JP2008164842A - 多層材料、樹脂パターンの形成方法、基板、表示装置および液晶表示装置 - Google Patents

多層材料、樹脂パターンの形成方法、基板、表示装置および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離性の良好な多層材料、並びに、剥離残りの発生を効果的に抑制でき良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】仮支持体と熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とをこの順に有し、熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物を界面側に局在した状態で含有し、仮支持体と熱可塑性樹脂層との間の剥離力を(A)、熱可塑性樹脂層と隣接層との間の剥離力を(B)としたときの、エネルギー付与後剥離時の関係が、(A)>(B)である多層材料、並びに、上記多層材料を基板上に転写する工程と、転写後の熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させる工程と、膨張した熱可塑性樹脂層と隣接層との間で仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離する工程と、を有する樹脂パターンの形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ等の形成に用いられる多層材料、該多層材料を用いた樹脂パターンの形成方法、該形成方法によって樹脂パターンを形成した基板、該基板を備えた表示装置および液晶表示装置に関する。
カラーフィルタやスペーサ等の形成に用いられる、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層および感光性樹脂層をこの順に設けてなる多層材料は従来から知られており、例えば、上記カラーフィルタは、多層材料の感光性樹脂層と基体とを「ラミネート法」によって貼り合わせ、その後仮支持体を剥離して、露光、現像をおこない、基体上に画像を形成して作製される。上記多層材料は、感光性樹脂層と基体とを貼り合わせる際に両者の間に気泡が入り転写不良を起こすという問題点を熱可塑性樹脂層を設けることによって改良し、基体に凹凸がある場合であっても気泡の進入を防止することができ、良好な転写画像を得ることが可能である。
上記の様に、熱可塑性樹脂層を有する多層材料を用いてカラーフィルタ、スペーサや、その他液晶配向制御用突起などの材料を作製する場合において、従来では、仮支持体と共に前記熱可塑性樹脂層を剥離する際に発生する剥離不良が問題となっていた。
これに対し、熱可塑性樹脂層と中間層との間で剥離するために、両者の接触表面のエネルギーを調整する手段が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ある程度の剥離性向上は得られるものの、安定ではなく、更なる改良が望まれていた。
また、熱可塑性樹脂層中にて加熱により気体を発生させ、熱可塑性樹脂層の体積を増大させる手段が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしこれは、膨張によるラミネート性向上の手段であって、多層材料をラミネートする前に加熱を行っており、熱可塑性樹脂層の剥離性向上の効果が得られるものではなかった。
特開2004−151506号公報 特開2003−76001号公報
本発明は、上記従来における欠点を改善することを目的とする。
即ち、本発明の目的は、剥離性の良好な多層材料を提供することにある。また、剥離残りの発生を効果的に抑制でき、良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法、剥離残りに起因するムラの発生を抑制した基板、該基板を備えた表示装置および液晶表示装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明の多層材料は、
<1> 少なくとも仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、をこの順に有し、前記熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物を、感光性樹脂層側界面よりに局在した状態で含有し、前記仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間の剥離力を(A)、前記熱可塑性樹脂層と該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層との間の剥離力を(B)としたときの、エネルギー付与後剥離時の関係が、(A)>(B)である多層材料である。
<2> 前記熱可塑性樹脂層が2層以上の複数層からなり、最も感光性樹脂層側に配置する熱可塑性樹脂層における、前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物の含有濃度が、他の熱可塑性樹脂層における含有濃度より高い前記<1>に記載の多層材料である。
<3> 前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物が、エネルギー付与によって(1)気体を発生する化合物または(2)構造変化を伴い膨張する化合物である前記<1>又は<2>に記載の多層材料である。
<4> 前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物として、少なくとも下記一般式(A)および(B)のいずれか一種を含む前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の多層材料である。
Figure 2008164842
(一般式(A)中、SOORは4位または5位に置換する置換基であり、Rは炭素数4以上のアルキル含有置換基、炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するアリール基、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するイミド基、クレゾール樹脂誘導体またはフェノール樹脂誘導体を示す。)
Figure 2008164842
(一般式(B)中、RおよびRは炭素数4以上のアルキル含有置換基または炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基を、XはPF、BF、RSOまたはROSOを、Aはヘテロ原子を含有する炭化水素誘導体を、nは0または1を示す。Rは炭素数4以上のアルキル含有置換基、アルキル変性アリール基または炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基を示す。)
また、本発明の樹脂パターン形成方法は、
<5> 少なくとも仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、をこの順に有する多層材料を基板上に転写する工程と、転写後の前記熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させる工程と、膨張した前記熱可塑性樹脂層と、該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層と、の間で、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離する工程と、を有する樹脂パターンの形成方法であって、前記多層材料として前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の多層材料を用いる樹脂パターンの形成方法である。
<6> 前記剥離する工程を経た後に、少なくとも露光工程および現像工程を有する前記<5>に記載の樹脂パターンの形成方法である。
<7> 前記熱可塑性樹脂層を膨張させるための前記エネルギー付与が、光および熱から選ばれる少なくとも一種によって行われる前記<5>または<6>に記載の樹脂パターンの形成方法である。
また、本発明の基板は、
<8> 前記<5>〜<7>の何れか1項に記載の樹脂パターンの形成方法によって樹脂パターンを形成した基板である。
また、本発明の表示装置は、
<9> 前記<8>に記載の基板を備えた表示装置である。
更に、本発明の液晶表示装置は、
<10> 前記<8>に記載の基板を備えた液晶表示装置である。
本発明によれば、剥離性の良好な多層材料を提供することができる。また、該多層材料を用いることにより、良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法、該形成方法で樹脂パターンを形成することにより、剥離残りがなく、ムラの発生を抑制することができる基板、該基板を備えた表示装置および液晶表示装置を提供することができる。
<多層材料>
本発明の多層材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層および感光性樹脂層をこの順に有し、前記熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物(以下「膨張剤」と称すことがある)を、感光性樹脂層側界面よりに局在した状態で含有し、前記仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間の剥離力を(A)、前記熱可塑性樹脂層と該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層との間の剥離力を(B)としたときの、エネルギー付与後剥離時の関係が、(A)>(B)であることを特徴とする。
尚、前記多層材料においては、前記仮支持体を剥離する際、熱可塑性樹脂層を膨張させて体積を増大させ、仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離することが好ましい。
上記構成によれば、良好な剥離性を得ることができ、また膨張剤が局在していることにより剥離性に影響する部分に膨張剤を集中して存在させることができると共に、膨張剤の使用量が抑えられ安価な多層材料とすることができる。
ここで「感光性樹脂層側界面よりに局在」とは、膨張剤が熱可塑性樹脂層の中に均一に存在するのではなく、感光性樹脂層側(仮支持体とは逆側)の隣接層との界面側に偏って存在している状態を表し、即ち、熱可塑性樹脂層がその厚さ方向において膨張剤濃度に差を有し、仮支持体側界面における膨張剤濃度より感光性樹脂層側界面における膨張剤濃度の方が高いことを意味する。
また、上記剥離力とは、JIS−K6854−1(1999年)に準拠して測定した剥離力をさし、上記剥離力の差の判定(即ち(A)>(B)の関係を有するか否か)は、熱可塑性樹脂層にエネルギーを付与した後に多層材料の仮支持体側を剥離し、剥離面を見ることで(いずれの面で剥離するかによって)判定する。
以下、本発明の多層材料を詳細に説明するにあたり、まず多層材料の構成について詳述する。
(熱可塑性樹脂層)
本発明に係る熱可塑性樹脂層は、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物(膨張剤)を、感光性樹脂層側界面よりに局在した状態で含有すること、並びに、エネルギー付与後剥離時における仮支持体と熱可塑性樹脂層との間の剥離力(A)と、熱可塑性樹脂層と該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層(例えば中間層や感光性樹脂層)との間の剥離力(B)との関係が(A)>(B)であることを要件とする。当該要件を達成する具体的手段としては、特に好ましい手段として以下の2つの方法が挙げられる。
(i)2層以上の複数層からなる熱可塑性樹脂層
熱可塑性樹脂層を2層以上の複数層からなる多層構成とし、熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物(膨張剤)の含有濃度を、前記複数層のうち最も感光性樹脂層側に配置する熱可塑性樹脂層(以下「最上熱可塑性樹脂層」と称す)における含有濃度が一番高くなるよう構成することにより、前記要件を満たした熱可塑性樹脂層を得ることができる。
ここで、熱可塑性樹脂層が2層以上の複数層からなる場合の各層における膨張剤の含有濃度とは、各層における(膨張剤の含有量)/(体積)の式から算出される濃度であり、各層の固形分組成から計算することができる。
上記多層構成の熱可塑性樹脂層においては、コスト低減の観点から、膨張剤は最上熱可塑性樹脂層のみに含有させることがより好ましい。
また最上熱可塑性樹脂層の厚みは、前記局在した状態をより効率的に実現する観点から、多層構成の熱可塑性樹脂層の総厚みに対し60%以下であることが好ましく、一方前記剥離力の要件をより効率的に実現する観点からは、最上熱可塑性樹脂層の厚みが9μm以下であることが好ましい。
尚、最上熱可塑性樹脂層における膨張剤の分布は、均一に分散されていてもよいし、最上熱可塑性樹脂層の中でも感光性樹脂層側界面に局在していてもよい。
以下、上記複数層からなる熱可塑性樹脂層に用いられる成分について説明する。
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物のようなエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルおよびそのケン化物のような塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物のようなスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物のようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンのようなポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
上記複数層からなる熱可塑性樹脂層においては、上記有機高分子物質に加え、少なくとも最上熱可塑性樹脂層にエネルギー付与により熱可塑性樹脂層を膨張させ体積を増大させる化合物(即ち前記膨張剤)を含ませることが必須である。熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物としては、例えば、(1)気体を発生する化合物、(2)構造変化を伴い膨張する(反応により化合物自身が膨張し体積が増大する)化合物などが挙げられる。尚、上記エネルギー付与は、光や熱などを用いて行われる。
以下に化合物の例を挙げるが、熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物であれば、これに限定されるものではない。
(1)エネルギー付与により気体を発生する化合物
エネルギー付与により気体を発生する化合物としては、例えば、特開2003−171623号公報の段落番号[0015]〜[0017]に記載のアゾ化合物、アジド化合物が好適なものとして挙げられる。
尚、上記エネルギー付与の手段としては、特に限定されず、光や熱の他、超音波や衝撃等も用いることができる。中でも光、熱、超音波は、簡便で形状等に関わらず適用でき、接着部分(即ち、熱可塑性樹脂層と隣接層との界面部分)に局所的に適用することによって気体を発生させることができるので好ましい。より具体的には、光によるエネルギー付与としては、赤外線、可視光線、紫外線だけでなく、電子線、エックス線、中性子線等の電離放射線の照射も含まれる。熱によるエネルギー付与としては、熱風加熱、赤外線照射、高周波加熱、化学反応熱、摩擦熱等が挙げられる。上記の手段によってエネルギーが付与されると、上記化合物から発生した気体が熱可塑性樹脂層の接着面(隣接層との界面)の一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に熱可塑性樹脂層を剥離することができる。また、発生する気体としては、CO、N、NH等がある。
好ましく用いられるものとしては、上記アゾ化合物の他、ジアゾ系として、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物などが挙げられる。これら気体を発生する化合物の具体例としては、アゾカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジン、p,p−オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)等が挙げられる。
−ナフトキノンジアジドエステル−
また、アジド化合物として、キノンジアジドが好適なものとして挙げられ、特に、上記熱可塑性樹脂層には、ナフトキノンジアジドエステルを用いることが好ましい。上記ナフトキノンジアジドエステルは、1官能の化合物であってもよいし2官能以上の化合物であってもよく、更にこれらの混合物であってもよい。
1官能のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、置換フェノールとを反応させたエステル化合物であることが好ましい。
また、2官能以上のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、フェノール性水酸基を複数有する化合物とを反応させたエステル化合物であることが好ましい。上記フェノール性水酸基を複数有する化合物としては、例えば、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキノスフェノール類等のポリフェノール類;ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン等の多官能フェノール;ビス型またはトリス型のジヒドロキシベンゼン若しくはトリヒドロキシベンゼン、非対称の多核フェノール、並びに、これらの混合物等が好ましい。
上記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、例えば、4−t−ブチルフェノール、4−イソアミルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−アセチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−クロロフェノール、4−ベンジルオキシカルボニルフェノール、4−ドデシルフェノール、レゾルシノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、フロログルシノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]等が挙げられる。
上記ナフトキノンジアジドエステルの具体例としては、例えば、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−4−スルホネート、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、4’−ベンゾイルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、特開平5−177929号公報、特開2004−237684号公報等に記載の光により分解するジアゾニウム化合物や、特開2003−76001号公報の段落番号[0025]〜[0026]に記載の発泡剤、または発泡微粒子等の、加熱により気体を発生する化合物も好適なものとして挙げられる。
上記好ましい化合物の中でも、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物がより好ましく、特により多くの気体を発生する観点から構造式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2008164842
Figure 2008164842
Figure 2008164842
上記構造式(1)および(2)中、RおよびRは、水素原子または下記(a)で表される置換基を示す。尚、複数あるRおよびRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、複数あるRおよびRにおける水素原子と下記(a)で表される置換基との好ましい比率「水素原子/(a)で表される置換基(モル比)」は40/60〜0/100であり、さらに好ましい比率は30/70〜0/100である。
Figure 2008164842
上記気体を発生する化合物は、少なくとも最上熱可塑性樹脂層中において、3〜40質量%含有されていることが好ましく、5〜20質量%がより好ましく、7〜15質量%が特に好ましい。3質量%以上であることにより剥離に十分な気体の発生が得られ、一方40質量%以下であることにより凝集破壊の問題を効果的に抑制することができる。
(2)構造変化を伴い膨張する化合物
構造変化を伴い膨張する(エネルギー付与により化合物自身が膨張する)化合物としては、特開2003−76001号公報の段落番号[0026]に記載の発泡微粒子や、特開平6−136229号公報、特開平6−322029号公報、特開平5−310856号公報、特開平5−39291号公報、特開平6−73062号公報等に記載の環状カーボナート基を有する共重合体や、重合膨張率が大であるスピロオルトカーボナート化合物等が、好適なものとして挙げられる。該化合物は熱などのエネルギー付与により開環重合し、自身が膨張する物質として知られている。
スピロオルトカーボナート化合物の数種のものについては、開環異性化重合に伴う体積減少が非常に小さいまたは体積が増大するという現象が報告されている。ラジカル重合により開環異性化重合し、重合膨張率が大であるスピロオルトカーボナート化合物として、特開平5−39291号公報の段落番号[0010]〜[0016]に記載のスピロオルトカーボナート化合物、特開平9−194565号公報の段落番号[0005]〜[0013]に記載の環状カーボナート樹脂組成物がより好ましい。
上記構造変化を伴い膨張する化合物は、少なくとも最上熱可塑性樹脂層中において、3〜50質量%含有されていることが好ましく、7〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。3質量%以上であることにより剥離に十分な膨張が得られ、一方50質量%以下であることにより所望の剥離面での剥離が良好に行える。
前記最上熱可塑性樹脂層の膨張(即ち、体積の増大)は、元の体積を100とすると、好ましくは110〜1000であり、より好ましくは120〜800、特に好ましくは150〜500である。膨張が110以上であることにより安定に剥離することができ、一方1000以下であることにより熱可塑性樹脂層の強度が適度に得られ、熱可塑性樹脂層内での凝集破壊の発生を効果的に抑制することができる。
(ii)局在性の膨張剤を含有する熱可塑性樹脂層
熱可塑性樹脂層に含有させる膨張剤として空気界面側に局在する性質を有する膨張剤を用いて熱可塑性樹脂層を形成することにより、前述の必須要件を満たした本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成することができる。
ただし、上記局在性の膨張剤を用いて熱可塑性樹脂層を形成する場合、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を空気界面が存在する状態で形成した後、その上に隣接層(例えば中間層や感光性樹脂層)を形成する必要がある。
尚、局在した状態をより効率的に実現する観点から、熱可塑性樹脂層の厚さ方向において、感光性樹脂層側界面からの深さが9.0μmまでの領域に全膨張剤の80体積%が存在していることが好ましく、更には深さ6.0μmまでの領域に膨張剤の80体積%が存在していることがより好ましく、深さ3.0μmまでの領域に膨張剤の80体積%が存在していることが特に好ましい。
ここで、上記局在性の膨張剤に好適に用いられる化合物として、下記一般式(A)および(B)で表される化合物を挙げることができる。下記一般式(A)および(B)で表される化合物は、前記局在性を有すると共にエネルギー付与により気体を発生する化合物である。
Figure 2008164842
(一般式(A)中、SOORは4位または5位に置換する置換基であり、Rは炭素数4以上のアルキル含有置換基、炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するアリール基、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するイミド基、クレゾール樹脂誘導体またはフェノール樹脂誘導体を示す。)
一般式(A)中、SOORは4位に置換していることがより好ましい。
一般式(A)中、Rで表される炭素数4以上のアルキル含有置換基の具体例としては、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、エイコシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、などが挙げられ、また不飽和結合を有する基を用いてもよく、具体的には下記の置換基(f)または(g)が挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その炭素数が18以下であることがより好ましく、その具体例としては、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、下記の置換基(f)または(g)が特に好ましい。
Figure 2008164842
一般式(A)中、Rで表される炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基の具体例としては、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837、−C−C1837、−C2041、−C−C2041などが挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その炭素数が20以下であることがより好ましく、その具体例としては、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837、−C−C1837などが挙げられる。更にこれらの中でも、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C13、−C−C13、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837が特に好ましい。
一般式(A)中、Rで表される炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するアリール基としては、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとアリール基とが直接またはS,SO,O,COを介して結合しているものを用いることができる。
具体的には、上記炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとしてブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、エイコシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837、−C−C1837、−C2041、−C−C2041と、アリール基としてフェニル、ビフェニリル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基と、が直接またはS,SO,O,COを介して結合しているものが挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その合計の炭素数が20以下であることがより好ましく、その具体例としては、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとしてブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429と、アリール基としてフェニルまたはナフチル基と、が直接またはS,SO,O,COを介して結合したものでその合計の炭素数が20以下のものが挙げられる。更にこれらの中でも、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとしてブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429と、アリール基としてフェニル基と、が直接またはS,SO,O,COを介して結合しているものが特に好ましい。
一般式(A)中、Rで表される炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するイミド基としては、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとイミド基とが直接またはアリール基、飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基を介して結合しているものを用いることができる。
具体的には、上記炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとしてブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、エイコシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837、−C−C1837、−C2041、−C−C2041と、下記(h),(i),(j)または(k)で表される、アリール基、飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基を有するイミド基と、が結合したものが挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その合計の炭素数が20以下であることがより好ましく、その具体例としては、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとしてブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633と、下記(h),(i),(j)または(k)で表される、アリール基、飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基を有するイミド基と、が結合したものでその合計の炭素数が20以下のものが挙げられる。更にこれらの中でも、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンとしてブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021と、下記(h),(i),(j)または(k)で表される、アリール基、飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基を有するイミド基と、が結合したものが特に好ましい。
Figure 2008164842
一般式(A)中、Rで表されるクレゾール樹脂誘導体としては、クレゾールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.7〜1.0のものが好ましく、0.8〜1.0のものが更に好ましい。また、上記クレゾール樹脂の分子量としては、800〜8000が好ましく、1000〜6000が特に好ましい。
上記クレゾール樹脂部分の異性体比(o−体/m−体/p−体のモル比率)については特に限定はないが、現像性を高める観点から全異性体に対するp−体の比率が10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましい。また、液晶パネル性能(焼き付け防止能など)を高める観点からは、m−体の比率が5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましい。クレゾール樹脂のフェノール性OHにはエステル結合されていてもよく、メチルエステル、エチルエステル、2−エチルへキシルエステル、ベンゾイックエステルが特に好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いることもできる。
一般式(A)中、Rで表されるフェノール樹脂誘導体としては、フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.7〜1.0のものが好ましく、0.8〜1.0が更に好ましい。また、上記フェノール樹脂の分子量としては、800〜8000が好ましく、1000〜6000が特に好ましい。
フェノール樹脂のフェノール性OHにはエステル結合されていてもよく、メチルエステル、エチルエステル、2−エチルへキシルエステル、ベンゾイックエステルが特に好ましい。単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いることもできる。
上記、フェノール樹脂およびクレゾール樹脂は2種以上と混合して用いてもよい。
Figure 2008164842
(一般式(B)中、RおよびRは炭素数4以上のアルキル含有置換基または炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基を、XはPF、BF、RSOまたはROSOを、Aはヘテロ原子を含有する炭化水素誘導体を、nは0または1を示す。Rは炭素数4以上のアルキル含有置換基、アルキル変性アリール基または炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基を示す。)
一般式(B)中、RおよびRで表される炭素数4以上のアルキル含有置換基は、分子内にN、CO、S、OCO、フェニル基、イミドキシ基等を有していても良く、具体例としては、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、エイコシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その炭素数が18以下であることがより好ましく、その具体例としては、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
一般式(B)中、RおよびRで表される炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基は、分子内にS,SO,O等を有していてもよく、具体例としては、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837、−C−C1837、−C2041、−C−C2041などが挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その炭素数が20以下であることがより好ましく、その具体例としては、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C11、−C−C11、−C13、−C−C13、−C15、−C−C15、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C19、−C−C19、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837、−C−C1837がより好ましい。更にこれらの中でも、−CF、−C−CF、−C、−C−C、−C、−C−C、−C、−C−C、−C−H、−C−C−H、−C13、−C−C13、−C17、−C−C17、−C−C17、−C16−H、−C−C16−H、−C1021、−C−C1021、−C1225、−C−C1225、−C1429、−C−C1429、−C1633、−C−C1633、−C1837が特に好ましい。
一般式(B)中、Aは更にローンペアを有するヘテロ原子を含む炭化水素誘導体が好ましく、窒素、硫黄、セレンを含む炭化水素誘導体がより好ましく、その具体例としては、下記置換基(l)〜(n)が特に好ましい。
Figure 2008164842
一般式(B)中、XはPF、BFがより好ましい。
一般式(B)中、Rで表される炭素数4以上のアルキル含有置換基および炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基の好ましい具体例としては、前記一般式(B)中のRおよびRで表される炭素数4以上のアルキル含有置換基および炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基として挙げた具体例が、同様に好ましいものとして挙げられる。
一般式(B)中、Rで表されるアルキル変性アリール基は、具体的には、アリール基として、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基が、直接またはS,SO,O,COを介して、アルキル基として、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、エイコシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基と結合しているものが挙げられる。中でも溶解性および分散性の点で良好であるとの観点から、その合計の炭素数が20以下であることがより好ましく、その具体例としては、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基と、フェニルまたはナフチル基と、が直接またはS,SO,O,COを介して結合したものでその合計の炭素数が20以下のものが好ましい。更にこれらの中でも、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのそれぞれn−、iso−、tert−またはneo−体、2−エチルヘキシル基と、フェニル基と、が直接またはS,SO,O,COを介して結合しているものが特に好ましい。
一般式(B)中、nは1がより好ましい。
ここで、前記一般式(A)および(B)で表される化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2008164842
Figure 2008164842
Figure 2008164842
上記局在性の膨張剤は、熱可塑性樹脂層中において、5〜45質量%含有されていることが好ましく、7〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%が特に好ましい。5質量%以上であることにより剥離に十分な気体の発生が得られ、一方45質量%以下であることにより凝集破壊の問題を効果的に抑制することができる。
ここで、上記局在性の膨張剤は、前記(i)2層以上の複数層からなる熱可塑性樹脂層における最上熱可塑性樹脂層にも用いることができる。
また、上記(ii)局在性の膨張剤を含有する熱可塑性樹脂層において、前記局在性の膨張剤以外の成分については、前記2層以上の複数層からなる熱可塑性樹脂層にて説明したのと同様の組成とすることができる。
上記(ii)局在性の膨張剤を含有する熱可塑性樹脂層における、該熱可塑性樹脂層の膨張(即ち、体積の増大)は、元の体積を100とすると、好ましくは110〜1000であり、より好ましくは120〜800、特に好ましくは150〜500である。膨張が110以上であることにより安定に剥離することができ、一方1000以下であることにより熱可塑性樹脂層の強度が適度に得られ、熱可塑性樹脂層内での凝集破壊の発生を効果的に抑制することができる。
上記(i)および(ii)の態様において、露光により熱可塑性樹脂層を膨張させる場合、下記の感光性樹脂層が同時に硬化しないように、露光波長を遮断することが好ましい。その手段として、該感光性樹脂層の隣接層、もしくは該熱可塑性樹脂層に金属コロイドやシアニン色素などの染料や、顔料などを含有させることができる。
(感光性樹脂層)
本発明における感光性樹脂層は、カラーフィルタを形成する着色層であっても、液晶セルの厚みを規定するスペーサであっても、液晶配向を制御する突起であっても、適宜その目的物を形成するための層として使用できる。感光性樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂、モノマー、開始剤などによって形成され、カラーフィルタにおける着色層の形成に用いる場合には着色剤を含有することが好ましい。但し、上記熱可塑性樹脂層を露光で膨張させる場合、該感光性樹脂層に該熱可塑性樹脂層を膨張させる露光波長により硬化しない成分を含有させることが好ましい。
以下に、本発明の感光性樹脂層の形成に用いることができる成分を示す。
−アルカリ可溶性樹脂−
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(以下、単に「バインダー」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報および特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。また、特開2003−131379号公報の段落番号[0031]〜[0052]に記載のカルボキシル基を有する構造単位と芳香族環および/または脂肪族環を1個以上有する(メタ)アクリレートからなる構造単位とを有する共重合体も好ましい。
また、クレゾール樹脂、フェノール樹脂を含有することができる。
上記クレゾール樹脂としては、クレゾールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.7〜1.0程度のものが好ましく、0.8〜1.0が更に好ましい。また、上記クレゾール樹脂の分子量としては、800〜8000が好ましく、1000〜6000が特に好ましい。
上記クレゾール樹脂の異性体比(o−体/m−体/p−体のモル比率)は特に限定はないが、現像性を高める観点から全異性体に対するp−体の比率が10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましい。また、液晶パネル性能(焼き付け防止能など)を高める観点からは、m−体の比率が5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましい。
上記クレゾール樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いることもできる。この場合、フェノール樹脂等の他の樹脂と混合して用いてもよい。また、本発明においては、上記クレゾール樹脂として、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとの反応生成物等のクレゾール樹脂の誘導体を用いてもよい。
これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、感光性樹脂層の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
−モノマーまたはオリゴマー−
本発明におけるモノマーまたはオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマーまたはオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマーおよびオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報および特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報および特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマーまたはオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、感光性樹脂層の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
−光重合開始剤または光重合開始剤系−
本発明における光重合開始剤または光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤または光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
感光性樹脂層の全固形分に対する光重合開始剤または光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂層を露光により膨張させる場合、上記感光性樹脂層に用いる光重合開始剤または光重合開始剤系は、該露光により硬化しない波長をもつものを適宜選択することが好ましい。例えば、405nmの露光波長で熱可塑性樹脂層を膨張させる場合、感光性樹脂層に用いる開始剤は、405nmに吸収を持たないものが好ましい。
−着色剤−
更に、カラーフィルタの場合、着色剤を含むことが好ましい。
着色剤としては、公知のもの(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、感光性樹脂層中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、例えば、特開2005−17716号公報の段落番号(0038)から(0040)に記載の色材、特開2005−361447号公報の段落番号(0068)から(0072)に記載の顔料、および特開2005−17521号公報の段落番号(0080)から(0088)に記載の着色剤などが好適に挙げられる。
特に、本発明における感光性樹脂層がテレビ用カラーフィルタの形成に用いられる場合、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。
更に上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、またはC.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、またはC.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、またはC.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
−その他の添加剤−
[溶媒]
本発明における感光性樹脂層においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
[熱重合防止剤]
本発明における感光性樹脂層は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
[紫外線吸収剤]
本発明における感光性樹脂層には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
[その他の添加物]
上記感光性樹脂層や、後述する中間層には、前記熱可塑性樹脂層を膨張させる際の露光によって感光性樹脂層まで硬化させないために、露光光を遮断する能力のある物質を添加することが好ましい。
上記露光光を遮断する能力のある物質としては、有機色素などがその代表的な例である。例えば、インドレニン色素等のシアニン色素、アントラキノン系、アズレン系、フタロシアニン系等の色素、ジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物等の色素を挙げることができる。感度の点からは、照射光波長における吸光係数の大きなシアニン色素、フタロシアニン系色素などがより好ましい。
尚、上記露光光を遮断する能力のある物質は、感光性樹脂層に含有させる場合の含有量としては、全固形分に対して0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましい。また、中間層に含有させる場合には、全固形分に対して0.2〜10質量%が好ましく、0.4〜8質量%がより好ましい。
また、本発明の感光性樹脂層においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
(仮支持体)
上記多層材料の仮支持体としては、可撓性を有し、加圧または、加圧および加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さに特に制限はないが、5〜200μmの範囲が一般的で、特に10〜150μmの範囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利であり好ましい。また、仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
(中間層)
本発明の多層材料においては、複数の層の形成時、および形成後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水またはアルカリ水溶液に分散または溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
(保護層)
前記感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護する為に薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じかまたは類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
(多層材料の作製方法)
本発明の多層材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して感光性樹脂層を設けることにより作製することができる。更に、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層間に、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥することが好ましい。
ここで上記熱可塑性樹脂層が、前述の(i)2層以上の複数層からなる熱可塑性樹脂層である場合には、複数の熱可塑性樹脂層は、重層塗布にて形成しても、各層を順次塗布して形成してもよい。
また上記熱可塑性樹脂層が、前述の(ii)局在性の膨張剤を含有する熱可塑性樹脂層である場合には、熱可塑性樹脂層を形成する際は空気界面が存在する状態で形成する必要がある。即ち、仮支持体(熱可塑性樹脂層が2層以上からなる場合には最上層以外の熱可塑性樹脂層を形成した仮支持体)上に熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層が2層以上からなる場合には最上熱可塑性樹脂層)を形成し、その後中間層や感光性樹脂層等の隣接層を形成する必要がある。
また、(i)2層以上の複数層からなる熱可塑性樹脂層である場合には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層および中間層を設けたシート、ならびに保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、ならびに保護フイルム上に感光性樹脂層および中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。更には、熱可塑性樹脂層が2層からなる場合を例にとれば、前記の仮支持体上に最上層でない熱可塑性樹脂層を設けたシート、ならびに保護フイルム上に感光性樹脂層、中間層および最上熱可塑性樹脂層を設けたシートを用意し、最上層でない熱可塑性樹脂層と最上熱可塑性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。
また、(ii)局在性の膨張剤を含有する熱可塑性樹脂層である場合には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層および中間層を設けたシート(ただし重層塗布でなく、熱可塑性樹脂層を空気界面が存在する状態で形成したシート)、ならびに保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、ならびに保護フイルム上に感光性樹脂層および中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。
尚、本発明の多層材料において、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。また熱可塑性樹脂層としては、前記(i)のように複数層からなる場合における総厚みも、(ii)のように単層からなる場合も、2〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましく、10〜20μmが特に好ましい。
また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、中間層は0.5〜3.0μm、保護フイルムは4〜40μmが、一般的に好ましい。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
−スリット状ノズル−
上記多層材料は、公知の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、およびスリットコーターが好適に用いられる。
<樹脂パターンの形成方法>
本発明の樹脂パターンの形成方法は、前記多層材料を基板上に転写し、膨張性の熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させた後、該熱可塑性樹脂層と、該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層(例えば中間層や感光性樹脂層)との間で、仮支持体および熱可塑性樹脂層を、基板側から剥離することを特徴とする。また、剥離後、露光工程や現像工程を経ることによって、樹脂パターンを得ることができる。
尚、カラーフィルタにおける着色画素の形成の場合には、基板上に樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などによって得ることができる。
以下、本発明の樹脂パターンの形成方法を、工程の順を追って説明する。
(ラミネーターによる貼り付け)
前記の多層材料を用い、フイルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に加熱および/または加圧したローラーまたは平板で圧着または加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーターおよびラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
(基板)
本発明における上記基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、多層材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましい。
(熱可塑性樹脂層の膨張および剥離)
熱可塑性樹脂を膨張させるにあたり、エネルギーを付与する手段としては、特に限定されず、例えば、光や熱の他、超音波や衝撃等も用いることができる。
熱可塑性樹脂層を露光により膨張させる場合、前述の様に、赤外線、可視光線、紫外線の他、電子線、エックス線、中性子線等の電離放射線等によって行うことができ、この中でも、赤外線、可視光線および紫外線が好ましく、感光層のかぶり防止および熱可塑性樹脂層を効率的に膨張させるという観点から、紫外線が特に好ましい。
露光方法としては、シャープカットフィルタやバンドパスフィルタ(回折格子:Hg輝線スペクトル)、レーザー(He−Caレーザー)を用いて露光することができる。該シャープカットフィルタは、波長350nmから800nmの範囲において、ある波長以下の光をできるだけ遮断し、これより長波長の光をなるべく完全に透過させるものとして、波長傾斜幅(Δλ)、透過限界波長(λT)、高透過域の透過率(TH)、吸収域の透過率(TA)が規定されている。フィルタを選択して用いることで、特定波長のみを透過することができる点で、特に好ましい。
尚、露光量としては、照射する光線の種類や用いる装置等によって異なるものの、50〜750mJ/cmが好ましく、75〜600mJ/cmがより好ましく、90〜500mJ/cmが特に好ましい。
加熱により膨張させる場合、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱方法の他に、熱風加熱、赤外線照射、高周波加熱、化学反応熱、摩擦熱等によって加熱することができ、感光層の熱かぶり防止および設備の簡略化という観点から、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱方法および熱風加熱、赤外線照射がより好ましい。
加熱装置としては、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱または、熱風加熱等を用いることができ、その中でも、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱がより好ましい。
尚、加熱温度としては、用いる装置等によって異なるものの、30〜150℃が好ましく、40〜140℃がより好ましく、50〜120℃が特に好ましい。また、その時間としては、温度によっても異なるものの、0.1秒〜1時間が一般的に好ましく、0.5秒〜30分がより好ましく、1秒〜10分が特に好ましい。
上記の手段によってエネルギーが付与され熱可塑性樹脂が膨張すると、上記熱可塑性樹脂層の接着面(仮支持体との接着面とは逆側の隣接層との界面)の一部を剥がし接着力を低下させるため、仮支持体および熱可塑性樹脂層を、容易に剥離することができる。
(露光)
上述の方法により仮支持体と熱可塑性樹脂層を剥離した後、基板側に残った感光性樹脂層や中間層等の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、中間層等を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を経て、樹脂パターンを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等、公知の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム(株)製)」)が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
<基板および表示装置>
上記した本発明の樹脂パターンの形成方法によって、液晶表示装置、PDP、ELなどに用いるカラーフィルタ、表示装置に用いるスペーサや液晶配向制御用突起を基板(例えばガラス基板、プラスティック基板)上に形成することができる。上記形成方法によれば、熱可塑性樹脂層と隣接層との間の剥離性がよく、剥離残りが効果的に抑制されているため、樹脂パターン形成の際に露光光が散乱せず、良好なパターンが形成でき、更には剥離残りに起因したムラを改善することができる。
上記カラーフィルタ、スペーサ、液晶配向制御用突起等は、表示装置、特には、小型モバイル機器や大型ディスプレイ等の液晶表示装置の基板に好適に用いられる。
以下、本発明を、実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下において「部」、「%」および「分子量」は、「質量部」、「質量%」および「重量平均分子量」を表す。
(実施例1)
<カラーフィルタ用多層材料の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表3に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を多層材料K1とした。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H1の調製
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 41部
下記構造の化合物(8) 5.4部
下記組成のA液 356部
*A液
バイロン200(東洋紡績(株)製) 227部
エリーテルUE3350(ユニチカ(株)製) 529部
メチルエチルケトン 1870部
トルエン 1070部
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業株式会社製) 40.3部
以上を混合して熱可塑性樹脂層用塗布液H1を調製した。
Figure 2008164842
*中間層用塗布液P1の調製
ポリビニルアルコール 2.1部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
ポリビニルピロリドン 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン株式会社製)
メタノール 44部
蒸留水 53部
下記構造の染料1固体水分散液
(染料濃度10%の水分散溶液、平均粒径0.05μm) 1.53部
Figure 2008164842
次に、前記多層材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、下記表4、5および6に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1およびB1に変更し、それ以外は上記と同様の方法により、多層材料R1、G1およびB1を作製した。
<カラーフィルタの作製>
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記多層材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、上記基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
ラミネート後、基板温度を65℃に保ったまま、SCフィルター42(紫外線吸収フィルタ、富士写真フイルム(株)製)を介して、超高圧水銀灯により全波長で、300mJ/cmで熱可塑性樹脂層を露光して膨張させ、熱可塑性樹脂層と中間層の間で剥離した。
次いで、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該中間層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を100倍希釈した液にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
−レッド(R)画素の形成−
前記多層材料R1を用い、前記ブラック(K)画像が形成された基板上に、前記多層材料K1と同様の工程で、レッド(R)の画素と、28×28μmの角形のレッド(R)パターンを形成した。但しパターン露光の露光量は40mJ/cm、KOH系現像液による現像は35℃35秒とした。
このRの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
−グリーン(G)画素の形成−
前記多層材料G1を用い、前記レッド(R)画素が形成された基板上に、前記多層材料K1と同様の工程で、グリーン(G)の画素と、前記レッド(R)パターン上にレッド(R)パターン全体を覆うようにグリーン(G)パターンを形成した。但しパターン露光の露光量は40mJ/cm、KOH系現像液による現像は34℃45秒とした。
RとGの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
−ブルー(B)画素の形成−
前記多層材料B1を用い、前記レッド(R)画素とグリーン(G)画素が形成された基板上に、前記多層材料K1と同様の工程で、ブルー(B)の画素を形成した。但しパターン露光の露光量は30mJ/cm、KOH系現像液による現像は36℃40秒とした。
このR、G、Bの画素およびKの画像を形成した基板を240℃で50分ベークして、目的のカラーフィルタを作製した。
上記より得たカラーフィルタ上に、透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
Figure 2008164842
Figure 2008164842
Figure 2008164842
Figure 2008164842
尚、表3〜6に記載の組成物の内、
*K顔料分散物1の組成は、
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250) 13.1部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピル
アミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−
ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
*バインダー1の組成は、
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量4万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*DPHA液の組成は、
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ、500ppm含有
日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
*界面活性剤1(メガファックF−780−F:大日本インキ化学工業(株)社製)の組成は、
・C13CHCHOCOCH=CH : 40部と
H(OCH(CH)CHOCOCH=CH : 55部と
H(OCHCHOCOCH=CH : 5部と
の共重合体、分子量3万 30部
・メチルエチルケトン 70部
*R顔料分散物1の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor Red B−CF、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 8.0部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピル
アミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−
ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 8.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2部
*R顔料分散物2の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal Red A2B
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
*バインダー2の組成は、
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*G顔料分散物1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、商品名:GT−2)
*Y顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFエローEX3393)
*B顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3357)
*B顔料分散物2(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3383)
*バインダー3の組成は、
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*開始剤1:下記構造の化合物(和光純薬工業(株)製、λmax=368)
*開始剤2:下記構造の化合物(和光純薬工業(株)製、λmax=354)
*開始剤3:下記構造の化合物(1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン(旭電化工業(株)製;アクリジン系化合物)λmax=360)
*添加剤1:(燐酸エステル系特殊活性剤:楠本化成株式会社製、商品名:HIPLAAD ED152)
*添加剤2:下記構造の化合物
Figure 2008164842
Figure 2008164842
<突起の形成>
−突起用多層材料の作製−
次に、前記多層材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、下記突起用組成物A1に変更し、それ以外は上記と同様の方法により、多層材料A1を作製した。
*突起用組成物A1
・架橋性基とアルカリ可溶性基を含む樹脂1 ・・・6.7部
(アクリロイルシクロヘキシル基含有メタクリレート、ダイセル化学工業社製
サイクロマー−P(ACM)230M、酸価(KOHmg/g):22.6、
分子量:25,000、二重結合当量比:0.64)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・4.0部
(重合性モノマー;(メタ)アクリル酸含有重合体に対する質量比=0.6)
・前記開始剤1 ・・・0.13部
・Aizen Victoria Pure Blue BOH−M(保土ヶ谷化学工業(株)製) ・・0.19部
・ポリ(N−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート)
/ポリプロピレングリコールメチルエーテルアクリレート(共重合比=40/60)
・・・0.010部
・メチルエチルケトン ・・・32部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート ・・・53部
−突起の形成−
前記多層材料A1を用い、ITO膜が設けられた側の表面上に、前記多層材料K1と同様の工程で、突起パターンを形成した。但しパターン露光の露光量は70mJ/cm、KOH系現像液による現像は35℃35秒とした。
次いで、該突起が形成されたカラーフィルタ基板を240℃下で50分ベークすることにより、前記レッド(R)とグリーン(G)を積層して形成したスペーサの土台上に、レッド(R)画素からの高さが3.4μmのスペーサと、カラーフィルタ側基板上に、高さ1.5μm、縦断面形状が蒲鉾様の液晶配向制御用突起を形成した。
更にその上にポリイミドの配向膜を設けた。カラーフィルタの画素群の周囲に設けられたブラックマトリックスの外枠に相当する位置に、スペーサ粒子を含有するエポキシ樹脂のシール剤を印刷し、カラーフィルタ基板を対向基板と貼り合わせた。次いで、貼り合わされたガラス基板を熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。このガラス基板積層体を真空下で脱気し、その後大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入し、液晶セルを得た。この液晶セルの両面に、偏光板を貼り付け、バックライトを、上記偏光板を付与した液晶セルの背面側に設置し、液晶表示装置を作製した。
(実施例2〜30)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層中の膨張剤(化合物(8))を下記表に記載のごとく変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。尚、下記表中の各化合物の番号は、前述の局在性の膨張剤の具体例として列挙した各化合物の番号に対応している。
Figure 2008164842
(実施例31)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を、下記H31に変更した以外は実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H31の調製
酢酸エチル 50部
前述の化合物(31) 5.4部
前記A液 356部
(実施例32〜36)
実施例31において、カラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層中の膨張剤(化合物(31))を下記表に記載のごとく変更した以外は、実施例31と同様の方法で液晶表示装置を作製した。尚、下記表中の各化合物の番号は、前述の局在性の膨張剤の具体例として列挙した各化合物の番号に対応している。
Figure 2008164842
(実施例37)
実施例1において、ブルー(B)の着色感光性樹脂組成物の処方B1を前記表6に記載のB2に、カラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料に用いた中間層用塗布液P1を下記P2にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*中間層用塗布液P2
ポリビニルアルコール 2.1部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
ポリビニルピロリドン 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン(株)製)
メタノール 44部
蒸留水 53部
(実施例38)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層を2層からなる熱可塑性樹脂層とし、下記H37を塗布乾燥して形成される厚さ10μmの下層の熱可塑性樹脂層と、下記H38を塗布乾燥して形成される厚さ5μmの上層の熱可塑性樹脂層とを重層した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H37の調製
タフトンU5(花王(株)製) 756部
メチルエチルケトン 1070部
トルエン 1870部
メガファックF−780−F(第日本インキ化学工業株式会社製) 40.3部
*熱可塑性樹脂層用塗布液H38の調製
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 66部
トルエン 15部
下記構造の化合物(W) 5.4部
(x/y/z=40/15/45モル比ランダム共重合体、分子量6000)
バイロン220(東洋紡績(株)製) 6.14部
エリーテルUE3350(ユニチカ(株)製) 14.3部
メガファックF−780−F(第日本インキ化学工業株式会社製) 0.54部
Figure 2008164842
(比較例1)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H39に変更し、且つ、ラミネート後、エネルギー付与としての露光を行なわなかった以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H39の調製
シクロヘキサン 9部
メチルエチルケトン 41部
前記A液 356部
以上を混合して熱可塑性樹脂層用塗布液H39を調製した。
(比較例2)
*熱可塑性樹脂層用塗布液H40の調製
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=55/11.7/4.5/28.8の共重合体(組成比はモル比を示す、分子量=9万) ……59.5g
・スチレン/アクリル酸=63/37の共重合体(組成比はモル比を示す、分子量=8000) ………140g
・ポリエステル樹脂(バイロン220(東洋紡績(株)製)) ………0.5g
・ビスフェノールAにオクタエチレングリコールモノメタクリレートを2等量脱水縮合した化合物(可塑剤:新中村化学工業(株)製、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン) ……44.9g
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF176PF)
……………1g
・p−トルエンスルホニルヒドラジド ……24.5g
・n−プロパノール ………500g
以上を混合して熱可塑性樹脂層用塗布液H40を調製した。
厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート仮支持体の一面に熱可塑性樹脂層用塗布液H40を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ10μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
*中間層用塗布液P3の調製
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製 PVA205、鹸化度88%)
………30g
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン(株)製PVP−K90)
………13g
・蒸留水 ……507g
・エタノール ……450g
以上を混合して中間層用塗布液P3とした。
熱可塑性樹脂層を塗設した仮支持体の熱可塑性樹脂層の上に中間層用塗布液P3を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ2.2μmの中間層を形成した。
<カラーフィルタ用多層材料の作製>
下記表9の処方を有するR、G、Bの着色感光性樹脂組成物(感光性樹脂層用塗布液)R3、G3、B3、および、下記処方による着色感光性樹脂組成物K3を、それぞれ個別の仮支持体(熱可塑性樹脂層および中間層を形成した前記仮支持体)の上に塗布して、100℃で2分間乾燥し、赤色、青色、緑色および黒色試料の感光性樹脂層を形成した。なお感光性樹脂層の乾燥後の厚みは、R、GおよびB感光性樹脂層については2.3μm、K感光性樹脂層については1.6μmとした。
Figure 2008164842
*着色感光性樹脂組成物K3の調製
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=70/30、酸価=104mgKOH/g,分子量=3万) ……21.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体(モル比7/15/73/5、酸価=77mgKOH/g,分子量=8万) ……14.7部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ……26.8部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン ……1.32部
・カーボンブラック(商品名:Nipex 35、デグサ ジャパン(株)製)
……27.0部
・ピグメント・ブルー15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製) ……5.70部
・ピグメント・バイオレット23(商品名:Hostaperm Violet RL−NF、クラリアントジャパン(株)製) ……3.57部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル ……0.02部
・F117P(大日本インキ化学工業(株)製の界面活性剤) ……0.09部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ………400部
・メチルエチルケトン ………600部
得られた赤色、青色、緑色および黒色試料の感光性樹脂層の上に厚さ15μmのポリプロピレンシートを重ねて室温で圧着し、4種類(4色)の多層材料を作製した。
<突起用多層材料の形成>
実施例1において、突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を前記H40に、中間層の処方を前記P3に変更した以外は、同様にして突起用多層材料を形成した。
<液晶表示装置の作製>
上記で作製したカラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料を用い、且つ、ラミネート後のエネルギー付与としての露光を行なわなかった以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
(比較例3)
*熱可塑性樹脂層用塗布液H41の調製
・ポリエステル(商品名:バイロン220、東洋紡績(株)製) ・・・200部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=55/11.7/4.5/28.8(モル比)の共重合体 (分子量=9万)・・・15部
・スチレン/アクリル酸=63/37(モル比)の共重合体(分子量=8000) ・・・35部
・ビスフェノールAにオクタエチレングリコールモノメタクリレートを2等量脱水縮合した化合物(商品名:2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、新中村化学工業(株)製) ・・・15部
・フッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF780F、
大日本インキ化学工業(株)製) ・・・・5部
・メチルエチルケトン ・・730部
以上を混合して熱可塑性樹脂層用塗布液H41を調製した。
厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート仮支持体の一面に熱可塑性樹脂層用塗布液H41を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ15μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
*中間層用塗布液P4の調製
・ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、(株)クラレ製、鹸化度88%) ・・・30部
・ポリビニルピロリドン(商品名:PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製) ・・・10部
・エチルアクリレートラテックス(平均粒径0.18μm、固形分濃度20%ガラス転移温度−24℃) ・・・50部
・メタノール ・・455部
・蒸留水 ・・・全量が1000部になるように添加
以上を混合して中間層用塗布液P4とした。
熱可塑性樹脂層を塗設した仮支持体の熱可塑性樹脂層の上に中間層用塗布液P4を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ2μmの中間層を形成した。
<カラーフィルタ用多層材料の作製>
前記比較例2において用いた着色感光性樹脂組成物K3、R3、G3、B3を、それぞれ、熱可塑性樹脂層および中間層を形成した上記仮支持体の上に塗布し、100℃で2分間乾燥した。また、感光性樹脂層の乾燥後の厚みはR、GおよびBの感光性樹脂層については2.3μm、Kの感光性樹脂層については1.6μmとした。
得られたR、G、BおよびKの感光性樹脂層の上に、厚さ15μmのポリプロピレンシートを重ねて室温で圧着し、4種類(4色)の多層材料を作製した。
<突起用多層材料の形成>
実施例1において、突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を前記H41に、中間層の処方を前記P4に変更した以外は、同様にして突起用多層材料を形成した。
<液晶表示装置の作製>
上記で作製したカラーフィルタ用多層材料および突起用多層材料を用いて、且つ、ラミネート後のエネルギー付与としての露光を行なわなかった以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
≪評価≫
−剥離力(A)と剥離力(B)との差の判定−
前記実施例および比較例において、カラーフィルタ用および突起用の多層材料を基板にラミネートし、エネルギーを付与して(比較例においては付与せずに)仮支持体を剥離した際の剥離面を観察し、下記基準から剥離力(A)と(B)との剥離力差を判断した。結果を表10および表11に示す。
○:熱可塑性樹脂層と中間層との間で良好に剥離された
×:熱可塑性樹脂層と中間層との間での剥離が良好に行われなかった
−局在化状態の判定−
上記実施例および比較例において得られたカラーフィルタ用および突起用の多層材料を、ウルトラミクロトーム(ライカ社製、ガラスナイフ使用)を用いて、切削角度5°、黄灯下で切削し、多層材料の断面測定試料を作成した。次にアルバック・ファイ社製の装置:PHI−TRIFTII型を用いて次の条件で測定した。
(条件)一次イオンAu、加速電圧:22kV、一次イオン電流:2nA、
中和銃on、マッピング測定(positive/negative)、
バンチングなし、測定面積:250μm□、測定時間5min
得られたチャートの濃度からA〜Dの4段階に評価した。結果を表10および表11に示す。尚、実用レベルはC以上である。
A:中間層と熱可塑性樹脂層の界面から深さ3.0μmの領域に膨張剤の80体積%以上が含まれている。
B:中間層と熱可塑性樹脂層の界面から深さ6.0μmの領域に膨張剤の80体積%以上が含まれている。
C:中間層と熱可塑性樹脂層の界面から深さ9.0μmの領域に膨張剤の80体積%以上が含まれている。
D:層内に均一に分布している。
−剥離性−
上記実施例および比較例において、カラーフィルタ用および突起用の多層材料の仮支持体を剥離後、基板側に残された層の表面(剥離表面)に、入射角30〜60°の光を反射させて目視および顕微鏡で観察し、下記の基準で評価した。結果を表10および表11に示す。尚、実用レベルはC以上である。
A:剥離表面が均一で、剥離残り(熱可塑性樹脂層の残り)が全く見られず、剥離性は極めて良好。
B:仮支持体のエッジ部に点状の剥離残りが微かに見られるが、他の部分に剥離残りは起こらず、剥離性は良好。
C:仮支持体のエッジ部に線状の剥離残りが少し見られるが、他の部分に剥離残りは起こらず、剥離性は普通。
D:エッジ部のみならず、その他の部分に微かに剥離残りが生じ、剥離性は悪い。
E:剥離残りが全面に見られ、剥離性は極めて悪い。
−画素欠け数−
カラーフィルタ用多層材料によって得られたパターン付き基板の1cmあたりの画素欠けの割合を、変形、欠け、抜け等の認められる画素の数と、全画素の数との比により求め、下記の基準により評価した。
○ :画素欠けの割合が0.2%未満
△○:画素欠けの割合が0.2%以上、0.5%未満
△ :画素欠けの割合が0.5以上、1%未満
× :画素欠けの割合が1%以上
Figure 2008164842
Figure 2008164842
実施例で作製したパターンは、熱可塑性樹脂層の剥離残りがなく、露光光の散乱が生じないため、画素欠けの割合が小さかった。該実施例で作製したパターンを有する液晶表示装置は、ムラがなく表示特性に優れるものであった。
これに対し、比較例で作製したパターンは、画素欠けの割合が多く、該比較例で作製したパターンを有する液晶表示装置はムラが目立った。

Claims (10)

  1. 少なくとも仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、をこの順に有し、
    前記熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物を、感光性樹脂層側界面よりに局在した状態で含有し、
    前記仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間の剥離力を(A)、前記熱可塑性樹脂層と該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層との間の剥離力を(B)としたときの、エネルギー付与後剥離時の関係が、(A)>(B)であることを特徴とする多層材料。
  2. 前記熱可塑性樹脂層が2層以上の複数層からなり、最も感光性樹脂層側に配置する熱可塑性樹脂層における、前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物の含有濃度が、他の熱可塑性樹脂層における含有濃度より高いことを特徴とする請求項1に記載の多層材料。
  3. 前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物が、エネルギー付与によって(1)気体を発生する化合物または(2)構造変化を伴い膨張する化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層材料。
  4. 前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物として、少なくとも下記一般式(A)および(B)のいずれか一種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層材料。
    Figure 2008164842
    (一般式(A)中、SOORは4位または5位に置換する置換基であり、Rは炭素数4以上のアルキル含有置換基、炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するアリール基、炭素数4以上のアルキル基または炭素数1以上のフルオロカーボンを有するイミド基、クレゾール樹脂誘導体またはフェノール樹脂誘導体を示す。)
    Figure 2008164842
    (一般式(B)中、RおよびRは炭素数4以上のアルキル含有置換基または炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基を、XはPF、BF、RSOまたはROSOを、Aはヘテロ原子を含有する炭化水素誘導体を、nは0または1を示す。Rは炭素数4以上のアルキル含有置換基、アルキル変性アリール基または炭素数1以上のフルオロカーボン含有置換基を示す。)
  5. 少なくとも仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、をこの順に有する多層材料を基板上に転写する工程と、転写後の前記熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させる工程と、膨張した前記熱可塑性樹脂層と、該熱可塑性樹脂層の前記仮支持体とは逆側の隣接層と、の間で、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離する工程と、を有する樹脂パターンの形成方法であって、
    前記多層材料として請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層材料を用いることを特徴とする樹脂パターンの形成方法。
  6. 前記剥離する工程を経た後に、少なくとも露光工程および現像工程を有することを特徴とする請求項5に記載の樹脂パターンの形成方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂層を膨張させるための前記エネルギー付与が、光および熱から選ばれる少なくとも一種によって行われることを特徴とする請求項5または6に記載の樹脂パターンの形成方法。
  8. 請求項5〜7の何れか1項に記載の樹脂パターンの形成方法によって樹脂パターンを形成したことを特徴とする基板。
  9. 請求項8に記載の基板を備えたことを特徴とする表示装置。
  10. 請求項8に記載の基板を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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