JP2005060515A - 隔壁用組成物、それを用いた画素形成用基板および画素の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン性不飽和二重結合およびフルオロアルキル基を有するビニル重合体を含む隔壁用組成物、基材上に前記隔壁用組成物により形成された隔壁を有する画素形成用基板、および該画素形成用基板の隔壁で区分された領域内に、インクジェット法によりインキを充填して画素を形成する画素の形成方法。
【選択図】なし
Description
現在、カラーフィルタの製造は、顔料が分散されたフォトレジスト液を透明基板上に塗布、乾燥、露光、現像、硬化などする工程を繰り返すことによって行われている。そのため、生産性が低く、コスト低減の要求が高くなっている。
インクジェット法によるフィルタセグメントの形成は、予め透明基板上に隔壁を設け、隔壁で区分けされた隙間にインクジェット法によりインキを充填して行う。
また、隔壁上部にシリコンゴム層を設けることにより撥インキ性を付与してインキの混色を防止することや(例えば、特許文献2参照。)、表面エネルギーが5〜43dyne/cmであるシリコーン化合物層を遮光部位に形成することも行われていた(例えば、特許文献3参照。)。
これに対して、撥インキ物質であるシリコーン化合物やフッ素化合物を隔壁に含有させると、隔壁を構成する他の成分との相溶性が悪いため、隔壁の強度が低下し、パターン形成に問題が生じることになった。逆に、相溶性が高い撥インキ物質を含有させると効果的な撥インキ性が得られない結果となった。さらに、撥インキ物質が隔壁からブリードし、透明基材を汚染するため、インキのハジキが発生し、カラーフィルタの塗膜欠陥の原因にもなった。
さらに、本発明の画素の形成方法は、上記画素形成用基板の隔壁で区分された領域内に、インクジェット法によりインキを充填して画素を形成するものであり、この方法によればインキのにじみや混色が発生することなく画素を形成することができる。
また、本発明の隔壁用組成物により形成された隔壁を有する画像形成用基板を用いた画素の形成方法によれば、インキのにじみや混色が発生することなく画素を形成することができる。
隔壁用組成物に含まれるビニル重合体は、エチレン性不飽和二重結合およびフルオロアルキル基を有するビニル重合体であり、隔壁用組成物を用いて隔壁を形成した場合に隔壁の上部表面に配向して、インキのにじみや混色を防止する働きをする。さらに詳しくは、ビニル重合体中のフルオロアルキル基は、インキをはじき、インキが隔壁を越えて隣接する領域に進入することによるインキのにじみや混色を防ぐ働きをする。
一段法では、エチレン性不飽和二重結合およびフルオロアルキル基を有する単量体と、エチレン性不飽和二重結合およびこれ以外の活性エネルギー線反応性官能基を有する単量体とを重合してビニル重合体を製造することができる。
エチレン性不飽和二重結合およびフルオロアルキル基を有する単量体(a)は、隔壁の上部表面に撥インキ性を付与する為に不可欠のものである。
単量体(a)は、要求性能に応じて1種、または2種以上を混合して用いることができる。
反応性官能基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。
イソシアネート基を有する単量体(b)として具体的には、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとを反応させて得られるものが挙げられる。
単量体(b)は、要求性能に応じて1種、または2種以上を混合して用いることができる。
(i)(メタ)アクリル酸誘導体として具体的には、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(iii)オレフィン系炭化水素単量体として具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が挙げられる。
(iv)ビニルエステル単量体として具体的には、酢酸ビニル等が挙げられる。
(v)ビニルハライド単量体として具体的には、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体として具体的には、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
重合体(A)における単量体(c)の共重合比率は、重合体を構成する単量体の総重量を基準として0〜89重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0〜75重量%、特に好ましくは0〜65重量%である。単量体(c)の共重合比率が89重量%を超える場合には、撥インキ性が低下したり、十分な光硬化性が得られない。
得られる重合体(A)の好ましい重量平均分子量は、2,000〜100,000である。
重合体(A)と化合物(B)とは、重合体(A)が有する反応性官能基の数に対し、該反応性官能基と反応可能な、化合物(B)が有する官能基の数が100%となる割合で反応させることが好ましいが、十分な光硬化性が得られれば100%未満となる割合で反応させてもかまわない。
重合体(A)が有する反応性官能基の数に対する化合物(B)が有する反応可能な官能基の数の割合が1%未満では、活性エネルギー線露光によるビニル重合体の架橋密度が低く、基板内および基板間での撥インキ性能のバラツキが生じる。また、50%を越えると、熱硬化による効果が少なくなり、隔壁の耐溶剤性が低くなる。
(1)反応性官能基がヒドロキシル基である場合には、イソシアネート基、ハロゲン基、カルボキシル基あるいはエポキシ基との反応。
(2)反応性官能基がカルボキシル基である場合には、エポキシ基、あるいはヒドロキシル基との反応。
(3)反応性官能基がイソシアネート基である場合には、ヒドロキシル基、あるいはアミノ基との反応。
(4)反応性官能基がエポキシ基である場合には、カルボキシル基、あるいはヒドロキシル基との反応。
触媒としては、反応性官能基がヒドロキシル基の場合には、酸性化合物及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などを用いることが好ましい。カルボキシル基の場合には、酸性化合物及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などを用いることが好ましい。イソシアネート基の場合には、アミン類、金属塩化合物などを用いることが好ましい。エポキシ基の場合には、アミン類を用いることが好ましい。
アミン類として具体的には、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどが挙げられる。
触媒は2種類以上を混合して使用してもよく、触媒を用いる場合の使用量は、重合体(A)および化合物(B)の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。
ヒドラジン類として具体的には、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
ジカルボン酸として具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサン二酸、クエン酸、マレイン酸、メチルナディク酸、ドデセニルコハク酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などが挙げられる。
多価フェノールとして具体的には、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコール、ヘキシルレゾルシン、ピロガロール、トリヒドロキシベンゼン、フロログルシン、ジメチロールフェノールなどが挙げられる。
イソシアネート基の場合には、多価アルコール、ジカルボン酸などを架橋剤として用いることが好ましい。
エポキシ基の場合には、ジカルボン酸、多価アルコール、多価フェノール、ポリアミンなどを架橋剤として用いることが好ましい。
架橋剤は、2種類以上を混合して使用してもよく、架橋剤を含有させる場合の使用量は、隔壁用組成物の不揮発分100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。
金属錯化合物として具体的には、アルミニウムトリアセチルアセトネート、鉄トリアセチルアセトネート、マンガンテトラアセチルアセトネート、ニッケルテトラアセチルアセトネート、クロムヘキサアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、コバルトテトラアセチルアセトネートなどが挙げられる。
カルボキシル基の場合には、酸性化合物及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などを用いることが好ましい。
イソシアネート基の場合には、アミン類、金属塩化合物などを用いることが好ましい。
エポキシ基の場合には、アミン類を用いることが好ましい。
架橋触媒は、2種類以上を混合して使用してもよく、架橋触媒を含有させる場合の使用量は、隔壁用組成物の不揮発分100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、モノマー、オリゴマー、感光性樹脂などを用いることができる。
モノマーとしては、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート等の1官能モノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-アクリロキシ・ジエトキシ〕フェニル〕プロパン等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上のモノマーが挙げられる。一方、オリゴマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサアクリレート、メラミンアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートプレポリマ等が挙げられる。これらは、2種類以上を混合して用いることもできる。
隔壁用組成物中の黒色顔料の含有量は、隔壁用組成物の不揮発分重量を基準として3〜80重量%であることが好ましい。黒色顔料の含有量が3重量%未満の場合は、単位膜厚あたりの遮光性が低下し、80重量%を越えると薄膜形成が困難になる。
隔壁用組成物を着色する場合には、顔料、ビニル重合体の重合溶液、および必要に応じて樹脂型または界面活性剤型の顔料分散剤や、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、トリアジン誘導体等を分散機に投入し、顔料が所望の平均粒子径・粒度分布になるまで分散することにより製造することができる。原料は一括して混合、分散しても良いし、それぞれの原料の特性や経済性を考慮して別々に混合、分散しても良い。
隔壁用組成物は、分散機で分散後に、粗大粒子や異物除去を目的にフィルタや遠心法により濾過することが好ましい。
隔壁用組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤剤等の各種の添加剤を含有させてもよい。
基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、樹脂フィルム等を用いることができる。得られる画素形成用基板をカラーフィルタの製造に用いる場合には、可視光領域(400〜700nm)の全波長領域において透過率が80%以上、特に好ましくは95%以上の透明基板を用いることが好ましい。
基板上への隔壁の形成法としては、グラビアオフセット印刷法、水無しオフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性レジストを用いるフォトリソグラフィー法、ビニル重合体からなるコロイド粒子の電気泳動により透明導電膜の上に隔壁を電着形成する電着法、転写ベースシートの表面に予め形成した隔壁層を基板上に転写させる転写法等が挙げられる。
溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性レジストを用いるフォトリソグラフィー法は、基板上に、スピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により隔壁用レジストを塗布し、次いでフォトマスクを介して紫外線露光を行い、未露光部を溶剤またはアルカリ現像液で洗い流して所望のパターンを形成して隔壁を形成する方法である。この方法によれば、上記印刷法より精度の高い隔壁を形成できる。
画素は、画素形成用基板の隔壁で区分された領域内に、インクジェット法により水性または油性のインキを充填することにより形成する。
インキは、主に着色成分とバインダー樹脂成分と溶剤成分とを含む。水性のインキは、溶剤が水および必要に応じて水溶性有機溶剤からなり、バインダー樹脂成分として水溶性または水分散性樹脂を含有し、必要に応じて各種助剤を含有する。また、油性のインキは、溶剤が有機溶剤であり、バインダー樹脂成分として有機溶剤に可溶な樹脂を含有し、必要に応じて各種助剤を含有する。着色成分としては、耐熱性、耐光性などに優れた顔料および染料を用いることが好ましい。バインダー樹脂成分としては、透明で耐熱性に優れた樹脂が好ましく、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、これに限定されるものでない。
(IPDIアダクトの合成)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)222部を窒素気流中1Lの4つ口フラスコ内で80℃に加熱後、2-ヒドロキシエチルアクリレート116部およびハイドロキノン0.13部を2時間かけて滴下し、次いで80℃で3時間反応させて、液状のイソシアネート基1個とビニル基1個を有する化合物(IPDIアダクト 分子量338)を得た。
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート20部、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート40部、ブチル(メタ)アクリレート40部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、IPDIアダクト104部(イソシアネート基の数と、ヒドロキシル基の数が等しくなる割合)、オクチル酸錫1部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後80℃で2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A1溶液を得た。重合体A1の重量平均分子量は約20,000であった。
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート30部、1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート(商品名:M−5610 ダイキン化成品販売株式会社製)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート5部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、IPDIアダクト5.2部、オクチル酸錫1部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A2溶液を得た。重合体A2の重量平均分子量は約18,000であった。
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート0.1部、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート40部、ブチル(メタ)アクリレート59.9部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、IPDIアダクト41.6部、オクチル酸錫2部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A3溶液を得た。重合体A3の重量平均分子量は約22,000であった。
1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート10部、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート30部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート60部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート28.2部、オクチル酸錫1部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A4溶液を得た。重合体A4の重量平均分子量は約23,000であった。
1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート30部、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート30部、グリシジル(メタ)アクリレート40部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行った。次いで、アクリル酸20.3部、テトラアンモニウムブロマイド0.3部をメチルエチルケトン(MEK)20部で溶解したものを約10分で滴下し、滴下後2時間反応させた。
この溶液に不揮発分が10%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体A5溶液を得た。重合体A5の重量平均分子量は約17,000であった。
反応容器にシクロヘキサノン250部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン24部、メタクリル酸24部、メタクリル酸メチル26部、メタクリル酸ブチル26部、およびアゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を1時間かけて滴下し、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル0.6部をシクロヘキサノン30部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて重合を行った。この溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加して、重合体C溶液を得た。重合体Cの重量平均分子量は約40,000であった。
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレートをシクロヘキサノンに溶解し、濃度が2%のフッ素化合物D1溶液を得た。
(フッ素化合物D2溶液の調整)
1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートをシクロヘキサノンに溶解し、濃度が2%のフッ素化合物D2溶液を得た。
カーボンブラック(デグサ社製「Pritex75」)7.5部、分散剤0.5部、重合体C溶液27.0部、およびシクロヘキサノン32.0部を均一に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、黒色分散体を調整した。得られた黒色分散体に、重合体A1溶液2.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)5.4部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部、 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部、およびシクロヘキサノン24.6部の混合物を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚は1.0μmになるように、得られたアルカリ現像型黒色感光性レジストを塗布し、70℃で20分乾燥した。
次いで、超高圧水銀ランプを用いて、マスクフィルムを介してレジスト塗布面側から光量200mJの紫外線を照射したのち、この塗布基板を2%の炭酸ナトリウム水溶液に約20秒浸漬して現像を行ったところ、現像ムラのない100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまで溶剤型カラーフィルタ用顔料インキ(表面張力30mN/m)の吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は良好であり、滲み、はみ出しによる混色は見られなかった。また、塗膜欠陥もみられなかった。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキは少なかった。
重合体C溶液71.5部、重合体A1溶液2.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)9.5部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部、 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部およびシクロヘキサノン16部を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型無色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、現像ムラのない100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は良好であり、滲み、はみ出しによる混色は見られなかった。また、塗膜欠陥もみられなかった。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキは少なかった。
カーボンブラック(デグサ社製「Pritex75」)7.5部、分散剤0.5部、重合体C溶液24.5部、およびシクロヘキサノン32.0部を均一に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、黒色分散体を調整した。得られた黒色分散体に、重合体A4溶液2.0部、架橋剤(和光純薬工業社製「ヘキサメチレングリコール」)0.8部、架橋触媒(日本化学産業社製「オクチル酸錫」)0.2部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)4.9部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部、およびシクロヘキサノン26.6部を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、現像ムラのない100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は良好であり、滲み、はみ出しによる混色は見られなかった。また、塗膜欠陥もみられなかった。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキは少なかった。
カーボンブラック(デグサ社製「Pritex75」)7.5部、分散剤0.5部、重合体C溶液27.0部、およびシクロヘキサノン32.0部を均一に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、黒色分散体を調整した。得られた黒色分散体に、重合体A5溶液2.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)5.4部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部、およびシクロヘキサノン24.6部を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、現像ムラのない100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は良好であり、滲み、はみ出しによる混色は見られなかった。また、塗膜欠陥もみられなかった。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキは少なかった。
実施例4と同様黒色分散体に、重合体A2溶液3.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)5.3部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部、およびシクロヘキサノン23.7部を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、僅かに現像ムラやパターン不良個所が見られたものの100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は良好であり、滲み、はみ出しによる混色は見られなかったが、隔壁底面で撥インキ剤のブリードが原因と見られるインキハジキがみられた。基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキは少なかった。
カーボンブラック(デグサ社製「Pritex75」)7.5部、分散剤0.5部、重合体C溶液21.0部、およびシクロヘキサノン32.0部を均一に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、黒色分散体を調整した。得られた黒色分散体に、重合体A3溶液26.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)4.2部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部、およびシクロヘキサノン7.8部を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、現像ムラのない100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性があり、1色目のインキを吐出した際には滲み、はみ出しは見られなかったが、2色目以降のインキを吐出した際に滲み、はみ出しによる混色がわずかに見られた。しかし、塗膜欠陥はみられなかった。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキは少なかった。
実施例4と同様の黒色分散体に、フッ素化合物D1溶液1.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)5.6部、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.6部 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部、およびシクロヘキサノン25.4部の混合物を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、現像ムラのない100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は不十分であり、はみ出しによる混色が見られた。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキが多かった。
フッ素化合物D1溶液をフッ素化合物D2溶液に変えた以外は、比較例2と同様にしてアルカリ現像型黒色感光性レジスト(隔壁用組成物)を作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に得られた感光性レジストを塗布し、乾燥、露光および現像を行ったところ、現像ムラやパターン不良個所が見られる100μm×100μmの隔壁が形成できた。この後、180℃で1時間加熱して、画素形成用基板を作成した。
得られた画素形成用基板の隔壁で区分された領域内(凸部に囲まれた凹部)に、実施例1と同様にしてインキの吐出を行い、赤、緑、青の微細なフィルタセグメントのパターンからなるカラーフィルタを作成した。このようにして作成されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隔壁の撥インキ性は不十分であり、はみ出しによる混色が見られた。さらに基板内および基板間の撥インキ性能のバラツキが多かった。
Claims (7)
- エチレン性不飽和二重結合およびフルオロアルキル基を有するビニル重合体を含むことを特徴とする隔壁用組成物。
- ビニル重合体が、エチレン性不飽和二重結合およびフルオロアルキル基を有する単量体(a)1〜90重量%と、エチレン性不飽和二重結合および反応性官能基を有する(a)以外の単量体(b)10〜90重量%と、(a)および(b)以外のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%との重合体(A)に、前記反応性官能基と反応可能な官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(B)を反応させてなる重合体であることを特徴とする請求項1記載の隔壁用組成物。
- 単量体(a)の含有量が、隔壁用組成物の不揮発分重量を基準として0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の隔壁用組成物。
- さらに、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の隔壁用組成物。
- さらに、光開始剤を含むことを特徴とする請求項4記載の隔壁用組成物。
- 基材上に、請求項1ないし5いずれか1項に記載の隔壁用組成物により形成された隔壁を有する画素形成用基板。
- 請求項6記載の画素形成用基板の隔壁で区分された領域内に、インクジェット法によりインキを充填して画素を形成することを特徴とする画素の形成方法。
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