JP2009013228A - カラーフィルタ用インクジェットインク及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物、(B)顔料、(C)分子内に基板密着性基を有する化合物、及び、(D)溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインクであり、さらに、(E)酸を発生させる化合物、(F)バインダーを含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
このインクにより、吐出性、乾燥速度の問題は解決されたものの、インクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造に関する技術の検討が進むにつれ、より優れた画質のカラーフィルタを実現することが求められている。
また、本発明のさらなる目的は、前記本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを用いることで得られる、硬化性が良好で基板との密着性に優れ、色抜けなく均一性の高い画素部を備えたカラーフィルタを提供することにある。
<1> 少なくとも(A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物、(B)顔料、(C)分子内に基板密着性基を有する化合物、及び、(D)溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク。
<2> (E)酸及びラジカルの少なくとも一方を発生させる化合物を含有することを特徴とする<1>記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
<3> (F)バインダーを含有する<1>又は<2>記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
<4> 支持体上に、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタインクジェットインクにより形成された着色パターンを有するカラーフィルタ。
また、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを用いることで、硬化性が良好で基板との密着性に優れ、色抜けなく均一性の高い画素部を備えたカラーフィルタを提供することができる。
また、本発明において、「(メタ)アクリル」と記載した場合、アクリル及びメタクリルのいずれか或いは双方を指し、同様に、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレート、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの、それぞれいずれか或いは双方を意味する。
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、少なくとも(A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物、(B)顔料、(C)分子内に基板密着性基を有する化合物、及び、(D)溶剤を含有するものであり、これらの成分について順次説明する。
まず、本発明の特徴的成分である(C)分子内に基板密着性基を有する化合物について述べる。
<(C)分子内に基板密着性基を有する化合物>
本発明において用いられる「分子内に基板密着性基を有する化合物(以下、適宜、
密着剤と称する)」は、分子内に基板との密着性に優れる官能基を有し、且つ、インクジェット用インクに可溶な化合物であれば特に制限はない。
基板密着性基は、基板に用いられる硬質材料表面との間に、共有結合、イオン結合、水素結合、極性相互作用、及び、ファンデルワールス相互作用からなる群から選ばれる何らかの相互作用を形成することが可能な基であり、具体的には、酸基、酸のエステル基、酸オニウム塩、酸金属塩、加水分解によりシラノール基を生成する置換基、オニウム基、フェノール性水酸基、両性イオン性基、及び、キレート性基からなる群より選ばれる1種以上の部分構造を有する基が挙げられる。
これらの基板との相関を考慮して選択される好ましい密着性基の例としては、例えば、スルホン酸基、ホスホン酸基およびこれらのエステル基またはその塩、カルボキシル基およびその塩、アンモニウム基、ピリジニウム基、アセチルアセトン基、加水分解によりシラノール基を生成する置換基からなる群から選ばれる官能基が挙げられ、なかでも、アンモニウム基、加水分解によりシラノール基を生成する置換基、ホスホン酸基およびそのエステル基が好ましい。
本発明において(C)密着剤として用いることができる化合物としては、分子内にシリル基を有する化合物が挙げられ、より具体的には、下記一般式(I)で示される有機シラン化合物が挙げられる。
一般式(I)中、Lは1価の有機基であるが、経時安定性の観点で、その構造内にエチレン性二重結合を有しない有機基であることが望ましい。
一般式(I)は、本発明の硬化性組成物の光硬化させた場合の硬化性の観点、および、硬化部以外を現像等の工程により除去する場合の除去性の観点から、より好ましくは一般式(II)で表される有機シラン化合物、即ち、親水性部位を含む1価の有機基を有するシラン化合物が好ましい。
〜親水性部位の説明〜
ここで、1価の有機基L’に含まれる親水性部位とは、水に代表される高極性物質との親和性が高い有極性の原子団を表し、例えば酸素、窒素、硫黄、リンなどの原子を含む。このような親水性部位として、水に代表される高極性物質との双極子−双極子相互作用、双極子−イオン相互作用、イオン結合、水素結合等が可能な部位が挙げられる。
このような親水性部位のなかでも、経時安定性の観点から、後に説明する(A)成分に包含される化合物であるエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物のエチレン性二重結合に対してマイケル付加反応を起こさない構造がより好ましく、したがって、そのような観点からは、ヒドロキシ基、カルボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基、ウレタン部位、チオウレタン部位、アミド部位、エステル部位、チオエーテル部位、ウレア部位、チオウレア部位、オキシカルボニルオキシ部位、アンモニウム基、3級アミン部位、−(CH2CH2O)a−で示されるポリエチレンオキシ部位(ただし、aは2以上の整数)、および下記構造式で表される部分構造が好ましい。
(C)密着剤に用いうる有機シラン化合物の分子内に、前記した親水性部位は少なくとも1つ有することが好ましく、複数有することがより好ましい。複数の親水性部位が分子内に存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
nは1〜3の整数を表し、安定性の観点から好ましくは3である。
R3は炭素数1〜12の炭化水素鎖を表す。なお、R3は、その鎖状構造中に環構造、不飽和結合を有していてもよい。また、この炭化水素基は置換基を有するものであってもよく、また、その構造内に1価の親水性部位を有していてもよい。ここでいう親水性部位とは、前記L’において説明したのものうち、1価の親水性部位として挙げたものを指し、好ましい例も同様である。
Xは1価の親水性部位を表す。ここでいう親水性部位とは、前記L’において説明したのものうち、1価の親水性部位として挙げたものを指し、好ましい例も同様である。
nは1〜3の整数を表し、安定性の観点から、好ましくは3である。
R4、R5、R6及びR7は各々独立に単結合、または、炭素数1〜12の炭化水素鎖を示す。ただし、R4、R5、R6及びR7が炭化水素鎖を表す場合、その鎖状構造中に環構造、不飽和結合を有していてもよい。これらの炭化水素鎖は置換基を有していてもよく、そのような置換基として1価の親水性部位を有するものであってもよい。
X’は水素原子、又は、親水性部位を含んでもよい1価の置換基を表す。Y1及びY2はそれぞれ独立に2価の親水性部位を表し、Zはqの値に応じた2価または3価の親水性部位を表す。即ち、qが1の場合、Zは2価の親水性部位を表し、qが2の場合、Zは3価の親水性部位を表す。2価、或いは3価の親水性部位としては、前記一般式(I)又は(II)の説明において述べた親水性部位のうち、2価、或いは3価の親水性部位として例示されたものと同様である。
pは0〜20の整数、qは1または2、rは1〜3の整数を示す。
nは1〜3の整数を表す。
前記一般式(III)中のR3、または、一般式(IV)中のR4、R5、R6及びR7が2価の炭化水素基である場合に有していても良い1価の親水性部位としては、前記一般式(I)又は(II)における親水性部位の項に記載の1価の親水性部位と同様のものが挙げられ、具体的には、例えばヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、アンモニウム基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基、および下記構造式で表される置換基が挙げられる。
一般式(I)で表される有機シラン化合物としては、例えばβ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビスアリルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
以下に、更に好ましい例である、一般式(II)、(III)、又は(IV)で表される有機シラン化合物〔例示化合物(1)〜(62)〕構造を挙げる。
以下に、前記例示化合物(22)を例に挙げて具体的な合成方法を示す。本発明に使用しうる他の特定有機シラン化合物も、出発物質や触媒などを選択することで、同様のスキームで合成することができる。なお、合成方法は以下の方法に限定されるものではない。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル50g(0.373mol)にアセトニトリル100mlを加えて溶解させた後、ネオスタンU−600(日東化成製ビスマス系触媒)0.50gおよびトリエトキシ(3−イソシアネートプロピル)シラン92.2g(0.373mol)を加えて50℃で4時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してからn−ヘキサン100mlを加えて3回洗浄し、下層を分取した。溶媒を留去し、化合物(22)142g(0.373mol(収率:100%))を得た。
このような連結基には、さらに置換基を有していてもよく、Lの連結基に導入可能な置換基としては、例えば脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、ヘテロ環チオ基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、芳香族オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族チオカルボニルアミノ基、芳香族チオカルボニルアミノ基、ヘテロ環チオカルボニルアミノ基、脂肪族アミノカルボニルアミノ基、芳香族アミノカルボニルアミノ基、ヘテロ環アミノカルボニルアミノ基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族オキシアミノ基、芳香族オキシアミノ基、ヘテロ環オキシアミノ基、シリル基、脂肪族オキシシリル基、シリルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、ヘテロ環オキシカルボニルオキシ基、スルファモイルオキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、アニリノ基、脂肪族アゾ基、芳香族アゾ基、ヘテロ環アゾ基、脂肪族スルフィニル基、芳香族スルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基、ホスフィノイルアミノ基が挙げられる。
前記一般式(A)におけるXは、mが2である場合には、下記式で表される2価の官能基からなる群より選択されることが好ましい。
前記一般式(A)におけるXは、mが3である場合には、下記式で表される3価の官能基からなる群より選択されることが好ましい。
前記一般式(A)のXが部分構造としてカウンターアニオンを有する場合、これらのカウンターアニオンX−としては、例えば、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、などのハロゲンアニオン;酢酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、メタンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタン硫酸アニオン、過塩素酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ヘキサクロロアンチモネートアニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、などを挙げることができる。これらの中でも、当該化合物の溶解性および安定性の点から、ハロゲンアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、およびヘキサフルオロホスフェートアニオン等が好ましい。
なお、(C)成分、即ち、密着剤として密着性基を有する硬化性化合物を使用する場合、その添加量としては、0.01〜60質量%であることが好ましく、0.05〜40質量%の範囲であることがさらに好ましい。
本発明に用いることができる(A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物(以下、適宜、硬化性化合物と称する)は、酸、ラジカルなどの開始種により、架橋構造を形成する、或いは、重合反応を生起する、などにより硬化する化合物であれば、制限なく用いることができる。硬化性化合物としては、メチロール化合物、或いは、エポキシ化合物、オキセタン化合物などの環状エーテル類、チオール化合物とエチレン性不飽和二重結合化合物の組み合わせ、スチレン基やイタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、(メタ)アクリロイル基、或いは(メタ)アクリルアミド基などの少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物などが挙げられ、なかでも、硬化性、安定性の面から(メタ)アクリル酸が好ましい。
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
80質量%の範囲であることが好ましく、(C)密着剤として密着性基を有する硬化性化合物を使用する場合には、該密着性基を有する硬化性化合物と(A)硬化性化合物との総量が7〜85質量%の範囲にあることが好ましい。
本発明のインクジェットインクに用いられる着色剤としての顔料は、画素(画素部)のR、G、B等やブラックマトリックス層の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。
有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクには該顔料の分散性を向上させる観点から、分散剤を添加することが好ましい。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本カラーフィルタインクジェット用インクの溶剤は、以下に示すような溶剤の中から選んで用いることができる。
例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールオリゴマーエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル類;酢酸、2−エチルヘキサン酸、無水酢酸のような脂肪族カルボン酸類又はその酸無水物;酢酸エチル、安息香酸プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル類;炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル類;クロロ酢酸、ジクロロ酢酸のようなハロゲン化カルボン酸類;エタノール、イソプロパノール、フェノールのようなアルコール類又はフェノール類;ジエチルエーテル、アニソールのような脂肪族又は芳香族エーテル類;2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールのようなグリコールオリゴマー類;2−ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシアルコールエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;N−エチルモルホリン、フェニルモルホリンのようなモルホリン類;ペンチルアミン、トリペンチルアミン、アニリンのような脂肪族又は芳香族アミン類。N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムアルデヒド、N−メチルピロリドン、ピロリドンのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類な、ヘキサン、オクタン、ドコサン、ヘプテン、3、4−ジメチルヘキサン、ジシクロヘキサンなどの炭化水素類等が挙げられる。
以下、好ましい併用成分について説明する。
本発明における酸及びラジカルの少なくとも一方を発生させる化合物(以下、適宜、酸/ラジカル発生剤と称する)は、インクジェットの塗出後に光、又は熱により酸及びラジカルの少なくとも一方を発生させる化合物を表す。このような化合物を併用することで、この化合物から発生した酸、ラジカルなどが開始種として機能し、(A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物の硬化反応を開始、進行、促進させる。
(E)成分が酸を発生させる化合物である場合に該化合物が発生させる酸として、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、リン酸エステル、硫酸、硫酸エステル、スルフィン酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、トリフルオロホウ酸、硼素錯体、アンチモン誘導体、ヘキサフルオロリン酸など塗布後の液滴中で、光及び/又は熱の作用によりブレンステッド酸、ルイス酸を発生するものであれば使用することができる。
(a)有機ハロゲン化化合物、(b)オキシジアゾール化合物、(c)有機ホウ酸化合物、(d)ジスルホン酸化合物、(e)オキシムエステル化合物、(f)オニウム塩化合物、(g)カルボニル化合物、(h)ケタール化合物、(i)ベンゾイン化合物、(j)アクリジン化合物、(l)有機過酸化化合物、(m)アゾ化合物、(n)クマリン化合物、(o)アジド化合物、(p)メタロセン化合物、(q)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(r)アシルホスフィン(オキシド)化合物。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、熱分解性、安定性のバランス、また、増感剤などと併用した場合の光硬化性の観点から、トリアリールスルホニウム塩であり、ハロゲン原子、カルボキシル基などの電子吸引性基を少なくとも1つ有することが好ましく、更に好ましくは2置換以上、最も好ましくは3置換以上であることが好ましい。
また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩は、トリアリールの少なくとも1つが300nm以上に吸収を有するクロモフォアの一部を形成している。或いは置換基として、300nm以上に吸収を有する官能基を有するトリアリールスルホニウム塩などが好ましい。
(i)ベンゾイン化合物としては、例えば、m−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
(j)アクリジン化合物としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
(n)クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
(o)アジド化合物としては、例えば、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
(r)アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
また、この(E)酸及びラジカルの少なくとも一方を発生させる化合物は、(A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物との関係を考慮して適宜選択することで一層の高感度化を図ることができる。
本発明では、インクジェット方式により基板に塗出、画像形成された液滴を硬化させる際の硬化性向上、及び、硬化後の強度、基板との密着性を向上させる目的でバインダーを添加することができる。
バインダー成分としては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー成分を用いてもよい。しかしながら、塗工膜に十分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット方式により基板上にインク層(塗工膜)のパターンを形成後、当該インク層を重合反応により硬化させることのできるバインダー成分を用いるのが好ましく、例えば、可視光線、紫外線、電子線、赤外線等の光、或いは加熱により重合硬化させることができる硬化性のバインダー成分を用いることができる。
また、本発明において、酸存在下で、オキセタニル基と反応しうる官能基を有するバインダーも好適に使用することができる。
硬化性樹脂は、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5、000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。
バインダーポリマーとしては、公知のものを目的に応じて適宜選択して使用できる。例えば、下記に示す如きモノマー群を組み合わせて、本発明に使用しうる(F)バインダーポリマーを得ることができる。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3、4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N、N−ジアリルアクリルアミド、N、N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン、p−カルボキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
(13)メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩などの酸基、或いはその塩を含有するモノマー。
側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度のバランスに優れており、好適である。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、硬化性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2、2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
また、先に述べた好ましい特性を有する光硬化性のバインダー成分には、必要に応じて、単官能のモノマー、オリゴマーを配合してもよい。単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。
また、熱のみでの硬化性向上、熱により酸又は塩基を発生させる場合、本発明の効果を損なわない範囲で下記のエポキシ化合物を用いることができる。
硬化性樹脂組成物に比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を添加すると、硬化性樹脂組成物中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。
本発明に用いうる光硬化性バインダー成分や熱硬化性バインダー成分には、必要に応じ、硬化剤を組み合わせて配合することができる。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1、2、3、4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であることが好ましく、この範囲において十分な硬化性向上効果が得られ、強靭な塗膜を形成することができるとともに、塗膜の基板に対する密着性や塗膜の均一性、平滑性を損なうこともない。配合量は、より好ましくは5〜50重量部である。硬化剤の添加量が少なすぎると、有効な硬化性向上効果を得がたい。
また、本発明において熱硬化性バインダー成分には、硬化樹脂層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す開始剤を用いることができる。
また、バインダー樹脂として、官能基が光により2量化できるシンナミル基やマレイミド基、ジメチルマレイミド基などを有するものを用いるか、或いは、これらの官能基を有する化合物を併用することも好ましい。
上記、好ましい併用成分である(E)酸/ラジカル発生剤、(F)バインダーポリマー以外の、本発明のインクジェットインクに用いうる添加剤について説明する。
(増感剤)
バインダー成分中に必要に応じ、開始剤の分解効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9、10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
等が挙げられ、更に欧州特許第568、993号明細書、米国特許第4、508、811号明細書、同5、227、227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物等などが挙げられる。
バインダー成分中には、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
バインダー成分中には、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4、4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、2、2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、6−ジ−t−ブチルフェノールなどの酸化防止剤、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム、或いは各種の界面活性剤などの凝集防止剤等、公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
従って、本発明の硬化性組成物は、画像形成材料やインク、塗料、接着剤、コーティング剤等の分野において好ましく使用することができる。
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、各成分を上記溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。しかしながら、顔料をバインダー等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、そこに顔料を必要に応じて顔料分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、最後にアルカン系溶剤を添加することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。或いは、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤にアルカン系溶剤を添加した混合溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。
本発明のインクジェットインクにより形成されるカラーフィルタとしては、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルタ、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルタのいずれにも好適に用いることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部に、インクジェット方式により本発明のインクの液滴を付与して画素を形成することを特徴とする。
なお、隔壁は、画素形成工程前に予め基板上に形成されたものであり、隔壁の形成方法の詳細については後述する。
画素形成工程では、隔壁(濃色離画壁)間の凹部に、本発明のインクの液滴をインクジェット法で付与して画素を形成する。この画素は、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素となるものである。
画素の形成は、既述のようにして基板上に形成された隔壁で取り囲まれた凹部に、画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを侵入させて、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
インクジェット法については、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、予め基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
カラーフィルタパターンの形状については、特に限定はなく、ブラックマトリックス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
インクジェットインクの射出条件としては、インクジェットインクを30〜60℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。インクジェットインクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こしやすいため、インクジェットインク温度をできるだけ一定に保つことが重要である。
本発明におけるカラーフィルタは、RGB3色のインクを吹き付けて3色の着色層からなる群で構成された形態が好ましい。
−第1の硬化工程−
前記画素形成工程で形成された少なくとも1色の画素に活性エネルギー線を照射して硬化する工程(第1の硬化工程)を設けることができる。第1の硬化工程では、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む各色の本発明のインクを硬化させることにより、硬化した画素を形成することができる。硬化は、1色の画素を形成するごとに行なってもよいし、複数色の画素を形成した後に行なうようにしてもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む、所望の色相の画素の全てを熱により硬化する工程(第2の硬化工程)を設けることができる。上記したように、前記第1の硬化工程を設けると共に、第2の硬化工程を設けることによって、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させことができる。また、第2の硬化工程のみで硬化させてもよい。
上記予備加熱工程は、本発明のごときインク残部が流動性を有するインクであれば、画素部が熱によって重合するインクのみならず、光によって重合するインクにおいても有効である。光によって重合するインクの場合、前記インクが熱重合を開始する温度Tは、熱によって光重合開始剤等が分解して重合反応が開始する温度または、モノマー自体が熱によって分解し、重合反応が開始する温度を意味する。
上記予備加熱工程の時間は特に制限が無いが、1〜5分間行うことが好ましい。
インクを加熱し、加熱によりインクの重合が開始し、インクのゲル化等が観察される温度をTとする。より具体的には、加熱前のインク粘度に対して、加熱後のインク粘度の上昇が5mPa・s以上の場合の加熱温度をTとする。
本発明では、基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部に、インクジェット方式により本発明のインクの液滴を付与して画素が形成される。この隔壁はどの様なものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁であることが好ましい。該隔壁は公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020]や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
また、本発明のインクジェットインクにおいて着色剤として遮光成分を用いたものを調製し、これをもちいてブラックマトリックスを作成することも可能である。
前記公知の作製方法の中でも、コスト削減の観点から感光性樹脂転写材料を用いることが好ましい。感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に少なくとも遮光性を有する樹脂層を設けたものであり、基板に圧着して、該遮光性を有する樹脂層を該基板に転写することができる。
感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムや、転写材料の作製方法については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載のものが好適なものとして挙げられる。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用インクジェットインクの樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明の表示装置としては既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが挙げられる。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
〔実施例1〜4、比較例1〕
[隔壁形成用の濃色組成物K1の調製]
濃色組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを量り取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、さらに攪拌しながら、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N、N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1を量り取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)の温度条件下、150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤(下記化合物1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm
含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
・下記フッ素系界面活性剤1 30%
・メチルエチルケトン 70%
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却して23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上述のように調製した濃色組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.3μmの濃色組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色感光層K1の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cm2で隔壁幅20μm、スペース幅100μmにパターン露光した。
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
使用ガス :CF4
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
(1)顔料分散液の調製各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
・各顔料(PB15:6又はPV23) 10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)
(溶剤BCA中に固形分30重量%)) 10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート
共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)) 10重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA) 70重量部
<モノマー液(B1)>
以下の組成のとおりに溶剤、モノマー、バインダー、界面活性剤成分を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液(B1)を調製した。
(BCA)〔(D)成分〕 4.6g
・トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル(TPNB)〔(D)成分〕40.2g
・酸又はラジカルで硬化する化合物〔(A)成分:表2記載の化合物〕 5.5g
・密着剤〔(C)成分:表2記載の化合物〕 0.7g
・酸及びラジカルの少なくとも一方を発生させる化合物〔(E)成分:表2記載の
化合物〕(表中には「(E)酸/ラジカル発生剤」と記載) 0.2g
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム
共重合物、分子量3.8万〔(F):バインダー〕 1.0g
・界面活性剤〔フッ素系界面活性剤1、前記構造〕 0.02g
・ソルスパース20000(アヴェシア社製) 1.0g
また、(C)密着剤を配合しなかった他は、実施例2と同様にして、比較例1のカラーフィルタ用青色インクジェットインクを得た。
実施例に用いられる(C)密着剤の(M−1)〜(M−4)、(A)硬化性化合物、及び(E)酸発生剤の詳細を以下に示す。
K−1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
K−2:ペンタエリスリトールトリアクリレート
K−3:1、3−ブタンジオールジアクリレート
K−4:エピコート828(油化シェルエポキシ社製:ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
[1.硬化性評価]
インクジェットヘッドとしてDimatix社製SE−128をセットした、吐出制御装置:Dimatix社製 Apollo IIを用いて、青色インクジェットインクを吐出した。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211−200)上に搭載し、前記のようにして作製した領域全体の隅々にまで広がり所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。
ここで上記記載のRインク1をヘッドに充填し、インクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により制御した。
着弾後、90℃2分常圧にて乾燥した後、240℃30分加熱した後、N−メチルピロリドン溶媒に浸漬し、基板から剥れるまでの時間を測定した。剥がれるまでの時間が長い程硬化性に優れており、5分以上で硬化性が良好であると評価する。
これらの結果を表2に併記した。表2に明らかなように、本発明のインクジェットインクは基板との密着性に優れていた。(C)密着剤を含まない比較例1のインクジェットインクは、基板との密着性が十分に得られないことがわかる。
上記画素部の形状を、非接触式表面形状測定装置 New View 6K(Zygo社製)を用いて観察し、表面形状のプロファイルを算出した。最も低い部分をA,最も高い部分をBとし、高低差(B−A)を測定したところ、0.03μmであり、平坦性が非常に優れた画素部を得ることができた。なお、この高低差(B−A)を測定し、平坦性の評価を以下の基準で行った。結果を表2に併記する。
◎:B−A<0.1μm
○:0.1≦B−A<0.2μm
△:0.2≦B−A<0.4μm
×:0.4μm≦B−A
表2に明らかなように、本発明のインクジェットインクは基板に形成された隔壁内の領域全体の隅々にまで広がり、平坦性に優れた画像部を形成することがわかる。一方、(C)密着剤を含まない比較例1のインクジェットインクは、基板への拡がり性が十分ではなく、形成された画像部の平坦性に劣ることがわかる。
(カラーフィルタ用赤色インクジェットインクの調製)
顔料分散液の調製各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液を調製した。
・各顔料(PR254又はPR177) 10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)
(溶剤BCA中に固形分30重量%)) 10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート
共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)) 10重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA) 70重量部
<モノマー液(R1)>
以下の組成のとおりに溶剤、モノマー、バインダー、界面活性剤成分を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液(R1)を調製した。
(BCA)〔(D)成分〕 4.6g
・トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル(TPNB)〔(D)成分〕40.2g
・酸又はラジカルで硬化する化合物〔(A)成分:表3記載の化合物〕 5.5g
・密着剤〔(C)成分:表3記載の化合物〕 0.7g
・酸/ラジカル発生剤〔(E)成分:表3記載の化合物〕 0.2g
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=50/28/22
モル比のランダム共重合物、分子量4.5万〔(F):バインダー〕 1.0g
・界面活性剤〔フッ素系界面活性剤1、前記構造〕 0.02g
・ソルスパース20000(アヴェシア社製) 1.0g
また、(C)密着剤を配合しなかった他は、実施例6と同様にして、比較例2のカラーフィルタ用赤色インクジェットインクを得た。
[1.硬化性評価]
インクジェットヘッドはDimatix社製SE−128を、吐出制御装置はDimatix社製 Apollo IIを用いた。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211−200)上に搭載し、前記で作製した隔壁の間隙に所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。
ここで上赤色インクジェットインクをヘッドに充填し、インクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により制御した。
着弾後、90℃2分常圧にて乾燥した後、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機を用いて、露光量500mJ/cm2で露光後、N−メチルピロリドン溶媒に浸漬し、基板から剥れるまでの時間を測定基板から剥れるまでの時間を測定した。剥がれるまでの時間が長い程硬化性に優れており、5分以上で硬化性が良好であると評価する。
これらの結果を表3に併記した。表3に明らかなように、本発明のインクジェットインクは基板との密着性に優れていた。(C)密着剤を含まない比較例2のインクジェットインクは、基板との密着性が十分に得られないことがわかる。
上記で形成された画素部の形状を、実施例1〜4と同様の方法で評価したところ、実施例5では、高低差(B−A)は0.03μmであり、平坦性が非常に優れた画素部を得ることができた。なお、実施例6、比較例2についても実施例1と同様の基準平坦性の評価を行った。結果を表3に併記する。
表3に明らかなように、本発明のインクジェットインクは基板に形成された隔壁内の領域全体の隅々にまで広がり、平坦性に優れた画像部を形成することがわかる。一方、(C)密着剤を含まない比較例2のインクジェットインクは、基板への拡がり性が十分ではなく、形成された画像部の平坦性に劣ることがわかる。
(カラーフィルター用緑色インクジェットインクの調製)
顔料分散液の調製各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、PG7(C.I.ピグメントグリーン7)顔料分散液、PY138(C.I.ピグメントイエロー138)顔料分散液及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
・各顔料(PG36、PG7、PY138又はPY150) 10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)
(溶剤BCA中に固形分30重量%)) 10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート
共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)) 10重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA) 70重量部
<モノマー液(G1)>
以下の組成のとおりに溶剤、モノマー、バインダー、界面活性剤成分を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液(G1)を調製した。
(BCA)〔(D)成分〕 4.6g
・トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル(TPNB)〔(D)成分〕40.2g
・酸又はラジカルで硬化する化合物〔(A)成分:表4記載の化合物〕 5.5g
・密着剤〔(C)成分:表4記載の化合物〕 0.7g
・酸/ラジカル発生剤〔(E)成分:表4記載の化合物〕 0.2g
・ベンジルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸=
50/28/22モル比のランダム共重合物、分子量3.2万
〔(F):バインダー〕 1.0g
・界面活性剤〔フッ素系界面活性剤1、前記構造〕 0.02g
・ソルスパース20000(アヴェシア社製) 1.0g
また、実施例7において用いた(C)密着剤に変えて、本発明の範囲外の密着性向上剤である比較化合物(H−1)を等量用いた他は実施例7と同様にして比較例3の緑色インクジェットインクを得た。
K−5:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
K−6:ベンジルグリシジルエーテル
K−7:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
インクジェットヘッドはDimatix社製SE−128を、吐出制御装置はDimatix社製 Apollo IIを用いた。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211−200)上に搭載し、前記で作製した隔壁の間隙に所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。
ここで上記緑色インクジェットインクをヘッドに充填し、インクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により制御した。
これらの結果を表4に併記した。表4に明らかなように、本発明のインクジェットインクは基板との密着性に優れていた。密着性向上剤として本発明の範囲外の比較化合物を含んだ比較例3のインクジェットインクは、基板との密着性が十分に得られないことがわかる。
上記で形成された画素部の形状を、実施例1〜4と同様の方法で評価したところ、実施例7では、高低差(B−A)は0.03μmであり、平坦性が非常に優れた画素部を得ることができた。なお、実施例8、比較例3についても実施例1と同様の基準で平坦性の評価を行った。結果を表4に併記する。
表4に明らかなように、本発明のインクジェットインクは基板に形成された隔壁内の領域全体の隅々にまで広がり、平坦性に優れた画像部を形成することがわかる。一方、(C)密着剤に代えて比較化合物(H−1)を添加した比較例3のインクジェットインクは、基板への拡がり性が十分ではなく、形成された画像部の平坦性に劣ることがわかる。
Claims (4)
- (A)酸及びラジカルの少なくとも一方により硬化する化合物、(B)顔料、(C)分子内に基板密着性基を有する化合物、及び、(D)溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク。
- (E)酸及びラジカルの少なくとも一方を発生させる化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
- (F)バインダーを含有する請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
- 支持体上に、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタインクジェットインクにより形成された着色パターンを有するカラーフィルタ。
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