JP2010070601A - 顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び固体撮像素子 - Google Patents

顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】微細化された顔料を1次粒子の状態で分散させることができ、その分散安定性に優れ、コントラストに優れた着色被膜を形成し得る顔料分散組成物、該顔料分散組成物を含み、優れた着色硬化膜を形成し得る着色感光性組成物を提供する。
【解決手段】(a)下記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む高分子化合物、(b)顔料、及び、(c)有機溶剤を含有することを特徴とする顔料分散組成物(一般式(I)及び(II)中、R〜Rは水素原子等を、X及びXは−CO−等を、L及びLは2価の有機連結基等を、Yは酸素原子等を、Yは−C(=O)O−等を、Z及びZは、炭素−炭素二重結合等を含む基を、m及びnは2〜8の整数を、p及びqは1〜100の整数を表す)。
Figure 2010070601

【選択図】なし

Description

本発明は、顔料分散組成物、該顔料分散組成物を含む着色感光性組成物、該着色感光性組成物により形成された着色領域を有するカラーフィルタ、更には、該カラーフィルタを用いた液晶表示素子、及び固体撮像素子に関する。
カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物と、多官能モノマー、重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂及びその他の成分とを含有して着色感光性組成物とし、これを用いてフォトリソ法、インクジェット法などにより着色パターンを形成することで製造されている。
近年、カラーフィルタは、液晶表示素子(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色むらの低減、色分解能の向上など色特性の高いものが求められるようになっている。
上記のような要求に対して、着色感光性組成物に含有される顔料を、より微細な状態で分散させること(良好な分散性)、安定な状態で分散させること(良好な分散安定性)が求められている。顔料の分散性が不充分である場合には、フォトリソ法で形成された着色画素にフリンジ(エッジ部のギザギザ)や表面凹凸が生じ、また基板上の現像残り(残渣)が多く、製造されたカラーフィルタの色度や寸法精度が低下したり、コントラストが著しく劣化したりするという問題がある。また、顔料の分散安定性が不充分である場合には、カラーフィルタの製造工程において、特に、着色感光性組成物の塗布工程での膜厚の均一性が低下したり、露光工程での感度が低下したり、現像工程でのアルカリ溶解性が低下したりするという問題が生じ易い。更に、顔料の分散安定性が悪い場合には、時間の経過に伴い、着色感光性組成物の構成成分が凝集を起こして粘度が上昇し、ポットライフが極めて短くなるという問題もある。カラーフィルタのコントラスト等の色特性の向上には、顔料の粒子径を微細化することが有効であるが、顔料の粒子径を微細化すると顔料粒子の表面積が大きくなるため、顔料粒子間の凝集力が強くなり、高度なレベルでの分散性と分散安定性を両立することは、困難であることが多い。
顔料粒子の微細化としては、以下の方法が知られている。
一般に、顔料の1次粒子の微細化は、顔料、水溶性の無機塩、該無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤をニーダー等で機械的に混練する方法(ソルトミリング法)がよく知られている。得られた微細顔料の1次粒子の混合物を水中に投入し、ミキサー等で撹拌しスラリー状とする。次に、このスラリーをろ過、水洗して乾燥することにより、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体として微細顔料が得られる。サンドミル、ボールミル等の通常の分散機での分散工程は、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体をほぐして1次粒子に近い状態の分散体を得る工程である。
上記のような方法等により、微細化された顔料の1次粒子を得ることができるが、この1次粒子の分散性と分散安定性を高めるために、従来より、様々な顔料分散剤が開発されている。
これらの顔料分散剤の中でも、例えば、特許文献1では、アルカリ現像性が良好で、高精細の画素を得る目的として、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート共重合体が提案されている。
また、例えば、特許文献2では、分散性、アルカリ現像性を向上させることを目的として、スチレン、アルキル(メタ)アクリレートといったビニル系化合物の重合体構造をグラフト鎖として有し、且つ複素環構造を側鎖に有する高分子化合物が提案されている。
しかしながら、これらの方法によっても、更に高くなる市場からのコントラストの要求に応じることはできず、微細な顔料における更に高度な分散性、分散安定性が望まれていた。
特開2004−287409号公報 特開2003−238837号公報
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の第1の目的は、微細化された顔料を1次粒子の状態で分散させることができ、且つ、分散させた顔料の1次粒子を安定的に維持することができ、コントラストに優れた着色被膜を形成し得る顔料分散組成物を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、前記顔料分散組成物を含み、硬化感度に優れると共に、高強度で、且つ、コントラストに優れた着色硬化膜を形成し得る着色感光性組成物を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、前記着色感光性組成物を用いて形成され、電圧保持性及びコントラストが高く、また、色濃度ムラが小さく色特性に優れた着色領域を有するカラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた液晶表示素子、及び固体撮像素子を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
即ち、本発明の顔料分散組成物は、
(a)下記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む高分子化合物、(b)顔料、及び、(c)有機溶剤を含有することを特徴とする顔料分散組成物。
Figure 2010070601
上記一般式(I)及び(II)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表し、X及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、L及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−を表し、Yは、単結合、−C(=O)O−、又は−CONH−を表し、Z及びZは、各々独立に、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含む基を表し、m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表し、p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。
本発明の顔料分散組成物において、(a)高分子化合物が、側鎖に酸基を50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲で有することが好ましい。
また、(a)高分子化合物が、側鎖に複素環基を有することも好ましい態様である。
更に、本発明の顔料分散組成物は、カラーフィルタにおける着色領域の形成に用いられることが好ましい。
本発明の着色感光性組成物は、本発明の顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有することを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色感光性組成物により形成された着色領域を有することを特徴とする。
更に、本発明の液晶表示素子、及び固体撮像素子は、いずれも、本発明のカラーフィルタを備えることを特徴とする。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推測される。
即ち、顔料分散剤として機能する(a)高分子化合物は、一般式(1)及び一般式(2)のいずれかで表される繰り返し単位を含んでおり、特定のグラフト鎖構造を有していることが分かる。このグラフト鎖構造は顔料との親和性は低いが、顔料分散組成物において共存する(c)有機溶剤との親和性が高いことから、このグラフト鎖部分が(b)顔料表面に吸着することなく、グラフト鎖部分が有機溶剤側に伸張した構造をとることができる。つまり、本発明における(a)高分子化合物は、グラフト鎖構造が溶媒との親和性が高いことから、(b)顔料及び(c)有機溶剤と共存させた際、伸張した構造となり、顔料表面への吸着が効率よく行われると考えられ、その結果として、有機溶剤中で顔料の安定した分散状態を保つことできると考えられる。
逆に、顔料との親和性が高く、溶媒との親和性が低いグラフト鎖構造では、グラフト鎖部分が顔料表面に吸着してしまい、グラフト鎖部分が有機溶剤側に伸張した構造をとることができない。そのため、このようなグラフト鎖を有する高分子化合物は、顔料及び有機溶剤と共存させた場合に、収縮した構造となり、顔料表面への吸着が効率よく行われず、結果として、顔料の凝集が生じてしまうと考えられる。
前記特許文献1(特開2004−287409号公報)に記載のω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート共重合体では、グラフト鎖末端基が相互作用性の強いカルボキシル基のため、グラフト鎖の顔料表面への吸着が生じたり、高分子化合物の構造が収縮した状態となるため、顔料分散性の効果が十分に発現することができない。
更に、本発明における(a)高分子化合物は、好ましい態様である側鎖に複素環基を有することにより、複素環構造と(b)顔料とが強い静電的相互作用を持つことにより、顔料表面に強力に高分子化合物が吸着し、2次凝集体を効果的にほぐし、安定した分散状態を保つことできる。
また、(a)高分子化合物により(b)顔料で分散された着色感光性組成物を用いてなる着色領域を有するカラーフィルタは、高温・高湿度下で着色領域(画素部)が濁る、カラーフィルタ作製時に着色領域(画素部)が濁るといった問題も解決できる。これらの問題は、フィルタ中の微細顔料粒子が凝集して結晶成長して起こる現象と考えられ、顔料の1次粒子が微細であるほど起きやすい。
本発明では、前述のように、(a)高分子化合物を用いることで(b)顔料の分散性が向上している顔料分散組成物を用いるため、(a)高分子化合物が微細顔料に強く吸着しており、着色領域(画素部)中においても、顔料粒子同士の凝集を効果的に抑制することができる。更に加えて、(a)高分子化合物が、グラフト鎖末端部位に、ラジカル重合性或いはカチオン重合性基を有するので、露光或いは現像後の後加熱(ベーク)において、着色感光性組成物中の光重合性化合物等と重合或いは架橋反応をすることが可能となり、更に顔料粒子同士の凝集を効果的に抑制することができる。これらの結果、着色領域(画素部)が濁るといった問題を抑制することができ、コントラストに優れた着色領域(画素部)を形成することができると考えられる。
更に、(a)高分子化合物により(b)顔料で分散された着色感光性組成物を用いてなる着色領域を有するカラーフィルタは、液晶の電圧保持性に優れるといった利点をも有する。一般に、液晶の電圧保持率の低下は、カラーフィルタの着色領域(画素部)中の金属イオン等の低分子成分の溶出に起因しており、そのため、画素部中の金属イオン濃度が高い場合に発生し易い。
本発明では、(a)高分子化合物のグラフト鎖末端にあるラジカル重合性基又はカチオン重合性基が着色感光性組成物中の光重合性化合物等と重合又は架橋反応を起こし、緻密で、強固な硬化膜が得られる。その結果、カラーフィルタの画素部が、緻密で、強固な硬化膜となり、金属イオンの溶出を効果的に抑制することができ、電圧保持率が高まるものと考えられる。
本発明によれば、微細化された顔料を1次粒子の状態で分散させることができ、且つ、分散させた顔料の1次粒子を安定的に維持することができ、コントラストに優れた着色被膜を形成し得る顔料分散組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、前記顔料分散組成物を含み、硬化感度に優れると共に、高強度で、且つ、コントラストに優れた着色硬化膜を形成し得る着色感光性組成物を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、前記着色感光性組成物を用いて形成され、電圧保持性及びコントラストが高く、また、色濃度ムラが小さく色特性に優れた着色領域を有するカラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた液晶表示素子、及び固体撮像素子を提供することができる。
以下、本発明の顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び固体撮像素子について詳細に説明する。
<顔料分散組成物>
本発明の顔料分散組成物は、(a)一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む高分子化合物、(b)顔料、及び(c)有機溶剤を含有することを特徴とする。
以下、本発明の顔料分散組成物を構成する(a)高分子化合物、(b)顔料、及び(c)有機溶剤について説明する。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含することを意味する。例えば、「アルキル基」との表記は、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔(a)一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む高分子化合物〕
本発明の顔料分散組成物は、下記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む高分子化合物(以下、「特定重合体」と称する場合がある。)を含有することを特徴とする。
Figure 2010070601
上記一般式(I)及び(II)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表し、X及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、L及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−を表し、Yは、単結合、−C(=O)O−、又は−CONH−を表し、Z及びZは、各々独立に、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含む基を表し、m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表し、p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。
〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
アルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
好ましいアルキル基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
、R、R、及びRとしては、水素原子が好ましく、R及びRとしては、水素原子又はメチル基が、顔料表面への吸着効率の点からも最も好ましい。
及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。中でも、−C(=O)O−、−CONH−、フェニレン基が、顔料への吸着性の観点で好ましく、−C(=O)O−が最も好ましい。
及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表す。2価の有機連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基や、該アルキレン基とヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造とからなる2価の有機連結基が好ましい。ここで、アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。また、ヘテロ原子を含む部分構造におけるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられ、中でも、酸素原子、窒素原子が好ましい。
好ましいアルキレン基として、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
アルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
は、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−を表し、中でも、酸素原子、又は−NH−が、顔料への吸着性の観点で好ましく、酸素原子が最も好ましい。
また、Yは、単結合、−C(=O)O−、又は−CONH−を表し、−C(=O)O−であること、又は、Xが−(C=O)O−の場合には、単結合であることが、顔料への吸着性の観点で好ましい。
及びZは、各々独立に、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含む基を表し、反応性の観点から、これらの反応性の部分構造を末端基として含む基が好ましい。
及びZで表される基を構成する末端基としては、下記一般式(i)〜一般式(iv)で表されるものが、重合架橋反応が高いことから好ましい。
Figure 2010070601
ここで、上記一般式(i)〜一般式(iv)中、Aは、単結合、−C(=O)−、フェニレン基、又はメチレン基を表す。
また、R10〜R15は、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、前述したR〜Rにおける1価の有機基と同様のものが挙げられる。また、R10〜R15としては、水素原子又はメチル基が、重合架橋反応の点から好ましい。
これらの末端基は、この末端基単独でZ又はZを構成していてもよいし、また、連結基と組み合わされてZ又はZを構成していてもよい。つまり、これらの末端基は、直接或いは連結基を介して、一般式(I)及び一般式(II)中の酸素原子と結合するものである。ここで、連結基としては、前述したL及びLにおける2価の有機連結基と同様のものが挙げられる。
本発明においては、Z及びZが一般式(i)又は一般式(iii)で表される末端基を含むことが、重合架橋反応の点から好ましい。
なお、Z及びZが環状エーテルを含む基である特定重合体の場合、これを含有する顔料分散組成物を適用した着色感光性組成物を用い、カラーフィルタの着色領域(画素部)の形成する際には、露光、現像後の加熱工程(ポストベーク)において、環状エーテルと他の反応性基(例えば、カルボン酸基など)とが反応して、より強固な硬化膜を形成することができるといった長所もある。
m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表す。分散安定性、現像性の点から、4〜6が好ましく、5が最も好ましい。
p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。pの異なるもの、qの異なるものが2種以上、混合されてもよい。p及びqは、分散安定性、現像性の点から、5〜60が好ましく、5〜40がより好ましく、5〜20が更に好ましい。
一般式(I)、又は一般式(II)で表される繰り返し単位は、それぞれ、下記一般式(I−1)、又は一般式(II−1)で表される単量体を、重合或いは共重合することにより、高分子化合物の繰り返し単位として導入される。また、一般式(I)、又は一般式(II)で表される繰り返し単位は、下記一般式(I−2)、又は一般式(II−2)で表される単量体を、重合或いは共重合して前駆体である高分子化合物を合成した後、これに、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含み、且つ、水酸基又はカルボキシル基と反応する基を有する化合物を反応させることにより、、高分子化合物の繰り返し単位として導入されてもよい。
Figure 2010070601
上記一般式(I−1)、一般式(II−1)、一般式(I−2)、及び一般式(II−2)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表し、X及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、L及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−を表し、Yは、単結合、−C(=O)O−、又は−CONH−を表し、Z及びZは、各々独立に、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含む基を表し、m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表し、p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。
一般式(I−1)、一般式(II−1)、一般式(I−2)、及び一般式(II−2)におけるR〜R、X、X、L、L、Y、Y、Z、Z、m、n、p、及びqは、前記一般式(I)及び一般式(II)におけるR〜R、X、X、L、L、Y、Y、Z、Z、m、n、p、及びqと同義であり、好ましい例も同様である。
ここで、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含み、且つ、水酸基又はカルボキシル基と反応する基を有する化合物としては、以下のものが例として挙げられる。
即ち、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキプロピル、2-(メタ)アクリル酸エチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルアルコール、アリルブロマイド、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸、プロパギルアルコール、プロパギルブロマイド、プロパギル酸、グリシジルアルコール、グリシジルクロライド、オキセタニルアルコール、オキセタニルクロライドである。
以下に、一般式(I)、又は一般式(II)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
本発明における特定重合体は、一般式(I)及び一般式(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含んでいればよく、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
また、特定重合体において、一般式(I)及び一般式(II)のいずれかで表される繰り返し単位の含有量は、特に制限はないが、重合体に含有される全繰り返し単位を100質量%とした場合に、一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位を5質量%以上含有することが好ましく、50質量%含有することがより好ましく、50質量%〜80質量%含有することが更に好ましい。
本発明における特定重合体は、顔料への吸着を高める目的で、前記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位の他に、顔料に吸着し得る官能基を有する単量体に由来する繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
顔料に吸着し得る官能基を有する単量体としては、具体的には、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマー、酸性基を有するモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマー、イオン性基を有するモノマーなどを挙げることができる。中でも、顔料への吸着力の点で、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマーが好ましい。
有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマーとしては、下記一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体からなる群より選択される1種であることが好ましい。中でも、下記一般式(1)で表される単量体であることが特に好ましい。
Figure 2010070601
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは、含窒素複素環基を有する基を表す。
一般式(1)におけるRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基や、メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基としては、炭素数1〜5であるものが好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。
一般式(1)におけるRで表される好ましいアルキル基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
中でも、Rとしては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(1)におけるRで表される2価の連結基としては、アルキレン基、又はアルキレン基を含む2価の基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
また、このアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
で表される好ましいアルキレン基として、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
一般式(1)におけるRで表されるアルキレン基を含む2価の基としては、上記アルキレン基がヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
また、Rで表されるアルキレン基を含む2価の基としては、上記アルキレン基におけるZに結合する方の末端に、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造が結合したものであってもよい。
一般式(1)におけるZで表される含窒素複素環基を構成する含窒素複素環構造として、具体的には、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造を有するものが挙げられる。
これらの含窒素複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
Zで表される含窒素複素環基は、中でも、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。
炭素数が6以上である含窒素複素環構造として、具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表される構造であることが特に好ましい。
Figure 2010070601
一般式(2)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(4)中、Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(4)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ(イミダゾリル基)が好ましいものとして挙げられる。
一般式(2)、(3)、又は(4)中、環A、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(2)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(4)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(2)、(3)、又は(4)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(2)又は(4)においては、ベンゼン環が更に好ましく、一般式(3)においては、ナフタレン環が更に好ましい。
また、本発明におけるマレイミド誘導体とは、N位がアルキル基やアリール基などの置換基により置換されているマレイミドを意味する。
以下、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体の好ましい具体例(単量体M−1〜M−33)を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
本発明における特定重合体は、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体からなる群より選択された1種の単量体に由来する繰り返し単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明における特定重合体中、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体からなる群より選択された1種の単量体に由来する繰り返し単位の含有量は、重合体に含有される全繰り返し単位を100質量%とした場合に、5質量%以上含有することが好ましく、10質量%〜50質量%含有することがより好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、或いは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体からなる群より選択された1種の単量体に由来する重合単位の含有量は5質量%以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体からなる群より選択された1種の単量体に由来する重合単位の含有量は50質量%以下であることが好ましい。
酸性基を有するモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
本発明における特定重合体は、上述のような酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含むことが好ましい。このような繰り返し単位を含むことにより、本発明の顔料分散組成物を着色感光性組成物に適用した場合において、未露光部の現像除去性に優れる。
本発明における特定重合体は、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
特定重合体において、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、好ましくは50mgKOH/g以上であり、特に好ましくは50mgKOH/g〜200mgKOH/gである。即ち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は50mgKOH/g以上であることが好ましい。顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、或いは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は50mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましい。
塩基性窒素原子を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノヘキシル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジイソプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−i−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸ピペリジノエチル、(メタ)アクリル酸1−ピロリジノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸N,N−メチルフェニルアミノエチルなどが挙げられ、(メタ)アクリルアミド類として、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド及び6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、スチレン類として、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン等、が挙げられる。
また、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基を有するモノマーを用いることも可能である。具体的には、例えば、以下の構造のモノマーを挙げることができる。
Figure 2010070601
イオン性基を有するモノマーとしては、イオン性基を有するビニルモノマー(アニオン性ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー)が挙げられる。この例としては、アニオン性ビニルモノマーとして、前記酸性基を有するビニルモノマーのアルカリ金属塩や、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン)との塩などが挙げられ、カチオン性ビニルモノマーとしては、前記含窒素ビニルモノマーを、ハロゲン化アルキル(アルキル基:C1〜18、ハロゲン原子:塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子);塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸エステル(アルキル基:C1〜18);ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸アルキルエステル(アルキル基:C1〜18);硫酸ジアルキル(アルキル基:C1〜4)等で4級化させたもの、ジアルキルジアリルアンモニウム塩などが挙げられる。
顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーは、分散する顔料の種類に応じて、適宜選択することができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における特定重合体は、その効果を損なわない範囲において、更に、共重合可能なビニルモノマーに由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明における特定重合体の好ましい態様は、少なくとも、前記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位と、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含むものであり、更に好ましくは、少なくとも、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマーに由来する繰り返し単位と、前述の一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、酸基を有するモノマーに由来する繰り返し単位と、を含むものである。
この態様により、顔料吸着に優れ、且つ、現像性に優れた顔料分散組成物を与えることができる。
本発明における特定重合体の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)で5000〜100000の範囲、数平均分子量(Mn)で2500〜50000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)で10000〜50000の範囲、数平均分子量(Mn)で5000〜30000の範囲であることがより好ましい。
特に、重量平均分子量(Mw)で10000〜30000の範囲、数平均分子量(Mn)で5000〜15000の範囲であることが最も好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体を効果的にほぐし、或いは、再凝集を効果的に弱めるための観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は1000以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は30000以下であることが好ましい。
本発明における特定重合体は、例えば、一般式(I−1)、又は一般式(II−1)で表される単量体と、共重合成分として他のラジカル重合性化合物(前述のような各種モノマー)と、を用い、通常のラジカル重合法によって製造することができる。特定重合体の前駆体である高分子化合物も、同様に、一般式(I−2)、又は一般式(II−2)で表される単量体と、共重合成分として他のラジカル重合性化合物(前述のような各種モノマー)と、を用い、通常のラジカル重合法によって製造することができる。
このラジカル重合法は、一般的には、懸濁重合法或いは溶液重合法などを用いる。このような特定重合体を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独或いは2種以上混合してもよい。
なお、ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、更に連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。
本発明の顔料分散組成物中、(a)特定重合体の含有量としては質量比で、顔料:特定重合体=1:0.1〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.2〜1:1であり、更に好ましくは、1:0.4〜1:0.7である。
更に、本発明の顔料分散組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、前述の(a)特定重合体の他に、これらとは構造の異なる他の高分子化合物を同時に使用してもよい。
他の高分子化合物としては、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。
天然樹脂としてはロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体及びそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
合成樹脂としては、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
〔(b)顔料〕
本発明における(b)顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。
顔料としては、本発明の顔料分散組成物がカラーフィルタの着色領域に用いられ、その際に高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。
顔料分散組成物及びこれを含有する着色感光性組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料の平均1次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5nm〜25nmが最も好ましい。該粒子径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
平均1次粒子径は、SEM或いはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279、
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,79のCl置換基をOHに変更したもの,80、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、
C.I.Pigment Brown 25,28、
C.I.Pigment Black 1,7等を挙げることができる。
但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185、
C.I.Pigment Orange 36,71、
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264、
C.I.Pigment Violet 19,23,32、
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66、
C.I.Pigment Green 7,36,37、
C.I.Pigment Black 1,7
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々の組合せて用いることができる。有機顔料の組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料を単独で、又は、それらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、を混合して用いることができる。
例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比は、400nmから500nmの光透過率と色純度の点から、100:5〜100:80が好ましい。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で、又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料、若しくはイソインドリン系黄色顔料とを混合して用いることができる。
例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、400nm〜450nmの光透過率と色純度の点から、100:5〜100:200が好ましい。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を、1種単独で、又は、これとジオキサジン系紫色顔料とを混合して用いることができる。
特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
また、ブラックマトリックス用途に好適な顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン単独又は混合を用いることができ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。
また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
(顔料の微細化)
本発明においては、必要に応じて、上記のような顔料を、微細で、かつ、整粒化してなる顔料を用いてもよい。
この顔料の微細化には、顔料を、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物を調製し、これを摩砕する工程を含む方法を用いることが好ましい。
本発明においては、顔料の微細化には、以下の方法を用いることがより好ましい。
即ち、まず、有機顔料、水溶性有機溶剤、及び水溶性無機塩類の混合物(液状組成物)に対し、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えることで、混合物中の顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩を除去した後、乾燥することで、微細化された顔料を得る方法である。
前記の微細化に用いられる水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
また、少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しないならば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
これら水溶性有機溶剤の使用量は、顔料に対して、50質量%〜300質量%の範囲が好ましく、より好ましくは100質量%〜200質量%の範囲である。
また、本発明において水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム等が用いられる。
水溶性無機塩の使用量は、有機顔料の1倍質量〜50倍質量が好ましく、多い方が摩砕効果はあるが、生産性の点から、より好ましい量は1倍質量〜10倍質量である。
また、水溶性無機塩の溶解を防ぐため、摩砕される液状組成物中の水分が1質量%以下であることが好ましい。
本発明において、顔料、水溶性有機溶剤、及び水溶性無機塩を含む液状組成物を摩砕する際には、前述の混練機などの湿式粉砕装置を用いればよい。この湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はないが、粉砕メディア(水溶性無機塩)による磨砕を効果的に進行させるため、装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10rpm〜200rpmが好ましく、また2軸の回転比が相対的に大きいほうが、摩砕効果が大きく好ましい。また、運転時間は、乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50℃〜150℃が好ましい。また、粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5μm〜50μmで粒子径の分布がシャープで、且つ、球形が好ましい。
上記のような摩砕後の混合物を、80℃の温水と混合することで、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類とを溶解させ、その後、ろ過、水洗し、オーブンで乾燥して、微細な顔料を得ることができる。
また、上記の有機顔料の微細化の際、液状組成物中に、水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、微細で、且つ、表面が樹脂により被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料を得ることができる。
ここで、加工顔料を得る際に用いられる、水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶な樹脂としては、顔料分散剤として用いられている公知の樹脂を用いることができるが、本発明においては、前述の(a)特定重合体を用いることが好ましい。
本発明の顔料分散組成物中の(b)顔料の含有量は、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がより好ましく、10質量%〜20質量%が更に好ましい。
〔(c)有機溶剤〕
本発明の顔料分散組成物は、少なくとも1種の(c)有機溶剤を含有する。
本発明の顔料分散組成物に用いられる有機溶剤としては、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
また、有機溶剤の添加量は、顔料分散組成物の用途などに応じて適宜選択されるが、後述する着色感光性組成物の調製に用いる場合には、取り扱い性の観点から、顔料等を含む固形分濃度が5質量%〜50質量%となるように添加することができる。
〔他の成分〕
本発明の顔料分散組成物には、顔料誘導体が好適に用いられる。
本発明においては、分散剤と親和性のある部分、或いは、極性基を導入した顔料誘導体を加工顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として顔料分散組成物中に分散させることができ、また、その再凝集をも防止することができる。つまり、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、(a)特定重合体の如き高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。
また、母体骨格としては、一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
本発明における顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明の顔料分散組成物中に顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜80質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜65質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜50質量%の範囲にあることが特に好ましい。含有量がこの範囲内であると、粘度を低く抑えながら、顔料の分散を良好に行えると共に、分散後の分散安定性を向上させることができる。
この顔料分散組成物をカラーフィルタの製造に適用することで、透過率が高く、優れた色特性を有し、高いコントラストのカラーフィルタを得ることができる。
また、本発明の顔料分散組成物においては、界面活性剤等の分散剤を用いることもできる。
〔顔料分散組成物の調製〕
本発明の顔料分散組成物は、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって、調製することができる。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
本発明の顔料分散組成物は、具体的には、例えば、(a)特定重合体、(b)顔料、(c)有機溶剤を、縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01mm〜1mmの粒子径のガラス、ジルコニア等でできたビーズにて微分散処理を行なうことにより得ることができる。
なお、ビーズによる微分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されており、本発明においてもここに記載の方法を適用することができる。
<着色感光性組成物>
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物と、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含んでなり、更に、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましく、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
以下、本発明の着色感光性組成物に含まれる各成分について詳述する。
〔顔料分散組成物〕
本発明の着色感光性組成物は、前記した本発明の顔料分散組成物の少なくとも一種を用いて構成されるものである。着色感光性組成物を構成する本発明の顔料分散組成物の詳細については、既述の通りである。
本発明の着色感光性組成物中における顔料分散組成物の含有量としては、着色感光性組成物の全固形分(質量)に対して、顔料の含有量が5質量%〜70質量%の範囲となる量が好ましく、15質量%〜60質量%の範囲となる量がより好ましい。顔料分散組成物の含有量がこの範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
〔光重合性化合物〕
本発明の着色感光性組成物は、少なくとも1種の光重合性化合物を含有する。
本発明に用いることができる光重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。光重合性化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(a)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(a)
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な着色感光性組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。
例えば、次のような観点から選択される。感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、着色感光性組成物中の他の成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂などのバインダーポリマー、光重合開始剤、着色剤(顔料)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。
また、基板等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。付加重合性化合物は、着色感光性組成物中の不揮発性成分に対して、好ましくは5質量%〜70質量%、更に好ましくは10質量%〜60質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。
〔光重合開始剤〕
本発明の着色感光性組成物を構成する光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許出願公開第88050等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
本発明における光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、オキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノンを好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン等を好適に挙げることができる。
前記活性ハロゲン化合物(トリアジン系,オキサジアゾール系,クマリン系)としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン,2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール,3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S.PerkinII(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
光重合開始剤の着色感光性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
〔アルカリ可溶性樹脂〕
本発明の着色感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。着色感光性組成物にアルカリ可溶性樹脂を含有することで、該着色感光性組成物をフォトリソ法によるパターン形成に適用した際において、パターン形成性をより向上させることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の好適なものとしては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR、CH=C(R)(COOR)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR、及び/又は、CH=C(R)(COOR)である。
アルカリ可溶性樹脂の着色感光性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、より好ましくは、1質量%〜25質量%であり、特に好ましくは、2質量%〜20質量%である。
〔溶剤〕
本発明の着色感光性組成物は、一般に、前述の各成分と共に溶剤を用いることで、好適に調製することができる。
用いられる溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔その他成分〕
本発明の着色感光性組成物には、必要に応じて、増感色素、エポキシ樹脂、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
〔増感色素〕
本発明の着色感光性組成物は、必要に応じて増感色素を添加してもよい。増感色素は、この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記光重合開始剤のラジカル発生反応等や、それによる前記光重合性化合物の重合反応が促進させることができる。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
(分光増感色素又は染料)
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
Figure 2010070601
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
(350nm〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350nm〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
更に好ましい増感色素の例としては、下記一般式(XIV)〜(XVIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010070601
(一般式(XIV)中、Aは硫黄原子又は−NR60−を表し、R60はアルキル基又はアリール基を表し、L01は隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R61及びR62はそれぞれ独立に水素原子又は1価の非金属原子団を表し、R61及びR62は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
以下に、一般式(XIV)で表される化合物の好ましい具体例〔(F−1)〜(F−5)〕を示す。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
(一般式(XV)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L02−による結合を介して連結している。ここで−L02−は−O−又は−S−を表す。また、Wは一般式(XIV)に示したものと同義である。)
一般式(XV)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−6)〜(F−8)〕が挙げられる。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
(一般式(XVI)中、Aは硫黄原子又は−NR69−を表し、L03は隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R63、R64、R65、R66、R67、及びR68はそれぞれ独立に1価の非金属原子団の基を表し、R69はアルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(XVI)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−9)〜(F−11)〕が挙げられる。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
(一般式(XVII)中、A及びAは、それぞれ独立に−S−、又は−NR73−を表し、R73は置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を表し、L04、L05は、それぞれ独立に、隣接するA、A及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R71及びR72はそれぞれ独立に1価の非金属原子団であり、互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することもできる。)
一般式(XVII)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−12)〜(F−15)〕が挙げられる。
Figure 2010070601
また、そのほかに、本発明に用いられる好適な増感色素として、下記式(XVIII)で表されるものが挙げられる。
Figure 2010070601
(一般式(XVIII)中、Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、又は=N(R74)を表す。R74、R75、R76は、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の非金属原子団を表し、AとR74、R75、R76とは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
ここで、R74、R75、R76が1価の非金属原子団を表すとき、好ましくは、置換若しくは無置換の、アルキル基又はアリール基を表す。
次に、R74、R75、R76の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N,N−ジアリールウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アリール−N−アリールウレイド基、N,N−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアリール−N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらは更に置換基を有していてもよい。
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、又は多環芳香族環から誘導される基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(GCO−)におけるGとしては、水素、並びに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
上記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR74、R75、又はR76として好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
74、R75、又はR76として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
74、R75、又はR76として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
なお、R75、及びR76の更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。また、R74の更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。その理由は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸又は塩基を発生させる効率が向上するためと推定される。
次に、一般式(XVIII)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、一般式(XVIII)におけるR74、R75、又はR76についての前述の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基を有するアリール基が挙げられ、特に好ましいAとしてはアミノ基を有するアリール基が挙げられる。
次に、一般式(XVIII)におけるYについて説明する。Yは、一般式(XVIII)中の含窒素複素環に二重結合を介して直結する非金属原子又は非金属原子団であり、酸素原子、硫黄原子、又は=N(R74)を表す。
また、一般式(XVIII)におけるXは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表す。
次に、本発明に用いられる一般式(XVIII)で表される化合物の好ましい態様である、下記一般式(XVIII−1)で表される化合物について説明する。
Figure 2010070601
上記一般式(XVIII−1)中、Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表す。R74、R77、R78は、それぞれ独立に、水素原子又は、1価の非金属原子団であり、AとR74、R77、又はR78は、それぞれ互いに、脂肪族性又は芳香族性の環を形成するために結合することができる。Arは、置換基を有する、芳香族環又はヘテロ環を表す。但し、Ar骨格上の置換基は、そのハメット値の総和が0より大きいことを要する。ここでハメット値の総和が0より大きいとは、1つの置換基を有し、その置換基のハメット値が0より大きいものであってもよく、複数の置換基を有し、それらの置換基におけるハメット値の総和が0より大きいものであってもよい。
一般式(XVIII−1)中、A及びR74は一般式(XVIII)におけるものと同義であり、R77は一般式(XVIII)におけるR75と、R78は一般式(XVIII)におけるR76と同義である。また、Arは、置換基を有する、芳香族環又はヘテロ環を表し、一般式(XVIII)におけるAと同義である。
ただし、一般式(XVIII−1)におけるArに導入可能な置換基としては、ハメット値の総和が0以上であることが必須であり、そのような置換基の例としては、トリフルオロメチル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホキシド基、アミド基、カルボキシル基等を挙げることができる。これら置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF、m:0.43、p:0.54)、カルボニル基(例えば−COHm:0.36、p:0.43)、エステル基(−COOCH、m:0.37、p:0.45)、ハロゲン原子(例えばCl、m:0.37、p:0.23)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、スルホキシド基(例えば−SOCH、m:0.52、p:0.45)、アミド基(例えば−NHCOCH、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.37、p:0.45)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。このうち、Arの好ましい例としては置換基を有するフェニル基を挙げることができ、Ar骨格上の好ましい置換基としてはエステル基、シアノ基が挙げられる。置換の位置としてはAr骨格上のオルト位に位置していることが特に好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(XVIII)で表される増感色素の好ましい具体例〔例示化合物(F1)〜例示化合物(F56)〕を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
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本発明に適用可能な前記増感色素の中でも、前記一般式(XVIII)で表される化合物が、深部硬化性の観点から好ましい。
上記の増感色素に関しては、本発明の着色感光性組成物の特性を改良する目的で、以下のような種々の化学修飾を行うことが可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、架橋硬化膜の高強度化や、架橋硬化膜からの色素の不要な析出抑制効果向上を得ることができる。
増感色素の含有量は、着色感光性組成物の全固形分に対し、0.01質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.01質量%〜10質量%であり、更に好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
増感色素の含有量がこの範囲であることで、超高圧水銀灯の露光波長に対して高感度であり、膜深部硬化性が得られると共に、現像マージン、パターン形成性の点で好ましい。
(エポキシ樹脂)
本発明の着色感光性組成物は、形成された塗布膜の強度を上げるために、熱重合成分として、エポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。また、Ebecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上大日本インキ製)などを挙げることができる。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また、大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
(フッ素系有機化合物)
本発明の着色感光性組成物は、フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)を向上させ、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。
すなわち、フッ素系有機化合物を含有する着色感光性組成物は、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させて被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上するため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物中のフッ素含有率は3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系有機化合物としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
フッ素系有機化合物は、特に、本発明の着色感光性組成物を用い、薄い塗布膜を形成する際、塗布ムラや厚みムラの防止に効果的である。また、更には、液切れを起こしやすいスリット塗布に本発明の着色感光性組成物を適用する際も効果的である。
フッ素系有機化合物の添加量は、着色感光性組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
(熱重合開始剤)
本発明の着色感光性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。
熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられる。
前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
(界面活性剤)
本発明の着色感光性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、前述のフッ素系界面活性剤の他に、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。
中でも、前記のノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製))、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
(その他の添加剤)
上記以外に、本発明の着色感光性組成物には各種の添加物を添加することができる。
添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化社製)及びイソネットS−20(三洋化成社製);2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等がある。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、本発明の着色感光性組成物に、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸を添加することが好ましい。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
更に、本発明の着色感光性組成物には、熱重合防止剤を添加してもよい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物に対し、光重合性化合物、及び光重合開始剤、更には、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂や溶剤、界面活性剤等の添加剤を加えることで、調製することができる。
本発明の着色感光性組成物は、本発明の顔料分散組成物を含むことから、顔料の分散性に優れ、また、色特性にも優れる。
そのため、良好な色特性が求められるカラーフィルタの着色領域を形成するために用いられることが好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、基板上に、前述の本発明の着色感光性組成物により形成された着色領域を有することを特徴とする。
ここで、着色領域とは、3色或いは4色の着色パターン(画素部)と、ブラックマトリクスと、の両方を含むものである。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
まず、本発明の着色感光性組成物を、直接又は他の層を介して基板上に、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布等の塗布方法により塗布して、着色感光性組成物からなる塗布膜を形成する(塗布工程)。その後、塗布膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う(露光工程)。露光後、塗布膜の未硬化部を現像液で現像除去する(現像工程)。これらの工程を経ることで、各色(3色或いは4色)の画素からなる着色パターンが形成され、カラーフィルタを得ることができる。
このような方法により、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、且つ、低コストに作製することができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
〔塗布工程〕
まず、塗布工程で用いられる基板について説明する。
本発明のカラーフィルタに用いられる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板が挙げられる。
これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
この他に、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色感光性組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
塗布工程において、本発明の着色感光性組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色感光性組成物の吐出量は、通常、500マイクロリットル/秒〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800マイクロリットル/秒〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50mm/秒〜300mm/秒、好ましくは100mm/秒〜200mm/秒である。
また、塗布工程で用いられる着色感光性組成物の固形分としては、通常、10%〜20%、好ましくは13%〜18%である。
基板上に本発明の着色感光性組成物による塗布膜を形成する場合、該塗布膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3μm〜5.0μmであり、望ましくは0.5μm〜4.0μm、最も望ましくは0.5μm〜3.0μmである。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、塗布膜の厚み(プリベーク処理後)は、0.5μm〜5.0μmの範囲が好ましい。
塗布工程において、通常は、塗布後にプリベーク処理を施す。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。
真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1torr〜1.0torr、好ましくは0.2torr〜0.5torr程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度範囲で、好ましくは70℃〜110℃程度であり、10秒〜300秒の条件にて行うことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
〔露光工程〕
露光工程では、前述のようにして形成された着色感光性組成物からなる塗布膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う。
露光の際に使用される放射線としては、特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
なお、液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。
なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
〔現像工程〕
現像工程では、露光後の塗布膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基板上に残存させる。
現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間としては20秒〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における着色感光性組成物の塗布膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。
具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明の着色感光性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
また、アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工処理は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後、水切り、乾燥をした後に、通常、約200℃〜250℃の加熱処理を行う。
この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
以上の各工程を、所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行うことにより、複数色の着色された硬化膜(着色パターン)が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明のカラーフィルタは、コントラストが高く、色濃度ムラの小さい、色特性の良好であることから、固体撮像素子又は液晶表示素子に好適に用いることができる。
本発明の着色感光性組成物の用途としては、主に、カラーフィルタの着色パターンへの用途を中心に説明したが、カラーフィルタを構成する着色パターン(画素)を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
基板上のブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料の加工顔料を含有する着色感光性組成物を用い、塗布、露光、及び現像の各工程を経て、その後、必要に応じて、ポストベークすることにより形成することができる。
<液晶表示素子、固体撮像素子>
本発明の液晶表示素子及び固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。より具体的には、例えば、カラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示素子であるパネルが得られる。また、例えば、受光素子上にカラーフィルタを形成することにより、本発明の固体撮像素子が得られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示す。
<特定重合体の合成>
〔合成例1:特定重合体(P−1)の合成〕
500mL三口フラスコに、ε−カプロラクトン 171.2g、メタクリル酸 8.6g、2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノール0.2gを導入し、窒素を吹き込みながら、撹拌溶解した。そこへ、更に、モノブチル錫オキシド 0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、混合液中から原料が消失したのを確認し、その後、室温まで冷却し、N−メチル−2−ピロリドン 100mLを加え、混合液を溶解した。そこへ、DBU 18.0gを加え、室温にて30分撹拌した後、アリルブロマイド 12.1gを更に投入した。
その後、混合液を60℃に加熱し、6時間後、ガスクロマトグラフィーにて、混合液中から原料が消失したのを確認後、室温まで冷却した。そして、反応混合液を水1L中に投入し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾取し、乾燥し、下記構造の単量体(X−1)を180.0g得た。単量体(X−1)の構造は、NMR、IRで確認した。
Figure 2010070601
続いて、500mL三口フラスコに、単量体(X−1) 75.0g、単量体M−11 10.0g、メタクリル酸 15.0g、ドデシルメルカプタン 2.4g、及び1−メトキシ−2−プロパノール 233.0gを導入し、窒素を吹き込みながら、75℃に加熱撹拌した。これに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.55gを加え、75℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、更に2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.55gを加え、75℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、90℃にて2時間加熱撹拌の後、特定重合体(P−1)の30%溶液を得た。
得られた特定重合体(P−1)の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、1.9万であった。
〔合成例2:特定重合体(P−2)の合成〕
500mL三口フラスコに、ε−カプロラクトン 228.2g、メタクリル酸 8.6g、2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノール0.2gを導入し、窒素を吹き込みながら、撹拌溶解した。そこへ、更に、モノブチル錫オキシド 0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、混合液中から原料が消失したのを確認後、室温まで冷却し、N−メチル−2−ピロリドン 100mLを加え溶解した。そこへ、DBU 18.0gを加え、室温にて30分撹拌した後、エピブロモヒドリン 13.1gを更に投入した。
その後、混合液を50℃に加熱し、6時間後、ガスクロマトグラフィーにて、混合液中から原料が消失したのを確認後、室温まで冷却した。反応混合液を水1L中に投入し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾取し、乾燥し、下記構造の単量体(X−2)を234.0g得た。単量体(X−2)の構造は、NMR、IRで確認した。
Figure 2010070601
続いて、500mL三口フラスコに、単量体(X−2) 75.0g、単量体M−11 10.0g、メタクリル酸 15.0g、ドデシルメルカプタン 2.0g、及び1−メトキシ−2−プロパノール 233.0gを導入し、窒素を吹き込みながら、75℃に加熱撹拌した。これに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.60gを加え、75℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、更に2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.60gを加え、75℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、90℃にて2時間加熱撹拌の後、特定重合体(P−2)の30%溶液を得た。
得られた特定重合体(P−2)の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.1万であった。
〔合成例3:特定重合体(P−3)の合成〕
500mL三口フラスコに、ε−カプロラクトン 114.1g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 13.0g、2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノール0.2gを導入し、窒素を吹き込みながら、撹拌溶解した。そこへ、更に、モノブチル錫オキシド 0.1gを加え、100℃に加熱した。6時間後、ガスクロマトグラフィーにて、混合液中から原料が消失したのを確認後、室温まで冷却し、下記構造の単量体(X−3)を127.0g得た。単量体(X−3)の構造は、NMR、IRで確認した。
Figure 2010070601
続いて、500mL三口フラスコに、単量体(X−3) 78.0g、単量体M−11 10.0g、メタクリル酸 12.0g、ドデシルメルカプタン 2.3g、及び1−メトキシ−2−プロパノール 233.0gを導入し、窒素を吹き込みながら、75℃に加熱撹拌した。これに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.66gを加え、75℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、更に2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.66gを加え、75℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、100℃にて2時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート 9.5g、モノブチル錫オキシド 0.1gを加え、60℃にて加熱撹拌を行った。6時間後、NMRにて、原料が消失したのを確認後、1−メトキシ−2−プロパノール 22.5gを加え、特定重合体(P−3)の30%溶液を得た。
得られた特定重合体(P−3)の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.3万であった。
前記合成例において用いた単量体M−11は、前述の一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体の好ましい具体例として挙げられたものを指す。
また、特定重合体(P−4)〜(P−20)、及び、比較用重合体(C−1)〜(C−4)は、特定重合体(P−1)〜(P−3)の合成と同様にして、合成した。
下記表1〜表4には、特定重合体(P−1)〜(P−20)、及び、比較用重合体(C−1)〜(C−4)の構造、重量平均分子量、及び酸価について示す。
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
Figure 2010070601
[実施例1〜5、比較例1、2]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(1)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(1)〕
・C.I.ピグメント・レッド254(平均1次粒子径:24nm) 100部
・下記表8記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(10質量%溶液) 150部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 600部
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.5mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて4時間分散処理を行ない、顔料分散組成物を得た。
<顔料分散組成物の評価>
得られた顔料分散組成物について、下記の(1)、及び(2)の評価を行った。結果を表8にまとめて示す。
(1)粘度の測定、評価
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計を用いて、分散直後の顔料分散組成物の粘度η1及び分散後室温にて1週間経過した後の顔料分散組成物の粘度η2を測定し、増粘の程度を評価した。ここで、粘度が低いことは、分散剤に起因する粘度の上昇が抑制されており、顔料の分散性及び分散安定性が良好であることを示す。
(2)コントラストの測定、評価
得られた顔料分散組成物を、ガラス基板上に塗布し、乾燥後の塗布膜の厚さが1μmになるようにサンプルを作製した。2枚の偏光板の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(この評価法は、「1990年第7回 色彩光学コンファレンス、512色表示10.4“サイズTFT−LCD用カラーフィルター、植木、小関、福永、山中」を参考にした)。ここで、コントラストが高いことは、顔料が高度に微細化された状態で均一に分散されているため、透過率すなわち着色力が高いことを示す。
Figure 2010070601
表8に示される結果により、(a)特定重合体を含有する実施例の顔料分散組成物は、比較例に比べ、コントラストが高く、初期粘度が小さく、経時での増粘も小さいことがわかる。
[実施例6〜10、比較例3、4]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(2)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で5時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(2)〕
・C.I.ピグメント・グリーン36(平均1次粒子径:17nm) 100部
・下記表9記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(10質量%溶液) 180部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 600部
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、顔料分散組成物を得た。
<顔料分散組成物の評価>
得られた顔料分散組成物について、実施例1と同様にして、前記の(1)及び(2)の評価を行った。結果を表9にまとめて示す。
Figure 2010070601
表9に示される結果により、(a)特定重合体を含有する実施例の顔料分散組成物は、比較例に比べ、コントラストが高く、初期粘度が小さく、経時での増粘も小さいことがわかる。
[実施例11〜16、比較例5〜7]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(3)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(3)〕
・C.I.ピグメント・レッド254(平均1次粒子径:25nm) 110部
・下記表10記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(10質量%溶液) 150部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 500部
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.5mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて4時間分散処理を行ない、顔料分散組成物を得た。
<着色感光性組成物の調製>
上記のようにして得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を調製した。
・顔料分散組成物 2000部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性化合物) 100部
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−S−トリアジン(光重合開始剤) 20部
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分30%)(アルカリ可溶性樹脂) 400部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの作製及び評価>
(1)露光感度
調製された着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗布膜の全面に10mJ/cm〜500mJ/cmの種々の露光量にて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色領域)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
ここで、上記の露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚が、露光前の膜厚100%に対して95%以上であった最小の露光量を露光感度として評価した。結果を下記表10に示す。
<着色感光性組成物及びカラーフィルタの評価>
続いて、作製された着色感光性組成物及び着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、以下のようにして評価を行った。結果を下記表10にまとめて示す。
(2)コントラスト
調製された着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗布膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色領域)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
このようにして得られたカラーフィルタの着色パターン上に偏光板を置いて着色パターンを挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン社製のBM−5を用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。値が大きいほど高コントラストであることを示す。
(3)アルカリ現像液に対する溶解性、及びアルカリ現像液中の懸濁物の評価
アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の10%水溶液100gを150mlビーカーに計りとる。
一方、100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に前記着色感光性組成物を膜厚2.5μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した試料を、25mm×100mmとなるようにガラスを切断し、うち2枚を塗布面が外側となるよう重ね合わせ、測定試料を作製した。
この測定試料を、上記のようにして準備した現像液中に浸漬しては抜き上げする上下動作を20回繰り返し、プリベーク後の塗布膜の溶解性と現像液中の懸濁物の有無を目視判断した。
なお、現像液中の浸漬時間は1回当たり1秒〜2秒であった。
評価指標は以下の通りである。ここで、指標の数字が大きいほど、塗布膜の現像性が良好なことを示す。
−評価指標−
5:上下動1回〜10回で塗布膜が完溶、且つ、アルカリ現像液中の懸濁物なし
4:上下動11回〜20回で塗布膜が完溶、且つ、アルカリ現像液中の懸濁物なし
3:上下動1回〜10回で塗布膜が完溶するが、アルカリ現像液中に懸濁物あり
2:上下動11回〜20回で塗布膜が完溶するが、アルカリ現像液中に懸濁物あり
1:上下動20回でも塗布膜が不溶
Figure 2010070601
表10に示される結果より、実施例の着色感光性組成物は、比較例に比べて、露光感度が高く、また、塗布膜のアルカリ現像液に対する溶解性が高いことが分かる。また、実施例のカラーフィルタは、比較例に比べて、コントラストが高いことが分かる。
[実施例17〜23、比較例8〜10]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(4)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(4)〕
・C.I.ピグメント・レッド254(平均1次粒子径:25nm) 120部
・C.I.ピグメント・レッド177(平均1次粒子径:22nm) 20部
・下記表11記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(10質量%溶液) 240部
・下記構造の顔料誘導体B 25部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 600部
Figure 2010070601
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.2mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後更に、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散組成物を得た。
<着色感光性組成物の調製>
上記のようにして得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を調製した。
・顔料分散組成物 2100部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性化合物) 80部
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−S−トリアジン(光重合開始剤) 50部
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/35[質量比])共重合体(重量平均分子量:10,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分30%)(アルカリ可溶性樹脂) 300部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの作製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗布膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色領域)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<着色感光性組成物及びカラーフィルタの評価>
作製された着色感光性組成物及び着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、実施例11と同様に、(1)露光感度、(2)コントラスト、及び、(3)アルカリ現像液に対する溶解性、及びアルカリ現像液中の懸濁物の評価を行った。加えて、(4)電圧保持率についても以下のように評価した。結果を下記表11にまとめて示す。
(4)電圧保持率
ITO電極つきのガラス基板(商品名:1737、コーニング社製)上に、前述の方法で得られた着色感光性組成物を乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、マスクを介さずに100mJ/cmの露光(照度は20mW/cm)を行い、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像し、塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施した。これにより、着色硬化膜が形成されたガラス基板を得た。
次に、この着色硬化膜が形成されたガラス基板と、ITO電極を所定形状に蒸着しただけの基板と、を5μmのガラスビーズを混合したシール剤で貼り合わせた後、メルク(株)社製液晶MJ971189(商品名)を注入して、液晶セルを作製した。
次いで、液晶セルを70℃の恒温槽に48時間入れた後、液晶セルの電圧保持率を、東陽テクニカ(株)製液晶電圧保持率測定システムVHR−1A型(商品名)により測定し
た。
なお、電圧保持率は、16.7ミリ秒後の液晶セル電位差/0ミリ秒で印加した電圧の値である。
また、この電圧保持率を測定する際の条件は以下の通りである。
−測定条件−
・電極間距離:5μm
・印加電圧パルス振幅:5V
・印加電圧パルス周波数:60Hz
・印加電圧パルス幅:16.67msec
評価指標は以下の通りである。ここで、指標の数字が大きいほど、電圧保持率が高く、良好な電気特性を示すことが分かる。
−評価指標−
5:90%以上
4:85%以上90%未満
3:80%以上85%未満
2:75%以上80%未満
1:75%未満
Figure 2010070601
表11に示される結果より、実施例の着色感光性組成物は、比較例に比べて、露光感度が高く、塗布膜のアルカリ現像液に対する溶解性が良好であることが分かる。また、実施例のカラーフィルタは、比較例に比べて、コントラストが高く、また、高い電圧保持率を有し、電気特性が良好であることが分かる。
[実施例24〜29、比較例11〜13]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(5)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で4時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(5)〕
・C.I.ピグメント・ブルー15:6(平均1次粒子径:22nm) 85部
・C.I.ピグメント・バイオレット23(平均1次粒子径:26nm) 15部
・前記構造の顔料誘導体B 15部
・下記表12記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(10質量%溶液) 200部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 600部
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.5mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、顔料分散組成物を得た。
<着色感光性組成物の調製>
上記のようにして得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を調製した。
・顔料分散組成物 2000部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性化合物) 100部
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−S−トリアジン(光重合開始剤) 30部
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分30%)(アルカリ可溶性樹脂) 400部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの作製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗布膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色領域)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<着色感光性組成物及びカラーフィルタの評価>
作製された着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、実施例11と同様に、(1)露光感度、(2)コントラスト、及び、(3)アルカリ現像液に対する溶解性、及びアルカリ現像液中の懸濁物の評価を行った。加えて、実施例17と同様に、(4)電圧保持率についても評価を行った。結果を下記表12にまとめて示す。
Figure 2010070601
表12に示される結果より、実施例の着色感光性組成物は、比較例に比べて、露光感度が高く、塗布膜のアルカリ現像液に対する溶解性が良好であることが分かる。また、実施例のカラーフィルタは、比較例に比べて、コントラストが高く、また、高い電圧保持率を有し、電気特性が良好であることが分かる。
[実施例30〜35、比較例14〜16]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(6)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(6)〕
・C.I.ピグメント・グリーン36(平均1次粒子径:16nm) 70部
・C.I.ピグメント・イエロー150(平均1次粒子径:26nm) 30部
・下記表13に記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(30質量%溶液) 280部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 750部
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後更に、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散組成物を得た。
<着色感光性組成物の調製>
上記のようにして得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を調製した。
・顔料分散組成物 2000部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性化合物) 100部
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−S−トリアジン(光重合開始剤) 30部
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分30%)(アルカリ可溶性樹脂) 400部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの作製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色領域)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<着色感光性組成物及びカラーフィルタの評価>
作製された着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、実施例11と同様に、(1)露光感度、(2)コントラスト、及び、(3)アルカリ現像液に対する溶解性、及びアルカリ現像液中の懸濁物の評価を行った。加えて、実施例17と同様に、(4)電圧保持率についても評価を行った。結果を下記表13にまとめて示す。
Figure 2010070601
表13に示される結果より、実施例の着色感光性組成物は、比較例に比べて、露光感度が高く、塗布膜のアルカリ現像液に対する溶解性が良好であることが分かる。また、実施例のカラーフィルタは、比較例に比べて、コントラストが高く、また、高い電圧保持率を有し、電気特性が良好であることが分かる。
[実施例36〜38、比較例17〜19]
<レジスト液の調製>
下記組成の成分を混合して溶解し、レジスト液を調製した。
〔レジスト液の組成〕
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20部
・乳酸エチル 36.67部
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(モル比=60/22/18)共重合体の40%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液 30.51部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0061部
・フッ素系界面活性剤(F−475、大日本インキ化学工業(株)製) 0.83部
・TAZ−107(みどり化学社製) 0.586部
<下塗り層付シリコンウエハーの作製>
6inchシリコンウエハーを、オーブン中で200℃下で30分間、加熱処理した。次いで、このシリコンウエハー上に前記レジスト液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハー基板を得た。
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(7)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(7)〕
・下記表14記載の顔料 100部
・下記表14記載の(a)特定重合体又は比較用重合体(10質量%溶液) 180部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 750部
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて3時間分散処理を行ない、顔料分散組成物を得た。
<着色感光性組成物の調製>
上記で得られた顔料分散組成物を用い、下記組成となるように撹拌、混合を行なって着色感光性組成物の溶液を調製した。
・顔料分散組成物 1000部
・CGI−124 20部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキシム系光重合開始剤)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性化合物) 20部
・TO−756(東亞合成社製、光重合性化合物) 35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの作製及び評価>
上記のように調製した着色感光性組成物を、前述の方法で得られた下塗り層付シリコンウエハーの下塗り層上に塗布し、塗布膜を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長でパターンが1.5μm四方のIslandパターンマスクを通して50mJ/cm〜1200mJ/cmの範囲で種々の露光量で露光した。
その後、露光後の塗布膜が形成されているシリコンウエハー基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載せ、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間、パドル現像を行ない、シリコンウエハー上に着色パターン(着色領域)を形成した。
着色パターンが形成されたシリコンウエハーを真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハーを回転数50r.p.m.で回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後、スプレー乾燥した。
(膜強度、及び基板密着性の評価)
上述のようにして得られた着色パターンについて、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。この結果から、着色パターンの膜強度、及び、着色パターンの基板密着性を評価した。
評価基準は以下の通りである。評価結果を表14に示す。
−評価基準−
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
(色ムラの評価)
輝度分布を下記方法で解析し、平均からのズレが±5%以内である画素が全画素数に占める割合をもとに色ムラを評価した。評価基準は以下の通りである。
まず、上記のように調製した着色感光性組成物を、前述の方法で得られた下塗り層付シリコンウエハーの下塗り層上に塗布し、塗布膜を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
このようにして得られた単色の着色硬化膜について、光学顕微鏡側から着色硬化膜面に光を照射して、その反射状態を倍率1000倍のデジタルカメラが設置された光学顕微鏡によって観察した。光学顕微鏡に設置されたデジタルカメラには128万画素のCCDが搭載されており、反射状態にある着色硬化膜表面を撮影した。撮影画像は8ビットのビットマップ形式でデジタル変換したデータ(デジタル画像)として保存した。なお、着色硬化膜表面の撮影は任意に選択した20の領域に対して行った。
また、デジタル変換したデータは、撮影画像をRGBの3原色それぞれの輝度を0〜255までの256階調の濃度分布として数値化して保存した。
次いで、保存されたデジタル画像について、1つの格子サイズが実基板上の2μm四方に相当するように、格子状に区分し、一つの区画内での輝度を平均化した。
本実施例においては、128万画素のデジタルカメラで光学1000倍の画像を撮影したため、実基板上の2μmは撮影画像上の2mmとなり、ディスプレイ上における画像サイズが452mm×352mmであったことから、一つの領域における総区画数は39776個であった。
各領域の全区画について、任意の1区画とそれに隣接する全ての隣接区画の平均輝度とを計測した。隣接区画の平均輝度との差が5以上の区画を有意差区画と認定し、全領域の有意差区画の平均総数と、全領域の有意差区画の平均総数が各領域の全区画数(39776個)に対して占める割合とを算出した。
評価基準は以下の通りである。評価結果を表14に示す。
−評価基準−
○:平均からのズレが2%未満
△:平均からのズレが2%以上5%未満
×:平均からのズレが5%以上
Figure 2010070601
表14に示される結果により、実施例の着色感光性組成物から得られた着色パターンには色ムラが生じず、また、比較例と比べ、基板密着性に優れることが分かる。
前記実施例11〜35で得られたカラーフィルタを備えた液晶表示素子を作製したところ、得られた液晶表示素子は、コントラストに優れ、色ムラの発生もなく、良好な画像表示性能を有することが分かった。
また、前記実施例36〜38の着色感光性組成物から得られたカラーフィルタを備えた固体撮像素子を作製したところ、得られた固体撮像素子は、色ムラの発生もなく、優れた色分解性能を有することが分かった。

Claims (8)

  1. (a)下記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む高分子化合物、(b)顔料、及び(c)有機溶剤を含有することを特徴とする顔料分散組成物。
    Figure 2010070601
    (一般式(I)及び(II)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表し、X及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、L及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−を表し、Yは、単結合、−C(=O)O−、又は−CONH−を表し、Z及びZは、各々独立に、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、及び環状エーテルのいずれかを含む基を表し、m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表し、p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。)
  2. 前記(a)高分子化合物が、側鎖に酸基を50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲で有することを特徴とする請求項1に記載の顔料分散組成物。
  3. 前記(a)高分子化合物が、側鎖に複素環基を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顔料分散組成物。
  4. カラーフィルタにおける着色領域の形成に用いられることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有することを特徴とする着色感光性組成物。
  6. 基板上に、請求項5に記載の着色感光性組成物により形成された着色領域を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示素子。
  8. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする固体撮像素子。
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