JP4461681B2 - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物およびこれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
【0003】
このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっており、主に下記の2通りの方法でカラーフィルタが製造されている。
第1の方法では,感光性透明樹脂溶液中に顔料を分散したもの(顔料レジスト)をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
【0004】
第2の方法では、透明樹脂溶液中に顔料を分散したものをガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、その塗膜上にポジ型レジスト等のレジストを塗布し、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、現像してレジストパターンを形成し、これをエッチングレジストとして、レジストパターンの付着していない顔料分散塗膜をエッチング液で除去し,レジスト塗膜を剥離して1色目のパターンを形成、必要により加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。なお、レジストの現像と顔料分散塗膜のエッチングを同時に行うこともできる。
【0005】
一般に、微細な顔料粒子をワニスのような着色料担体に分散させ、安定な分散体を得ることは難しく、分散体は、往々にして経時で顔料粒子の凝集などにより高粘度化し、チキソトロピック性を示すようになる。このような組成物の粘度上昇、流動性不良は、製造作業上の問題や製品価値に種々の問題を引き起こす。例えば、カラーフィルタのフィルタセグメントの形成は、一般にモノマーおよび樹脂を含む担体に顔料が分散されている着色組成物をガラス基板上にスピンコートすることで行われているが、高粘度、流動性不良の着色組成物を用いるとスピンコート性不良、レベリング不良などにより、膜厚の均一な塗膜を得ることができず好ましくない。
【0006】
詳細には、顔料分散体の粘度はズリ速度に依存し、スピンコートしたときの膜厚は粘度に比例するため、透明基板の中心部と外周部で塗布時の顔料レジストの粘度が同一である必要がある。基板に顔料レジストをディスペンスして回転させたときの顔料レジストの見かけ粘度は、中心部は周速が遅いため、ズリ速度が低いときの粘度に近くなる。したがってチキソトロピック性のある顔料レジストでは、ズリ速度の小さい中心部では見かけ粘度が高くなり、逆に外周部では見かけ粘度は低くなってしまう。カラーフィルタは基板内で均一な膜厚が要求されるため、顔料レジストはズリ速度の大小に関わらず粘度が一定な流動性、すなわちニュートニアン流動である必要がある。
以上のような問題点を解決するために、有機顔料を母体骨格として側鎖に酸性や塩基性の置換基を有する顔料誘導体を分散剤として混合し、顔料誘導体とワニス中の樹脂成分との相互作用により顔料分散を安定化する方法が知られている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特公昭41−2466号公報
【特許文献2】
米国特許第2855403号公報
【特許文献3】
特開昭63−305173号公報
【特許文献4】
特開平1−247468号公報
【特許文献5】
特開平3−26767号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カラーフィルタ用着色組成物には種々の樹脂が用いられているため、顔料誘導体と着色組成物中の樹脂が常に有効に作用するとは限らず、上記の方法では、一部の樹脂系を除いて満足な効果が得られていないのが実情である。また、顔料誘導体の中には、顔料と比較して耐熱性が劣る傾向のあるものがあり、カラーフィルタ製造時に、かかる耐熱性が劣る顔料誘導体を含む着色組成物を使用することは問題となる場合があった。
つまり、従来の技術では、着色組成物の流動性確保と塗膜形成後の耐熱性維持の双方を両立することは困難であった。
そこで、本発明は、流動性に優れ、塗膜形成後に耐熱性を維持するカラーフィルタ用着色組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、微細な顔料粒子をリン酸エステル系顔料分散剤および特定の塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体またはトリアジン誘導体と共に、モノマーを含む顔料担体に分散させることにより、低粘度、高流動性で、ガラス基板上に塗工後は耐熱性に優れた塗膜を形成し得るカラーフィルタ用着色組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、リン酸エステル系顔料分散剤と、それぞれ下記式(1)の塩基性基および下記式(4)の塩基性基からなる群の中から選ばれる少なくとも1つの塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体およびトリアジン誘導体からなる群の中から選ばれる少なくとも一種の塩基性基含有誘導体と、顔料と、モノマーを含む顔料担体とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、前記リン酸エステル系顔料分散剤の含有量が、顔料を基準として0.01〜40重量%であり、前記塩基性基含有誘導体の含有量が、顔料を基準として0.001〜40重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物を提供する。
【0011】
式(1)
【化5】
Figure 0004461681
式(4)
【化6】
Figure 0004461681
【0012】
(上記式(1)および(4)において、
Xは、−SO−、−CO−または直接結合を表し、
nは、1〜10の整数を表し、
およびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表すか、またはRとRとが結合して更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を形成し、
Yは直接結合を表し、
Rは、式(5)で示される置換基を表し、
Qは、水酸基、アルコキシル基、または上記式(5)で示される置換基を表す。)
式(5)
【化7】
Figure 0004461681
本発明の着色組成物において、リン酸エステル系顔料分散剤は、リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを共重合成分として含む共重合体であることが好ましく、他のエチレン性不飽和単量体は下記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体を含むことが好ましい。
式(7)
【化8】
Figure 0004461681
(式(7)において、R10は、水素原子またはメチル基を表し、R11は、アルキレン基を表し、R12は、水素原子またはベンゼン環を含んでも良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
また、本発明の着色組成物を構成する顔料担体は、さらに樹脂を含むことが好ましい。
さらに、本発明によれば、本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物について説明する。
本発明の着色組成物に含まれるリン酸エステル系顔料分散剤としては、下記一般式(8)で表される化合物、リン酸基を有する樹脂等を用いることができる。リン酸エステル系顔料分散剤の含有量は、顔料を基準として0.01〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0014】
式(8)
【化15】
Figure 0004461681
式(8)において、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子または−(R15−O)x−R16を含む基を表し、R13とR14が同時に水素原子になることはない。また、R15は、炭素数2〜6の置換されていてもよいアルキレン基を表し、R16は、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、xは、0〜20、好ましくは8〜12の整数を表す。
【0015】
上記リン酸基を有する樹脂に含まれるリン酸基は、下記式(9)で示される2価のリン酸基であっても、下記式(10)で示される1価のリン酸基であってもよい。また、リン酸基は、ナトリウム、カリウム等の金属と、またはジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミン等の有機アミンと塩を形成していてもよい。
式(9)
【化16】
Figure 0004461681
式(10)
【化17】
Figure 0004461681
【0016】
リン酸基を有する樹脂としては、リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として含むビニル系共重合体が挙げられ、このような共重合体は、リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体とリン酸基を有しない他のエチレン性不飽和単量体とをラジカル重合することにより得ることができる。
リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、リン酸基およびエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、例えば、エチレングリコールメタクリレートフォスフェート、プロピレングリコールメタクリレートフォスフェート、エチレングリコールアクリレートフォスフェート、プロピレングリコールアクリレートフォスフェートに代表されるような、下記一般式(11)で示される化合物が挙げられる。
【0017】
式(11)
【化18】
Figure 0004461681
式(11)において、R17は、水素またはメチル基を表し、R18は、炭素数2〜6の置換されていてもよいアルキレン基を表し、yは、1〜20の整数を表す。
【0018】
リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例を以下に示す。
【化19】
Figure 0004461681
【0019】
これらのリン酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、特公昭50−22536号公報、特開昭58−128393号公報に記載の方法で製造することができる。市販品としては、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH(以上、ユニケミカル社製)、ライトエステルP−1M(以上共栄社化学社製)、JAMP−514(以上、城北化学工業社製)、KAYAMER PM−2、KAYAMER PM−21(以上、日本化薬社製)等が挙げられる。
リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0020】
他の(リン酸基を有しない)エチレン性不飽和単量体としては、組成物中における顔料の凝集を防ぎ、顔料が微細に分散した状態を維持させて経時安定性を向上させるために、下記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体を用いることができる。
式(7)
【化20】
Figure 0004461681
式(7)において、R10は、水素原子またはメチル基を表し、R11は、アルキレン基を表し、R12は、水素原子またはベンゼン環を含んでも良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。
式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体を共重合成分として含む共重合体は、ベンゼン環のπ電子の効果により顔料表面への吸着/配向性が良好となる。特に、式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体がパラクミルフェノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートである場合には、その立体的な効果も加わり顔料に対しより良好な吸着/配向面を形成できるのでより効果が高い。
また、式(7)において、R12のアルキル基の炭素数は1〜20であることが好ましいが、より好ましくは1〜10である。R12のアルキル基の炭素数が1〜10のときはアルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し顔料への吸着/配向を促進するが、炭素数が10を越えるとアルキル基の立体障害効果が高くなりベンゼン環の顔料表面への吸着/配向までをも妨げる。これは鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を越えるとベンゼン環の吸着/配向が極端に低下する。
【0021】
式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体として具体的には、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、組成物中の相溶性向上あるいは組成物の粘度コントロールのために、下記式(12)で示されるエチレン性不飽和単量体を用いることができる。
式(12)
【化21】
Figure 0004461681
式(12)において、R19は、水素原子またはメチル基を表し、R20は、 炭素数2〜4アルキレン基を表し、R21 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、−CH2−CH=CH2、置換基を有していてもよいフェニル基または−C(=O)−C(R19)=CH2を表し、 mは、2〜 100の整数を表す。
【0022】
式(12)で示されるエチレン性不飽和単量体のうち、R21が水素原子である水素酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えばポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレートが挙げられる。
【0023】
21が炭素数1〜30のアルキル基であるアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
【0024】
21が−CH2−CH=CH2であるアリル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールジアクリレートが挙げられる。
【0025】
21が置換基を有していてもよいフェニル基であるフェニル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート等が挙げられる。
【0026】
21が−C(=O)−C(R19)=CH2である、両末端(メタ)アクリロイル基のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
これらの単量体は、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
【0027】
また、上記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体、上記式(12)で示されるエチレン性不飽和単量体以外の、他のエチレン性不飽和単量体として具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルアクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(カプロラクトンの繰り返し数=1〜6)、エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基末端ウレタン (メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0028】
リン酸基を有する樹脂中の共重合成分である上記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体および上記式(12)で示されるエチレン性不飽和単量体は、それぞれ別個にリン酸基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合させて、リン酸エステル系顔料分散剤として用いても良い。また、別個に共重合させたものを2種類以上配合してリン酸エステル系顔料分散剤として用いても良い。
さらに、上記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体、上記式(12)で示されるエチレン性不飽和単量体、およびリン酸基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合させたものをリン酸エステル系顔料分散剤として用いることもできる。
【0029】
上記共重合体におけるリン酸基を有するエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。
また、共重合体における上記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましく、10〜35重量部であることがさらに好ましい。上記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比が10重量部より少ないと分散効果が低下し、さらに0.1重量部より少なくなると充分な分散効果を得ることが困難となる。また、35重量部より多いと疎水性が大となり現像性が低下したり、残渣の原因になったりすることがあり、さらに50重量部より多くなるとレジスト中の他の構成成分との相溶性が著しく低下しモノマーや光開始剤の析出が起こることもある。
共重合体の残りの成分は、上記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体以外の他のエチレン性不飽和単量体により構成され得る。
【0030】
リン酸基を有する共重合体の重量平均分子量(Mw)は、顔料の分散性が良好な点から、好ましくは1000〜100000であり、さらに好ましくは5000〜50000である。
リン酸基を有する共重合体の合成は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下、50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。必要に応じて溶剤の存在下で行っても差し支えない。
【0031】
上記開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。開始剤はエチレン性不飽和単量体100重量部に対して好ましくは1〜20重量部使用される。
上記溶剤としては、水および/または水混和性有機溶剤、またはエチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;キシレン、エチルベンゼンなどを用いることができる。水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0032】
本発明の着色組成物に含まれる誘導体は、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、またはトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体であって、上記式(1)の塩基性基および式(4)の塩基性から選ばれる少なくとも1つの塩基性基(以下、「特定の塩基性基」ということがある)を有するものである。
上記特定の塩基性基を有する誘導体の含有量は、顔料を基準として、0.001〜40重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0033】
特定の塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系玩弄、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料が挙げられる。また、後述する、着色組成物に用いられる顔料でもよい。
また、特定の塩基性基を有するアントラキノン誘導体を構成するアントラキノンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよいアントラキノンである。
【0034】
また、特定の塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲン、またはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
【0035】
特定の塩基性基を有する顔料誘導体およびアントラキノン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機顔料またはアントラキノンに、下記式(13)〜(16)で表される置換基を導入した後、該置換基と反応して一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
【0036】
式(13) −SO2Cl
式(14) −COCl
式(15) −CH2NHCOCH2Cl
式(16) −CH2Cl
有機顔料がアゾ系顔料である場合は、一般式(1)〜(4)で表される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによって塩基性基を有するアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
【0037】
また、特定の塩基性基を有するトリアジン誘導体も、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
【0038】
特定の塩基性基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
【0039】
特定の塩基性基を有する誘導体の具体例を以下に示すが、これらに限定されるわけではない。これらの誘導体は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
【化9】
Figure 0004461681
【0040】
【化10】
Figure 0004461681
【0041】
【化11】
Figure 0004461681
【0042】
【化25】
Figure 0004461681
【0043】
【化12】
Figure 0004461681
【0044】
【化13】
Figure 0004461681
【0045】
【化14】
Figure 0004461681
【0046】
【化29】
Figure 0004461681
【0047】
【化30】
Figure 0004461681
【0048】
本発明の着色組成物に含まれる顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
以下に、本発明の着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
【0049】
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
【0050】
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等の黄色顔料を用いることができる。
【0051】
オレンジ色フィルタセグメントを形成するためのオレンジ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment orange 36、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
【0052】
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
【0053】
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
本発明の着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
【0054】
本発明の着色組成物に含まれる顔料担体は、モノマーおよび必要に応じて樹脂により構成される。
モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0055】
樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、これらを単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
【0056】
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0057】
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光開始剤等が添加される。
光開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光開始剤およびボレート系光開始剤、カルバゾール系光開始剤、イミダゾール系光開始剤等が用いられる。
【0058】
これらの光開始剤は、単独であるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
【0059】
本発明の着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調整することができる。着色レジスト材は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂とモノマーを含む顔料担体中に顔料を分散させたものであり、顔料または2種以上の顔料からなる顔料組成物を、必要に応じて光開始剤と共に、顔料担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、数種類の顔料を別々に顔料担体に分散したものを混合して製造することもできる。
【0060】
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
【0061】
上記樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0062】
上記界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0063】
本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
【0064】
また、本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
顔料は、着色組成物中に1.5〜7重量%の割合で含有されることが好ましい。また、顔料は、最終フィルタセグメント中に好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜40重量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
【0065】
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、または少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備し、ここで、少なくとも1つのフィルタセグメントは、本発明の着色組成物を用いて形成される。
【0066】
本発明のカラーフィルタは、フォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物を用いて透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
【0067】
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントを形成は、下記の方法で行う。すなわち、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
【0068】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0069】
本発明のカラーフィルタは、フォトリソグラフィー法の他に、電着法、転写法などにより製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
【0070】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
まず、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液、リン酸基を有する樹脂の調整について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0071】
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン450部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
n−ブチルメタクリレート 55.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
【0072】
(リン酸基を有する樹脂1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン60部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器を窒素置換後、滴下管より下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 6.0部
メチルメタクリレート 4.0部
n−ブチルメタクリレート 22.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 7.4部
アシッドホスホキシエチルメタクリレート 0.1部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.5部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応を継続し、固形分40重量%のリン酸基を有する樹脂1の溶液を得た。リン酸基を有する樹脂1の重量平均分子量は、34000であった。
【0073】
(リン酸基を有する樹脂2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン70部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器を窒素置換後、滴下管より下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 4.3部
n−ブチルメタクリレート 13.3部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 4.6部
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート7.3部
(東亞合成社製「アロニックスM−110」)
アシッドホスホキシエチルメタクリレート 0.1部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応を継続し、固形分30重量%のリン酸基を有する樹脂2の溶液を得た。リン酸基を有する樹脂2の重量平均分子量は、26000であった。
【0074】
[実施例1]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し銅フタロシアニン分散体を作製した。
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6) 10.0部
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
フタロシアニン系顔料誘導体(誘導体48) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤 1.0部
(ビックケミー社製「BYK111」)
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
ついで、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色レジスト材を得た。
銅フタロシアニン分散体 45.0部
アクリル樹脂溶液 15.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 5.6部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 32.2部
【0075】
[実施例2〜5および比較例1〜6]
顔料、顔料誘導体、リン酸エステル系顔料分散剤、樹脂およびモノマーを表1に示す割合(重量比)で配合し、実施例1と同様にして各色レジスト材を得た。
【表1】
Figure 0004461681
【0076】
青用顔料:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
青用誘導体:フタロシアニン顔料誘導体(誘導体48)
紫用顔料:ジオキサジンバイオレット顔料(C.I. Pigment Violet 23)
(東洋インキ製造社製「リオノゲンバイオレットRL」)
紫用誘導体:ジオキザジン系顔料誘導体(誘導体49)
赤用顔料:ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254) 8.33部
(チバガイギー社製「イルガフォーレッドB−CF」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) 1.33部
(チバガイギー社製「クロモフタールレッドA2B」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Yellow 199) 0.34部
(チバガイギー社製「クロモフタールエローGT-AD」)
赤用誘導体:アントラキノン誘導体(誘導体4)
【0077】
黄用顔料:イソインドリン系顔料(C.I. Pigment Yellow 139)
(BASF社製「パリオトールエローD1819」
黄用誘導体:トリアジン誘導体(誘導体44)
モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
リン酸エステル系顔料分散剤:ビックケミー社製「BYK111」
光開始剤:チバガイギー社製「イルガキュアー907」
増感剤:保土ヶ谷化学社製「EAB−F」
溶剤:シクロヘキサノン
【0078】
得られたレジスト材を板厚0.7mmの360mm×465mmサイズの基板に平均膜厚が1.8μmになるようにスピンコートし、70℃で30分乾燥した後、中心部の膜厚(Aとする)と対角線上で中心から200mm部分の膜厚4点の平均値(Bとする)を測定し、下式により膜厚の均一性を評価した。
(A−B)×100/{(A+B)/2} [%]
また、得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、塗布基板を得た。次に、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行った。塗布基板は230℃で20分間加熱したもの、さらに260℃で1時間加熱したものを用意し、C光源を用いた顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)による色度測定によって、色差(ΔE)を算出し、耐熱性評価を行った。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004461681
実施例1〜5で得られたレジスト材は、比較例1〜6で得られたレジスト材と比べ、低粘度で良好な流動性を有し、これを用いて形成した塗膜は耐熱性に優れている。
【0079】
【発明の効果】
本発明の着色組成物は、流動性に優れており、製造、塗膜形成時においては作業性に優れ、塗工基板上に均一な塗膜を形成させることができる。
また、本発明の着色組成物は耐熱性に優れていることから、これを用いてフィルタセグメントを形成することにより、耐熱性に優れたカラーフィルタを得ることができる。

Claims (5)

  1. リン酸エステル系顔料分散剤と、それぞれ下記式(1)の塩基性基および下記式(4)の塩基性基からなる群の中から選ばれる少なくとも1つの塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体およびトリアジン誘導体からなる群の中から選ばれる少なくとも一種の塩基性基含有誘導体と、顔料と、モノマーを含む顔料担体とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、前記リン酸エステル系顔料分散剤の含有量が、顔料を基準として0.01〜40重量%であり、前記塩基性基含有誘導体の含有量が、顔料を基準として0.001〜40重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    式(1)
    Figure 0004461681
    式(4)
    Figure 0004461681
    (上記式(1)および(4)において、Xは、−SO−、−CO−または直接結合を表し、nは、1〜10の整数を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表すか、またはRとRとが結合して更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を形成し、Yは直接結合を表し、Rは、式(5)で示される置換基を表し、Qは、水酸基、アルコキシル基、または上記式(5)で示される置換基を表す。)
    式(5)
    Figure 0004461681
  2. リン酸エステル系顔料分散剤が、リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを共重合成分として含む共重合体であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 他のエチレン性不飽和単量体が、下記式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体を含むことを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    式(7)
    Figure 0004461681
    (式(7)において、R10は、水素原子またはメチル基を表し、R11は、アルキレン基を表し、R12は、水素原子またはベンゼン環を含んでも良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
  4. 顔料担体が、さらに樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないしいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 請求項1ないしいずれか1項に記載の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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