JP4990139B2 - カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、液晶表示素子、液晶表示装置 - Google Patents
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Description
また、離画壁表面をドライエッチング処理を行うことで、表面粗さを調整することが知られている(特開2001−343518号公報参照)。この方法においては、複雑なドライエッチング処理を要し、処理工程が増加するため製造コストがかかるばかりでなく、離画壁の表面粗さを所定の粗さに調整することが難しい問題がある。
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性転写材料をラミネートする工程と、
該感光性転写材料の仮支持体を残した状態で該感光性転写材料を露光する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、
その上に、酸素透過率が100cm3/(m2・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
本発明は、この第二の態様のことであり、第一の態様、および後述の第三の態様を含まない。
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
濃色光重合性組成物からなる層を基板上に形成する工程と、
貧酸素雰囲気下で濃色光重合性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
さらに、本発明の別の態様として、上記第二又は第三の態様のカラーフィルター製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が5nm以下であることを特徴とするカラーフィルターを提供する。
さらに、本発明の別の態様として、上記のいずれかの態様のカラーフィルターを備えた液晶表示素子を提供する。
さらに、本発明の別の態様として、上記の液晶表示素子を備えた液晶表示装置を提供する。
基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含む。そして、ある実施形態において、離画壁を形成する工程は、基板上に感光性転写材料をラミネートする工程と、該感光性転写材料の仮支持体を残した状態で該感光性転写材料を露光する工程と、を含む(以下、「第一の実施形態」ともいう)。また、別の実施形態において、離画壁を形成する工程は、基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、その上に、酸素透過率が100cm3/(m2・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、を含む(以下、「第二の実施形態」ともいう)。また、別の実施形態において、離画壁を形成する工程は、濃色光重合性組成物からなる層を基板上に形成する工程と、濃色光重合性組成物からなる層を貧酸素雰囲気下で露光する工程と、を含む(以下、「第三の実施形態」ともいう)。
(濃色組成物)
基板上の離画壁(「濃色離画壁」ともいう。)は、第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、着色剤を含有する感光性組成物(「濃色感光性組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)を用いて作製された感光性転写材料から形成される。また、第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、着色剤を含有する感光性組成物(「濃色感光性組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)から形成される。第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、着色剤を含有する光重合性組成物(「濃色光重合性組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)から形成される。ここで、濃色組成物とは、高い光学濃度を有する組成物のことであり、その値は2.5以上が好ましく、2.5〜10.0がより好ましく、2.5〜6.0が更に好ましく、3.0〜5.0が特に好ましい。また、この濃色組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、第一の実施形態及び第二の実施形態においては、光重合性組成物であることが好ましく、第三の実施形態においては光重合性組成物である。濃色組成物の波長555nmにおける光学濃度は2.0〜10.0が好ましく、より好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では離画壁形状が望みのものとならない恐れがあり、10.0を超えると、重合を開始することができず離画壁そのものを作ることが困難となる場合がある。
本発明に用いる着色剤としては、具体的には、下記染料、顔料に記載のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
本発明の濃色組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、濃色組成物層に遮光性が要求される際には、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、濃色組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
前記濃色組成物の固形分中の着色剤の比率は、現像時間を短縮する観点から、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、50〜55質量%であることが更に好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
濃色組成物に用いるバインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。
濃色組成物を硬化させる方法としては、熱開始剤を用いる熱開始系や光開始剤を用いる光開始系が一般的であるが、本発明では、光開始系を用いることが好ましい。ここで用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X 線等の放射線の照射(露光ともいう) により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始剤系の中から適宜選択することができる。
具体的には、特開2001 −117230公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs − トリアジン誘導体、米国特許第42398 50号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第421297 6号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9 − フェニルアクリジン、9 − ピリジルアクリジン、9 − ピラジニルアクリジン、1 , 2− ビス( 9 − アクリジニル) エタン、1 , 3 − ビス( 9 − アクリジニル) プロパン、1 ,4 − ビス( 9 − アクリジニル) ブタン、1 , 5 − ビス( 9 − アクリジニル) ペンタン、1, 6 − ビス( 9 − アクリジニル) ヘキサン、1 , 7 − ビス( 9 − アクリジニル) ヘプタン、1 , 8 − ビス( 9 −アクリジニル) オクタン、1 , 9 − ビス( 9 − アクリジニル) ノナン、1 ,1 0 − ビス( 9 − アクリジニル) デカン、1 , 1 1 − ビス( 9 − アクリジニル)ウンデカン、1 , 1 2 − ビス( 9 − アクリジニル) ドデカン等のビス( 9 − アクリジニル) アルカン、などのアクリジン系化合物;
濃色組成物に用いる多官能性モノマーとしては、下記化合物を単独で又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。具体的には、t − ブチル( メタ) アクリレート、エチレングリコールジ( メタ) アクリレート、2 − ヒドロキシプロピル(メタ) アクリレート、トリエチレングリコールジ( メタ) アクリレート、トリメチロールプロパントリ( メタ) アクリレート、2 − エチル− 2 − ブチル− プロパンジオールジ( メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールトリ( メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ( メタ) アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ) アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ( メタ) アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ( メタ) アクリレート、トリス( 2 − (メタ) アクリロイルオキシエチル) イソシアヌレート、1 , 4 − ジイソプロペニルベンゼン、1 , 4 − ジヒドロキシベンゼンジ( メタ) アクリレート、デカメチレングリコールジ( メタ) アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル( メタ) アクリレート、( メタ) アクリルアミド、キシリレンビス( メタ) アクリルアミド、等が挙げられる。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス( 2 − アクリロイルオキシエチル) イソシアヌレートである。
多官能性モノマーの濃色組成物における含有量としては、濃色組成物の全固形分(質量) に対して、5 〜 8 0 質量% が好ましく、1 0 〜 7 0 質量% が特に好ましい。前記含有量が、5 質量% 未満であると、濃色組成物の露光部でのアルカリ現像液への耐性が劣ることがあり、8 0 質量% を越えると、濃色組成物とした時のタッキネスが増加してしまい、取扱い性に劣ることがある。
本発明の濃色組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
本発明における離画壁又は本発明における感光性転写材料においては、後述するスリット状ノズル等を用いることにより、濃色組成物を基板又は仮支持体等に塗布することができるが、該濃色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることにより、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する界面活性剤の含有量は、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
本発明の濃色組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3',5'−ジ−t−4'−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2'−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サリチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
また、本発明の濃色組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する熱重合防止剤の含有量は、0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
また、本発明の濃色組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
カラーフィルターを構成する基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フィルムが挙げられる。
(離画壁)
即ち、該離画壁を形成する工程が、仮支持体上に感光性組成物からなる層を少なくとも有する後述の感光性転写材料を基板上に転写する工程を含むものである。
前記2.5以上10以下の範囲とすることにより、良好なコントラストを得ることができるため好ましい。
前記濃色離画壁の表面粗さRaはJIS B0601で測定した値を用いる。
(1)仮支持体上に感光性組成物からなる層と酸素遮断膜とを少なくとも有する感光性転写材料を基板上に転写する方法;または
(2)基板上に感光性組成物を含有する塗布液を塗布して感光性組成物塗布膜を形成し、その上に酸素遮断膜を塗布する方法
が好ましい。以下、第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法においては、単に(1)の方法を転写方法、(2)の方法を塗布方法とも言う。
第二の実施形態において、酸素遮断層の酸素透過率が500cm3/(m2・day・atm)より多い場合は、効率的に酸素を遮断することができないため、離画壁を前記所望の形状にすることが困難となる。
第二の実施形態における酸素遮断層は具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。本発明の酸素遮断層における前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
通常、大気(1気圧)下では酸素の分圧は0.21気圧であるので、酸素の分圧を0.15気圧以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.71気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して40vol%以上混合することにより達成できる。
第三の実施形態における貧酸素雰囲気については、特に限定されず前記いずれの方法も用いることが出来る。したがって、不活性ガス雰囲気下、または減圧下のいずれを用いてもよい。
前記酸素分圧は0.15気圧以下とする方法を用いる場合、0.10気圧以下が好ましく、0.08気圧以下がより好ましく、0.05気圧以下が特に好ましい。酸素分圧が0.15気圧より高いと、離画壁表面での重合が酸素により阻害され、表面の粗さが増加する場合がある。
酸素分圧の下限には特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば窒素)で置換することにより酸素分圧を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。酸素分圧は酸素計を用いて測定することができる。
−感光性転写材料を用いた濃色離画壁の形成−
仮支持体上に、濃色組成物からなる濃色感光性樹脂層、更に該層上に保護フィルムが設けられた感光性転写材料を用意する。必要に応じて前記濃色感光性樹脂層と仮支持体の間に酸素遮断層を形成する。
まず、保護フィルムを剥離除去した後、露出した濃色感光性樹脂層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネータ等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜(例えば、300mJ/cm2)選択することができる。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該濃色感光性樹脂層の表面を均一に湿らせることが好ましい。
前記現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
また、現像前に純水を噴霧し、感光性樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、工程を汚したり、基板にシミが残ったりするので、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
第二の実施形態及び第三の実施形態において、濃色離画壁の形成には、下記の濃色組成物の塗布による方法、あるいは感光性転写体を用いる方法のいずれを用いてもよい。
−濃色組成物の塗布による濃色離画壁の形成−
まず、基板を洗浄した後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。該基板を温調後、前記濃色組成物(濃色感光性組成物または濃色光重合性組成物)を塗布する。引き続き、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、プリベークして濃色樹脂層(濃色感光性樹脂層、または濃色光重合性樹脂層)を得る。この時、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去してもよい。
前記塗布としては、特に限定されず、公知のスリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(例えば、エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)や、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(平田機工株式会社製)等を用いて行うことができる。
前記乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)を用いて行うことができる。
プリベークとしては、特に限定されないが、例えば、120℃3分間することにより達成することができる。前記得られた濃色樹脂層の膜厚は、前述の通りである。
次いで、基板と画像パターンを有するマスク(例えば、石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該濃色樹脂層の間の距離を適宜(例えば、200μm)に設定し、露光する。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜(例えば、300mJ/cm2)選択することができる。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該濃色樹脂層の表面を均一に湿らせることが好ましい。前記現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
仮支持体上に、濃色組成物層、更に該層上に保護フィルムが設けられた感光性転写材料を用意する。必要に応じて前記濃色組成物層の下層(仮支持体と濃色組成物層の間)に酸素遮断層や熱可塑性樹脂層を形成する。
まず、保護フィルムを剥離除去した後、露出した濃色組成物層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネータ等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
現像処理に用いる現像液及び光照射に用いる光源は、前記塗布法を用いた形成における現像液及び光源が同様に用いられる。
また、現像液のpHは8〜13が好ましい。現像槽中にはローラーコンベアなどが設置され、基板は水平に移動する。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、濃色樹脂層は基板の上面に形成されるのが好ましい。基板サイズが1メートルを超える場合は、基板を水平に搬送すると、基板中央付近に現像液が滞留し、基板中央と周辺部分での現像の差が問題となる。これを回避するため、基板は斜めに傾斜させるのが望ましい。傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、濃色樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、工程を汚したり、基板にシミが残ったりするので、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
現像と熱処理の間に、ポスト露光を実施すると、画像の断面形状のコントロール、画像の硬度のコントロール、画像の表面凹凸のコントロール、画像の膜減りのコントロールなどの観点で好ましい。ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号0074に記載の超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射する事が、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。必要に応じて、両面から実施する。また、露光量も、上面:100から2000mJ/平方センチメートル、下面:100から2000mJ/平方センチメートルの範囲で、上記コントロール目的に応じ、適宜調整する。
熱処理により本発明の濃色樹脂層に含まれるモノマーや架橋剤を反応させて、画像の硬度を確保することができる。熱処理の温度は、150℃から250℃の範囲が好ましい。150℃以下では硬度が不十分となり、250℃以上では樹脂が着色し色純度が悪くなる。熱処理の時間は、10分から150分が好ましい。10分未満では、硬度が不足し、150分以上では、樹脂が着色し色純度が悪くなる。また熱処理は、色によって変えても良い。また、全部の色を形成後、更に最終の熱処理を行って硬度を安定化させても良い。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、仮支持体上に少なくとも濃色組成物からなる層を有してなる感光性転写材料を使用するという前記手法がある。このような材料を用いた場合、濃色組成物からなる濃色感光性樹脂層は仮支持体に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
感光性転写材料は、仮支持体上に、前記濃色組成物を塗布するなどの方法で、濃色組成物を成分とする感光性樹脂層を形成したものである。必要に応じて、保護フイルムなどが付与される。
第一の実施形態において、酸素透過率が2000cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、離画壁を前記所望の形状にすることが困難となることがある。
第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、仮支持体上に、該仮支持体に近い側から順に、少なくとも酸素遮断層と、濃色感光性組成物からなる層とを、有してなる感光性転写材料を使用するという手法(前記の(1)転写方法)がある。このような材料を用いた場合、濃色感光性組成物からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法において、仮支持体上に少なくとも濃色光重合性組成物からなる層と必要に応じて熱可塑性樹脂層を有してなる感光性転写材料を使用してもよい。これを基板上に転写し、基板上に濃色光重合性組成物層を形成し、貧酸素雰囲気下で露光する。
上記の感光性転写材料における仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等、薄いシート若しくはこれらの積層体が好ましい。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μm が適当であり、好ましくは20〜150μmである。この厚みが5μm未満では現像前の支持体を剥離する際に破れやすくなる傾向があり、300μmを超えると解像度が低下する傾向がある。
上記具体例の中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
第一の実施形態のカラーフィルターの製造方法では、必要に応じて感光性転写材料の仮支持体と感光性樹脂層の間に酸素遮断層を設けることができる。
第一の実施形態における酸素遮断層は、具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。本発明の酸素遮断層における前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
上記の感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。かかる熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性であることが好ましく、少なくとも樹脂成分を含んで構成され、該樹脂成分としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂層が設けられることにより、後述する濃色離画壁形成方法において、永久支持体との良好な密着性を発揮することができる。
軟化点が80 ℃ 以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ) アクリル酸エステル、(メタ) アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、上記の熱可塑性樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、更に「プラスチック性能便覧」( 日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1 9 6 8 年1 0 月2 5 日発行) による、軟化点が約8 0 ℃ 以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
感光性樹脂層または光重合性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。尚、保護フイルムの厚さは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
本発明の第一の実施形態及び第二の実施形態における感光性転写材料作製の例として、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層(酸素遮断層)、保護フィルムを有する例を示す。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる酸素遮断層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後濃色感光性樹脂層用塗布液を、中間層(酸素遮断層)を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び酸素遮断層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と濃色感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に濃色感光性樹脂層及び酸素遮断層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と酸素遮断層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
本発明の第三の実施形態のカラーフィルターの製造方法における感光性転写材料は、例えば、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後濃色光重合性樹脂層用塗布液を塗布して乾燥して設けることにより作製することができる。熱可塑性樹脂層は設けなくてもよい。
また、例えば、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に光重合性樹脂層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と濃色光重合性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
本発明では、離画壁に撥水処理を施す事で、即ち、前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態後で、着色液体組成物の液滴を前記離画壁間に付与させることが好ましい。これは、その後にインクジェットなどの方法での液滴付与の際に、前記着色液体組成物の液滴(インク)が前記離画壁を乗り越えて、隣の色と混色するなどの不都合を無くす為に好ましい。
以下に、撥水処理の詳細な説明をする。
「混色」を防ぐ手段として、本発明の濃色組成物(感光性組成物または光重合性組成物)より得られるフォトレジストに含フッ素樹脂(A)を含有させて離画壁を作製する方法がある。
本発明における前記含フッ素樹脂(A)は、下記式1で表されるポリフルオロエーテル構造からなるRf基(a)と、酸性基(b)とを有し、酸価が1〜300mgKOH/gであることが好ましい。
−(X−O)n−Y ・・・式1
式1中、Xは、炭素数1〜10の2価飽和炭化水素基又は炭素数1〜10のフルオロ化された2価飽和炭化水素基であって、nで括られた単位毎に同一の基又は異なる基を示し、Yは、水素原子(Yに隣接する酸素原子に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合していない場合に限る)、炭素数1〜20の1価飽和炭化水素基又は炭素数1〜20のフルオロ化された1価飽和炭化水素基を示し、nは2〜50の整数を示す。
ただし、式1におけるフッ素原子の総数は2以上である。
式2中、pは2又は3の整数を示し、nで括られた単位毎に同一の基であり、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
酸性基(b)としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、及びスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸性基又はその塩が好ましい。
これらの化合物には、官能基が含まれていてもよく、該官能基としては、例えば水酸基、カルボニル基、アルコキシ基、アミド基等が挙げられる。またポリシロキサン構造を有する基を有していてもよい。ただし、これらのその他の単量体に基づく単量体単位は、Rf基(a)及び酸性基(b)を有しない。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類が、本発明の濃色組成物から形成される塗膜の耐熱性に優れるので好ましい。
式3中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
式4中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板上の離画壁に合致した位置にインキ反発性を有する仕切り壁(以下、「撥水層」ともいう。)を作製する方法がある。
この様な線状有機ポリシロキサンをまばらに架橋することによりシリコ−ンゴムが得られる。
架橋剤は、いわゆる室温(低温)硬化型のシリコ−ンゴムに使われるアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、アミドシラン、アルケニオキシシランなどであり、通常線状の有機ポリシロキサンとして末端が水酸基であるものと組み合わせて、それぞれ脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコ−ル型、脱アミン型、脱アミド型、脱ケトン型のシリコ−ンゴムとなる。また、シリコ−ンゴムには、触媒として少量の有機スズ化合物などが添加される。
感光性樹脂層とシリコ−ンゴム層の接着のために層間に接着層として種々のものを用いることがあり、特にアミノシラン化合物や有機チタネ−ト化合物が好ましい。
感光性樹脂層とシリコ−ンゴム層間に接着層を設ける代わりにシリコ−ンゴム層に接着成分を添加しておくこともできる。この添加接着成分としてもアミノシラン化合物や有機チタネ−ト化合物が使用できる。
仕切り壁を作製するための露光は離画壁をマスクとし、基板の裏側から行い、さらに照射UV光を散乱させて入射光を透過部位の大きさより拡大して感光性樹脂に作用させて、光反応して可溶化する樹脂の部分をシリコ−ンゴム表層側の方が大きくなる様にする。この様に露光した後、n-ヘプタン/エタノ−ル混合液で現像してシリコ−ンゴム表層を有する仕切り壁を作製できる。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、プラズマによる撥水化処理をする方法がある。
本工程において導入する、少なくともフッ素原子を含有するガスとしては、CF 4 、CHF 3 、C 2 F 6 、SF 6 、C 3 F 8 、C 5 F 8 から選択されるハロゲンガスを1種以上用いることが好ましい。特に、C 5 F 8 (オクタフルオロシクロペンテン)は、オゾン破壊能が0であると同時に、大気寿命が従来のガス(CF 4 :5万年、C 4 F 8 :3200年)に比べて0.98年と非常に短い。従って、地球温暖化係数が90(CO 2 =2とした100年積算値)と、従来のガス(CF 4 :6500、C 4 F 8 :8700)に比べて非常に小さく、オゾン層や地球環境保護に極めて有効であり、本発明で使用する上で望ましい。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、撥水性を有する材料を全面表面に塗布する方法がある。
撥水性を有する材料としてはポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコンゴム、パーフルオロアルキルアクリレート、ハイドロカーボンアクリレート、メチルシロキサン等、一般に撥水材料と考えられるもので着色液体組成物に対する接触角が60°以上のものであれば特に限定されるものではない。
撥水材料の塗布の方法としては基板、離画壁などに影響を及ぼさない方法であれば、スリットコート、スピンコート、ディップコート、ロールコート等各材料に最適の方法を選択することが可能である。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、光触媒により撥水性を付与する方法がある。
次に、上記光触媒含有層と濡れ性変化層とが、所定の間隙となるように配置し、例えばフォトマスク等を用いて、離画壁を形成するパターンに所定の方向からエネルギーを照射するパターン形成工程を行う。これにより、エネルギーが照射された部分の濡れ性変化層上の濡れ性が変化した親水性領域と、エネルギーが照射されていない部分の撥水性領域とからなるパターンが形成される。
上記親水性領域以外の部分は、撥水性領域であることから、湿し水が付着せず、親水性領域のみに湿し水を塗布することが可能となる。
次に、撥水性領域に離画壁を形成する工程を行う。
この際、離画壁を形成する撥水性領域以外の部分は、湿し水により保護されていることから、例えば離画壁を形成する離画壁形成用塗工液等が付着せず、撥水性領域のみに容易に高精細に離画壁を形成することが可能となるのである。
その後、上記離画壁間に、例えばインクジェット装置等により、画素部を形成する画素部形成用塗工液等を塗布することにより、画素部を形成し、カラーフィルターとするものである。
まず、本発明におけるパターン形成工程について説明する。
本発明におけるパターン形成工程は、撥水性かつ親インキ性であり、さらにエネルギー照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように変化する濡れ性変化層を有する離隔壁形成用の基板と、光触媒を含有する光触媒含有層および基板を有する光触媒含有層側基板とを、上記濡れ性変化層および上記光触媒含有層が200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、エネルギーを照射し、上記離隔壁形成用の基板上に親水性領域および撥水性領域からなるパターンを形成する工程である。
まず、本発明に用いられる離隔壁形成用の基板について説明する。
本発明に用いられる離隔壁形成用の基板は、撥水性かつ親インキ性であり、さらにエネルギー照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように変化する濡れ性変化層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、上記濡れ性変化層が透明基材上に形成されていてもよい。
以下、本発明の離隔壁形成用の基板の各構成について説明する。
まず、本発明の離隔壁形成用の基板に用いられる濡れ性変化層について説明する。
本発明に用いられる濡れ性変化層は、撥水性かつ親インキ性であり、さらにエネルギー照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように変化する層である。本発明においては、上記濡れ性変化層を有することにより、前述のパターンの形成において、エネルギーが照射された部分を親水性領域、エネルギーが照射されていない部分を撥水性領域とすることが可能となる。
この際、着色部を形成する領域を撥水性領域、着色部を形成しない領域を親水性領域とすることにより、着色部を形成しない親水性領域を湿し水により保護し、撥水性領域の親インキ性を活かして、撥水性領域にのみ、着色部形成用塗工液として例えば油性のインキ等を用いて着色部を形成することが可能となるのである。
ここで、エネルギー照射前の濡れ性変化層を、親インキ性とすることにより、着色部を形成する着色部形成用塗工液等を均一に塗布することが可能となるのである。
また、エネルギー照射前における上記濡れ性変化層と70mN/mの液体との接触角が、50°以上120°未満、中でも70°以上120°未満の範囲内であることが好ましい。
上記液体との接触角が、上記範囲より低い場合には、例えば後述する湿し水塗布工程において、上記撥水性領域にも湿し水が付着してしまう可能性があり、着色部形成工程において、着色部を高精細に形成することが困難となるからである。
上記臨界表面張力が、上記範囲内であることにより、光触媒の作用により濡れ性が変化した濡れ性変化層を親水性とすることが可能となるからである。
また、濡れ性が変化した濡れ性変化層と70mN/mの液体との接触角が、0°以上50°未満、中でも0°以上40°未満の範囲内であることが好ましい。
上記液体との接触角が、上記範囲より高い場合には、親水性が十分でなく、例えば湿し水を塗布した際に、はじいてしまう可能性があり、着色部を形成する以外の領域を湿し水により、保護することが困難となり、高精細な着色部を形成することが困難となるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親水性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥水性領域内に親水性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥水性領域内に親水性領域のパターンを容易に形成することができるので、着色部を形成する着色部形成用塗工液等を塗布する際に、この着色部を形成しない親水性領域を湿し水により保護し、撥水性かつ親インキ性である撥水性領域にのみ高精細に着色部を形成することが可能となるのである。
したがって、容易に親水性領域のみに湿し水を塗布することが可能となり、撥水性領域のみに着色部形成用着色液体組成物等を塗布することにより、高精細に着色部を形成することが可能となるのである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することができる。
このような材料としては、上述した材料を製膜したものが自己支持性を有するのであれば、これを用いることも可能であるが、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセタール樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン等を挙げることができる。
上述した濡れ性が大幅に変化する材料で形成される濡れ性変化層は、通常自己支持性のある材料が少ないからである。
本発明において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、光触媒含有層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部の濡れ性を変化させて親水性とし、エネルギー未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。
よって、親水性領域にのみ湿し水を塗布することが容易に可能であり、また着色部を容易に撥水性領域のみに形成することが可能となることから、高精細な着色部が形成されたカラーフィルターを容易な工程で製造することが可能となるのである。
例えば、濡れ性変化層中に光触媒が含有されている場合には、後述する湿し水塗布工程または着色部形成工程において、明所での作業を行った場合、湿し水により高感度化された光触媒の作用により、濡れ性変化層の濡れ性が変化し、高精細に着色部を形成することが困難となる可能性がある。
本発明において、濡れ性変化層内に光触媒が含まれなければ、上記のような問題を心配する必要がないことから、簡便な装置によりカラーフィルターを製造することが可能であり、またその後カラーフィルターとして用いた場合に、経時的に影響を受ける心配をする必要がなく、長期間に渡り問題なく使用することが可能だからである。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、前記基板上に、前記濃色離画壁の製造方法により製造された濃色離画壁と、2色以上の色を有する、複数の画素からなる画素群とを有するカラーフィルターの製造方法であって、前記複数の画素が、前記濃色離画壁を形成した後、着色液体組成物を前記濃色離画壁間に付与させて形成されることを特徴とする。
即ち、前記現像工程にて基板上に形成された濃色離画壁間の空隙に対し、2色以上の画素(例えば、RGB各画素)を形成する為の着色液体組成物をその空隙に付与させて2色以上の色を有する、複数の画素を形成する。
この着色液体組成物を離画壁空隙に侵入させる方法としては、インクジェット法やストライプギーサー塗布法など公知のものを使用することができ、インクジェット法がコスト的に好ましい。また、このように各画素を形成する前に、濃色離画壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理を行う等である。ここで言う加熱処理とは濃色離画壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということをさす。
本発明に用いるインクジェット方式としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
用いるインクは油性、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。また、公知のカラーフィルター作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、上記<濃色組成物>の項で挙げた、顔料などの着色剤を含有させた濃色組成物を、好適なものとして用いることができる。
カラーフィルター作製後、全面に耐溶剤性又は平坦性向上のためにオーバーコート層を設けても良い。オーバーコート層は、インクR,G,Bの固化層を保護するとともに、表面を平坦にすることができるが、工程数が増えるという観点から、設けないことが好ましい。
オーバーコート層を形成する樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、また、カラーフィルター用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れていることからアクリル系樹脂組成物が望ましい。
オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製「オプトマーSS6699G」)が挙げられる。
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
本発明のカラーフィルターはテレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
参考例A1
[濃色感光性転写材料K1の作製]
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(テイジンデュポンフィルム株式会社製 テトロン(登録商標)G2)仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記濃色組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が2.2μmの濃色感光性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と濃色感光性樹脂層とが一体となった濃色感光性転写材料を作製し、サンプル名を濃色感光性転写材料K1とした。
濃色組成物は、まず下記濃色組成物K1処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4 '−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤1 0.045部
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・下記分散剤 0.65%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD
DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
無アルカリガラス基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記濃色感光性転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離せずに、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、仮支持体とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該仮支持体の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2000mJ/cm2にてポスト露光を行って、220℃30分の加熱処理を行い、光学濃度4.5の離画壁を得た。
このようにして得られた離画壁の表面凹凸を接触膜厚計(Tencor社製触針式表面粗さ計 P10、JIS B0601)で測定したところ、表面粗さ値Raは6.0nm、離画壁の高さは2.0μmであった。
本発明における実施例及び比較例の前記離画壁の光学濃度(以下、「透過光学濃度」ともいう。)については、以下のようにして測定した。
実施例及び比較例で用いた濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上に同じ厚みの層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。
続いて、前記サンプルの透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。 別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定し(OD0)、ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度とした。
離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス :CF4 ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー :50W
処理時間 :30sec
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物(単に「インク」ともいう。)を調製した。
<赤色画素用着色インク組成物の組成>
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
次に上記記載のR、G、Bの画素用着色インク組成物を用いて、上記で得られた画像形成用基板の離画壁で区分された領域内(凸部が囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、R、G、Bのパターンからなるカラーフィルターを作製した。
画像着色後のカラーフィルターを230℃オーブン中で30分ベークすることでブラックマトリックス、各画素ともに完全に硬化させた。
これは本発明を用いることで、離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。
上記より得たカラーフィルター基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルター基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にエッチングレジストを用いて、パターニングを施した。
このITOが形成されたカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、12Ω/□であった。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。
このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。
次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
参考例A1において用いた仮支持体を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(テイジンデュポンフィルム株式会社製 テトロン(登録商標)G2)に変更した以外は、参考例A1と同様の方法でITOの透明電極付カラーフィルターを作成した。
これは本発明を用いることで、離画壁表面のインクの濡れ性が低下したためと考えられる。またカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、17Ω/□であった。結果を表1に示す。
参考例A1において、プラズマ撥水化処理を以下の方法に変更した以外は、参考例A1と同様に行い、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5質量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストシャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm 2 (38mW/cm 2 ×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から離画壁を介して露光した。続いて、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、離画壁上に撥水性樹脂層を形成した。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyne/cm、画素内(ガラス基板上)は55dyne/cm前後であった。
参考例A1において、仮支持体を剥離してから、露光マスク面と濃色感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、パターン露光する方法に変更した以外は、参考例A1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例A1において、プラズマ撥水化処理の前に、下記の「ドライエッチング処理」を追加した以外は、比較例A1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表1に示す。
離画壁を形成した上記基板(離画壁付き基板)に、特開2001−343518号公報の段落番号[0098]〜[0099]に準じて、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてドライエッチング処理を施した。
圧力 :8Pa
RFパワー :150W
処理時間 :30sec
上記で得られた実施例及び比較例の離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターについて、下記の方法で隣接画素との混色評価を行った。
−隣接画素との混色評価−
前記カラーフィルターを厚さ方向画素形成側から光学顕微鏡で目視観察し、混色について評価した。混色の評価基準は、画素内に色の混ざりが見られ、かつ、カラーフィルター(光学素子)内の100画素を観察するとき、共に濃色離画壁上面にインクが残っている場合を、混色ありとし、そうでない場合を混色なしとした。
実施例B1
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記記載の組成よりなる濃色感光性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.2μmの感光層K1を得た。
濃色感光性組成物は、まず下記濃色感光性組成物K1処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4 '−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3 '−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤 0.045部
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤 0.65%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、
重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
光学濃度については、実施例及び比較例にて濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上に同じ厚みの層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。この透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD0)
ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度とした。
離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス :CF4 、ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー :50W
処理時間 :30sec
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物を調製した。
〈赤色画素用着色インキの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
上記成分のうち、溶剤である3−エトキシプロピオン酸エチルは、JIS−K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が18°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が0°であった。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素用着色インク組成物の場合と同様にして青色(B)画素用着色インク組成物を調製した。
上記より得たカラーフィルター基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルター基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
このITOが形成されたカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、12Ω/□であった。
前記ITOの透明電極上の離画壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
[感光性転写材料の製法]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、上記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記濃色感光性組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.2μmの濃色感光性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の濃色感光性樹脂層とが一体となった濃色感光性転写材料を作製し、サンプル名を濃色感光性転写材料K1とした。
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37 分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを
2当量脱水縮合した化合物:新中村化学工業(株)製 2,2−ビス
[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
前記濃色感光性転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
中間層の膜厚を0.4μmにした以外は、実施例B1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表2に示す。なお、Raは3.5nm、離画壁の高さは、2.0μmであった。
中間層の膜厚を0.2μmにし、プラズマ撥水処理化方法を以下の方法に変更した以外は、実施例B1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表2に示す。なお、Raは4.7nm、離画壁の高さは、2.0μmであった。
[塗布法による撥水化処理]
離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5重量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストシャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm2(38mW/cm2×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から離画壁を介して露光し、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、離画壁上に撥水性樹脂層を形成することにより画素内外に表面エネルギー差を設けた。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyne/cm、画素内(ガラス基板上)は55dyne/cm前後であった。
実施例B1において、プラズマ撥水化処理を行わない以外は、実施例B1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
実施例B1の酸素遮断層を用いなかったこと以外は、実施例B1と全く同様の処理、操作を行って離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。このようにして得られた濃色離画壁の光学濃度は4.5であった。
Raは8.0nm、離画壁の高さは、2.0μmであった。
比較例B1において、プラズマ撥水化処理の前に、下記の「ドライエッチング処理」を追加した以外は、比較例B1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
〔ドライエッチング処理〕
離画壁を形成した上記基板(離画壁付き基板)に、特開2001−343518号公報の段落番号0098〜0099に準じて、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてドライエッチング処理を施した。
・使用ガス :O 2 、ガス流量 :80sccm
・圧力 :8Pa
・RFパワー :150W
・処理時間 :30sec
さらに、上記ドライエッチング処理終了後、同じ装置内で、離画壁付き基板に対して、比較例B1と同様の条件にてプラズマ処理を施した。
次いで、比較例B1と同様にR、G、B画素を着色後、同条件にてベークしたところ、インクは離画壁を乗り越えてしまい、隣接画素との混色が起こってしまっていた。また、実施例と同様にITO抵抗を測定したところ、24Ω/□であった。
第二の実施形態のカラーフィルターの製造方法による実施例B1、B2、およびB5のカラーフィルターは混色が無いか、あっても僅かであり、ITO抵抗値が低かった。比較例B1〜B2のカラーフィルターは、混色が見られた。ITO抵抗値は、良好な表示特性を示すという観点から、低いほど好ましい。更に、実施例B5と実施例B1の比較から、本発明では酸素遮断層と撥水処理を併用することで、単に混色防止のみならず、ITO抵抗にも効果があることが分かった。
参考例C1
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記表に記載の組成よりなる濃色光重合性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2μmの感光層K1を得た。
濃色光重合性組成物は、まず下記濃色光重合性組成物処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤1 0.045部
・カーボンブラック(デグッサ社製Nipex35) 13.1%
・分散剤 0.65%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARADDPHA)
76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス:CF4 、ガス流量:80sccm
圧力:40Pa
RFパワー:50W
処理時間:30sec
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物を調製した。
〈赤色画素用着色インキの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
上記成分のうち、溶剤である3−エトキシプロピオン酸エチルは、JIS−K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が18°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が0°であった。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素用着色インク組成物の場合と同様にして青色(B)画素用着色インク組成物を調製した。
上記より得たカラーフィルター基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルター基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
このITOが形成されたカラーフィルターのITO抵抗を測定した(三菱油化「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、14Ω/□であった。
前記ITOの透明電極上の離画壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルターの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
参考例C1の窒素雰囲気下で露光する工程を、0.7気圧(酸素分圧0.15気圧)まで減圧した環境下で露光する工程に変更した以外は、参考例C1と同様に離画壁、カラーフィルターを作成し同様の評価を行った。結果を表3に示す。なお、離画壁の高さは、2.0μmであった。酸素分圧は、飯島電子工業製酸素計 G−102型を用いて測定した。
参考例C1の感光層K1を下記のK2に変更した以外は、参考例C1と同様に離画壁、カラーフィルターを作成し同様の評価を行った。なお、離画壁の高さは、2.0μmであった。結果を表3に示す。
K2組成
<濃色光重合性組成物処方>
・カーボンブラック分散液(デグッサ社製 Nipex35) 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・高感度開始剤 1.6部
・前記界面活性剤1 10.045部
2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4'、5,5'−テトラフェニルビスイミダゾール
1.6g
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.6g
プラズマ撥水化処理方法を以下の方法に変更した以外は、参考例C1と同様に、離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。結果を表3に示す。
〔塗布法による撥水化処理〕
離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5質量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストジャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥装置中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm2(38mW/cm2×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から離画壁を介して露光し、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、離画壁上に撥水性樹脂層を形成することにより画素内外に表面エネルギー差を設けた。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyne/cm、画素内(ガラス基板上)は55dyne/cmであった。
参考例C1において、プラズマ撥水化処理を行わない以外は、参考例C1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
参考例C1の窒素雰囲気下で露光する工程を、大気圧(酸素分圧0.21気圧)下で露光する工程に変更した以外は、参考例C1と同様に離画壁、カラーフィルターを作成し同様の評価を行った。酸素分圧は、飯島電子工業製酸素計 G−102型を用いて測定した。
結果を表3に示す。
参考例C1の窒素雰囲気下で露光する工程を、大気圧(酸素分圧0.21気圧)下で露光する工程に変更し、さらにプラズマ撥水化処理の前に、下記の「ドライエッチング処理」を追加した以外は、参考例C1と同様の方法で離画壁、ITOの透明電極付カラーフィルターを作製し同様の評価を行った。
〔ドライエッチング処理〕
離画壁を形成した上記基板(離画壁付き基板)に、特開2001−343518号公報の段落番号0098〜0099に準じて、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてドライエッチング処理を施した。
・使用ガス:O2、ガス流量:80sccm
・圧力:8Pa
・RFパワー:150W
・処理時間:30sec
さらに、上記ドライエッチング処理終了後、同じ装置内で、離画壁付き基板に対して、参考例C1と同様の条件にてプラズマ処理を施した。
次いで、参考例C1と同様にR、G、B画素を着色後、同条件にてベークしたところ、インクは離画壁を乗り越えてしまい、隣接画素との混色が起こってしまっていた。また、参考例C1と同様にITO抵抗を測定したところ、24Ω/□であった。
光学濃度については、実施例及び比較例にて濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上に同じ厚みの層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。この透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD0)。
ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の透過光学濃度とした。
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、
その上に、酸素透過率が100cm3/(m2・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むこと特徴とするカラーフィルターの製造方法。
<2> 前記離画壁を形成する工程が、仮支持体上に感光性組成物からなる層と酸素遮断膜とを少なくとも有する感光性転写材料を基板上に転写する工程を含むことを特徴とする<1>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<3> 前記離画壁を形成する工程が、基板上に感光性組成物を含有する塗布液を塗布して感光性組成物塗布膜を形成し、その上に酸素遮断膜を塗布する工程を含むことを特徴とする<1>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<4> 前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態で前記液滴を離画壁間に付与させることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<5> プラズマ処理により、前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態にすることを特徴とする<4>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<6> 前記離画壁の高さが1.8μm以上10μm以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<7> 波長555nmにおける前記離画壁の光学濃度が2.5以上10以下であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<8> 前記感光性組成物が光重合性組成物であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
<9> <1>〜<8>のいずれか1に記載の製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が5nm以下であることを特徴とするカラーフィルター。
<10> <9>に記載のカラーフィルターを備えた液晶表示素子。
<11> <10>に記載の液晶表示素子を備えた液晶表示装置。
Claims (11)
- 基板上に互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、該画素群を構成する各画素は互いに濃色の離画壁により離画されているカラーフィルターの製造方法であって、
該方法は、離画壁を形成する工程と、着色液体組成物による液滴を離画壁間に付与させて離画壁間に各画素を形成する工程と、を含み、
ここで、離画壁を形成する工程は、
基板上に感光性組成物からなる層を形成する工程と、
その上に、酸素透過率が100cm3/(m2・day・atm)以下である酸素遮断膜層を有する状態で感光性組成物からなる層を露光する工程と、
を含むこと特徴とするカラーフィルターの製造方法。 - 前記離画壁を形成する工程が、仮支持体上に感光性組成物からなる層と酸素遮断膜とを少なくとも有する感光性転写材料を基板上に転写する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記離画壁を形成する工程が、基板上に感光性組成物を含有する塗布液を塗布して感光性組成物塗布膜を形成し、その上に前記酸素遮断膜を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態で前記液滴を離画壁間に付与させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- プラズマ処理により、前記離画壁の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態にすることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記離画壁の高さが1.8μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 波長555nmにおける前記離画壁の光学濃度が2.5以上10以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記感光性組成物が光重合性組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、離画壁の表面粗さRa値が5nm以下であることを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項9に記載のカラーフィルターを備えた液晶表示素子。
- 請求項10に記載の液晶表示素子を備えた液晶表示装置。
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