JP4990085B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ、及び、固体撮像素子 - Google Patents
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Description
液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
高感度を維持することが困難になるとともに、着色、或いは、硬化に関わらない他の成分、例えば、現像性を確保する目的で加えられる酸価の高いポリマーや現像促進剤等の添加量も必然的に抑えられるために、現像不良を引き起こすという問題も生じる。
着色性を低下させずに感度を確保する目的で、顔料の含有量は維持しつつ、顔料分散剤の添加量を減らすことも試みられているが、顔料分散液の安定性が低くなり、経時で粘度上昇を引き起こし、均一な塗膜を形成しがたいという新たな問題が生じる。
このように、着色硬化性組成物を、カラーフィルタ、特に固体撮像素子用カラーフィルタにおける着色領域の形成に用いる場合、薄膜化と色価の双方を満足させることが必要であり、顔料濃度が高く、且つ、感度、現像性の両立を達成しうる着色硬化性組成物が熱望されている。
本発明のさらなる目的は、前記着色硬化性組成物により形成された薄層で色特性に優れた高精細の着色領域を備えるカラーフィルタ、及び、色特性に優れたカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することにある。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> (A)(a−1)下記の群から選ばれる少なくとも1種の顔料(以下、適宜「(a−1)顔料」と称する。)、(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物、及び(a−3)分散樹脂を含む顔料分散液と、(B)オキシム型開始剤と、(C)重合性化合物と、を含有し、前記(a−1)顔料の含有量が着色硬化性組成物の固形分に対して40〜65質量%である固体撮像素子用の着色硬化性組成物。
(群)
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、71、
C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Green 7、36、37
<2> 前記(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物が、アミド構造及びウレア構造の少なくとも1つを有する化合物であることを特徴とする<1>に記載の着色硬化性組成物。
<4> 前記(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物が、ヘテロ環構造を有する化合物であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物。
<5> カラーフィルタの着色領域形成に用いられる<1>〜<4>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<6> <5>に記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
<7> <6>に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする固体撮像素子。
本発明の硬化性組成物を調製するに際し、まず、(a−1)顔料、(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物、及び(a−3)分散樹脂を含んでなる(A)顔料分散液を得て、その(A)顔料分散液を、(B)オキシム型開始剤、及び、(C)重合性化合物と混合して着色硬化性組成物を調製する。
顔料分散液に含まれる(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物〔以下、適宜、(a−2)特定顔料誘導体と称する〕における顔料母核構造は、類似の母核構造を有する(a−1)顔料との間で相互作用を形成し、(a−2)特定顔料誘導体が(a−1)顔料表面に吸着する。また、この(a−2)特定顔料誘導体におけるアミノ基は、共存する(a−3)分散樹脂との間で相互作用を形成するために、(A)顔料分散液中では、(a−1)顔料表面に(a−3)分散樹脂が(a−2)特定顔料誘導体を介して強固に結合するために、顔料の表面から離脱し難くなり、微細な顔料の凝集が長期間にわたり抑制される。
なお、本発明において「顔料母核構造」とは、有機顔料における発色原子団である、通常、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などを含むヘテロ環構造やアミド基、ウレア構造などを含んで構成される顔料の主骨格構造を指すものとする。さらに、本発明における「顔料母核構造」は、このような顔料主骨格と類似の構造、或いは、顔料主骨格の部分構造を有することで、有機顔料の有する顔料骨格との間で相互作用を形成しうる「顔料骨格の類似構造」、及び、「顔料骨格の部分構造」をも、包含するものとする。
また、本発明の着色硬化性組成物により形成された薄層で色特性に優れた高精細の着色領域を備えるカラーフィルタ、及び、色特性に優れたカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、(a−1)顔料、(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物、及び(a−3)分散樹脂を含有し、さらに、(a−4)溶媒とを含有することができる。
本発明においては、(a−2)特定顔料誘導体を用いることで、該特定顔料誘導体中の顔料母核構造と(a−1)顔料との間において相互作用が形成されて両者の吸着性が確保されると共に、特定顔料誘導体中のアミノ基による(a−3)分散樹脂との相互作用が発現することにより、顔料分散液中での顔料の分散安定性が確保される。
また、R1,R2は互いに結合し、環を形成してもよい。
また、一般式(A)で表される化合物は、ヘテロ環構造を有する化合物であることが好ましい。
ここで、顔料母核構造としては、前記の如く有機顔料における発色原子団、その類似構造、或いは部分構造であり、具体的には、アゾ基を有する骨格、ウレア構造を有する骨格、アミド構造を有する骨格、環状アミド構造を有する骨格、ヘテロ原子含有5員環を有する芳香族環、及び、ヘテロ原子含有6員環を有する芳香族環から選択される1種以上の部分構造を含む構造が挙げられ、Xはこれらの顔料母核構造を含む置換基である。
本発明におけるXとしては、好ましくは、顔料母核構造、又は顔料母核構造と芳香環、或いは含窒素芳香環、或いは含酸素芳香環、或いは含硫黄芳香環を有し、アミノ基は顔料母核構造、芳香環、含窒素芳香環、含酸素芳香環、含硫黄芳香環のいずれかに直接或いは連結基により結合されている。
最も好ましくは顔料母核構造と芳香環、或いは含窒素芳香環を有し、アミノ基と2価の連結基で結合されていることが好ましい。
mは、1〜8の整数であり、分散性、分散液の保存安定性の観点から1〜6が好ましく、更に好ましくは1または2である。
また、後述する(a−1)顔料の100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上25質量部以下であることがより好ましい。
本発明に係る(A)顔料分散液に用いることができる顔料としては、下記に記載の顔料から選ばれる少なくとも1種の顔料を用いる。また、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均一次粒子径0.01μm〜0.3μm、より好ましくは0.01μm〜0.15μmの顔料である。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
平均一次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37
本発明においては、必要に応じて、微細でかつ整粒化された有機顔料を用いることができる。顔料の微細化は、顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物を調製し、湿式粉砕装置等を使用して、応力を付加して摩砕する工程を経ることで達成される。
また、少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しない限りにおいては、水溶性は低いか、或いは、水溶性を有しない他の溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。
顔料の微細化工程に使用する溶剤は、1種のみでもよく、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
微細化工程における水溶性無機塩の使用量は顔料の1〜50質量倍であり、多い方が摩砕効果はあるが、より好ましい量は生産性の点で1〜10質量倍である。また、水分が1%以下の無機塩類を用いることが好ましい。
微細化工程における水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対して50質量部から300質量部の範囲であり、好ましくは100質量部から200質量部の範囲である。
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139またはC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。この範囲においては、400nmから500nmの光透過率を抑え、色純度の向上が図れ、且つ、十分な発色力が達成される。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
本発明において、色調を合わせるために、着色剤として、顔料とともに染料を使用することが可能である。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明における(A)顔料分散液は、(a−3)分散剤の少なくとも1種を含有する。この分散剤の含有により、顔料の分散性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
−顔料誘導体−
本発明における(A)顔料分散液には、必要に応じて、前記本発明に係る(a−2)特定顔料誘導体以外の、他の顔料誘導体を添加することができる。
他の顔料誘導体を用いることで、分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させて分散剤の吸着点として用いうるため、顔料を微細な粒子として光硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
前記(a−1)〜(a−3)及び任意成分を含む顔料分散液を調製する方法としては、例えば、(a−1)顔料と(a−3)分散剤を予め混合して、ホモジナイザー等で分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えばGETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって行なえる。分散時間としては、3〜6時間程度が好適である。(a−2)特定顔料誘導体の添加は、顔料分散液形成する為のどの工程でも添加可能であるが、微細化工程及び/或いは微分散時に添加することが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物に含まれる(A)顔料分散液の量としては、5〜90質量%の範囲であることが好ましく、25〜85質量%の範囲であることがより好ましい。
また、(A)顔料分散液を上記配合量で含むことで、本発明の着色硬化性組成物に含まれる(a−1)顔料の量は、固形分中40〜65質量%の範囲となり、薄層でも十分な色相を有する着色領域を形成しうる。
本発明の着色硬化性組成物において、特に薄膜を形成する際には、前述の如く顔料濃度を高くすることを要するため、ラジカルを発生させる開始剤を多く添加できない。また、顔料濃度が高いために、増感剤と開始剤の濃度を十分にとれず、増感剤を用いての電子移動、エネルギー移動による開始機構による硬化性向上効果は十分得られない。
特に固体撮像素子の如き、高精細で微細な着色領域を形成するために本発明の硬化性組成物を使用する場合には、高感度であっても、露光によりハロゲンを発生するトリアジン系の開始剤は、ステッパー露光装置等の光源を汚染する懸念があり、使用することができない。このため、該条件下で、300nm以上の光源に幅広く対応可能であり、且つ、光により直接分解するオキシム化合物を開始剤として用いることが好ましい。特に、顔料が固形分中30%以上、更に40%以上含み、重合性成分の比率が低い組成物において、オキシム型開始剤の使用はより効果的である。
これらのなかでも、経時安定性、感度、生産性の面から最も好ましくは一般式(III)で表される置換基であって、R4がアルキル基、或いはアリール基である。
本発明の着色硬化性組成物における(B)オキシム型開始剤の含有量は、固形分換算で、0.3〜30質量%の範囲であることが好ましく、1〜20質量%の範囲であることがさらに好ましい。
(B)オキシム型開始剤は高感度であるため、顔料を多量に含む本発明の着色硬化性組成物において、上記配合量においても、優れた硬化膜を形成することが可能である。
本発明には、効果成分として、前記(B)オキシム型開始剤とともに、(C)重合性化合物を用いる。本発明に用いうる重合性化合物としては、一般的なラジカル重合性化合物が挙げられ、当該産業分野においてエチレン性不飽和二重結合を有する化合物として広く知られる化合物を特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物における(C)重合性化合物の含有量は、固形分換算で、4〜80質量%の範囲であることが好ましく、7〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。
特に膜厚が0.8μm以下の硬化膜を形成しようとする場合には、(C)重合性化合物の含有量は、全固形分中、7〜40質量%が好ましく、特に6〜25質量%の範囲で有効である。
以下、本発明の着色硬化性組成物に含まれうる任意成分について説明する。
本発明の硬化性組成物においては、皮膜特性向上、現像性の調整などの目的で、必要に応じて、さらにバインダーポリマーを使用することができる。
バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸および酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
バインダーポリマーは、顔料分散時に添加し分散する際に添加することも可能であり、また、分散済みの分散液を用いて硬化性組成物を調製する際に添加することも可能である。バインダーポリマーの添加量は、硬化性組成物の全固形分中、好ましくは0質量%〜50質量%、より好ましくは2質量%〜30質量%であることが好ましい。
また、本発明において、液晶用或いは固体撮像素子用カラーフィルタでアルカリ現像による画像形成に用いられる場合には、酸基及び/又は親水性基を有するバインダーポリマーを使用することが好ましく、このような目的で使用されるバインダーポリマーが有する好ましい酸基としては、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホン酸基、ホスホン酸基、フェノール基であり、現像性と感度の観点から好ましい酸価は0.1mmol/g〜10mmol/gであり、より好ましくは0.2mmol/g〜5mmol/g、最も好ましくは0.3mmol/g〜3mmol/gである。
本発明の着色硬化性組成物は、必要に応じ、前記(B)オキシム型開始剤以外の、(B−2)他の光重合開始剤をさらに含有することができる。
本発明における(B−2)他の光重合開始剤は、光により分解し、前記(C)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物には、硬化皮膜の支持体や基板との密着性向上を目的として、密着性基を有する化合物を用いることができる。特に、カラーフィルタの着色領域と基板との密着性向上の観点から、このような化合物を用いることが好ましい。
このような化合物が有する密着性基とは、カラーフィルタに用いられる基板への密着性を有する置換基であればよいが、特にガラス基板またはシリコン基板への吸着性を有する化合物が好ましい。
好ましい密着性基は、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基などの酸基;これら酸のエステル基;これら酸の金属塩;これら金属のオニウム塩;アンモニウム基、ピリジニウム基などのオニウム基;アルコキシシリル基などの加水分解によりシラノール基を生成する置換基;フェノール性水酸基、N−オキシド基などの両性イオン性基;イミノ二酢酸などのキレート性基から選択される基であることが好ましい。
密着性の観点から好ましくは、アルコキシシリル基、及び/またはその加水分解した基が好ましい。
現像性を向上させる基として、ヘテロ原子を有する官能基が好ましく、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ウレタン基、アミド基、チオール基、スルホ基、ウレア基などが挙げられ、このような官能基をさらに有する化合物を併用することが好ましい。
感度を向上させる基としては、メタクリル基、アクリル基、スチリル基、ビニルエーテル基、アリル基、環状アルケニル基、フリル基、オキセタン基、エポキシ基、テトラヒドロフラン基が好ましく挙げられ、感度の観点からメタクリル基、アクリル基、スチリル基をさらに有する化合物を併用することが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
等が挙げられ、更に欧州特許第568,993号明細書、米国特許第4,508,811号明細書、同5,227,227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物等などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物には、熱重合成分を含有させることも有効である。必要によっては、塗膜の強度を上げるために、エポキシ化合物を添加することができる。エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
本発明の着色硬化性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、前述のフッソ系界面活性剤の他にノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、前記のフッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
上記以外に、光硬化性組成物には各種の添加物を添加できる。添加物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂などがある。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、既述の(A)顔料分散液に(B)オキシム型開始剤、(C)重合性化合物、及び、所望により併用されるアルカリ可溶性樹脂を(好ましくは溶剤と共に)含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
(1.微細化顔料の調製)
顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類との混合物を、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えながら顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩を除去した後、乾燥し、微細化された顔料が得られる。
(a−1)顔料、(a−3)分散剤、(a−2)特定顔料誘導体及び溶剤を配合し、ビーズ分散を行なう。主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、(A)顔料分散液を得る。また、顔料を微細化する処理を省くことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
そして、上記のようにして得られた(A)顔料分散液に、(C)重合性化合物、(B)オキシム型開始剤、及び、所望により併用される(B−2)他の重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂などを添加して、本発明の着色硬化性組成物を得る。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の着色硬化性組成物を用いてガラスなどの基板上に形成されるものであり、本発明の着色硬化性組成物を直接若しくは他の層を介して基板上に例えばスリット塗布によって塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させ、パターン露光し、現像液を用いた現像処理を順次行なうことによって好適に作製することができる。これにより、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしている。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。このほかに、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)上にも本発明の着色硬化性組成物からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを作成することができる。その際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホールあるいはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられている。TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板等を挙げることができる。
なお、本発明の着色硬化性組成物を高解像度の固体撮像素子用カラーフィルタの形成に適用する場合には、膜厚は最も好ましくは0.4μm〜2.0μmの範囲である。
本発明は、特に膜厚が0.4μm〜1.0μm、さらには、0.45μm〜0.8μmの着色領域を形成するのに特に有効である。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。高周波処理などを併用しても良い。高周波処理は単独でも使用可能である。<露光工程>
露光工程では、前記硬化性組成物層形成工程において形成された硬化性組成物層を、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する。
本工程における露光は、塗布膜のパターン露光は、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で現像して、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成することにより行うことができる。露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜1500mJ/cm2が好ましく10〜1000mJ/cm2がより好ましく、10〜500mJ/cm2が最も好ましい。
現像処理では、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における光硬化性の光硬化性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
固体撮像素子用カラーフィルタを作製する場合にはパドル現像を用いてもよい。
リンス工程は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
前記ブラックマトリックスは、顔料としてカーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料を用いた本発明の着色硬化性組成物を露光、現像し、その後必要に応じて更にポストベークして膜の硬化を促進させることで形成できる。
なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
(合成例1:アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.1部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量24000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート68.0部、ブチルメタクリレート62.0部、アゾビスイソブチロニトリル9.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約32000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。
<顔料分散液の調製1>
下記組成(1)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液(A〜E)を調製した。
〔組成(1)〕
・C.I.ピグメントレッド254 80部
・C.I.ピグメントイエロー139 20部
・アクリル樹脂溶液1〔前記合成例1で得たもの〕 280部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 630部
・下記表1に示す特定顔料誘導体又は比較化合物 5部
下記表1に記載の本発明に係る(a−1)特定顔料誘導体(Y−1)〜(Y−4)及び比較化合物(H−1)の構造を以下に示す。
得られた本発明に係る顔料分散液(A〜D)及び比較顔料分散液Eについて下記の評価を行った。
(1)粘度の測定、評価
得られた顔料分散液について、E型粘度計を用いて、分散直後の顔料分散液の粘度η1および分散後(室温25℃〜28℃にて)1週間経過した後の顔料分散液の粘度η2を測定し、差を算出して増粘の程度を評価した。1週間後の粘度η2と分散後の粘度η1との差が5(mPa・s)以下であれば、分散安定性が良好であることを示す。結果を上記表1に併記した。
表1に明らかなように、(a−2)特定顔料誘導体を含んで調製された顔料分散液A〜Dは、分散安定性に優れたものであった。
〔下塗り層付シリコン基板の作製〕
下記組成(2)の成分を混合して溶解し、下塗り層用にレジスト液を調製した。
〈組成(2)〉
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20部
(PGMEA:溶剤)
・乳酸エチル 36.67部
・バインダーポリマー 30.51部
〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
(光重合性化合物)
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0061部
・フッ素系界面活性剤 0.83部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・光重合開始剤 0.586部
(TAZ−107:トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤、
みどり化学社製)
前記分散処理して得た顔料分散液に、更に下記成分を添加し、撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・(A)顔料分散液〔表2に記載の分散液〕 100質量部
・DPHA(日本化薬社製) 4.0質量部
・重合開始剤〔表2記載のオキシム型開始剤又は比較開始剤〕 0.5質量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸 〔mol比、75/25、
重量平均分子量 57,000:(C)成分〕 1.0質量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 0.2質量部
・溶剤:PGMEA 100質量部
表2に記載の(B)オキシム型開始剤(I−1)、(I−2)、比較重合開始剤(IH−1)の構造を以下に示す。
−パターンの形成と感度の評価−
前述のように調製した実施例1〜5,比較例1、2の着色剤含有硬化性組成物を、前記下塗り層付シリコン基板上に塗布し、硬化性組成物層(塗布膜)を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が0.9μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長で、パターンが1.4μm四方のIslandパターンマスクを介する露光によって、マスクパターンと同サイズの1.4μm四方のIslandパターンが得られるように50〜1600mJ/cm2の種々の露光量で露光した。ここで、光照度系により50mJ/cm2の露光量を測定してその露光量を基準とし、照射時間を変更させて積算露光量(mJ/cm2)を求めて感度とした。この数値が小さいほど、低露光量で、高解像度の微細パターンを形成することができ、高感度であることを示す。結果を上記表2に併記した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハー基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハー基板に着色パターンを形成した。
<顔料分散液の調製2>
下記組成(3)の成分を混合し、2本ロールで混練分散処理し、顔料を含む混合溶液(F〜I)を調製した。
〔組成(3)〕
まず、下記各成分を顔料混合物を得た。
・C.I.ピグメントグリーン36 50質量部
・C.I.ピグメントイエロー150 50質量部
・アクリル樹脂溶液2(前記合成例2で得たもの) 200質量部
・ソルスパース32000GR(日本ルーブリゾール社製;ポリエステル系分散剤)
20質量部
・溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 520質量部
・下記(a−2)特定顔料誘導体又は比較化合物(表3に記載の化合物) 5質量部
・溶剤 350質量部
〔プロピレングリコールメチルエーテルアセテート:PGMEA〕
下記表3に記載の本発明に係る(a−1)特定顔料誘導体(Y−5)〜(Y−7)及び比較化合物(H−2)の構造を以下に示す。
得られた本発明に係る顔料分散液(F〜H)及び比較顔料分散液Iについて、顔料分散液A〜Eと同様にして分散安定性を評価した。結果を上記表3に併記した。
表3に明らかなように、(a−2)特定顔料誘導体を含んで調製された顔料分散液E〜Hは、分散安定性に優れたものであった。
<下塗り層付シリコン基板の作製>
下記組成(4)の成分を混合して溶解し、下塗り層用にレジスト液を調製した。
〈組成(4)〉
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20部
(PGMEA:溶剤)
・乳酸エチル 36.67部
・バインダーポリマー 30.51部
〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(モル比=75/25)
の40%PGMEA溶液〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
((C)重合性化合物)
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0065部
・フッ素系界面活性剤 0.80部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・光重合開始剤 0.586部
(TAZ−107:トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤、
みどり化学社製)
前記分散処理して得た顔料分散液に、更に下記成分を添加し、撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・(A)顔料分散液〔表4記載の分散液〕 100質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 3.8質量部
・重合開始剤 0.5質量部
〔表4記載の(B)オキシム型開始剤又は比較開始剤〕
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸 (mol比、70/30、
重量平均分子量70,000) 0.7質量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 0.2質量部
・溶剤:PGMEA 100質量部
表4に記載の(B)オキシム型開始剤(I−1)、(I−2)は前記した化合物である。比較重合開始剤(IH−2)の構造を以下に示す。
上記顔料を含有する硬化性組成物をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して硬化性組成物塗膜(硬化性組成物層)を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、2.5kwの超高圧水銀灯を用いて光硬化性塗布膜を、線幅20μmのテスト用フォトマスクを用いてパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 アルカリ現像液 CDK−1、の1%水溶液で被い、40秒間静止した。
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に樹脂皮膜からなる着色領域を形成し、カラーフィルタの着色パターンとした。
上記で調整された着色硬化性組成物を用いてガラス基板上に形成された硬化性組成物塗布膜(着色層)の硬化に必要な露光量を実施例1と同様に測定し、感度の基準とした。この数値が小さいほど高感度であることを示す。結果を上記表4に併記した。
また、別途形成した着色層を100mJ/cm2の露光量で露光したのち、上記条件で、現像、ポストベイクを行い、形成された着色領域及びその周辺部を実施例1と同様の条件で観察し、非画像部の残渣の有無を確認した。結果を上記表4に併記した。
<顔料分散液の調製>
下記組成(5)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液(J〜M)を調製した。
〔組成(5)〕
・C.I.ピグメントレッド254 50部
・C.I.ピグメントレッド177 50部
・ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチル
メタクリレート(AA−6、東亜合成化学工業(株)製)共重合体
(=15/10/75[質量比]、重量平均分子量:20000、
酸価52、粉体) 40部
・BYK111(ビックケミー社製;リン酸エステル系分散剤) 10部
・下記表5記載の(a−2)特定顔料誘導体又は比較化合物 4部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 820部
下記表5に記載の本発明に係る(a−1)特定顔料誘導体(Y−6)は前記と同様である。特定顔料誘導体(Y−8)、(Y−9)及び比較化合物(H−3)の構造を以下に示す。
得られた顔料分散液(J〜L)及び比較顔料分散液Mについて、顔料分散液A〜Eと同様にして分散安定性を評価した。結果を前記表5に併記する。
表5に明らかなように、(a−2)特定顔料誘導体を含んで調製された顔料分散液J〜Lは、分散安定性に優れたものであった。
<硬化性組成物(塗布液)の調製>
前記(A)顔料分散液(J〜M)に、更に下記成分を添加し、撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・表6記載の顔料分散液 100質量部
・DPHA(日本化薬社製) 3.8質量部
・重合開始剤 1.5質量部
(表6記載の(B)オキシム型開始剤又は比較開始剤)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸 (mol比、70/30、
重量平均分子量70,000) 0.7質量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 0.2質量部
・溶剤:PGMEA 100質量部
表6に記載の(B)オキシム型開始剤(I−1)、(I−2)、比較重合開始剤(IH−1)は前記した化合物である。
3−2.硬化性組成物層の形成
上記顔料を含有する硬化性組成物をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して硬化性組成物塗膜(硬化性組成物層)を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、2.5kwの超高圧水銀灯を用いて光硬化性塗布膜を、線幅20μmのテスト用フォトマスクを用いてパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 アルカリ現像液 CDK−1、の1%水溶液で被い、40秒間静止した。
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に樹脂皮膜からなる着色領域を形成し、カラーフィルタの着色パターンとした。
上記で調整された着色硬化性組成物を用いてガラス基板上に形成された硬化性組成物塗布膜(着色層)の硬化に必要な露光量を実施例1と同様に測定し、感度の基準とした。この数値が小さいほど高感度であることを示す。結果を上記表6に併記した。
また、別途形成した着色層を100mJ/cm2の露光量で露光したのち、上記条件で、現像、ポストベイクを行い、形成された着色領域及びその周辺部を実施例1と同様の条件で観察し、非画像部の残渣の有無を確認した。結果を上記表6併記した。
Claims (7)
- (A)(a−1)下記の群から選ばれる少なくとも1種の顔料、(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物、及び(a−3)分散樹脂を含む顔料分散液と、(B)オキシム型開始剤と、(C)重合性化合物と、を含有し、前記(a−1)顔料の含有量が着色硬化性組成物の固形分に対して40〜65質量%である固体撮像素子用の着色硬化性組成物。
(群)
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、71、
C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Green 7、36、37 - 前記(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物が、アミド構造及びウレア構造の少なくとも1つを有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 前記(a−2)分子内に顔料母核構造とアミノ基とを有する化合物が、ヘテロ環構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
- 更に(D)バインダーポリマーを含有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物
- カラーフィルタの着色領域形成に用いられる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 請求項5に記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
- 請求項6に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする固体撮像素子。
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