JP4990139B2 - カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、液晶表示素子、液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、液晶素子、液晶表示装置に関し、特に基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されており、離画壁内にインクジェット等によって液滴を付与して形成されるカラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、このカラーフィルターを備えた液晶表示素子、この液晶表示素子を備えた液晶表示装置に関する。
表示装置用カラーフィルターは、ガラス等の基板上に赤色、緑色、青色のドット状画像をそれぞれマトリックス状に配置し、その境界をブラックマトリックス等の濃色離画壁で区分した構造である。このようなカラーフィルターの製造方法としては、従来、支持体としてガラス等の基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)着色した感光性樹脂液の塗布と露光及び現像の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト法) 、4)仮支持体上に形成した画像を順次、最終又は仮の支持体上に転写する方法 、5)予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより着色層を形成し、順次直接、基板上にこの感光性着色層を転写し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法等により多色画像を形成する方法(転写方式) が知られている。また各画素をインクジェット法を用いて形成する方法も知られている。
これらの方法のうち、着色レジスト法は位置精度高くカラーフィルターを作製できるものの、感光層樹脂液の塗布にロスが多くコスト的には有利とは言えない。一方、各画素をインクジェット法を用いて形成する方法は樹脂液のロスが少なくコスト的に有利ではあるものの、画素の位置精度が悪いという問題がある。
これらを克服すべく、ブラックマトリックスを着色レジスト法で形成することで離画壁を形成し、RGB画素をインクジェット法で作製するカラーフィルター製造法も提案されている。しかしこの離画壁形成法によると、離画壁の表面が粗くなり、微細な凹凸が発生してしまう。このためカラーフィルター上に形成された透明電極(ITO)の表面抵抗が増加してしまう問題がある。
これを防ぐ為、カラーフィルター上に保護層を設け、平坦性を付与する方法があるが、余分な層を形成するためコストアップする問題があった。
また、離画壁表面をドライエッチング処理を行うことで、表面粗さを調整することが知られている(特開2001−343518号公報参照)。この方法においては、複雑なドライエッチング処理を要し、処理工程が増加するため製造コストがかかるばかりでなく、離画壁の表面粗さを所定の粗さに調整することが難しい問題がある。
特開2001−343518号公報
本発明は、上記の状況に鑑みてなされた。すなわち本発明は、少ない工程で、安定に離画壁の表面粗さを調整でき、この結果、カラーフィルター上に形成された透明電極(ITO)の表面抵抗を低下させることができるカラーフィルターの製造方法、この方法で得られた離画壁の表面粗さが小さいカラーフィルター、このカラーフィルターを備えた液晶表示素子、この液晶表示素子を備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明は第一の態様として、基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性転写材料をラミネートする工程と、
該感光性転写材料の仮支持体を残した状態で該感光性転写材料を露光する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
本発明は第二の態様として、基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、
その上に、酸素透過率が100cm/(m・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
本発明は、この第二の態様のことであり、第一の態様、および後述の第三の態様を含まない。
本発明は、第三の態様として、基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
濃色光重合性組成物からなる層を基板上に形成する工程と、
貧酸素雰囲気下で濃色光重合性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
また、本発明の別の態様として、上記第一態様のカラーフィルターの製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が6nm以下であることを特徴とするカラーフィルターを提供する。
さらに、本発明の別の態様として、上記第二又は第三の態様のカラーフィルター製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が5nm以下であることを特徴とするカラーフィルターを提供する。
さらに、本発明の別の態様として、上記のいずれかの態様のカラーフィルターを備えた液晶表示素子を提供する。
さらに、本発明の別の態様として、上記の液晶表示素子を備えた液晶表示装置を提供する。
本発明の第二の態様のカラーフィルターの製造方法によれば、基板上の感光性組成物からなる層をその上に酸素遮断膜層を有する状態で露光するという簡便な工程で、安定して離画壁の表面の微細な凹凸を改良することができる。
したがって、本発明によりITOの表面抵抗を低下させたカラーフィルターを工程数が少なく低コストで得ることが可能となる。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、下記の第二の実施形態である。
基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含む。そして、ある実施形態において、離画壁を形成する工程は、基板上に感光性転写材料をラミネートする工程と、該感光性転写材料の仮支持体を残した状態で該感光性転写材料を露光する工程と、を含む(以下、「第一の実施形態」ともいう)。また、別の実施形態において、離画壁を形成する工程は、基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、その上に、酸素透過率が100cm/(m・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、を含む(以下、「第二の実施形態」ともいう)。また、別の実施形態において、離画壁を形成する工程は、濃色光重合性組成物からなる層を基板上に形成する工程と、濃色光重合性組成物からなる層を貧酸素雰囲気下で露光する工程と、を含む(以下、「第三の実施形態」ともいう)。
[感光性組成物及び濃色光重合性組成物]
(濃色組成物)
基板上の離画壁(「濃色離画壁」ともいう。)は、第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、着色剤を含有する感光性組成物(「濃色感光性組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)を用いて作製された感光性転写材料から形成される。また、第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、着色剤を含有する感光性組成物(「濃色感光性組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)から形成される。第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、着色剤を含有する光重合性組成物(「濃色光重合性組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)から形成される。ここで、濃色組成物とは、高い光学濃度を有する組成物のことであり、その値は2.5以上が好ましく、2.5〜10.0がより好ましく、2.5〜6.0が更に好ましく、3.0〜5.0が特に好ましい。また、この濃色組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、第一の実施形態及び第二の実施形態においては、光重合性組成物であることが好ましく、第三の実施形態においては光重合性組成物である。濃色組成物の波長555nmにおける光学濃度は2.0〜10.0が好ましく、より好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では離画壁形状が望みのものとならない恐れがあり、10.0を超えると、重合を開始することができず離画壁そのものを作ることが困難となる場合がある。
(着色剤)
本発明に用いる着色剤としては、具体的には、下記染料、顔料に記載のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
本発明の濃色組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、濃色組成物層に遮光性が要求される際には、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、濃色組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
前記濃色組成物の固形分中の着色剤の比率は、現像時間を短縮する観点から、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、50〜55質量%であることが更に好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
本発明においては、前記着色剤の中でも黒色着色剤であることが好ましい。黒色着色剤として、更に例示すると、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
本発明における濃色組成物は前記着色剤以外に、バインダー・樹脂・ポリマー、重合開始剤、モノマーを少なくとも含んでなることが好ましい。また、必要に応じて更に公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに濃色組成物は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
(バインダー・樹脂・ポリマー)
濃色組成物に用いるバインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。
(開始剤)
濃色組成物を硬化させる方法としては、熱開始剤を用いる熱開始系や光開始剤を用いる光開始系が一般的であるが、本発明では、光開始系を用いることが好ましい。ここで用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X 線等の放射線の照射(露光ともいう) により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始剤系の中から適宜選択することができる。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビスイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α − ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
具体的には、特開2001 −117230公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs − トリアジン誘導体、米国特許第42398 50号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第421297 6号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9 − フェニルアクリジン、9 − ピリジルアクリジン、9 − ピラジニルアクリジン、1 , 2− ビス( 9 − アクリジニル) エタン、1 , 3 − ビス( 9 − アクリジニル) プロパン、1 ,4 − ビス( 9 − アクリジニル) ブタン、1 , 5 − ビス( 9 − アクリジニル) ペンタン、1, 6 − ビス( 9 − アクリジニル) ヘキサン、1 , 7 − ビス( 9 − アクリジニル) ヘプタン、1 , 8 − ビス( 9 −アクリジニル) オクタン、1 , 9 − ビス( 9 − アクリジニル) ノナン、1 ,1 0 − ビス( 9 − アクリジニル) デカン、1 , 1 1 − ビス( 9 − アクリジニル)ウンデカン、1 , 1 2 − ビス( 9 − アクリジニル) ドデカン等のビス( 9 − アクリジニル) アルカン、などのアクリジン系化合物;
6 − ( p − メトキシフェニル) − 2 , 4 − ビス( トリクロロメチル) −s − トリアジン、6 − 〔p − ( N , N − ビス( エトキシカルボニルメチル)アミノ) フェニル〕− 2 , 4 − ビス( トリクロロメチル) − s − トリアジンなどのトリアジン系化合物; その他、9 , 10 − ジメチルベンズフェナジン、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン/ ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビスイミダゾール/ メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/ アミン、2 , 2 ' − ビス( 2 , 4 − ジクロロフェニル) − 4 ,4 ' , 5 ,5 ' − テトラフェニル− 1 , 2 ' − ビスイミダゾールなどが挙げられる。
上記のうち、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビスイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、特に、トリハロメチル基含有化合物及びアクリジン系化合物から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物は、汎用性でかつ安価である点でも有用である。
特に好ましいのは、トリハロメチル基含有化合物としては、2 − トリクロロメチル−5 −( p − スチリルスチリル) − 1 , 3 , 4 − オキサジアゾールであり、アクリジン系化合物としては、9 − フェニルアクリジンであり、更に、6 − 〔p −( N , N − ビス( エトキシカルボニルメチル) アミノ) フェニル〕− 2 , 4− ビス( トリクロロメチル) − s − トリアジン、2 − ( p − ブトキシスチリル) − 5 − トリクロロメチル− 1 , 3 , 4 − オキサジアゾールなどのトリハロメチル基含有化合物、及びミヒラーズケトン、2 , 2 ' − ビス(2 , 4 − ジクロロフェニル) − 4 , 4 ' , 5 , 5 ' − テトラフェニル− 1 , 2 ' − ビスイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビスイミダゾール、2,2'−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビスイミダゾールなどのヘキサアリールビスイミダゾール化合物が挙げられる。ヘキサアリールビスイミダゾール化合物は、バインダーポリマー及び光重合性モノマーの合計量に対して、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは1〜15質量%で所望により使用される。
前記光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2 種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の濃色組成物における総量としては、濃色組成物の全固形分(質量) の0 .1〜20質量% が好ましく、0 .5 〜 10 質量% が特に好ましい。前記総量が、0 .1 質量% 未満であると、濃色組成物の光硬化の効率が低く露光に長時間を要することがあり、20 質量% を超えると、現像する際に、形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面に荒れが生じやすくなることがある。
前記光重合開始剤は、水素供与体を併用して構成されてもよい。該水素供与体としては、感度をより良化することができる点で、以下で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。ここでの「水素供与体」とは、露光により前記光重合開始剤から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物をいう。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環或いは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1 個以上、好ましくは1 〜 3 個、更に好ましくは1 〜 2 個有する化合物( 以下、「メルカプタン系水素供与体」という) である。また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環或いは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1 個以上、好ましくは1 〜 3 個、更に好ましくは1 〜 2 個有する化合物( 以下、「アミン系水素供与体」という) である。尚、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
上記のメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2 − メルカプトベンゾチアゾール、2 − メルカプトベンゾオキサゾール、2 − メルカプトベンゾイミダゾール、2 , 5 − ジメルカプト− 1 , 3 , 4 − チアジアゾール、2 − メルカプト− 2, 5 − ジメチルアミノピリジン、等が挙げられる。これらのうち、2 − メルカプトベンゾチアゾール、2 − メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2 − メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
上記のアミン系水素供与体の具体例としては、4 、4 ' − ビス( ジメチルアミノ) ベンゾフェノン、4 、4 ' − ビス( ジエチルアミノ) ベンゾフェノン、4 − ジエチルアミノアセトフェノン、4 − ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル− 4− ジメチルアミノベンゾエート、4 − ジメチルアミノ安息香酸、4 − ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。これらのうち、4 , 4 ' − ビス( ジメチルアミノ) ベンゾフェノン、4 , 4 ' − ビス( ジエチルアミノ) ベンゾフェノンが好ましく、特に4 , 4 ' − ビス( ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に永久支持体上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1 種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組合せの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/ 4 , 4 ' − ビス( ジメチルアミノ) ベンゾフェノン、2 −メルカプトベンゾチアゾール/ 4 , 4 ' − ビス( ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2 −メルカプトベンゾオキサゾール/ 4 , 4 ' − ビス( ジメチルアミノ) ベンゾフェノン、2− メルカプトベンゾオキサゾール/ 4 , 4 ' −ビス( ジエチルアミノ) ベンゾフェノン等が挙げられる。より好ましい組合せは、2 − メルカプトベンゾチアゾール/ 4 , 4 ' − ビス( ジエチルアミノ) ベンゾフェノン、2 − メルカプトベンゾオキサゾール/ 4 , 4 ' −ビス( ジエチルアミノ) ベンゾフェノンであり、特に好ましい組合せは、2 − メルカプトベンゾチアゾール/ 4 , 4 ' − ビス( ジエチルアミノ) ベンゾフェノンである。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを組合せた場合の、メルカプタン系水素供与体( M ) とアミン系水素供与体( A ) との質量比( M : A ) は、通常1 : 1 〜1 : 4 が好ましく、1 : 1 〜 1 : 3 がより好ましい。前記水素供与体の濃色組成物における総量としては、濃色組成物の全固形分( 質量)の0 .1 〜 2 0 質量% が好ましく、0 . 5 〜 1 0 質量% が特に好ましい。
第三の実施形態において、水素供与体は、バインダーポリマー及び光重合性モノマーの合計量に対して、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは1〜15質量%で所望により使用される。
(モノマー)
濃色組成物に用いる多官能性モノマーとしては、下記化合物を単独で又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。具体的には、t − ブチル( メタ) アクリレート、エチレングリコールジ( メタ) アクリレート、2 − ヒドロキシプロピル(メタ) アクリレート、トリエチレングリコールジ( メタ) アクリレート、トリメチロールプロパントリ( メタ) アクリレート、2 − エチル− 2 − ブチル− プロパンジオールジ( メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールトリ( メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ( メタ) アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ) アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ( メタ) アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ( メタ) アクリレート、トリス( 2 − (メタ) アクリロイルオキシエチル) イソシアヌレート、1 , 4 − ジイソプロペニルベンゼン、1 , 4 − ジヒドロキシベンゼンジ( メタ) アクリレート、デカメチレングリコールジ( メタ) アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル( メタ) アクリレート、( メタ) アクリルアミド、キシリレンビス( メタ) アクリルアミド、等が挙げられる。
また、2 − ヒドロキシエチル( メタ) アクリレート、2 − ヒドロキシプロピル(メタ) アクリレート、ポリエチレングリコールモノ( メタ) アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物とヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のジイソシアネートとの反応物も使用できる。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス( 2 − アクリロイルオキシエチル) イソシアヌレートである。
多官能性モノマーの濃色組成物における含有量としては、濃色組成物の全固形分(質量) に対して、5 〜 8 0 質量% が好ましく、1 0 〜 7 0 質量% が特に好ましい。前記含有量が、5 質量% 未満であると、濃色組成物の露光部でのアルカリ現像液への耐性が劣ることがあり、8 0 質量% を越えると、濃色組成物とした時のタッキネスが増加してしまい、取扱い性に劣ることがある。
(溶剤)
本発明の濃色組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
(界面活性剤)
本発明における離画壁又は本発明における感光性転写材料においては、後述するスリット状ノズル等を用いることにより、濃色組成物を基板又は仮支持体等に塗布することができるが、該濃色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることにより、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する界面活性剤の含有量は、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明の濃色組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3',5'−ジ−t−4'−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2'−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サリチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
(熱重合防止剤、その他)
また、本発明の濃色組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する熱重合防止剤の含有量は、0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
また、本発明の濃色組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
(基板)
カラーフィルターを構成する基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フィルムが挙げられる。
(離画壁)
本発明の第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、前述の通り、離画壁を形成する工程において、前記基板上に後述の感光性転写材料をラミネートして濃色感光性組成物からなる濃色感光性樹脂層を転写した後、該感光性転写材料の仮支持体を残した状態で感光性転写材料を露光することを特徴とする。
即ち、該離画壁を形成する工程が、仮支持体上に感光性組成物からなる層を少なくとも有する後述の感光性転写材料を基板上に転写する工程を含むものである。
本発明の第一の実施形態において、555nmにおける離画壁の光学濃度は、特に限定されるものではないが、表示装置のコントラスト向上の観点から、好ましくは2.5以上10以下、より好ましくは3.0以上10以下、特に好ましくは4.0以上10以下である。
前記2.5以上10以下の範囲とすることにより、良好なコントラストを得ることができるため好ましい。
本発明の第一の実施形態において、仮支持体を介して濃色組成物からなる濃色感光性樹脂層を露光するため、酸素の影響を受けにくく、濃色離画壁の表面粗さを小さくすることができる。本発明における濃色離画壁の表面粗さRaは、小さい方が好ましいが、特に限定されるものではない。中でも画素間の混色の観点から、濃色離画壁の表面粗さRa値は6nm以下が好ましく、より好ましくは5.0nm以下、更に好ましくは4.0nm以下、特に好ましくは3.6nm以下である。濃色離画壁の表面粗さRa値が6nm以下とすることにより、濃色離画壁の表面を伝わって隣接する画素へ移動する着色液体組成物の移動を阻止し易くすることができ、この結果、隣接する画素間の着色液体組成物の移動による混色を未然に防止する点で好ましい。
前記濃色離画壁の表面粗さRaはJIS B0601で測定した値を用いる。
本発明の第一の実施形態において、前記濃色離画壁の高さh(前記濃色離画壁の最も高さの高い点をHと、Hから基板におろした垂線の足Gとの距離)は、特に限定されないが、混色防止の観点から、好ましくは1.8μm以上10μm以下、より好ましくは1.9μm以上10μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以上7μm以下、特に好ましくは2.2μm以上5.0μm以下である。1.8μm以上10μm以下とすることにより、より効果的に混色を防止することができる。高さが1.8μm未満であると、混色が起こりやすく、10μmを超えると濃色離画壁の形成が難しくなる傾向がある。
本発明の第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、離画壁を形成するために、基板上に感光性組成物からなる層上に酸素遮断膜層を設ける方法は、
(1)仮支持体上に感光性組成物からなる層と酸素遮断膜とを少なくとも有する感光性転写材料を基板上に転写する方法;または
(2)基板上に感光性組成物を含有する塗布液を塗布して感光性組成物塗布膜を形成し、その上に酸素遮断膜を塗布する方法
が好ましい。以下、第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、単に(1)の方法を転写方法、(2)の方法を塗布方法とも言う。
第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法において言う酸素遮断層とは、500cm3/(m2・day・atm)以下の酸素透過率を有する層であるが、酸素透過率は100cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下であることがより好ましい。
第二の実施形態において、酸素遮断層の酸素透過率が500cm3/(m2・day・atm)より多い場合は、効率的に酸素を遮断することができないため、離画壁を前記所望の形状にすることが困難となる。
第二の実施形態における酸素遮断層は具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。本発明の酸素遮断層における前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
第二の実施形態において、酸素遮断層を介して濃色感光性樹脂組成物層を露光するため、酸素の影響を受けにくく、濃色離画壁の表面粗さを小さくすることができる。濃色離画壁の表面粗さRa値は5nm以下とすることができ、好ましくは4.0nm以下、より好ましくは3.6nmの以下とすることができる。濃色離画壁の表面粗さRa値が5nm以下となると、濃色離画壁の表面を伝わって隣接する画素へ移動する着色液体組成物の移動を阻止しやすくすることができ、隣接する画素間の着色液体組成物の移動による混色を未然に防止する点で好ましい。
第二の実施形態において、前記濃色離画壁の高さh(前記濃色離画壁の最も高さの高い点をHと、Hから基板におろした垂線の足Gとの距離)は、1.8μm以上であることが好ましく、より好ましくは1.9μm以上10μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以上7μm以下、特に好ましくは2.2μm以上5.0μm以下である。1.8μm以上10μm以下とすることにより、より効果的に混色を防止することができる。高さが1.8μm未満であると、混色が起こりやすく、10μmを超えると濃色離画壁の形成が難しくなる傾向がある。
本発明の第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、貧酸素雰囲気下とは、酸素の分圧が0.15気圧以下の雰囲気下を意味し、これらは詳しくは以下の通りである。
通常、大気(1気圧)下では酸素の分圧は0.21気圧であるので、酸素の分圧を0.15気圧以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.71気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して40vol%以上混合することにより達成できる。
第三の実施形態における貧酸素雰囲気については、特に限定されず前記いずれの方法も用いることが出来る。したがって、不活性ガス雰囲気下、または減圧下のいずれを用いてもよい。
前記酸素分圧は0.15気圧以下とする方法を用いる場合、0.10気圧以下が好ましく、0.08気圧以下がより好ましく、0.05気圧以下が特に好ましい。酸素分圧が0.15気圧より高いと、離画壁表面での重合が酸素により阻害され、表面の粗さが増加する場合がある。
酸素分圧の下限には特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば窒素)で置換することにより酸素分圧を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。酸素分圧は酸素計を用いて測定することができる。
前記不活性ガスとは、N2、H2、CO2、などの一般的な気体や、He、Ne、Arなどの希ガス類をいう。この中でも、安全性や入手の容易さ、コストの問題から、N2が好適に利用される。
前記減圧下とは、500hPa以下、好ましくは100hPa以下の状態を指す。
第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、貧酸素雰囲気下で濃色組成物層を露光するため、酸素の影響を受けにくく、濃色離画壁の表面粗さを小さくすることができる。濃色離画壁の表面粗さRa値は5nm以下とすることができ、好ましくは4.0nm以下、より好ましくは3.6nmの以下とすることができる。濃色離画壁の表面粗さRa値が5nm以下となると、濃色離画壁を表面を伝わって隣接する画素へ移動する着色液体組成物の移動を阻止しやすくすることができ、隣接する画素間の着色液体組成物の移動による混色を未然に防止する点で好ましい。
第三の実施形態において、前記濃色離画壁の高さh(前記濃色離画壁の最も高さの高い点をHと、Hから基板におろした垂線の足Gとの距離)は、1.8μm以上であることが好ましく、より好ましくは1.9μm以上10μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以上7.0μm以下、特に好ましくは2.2μm以上5.0μm以下である。1.8μm以上10μm以下とすることにより、より効果的に混色を防止できる。高さが1.8μm未満であると、混色が起こりやすく、10μmを超えると、濃色離画壁の形成が難しくなる傾向がある。
(第一の実施形態における濃色離画壁の形成)
−感光性転写材料を用いた濃色離画壁の形成−
仮支持体上に、濃色組成物からなる濃色感光性樹脂層、更に該層上に保護フィルムが設けられた感光性転写材料を用意する。必要に応じて前記濃色感光性樹脂層と仮支持体の間に酸素遮断層を形成する。
まず、保護フィルムを剥離除去した後、露出した濃色感光性樹脂層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネータ等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
次いで、仮支持体を残したまま(剥離せずに)、該仮支持体の上方に所望のフォトマスク(例えば、石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該仮支持体の間の距離を適宜(例えば、200μm)に設定し、露光する。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜(例えば、300mJ/cm2)選択することができる。
次いで、仮支持体を除去し、所定の処理液を用いて現像処理して、パターニング画像を得て、引き続き必要に応じて、水洗処理して、濃色離画壁を得る。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該濃色感光性樹脂層の表面を均一に湿らせることが好ましい。
前記現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
前記現像方法におけるアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。感光性樹脂層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、濃色感光性樹脂層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、離画壁形状を好適なものとすることが困難となる。この現像工程にて、離画壁形状は前述のごとく形成される。
また、現像液のpHは8〜13が好ましい。現像槽中にはローラーコンベアなどが設置され、基板は水平に移動する。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、感光性樹脂は基板の上面に形成されるのが好ましい。基板サイズが1メートルを超える場合は、基板を水平に搬送すると、基板中央付近に現像液が滞留し、基板中央と周辺部分での現像の差が問題となる。これを回避するため、基板は斜めに傾斜させるのが望ましい。傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、感光性樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、工程を汚したり、基板にシミが残ったりするので、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
(第二の実施形態及び第三の実施形態における濃色離画壁の形成)
第二の実施形態及び第三の実施形態において、濃色離画壁の形成には、下記の濃色組成物の塗布による方法、あるいは感光性転写体を用いる方法のいずれを用いてもよい。
−濃色組成物の塗布による濃色離画壁の形成−
まず、基板を洗浄した後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。該基板を温調後、前記濃色組成物(濃色感光性組成物または濃色光重合性組成物)を塗布する。引き続き、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、プリベークして濃色樹脂層(濃色感光性樹脂層、または濃色光重合性樹脂層)を得る。この時、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去してもよい。
前記塗布としては、特に限定されず、公知のスリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(例えば、エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)や、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(平田機工株式会社製)等を用いて行うことができる。
前記乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)を用いて行うことができる。
プリベークとしては、特に限定されないが、例えば、120℃3分間することにより達成することができる。前記得られた濃色樹脂層の膜厚は、前述の通りである。
なお、第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法では、ここで、濃色感光性樹脂層上に、酸素透過率が100cm/(m・day・atm)以下である酸素遮断層を同様にして形成する。
次いで、基板と画像パターンを有するマスク(例えば、石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該濃色樹脂層の間の距離を適宜(例えば、200μm)に設定し、露光する。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜(例えば、300mJ/cm)選択することができる。
次に、現像液で現像してパターニング画像を得、引き続き必要に応じて、水洗処理して濃色離画壁を得る。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該濃色樹脂層の表面を均一に湿らせることが好ましい。前記現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
−感光性転写材料を用いた濃色離画壁の形成−
仮支持体上に、濃色組成物層、更に該層上に保護フィルムが設けられた感光性転写材料を用意する。必要に応じて前記濃色組成物層の下層(仮支持体と濃色組成物層の間)に酸素遮断層や熱可塑性樹脂層を形成する。
まず、保護フィルムを剥離除去した後、露出した濃色組成物層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネータ等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
次いで、仮支持体を除去し、仮支持体除去後の除去面の上方に所望のフォトマスクを配置し、光源より紫外線を照射し、照射後所定の処理液を用いて現像処理して、パターニング画像を得て、引き続き必要に応じて、水洗処理して、濃色離画壁を得る。
現像処理に用いる現像液及び光照射に用いる光源は、前記塗布法を用いた形成における現像液及び光源が同様に用いられる。
前記濃色組成物の塗布による方法及び後述の感光性転写材料を用いる方法におけるアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。濃色樹脂層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、濃色樹脂層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、離画壁形状を好適なものとすることが困難となる。この現像工程にて、離画壁形状は前述のごとく形成される。
また、現像液のpHは8〜13が好ましい。現像槽中にはローラーコンベアなどが設置され、基板は水平に移動する。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、濃色樹脂層は基板の上面に形成されるのが好ましい。基板サイズが1メートルを超える場合は、基板を水平に搬送すると、基板中央付近に現像液が滞留し、基板中央と周辺部分での現像の差が問題となる。これを回避するため、基板は斜めに傾斜させるのが望ましい。傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、濃色樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、工程を汚したり、基板にシミが残ったりするので、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
(ポスト露光)
現像と熱処理の間に、ポスト露光を実施すると、画像の断面形状のコントロール、画像の硬度のコントロール、画像の表面凹凸のコントロール、画像の膜減りのコントロールなどの観点で好ましい。ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号0074に記載の超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射する事が、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。必要に応じて、両面から実施する。また、露光量も、上面:100から2000mJ/平方センチメートル、下面:100から2000mJ/平方センチメートルの範囲で、上記コントロール目的に応じ、適宜調整する。
(熱処理)
熱処理により本発明の濃色樹脂層に含まれるモノマーや架橋剤を反応させて、画像の硬度を確保することができる。熱処理の温度は、150℃から250℃の範囲が好ましい。150℃以下では硬度が不十分となり、250℃以上では樹脂が着色し色純度が悪くなる。熱処理の時間は、10分から150分が好ましい。10分未満では、硬度が不足し、150分以上では、樹脂が着色し色純度が悪くなる。また熱処理は、色によって変えても良い。また、全部の色を形成後、更に最終の熱処理を行って硬度を安定化させても良い。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
(第一の実施形態における感光性転写材料)
第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、仮支持体上に少なくとも濃色組成物からなる層を有してなる感光性転写材料を使用するという前記手法がある。このような材料を用いた場合、濃色組成物からなる濃色感光性樹脂層は仮支持体に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
感光性転写材料は、仮支持体上に、前記濃色組成物を塗布するなどの方法で、濃色組成物を成分とする感光性樹脂層を形成したものである。必要に応じて、保護フイルムなどが付与される。
第一の実施形態で言う貧酸素雰囲気とは、例えば、2000cm3/(m2・day・atm)以下の酸素透過率を有する層が、感光性樹脂層の上部に設置された状態であってもよく、酸素透過率は100cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下であることがより好ましい。
第一の実施形態において、酸素透過率が2000cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、離画壁を前記所望の形状にすることが困難となることがある。
(第二の実施形態における感光性転写材料)
第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、仮支持体上に、該仮支持体に近い側から順に、少なくとも酸素遮断層と、濃色感光性組成物からなる層とを、有してなる感光性転写材料を使用するという手法(前記の(1)転写方法)がある。このような材料を用いた場合、濃色感光性組成物からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
(第三の実施形態における感光性転写材料)
第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、仮支持体上に少なくとも濃色光重合性組成物からなる層と必要に応じて熱可塑性樹脂層を有してなる感光性転写材料を使用してもよい。これを基板上に転写し、基板上に濃色光重合性組成物層を形成し、貧酸素雰囲気下で露光する。
(仮支持体)
上記の感光性転写材料における仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等、薄いシート若しくはこれらの積層体が好ましい。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μm が適当であり、好ましくは20〜150μmである。この厚みが5μm未満では現像前の支持体を剥離する際に破れやすくなる傾向があり、300μmを超えると解像度が低下する傾向がある。
上記具体例の中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(第一の実施形態における酸素遮断層)
第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法では、必要に応じて感光性転写材料の仮支持体と感光性樹脂層の間に酸素遮断層を設けることができる。
第一の実施形態における酸素遮断層は、具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。本発明の酸素遮断層における前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
(熱可塑性樹脂層)
上記の感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。かかる熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性であることが好ましく、少なくとも樹脂成分を含んで構成され、該樹脂成分としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂層が設けられることにより、後述する濃色離画壁形成方法において、永久支持体との良好な密着性を発揮することができる。
軟化点が80 ℃ 以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ) アクリル酸エステル、(メタ) アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、上記の熱可塑性樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、更に「プラスチック性能便覧」( 日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1 9 6 8 年1 0 月2 5 日発行) による、軟化点が約8 0 ℃ 以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質についても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。また、これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤或いは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
(保護フイルム)
感光性樹脂層または光重合性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。尚、保護フイルムの厚さは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
(第一の実施形態及び第二の実施形態における感光性転写材料の作製方法)
本発明の第一の実施形態及び第二の実施形態における感光性転写材料作製の例として、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層(酸素遮断層)、保護フィルムを有する例を示す。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる酸素遮断層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後濃色感光性樹脂層用塗布液を、中間層(酸素遮断層)を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び酸素遮断層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と濃色感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に濃色感光性樹脂層及び酸素遮断層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と酸素遮断層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
(第三の実施形態における感光性転写材料の作製方法)
本発明の第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法における感光性転写材料は、例えば、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後濃色光重合性樹脂層用塗布液を塗布して乾燥して設けることにより作製することができる。熱可塑性樹脂層は設けなくてもよい。
また、例えば、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に光重合性樹脂層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と濃色光重合性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
(撥水処理)
本発明では、離画壁に撥水処理を施す事で、即ち、前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態後で、着色液体組成物の液滴を前記離画壁間に付与させることが好ましい。これは、その後にインクジェットなどの方法での液滴付与の際に、前記着色液体組成物の液滴(インク)が前記離画壁を乗り越えて、隣の色と混色するなどの不都合を無くす為に好ましい。
前記撥水処理として、離画壁上面に撥水材料を塗布する方法や、撥水層を新たに設ける方法、プラズマ処理により撥水性を付与する方法、撥水性物質を離画壁に練りこむ方法、光触媒により撥水性を付与する方法などが挙げられる。
以下に、撥水処理の詳細な説明をする。
(1)<撥水性物質を離画壁に練りこむ方法>
「混色」を防ぐ手段として、本発明の濃色組成物(感光性組成物または光重合性組成物)より得られるフォトレジストに含フッ素樹脂(A)を含有させて離画壁を作製する方法がある。
本発明における前記含フッ素樹脂(A)は、下記式1で表されるポリフルオロエーテル構造からなるRf基(a)と、酸性基(b)とを有し、酸価が1〜300mgKOH/gであることが好ましい。
−(X−O)n−Y ・・・式1
式1中、Xは、炭素数1〜10の2価飽和炭化水素基又は炭素数1〜10のフルオロ化された2価飽和炭化水素基であって、nで括られた単位毎に同一の基又は異なる基を示し、Yは、水素原子(Yに隣接する酸素原子に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合していない場合に限る)、炭素数1〜20の1価飽和炭化水素基又は炭素数1〜20のフルオロ化された1価飽和炭化水素基を示し、nは2〜50の整数を示す。
ただし、式1におけるフッ素原子の総数は2以上である。
式1におけるX、Yの態様として、好ましくは、Xは、炭素数1〜10の水素原子1個を除いてフルオロ化されたアルキレン基又は炭素数1〜10のパーフルオロ化されたアルキレン基であって、nで括られた単位毎に同一の基又は異なる基を示し、Yは、炭素数1〜20の水素原子1個を除いてフルオロ化されたアルキル基又は炭素数1〜20のパーフルオロ化されたアルキル基を示すものが挙げられる。
式1におけるX、Yの態様として、より好ましくは、Xは、炭素数1〜10のパーフルオロ化されたアルキレン基であって、nで括られた単位毎に同一の基又は異なる基を示し、Yは、炭素数1〜20のパーフルオロ化されたアルキル基を示すものが挙げられる。
X、Yの態様が上記のものであることにより、含フッ素樹脂(A)は良好な撥インク性を奏する。
式1においてnは2〜50の整数を示す。nは2〜30が好ましく、2〜15がより好ましい。nが2以上であると、インク転落性が良好である。nが50以下であると、含フッ素樹脂(A)が、Rf基(a)を有する単量体と、酸性基(b)を有する単量体やその他の単量体と、の共重合によって合成する場合に、単量体の相溶性が良好となる。
また、式1で表されるポリフルオロエーテル構造からなるRf基(a)における炭素原子の総数は2〜50が好ましく、2〜30がより好ましい。当該範囲では、含フッ素樹脂(A)は良好な撥インク性、特に撥有機溶剤性を奏する。また、Rf基(a)を有する単量体、酸性基(b)を有する単量体及びその他の単量体との共重合によって含フッ素樹脂(A)を合成する場合に、単量体の相溶性が良好となる。
Xの具体例としては、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF2CF2CF(CF3)−、及びCF2CF(CF3)CF2−が挙げられる。
Yの具体例としては、−CF3、−CF2CF3、−CF2CHF2、−(CF22CF3、−(CF23CF3、−(CF24CF3、−(CF25CF3、−(CF26CF3、−(CF27CF3、−(CF28CF3、−(CF29CF3、及び(CF211CF3、−(CF215CF3が挙げられる。
式1で表されるポリフルオロエーテル構造からなるRf基(a)の好ましい態様としては、式2で表されるRf基(a)が挙げられる。
−Cp-12(p-1)−O−(Cp2p−O)n-1−Cq2q+1 ・・・式2
式2中、pは2又は3の整数を示し、nで括られた単位毎に同一の基であり、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
式2で表されるRf基(a)として、具体的には、−CF2O(CF2CF2O)n-1CF3 (nは2〜9)、−CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1613 (nは2〜6)、−CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-137 (nは2〜6)が合成の容易さの点から好ましく挙げられる。
含フッ素樹脂(A)内のRf基(a)は、全て同一でもよいし、異なっていてもよい。
含フッ素樹脂(A)におけるフッ素原子の含有量は1〜60%が好ましく、5〜40%がより好ましい。当該範囲であると含フッ素樹脂(A)は良好な撥インク性を奏し、本発明の濃色組成物の現像性が良好となる。
含フッ素樹脂(A)は、酸性基(b)を有する。
酸性基(b)としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、及びスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸性基又はその塩が好ましい。
含フッ素樹脂(A)の酸価は、1〜300mgKOH/gが好ましく、5〜200mgKOH/gがより好ましく、10〜150mgKOH/gが特に好ましい。この範囲であると本発明の濃色組成物の現像性が良好となる。なお、酸価は樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの質量(単位mg)であり、本明細書においては単位をmgKOH/gと記載する。
含フッ素樹脂(A)の数平均分子量は、500以上20000未満が好ましく、2000以上15000未満がより好ましい。当該範囲であると本発明の濃色組成物の現像性が良好である。数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によりポリスチレンを標準物質として測定される。
含フッ素樹脂(A)は、エチレン性二重結合と前記Rf基(a)とを有する単量体に基づく単量体単位と、エチレン性二重結合と前記酸性基(b)とを有する単量体に基づく単量体単位とを含む共重合体であって、酸価が1〜300mgKOH/gであるのが好ましい。
エチレン性二重結合としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基が挙げられる。
前記エチレン性二重結合と前記Rf基(a)とを有する単量体としては、CH2=CR1COOQ2Rf、CH2=CR1OCOQ1Rf、CH2=CR1OQ1Rf、CH2=CR1CH2OQ1Rf、CH2=CR1COOQ2NR1SO2Rf、CH2=CR1COOQ2NR1CORf、CH2=CR1COOQ2NR1COOQ2Rf、CH2=CR1COOQ2OQ1Rf等が挙げられる。ただし、R1は水素原子又はメチル基を、Q1は単結合又は炭素数1〜6の2価有機基を、Q2は炭素数1〜6の2価有機基を、それぞれ示す。Q1、Q2は環状構造を有していてもよい。
1、Q2の具体例としては、それぞれ独立に、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−C(CH32−、−CH(CH2CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2(CH23CH2−、−CH(CH2CH(CH32)−、−CH2CH(OH)CH2−、−CH2CH2NHCOOCH2−、−CH2CH(OH)CH2OCH2−等が挙げられる。これらの中でも、合成の容易さの観点から、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH(OH)CH2−が好ましい。
前記エチレン性二重結合と前記Rf基(a)とを有する単量体として具体的には以下のものが挙げられる。
CH2=CHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)n-1CF3 (nは3〜9)、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1613 (nは2〜6)、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-137 (nは2〜6)、
CH2=C(CH3)COOCH2CH2NHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)n-1CF3 (nは3〜9)、CH2=C(CH3)COOCH2CH2NHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-137 (nは2〜6)、CH2=C(CH3)COOCH2CH2NHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1613 (nは2〜6)、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)n-1CF3 (nは3〜9)、CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1613 (nは2〜6)、CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-137 (nは2〜6)。
含フッ素樹脂(A)における前記エチレン性二重結合と前記Rf基(a)とを有する単量体に基づく単量体単位の含有量は、1〜95モル%等が好ましく、5〜80モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。当該範囲であると含フッ素樹脂は良好な撥インク性を奏し、本発明の濃色組成物の現像性が良好となる。
酸性基(b)を有する単量体として、カルボキシル基を有する単量体、フェノール性水酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、もしくはそれらの塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール性水酸基を有する単量体としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。またこれらのベンゼン環の1個以上の水素原子が、メチル基、エチル基、n−ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基の1個以上の水素原子がハロゲン原子に置換されたハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アミド基に置換された化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
スルホン酸基を有する単量体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アリルオキシプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−2−スルホプロピル、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、もしくはそれらの塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
含フッ素樹脂における酸性基(b)を有する単量体に基づく単量体単位の含有量は、0.1〜40モル%等が好ましく、0.5〜30モル%がより好ましく、1〜20モル%がさらに好ましい。当該範囲であると含フッ素樹脂は良好な撥インク性を奏し、濃色組成物の現像性が良好となる。
含フッ素樹脂がエチレン性二重結合とRf基(a)とを有する単量体に基づく単量体単位と、エチレン性二重結合と酸性基(b)とを有する単量体に基づく単量体単位とを有する共重合体である場合、Rf基(a)及び酸性基(b)を有しない単量体(以下、「その他の単量体」という。)に基づく単量体単位を有していてもよい。
その他の単量体としては、炭化水素系オレフィン類、ビニルエーテル類、イソプロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル化合物、クロロオレフィン類、フルオロオレフィン類、共役ジエン類が挙げられる。
これらの化合物には、官能基が含まれていてもよく、該官能基としては、例えば水酸基、カルボニル基、アルコキシ基、アミド基等が挙げられる。またポリシロキサン構造を有する基を有していてもよい。ただし、これらのその他の単量体に基づく単量体単位は、Rf基(a)及び酸性基(b)を有しない。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類が、本発明の濃色組成物から形成される塗膜の耐熱性に優れるので好ましい。
含フッ素樹脂において、その他の単量体に基づく単量体単位の割合は80%モル以下が好ましく、70モル%以下がより好ましい。当該範囲であると本発明の濃色組成物の現像性が良好となる。
本発明における含フッ素樹脂は、上記のエチレン性二重結合とRf基(a)とを有する単量体に基づく単量体単位と、エチレン性二重結合と酸性基(b)とを有する単量体に基づく単量体単位とを含む共重合体を合成することによって得られるほか、反応部位を有する重合体にRf基(a)を有する化合物及び/又は酸性基(b)を有する化合物を反応させる各種変性方法によっても得られる。
反応部位を有する重合体にRf基(a)を有する化合物を反応させる各種変性方法としては、例えば、エポキシ基を有する単量体をあらかじめ共重合させ、後にRf基(a)とカルボキシル基を有する化合物を反応させる方法、エポキシ基を有する単量体をあらかじめ共重合させ、後にRf基(a)とヒドロキシル基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートが挙げられる。
Rf基(a)とカルボキシル基を有する化合物としては、下記式3で表される化合物が挙げられる。
HOOC−Cp-12(p-1)−O−(Cp2p−O)n-1−Cq2q+1 ・・・式3
式3中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
Rf基(a)とヒドロキシル基を有する化合物としては、下記式4で表される化合物が挙げられる。
HOCH2−Cp-12(p-1)−O−(Cp2p−O)n-1−Cq2q+1 ・・・式4
式4中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
反応部位を有する重合体に酸性基(b)を有する化合物を反応させる各種変性方法としては、例えば、水酸基を有する単量体をあらかじめ共重合させ、後に酸無水物を反応させる方法が挙げられる。また、エチレン性二重結合を有する酸無水物をあらかじめ共重合させ、後に水酸基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
水酸基を有する単量体の具体例としては、ビニルフェノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)等が挙げられる。
さらに、水酸基を有する単量体としては、末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖を有する単量体であってもよい。例えば、CH2=CHOCH2610CH2O(C24O)gH(ここで、gは1〜100の整数、以下同じ。)、CH2=CHOC48O(C24O)gH、CH2=CHCOOC24O(C24O)gH、CH2=C(CH3)COOC24O(C24O)gH、CH2=CHCOOC24O(C24O)h(C36O)kH(ここで、hは0又は1〜100の整数であり、kは1〜100の整数であり、h+kは1〜101である。以下同じ。)、CH2=C(CH3)COOC24O(C24O)h(C36O)kH等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水3−メチルフタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
エチレン性二重結合を有する酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、無水3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、無水cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、2−ブテン−1−イルスシニックアンハイドライド等が挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、1つ以上の水酸基を有している化合物であれば良く、前記に示した水酸基を有する単量体の具体例や、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセルソルブ類、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類等が挙げられる。分子内に1個の水酸基を有する化合物が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
含フッ素樹脂あるいは含フッ素樹脂の前駆体となる前記反応部位を有する重合体は、単量体を必要に応じて連鎖移動剤と共に、溶媒に溶解して加熱し、重合開始剤を加えて反応させる方法によって合成できる。
含フッ素樹脂(A)の配合量は、濃色組成物中の固形分に対し、0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。当該範囲であると濃色組成物は良好な撥インク性、インク転落性を奏し、現像性が良好となる。
(2)<撥水層を設ける方法>
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板上の離画壁に合致した位置にインキ反発性を有する仕切り壁(以下、「撥水層」ともいう。)を作製する方法がある。
インキ反発性を有する仕切り壁として、シリコ−ンゴム層を用いることが好ましい。表層に塗設されるシリコ−ンゴム層は、着色に用いる溶液およびインクに対して反発効果を有することが必須である。特に限定されるものではないが、一般式(1)の様な繰り返し単位を有する分子量数千〜数十万の線状有機ポリシロキサンを主成分とするものであることが好ましい。
なお、一般式(1)において、n は2以上の整数、Rは炭素数 1〜10のアルキル基、アルケニル基あるいはフェニル基である。
この様な線状有機ポリシロキサンをまばらに架橋することによりシリコ−ンゴムが得られる。
架橋剤は、いわゆる室温(低温)硬化型のシリコ−ンゴムに使われるアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、アミドシラン、アルケニオキシシランなどであり、通常線状の有機ポリシロキサンとして末端が水酸基であるものと組み合わせて、それぞれ脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコ−ル型、脱アミン型、脱アミド型、脱ケトン型のシリコ−ンゴムとなる。また、シリコ−ンゴムには、触媒として少量の有機スズ化合物などが添加される。
感光性樹脂層とシリコ−ンゴム層の接着のために層間に接着層として種々のものを用いることがあり、特にアミノシラン化合物や有機チタネ−ト化合物が好ましい。
感光性樹脂層とシリコ−ンゴム層間に接着層を設ける代わりにシリコ−ンゴム層に接着成分を添加しておくこともできる。この添加接着成分としてもアミノシラン化合物や有機チタネ−ト化合物が使用できる。
仕切り壁を作製するためには、まず、離画壁が形成された基板上にシリコーンゴム層を形成する。
仕切り壁を作製するための露光は離画壁をマスクとし、基板の裏側から行い、さらに照射UV光を散乱させて入射光を透過部位の大きさより拡大して感光性樹脂に作用させて、光反応して可溶化する樹脂の部分をシリコ−ンゴム表層側の方が大きくなる様にする。この様に露光した後、n-ヘプタン/エタノ−ル混合液で現像してシリコ−ンゴム表層を有する仕切り壁を作製できる。
(3)<プラズマ処理により撥水性を付与する方法>
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、プラズマによる撥水化処理をする方法がある。
本工程において導入する、少なくともフッ素原子を含有するガスとしては、CF 4 、CHF 3 、C 2 6 、SF 6 、C 3 8 、C 5 8 から選択されるハロゲンガスを1種以上用いることが好ましい。特に、C 5 8 (オクタフルオロシクロペンテン)は、オゾン破壊能が0であると同時に、大気寿命が従来のガス(CF 4 :5万年、C 4 8 :3200年)に比べて0.98年と非常に短い。従って、地球温暖化係数が90(CO 2 =2とした100年積算値)と、従来のガス(CF 4 :6500、C 4 8 :8700)に比べて非常に小さく、オゾン層や地球環境保護に極めて有効であり、本発明で使用する上で望ましい。
さらに、導入ガスとしては、必要に応じて酸素、アルゴン、ヘリウム等のガスを併用しても良い。本工程においては、上記CF 4 、CHF 3 、C 2 6 、SF 6 、C 3 8 、C 5 8 から選択されるハロゲンガスを1種以上とO 2 との混合ガスを用いると、本工程において処理される離画壁表面の撥インク性の程度を制御することが可能になる。但し、当該混合ガスにおいて、O 2 の混合比率が30%を超えるとO 2 による酸化反応が支配的になり、撥インク性向上効果が妨げられるため、また、樹脂に対するダメージが顕著になるため、当該混合ガスを用いる場合にはO 2 の混合比率が30%以下の範囲で使用することが好ましい。
また、プラズマの発生方法としては、低周波放電、高周波放電、マイクロ波放電等の方式を用いることができ、プラズマ処理の際の圧力、ガス流量、放電周波数、処理時間等の条件は任意に設定することができる。
プラズマ処理の際の圧力は、10〜100Paが好ましく、20〜80Paがより好ましく、30〜50Paがさらに好ましい。ガス流量は、40〜300sccmが好ましく、50〜200sccmがより好ましく、60〜100sccmがさらに好ましい。出力は、10〜100Wが好ましく、20〜90Wがより好ましく、30〜80Wがさらに好ましい。処理時間は上記圧力と出力に依存し、20〜200secが好ましく、20〜100secより好ましく、10〜50secがさらに好ましい。
(4)<離画壁上面表面に撥水材料を塗布する方法>
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、撥水性を有する材料を全面表面に塗布する方法がある。
撥水性を有する材料としてはポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコンゴム、パーフルオロアルキルアクリレート、ハイドロカーボンアクリレート、メチルシロキサン等、一般に撥水材料と考えられるもので着色液体組成物に対する接触角が60°以上のものであれば特に限定されるものではない。
前記撥水材料を塗布する方法は、前記撥水性を有する材料を、そのまま、溶媒に溶解又は分散して用いる。
撥水材料の塗布の方法としては基板、離画壁などに影響を及ぼさない方法であれば、スリットコート、スピンコート、ディップコート、ロールコート等各材料に最適の方法を選択することが可能である。
本方法は、離画壁が形成された基板裏面側から離画壁を介してUV・O3処理を行い、離画壁以外の部分の撥水膜を選択的に除去または親水化処理(着色剤に対する接触角が処理前後で30°以上の開きがある)することにより撥水材料を塗布することができる。
撥水材料を除去または親水化処理する場合、パターニングの方法はレーザーアブレーション、プラズマアッシング、コロナ放電処理等のドライ処理およびアルカリを用いたウェット処理等材料に応じて最適の方法を選択することが可能である。また、離画壁上に撥水材料をパターン形成する場合は、リフトオフ法等も有効である。
(5)<光触媒により撥水性を付与する方法>
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、光触媒により撥水性を付与する方法がある。
まず、基板とその基板上に形成された光触媒含有層とを有する光触媒含有層側基板および、透明基材とその透明基材上に形成された濡れ性変化層とを有する、離隔壁形成用の基板を調製する。
次に、上記光触媒含有層と濡れ性変化層とが、所定の間隙となるように配置し、例えばフォトマスク等を用いて、離画壁を形成するパターンに所定の方向からエネルギーを照射するパターン形成工程を行う。これにより、エネルギーが照射された部分の濡れ性変化層上の濡れ性が変化した親水性領域と、エネルギーが照射されていない部分の撥水性領域とからなるパターンが形成される。
次に、親水性領域上に湿し水を塗布する湿し水塗布工程を行う。
上記親水性領域以外の部分は、撥水性領域であることから、湿し水が付着せず、親水性領域のみに湿し水を塗布することが可能となる。
次に、撥水性領域に離画壁を形成する工程を行う。
この際、離画壁を形成する撥水性領域以外の部分は、湿し水により保護されていることから、例えば離画壁を形成する離画壁形成用塗工液等が付着せず、撥水性領域のみに容易に高精細に離画壁を形成することが可能となるのである。
次に、湿し水を乾燥させる湿し水乾燥工程を行う。
その後、上記離画壁間に、例えばインクジェット装置等により、画素部を形成する画素部形成用塗工液等を塗布することにより、画素部を形成し、カラーフィルターとするものである。
上述した方法を用いることにより、離画壁や画素部等の着色層を高精細に形成することが可能となる。上記の各工程について、それぞれわけて説明する。
1.パターン形成工程
まず、本発明におけるパターン形成工程について説明する。
本発明におけるパターン形成工程は、撥水性かつ親インキ性であり、さらにエネルギー照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように変化する濡れ性変化層を有する離隔壁形成用の基板と、光触媒を含有する光触媒含有層および基板を有する光触媒含有層側基板とを、上記濡れ性変化層および上記光触媒含有層が200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、エネルギーを照射し、上記離隔壁形成用の基板上に親水性領域および撥水性領域からなるパターンを形成する工程である。
本工程において、離隔壁形成用の基板上に、撥水性領域と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化した親水性領域とを形成することにより、後述する工程において、着色部を形成しない親水性領域を湿し水により保護することができ、これにより高精細な着色部を形成することが可能となるのである。以下、パターン形成工程の各構成について説明する。
(離隔壁形成用の基板)
まず、本発明に用いられる離隔壁形成用の基板について説明する。
本発明に用いられる離隔壁形成用の基板は、撥水性かつ親インキ性であり、さらにエネルギー照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように変化する濡れ性変化層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、上記濡れ性変化層が透明基材上に形成されていてもよい。
以下、本発明の離隔壁形成用の基板の各構成について説明する。
(1)濡れ性変化層
まず、本発明の離隔壁形成用の基板に用いられる濡れ性変化層について説明する。
本発明に用いられる濡れ性変化層は、撥水性かつ親インキ性であり、さらにエネルギー照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように変化する層である。本発明においては、上記濡れ性変化層を有することにより、前述のパターンの形成において、エネルギーが照射された部分を親水性領域、エネルギーが照射されていない部分を撥水性領域とすることが可能となる。
この際、着色部を形成する領域を撥水性領域、着色部を形成しない領域を親水性領域とすることにより、着色部を形成しない親水性領域を湿し水により保護し、撥水性領域の親インキ性を活かして、撥水性領域にのみ、着色部形成用塗工液として例えば油性のインキ等を用いて着色部を形成することが可能となるのである。
本発明においては、上記濡れ性変化層のエネルギー照射前における臨界表面張力が、20mN/m以上50mN/m未満の範囲内であり、中でも35mN/m以上50mN/m未満の範囲内であることが好ましい。
上記臨界表面張力が、上記範囲内であることにより、エネルギー照射前における濡れ性変化層を撥水性かつ親インキ性を有する撥水性領域とすることが可能となるのである。
ここで、エネルギー照射前の濡れ性変化層を、親インキ性とすることにより、着色部を形成する着色部形成用塗工液等を均一に塗布することが可能となるのである。
また、エネルギー照射前における上記濡れ性変化層と70mN/mの液体との接触角が、50°以上120°未満、中でも70°以上120°未満の範囲内であることが好ましい。
上記液体との接触角が、上記範囲より低い場合には、例えば後述する湿し水塗布工程において、上記撥水性領域にも湿し水が付着してしまう可能性があり、着色部形成工程において、着色部を高精細に形成することが困難となるからである。
また、エネルギー照射に伴う光触媒の作用によって濡れ性が変化した濡れ性変化層の臨界表面張力が、50mN/m以上75mN/m未満、中でも60mN/m以上75mN/m未満の範囲内であることが好ましい。
上記臨界表面張力が、上記範囲内であることにより、光触媒の作用により濡れ性が変化した濡れ性変化層を親水性とすることが可能となるからである。
また、濡れ性が変化した濡れ性変化層と70mN/mの液体との接触角が、0°以上50°未満、中でも0°以上40°未満の範囲内であることが好ましい。
上記液体との接触角が、上記範囲より高い場合には、親水性が十分でなく、例えば湿し水を塗布した際に、はじいてしまう可能性があり、着色部を形成する以外の領域を湿し水により、保護することが困難となり、高精細な着色部を形成することが困難となるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
ここで、本発明における濡れ性変化層は、濡れ性変化層中にフッ素が含有され、さらにこの濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記濡れ性変化層が形成されていてもよい。
このような特徴を有する濡れ性変化層であれば、エネルギーをパターン照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。
ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親水性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥水性領域内に親水性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥水性領域内に親水性領域のパターンを容易に形成することができるので、着色部を形成する着色部形成用塗工液等を塗布する際に、この着色部を形成しない親水性領域を湿し水により保護し、撥水性かつ親インキ性である撥水性領域にのみ高精細に着色部を形成することが可能となるのである。
上述したような、フッ素を含む濡れ性変化層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親水性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない撥水性領域のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射された親水性領域と、エネルギー未照射の撥水性領域との濡れ性に大きな違いを生じさせることができる。
したがって、容易に親水性領域のみに湿し水を塗布することが可能となり、撥水性領域のみに着色部形成用着色液体組成物等を塗布することにより、高精細に着色部を形成することが可能となるのである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
このような濡れ性変化層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
このような濡れ性変化層に用いられる材料としては、上述した濡れ性変化層の濡れ性、すなわちエネルギー照射により対向する光触媒含有層中の光触媒により濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的にはオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。本発明においては、中でも上記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、<1>ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、<2>撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:Y n SiX (4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
また、特にフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンを好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として公知のものを使用することができる。
CF 3 (CF 2 3 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 5 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 7 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 9 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、(CF 3 2 CF(CF 2 4 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、(CF 3 2 CF(CF 2 6 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、(CF 3 2 CF(CF 2 8 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 3 、CF 3 (C 6 4 )C 2 4 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 3 (C 6 4 )C 2 4 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 5 (C 6 4 )C 2 4 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 7 (C 6 4 )C 2 4 Si(OCH 3 3 、CF 3 (CF 2 3 CH 2 CH 2 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 5 CH 2 CH 2 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 7 CH 2 CH 2 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 9 CH 2 CH 2 SiCH 3 (OCH 3 2 、(CF 3 2 CF(CF 2 4 CH 2 CH 2 SiCH 3 (OCH 3 2 、(CF 3 2 CF(CF 2 6 CH 2 CH 2 Si CH 3 (OCH 3 2 、(CF 3 2 CF(CF 2 8 CH 2 CH 2 Si CH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (C 6 4 )C 2 4 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 3 (C 6 4 )C 2 4 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 5 (C 6 4 )C 2 4 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 7 (C 6 4 )C 2 4 SiCH 3 (OCH 3 2 、CF 3 (CF 2 3 CH 2 CH 2 Si(OCH 2 CH 3 3 、CF 3 (CF 2 5 CH 2 CH 2 Si(OCH 2 CH 3 3 、CF 3 (CF 2 7 CH 2 CH 2 Si(OCH 2 CH 3 3 、CF 3 (CF 2 9 CH 2 CH 2 Si(OCH 2 CH 3 3 ;および、CF 3 (CF 2 7 SO 2 N(C 2 5 )C 2 4 CH 2 Si(OCH 3 3
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダーとして用いることにより、濡れ性変化層のエネルギー未照射部の撥水性が大きく向上し、湿し水を全面塗布した場合に、湿し水の付着を妨げることが可能となる。また、上記物質は親インキ性であることから、着色部を形成する着色部形成用塗工液として油性のインキ等を塗布することが可能となるのである。また、エネルギー照射部である親水性領域には、湿し水を付着させることが可能となる。
また、上記の<2>の反応性シリコーンとしては、下記一般式(2)で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
なお、一般式(2)において、nは2以上の整数であり、R 1 ,R 2 はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R 1 、R 2 がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
本発明においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々の材料を濡れ性変化層に用いることができるのであるが、上述したように、濡れ性変化層にフッ素を含有させることが、濡れ性のパターン形成に効果的である。したがって、光触媒の作用により劣化・分解しにくい材料にフッ素を含有させる、具体的にはオルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させて濡れ性変化層とすることが好ましいといえる。
本発明における濡れ性変化層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。
具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
このような濡れ性変化層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を透明基材上に塗布することにより形成することができる。
使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することができる。
また、本発明に用いられる濡れ性変化層は、表面の濡れ性が光触媒の作用により変化し得る材料で形成されたものであれば、自己支持性を有する材料であってもよく、また自己支持性を有さない材料であってもよい。なお、本発明でいう「自己支持性を有する」とは、他の支持材無しで有形な状態で存在し得ることをいうこととする。
濡れ性変化層が自己支持性を有する材料である場合には、例えば濡れ性変化層となり得る材料からなる市販の樹脂製フィルムを用いることが可能であり、コスト面で有利であるといえる。
このような材料としては、上述した材料を製膜したものが自己支持性を有するのであれば、これを用いることも可能であるが、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセタール樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン等を挙げることができる。
本発明における濡れ性変化層は、自己支持性のない濡れ性変化層であることが好ましい。
上述した濡れ性が大幅に変化する材料で形成される濡れ性変化層は、通常自己支持性のある材料が少ないからである。
本発明において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、光触媒含有層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部の濡れ性を変化させて親水性とし、エネルギー未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。
よって、親水性領域にのみ湿し水を塗布することが容易に可能であり、また着色部を容易に撥水性領域のみに形成することが可能となることから、高精細な着色部が形成されたカラーフィルターを容易な工程で製造することが可能となるのである。
なお、本発明に用いられる濡れ性変化層は、上述したように光触媒の作用により濡れ性の変化する層であれば特に限定されるものではないが、特に、光触媒を含まない層であることが好ましい。
例えば、濡れ性変化層中に光触媒が含有されている場合には、後述する湿し水塗布工程または着色部形成工程において、明所での作業を行った場合、湿し水により高感度化された光触媒の作用により、濡れ性変化層の濡れ性が変化し、高精細に着色部を形成することが困難となる可能性がある。
本発明において、濡れ性変化層内に光触媒が含まれなければ、上記のような問題を心配する必要がないことから、簡便な装置によりカラーフィルターを製造することが可能であり、またその後カラーフィルターとして用いた場合に、経時的に影響を受ける心配をする必要がなく、長期間に渡り問題なく使用することが可能だからである。
上記(1)〜(5)の撥水処理方法の中でも、「工程の簡便さ」という観点から(3)プラズマによる撥水処理方法が特に好ましい。
(各画素の形成)
本発明のカラーフィルターの製造方法は、前記基板上に、前記濃色離画壁の製造方法により製造された濃色離画壁と、2色以上の色を有する、複数の画素からなる画素群とを有するカラーフィルターの製造方法であって、前記複数の画素が、前記濃色離画壁を形成した後、着色液体組成物を前記濃色離画壁間に付与させて形成されることを特徴とする。
即ち、前記現像工程にて基板上に形成された濃色離画壁間の空隙に対し、2色以上の画素(例えば、RGB各画素)を形成する為の着色液体組成物をその空隙に付与させて2色以上の色を有する、複数の画素を形成する。
この着色液体組成物を離画壁空隙に侵入させる方法としては、インクジェット法やストライプギーサー塗布法など公知のものを使用することができ、インクジェット法がコスト的に好ましい。また、このように各画素を形成する前に、濃色離画壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理を行う等である。ここで言う加熱処理とは濃色離画壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということをさす。
ここで、上記1)を行う場合の露光量は、大気下であれば500〜3000mJ/cm2、好ましくは1000〜2000mJ/cm2であり、また、同じく2)を行う場合の加熱温度は50〜120℃、好ましくは70〜100℃程度であり、その加熱時間は、10〜40分程度である。温度が50℃より低い場合には濃色離画壁の硬化が進まない懸念があり、120℃より大きい場合には濃色離画壁形状が崩れてしまう懸念がある。
各画素形成のために用いるインクジェット法に関しては、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、あらかじめ基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
好ましくは、各画素を形成した後、加熱処理(いわゆるベーク処理)する加熱工程を設ける。即ち、光照射により光重合した層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時間は、濃色組成物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を獲得する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルターのパターン形状は特に限定されるものではなく、一般的なブラックマトリックス形状であるストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
(インクジェット方式)
本発明に用いるインクジェット方式としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
用いるインクは油性、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。また、公知のカラーフィルター作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、上記<濃色組成物>の項で挙げた、顔料などの着色剤を含有させた濃色組成物を、好適なものとして用いることができる。
また、本発明において用いることができるインクとしては、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有するカラーフィルター用熱硬化性インクも好適なものとして用いることができる。
本発明におけるカラーフィルターは、インクジェット方式で画素形成されたカラーフィルターであることが好ましく、RGB3色のインクを吹き付けて3色のカラーフィルターを形成することが好ましい。
このカラーフィルターは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルターを用いる用途にも使用できる。
(オーバーコート層)
カラーフィルター作製後、全面に耐溶剤性又は平坦性向上のためにオーバーコート層を設けても良い。オーバーコート層は、インクR,G,Bの固化層を保護するとともに、表面を平坦にすることができるが、工程数が増えるという観点から、設けないことが好ましい。
オーバーコート層を形成する樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、また、カラーフィルター用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れていることからアクリル系樹脂組成物が望ましい。
オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製「オプトマーSS6699G」)が挙げられる。
[表示装置]
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルター以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明のブラックマトリックスはこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については例えば「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
[対象用途]
本発明のカラーフィルターはテレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、「分子量」とは質量平均分子量のことを示す。
A.第一の実施形態
参考例A1
[濃色感光性転写材料K1の作製]
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(テイジンデュポンフィルム株式会社製 テトロン(登録商標)G2)仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記濃色組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が2.2μmの濃色感光性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と濃色感光性樹脂層とが一体となった濃色感光性転写材料を作製し、サンプル名を濃色感光性転写材料K1とした。
[濃色組成物の調製]
濃色組成物は、まず下記濃色組成物K1処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4 '−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
<濃色組成物処方K1>
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤1 0.045部
<カーボンブラック分散液>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・下記分散剤 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
<バインダーP−1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD
DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
[離画壁の形成]
無アルカリガラス基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記濃色感光性転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離せずに、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、仮支持体とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該仮支持体の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、前記仮支持体を剥離した後、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン性界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。
引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2000mJ/cm2にてポスト露光を行って、220℃30分の加熱処理を行い、光学濃度4.5の離画壁を得た。
このようにして得られた離画壁の表面凹凸を接触膜厚計(Tencor社製触針式表面粗さ計 P10、JIS B0601)で測定したところ、表面粗さ値Raは6.0nm、離画壁の高さは2.0μmであった。
本発明における実施例及び比較例の前記離画壁の光学濃度(以下、「透過光学濃度」ともいう。)については、以下のようにして測定した。
実施例及び比較例で用いた濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上に同じ厚みの層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。
続いて、前記サンプルの透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。 別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定し(OD0)、ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度とした。
〔プラズマ撥水化処理〕
離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス :CF4 ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー :50W
処理時間 :30sec
[画素用着色インク組成物の調製]
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物(単に「インク」ともいう。)を調製した。
<赤色画素用着色インク組成物の組成>
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
上記成分のうち、溶剤である3−エトキシプロピオン酸エチルは、JIS−K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が18°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が0°であった。
また、第二エポキシ樹脂であるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルは、同様の試験において、臨界表面張力が30mN/mの試験片表面に対する接触角が37°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片表面に対する接触角が0℃であった。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかは赤色(R)画素部着色インク組成物の場合と同様にして緑色(G)赤色画素用着色インク組成物を調製した。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色(R)画素用着色インク組成物の場合と同様にして青色(B)画素用着色インク組成物を調製した。
(画素の形成)
次に上記記載のR、G、Bの画素用着色インク組成物を用いて、上記で得られた画像形成用基板の離画壁で区分された領域内(凸部が囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、R、G、Bのパターンからなるカラーフィルターを作製した。
画像着色後のカラーフィルターを230℃オーブン中で30分ベークすることでブラックマトリックス、各画素ともに完全に硬化させた。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは、離画壁間隙にぴったり収まり、隣接画素との混色などの欠陥となる不良は見つからなかった。
これは本発明を用いることで、離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。
(液晶表示装置)
上記より得たカラーフィルター基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルター基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にエッチングレジストを用いて、パターニングを施した。
このITOが形成されたカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、12Ω/□であった。
続いて、前記ITOの透明電極上の離画壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。
このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。
次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
参考例A2
参考例A1において用いた仮支持体を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(テイジンデュポンフィルム株式会社製 テトロン(登録商標)G2)に変更した以外は、参考例A1と同様の方法でITOの透明電極付カラーフィルターを作成した。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは、濃色離画壁間隙にぴったり収まり、隣接画素との混色などの欠陥となる不良は見つからなかった。
これは本発明を用いることで、離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。またカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、17Ω/□であった。結果を表1に示す。
参考例A3
参考例A1において、プラズマ撥水化処理を以下の方法に変更した以外は、参考例A1と同様に行い、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
〔塗布法による撥水化処理〕
離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5質量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストシャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm 2 (38mW/cm 2 ×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から離画壁を介して露光した。続いて、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、離画壁上に撥水性樹脂層を形成した。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyne/cm、画素内(ガラス基板上)は55dyne/cm前後であった。
比較例A1
参考例A1において、仮支持体を剥離してから、露光マスク面と濃色感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、パターン露光する方法に変更した以外は、参考例A1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例A2
比較例A1において、プラズマ撥水化処理の前に、下記の「ドライエッチング処理」を追加した以外は、比較例A1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表1に示す。
〔ドライエッチング処理〕
離画壁を形成した上記基板(離画壁付き基板)に、特開2001−343518号公報の段落番号[0098]〜[0099]に準じて、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてドライエッチング処理を施した。
使用ガス :O 2 ガス流量 :80sccm
圧力 :8Pa
RFパワー :150W
処理時間 :30sec
参考例A1と同様にR、G、B画素を着色後、同条件にてベークした際、インクは離画壁を乗り越えてしまい、隣接画素との混色が起こってしまっていた。また、参考例と同様にITO抵抗を測定したところ、24Ω/□であった。結果を表1に示す。
[評価]
上記で得られた実施例及び比較例の離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターについて、下記の方法で隣接画素との混色評価を行った。
−隣接画素との混色評価−
前記カラーフィルターを厚さ方向画素形成側から光学顕微鏡で目視観察し、混色について評価した。混色の評価基準は、画素内に色の混ざりが見られ、かつ、カラーフィルター(光学素子)内の100画素を観察するとき、共に濃色離画壁上面にインクが残っている場合を、混色ありとし、そうでない場合を混色なしとした。
一の実施形態のカラーフィルターの製造方法による参考例A1〜A3のカラーフィルターは混色もなく、ITO抵抗値が低かった。一方、比較例A1〜A2のカラーフィルターは混色が見られ、ITO抵抗値も低かった。ITO抵抗値は、良好な表示特性を示すという観点から、低いほど好ましい。
B.第二の実施形態
実施例B1
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記記載の組成よりなる濃色感光性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.2μmの感光層K1を得た。
[濃色感光性組成物の製法]
濃色感光性組成物は、まず下記濃色感光性組成物K1処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4 '−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
<濃色感光性組成物処方K1>
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤 0.045部
<カーボンブラック分散液>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
<バインダーP−1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
次に下記の組成よりなる酸素遮断層用塗布液を、感光層K1上に塗布、乾燥し、膜厚1.6ミクロンの酸素遮断層P1を設けた。
<酸素遮断層用塗布液:処方P1>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、
重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と酸素遮断層P1の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン性界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2000mJ/cm2にてポスト露光を行って、220℃30分の加熱処理を行い、光学濃度4.5の離画壁を得た。このようにして得られた離画壁の表面凹凸を接触膜厚計(Tencor社製触針式表面粗さ計 P10)で測定したところ Raは2.2nm、離画壁の高さは2.0μmであった。
光学濃度については、実施例及び比較例にて濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上に同じ厚みの層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。この透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD0
ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度とした。
〔プラズマ撥水化処理〕
離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス :CF4 、ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー :50W
処理時間 :30sec
−画素用着色インキの調製−
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物を調製した。
〈赤色画素用着色インキの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
上記成分のうち、溶剤である3−エトキシプロピオン酸エチルは、JIS−K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が18°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が0°であった。
また、第二エポキシ樹脂であるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルは、同様の試験において、臨界表面張力が30mN/mの試験片表面に対する接触角が37°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片表面に対する接触角が0℃であった。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかは赤色画素部着色インク組成物の場合と同様にして緑色(G)赤色画素用着色インク組成物を調製した。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素用着色インク組成物の場合と同様にして青色(B)画素用着色インク組成物を調製した。
次に上記記載のR、G、Bの画素用着色インクを用いて、上記で得られた画像形成用基板の離画壁で区分された領域内(凸部が囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、R、G、Bのパターンからなるカラーフィルターを作製した。画像着色後のカラーフィルターを230℃オーブン中で30分ベークすることでブラックマトリックス、各画素ともに完全に硬化させた。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは、離画壁間隙にぴったり収まり、隣接画素との混色などの欠陥となる不良は見つからなかった。これは本発明を用いることで、予期せず離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。
(液晶表示装置)
上記より得たカラーフィルター基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルター基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
このITOが形成されたカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、12Ω/□であった。
前記ITOの透明電極上の離画壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例B2
[感光性転写材料の製法]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、上記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記濃色感光性組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.2μmの濃色感光性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の濃色感光性樹脂層とが一体となった濃色感光性転写材料を作製し、サンプル名を濃色感光性転写材料K1とした。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37 分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを
2当量脱水縮合した化合物:新中村化学工業(株)製 2,2−ビス
[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
無アルカリガラス基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記濃色感光性転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次いで、0 .5 % KOH 水溶液にて現像して、濃色感光層の未露光部分及びその下の中間層、熱可塑性樹脂層を除去しガラス基板上にブラックマトリックスパターン様濃色離画壁を得た。つづいて大気下においてアライナーにて基板の表から基板の全面を2 0 0 0 m J / cm 2 でポスト露光し、220℃30分の熱処理を施し、光学濃度4.5の離画壁を得た。
このようにして得られた濃色離画壁の表面凹凸を接触膜厚計(Tencor社製触針式表面粗さ計 P10)で測定したところ Raは2.1nm、離画壁の高さは2.0μmであった。
次いで、実施例B1と同様な方法で、プラズマ処理を実施した後、インクジェット装置を用いR、G、Bの画素を作成し、ITOの透明電極付カラーフィルターを作成した。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは、濃色離画壁間隙にぴったり収まり、隣接画素との混色などの欠陥となる不良は見つからなかった。これは本発明を用いることで、予期せず離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。またカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、10Ω/□であった。
参考例B3
中間層の膜厚を0.4μmにした以外は、実施例B1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表2に示す。なお、Raは3.5nm、離画壁の高さは、2.0μmであった。
参考例B4
中間層の膜厚を0.2μmにし、プラズマ撥水処理化方法を以下の方法に変更した以外は、実施例B1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表2に示す。なお、Raは4.7nm、離画壁の高さは、2.0μmであった。
[塗布法による撥水化処理]
離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5重量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストシャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm(38mW/cm×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から離画壁を介して露光し、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、離画壁上に撥水性樹脂層を形成することにより画素内外に表面エネルギー差を設けた。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyne/cm、画素内(ガラス基板上)は55dyne/cm前後であった。
実施例B5
実施例B1において、プラズマ撥水化処理を行わない以外は、実施例B1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
比較例B1
実施例B1の酸素遮断層を用いなかったこと以外は、実施例B1と全く同様の処理、操作を行って離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。このようにして得られた濃色離画壁の光学濃度は4.5であった。
Raは8.0nm、離画壁の高さは、2.0μmであった。
次いで、実施例B1と同様にR、G、B画素を着色後、同条件にてベークしたところ、インクは離画壁を乗り越えてしまい、隣接画素との混色が起こってしまっていた。また、実施例と同様にITO抵抗を測定したところ、22Ω/□であり、離画壁表面の平坦性はRaが8.0nmもあった。
比較例B2
比較例B1において、プラズマ撥水化処理の前に、下記の「ドライエッチング処理」を追加した以外は、比較例B1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
〔ドライエッチング処理〕
離画壁を形成した上記基板(離画壁付き基板)に、特開2001−343518号公報の段落番号0098〜0099に準じて、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてドライエッチング処理を施した。
・使用ガス :O 2 、ガス流量 :80sccm
・圧力 :8Pa
・RFパワー :150W
・処理時間 :30sec
さらに、上記ドライエッチング処理終了後、同じ装置内で、離画壁付き基板に対して、比較例B1と同様の条件にてプラズマ処理を施した。
次いで、比較例B1と同様にR、G、B画素を着色後、同条件にてベークしたところ、インクは離画壁を乗り越えてしまい、隣接画素との混色が起こってしまっていた。また、実施例と同様にITO抵抗を測定したところ、24Ω/□であった。
以上の結果を表2に示す。なお、厚さ方向画素形成側から光学顕微鏡で観察し、混色について評価した。混色については、画素内に色の混ざりが見られるか光学素子内の100画素を観察すると共に濃色離画壁上面にインクが残っているかを観察した。
第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法による実施例B1、B2、およびB5のカラーフィルターは混色が無いか、あっても僅かであり、ITO抵抗値が低かった。比較例B1〜B2のカラーフィルターは、混色が見られた。ITO抵抗値は、良好な表示特性を示すという観点から、低いほど好ましい。更に、実施例B5と実施例B1の比較から、本発明では酸素遮断層と撥水処理を併用することで、単に混色防止のみならず、ITO抵抗にも効果があることが分かった。

C.第三の実施形態
参考例C1
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記表に記載の組成よりなる濃色光重合性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2μmの感光層K1を得た。
[濃色光重合性組成物の製法]
濃色光重合性組成物は、まず下記濃色光重合性組成物処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
<濃色光重合性組成物処方>
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤1 0.045部
<カーボンブラック分散液>
・カーボンブラック(デグッサ社製Nipex35) 13.1%
・分散剤 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
<バインダーP−1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARADDPHA)
76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と感光層K1との間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下で、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2000mJ/cm2にてポスト露光を行い、220℃30分のベーク処理を施し、光学濃度4.5の離画壁を得た。このようにして得られた離画壁の表面凹凸を接触膜厚計(Tencor社製触針式表面粗さ計P10)で測定したところRaは3.5ミクロン、離画壁の高さは2.0μmであった。
〔プラズマ撥水化処理〕
離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス:CF4 、ガス流量:80sccm
圧力:40Pa
RFパワー:50W
処理時間:30sec
−画素用着色インキの調製−
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物を調製した。
〈赤色画素用着色インキの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
上記成分のうち、溶剤である3−エトキシプロピオン酸エチルは、JIS−K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が18°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が0°であった。
また、第二エポキシ樹脂であるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルは、同様の試験において、臨界表面張力が30mN/mの試験片表面に対する接触角が37°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片表面に対する接触角が0℃であった。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかは赤色画素部着色インク組成物の場合と同様にして緑色(G)赤色画素用着色インク組成物を調製した。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素用着色インク組成物の場合と同様にして青色(B)画素用着色インク組成物を調製した。
次に上記のR、G、Bの画素用着色インクを用いて、上記で得られた画像形成用基板の離画壁で区分された領域内(凸部が囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、R、G、Bのパターンからなるカラーフィルターを作製した。画像着色後のカラーフィルターを230℃オーブン中で30分ベークすることでブラックマトリックス、各画素ともに完全に硬化させた。
こうして得られたカラーフィルターの、各画素を構成するインクは、離画壁間隙にぴったり収まり、隣接画素との混色などの欠陥となる不良は見つからなかった。これは本発明を用いることで、予期せず離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。
(液晶表示装置)
上記より得たカラーフィルター基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルター基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
このITOが形成されたカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、14Ω/□であった。
前記ITOの透明電極上の離画壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
参考例C2
参考例C1の窒素雰囲気下で露光する工程を、0.7気圧(酸素分圧0.15気圧)まで減圧した環境下で露光する工程に変更した以外は、参考例C1と同様に離画壁、カラーフィルターを作成し同様の評価を行った。結果を表3に示す。なお、離画壁の高さは、2.0μmであった。酸素分圧は、飯島電子工業製酸素計 G−102型を用いて測定した。
参考例C3
参考例C1の感光層K1を下記のK2に変更した以外は、参考例C1と同様に離画壁、カラーフィルターを作成し同様の評価を行った。なお、離画壁の高さは、2.0μmであった。結果を表3に示す。
K2組成
<濃色光重合性組成物処方>
・カーボンブラック分散液(デグッサ社製 Nipex35) 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・高感度開始剤 1.6部
・前記界面活性剤1 10.045部
<高感度開始剤>
2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4'、5,5'−テトラフェニルビスイミダゾール
1.6g
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.6g
参考例C4
プラズマ撥水化処理方法を以下の方法に変更した以外は、参考例C1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表3に示す。
〔塗布法による撥水化処理〕
離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5質量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストジャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥装置中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm(38mW/cm×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から離画壁を介して露光し、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、離画壁上に撥水性樹脂層を形成することにより画素内外に表面エネルギー差を設けた。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyne/cm、画素内(ガラス基板上)は55dyne/cmであった。
参考例C5
参考例C1において、プラズマ撥水化処理を行わない以外は、参考例C1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
比較例C1
参考例C1の窒素雰囲気下で露光する工程を、大気圧(酸素分圧0.21気圧)下で露光する工程に変更した以外は、参考例C1と同様に離画壁、カラーフィルターを作成し同様の評価を行った。酸素分圧は、飯島電子工業製酸素計 G−102型を用いて測定した。
結果を表3に示す。
比較例C2
参考例C1の窒素雰囲気下で露光する工程を、大気圧(酸素分圧0.21気圧)下で露光する工程に変更し、さらにプラズマ撥水化処理の前に、下記の「ドライエッチング処理」を追加した以外は、参考例C1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
〔ドライエッチング処理〕
離画壁を形成した上記基板(離画壁付き基板)に、特開2001−343518号公報の段落番号0098〜0099に準じて、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてドライエッチング処理を施した。
・使用ガス:O、ガス流量:80sccm
・圧力:8Pa
・RFパワー:150W
・処理時間:30sec
さらに、上記ドライエッチング処理終了後、同じ装置内で、離画壁付き基板に対して、参考例C1と同様の条件にてプラズマ処理を施した。
次いで、参考例C1と同様にR、G、B画素を着色後、同条件にてベークしたところ、インクは離画壁を乗り越えてしまい、隣接画素との混色が起こってしまっていた。また、参考例C1と同様にITO抵抗を測定したところ、24Ω/□であった。
なお、表3において、濃色の評価は、厚さ方向画素形成側から光学顕微鏡で観察し、混色について評価した。混色については、画素内に色の混ざりが見られるか光学素子内の100画素を観察すると共に濃色離画壁上面にインクが残っているかを観察した。
光学濃度については、実施例及び比較例にて濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上に同じ厚みの層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。この透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD0)。
ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度とした。
表3から分かるように、第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法による参考例C1〜C5のカラーフィルターは混色が無いか、あっても僅かであり、ITO抵抗値が低かった。一方、比較例C1〜C2のカラーフィルターは混色が見られ、ITO抵抗値が高かった。尚、ITO抵抗値は、良好な表示特性を示すという観点から、低いほど好ましい。
以下に本発明の実施形態を述べる。しかし本発明はこれらに限定されるものではない。
<1> 基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、
その上に、酸素透過率が100cm/(m・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むこと特徴とするカラーフィルターの製造方法。
<2> 前記離画壁を形成する工程が、仮支持体上に感光性組成物からなる層と酸素遮断膜とを少なくとも有する感光性転写材料を基板上に転写する工程を含むことを特徴とする<1>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<3> 前記離画壁を形成する工程が、基板上に感光性組成物を含有する塗布液を塗布して感光性組成物塗布膜を形成し、その上に酸素遮断膜を塗布する工程を含むことを特徴とする<1>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<4> 前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態で前記液滴を離画壁間に付与させることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<5> プラズマ処理により、前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態にすることを特徴とする<4>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<6> 前記離画壁の高さが1.8μm以上10μm以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<7> 波長555nmにおける前記離画壁の光学濃度が2.5以上10以下であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<8> 前記感光性組成物が光重合性組成物であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<9> <1>〜<8>のいずれか1に記載の製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が5nm以下であることを特徴とするカラーフィルター。
<10> <9>に記載のカラーフィルターを備えた液晶表示素子。
<11> <10>に記載の液晶表示素子を備えた液晶表示装置。
特願2005−119059、特願2005−331813、特願2005−119055、特願2005−331814、及び特願2005−288837の内容を参照により本明細書に取り入れたものとする。

Claims (11)

  1. 基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、
    該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
    ここで、離画壁を形成する工程は、
    基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、
    その上に、酸素透過率が100cm/(m・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、
    を含むこと特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 前記離画壁を形成する工程が、仮支持体上に感光性組成物からなる層と酸素遮断膜とを少なくとも有する感光性転写材料を基板上に転写する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 前記離画壁を形成する工程が、基板上に感光性組成物を含有する塗布液を塗布して感光性組成物塗布膜を形成し、その上に前記酸素遮断膜を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態で前記液滴を離画壁間に付与させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. プラズマ処理により、前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態にすることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルターの製造方法。
  6. 前記離画壁の高さが1.8μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  7. 波長555nmにおける前記離画壁の光学濃度が2.5以上10以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  8. 前記感光性組成物が光重合性組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が5nm以下であることを特徴とするカラーフィルター。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルターを備えた液晶表示素子。
  11. 請求項10に記載の液晶表示素子を備えた液晶表示装置。
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