JP2008256735A - 感光性組成物、感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板、表示装置、並びにパターン欠け防止方法 - Google Patents

感光性組成物、感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板、表示装置、並びにパターン欠け防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度に良好なパターンが得られ、経時劣化を抑えて経時後でも欠け等の画像欠陥の発生が防止された感光性組成物を提供する。
【解決手段】金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と、沸点120℃以上の高沸点溶剤の少なくとも1種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種と含み、前記高沸点溶剤の全溶剤量に対する含有割合を70%以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な黒色パターン形状を形成するのに好適な感光性組成物、感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板、表示装置、並びにパターン欠け防止方法に関する。
近年、表示画像のコントラストを向上させるために、カラーフィルタ等を構成するブラックマトリクスには4.0以上の高い光学濃度が要求されている。その一方、ブラックマトリクスの厚みが厚すぎると、カラーフィルタの表面平滑性が損なわれることから、薄膜に形成されることが必要とされる。
ブラックマトリクスを得る技術の一つとして、カーボンブラックを用いた技術がある(例えば、特許文献1参照)。これは、カーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させたものを露光、現像してブラックマトリクスとするものである。しかし、カーボンブラックは、単位塗布量あたりの光学濃度が低い。そのため、高い遮光性、光学濃度を確保しようとすると必然的に膜厚が大きくなってしまい、カラーフィルタとした際に平滑な表面が得られず、表示品位が低下する欠点がある。
薄膜で光学濃度を得る方法として、カーボンブラックの代わりに金属粒子を用いる方法が知られている(例えば、特許文献2〜3参照)。この方法によると、薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスを得ることが可能である。
これに関連して、棒状金属粒子とベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を用いた感光性遮光層用塗布液を用いてブラックマトリクスを作製する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、着色剤としてカーボンブラック等の顔料が、N−メチルピロリドン等のSP値が7.5〜14の溶媒を主に用いて分散された感光性黒色ペーストを用いることによってブラックマトリクスを作製する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−9301号公報 特開2004−240039号公報 特開2005−17322号公報 特開2006−349867号公報 特開平10−254369号公報
しかしながら、上記のように薄膜で高い光学濃度を得るために金属粒子を用いる場合、樹脂成分や溶剤成分を任意に選択して金属粒子を分散した分散液や樹脂組成物を調製するのみでは、経時劣化しやすく、パターン形成性が悪化する傾向にある。例えば、調製後経時させた後の分散液や樹脂組成物を用い、これを露光、現像等して所望のパターンを形成した場合、パターンに欠け等の欠陥が生じる課題がある。
また、カーボンブラック等を用いた上記の感光性黒色ペーストでは、薄膜化のみならず、パターニング時の光感度を保つことも難しく、光学濃度を高めようとする程逆に光感度は低下する。そのため、パターニングに必要な露光量が多くなるばかりか、露光後の現像でパターンが逆テーパー形になり易く、また、パターンの欠けや線細り、膜減りなどの画像欠陥が生じやすい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、下記目的を達成することを課題とする。
本発明は、高感度に良好なパターンが得られ、経時劣化を抑えて経時後でも欠け等の画像欠陥の発生が防止された感光性組成物、感光性転写材料、及び表示装置用遮光膜の形成方法を提供することを目的とする。また、
本発明は、表面平滑で欠け等の画像欠陥が抑えられており、画像表示した際の表示ムラを抑えて高品位の画像表示が可能な表示装置用遮光膜、遮光膜付基板、及び表示装置を提供することを目的とする。また、
本発明は、ブラックマトリックスを構成するパターンの欠け等の発生を防止できるパターン欠け防止方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と、沸点120℃以上の溶剤の少なくとも1種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種と含み、前記溶剤の全溶剤量に対する含有割合が70%以上である感光性組成物である。
<2> 前記溶剤の全溶剤に対する含有割合が90%以上であることを特徴とする前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 前記樹脂又はその前駆体が、硫黄原子及び/又は窒素原子を有することを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の感光性組成物である。
<4> 前記金属粒子及び金属を有する粒子の数平均粒子径が0.04μm以下であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性組成物である。
<5> 仮支持体上に、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物を用いて形成された感光性層を有する感光性転写材料である。
<6> 前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<7> 前記<5>に記載の感光性転写材料の感光性層を基板上に転写する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<8> 前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物を用いて形成された表示装置用遮光膜である。
<9> ブラックマトリクスの形成に用いられることを特徴とする前記<8>に記載の表示装置用遮光膜である。
<10> 基板と、前記基板上に設けられた前記<8>又は前記<9>に記載の表示装置用遮光膜とを備えた遮光膜付基板である。
<11> カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする前記<10>に記載の遮光膜付基板である。
<12> 前記<10>又は前記<11>に記載の遮光膜付基板を備えた表示装置である。
<13> 金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と樹脂及びその前駆体の少なくとも1種とを含有する感光性組成物を露光し、現像することによりパターン形成してブラックマトリクスを得る場合に、前記感光性組成物中における沸点120℃以上の溶剤の全溶剤量に対する含有割合を70%以上に調整することを特徴とするパターン欠け防止方法である。
本発明によれば、高感度に良好なパターンが得られ、経時劣化を抑えて経時後でも欠け等の画像欠陥の発生が防止された感光性組成物、感光性転写材料、及び表示装置用遮光膜の形成方法を提供することができる。また、
本発明によれば、表面平滑で欠け等の画像欠陥が抑えられており、画像表示した際の表示ムラを抑えて高品位の画像表示が可能な表示装置用遮光膜、遮光膜付基板、及び表示装置を提供することができる。また、
本発明によれば、ブラックマトリックスを構成するパターンの欠け等の発生を防止できるパターン欠け防止方法を提供することができる。
以下、本発明の感光性組成物、並びにこれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板、表示装置、及びパターン欠け防止方法について詳細に説明する。
<感光性組成物>
本発明の感光性組成物は、金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と、沸点120℃以上の溶剤の少なくとも1種(以下、「本発明における高沸点溶剤」ともいう。)と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種とを少なくとも用い、本発明における高沸点溶剤の組成物中における全溶剤量に対する含有割合を70%以上にして構成したものである。
本発明においては、着色材料として金属粒子及び金属を有する粒子を用いて感光性の組成物を構成する場合に、組成物中に含有する全溶剤(全溶剤量)のうち、沸点が120℃以上の高沸点溶剤の含有割合を70%以上とすることで、経時保存での安定性が向上し、組成物調製後に一時的に経時保存された場合でも、欠け等の画像欠陥の発生を防止して形状の良好なパターンを得ることができる。しかも、高濃度を得ながら高い光感度が得られ、低露光量でも、例えばカーボンブラック等の非金属粒子に比べて、所望形状のパターンを再現性よく形成できる。
例えばカラーフィルタを作製するときには、薄膜で濃度(遮蔽性)が高くかつ表面平滑であって、パターン形状の良好なブラックマトリクスを作製することができる。これより、画像表示した際の表示ムラの発生が防止され、高品位な表示画像が得られる。
以下、本発明の感光性組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
−金属粒子及び金属を有する粒子−
本発明の感光性組成物は、金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種を含有する。これより、薄膜で高い画像濃度を得ることができ、後述の高沸点溶剤と組み合わせて用いることでより高い光感度を確保できる。
金属粒子及び金属を有する粒子としては、特開2005−17322号公報、特開2005−179632号公報、特開2005−263920号公報等に記載の、銀等の金属粒子又は金属を有する粒子が挙げられる。
金属粒子及び金属を有する粒子を構成する好ましい金属の例としては、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、ビスマス、アンチモン、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫およびこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、金属以外の他の元素との化合物も好ましい。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてこれらの粒子も好適である。また、金属、その合金、及び金属化合物は併用してもよいし、2種以上であってもよい。
中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
これらの中でも、とりわけ銀又はその合金、及びこれらの硫化物が、遮蔽効果が高く好ましい。合金の例としては、銀錫合金が好ましい例として挙げられる。
また、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になった複合粒子も好適であり、例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等が挙げられる。具体例として、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適である。
金属粒子及び金属を有する粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コアシェル粒子とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものであり、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコア・シェル微粒子が挙げられる。
チタンブラックも使用できる。チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は10〜100nmが好ましい。
これらの金属粒子及び金属を有する粒子は、黒濃度が高く、少量であるいは薄膜で優れた遮光性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば200度以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。例えば、高度の遮光性が要求され、一般にベーク処理が施されるカラーフィルタ用の遮光膜(いわゆるブラックマトリクス)などに好適である。
金属粒子及び金属を有する粒子は、市販のものを用いることができるほか、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
例えば、棒状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤーが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
本発明において、金属粒子及び金属を有する粒子の平均径は、数平均粒子径(算術平均径)で0.04μm以下が好ましい。粒子の数平均粒子径が0.04μm以下であると、表面平滑性が良好で、かつ粗大粒子によるブツ故障も少なくなる利点がある。中でも、粒子の数平均粒子径は、0.001〜0.035μmが好ましく、0.005〜0.030μmが更に好ましい。
この数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製、倍率10万倍、加速電圧200kV)により得た写真から粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均値を求めて得られるものである。
金属粒子及び金属を有する粒子の感光性組成物中における含有量としては、例えばカラーフィルタの作製時など、ポストベークの際に金属粒子や金属を有する粒子が融着するのを防止する点と遮光効果とを考慮すると、組成物の全固形分に対して、50〜90質量%程度が好ましく、より好ましくは50〜85質量%である。
また、金属粒子及び金属を有する粒子の含有量は、平均径による光学濃度の変動を考慮して選択することが好ましい。金属粒子及び金属を有する粒子の種類によっては、色相補正の目的で、顔料やカーボン等を併用することもできる。
−溶剤−
本発明の感光性組成物は、沸点120℃以上の溶剤の少なくとも1種(本発明における高沸点溶剤)を感光性組成物中の全溶剤量に対して70%以上含有する。これにより、経時で悪化するパターン欠け等の画像欠陥の発生を防止できる。また、金属粒子や金属を含む粒子と組み合わされると高濃度を得ながら高い光感度も確保でき、低露光量で所望のパターンを良好な形状で得ることができる。
沸点120℃以上の溶剤の全溶剤量に対する含有割合が70%未満であると、金属粒子及び/又は金属を有する粒子を用いて構成した場合に、経時で組成物の安定性が低下し、組成物調製から経時保存された後にパターン形成した場合に欠け等の画像欠陥が発生してしまう。
本発明における高沸点溶剤の含有割合は、効果の点で、全溶剤量に対して90%以上であることがより好ましい。
沸点120℃以上の高沸点溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類の中から選ぶことができる。例えば、酢酸−n−ブチル、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコール、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
これらの溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の感光性組成物は、沸点120℃以上の溶剤以外の他の溶剤を含んでいてもよく、他の溶剤については後述の着色感光性組成物に使用可能な溶剤から任意のものを選択して用いることができる。
−樹脂及びその前駆体−
本発明の感光性組成物は、金属粒子及び金属を有する粒子の分散性、分散安定性の向上並びに皮膜特性の向上の目的で、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種を含有する。
樹脂の中でも、アルカリ可溶性樹脂を好適に使用することができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
酸価としては、20〜200mgKOH/gが好ましく、より好ましくは30〜180mgKOH/gであり、更に好ましくは50〜150mgKOH/gである。
アルカリ可溶性樹脂を構成する具体的な構成単位の観点からは、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR) 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕が挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。
前記ポリアルキレンオキサイド鎖としては ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖、あるいはこれらの併用が含まれ、末端は水素原子あるいは直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。
側鎖にこれらのポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなど、及びこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体である。
前記ビニル化合物としては、CH=CR 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕が挙げられ、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有するものが好ましい。酸価が200以下であると、アクリル系樹脂のアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎるのを抑えて現像適正範囲(現像ラチチュード)を確保でき、20以上であると、アルカリに対する溶解性が高く、良好に現像が行なえる。
また、アクリル系樹脂の質量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、カラーレジストを塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、感光性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を単独もしくは重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよく、アリール基、(メタ)アクリル基、アリールオキシアルキル基等を側鎖に有するポリマー等が有用である。重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、さらに光硬化性と熱硬化性を備えたものである。これら重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素不飽和結合とを含むものであれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を有する例えばメタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系もしくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素−炭素不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。OH基との反応では、エポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素−炭素不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
また、本発明における樹脂として、既述の金属粒子及び金属を有する粒子の分散性、分散安定性を向上し、経時後にパターン形成したときのパターンの欠け等の発生を効果的に防止する点で、硫黄原子及び/又は窒素原子を有する樹脂を含有することが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、硫黄原子、窒素原子の両方を含むポリマーであってもよいし、硫黄原子または窒素原子のいずれか一方を有するポリマーであってよく、両者ともに本発明の効果を得ることができる。
硫黄原子をもつポリマーとしては、チオエーテル基、メルカプト基、スルフィド基、チオキソ基を有するものが好ましく、また、窒素原子をもつポリマーとしては、アミノ基、イミノ基を有するものや含窒素複素環化合物が好ましい。
前記含窒素複素環としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、ベンズイミダゾールが挙げられ、これらの基は未置換でもよいし、置換された形でもよい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、上述した硫黄原子または窒素原子を含む基を後述する重合体(共重合体を含む。)或いは重合性化合物の側鎖末端基として有するものでも、また、その側鎖末端以外に有していてもよいが、側鎖末端基として有するものが好ましい。以下、重合体(共重合体を含む。)または重合性化合物を単に重合体ともいう。
本発明において「アルカリ可溶性」とは、蒸留水(HO)に不溶であり、且つ、pH10〜13のアルカリ水溶液に溶解しうるものを意味する。
例えば、水溶性高分子化合物はアルカリ水溶液に対して可溶性を示すが、蒸留水に対しても同様に可溶性を示すので、本発明におけるポリマーからは除外される。
本発明における「アルカリ可溶性」の判定は、例えば、以下の評価法で決定することができる。
まず、pH12.0に調整したNaOH水溶液20mlに評価対象の化合物0.2gを添加し、激しく攪拌する。次いで、25℃の恒温層中に6時間放置し、溶解性を確認する。同時に蒸留水20mlに評価対象の化合物0.2gを添加し、激しく攪拌する。25℃の恒温層中に6時間放置後に溶解性を確認する。この際、白濁、沈降物が確認されれば「不溶」、白濁、沈降物が確認されなければ「可溶」と判定する。このような評価法によって、pH12.0に調整したNaOH水溶液に可溶で、蒸留水に不溶の物を選択することにより、本発明における「アルカリ可溶性」を確認することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。前記酸性基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。前記酸性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸、フェノール類、スルホアミドなどが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂中の前記アルカリ可溶性基を有する構造単位の導入量は、該アルカリ可溶性基の存在によって、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂がpH10〜13のアルカリ水溶液に溶解しうるものであれば特に限定はされない。
本発明におけるアルカリポリマーの酸価としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜300(mgKOH/g)が好ましく、90〜250(mgKOH/g)がより好ましく、100〜200(mgKOH/g)が分散安定性の観点から特に好ましい。
前記酸性基としてカルボキシル基を有する重合体としては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、スチレンおよびスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマーと、(2)前記(1)のビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性、コストおよび溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。尚、本願明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記(1)のビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、特に制限は無く目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられ、これらの中でもスチレン類が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記ビニルアルコールのエステル類としては、ベルサト酸ビニル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の分子量としては、特に制限は無く目的に応じて適宜選択することができるが、金属微粒子の分散安定性の観点から、例えば、重量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましく、6000〜100,000が特に好ましい。
また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の有機概念図における有機性/無機性比(I/O値)は0.44以上1.65以下が好ましく、0.5以上0.6以下が更に好ましい。前記I/O値が低すぎると水に可溶となってしまい、また、前記I/O値が高くなると、アルカリ水溶液にも不溶となってしまう。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂が硫黄原子を有する場合、ポリマー中の硫黄原子の含有量は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜10.0質量%が更に好ましい。また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂が窒素原子を有する場合、ポリマー中の窒素原子の含有量は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜10.0質量%が更に好ましい。更に、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂が硫黄原子および窒素原子の両者を有する場合、硫黄原子(s)と窒素原子(n)との質量比(s/n)は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.01〜200好ましく、0.1〜20が更に好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂が硫黄原子を含有する場合の具体例としては、例えば、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2008256735
前記一般式(1)において、Rは、水素原子、または総炭素数1〜4のアルキル基を表す。総炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、secブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)において、Rは、水素原子、総炭素数1〜18のアルキル基、総炭素数6〜14のアリール基、または総炭素数7〜16のアラルキル基を表し、このアルキル基、アリール基、およびアラルキル基は各々独立に、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和または不飽和の環状構造を形成していてもよい。
前記Rで表される総炭素数1〜18のアルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、secブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ステアリル基等のアルキル基が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基、スルホニル基等が好適である。
上記のうち、総炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基ノルマルブチル基、tert−ブチル基は特に好ましい。
前記Rで表されるアリール基は、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル等のアリール基が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基、スルホニル基等が好適である。
上記のうち、総炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基は特に好ましい。
前記Rで表されるアラルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数7〜16のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等のアラルキル基が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基、スルホニル基等が好適である。
上記のうち、総炭素数7〜11のアラルキル基が好ましく、ベンジル基は特に好ましい。
前記一般式(1)において、Zは、−O−またはNH−を表す。また、Yは、総炭素数1〜8の2価の連結基を表す。
Yで表される総炭素数1〜8の2価の連結基は、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン)、二価のヘテロ環基(例、6−クロロ−1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル基、ピリミジン2、4−ジイル基、キノキサリン−2、3−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基またはアリール基)、またはこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
上記のうちアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、アリール基の置換基と同じである。Rのアルキル基およびアリール基は前述と同義である。
Yで表される総炭素数1〜8の2価の連結基のうち、総炭素数1〜6の2価の連結基が好ましく、中でも、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、−CH−CH(OH)−CH−、−C−O−C−は特に好ましい。
本発明に係る高分子分散剤は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を1種のみならず、2種以上を共重合して硫黄原子を2以上含む高分子化合物であってもよい。また、側鎖を構成するチオエーテル構造は、硫黄原子を1つのみならず、前記Z、Rを、硫黄原子を有する基で構成することにより、2つ以上の硫黄原子を有する側鎖とすることができる。
本発明に係る高分子分散剤は、所望の高分子化合物に(好ましくは側鎖として)チオエーテル構造を導入する、あるいはチオエーテル基を(好ましくは側鎖に)持つ単量体の単独重合、またはチオエーテル基を(好ましくは側鎖に)持つ単量体と他の単量体との共重合により得ることができる。好ましくは、エチレン性不飽和単量体の側鎖にチオエーテル構造を導入する、あるいはチオエーテル構造を側鎖に含むエチレン性不飽和単量体の単独重合、またはチオエーテル構造を側鎖に含むエチレン性不飽和単量体と他の共重合成分との共重合により得ることができる。
以下、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の具体例を示す。但し、本発明は、これらに制限されるものではない。
Figure 2008256735
上述の中でも、特にRが水素原子あるいはメチル基であって、Rがメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、tert−ブチル基、フェニル基であって、Zが−O−であって、Yがエチレン基、である化合物が好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂が窒素原子を含有する場合の具体例としては、例えば、下記で表される繰り返し単位の少なくとも1種を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2008256735
以下に本発明における硫黄原子あるいは窒素原子を含有するアルカリ可溶性樹脂の具体例をあげるが、これらに限定されるものではない。下記化合物PO−1〜PO−34はA、B、Cで表される繰り返し単位を有した共重合体である。またa、b、c、は繰り返し単位A,B,Cそれぞれの質量%の比を表す。
Figure 2008256735
Figure 2008256735
レジストの調製時には、アルカリ可溶性樹脂に加え、さらに下記エポキシ樹脂も添加することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD-115、YD-118T、YD-127、YD−128、YD-134、YD-8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセ化成(株)製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー社製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEM−125など(以上、ナガセ化成(株)製)、ビフェニル型としては、3,5,3’,5’−テトラメチル-4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成(株)製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上、大日本インキ工業(株)製)などを挙げることができる。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
樹脂及びその前駆体(アルカリ可溶性樹脂を含む)の感光性組成物中における含有量としては、感光性組成物の全固形分に対して、3〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。樹脂及びその前駆体の含有量が前記範囲内であると、顔料塗布面表面の凹凸が少なく、平滑性に優れる。
−分散剤−
本発明の感光性組成物には、既述の金属粒子及び/又は金属を有する粒子を分散させる際の分散性を高めるために、分散剤を用いることができる。この分散剤は、金属粒子及び/又は金属を有する粒子を分散する段階で添加されるものである。
金属粒子及び/又は金属を有する粒子は、安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属粒子及び/又は金属を有する粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。ここで、「実質的に分散されている」とは、一次粒子が凝集又は軟凝集せずに個々に独立に分散している状態をいう。
金属粒子及び/又は金属を有する粒子を分散する際の分散剤としては、特開2005−17322号公報の段落番号[0027]〜[0031]に記載の分散剤や添加剤が挙げられる。
分散剤は、既述の樹脂、すなわち酸価20〜300mg/gであり、かつ重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある高分子分散剤が好適に使用可能である。高分子分散剤を用いることにより分散安定性、保存性が向上する。
このような高分子分散剤としては、後述の着色感光性組成物に使用可能な分散剤を好適に用いることができる。
また、分散剤として用いることができる分散樹脂として、例えば、「顔料の事典」(伊藤征司郎編、(株)朝倉書院発行、2000年)に記載されたものも使用できる。
更に、既述の樹脂として挙げた「硫黄原子及び/又は窒素原子を有する樹脂」も好適な分散剤として用いることができる。
上記以外に、金属粒子及び/又は金属を有する粒子の分散剤として、カルボキシル基、OH基、スルホン酸基、燐酸基、アミノ基、カルボニル基、チオール基、ポリオキシアルキレン部等の親水部分とフェニル基(ナフタレン環等を含む)、脂環、アルキル基及びこれらの置換された基等の親油部分を併せ持つ化合物などが一般的であり、例えば市販品として、以下に列挙するものが使用可能である。但し、これらに限定されるものではない。
EFKA−1101、1120、1125、4008、4009、4046、4047、4520、4010,4015,4020,4050,4055,4060,4080,4300,4330,4400,4401,4402,4403,4406,4800,5010、5044,5244,5054,5055,5063,5064,5065,5066,5070,5207(以上、EFKA ADDITIVES社製)、
Anti−Terra−U、Anti−Terra−U100、Anti−Terra−204、Anti−Terra−205、Anti−Terra−P、Disperbyk−101、102,103,106,108、109,110,111,112,151、P−104、P−104S、P105、220S、203,204,205,9075,9076,9077(以上、BYK社製)、
Disparlon7301,325,374,234、1220,2100,2200,KS260,KS273N、1210,2150,KS860,KS873N、7004、1813,1860、1401,1200,550,EDAPLAN470、472、480,482、K−SPERSE131、152,152MS(以上、楠本化成社製)、
ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000など(以上、AVECIA社製)、
キャリボンB、同L−400、エレミノールMBN−1、サンスパールPS−2、同PS−8、イオネットS−20(以上、三洋化成社製)、
ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(以上、サンノプコ社製)、などが使用可能である。
分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分散剤の使用量は、金属粒子及び/又は金属を有する粒子100質量部に対して、3〜30質量部が好ましく、より好ましくは5〜20質量部である。
−重合性化合物−
本発明の感光性組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を用いて構成することができる。
重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとして、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとして、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH ・・・(V)
(但し、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、重合性層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
中でも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
更には、本発明における重合性化合物として好ましくは、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーである。
このようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また、酸性多官能光硬化性化合物も好ましい化合物である。
酸性多官能光硬化性化合物としては、(1)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入したもの、(2)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーに、グリシジル基もしくはイソシアネート基とCOOH基とを併せ持つ化合物等を付加することによってカルボキシル基を導入したもの、あるいは(3)3つ以上の光硬化性官能基を有する芳香族化合物を濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入したもの等を用いることができる。また、酸性多官能光硬化性化合物そのものであるモノマーを繰返し単位として含むオリゴマーを、酸性多官能光硬化性化合物として用いてもよい。
酸性多官能光硬化性化合物の例としては、下記一般式(i)、一般式(ii)で表されるものが好ましい。なお、一般式(i)及び一般式(ii)において、T又はGがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がR、X及びWに結合する。
Figure 2008256735
前記一般式(i)中、Rは(メタ)アクリロイロキシ基を表し、Xは−COOH基、−OPO基を表す。Tはオキシアルキレン基を表し、ここでアルキレン基の炭素数は1〜4である。nは0〜20である。
前記一般式(ii)中、Wは一般式(i)におけるR又はXを表し、6個のWのうち、3個以上のWがRである。Gは一般式(i)におけるTと同義である。Zは−O−もしくは、−OC=ONH(CHNHCOO−を表す。pは0〜20であり、qは1〜8である。一分子内に複数存在するR、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていても良い。)
前記一般式(i)及び(ii)で表される酸性多官能光硬化性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、上記カルボキシル基含有5官能アクリレートなどが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
重合性化合物の感光性組成物中における含有量は、組成物の全固形分に対して、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
−重合開始剤−
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤の少なくとも一種を用いて構成することができる。この光重合開始剤は、光により分解し、重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸塩化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としては、m−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、特開2002−107916、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
スルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
光重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤の感光性組成物中における含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%であり、特に好ましくは1〜20質量%である。前記範囲内であると、良好な感度とパターン形成性が得られる。
−他の成分−
本発明の感光性組成物には、上記成分以外に以下に示す他の成分を用いてもよい。
<界面活性剤>
高い色純度を得る目的で、金属粒子及び/又は金属を有する粒子等の濃度を高くすると塗布液のチキソ性が一般に大きくなりやすいため、塗布後の膜厚ムラを生じやすく、また、特にスリットコートでは乾燥までに液がレべリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、感光性組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に記載の界面活性剤が好適なものとして挙げられる。塗布性を向上するための界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が添加される。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上、ADEKA(株)製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上、花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上、三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものを適宜使用できる。
界面活性剤の好ましいHLB値は、8〜20、更に好ましくは10〜17である。
前記フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
市販品としては、例えば、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、JEMCO(株)製)などである。
前記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、レジスト液100質量部に対して、好ましくは5質量部以下で、より好ましくは2質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部以下であると、塗布乾燥での表面粗れが生じにくく、平滑面が得られる。
また、未硬化部のアルカリ可溶性を促進し、感光性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
<アルコキシシラン化合物>
本発明の感光性組成物には、基板との密着性向上といった観点から、アルコキシシラン化合物、中でもシランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましく、有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す(メタ)アクリロイル、フェニル、メルカプト、エポキシシランであることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランであることがより好ましい。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明の感光性組成物の全固形分中、0.2〜5.0質量%の範囲が好ましく、0.5〜3.0質量%の範囲がより好ましい。
<共増感剤>
本発明の感光性組成物は、所望により共増感剤を含有することも好ましい。共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号に記載の化合物等が挙げられる。具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
0001
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報に記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報に記載のジスルフィド化合物等が挙げられる。具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。また、別の例として、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報に記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報に記載の水素供与体、特開平6−308727号公報に記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、感光性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
<重合禁止剤>
感光性組成物の調製中あるいは保存中において、重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために、熱重合防止剤を添加することが望ましい。
熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光性組成物の全質量に対して約0.01〜約5質量%が好ましい。また、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光性組成物の全質量の約0.5〜約10質量%が好ましい。
<その他の添加剤>
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤や可塑剤、感光性層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の感光性組成物は、高感度に硬化し、かつ保存安定性も良好である。したがって、本発明の感光性組成物は、3次元光造形やホログラフィー、カラーフィルタ等の画像形成材料や、インク、塗料、接着剤、コーティング剤等の分野に好ましく適用することができる。
<感光性転写材料>
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、既述の本発明の感光性組成物を用いて形成された感光性層を少なくとも有してなるものであり、必要に応じて、中間層(酸素遮断層など)、熱可塑性樹脂層、カバーフィルム等を設けて構成することができる。
本発明の感光性組成物の詳細については既述の通りである。
仮支持体としては、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の基材を用いることができる。中でも、コスト、耐熱性、寸法安定性の点で、2軸延伸したポリエチレンテレフタレートが好ましい。仮支持体の厚みは、15〜200μm程度が好ましく、より好ましくは30〜150μm程度である。
−熱可塑性樹脂層−
仮支持体と感光性層との間、又は中間層を有するときには仮支持体と中間層との間に、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。熱可塑性樹脂層は、被転写体の表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸も含む)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであるため、凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれるものが好ましい。更に、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用できる。また、これらの熱可塑性樹脂のうち、軟化点が80℃以下のものが好ましい。
熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂の中でも、重量平均分子量3千〜50万(Tg=0〜170℃)の範囲で選択して使用することが好ましく、更には重量平均分子量4千〜20万(Tg=30〜140℃)の範囲がより好ましい。これらの樹脂の具体例としては、特公昭54−34327号、特公昭55−38961号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭61−134756号、特公昭59−44615号、特開昭54−92723号、特開昭54−99418号、特開昭54−137085号、特開昭57−20732号、特開昭58−93046号、特開昭59−97135号、特開昭60−159743号、特開昭60−247638号、特開昭60−208748号、特開昭60−214354号、特開昭60−230135号、特開昭60−258539号、特開昭61−169829号、特開昭61−213213号、特開昭63−147159号、特開昭63−213837号、特開昭63−266448号、特開昭64−55551号、特開昭64−55550号、特開平2−191955号、特開平2−199403号、特開平2−199404号、特開平2−208602号、特開平5−241340号の各公報に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂を挙げることができる。
これらの中でも特に好ましくは、特開昭63−147159号公報に記載のメタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、特公昭55−38961号、特開平5−241340号の各公報に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂層には、各種可塑剤、各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、又は離型剤等を加えてもよい。可塑剤の例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物等が挙げられる。熱可塑性樹脂層中の可塑剤の量は、熱可塑性樹脂に対して、200質量%以下が一般的である。
熱可塑性樹脂層の厚みは、表面凹凸を吸収する点で、6μm以上が好ましい。厚みの上限については、現像性、製造適性から約100μm以下が一般的である。
熱可塑性樹脂層の塗布溶媒としては、この層を構成する樹脂を溶解するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、i−プロパノール等が挙げられる。
−中間層−
感光性転写材料は、仮支持体と感光性層との間に中間層を設けてもよい。
中間層を構成する樹脂としては、アルカリ可溶であれば特に制限はない。該樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体を挙げることができる。また、ポリエステルのように通常はアルカリ可溶性でない樹脂にカルボキシル基やスルホン酸基を持つモノマーを共重合した樹脂も用いることができる。
これらの中で好ましいものは、ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールとしては、鹸化度が80%以上のものが好ましく、83〜98%のものがより好ましい。
中間層を構成する樹脂は、2種類以上を混合して使用することが好ましく、特にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して用いることが特に好ましい。両者の質量比はポリビニルピロリドン/ポリビニルアルコール=1/99〜75/25の範囲が好ましく、更には10/90〜50/50の範囲がより好ましい。前記質量比が前記の範囲内にあると、中間層の面状が良好であり、その上に塗設される感光性層との密着性がよく、更に酸素遮断性が低下して感度が低下するのを防止できる。
なお、中間層には必要に応じて界面活性剤などの添加剤を添加することができる。
中間層の厚みは、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。中間層の厚みが前記範囲内にあると、酸素遮断性が得られ、現像時の中間層除去時間が増大するのを防止できる。
中間層の塗布溶媒としては、前記樹脂が溶解すれば特に制限はなく、水又は、水に水混和性有機溶剤を混合した混合溶媒が好ましい。好ましい塗布溶媒の具体例として、水、水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5(但し、比は質量比を表す)等が挙げられる。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上、あるいは仮支持体上に該仮支持体側から順に熱可塑性樹脂層及び中間層が設けられているときは該中間層上に、本発明の感光性組成物の溶液を例えばスピナー、スリットコーター、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布し、乾燥させることにより形成できる。
感光性層の層厚は、0.1〜4.0μmの範囲が好ましく、0.1〜2.0μmの範囲がより好ましい。
<表示装置用遮光膜及びその形成方法>
本発明の表示装置用遮光膜は、既述の本発明の感光性組成物を用いて形成されたものである。本発明の感光性組成物を用いて構成されるので、薄膜で高濃度を有し、欠け等の画像欠陥が抑えられており、例えばカラーフィルタを作製する場合には、平滑な表面が得られ、画像表示した際の表示ムラを抑えた高品位の画像を表示することができる。
よって、本発明の表示装置用遮光膜は、カラーフィルタを構成する複数の画素群の各画素間を離隔するブラックマトリクス等の離隔壁を形成するのに好適に用いられる。
本発明の表示装置用遮光膜は、本発明の感光性組成物を用いた方法であれば特に制限なく形成可能であるが、好ましくは、(1)本発明の感光性組成物を基板上に塗布する工程を含む塗布法、又は(2)既述の本発明の感光性転写材料の感光性層を基板上に転写する工程を含む転写法のいずれかにより、基板上に感光性層を形成することによって形成される。感光性転写材料の詳細については既述の通りである。
塗布法による場合、基板上に、スリット塗布、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の各種塗布方法などを利用して感光性層を塗布形成することができる。
転写法による場合、予め仮支持体上に感光性層が前記塗布方法によって塗布形成された感光性転写材料を用い、その感光性層を基板上に転写して形成することができる。転写方法については、特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の方法を適用することができる。
感光性組成物の塗布厚は、形成する遮光膜の厚みの設計値により適宜調製できるが、一般には0.1〜10μmが好ましく、0.3〜1.0μmの範囲がより好ましい。
基板上に形成された感光性層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度で10〜300秒の範囲で行なえる。
基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等が挙げられる。さらに、プラスチック基板も使用可能である。
また、基板上には必要により、設けられる層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
塗布法及び転写法のいずれに関わらず、感光性層を形成する工程の後には、さらに感光性層を(マスクを介して)露光する工程(露光工程)と、露光後の感光性層を現像してパターンを形成する工程(現像工程)とを設けることができる。
−露光工程−
露光工程では、感光性層を例えば所定のパターンを有するマスクを介して露光する。
露光は、所定のパターンを介して露光し、感光性層の光照射された領域だけを硬化させ、後述の現像工程でパターン化する。露光に用いられる放射線としては、g線、h線、i線等の紫外線が好ましい。
照射量は、5〜1500mJ/cmが好ましく、10〜1000mJ/cmがより好ましく、10〜500mJ/cmが最も好ましい。露光機は、プロキシミテイー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式のいずれの露光機も使用可能である。
−現像工程−
露光後、アルカリ現像処理を行なうことにより、感光性層の未照射領域がアルカリ水溶液に溶出し、光硬化された領域だけが残る。アルカリ現像処理に用いる現像液としては、固体撮像素子用途の場合は基板上の回路などにダメージを起さない有機アルカリ現像液が望ましく、液晶表示装置用途の場合は無機アルカリ現像液が望ましい。
現像温度は、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ剤を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液を現像液として好適に使用できる。なお、アルカリ性水溶液を使用した場合は、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
−他工程−
前記現像工程後には、必要により、形成された遮光膜を加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
また、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥した後に、ポストベーク処理を行なうことができる。ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃の温度範囲で行なわれる。基板がガラス基板又はシリコン基板の場合は、200℃〜240℃が好ましい。ポストベーク処理は、現像後の感光性層を、前記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行なうことができる。
<遮光膜付基板>
本発明の遮光膜付基板は、基板と、該基板上に設けられた既述の本発明の表示装置用遮光膜とを設けて構成されたものである。遮光膜は薄膜で高濃度を有し、欠け等の画像欠陥が抑えられているので、例えばカラーフィルタを作製する場合に、平滑な表面が得られ、画像表示した際の表示ムラを抑えた高品位の画像表示が可能である。
本発明の表示装置用遮光膜、基板の詳細については既述の通りである。
また、本発明の遮光膜付基板を用いることにより好適にカラーフィルタを作製することができる。一般には、遮光膜(例えばブラックマトリックス等の着色画素間を離隔する離隔壁)を形成した後にRGB等の各色相の着色画素が形成される。
カラーフィルタを構成する着色画素は、既述の表示装置用遮光膜の形成方法における「感光性層を形成する工程」、露光工程、現像工程、及び必要に応じて硬化工程やポストベーク工程等の他の工程と同様の工程を設けて形成することができる。
このとき、「感光性層を形成する工程」では、着色画素を形成するための着色感光性組成物が用いられる。また、露光工程での光の照射量は、カラーフィルタが液晶表示素子用である場合、5〜200mJ/cmが好ましく、10〜150mJ/cmがより好ましく、10〜100mJ/cmが最も好ましい。カラーフィルタが固体撮像素子用である場合は、30〜1500mJ/cmが好ましく、50〜1000mJ/cmがより好ましく、80〜500mJ/cmが最も好ましい。これらの場合、露光はi線のステッパー方式の露光機によるのが好ましい。
また、着色画素は、遮光膜付基板の遮光膜で取り囲まれた基板上の凹部に着色液体組成物をインクジェット法により液滴付与することにより形成することもできる。
具体的には、本発明の遮光膜付基板を準備し、この遮光膜付基板の遮光膜形成面において、着色感光性組成物を用いて上記同様に、感光性層を形成する工程、露光工程、現像工程、及び必要に応じて硬化工程やポストベーク工程等を行ない、これらの工程を所望の色相数だけ繰り返すことにより、遮光部が形成されている基板の遮光膜非形成面に所望の色相よりなる着色画素を形成してカラーフィルタが作製される。
ここで、着色画素を形成するための着色感光性組成物について略説する。
着色感光性組成物は、着色剤、分散剤、重合性化合物、光重合開始剤、溶剤、及び所望により他の成分を用いて構成することができる。
<着色剤>
着色剤としては、顔料や染料が挙げられる。顔料は、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。染料には、カラーフィルタ用として公知の染料を使用できる。高透過率が得られることが好ましいことを考慮すると、顔料はなるべく粒子サイズの小さいものが好ましく、平均粒子サイズが10〜100nmの顔料が好ましく、さらに好ましくは10〜50nmの顔料ある。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げることができる。具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物等が挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.ヒ゜ク゛メント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199;
C.I.ヒ゜ク゛メント オレンシ゛36, 38, 43, 71;
C.I.ヒ゜ク゛メント レット゛81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220,224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ヒ゜ク゛メント ハ゛イオレット 19, 23, 32, 37,39;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ヒ゜ク゛メント ク゛リーン 7, 36, 37;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ラウン 25, 28;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ラック 1、等が挙げられる。
本発明においては特に限定されるものではないが、下記顔料がより好ましい。
C.I.ヒ゜ク゛メント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ヒ゜ク゛メント オレンシ゛36, 71,
C.I.ヒ゜ク゛メント レット゛ 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ヒ゜ク゛メント ハ゛イオレット 19, 23, 37,
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ヒ゜ク゛メント ク゛リーン 7, 36, 37;
これら有機顔料は、1種単独もしくは、色純度を上げるために種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤色用の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも一種と、ビスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料との混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:50が好ましい。特に、前記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑色用の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとビスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180又はC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
また、青色用の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えば、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
着色剤(特に顔料)の着色感光性組成物中における含有量としては、組成物の全固形分(質量)に対して、25〜75質量%が好ましく、32〜70質量%がより好ましい。着色剤の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保できる。
<分散剤>
分散剤は、酸価20〜300mg/gであり、かつ重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある樹脂(以下、分散樹脂ともいう。)が好ましく、中でも、酸性基を有する高分子化合物が好ましい。
この高分子化合物の高分子骨格としては、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体が特に好ましい。
高分子骨格に酸性基の導入する方法としては、例えば、高分子骨格を重合する際に酸性基を含有するモノマーを共重合する方法や、高分子骨格を重合後に高分子反応により導入する方法が挙げられる。
酸性基を含有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステル、あるいは2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマーなどが挙げられる。
これらの中でも、好ましいモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマー等が挙げられる。ここで用いる環状酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水トリメット酸などが挙げられるが、特に無水フタル酸、無水コハク酸等が好ましい。
更に、酸性基を有する高分子化合物は、更に、ビニルモノマー成分を共重合してなるものであってもよい。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなビニルモノマーとしては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt-Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記の化合物の以外にも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(たとえばビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
更に、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級或いは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級或いは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
更に下記に示すような重合性オリゴマーをビニルモノマーとみなして用いてもよい。
重合性オリゴマー(以下、「マクロモノマー」ということがある。)は、エチレン性不飽和二重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。本発明においては、前記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両末端の一方にのみ前記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有するのが好ましい。
前記重合性オリゴマーの分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのがより好ましい。前記数平均分子量は、1000以上にすることにより分散剤としての立体反発効果が十分に得られ、20000以下にすることにより着色剤(特に顔料)の吸着が良好になる。
前記オリゴマーとしては、一般には、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びブタジエンから選択された少なくとも一種のモノマーから形成された単独重合体又は共重合体などが挙げられ、これらの中でも、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体、ポリスチレンなどが好ましい。本発明において、これらのオリゴマーは、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、特に制限はないが、例えば、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。
上記のビニルモノマーは一種のみで重合させてもよいし、二種以上を併用して共重合させてもよい。このようなラジカル重合体は、それぞれ相当するビニルモノマーを公知の方法で常法に従って重合させることで得られる。例えば、これらのビニルモノマー及び連鎖移動剤を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して、約50〜220℃で溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる単量体及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
前記分散樹脂は、既述のように酸価が20〜300mg/gであることが好ましく、より好ましくは30〜300mg/gであり、更に好ましくは30〜200mg/gである。分散樹脂の酸価が前記範囲内であると、着色剤(特に顔料)の分散性、分散安定性に優れ、アルカリ現像性にも優れる。
また、分散樹脂の重量平均分子量は、3,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは3,000〜70,000の範囲であり、更に好ましくは5,000〜50,000の範囲である。分散樹脂の重量平均分子量が前記範囲内であると、着色剤(特に顔料)の分散時間の短縮、及び分散物の経時安定性の点で好ましい。
また、分散樹脂としては、顔料吸着性基を高分子末端に2〜100個有する高分子化合物、又は、含窒素複素環を有し、かつエチレン性不飽和基を有する単量体を共重合単位として含む高分子化合物であることが好ましい。
前記「顔料吸着性基を高分子末端に2〜100個有する高分子化合物」としては、前記酸価及び重量平均分子量を有し、かつ顔料吸着性基を高分子末端に2〜100個有する高分子化合物を制限なく用いることができる。顔料吸着性基を高分子末端に4〜70個有する高分子化合物が好ましく、更には、顔料吸着性基を高分子末端に5〜50個有する高分子化合物が好ましい。また、顔料吸着基としては、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性基などが好ましい。
前記「含窒素複素環を有し、かつエチレン性不飽和基を有する単量体を共重合単位として含む高分子化合物」としては、前記酸価及び重量平均分子量を有すると共に、含窒素複素環を有し、かつエチレン性不飽和基を有する単量体を共重合単位として含む高分子化合物を制限なく用いることができるが、以下の含窒素複素環を有するものが好ましい。
好ましい含窒素複素環としては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、カルバゾールが挙げられる。
さらに、公知の分散剤として、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体〕、及びポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
具体例として、BYK Chemie社製の「Disperbyk−107(カルボン酸エステル)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、EFKA社製の「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製の「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製の「ディスパロン#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製の「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製の「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製の「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
分散剤の着色感光性組成物中における含有量としては、着色剤(特に顔料)に対して、5〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、着色感光性組成物の調製に用いられる重合性化合物、光重合開始剤、及び他の成分については、既述の本発明の感光性組成物に使用可能な重合性化合物、光重合開始剤、及び他の成分と同様のものを用いることができる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、既述の本発明の遮光膜付基板を設けて構成されたものであり、画像表示した際の表示ムラを抑えた高品位の画像を表示することができる。
表示装置としては、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などが含まれる。
表示装置の定義や各表示装置の説明については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置が特に好ましい。液晶表示装置については、例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
これらのうち、特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば、「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置は、カラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の遮光膜付基板は、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ(2005年12月号)の18〜24ページ(島 康裕著)、同25〜30ページ(八木隆明著)などに記載がある。赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって、輝度が高く、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供できる。
本発明の感光性組成物を用いたブラックマトリックス等の遮光膜は、バックライトを遮光し、各着色画素の透過光をシャープにして高精彩に視認する効果(シャドー効果)がある。
液晶表示装置には、画像の応答速度の向上が求められる。応答速度の向上のために液晶の配向速度の改良がなされている。一方、液晶セルの構造面からは液晶層の厚み低減が、コストダウン上も必要である。ここで、液晶層の厚み低減に必要な技術として、着色画素と遮光膜との境界部分での液晶の配向乱れを小さくすることが挙げられる。そのためには、境界部分での段差を小さくすることが求められ、境界部分での乱れが低減されると、視認性も向上する。
本発明の感光性組成物を用いた遮光膜では、薄膜で高濃度が得られるので、着色画素との重なり部が平坦になり、平坦性の高いカラーフィルタが得られる。平坦性が良好になると液晶層を薄層化したり、透明電極ITOを敷設する前に平坦化層を付与する必要がなくなり、工程の合理化、ひいてはコストダウン、量産性に貢献できるのである。薄膜な遮光膜を用いることにより、高コントラスト性能を高めることが可能である。
<パターン欠け防止方法>
本発明のパターン欠け防止方法は、金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と樹脂及びその前駆体の少なくとも1種とを含有する感光性組成物を露光し、現像することによりパターン形成してブラックマトリクスを得る場合に、前記感光性組成物中における沸点120℃以上の溶剤(本発明における高沸点溶剤)の全溶剤量に対する含有割合を70%以上に調整することを特徴とするものである。
金属粒子及び金属を有する粒子を着色材料として用いた場合に、形成されたパターンに欠け等の画像欠陥が生じることがあるが、組成物中に含有する全溶剤(全溶剤量)のうち、沸点が120℃以上の高沸点溶剤の含有割合を70%以上とすることで、経時保存での安定性が向上し、組成物調製後に一時的に経時保存された場合における欠け等の画像欠陥の発生を防止することができる。これより、形状の良好なパターンが安定的に得られる。しかも、高濃度を得ながら高い光感度も得られるので、低露光量でも所望形状のパターンを再現よく形成できる。
金属粒子及び金属を有する粒子、樹脂及びその前駆体、溶剤、及びその他感光性組成物の成分、並びに露光及び現像等の詳細については既述の通りである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<1.光硬化性組成物の調製>
〜1−1.銀錫合金部を有する粒子の分散液(分散液K−1)の調製〜
純水1000mlに、酢酸銀(I)9.8g、酢酸スズ(II)27.8g、グルコン酸23g、ピロリン酸ナトリウム19.2g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)1g、及び下記構造式(JS−1)で表される樹脂化合物C−1(構造式中、a=1、b=13、c=30、d=12、e=44[a〜eは共重合質量%]を表す)3.0gを混合し、溶液1を得た。
Figure 2008256735
これとは別に、純水500mlにヒドロキシアセトン19.6gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を30℃に保って激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに4時間攪拌を継続した。すると、混合液は黒色に変化し、銀錫合金部を有する金属粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」という。)が分散された分散液を得た。そして、この分散液に硝酸を滴下してpH4に調整し、銀錫合金部含有粒子を凝集、沈降させた。その後、凝集後の分散液の上澄み液を除去し、これに蒸留水を加えて静置して再び上澄みを除去した。これを数回繰り返した。
続いて、銀錫合金部含有粒子に乳酸エチルを加え、ブランソン社製のソニファー(Sonifier)II型超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。その後、ブランソン社製のモデル(Model)2000bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザーを用いて40kHzの超音波を10分間照射した。このようにして再分散させることにより、銀錫合金部含有粒子が分散された乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1を得た。
なお、超音波照射している間は、分散液が25℃に維持されるように、ヤマト科学社製のクールニクスCTW400により冷却した。これにより、得られた分散液は、粒子形成後と同様の形状、色味を有していた。
上記で得られた銀錫合金部含有粒子を、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)を用いて分析したところ、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(111)面の散乱角である。
また、得られた乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1のAg及びSn含有量を原子吸光法により測定した結果、Ag濃度7.72%、Sn濃度17.25%であった。また、TG−DTA(セイコー(株)製)を用いて乾燥減量から得られた樹脂化合物C−1の分散物中における濃度は、1.0%であった。
上記のようにして得られた乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1中に分散されている銀錫合金部含有粒子は、算術平均径42nmの不定形状の粒子であった。
算術平均径は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製、倍率10万倍、加速電圧200kV)により得た写真を用い、粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均値を求めて数平均粒子径である。
〜1−2.光硬化性組成物の調製〜
得られた乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1を用い、下記表1に示す処方で光硬化性組成物CK−1を調製した。表1中の数字は質量比を示す。
このとき、光硬化性組成物CK−1中の沸点120℃以上の溶剤の全溶剤量に対する含有割合は、100%である。なお、下記表1中の溶剤(例えば乳酸エチル)の欄の各溶剤の数値には、乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1等の含有成分中に含まれる溶剤(例えば乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1中の乳酸エチル)も含まれる。
<ブラックマトリクスの形成(塗布)>
ガラス基板(コーニング社製のミレニアム[0.7mm厚])に、スリット間隔100μm、塗布有効幅500mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置を用いて、上記で得られた光硬化性組成物CK−1を塗布し、感光性層を形成した。塗布は、ポストベーク後の厚みが0.5μm〜1.5μmとなるように、スリットとガラス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度100mm/秒にて行なった。
次いで、ホットプレートを用いて100℃で120秒間、塗布形成された感光性層を加熱(プリベーク処理)を行なった後、HITACHI露光機LE5565(全波長)を用いて、線幅10μmのマスクを用い、プロキシミテイーギャップを300μmとして、開口(着色画素を形成するための領域)サイズが90μm×200μmとなるように、パターン露光した。その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1(1部)及び純水(99部)を混合して希釈した液(25℃))を用いて現像処理し、純水で洗浄した。次いで、220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理を施し、ガラス基板上にブラックマトリックスパターンを形成した。以下、このガラス基板をBM付基板と称する。
このとき、13μmの格子状ブラックマトリクスを形成するのに必要な露光量は、75mJ/cmであった。露光量を下記表1に併記する。
<評価1>
得られたBM付基板について、下記の測定、評価を行なった。測定、評価の結果は下記表1に示す。
(1.線幅の測定)
金属顕微鏡VANOX AHMT3(オリンパス(株)製)にOLYMPUS Ikegami ITC-370M(オリンパス(株)製)を搭載し、FLOVEL VIDEO MICRO METER MODEL VM-40(オリンパス(株)製)を用いて、BM基板を直接観察し、任意の100点を選択して、ガラス基板の法線方向と直交する方向におけるブラックマトリクスの格子幅を測定し、その平均値を算出して線幅とした。
(2.欠けの評価)
上記と同様にして光硬化性組成物CK−1を調製後、35℃で7日間保存したものを用いて、上記と同様の方法によりブラックマトリクスを形成し、BM付基板を作製した。なお、露光及び現像等の条件は、保存前の光硬化性組成物CK−1を用いたときに格子幅13μmのブラックマトリクスが得られる条件に調整した。
そして、保存後の光硬化性組成物CK−1を用いて得られたBM付基板を、光学顕微鏡(微分干渉モード、200倍)で全面観察し、欠け(細線幅の20%以上が欠損した部分が存在した箇所)の発生数を観察した。欠けの発生数を下記の評価基準にしたがって評価した。
〈評価基準〉
◎ …20個/m未満
○ …20個/m以上40個/m未満
△ …40個/m以上80個/m未満
× …80個/m以上120個/m未満
××…120個/m以上
<着色感光性液体組成物の調製>
−3−1.赤色硬化性組成物の調製−
下記組成R−1の各成分の混合物を、ホモジナイザーを用いて3000r.p.m.の条件で1時間撹拌し、得られた混合溶液を0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間、微分散処理を施すことにより、RED分散液を調製した。
〈RED分散液の組成R−1〉
・Pigment Red 254(SEM観察での平均粒子径20nm) …11部
・Pigment Red 177(SEM観察での平均粒子径18nm) …4部
・分散樹脂A−1 …5部
〔下記単量体M−4/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(10%/15%/75%(質量比)、重量平均分子量:20000、酸価98mg/g)〕
・Disperbyk−161(商品名、ビックケミー社製;分散剤)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液 …3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=75/25[質量比]、重量平均分子量Mw:5000;アルカリ可溶性樹脂)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分(質量)50%) …4部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) …73部
Figure 2008256735
次に、下記成分を混合、撹拌し、赤色硬化性組成物CR−1を調製した。
・前記RED分散液 …100部
・エポキシ樹脂(商品名:EHPE3150、ダイセル化学工業(株)製) …2部
・ジペンタエリスリトールペンタヘキサアクリレート(重合性化合物) …8部
・4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアン(開始剤) …1部
・2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(開始剤) …1部
・ジエチルチオキサントン(開始剤) …0.5部
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤) …0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R30、大日本インキ化学工業(株)製) …0.01部
・ノニオン系界面活性剤 …0.2部
(商品名:テトロニックR150、ADEKA社製)
・プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート(溶剤) …30部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) …100部
−3−2.緑色硬化性組成物の調製−
前記赤色硬化性組成物CR−1の調製において、RED分散液を下記組成G−1のGREEN分散液に代えて、RED分散液と同様にしてGREEN分散物を調製すると共に、前記RED分散液をGREEN分散物に代えたこと以外は、赤色硬化性組成物CR−1と同様にして、緑色硬化性組成物CG−1を調製した。
〈GREEN分散液の組成G−1〉
・Pigment Green 36(SEM観察での平均粒子径19nm) …11部
・Pigment Yellow150(SEM観察での平均粒子径22nm) …7部
・分散樹脂A−2 …5部
〔下記構造単位(M'−6)を形成しうる単量体/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(=12%/17%/71%(質量比)、重量平均分子量:50000、酸価110mg/g)〕
・Disperbyk−161(商品名、ビックケミー社製;分散剤)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液 …3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=85/15[質量比]、重量平均分子量Mw:5000;アルカリ可溶性樹脂)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分(質量)50%) …4部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) …70部
Figure 2008256735
次に、下記成分を混合、撹拌し、緑色硬化性組成物CG−1を調製した。
・前記GREEN分散液 …100部
・エポキシ樹脂(商品名:EHPE3150、ダイセル化学工業(株)製) …2部
・ジペンタエリスリトールペンタヘキサアクリレート(重合性化合物) …6部
・ペンタエリスリトールのテトラ(エトキシアクリレート)(重合性化合物) …2部
・1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラントリアジン(開始剤) …2部
・2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(開始剤) …1部
・ジエチルチオキサントン(開始剤) …0.5部
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤) …0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08、大日本インキ化学工業(株)製) …0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60、花王(株)製) …0.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) …120部
・プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート(溶剤) …30部
−3−3.青色硬化性組成物の調製−
前記赤色硬化性組成物CR−1の調製において、RED分散液を下記組成B−1のBLUE分散液に代えて、RED分散液と同様にしてBLUE分散物を調製すると共に、前記RED分散液をBLUE分散物に代えたこと以外は、赤色硬化性組成物CR−1と同様にして、青色硬化性組成物CB−1を調製した。
〈BLUE分散液の組成B−1〉
・Pigment Blue 15:6(SEM観察での平均粒子径15nm) …14部
・Pigment Violet 23(SEM観察での平均粒子径23nm) …1部
・下記分散樹脂A−3 …5部
・Disperbyk−161(商品名、ビックケミー社製;分散剤)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液 …3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20[質量比]、重量平均分子量Mw:5000;アルカリ可溶性樹脂)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分(質量)50%) …4部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) …73部
〜合成例:分散樹脂A−3の合成〜
1.連鎖移動剤A3の合成
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.83部、及び下記の、吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物(m−6)4.55部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.90部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.04部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.04部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、以下に示すメルカプタン化合物(連鎖移動剤A3)の30%溶液を得た。
Figure 2008256735
2.分散樹脂の合成
得られた連鎖移動剤A3の30%溶液4.99部、メタクリル酸メチル19.0部、メタクリル酸1.0部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4.66部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。この混合溶液に、攪拌しながら2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.139部、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.36部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.40部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃で2.5時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.046部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.00部の混合溶液を投入し、更に2時間反応させた。反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル1.52部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7部を加え、室温まで冷却することにより、下記構造の分散樹脂A−3(ポリスチレン換算の重量平均分子量24000)の溶液(分散樹脂30%、プロピレングリコールモノメチルエーテル21%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49%)を得た。この分散樹脂A−3の酸価は48mg/gであった。
Figure 2008256735
次に、下記成分を混合、撹拌し、青色硬化性組成物CB−1を調製した。
・BLUE分散液 …100部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20[質量比]、重量平均分子量Mw:5000;アルカリ可溶性樹脂)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分(質量)50%) …6部
・エポキシ樹脂(商品名:セロキサイド2080、ダイセル化学工業(株)製) …2部
・UV硬化性樹脂(商品名:サイクロマーP ACA−250、ダイセル化学工業(株)製) …4部
〔側鎖に脂環、COOH基、アクリロイル基のあるアクリル系共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分(質量)50%)
・ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート(重合性化合物) …12部
・1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)エタノン(開始剤) …3部
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤) …0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08、大日本インキ化学工業(株)製) …0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60、花王(株)製) …1.0部
・3−エトキシプロピオン酸エチル(溶剤) …20部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) …150部
<カラーフィルタの作製>
BM付基板として、前記「欠けの評価」と同様に、調製後、35℃で7日間保存した後の光硬化性組成物CK−1を用いてブラックマトリクスが形成されたBM付基板を用意した。
このBM付基板のBM形成面側に、上記で得られた着色感光性液体組成物のうち、まず赤色硬化性組成物を、スリット間隔100μm、塗布有効幅500mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置を用いて、ポストベーク後の厚みが1.5μm〜3.0μmとなるように、スリットとBM付基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度100mm/秒で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、HITACHI露光機LE5565(全波長)を用いて、プロキシミテイーギャップを300μmとして、100mJ/cmで露光した(照度:20mW/cm)。その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(25℃)で現像し、純水で洗浄した。次いで、220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、熱処理済みの赤色画素(R画素)を形成した。
その後さらに、赤色画素の形成と同様にして、緑色画素(G画素)を形成し、同様に青色画素(B画素)を形成して、カラーフィルタを得た。以下、カラーフィルタが形成されたBM付基板を「カラーフィルタ基板」と称する。
<液晶表示装置の作製>
得られたカラーフィルタ基板のR,G,B画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1の記載にしたがって、前記ITO膜上のブラックマトリックスの上方に位置する領域にスペーサを形成した。
別途、対向基板として、ガラス基板を用意した。
そして、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板であるガラス基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上にポリイミド配向膜(日産化学(株)製、サンエバー7492;ベーク処理後に70nmとなる厚み)を設け、180℃で1時間ベーク処理した。その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた両基板をUV照射した。その後、熱処理してシール剤を硬化させ、液晶セルを作製した。
このようにして得た液晶セルの両側に、偏向板(日東電工(株)製、NPF−SEG1224DU)を貼り付けた。次いで、三波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製、FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを、液晶セルの偏光板が設けられていない側(背面)に配置し、液晶表示装置とした。
<評価2>
得られた液晶表示装置について、下記方法により表示ムラを評価した。評価結果は下記表2に示す。
(3.表示ムラの評価)
液晶表示装置にグレイのテスト信号を入力してグレイ表示させたときのグレイ画像を目視により観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
〈評価基準〉
○:表示ムラは全く認められなかった。
×:表示ムラが認められた。
(実施例2〜6、比較例1〜4)
実施例1において、乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1及びその量、並びに溶剤の種類、比率、及び樹脂を下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、光硬化性組成物CK−2〜CK−10を調製し、ブラックマトリクスを形成すると共に、カラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した。また、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
以下、各実施例、各比較例で用いる分散液K−2〜K−6について説明する。
〜銀錫合金部を有する粒子の分散液(分散液K−2)の調製〜
前記乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1の調製において、再分散の際に用いた乳酸エチルをプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)に代えたこと以外は、前記乳酸エチル銀錫粒子分散液K−1と同様にして、乳酸エチル銀錫粒子分散液K−2を調製した。
〜銀微粒子の分散液(分散液K−3)の調製〜
1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを12.0に調整した水溶液2.5Lに、下記高分子化合物PO−1を3.0g加え、完全に溶解するまで45℃で30分攪拌した。
Figure 2008256735
得られた溶液を45℃に温度制御し、アスコルビン酸8.5gを含む水溶液と、ハイドロキノン5g及び亜硫酸ナトリウム1.5gを含む水溶液と、硝酸銀30gを含む水溶液とを同時に添加して、黒色の銀粒子含有液を調製した。
得られた銀粒子は、球状粒子がランダムに連結した算術平均粒径16.1nmの数珠状粒子であった。算術平均粒径については、実施例1と同様である。
続いて、調製した銀粒子含有液に遠心分離処理(12000r.p.m.で30分間)を行ない、上澄み液を捨てた後、蒸留水を加えて水洗する操作を3度繰り返した。更に、この銀粒子含有液にアセトンを加え、スターラーで攪拌後、遠心分離処理(12000r.p.m.で30分間)を行なった。その後、上澄み液を除去して、上澄み液と等質量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を加え、ブランソン社製の超音波ホモジナイザー(ソニファー(Sonifier)II型)を用いて20kHzの超音波を5分間照射した。さらに、ブランソン社製のモデル(Model)200bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザーを用いて40kHzの超音波を10分間照射した。このようにして再分散させることにより、銀粒子が分散されたPGMEA銀粒子分散液K−3を得た。得られた分散液は、粒子形成後と同様の形状、色味を有していた。
上記のようにして得た銀粒子を実施例1と同様の方法により分析したところ、Ag単独の金属粒子であることがX線散乱により確認された。
また、得られたPGMEA銀粒子分散液K−3について原子吸光法によりAg含有量を測定した結果、Ag濃度25.0%であった。また、TG−DTA(セイコー(株)製)を用いて乾燥減量から得られた高分子化合物PO−1の分散物中における濃度は1.1%であった。
〜銀微粒子の分散液(分散液K−4)の調製〜
前記PGMEA銀粒子分散液K−3の調製において、再分散の際に用いたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、これと等質量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びシクロヘキサノンの混合溶液に代えたこと以外は、前記PGMEA銀粒子分散液K−3と同様にして、銀粒子分散液K−4を調製した。
〜カーボンブラック分散液(K−5)の調製〜
下記処方の組成を混合し、ホモジナイザーを用いて3000r.p.m.の条件で1時間撹拌し、得られた混合溶液を0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施して、カーボンブラック分散液K−5を調製した。
〈処方〉
・カーボンブラック(デグッサ社製、カラーブラックFW2) …26.7部
・デイスパロンDA7500 …3.3部
(楠本化成(株)製、酸価26、アミン価40;分散剤)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体(重量平均分子量Mw:10000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50%溶液 …10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …60部
〜銀微粒子の分散液(分散液K−6)の調製〜
前記PGMEA銀粒子分散液K−3の調製において、高分子化合物PO−1(3.0g)を既述の化合物PO−30(アルカリ可溶性樹脂)3.0gに代えたこと以外は、前記PGMEA銀粒子分散液K−3と同様にして、PGMEA銀粒子分散液K−6を調製した。
Figure 2008256735
前記表1中の各成分の詳細は以下に示す通りである。
・樹脂化合物C−2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=85/15[モル比])共重合体(重量平均分子量Mw:10000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50%溶液
・UV硬化性樹脂C−3:サイクロマーP ACA−250(商品名;ダイセル化学工業(株)製/側鎖に脂環、COOH基、アクリロイル基のあるアクリル系共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50%(固形分)溶液)
・重合性化合物C−5:TO−1382(商品名;東亞合成(株)製/ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの末端OH基の一部をCOOH基に置換した5官能のアクリロイル基を有するモノマーが主成分)
・開始剤C−7:OXE−02(商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・界面活性剤C−8:メガファックR30(商品名;大日本インキ化学工業(株)製)
・溶剤:
MEK=メチルエチルケトン
PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP=3−エトキシエチルプロピオネート
EL=乳酸エチル
MFG=プロピレングリコールモノメチルエーテル
(実施例7)
実施例1において、塗布によるブラックマトリクスの形成を、以下に示すように転写法により行なったこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した。また、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
<ブラックマトリクスの形成(転写)>
−感光性転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(以下、PET仮支持体という。)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記の熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。
[熱可塑性樹脂層用塗布液の処方]
・メタノール …11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …6.36部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=9万、Tg≒70℃) …5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体 …13.6部
(共重合比[モル比]=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリレートを2当量脱水縮合した化合物) …9.1部
・前記界面活性剤C−8 …0.54部
次に、この熱可塑性樹脂層上に更に、下記処方の中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を積層した。続いて、中間層上に実施例1で調製した光硬化性組成物CK−1を塗布し、乾燥させて黒色の感光性層を更に積層した。以上のようにして、PET仮支持体上に乾燥層厚14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥層厚1.6μmの中間層と、光学濃度(OD)が4.5になる厚みの感光性層とを設け、感光性組成物層の表面に保護フィルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着して、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性層の積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。以下、これをBM用感光性転写材料とする。
[中間層用塗布液の処方]
・ポリビニルアルコール (PVA−105、(株)クラレ製) …3.0部
・カルボキシメチルセルロース(TC−5E、信越化学(株)製) …0.15部
・界面活性剤2(サーフロンS−131、セイミケミカル(株)) …0.01部
・蒸留水 …524部
・メタノール …429部
−ブラックマトリクス(BM)の形成−
ガラス基板(コーニング社製ミレニアム、0.7mm厚)を、25℃に調温したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。その後、この基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱し、ラミネータに送った。
シランカップリング処理後のガラス基板に、上記より得たBM用感光性転写材料から保護フィルムを剥離除去し、除去後に露出した感光性層の表面と前記ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。
続いて、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性層との間の距離を200μmに設定し、露光量30mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2、富士フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水を11部の割合で混合)に希釈した液(30℃)を用いて50秒間、フラットノズルで圧力0.04MPaとしてシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、この基板上にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄を行ない、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1、富士フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液(29℃)を用いて30秒間、コーン型ノズルで圧力0.15MPaにてシャワー現像を行なって感光性層を現像除去し、パターン像を得た。続いて、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−SD1、富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液(33℃)を用いて20秒間、コーン型ノズルで圧力0.02MPaにてシャワーにして吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシによってパターン像を擦って残渣除去を行ない、ブラックマトリクスを得た。
Figure 2008256735
前記表2に示すように、実施例では、高い感度が得られ、経時保存によるパターンの欠けの発生はみられず、形状の良好なブラックマトリクスを形成することができた。また、このブラックマトリクスが形成されたBM付基板を用いた液晶表示装置では、表示ムラが抑えられており、高品位な画像を表示することができた。特に、硫黄原子又は窒素原子を含む樹脂を用いた実施例2、実施例3ではいずれも、パターンにおける欠けの発生をより効果的に防止することができた。殊に、実施例2では粒子径を小さくしたことにより、パターンでの欠け発生防止を更に向上させることができた。
これに対し、沸点120℃以上の溶剤の比率が低い比較例では、経時保存後にパターン形成した際の欠けを防止できず、画像表示したときには表示ムラが発生してしまった。また、着色材料としてカーボンブラックを用いた比較例4では、ある程度の欠け防止効果は得られたものの、感度が低く、所望形状を得るのに多量の露光量を要した。

Claims (13)

  1. 金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と、沸点120℃以上の溶剤の少なくとも1種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種と含み、前記溶剤の全溶剤量に対する含有割合が70%以上である感光性組成物。
  2. 前記溶剤の全溶剤に対する含有割合が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記樹脂又はその前駆体が、硫黄原子及び/又は窒素原子を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性組成物。
  4. 前記金属粒子及び金属を有する粒子の数平均粒子径が0.04μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 仮支持体上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いて形成された感光性層を有する感光性転写材料。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法。
  7. 請求項5に記載の感光性転写材料の感光性層を基板上に転写する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法。
  8. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いて形成された表示装置用遮光膜。
  9. ブラックマトリクスの形成に用いられることを特徴とする請求項8に記載の表示装置用遮光膜。
  10. 基板と、前記基板上に設けられた請求項8又は請求項9に記載の表示装置用遮光膜とを備えた遮光膜付基板。
  11. カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする請求項10に記載の遮光膜付基板。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の遮光膜付基板を備えた表示装置。
  13. 金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と樹脂及びその前駆体の少なくとも1種とを含有する感光性組成物を露光し、現像することによりパターン形成してブラックマトリクスを得る場合に、前記感光性組成物中における沸点120℃以上の溶剤の全溶剤量に対する含有割合を70%以上に調整することを特徴とするパターン欠け防止方法。
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