JP5058620B2 - カラーフィルタ - Google Patents

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本発明は、液晶表示素子(LCD)等に用いられるカラーフィルタに関する。
従来液晶パネルの作製に当たって液晶の厚みを均一にするため、プラスチックビーズ、セラミックビーズやガラスビーズなどのボールスペーサと呼ばれる微細で大きさが均一な有機・無機の粒子をカラーフィルタ基板とアレイ基板との間に挟み、2枚の基板間距離(セルギャップともいう)を制御していた。この方法では、セル作製後の液晶を注入するため、画面の大型化に伴いセルのサイズが大きくなると、液晶注入工程に多大な時間を要し、パネル製造において生産性の劣るものとなっていた。
また、スペーサ粒子を散布する工程は、製造工程を汚染するため隔離することが必要であったり、スペーサ粒子の散布を均一にするのは難しく、セルギャップが表示領域全域で一定にできないなどの問題があった。また、着色画素部に存在するボールスペーサのために、パネルの透過率・コントラスト等の低下を招き、画面を指でタッチしたときに色滲みが生じたりして、画質のためにも好ましいものではなかった。
そこで、カラーフィルタ基板及び若しくはアレイ基板に柱状の高さが均一なスペーサをフォトリソ法で形成することが提案されている(例えば、引用文献1及び2参照。)。
この方法で形成されたフォトスペーサの場合、時間のかかる液晶注入法に代えて、液晶滴下法(one drop filling:略称ODF)が適用され、生産性を大幅に向上させることが知られている。具体的には、フォトスペーサを形成したカラーフィルタ基板、若しくはアレイ基板に液晶を滴下し平準化した後にアレイ基板、若しくはカラーフィルタ基板を貼り合わせてパネルを作製する方法が用いられる。
また、フォトリソ法でスペーサを形成する方法として、生産性の向上を図る点から、カラーフィルタ基板上に、着色画素部を形成すると共に、着色感光性組成物から形成される着色層を積層してスペーサを同時に形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4、及び5参照)。
しかしながら、着色層を積層してスペーサを形成する方法では、2層目以降を形成するための着色感光性組成物の塗布が、先に形成した面積の小さいスペーサパターン上に行われるため、厚みムラが生じやすく、また、着色画素部と同様の厚みの着色層が得られないといった問題があり、厚みの均一性を制御することが難しいという課題を有している。特に、スペーサの高さ(セルギャップ)は液晶層の厚みを制御するものであるため、スペーサの厚みムラがあると液晶層の厚みによる液晶の配向ムラを生じ、画像の表示ムラが生じることになる。
特に、カラーフィルタを用いた液晶表示装置は、テレビに代表されるように動画の画質向上=表示応答速度の向上のために液晶材料そのものの開発が進んでいるが、一方、パネルとして表示速度向上のためにセルギャップを狭くすることが必要となってきている。このためには、大画面でもスペーサの基板内、基板間の均一性(高さ、形状など)が必要かつ重要である。
特開2002−20442号公報 特開平10−82909号公報 特開2003−15119号公報 特開2003−84118号公報 特開2006−184505号公報
本発明は、上記の従来技術の諸欠点を改良するためになされたものであり、本発明の目的は、セルギャップを均一にするための精度の高いスペーサを有するカラーフィルタを安価に提供することにある。
上記の課題を解決する手段は以下の通りである。
即ち、本発明のカラーフィルタは、支持体上に、遮光部と、異なる分光特性を有する複数色の着色画素部と、前記遮光部上に分光特性の異なる2色以上の着色層を、前記遮光部側から波長365nmの透過率及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に積層してなるスペーサと、を有し、該スペーサが以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすことを特徴とする。
(a)高さ方向に沿った断面形状が、遮光部側から高さ方向に先細りの略台形
(b)遮光部からの高さが2.0〜4.0μm
(c)底面積が50〜200μm
(d)2/3の高さにおいて水平に切断した場合の断面積が25〜130μm
本発明のカラーフィルタにおいて、遮光部の光学濃度が4.0以上であり、且つ、その膜厚が0.1μm以上1.2μm以下であると共に、着色画素部の膜厚が1.2μm以上2.4μm以下であることが好ましい態様である。
本発明のカラーフィルタにおいて、着色画素部、及びスペーサが、(A)着色剤と、(B)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位を含む重合体、及び、下記一般式(a)で表される構造単位を含む重合体からなる群より選択され、酸価20〜300mg/gであり、且つ、重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある1種以上の高分子分散剤と、を含有することが好ましい。
[上記一般式(1)中、Aは、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のA、Rは、それぞれ独立に、同一であっても、異なっていてもよい。Rは(m+n)価の有機連結基を表し、ここで、mは1〜8、nは2〜9を表し、3<(m+n)<10を満たす。また、Rは単結合或いは2価の有機連結基を表す。Pは高分子骨格を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。]
[上記一般式(I)中、R01は、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R02は、アルキレン基を表す。Wは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Xは−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、−NHCO−から選ばれるいずれかを表す。Yは、NR03、O、Sから選ばれるいずれかを表し、R03は水素原子、アルキル基、若しくはアリール基を表す。式中、NとYは互いに連結して環状構造を形成する。m1、n1はそれぞれ独立に0又は1である。]
[上記一般式(a)中、R1aは水素又はメチル基を表し、R2aはアルキレン基を表し、Zは含窒素複素環構造を表す。]
また、本発明においては、上記の(A)着色剤、及び(B)高分子分散剤に加え、下記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群から選択される少なくとも1種のノニオン界面活性剤を含有することがより好ましい態様である。
[上記一般式(A)〜一般式(D)中、(Styryl)は、ph−CH=CH−を表し(benzyl)は、ph−CH−を表す。ここで、phはフェニル基である。POは、プロピレンオキサイドを表し、EOは、エチレンオキサイドを表す。nは1〜3、mは7〜30、lは0〜10、aは0〜20、bは0〜20、cは6〜30、xは5〜100、yは20〜100の範囲の整数をそれぞれ表す。なお、x、yは、0.1≦x/y≦2.0を満たす。一般式(C)、及び一般式(D)中に存在している4個のx及びyは、それぞれ同一、又は異なった整数である。]
本発明のカラーフィルタは、遮光部が形成された支持体上に、着色硬化性組成物を塗布して硬化性組成物層を形成する工程と、該硬化性組成物層に対し、露光、現像を行い、着色画素部を形成すると同時に、着色層を形成する工程と、所定の回数繰返すことで作製することができる。
本発明のカラーフィルタは、遮光部上に分光特性の異なる2色以上の着色層を、前記遮光部側から波長365nmの透過率及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に積層してなるスペーサを有し、該スペーサが前記(a)〜(d)の条件を全て満たすこと要する。
このように、遮光部からの高さ方向に先細りの形状を有するスペーサを有することで、このカラーフィルタ(基板)をアレイ基板と貼り合わせたときにスペーサが適度に変形することができるので、より均一なセルギャップを確保することができる。また、パネルを作製した後に、外部からの変形に柔軟に対応し、また、変形を加えた外力がなくなったときに原形に回復することができる。
また、本発明におけるスペーサは、前記(a)〜(d)の条件を全て満たすことから、下層の方が大きいテーパ状の着色層の積層物である。そのため、上層となる着色層を形成する際して、塗布液を塗布する時に急激な段差によって生じる空気巻き込み等による発泡が発生しにくく、均一な厚みの着色層が得られやすい、などの利点がある。
本発明によれば、セルギャップを均一にするための精度の高いスペーサを有するカラーフィルタを安価に提供することができる。
その結果、このカラーフィルタを用いることで、色滲みがなく、透過率、コントラストが高く、画質の良好な表示装置を安価に得ることができる。
以下、本発明のカラーフィルタについて詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、遮光部と、異なる分光特性を有する複数色の着色画素部と、前記遮光部上に分光特性の異なる2色以上の着色層を、前記遮光部側から波長365nmの透過率及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に積層してなるスペーサと、を有し、該スペーサが以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすことを特徴とする。
(a)高さ方向に沿った断面形状が、遮光部側から高さ方向に先細りの略台形
(b)遮光部からの高さが2.0〜4.0μm
(c)底面積が50〜200μm
(d)2/3の高さにおいて水平に切断した場合の断面積が25〜130μm
上述のように、本発明のカラーフィルタは、特定の形状のスペーサを有することを特徴とする。以下、本発明におけるスペーサの形状についての条件(a)〜(d)について詳細に説明する。
本発明におけるスペーサは(a)高さ方向に沿った断面形状が、遮光部側から高さ方向に先細りの略台形であることを要する。ここで、スペーサの「高さ方向に沿った断面形状」とは、パターンの断面プロファイルであり、通常は切断したカラーフィルタを横方向から透過型電子顕微鏡を用いて観察される。また、「略台形」とは、支持体上の遮光部に接触している側(下底)から離れるほどスペーサ(柱状構造)の高さ方向に沿った断面積が小さくなる形状を意味している。スペーサ(柱状構造)の先端が丸みを帯びていてもよい。
なお、セルギャップの均一性を得るために、スペーサの先端(上底部)が小さいことが好ましく、特に好ましくは、先端が球状のものである。スペーサの先端が球状であれば、パネルに貼り合わせたときに接応力で変形しやすく、スペーサ高さの小さい不均一性を吸収することができ、好ましい。
更に、本発明におけるスペーサの支持体と水平方向における断面形状は、特に限定されず、円形、楕円形、長円形、正方形、長方形、三角形、その他の多角形(角が丸みを帯びたものを含む)など、適宜、選択できる。
本発明におけるスペーサは(b)遮光部からの高さが2.0〜4.0μmであることを要し、2.5〜3.5μmであることが好ましい。
スペーサの高さがこの範囲であると、液晶表示装置に適用した際に、液晶を遮光するのに充分であり、また、液晶の応答速度を確保できるので動画を表示するのに適当な液晶厚みが得られる。
本発明におけるスペーサは(c)底面積が50〜200μmであることを要し、50〜150μmであることが好ましい。ここで、スペーサの「底面積」とは、1つのスペーサを構成する最下層の着色層が遮光部を被覆している領域の面積を意味する。
スペーサの底面積がこの範囲であると、着色層を積層する際、次液の塗布故障が発生しにくく、現像時のパターン形成性が良好で剥落もなく、次工程での配向膜を塗設し、配向膜のラビング工程での故障を排除できる。また、着色画素部の面積を大きくできるので開口率の高い明るい画像を提供できる。
本発明におけるスペーサは(d)2/3の高さにおいて垂直に切断した場合の断面積が25〜130μmであることを要し、25〜100μmであることが好ましい。ここで、「2/3の高さにおいて水平に切断した場合の断面積」とは、スペーサの高さの2/3に相当する位置において、該スペーサを水平に切断した際の断面積を意味する。
この断面積が上記範囲であると、スペーサのテーパ状(遮光部からの高さ方向に先細りの形状)が確保され、且つ、先細りが急ではないので、パネルを作製した際に、その外力による変形を小さくできるので、良好な画質が得られる。また、上述したように、次液の塗布工程、配向膜の塗布工程、配向膜のラビング工程での故障を防止できる。
前記条件(a)は、カラーフィルタを切断しその断面を透過型電子顕微鏡で観察することにより、また、レーザー顕微鏡で観察することで確認する。
また、前記条件(b)〜(d)は、上記観察で得られた画像から測定することができる。
なお、本発明において、前記条件(b)〜(d)の数値は、形成されたカラーフィルタ上の各測定ポイントのスペーサを5(個)以上、上記の方法で測定し、その数値を平均したものを意味する。
本発明のカラーフィルタには、前述のように、遮光部からの高さ方向に先細りの形状を有するスペーサを有する。このスペーサは、セルギャップを均一にするための精度の高いものであると共に、以下のような効果を有するものである。
即ち、このスペーサの形状により、積層される着色層もテーパ状となることで、次の着色硬化性組成物液の塗布、配向膜の塗布での泡発生がなく均質な塗布ができる。
また、透明電極膜の付与が連続的にできるので、ITOの断線が発生しないといった効果を有する。
更に、本発明のカラーフィルタを用いて液晶表示装置を得る際に、配向膜を塗設した後のラビング処理が行われるが、本発明におけるスペーサは、遮光部に接触する面が大きいため、遮光部に対する密着力が大きく、また、遮光部からの高さ方向に先細りの形状であることによってラビングの毛を掻き分けてラビング処理がされるので、スペーサ近傍での配向が均質になり、また、スペーサの欠けや、剥落を防止することができる、といった効果をも有する。
上述のようなスペーサは、本発明のカラーフィルタの着色画素部の総数の5〜30%の範囲で設けられていることが好ましく、10〜25%の範囲であることがより好ましい。 この範囲でスペーサが設けられていることで、パネルに外力が加わったとき変形に柔軟に追随でき、且つ、セルギャップを均質に保つことができる。
また、本発明のカラーフィルタの遮光部は、光学濃度(OD値)が4.0以上であることが好ましく、4.5以上であることがより好ましく、上限値として好ましくは6.0以下である。
遮光部の光学濃度が4.0以上であることで、バックライト光を遮光し、隣接する他の着色画素部からの迷光を遮り、コントラストの高い画像を得ることができる。
なお、ここで言う光学濃度とは、実施例に記載の方法で測定した光学濃度(OD値)をいう。
本発明のカラーフィルタの遮光部の膜厚は0.1〜1.2μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1.0μmの範囲であることがより好ましい。
遮光部の膜厚が0.1〜1.2μmの範囲にあることで、オーバーラップした着色画素部の周縁部が、現像後、或いは、ポストベーク処理後に着色画素部上面より厚くなる(いわゆる、角)現象を防止できる。角ができると液晶の配向が乱れ、好ましい画像が得られない。この現象防止には遮光層は薄層であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタの着色画素部の膜厚は1.2〜2.4μmの範囲であることが好ましく、1.5〜2.4μmの範囲であることがより好ましい。
着色画素部の膜厚が1.2〜2.4μmの範囲にあることで、均一な膜厚の塗布が容易にでき、現像でのパターニング性が良好である。また、角発生のない、或いは角の大きさが小さい着色画素部が形成でき、良好な画質のパネルを得ることができる。
また、本発明のカラーフィルタの着色画素部のC光源での色純度が、NTSC方式の3原色色度点の面積(100)に対して50〜110の範囲であることが好ましく、60〜85の範囲であることがより好ましい。
着色画素部の色純度が上記の範囲にあることで、色再現性の良好な自然色に近い画質が得られ、バックライト光源との組み合わせで自然色の画像を得ることができる。本発明のカラーフィルタは、使用の範囲を上記の色純度に限定されるものではないが、特に、上記色純度範囲で好ましい結果となる。
ここで、着色画素部の色純度とはCIE表色系において、NTSC方式の3原色色度点の面積(100)に対して、当該色度(今の場合はRGBのカラーフィルタ)の大きさを表したものを意味し、JIS−Z−8701に準拠して、市販の測色色度計を用いて、測定することができる。本発明においては、着色画素部のバックライトのC光源で測定したものを指す。
本発明では、スペーサは、分光特性の異なる2色以上の着色層を、前記遮光部側から波長365nmの透過率及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に積層してなる。つまり、支持体に近い側の着色層ほど、波長365nmの透過率及び波長405nmに対する感度が高い硬化性組成物により形成される。
ここで、波長365nm及び波長405nmは、着色層を形成する際に用いられる一般的な光源、i線(365nm)、h線(405nm)の波長であり、これらの露光波長域での感度が高い硬化性組成物は、硬化性が良好となる。このように、上記の波長に対する感度が高い硬化性組成物を用いて着色層を形成した場合、耐現像性に優れることから、裾の広がった柱状(即ち、高さ方向に沿った断面形状が高さ方向に先細りの台形)の着色層が形成され易い。
裾の広がった柱状の着色層が形成されると、次の着色層を形成するための硬化性組成物の塗布が容易となり、次の塗布液が着色層上に残りやすくなるため、塗布ムラを抑制することができ、着色層の厚みを制御することが容易になる。
また、1色目の着色層上に、次の着色層を形成するための硬化性組成物の塗布した後に露光した場合には、下層(1色目の着色層)にも露光光が透過し、更に硬化反応が進行することになる。その結果、2層ないし3層の積層した状態のスペーサは、全体で、前述の(a)に示された条件のように、台形形状になるため、スペーサの高さ(セルギャップ)をコントロールし易くなる。
本発明のカラーフィルタは、前述のように、異なる分光特性を有する複数色の着色画素部と、分光特性の異なる2色以上の着色層を、前記遮光部側から波長365nmの透過率及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に積層してなるスペーサと、を有する。この着色画素部とスペーサとは、それぞれ、異なる分光特性を有する複数色の硬化性組成物を用いて形成されるものである。また、製造性の観点からは、着色画素部を形成するために用いられる硬化性組成物により、スペーサが形成されることが好ましい。つまり、複数の着色画素部を形成するために用いられる、異なる分光特性を有する複数色の硬化性組成物は、同時に、スペーサを構成する2色以上の着色層を形成する際にも用いられることが好ましい。
以下、本発明のカラーフィルタにおける着色画素部、及びスペーサを形成する際に用いられる、異なる分光特性を有する複数色の硬化性組成物(着色硬化性組成物)について説明する。
〔着色硬化性組成物〕
本発明における着色硬化性組成物は、感放射線性組成物であり、特に光による硬化に適しており、(A−1)着色剤、(B−1)高分子分散剤、(C−1)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有することが好ましく、更に、所望によりその他の成分を含んでいてもよい。
以下、各成分について説明する。
<(A−1)着色剤>
本発明における着色硬化性組成物には、(A−1)着色剤が含有される。この着色剤の種類を変えることで、異なる分光特性を有する複数色の硬化性組成物を得ることができる。
(A−1)着色剤としては、としては顔料が好ましく用いられる。用いられる顔料としては、無機顔料であっても、有機顔料であってもよいが、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく粒子サイズの小さいものの使用が好ましく、平均一次粒子径は、10〜100nmであることが好ましく、更に好ましくは.10〜50nmの範囲である。
なお、着色剤(顔料)のサイズが小さい場合であっても、後述する特定の(B−1)高分子分散剤を併用することで、顔料分散性、分散安定性が良好となり、薄くても色純度に優れる着色画素部を形成しうる。
着色硬化性組成物に用いうる無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物等を挙げることができる。
また、着色硬化性組成物に用いうる有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220,224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 37,39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1;
或いは、緑、青の顔料として、特開2001−133620号公報、同2003−161821号公報に記載の銅以外の金属のフタロシアニン、特開2005−241928号公報に記載のナフタロシアニン、特開2003−4930号公報に開示されたアルミフタロシアニン、特開2004−10838に記載のサブフタロシアニン顔料等を用いることができる。
本発明においては特に限定されるものではないが、下記の顔料がより好ましい。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 37,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
或いは、緑、青の顔料として、特開2001−133620号公報、同2003−161821号公報に記載の銅以外の金属のフタロシアニン、特開2003−4930号公報に記載のアルミフタロシアニンである。
これら有機顔料は、単独、若しくは、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも一種と、ビスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料との混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント レッド155、C.I.ピグメント レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント イエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:50が好ましい。特に、前記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を、単独又は併用で、或いは、これとビスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができ、黄顔料は2種以上を併用してもよい。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント グリーン7、36、37とC.I.ピグメント イエロー83、C.I.ピグメント イエロー138、C.I.ピグメント イエロー139、C.I.ピグメント イエロー150、C.I.ピグメント イエロー180又はC.I.ピグメント イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えば、C.I.ピグメント ブルー15:6とC.I.ピグメント バイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
本発明の着色硬化性組成物中における(A−1)着色剤(顔料)の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、25〜75質量%が好ましく、32〜70質量%がより好ましい。(A−1)着色剤(顔料)の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
<(B−1)高分子分散剤>
本発明における着色硬化性組成物に(A−1)着色剤として顔料が用いられる場合、該顔料の分散剤として、下記に示す(B−1)高分子分散剤を併用することが好ましい。
本発明における(B−1)高分子分散剤は、酸価20〜300mg/gであり、且つ、重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある化合物であることが好ましい。
(B−1)高分子分散剤は、前述のように、特定の酸価を有することが好ましい態様であるため、酸性基を有する高分子化合物であることが好ましい。
この高分子化合物の高分子骨格としては、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体が特に好ましい。
また、上記のような高分子骨格に酸性基の導入する方法としては、例えば、上記の高分子骨格を重合する際に酸性基を含有するモノマーを共重合する方法や、また、上記の高分子骨格を重合後に高分子反応により導入する方法が挙げられる。
酸性基を含有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステル、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマーなどが挙げられる。
これらの中でも、好ましいモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマー等が挙げられる。ここで用いる環状酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水トリメット酸などが挙げられるが、特に無水フタル酸、無水コハク酸等が好ましい。
更に、酸性基を有する高分子化合物は、更に、ビニルモノマー成分を共重合してなるものであってもよい。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなビニルモノマーとしては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt-Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記の化合物の以外にも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えばビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
更に、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級或いは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級或いは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
更に下記に示すような重合性オリゴマーをビニルモノマーとみなして用いてもよい。
重合性オリゴマー(以下「マクロモノマー」と称することがある)は、エチレン性不飽和二重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。本発明においては、上記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両末端の一方にのみ上記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有するのが好ましい。
上記重合性オリゴマーの分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのがより好ましい。上記数平均分子量が、1000未満であると、分散剤としての立体反発効果が十分でないことがあり、20000を超えると、立体効果により、着色剤(顔料)への吸着に時間を要することがある。
上記オリゴマーとしては、一般的には、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びブタジエンから選択された少なくとも一種のモノマーから形成された単独重合体又は共重合体などが挙げられ、これらの中でも、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体、ポリスチレンなどが好ましい。本発明において、これらのオリゴマーは、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、特に制限はないが、例えば、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。
上記のビニルモノマーは一種のみで重合させてもよいし、二種以上を併用して共重合させてもよく、このようなラジカル重合体は、それぞれ相当するビニルモノマーを公知の方法で常法に従って重合させることで得られる。
例えば、これらのビニルモノマー、及び連鎖移動剤を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して、約50℃〜220℃で、溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる単量体、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
本発明における(B−1)高分子分散剤は、前述のように、酸価が20〜300mg/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは、30〜250mg/gの範囲であり、更に好ましくは、30〜200mg/gの範囲である。
(B−1)高分子分散剤の酸価がこの範囲であると、顔料の分散性、分散安定性に優れ、また、アルカリ現像性にも優れる。
また、(B−1)高分子分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは、3,000〜70,000の範囲であり、更に好ましくは、5,000〜50,000の範囲である。
(B−1)高分子分散剤の重量平均分子量がこの範囲であると、顔料の分散時間の短縮、及び分散物の経時安定性の観点で好ましい。
また、本発明における(B−1)高分子分散剤としては、顔料吸着性基を高分子末端に2〜100個有する高分子化合物、又は、含窒素複素環を有し、且つ、エチレン性不飽和基を有する単量体を共重合単位として含む高分子化合物であることが好ましい。
以下、この2つの高分子化合物について具体的に説明する。
(B−1)高分子分散剤としての顔料吸着性基を高分子末端に2〜100個有する高分子化合物としては、前述のような特定の酸価及び重量平均分子量を有し、且つ、顔料吸着性基を高分子末端に2〜100個有する高分子化合物であれば、特に制限されないが、以下のものであることが好ましい。
即ち、顔料吸着性基を高分子末端に4〜70個有する高分子化合物が好ましく、更には、顔料吸着性基を高分子末端に5〜50個有する高分子化合物が好ましい。また、顔料吸着基としては、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性基などが好ましい。これらの中でも、後述の一般式(1)で表される高分子化合物であることが好ましい。
(B−1)高分子分散剤としての含窒素複素環を有し、且つ、エチレン性不飽和基を有する単量体を共重合単位として含む高分子化合物としては、前述のような特定の酸価及び重量平均分子量を有すると共に、含窒素複素環を有し、且つ、エチレン性不飽和基を有する単量体を共重合単位として含む高分子化合物であれば、特に制限されないが、以下の含窒素複素環を有するものが好ましい。
好ましい含窒素複素環としては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、カルバゾールが挙げられる。
中でも、後述する一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位を含む重合体、又は、一般式(a)で表される構造単位を含む重合体であることが好ましい。
以下、本発明における(B−1)高分子分散剤として好適な、(B−1−1)一般式(1)で表される高分子化合物、(B−1−2)一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位を含む重合体、及び、(B−1−3)一般式(a)で表される構造単位を含む重合体について説明する。
[(B−1−1)一般式(1)で表される高分子化合物]
まず、下記一般式(1)で表される高分子化合物(以下、適宜、「(B−1−1)特定高分子分散剤」と称する。)について説明する。
前記一般式(1)中、Aは、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のAは同一であっても、異なっていてもよい。
つまり、前記Aは、有機色素構造、複素環構造のような顔料に対する吸着能を有する構造や、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基のように、顔料に対する吸着能を有する官能基を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
なお、以下、この顔料に対する吸着能を有する部位(上記構造及び官能基)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。
前記吸着部位は、1つのAの中に、少なくとも1種含まれていればよく、2種以上を含んでいてもよい。
また、本発明において、「吸着部位を少なくとも1種含む1価の有機基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、及び0個から40個までの硫黄原子から成り立つ有機連結基と、が結合してなる1価の有機基である。なお、吸着部位自体が1価の有機基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがAで表される一価の有機基であってもよい。
まず、前記Aを構成する吸着部位について以下に説明する。
前記「有機色素構造」としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造が好ましい例として挙げられ、フタロシアニン系、アゾレーキ系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系の色素構造がより好ましく、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジケトピロロピロール系の色素構造が特に好ましい。
また、前記「複素環構造」としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが好ましい例として挙げられ、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンがより好ましい。
なお、前記「有機色素構造」又は「複素環構造」は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から20までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。ここで、これらの置換基は、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される連結基を介して有機色素構造又は複素環と結合していてもよい。
前記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
また、前記「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、及びR10は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、及びR10は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、前記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、前記式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などがより好ましい。
特に、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、及びR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、前記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、前記式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
前記「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR1617(ここで、R15、R16、及びR17は各々独立に、水素原子或いは、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15及びR17は各々独立に、水素原子或いは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は水素原子或いは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
前記「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR2223(ここで、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基
、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
前記「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
前記「炭素数4以上の炭化水素基」としては、炭素数4以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基などが好ましい例として挙げられ、炭素数4〜20アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などがより好ましく、炭素数4〜15アルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基など)、炭素数6〜15のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、炭素数7〜15のアラルキル基(例えばベンジル基など)などが特に好ましい。
前記「アルコキシシリル基」としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
前記吸着部位と結合する有機連結基としては、単結合或いは、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ有機連結基が好ましく、この有機連結基は、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
この有機連結基の具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
前記有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
上記の中では、前記Aとして、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、及び炭素数4以上の炭化水素基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基であることが好ましい。
前記Aとしては、下記一般式(4)で表される1価の有機基であることがより好ましい。
前記一般式(4)中、Bは前記吸着部位(即ち、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部位)を表し、R24は単結合或いは(a+1)価の有機連結基を表す。aは、1〜10の整数を表し、a個のBは同一であっても、異なっていてもよい。
前記Bで表される吸着部位としては、前述の一般式(1)のAを構成する吸着部位と同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
中でも、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、及び炭素数4以上の炭化水素基から選択される部位が好ましい。
24は、単結合又は(a+1)価の有機連結基を表し、aは1〜10を表す。好ましくは、aは1〜7であり、より好ましくは、aは1〜5であり、特に好ましくは、aは1〜3である。
(a+1)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記(a+1)価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
24としては、単結合、又は、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の有機連結基が好ましく、単結合、又は、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の有機連結基がより好ましく、単結合、又は、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の有機連結基が特に好ましい。
上記のうち、(a+1)価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(1)中、Rは単結合或いは2価の有機連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。
2価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記2価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
としては、単結合、或いは、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基が好ましく、単結合、或いは、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基がより好ましく、単結合、或いは、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基が特に好ましい。
上記のうち、2価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(1)中、Rは、(m+n)価の有機連結基を表す。ここで、mは1〜8、nは2〜9を表し、3<(m+n)<10を満たす。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記(m+n)価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
(m+n)価の有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から40個までの酸素原子、1個から120個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ基が好ましく、1から50個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から30個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ基がより好ましく、1から40個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から20個までの酸素原子、1個から80個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ基が特に好ましい。
上記のうち、(m+n)価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の有機連結基は下記の基である。
前記一般式(1)中、mは1〜8を表す。mとしては、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、前記一般式(1)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
前記一般式(1)中、Pは高分子骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
ポリマーの中でも、高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体が特に好ましい。
更には、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、例えば、顔料分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリル、酸性基を有するビニルモノマーなどが好ましい。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸―2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸―2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸―1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸―2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル及びフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級或いは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級或いは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
前記酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる。
前記一般式(1)で表される高分子化合物の中でも、下記一般式(2)で表される高分子化合物が好ましい。
前記一般式(2)において、Aは、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のAは同一であっても、異なっていてもよい。
なお、Aは、前記一般式(1)における前記Aと同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)において、R、Rは各々独立に単結合或いは2価の有機連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。
、Rで表される2価の有機連結基としては、前記一般式(1)のRで表される2価の有機連結基として挙げられたものと同一のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)において、Rは、(m+n)価の有機連結基を表す。ここで、mは1〜8、nは2〜9を表し、3<(m+n)<10を満たす。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基として、具体的には、前記一般式(1)のRで表される(m+n)価の有機連結基として挙げられたものと同一のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)中、mは1〜8を表す。mとしては、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、前記一般式(2)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
また、一般式(2)中のPは、高分子骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。ポリマーの好ましい態様については、前記一般式(1)におけるPと同様である。
前記一般式(2)で表される高分子化合物のうち、以下に示すR、R、R、P、m、及びnを全て満たすものが最も好ましい。
:前記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
:単結合或いは、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の有機連結基(置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。)
:単結合、エチレン基、プロピレン基、下記基(a)、又は下記基(b)
なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
:ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー及びこれらの変性物
m:1〜3
n:3〜6
(合成方法)
前記一般式(1)で表される高分子化合物(一般式(2)で表されるものを含む)は、特に制限されないが、下記方法などにより合成することができる。
1.カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等から選択される官能基を末端に導入したポリマーと、複数の前記吸着部位を有する酸ハライド、複数の前記吸着部位を有するアルキルハライド、或いは複数の前記吸着部位を有するイソシアネート等と、を高分子反応させる方法。
2.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の前記吸着部位を有するメルカプタンと、をマイケル付加反応させる方法。
3.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、前記吸着部位を有するメルカプタンと、をラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
4.末端に複数のメルカプタンを導入したポリマーと、炭素−炭素二重結合と前記吸着部位を有する化合物と、をラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
5.複数の前記吸着部位を有するメルカプタン化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合する方法。
上記のうち、本発明における(B−1−1)特定高分子分散剤は、合成上の容易さから、2、3、4、5の合成方法が好ましく、3、4、5の合成方法がより好ましい。特に、(B−1−1)特定高分子分散剤が一般式(2)で表される構造を有する場合、合成上の容易さから、5の合成方法で合成することが最も好ましい。
前記5の合成方法として、より具体的には、下記一般式(3)で表される化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合させる方法が好ましい。
前記一般式(3)において、R、R、A、m、及びnは、それぞれ前記一般式(2)におけるR、R、A、m、及びnと同義であり、その好ましい態様も同様である。
前記一般式(3)で表される化合物は、以下の方法等で合成することができるが、合成上の容易さから、下記7の方法がより好ましい。
6.複数の前記吸着部位を有するハライド化合物からメルカプタン化合物に変換する方法(チオ尿素と反応させ、加水分解する方法、NaSHと直接反応させる方法、CHCOSNaと反応させ、加水分解させる方法などが挙げられる)
7.一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物と、前記吸着部位を有し、かつメルカプト基と反応可能な官能基を有する化合物、とを付加反応させる方法
前記合成方法7における「メルカプト基と反応可能な官能基」としては、酸ハライド、アルキルハライド、イソシアネート、炭素−炭素二重結合などが好適に挙げられる。
「メルカプト基と反応可能な官能基」が炭素−炭素二重結合であり、付加反応がラジカル付加反応であることが特に好ましい。なお、炭素−炭素二重結合としては、メルカプト基との反応性の点で、1置換若しくは2置換のビニル基がより好ましい。
一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物の具体的な例〔具体例(18)〜(34)〕としては、以下の化合物が挙げられる。
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、特に好ましい化合物は、以下の化合物である。
前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物(具体的には、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部位を少なくとも1種有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物)としては、特に制限されないが、以下のようなものが挙げられる。
前記「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」と、「前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」とのラジカル付加反応生成物は、例えば、上記の「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」及び「前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル発生剤を添加して、約50℃〜100℃で、付加させる方法(チオール−エン反応法)を利用して得られる。
前記チオール−エン反応法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」、「前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」、及び「生成するラジカル付加反応生成物」の溶解性に応じて任意に選択できる。
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル発生剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルのようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などなどが利用できる。
前記5の合成方法で用いられるビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、前記一般式(1)のPで表される高分子骨格を得る際に用いられるビニルモノマーと同様のものが用いられる。
上記のビニルモノマーは一種のみで重合させてもよいし、二種以上を併用して共重合させてもよい。
また、(B−1−1)特定高分子分散剤は、1種以上の酸性基を有するビニルモノマーと、1種以上の酸性基を有さないビニルモノマーと、を共重合させることがより好ましい。
[(B−1−2)一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位を含む重合体]
次に、下記一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位を含む重合体(以下、適宜、「(B−1−2)特定高分子分散剤」と称する。)について説明する。
一般式(I)において、R01は、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R02は、アルキレン基を表す。Wは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Xは、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、又は−NHCO−を表す。Yは、−NR03−、−O−、−S−、又は−N=を表し、これと隣接する原子団を介してN原子と連結して環状構造を形成する。R03は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。m1及びn1は、それぞれ独立に0又は1を表す。
以下、本発明における(B−1−2)特定高分子分散剤の必須の共重合単位となる、一般式(I)で表される単量体について詳細に説明する。
一般式(I)において、R01は、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
01で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
01で表されるアルキル基が置換アルキル基である場合、導入可能な置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、等が挙げられる。
01で表される好ましいアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、等が挙げられる。
02はアルキレン基を表す。
02で表されるアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
02で表されるアルキレン基は、導入可能な場合には置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、等が挙げられる。
02で表される好ましいアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、等が挙げられる。
Wは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、−C(=O)O−又は−CONH−、であることが好ましい。
Yは、−NR03−、−O−、−S−、又は−N=を表し、これと隣接する原子団を介してN原子と連結して環状構造を形成する。
03は水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Yとしては、−S−、−NH−、又は−N=であることが特に好ましい。
Yが、これと隣接する原子団を介してN原子と連結して形成する環状構造としては、イミダゾール環、ピリミジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、等の単環構造、及び、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズオキサゾール環、プリン環、キナゾリン環、ペリミジン環、等の縮合環構造が挙げられ、顔料との親和性の点から、縮合環構造であることが好ましい。また、縮合環構造うち、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、及びベンズオキサゾール環が特に好ましく挙げられる。
Xは、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、又は−NHCO−を表す。
Xとしては、−O−、−S−、−CONH−、−NHCONH−、及び−NHC(=O)S−が特に好ましい。
m1及びn1は、それぞれ独立に0又は1を表し、m1及びn1が共に1であることが特に好ましい。
一般式(I)で表される単量体の好ましい具体例(単量体M−1〜単量体M−18)を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
本発明における(B−1−2)特定高分子分散剤は、顔料の分散安定性付与の観点から、前記一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位と共に、更に、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーに由来する共重合単位を含むグラフト共重合体であることが特に好ましい。
このような末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーは、所定の分子量を有する化合物であることからマクロモノマーとも呼ばれる。以下の説明では、本発明における「末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマー」を、適宜、「重合性オリゴマー」又は「マクロモノマー」と称する場合がある。
本発明において所望により用いられる重合性オリゴマーは、ポリマー鎖部分とその末端のエチレン性不飽和二重結合を有する重合可能な官能基の部分からなる。このようなエチレン性不飽和二重結合を有する基は、ポリマー鎖の一方の末端にのみ有することが、所望のグラフト重合体を得るという観点から好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、このマクロモノマーは、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜10000の範囲にあることが好ましく、特に、2000〜9000の範囲が好ましい。
上記ポリマー鎖の部分は、アルキル(メタ)アクリレート、スチレン及びその誘導体、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びブタジエン、からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマーから形成される単独重合体或いは共重合体、或いはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリカプロラクトンであることが一般的である。
上記重合性オリゴマーは、下記一般式(II)で表されるオリゴマーであることが好ましい。
一般式(II)中、R11及びR13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
12は炭素原子数1〜12のアルキレン基を含む連結基を表し、該連結基は、炭素原子数1〜12のアルキレン基であってもよいし、複数の当該アルキレン基がエステル結合、エーテル結合、アミド結合等を介して連結したものであってもよい。R12として好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキレン基、又は炭素数1〜4のアルキレン基がエステル結合を解して連結した基である。R12は表されるアルキレン基は、更に置換基(例えば、水酸基)を有していてもよい。
11は、置換基を有しないフェニル基、炭素原子数1〜4のアルキル基を1つ有するフェニル基又は−COOR14を表わす。ここで、R14は、炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す。Yは、好ましくは、フェニル基又は−COOR14であり、ここで、但し、R14は、炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。
qは20〜200の整数を表す。
本発明において(B−1−2)特定高分子分散剤の合成に使用しうる重合性オリゴマー(マクロモノマー)の好ましい例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート及びポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、ポリスチレンの分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーを挙げることができる。市場で入手できるこのような重合性オリゴマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。
本発明に係る(B−1−2)特定高分子分散剤は、特定の酸価を得るために、更に、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことが好ましい。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
本発明に係る(B−1−2)特定高分子分散剤は、その効果を損なわない範囲において、更に共重合可能なビニルモノマーを共重合成分として含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
本発明に係る(B−1−2)特定高分子分散剤の好ましい態様としては、前記一般式(1)で表される単量体に由来する共重合単位を2〜50質量%で含み、更に、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーに由来する共重合単位を10〜90質量%、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を1〜30質量%、ビニルモノマーに由来する共重合単位を0〜20質量%含む共重合体を好ましく挙げることができる。
以下に、本発明の着色パターン形成用組成物に好適に用いうる(B−1−2)特定高分子分散剤の具体例〔例示化合物1〜例示化合物16〕をその重量平均分子量と共に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例示化合物(1):前記単量体M−2/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/25/65質量%、重量平均分子量50000、酸価163mg/g)
例示化合物(2):前記単量体M−2/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/15/75質量%、重量平均分子量35000、酸価98mg/g)
例示化合物(3):前記単量体M−3/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(5/5/10/80質量%、重量平均分子量40000、酸価33mg/g)
例示化合物(4):前記単量体M−3/メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(15/10/10/65質量%、重量平均分子量60000、酸価65mg/g)
例示化合物(5):前記単量体M−4/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/30/60質量%、重量平均分子量80000、酸価195mg/g)
例示化合物(6):前記単量体M−4/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/15/75質量%、重量平均分子量20000、酸価98mg/g)
例示化合物(7):前記単量体M−5/アクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(25/15/60質量%、重量平均分子量60000、酸価117mg/g)
例示化合物(8):前記単量体M−5/アクリル酸/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体(15/5/80質量%、重量平均分子量45000、酸価39mg/g)
例示化合物(9):前記単量体M−6/アクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(15/10/5/70質量%、重量平均分子量80000、酸価78mg/g)
例示化合物(10):前記単量体M−6/アクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(12/18/70質量%、重量平均分子量50000、酸価140mg/g)
例示化合物(11):前記単量体M−7/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/18/72質量%、重量平均分子量15000、酸価117mg/g)
例示化合物(12):前記単量体M−7/メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(10/10/50/30質量%、重量平均分子量50000、酸価65mg/g)
例示化合物(13):前記単量体M−10/アクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体(5/35/10/50質量%、重量平均分子量20000、酸価272mg/g)
例示化合物(14):前記単量体M−10/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/12/78質量%、重量平均分子量10000、酸価78mg/g)
例示化合物(15):前記単量体M−10/アクリル酸/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(15/3/82質量%、重量平均分子量15000、酸価23mg/g)
例示化合物(16):前記単量体M−13/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/25/65質量%、重量平均分子量20000、酸価163mg/g)
[(B−1−3)一般式(a)で表される構造単位を含む重合体]
続いて、下記一般式(a)で表される構造単位を含む重合体(以下、適宜、「(B−1−3)特定高分子分散剤」と称する。)について説明する。
一般式(a)において、R1aは水素又はメチル基を表し、R2aはアルキレン基を表し、Zは含窒素複素環構造を表す。
2aで表されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、メチレンオキシカルボニル基、メチレンチオ基、等が挙げられ、中でも、メチレン基、メチレンオキシ基、メチレンオキシカルボニル基、メチレンチオ基が好ましい。
前記一般式(a)中、Zは含窒素複素環構造を表し、具体的には、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造を有するものが挙げられる。
これらのうち、Zで示される含窒素複素環構造としては、下記一般式(b)又は一般式(c)であらわされる構造であることが好ましい。
上記一般式(b)中、Xは単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び、−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。なお、ここで、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
これらのうち、Xは単結合、メチレン基、−O−、−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
前記一般式(b)及び一般式(c)中、環A、環B、及び環Cは、それぞれ独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
一般式(a)で表される構造単位の好ましい具体例〔例示構造単位(M’−1)〜(M’−7)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
前記一般式(a)で示される構造単位は、(B−1−3)特定高分子分散剤中に、2〜50質量%含まれることが好ましく、4〜30質量%含まれることがより好ましく、5〜20質量%含まれることが特に好ましい。
本発明における(B−1−3)特定高分子分散剤は前記一般式(a)で表される構造単位に加え、更に、末端にエチレン性不飽和2重結合を有する重合性オリゴマーを共重合単位として含むグラフト共重合体であることが特に好ましい。
このような末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーは、前述の(B−1−2)特定高分子分散剤において共重合成分として用いられる重合性オリゴマーと同様なものが挙げられ、その好ましい態様(一般式(II)で表されるオリゴマー)や好ましい例(具体例)も同様である。
本発明における(B−1−3)特定高分子分散剤は、特定の酸価を得るために、更に、酸基を有する単量体(構造単位)を共重合成分として含むことが好ましい。
酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、p−ビニル安息香酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルの無水コハク酸付加体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルの無水フタル酸付加体、等が挙げられる。
本発明における(B−1−3)特定高分子分散剤は、その効果を損なわない範囲において、更に共重合可能なビニルモノマーを共重合成分として含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、前述の(B−1−2)特定高分子分散剤において共重合成分として用いられるビニルモノマーと同様なものが挙げられ、その好ましい例も同様である。
なお、本発明に係る特定分散樹脂の好ましい態様としては、前記一般式(a)で表される構造単位を2〜50質量%で含み、更に、末端にエチレン性不飽和2重結合を有する重合性オリゴマーを10〜90質量%、酸基を有する構造単位を1〜30質量%、ビニルモノマーを0〜20質量%含む共重合体を好ましく挙げることができる。
以下に、本発明の着色パターン形成用組成物に好適に用いうる(B−1−3)特定高分子分散剤の具体例〔例示化合物(I)〜(XV)〕をその重量平均分子量と共に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例示化合物(I):前記例示構造単位(M’−1)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(共重合比=10/4/86質量%、重量平均分子量50000、酸価26mg/g)
例示化合物(II):前記例示構造単位(M’−1)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/33/57質量%、重量平均分子量30000、酸価214mg/g)
例示化合物(III):前記例示構造単位(M’−1)を形成しうる単量体/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(5/28/10/57質量%、重量平均分子量40000、酸価182mg/g)
例示化合物(IV):前記例示構造単位(M’−1)を形成しうる単量体/メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(15/5/10/70質量%、重量平均分子量60000、酸価33mg/g)
例示化合物(V):前記例示構造単位(M’−5)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(20/20/60質量%、重量平均分子量80000、酸価130mg/g)
例示化合物(VI):前記例示構造単位(M’−5)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/20/70質量%、重量平均分子量30000、酸価130mg/g)
例示化合物(VII):前記例示構造単位(M’−5)を形成しうる単量体/アクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(25/20/55質量%、重量平均分子量60000、酸価156mg/g)
例示化合物(VIII):前記例示構造単位(M’−5)を形成しうる単量体/アクリル酸/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体(15/15/70質量%、重量平均分子量40000、酸価117mg/g)
例示化合物(IX):前記例示構造単位(M’−5)を形成しうる単量体/アクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(15/5/5/75質量%、重量平均分子量80000、酸価39mg/g)
例示化合物(X):前記例示構造単位(M’−6)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(12/17/71質量%、重量平均分子量50000、酸価110mg/g)
例示化合物(XI):前記例示構造単位(M’−6)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10/12/78質量%、重量平均分子量20000、酸価78mg/g)
例示化合物(XII):前記例示構造単位(M’−6)を形成しうる単量体/メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(10/10/50/30質量%、重量平均分子量35000、酸価65mg/g)
例示化合物(XIII):前記例示構造単位(M’−6)を形成しうる単量体/アクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体(5/5/10/80質量%、重量平均分子量20000、酸価39mg/g)
例示化合物(XIV):前記例示構造単位(M’−7)を形成しうる単量体/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(8/12/10/70質量%、重量平均分子量70000、酸価78mg/g)
例示化合物(XV):前記例示構造単位(M’−7)を形成しうる単量体/アクリル酸/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(15/20/65質量%、重量平均分子量15000、酸価156mg/g)
本発明における(B−1−3)特定高分子分散剤である、上記のような共重合体は、前記一般式(a)で表される構成単位となりうる単量体、所望により併用される重合性オリゴマーや他のモノマーを、溶媒中でラジカル重合させることにより得ることができる。このラジカル重合には、(B−1−2)特定高分子分散剤を合成する際に用いられるものと同様のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤が用いられる。
本発明の着色硬化性組成物中における(B−1)高分子分散剤の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、5〜35質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。(B−1)高分子分散剤の含有量が前記範囲内であると、(A−1)着色剤として用いられる顔料の分散時間を短くすることができ、また、分散後の安定性が長く保たれるため好ましい。
〔他の分散剤〕
本発明における着色硬化性組成物は、(B−1)高分子分散剤以外に、下記に示す、従来から公知の分散剤(顔料分散剤)を併用することもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる公知の分散剤(顔料分散剤)の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−107(カルボン酸エステル)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロン#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
本発明において、上記のような公知の分散剤を用いる場合、前述の酸価20〜300mg/gであり、且つ、重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある化合物に対して、10〜100質量%、即ち、1/10〜1/1(等量)の範囲で用いることができる。
<(C−1)重合性化合物>
本発明の着色硬化性組成物は、(C−1)重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる(C−1)重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (V)
(ただし、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、及び、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、及び、露光部強度の観点では、ウレタン結合を含有することが好ましい。
また、組成物中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、重合開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
中でも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
(C−1)重合性化合物の含有量は、本発明における着色硬化性組成物の全固形分中、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
<(D)光重合開始剤>
本発明の着色硬化性組成物は、(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明における(D)光重合開始剤は、光により分解し、前記(C−1)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としてはm−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書並びに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、特開2002−107916、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
本発明に用いられる(D)光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
更に好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
本発明における着色硬化性組成物に含有される(D)光重合開始剤の含有量は、該組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
<(E)溶剤>
本発明の着色硬化性組成物は、一般に、(E)溶剤を用いて調製することができる。
(E)溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル;
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(A−1)、(B−1)、(C−1)、(D)、及び(E)成分を含む着色画素部形成用組成物は、(B−1)高分子分散剤の存在により、顔料(着色剤)の分散性に優れ、且つ、塗布均一性(特に、スリット塗布での塗布均一性)に優れるものである。そのため、色純度及び色再現性が良好で、高いコントラストを有する着色画素部を形成することができると共に、着色層を積層してスペーサを形成する際であっても、厚みムラが生じ難く、高さ精度の良好なスペーサを得ることができる。
また、本発明においては、前述の(a)〜(d)の条件を満たすスペーサが特徴である。このようなスペーサを形成する際に問題となることは、スペーサの高さが、同時に形成される着色画素部の厚みを単に足し算した厚みとはならないことである。具体的には、2色目の着色層は、1色目の着色層上に重なるので塗布厚みはレベリングなどにより、1色目の高さより低いものとなり、更に、3色目は2色目の高さより低いことになる。
このように、例えば、RGBの着色画素部とスペーサとを同時に形成する場合、スペーサの高さ(セルギャップ)の制御は、着色硬化性組成物の設計に必要な事項となる。具体的には、着色硬化性組成物の固形分を調整して、スペーサを構成する着色層の厚みを制御し、所望のスペーサの高さが得られるように設計することが好ましい。また、固形分を設定した後に、着色画素部の膜厚で必要な色度が得られるように顔料濃度(=顔料分/総固形分)を設計することが好ましい。これらの方法によって着色画素部の色度設計と、スペーサの高さ(セルギャップの大きさ)の設計と、が可能となる。
特に、本発明における着色硬化性組成物において、特定の酸価を有する(B−1−1)〜(B−1−3)特定高分子分散剤を用いれば、組成物の現像ラチチュードが広がり、(A−1)着色剤(顔料)の濃度に応じて処方設計が可能であるため、膜厚設計が容易になる。
以上のことから、本発明のカラーフィルタを構成する着色画素部と、スペーサとは、共に、前述の前記(A−1)、(B−1)、(C−1)、(D)、及び(E)成分を含む着色画素部形成用組成物を用いて形成されることが好ましく、中でも、(A−1)成分として顔料を用い、(B−1)成分として(B−1−1)〜(B−1−3)特定高分子分散剤を用いる態様が好ましい。
つまり、本発明のカラーフィルタを構成する着色画素部と、スペーサとは、共に、顔料と、(B−1−1)〜(B−1−3)特定高分子分散剤の1種を含有するものであることが好ましい。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部(ブラックマトリクス)は、着色画素部やスペーサと同様に、遮光剤を含有する硬化性組成物により形成されてもよいし、また、金属薄膜をエッチング処理してパターン状に形成したものであってもよい。
前記金属薄膜には、金属クロム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタングステンとの合金など金属材料が用いられる。また、この金属薄膜は、単層であってもよいし、複数の層を積層したものであってもよい。
また、本発明のカラーフィルタにおける遮光部を形成するための硬化性組成物については、以下に詳述する。
〔遮光部形成用硬化性組成物〕
本発明における遮光部形成用硬化性組成物は、(A−2)遮光剤、(B−2)分散剤、(C−2)重合性化合物、(D)重合開始剤、及び(E)溶剤を含有することが好ましく、更に、所望によりその他の成分を含んでいてもよい。
以下、各成分について説明する。
<(A−2)遮光剤>
ここで、(A−2)遮光剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属微粒子、金属酸化物、金属の硫化物の微粒子などが好ましく挙げられる。
これらは必要に応じて、単独又は複数種組み合わせて用いられる。例えば、カーボンブラック単独、金属微粒子単独、両者の組合せ、或いは、これらに、更に、他の着色顔料やチタンカーボンを併用する態様などが挙げられる。
遮光用の材料には、従来から、黒色着色剤として、可視光領域を遮蔽するように顔料が2種以上併用されてきた。これらの顔料としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載のものを挙げることができ、これらの顔料を使用した遮光層の形成は、特開平7−271020などに開示されている。しかし、顔料を遮光層に用いた場合は充分な遮蔽性が得られなかった。
遮光効果を大きくするために、特開2000−147240号、特開2000−143985号、特開2005−338328号、特開2006−154849号などの各公報では、カーボンブラック、チタンブラック、又は黒鉛等が遮光材料の好適なものとして開発されてきた。本発明においては、遮光性やコストの観点から、カーボンブラックは遮光材料のひとつとして好ましいものである。
カーボンブラックの例としては、ピグメント ブラック7が好ましい。
カーボンブラックとしては、具体的には、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP;デグサ社製のカーボンブラックColor Black FW200、Color Black FW2、Color Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S160、Special Black6、Special Black5、Special Black4、Special Black4A、Printex U、PrintexV、Printex 140U、Printex 140V;Cabot社製のカーボンブラックREGAL 400、REGAL 400R、REGAL XC72、VULCAN XC72R、MOGUL L、MONARCH 1400、MONARCH 1000、BLACK PEARLS1400;旭カーボン社製のカーボンブラックSUNBLACK900、同910、同930、同960、同970等を挙げることができる。
また、電気抵抗を大きくするためにこれらを高分子化合物で被覆したものも好ましいものである。
これらのカーボンブラックの好ましい単粒子の大きさは10〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。
チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は10〜100nmが好ましい。
カラーフィルタ用の遮光材料として長径が1μm以下の黒鉛を用いることで、遮光パターンの輪郭形状が均一になり、シャープネスが良好になる。なお、長径が20nm以上500nm以下であることが更に好ましい。また、100nm以下の粒子径を有する粒子の存在比率が70%以上であることが好ましい。
上述のチタンブラックも金属系微粒子であるが、更に高い遮光性を得るものとして、特開2005−17322号、特開2005−179632号、特開2005−263920号等の公報に記載の、銀等の金属粒子又は金属を有する粒子(以下、「金属系微粒子」ということがある。)が開発されている。
これらの金属系微粒子を構成する好ましい金属の例としては、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、ビスマス、アンチモン、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。好ましい金属には、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、特に好ましい金属には、銅、銀、金、白金、錫及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本発明における金属系微粒子としては、上述の金属と金属以外の他の元素との化合物も好ましいものである。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属系微粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のし易さから、金属の硫化物の粒子が好ましい。また、金属、その合金、及び金属化合物とは併用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、とりわけ銀又はその合金及びこれらの硫化物が、遮蔽効果が高く好ましいものである。合金の例としては、銀錫合金が好ましい例として挙げられる。
また、金属系微粒子としては、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になった複合粒子も好適なものであり、例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。具体例としては、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適である。
複合粒子としては、コア材料の表面をシェル材料でコートしたコア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)が好適なものとして挙げられ、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコア・シェル微粒子が挙げられる。
これらの金属系微粒子は、黒濃度が高く、少量で或いは薄膜で優れた遮光性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば、200度以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。そのため、高度の遮光性が要求され、一般にベーク処理が施されるカラーフィルタ用の遮光部(ブラックマトリクス)に適用されることが好ましい。
本発明における金属系微粒子は、市販のものを用いることができる他、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。例えば、球形銀微粒子を種粒子とし、その後、銀塩を更に添加し、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、棒状やワイヤー状の銀微粒子が得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
本発明において、金属系微粒子の数平均粒子径は5〜100nmが好ましく、5〜80nmが更に好ましく、5〜50nmが特に好ましい。粒子の数平均粒子径が100nm以下であると、表面平滑性が良好で、且つ、粗大粒子によるブツ故障も少なくなる利点がある。
(A−2)遮光剤として金属系微粒子を用いる場合、その含有量としては、例えば、カラーフィルタの作製時のポストベークの際に金属系微粒子等が融着するのを防止することを考慮し、一方、遮光効果を考えると、遮光部形成用硬化性組成物の全固形分に対して、50〜90質量%程度、好ましくは、50〜85質量%になるように調節することが好ましい。
また、金属系微粒子の含有量は、平均粒径による光学濃度の変動を考慮して行なうことが好ましい。また、用いる金属系微粒子によっては、色相補正のために前記の顔料、カーボンブラック等を併用することもできる。
本発明における遮光部形成用硬化性組成物では、該組成物の全固形分中、(A−2)遮光剤として、カーボンブラックを40〜80質量%、若しくは、金属系微粒子を50〜90質量%含有することが好ましい。
<(B−2)分散剤>
本発明における遮光部形成用硬化性組成物に、(A−2)遮光剤として金属系微粒子を用いる場合、該金属系微粒子は、安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属系微粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。ここで、実質的に分散しているとは、一次粒子が凝集又は軟凝集せず個々に独立に分散している状態をいう。
金属系微粒子を分散する際の(B−2)分散剤や組成物に配合してもよい添加剤としては、特開2005−17322号公報の段落番号[0027]〜[0031]に記載ものが好ましいものとして挙げられる。
また、金属系微粒子を分散する際に用いられる(B−2)分散剤としては、カルボキシル基、OH基、スルホン酸基、燐酸基、アミノ基、カルボニル基、チオール基、ポリオキシアルキレン部等の親水部分とフェニル基(ナフタレン環等を含む)、脂環、アルキル基及びこれらの置換された基等の親油部分を併せ持つ化合物などが分散剤として一般的であるが、例えば、市販品としては、以下に例示する化合物が使用可能である。但し、これらの化合物に限定されるものではない。
即ち、EFKA−1101、1120、1125、4008、4009、4046、4047、4520、4010,4015,4020,4050,4055,4060,4080,4300,4330,4400,4401,4402,4403,4406,4800,5010、5044,5244,5054,5055,5063,5064,5065,5066,5070,5207(以上EFKA ADDITIVES社製)、
Anti−Terra−U、Anti−Terra−U100、Anti−Terra−204、Anti−Terra−205、Anti−Terra−P、Disperbyk−101、102,103,106,108、109,110,111,112,151、P−104、P−104S、P105、220S、203,204,205,9075,9076,9077(以上BYK社製)、
Disparlon7301,325,374,234、1220,2100,2200,KS260,KS273N、1210,2150,KS860,KS873N、7004、1813,1860、1401,1200,550,EDAPLAN470、472、480,482、K−SPERSE131、152,152MS(以上楠本化成社製)、
ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000など(AVECIA社製)、
キャリボンB、同L−400、エレミノールMBN−1、サンスパールPS−2、同PS−8、イオネットS−20(三洋化成製)、
ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ製)などが挙げられる。
本発明における遮光部形成用硬化性組成物は、(B−2)分散剤として前記着色硬化性組成物で挙げた(B−1)高分子分散剤(好ましくは、酸価20〜300mg/gであり、且つ、重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある高分子化合物、より好ましくは、(B−1−1)〜(B−1−3)特定高分子分散剤)を用いることもできる。
更に、必要に応じて、(B−1)高分子分散剤の他に、高分子分散剤を用いることができる。高分子分散剤を用いることにより分散安定性、保存性が向上する。用いることができる高分子分散剤としては、例えば、「顔料の事典」(伊藤征司郎編、(株)朝倉書院発行、2000年)に記載されているものが挙げられる。
これら(B−2)分散剤は、(A−2)遮光剤の種類に応じて適宜選択すればよい。また、分散剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、(B−2)分散剤の添加量は(A−2)遮光剤に対し、3〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。
<(C−2)重合性化合物>
本発明における遮光部形成用硬化性組成物に用いられる(C−2)重合性化合物としては、前記着色硬化性組成物において用いられた(C−1)重合性化合物も、好ましいものとして挙げられるが、特に以下に示すものが好ましい。
(C−2)重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また、(C−2)重合性化合物としては、酸性多官能光硬化性化合物も好ましいものとして挙げられる。酸性多官能光硬化性化合物としては、(1)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入したもの、(2)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーに、グリシジル基若しくはイソシアネート基とCOOH基とを併せ持つ化合物等を付加することによってカルボキシル基を導入したもの、或いは(3)3つ以上の光硬化性官能基を有する芳香族化合物を濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入したもの等を用いることができる。
また、酸性多官能光硬化性化合物そのものであるモノマーを繰返し単位として含むオリゴマーを、酸性多官能光硬化性化合物として用いてもよい。
酸性多官能光硬化性化合物の例としては、下記一般式(i)で表される化合物、及び下記一般式(ii)で表される化合物が好ましい。
一般式(i)中、Rは(メタ)アクリロイロキシ基を表し、Xは−COOH、又は−OPOを表す。Tはオキシアルキレン基を表し、ここでアルキレン基の炭素数は1〜4である。nは0〜20である。
一般式(ii)中、Wは一般式(i)におけるR、又はXを表し、6個のWのうち、3個以上のWがRである。Gは一般式(i)におけるTと同義である。Zは、−O−、又は−OC=ONH(CH)qNHCOO−を表す。pは0〜20であり、qは1〜8である。
なお、一分子内に複数存在するW、R、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていてもよい。
また、一般式(i)及び一般式(ii)において、T又はGで表されるオキシアルキレン基は、その炭素原子側の末端が隣接するR、X、Wに結合する。
上記一般式(i)で表される化合物、及び一般式(ii)で表される化合物の市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
更に、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、上記カルボキシル基含有5官能アクリレートなどが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
本発明における遮光部形成用硬化性組成物中の(C−2)重合性化合物の含有量としては、該組成物の全固形分に対して、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
<(D)重合開始剤、及び(E)溶剤>
本発明における遮光部形成用硬化性組成物に用いられる(D)重合開始剤、(E)溶剤などは前記着色硬化性組成物におけるものと同様であり、好ましい含有量も同様である。
≪その他の成分≫
本発明における着色硬化性組成物、遮光部形成用硬化性組成物には、目的に応じて、種々の公知の添加剤を用いることができる。
以下、そのような添加剤について述べる。
<アルカリ可溶性樹脂(バインダーポリマー)>
本発明における両硬化性組成物には、皮膜特性向上などの目的で、バインダーポリマーとしてアルカリ可溶性樹脂を使用することができる。
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
酸価としては、20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜180mgKOH/g、更に好ましくは50〜150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成としては、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体と、の共重合体が好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。ポリアルキレンオキサイド鎖としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖或いはこれらの併用も可能であり、末端は水素原子或いは直鎖若しくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。
これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなど、及びこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体である。
前記ビニル化合物としては、CH=CR〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有することが好ましい。酸価が200を越えた場合、アクリル系樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎて現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなる。一方、20未満と小さすぎると、アルカリに対する溶解性が小さく現像に時間がかかり過ぎて好ましくない。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、カラーレジストを塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、本発明における両硬化性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を単独若しくは重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよい。
重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に有するポリマー等が有用である。重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、更に、光硬化性と熱硬化性を備えたものである。これら重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素間不飽和結合とを含むものであれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を有する、例えば、メタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーと、の共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えば、グリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。OH基との反応では、エポキシ環の他に、酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の添加量としては、本発明の両硬化性組成物の全固形分中、3〜30質量%の範囲であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
レジストの調製時には、上記アルカリ可溶性樹脂に加え、更に下記のエポキシ樹脂も添加することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD-115、YD-118T、YD-127、YD−128、YD-134、YD-8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル-4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上大日本インキ製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p-グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p-グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
<界面活性剤>
本発明における両硬化性組成物には、塗布性の改良や、レベリング性の制御のために、適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
塗布性を向上するための界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が用いられる。
本発明におけるノニオン系界面活性剤としては、下記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記一般式(A)〜一般式(D)において、POは、プロピレンオキサイドを表し、EOは、エチレンオキサイドを表す。プロピレンオキサイド中にプロプレンは、−(CH−、−CHCH(CH)−のいずれも包含する。
一般式(A)及び一般式(B)において、(Styryl)は、ph−CH=CH−を表し(benzyl)は、ph−CH−を表す。ここで、phはフェニル基である。
また、nは1〜3の整数であり、好ましくは1である。mは7〜30の整数であり、好ましくは8〜20の整数である。lは0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数である。aは0〜20、bは0〜20、cは6〜30の整数であり、好ましくは、それぞれaは0〜10、bは0〜10、cは10〜20である。
一般式(C)及び一般式(D)において、xは5〜100の整数であり、好ましくは5〜50の整数である。また、yは20〜100の整数である。なお、x、yは、0.1≦x/y≦2.0、好ましくは0.2≦x/y≦1.0を満たす。
ここで、一般式(C)及び一般式(D)中に存在している4個のx及びyは、それぞれ同一、又は異なった整数である。即ち、一般式(C)及び一般式(D)には、エチレンオキサイドブロックが4個存在しているが、各4個のブロックを構成するエチレンオキサイド単位の数は、同一でも異なっていてもよい。また、一般式(C)及び一般式(D)には、プロピレンオキサイドブロックが4個存在しているが、各4個のブロックを構成するプロピレンオキサイド単位の数は、同一でも異なっていてもよい。
本発明においては、前記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群の中でも、一般式(A)で表される化合物、及び一般式(B)で表される化合物が好ましい。
より具体的には、前記一般式(A)において、nが1であり、lが0〜5、mが8〜20の整数である化合物であり、具体例としては、スチリルフェノールのエチレンオキシド8付加体、同10付加体、同12付加体、同16付加体、同20付加体などの化合物が好ましい。
また、前記一般式(B)において、nが1〜3、aが0〜10、bが0〜10、cが10〜20の整数である化合物が好ましく、具体例としては、モノスチリルベンジルフェニルにaが4、bが2、cが10の付加化合物、トリスチリルベンジルフェニルにaが0、bが0、cが16の付加体、トリスチリルベンジルフェニルにaが6、bが2、cが10の付加体、トリスチリルベンジルフェニルにaが8、bが6、cが18の付加体などの化合物が好ましい。
また、本発明においては、前記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群以外の公知の界面活性剤を用いてもよいし、また、これらを併用してもよい。
用いられる界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などが好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上ADEKA株製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的な市販品としては、例えば、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08(大日本インキ(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
本発明における硬化性組成物中の界面活性剤の総含有量は、該組成物の全質量に対して、0.01〜3.0質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜2.0質量%の範囲であることがより好ましい。特に、フッ素系界面活性剤を微量(0.001〜0.1質量%)併用することが好ましい。
<有機カルボン酸>
本発明における両硬化性組成物には、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、現像性の更なる向上を図る場合に、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸を添加することができる。
有機カルボン酸としては、具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
<アルコキシシラン化合物>
本発明における両硬化性組成物には、支持体(基板)との密着性向上といった観点から、アルコキシシラン化合物、中でも、シランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましく、有機樹脂との間で相互作用若しくは結合形成して親和性を示す(メタ)アクリロイル、フェニル、メルカプト、エポキシシランであることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランであることがより好ましい。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明における両硬化性組成物の全固形分に対し、0.2〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0質量%がより好ましい。
<共増感剤>
本発明における両硬化性組成物には、所望により、共増感剤を含有させることも好ましい。
この共増感剤は、増感色素や重合開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
0001
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、本発明における両硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
<重合禁止剤>
本発明においては、両硬化性組成物の製造中或いは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、重合禁止剤として少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で塗膜表面に偏在させてもよい。
高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
<その他の添加剤>
更に、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
[カラーフィルタ及びその製造方法]
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、遮光部と、着色画素部と、前述したように特定の形状を有するスペーサと、を有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、前述の遮光部形成用硬化性組成物、又は前述の着色硬化性組成物を塗布して硬化性組成物層を形成する工程(以下、適宜「硬化性組成物層形成工程」と略称する。)と、前記硬化性組成物層を、マスクを介して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の前記硬化性組成物層を現像して着色画素部を形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含む方法により製造される。
この硬化性組成物層形成工程、露光工程、現像工程の各工程は、遮光部を形成する場合も、着色画素部を形成する場合も同様である。本発明においては、まず、遮光部を形成し、その後、例えば、RGBの各色相の着色画素部を順次形成する。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
<硬化性組成物層形成工程>
本工程では、支持体上に、前述の遮光部形成用硬化性組成物、又は前述の着色硬化性組成物を塗布して硬化性組成物層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたもの等が挙げられる。更に、プラスチック基板も可能である。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への硬化性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
また、支持体上へ硬化製組成物層を形成する方法としては、上記塗布方法の他、予め仮支持体上に上記方法によって塗布して形成した塗膜を、支持体上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては、特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
硬化性組成物の塗布膜厚(硬化性組成物層の膜厚)は、形成する遮光部、着色画素部の厚みの設計値により、適宜、調整されるが、一般的には、0.1〜10μmが好ましい。
支持体上に塗布された硬化性組成物層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10〜300秒で行うことができる。
<露光工程>
露光工程では、前記硬化性組成物層形成工程において形成された硬化性組成物層を、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する。
本工程では、硬化性組成物層に対しパターン露光を行うことで、硬化性組成物層の光照射された部分だけを硬化させることができる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜1500mJ/cmが好ましく10〜1000mJ/cmがより好ましく、10〜500mJ/cmが最も好ましい。
本発明のカラーフィルタが液晶表示素子用である場合は、上記範囲の中で5〜200mJ/cmが好ましく、10〜150mJ/cmがより好ましく、10〜100mJ/cmが最も好ましい。露光機はプロキシミテイー方式の露光機でも、ミラープロジェクション方式でもまたステッパー方式でも使用可能である。
<現像工程>
次いで、アルカリ現像処理を行うことにより、上記露光工程における光未照射部分の硬化性組成物層をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、支持体上には硬化性組成物層の光硬化した部分だけが残る。
本工程で用いられる現像液としては、液晶表示装置用のカラーフィルタの場合は無機アルカリ現像液が主として使用されるが、有機アルカリ現像液も使用される。
現像温度としては、通常、20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどが挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、純水で洗浄(リンス)する。
次いで、乾燥を施した後に、加熱処理(ポストベーク)を行う。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃の熱硬化処理を行う。基板がガラス基板又はシリコーン基板の場合は上記温度範囲の中でも200℃〜240℃が好ましい。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
なお、本発明の製造方法においては、上述した、硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された遮光部や着色画素を加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
以上説明した、硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を行い、まず、各着色画素部を隔離するように格子状などの遮光部を形成した後、格子の空いた部分(支持体の露出した領域)に、所望の色相数(例えば、RGBの3色)分だけこれらの工程を繰り返すことにより着色画素部を形成すると同時に、遮光部上に2色以上の着色層を積層することでスペーサをも形成し、遮光部と着色画素部とスペーサとを備えたカラーフィルタが作製される。
以下、図1を参照して、本発明における着色画素部とスペーサとの形成工程について詳細に説明する。ここで、図1は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
まず、図1(a)に示されるように、遮光部20が形成された支持体10上に、赤色の着色画素部形成用組成物を塗布し、硬化性組成物層32Rを形成する(硬化性組成物層形成工程)。次に、硬化性組成物層32Rに対して、露光工程、及び現像工程を行うことで、図1(b)に示されるように、支持体10上には赤色の着色画素部30Rが、また、遮光部10の一部分にはスペーサを構成する赤色の着色層42Rが形成される。
続いて、図1(c)に示されるように、着色画素部30R及び着色層42R上から、緑色の着色画素部形成用組成物を塗布し、硬化性組成物層32Gを形成する(硬化性組成物層形成工程)。その後、硬化性組成物層32Gに対して、露光工程、及び現像工程を行うことで、図1(d)に示されるように、支持体10上には緑色の着色画素部30Gが、また、赤色の着色層42R上には緑色の着色層42Gが形成される。
次いで、図1(e)に示されるように、着色画素部30R、着色画素部30G、及び着色層42G上から、青色の着色画素部形成用組成物を塗布し、硬化性組成物層32Bを形成する(硬化性組成物層形成工程)。その後、硬化性組成物層32Bに対して、露光工程、及び現像工程を行うことで、図1(f)に示されるように、緑色の着色層42G上には青色の着色層42Bが形成され、また、同時に、支持体10上には青色の着色画素部30B(図示せず)が形成される。
以上のようにして、3色の着色画素部30R,30G,30Bと、3色の着色層42R,42G,42Bが積層してなるスペーサ40が形成される。
なお、図1に示される態様では、赤色、緑色、青色の順で、着色画素部及び着色層が形成されるが、必ずしもこの態様に限定されるものではなく、前述のように、波長365nmの透過率、及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に、着色画素部及び着色層を形成してもよい。
上記のように、図1に示されるスペーサ40は、3色の着色層42R,42G,42Bが積層してなるものであるが、本発明におけるスペーサは2色以上の着色層が積層されて形成されていればよいため、前述の(a)〜(d)の条件を全て満たしていれば、着色層42Rと着色層42Gとの組合せ、着色層42Rと着色層42Bとの組合せのように、2色の着色層から構成されていてもよい。
<カラーフィルタを備えた液晶表示装置>
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置に用いられる。表示装置の定義や各表示装置の説明は、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明のカラーフィルタが適用される表示装置のうち、液晶表示装置が特に好ましい。液晶表示装置については、例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明はこれらの中でも、特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば、「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については、例えば、「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明のカラーフィルタはスペーサの高さが均一であるため、これを用いた液晶表示装置ではセルギャップが均一となり、色滲みのない、透過率の高い表示が可能となる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
<1.着色画素部、スペーサ形成用の組成物の調整>
1−1.赤色硬化性組成物の調製
〔赤色硬化性組成物CR−1の調製〕
下記組成R−1を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、分散液R−1を得た。
(組成R−1)
・Pigment Red 254 (平均粒子径20nm) ・・・11部
・Pigment Red 177 (平均粒子径18nm) ・・・4部
・(B−1−2)特定高分子分散剤:前記例示化合物(6) ・・・5部
・分散剤:商品名Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液 ・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73部
次いで、得られた分散液R−1を用いて、下記組成CR−1を混合撹拌し、赤色硬化性組成物CR−1を得た。
(組成CR−1)
・分散液R−1 ・・・100部
・エポキシ樹脂(商品名EHPE3150 ダイセル化学製) ・・・2部
・重合性化合物(ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート) ・・・8部
・重合開始剤(4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアン ・・・1部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤:商品名Megafac R30 大日本インキ製 ・0.01部
・ノニオン系界面活性剤:商品名プルロニックTR702 ADEKA製 ・・0.2部
・溶剤:3−エトキシエチルプロピオネート ・・・30部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・100部
〔赤色硬化性組成物CR−2の調製〕
組成R−1における高分子分散剤をアルカリ可溶性樹脂に置き換え、すなわち下記組成R−2を用いた以外は、分散液R−1の調製方法と同様にして、分散液R−2を得た。
(組成R−2)
・Pigment Red 254 (平均粒子径20nm) ・・・11部
・Pigment Red 177 (平均粒子径18nm) ・・・4部
・分散剤:商品名Disperbyk−161、ビックケミー社製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液 ・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・14部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・68部
得られた分散液R−2を、前記分散液R−1の代わりに用いた以外は、赤色硬化性組成物CR−1の調製方法と同様にして、赤色硬化性組成物CR−2を得た。
1−2.緑色硬化性組成物の調製
〔緑色硬化性組成物CG−1の調製〕
下記組成G−1を用いた以外は、分散液R−1の調製方法と同様にして、分散液G−1を得た。
(組成G−1)
・Pigment Green 36(平均粒子径19nm) ・・・11部
・Pigment Yellow150(平均粒子径22nm) ・・・7部
・(B−1−3)特定高分子分散剤:前記例示化合物(X) ・・・5部
分散剤:商品名Disperbyk−163、ビックケミー社製 45%溶液 ・・2部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=85/15[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・71部
次いで、得られた分散液G−1を用いて、下記組成CG−1を混合撹拌し、緑色硬化性組成物CG−1を得た。
(組成CG−1)
・分散液G−1 ・・・100部
・エポキシ樹脂:商品名EHPE3150 ダイセル化学製 ・・・2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・6部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールのテトラ(エトキシアクリレート) ・・・2部
・重合開始剤:1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラントリアジン ・2部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤:商品名Megafac R08 大日本インキ製 ・0.02部
・ノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンの繰り返し単位は12) ・・・0.5部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・120部
・溶剤:プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート ・・・30部
〔緑色硬化性組成物CG−2の調製〕
組成G−1における高分子分散剤をアルカリ可溶性樹脂に置き換え、すなわち下記組成G−2を用いた以外は、分散液G−1の調製方法と同様にして、分散液G−2を得た。
(組成G−2)
・Pigment Green 36(平均粒子径19nm) ・・・9部
・Pigment Green 7(平均粒径15nm) ・・・2部
・Pigment Yellow138(平均粒子径18nm) ・・・7部
・分散剤:商品名Disperbyk−163、ビックケミー社製 45%溶液)・2部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=85/15[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・14部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・69部
得られた分散液G−2を、前記分散液G−1の代わりに用いた以外は、緑色硬化性組成物CG−1の調製方法と同様にして、緑色硬化性組成物CG−2を得た。
1−3.青色硬化性組成物の調製
〔青色硬化性組成物CB−1の調製〕
下記組成B−1を用いた以外は、分散液R−1の調製方法と同様にして、分散液B−1を得た。
(組成B−1)
・Pigment Blue 15:6(平均粒子径15nm) ・・・14部
・Pigment Violet 23(平均粒子径23nm) ・・・1部
・(B−1−1)特定高分子分散剤:下記合成例で得られた例示化合物B−1 ・・5部
・分散剤:商品名SOLSPERS−20000、ZENEKA社製 ・・・1部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・75部
[合成例:例示化合物B−1の合成]
(1.連鎖移動剤の合成)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.83部、及び下記の、吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物(m−6)4.55部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.90部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.04部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.04部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、以下に示す、メルカプタン化合物(連鎖移動剤)の30%溶液を得た。
(2.特定高分子分散剤の合成)
前記のようにして得られた連鎖移動剤の30%溶液4.99部、メタクリル酸メチル19.0部、及びメタクリル酸1.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.66部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。この混合溶液を攪拌しながら、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.139部、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.40部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了してから、90℃で2.5時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.046部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.00部の混合溶液を投入し、更に2時間反応させた。反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル1.52部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7部を加え、室温まで冷却することで例示化合物B−1:ポリスチレン換算の重量平均分子量24000の溶液(例示化合物B−130質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル21質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49質量%)を得た。
この例示化合物B−1の酸価は48mg/gであった。例示化合物B−1の構造を以下に示す。
次いで、得られた分散液B−1を用いて、下記組成CB−1を混合撹拌し、青色硬化性組成物CB−1を得た。
(組成CB−1)
・分散液B−1 ・・・100部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・6部
・エポキシ樹脂:商品名セロキサイド2080 ダイセル化学製 ・・・2部
・UV硬化性樹脂:商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学製 側鎖に脂環、COOH基、アクリロイル基のあるアクリル系共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・12部
・重合開始剤:1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)エタノン ・・・3部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤:商品名Megafac R08 大日本インキ製 ・0.02部
・ノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジスチリルベンジルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンの繰り返し単位は10、ポリオキシプロピレンの繰り返し単位は2) ・・・1.5部
・溶剤:1,3−ブチレングリコールジアセテート ・・・20部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・150部
〔青色硬化性組成物CB−2の調製〕
組成B−1における高分子分散剤をアルカリ可溶性樹脂に置き換え、すなわち下記組成B−2を用いた以外は、分散液B−1の調製方法と同様にして、分散液B−2を得た。
(組成B−2)
・Pigment Blue 15:6(平均粒子径15nm) ・・・14部
・Pigment Violet 23(平均粒子径23nm) ・・・1部
・分散剤:商品名Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液 ・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・14部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・68部
得られた分散液B−2を、前記分散液B−1の代わりに用いた以外は、青色硬化性組成物CB−1の調製方法と同様にして、青色硬化性組成物CB−2を得た。
<1.遮光用硬化性組成物の調整>
1−1.硫化銀微粒子分散液(分散液K−1)の調製
ジエチルアミノエタノール100mlに酢酸銀25.2gを溶解した(溶液1)。別途エタノール100mlに硫化アンモニウム25.8gを溶解した(溶液2)。25℃に保った溶液1を激しく攪拌しながら、これに溶液2を添加した。その後、緩やかに15分間攪拌を続けた。混合液が黒色に変化して硫化銀が生成した。その後、8時間静止して硫化銀を沈殿させて上澄みを捨てた。次いで、メチルエチルケトン100mlを加え15分間攪拌した後8時間静止して硫化銀を沈殿させて上澄みを捨てた。この操作を再度繰り返した。このようにして得られた硫化銀スラリーにメチルエチルケトンを加え全量を50mlにした。
この硫化銀分散液を直径0.3mmのジルコニアビーズ40gと共に容量100mlのガラスビンに入れてペイントシェーカーで6時間分散した。分散後、ガラスビーズを除去し、硫化銀微粒子分散液K−1を得た。得られた液量は47mL、硫化銀量は17.2gであった。この微粒子を透過型電子顕微鏡観察すると平均粒径は約20nmであった。
1−2.カーボンブラック分散液(分散液K−2)の調製
下記組成K−2を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、分散物K−1を得た。
(組成K−2)
・カーボンブラック:デグッサ社製 カラーブラックFW2 ・・・26.7部
・分散剤:楠本化成製ディスパロンDA7500 酸価26 アミン価40 ・3.3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28モル比)共重合体、Mw10000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液 ・10部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・60部
1−4.遮光部形成用硬化性組成物の調整
得られた分散液K−1、及びK−2を用いて、下記表1の処方で硬化性組成物CK−1、CK−2を調製した。表中の数字は質量比を示す。
表1に使用した各化合物の詳細は以下に示すとおりである。
・樹脂溶液C−1:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=85/15モル比)共重合体、(Mw10000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50wt%溶液)
・UV硬化性樹脂C−2:商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学製〔側鎖に脂環、COOH基、アクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)〕
・重合性化合物C−3:商品名 TO−1382 東亞合成製 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの末端OH基の一部をCOOH基に置換した5官能のアクリロイル基を有するモノマーが主成分。
・重合開始剤C−4:商品名「OXE−02」 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製
・界面活性剤C−5:商品名「メガファックR30」 大日本インキ製
・溶剤:PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP=3−エトキシエチルプロピオネート
<2−1.ブラックマトリクス(BM)の形成>
〔ブラックマトリクス基板BM−1、及びBM−2の作製〕
得られた遮光部形成用硬化性組成物CK−1、CK−2を、ガラス基板(コーニング社製ミレニアム 0.7mm厚 550mm×650mm)にスリット間隔100μm、塗布有効幅540mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置で、ポストベーク後の膜厚がそれぞれ0.5μm、1.0μmになるようにスリットとガラス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度100mm/秒で塗布した。
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、HITACHI露光機LE5565(全波長)を用いて、線幅10μmのマスクでプロキシミテイーギャップを300μmとして、100mJ/cmで露光した(照度:20mW/cm)。
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(25℃)で現像し、純水で洗浄した。次いで、220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、着色画素部形成領域の開口が90μm×200μmとなるように、遮光部の線幅が約13μmの格子状ブラックマトリクス基板を形成した。TFT電極の対向部は25μm×25μmを遮光部として残した。このようにしてブラックマトリクス基板BM−1、及びBM−2を得た。
〔ブラックマトリクス基板BM−3の作製〕
また、金属遮光部として、酸化クロムの2層蒸着膜を有する基板(基板はコーニング社製ミレニアム 0.7mm厚 550mm×650mm)を、定法によりポジレジストを用いてフォトリソ法で上記と同じ形状の遮光部となるようにし、格子状ブラックマトリクス基板BM−3を作製した。
遮光性の測定は、透過濃度計X−RITE 310Tを用いてビジュアルモードでの光学濃度(OD値)で測定した。また、膜厚は、ポストベーク後の基板をアルバック社製の触針式膜厚計DECTAC−3で測定した。
ブラックマトリクスの膜厚と、光学濃度(OD値)を下記表2に示す。
〔実施例1〕
<カラーフィルタの作製>
前述の方法で調製された青色硬化性組成物CB−1を、ブラックマトリクス基板BM−1、BM−2を作製する際に用いたものと同一のスリット塗布機で上記ブラックマトリクス基板BM−3上の開口部の長手方向に塗布した。その後、80℃で60秒加熱(プリベーク処理)を行なった後、HITACHI露光機LE5565(全波長)を用いて、プロキシミテイーギャップを300μmとして、100mJ/cmで露光した(照度:20mW/cm)。マスクには、着色画素部が198μm幅のストライプ状の露光となり、スペーサ部がTFT電極対向部に8μm角の露光となるものを用いた。その後、CDK−1現像液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(25℃)で現像し、純水で洗浄した。次いで、220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理した。
これにより青色画素部、及び青色着色層が形成された。
その後、赤色硬化性組成物CR−1を用い、青色硬化性組成物CB−1を用いた場合と同様に、塗布、プリベーク処理、露光、現像、リンス、及びポストベーク処理を行った。露光には、着色画素部が198μm幅のストライプ状の露光となり、スペーサ部がTFT電極対向部に7μm角の露光となるものを用いた。
これにより赤色画素部、及び赤色着色層が形成された。
更に続いて、緑色硬化性組成物CG−1を用い、青色硬化性組成物CB−1を用いた場合と同様に、同様に塗布、プリベーク処理、露光、現像、リンス、ポストベーク処理を行った。マスクには、着色画素部が198μm幅のストライプ状の露光となり、スペーサ部がTFT電極対向部に6μm角の露光となるものを用いた。
これにより緑色画素部、及び緑色着色層が形成された。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
このようにして、実施例1のカラーフィルタCF−1を得た。
〔比較例1〕
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、スペーサ部を形成する際のTFT対向部の露光部の大きさを、CB−1のときは5μm角、CR−1のときは4μm角、CG−1のときは3μ角に変えて、比較例1のカラーフィルタCF−2を作製した。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
〔比較例2〕
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、スペーサ部を形成するための露光を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、スペーサのないカラーフィルタCF−3(比較例2)を作製した。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
〔実施例2、3〕
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、ブラックマトリクス基板BM−3を、BM−1、BM−2にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のカラーフィルタCF−4、実施例3のカラーフィルタCF−5を作製した。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
参考例1
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、着色画素部及び着色層を形成する際の青色、赤色、緑色の順序を、青色、緑色、赤色の順に代えた以外は、実施例1と同様にして、参考例1のカラーフィルタCF−6を作製した。このときスペーサ部を形成するためのマスク開口部の大きさは、青色:8μm角、緑色:7μm角、最後の赤色:6μm角であった。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
〔実施例5〕
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、赤色硬化性組成物CR−1の代わりにCR−2を、緑色硬化性組成物CG−1の代わりにCG−2を、青色硬化性組成物CB−1の代わりにCB−2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のカラーフィルタCF−7を作製した。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
〔実施例6〕
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、各硬化性組成物CR−1、CG−1、及びCB−1中のノニオン系界面活性剤を、同量のポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位は平均20個)に置き換えて硬化性組成物を調製し、この硬化性組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6のカラーフィルタCF−8を作製した。
なお、形成された各色の画素部の膜厚はいずれも2.2μmであった。
〔実施例7〕
実施例1のカラーフィルタCF−1の作製において、青色硬化性組成物CB−1の組成でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを190部に変更し、また、赤色硬化性組成物CR−1の組成でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを140部に変更し、更に、緑色硬化性組成物CG−1の組成でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを160部に変更し、それぞれ、各硬化性組成物CB−3、CR−3、CG−3を調製した。この硬化性組成物を用い、実施例1と同様に、青色、赤色、緑色の順序で、着色画素部及び着色層を形成し、実施例7のカラーフィルタCF−9を作製した。ここで、各色の着色画素部の膜厚(ポストベーク後)は、いずれも1.5μmであった。
<評価方法>
(粒子径)
前述した各硬化性組成物中の着色剤の平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製、倍率10万倍、加速電圧200kV)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
即ち、粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均値を数平均粒子径とした。
(着色層の透過率)
赤色硬化性組成物CR−1〜CR−3、緑色硬化性組成物CG−1〜CG−3、及び青色硬化性組成物CB−1〜CB−3を、それぞれ、石英基板に乾燥後の膜厚が2.0μmになるように塗布し80℃で2分間プリベーク処理したものを用意した。
このようにして得られた赤色着色層、緑色着色層、及び青色着色層について、大塚電子製色度計MCPD2000でC光源を用いて透過率を350〜700nmの波長領域で測定した。波長365nmと波長405nmの透過率を下記表3に示す。
(スペーサの形状)
550×650mm角の基板で対角方向に4隅から50mmの4ケ所と、中央から対角方向に50mmの位置の4ケ所と、の近傍にあるスペーサの合計8ケ所について、各測定箇所のスペーサをそれぞれ5個を観察・測定した。カラーフィルタを切断し、その断面を横方向から透過型電子顕微鏡で5000倍で観察し、その画像上で高さを計測した。また、スペーサの底面積は、遮光部と接するスペーサの底辺の長さを二乗し底面積とした。更に、スペーサの2/3の高さにおいて水平に切断した場合の断面積は、スペーサを2/3の高さにおいて水平に切断し、そのスペーサの一辺を二乗して算出した。
なお、本発明において、前記条件(b)〜(d)の数値は、形成されたカラーフィルタ上の上記の方法で測定した数値の平均値を意味する。
観察及び測定結果を下記表4に示す。
(スペーサの高さの基板内均一性)
スペーサの高さの基板内均一性はZygo社製レーザ干渉計で測定した。スペーサの高さの基板内均一性は、550×650mm角の基板で対角方向に4隅から50mmの4点と、中央から対角方向に50mmの位置の4点と、の近傍にあるスペーサの合計8点を測定して、求めた。なお、スペーサ部の高さは、遮光部(ブラックマトリクス)の上面からの高さである。
測定結果を下記表4に示す。
(カラーフィルタのコントラスト)
バックライトユニットとして、三波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(日東電工(株)製SEG1224DU)の間に、前記着色層の透過率を測定した際の赤色着色層、緑色着色層、及び青色着色層がそれぞれ形成された基板を設置し、偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のYp値を、クロスニコルに設置したときに通過する光の色度のYc値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には、色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。
なお、実施例7のカラーフィルタCF−9のコントラストは、着色画素部の膜厚が実施例1〜3、5、6、参考例1、及び比較例1、2と異なり、比較できないので、測定しなかった。
測定結果を下記表4に示す。
(パネルの視認性)
<液晶表示装置の作製>
上記により得たカラーフィルタCR−1、CR−2、CR−4〜CR−9について、R、G、B画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上、及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上にポリイミド配向膜(日産化学製 サンエバー7492 ベーク後70nm)を設け、180℃で1時間ベークした。その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に、紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、偏向板(日東電工製 NPF−SEG1224DU)を貼り付けた。次いで、三波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し液晶表示装置とした。
カラーフィルタCR−3については、スペーサを有していないため、TFTアレイ基板と貼り合わせる前に、積水ファインケミカル製ミクロパールSP−2035(平均粒子径3.5μm)をスペーサ散布装置で、カラーフィルタCF−3上に散布した。散布後シール剤で貼り合わせた後からPVAモード用液晶を真空下で注入し、注入口を封した。このようにして得た液晶セルの両面に、偏向板(日東電工製 NPF−SEG1224DU)を貼り付けた。次いで、三波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し液晶表示装置とした。
上記のようにして得られた各カラーフィルタCR−1〜CR−9を用いた液晶表示装置のパネルを点灯し、50%輝度の信号を入力したときの色合いを目視で視認性として評価した。また、表示画面を指で軽く押したときの色滲みを目視で評価すると共に顕微鏡で着色画素の境界を観察した。
観察及び測定結果を下記表4に示す。

表4から明らかなように、実施例のカラーフィルタは、基板内均一性に優れることがわかる。また、実施例のカラーフィルタは、コントラストに優れ、また、該カラーフィルタを用いた液晶表示装置は、視認性に優れた画像を形成しうることが確認された。
なお、比較例1のカラーフィルタは、スペーサに欠けや剥落が見られ、基板内均一性が著しく悪いことが分かる。
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
10 支持体
20 遮光部(ブラックマトリクス)
30 着色画素部
40 スペーサ
42R,42G,42B 着色層

Claims (4)

  1. 支持体上に、遮光部と、異なる分光特性を有する複数色の着色画素部と、前記遮光部上に分光特性の異なる2色以上の着色層を、前記遮光部側から波長365nmの透過率及び波長405nmの透過率の合計の大きい順に積層してなるスペーサと、を有し、該スペーサが以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすことを特徴とするカラーフィルタ。
    (a)高さ方向に沿った断面形状が、遮光部側から高さ方向に先細りの略台形
    (b)遮光部からの高さが2.0〜4.0μm
    (c)底面積が50〜200μm
    (d)2/3の高さにおいて水平に切断した場合の断面積が25〜130μm
  2. 前記遮光部の光学濃度が4.0以上であり、且つ、その膜厚が0.1μm以上1.2μm以下であると共に、前記着色画素部の膜厚が1.2μm以上2.4μm以下であること特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記着色画素部、及びスペーサが、(A)着色剤と、(B)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(I)で表される単量体に由来する共重合単位を含む重合体、及び、下記一般式(a)で表される構造単位を含む重合体からなる群より選択され、酸価20〜300mg/gであり、且つ、重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある1種以上の高分子分散剤と、を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。

    [上記一般式(1)中、Aは、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のA、Rは、それぞれ独立に、同一であっても、異なっていてもよい。Rは(m+n)価の有機連結基を表し、ここで、mは1〜8、nは2〜9を表し、3<(m+n)<10を満たす。また、Rは単結合或いは2価の有機連結基を表す。Pは高分子骨格を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。]

    [上記一般式(I)中、R01は、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R02は、アルキレン基を表す。Wは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Xは−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、−NHCO−から選ばれるいずれかを表す。Yは、NR03、O、Sから選ばれるいずれかを表し、R03は水素原子、アルキル基、若しくはアリール基を表す。式中、NとYは互いに連結して環状構造を形成する。m1、n1はそれぞれ独立に0又は1である。]

    [上記一般式(a)中、R1aは水素又はメチル基を表し、R2aはアルキレン基を表し、Zは含窒素複素環構造を表す。]
  4. 前記着色画素部、及びスペーサが、下記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群から選択される少なくとも1種のノニオン界面活性剤を、更に含有することを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ。

    [上記一般式(A)〜一般式(D)中、(Styryl)は、ph−CH=CH−を表し(benzyl)は、ph−CH−を表す。ここで、phはフェニル基である。POは、プロピレンオキサイドを表し、EOは、エチレンオキサイドを表す。nは1〜3、mは7〜30、lは0〜10、aは0〜20、bは0〜20、cは6〜30、xは5〜100、yは20〜100の範囲の整数をそれぞれ表す。なお、x、yは、0.1≦x/y≦2.0を満たす。一般式(C)、及び一般式(D)中に存在している4個のx及びyは、それぞれ同一、又は異なった整数である。]
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