JP4762756B2 - 多層材料及び樹脂パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルタ等の形成に用いられる多層材料、及び該多層材料を用いた樹脂パターンの形成方法に関する。
カラーフィルタやスペーサ等の形成に用いられる、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層をこの順に設けてなる多層材料は従来から知られており、例えば、上記カラーフィルタは、多層材料の感光性樹脂層と基体とを「ラミネート法」によって貼り合わせ、その後仮支持体を剥離して、露光、現像をおこない、基体上に画像を形成して作製される。上記多層材料は、感光性樹脂層と基体とを貼り合わせる際に両者の間に気泡が入り転写不良を起こすという問題点を熱可塑性樹脂層を設けることによって改良し、基体に凹凸がある場合であっても気泡の発生を防止することができ、良好な転写画像を得ることが可能である。
上記の様に、熱可塑性樹脂層を有する多層材料を用いてカラーフィルタ、スペーサや、その他液晶配向制御用突起などの材料を作製する場合において、従来では、仮支持体と共に前記熱可塑性樹脂層を剥離する際に発生する剥離不良が問題となっていた。
これに対し、熱可塑性樹脂層と中間層との間で剥離するために、両者の接触表面のエネルギーを調整する手段が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ある程度の剥離性向上は得られるものの、以下のような問題点が存在する。
一つは、前記多層材料の作製は、仮支持体に熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層をこの順で塗布乾燥して行われるが、熱可塑性樹脂層及び中間層の形成後、製造機の搬送ロールによって中間層にピンホールが発生し、さらにその上に感光性樹脂層を形成しようとすると、感光性樹脂層塗布液中に含まれる溶剤が熱可塑性樹脂層を溶解し、面状悪化を引き起こしていた。また二つ目として、感光性樹脂層がポジ型感光性樹脂層の場合、基板に転写して仮支持体を剥離するとポジ型感光性樹脂層上に気体バリアー性良好な中間層が形成されているため、露光時に発生する窒素ガスにより中間層が一部ポジ型感光性樹脂層から浮いてしまうトラブルが発生する。この状態でパターン露光した場合、画素の一部が欠けてしまい、表示性能の品位を損ねていた。
また、熱可塑性樹脂層中にて加熱により気体を発生させ、熱可塑性樹脂層の体積を増大させる手段が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしこれは、膨張によるラミネート性向上の手段であって、多層材料をラミネートする前に加熱を行っており、熱可塑性樹脂層の剥離性向上の効果が得られるものではなく前記問題点も解決できる状態にはなかった。
特開2004−151506号公報 特開2003−76001号公報
本発明は、上記従来における欠点を改善することを目的とする。
即ち、本発明の目的は、所望の界面で剥離することが可能であり、且つ剥離性の良好な多層材料を提供することにある。また、剥離残りの発生を効果的に抑制でき、良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の多層材料は、
<1> 少なくとも、仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光性樹脂層と、をこの順に有する多層材料であって、前記熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物であって分子内に極性基を有する化合物を含み、基板に前記感光性樹脂層が接するように転写した後に前記仮支持体を剥離する際、エネルギー付与を行った場合には熱可塑性樹脂層と中間層との界面で剥離され、エネルギー付与を行わない場合には中間層と感光性樹脂層との界面で剥離されることを特徴とする多層材料である。
<2> 前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物が、エネルギー付与によって(1)気体を発生する化合物又は(2)構造変化を伴い膨張する化合物であることを特徴とする前記<1>に記載の多層材料である。
また、本発明の樹脂パターンの形成方法は、
<3> 少なくとも仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光性樹脂層と、をこの順に有する多層材料を基板上に転写する工程と、転写後の前記熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させる工程と、膨張した前記熱可塑性樹脂層と前記中間層との界面で、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離する工程と、を有する樹脂パターンの形成方法であって、前記多層材料として前記<1>又は<2>に記載の多層材料を用いることを特徴とする樹脂パターンの形成方法である。
<4> 前記剥離する工程を経た後に、少なくとも露光工程及び現像工程を有することを特徴とする前記<3>に記載の樹脂パターンの形成方法である。
<5> 前記熱可塑性樹脂層を膨張させるための前記エネルギー付与が、光及び熱から選ばれる少なくとも一種によって行われることを特徴とする前記<3>又は<4>に記載の樹脂パターンの形成方法である。
本発明によれば、所望の界面で剥離することが可能であり、且つ剥離性及び面状の良好な多層材料を提供することができる。また、該多層材料を用いることにより、良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず本発明の多層材料について詳述し、その後樹脂パターンの形成方法、基板及び表示装置について述べる。
<多層材料>
本発明の多層材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光性樹脂層と、をこの順に有し、前記熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物であって分子内に極性基を有する化合物(以下、単に「本発明における膨張性の化合物」ということがある)を含み、基板に前記感光性樹脂層が接するように転写した後に前記仮支持体を剥離する際、エネルギー付与を行った場合には熱可塑性樹脂層と中間層間との界面で剥離され、エネルギー付与を行わない場合には中間層と感光性樹脂層間との界面で剥離されることを特徴とする。
尚、前記多層材料においては、前記仮支持体を剥離する際、感光性樹脂層の特性に合わせて、熱可塑性樹脂層を膨張させて体積を増大させ仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離する方法と、熱可塑性樹脂層を膨張さないで仮支持体を熱可塑性樹脂層および中間層と共に剥離する方法とを選択することができる。
また、(a)エネルギーを付与し熱可塑性樹脂層を膨張させる場合、及び(b)エネルギーを付与せず熱可塑性樹脂層を膨張させない場合の何れにおいても、良好な剥離性を得ることができる。
具体的には、前記本発明における膨張性の化合物を熱可塑性樹脂層に添加すると、熱可塑性樹脂層と中間層との密着力が向上する。そのため、多層材料製造時において熱可塑性樹脂層上に中間層を塗布した後、製造機の搬送ロールが中間層に接触した場合であっても該中間層は剥れにくく、その結果ピンホールの発生が効果的に抑制される。従って、上記(b)のように熱可塑性樹脂層を膨張させない場合、中間層/感光性樹脂層界面にて剥がす事が出来ると共に、熱可塑性樹脂層と中間層との密着性により良好な剥離性が得られる。
一方、上記(a)の場合には、エネルギーを付与して熱可塑性樹脂層を膨張させることにより、熱可塑性樹脂層と中間層との密着が半ば強制的に剥離されるため、膨張後の密着力は非常に小さく、熱可塑性樹脂層/中間層界面にて剥がすことが出来ると共に、良好な剥離性を得ることができる。
尚、感光性樹脂層がポジ型である場合には、前述のように、基板に転写して仮支持体を剥離したあと感光性樹脂層上に中間層が残っていると、パターン露光時に発生する気泡(窒素ガス)が感光性樹脂層/中間層間にたまり、若干の画素欠けが発生することがある。これに対し、上記(b)のように仮支持体の剥離の際に同時に中間層を剥離することにより、気泡(窒素ガス)はたまらず画素欠けの発生を解消することができる。
一方、感光性樹脂層がネガ型である場合には、仮支持体剥離後、感光性樹脂層上に中間層が存在しないと、感光性樹脂層の感度が液体レジスト並みに低下してしまうことがある。しかし、上記(a)のように仮支持体の剥離の際に感光性樹脂層側に中間層を残すことにより、当該感度の低下を効果的に防止することが出来る。
即ち、本発明における感光性樹脂層がポジ型材料である場合にはエネルギーを付与しない上記(b)の態様が、ネガ型材料である場合にはエネルギーを付与する上記(a)の態様が、有利である。
以下、本発明の多層材料を詳細に説明するにあたり、まず多層材料の構成について詳述する。
(仮支持体)
上記転写材料の仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、又は、加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さに特に制限はないが、5〜200μmの範囲が一般的で、特に10〜150μmの範囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利であり好ましい。また、仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物のようなエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物のような塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物のようなスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物のようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンのようなポリアミド樹脂等の有機高分子、及びポリエステル等が挙げられる。
本発明においては、上記有機高分子物質に加え、エネルギー付与により熱可塑性樹脂層を膨張させる(体積を増大させる)化合物であって分子内に極性基を有する化合物を含ませることが必須である。熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物としては、例えば、気体を発生する化合物、反応により化合物自身が膨張し体積が増大する化合物などが挙げられる。上記エネルギー付与は、光や熱などを用いて行われる。
尚、本発明における上記エネルギー付与により熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物は「分子内に極性基を有する」ことが必須であるが、極性基が存在することにより、中間層におけるピンホールの発生を低減できる。上記化合物が分子内に有する上記極性基としては、例えば、−OH,−OH(フェノール系),−NH−NH−,−N=(アミン性),=CO,−SO3H,−SO2−,−SO−,−CONH−,−N=N−,−O−,=C=NH,−COOH,−NHCO−,−CO−O−CO−,−COO−,=NH−NH−,=N−OH,−CS−NH−,−SO2−NH−,−CO−NH−NH2,−NH−CO−NH−,−CO−NH−CO−,ラクトン環,フェナントレン環,アントラセン環等が挙げられ、これらの中でも、−OH,−OH(フェノール系),−NH−NH−,−N=(アミン性),=CO,−SO3H,−SO2−,−SO−,−CONH−,−N=N−,−O−,=C=NH,−COOH,−NHCO−,−CO−O−CO−,−COO−,=NH−NH−,=N−OH,−CS−NH−,−SO2−NH−,−CO−NH−NH2,−NH−CO−NH−,−CO−NH−CO−が分子内に存在することがより好ましい。
以下に、前記本発明における膨張性の化合物の例を挙げるが、分子内に極性基を有し熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物であれば、これに限定されるものではない。
(a)エネルギー付与により気体を発生する化合物
エネルギー付与により気体を発生する化合物としては、例えば、特開2003−171623号公報の段落番号[0015]〜[0017]に記載のアゾ化合物、アジド化合物が好適なものとして挙げられる。
尚、上記エネルギー付与の手段としては、特に限定されず、光や熱の他、超音波や衝撃等も用いることができる。中でも光、熱、超音波は、簡便で形状等に関わらず適用でき、接着部分(即ち、熱可塑性樹脂層と中間層との界面部分)に局所的に適用することによって気体を発生させることができるので好ましい。より具体的には、光によるエネルギー付与としては、赤外線、可視光線、紫外線だけでなく、電子線、エックス線、中性子線等の電離放射線の照射も含まれる。熱によるエネルギー付与としては、熱風加熱、赤外線照射、高周波加熱、化学反応熱、摩擦熱等が挙げられる。上記の手段によってエネルギーが付与されると、上記化合物から発生した気体が熱可塑性樹脂層の接着面(中間層との界面)の一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に熱可塑性樹脂層を剥離することができる。また、発生する気体としては、CO2、N2、NH3等がある。
好ましく用いられるものとしては、上記アゾ化合物の他、ジアゾ系として、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物などが挙げられる。これら気体を発生する化合物の具体例としては、アゾカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジン、p,p−オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)等が挙げられる。
−ナフトキノンジアジドエステル−
また、アジド化合物として、キノンジアジドが好適なものとして挙げられ、特に、上記熱可塑性樹脂層には、ナフトキノンジアジドエステルを用いることが好ましい。上記ナフトキノンジアジドエステルは、1官能の化合物であってもよいし2官能以上の化合物であってもよく、更にこれらの混合物であってもよい。
1官能のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、置換フェノールとを反応させたエステル化合物であることが好ましい。
また、2官能以上のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、フェノール性水酸基を複数有する化合物とを反応させたエステル化合物であることが好ましい。上記フェノール性水酸基を複数有する化合物としては、例えば、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキノスフェノール類等のポリフェノール類;ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン等の多官能フェノール;ビス型又はトリス型のジヒドロキシベンゼン若しくはトリヒドロキシベンゼン、非対称の多核フェノール、並びに、これらの混合物等が好ましい。
上記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、例えば、4−t−ブチルフェノール、4−イソアミルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−アセチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−クロロフェノール、4−ベンジルオキシカルボニルフェノール、4−ドデシルフェノール、レゾルシノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、フロログルシノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]等が挙げられる。
上記ナフトキノンジアジドエステルの具体例としては、例えば、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−4−スルホネート、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、4’−ベンゾイルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、特開平5−177929号公報、特開2004−237684号公報等に記載の光により分解するジアゾニウム化合物や、特開2003−76001号公報の段落番号[0025]〜[0026]に記載の発泡剤、又は発泡微粒子等の、加熱により気体を発生する化合物も好適なものとして挙げられる。
上記好ましい化合物の中でも、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物がより好ましく、特により多くの気体を発生する点で構造式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004762756
Figure 0004762756
Figure 0004762756
上記構造式(1)及び(2)中、R1及びR2は、水素原子又は下記(a)で表される置換基を示す。尚、複数あるR1及びR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、複数あるR1及びR2における水素原子と下記(a)で表される置換基との好ましい比率「水素原子/(a)で表される置換基(モル比)」は40/60〜0/100であり、さらに好ましい比率は30/70〜0/100である。
Figure 0004762756
上記気体を発生する化合物は、熱可塑性樹脂層に対して、3〜40質量%含有されていることが好ましく、5〜20質量%がより好ましく、7〜15質量%が特に好ましい。3質量%未満であると剥離に十分な気体の発生が得られないことがあり、40質量%を越えると凝集破壊の懸念があるために好ましくない。
(b)エネルギー付与により構造変化を伴い化合物自身が膨張する化合物
エネルギー付与により化合物自身が膨張する化合物としては、特開2003−76001号公報の段落番号[0026]に記載の発泡微粒子や、特開平6−136229号公報、特開平6−322029号公報、特開平5−310856号公報、特開平5−39291号公報、特開平6−73062号公報等に記載の環状カーボナート基を有する共重合体や、重合膨張率が大であるスピロオルトカーボナート化合物等が、好適なものとして挙げられる。該化合物は熱などのエネルギー付与により開環重合し、自身が膨張する物質として知られている。
スピロオルトカーボナート化合物の数種のものについては、開環異性化重合に伴う体積減少が非常に小さい又は体積が増大するという現象が報告されている。ラジカル重合により開環異性化重合し、重合膨張率が大であるスピロオルトカーボナート化合物として、特開平5−39291号公報の段落番号[0010]〜[0016]に記載のスピロオルトカーボナート化合物、特開平9−194565号公報の段落番号[0005]〜[0013]に記載の環状カーボナート樹脂組成物がより好ましい。
上記エネルギー付与により化合物自身が膨張する化合物は、熱可塑性樹脂層に対して、3〜50質量%含有されていることが好ましく、7〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。3質量%未満であると剥離に十分な膨張が得られないことがあり、50質量%を越えると、所望の剥離面で剥離できないという懸念がある。
前記熱可塑性樹脂層の膨張(即ち、体積の増大)は、元の体積を100とすると、好ましくは110〜1000であり、より好ましくは120〜800、特に好ましくは150〜500である。膨張が小さすぎると安定に剥離できないことがあり、大きすぎると熱可塑性樹脂層が弱くなり熱可塑性樹脂層内で凝集破壊が発生する懸念があるため好ましくない。
更に、上記露光により熱可塑性樹脂層を膨張させる場合、下記の感光性樹脂層が同時に硬化しないように、露光波長を遮断することが好ましい。その手段として、中間層もしくは熱可塑性樹脂層に金属コロイドやシアニン色素などの染料や、顔料などを含有させることができる。
(感光性樹脂層)
本発明における感光性樹脂層は、カラーフィルタを形成する着色層であっても、液晶セルの厚みを規定するスペーサであっても、液晶配向を制御する突起であっても、適宜その目的物を形成するための層として使用できる。感光性樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂、モノマー、開始剤などによって形成され、カラーフィルタの場合には着色剤を含有することが好ましい。但し、上記熱可塑性樹脂層を露光で膨張させる場合、該感光性樹脂層に該熱可塑性樹脂層を膨張させる露光波長により硬化しない成分を含有させることが好ましい。
以下に、本発明の感光性樹脂層の形成に用いることができる成分を示す。
−アルカリ可溶性樹脂−
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(以下、単に「バインダー」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。また、特開2003−131379号公報の段落番号[0031]〜[0052]に記載のカルボキシル基を有する構造単位と芳香族環及び/又は脂肪族環を1個以上有する(メタ)アクリレートからなる構造単位とを有する共重合体も好ましい。
また、クレゾール樹脂、フェノール樹脂を含有することができる。
上記クレゾール樹脂としては、クレゾールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.7〜1.0程度のものが好ましく、0.8〜1.0が更に好ましい。また、上記クレゾール樹脂の分子量としては、800〜8000が好ましく、1000〜6000が特に好ましい。
上記クレゾール樹脂の異性体比(o−体/m−体/p−体のモル比率)は特に限定はないが、現像性を高める観点から全異性体に対するp−体の比率が10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましい。また、液晶パネル性能(焼き付け防止能など)を高める観点からは、m−体の比率が5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましい。
上記クレゾール樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いることもできる。この場合、フェノール樹脂等の他の樹脂と混合して用いてもよい。また、本発明においては、上記クレゾール樹脂として、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとの反応生成物等のクレゾール樹脂の誘導体を用いてもよい。
これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、感光性樹脂層の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
−モノマー又はオリゴマー−
本発明におけるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、感光性樹脂層の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
−光重合開始剤又は光重合開始剤系−
本発明における光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
感光性樹脂層の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂層を露光により膨張させる場合、上記感光性樹脂層に用いる光重合開始剤又は光重合開始剤系は、該露光により硬化しない波長をもつものを適宜選択することが好ましい。例えば、405nmの露光波長で熱可塑性樹脂層を膨張させる場合、感光性樹脂層に用いる開始剤は、405nmに吸収を持たないものが好ましい。
−着色剤−
更に、カラーフィルタの場合、着色剤を含むことが好ましい。
着色剤としては、公知のもの(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、感光性樹脂層中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、例えば、特開2005−17716号公報の段落番号(0038)から(0040)に記載の色材、特開2005−361447号公報の段落番号(0068)から(0072)に記載の顔料、及び特開2005−17521号公報の段落番号(0080)から(0088)に記載の着色剤などが好適に挙げられる。
特に、本発明における感光性樹脂層がテレビ用カラーフィルタの形成に用いられる場合、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。
更に上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又はC.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又はC.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又はC.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
−その他の添加剤−
[溶媒]
本発明における感光性樹脂層においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
[熱重合防止剤]
本発明における感光性樹脂層は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
[紫外線吸収剤]
本発明における感光性樹脂層には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
[その他の添加物]
上記感光性樹脂層や後述する中間層には、前記熱可塑性樹脂層を膨張させるための露光を行う場合に、感光性樹脂層まで硬化させない観点から、露光光を遮断する能力のある物質を添加することが好ましい。
上記露光光を遮断する能力のある物質としては、有機色素などがその代表的な例である。例えば、インドレニン色素等のシアニン色素、アントラキノン系、アズレン系、フタロシアニン系等の色素、ジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物等の色素を挙げることができる。感度の点からは、照射光波長における吸光係数の大きなシアニン色素、フタロシアニン系色素などがより好ましい。
尚、上記露光光を遮断する能力のある物質は、感光性樹脂層に含有させる場合の含有量としては、全固形分に対して0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましい。また、中間層に含有させる場合には、全固形分に対して0.2〜10質量%が好ましく、0.4〜8質量%がより好ましい。
また、本発明の感光性樹脂層においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
(中間層)
本発明の多層材料においては、複数の層の形成時、及び形成後の保存時における成分の混合を防止する役割を担う中間層が設けられる。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
(保護層)
前記感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護する為に薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
(多層材料の作製方法)
本発明の多層材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、熱可塑性樹脂層および感光性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥することにより中間層を設け、その後感光性樹脂組成物の樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、本発明の多層材料を基板に前記感光性樹脂層が接するように転写した後に前記仮支持体を剥離するにあたり、エネルギー付与を行わず熱可塑性樹脂層の体積膨張を行わない場合には、中間層と感光性樹脂層との界面で剥離され、また、エネルギー付与を行い熱可塑性樹脂層を体積膨張させた場合には、熱可塑性樹脂層と中間層との界面で剥離されるよう各界面ごとの剥離力を調整する必要がある。
即ち、中間層と感光性樹脂層との界面の剥離力を(A)、エネルギー付与を行っていない場合の熱可塑性樹脂層と中間層との界面の剥離力を(Ba)、エネルギー付与を行った場合の熱可塑性樹脂層と中間層との界面の剥離力を(Bb)とした場合に、下記式(1)を満たす必要がある。
(Bb)<(A)<(Ba) 式(1)
また、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面の剥離力を(C)とした場合に、(C)は(Bb)および(A)より大きい必要がある。
ここで、上記剥離力とは、JIS−K6854−1(1999年)に準拠して測定した剥離力をさす。
上記条件を満たすように各界面における剥離力を調整する方法としては、それぞれの層に用いるポリマーの親和性(I/O値、溶解度パラメーター等)を制御する方法や、隣接層塗布液の溶解性を制御する方法、前記エネルギー付与によって熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物の添加量を調整する等の方法が挙げられる。
尚、本発明の多層材料において、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。中間層の膜厚としては、0.5〜3.0μmが好ましく、0.8〜2.5μmがより好ましく、1.2〜2.0μmが特に好ましい。また、熱可塑性樹脂層としては2〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましく、10〜20μmが特に好ましい。またその他、保護フイルムは4〜40μmが一般的に好ましい。
ここで、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
−スリット状ノズル−
上記多層材料は、公知の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いられる。
<樹脂パターンの形成方法>
本発明においては、前記多層材料を基板上に転写した後仮支持体の剥離を行う界面を、感光性樹脂層の特性に合わせて選択することができる。具体的には、膨張性の熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させた後、該熱可塑性樹脂層と中間層との界面で、仮支持体及び熱可塑性樹脂層を基板側から剥離することにより、基板上に中間層で覆われた状態での感光性樹脂層を形成することができる。また、ポジ型の感光性樹脂層等を用いた場合においては、基板に転写後エネルギー付与を行わずに剥離することによって、ポジ型の感光性樹脂層と中間層との界面で剥離し、基板上にポジ型の感光性樹脂層のみを形成することができる。
仮支持体剥離後、露光工程や現像工程を経ることによって、樹脂パターンを得ることができる。尚、カラーフィルタにおける着色画素の形成の場合には、基板上に樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などによって得ることができる。
以下、本発明の樹脂パターンの形成方法を、工程の順を追って説明する。
(ラミネーターによる貼り付け)
前記の多層材料を用い、フイルム状に形成した樹脂層を、後述する基板上に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
〈基板〉
本発明における上記基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、多層材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましい。
(熱可塑性樹脂層の膨張及び剥離)
前述したように、本発明の多層材料はエネルギー付与の有無によって剥離する面を選択することができ、熱可塑性樹脂層と中間層との界面で剥離するために熱可塑性樹脂を膨張させる場合における、エネルギーを付与する手段としては、特に限定されず、例えば、光や熱の他、超音波や衝撃等も用いることができる。
熱可塑性樹脂層を露光により膨張させる場合、前述の様に、赤外線、可視光線や紫外線、その他、電子線、エックス線、中性子線等の電離放射線等によって行うことができ、この中でも、赤外線、可視光線や紫外線が好ましく、感光性樹脂層のかぶり防止及び熱可塑性樹脂層を効率的に膨張させるという観点から、紫外線が特に好ましい。
露光方法としては、シャープカットフィルタやバンドパスフィルタ(回折格子:Hg輝線スペクトル)、レーザー(He−Caレーザー)を用いて露光することができる。該シャープカットフィルタは、波長350nmから800nmの範囲において、ある波長以下の光をできるだけ遮断し、これより長波長の光をなるべく完全に透過させるものとして、波長傾斜幅(Δλ)、透過限界波長(λT)、高透過域の透過率(TH)、吸収域の透過率(TA)が規定されている。フィルタを選択して用いることで、特定波長のみを透過することができる点で、特に好ましい。
尚、露光量としては、照射する光線の種類や用いる装置等によって異なるものの、50〜750mJ/cm2が好ましく、75〜600mJ/cm2がより好ましく、90〜500mJ/cm2が特に好ましい。
加熱により膨張させる場合、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱方法の他に、熱風加熱、赤外線照射、高周波加熱、化学反応熱、摩擦熱等によって加熱することができ、感光性樹脂層の熱かぶり防止及び設備の簡略化という観点から、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱方法及び熱風加熱、赤外線照射がより好ましい。
加熱装置としては、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱または、熱風加熱等を用いることができ、その中でも、加熱したローラーやホットプレートによる直接接触型の加熱がより好ましい。
尚、加熱温度としては、用いる装置等によって異なるものの、30〜150℃が好ましく、40〜140℃がより好ましく、50〜120℃が特に好ましい。また、その時間としては、温度によっても異なるものの、0.1秒〜1時間が一般的に好ましく、0.5秒〜30分がより好ましく、1秒〜10分が特に好ましい。
上記の手段によってエネルギーが付与され熱可塑性樹脂が膨張すると、上記熱可塑性樹脂層の中間層との接着面の一部を剥がし接着力を低下させるため、仮支持体及び熱可塑性樹脂層を、容易に剥離することができる。
(露光)
上述の方法により、エネルギー付与によって熱可塑性樹脂層を膨張させ、仮支持体と熱可塑性樹脂層を剥離した場合、基板側に残った感光性樹脂層や中間層等の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスクおよび中間層等を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を経て、樹脂パターンを得ることができる。
また、エネルギー付与を行わず(即ち熱可塑性樹脂層を膨張させず)に、仮支持体、熱可塑性樹脂層および中間層を剥離した場合、基板側に残った感光性樹脂層等の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク等を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を経て、樹脂パターンを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等、公知の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム(株)製)」)が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
<基板及び表示装置>
上記した本発明の樹脂パターンの形成方法によって、液晶表示装置、PDP、ELなどに用いるカラーフィルタ、表示装置に用いるスペーサや液晶配向制御用突起を基板(例えばガラス基板、プラスティック基板)上に形成することができる。前記本発明の樹脂パターンの形成方法によれば、熱可塑性樹脂層と中間層、或いは中間層と感光性樹脂層との間の剥離性がよく、剥離残りが効果的に抑制されているため、樹脂パターン形成の際に露光光が散乱せず、良好なパターンが形成でき、更には剥離残りに起因したムラを改善することができる。
上記カラーフィルタ、スペーサ、液晶配向制御用突起等は、表示装置、特には小型モバイル機器や大型ディスプレイ等の液晶表示装置の基板に好適に用いられる。
以下、本発明を、実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下において「部」、「%」及び「分子量」は、「質量部」、「質量%」及び「重量平均分子量」を表す。
下記表に記載の処方を用いてカラーフィルターを作製した。
Figure 0004762756
Figure 0004762756
尚、上記表中における「剥離界面」とは、K画像、R,G,Bの画素、或いは突起を形成する際、転写後に基板側と仮支持体側との剥離を行った界面を表し、Cu層とは熱可塑性樹脂層を、感光層とは感光性樹脂層を表す。
以下、上記の処方、及び各カラーフィルタの製造方法について説明する。
(実施例1)
<カラーフィルタ用多層材料の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表3に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を多層材料K1とした。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H1
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 21部
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 20部
下記構造式(2)で示される化合物 7.2部
下記組成のA液 356部
*A液
バイロン200(東洋紡績(株)製) 227部
タフトンU−5(花王(株)製) 529部
メチルエチルケトン 1470部
トルエン 1470部
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業株式会社製) 40.3部
Figure 0004762756
上記構造式(2)中、R2は、水素原子又は下記(a)で表される置換基を示し、水素原子と下記(a)で表される置換基とのモル比(水素原子/(a)で表される置換基)は10/90である。
Figure 0004762756
*中間層用塗布液P1
ポリビニルアルコール 2.1部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
ポリビニルピロリドン 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン株式会社製)
メタノール 44部
蒸留水 53部
下記構造の染料1固体水分散液 1.53部
(染料濃度10%の水分散溶液、平均粒径0.05μm)
Figure 0004762756
次に、前記多層材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、下記表4、5及び6に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1に変更し、それ以外は上記と同様の方法により、多層材料R1、G1及びB1を作製した。
<カラーフィルタの作製>
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記多層材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、上記基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
ラミネート後、基板温度を65℃に保ったまま、SCフィルタ−42(紫外線吸収フィルタ、富士写真フイルム(株)製)を介して、超高圧水銀灯により全波長で、300mJ/cm2で熱可塑性樹脂層を露光して膨張させ、熱可塑性樹脂層と中間層の間で剥離した。
次いで、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該中間層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)100倍希釈した液にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
−レッド(R)画素の形成−
前記多層材料R1を用い、前記ブラック(K)画像が形成された基板上に、前記多層材料K1と同様の工程で、レッド(R)の画素と、28×28μmの角形のレッド(R)パターンを形成した。但しパターン露光の露光量は40mJ/cm2、KOH系現像液による現像は35℃35秒とした。
このRの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
−グリーン(G)画素の形成−
前記多層材料G1を用い、前記レッド(R)画素が形成された基板上に、前記多層材料K1と同様の工程で、グリーン(G)の画素と、前記レッド(R)パターン上にレッド(R)パターン全体を覆うようにグリーン(G)パターンを形成した。但しパターン露光の露光量は40mJ/cm2、KOH系現像液による現像は34℃45秒とした。
RとGの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
−ブルー(B)画素の形成−
前記多層材料B1を用い、前記レッド(R)画素とグリーン(G)画素が形成された基板上に、前記多層材料K1と同様の工程で、ブルー(B)の画素を得た。但しパターン露光の露光量は30mJ/cm2、KOH系現像液による現像は36℃40秒とした。
このR、G、Bの画素及びKの画像を形成した基板を240℃で50分ベークして、目的のカラーフィルタを作製した。
Figure 0004762756
Figure 0004762756
Figure 0004762756
Figure 0004762756
尚、表3〜6に記載の組成物の内、
*K顔料分散物1の組成は、
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250) 13.1部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピル
アミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−
ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
*バインダー1の組成は、
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量4万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*DPHA液の組成は、
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ、500ppm含有
日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
*界面活性剤1(メガファックF−780−F:大日本インキ化学工業(株)社製)の組成は、
・C613CH2CH2OCOCH=CH2 : 40部と
H(OCH(CH3)CH27OCOCH=CH2 : 55部と
H(OCH2CH27OCOCH=CH2 : 5部と
の共重合体、分子量3万 30部
・メチルエチルケトン 70部
*R顔料分散物1の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor Red B−CF、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 8.0部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピル
アミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−
ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 8.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2部
*R顔料分散物2の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal Red A2B
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
*バインダー2の組成は、
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*G顔料分散物1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、商品名:GT−2)の組成は、
・C.I.ピグメント・グリーン36 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 12部
・シクロヘキサノン 35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35部
*Y顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFエローEX3393)
*B顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3357)
*B顔料分散物2(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3383)
*バインダー3の組成は、
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*開始剤1:下記構造の化合物(和光純薬工業(株)製、λmax=368)
*開始剤2:下記構造の化合物(和光純薬工業(株)製、λmax=354)
*開始剤3:下記構造の化合物(1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン(旭電化工業(株)製;アクリジン系化合物)λmax=360)
Figure 0004762756
*添加剤1(燐酸エステル系特殊活性剤:楠本化成株式会社製、商品名:HIPLAAD ED152)
*添加剤2:下記構造式の化合物
Figure 0004762756
上記より得たカラーフィルタ上に、透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
<突起の形成>
−突起用多層材料の作製−
次に、前記多層材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、下記突起用組成物A1に変更し、それ以外は上記と同様の方法により、多層材料A1を作製した。
*突起用組成物A1
・架橋性基とアルカリ可溶性基を含む樹脂1 ・・・6.7部
(アクリロイルシクロヘキシル基含有メタクリレート、ダイセル化学工業社製
サイクロマー−P(ACM)230M、酸価(KOHmg/g):22.6、
分子量:25,000、二重結合当量比:0.64)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・4.0部
(重合性モノマー;(メタ)アクリル酸含有重合体に対する質量比=0.6)
・前記開始剤1 ・・・0.13部
・Aizen Victoria Pure Blue BOH-M(保土ヶ谷化学工業(株)製) ・・・0.19部
・ポリ(N−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート)
/ポリプロピレングリコールメチルエーテルアクリレート(共重合比=40/60)
・・・0.010部
・メチルエチルケトン ・・・32部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート ・・・53部
−突起の形成−
前記多層材料A1を用い、ITO膜が設けられた側の表面上に、前記多層材料K1と同様の工程で、突起パターンを形成した。但しパターン露光の露光量は70mJ/cm2、KOH系現像液による現像は35℃35秒とした。
次いで、該突起が形成されたカラーフィルタ基板を240℃下で50分ベークすることにより、前記レッド(R)とグリーン(G)を積層して形成したスペーサの土台上に、レッド(R)画素からの高さが3.4μmのスペーサと、カラーフィルタ側基板上に、高さ1.5μm、縦断面形状が蒲鉾様の液晶配向制御用突起を形成した。
更にその上にポリイミドの配向膜を設けた。カラーフィルタの画素群の周囲に設けられたブラックマトリックスの外枠に相当する位置に、スペーサ粒子を含有するエポキシ樹脂のシール剤を印刷し、カラーフィルタ基板を対向基板と貼り合わせた。次いで、貼り合わされたガラス基板を熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。このガラス基板積層体を真空下で脱気し、その後大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入し、液晶セルを得た。この液晶セルの両面に、偏光板を貼り付け、バックライトを、上記偏光板を付与した液晶セルの背面側に設置し、液晶表示装置を作製した。
(実施例2)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H2に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H2
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 21部
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 20部
下記構造式(1)で示される化合物 7.2部
前記A液 356部
Figure 0004762756
上記構造式(1)中、R1は、水素原子又は下記(a)で表される置換基を示し、水素原子と下記(a)で表される置換基とのモル比(水素原子/(a)で表される置換基)は20/80である。
Figure 0004762756
(実施例3)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H3に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H3
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 21部
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 20部
下記構造式(4)で示される化合物 7.2部
前記A液 356部
Figure 0004762756
上記構造式(4)中、R3は、水素原子又は下記(a)で表される置換基を示し、水素原子と下記(a)で表される置換基とのモル比(水素原子/(a)で表される置換基)は15/85である。
Figure 0004762756
(実施例4)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H4に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H4
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 21部
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 20部
下記構造式(3)で示される化合物 7.2部
前記A液 356部
Figure 0004762756
(実施例5)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H5に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H5
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 21部
シクロヘキサノン 9部
メチルエチルケトン 20部
2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウム
ヘキサフルオロフォスフェート 7.2部
前記A液 356部
(実施例6)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H6に、中間層用塗布液P1を下記P2に変更し、且つ、ラミネート後の熱可塑性樹脂層を膨張させるためのエネルギー付与を露光ではなく、80℃48時間の加熱(加熱方式:ホットプレートSEIWA PIKO製、型式:R200P45D5による接触加熱)によって行った以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H6
下記B液 50部
前記A液 356部
*B液
下記構造の環状カーボナート(180g/eq) 38部
YX−4000H(油化シェルエポキシ(株)製、ビフェニル型エポキシ樹脂
エポキシ当量:195g/eq) 60部
DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン) 2部
Figure 0004762756
*中間層用塗布液P2
ポリビニルアルコール 2.1部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
ポリビニルピロリドン 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン(株)製)
メタノール 44部
蒸留水 53部
(実施例7)
実施例1において、ブルー(B)の着色感光性樹脂組成物の処方B1を前記表6に記載のB2に、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた中間層用塗布液P1を前記P2にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
(実施例8)
実施例4において、K,R,G及びBの各多層材料を基板に転写して仮支持体を剥離する際、エネルギー付与を行わず(即ち熱可塑性樹脂層の膨張を行わず)に中間層と感光性樹脂層との間で剥離し、且つパターン形成のための(K)画像の露光量を70mJ/cm2から480mJ/cm2に、(R)及び(G)画素の露光量を40mJ/cm2から420mJ/cm2に、(B)画素の露光量を30mJ/cm2から380mJ/cm2に、変更した以外は実施例4と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
(実施例9)
実施例4において、突起用の多層材料A1を基板に転写して仮支持体を剥離する際、エネルギー付与を行わず(即ち熱可塑性樹脂層の膨張を行わず)に中間層と感光性樹脂層との間で剥離し、且つパターン形成のための突起パターンの露光量を70mJ/cm2から480mJ/cm2に変更した以外は実施例4と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
(実施例10)
実施例4において、突起用多層材料に用いた突起用組成物A1の代わりに下記処方よりなる突起用組成物A2を用い、また上記突起用多層材料の表面保護フィルムとして厚さ12μmポリプロピレンフィルムに代わりにOSM−Nフィルム(Tredegar Film Products製、厚さ23μm)を用いて突起用多層材料A2を作製し用いた。また、パターン形成のための突起パターンの露光量を70mJ/cm2から150mJ/cm2に、現像の際のKOH系現像液を2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、現像条件を35℃35秒から33℃30秒に、現像後の熱処理条件を220℃30分間から230℃30分間に、変更した以外は実施例4と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
*突起用組成物A2
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製
FH−2413F) 53.3部
・メチルエチルケトン 46.7部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製) 0.04部
(実施例11)
実施例9において、突起用多層材料A1の代わりに実施例10にて用いた前記突起用多層材料A2を用い、且つパターン形成のための突起パターンの露光量を480mJ/cm2から150mJ/cm2に、現像の際のKOH系現像液を2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、現像条件を35℃35秒から33℃30秒に、現像後の熱処理条件を220℃30分間から230℃30分間に、変更した以外は実施例9と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
(比較例1)
実施例1において、カラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を下記H7に変更し、且つ、各多層材料を基板に転写して仮支持体を剥離する際、エネルギー付与(即ち熱可塑性樹脂層の膨張)を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。尚、上記仮支持体の剥離は中間層と感光性樹脂層との界面で行われた。
*熱可塑性樹脂層用塗布液H7
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 21部
シクロヘキサン 9部
メチルエチルケトン 20部
前記A液 356部
(比較例2)
<カラーフィルター用多層材料の作製>
*熱可塑性樹脂層用塗布液H8
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
=55/11.7/4.5/28.8の共重合体
(組成比はモル比を示す、分子量=9万) ……59.5g
・スチレン/アクリル酸=63/37の共重合体
(組成比はモル比を示す、分子量=8000) ………140g
・ポリエステル樹脂(バイロン220(東洋紡績(株)製)) ………0.5g
・ビスフェノールAにオクタエチレングリコールモノメタクリレートを
2等量脱水縮合した化合物
(可塑剤:新中村化学工業(株)製、2.2−ビス[4−
(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン) ……44.9g
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF176PF)
……………1g
・p−トルエンスルホニルヒドラジド ……24.5g
・n−プロパノール ………500g
以上を混合して熱可塑性樹脂層用塗布液H8とした。
厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート仮支持体の一面に熱可塑性樹脂層用塗布液H8を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ10μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
*中間層用塗布液P3
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製 PVA205、鹸化度88%)
………30g
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン(株)製PVP−K90)
………13g
・蒸留水 ……507g
・エタノール ……450g
以上を混合して中間層用塗布液P3とした。
熱可塑性樹脂層を塗設した仮支持体の熱可塑性樹脂層の上に中間層用塗布液P3を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ2.2μmの中間層を形成した。
*着色感光性樹脂組成物R3、G3、B3
下記表7の処方を有するR、G、Bの着色感光性樹脂組成物(感光性樹脂層用塗布液)R3、G3、B3、および、下記処方による着色感光性樹脂組成物K3を、それぞれ個別の仮支持体(熱可塑性樹脂層および中間層を形成した前記仮支持体)の上に塗布して、100℃で2分間乾燥し、赤色、青色、緑色および黒色試料の感光性樹脂層を形成した。なお感光性樹脂層の乾燥後の厚みは、R、GおよびB感光性樹脂層については2.3μm、K感光性樹脂層については1.6μmとした。
Figure 0004762756
*着色感光性樹脂組成物K3
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(モル比=70/30、酸価=104mgKOH/g,分子量=3万)……21.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸/
メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体
(モル比7/15/73/5、酸価=77mgKOH/g,分子量=8万)
……14.7部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ……26.8部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシ
カルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン
……1.32部
・カーボンブラック(商品名:Nipex 35、デグサ ジャパン(株)製)
……27.0部
・ピグメント・ブルー15:6(商品名:Rionol Blue ES、
東洋インキ製造(株)製) ……5.70部
・ピグメント・バイオレット23(商品名:Hostaperm Violet
RL−NF、 クラリアントジャパン(株)製) ……3.57部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル ……0.02部
・F117P(大日本インキ化学工業(株)製の界面活性剤) ……0.09部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ………400部
・メチルエチルケトン ………600部
(多層材料の形成)
得られた赤色、青色、緑色および黒色試料の感光性樹脂層の上に厚さ15μmのポリプロピレンシートを重ねて室温で圧着して4種類(4色)の多層材料を作製した。
<突起用多層材料の形成>
実施例1において、突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を前記H8に、中間層の処方を前記P3に変更した以外は、同様にして突起用多層材料を形成した。
<液晶表示装置の作製>
上記で作製したカラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料を用い、且つ、ラミネート後のエネルギー付与としての露光を行なわなかった以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。尚、上記仮支持体の剥離は仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で行われた。
(比較例3)
<カラーフィルター用多層材料の作製>
*熱可塑性樹脂層用塗布液H9
・ポリエステル(商品名:バイロン220、東洋紡績(株)製) ・・・200部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸=55/11.7/4.5/28.8(モル比)の共重合体
(分子量=9万) ・・・15部
・スチレン/アクリル酸=63/37(モル比)の共重合体(分子量=8000)
・・・35部
・ビスフェノールAにオクタエチレングリコールモノメタクリレートを
2等量脱水縮合した化合物(商品名:2,2−ビス[4−(メタクリロキシ
ポリエトキシ)フェニル]プロパン、新中村化学工業(株)製) ・・・15部
・フッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF780F、
大日本インキ化学工業(株)製) ・・・5部
・メチルエチルケトン ・・・730部
以上を混合して熱可塑性樹脂層用塗布液H9とした。
厚さ75μmの2軸延伸ボリエチレンテレフタレート仮支持体の一面に熱可塑性樹脂層用塗布液H9を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ15μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
*中間層用塗布液P4
・ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、(株)クラレ製、鹸化度88%) ・・・30部
・ポリビニルピロリドン(商品名:PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製) ・・・10部
・エチルアクリレートラテックス(平均粒径0.18μm、
固形分濃度20%ガラス転移温度−24℃) ・・・50部
・メタノール ・・・455部
・蒸留水 ・・・全量が1000部になるように添加
以上を混合して中間層用塗布液P4とした。
熱可塑性樹脂層を塗設した仮支持体の熱可塑性樹脂層の上に中間層用塗布液P4を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ2μmの中間層を形成した。
(感光性樹脂層の形成)
前記比較例2において用いた着色感光性樹脂組成物K3、R3、G3、B3を、それぞれ、熱可塑性樹脂層及び中間層を形成した上記仮支持体の上に塗布し、100℃で2分間乾燥した。また、感光性樹脂層の乾燥後の厚みはR、G及びBの感光性樹脂層については2.3μm、Kの感光性樹脂層については1.6μmとした。
(多層材料の形成)
得られたR、G、B及びKの感光性樹脂層の上に、厚さ15μmのポリプロピレンシートを重ねて室温で圧着し、4種類(4色)の多層材料を作製した。
<突起用多層材料の形成>
実施例1において、突起用多層材料に用いた熱可塑性樹脂層の処方を前記H9に、中間層の処方を前記P4に変更した以外は、同様にして突起用多層材料を形成した。
<液晶表示装置の作製>
上記で作製したカラーフィルタ用多層材料及び突起用多層材料を用いて、且つ、ラミネート後のエネルギー付与としての露光を行なわなかった以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。尚、上記仮支持体の剥離は中間層と感光性樹脂層との界面で行われた。
≪評価≫
−剥離性−
上記実施例及び比較例において、カラーフィルタ用及び突起用の多層材料を基板にラミネートして仮支持体を剥離後、基板側に残された層の表面(剥離表面)に入射角30〜60°の光を反射させて目視及び顕微鏡で観察し、下記の基準で評価した。結果を表8および9に示す。
A:剥離表面が均一で、剥離残り(熱可塑性樹脂層または中間層の残り)が全く見ら れず、剥離性は極めて良好。
B:仮支持体のエッジ部に点状の剥離残りが微かに見られるが、他の部分に剥離残りは 起こらず、剥離性は良好。
C:仮支持体のエッジ部に線状の剥離残りが少し見られるが、他の部分に剥離残りは起 こらず、剥離性は普通。
D:エッジ部のみならず、その他の部分に微かに剥離残りが生じ、剥離性は悪い。
E:剥離残りが全面に見られ、剥離性は極めて悪い。
尚、実用レベルはC以上である。
−ピンホール−
上記実施例及び比較例において、仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を塗布乾燥した後、最上層(即ち、中間層)の表面に、入射角30〜60°の光を反射させて目視及び偏光顕微鏡で観察し、下記の基準で評価した。結果を表8および9に示す。
A:1μm以上のピンホールが3個/m2未満であり発生状況は極めて良好。
B:1μm以上のピンホールが3個/m2以上5個/m2未満であり発生状況は良好。
C:1μm以上のピンホールが5個/m2以上8個/m2未満であり発生状況は普通。
D:1μm以上のピンホールが8個/m2以上15個/m2未満であり発生状況は悪い。
E:1μm以上のピンホールが15個/m2以上であり発生状況は極めて悪い。
尚、実用レベルはC以上である。
−画素欠け数−
カラーフィルタ用多層材料によって得られたパターン付き基板の1cm2あたりの画素欠けの割合を、変形、欠け、抜け等の認められる画素の数と、全画素の数との比により求め、下記の基準により評価した。
○ :画素欠けの割合が0.2%未満
△○:画素欠けの割合が0.2%以上、0.5%未満
△ :画素欠けの割合が0.5以上、1%未満
× :画素欠けの割合が1%以上
Figure 0004762756
Figure 0004762756
実施例で作製したパターンは、熱可塑性樹脂層或いは中間層の剥離残りがなく、露光光の散乱が生じないため、画素欠けの割合が小さかった。該実施例で作製したパターンを有する液晶表示装置は、ムラがなく表示特性に優れるものであった。
これに対し、比較例で作製したパターンは、画素欠けの割合が多く、該比較例で作製したパターンを有する液晶表示装置はムラが目立った。

Claims (5)

  1. 少なくとも、仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光性樹脂層と、をこの順に有する多層材料であって、
    前記熱可塑性樹脂層が、エネルギー付与によって該熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物であって分子内に極性基を有する化合物を含み、
    基板に前記感光性樹脂層が接するように転写した後に前記仮支持体を剥離する際、エネルギー付与を行った場合には熱可塑性樹脂層と中間層との界面で剥離され、エネルギー付与を行わない場合には中間層と感光性樹脂層との界面で剥離されることを特徴とする多層材料。
  2. 前記熱可塑性樹脂層を膨張させる化合物が、エネルギー付与によって(1)気体を発生する化合物又は(2)構造変化を伴い膨張する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の多層材料。
  3. 少なくとも仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光性樹脂層と、をこの順に有する多層材料を基板上に転写する工程と、転写後の前記熱可塑性樹脂層をエネルギー付与によって膨張させる工程と、膨張した前記熱可塑性樹脂層と前記中間層との界面で、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層と共に剥離する工程と、を有する樹脂パターンの形成方法であって、
    前記多層材料として請求項1又は2に記載の多層材料を用いることを特徴とする樹脂パターンの形成方法。
  4. 前記剥離する工程を経た後に、少なくとも露光工程及び現像工程を有することを特徴とする請求項3に記載の樹脂パターンの形成方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂層を膨張させるための前記エネルギー付与が、光及び熱から選ばれる少なくとも一種によって行われることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂パターンの形成方法
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