間スターラーで攪拌した。攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色の顔料分散液(R顔料分散液1、G顔料分散液1、B顔料分散液1)を調製した。分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を1時間として行なった。
Figure 2007177015
〈ラジカル着色液体組成物の調製〉
前記3色(R、G、B)の顔料分散液を下記表3に示す組成となるように混合し、これをスターラーで1時間攪拌してラジカル着色液体組成物(以下、Rインク1、Gインク1、Bインク1と称する。)を得た。
Figure 2007177015
−ラジカル着色液体組成物によるRGB画素の形成−
次に、上記より得たRインク1、Gインク1、Bインク1(ラジカル着色液体組成物)を順次用いて、黒色離画壁付基板の黒色離画壁で離隔された凹状の領域に、各色の着色インクを所望の濃度が得られる量をピエゾ方式のヘッドから打滴し、着色層を形成した。
ここで、ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、基板上にノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴されるようにした。また、ヘッド及びインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部近傍が50±0.5℃の温度範囲に調温制御されている。ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42pl(ピコリットル)の吐出が可能であり、本実施例ではヘッドの下方1mmの位置で黒色離画壁付基板を搬送しながら打滴するようにした。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能であり、ピエゾ駆動周波数は最大4.6KHzまでが可能であり、これらの設定により打滴量を制御することができる。
本実施例では、R顔料、G顔料、B顔料の塗設量がそれぞれ1.1g/m、1.8g/m、0.75g/mになるように、搬送速度、駆動周波数を制御した。
打滴後、各色の着色層が打滴形成された黒色離画壁付基板は、露光部に搬送され、インク滴の着弾後の約0.5秒経過後に、紫外発光ダイオードNCCU033(日亜化学工業(株)製;UV−LED)により露光を行なって硬化させ、RGB3色の画素パターン(R画素、G画素、B画素)を形成した。
このようにして、RGB3色の画素パターンで構成されたカラーフィルタを作製した(以下、カラーフィルタ基板と称する。)。
このLEDは、1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであり、約500mAの電流を通電することによりチップから約100mWの光を発光するものである。これを7mm間隔で複数個配列し、表面で0.3W/cmのパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、及び露光時間は、黒色離画壁付基板の搬送速度及びヘッドとLEDの搬送方向における距離によって変更可能である。また、距離及び搬送速度の設定に応じて、黒色離画壁付基板上での露光エネルギーを0.01〜15J/cmの範囲で調整することができる。本実施例では、露光エネルギーは搬送速度により調整した。露光パワー、露光エネルギーの測定には、ウシオ電機(株)製のスペクトロラディオメータURS−40Dを用い、波長220〜400nmの間を積分した値を用いた。
その後、RGB3色の画素パターン及び黒色離画壁が形成されたカラーフィルタ基板を230℃のオーブン中で30分間ベーク処理することにより、黒色離画壁及びRGB3色の画素パターンをともに更に硬化させた。
次に、得られたカラーフィルタ基板をスパッタ装置に入れ、該カラーフィルタ基板を構成するR画素、G画素及びB画素並びに黒色離画壁の上の全面にさらに、100℃で厚み1300ÅのITO(Indium Tin Oxide)膜を真空蒸着した後、240℃で90分間アニール処理してITO膜を結晶化し、ITO透明電極を形成した。
続いて、特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記より形成したITO透明電極上にスペーサを形成した。
続いて、以下のようにして、ポジ型の感光性樹脂層用塗布液を用いてスペーサが形成されたITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。なお、露光、現像、及びベーク処理は下記の通りである。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるように、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を配置し、このフォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmでプロキシミティ露光した。続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液をシャワー式現像装置にて33℃で30秒間感光性樹脂層の上に噴霧しながら感光性樹脂層を現像した。現像により感光性樹脂層の不要部(露光部)を除去し、カラーフィルタ基板上に所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起を形成した。その後、液晶配向制御用突起が形成されたカラーフィルタ基板を230℃下で30分間ベーク処理することにより、硬化された液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
〈ポジ型の感光性樹脂層用塗布液の処方>
・ポジ型レジスト液(FH−2413F、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)・・・53.3部
・メチルエチルケトン・・・46.7部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製)・・・0.04部
引き続き、得られた液晶表示装置用基板上にポリイミドよりなる配向膜を設けた。その後、カラーフィルタを構成するRGB3色の画素パターンを取り囲むように周囲に設けられた黒色離画壁の外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた両基板を熱処理してシール剤を硬化させ、液晶セルを作製した。
さらに、作製した液晶セルの両側の基板面に(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、光源として3波長冷陰極管(FWL18EX−N、東芝ライテック(株)製)を用いてバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
(実施例2)
実施例1において、ラジカル着色液体組成物(Rインク1、Gインク1、Bインク1)を下記カチオン着色液体組成物に代えたこと以外、実施例1と同様にして、黒色離画壁を形成し、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
−カチオン着色液体組成物の製法−
〈顔料分散液の調製〉
下記表4に示す顔料、モノマー及び分散剤をボールミルに入れ、直径0.6mmのジルコンビーズを用いて16時間分散し、顔料分散体を得た。
Figure 2007177015
〈カチオン着色液体組成物の調製〉
前記3色(R、G、B)の顔料分散液を下記表5に示す組成となるように混合し、5.0μmのメンブランフィルターで濾過してカチオン着色液体組成物(以下、Rインク2、Gインク2、Bインク2と称する。)を得た。
Figure 2007177015
(実施例3)
実施例1において、ラジカル着色液体組成物(Rインク1、Gインク1、Bインク1)を下記のラジカル着色液体組成物(Rインク3、Gインク3、Bインク3)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、黒色離画壁を形成し、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
−ラジカル着色液体組成物の製法−
〈顔料分散液の調製〉
下記表6に示す顔料、モノマー及び分散剤をボールミルに入れ、直径0.6mmのジルコンビーズを用いて16時間分散し、顔料分散体を得た。
Figure 2007177015
〈ラジカル着色液体組成物の調製〉
前記3色(R、G、B)の顔料分散液を下記表7に示す組成となるように混合し、5.0μmのメンブランフィルターで濾過してラジカル着色液体組成物(以下、Rインク3、Gインク3、Bインク3と称する。)を得た。
Figure 2007177015
(比較例1)
実施例1において、ラジカル着色液体組成物(Rインク1、Gインク1、Bインク1)を下記の着色インク(Rインク4、Gインク4、Bインク4)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、黒色離画壁を形成し、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
〈着色インクの調製〉
下記表8に示す成分のうち、まず顔料とソルスパース24000(高分子分散剤)とを溶剤と共に混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得、その顔料分散液をディソルバー等で充分に攪拌しながら残りの他の成分を少量ずつ添加して、着色インクを調製した。
Figure 2007177015
(比較例2)
実施例1において、ラジカル着色液体組成物(Rインク1、Gインク1、Bインク1)を下記の紫外線硬化型インク(Rインク5、Gインク5、Bインク5)に代え、露光部でのUV−LEDによる露光(硬化)をUV照射装置(高圧水銀灯1灯、出力120W、コンベアスピード:20m/min)にて行なったこと以外、実施例1と同様にして、黒色離画壁を形成し、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
〈紫外線硬化型インクの組成〉
下記表9に示す顔料と分散剤とを、下記モノマー(1)と共に全量をサンドミルに入れて分散を4時間行ない、インク原液(R分散液5、G分散液5、B分散液5)を得た。次いで、得られたインク原液に下記光開始剤(2)を加え、光開始剤成分がインク原液に溶解するまで穏やかに混合し、さらにメンブランフィルターで加圧濾過し、Rインク5、Gインク5、Bインク5(紫外線硬化型インク)を得た。
*モノマー(1)
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・50部
(KS−TMPTA、日本化薬(株)製)
・N−ビニルホルムアミド・・・40部
(ビームセット770、荒川化学(株)製)
*光開始剤(2)
・イルガキュア907・・・6.5部
・イソプロピルチオキサントン・・・3.5部
Figure 2007177015
Figure 2007177015
(比較例3)
実施例1において、ラジカル着色液体組成物(Rインク1、Gインク1、Bインク1)を下記の着色インク(Rインク6、Gインク6、Bインク6)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、黒色離画壁を形成し、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
〈着色インクの調製〉
実施例1で調製した顔料分散液(R顔料分散液1、G顔料分散液1、B顔料分散液1)を下記表11に示す組成となるように混合し、これをスターラーで1時間攪拌して着色インク(Rインク6、Gインク6、Bインク6)を調製した。
Figure 2007177015
(評価)
各実施例及び各比較例で作製した各色インク、カラーフィルタ基板、液晶表示装置について下記評価を行なった。評価結果は下記表12に示す。
−1.吐出性安定性−
各実施例及び比較例で調製したインクを順次インクジェットヘッドに充填してヘッドから吐出し、実施例1と同様にして黒色離画壁が形成された黒色離画壁で取り囲まれた凹部の中心位置に滴下した。その後、吐出を停止してヘッドを1分間静止させた後、再び同じヘッドから黒色離画壁間の凹部の中心位置に滴下する操作を、1時間継続して繰返し行なった。このように間欠吐出する際に、最初に吐出動作を行なったときの吐出性と、その後に再吐出を行なったときの吐出性とを観察し、吐出安定性を下記の評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
○:初期に吐出できたヘッドの穴の全部からインクを再吐出することが可能であった。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部あった。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出なかった。
−2.白抜け−
各実施例及び各比較例で作製したカラーフィルタ基板を、画素パターン形成面側から光学顕微鏡により観察し、白抜けの有無の評価を行なった。評価は、画素パターン中の黒色離画壁側に凸な角の任意の100点を観察して、画素パターン中にインクが付着していない箇所の有無、並びに黒色離画壁の上面に残っているインクの有無から下記の評価基準にしたがって行なった。
[評価基準]
○:白抜けは全くなかった。
△:目視では白抜けは確認できないが、光学顕微鏡の観察で白抜けが観察された。
×:目視でも白抜けが観察された。
−3.混色−
各実施例及び各比較例で作製したカラーフィルタ基板を画素パターン形成面側から光学顕微鏡により観察し、任意の100画素について混色の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
○:白抜けは全くなかった。
△:目視では混色は確認できないが、光学顕微鏡の観察で混色が観察された。
×:目視でも混色が観察された。
−4.表示ムラ−
各実施例及び各比較例で作製した液晶表示装置を白表示した場合と黒表示した場合の表示ムラを下記評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
○:白表示、黒表示ともムラは認められなかった。
△:黒表示ではムラが見られないが、白表示でムラが認められた。
×:白表示、黒表示ともムラが認められた。
Figure 2007177015
前記表12に示すように、実施例では、間欠吐出する際の吐出性を継続的に安定保持することができた。また、カラーフィルタ基板には各色のインクは黒色離画壁間の凹部にぴったり収まっており、いずれも混色や色ムラ、画素パターン中の白抜けは認められず、実施例で作製した液晶表示装置はいずれも表示ムラの発生はなく、良好な表示特性を示した。これに対し、比較例では、間欠吐出時の吐出性が徐々に悪化してしまい、混色も認められ、作製した液晶表示装置では表示ムラが認められた。

Claims (7)

  1. 着色剤と重合性モノマーとを含むカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクであって、
    固形分量が50質量%以上であり、前記重合性モノマー中における多官能モノマーの割合が95質量%以上であると共に、前記着色剤は、赤色の着色剤、青色の着色剤、及び緑色の着色剤より選択される少なくとも一種を含むカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク。
  2. 前記多官能モノマーが、ラジカル重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク。
  3. 前記多官能モノマーが、カチオン重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク。
  4. 前記固形分量が70質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インク。
  5. 基板上に色相の異なる2色以上の画素群と前記画素群を構成する各画素を互いに離隔する遮光性の濃色離画壁とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記濃色離画壁で離隔されている凹部に、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用活性エネルギー線硬化性インクをインクジェット法により付与して着色層を形成するカラーフィルタの製造方法。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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