JP2007171656A - カラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色相の異なる2以上の画素群と、画素群を構成する各画素を離隔すると共に、基板の表面からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板と平行な線をL1、L1と濃色離画壁とが交差する点における接線をL2、hの位置に基板と平行な線をL3としたときに、L2とL3との交点から濃色離画壁までの最短距離で規定される値dをhで除した値が0.04以下である断面形状の濃色離画壁とを有するカラーフィルタの製造方法が、着色剤と重合性化合物と重合開始剤とを含み、固形分量が50質量%以上である重合性インク滴をインクジェット付与して着色領域を形成する工程と着色領域を活性光線の照射により硬化する工程とを有している。
【選択図】図1
Description
また、プラズマ処理により離画壁を撥水処理する方法が知られている(例えば、特許文献12参照)。
<1> 基板上に、相互に色相の異なる2色以上の画素群と、前記画素群を構成する各画素を互いに離隔する濃色離画壁とを有し、前記濃色離画壁の断面形状が、基板の表面からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板と平行な線をL1、L1と濃色離画壁とが交差する点における接線をL2、hの位置に基板と平行な線をL3としたときに、L2とL3との交点から濃色離画壁までの最短距離(接線L2と直交する線上の距離)で規定される値dをhで除した値が0.04以下であるカラーフィルタの製造方法であって、前記濃色離画壁間の凹部にインクジェット法により、着色剤と重合性化合物と重合開始剤とを含み、固形分量が50質量%以上である重合性インク滴を付与して着色領域を形成する着色領域形成工程と、形成された少なくとも1色の着色領域を活性光線の照射により硬化する第1の硬化工程と、を有するカラーフィルタの製造方法である。
<3> 前記濃色離画壁の表面粗さRa値が、0.5nm以上5nm以下であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 前記濃色離画壁の、基板法線方向における高さが1.5μm以上10μm以下であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 前記濃色離画壁の、基板の法線方向と直交する方向における幅が5μm以上40μm以下であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 前記着色領域形成工程前に、仮支持体上に感光性樹脂組成物を用いてなる感光性層と酸素遮断層とを少なくとも有する感光性転写材料を用い、前記基板上に前記感光性層を転写する転写工程を更に有し、前記濃色離画壁は、転写形成された前記感光性層をパターニングしてなることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<8> 前記着色領域形成工程前に、前記基板上に感光性樹脂組成物を用いて感光性層を塗布形成し、形成された感光性層上に酸素遮断層を塗布形成する塗布工程を更に有し、前記濃色離画壁は、塗布形成された前記感光性層をパターニングしてなることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> 前記着色領域形成工程は、前記濃色離画壁の少なくとも一部が撥インク性を有する状態で前記重合性インク滴を付与することを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> 前記濃色離画壁の光学濃度が2.5以上10以下であることを特徴とする前記<1>〜<10>いずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<12> 前記感光性樹脂組成物が、光重合性組成物であることを特徴とする前記<7>〜<11>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<13> 前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタである。
<14> 前記<13>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置である。
本発明におけるカラーフィルタは、基板上に、相互に色相の異なる2色以上の画素群と、該画素群を構成する各画素を互いに離隔する濃色離画壁とを有してなるものであり、前記濃色離画壁として、断面形状が、基板の表面からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板と平行な線をL1、L1と濃色離画壁とが交差する点における接線をL2、hの位置に基板と平行な線をL3としたときに、L2とL3との交点から濃色離画壁までの最短距離(接線L2と直交する線上の距離)で規定される値dをhで除した値が0.04以下である濃色離画壁を基板上に形成した後、この濃色離隔壁で取り囲まれた凹部にインクジェット法により着色領域を設けて画素パターンを形成してなるものである。なお、濃色離隔壁の断面形状の詳細については後述する。
なお、濃色離画壁は、着色領域形成工程前に予め基板上に形成されたものであり、濃色離隔壁の形成方法の詳細については後述する。
着色領域形成工程は、濃色離画壁間の凹部にインクジェット法により、着色剤と重合性化合物と重合開始剤とを含み、固形分量が50質量%以上である重合性インク滴を付与して着色領域を形成する。この着色領域は、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素となるものである。
インクジェット法としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
また、後述するように、活性エネルギー線の付与による第1の硬化工程を行なうことで、膜厚及び色相が均一で厚みの均一な液晶層を形成するのに有効であり、さらに第1の硬化工程と後述の熱による第2の硬化工程との併用により、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させるのに効果的である。以下、重合性インクについて説明する。
重合性インクは、着色剤の少なくとも一種を含有する。着色剤には、公知の着色剤(染料、顔料)を用いることができる。公知の着色剤のうち、顔料を用いる場合には重合性インク中に均一に分散されていることが望ましく、そのためには粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25;
C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック7;
等が挙げられる。
なお、「粒径」とは、電子顕微鏡写真画像の粒子をこれと同面積の円で表したときの直径をいい、「数平均粒径」とは、粒子の粒径を求めて100個の平均をとった平均値をいう。
分散時間は、好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがあり、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、インクジェットヘッドからの吐出が困難になることがある。
また、2色以上の着色領域のコントラストの差は600以内が好ましいが、600以内に調整するには、顔料粒径を調節することが望ましい。
重合性化合物は、ラジカル活性種による重合反応により硬化するラジカル重合性化合物、及びカチオン活性種によるカチオン重合反応により硬化するカチオン重合性化合物を用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、具体的には、以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ラジカル重合性化合物には、単官能モノマー及び、2官能以上のモノマー、オリゴマーが含まれる。
これら化合物は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
カチオン重合性化合物は、光重合開始剤から発生されるカチオン活性種により重合反応を生起し、硬化する化合物である。
カチオン重合性化合物としては、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーが挙げられ、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載の、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、オキシラン化合物などが挙げられる。以下に具体的に示す。
また、脂環式エポキシ樹脂の具体例として、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物又は、シクロペンテンオキサイド構造含有化合物、又はビニルシクロヘキサン構造を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるビニルシクロヘキサンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により、ラジカル活性種を発生し、ラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤、及び、カチオン活性種を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始するカチオン重合開始剤のいずれかを重合性化合物に合わせて、用いることができる。
光重合開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセエトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド、等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、特公昭54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
本発明における溶剤とは、重合性インクに含まれる着色剤、重合性モノマー、添加剤、ポリマーなどの機能性材料の溶解又は分散を助けるもので、重合性インクの流動性を高める働きをして打滴などを行ない易くすると共に、インクを打滴し、所定の乾燥又は熱処理を行なった後は、その大半(概ね9割以上)が、蒸発などにより除かれる性質のものである。例えば、重合性モノマーも液状であるが、これに該溶剤を加えると、より流動性が高まり、打滴し易くなる。通常、沸点が100℃以下の有機溶剤が用いられる。また、インクの乾燥を防ぎヘッドの目詰まりを防止する目的では、沸点が200℃以下、場合によってはそれ以上の高沸点溶剤が用いられる。
第1の硬化工程は、前記着色領域形成工程で形成された少なくとも1色の着色領域を活性光線の照射により硬化する。本工程では、R,G,B各色の重合性インクを硬化させることにより、硬化した着色領域を形成することができる。硬化は、1色の着色領域を形成するごとに行なってもよいし、複数色の着色領域を形成した後に行なうようにしてもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、赤色、緑色、及び青色を含む所望の色相の着色領域の全てを熱により硬化する第2の硬化工程を更に設けることができる。上記したように、前記第1の硬化工程を設けると共に第2の硬化工程を施すことによって、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させことができる。
本発明におけるカラーフィルタを構成する濃色離画壁の形成は、既述の着色領域形成工程及び第1の硬化工程並びに第2の工程等の他の工程を行なう前に、基板の少なくとも一方に感光性樹脂層を形成し、形成された感光性樹脂層をパターン状に露光し、現像することにより行なえる。濃色離画壁は、既述のように、インクジェット法により液滴を付与して形成される着色領域を離隔する隔壁パターンである。また、感光性樹脂層を形成、露光、及び現像後には、必要に応じて、ベーク処理する等の他の工程を設けることができる。
感光性樹脂層は、ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤、色材を用いて構成することができ、必要に応じて更にバインダー、公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等の他の成分を用いて構成できる。
具体的には、感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物(例えばラジカル重合性モノマーと光重合開始剤とバインダーと色材とを少なくとも含む)を基板上に付与する方法(好ましくは、感光性樹脂組成物を塗布する塗布法)や、感光性樹脂組成物を用いた感光性層を有する感光性転写材料を用いて感光性層を基板上に転写する方法(転写法)により形成することができる。感光性樹脂組成物及び感光性転写材料の詳細については後述する。
具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いることができる。その他の例として、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて行なうようにしてもよい。
具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法により行なえる。なお、感光性転写材料及び転写法による転写に関する詳細については後述する。
以下、感光性樹脂組成物、及びこれを用いてなる感光性樹脂層の構成成分について詳述する。
本発明における感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、ラジカル重合性モノマーの少なくとも一種を用いて構成することができる。後述の光重合開始剤からの活性種の作用を受けて硬化し、パターンを形成することができる。
多官能性モノマーの具体的な例としては、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のジイソシアネートとの反応物も挙げられる。
本発明における感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、光重合開始剤の少なくとも一種を用いて構成することができる。光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、前記ラジカル重合性モノマーの重合を開始する活性種を発生する化合物であり、公知の化合物の中から適宜選択することができる。
光重合開始剤の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における総量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。該総量が前記範囲内であると、光硬化効率が高く短時間で硬化でき、現像時に形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面の荒れが生じることもない。
また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という。)である。
なお、水素供与体はメルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
前記水素供与体の感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中における総量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
本発明における感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、バインダーの少なくとも一種を用いて構成することができる。
バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、等を挙げることができる。
特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーは、一種単独で用いてもよいし、通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用するようにしてもよい。
本発明における感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物は、色材の少なくとも一種を含有する。色材を含有することにより、所望色よりなる可視画像を形成することができる。
また、色材として顔料を選択する場合は、感光性樹脂層又は感光性樹脂組成物中に均一に分散されることが好ましい。
本発明における離隔壁を作製する際に用いる感光性樹脂組成物は、一般に前記成分以外に、有機溶剤を用いて構成することができる。有機溶剤の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等が挙げられる。
本発明における感光性樹脂組成物又は感光性樹脂層には、さらに下記成分、例えば界面活性剤、紫外線吸収剤、並びに公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、熱重合防止剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに、感光性樹脂組成物は少なくとも150 ℃ 以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
感光性樹脂組成物を基板上又は後述の感光性転写材料の仮支持体上に塗布する場合には、感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有させることで、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に記載の界面活性剤が好適に挙げられる。なお、界面活性剤の感光性樹脂組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報に記載の化合物、並びにサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤を用いる場合の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量としては0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
感光性樹脂組成物には、熱重合防止剤を含むことが好ましい。熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤を用いる場合の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量としては0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
次に、前記転写法に用いる感光性転写材料について詳述する。
感光性転写材料は、仮支持体上に、前記感光性樹脂組成物を用いて構成された感光性層(以下、感光性樹脂層ともいう。)と酸素遮断層とを設けて構成されたものを用いることができる。このような材料を用いると、感光性樹脂組成物からなる感光性層は、酸素遮断層により大気中の酸素から保護されるため自動的に貧酸素条件下となる。そのため、露光する工程を不活性ガス下や減圧下で行なう必要がなく、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。また、濃色離画壁を容易かつ低コストに形成し得る点でも有効である。
仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等、薄いシートもしくはフィルム又はこれらの積層体が好ましい。中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
感光性層は、既述の感光性樹脂組成物を用いてなり、形状等の特性や形成方法等については既述の塗布法で塗布形成される層と同様であり、好ましい態様も同様である。
仮支持体と感光性層との間、あるいは熱可塑性樹脂層と感光性層との間には、酸素遮断層を更に設けることが好ましい。酸素遮断層とは、500cm3/(m2・day・atm)以下の酸素透過率を有する層であり、酸素透過率は100cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下であることがより好ましい。酸素透過率が500cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができずに所望形状の濃色離画壁が得られないことがある。
酸素遮断層中におけるPVAの含有量としては、25〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。これらのポリマーの添加量は、層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。なお、ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
仮支持体と感光性層との間には、必要に応じて熱可塑性樹脂層を設けることができる。熱可塑性樹脂層を設けることで、離画壁が形成される基板との密着性を向上させるのに有効である。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などとのケン化物、等が挙げられる。
これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
仮支持体上に形成された感光性層の表面には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために、保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは、仮支持体と同一もしくは類似の材料で構成されてもよく、転写を良好に行なう点で感光性層からの分離が容易に行なえるものであることが重要である。
保護フィルムを構成する材料としては、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。保護フィルムの厚みは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
なお、塗布は、既述の公知の塗布方法により行なえるが、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)を用いて行なうことが好ましい。
基板としては、金属の基材、金属を貼り合わせた基材、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等が挙げられる。好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なもの、特にガラスや合成樹脂フィルムである。
上記のようにして形成された感光性層の露光は、所望のパターンが設けられたマスクを用い、マスクを通して感光性層に光を照射することにより行なえる。
具体的な離隔壁の断面形状については、好ましい形態を図1を参照して後述する。
さらに、公知の界面活性剤を添加してもよく、界面活性剤の濃度は0.01〜10質量%が好ましい。
感光性層の未硬化部を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の温度は通常、室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、感光性層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度などによるが、通常10秒〜2分程度である。この範囲内では、形状の好適な離画壁が得られる。換言すれば、現像時間が短すぎると現像除去しようとする領域の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、逆に長すぎると、硬化部までエッチングされることがある。
このように構成された濃色離画壁では、濃色離隔壁で取り囲まれた凹部(濃色離隔壁間の着色画素部を形成するための空隙)に打滴付与されたインクは離画壁を乗り越えにくく、インクの滲みやはみ出し、隣接する画素パターン間での混色及び画素パターン中の白抜けなどを防いで、色相が良好で表示品位の高いカラーフィルタを得ることができる。前記d/hの値は、0.038以下が好ましく、特に0.035以下が好ましい。
前記角度θは、好ましくは70°以上110°以下であり、より好ましくは75°以上105°以下であり、更に好ましくは80°以上100°以下である。
Ra値は、小さいほど高い平坦性が得られ、中でも、0.1nm以上5nm以下が好ましく、より好ましくは0.1nm以上3.5nm以下であり、最も好ましくは0.1nm以上2.5nm以下である。
1)感光性樹脂組成物を用いた塗布による濃色離画壁の形成
基板を洗浄後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。その後、基板を調温し、調温された基板上に感光性樹脂組成物を塗布する。塗布後、塗布層中の溶媒の一部を乾燥させて層の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、プリベークして感光性樹脂層を得る。塗布は、公知のスリット状ノズルを備えたガラス基板用コーター(例えばエフ・エー・エス・アジア社製のMH−1600)等を用いて行なえる。また、乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)により行なえ、プリベークは、例えば120℃で3分間加熱して行なうことができる。感光性樹脂層の層厚については、既述の通りである。
続いて、感光性樹脂層が形成された基板とパターンを有するマスク(例えば石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層との間の距離を適宜(例えば200μm)設定し、窒素パージして酸素分圧を制御して窒素雰囲気下で露光する。露光は、例えば超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(例えば日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)等で行なえ、露光量は適宜(例えば300mJ/cm2)選択することができる。このときの酸素分圧は、酸素計(例えば飯島電子工業(株)製のG−102型)を用いて測定できる。露光後、現像液で現像処理を行なってパターン像を得、必要に応じて水洗処理して濃色離画壁を得る。
まず、感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去し、露出した感光性樹脂層の表面を基板面に重ね合わせてラミネータ等を通過させ、加熱及び/又は加圧して積層体とする。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択することができ、より生産性を高める観点からはオートカットラミネーターも使用可能である。次いで、積層体から仮支持体を剥離して除去する。続いて、仮支持体を除去して露出した露出面(酸素遮断層表面)の上方に所望のフォトマスク(例えば石英露光マスク)を配置し、貧酸素条件下にてマスクを介してパターン状に紫外線を照射し、照射後所定の処理液を用いて現像処理して濃色離画壁を得る。このとき、必要に応じて水洗処理が施される。現像処理に用いる現像液及び露光に用いる光源は、前記塗布法による場合の現像液及び光源と同様である。
本発明のカラーフィルタの製造方法には、形成された濃色離画壁及び着色領域を更に加熱(ベーク)して硬化させるベーク工程や、既述した濃色離画壁の形成後であって着色領域形成工程前に基板上の濃色離画壁に撥インク処理を施す工程(以下、撥インク処理工程と称する。)、オーバーコート(OC)層を形成するOC工程、等の他の工程を設けてもよい。
以下、撥インク処理工程について詳述する。
本発明においては、濃色離画壁(以下、単に離画壁ともいう。)に撥インク処理を施した後、すなわち離画壁の少なくとも一部が撥インク性を有する状態とした後に、液滴を離画壁間の凹部に付与して複数の画素を形成する工程を施すようにすることが好ましい。撥インク処理は、インクジェット法などによる液滴付与の際に、着色液体組成物の液滴(インク滴)が離画壁を乗り越えてはみ出したり、隣接する画素をなすインクと混色するなどの不都合を効果的に解消することができる。
具体的には、撥インク処理として、(1)撥インク性物質を濃色離画壁に練りこむ方法、(2)撥インク層を新たに設ける方法、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法、(4)濃色離画壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法、などが挙げられる。但し、これに限られるものではない。以下、各撥インク処理について詳細に説明する。
混色を防ぐ手段として、感光性樹脂組成物を用いたフォトレジストに含フッ素樹脂(A)を含有して濃色離画壁を作製する方法がある。
前記含フッ素樹脂(A)は、下記式1で表されるポリフルオロエーテル構造からなるRf基(a)と酸性基(b)とを有し、酸価が1〜300mgKOH/gであるものが好ましい。
−(X−O)n−Y ・・・式1
また、前記式1において、nは2〜50の整数を表す。nは2〜30が好ましく、2〜15がより好ましい。nが2以上であると、インク転落性が良好である。nが50以下であると、含フッ素樹脂(A)が、Rf基(a)を有する単量体と、酸性基(b)を有する単量体及び必要に応じてその他の単量体との共重合によって合成する場合に、単量体の相溶性が良好となる。
−Cp−1F2(p−1)−O−(CpF2p−O)n−1−CqF2q+1 ・・・式2
前記式2中、pは2又は3の整数を表し、n−1で括られた単位(CpF2p−O)は同一の基を表し、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を表す。
また、含フッ素樹脂(A)におけるフッ素原子の含有量は1〜60%が好ましく、5〜40%がより好ましい。該範囲であると、含フッ素樹脂(A)は良好な撥インク性を有すると共に、感光性樹脂組成物を現像する際の現像性が良好となる。
特に(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類が、感光性樹脂組成物を用いて形成された膜の耐熱性向上の点で好ましい。
HOOC−Cp−1F2(p−1)−O−(CpF2p−O)n−1−CqF2q+1 ・・・式3
前記式3中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を表す。
HOCH2−Cp−1F2(p−1)−O−(CpF2p−O)n−1−CqF2q+1 ・・・式4
前記式4中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を表す。
混色を防ぐ手段として、基板上に形成された濃色離画壁の少なくとも基板から離れた例えば上部にインク反発性を有する仕切り壁(以下、「撥インク層」という。)を形成する方法である。
このような線状有機ポリシロキサンをまばらに架橋することにより、シリコーンゴムが得られる。架橋を担う架橋剤には、いわゆる室温(低温)硬化型のシリコーンゴムに使われるアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、アミドシラン、アルケニオキシシランなどが挙げられ、通常線状の有機ポリシロキサンとして末端が水酸基であるものと組み合わせて、それぞれ脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アミド型、脱ケトン型のシリコーンゴムとなる。また、シリコーンゴムには、触媒として少量の有機スズ化合物などが一般に添加される。
混色を防ぐ手段として、基板上に形成された濃色離画壁にプラズマによる撥インク化処理を施す方法である。
混色を防ぐ手段として、基板及び該基板上に形成された濃色離画壁の表面に撥インク性を有する材料(以下、撥インク材料ともいう。)を塗布する方法である。
また、濃色離画壁上に撥インク材料をパターン形成する場合、リフトオフ法等も有効である。
上記のように着色領域(着色画素)及び濃色離画壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色領域及び濃色濃色離隔壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを設けて構成されたものであり、このカラーフィルタは既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されるので、色相が良好で表示品位の画像表示が可能である。
中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に構成されると効果的である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば、「カラーTFT液晶ディスプレイ」(共立出版(株)、1996年発行)に記載がある。さらに、本発明の液晶表示素子は、IPS等の横電界駆動方式、MVA等の画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置に構成することも可能である。これらの方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−」(東レ・リサーチセンター調査研究部門、2001年発行)の43頁に記載されている。
まず下記表1に記載の量のK顔料分散物1及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌することにより、濃色組成物K1を調製した。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53%
・カーボンブラック(Nipex35、デグッサ社製)…13.1%
・下記分散剤…0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)…6.72%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物、分子量3.8万)…27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート…76%
(KAYARAD DPHA、重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…24%
*界面活性剤1
・下記構造物1…30%
・メチルエチルケトン…70%
−濃色離隔壁の形成−
無アルカリガラス基板(以下、単位「ガラス基板」という。)をUV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、さらに超純水で超音波洗浄した。その後、ガラス基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
次いで、濃色離画壁が形成された濃色離画壁付基板に対し、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、下記条件で濃色離隔壁にプラズマ撥インク処理を行なった。
・使用ガス :CF4
・ガス流量 :80sccm
・圧力 :40Pa
・RFパワー:50W
・処理時間 :30sec
〈顔料分散液の調製〉
下記表2に示す組成中の成分を混合し、1時間スターラーで攪拌した。攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色の顔料分散液(R顔料分散液1、G顔料分散液1、B顔料分散液1)を調製した。分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を1時間として行なった。
前記3色(R、G、B)の顔料分散液を下記表3に示す組成となるように混合し、これをスターラーで1時間攪拌してRインク1、Gインク1、Bインク1を得た。
次に、上記より得たRインク1、Gインク1、Bインク1を順次用いて、濃色離画壁付基板の、プラズマ撥インク処理された濃色離画壁で離隔された凹状の領域に、各色の着色インクをピエゾ方式のヘッドから打滴し、着色領域を形成した。
ここで、ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、基板上にノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴されるようにした。また、ヘッド及びインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部近傍が50±0.5℃の温度範囲に調温制御されている。ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42pl(ピコリットル)の吐出が可能であり、本実施例ではヘッドの下方1mmの位置で濃色離画壁付基板を搬送しながら打滴するようにした。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能であり、ピエゾ駆動周波数は最大4.6KHzまでが可能であり、これらの設定により打滴量を制御することができる。
このようにして、RGB3色の画素パターンで構成されたカラーフィルタを作製した(以下、カラーフィルタ基板と称する。)。
さらに、作製した液晶セルの両側の基板面に(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管を用いてバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例1の−濃色離隔壁の形成−において、ポスト露光を行なわなかったこと以外、実施例1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
−濃色感光性転写材料K1の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、この熱可塑性樹脂層上に更に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を積層した。続いて、中間層上に実施例1で調製した濃色組成物K1を塗布し、乾燥させて黒色の濃色感光層を更に積層した。
・メタノール …11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 6.36部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 5.83部
(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
・スチレン/アクリル酸共重合体 …13.6部
(共重合比[モル比]=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) … 9.1部
・前記界面活性剤1 … 0.54部
・PVA−205 … 32.2部
〔(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550;ポリビニルアルコール〕
・ポリビニルピロリドン … 14.9部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水 …524部
・メタノール …429部
無アルカリガラス基板(以下、単に「ガラス基板」という。)を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。その後、この基板を基板予備加熱装置で100℃で2分間加熱した。
続いて、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、基板とマスク(格子状パターンを有する石英露光マスク、格子幅:18μm)とを垂直に立てた状態で、マスク面と濃色感光層との間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
濃色離画壁の形成されたガラス基板の離隔壁形成面側に、予めフッ素系界面活性剤(フロラードFC−430、住友3M(株)製)0.5質量%(下記感光性樹脂の固形分に対して)が内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ポジ型フォトレジストAZP4210、ヘキストシャパン(株)製)を、膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行なった。次いで、ガラス基板の濃色離画壁が形成されていない側(裏面側)から110mJ/cm2(38mW/cm2 ×2.9秒)の露光量にて濃色離画壁を介して露光した。続いて、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行ない、ガラス基板上の濃色離画壁の上部に撥インク性樹脂層を形成した(既述した(4)の撥インク処理)。このとき、濃色離隔壁で取り囲まれた凹部の内外において表面エネルギー差が形成された。
撥水性樹脂層形成後の画素形成領域と離隔壁との表面エネルギーは、離隔壁(撥水性樹脂層上)で10〜15dyne/cmであり、画素形成領域(ガラス基板上)で55dyne/cm前後であった。
その後、実施例1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製し、液晶表示素子を作製した。
実施例3において、ポスト露光を行なわず、かつRGB3色の画素パターン及び濃色離隔壁が形成されたカラーフィルタ基板のベーク処理条件を80℃、40分間に変更したこと以外、実施例3と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
実施例3において、濃色感光性転写材料K1を下記の濃色感光性転写材料K2に代えたこと以外、実施例3と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(テトロンG2、テイジンデュポンフィルム(株)製)仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、実施例1で調製した濃色組成物K1を塗布し、乾燥させて、乾燥膜厚2.2μmの黒色の濃色感光層を形成した。その後、形成された濃色感光層上に保護フィルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着し、濃色感光性転写材料K2を作製した。
実施例3において、濃色感光層の乾燥膜厚を2.2μmから1.6μmに変更すると共に、パターン露光時の露光量を70mJ/cm2から65mJ/cm2に変更したこと以外、実施例3と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
実施例3において、パターン露光時の露光量を70mJ/cm2から65mJ/cm2に変更すると共に、現像時間を70秒間から80秒間に変更したこと以外、実施例3と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
実施例3において、格子状パターンを有する石英露光マスクの格子幅を5μmに変更したこと以外、実施例3と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
実施例3において、格子状パターンを有する石英露光マスクの格子幅を48μmに変更したこと以外、実施例3と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
実施例1において、窒素雰囲気下で行なったパターン露光を大気下で行なうようにしたこと以外、実施例1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
実施例1において、Rインク1、Gインク1、及びBインク1を下記表4に示すRインク2、Gインク2、及びBインク2に各々代え、顔料の塗設量が実施例1と同じになるように打滴し、打滴後30分間自然乾燥を行ない、さらに150℃で乾燥させるようにしたこと以外、実施例1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
比較例1において、パターン露光時の露光量を300mJ/cm2から270mJ/cm2に変更したこと以外、実施例1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、液晶表示装置を作製した。
各実施例及び各比較例で作製した濃色離画壁付基板、並びにカラーフィルタ基板、液晶表示装置について下記評価を行なった。評価結果は下記表5に示す。
〈d/hの測定〉
各濃色離画壁付基板をガラス基板ごと基板面に垂直に切断し、露出した切断面を光学顕微鏡で直接観察した。そして、図1に示すように、濃色離画壁の基板面からの高さが最も高い点での離画壁高さh、0.8hの位置に基板と平行な線L1、L1と離画壁の接点における接線L2、hの位置に基板と平行な線L3とし、L2とL3の交点から離画壁までの接線L2と直交する線上の距離(最短距離)dと定義して測定した。
各濃色離画壁付基板について、図2に示すように、濃色離画壁の基板の表面からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.2hの位置に基板と平行な線をL4、L4と濃色離画壁とが交差する点を点a、点aにおける濃色離画壁の接線をLa、接線Laと基板とのなす角をθと定義して測定した。なお、θ>90°となる場合は180−θを値とした。
各カラーフィルタ基板について、濃色離画壁の表面凹凸を接触膜厚計(触針式表面粗さ計P10、Tencor社製)を用いて、下記条件にて測定した。Raは、値が小さい方が平坦性であることを示す。
測定条件:Type 2D、Length 206μm、Sample Rate50HZ、Speed 50μm/S、Force 5mg
各カラーフィルタ基板について、金属顕微鏡VANOX AHMT3(オリンパス(株)製)にOLYMPUS Ikegami ITC−370M(オリンパス(株)製)を搭載し、FLOVEL VIDEO MICRO METER MODEL VM−40(オリンパス(株)製)を用いて直接観察し、任意の100点を選択して基板の法線方向と直交する方向における壁幅を測定し、その平均値を算出して線幅とした。
各カラーフィルタ基板について、濃色離画壁の高さ(壁の基板法線方向における長さ)を接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定した。
別途用意した透明のガラス基板上に厚みが実施例、比較例と同じになるように濃色感光層を形成し、マスクを用いない(パターン露光を行なわない)こと以外は 各実施例及び各比較例と同様の操作を行なってサンプル膜を得、得られた各サンプル膜の透過光学濃度(OD1)をマクベス濃度計(TD−904、マクベス社製)で測定した。別途、ここで用いたガラス基板の透過光学濃度(OD0)を同様の方法で測定した。そして、測定したOD1からOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度(OD)とした。
〈白抜け〉
各実施例及び各比較例で作製したカラーフィルタ基板を、画素パターン形成面側から光学顕微鏡により観察し、白抜けの有無の評価を行なった。評価は、画素パターン中の濃色離画壁側に凸な角の任意の100点を観察して、画素パターン中にインクが付着していない箇所の有無、並びに濃色離画壁の上面に残っているインクの有無から下記の評価基準にしたがって行なった。
[評価基準]
○:白抜けは全くなかった。
△:白抜けは5個未満であった。
×:色抜けは5個以上10個未満であった。
××:白抜けは10個以上であった。
各液晶表示装置を通電してR,G,Bの各単色画像を表示して10人に観察させ、各画像ごとに10cm×10cmの面積範囲内における濃度ムラを下記の評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
○:色ムラがあると認識は全くなかった(0人)。
△:色ムラがあると認識した人数は1〜2人であった。
×:色ムラがあると認識した人数は3人以上であった。
各液晶表示装置を通電してR,G,Bの各単色画像を表示してR,G,B別に10人に観察させ、各色ごとに10cm×10cmの画面内の明るさの変化を、実施例及び比較例におけるR、G、Bごとにそれぞれ、優劣の差違が下記の評価基準の(1)全てにおいて変化なし、(2)やや変化する(明るさが劣る)ものが認められた、(3)明らかに変化のある(明るさが劣る)ものが認められた、により判定し、評価した。
[評価基準]
・変化なし:開口率の低下を認識は全くなかった(0人)。
・やや変化あり:開口率の低下を認識した人数は1〜2人であった。
・変化あり:開口率の低下を認識した人数は3人以上であった。
透明電極(ITO膜)が設けられたカラーフィルタ基板のITO膜の抵抗値を、三菱化学(株)製のロレスタ(四端針法)により測定した。
各実施例及び各比較例で作製したカラーフィルタ基板を画素パターン形成面側から光学顕微鏡により観察し、任意の100画素について混色の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
[評価基準]
◎:混色は全くなかった。
○:混色箇所が5未満であった。
△:混色箇所が5以上10個未満であった。
×:混色箇所が10以上であった。
これに対し、比較例のカラーフィルタでは、白抜け、色ムラの発生や、インクが濃色離画壁を乗り越えて隣接画素との間で混色が起こっており、濃色離画壁表面の平坦性もあまり高いものではなかった。よって、比較例で作製した液晶表示装置は表示特性に劣っていた。
Claims (14)
- 基板上に、相互に色相の異なる2色以上の画素群と、前記画素群を構成する各画素を互いに離隔する濃色離画壁とを有し、前記濃色離画壁の断面形状が、基板の表面からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.8hの位置に基板と平行な線をL1、L1と濃色離画壁とが交差する点における接線をL2、hの位置に基板と平行な線をL3としたときに、L2とL3との交点から濃色離画壁までの最短距離で規定される値dをhで除した値が0.04以下であるカラーフィルタの製造方法であって、
前記濃色離画壁間の凹部にインクジェット法により、着色剤と重合性化合物と重合開始剤とを含み、固形分量が50質量%以上である重合性インク滴を付与して着色領域を形成する着色領域形成工程と、
形成された少なくとも1色の着色領域を活性光線の照射により硬化する第1の硬化工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。 - 赤色、緑色、及び青色を含む所望の色相の着色領域の全てを熱により硬化する第2の硬化工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記濃色離画壁の表面粗さRa値が、0.5nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記濃色離画壁の、基板法線方向における高さが1.5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記濃色離画壁の、基板の法線方向と直交する方向における幅が5μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記濃色離画壁の断面形状において、濃色離画壁の基板の表面からの高さが最も高い点における基板からの高さをh、基板から0.2hの位置に基板と平行な線をL4、L4と濃色離画壁とが交差する点を点a、点aにおける濃色離画壁の接線をLa、接線Laと基板とのなす角をθとしたときに、70°≦θ≦110°であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記着色領域形成工程前に、仮支持体上に感光性樹脂組成物を用いてなる感光性層と酸素遮断層とを少なくとも有する感光性転写材料を用い、前記基板上に前記感光性層を転写する転写工程を更に有し、前記濃色離画壁は、転写形成された前記感光性層をパターニングしてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色領域形成工程前に、前記基板上に感光性樹脂組成物を用いて感光性層を塗布形成し、形成された感光性層上に酸素遮断層を塗布形成する塗布工程を更に有し、前記濃色離画壁は、塗布形成された前記感光性層をパターニングしてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色領域形成工程は、前記濃色離画壁の少なくとも一部が撥インク性を有する状態で前記重合性インク滴を付与することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記撥インク性を有する状態は、プラズマ処理により形成されたことを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記濃色離画壁の光学濃度が2.5以上10以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記感光性樹脂組成物が、光重合性組成物であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
- 請求項13に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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