JP2007183513A - カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、及び液晶表示装置 Download PDF

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尚久 寺嶋
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英明 伊藤
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Abstract

【課題】位置精度がよく、混色のない画素を形成し、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有し、かつ低コスト及び高効率にカラーフィルターを製造するカラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部にR、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成し、前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記R、G、及びBインクの何れかがテレビ、モニターに最適な組成であるカラーフィルターの製造方法、該カラーフィルターの製造方法により得られるカラーフィルター、及び該カラーフィルターを有する液晶表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター及びその製造方法、並びに液晶表示装置に関する。
テレビ用カラーフィルターは、ガラス等の基板上に赤色、緑色、青色のドット状画像をそれぞれマトリックス状に配置し、その境界をブラックマトリックス等の濃色離画壁で区分した構造である。このようなカラーフィルターの製造方法としては、従来、支持体としてガラス等の基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)着色した感光性樹脂液の塗布と露光及び現像の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト法、例えば、特許文献1参照。)、4)仮支持体上に形成した画像を順次、最終又は仮の支持体上に転写する方法(例えば、特許文献2参照。)、5)予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより着色層を形成し、順次直接、基板上にこの感光性着色層を転写し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法等により多色画像を形成する方法(転写方式)が知られている(例えば、特許文献3参照。)。またインクジェット法を用いる方法(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
これらの方法のうち、着色レジスト法は位置精度が高くカラーフィルターを作製できるものの、感光層樹脂液の塗布にロスが多くコスト的には有利とは言えない。一方、インクジェット法は樹脂液のロスが少なくコスト的に有利ではあるものの、画素の位置精度が悪いという問題がある。これらを克服すべく、ブラックマトリックスを着色レジスト法で形成し、RGB画素をインクジェット法で作製するカラーフィルターの製造方法も提案されているが、形成されたブラックマトリックスの断面形状を観察すると、上端やそのエッジが丸くなっており、後に打滴された各色インクがブラックマトリックスをのり越えやすいために、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどが起こるおそれがある。
これを防ぐ為、ブラックマトリックスとインクとの間に、お互いはじきあう性質を持たせたり、ブラックマトリックス間隙部のインクの濡れ性を高めたりする方法が開示されている(例えば、特許文献5、6及び7参照)が、これらの方法では、ブラックマトリックス用着色レジストやインクに特殊な素材が必要であったり、ブラックマトリックス間隙部の表面エネルギーを高める工程(表面改質処理)が必要であり、コスト的な問題がなお残されている。
また、単官能モノマーと多官能モノマーを用い、付着後直ちに活性光線で硬化するインクを用いて生産性を向上させ方法が開示されている(例えば、特許文献8参照)が、特性が十分では無く、テレビ、モニターに搭載したときに、表示ムラ、色再現域不足、コントラスト不足などが見られ、問題が残されている。
特開昭63−298304号公報 特開昭61−99103号公報 特開昭61−99102号公報 特開平8−227012号公報 特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平10−142418号公報 特開2002−371216号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明の目的は、位置精度がよく、混色のない画素を形成し、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有し、かつ低コスト及び高効率にカラーフィルターを製造するカラーフィルターの製造方法、該カラーフィルターの製造方法により得られるカラーフィルター、及び該カラーフィルターを有する液晶表示装置を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、遮光性を有する隔壁により区切られた凹部に、インク中の固形分量が50質量%以上である実質的に溶剤を含まない重合性のR,G,Bのインクをインクジェット法により、画素を形成することにより、各色インクのにじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどの欠陥となる不良が防止できるため表示ムラがなく広い色再現域を有し、また表面が平坦で均一な画素が得られるため高コントラスト比を有する良好なカラーフィルターを得ることが可能となり本発明を完成した。
即ち、本発明は、
<1> 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記Rインクの着色剤が、顔料C.I.P.R.254及び顔料C.I.P.R.177を含み、且つ前記赤色着色層における顔料C.I.P.R.254の含有量が0.80〜0.96g/m2であり、顔料C.I.P.R.177の含有量が0.20〜0.24g/m2であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。
<2> 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記Gインクの着色剤が、顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.150を含み、且つ前記緑色着色層における顔料C.I.P.G.36の含有量が0.90〜1.34g/m2であり、顔料C.I.P.Y.150の含有量が0.38〜0.58g/m2であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。
<3> 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記Bインクの着色剤が、顔料C.I.P.B.15:6と、顔料C.I.P.V.23を含み、且つ前記青色着色層における顔料C.I.P.B.15:6の含有量が0.59〜0.67g/m2であり、顔料C.I.P.V.23の含有量が0.065〜0.075g/m2であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。
<4> 前記隔壁の断面形状において、該隔壁の基板からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板と平行な線をL1、該L1と隔壁が接する点における接線をL2、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3の交点からの該隔壁までの距離で規定される値dをhで除した値が0.04以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載のカラーフィルターの製造方法である。
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載のカラーフィルターの製造方法で製造され、少なくとも2色以上の着色画素を有することを特徴とするカラーフィルターである。
<6> 前記少なくとも2色以上の着色画素のコントラストがいずれも2000以上であり、かつ前記少なくとも2色以上の着色画素の内、最も低いコントラストの着色画素と最も高いコントラストの着色画素とのコントラストの差が、600以内であることを特徴とする<5>に記載のカラーフィルターである。
<7> <5>または<6>に記載のカラーフィルターを有することを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、位置精度がよく、混色のない画素を形成し、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有し、かつ低コスト及び高効率にカラーフィルターを製造するカラーフィルターの製造方法、該カラーフィルターの製造方法により得られるカラーフィルター、及び該カラーフィルターを有する液晶表示装置を提供することができる。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなることを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。
上述のように、インク中の固形分量を50質量%以上とすることにより、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有し、かつ低コスト及び高効率にカラーフィルターを製造することができる。前記インク中の固形分量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
尚、本発明において固形分量とは、溶剤以外の成分である。
本発明における溶剤とは、本発明のインクに含まれる着色剤、重合性モノマー、添加剤、ポリマーなどの機能性材料の溶解または分散を助けるもので、本発明のインクの流動性を高める働きをして打滴などを行いやすくすると共に、本発明のインクを打滴し、所定の乾燥または熱処理を行った後は、その大半(概ね9割以上)が、蒸発などにより、除かれる性質のものである。
例えば、重合性モノマーも液状であるが、これに該溶剤を加えると、より流動性が高まり、打滴しやすくなる。
通常、沸点が100℃以下の有機溶剤が用いられる。また、インクの乾燥を防ぎヘッドの目詰まりを防止する目的では沸点が200℃以下、場合によってはそれ以上の高沸点溶剤が用いられる事もある。該溶剤としては、「新版溶剤ポケットブック(有機合成科学協会編、オーム社発行)」や、「溶剤ハンドブック 浅原照三ほか編 講談社、1976年」に記載のものを指し、その具体例としては、イオン交換水、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類;ジアセトンアルコール等のケトンアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル等のアルキルエーテル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、グリセリン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等が挙げられる。
また、用いる着色剤、及び該着色剤の着色層における含有量としては、以下の着色剤及び含有量が挙げられる。
前記Rインクの着色剤としては、顔料C.I.ピグメントレッド(C.I.P.R.)254及び顔料C.I.ピグメントレッド(C.I.P.R.)177を含み、且つ前記赤色着色層における顔料C.I.P.R.254の含有量が0.80〜0.96g/m2であり、顔料C.I.P.R.177の含有量が0.20〜0.24g/m2である。前記顔料C.I.P.R.254の含有量は、0.82〜0.94g/m2であることが好ましく、0.84〜0.94g/m2であることがより好ましい。一方、前記顔料C.I.P.R.177の含有量は、0.21〜0.23g/m2であることが好ましく、0.215〜0.23g/m2であることがより好ましい。尚、前記顔料の含有量は、赤、緑、青色全体の着色層ではなく、赤色着色層単独の含有量である。
また、前記Gインクの着色剤としては、顔料C.I.ピグメントグリーン(C.I.P.G.)36及び顔料C.I.ピグメントイエロー(C.I.P.Y.)150を含み、且つ前記緑色着色層における顔料C.I.P.G.36の含有量が0.90〜1.34g/m2であり、前記顔料C.I.P.Y.150の含有量が0.38〜0.58g/m2である。前記顔料C.I.P.G.36の含有量は、0.95〜1.29g/m2であることが好ましく、1.01〜1.23であることがより好ましい。一方、前記顔料C.I.P.Y.150の含有量は、0.40〜0.56g/m2であることが好ましく、0.43〜0.53g/m2であることがより好ましい。尚、前記顔料の含有量は、赤、緑、青色全体の着色層ではなく、緑色着色層単独の含有量である。
更に、前記Bインクの着色剤としては、顔料C.I.ピグメントブルー(C.I.P.B.)15:6と、顔料C.I.ピグメントバイオレット(C.I.P.V.)23であり、且つ前記青色着色層における顔料C.I.P.B.15:6の含有量が0.59〜0.67g/m2であり、前記顔料C.I.P.V.23の含有量が0.065〜0.075g/m2である。前記顔料C.I.P.B.15:6の含有量は、0.60〜0.66g/m2であることが好ましく、0.61〜0.65g/m2であることがより好ましい。一方、前記顔料C.I.P.V.23の含有量は、0.066〜0.074g/m2であることが好ましく、0.067〜0.075g/m2であることがより好ましい。尚、前記顔料の含有量は、赤、緑、青色全体の着色層ではなく、青色着色層単独の含有量である。
尚、上述の着色層における顔料の含有量は、着色層を形成した後、乾燥させたときの1.0〜3.0μmの膜厚になるように吐出した各色の着色層における顔料の含有量(塗布量)をいう。
測定方法は、所定の処方のインクを吐出した時の体積と重量から計算することができる。
以上の着色剤及び含有量は、テレビ、モニター等で通常用いられるもので、これによりテレビ、モニター等に最適な色目が得られる。
本発明においては、上述のR、G、及びBインクの着色剤の規定の内の何れか一つの規定を満たせばよいが、前記R、G、及びBインクの着色剤の規定全てが満たされるが好ましい。
さらに前記顔料の他に、前記顔料以外の顔料を組み合わせて用いてもよい。具体的には、下記補助的に使用する染料、顔料に記載のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
−補助的に使用する染料、顔料−
本発明に用いるインクには、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、インク中に均一に分散されていることが好ましい。
前記補助的に使用する着色剤としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
前記顔料は分散液として使用することが好ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する重合性化合物(又はビヒクルや溶剤)に添加して分散させることによって調製することができる。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなる場合がある。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下する場合がある。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
本発明のカラーフィルターの各着色画素のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは、2800以上であり、更に好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。また、各着色画素のコントラストの差は、600以内であり、好ましくは410以内、更に好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。カラーフィルターを構成する各着色画素のコントラストが2000未満であると、これを有する液晶表示装置の画像を観察すると、全体的に白っぽい画像となり、見難くなる場合がある。また、各着色画素のコントラストの差が600を超えると、黒表示時における各着色画素からの光漏れ量が大きく相違するため、パネル白表示時の各色特性に基づいて色調整を実施しても、黒表示には、色バランスが崩れるという現象が生じ、色再現性が劣る場合がある。
本発明における着色画素のコントラストとは、カラーフィルターを構成するR、G、Bについて、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。
コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。ここで、偏光板としては、日東電工G1220DUNを用い、測定機は色彩輝度計BM−5((株)トプコン製)を用いた。なお、コントラスト測定に用いる偏光板は、該カラーフィルターを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
着色画素のコントラストは、分散されている顔料の粒径を小さくすることで向上させることができる。粒径を小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節することで達成できる。分散には、前記記載の公知の分散機を用いることができる。分散時間は好ましくは10〜35時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。一方、35時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、インクジェットヘッドからの吐出が困難になることがある。また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒径を調節して、所望のコントラストとすればよい。
着色剤のインク組成物中における量は、所望の色相、濃度が得るために適宜選択することができる。
(重合性化合物)
本発明に用いられる重合性化合物は、ラジカル活性種による重合反応により硬化するラジカル重合性化合物およびカチオン活性種によるカチオン重合反応により硬化するカチオン重合性化合物を用いることができる。
(ラジカル重合性化合物)
本発明に用いられるラジカル重合性化合物の具体的化合物には、以下に示す化合物があるが、これらに限定されることはない。
本発明に用いられるエチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマーにはブタンジオールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。
本発明に使用するインクのもう一つの硬化成分である2官能以上のモノマー、オリゴマーにはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレー、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
(カチオン重合性化合物)
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、光重合開始剤から発生されるカチオン活性種により重合反応を生起し、硬化する化合物として、カチオン重合性化合物を用いる。
カチオン重合性化合物としては、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されているビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、オキシラン化合物などが挙げられる。
ビニルエーテルを官能基に有するカチオン重合性化合物の具体例としては、ウレタン系ビニルエーテル(ビニルエーテルウレタン)、エステル系ビニルエーテルなどが挙げられる。これらのオリゴマーは単独でまたは混合して使用することができる。
(重合開始剤)
本発明に用いられる重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により、ラジカル活性種を発生し、ラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤、及び、カチオン活性種を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始するカチオン重合開始剤のいずれかを重合性化合物に合わせて、用いることができる。
−ラジカル重合開始剤−
本発明において、使用し得る光重合開始剤は以下のものが挙げられる。ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2、2−ジメチル−2−ヒドロキシアセエトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド、等が挙げられる。
−カチオン重合開始剤−
カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、特公昭54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ケイ素化合物/アルミニウム錯体等が例示される。
−熱重合防止剤−
本発明に用いるインクは、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
−紫外線吸収剤−
本発明に用いるインクには、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
また、本発明に用いるインクにおいては、前記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
(インクジェット記録方式)
本発明において、インクジェット記録方式は、インクジェットヘッドによりインクを、遮光性を有する隔壁(以下、「遮光性隔壁」又は「濃色離画壁」と呼ぶ場合がある。)で区切られた基板上の凹部に射出して着色層を形成し、次いで紫外線などの活性エネルギー線を照射してインクを硬化させる。
インクの射出条件としては、インクを40〜70℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。重合性インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を出来るだけ一定に保つことが必要である。
本発明に用いられるインクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう)は、公知のものを使うことができ、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。ヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。
(インクの硬化)
R,G,B各色インクの硬化においては、重合性インクの有する感応波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発するエネルギー源を用いて重合硬化を促進する露光処理を行なうことが好ましい。エネルギー源としては、例えば、200〜450nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなど、重合開始剤が感応するものを適宜選択して使用することができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性光線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間としては、重合性化合物と重合開始剤との組合せに応じて適宜設定することができるが、例えば、例えば、照度20mW/cm2で露光する場合は、1〜30秒とすることができる。
[遮光性隔壁作製用感光性組成物(濃色組成物)]
各画素の遮光性隔壁は、着色剤を含有する感光性組成物(以下、「濃色組成物」ともいう。)から形成される。ここで、濃色組成物とは、高い光学濃度を有する組成物のことであり、その値は濃色離画壁を形成した時に、2.0〜10.0になるような光学濃度である。2.0〜10.0である。濃色組成物の光学濃度は好ましくは2.5〜6.0であり、特に好ましくは3.0〜5.0である。また、この濃色組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要である。すなわち、その値は2.0〜10.0であり、好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では隔壁形状が望みのものとならない場合があり、10.0を超えると、重合を開始することができず隔壁そのものを作ることが困難となる場合がある。かかる性質を有しさえすれば、組成物中の着色剤(濃色体)は有機物(染料、顔料などの各種色素)であっても、また各形態の炭素であっても、これらの組み合わせからなるものであってもよい。
(着色剤)
前記濃色組成物に用いる着色剤について具体的に説明する。
本発明に係る濃色組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、濃色組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
前記濃色組成物の固形分中の着色剤の比率は、現像時間を短縮する観点から、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、50〜55質量%であることが更に好ましい。
前記濃色組成物に用いる公知の染料ないし顔料としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
本発明においては、前記濃色組成物に用いる着色剤の中でも黒色着色剤であることが好ましい。黒色着色剤として、更に例示すると、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記濃色組成物に用いる顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
前記濃色組成物に用いる着色剤(顔料)は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
濃色組成物はかかる着色剤(濃色体)以外に、重合性化合物、及び光重合開始剤を少なくとも含む。また、必要に応じて更に公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに濃色組成物は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
濃色組成物を硬化させる方法としては、光開始系を用いる。ここで用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始系の中から適宜選択することができる。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
具体的には、特開2001−117230公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs−トリアジン誘導体、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、などのアクリジン系化合物;
6−(p−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;その他、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
前記のうち、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、特に、トリハロメチル基含有化合物及びアクリジン系化合物から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物は、汎用性でかつ安価である点でも有用である。
特に好ましいのは、トリハロメチル基含有化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールであり、アクリジン系化合物としては、9−フェニルアクリジンであり、更に、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾールなどのトリハロメチル基含有化合物、及びミヒラーズケトン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
前記濃色組成物を硬化させる光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の濃色組成物における総量としては、濃色組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。前記総量が、0.1質量%未満であると、組成物の光硬化の効率が低く露光に長時間を要することがあり、20質量%を超えると、現像する際に、形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面に荒れが生じやすくなることがある。
前記濃色組成物を硬化させる光重合開始剤は、水素供与体を併用して構成されてもよい。該水素供与体としては、感度をより良化することができる点で、以下で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。ここでの「水素供与体」とは、露光により前記光重合開始剤から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物をいう。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「メルカプタン系水素供与体」という)である。また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という)である。尚、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
前記のメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン、等が挙げられる。これらのうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
前記のアミン系水素供与体の具体例としては、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。これらのうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記水素供与体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に永久支持体上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組合せの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。より好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノベンゾフェノンであり、特に好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを組合せた場合の、メルカプタン系水素供与体(M)とアミン系水素供与体(A)との質量比(M:A)は、通常1:1〜1:4が好ましく、1:1〜1:3がより好ましい。前記水素供与体の濃色組成物における総量としては、濃色組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
濃色組成物の多官能性モノマー(重合性化合物)としては、下記化合物を単独又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物とヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のジイソシアネートとの反応物も使用できる。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
多官能性モノマーの濃色組成物における含有量としては、濃色組成物の全固形分(質量)に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、組成物の露光部でのアルカリ現像液への耐性が劣ることがあり、80質量%を越えると、濃色組成物としたときのタッキネスが増加してしまい、取扱い性に劣ることがある。
−バインダー−
本発明に係る濃色組成物は、バインダーの少なくとも一種を用いて構成することができる。
バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、等を挙げることができる。
また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げられる。さらに、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用できる。
特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーは、一種単独で用いてもよいし、通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用するようにしてもよい。
バインダーの濃色組成物中における含有量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、20〜50質量%が好ましく、25〜45質量%がより好ましい。
−溶剤−
本発明における濃色組成物は、一般に前記成分以外に、有機溶剤を用いて構成することができる。該有機溶剤の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等が挙げられる。
−他の成分−
本発明における濃色組成物には、さらに下記成分、例えば界面活性剤、紫外線吸収剤、並びに公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、熱重合防止剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに、濃色組成物は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
〈界面活性剤〉
濃色組成物を基板上又は後述の感光性転写材料の仮支持体上に塗布する場合には、濃色組成物中に界面活性剤を含有させることで、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に記載の界面活性剤が好適に挙げられる。なお、界面活性剤の濃色組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、0.001〜1質量%が一般的であり、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.03〜0.3質量%が特に好ましい。
〈紫外線吸収剤〉
濃色組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報に記載の化合物、並びにサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。
例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
紫外線吸収剤を用いる場合の、濃色組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量としては0.5〜15質量%が一般的であり、1〜12質量%が好ましく、1.2〜10質量%が特に好ましい。
〈熱重合防止剤〉
本発明に係る濃色組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤を用いる場合の、濃色組成物の全固形分に対する含有量としては0.01〜1質量%が一般的であり、0.02〜0.7質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
また、濃色組成物には、前記成分以外に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」やその他の添加剤等を含有させることもできる。
(遮光性隔壁)
各画素の遮光性隔壁は、前記濃色組成物から形成される。遮光性隔壁は、2以上の画素群を離画するものであり、一般には黒であることが多いが、黒に限定されるものではない。遮光性隔壁は、濃色光重合成組成物を貧酸素雰囲気下にて露光し、その後現像することにより形成することが好ましい。
かかる濃色組成物を光硬化させる際の貧酸素雰囲気下とは、不活性ガス下、減圧下、酸素を遮断しうる保護層下のことを指しており、これらは詳しくは以下の通りである。
不活性ガスとは、N2、H2、CO2、などの一般的な気体や、He、Ne、Arなどの希ガス類をいう。この中でも、安全性や入手の容易さ、コストの問題から、N2が好適に利用される。
減圧下とは500hPa以下、好ましくは100hPa以下の状態を指す。
酸素を遮断しうる保護層とは、例えば、特開昭46−2121号や特公昭56−40824号の各公報に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらの二種以上の組合せ等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの組合せである。ポリビニルアルコールは鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポリビニルピロリドンの含有量は酸素遮断層の全固形分の1〜75質量%が好ましく、より好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。
酸素遮断層中におけるポリビニルアルコールの含有量としては、25〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。これらのポリマーの添加量は、層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。なお、ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
このようにして作製された酸素を遮断しうる保護層の酸素透過係数は2000cm3/(m2・day・atm)以下が好ましく、100cm3/(m2・day・atm)以下がより好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下が最も好ましい。酸素透過係数が2000cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、遮光性隔壁を所望の形状にすることが困難となる場合がある。
本発明において、基板上に形成された遮光性隔壁の断面形状は、図1に示す如く遮光性隔壁1の基板2からの高さが最も高い点における基板2からの高さをh、基板2から0.8hの位置に基板2と平行な線をL1、L1と遮光性隔壁1が接する点における接線をL2、hの位置に基板2と平行な線をL3としたとき、L2とL3の交点からの遮光性隔壁1までの距離で規定される値dをhで除した値が0.04以下であることが好ましい。
基板1上において、前記で説明したような濃色組成物を、同じく前記で説明した貧酸素雰囲気下で光重合した場合、組成物自身の吸収により組成物表面から基板方向への露光量は減衰するため、結果として表面の硬化がより進む。さらに、貧酸素雰囲気下であるために組成物表面での重合阻害が抑制され、こちらも結果として表面の硬化がより進む。これら二つの寄与により、基板2上に形成された遮光性隔壁1の断面形状において、該遮光性隔壁1の基板2からの高さが最も高い点における基板2からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板2と平行な線をL1、L1と遮光性隔壁1が接する点における接線をL2、hの位置に基板2と平行な線をL3としたとき、L2とL3の交点からの遮光性隔壁1までの距離で規定される値dをhで除した値が0.04以下となる。
これらの値は、実際には基板2上に形成された遮光性隔壁1を、基板2ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察することで測定する。こうして得られた遮光性隔壁1の形状を固定化する工程を経ることで、一旦その空隙に打滴されたインクは隔壁を乗り越えにくくなり、その結果、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどを防いで良好なカラーフィルターを得ることができる。好ましいd/h値は0.04以下であるが、0.038以下がより好ましく、特に0.035以下が更に好ましい。図2は前記した形状の遮光性隔壁を形成するのに好適なカラーフィルターの実施の形態を示す。これらのカラーフィルターにおいて、遮光性隔壁を前記の形状とすることによって混色のない画素が得られる。
以上の遮光性隔壁1の高さは、混色を防止するという観点から、1〜20μmとすることが好ましく、1.5〜10μmとすることがより好ましく、2〜5μmとすることがさらに好ましい。
(感光性転写材料)
かかる遮光性隔壁を容易且つ低コストで実現するものとして、仮支持体上に少なくとも感光性濃色組成物からなる層と、酸素遮断層とを、有してなる感光性転写材料を使用するという手法がある。このような材料を用いた場合、感光性濃色組成物からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
(熱可塑性樹脂層)
前記の感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。かかる熱可塑性樹脂層とは、アルカリ可溶性であって、少なくとも樹脂成分を含んで構成され、該樹脂成分としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂層が設けられることにより、後述する遮光性隔壁形成方法において、永久支持体との良好な密着性を発揮することができる。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、前記の熱可塑性樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、更に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質についても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。また、これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニル、ジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
(仮支持体)
前記の感光性転写材料における仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等、薄いシート若しくはこれらの積層体が好ましい。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、好ましくは20〜150μmである。
(感光性樹脂層(感光性濃色組成物からなる層))
感光性樹脂層は、既述の濃色組成物を用いてなり、形状等の特性や形成方法等については既述の塗布法で塗布形成される層と同様であり、好ましい態様も同様である。
(酸素遮断層)
仮支持体と感光性樹脂層との間、あるいは熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間には、酸素遮断層を更に設けることが好ましい。酸素遮断層とは、前述の酸素を遮断しうる保護層と同様のものである。
(保護フィルム)
仮支持体上に形成された感光性樹脂層の表面には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために、保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは、仮支持体と同一もしくは類似の材料で構成されてもよく、転写を良好に行なう点で感光性樹脂層からの分離が容易に行なえるものであることが重要である。
保護フィルムを構成する材料としては、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。保護フィルムの厚みは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
(基板)
カラーフィルターを構成する基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フィルムが挙げられる。
(遮光性隔壁の形成)
以下、感光性転写材料を用いて、遮光性隔壁を形成する場合を説明する。仮支持体上に、感光性濃色組成物層、酸素遮断層、更に該酸素遮断層上にカバーシートが設けられた感光性転写材料を用意する。
[転写工程]
まず、カバーシートを剥離除去した後、露出した酸素遮断層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネーター等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネーターには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
[露光・現像工程]
次いで、仮支持体と感光性樹脂層との間で剥離し、仮支持体を除去する。続いて、仮支持体除去後の除去面の上方に所望のフォトマスクを配置し、光源より紫外線を照射し、照射後所定の処理液を用いて現像処理する。現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光には、例えば、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)等を用いることができる。
照度としては、好ましくは300mW/cm2以上であり、特に好ましくは2,000mW/cm2以上である。本発明の効果を得る観点では、照度の上限値は特になく、装置、設備上支障がなければ所望の照度に上げることができる。この照度は、光源の出力を高める、光源の数を増やす、また、光源と被露光体との距離を狭くする等の方法により前記範囲に調整することができる。
適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。感光性樹脂層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、感光性樹脂層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、遮光性隔壁形状を好適なものとすることが困難となる。現像処理の後に水洗工程を入れることも可能である。この現像工程にて、遮光性隔壁形状は前述のごとく形成される。
ついで、前記現像工程にて形成された遮光性隔壁の空隙に対し、RGB各画素を形成する為の着色液体組成物をその空隙に侵入させるが、各画素を形成する前に、遮光性隔壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理(ポストベークと呼ぶことがある)を行う等である。
(ポスト露光)
現像と熱処理の間に、ポスト露光(再露光ともいう)を実施すると、遮光性隔壁の断面形状のコントロール、遮光性隔壁の硬度のコントロール、遮光性隔壁の表面凹凸のコントロール、遮光性隔壁の膜減りのコントロールなどの観点で好ましい。ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号0074に記載の超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射する事が、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。必要に応じて、両面から実施する。また、露光量も、上面:100から2000mJ/平方センチメートル、下面:100から2000mJ/平方センチメートルの範囲で、上記コントロール目的に応じ、適宜調整する。
(熱処理)
熱処理(ポストベークともいう。)により本発明の感光性樹脂層に含まれるモノマーや架橋剤などを反応させて、遮光性隔壁の硬度を確保することができる。熱処理は、遮光性隔壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということをさし、そのの温度は、150℃から250℃の範囲が好ましい。150℃以下では硬度が不十分となり、250℃以上では樹脂が着色し色純度が悪くなる。熱処理の時間は、10分から150分が好ましい。10分未満では、硬度が不足し、150分以上では、樹脂が着色し色純度が悪くなる。また熱処理は、色によって変えてもよい。また、前述のインクジェット法により全部の色を形成後、更に最終の熱処理を行って硬度を安定化させても良い。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を濃色離画壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)濃色離画壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された濃色離画壁にプラズマによる撥インク化処理を施す方法が好ましい。
上記のように着色領域(着色画素)及び濃色離画壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色領域及び濃色濃色離画壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R,G,B等の着色領域及び濃色濃色離画壁を保護すると共に表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは設けないことが好ましい。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
(各画素の形成)
各画素形成のために用いるインクジェット方式に関しては、前述の公知の方法を用いることができる。
好ましくは、各画素を形成した後、加熱処理(いわゆるベーク処理)する加熱工程を設け熱による硬化を行う。即ち、光照射により光重合した層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時間は、感光性組成物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を獲得する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルターのパターン形状は特に限定されるものではなく、一般的なブラックマトリックス形状であるストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
本発明のラーフィルターは、既述の本発明のカラーフィルターの製造方法で製造されたものであり、少なくとも2色以上の着色画素を有することを特徴とする。本発明のラーフィルターは、広い色再現域と高コントラスト比を有する。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルターを備えるものであれば、特に限定するものではなく、ECB(Electrically Controlled Birefringence )、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。前述したようなカラーフィルターを用いることを特徴とし、これにより、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有することができ、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等にも好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
(隔壁作製用黒色感光性組成物の製法)
黒色感光性組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・下記分散剤1(Etはエチル基を示す。) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
[実施例1]
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上表に記載の組成よりなる濃色組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶剤の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2μmの濃色感光層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色感光層K1の間の距離を200μmに設定し、大気下、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を100倍希釈したものにて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2000mJ/cm2にてポスト露光を行って光学濃度3.9の濃色離画壁(遮光性隔壁)を得た(以下、濃色離画壁付き基版という。)。
このようにして得られた濃色離画壁付き基板を、基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察した。隔壁が形成された基板からの高さが最も高い点での離画壁高さh、0.8hの位置に基板と平行な線L1、L1と離画壁の接点における接線L2、hの位置に基板と平行な線L3としたとき、L2とL3の交点から離画壁までの距離dと定義すると、h=1.6μm、d=0.061μmであり、d/h=0.038であった。
[ラジカル重合性インクの製法]
・顔料分散液の調製
下記表2の組成物を混合し、1時間スターラーで攪拌した。攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、R1、G1、B1の顔料分散液を得た。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を表2に記載の時間で行った。
・インク液の調製
R1、G1、B1の各顔料分散液等を表3の組成で混合し、1時間スターラーで攪拌し、Rインク1、Gインク1、Bインク1を得た。
[ラジカル重合性インクによるRGB画素の記録方法]
前記で得られたRインク1、Gインク1、Bインク1をピエゾ方式のヘッドを用いて遮光性隔壁に囲まれた凹部に、また単色コントラスト評価用に濃色組成物K1を塗布していないガラス基板に、Rインク1、Gインク1、Bインク1を単独で下記のように打滴を行った。
ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、基板上にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。ヘッドおよびインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部分近辺が50±0.5℃となるように制御されている。
ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42plの吐出が可能であって、本実施例ではヘッドの下1mmの位置でガラス基板が搬送されながらヘッドより打滴される。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。またピエゾ駆動周波数は最大4.6KHzまでが可能であって、これらの設定により打滴量を制御することができる。
本実施例では、Rインク1、Gインク1、Bインク1それぞれ、顔料の塗設量が、1.1、1.8、0.7g/m2なるように、搬送速度、駆動周波数を制御し、所望するR、G、Bに対応する凹部に、また単色コントラスト評価用にはガラス基板全面に単色でR、G、Bのインクを打滴した。
打滴されたインクは、露光部に搬送され、紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光される。本実施例ではUV−LEDは日亜化学製NCCU033を用いた。本LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、表面で0.3W/cm2のパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、および露光時間はメディアの搬送速度およびヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例では着弾後、約0.5秒後に露光される。
距離および搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cm2の間で調整することができる。本実施例では搬送速度により露光エネルギーを調整した。これら露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40Dを用い、波長220nmから400nmの間を積分した値を用いた。
打滴後のガラス基板を230℃オーブン中で30分ベークすることで、遮光性隔壁、各画素共に完全に硬化させた。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは遮光性隔壁間隙にぴったり収まり、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどの欠陥となる不良は見つからなかった。
(ITO電極の形成)
前記カラーフィルターが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(実施例2)
実施例1において、R1、G1、B1の各顔料分散液を調整する際の分散時間を、R1顔料分散液が27時間に、G1顔料分散液が28時間に、B1顔料分散液が27時間に変更したこと以外実施例1と同様にして、カラーフィルターを作製し、ITO透明電極を形成した。
(実施例3)
実施例2の隔壁作製時の露光工程において大気下で行った露光を、窒素雰囲気下でおこなったこと以外は、実施例2と全く同様の処理、操作を行ってブラックマトリックス様濃色離画壁付き基板を得た。このようにして得られた濃色離画壁の光学濃度は3.9であった。更に該濃色離画壁付き基板を用いてカラーフィルターを作製し、ITO透明電極を形成した。
(比較例1)
下記表4の組成物を混合し、1時間スターラーで攪拌した。攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、Rインク2、Gインク2、Bインク2を得た。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を表4に記載の時間で行った。
尚、得られた各インクの固形分量は、Rインク2が4.0質量%、Gインク2が3.8質量%、Bインク2が4.0質量%であった。
Rインク2、Gインク2、Bインク2を、実施例1におけるRインク1、Gインク1、Bインク1の打滴と同様にして打滴後、30分自然乾燥を行い、さらに150℃で乾燥した。その後、実施例1と同様に、ベークを行い、カラーフィルターを得た。
得られたカラーフィルターを観察したところ、R、G、Bの各画素は、遮光性隔壁を乗り越えた他色のインクの顔料が混在しており、混色が見られ、所望の色相が得られなかった。
[実施例4]
(ラジカル重合性インク)
インクの組成を下記表5に代え、Rインク3、Gインク3、Bインク3を調製し、Rインク1、Gインク1、Bインク1の代わりにそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様に、ベークを行い、カラーフィルターを得た。
Rインク3、Gインク3、Bインク3を実施例1と同様に、ピエゾ方式のヘッドを用いて濃色離画壁に囲まれた凹部に打滴を行い、カラーフィルターを作製し、ITO電極を形成した。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは濃色離画壁間隙にぴたりと収まり、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどの欠陥となる不良は見つからなかった。
[比較例2]
実施例1において、Rインク1、Gインク1、Bインク1を下記のRインク4、Gインク4、Bインク4に代えたこと以外、実施例1と同様にして、濃色離画壁を形成し、カラーフィルタを作製した。
〈着色インクの調製〉
下記表6に示す成分のうち、まず顔料とソルスパース24000(高分子分散剤)とを溶剤と共に混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得、その顔料分散液をディソルバー等で充分に攪拌しながら残りの他の成分を少量ずつ添加した。
攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、Rインク4、Gインク4、Bインク4を得た。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を表6に記載の時間で行った。
得られたカラーフィルターを観察したところ、R、G、Bの各画素は、遮光性隔壁を乗り越えた他色のインクの顔料が混在しており、混色が見られ、所望の色相が得られなかった。
実施例1〜4、比較例1〜2で得られたカラーフィルターを用い、下記のようにして液晶表示装置を作製した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、前記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルター側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製FH−2413F) 53.3部
・メチルエチルケトン 46.7部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製) 0.04部
(液晶表示装置の作製)
前記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。以上のようにして作製した液晶表示装置の詳細を表7に示す。
尚、表7中、各着色画素のコントラスト及びその差は、下記の測定方法により測定したものである。
(着色画素コントラストの測定方法)
バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(日東電工(株)製G1220DUN)の間にカラーフィルターを構成するRGB各画素の単色基板(単色コントラスト評価用Rインク1、Gインク1、Bインク1)を設置し、偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のY値を、クロスニコルに設置したときに通過する光の色度のY値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。
2枚の偏光板、カラーフィルター、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mmから60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/m2になるように設定した。
(評価)
<表示ムラの評価>
得られた液晶表示装置を白表示した場合、及び、黒表示した場合の表示品位を目視で観察し、以下の基準で評価した。その結果を表8に示す。
◎:まったくムラがみられない(非常に良い)。
○:表示部にかすかにムラが見られるが実用レベル(普通)。
×:表示部にムラがある(悪い)。
<色再現性の評価>
得られた液晶表示装置をR、G、Bそれぞれ単色表示した場合の色度(NTSC比、色再現性)を測定した。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。その結果を表8に示す。この色度測定は、周囲からの入射光がない状態で色彩輝度計をディスプレイの中心に対して法線方向に配置し、観測距離は50cmとした。
色再現範囲は、赤、緑、青の画素から放射される光の色で決まり、それぞれの画素のCIE XYZ表色系における色度点を(xR、yR)、(xG、yG)、(xB、yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの三点で囲まれる三角形の面積で表される。即ち、この三角形の面積が大きいほど鮮やかなカラー画像が再現できることになる。この三角形の面積は、通常、アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67、0.33)、緑(0.21、0.71)、青(0.14,0.08)の三点で形成される三角形を基準として、この三角形の面積に対する比(単位%、以下「NTSC比」と略す。)として表現される。この値は一般のノートパソコンで40〜50%程度、デスクトップパソコン用モニターで50〜60%、現行液晶TVで70%程度である。近年、液晶表示素子の色再現性を更に広め、より鮮やかなカラー画像を表現できるカラー液晶表示素子に対する要望が強くなっている。具体的には、NTSC比で80%以上の高色純度ディスプレイが要望されている。本発明では80%以上を○とした。
<パネルのコントラストの評価>
前記より得られた液晶表示装置のコントラストを下記の測定方法により測定した。
白表示したときの色度のY値を、黒表示したときの色度のY値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。
測定の条件は液晶表示装置から400mmの位置に色彩輝度計を設置し、色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、白表示時の輝度が500cd/m2になるように設定した。
(鮮やかさ)
前記より得られた液晶表示装置を黒表示させたバックに赤、緑、青色のベタ色を表示したときの鮮やかさを被験者50人による官能評価を実施し、鮮やかさの高い順に5段階で評価し、その平均値を評価値とし、以下の基準で評価した。
◎:4以上5以下。
○:3以上4未満。
×:3未満。
表8より実施例1〜4のカラーフィルターを用いた液晶表示装置は、表示ムラ、色再現性、パネルのコントラスト、鮮やかさの全てが良好であることがわかる。
本発明における遮光性隔壁の断面形状を示す概念図である。 好ましい遮光性隔壁を形成するのに好適なカラーフィルターのパターンを示す概念図である。
符号の説明
1 遮光性隔壁
2 基板

Claims (7)

  1. 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、
    前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記Rインクの着色剤が、顔料C.I.P.R.254及び顔料C.I.P.R.177を含み、且つ前記赤色着色層における顔料C.I.P.R.254の含有量が0.80〜0.96g/m2であり、顔料C.I.P.R.177の含有量が0.20〜0.24g/m2であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、
    前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記Gインクの着色剤が、顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.150を含み、且つ前記緑色着色層における顔料C.I.P.G.36の含有量が0.90〜1.34g/m2であり、顔料C.I.P.Y.150の含有量が0.38〜0.58g/m2であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  3. 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた凹部にインクジェット方式によって、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)インクを吹き付けて、前記凹部に前記R、G、及びBインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルターの製造方法であって、
    前記各インクが、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有し、インク中の固形分量が50質量%以上である重合性インクからなり、前記前記Bインクの着色剤が、顔料C.I.P.B.15:6と、顔料C.I.P.V.23を含み、且つ前記青色着色層における顔料C.I.P.B.15:6の含有量が0.59〜0.67g/m2であり、顔料C.I.P.V.23の含有量が0.065〜0.075g/m2であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  4. 前記隔壁の断面形状において、該隔壁の基板からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板と平行な線をL1、該L1と隔壁が接する点における接線をL2、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3の交点からの該隔壁までの距離で規定される値dをhで除した値が0.04以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法で製造され、少なくとも2色以上の着色画素を有することを特徴とするカラーフィルター。
  6. 前記少なくとも2色以上の着色画素のコントラストがいずれも2000以上であり、かつ前記少なくとも2色以上の着色画素の内、最も低いコントラストの着色画素と最も高いコントラストの着色画素とのコントラストの差が、600以内であることを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルター。
  7. 請求項5または6に記載のカラーフィルターを有することを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010070601A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Fujifilm Corp 顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び固体撮像素子

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