JP2007178933A - カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット方式により画素を形成するカラーフィルタにおいて、各画素のばらつきが抑えられたカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】顔料と、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマー及びエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーとを含む重合性インクを用い、インクジェット方式により基板上に着色層を形成し、該着色層に活性エネルギー線を照射して硬化させ画素を形成する工程を有するカラーフィルタ製造方法であって、前記重合性インク全量を基準として前記顔料が6〜50質量%含まれることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できるカラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置に関する。
表示装置用カラーフィルタは、ガラス等の基板上に赤色、緑色、青色のドット状画像をそれぞれマトリックス状に配置し、その境界をブラックマトリックス等の濃色離画壁で区分した構造である。このようなカラーフィルタの製造方法としては、従来、支持体としてガラス等の基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)着色した感光性樹脂液の塗布と露光及び現像の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト法、例えば、特許文献1参照。)、4)仮支持体上に形成した画像を順次、最終又は仮の支持体上に転写する方法(例えば、特許文献2参照。)、5)予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより着色層を形成し、順次直接、基板上にこの感光性着色層を転写し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法等により多色画像を形成する方法(転写方式)が知られている(例えば、特許文献3参照。)。またインクジェット方式を用いる方法(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
これらの方法のうち、インクジェット方式においては、例えば、単官能モノマーと多官能モノマーとを用い、付着後直ちに活性光線で硬化するインクを用いて生産性を向上させ方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。このようなインクジェット方式においては、1画素に対し、数滴〜十数的のインク液滴を吹き付け、乾固により画素を形成する。ところが、画素形成の際、例えば、(1)1滴突出しない、(2)横に噴出する、あるいは(3)小さなミスト液滴(以下、「サテライトミスト」と呼ぶ。)を作ってしまう、などのように各画素において各液滴の突出の仕方が不安定であると、各画素がばらつく要因となる。特に、これらの中で、(3)のサテライトミストが生じると、インクが画素の周囲のブラックマトリックスに飛び散ってしまい、カラーフィルタとしての品位を悪化させる原因となっていた。
特開昭63−298304号公報 特開昭61−99103号公報 特開昭61−99102号公報 特開平8−227012号公報 特開2002−372615号公報
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明の目的は、インクジェット方式により画素を形成するカラーフィルタにおいて、各画素のばらつきが抑えられたカラーフィルタ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、画素のばらつきが抑えられ、表示ムラが少ない表示装置を提供することにある。
本発明者らは、使用するインクの顔料濃度を6%以上とした場合、サテライトミストの発生が抑えられ、画素周辺に見られたインクの飛び散りが著しく解消されることを見出し本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
<1> 顔料と、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマー及びエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーとを含む重合性インクを用い、インクジェット方式により基板上に着色層を形成し、該着色層に活性エネルギー線を照射して硬化させ画素を形成する工程を有するカラーフィルタ製造方法であって、前記重合性インクの固形分を基準として前記顔料が6〜50質量%含まれることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<2> 前記単官能モノマー及び多官能モノマーの合計量が、前記重合性インクの固形分を基準として50〜94質量%であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<3> 前記重合性インクが、さらに顔料分散剤を含むことを特徴とする前記<1>または<2>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 前記重合性インクが、さらに有機溶剤を50質量%以下含むことを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 基板上に予めブラックマトリックスを形成し、該ブラックマトリックスの開口部に前記重合性インクを供給して着色層を形成することを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタである。
<7> 前記<6>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置である。
本発明によれば、インクジェット方式により画素を形成するカラーフィルタにおいて、サテライトミストを防止し、各画素のばらつきが抑えられたカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、画素のばらつきが抑えられ、表示ムラが少ない表示装置を提供することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、顔料と、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマー及びエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーとを含む重合性インクを用い、インクジェット方式により基板上に着色層を形成し、該着色層に活性エネルギー線を照射して硬化させ画素を形成する工程を有するカラーフィルタ製造方法であって、前記重合性インクの固形分を基準として前記顔料が6〜50質量%含まれることを特徴としている。
以下に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明するが、該説明を通じて本発明のカラーフィルタ、及び本発明の表示装置についても示す。まず、重合性インクについて説明する。
[重合性インク]
本発明に用いられる重合性インクは、顔料、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマー及びエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーとを含有し、活性エネルギー線により重合反応が生起し硬化する重合性着色組成物からなる。
(顔料)
前記着色組成物の顔料としては、公知の顔料を用いることができる。該顔料は、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
本発明において、顔料濃度は、インキの固形分を基準として、6〜50質量%であることが必須であり、6〜25質量%であることがより好ましく、6〜15質量%であることが特に好ましい。顔料濃度が6質量%未満であると、サテライトミストの発生を防止することができず、50質量%を超えると、インクジェットノズルにおける噴射に不具合が生じる。
上記公知の顔料としては、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー5、C.I.ピグメント・イエロー16、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー20、C.I.ピグメント・イエロー24、C.I.ピグメント・イエロー31、C.I.ピグメント・イエロー55、C.I.ピグメント・イエロー60、C.I.ピグメント・イエロー61、C.I.ピグメント・イエロー65、C.I.ピグメント・イエロー71、C.I.ピグメント・イエロー73、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー81、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー95、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー98、C.I.ピグメント・イエロー100、C.I.ピグメント・イエロー101、C.I.ピグメント・イエロー104、C.I.ピグメント・イエロー106、C.I.ピグメント・イエロー108、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー113、C.I.ピグメント・イエロー114、C.I.ピグメント・イエロー116、C.I.ピグメント・イエロー117、C.I.ピグメント・イエロー119、C.I.ピグメント・イエロー120、C.I.ピグメント・イエロー126、C.I.ピグメント・イエロー127、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー129、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー152、C.I.ピグメント・イエロー153、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー156、C.I.ピグメント・イエロー166、C.I.ピグメント・イエロー168、C.I.ピグメント・イエロー175、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185;
C.I.ピグメント・オレンジ1、C.I.ピグメント・オレンジ5、C.I.ピグメント・オレンジ13、C.I.ピグメント・オレンジ14、C.I.ピグメント・オレンジ16、C.I.ピグメント・オレンジ17、C.I.ピグメント・オレンジ24、C.I.ピグメント・オレンジ34、C.I.ピグメント・オレンジ36、C.I.ピグメント・オレンジ38、C.I.ピグメント・オレンジ40、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・オレンジ46、C.I.ピグメント・オレンジ49、C.I.ピグメント・オレンジ51、C.I.ピグメント・オレンジ61、C.I.ピグメント・オレンジ63、C.I.ピグメント・オレンジ64、C.I.ピグメント・オレンジ71、C.I.ピグメント・オレンジ73;C.I.ピグメント・バイオレット1、C.I.ピグメント・バイオレット19、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・バイオレット29、C.I.ピグメント・バイオレット32、C.I.ピグメント・バイオレット36、C.I.ピグメント・バイオレット38;
C.I.ピグメント・レッド1、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド4、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド.8、C.I.ピグメント・レッド9、C.I.ピグメント・レッ10、C.I.ピグメント・レッド11、C.I.ピグメント・レッド12、C.I.ピグメント・レッド14、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド17、C.I.ピグメント・レッド18、C.I.ピグメント・レッド19、C.I.ピグメント・レッド21、C.I.ピグメント・レッド22、C.I.ピグメント・レッド23、C.I.ピグメント・レッド30、C.I.ピグメント・レッド31、C.I.ピグメント・レッド32、C.I.ピグメント・レッド37、C.I.ピグメント・レッド38、C.I.ピグメント・レッド40、C.I.ピグメント・レッド41、C.I.ピグメント・レッド42、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド48:2、C.I.ピグメント・レッド48:3、C.I.ピグメント・レッド48:4、C.I.ピグメント・レッド49:1、C.I.ピグメント・レッド49:2、C.I.ピグメント・レッド50:1、C.I.ピグメント・レッド52:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド57:2、C.I.ピグメント・レッド58:2、C.I.ピグメント・レッド58:4、C.I.ピグメント・レッド60:1、C.I.ピグメント・レッド63:1、C.I.ピグメント・レッド63:2、C.I.ピグメント・レッド64:1、C.I.ピグメント・レッド81:1、C.I.ピグメント・レッド83、C.I.ピグメント・レッド88、C.I.ピグメント・レッド90:1、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド101、C.I.ピグメント・レッド102、C.I.ピグメント・レッド104、C.I.ピグメント・レッド105、C.I.ピグメント・レッド106、C.I.ピグメント・レッド108、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ピグメント・レッド113、C.I.ピグメント・レッド114、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド146、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド150、C.I.ピグメント・レッド151、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド170、C.I.ピグメント・レッド171、C.I.ピグメント・レッド172、C.I.ピグメント・レッド174、C.I.ピグメント・レッド175、C.I.ピグメント・レッド176、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド179、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド187、C.I.ピグメント・レッド188、C.I.ピグメント・レッド190、C.I.ピグメント・レッド193、C.I.ピグメント・レッド194、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド206、C.I.ピグメント・レッド207、C.I.ピグメント・レッド208、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・レッド216、C.I.ピグメント・レッド220、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・レッド226、C.I.ピグメント・レッド242、C.I.ピグメント・レッド243、C.I.ピグメント・レッド245、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド255、C.I.ピグメント・レッド264、C.I.ピグメント・レッド265;
C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー60
C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36
C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25
C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
本発明における顔料としては、(i)R(レッド)の重合性インクにおいてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の重合性インクにおいてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の重合性インクにおいてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。更に上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
本発明で用いる顔料は、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなり好ましくない。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と後述する顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述するモノマーに添加して分散させることによって調製することができる。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
(顔料分散剤)
上述の通り、本発明に係る重合性インクには、顔料の分散安定性を得るために、顔料分散剤を使用することが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体、などを用いることができる。
顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製、「BYK−168」、「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイドりん酸塩)」、「Anti−Terraa−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイドりん酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(それぞれ高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和ポリカルボン酸とシリコン)」などが挙げられる。
更にはEfka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、 48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマ100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマ)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」共栄社化学製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマ)、KS860、873SN,874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」などが挙げられる。
さらに、花王製「デモールRN,N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS,C,SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ゼネカ社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、17000(脂肪族アミン系)、20000、24000、32000」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」などが挙げられる。
顔料分散剤の使用量は重合性インク質量に対して0.1〜10質量%の範囲で含有させることが望ましい。
着色画素のコントラストは、分散されている顔料の粒径を小さくすることで向上させることができる。粒径を小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節することで達成できる。分散には、上記記載の公知の分散機を用いることができる。分散時間は好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。一方、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、インクジェットヘッドからの吐出が困難になることがある。また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒径を調節して、所望のコントラストとすればよい。
前記感光性樹脂層より形成されるカラーフィルタの各着色画素のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは2800以上、更に好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。カラーフィルタを構成する各着色画素のコントラストが2000以下だと、これを有する液晶表示装置の画像を観察すると、全体に白っぽい印象となり、見難く好ましくない。また、各着色画素のコントラストの差が、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、更に好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。各着色画素のコントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色画素部からの光漏れ量が大きく相違しない為、黒表示の色バランスが良いため好ましい
本明細書において、「着色画素のコントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR、G、Bについて、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。尚、コントラスト測定に用いる偏光板は、該カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
(モノマー)
本発明に用いられるエチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマーにはブタンジオールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。
本発明に使用するインキのもう一つの硬化成分である2官能以上のモノマー、オリゴマーにはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレー、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
これら活性エネルギー線の照射により硬化性を有する、単官能モノマー及び多官能モノマーの合計量が、重合性インクの固形分を基準として、50〜94質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることがさらに好ましい。当該モノマーの合計量が50〜94質量%であることにより、インクが十分硬化する。
(重合開始剤)
本発明に用いられる重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により、ラジカル活性種を発生し、ラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤、及び、カチオン活性種を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始するカチオン重合開始剤のいずれかを重合性化合物に合わせて、用いることができる。
−ラジカル重合開始剤−
本発明において、使用し得る光重合開始剤は以下のものが挙げられる。ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2、2−ジメチル−2−ヒドロキシアセエトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド、等が挙げられる。
(溶剤)
本発明において、カラーフィルタ表面へのインキの濡れ性を向上させるために、水溶性または非水性有機溶剤をインキ構成成分として含有することができる。有機溶剤を選択する際は、その他のインキ構成成分との相溶性であることが必要である。また、有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやMEKなどのケトン類などの水溶性有機溶剤の方が表面張力を低下させる効果の点で好ましいが非水溶性有機溶剤でも効果があれば特に限定する必要はない。
溶剤としては、例えば、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等の高沸点溶剤類を用いることができる。
本発明でいう、溶剤量として50質量%以下の重合性インクとは、インク全質量に対する溶剤の質量が50質量%以下であることを意味する。
このような溶剤を、当該溶剤を含む重合性インクの全量に対して、0〜50質量%の割合で用いて調製する。溶剤が多すぎると、所定の濡れ性変化部位(インク層形成部位)に対するインク盛り量(インク堆積量)が十分でないうちに、当該濡れ性変化部位に堆積させたインクの膜が決壊し、周囲の未露光部へはみ出し、さらには、隣の濡れ性変化部位(インク層形成部位)にまで濡れ広がってしまうことがある。言い換えれば、インクを付着させるべき濡れ性変化部位(インク層形成部位)からはみ出さないで堆積させることのできるインク盛り量が不十分となり、乾燥後の膜厚が薄すぎて、それに伴い十分な透過濃度を得ることができなくなることがある。
(インクジェット記録方式)
本発明において、インクジェット記録方式は、インクジェットヘッドにより重合性インクを、ブラックマトリックス(以下、「濃色離画壁」と呼ぶ場合がある。)で区切られた基板上の開口部に供給して着色層を形成し、次いで紫外線などの活性エネルギー線を照射してインクを硬化させる。
本発明においては、既述の通り、重合性インクの顔料濃度が前記範囲内であるため、インクジェット方式においてサテライトミストの発生を抑えることができ、ばらつきが抑えられた画素が得られる。
インクの射出条件としては、インクを40〜70℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。重合性インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を出来るだけ一定に保つことが必要である。
本発明に用いられるインクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう)は、公知のものを使うことができ、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。ヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。
(インクの硬化)
R,G,B各色インクの硬化においては、重合性インクの有する感応波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発するエネルギー源を用いて重合硬化を促進する露光処理を行なう。エネルギー源としては、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなど、重合開始剤が感応するものを適宜選択して使用することができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性光線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間としては、重合性化合物と重合開始剤との組合せに応じて適宜設定することができるが、例えば照度20mW/cmで露光する場合は、1〜750秒とすることができる。
[ブラックマトリックス作製用感光性組成物(濃色組成物)]
各画素の濃色離画壁は、着色剤を含有する感光性組成物(以下、「濃色組成物」ともいう。)から形成される。ここで、濃色組成物とは、高い光学濃度を有する組成物のことであり、その値は濃色離画壁を形成した時に、2.0〜10.0である。濃色組成物の光学濃度は好ましくは2.5〜6.0であり、特に好ましくは3.0〜5.0である。また、この濃色組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要である。すなわち、その値は2.0〜10.0であり、好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では濃色離画壁形状が望みのものとならない恐れがあり、10.0を超えると、重合を開始することができず濃色離画壁そのものを作ることが困難となる。かかる性質を有しさえすれば、組成物中の着色剤(濃色体)は有機物(染料、顔料などの各種色素)であっても、また各形態の炭素であっても、これらの組み合わせからなるものであってもよい。
(着色剤)
上記濃色組成物に用いる着色剤について具体的に説明する。
本発明に係る濃色組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、濃色組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
前記濃色組成物の固形分中の着色剤の比率は、現像時間を短縮する観点から、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、50〜55質量%であることが更に好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
本発明においては、前記着色剤の中でも黒色着色剤であることが好ましい。黒色着色剤として、更に例示すると、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
濃色組成物はかかる着色剤(濃色体)以外に、重合性化合物、及び光重合開始剤を少なくとも含む。また、必要に応じて更に公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに濃色組成物は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
濃色組成物を硬化させる方法としては、光開始系を用いる。ここで用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始系の中から適宜選択することができる。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
具体的には、特開2001−117230公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs−トリアジン誘導体、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、などのアクリジン系化合物;
6−(p−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;その他、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
上記のうち、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、特に、トリハロメチル基含有化合物及びアクリジン系化合物から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物は、汎用性でかつ安価である点でも有用である。
特に好ましいのは、トリハロメチル基含有化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールであり、アクリジン系化合物としては、9−フェニルアクリジンであり、更に、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾールなどのトリハロメチル基含有化合物、及びミヒラーズケトン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
前記光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の濃色組成物における総量としては、濃色組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。前記総量が、0.1質量%未満であると、組成物の光硬化の効率が低く露光に長時間を要することがあり、20質量%を超えると、現像する際に、形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面に荒れが生じやすくなることがある。
前記光重合開始剤は、水素供与体を併用して構成されてもよい。該水素供与体としては、感度をより良化することができる点で、以下で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。ここでの「水素供与体」とは、露光により前記光重合開始剤から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物をいう。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「メルカプタン系水素供与体」という)である。また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という)である。尚、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
上記のメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン、等が挙げられる。これらのうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
上記のアミン系水素供与体の具体例としては、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。これらのうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記水素供与体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に永久支持体上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組合せの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。より好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノベンゾフェノンであり、特に好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを組合せた場合の、メルカプタン系水素供与体(M)とアミン系水素供与体(A)との質量比(M:A)は、通常1:1〜1:4が好ましく、1:1〜1:3がより好ましい。前記水素供与体の濃色組成物における総量としては、濃色組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
濃色組成物の多官能性モノマー(重合性化合物)としては、下記化合物を単独又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物とヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のジイソシアネートとの反応物も使用できる。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
多官能性モノマーの濃色組成物における含有量としては、濃色組成物の全固形分(質量)に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、組成物の露光部でのアルカリ現像液への耐性が劣ることがあり、80質量%を越えると、濃色組成物としたときのタッキネスが増加してしまい、取扱い性に劣ることがある。
−バインダー−
濃色離画壁形成用の濃色組成物は、バインダーの少なくとも一種を用いて構成することができる。
バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、等を挙げることができる。
また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げられる。さらに、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用できる。
特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーは、一種単独で用いてもよいし、通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用するようにしてもよい。
バインダーの濃色組成物中における含有量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、20〜50質量%が好ましく、24〜45質量%がより好ましい。
−溶剤−
本発明における離画壁を作製する際に用いる濃色組成物は、一般に前記成分以外に、有機溶剤を用いて構成することができる。有機溶剤の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等が挙げられる。
−他の成分−
本発明における濃色組成物には、さらに下記成分、例えば界面活性剤、紫外線吸収剤、並びに公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、熱重合防止剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに、感光性樹脂組成物は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
〈界面活性剤〉
濃色組成物を基板上又は後述の感光性転写材料の仮支持体上に塗布する場合には、濃色組成物中に界面活性剤を含有させることで、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に記載の界面活性剤が好適に挙げられる。なお、界面活性剤の濃色組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
〈紫外線吸収剤〉
濃色組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報に記載の化合物、並びにサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。
例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
紫外線吸収剤を用いる場合の、濃色組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量としては0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
〈熱重合防止剤〉
濃色組成物には、熱重合防止剤を含むことが好ましい。熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤を用いる場合の、濃色組成物の全固形分に対する含有量としては0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
また、濃色組成物には、前記成分以外に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」やその他の添加剤等を含有させることもできる。
(濃色離画壁)
各画素の濃色離画壁は、上記濃色組成物から形成される。濃色離画壁は、2以上の画素群を離画するものであり、一般には黒であることが多いが、黒に限定されるものではない。濃色とする着色物は、有機物(染料、顔料などの各種色素)が好ましい。濃色離画壁は、濃色光重合成組成物を貧酸素雰囲気下にて露光し、その後現像することにより形成することが好ましい。
かかる濃色組成物を光硬化させる際の貧酸素雰囲気下とは、不活性ガス下、減圧下、酸素を遮断しうる保護層下のことを指しており、これらは詳しくは以下の通りである。
不活性ガスとは、N、H、CO、などの一般的な気体や、He、Ne、Arなどの希ガス類をいう。この中でも、安全性や入手の容易さ、コストの問題から、Nが好適に利用される。
減圧下とは500hPa以下、好ましくは100hPa以下の状態を指す。
酸素を遮断しうる保護層とは、例えば、特開昭46−2121号や特公昭56−40824号の各公報に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらの二種以上の組合せ等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの組合せである。ポリビニルアルコールは鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポリビニルピロリドンの含有量はアルカリ可溶な樹脂層固形分の1〜75質量%が好ましく、より好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。
このようにして作製された酸素を遮断しうる保護層の酸素透過係数は75cm/m・day・1000hPa以下が好ましく、50cm3/m・day・1000hPa以下がより好ましく、25cm/m・day・1000hPa以下が最も好ましい。酸素透過係数が75cm/m・day・1000hPaより多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、濃色離画壁を後述の形状にすることが困難となる。
以上の濃色離画壁の高さは、より効果的に混色を防止できる観点から、1〜20μmとすることが好ましく、1.5μm〜10μmとすることがより好ましく、1.8μm〜7.0μmとすることがさらに好ましく、特に好ましくは 2.2μm〜5.0μmである。
(感光性転写材料)
かかる濃色離画壁形状を容易且つ低コストで実現するものとして、仮支持体上に少なくとも濃色組成物からなる層と、酸素遮断層とを、この順に有してなる感光性転写材料を使用するという手法がある。このような材料を用いた場合、濃色組成物からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
上記の感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。かかる熱可塑性樹脂層とは、アルカリ可溶性であって、少なくとも樹脂成分を含んで構成され、該樹脂成分としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂層が設けられることにより、後述する濃色離画壁形成方法において、永久支持体との良好な密着性を発揮することができる。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、上記の熱可塑性樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、更に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質についても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。また、これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニル、ジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
上記の感光性転写材料における仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等、薄いシート若しくはこれらの積層体が好ましい。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、好ましくは20〜150μmである。
(基板)
カラーフィルタを構成する基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フイルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フイルムが挙げられる。
(濃色離画壁の形成)
以下、感光性転写材料を用いて、濃色離画壁を形成する場合を説明する。仮支持体上に、濃色組成物層、酸素遮断層、更に該酸素遮断層上にカバーシートが設けられた感光性転写材料を用意する。まず、カバーシートを剥離除去した後、露出した酸素遮断層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネーター等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネーターには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
次いで、仮支持体と濃色組成物層との間で剥離し、仮支持体を除去する。続いて、仮支持体除去後の除去面の上方に所望のフォトマスクを配置し、光源より紫外線を照射し、照射後所定の処理液を用いて現像処理する。現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。感光性樹脂層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、感光性樹脂層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、濃色離画壁形状を好適なものとすることが困難となる。現像処理の後に水洗工程を入れることも可能である。この現像工程にて、濃色離画壁形状は前述のごとく形成される。
ついで、上記現像工程にて形成された濃色離画壁の空隙に対し、RGB各画素を形成する為の重合性インクをその空隙に侵入させるが、各画素を形成する前に、濃色離画壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理を行う等である。ここで言う加熱処理とは濃色離画壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということをさす。
ここで、上記1)を行う場合の露光量は、大気下であれば500〜3000mJ/cm、好ましくは1000〜2000mJ/cmであり、貧酸素雰囲気下である場合にはそれより低い露光量で露光することも可能である。また、同じく2)を行う場合の加熱温度は50〜120℃、好ましくは70〜100℃程度であり、その加熱時間は、10〜40分程度である。温度が50℃より低い場合には濃色離画壁の硬化が進まない懸念があり、120℃より大きい場合には濃色離画壁形状が崩れてしまう懸念がある。
(撥水処理)
本発明では、濃色離画壁に撥水処理を施すことで該ブラックマトリクスの少なくとも一部が撥水性を帯びた状態とすることが好ましい。これは、濃色離画壁形成後に重合性インクの液滴を該濃色離画壁間に付与した時に、インクが該濃色離画壁を乗り越えて、隣の色と混色するなどの不都合をなくす為である。
該撥水処理として、濃色離画壁上面に撥水材料を塗布する方法(例えば、特開平10-123500号公報参照)や、撥水層を新たに設ける方法(例えば、特開平5-241011号公報参照)、プラズマ処理により撥水性を付与する方法(例えば、特開2002-62420号公報参照)、撥水性物質をブラックマトリクスに練りこむ方法(例えば、特開2005-36160号公報参照)などが挙げられる。
(各画素の形成)
各画素形成のために用いるインクジェット方式に関しては、上記の方法を用いることができる。
好ましくは、各画素を形成した後、加熱処理(いわゆるベーク処理)する加熱工程を設け熱による硬化を行う。即ち、光照射により光重合した層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時間は、感光性組成物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を獲得する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルタのパターン形状は特に限定されるものではなく、一般的なブラックマトリックス形状であるストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
(オーバーコート層)
カラーフィルタ作製後、全面に耐性向上のためにオーバーコート層を設けている場合がある。オーバーコート層は、インクR,G,Bの固化層を保護するとともに、表面を平坦にすることができるが、工程数が増えるという観点から、設けないことが好ましい。
オーバーコート層を形成する樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、また、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れていることからアクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号0018〜0028に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製「オプトマーSS6699G」)が挙げられる。
[表示装置]
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置が特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ-技術と市場の最新動向(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フイルム、位相差フイルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フイルムなどさまざまな部材から構成される。本発明のブラックマトリックスはこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
[実施例1]
(ブラックマトリックス作製用濃色組成物の製法)
濃色組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM、10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・顔料分散剤(下記化合物1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
Figure 2007178933
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
Figure 2007178933
Figure 2007178933
[濃色離画壁の作製]
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上表に記載の組成よりなる濃色組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.2μmの濃色組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色組成物層K1の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色組成物層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2000mJ/cmにてポスト露光を行って、高さ2.0μm、幅15μm、光学濃度3.9のストライプ状の濃色離画壁を得た。
[重合性インクの調製]
・顔料分散液の調製
下記表2の組成物を混合し、1時間スターラーで攪拌した。攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、R顔料分散液1〜3、G顔料分散液1、及びB顔料分散液1を得た。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間、1時間で行った。
Figure 2007178933
・重合性インク液の調製
調製したR顔料分散液1〜3、G顔料分散液1、及びB顔料分散液1を表3の組成で混合し、1時間スターラーで攪拌し、Rインク1〜5、Gインク1、Bインク1を得た。
Figure 2007178933
[重合性インクによるRGB画素の形成方法]
上記で得られたRインク1、Gインク1、Bインク1をピエゾ方式のヘッドを用いて濃色離画壁に囲まれた凹部(開口部)に、下記のように打滴を行った。
ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、基板上にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。
ヘッドおよびインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部分近辺が50±0.5℃となるように制御されている。
ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42plの吐出が可能であって、本実施例ではヘッドの下1mmの位置でガラス基板が搬送されながらヘッドより打滴される。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。またピエゾ駆動周波数は最大4.6KHzまでが可能であって、これらの設定により打滴量を制御することができる。
本実施例では、R、G、Bそれぞれ、顔料の塗設量が、1.1、1.8、0.75g/m2なるように、搬送速度、駆動周波数を制御し、所望するR、G、Bに対応する凹部にR、G、Bのインクを打滴した。
打滴されたインクは、露光部に搬送され、紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光される。本実施例ではUV−LEDは日亜化学製NCCU033を用いた。本LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、表面で0.3W/cm2のパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、および露光時間はメディアの搬送速度およびヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例では着弾後、約0.5秒後に露光される。
距離および搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cm2の間で調整することができる。本実施例では搬送速度により露光エネルギーを調整した。
これら露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40Dを用い、波長220nmから400nmの間を積分した値を用いた。
打滴後のガラス基板を230℃オーブン中で30分ベークすることで、濃色離画壁、各画素共に完全に硬化させた。
こうして得られたカラーフィルタの各画素を構成するインクは濃色離画壁間隙にぴったり収まり、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどの欠陥となる不良は見つからなかった。
[ITO電極の形成]
前記カラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
前記ITOの透明電極上の離画壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた濃色離画壁外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
[実施例2]
実施例1においてRインク1を、前記Rインク2に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
次いで、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
[実施例3]
まず、実施例1において、濃色離画壁の形成方法を下記の感光性転写材料を用いる方法に変更した。
[黒色感光性転写材料の作製]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、濃色組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が5μmの濃色組成物層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の濃色組成物層とが一体となった黒色感光性転写材料を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) 9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
<中間層用塗布液:処方P1>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
得られたシランカップリング処理ガラス基板に、上記の製法にて作製された黒色感光性転写材料からカバーフィルムを除去し、除去後に露出した濃色感光層の表面と前記シランカップリング処理ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。続いてポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該濃色組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン性界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断層を除去した。
引き続き炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し濃色組成物層を現像しパターニング画素を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム製)」を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。
その後更に、該基板に対して該濃色組成物層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理し、濃色離画壁を得た。
次いで、実施例1において、Rインク1を前記Rインク3を用いて、実施例1と同様の方法で、カラーフィルタを作製した。
次いで、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
[比較例1]
実施例1において、Rインク1を前記Rインク4に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
次いで、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
[比較例2]
実施例1において、Rインク1を前記Rインク5に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
次いで、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
<評価>
得られたカラーフィルタの、R,G,B各画素において、以下のように目視観察、及び画素周辺を顕微鏡観察した。
(目視観察)
R,G,B各画素において、以下の評価基準に従い目視評価した。結果を表4、表5に示す。
−評価基準−
5点:まったく問題がないレベル。
4点:凝視後、僅かに違和感を感じるが、実用上問題はないレベル。
3点:人によって違和感を感じたり感じなかったりするレベル。多少問題あり。
2点:多くの人が見ても違和感を感じるレベル。多少問題あり。
1点:目視で瞬時に欠陥品と判断できるレベル。
(顕微鏡観察)
各画素100個について、その周辺の顕微鏡観察を行い、周辺や濃色離画壁に飛び散ったインク滴の個数を数えた。結果を表4、表5に示す。
Figure 2007178933
Figure 2007178933
表4、表5より、実施例1〜3は、目視評価及び顕微鏡観察のいずれにおいても優れた結果が認められた。これに対し、R画素のみ実施例1と異ならせた比較例1〜2(R顔料濃度を5質量%以下とした。)は、R画素において上述のような不良が見られた。
次いで、本発明の効果が得られる顔料濃度の臨界点を明らかにするため、実施例1において、R顔料濃度を下記表6に示すように異ならせた重合性インクA〜Eを調製し、各重合性インクを用いて実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。そして、インクが飛び散った程度について顕微鏡観察を行い、画素及びその周辺の濃色離画壁に飛び散った数を数えた。結果を表6、及び図1のグラフに示す。
Figure 2007178933
表6及び図1から明らかなように、顔料濃度が6質量%未満ではインクの飛び散りが認められ、顔料濃度が6質量%以上(実施例1、重合性インクC及びD)で本発明の効果が得られたことが分かる。これは、顔料濃度が6質量%以上であるとサテライトミストが発生せずに画素形成がなされたものと推察される。
顔料濃度を異ならせた場合におけるインクの飛び散る程度をグラフで示す図である。

Claims (7)

  1. 顔料と、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマー及びエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーとを含む重合性インクを用い、インクジェット方式により基板上に着色層を形成し、該着色層に活性エネルギー線を照射して硬化させ画素を形成する工程を有するカラーフィルタ製造方法であって、
    前記重合性インクの固形分を基準として前記顔料が6〜50質量%含まれることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記単官能モノマー及び多官能モノマーの合計量が、前記重合性インクの固形分を基準として50〜94質量%であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記重合性インクが、さらに顔料分散剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記重合性インクが、さらに有機溶剤を50質量%以下含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 基板上に予めブラックマトリックスを形成し、該ブラックマトリックスの開口部に前記重合性インクを供給して着色層を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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