JP2009244301A - カラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高コントラストのパネル設計であっても、画素形成後の研磨やOC層形成などの工程を追加することなく、低コストかつ平易な方法で、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分での盛り上がりが抑制され、高品質の画像を表示することができるカラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置を提供する。
【解決手段】コントラストが5000以上であり、かつ、ブラックマトリックスを構成する隔壁4の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下であることを特徴とするカラーフィルタ及びそれを備えた液晶表示装置。現像によってアンダーカットの長さが1.0〜8.0μmの隔壁により構成されるブラックマトリックスを形成した後、ベークすることにより、ブラックマトリックスの隔壁側面が上記角度となるように熱変形させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、カラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置に関する。
カラーフィルタは、液晶ディスプレイや固体撮像素子に不可欠な構成部品である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルタは、液晶ディスプレイがTV用途として用いられるようになり、従来のノートパソコン、モニター用途のものに比し、より高品位な画質が求められている。また、大型TV生産のため基板サイズが拡大しており、歩留まりの向上やコスト削減の要求が大きくなっている。
カラーフィルタを製造する場合、例えば図1に示すように、ブラックマトリックスとして、フォトリソグラフィによってガラス基板2上に濃色(黒色)の隔壁4をマトリクス状に形成する。次いで、図2に示すように、ブラックマトリックス4によって区画された各領域5に、所定のパターンで赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素(着色パターン)を形成する。
このようにカラーフィルタを製造する際、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分で着色画素が盛り上がり、カラーフィルタが平坦とならないことが原因で画質の劣化が生じることが問題となる(例えば、特許文献1参照)。前記境界部分の盛り上がりは、コントラスト低下や色ムラなどの問題を引き起こし易い。
このような画質の劣化を抑制するため、従来、画素作成後、カラーフィルタの表面を研磨したり、画素上にオーバーコート層(以下、「OC層」と称することがある)を形成することで対応する方法がある。しかし、研磨やOC層の形成を行うと、カラーフィルタの製造工程が増えてコストが高くなる。また、研磨の場合には、カラーフィルタが傷つくなどの弊害が発生することもあり、研磨工程やOC層の形成工程を省略できる方法が求められている。
例えば、ブラックマトリックスの底面と側面とが成す角度を小さくすることにより、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分の盛り上がりを小さくし、研磨工程を施さずに着色画素の色度を安定させる手法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平9−113721号公報 特開2006−330150号公報
しかし、特許文献1、2に開示されているような方法でカラーフィルタを製造しても、パネルコントラストが上昇するとグレー表示した際にムラが発生し、画像品質が低下し易い。また、特に縦横1m×1m以上の大型基板の場合にはムラがピッチ状で顕著に発生し易い。液晶パネル基板の大型化は急速に進んでおり、より大きなサイズの基板に対応できることが望ましい。
本発明は、上記事情に鑑み、高コントラストのパネル設計であっても、画素形成後の研磨やOC層形成などの工程を追加することなく、低コストかつ平易な方法で、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分での盛り上がりが抑制され、高品質の画像を表示することができるカラーフィルタ及びその製造方法ならびに液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 基板上に、ブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスにより区画された2色以上の着色画素が形成されているカラーフィルタであって、
コントラストが5000以上であり、かつ、
前記ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
<2> 前記ブラックマトリックスを構成する隔壁と着色画素とのオーバーラップ部の距離が1.0〜12μmであることを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタ。
<3> 前記基板が、1辺の長さが1m以上の矩形状のものであることを特徴とする<1>又は<2>に記載のカラーフィルタ。
<4> 前記着色画素が有機顔料を含み、該有機顔料の数平均粒径が50nm以下であり、かつ、該有機顔料の(体積平均粒径/数平均粒径)が1.0〜2.0であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載のカラーフィルタ。
<5> 前記着色画素が顔料を含み、該顔料の少なくとも一種がC.I.ピグメントグリーン36であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載のカラーフィルタ。
<6> 前記着色画素が顔料を含み、該顔料の少なくとも一種がC.I.ピグメントレッド254であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載のカラーフィルタ。
<7> 前記着色画素が顔料を含み、該顔料の少なくとも一種がC.I.ピグメントブルー15:6であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載のカラーフィルタ。
<8> <1>〜<7>のいずれかに記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
<9> <1>〜<7>のいずれかに記載のカラーフィルタを製造する方法であって、
基板上に感光性濃色組成物層を形成する工程と、
前記基板上に形成した感光性濃色組成物層を露光する工程と、
前記露光後の感光性濃色組成物層を現像することにより、アンダーカットの長さが1.0〜8.0μmの隔壁により構成されるブラックマトリックスを形成する工程と、
前記ブラックマトリックスをベークすることにより、該ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下であるブラックマトリックスに熱変形させる工程と、
前記ブラックマトリックスにより区画された各領域に着色画素を設ける工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
<10> 顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、前記良溶媒と相溶性を有し、かつ、前記顔料に対して前記良溶媒よりも溶解性が低い貧溶媒とを混合して前記顔料を有機顔料粒子として生成させ、該有機顔料粒子を前記着色画素中に含有させることを特徴とする<9>に記載のカラーフィルタの製造方法。
本発明によれば、高コントラストのパネル設計であっても、画素形成後の研磨やOC層形成などの工程を追加することなく、低コストかつ平易な方法で、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分での盛り上がりが抑制され、高品質の画像を表示することができるカラーフィルタ及びその製造方法ならびに液晶表示装置が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明について説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、ブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスにより区画された2色以上の着色画素が形成されており、コントラストが5000以上であり、かつ、ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下となっている。
ここで、ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θ(適宜、「側面の傾斜角θ」という。)について説明する。
図3及び図4は、本発明に係るカラーフィルタのブラックマトリックス(感光性濃色組成物層)を構成する隔壁の断面形状の一例を示す図である。
本発明に係るブラックマトリックス4の側面の傾斜角θは、10°〜35°の範囲にあり、ブラックマトリックス4と着色画素6とが重なるオーバーラップ部8の盛り上がりを小さくする(好ましくは、0.50μm以下にする)観点から、10°〜30°が好ましく、10°〜25°がもっとも好ましい。
ブラックマトリックス4の側面の傾斜角θが35°を超えると、ブラックマトリックス4が形成されている基板2(以下、「ブラックマトリックス基板」とも称する)上に着色画素6を形成する際に、光漏れによるコントラストの低下を防止するための着色画素6のオーバーラップ部分8を、ブラックマトリックス4の傾斜部分よりもより内側に多く重ねる必要が有り、オーバーラップ部8の盛り上がりに起因する光散乱によるコントラストの低下が生じ、5000以上のコントラストを達成することが困難となる。
一方、ブラックマトリックス4の側面の傾斜角θが10°未満となると、オーバーラップ部8の盛り上がりを抑制することはできるが、ブラックマトリックス4を形成する際のベーク工程など、感光性濃色組成物層の現像後の操作中に、感光性濃色組成物層が欠けたり、感光性濃色組成物層が剥がれる場合があり、隔壁側面の傾斜角度θを本発明の分布範囲に調整することが出来ない。
また、本発明のカラーフィルタでは、ブラックマトリック4を構成する隔壁の側面と底面との成す角度θの相対標準偏差が0.15以下となっている。このような隔壁側面の傾斜角度θの相対標準偏差は0.10以下にすることがより好ましく、0.08以下にする事がもっとも好ましい。
ブラックマトリックス4の側面の傾斜角θのパネル当りの分布の相対標準偏差が0.15を超えると、パネル点灯時にグレー表示した際に、色ムラが検出され、パネルの品質を大きく低下させてしまう。
なお、相対標準偏差とは標準偏差を平均で割った値を指す。
本発明のブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θを求めるには、カラーフィルタを、ブラックマトリックスを構成する隔壁の長手方向に垂直となる方向(隔壁の幅方向)に切断し、隔壁の断面形状から測定することにより角度θを求めることができる。
また、本発明におけるブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θの標準偏差とは、ブラックマトリックスを形成した1枚のパネルの縦方向と横方向を均等に5等分したときの16個の交点付近のブラックマトリックスの切断面から隔壁の左右の側面の傾斜角度θを測定し、それらの測定値(32個)から算出した標準偏差である。
また、本発明に係るカラーフィルタを構成するブラックマトリックスは、光学濃度(OD値)が2.0以上8.0以下とすることが好ましく、3.0以上さらに好ましくは4.0〜6.0とすることがより好ましい。光学濃度が2.0以上であると、コントラスト低下抑制等表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。なお、ここで言う光学濃度とは、ISO Visual透過光学濃度をいう。ISO Visual透過光学濃度の測定に用いることができる測定器としては、例えば、サカタインクスエンジニアリング株式会社のX-Rite 361T(V)を挙げることができる。
ブラックマトリックスの線幅(着色画素間に挟まれた、ブラックマトリックス長手方向と直交する方向における長さ)は、高開口率化による明度確保の観点から、5〜40μmであることが好ましい。
ブラックマトリックスの厚み(ブラックマトリックスの基板法線方向における隔壁の高さ)は、ブラックマトリックスと着色パターンとが重なるオーバーラップ部の盛り上がりを小さくする(好ましくは、0.5μm以下にする)観点から、0.2〜1.5μmが好ましく、より好ましくは、0.2〜1.2μmであり、さらに好ましくは0.5〜1.0μmである。この厚みの範囲において、ブラックマトリックスが設けられた基板の凹凸、即ち、ブラックマトリックスの形成領域と非形成領域との段差が適切に維持され、ブラックマトリックス形成後にRGB等の着色パターン(着色画素)を形成する際に、ブラックマトリックスによって着色画素を高精度に区分けすることができる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、ブラックマトリックス形成工程と、着色画素(着色パターン)形成工程とを有し、必要に応じて更に他の工程を設けて構成すればよい。
以下、ブラックマトリックス形成工程と、着色パターン形成工程とに分けて説明する。
〔ブラックマトリックス形成工程〕
本発明に係るカラーフィルタを構成するブラックマトリックスは、ブラックマトリックスの形成工程の簡便さ及びブラックマトリックスの形状制御のし易さから、好ましくは以下の工程によって形成することができ、必要に応じて、その他の工程を設けてもよい。
(1)基板上に感光性濃色組成物層を形成する工程(感光性濃色組成物層形成工程)
(2)前記基板上に形成した感光性濃色組成物層を露光する工程(露光工程)
(3)前記露光後の感光性濃色組成物層を現像することにより、アンダーカットの長さが1.0〜8.0μmの隔壁により構成されるブラックマトリックスを形成する工程(現像工程)
(4)前記ブラックマトリックスをベークすることにより、該ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下であるブラックマトリックスに熱変形させる工程(ベーク工程)
このような各工程によって基板上にブラックマトリックスを形成する際、現像条件を変化させることで隔壁のアンダーカットの長さを調整し、その後所定の条件下でポストベークを施すことで、ブラックマトリックスの側面の傾斜角θを好適に調整することができる。
また、ブラックマトリックスの側面の傾斜角θの角度分布(標準偏差)は、ポストベーク前の隔壁のアンダーカットの長さ分布が均一化するように現像条件の安定化を図るとともに、さらに、ベーク温度、プリベーク等の安定化を図ることによって小さくすることができる。
(感光性濃色組成物層形成工程)
本工程では、感光性濃色組成物を用いて感光性濃色組成物層を基板上に形成する。
本工程に用いうる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等が挙げられる。さらに、プラスチック基板も可能である。
基板上に、まず、各画素を隔離するように格子状などにブラックマトリックスを形成し、格子の空いた部分、すなわち、ブラックマトリックスによって区画された各領域に着色画素が形成される。
基板上には、必要により、上部の層(ブラックマトリックス及び着色画素)との密着性改良、物質の拡散防止、酸素や水分の透過防止、基板表面の平坦化向上などを目的として、予め下塗り層を設けてもよい。
基板のサイズは特に限定されるものではないが、本発明は特に大型の基板を用いてカラーフィルタを作製する場合に効果をより奏することができ、具体的には1辺の長さが1m以上の基板を用いることが好ましい。
基板上に感光性濃色組成物層を形成する方法としては、例えば、基板上へ感光性濃色組成物を塗布等により付与する方法がある。
基板上への感光性濃色組成物の付与方法としては、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレー法、インクジェット法、スクリーン印刷法などによって行なうことができる。中でも、基板の大型化に伴いダイコート法が精度と速さの観点で好ましい。
ダイコート法によれば、塗布液を基板上に効率的に付与することができ、塗布液の使用量を大幅に節約することができるほか、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響がなく、現像の不均一が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
感光性濃色組成物(カラーフィルタ用組成物)を含む塗布液(カラーフィルタ用塗布液)の塗布工程では、雰囲気の相対湿度は、通常55%以上とし、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上である。ただし、雰囲気の相対湿度は、100%以下とする必要があり、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下、特に好ましくは75%以下に制御する。塗布基板上に結露すると、付着水分によってカラーフィルタ用組成物の変質が起こり、ピンホール欠陥の原因となるおそれがある。このような結露に起因するピンホールの欠陥は、製品の歩留まり低下につながるため好ましくない。なお、感光性濃色組成物の塗布時の温度は、好ましくは18〜28℃であり、更に好ましくは20〜26℃である。
塗布工程の雰囲気の相対湿度を上記範囲に調節するには、(1)スリットダイの全体を調温・調湿装置内に装備して調温・調湿する方法、(2)スリットダイの先端部分近傍にのみを調温・調湿装置を装備して調温・調湿する方法、などが挙げられる。中でも、上記(1)の方法が好適である。
ダイコート法によってカラーフィルタ用塗布液を塗布する条件は、カラーフィルタ用塗布液の組成、製造するカラーフィルタの種類などによって適宜選択すればよい。例えば、ノズル先端のスリット間隔は好ましくは50〜500μmであり、ノズル先端と基板面との間隔(クリアランス)は通常1〜1000μmの範囲で選ばれる。クリアランスが大きすぎると、安定した塗布状態が得られる塗布速度の上限が小さくなり、生産性が低下する。他方、クリアランスが小さすぎると、塗布装置の機械精度などによるクリアランス幅の変動割合が大きくなり、塗布膜の均一性が損なわれ、また、最悪の場合には、スリットダイのリップが基板に接触して基板を破損することがある。クリアランスは好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μm、特に好ましくは50〜100μmである。
クリアランス(x)に対する塗布膜の厚さ(y)の好ましい比率{(x)/(y)}は、通常0.01〜0.5の範囲で選ぶのが好ましい。比率{(x)/(y)}の値が0.01より小さいことは、クリアランスが大きいか、基板上に形成される塗布膜の厚さが薄いことを意味し、安定な塗布状態が得られる塗布スピードの上限が小さくなり生産性が低下する。比率{(x)/(y)}の値は、好ましくは0.05〜0.4である。
塗布速度(基板の搬送速度)は、塗布装置のスリットダイのスッリットの幅、基板に形成する塗布膜の厚さ、カラーフィルタ用塗布液の固形分の割合などにより変わるが、通常は0.01〜1m/秒の範囲で選ばれる。塗布速度が0.01m/秒未満であると生産性が低下し、塗布速度が1m/秒より大きすぎるとカラーフィルタ用塗布液の液枯れが生じやすくなり、いずれも好ましくない。塗布速度は0.01〜0.5m/sが好ましく、0.02〜0.2m/sが特に好ましい。
基板上にカラーフィルタ用塗布液を塗布した後、乾燥させる。乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンなどを使用した乾燥法により行うことが好ましい。乾燥条件によっては、溶剤が残留して現像を促進するため、ブラックマトリックスの乾燥条件は注意する必要がある。また、基板の大型化によって均一に乾燥させる事が難しくなり、例えば基板搬送用のローラー位置よって、接触する部分と非接触部分で基板温度差が発生し、乾燥状態が変化し、現像進行に有意差が発生する事がある。そのため搬送ローラーはランダムに設置する事が好ましく、例えば千鳥状に配置する事が好ましい。また搬送ローラーの設置場所を乾燥条件雰囲気に加温する事が好ましい。
通常は、予備乾燥の後、再度加熱して乾燥させる。予備乾燥の条件は、溶剤成分の種類、塗布膜の厚さ、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜80℃の温度で15秒〜5分の間で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で30秒〜3分の間で選ばれる。
再加熱乾燥の条件は、予備乾燥温度より高い50〜200℃の温度、中でも70〜160℃が好ましく、特に70〜130℃が好ましい。また乾燥時間は、加熱温度にもよるが10秒〜10分、中でも15秒〜5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高すぎると光重合開始系を構成する化合物が分解し、熱重合を誘発して現像不良が生じ、特にブラックマトリックス形成時のテーパー形状の分布を悪化させる。そのため基板内の乾燥温度分布は±2℃の制御が好ましい。なお、大型基板(本発明での大型基板とは1m×1m以上の基板のことを指す)の場合は、温度の不均一性を低減させるために、減圧乾燥法がもっとも好ましい。
また、予め仮支持体上に、前記したような方法によって形成した塗膜を、基板上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
感光性濃色組成物を基板上に付与する際の厚み(例えば、塗布厚)は、形成するブラックマトリックスの厚みの設計値により、適宜調整されるが、一般的には、0.2〜2.2μmが好ましく、0.2〜1.6μmであることがより好ましく、0.5〜1.3μmであることがもっとも好ましい。
(露光工程)
露光工程では、基板上に形成した感光性濃色組成物層を、所定のマスクパターンを介して露光し、パターンニング(例えば、ネガ型の場合は、光照射された塗布膜部分だけを硬化)する。露光に際して用いる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜500mJ/cmが好ましく、10〜300mJ/cmがより好ましく、10〜200mJ/cmが最も好ましい。
露光機は、プロキシミティー方式の露光機でも、ミラープロジェクション方式でも、また、ステッパー方式でも使用可能である。
(現像工程)
露光後、アルカリ現像処理を行う。例えば、感光性濃色組成物がネガ型の場合には、上記露光工程における光未照射部分を、アルカリ水溶液に溶出させ、光硬化した部分だけを残すことができる。
現像液としては、有機アルカリ現像液や無機アルカリ現像液又はその混合液が使用される。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
本発明においては、現像工程後であって、後述のベーク工程の前において、隔壁のアンダーカットの長さが1.0〜8.0μmとなるようにブラックマトリックスを形成する。
ブラックマトリックスを構成する隔壁の傾斜角度は、露光、現像、および後述のプリベークの各条件により制御することができる。そこで、まず、アンダーカットについて詳細に説明する。
図5及び図6は、ブラックマトリックス(感光性濃色組成物層)4にアンダーカットがある状態のブラックマトリックス基板を示す断面図である。
ブラックマトリックスの形成工程において、露光後の感光性濃色組成物層を現像する時に、感光性濃色組成物層(隔壁)の表面(基板に接しない面をいう;以下、ブラックマトリックスについても同様に称する)及び該表面に近い層内部(以下、「感光性濃色組成物層上部」、ブラックマトリックスについては「ブラックマトリックス上部」ともいう)に比べて、感光性濃色組成物層(隔壁)の底面(基板に接する面をいう;以下、ブラックマトリックスについても同様に称する)及び該底面に近い層内部(以下、「感光性濃色組成物層下部」、ブラックマトリックスについては「ブラックマトリックス下部」ともいう)の現像がより進むことがある。このとき、感光性濃色組成物層下部がえぐれた状態となり、ブラックマトリックスを構成する感光性濃色組成物層(隔壁)の幅方向の断面形状は、例えば、図5や図6に示すように逆テーパーとなっている。このような状態をアンダーカットがある状態という。
このように現像後の感光性濃色組成物層(ブラックマトリックスを構成する隔壁)にアンダーカットを設けることで、後の工程において、ブラックマトリックス基板上に感光性着色組成物を塗布等して着色画素を設けたときに、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分を盛り上がりにくくすることができる。これにより、カラーフィルタを作製して画像表示させた際に、液晶の配向の乱れや、光漏れを抑制することができ、高品質な画像を得ることができる。
図5に示すように、アンダーカットの長さaは、感光性濃色組成物層4の幅方向に最も突出している一端Pと、感光性濃色組成物層4の下部のうち、感光性濃色組成物層4がえぐれて感光性濃色組成物が無い部分であって、前記一端Pから前記幅方向に最も離れた部分Qとの間の基板上の距離として求められる。
なお、前記一端Pから前記幅方向に最も離れた部分は、図5に示すような、感光性濃色組成物層4と基板2との接点に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、感光性濃色組成物層4の厚み方向の上端(上面)と下端(底面)との間の部分がえぐられた断面形状の場合には、アンダーカットの長さaは、感光性濃色組成物層4の幅方向に最も突出している一端Pから、感光性濃色組成物層4のえぐられた部分のうち、前記一端Pから前記幅方向に最も離れた部分Rまでの基板上の距離である。
アンダーカットの長さaが1.0〜8.0μmとなるように現像調整等を行う。ブラックマトリックスと着色画素とが重なるオーバーラップ部の盛り上がりをより小さくする(好ましくは、0.50μm以下にする)観点から、アンダーカットの長さaは、1.5〜8.0μmが好ましく、2.0〜8.0μmがより好ましく、3.0〜7.0μmがさらに好ましく、3.0〜6.0μmがもっとも好ましい。
アンダーカットの長さaが、1.0μm未満であると、ベーク後、ブラックマトリックス基板上に着色画素を形成するときに、オーバーラップ部の盛り上がりを抑制することができないおそれがある。一方、アンダーカットの長さaが8.0μmを超えると、後述するベーク工程など、感光性濃色組成物層の現像後の操作中に、感光性濃色組成物層が欠けたり、感光性濃色組成物層が剥がれ易くなる。
感光性濃色組成物層(隔壁)を、アンダーカットの長さが1.0〜8.0μmとなるように形成するためには、現像条件を適切に調整すればよい。現像条件を変化させることで現像後に現れる隔壁のアンダーカットの長さを調整することができる。例えば、通常用いられる現像条件よりも強い条件で現像を行うほどアンダーカット量を大きくすることができる。ここで、「より強い条件」とは、より高い温度、より長い時間、より多い流量、より高いシャワー圧、などが挙げられるが、中でも温度と時間の調整が重要である。
具体的には、基板内でのばらつきを小さくし、精度よくアンダーカットを調整する観点から、現像温度としては20〜35℃が好ましく、25〜30℃がより好ましい。また、現像時間は、基板内でのばらつきを小さくし、アンダーカットを形成するのが容易である点から、30〜120秒が好ましく、40〜90秒がより好ましい。これらのうち、現像温度と現像時間の好ましい組み合わせは、例えば、温度25℃では50〜100秒であり、温度30℃では40〜80秒であることが挙げられる。
また、現像液を感光性濃色組成物層に供給するときのシャワー圧は、ブラックマトリックス(隔壁)の欠けを防止する点から、0.01〜0.5MPaが好ましく、0.05〜0.3MPaが好ましく、0.1〜0.3MPaが好ましい。
また、アンダーカットの長さをより細かく調整するためには、ブラックマトリックス形成工程に、プリベーク工程を追加することが好ましい。詳細は後述するが、アンダーカットの長さは、プリベークの条件を弱くするほどアンダーカット長の分布再現性が良く、アンダーカット量を大きくすることができる。
(ベーク工程)
現像後、感光性濃色組成物の硬化を促進してブラックマトリックスとして十分な硬さを得るための現像後の加熱処理として、ブラックマトリックスパターンにベーク処理(ポストベーク)を施す。アンダーカットされたブラックマトリックスがベーク処理により熱変形し、図3に示すようにブラックマトリックスを構成する隔壁の断面形状が順テーパー形状へと変化する。このような隔壁の断面形状は、ベークの条件(温度及び時間)によって調整することができ、本発明では、ブラックマトリックスの隔壁4の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下となるようにベークを行う。
感光性濃色組成物の材質にもよるが、角度θが10°〜35°の範囲となるように熱変形させるとともに、基板内でのばらつきを小さくする観点から、ベーク温度は、150〜260℃が好ましく、180〜260℃がより好ましく、200〜240℃が最も好ましい。また、ベーク時間は、10〜150分が好ましく、20〜120分がより好ましく、30〜90分がもっとも好ましい。
ベーク処理は、現像後の感光性濃色組成物層を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
上記のような条件の範囲で現像後の感光性濃色組成物層をベークし、ブラックマトリックスの隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下となるように熱変形させる。このようにブラックマトリックスが形成された基板上に着色画素を形成すれば、ブラックマトリックスと着色画素とのオーバーラップ部の盛り上がりを効果的に抑制することができる。
−その他の工程−
本発明におけるブラックマトリックスの形成工程には、さらに、前記感光性濃色組成物層形成工程の後であって、前記露光工程の前に、プリベーク工程を加えてもよい。また、前記現像工程の後であって、前記ベーク(ポストベーク)工程の前に、必要により、形成されたブラックマトリックスを露光により硬化する工程を含んでいてもよい。
(プリベーク工程)
上述したように、感光性濃色組成物層の露光・現像後に得られる隔壁のアンダーカットの長さを調整するためには、ブラックマトリックス形成工程における露光・現像の条件を調整することのほか、プリベーク条件を適切に調整することが好ましい。本発明におけるブラックマトリックス形成工程においては、通常良く用いられているプリベーク条件よりも、低温で行うことが好ましい。
具体的には、ホットプレートによりプリベークを行う場合、プリベーク温度は、65℃〜110℃が好ましい。65℃以上とすることで、現像工程中に感光性濃色組成物層が剥れることを効果的に防止することができ、110℃以下とすることで、感光性濃色組成物層下部をえぐれ易い状態にすることができる。プリベーク温度は、より好ましくは70〜100℃であり、70〜90℃が最も好ましい。また、プリベーク時間は、50〜300秒が好ましく、90〜200秒がより好ましく、100〜180秒がもっとも好ましい。上記条件範囲でプリベークを行うことで、現像後の感光性濃色組成物層にアンダーカットが形成されやすくなる。
なお、プリベークはオーブンで行うこともでき、その場合も適宜上記と同等のプリベーク条件を設定することで、アンダーカットの長さを調整することができる。
なお、本発明に係るブラックマトリックスの形成方法は、上記のような方法に限定されず、例えば、特開平9−113721の段落0025〜0051に記載の方法を適用することもできる。
〔着色パターン形成工程〕
基板上にブラックマトリックスを形成した後、ブラックマトリックスによって区画された各領域に着色画素を設ける。
着色パターン形成工程は、具体的には、ベーク後の感光性濃色組成物層(ブラックマトリックス)が形成されている基板上に、感光性着色組成物を用いて感光性着色組成物層を形成し(感光性着色組成物層形成工程)、前記感光性着色組成物層を露光し(着色層露光工程)、露光後の前記感光性着色組成物層を現像し(着色層現像工程)、現像された前記感光性着色組成物層をベークすることにより(着色層ベーク工程)、該ベーク後の、前記ブラックマトリックスと重なるオーバーラップ部のブラックマトリックス幅方向における距離が、好ましくは1.0〜12μmとなるように着色パターンを形成する。なお、着色パターンの形成工程は、上記各工程に加え、必要に応じて、さらにプリベーク工程などの他の工程を設けてもよい。
−オーバーラップ−
ここで、着色画素とブラックマトリックスとの「オーバーラップ」について説明する。ブラックマトリックスが形成された基板上に、感光性着色組成物を塗布等して着色パターン(着色画素)を形成するとき、ブラックマトリックスと着色画素との間に間隙が生じると、光の漏れにより画質が低下してしまう。そのため、感光性着色組成物とブラックマトリックスとが重なり合うように、感光性着色組成物をブラックマトリックスに若干覆い被せて(オーバーラップさせて)着色画素を形成することが一般的である。
本発明では、ブラックマトリックスの隔壁側面の傾斜角度θ及びその標準偏差に加え、ブラックマトリックスと着色画素とのオーバーラップ部の距離を1.0〜12μmに調整することで、より高品位なカラーフィルタ及びそれを備えた液晶表示装置を得ることができる。
ここで「オーバーラップ部の距離」とは、感光性着色組成物層を用いて形成される着色パターンと、ブラックマトリックスとが重なる部分(オーバーラップ部)のブラックマトリックスの幅方向における距離をいう。これを、図を用いてより詳細に説明する。
図3において、オーバーラップ部8は距離bの領域であり、オーバーラップ部8の距離bは、ブラックマトリックス4の幅方向における、感光性着色組成物層6と対峙する側の最外端Sと、ブラックマトリックス4に重なるように設けられた感光性着色組成物層6のブラックマトリックス4上に位置する最外端Tとの間の、ブラックマトリックス4の幅方向の距離として求めることができる。実際に、オーバーラップ部8の距離bを求めるときは、カラーフィルタを、ブラックマトリックス4のパターンの長手方向と垂直の方向(幅方向)にカットし、その断面から測定することにより求めることができる。
前記オーバーラップ部8の距離bは、光の漏れによる画質の低下を確実に防ぐとともに、オーバーラップ部8の盛り上がりを小さくする(好ましくは、0.50μm以下にする)観点から、1.0〜12μmとすることが好ましく、1.0〜10μmがより好ましく、1.0〜8.0μmがさらに好ましく、2.0〜6.0μmが特に好ましい。
また、前記オーバーラップ部8の距離bを12μm以下とすることで、大型基板(1辺が1m以上)において、より高画質で表示が可能なカラーフィルタと表示装置を安定に製造することができる。
オーバーラップ部8の距離は、感光性着色組成物層の露光位置や現像条件を変化させることにより調整することができる。具体的には、例えば感光性着色組成物層がネガ型である場合は、露光パターンのブラックマトリックスとの重なり量を少なくするほどオーバーラップ量を少なくすることができ、現像条件を弱くするほど、例えば、現像温度を低くするほど、又は現像時間を短くするほどオーバーラップ量を大きくすることができる。
より具体的には、前記オーバーラップ部8の距離bを1.0〜12μmとするためには、露光パターンとブラックマトリックスとが重なる距離を1.0〜12μmとすることが好ましい。また、現像温度を、20〜35℃とすることが好ましく、25〜35℃とすることがより好ましい。さらに、現像時間を、20〜120秒とすることが好ましく、25〜70秒とすることがより好ましい。
露光・現像条件の好ましい組み合わせとしては、感光性着色組成物の材質等にもよるが、露光パターンとブラックマトリックスとが重なる距離を、2.0〜12μmとし、現像温度を、20〜35℃とし、さらに、現像時間を、20〜120秒とする組み合わせが好ましい。
より好ましい組み合わせは、露光パターンとブラックマトリックスとが重なる距離を、3.0〜9.0μmとし、現像温度を、25〜30℃とし、さらに、現像時間を、30〜70秒とする組み合わせである。
上述したように、ブラックマトリックスと感光性着色組成物層とのオーバーラップ部では、ブラックマトリックスと感光性着色組成物層とが一部重なるように、感光性着色組成物がブラックマトリックスに覆いかぶせるため、その部分が盛り上がった状態となる。このオーバーラップ部の盛り上がりの度合いを小さくすることで、液晶の配向の乱れや、光の漏れや散乱を抑制することができ、高品質の画像を得ることができる。
ここでオーバーラップ部の盛り上がりについて、図を用いて説明する。「オーバーラップ部の盛り上がり」とは、例えば、図4において、着色パターン6の表面のうち、前記オーバーラップ部8の基板2の表面(基板2の、ブラックマトリックス4や着色パターン6と接する面)から最も離れた部分と、前記オーバーラップ部8以外の平坦な表面部分との間の基板の法線における距離をいう。換言すると、前記「オーバーラップ部の盛り上がりの度合い」とは、基板2の表面と、着色パターン6の表面のうちオーバーラップ部8の基板2の表面から最も離れた部分との間の基板2の法線における距離cから、基板2の表面と、着色パターン6の表面のうちオーバーラップ部8以外の部分との間の基板の法線における距離dを差し引いた距離eをいう。
以下、前記オーバーラップ部の盛り上がりを、便宜上、「ツノ」といい、前記距離eを、「ツノの高さ」という。ツノの高さは、高品質の画像を得る点で、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がさらに好ましく、0.25μm以下がもっとも好ましい。
ツノの高さは、上述したアンダーカットの長さと、オーバーラップ部8の距離bと、ブラックマトリックス4の厚みとを適宜設定することで調整することができる。
前記アンダーカットの長さと、オーバーラップ部8の距離bと、ブラックマトリックス4の厚みとの好ましい組み合わせは、アンダーカットの長さを、3.5〜7.5μmとし、オーバーラップ部8の距離bを、1.5〜9.5μmとし、さらに、ブラックマトリックス4の厚みを、0.2〜1.5μmとすることが好ましい。より好ましい組み合わせは、アンダーカットの長さを、4.0〜6.0μmとし、オーバーラップ部8の距離bを、2.5〜8.5μmとし、さらに、ブラックマトリックス4の厚みを、0.5〜1.2μmとするものである。
次に、本発明における着色パターン形成工程において行われる各種工程について述べる。
(感光性着色組成物層形成工程)
感光性着色組成物層形成工程では、ベーク後の感光性濃色組成物層(ブラックマトリックス)が形成されている基板上に、感光性着色組成物を用いて感光性着色組成物層を形成する。
ブラックマトリックスが形成された基板上に感光性着色組成物層を形成する方法としては、基板上に感光性濃色組成物層を形成する方法と同様の方法、すなわち、塗布方法または転写方法を用いることができる。
中でもスリットコーターなどでブラックマトリックスが形成された基板全面に感光性着色組成物を塗布する方法が、本発明の効果をよく奏することができる点で好ましい。
感光性着色組成物層の層厚は、充分な色再現領域を得、且つ充分なパネルの輝度を得るために、0.5〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmの範囲であることがより好ましい。
(着色層露光工程)
着色層露光工程では、前記感光性着色組成物層を露光する。
感光性着色組成物層の露光処理は、感光性濃色組成物層の露光工程と同様にして行うことができる。複数色の着色パターンを形成するときは、各色の所定のマスクパターンを介して、各色ごとに露光し、光照射された各色の感光性着色組成物層をパターンニング(ネガ型の場合は、硬化)することができる。
(着色層現像工程)
着色層現像工程では、露光後の前記感光性着色組成物層を現像する。
露光後の感光性着色組成物層の現像処理は、感光性濃色組成物層の現像工程の説明において記載した操作と同様の操作をすることができ、前記現像工程において説明した現像液を好適に用いることができる。
現像条件としては、ブラックマトリックスと着色画素とのオーバーラップ部に生じるオーバーラップ部8の距離bとツノの高さを調整するために、前記オーバーラップの説明において記載した現像条件にて感光性着色組成物層を現像することが好ましい。
(着色層ベーク工程)
着色層ベーク工程では、現像された前記感光性着色組成物層をベークする。
現像後の感光性着色組成物層をベークする方法は、前述の感光性濃色組成物層をベークするベーク工程と同様の方法を用いることができる。
なお、RGB3色相等、複数色相の着色パターンを形成するときは、感光性着色組成物層の形成、露光、現像、及びベークのサイクルを、所望の色相数だけ繰り返してもよいし、各色相ごとに感光性着色組成物層の形成、露光、及び現像を行ってから、最後に全色相分まとめてベークを行なってもよい。
これにより、ブラックマトリックスによって区画された各領域に所望の色相よりなる2色以上の着色画素が形成されたカラーフィルタが作製される。
−その他の工程−
着色パターン形成工程においても、感光性着色組成物層形成工程の後であって着色層露光工程の前に、感光性着色組成物を乾燥させるために、感光性着色組成物層をプリベークする工程(着色層プリベーク工程)を設けてもよい。
感光性着色組成物層のプリベーク温度は、60〜140℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。プリベーク時間は、30〜300秒が好ましく、80〜200秒がより好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法に用いる感光性着色組成物、および感光性濃色組成物について詳細に説明する。
<感光性着色組成物>
本発明のカラーフィルタの着色パターン形成用として用いられる感光性着色組成物は、感放射線性組成物(例えば、ネガ型の場合には、光により硬化する感放射線性組成物)であり、(A−1)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C−1)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び、(E)溶剤、を含有することが好ましく、所望により、さらに、高分子分散剤や界面活性剤などのその他の添加物を含んでいてもよい。
(A−1)着色剤
着色剤は、染料・顔料系を適宜選択することができ、着色剤として使用される顔料は、無機顔料であっても、有機顔料であってもよいが、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、着色組成物に含まれる顔料は、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、微細化処理されていることが好ましい。
本発明のカラーフィルタに用いられる顔料は、色相的に限定されるものではない。詳しくは、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン系顔料、またはそれらの混合物などが挙げられる。
更に詳しくは、たとえば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントイエロー150(C.I.番号48545)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
本発明のカラーフィルタにおいては、2種類以上の顔料または顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。また本発明のカラーフィルタにおいては、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー60が好ましく用いられ、なかでも、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントブルー15:6がより好ましい。
本発明のカラーフィルタにおいては、上記の顔料を染料と組み合わせて用いることもできる。
本発明に使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として用いられている染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点では、酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
上記酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に上記酸性染料の具体例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。例えば、acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
有機色素としては、例えば、アゾ色素、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン系色素などが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリジアセチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
顔料の微細化技術として、顔料を機械的に粉砕して微細化する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望のサイズに顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の粒子サイズに顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。本発明においては、使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができるが、本発明の好ましい形態として顔料粒子サイズの(体積平均粒径)/(数平均粒径)の関係から、析出法がより好ましい。
例えば、着色画素に含ませる顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、良溶媒と相溶性を有し、かつ、顔料に対して良溶媒よりも溶解性が低い貧溶媒とを混合して顔料を有機顔料粒子として生成させ、該有機顔料粒子を前記着色画素中に含有させる。
本発明に用いる着色組成物に含まれる顔料の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、平均粒径とは数平均径をいう。 本発明の顔料の平均粒径は100nm以下(例えば、その大きさの結晶または会合体であり)であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。なお本発明の顔料粒子は結晶質粒子でも非晶質粒子でもよく、またはこれらの混合物でもよい。
また、粒子の均一性(単分散性)を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明の顔料ナノ粒子(一次粒子)の単分散性(本発明において、単分散性とは粒径が揃っている度合いをいう。)、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であり、1.0〜1.8であることが好ましく、1.0〜1.5であることがより好ましい。
顔料粒子の粒径の測定方法としては、顕微鏡法、質量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズ(いずれも商品名)などが挙げられる。
以下にそれぞれの微細化方法について説明する。磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法が好ましく用いられる。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料の50〜300重量%の量が用いられる。
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の比表面積の顔料を得ることができる。
一方、析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の比表面積の有機ナノ粒子を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより有機ナノ顔料サイズが制御できる観点で、本発明には最も好ましい。
本発明の有機ナノ粒子の形成方法に関しては特開2007−219408号公報の段落0015〜0119に記載の作製方法を本発明においても好適に用いる事ができる。
本発明に用いられる感光性着色組成物においては、後述する高分子分散剤を用いることで、着色剤のサイズが小さい場合であっても、顔料分散性、分散安定性が良好となるため、膜厚が薄くても色純度に優れる着色画素を形成しうる。
本発明に用いられる感光性着色組成物層中における(A−1)着色剤(顔料)の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、25〜75質量%が好ましく、32〜70質量%がより好ましい。(A−1)着色剤(顔料)の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
(B)バインダーポリマー
本発明の前記感光性着色組成物は、皮膜特性向上、現像特性付与などの目的で、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーとして下記のアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
酸価としては、10〜200mgKOH/g、好ましくは30〜180mgKOH/g、更に好ましくは50〜150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR) 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。前記ポリアルキレンオキサイド鎖としては ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖あるいはこれらの併用も可能であり、末端は水素原子あるいは直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどおよびこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体である。
前記ビニル化合物としては、CH=CR 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有する。酸価が200以下であれば、アクリル系樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎず、現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなることを防止することができる。一方、20以上あれば、アルカリに対する溶解性が小さくなり難いので、現像時間の長時間化を防止することができる。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、感光性着色組成物を塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、本発明における感光性着色組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基をアルカリ可溶性樹脂に有した樹脂を単独もしくは重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよく、アリール基、(メタ)アクリル基、アリールオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等が有用である。重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、さらに光硬化性と熱硬化性を備えたものである。これら重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素間不飽和結合とを含むものであれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の添加量としては、感光性着色組成物層の全固形分中、3〜30質量%の範囲であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
感光性着色組成物の調製時にはバインダーポリマーとして、上記アルカリ可溶性樹脂に加え、さらに下記のエポキシ樹脂も添加することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD-115、YD-118T、YD-127、YD−128、YD-134、YD-8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセ化成(株)製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー(株)製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル-4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成(株)製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p-グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p-グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
(C−1)重合性化合物
本発明に用いられる感光性着色組成物は、(C−1)重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (V)
(ただし、R及びRは、各々独立に、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、着色画像部すなわち、感光性着色組成物層の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、感光性着色組成物層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
なかでも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
(C−1)重合性化合物の含有量は、本発明の感光性着色性組成物層中の全固形分中、5〜55質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。
(D)光重合開始剤
本発明の感光性着色性組成物は、(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。
前記光重合開始剤は、光により分解し、前記(C−1)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、前記光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としてはm−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ジ(9−アクリジニル)エタン、1,3−ジ(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ジ(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ジ(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ジ(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ジ(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ジ(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ジ(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ジ(9−アクリジニル)デカン、1,11−ジ(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ジ(9−アクリジニル)ドデカン等のジ(9−アクリジニル)アルカン、などを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化琥珀酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報に記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報、特開2000−131837号公報、特開2002−107916号公報、特許第2764769号公報、特願2000−310808号公報等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等に記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報に記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号明細書、米国特許第339,049号明細書、同第410,201号明細書の各明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−296514号公報の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号明細書、同390,214号明細書、同233,567号明細書、同297,443号明細書、同297,442号明細書、米国特許第4,933,377号明細書、同161,811号明細書、同410,201号明細書、同339,049号明細書、同4,760,013号明細書、同4,734,444号明細書、同2,833,827号明細書、独国特許第2,904,626号明細書、同3,604,580号明細書、同3,604,581号明細書の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
(D)光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
(D)光重合開始剤の含有量は、感光性着色組成物層中の全固形分に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
(E)溶剤
本発明に用いられる感光性着色組成物は、一般に溶剤を用いて調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−その他の添加物−
また、本発明に用いられる感光性着色組成物には、上記成分の他に、さらに、目的に応じて種々の公知の添加剤を用いることができる。
以下、そのような添加剤について述べる。
(分散剤)
本発明における感光性着色組成物は高分子分散剤を含有することが好ましい。この高分子分散剤は重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある樹脂である。さらに、酸価が20〜300mg/gであることが好ましい。このような特定の高分子分散剤を、以下、単に、「分散樹脂」と称する場合がある。
本発明における分散樹脂は、前記(A−1)着色剤として挙げた顔料の分散剤、または、後述するブラックマトリックス形成のための感光性濃色組成物において、遮光剤(ブラックマトリックス形成用顔料)の分散剤として機能しうる化合物である。
分散樹脂は、特定の酸価を有する必要があるため、酸性基を有する高分子化合物であることが好ましい。
この高分子化合物の高分子骨格としては、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体が特に好ましい。
また、上記のような高分子骨格に酸性基の導入する方法としては、例えば、上記の高分子骨格を重合する際に酸性基を含有するモノマーを共重合する方法や、また、上記の高分子骨格を重合後に高分子反応により導入する方法が挙げられる。
酸性基を含有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステル、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマーなどが挙げられる。
更に、酸性基を有する高分子化合物は、更に、ビニルモノマー成分を共重合してなるものであってもよい。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
前記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
また、分散性向上のため、塩基性窒素原子を有する基を含有することも好ましい。前記塩基性窒素原子を有する基は、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、又は−NR10;ここで、R、R、及びR10は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記化学式(a1)で表されるグアニジル基、又は、下記化学式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
Figure 2009244301
上記化学式(a1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
上記化学式(a2)中、R13及びR14は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、又は−NR10;ここで、R、R、及びR10は、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。)、前記化学式(a1)で表されるグアニジル基〔化学式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕、前記化学式(a2)で表されるアミジニル基〔化学式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕などには、1〜200個の水素原子、及び0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が含まれ、これらは無置換であっても置換基を更に有していてもよい。
(他の分散剤)
本発明に用いられる感光性着色組成物は、分散樹脂以外に、従来から公知の分散剤(顔料分散剤)を併用することもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる公知の分散剤(顔料分散剤)の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−107(カルボン酸エステル)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロン#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
上記のような公知の分散剤は、必要に応じて分散樹脂に対して、10〜100質量%、即ち、1/10〜1/1(等量)の範囲で用いることができる。
(界面活性剤)
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソ性が一般的に大きくなるため、基板上に感光性着色組成物を塗布または転写して感光性着色組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法による感光性着色組成物層(着色層塗膜)形成では乾燥までに感光性着色組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、前記感光性着色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上ADEKA(株)製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08(大日本インキ(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、感光性着色組成物層を形成するための塗布液100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部を超える場合は、塗布乾燥での表面あれが生じやすく平滑性が悪化しやすくなる。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、光硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
(アルコキシシラン化合物)
本発明に用いられる感光性着色組成物には、基板との密着性向上といった観点から、アルコキシシラン化合物、なかでもシランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましく、有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す(メタ)アクリロイル、フェニル、メルカプト、エポキシシランであることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランであることがより好ましい。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明に用いられる感光性着色組成物層中の全固形分中、0.2〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0質量%がより好ましい。
(共増感剤)
本発明に用いられる感光性着色組成物は、所望により共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明においては、感光性着色組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光性着色組成物層中の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(可塑剤等)
さらに、本発明においては、感光性着色組成物層の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
上述した成分を用いることで、本発明における感光性着色組成物は、高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好となる。また、基板への高い密着性を示す。従って、前記各種成分を含有する感光性着色組成物は、本発明に係るカラーフィルタの製造に好ましく使用することができる。
<感光性濃色組成物>
本発明に用いられる感光性濃色組成物は、(A−2)遮光剤、(B)バインダーポリマー、(C−2)重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有することが好ましく、必要に応じて、分散剤や界面活性剤などの他の添加剤を含有させることができる。
−(A−2)遮光剤−
遮光剤としては、前記(A−1)着色剤のほか、カーボンブラック、チタンブラック、金属微粒子、金属酸化物、硫化物の微粒子などが挙げられる。中でも遮光性とコストのバランスに優れているカーボンブラックが特に好ましい。
これらは必要に応じて、単独又は複数種組み合わせて用いられる。例えば、カーボンブラック単独、有機顔料の混合、カーボンブラックと有機顔料の併用などである。
遮光用の材料としては従来から黒色着色剤として、可視光領域を遮蔽するように顔料を少なくとも2種以上併用して用いられてきた。これらの顔料としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の顔料を挙げることができ、これらの顔料を使用した遮光層の形成は特開平7−271020などに開示されている。
遮光効果をより大きくするために特開2000−147240、特開2000−143985、特開2005−338328、特開2006−154849などでは、カーボンブラック、チタンブラック、または黒鉛等が遮光材料の好適なものとして開発されてきた。本発明においては、遮光性やコストの観点から、カーボンブラックは遮光材料のひとつとして好ましいものである。
カーボンブラックの例としては、ピグメント・ブラック7(カーボンブラック)が好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP;デグサ社製のカーボンブラックColor Black FW200、Color Black FW2、Color Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S160、Special Black6、Special Black5、Special Black4、Special Black4A、Printex U、PrintexV、Printex 140U、Printex 140V、Printex 35;Cabot社製のカーボンブラックREGAL 400、REGAL 400R、REGAL XC72、VULCAN XC72R、MOGUL L、MONARCH 1400、MONARCH 1000、BLACK PEARLS1400;旭カーボン社製のカーボンブラックSUNBLACK900、同910、同930、同960、同970等を挙げることができる。また電気抵抗を大きくするためにこれらを高分子化合物で被覆したものも好ましいものである。これらのカーボンブラックの好ましい単粒子の大きさは10〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。
−(C−2)重合性化合物−
ブラックマトリックス形成用の感光性濃色組成物における(C−2)重合性化合物としては、前記感光性着色組成物において用いられた(C−1)重合性化合物も、好ましいものとして挙げられるが、特に以下に示すものが好ましい。
感光性濃色組成物における重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また酸性多官能光硬化性化合物も好ましい化合物である。酸性多官能光硬化性化合物としては、(1)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入したもの、(2)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーに、グリシジル基もしくはイソシアネート基とCOOH基とを併せ持つ化合物等を付加することによってカルボキシル基を導入したもの、あるいは(3)3つ以上の光硬化性官能基を有する芳香族化合物を濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入したもの等を用いることができる。また、酸性多官能光硬化性化合物そのものであるモノマーを繰返し単位として含むオリゴマーを、酸性多官能光硬化性化合物として用いてもよい。
酸性多官能光硬化性化合物の例としては、下記一般式(i)、一般式(ii)で表されるものが好ましい。なお、一般式(i)及び一般式(ii)において、T又はGがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がR、X及びWに結合する。
Figure 2009244301
一般式(i)中、Rは、(メタ)アクリロイロキシ基を表し、Xは、−COOH基、又は−OPO基を表す。Tは、オキシアルキレン基を表し、ここでアルキレン基の炭素数は1〜4である。nは、0〜20である。
一般式(ii)中、Wは、一般式(i)におけるR又はXを表し、6個のWのうち、3個以上のWがRである。Gは、一般式(i)におけるTと同義である。Zは、−O−又は、−OC=ONH(CH)qNHCOO−を表す。pは0〜20であり、qは1〜8である。一分子内に複数存在するR、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていても良い。
一般式(i)及び一般式(ii)で表される酸性多官能光硬化性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、上記カルボキシル基含有5官能アクリレートなどが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
ブラックマトリックス形成用として用いられる感光性濃色組成物における(C−2)重合性化合物の含有量としては、感光性濃色組成物層の全固形分中、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
感光性濃色組成物に用いられる(B)バインダーポリマー、(D)重合開始剤、(E)溶剤、その他の添加剤などは前記した着色パターン形成用の感光性着色組成物におけるものと同様であり、好ましい含有量も同様である。
本発明のカラーフィルタは、ブラックマトリックスを構成する隔壁と着色パターン(着色画素)とが重なるオーバーラップ部を有し、前記オーバーラップ部のブラックマトリックス幅方向における距離が1.0〜12μmであることが好ましい。
上記感光性着色組成物及び感光性濃色組成物を用い、前記したような本発明のカラーフィルタの製造方法によって製造したカラーフィルタは、オーバーラップ部のツノの高さが低く抑えられ、かつオーバーラップの距離bも適性であり、高品位な表示を可能とするものである。前記オーバーラップ部8の距離bは、1.0〜12μmであり、前記ツノの高さは、0.50μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタのコントラスト>
本発明のカラーフィルタは、コントラストに優れている(5,000以上)ことが特徴の一つである。本発明における「コントラスト」とは、カラーフィルタそのもののコントラストであり、2枚の偏光板の間において、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量の比を表す(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。
コントラストの測定方法は具体的には次の通りである。被測定物(カラーフィルタ)の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。尚、コントラストの測定に用いる偏光板は、該カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
カラーフィルタのコントラストが高いということは液晶と組み合わせたときの明暗のディスクリが大きくできるということを意味しており、液晶ディスプレイがCRTに置き換わるためには非常に重要な性能である。そして、本発明のカラーフィルタはコントラストが5,000以上であり、さらに高いコントラストが望まれる場合には10,000以上とすることもできる。本発明のカラーフィルタのコントラストの上限は特に限定されないが、実用上求められる最大値を上限とすればよく、厳格な画像再現性が求められる場合を考慮すると、画像再現環境にもよるが、例えばコントラスト2,000,000を上限としてもよく、通常の家庭用テレビの程度においては1,000,000を上限としてもよい。
本発明のカラーフィルタは、テレビ用として用いる場合は、F10光源による、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)のそれぞれ全ての単色の色度が、下記表1に記載の値(以下、本発明において「目標色度」という。)との差(ΔE)で5以内の範囲であることが好ましく、更に3以内であることがより好ましく、2以内であることが特に好ましい。
Figure 2009244301
本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La 表色系の色差で表す。
<液晶表示装置>
本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、高品位の画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明は、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。液晶表示装置を構成する各部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
例えば、図7に示すように、偏光板12,21、ガラス基板13,20、透明電極14,18、配向膜15,17、液晶層16、及びカラーフィルタ19が積層された液晶パネル21と、バックライト11とを備え、カラーフィルタ19として本発明のカラーフィルタを設けた液晶表示装置(液晶表示パネル)10とすることができる。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタは、公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
また一方で、液晶表示装置に求められる性能は画像の応答速度の向上である。応答速度の向上のために液晶の配向速度の改良がなされている。一方セルの構造面からは液晶層の厚み低減が、コストダウン上も必要である。液晶層の厚み低減に必要なもうひとつの技術は、着色画素とブラックマトリックスの境界部分での液晶の配向乱れを小さくすることである。そのため、着色画素とブラックマトリックスとの境界部分での盛り上がり(ツノ)を小さくすることが求められる。
本発明のカラーフィルタを製造する際、ブラックマトリックス形成用の感光性濃色組成物層に1.0〜8.0μmのアンダーカットを設け、その後所定の条件でポスベークを行うことで、ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θを10°〜35°の範囲で、該角度θの相対標準偏差を0.15以下とすることができる。そして、ブラックマトリックス形成後、ブラックマトリックスによって区画された各領域に感光性着色組成物層を設ける際、着色パターン(着色画素)形成用の感光性着色組成物層とブラックマトリックスとのオーバーラップ部8の距離bを1.0〜12μmとすることで、ツノを小さくすることができる。
このように、本発明のカラーフィルタでは、ブラックマトリックスと着色画素とのオーバーラップ部におけるツノが小さくなるため、オーバーラップ部での液晶の配向の乱れを低減することができ、画像表示した際の視認性も向上する。本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置では、各着色画素のブラックマトリックスとの重ね合わせ部が平坦に近くなる。オーバーラップ部の平坦性が良好になると液晶層を薄層化したり、透明電極ITOを設ける前に、研磨したり、平坦化層を付与したりする必要がなくなり、工程の合理化ひいてはコストダウン、量産性に貢献できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。また、「wt%」は「質量%」を表す。
(1)顔料分散組成物の作製
(1−1)顔料分散組成物R1の作製
下記組成の濃縮顔料R1を調製した。
顔料(ピグメントレッド254) 6.4g
塩化ナトリウム 64.0g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 6.4g
(*モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液中に塩化ナトリウム、顔料(ピグメントレッド254)の紛体、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を双腕型ニーダーに仕込み、80℃で10時間混練した。混練後80℃の1%塩酸水溶液500重量部に取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕した後、粉砕物1gに対し1−メトキシ−2−プロピルアセテート2.4gを添加混合した。上記顔料組成物をモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで1時間分散した。顔料分散組成物R1を得た。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径63nm、Mv/Mn1.88であった。
(1−2)顔料分散組成物R2の作製
前記顔料分散組成物R1の調整において、双腕型ニーダーに仕込みを90℃で3時間混練した以外は、(1−1)と同様にして顔料分散組成物R2を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径49nm、Mv/Mn2.45であった。
(1−3)顔料分散組成物R3の作製
前記顔料分散組成物R1の調整において、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散した以外は、(1−1)と同様にして顔料分散組成物R3を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径29nm、Mv/Mn1.55であった。
(1−4)顔料分散組成物R4の作製
ジメチルスルホキシド1000mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液33.3ml、顔料C.I.ピグメントレッド254:商品名イルガフォア レッド BT−CF チバ・スペシャルティケミカルズ(株)社製)50g、ポリビニルピロリドン100.0gを添加した顔料溶液Aを調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸16mlを含有した水1000mlを用意した。
ここで、18℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液Aを日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速100ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子を形成し、顔料分散液R4を調製した。この顔料分散液を、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径29nm、Mv/Mn1.29であった。
上記方法で調製した、顔料ナノ粒子分散液を日立工機(株)社製 高速遠心冷却機 HIMAC SCR20Bで、3500rpm(2000G)、1時間の条件で遠心分離し、上澄みを捨てて沈降した顔料ナノ粒子濃縮ペーストを回収した。ペーストの顔料含率をアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計を用いて測定したところ、12.5質量%であった。
上記顔料ナノ粒子調製ペースト16.0gに乳酸エチル50.0ccを加え、ディソルバーで1500rpm・60分攪拌した後住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルタを用いて、ろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液R4(ナノ顔料濃度33質量%)を得た。前記ペーストを用い、下記組成の顔料分散組成物R4を調製した。
前記ペースト状の濃縮顔料液R 4 19.5g
顔料分散剤A 0.6g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 6.4g
(* モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 45.3g
顔料分散剤Aについては特開2000−239554号公報に従い合成した。
上記組成の顔料分散組成物をモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで1時間分散した。
(1−5)顔料分散組成物R5の作製
下記のようにしてビーズ分散機を用いて、下記組成の顔料分散組成物R5を調製した。
顔料(ピグメントレッド254) 6.4g
顔料分散剤A 0.6g
ポリビニルピロリドン6g(和光純薬(株)社製、K30、分子量40,000)
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 6.4g
(*モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 45.3g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液中に、顔料(ピグメントレッド254)の紛体、ポリビニルピロリドン6g、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を投入攪拌し、混合液を得た。次にこの混合液をモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散した。(1−1)と同様に処理して、測定した粒径、単分散度は、数平均粒径82nm、Mv/Mn1.56であった。
(1−6)顔料分散組成物G1の作製
前記顔料分散組成物R1の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントグリーン36)に変更した以外は、(1−1)と同様にして顔料分散組成物G1を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径55nm、Mv/Mn1.30であった。
(1−7)顔料分散組成物G2の作製
前記顔料分散組成物R2の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントグリーン36)に変更した以外は、(1−2)と同様にして顔料分散組成物G2を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径45nm、Mv/Mn1.88であった。
(1−8)顔料分散組成物G3の作製
前記顔料分散組成物R3の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントグリーン36)に変更した以外は、(1−3)と同様にして顔料分散組成物G3を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径45nm、Mv/Mn2.30であった。
(1−9)顔料分散組成物G4の作製
前記顔料分散組成物R4の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントグリーン36)に変更した以外は、(1−4)と同様にして顔料分散組成物G4を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径37nm、Mv/Mn1.30であった。
(1−10)顔料分散組成物G5の作製
前記顔料分散組成物R5の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントグリーン36)に変更した以外は、(1−5)と同様にして顔料分散組成物G5を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径78nm、Mv/Mn1.66であった。
(1−11)顔料分散組成物B1の作製
前記顔料分散組成物R1の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントブルー15:6)に変更した以外は、(1−1)と同様にして顔料分散組成物B1を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径62nm、Mv/Mn1.66であった。
(1−12)顔料分散組成物B2の作製
前記顔料分散組成物R2の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントブルー15:6)に変更した以外は、(1−2)と同様にして顔料分散組成物B2を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径40nm、Mv/Mn2.45であった。
(1−13)顔料分散組成物B3の作製
前記顔料分散組成物R3の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントブルー15:6)に変更した以外は、(1−3)と同様にして顔料分散組成物B3を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径40nm、Mv/Mn1.68であった。
(1−14)顔料分散組成物B4の作製
前記顔料分散組成物R4の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントブルー15:6)に変更した以外は、(1−4)と同様にして顔料分散組成物B4を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径31nm、Mv/Mn2.36であった。
(1−15)顔料分散組成物B5の作製
前記顔料分散組成物R5の調整において、顔料(ピグメントレッド254)を顔料(ピグメントブルー15:6)に変更した以外は、(1−5)と同様にして顔料分散組成物B5を作成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、単分散度は、数平均粒径84nm、Mv/Mn1.70であった。
各顔料分散組成物R1〜R5、G1〜G5、B1〜B5の顔料の単分散度の測定結果を表2にまとめる。
Figure 2009244301

なお、上記顔料分散組成物R1〜R5、G1〜G5、B1〜B5の調製には下記試薬(試薬名、製造元)を用いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ピグメントレッド254(イルガフォアレッド BT−CF)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
ピグメントグリーン36
ピグメントブルー15:6
1−メチル−2−ピロリドン 和光純薬社製
ジメチルスルホキシド 和光純薬社製
2−(1−メトキシ)プロピルアセテート 和光純薬社製
1mol/l 塩酸水溶液 和光純薬社製
8mol/l 水酸化カリウム水溶液 和光純薬社製
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(2)感光性着色組成物の調製
(2−1).赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1の調製−
下記処方で赤色(R)用分散液(R−R1)を調製した。
・顔料分散組成物R1 ・・・11部
・Pigment Red 177(数平均粒径31nm、Mv/Mn1.37) ・・・4部
(粒径、単分散度は、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定)
・下記分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製)
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液) ・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=75/25[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・9部
・溶剤B:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・68部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し赤色(R)用分散液(R−R1)を得た。
得られた赤色(R)用分散液(R−R1)を用いて、下記処方で赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を調製した。
・赤色(R)用分散液(R−R1) ・・・100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製 ・・・2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・8部
・重合開始剤:4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン ・・・1部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R30 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.01部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:テトロニックR150 ADEKA社製)
・・・0.2部
・溶剤:プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート ・・・30部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・100部
上記成分を混合撹拌し、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を得た。
前記CR−1作製と同様に、顔料分散組成物R1をR2〜R5まで変更したことのみ異なるCR−2〜CR−5を作製した。
(2−2).緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1の調製−
下記処方で緑色(G)用分散液(G−G1)を調製した。
・顔料分散組成物G1 ・・・11部
・Pigment Yellow150(数平均粒径33nm、Mv/Mn1.41) ・・・7部
(粒径、単分散度は、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定)
・下記分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=85/15[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・11部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・70部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、緑色(G)用分散液(G−G1)を得た。
得られた緑色(G)用分散液(G−G1)を用いて、下記処方で緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を調製した。
・緑色(G)用分散液(G−G1) ・・・100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製) ・・・2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・ ・・8部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールのテトラ(エトキシアクリレート)・・・2部
・重合開始剤:1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラントリアジン
・・・2部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) ・・・0.5部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・120部
・溶剤:プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート ・・・30部
上記組成を混合撹拌し、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を得た。
前記CG−1作製と同様に、顔料分散組成物G1をG2〜G5まで変更したことのみ異なるCG−2〜CG−5を作製した。
(2−3).青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1の調製−
下記処方で青色(B)用分散液(B−B1)を調製した。
・顔料分散組成物B1 ・・・14部
・Pigment Violet 23(数平均粒径33nm、Mv/Mn1.45) ・・・1部
(粒径、単分散度は、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定)
・下記分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、青色(B)用分散液(B−B1)を得た。
得られた青色(B)用分散液(B−B1)を用いて、下記処方で青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を調製した。
・青色(B)用分散液(B−B1) ・・・100部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・7部
・エポキシ樹脂:(商品名セロキサイド2080 ダイセル化学工業社製) ・・・2部
・UV硬化性樹脂:(商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業社製)
(側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・12部
・重合開始剤:1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)エタノン ・・・3部
・重合禁止剤: p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) ・・・1.0部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・20部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・150部
上記成分を混合撹拌し、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を得た。
前記CB−1作製と同様に、顔料分散組成物B1をB2〜B5まで変更したのみ異なるCB−2〜CB−5を作製した。
<分散樹脂A−3の合成>
(1.連鎖移動剤A3の合成)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕(下記化合物(33))7.83部、及び吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する下記化合物(m−6)4.55部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.90部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.04部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.04部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、以下に示すメルカプタン化合物(連鎖移動剤A3)の30%溶液を得た。
Figure 2009244301
(2.分散樹脂A―3の合成)
前記のようにして得られた連鎖移動剤A3の30%溶液4.99部、メタクリル酸メチル19.0部、及びメタクリル酸1.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.66部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。この混合溶液を攪拌しながら、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.139部、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.40部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了してから、90℃で2.5時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.046部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.00部の混合溶液を投入し、更に2時間反応させた。反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル1.52部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7部を加え、室温まで冷却することで特定分散樹脂A−3(ポリスチレン換算の重量平均分子量24000)の溶液(特定分散樹脂30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル21質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49質量%)を得た。
この特定分散樹脂A−3の酸価は48mg/gであった。分散樹脂A−3の構造を以下に示す。
Figure 2009244301
(3)ブラックマトリックスの作製
(3−1)カーボン分散液(K−1)の調整
下記処方でカーボンブラック分散液(K−1)を調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 カラーブラックFW2) ・・26.7部
・分散剤(楠本化成製ディスパロンDA7500 酸価26 アミン価40)
・・・3.3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体
(分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液) ・・・10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・60部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、カーボンブラック分散液(K−1)を得た。
得られたカーボンブラック分散液(K−1)を用いて、下記表3の処方で感光性濃色組成物塗布液CK−1を調製した。表3中の数値は質量比を示す。
Figure 2009244301
表3中の各成分の詳細は下記のとおりである。
・樹脂溶液C−2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=85/15モル比)共重合体、(Mw10000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50wt%溶液)
・UV硬化性樹脂C−3:商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業(株)製〔側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)〕
・重合性化合物C−5:商品名 TO−1382 東亞合成(株)製
(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの末端OH基の一部をCOOH基に置換した5官能のアクリロイル基を有するモノマーが主成分。)
・開始剤C−7:商品名「OXE−02」 チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製
・界面活性剤C−8:商品名「メガファックR30」 大日本インキ化学工業(株)製
・溶剤:PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP=3−エトキシエチルプロピオネート
(3−2).塗布によるブラックマトリクスBM1の形成
−感光性濃色組成物層形成工程−
得られた感光性濃色組成物CK−1を、ガラス基板(コーニング社製ミレニアム 0.7mm厚、縦横1500mm×1850mm)にスリットコーター(型番HC6000、平田機工株式会社製)を用いて、ポストベーク後の膜厚が1.0μmとなるようにスリットとガラス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−プリベーク工程、露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、90℃で90秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8000、キヤノン株式会社社製)を用いて、100mJ/cmで露光した。
−現像工程−
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、24℃)でシャワー圧を0.10MPaに設定して、30秒現像した後、純水で洗浄した、現像後のブラックマトリクスを得た。ここで、SEMにて断面写真を撮ってアンダーカットの長さを測定したところ、1.5μmであった。
SEM撮影は、ブラックマトリックスの格子長辺の中央付近において、ブラックマトリックスの幅方向に、基板表面に垂直に、ブラックマトリックスを基板とともに切断して行なった。
−ベーク工程−
次いで220℃のクリーンオーブンで40分間ポストベーク処理し、着色画素形成領域の開口が90μm×200μmで、ブラックマトリックスの厚みが1.0μmで、ブラックマトリックスの線幅が約25μmの格子状ブラックマトリクス基板を形成した。
X-Rite 361T(V)(サカタインクスエンジニアリング(株)製)を用いて、出来上がったブラックマトリックスの光学濃度(OD)を測定したところ、4.0であった。
また、得られたブラックマトリックスBM1の側面の傾斜角度θは35°、相対標準偏差は0.15であった。ブラックマトリックスの側面の傾斜角度θの測定は、パネルの縦方向と横方向をそれぞれ5等分したときの16個の交点付近のブラックマトリックスを長手方向に垂直の方向(幅方向)にカットしてそれらの切断面をSEM撮影し、その断面SEM画像からブラックマトリックス(隔壁)の左右の傾斜角θを計測してその平均値を傾斜角度θとするとともに、測定値と平均値から相対標準偏差を求めた。
(3−3).塗布によるブラックマトリクスBM2の形成
前記BM1作製工程において、ブラックマトリックスをスリットコートにて塗布後、プリベーク工程で時間を100秒に変更し、現像工程で現像時の温度25℃、現像時間を45秒、シャワー圧を0.2MPaに変更し、更にベーク工程でベーク時間を60分に変更した事以外は同様にしてBM2を作製した。得られたBM2のブラックマトリックスの傾斜角度θは20°、相対標準偏差は0.11であった。
(3−4).塗布によるブラックマトリクスBM3の形成
前記BM1作製工程において、ブラックマトリックスをスリットコートにて塗布後、プリベーク工程で時間を100秒に変更し、現像工程で現像時の温度27℃、現像時間を60秒、シャワー圧を0.2MPaに変更し、更にベーク工程でベーク時間を60分に変更した事以外は同様にしてBM3を作製した。得られたBM3のブラックマトリックスの傾斜角度θは10°、相対標準偏差は0.12であった。
(3−5).塗布によるブラックマトリクスBM4の形成
前記BM1作製工程において、ブラックマトリックスをスリットコートにて塗布後、プリベーク工程で時間を100秒に変更し、現像工程で現像時の温度27℃、現像時間を50秒、シャワー圧を0.2MPaに変更し、更にベーク工程でベーク時間を60分に変更した事以外は同様にしてBM4を作製した。得られたBM4のブラックマトリックスの傾斜角度θは15°、相対標準偏差は0.089であった。
(3−6).塗布によるブラックマトリクスBM5の形成
前記BM1作製工程において、ブラックマトリックスをスリットコートにて塗布後、プリベーク工程で時間を100秒に変更し、現像工程で現像時の温度23℃、現像時間を30秒、シャワー圧を0.2MPaに変更し、更にベーク工程でベーク時間を60分に変更した事以外は同様にしてBM5を作製した。得られたBM5のブラックマトリックスの傾斜角度θは40°、相対標準偏差は0.086であった。
(3−7).塗布によるブラックマトリクスBM6の形成
前記BM1作製工程において、ブラックマトリックスをスリットコートにて塗布後、プリベーク工程でベーク温度を70℃、時間を200秒に変更し、現像工程で現像時の温度30℃、現像時間を60秒、シャワー圧を0.01MPaに変更し、更にベーク工程でベーク時間を60分に変更した事以外は同様にしてBM6を作製した。得られたBM6のブラックマトリックスの傾斜角度θは8°、相対標準偏差は0.21であった。
(3−8).塗布によるブラックマトリクスBM7の形成
前記BM1作製工程において、ブラックマトリックスをスリットコートにて塗布後、プリベーク工程でベーク温度を70℃、時間を200秒に変更し、現像工程で現像時の温度30℃、現像時間を50秒、シャワー圧を0.6MPaに変更し、更にベーク工程でベーク時間を60分に変更した事以外は同様にしてBM7を作製した。得られたBM7のブラックマトリックスの傾斜角度θは15°、相対標準偏差は0.20であった。
得られたBM1〜BM7のブラックマトリックスのテーパー形状を下記表4に整理した。
Figure 2009244301

(4)カラーフィルタの作製
(4−1) 感光性着色組成物層形成工程−CF−1の作製
前記の得られた赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、前記ブラックマトリックス基板BM1のブラックマトリックス形成面側に塗布した。具体的には、感光性濃色組成物層形成の場合と同様に、ポストベーク後の感光性着色組成物層の層厚が約2.1μmとなるようにスリットとブラックマトリックス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−着色層プリベーク工程、着色層露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8000、キヤノン株式会社製)を用いて、90mJ/cmで露光した。
また、露光パターンと、ブラックマトリックスとの重なり(露光重なり量)が8.0μmとなるようにマスクパターンと露光機を設定した。
−着色層現像工程、着色層ベーク工程−
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.2MPaに設定して45秒現像した後、純水で洗浄した。
次いで220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、熱処理済みの赤色画素を形成した。
上記感光性着色組成物層形成工程、着色層プリベーク工程、着色層露光工程、着色層現像工程、及び着色層ベーク工程において、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1に代えた他は同様にして、緑色画素を形成した。さらにその後、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1に代えた他は同様にして、青色画素を形成してカラーフィルタを得た。
また、接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、無作為に選んだ100の着色パターンの「ツノ」の高さを測ったところ、算術平均は、0.47μmであった。なお、ツノの高さ測定は、図8に示すようにして、ブラックマトリックス4の格子長辺の中央付近で、前記ブラックマトリックス4の幅方向(A方向)に触針9を動かして行った。
また、各色の画素とブラックマトリックスとで形成されたツノの高さは、着色パターンの表面のうち、オーバーラップ部の基板表面から最も離れた部分と、オーバーラップ部以外の平坦な表面部分との間の基板の法線における距離として求めた。
<液晶表示装置の作製>
上記より得たカラーフィルタのR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリックスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極を、スパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、同様にITO透明電極をスパッタリングにより形成した。そして、前記ITO透明電極上の隔壁の上方に相当する部分に柱状フォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
−液晶配向分割用突起の形成−
下記処方Aよりなる突起用感光性樹脂層用塗布液を、上記と同様のスリットコーターによりカラーフィルタ上のITO透明電極の上に塗布し、乾燥させて突起用感光性樹脂層を形成した。
〈突起用感光性樹脂層用塗布液:処方A〉
・ポジ型レジスト液 (富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、FH−2413F) ・・・53.3部
・メチルエチルケトン ・・・46.7部
・下記界面活性剤1 ・・・0.04部
(界面活性剤1)
・下記構造物1 ・・・30%
・メチルエチルケトン ・・・70%
Figure 2009244301
次に、突起用感光性樹脂層上に下記処方P1よりなる中間層用塗布液を用いて、乾燥膜厚が1.6μmの保護層を設けた。
〈中間層用塗布液:処方P1〉
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
次いで、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8000、キヤノン株式会社製)を用いて、150mJ/cmで露光した。
その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間、突起用感光性樹脂層に噴霧しながら現像し、突起用感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去した。すると、カラーフィルタのITO透明電極の上の、R画素、G画素、及びB画素の上方に位置する部分に、所望形状にパターニングされた突起が形成された。次いで、この突起が形成されたカラーフィルタ基板を240℃下で50分間ベーク処理することにより、カラーフィルタ上に高さ1.5μm、縦断面形状(ガラス基板面の法線方向と平行な面の形状)が蒲鉾様の配向分割用突起を形成することができた。
その後、カラーフィルタの着色画素群の周囲を取り囲むように設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、MVAモード用液晶を滴下して対向基板と貼り合わせ、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして液晶セルを得た。この液晶セルの両面に(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付け、次いで冷陰極管のバックライトを構成して前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
(4−2).感光性着色組成物層形成工程−CF−2〜11の作製
前記CF−1の作製において表5記載のブラックマトリックスおよび、感光性着色組成物塗布液を用いてCF−2〜11を作製した事のみ異なるカラーフィルタを作製し、以降同様に液晶表示装置まで作製を行った。
Figure 2009244301
−液晶表示装置の画質評価−
[ムラ評価]
液晶表示装置に通電して各種表示画像を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。結果は下記表6に示す。
〈評価基準〉
◎ :ムラが無く、表示が非常に鮮やかで迫力があると感じる。
○ :ムラが無く、表示が鮮やかで迫力があると感じる。
△ :ムラは無いが、表示に迫力を感じない
× :ムラがあったり、白っぽく見えたりして、観賞に耐えない。
[色鮮やかさ]
実施例および比較例で作製したカラーフィルタを用いて液晶表示装置を組み上げ、生花の静止画像を表示した。その画像の色鮮やかさについて、被験者50人に5点満点で評点をお願いした。その平均点を下記のように区別して表6に示した。見る観点としては、画面の明るさと細部のライン等の見えやすさで、点数評価を行った。
◎・・・4.0以上〜5.0以下・・・非常に明るく、細部まではっきり美しく見える
○ ・・・3.0以上〜4.0未満
×・・・2.0以上〜3.0未満・・・暗く、細かい描写がぼやけて見える
[グレー表示時のピッチ状のムラ]
グレー表示した際の濃淡によるピッチ状の縞模様の有無を確認。その結果を下記のように区別して表6に示した。
◎・・・縞状のムラは全く無く問題ないレベル。
○・・・縞状のムラは検出されないが、周辺部に僅かにムラが見られる。
×・・・縞状のムラがピッチ状に見られる。
〔コントラストの測定方法〕
バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板((株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518)の間にカラーフィルタを設置し、偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のY値を、クロスニコルに設置したときに通過する光の色度のY値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン社製BM−5)を用いた。
2枚の偏光板、カラーフィルタ、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mm〜60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/mになるように設定した。その結果を下記のように表6に示した。
Figure 2009244301

CF10,11の結果から、カラーフィルタのコントラストが低いとブラックマトリックスのテーパー形状の角度によらず、ピッチ状のムラの発生は気にならないが、パネルコントラストが高いとピッチ状のムラは顕著に現れる。一方、本発明のカラーフィルタはいずれも、色鮮やかさ、表示ムラ、及びピッチ状のムラの発生も無く、優れた表示特性を示した。
基板上に形成したブラックマトリックスのパターンの一例を示す概略平面図である。 着色画素のパターンの一例を示す概略平面図である。 カラーフィルタのオーバーラップ部を概略的に示す部分断面図である。 カラーフィルタのオーバーラップ部のツノを概略的に示す部分断面図である。 アンダーカットが設けられたブラックマトリックスの部分断面図である。 アンダーカットが設けられたブラックマトリックスの部分断面図である。 液晶表示装置の一例を示す概略構成図である。 ツノの高さを求めるための測定方法の概念図である。
符号の説明
2 基板
4 ブラックマトリックス(感光性濃色組成物層)
6 着色パターン(感光性着色組成物層)
8 オーバーラップ部
10 液晶表示装置

Claims (10)

  1. 基板上に、ブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスにより区画された2色以上の着色画素が形成されているカラーフィルタであって、
    コントラストが5000以上であり、かつ、
    前記ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記ブラックマトリックスを構成する隔壁と着色画素とのオーバーラップ部の距離が1.0〜12μmであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記基板が、1辺の長さが1m以上の矩形状のものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記着色画素が有機顔料を含み、該有機顔料の数平均粒径が50nm以下であり、かつ、該有機顔料の(体積平均粒径/数平均粒径)が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記着色画素が顔料を含み、該顔料の少なくとも一種がC.I.ピグメントグリーン36であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記着色画素が顔料を含み、該顔料の少なくとも一種がC.I.ピグメントレッド254であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
  7. 前記着色画素が顔料を含み、該顔料の少なくとも一種がC.I.ピグメントブルー15:6であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のカラーフィルタを製造する方法であって、
    基板上に感光性濃色組成物層を形成する工程と、
    前記基板上に形成した感光性濃色組成物層を露光する工程と、
    前記露光後の感光性濃色組成物層を現像することにより、アンダーカットの長さが1.0〜8.0μmの隔壁により構成されるブラックマトリックスを形成する工程と、
    前記ブラックマトリックスをベークすることにより、該ブラックマトリックスを構成する隔壁の側面と底面との成す角度θが10°〜35°の範囲にあるとともに、該角度θの相対標準偏差が0.15以下であるブラックマトリックスに熱変形させる工程と、
    前記ブラックマトリックスにより区画された各領域に着色画素を設ける工程と、
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  10. 顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、前記良溶媒と相溶性を有し、かつ、前記顔料に対して前記良溶媒よりも溶解性が低い貧溶媒とを混合して前記顔料を有機顔料粒子として生成させ、該有機顔料粒子を前記着色画素中に含有させることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
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