JP6561533B2 - 感光性着色組成物、硬化物、着色スペーサー、画像表示装置 - Google Patents

感光性着色組成物、硬化物、着色スペーサー、画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、着色スペーサー形成用の感光性着色組成物等に関する。詳しくは、例えば液晶ディスプレイ等のカラーフィルターにおいて着色スペーサー等の形成に好ましく用いられる感光性着色組成物、この感光性着色組成物を硬化して得られる硬化物及び着色スペーサー、この着色スペーサーを備える画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)は液晶への電圧のオン・オフにより液晶分子の並び方が切り替わる性質を利用している。一方、LCDのセルを構成する各部材は、フォトリソグラフィーに代表される、感光性組成物を利用した方法によって形成されるものが多い。微細な構造を形成し易い、大画面用の基板に対しての処理がし易いといった理由からも、今後さらに感光性組成物の適用範囲は広がる傾向にある。
しかしながら、感光性組成物を用いたLCDでは、感光性組成物自体の電気特性や、感光性組成物中に含まれる不純物の影響で、液晶にかかる電圧が保持されず、これによってディスプレイの表示ムラといった問題が発生する。特に、カラー液晶ディスプレイにおいて液晶層により近い部材、例えば、液晶パネルにおける2枚の基板の間隔を一定に保つために使用されている柱状スペーサー、フォトスペーサーなどではその影響は大きい。
従来、遮光性を有さないスペーサーをTFT型LCDに使用する場合、スペーサーを透過してくる光によりスイッチング素子としてのTFTが誤作動を起こすことがあった。これを防止するため、例えば、特許文献1には、遮光性を有するスペーサー(着色スペーサー)を用いる方法が記載されている。
近年、パネル構造及び製造工程の簡便化に伴い、スペーサーとブラックマトリクスを一体化した着色スペーサーも開発されている。この様な構造を形成する方法として、フォトリソグラフィー法により高さの異なる着色スペーサーを一括形成する方法が提案されている。例えば特許文献2には、光吸収特性の異なる特定の顔料種を複数組み合わせることで、紫外領域と可視領域の光吸収のバランスを確保することで、遮光性と液晶の電圧保持率を維持しつつ、形状や段差をコントロールすると共に、基板との高い密着性を実現できることが開示されている。
ブラックマトリクスの機能を果たすためには、着色スペーサーには、遮光性を更に高くする要求がある。遮光性を高くする方法としては、遮光性の高いカーボンブラックを用いる方法や、感光性着色組成物中の顔料含有割合を高くする方法などが挙げられる。例えば特許文献3には、カーボンブラックと、酸価の異なる複数種のバインダー樹脂とを併用することにより高さの異なる着色スペーサーの遮光性と段差をコントロールすることが開示されている。
他方、特許文献4には、ブラックマトリクスレジスト用途において、線状パターンの直線性、表面粗度等の悪化抑制の目的で、黒色顔料及び粒状シリカ粒子を用いることが記載されている。
特開平8−234212号公報 国際公開第2013/115268号パンフレット 特表2014−534460号公報 特開2008−304583号公報
本発明者らが検討したところ、顔料濃度を高くするなどして着色スペーサーの遮光性を更に高くしたところ、膜表面近傍と膜底部近傍の架橋密度差が大きくなり、スペーサーのドットパターン表面において、熱硬化過程の熱収縮により、その輪郭部に対して中心部が窪み、スペーサーの圧縮特性が悪化する傾向が見出された。
他方、特許文献4には、ブラックマトリクス用感光性着色組成物において線状パターンの直線性や表面粗度等の悪化抑制の目的で粒状シリカ粒子を用いることが記載されているが、着色スペーサー形成用の感光性着色組成物に用いることについては記載も示唆もされておらず、着色スペーサー形成用の感光性着色組成物として用いた場合にどのように作用するかは不明である。
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、遮光性が高く、表面中心部における窪みの発生を抑制し、圧縮特性が良好となる着色スペーサーを形成可能な、感光性着色組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、着色スペーサー形成用の感光性着色組成物において、着色剤として黒色顔料を含み、かつ、特定の屈折率を有する粒子を含むことで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[11]の構成を有する。
[1] (a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)エチレン性不飽和化合物、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する、着色スペーサー形成用感光性着色組成物であって、
(a)着色剤が、少なくとも(a−1)黒色顔料を含み、
さらに前記組成物中に(g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子を含むことを特徴とする着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[2] (g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子がシリカ粒子である、[1]に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[3] (a−1)黒色顔料がカーボンブラックを含む、[1]又は[2]に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[4] (a−1)黒色顔料100質量部に対して、(g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子を10質量部以上含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[5] (a)着色剤が、さらに(a−2)着色顔料を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[6] (a)着色剤の含有割合が全固形分に対して60質量%以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[7] 硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度が1.0以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[8] 形成した着色スペーサーの表面の輪郭部の高さと、該着色スペーサーの表面の中心部の高さの差が0.2μm以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[9] 形成した着色スペーサーの弾性復元率が70%以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[10] フォトリソグラフィー法により高さの異なる着色スペーサーを一括形成するために用いる、[1]〜[9]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物を硬化して得られる硬化物。
[12] [11]に記載の硬化物から形成される着色スペーサー。
[13] [12]に記載の着色スペーサーを備える画像表示装置。
本発明によれば、遮光性が高く、表面中心部における窪みの発生を抑制し、圧縮特性が良好となる着色スペーサーを形成可能な、感光性着色組成物を提供することができ、さらにこのような着色スペーサーを備える画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味し、「酸(無水物)」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。また、本発明において「アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体を意味する。
また、本発明において「モノマー」とは、いわゆる高分子物質(ポリマー)に相対する用語であり、狭義の単量体(モノマー)の外に、二量体、三量体、オリゴマー等も含む意味である。
本発明において「全固形分」とは、感光性着色組成物中又は後述するインク中に含まれる、溶剤以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。なお、測定方法については後述する。一方、「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定により算出される。
また、本明細書において、「質量」で表される百分率や部は「重量」で表される百分率や部と同義である。
[着色スペーサー形成用感光性着色組成物]
本発明の着色スペーサー形成用感光性着色組成物は、
(a)着色剤
(b)アルカリ可溶性樹脂
(c)光重合開始剤
(d)エチレン性不飽和化合物
(e)溶剤
(f)分散剤
を必須成分として含有し、必要に応じて、更にシランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等、その他の配合成分を含むものであり、通常、各配合成分が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
<(a)着色剤>
本発明で用いる(a)着色剤は、少なくとも(a−1)黒色顔料を含む。このように、着色剤として黒色顔料を含むことで、遮光性を確保できる傾向がある。
黒色顔料は、無機顔料を用いてもよく、有機顔料を用いてもよいが、遮光性の観点からは無機顔料が好ましく、他方、液晶の電圧保持率の低下を抑制し、また、紫外線の吸収を抑制して形状や段差をコントロールしやすくするとの観点からは、有機顔料を用いることが好ましい。
無機黒色顔料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、チタンブラック、等が挙げられる。これらの中でも、遮光性、画像特性の観点からカーボンブラックを好ましく用いることができる。カーボンブラックの例としては、以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
三菱化学社製:MA7、MA8、MA11、MA77、MA100、MA100R、MA100S、MA220、MA230、MA600、MCF88、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#900、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#2650、#3030、#3050、#3150、#3250、#3400、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B
デグサ社製:Printex(登録商標、以下同じ。)3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch(登録商標、以下同じ。)120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL(登録商標、以下同じ。)99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN(登録商標、以下同じ。) XC72R、ELFTEX(登録商標)−8
コロンビヤン カーボン社製:RAVEN(登録商標、以下同じ。)11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
カーボンブラックは、樹脂で被覆されたものを使用しても構わない。樹脂で被覆されたカーボンブラックを使用すると、ガラス基板への密着性や体積抵抗値を向上させる効果がある。樹脂で被覆されたカーボンブラックとしては、例えば特開平09−71733号公報に記載されているカーボンブラック等が好適に使用できる。体積抵抗や誘電率の点で、樹脂被覆カーボンブラックが好適に用いられる。
樹脂による被覆処理に供するカーボンブラックとしては、NaとCaの合計含有量が100ppm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常、製造時の原料油や燃焼油(又はガス)、反応停止水や造粒水、更には反応炉の炉材等から混入したNaや、Ca,K,Mg,Al,Fe等を組成とする灰分がパーセントのオーダーで含有されている。この内、NaやCaは、各々数百ppm以上含有されているのが一般的であるが、これらを少なくすることで、透明電極(ITO)やその他の電極への浸透を抑制して、電気的短絡を防止できる傾向がある。
これらのNaやCaを含む灰分の含有量を低減する方法としては、カーボンブラックを製造する際の原料油や燃料油(又はガス)並びに反応停止水として、これらの含有量が極力少ない物を厳選すること及びストラクチャーを調整するアルカリ物質の添加量を極力少なくすることにより可能である。他の方法としては、炉から製出したカーボンブラックを水や塩酸等で洗いNaやCaを溶解し除去する方法が挙げられる。
具体的にはカーボンブラックを水、塩酸、又は過酸化水素水に混合分散させた後、水に難溶の溶媒を添加していくとカーボンブラックは溶媒側に移行し、水と完全に分離すると共にカーボンブラック中に存在した殆どのNaやCaは、水や酸に溶解、除去される。NaとCaの合計量を100ppm以下に低減するためには、原材料を厳選したカーボンブラック製造過程単独或は水や酸溶解方式単独でも可能な場合もあるが、この両方式を併用することにより更に容易にNaとCaの合計量を100ppm以下とすることができる。
また樹脂被覆カーボンブラックは、pH6以下のいわゆる酸性カーボンブラックであることが好ましい。水中での分散径(アグロミレート径)が小さくなるので、微細ユニットまでの被覆が可能となり好適である。さらに平均粒子径40nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸収量140ml/100g以下であることが好ましい。前記範囲内とすることで、遮光性の良好な塗膜が得られる傾向がある。平均粒子径は数平均粒子径を意味し、電子顕微鏡観察により数万倍で撮影された写真を数視野撮影し、これらの写真の粒子を画像処理装置により2000〜3000個程度計測する粒子画像解析により求められる円相当径を意味する。
樹脂で被覆されたカーボンブラックを調製する方法には特に限定がないが、たとえばカーボンブラック及び樹脂の配合量を適宜調整した後、1.樹脂とシクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの溶剤とを混合して加熱溶解させた樹脂溶液と、カーボンブラック及び水を混合した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを分離させた後、水を除去して加熱混練して得られた組成物をシート状に成形し、粉砕した後、乾燥させる方法;2.前記と同様にして調製した樹脂溶液と懸濁液とを混合撹拌してカーボンブラック及び樹脂を粒状化した後、得られた粒状物を分離、加熱して残存する溶剤及び水を除去する方法;3.前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラックを得た後、これに樹脂を添加してドライブレンドする方法;4.被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノマー成分と水とを高速撹拌して懸濁液を調製し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂を得た後、これにカーボンブラックを添加して混練し、カーボンブラックと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフトさせ)、冷却及び粉砕する方法などを採用することができる。
被覆処理する樹脂の種類も特に限定されるものではないが、合成樹脂が一般的であり、さらに構造の中にベンゼン環を有する樹脂の方が両性系界面活性剤的な働きがより強いため分散性及び分散安定性の点から好ましい。
具体的な合成樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1〜30質量%が好ましく、前記下限値以上とすることで被覆を十分なものとすることができる傾向がある。一方、前記上限値以下とすることで、樹脂同士の粘着を防ぎ、分散性が良好なものとすることができる傾向がある。
このようにして樹脂で被覆処理してなるカーボンブラックは、常法に従い着色スペーサーの遮光材として用いることができ、この着色スペーサーを構成要素とするカラーフィルターを常法により作成することができる。このようなカーボンブラックを用いると、高遮光率でかつ表面反射率が低い着色スペーサーが低コストで達成できる傾向がある。また、カーボンブラック表面を樹脂で被覆したことにより、CaやNaをカーボンブラック中に封じ込める働きもあることも推測される。
有機黒色顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、シアニンブラック、下記一般式(1)で表される化合物、その幾何異性体、その塩、又はその幾何異性体の塩である有機黒色顔料(以下、「一般式(1)で表される有機黒色顔料」と略記する場合がある。)が挙げられ、これらの中でも、低誘電率かつ高遮光率の実現との観点からは、一般式(1)で表される有機黒色顔料が好ましい。
Figure 0006561533
式(1)中、R1及びR6は互いに独立して水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子である;
2、R3、R4、R5、R7、R8、R9及びR10は他の全てから互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR1112、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR1112、NO2、NH2、NHR11、NR1112、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR1112、SH、SR11、SOR11、SO211、SO311、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11又はSO2NR1112である;
且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
11及びR12は互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基又は炭素数2〜12のアルキニル基である。
一般式(1)で表される化合物の幾何異性体は、以下のコア構造を有し(ただし、構造式中の置換基は省略している)、トランス−トランス異性体が恐らく最も安定である。
Figure 0006561533
一般式(1)で表される化合物がアニオン性である場合、その電荷を任意の公知の適したカチオン、例えば金属、有機、無機又は金属有機カチオン、具体的にはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、一級アンモニウム、二級アンモニウム、トリアルキルアンモニウムなどの三級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどの四級アンモニウム又は有機金属錯体によって補償した塩であることが好ましい。また、一般式(1)で表される化合物の幾何異性体がアニオン性である場合、同様の塩であることが好ましい。
一般式(1)の置換基及びそれらの定義においては、遮蔽率が高くなる傾向があることから、以下が好ましい。これは、以下の置換基は吸収がなく、顔料の色相に影響しないと考えられるからである。
2、R4、R5、R7、R9及びR10は互いに独立して好ましくは水素原子、フッ素原子、又は塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子である。
3及びR8は互いに独立して好ましくは水素原子、NO2、OCH3、OC25、臭素原子、塩素原子、CH3、C25、N(CH32、N(CH3)(C25)、N(C252、α−ナフチル、β−ナフチル、SO3H又はSO3 -であり、さらに好ましくは水素原子又はSO3Hである。
1及びR6は互いに独立して好ましくは水素原子、CH3又はCF3であり、さらに好ましくは水素原子である。
好ましくは、R1とR6、R2とR7、R3とR8、R4とR9、及びR5とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせが同一であり、より好ましくは、R1はR6と同一であり、R2はR7と同一であり、R3はR8と同一であり、R4はR9と同一であり、かつ、R5はR10と同一である。
炭素数1〜12のアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基又はドデシル基である。
炭素数3〜12のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、トリメチルシクロヘキシル基、ツジル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルカリル基、カリル基、メンチル基、ノルピニル基、ピニル基、1−アダマンチル基又は2−アダマンチル基である。
炭素数2〜12のアルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1,3−ブタジエン−2−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、2−メンチル−1−ブテン−3−イル基、2−メチル−3−ブテン−2−イル基、3−メチル−2−ブテン−1−イル基、1,4−ペンタジエン−3−イル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基又はドデセニル基である。
炭素数3〜12のシクロアルケニル基は、例えば、2−シクロブテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル基、1−p−メンテン−8−イル基、4(10)−ツジェン−10−イル基、2−ノルボルネン−1−イル基、2,5−ノルボルナジエン−1−イル基、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル基又はカンフェニル基である。
炭素数2〜12のアルキニル基は、例えば、1−プロピン−3−イル基、1−ブチン−4−イル基、1−ペンチン−5−イル基、2−メチル−3−ブチン−2−イル基、1,4−ペンタジイン−3−イル基、1,3−ペンタジイン−5−イル基、1−ヘキシン−6−イル基、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル基、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル基、1,3−ヘキサジイン−5−イル基、1−オクチン−8−イル基、1−ノニン−9−イル基、1−デシン−10−イル基又は1−ドデシン−12−イル基である。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
前記一般式(1)で表される有機黒色顔料は、好ましくは下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 0006561533
このような有機黒色顔料の具体例としては、商品名で、Irgaphor(登録商標) Black S 0100 CF(BASF社製)が挙げられる。
この有機黒色顔料は、好ましくは後述される分散剤、溶剤、方法によって分散して使用される。また、分散の際に前記一般式(2)のスルホン酸誘導体が存在すると、分散性や保存性が向上する場合がある。
本発明で用いる(a)着色剤は、(a−1)黒色顔料以外に、さらに(a−2)着色顔料を含有していてもよい。(a−2)着色顔料は、有機顔料であっても無機顔料であってもよいが、液晶の電圧保持率低下を抑制し、また、紫外線の吸収を抑制して形状や段差をコントロールしやすくするとの観点からは、有機顔料を用いることがより好ましい。
これらの顔料の化学構造は特に限定されないが、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料の他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントレッド177、254、272を用いることが好ましく、本発明の感光性着色組成物を紫外線で硬化させる場合には、赤色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントレッド254、272を用いることがより好ましい。
橙色(オレンジ)顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38、71を挙げることができる。なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントオレンジ43、64,72を用いることが好ましく、本発明の感光性着色組成物を紫外線で硬化させる場合には、オレンジ顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントオレンジ64、72を用いることがより好ましい。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントブルー15:6、16、60を用いることが好ましく、本発明の感光性着色組成物を紫外線で硬化させる場合には、青色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントブルー60を用いることがより好ましい。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントバイオレット23、29を用いることが好ましく、本発明の感光性着色組成物を紫外線で硬化させる場合には、紫色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントバイオレット29を用いることがより好ましい。
赤色顔料、橙色顔料、青色顔料、紫色顔料の他に用いることができる有機着色顔料としては例えば、緑色顔料、黄色顔料などを挙げることができる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
これらの顔料の中でも、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の組み合わせを用いることが好ましい。このように、特定の顔料の組み合わせを用いることで、高遮光性を達成することができる傾向がある。
これらの中でも、遮光性や、形状及び段差のコントロールの観点からは、以下の顔料のうち少なくとも1種以上を含有するものとすることが好ましい。
赤色顔料:カラーインデックスピグメントレッド177、254、272
橙色顔料:カラーインデックスピグメントオレンジ43、64、72
青色顔料:カラーインデックスピグメントブルー15:6、60
紫色顔料:カラーインデックスピグメントバイオレット23、29
なお、色の組み合わせについては特に限定されないが、遮光性の観点からは例えば、赤色顔料と青色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料と紫色顔料の組み合わせなどが挙げられる。
赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の中でも、遮光性の観点から橙色顔料を用いることが好ましく、C.I.ピグメントオレンジ43、64、及び72からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、C.I.ピグメントオレンジ64を用いることがさらに好ましい。
また、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の中でも、遮光性の観点から、少なくとも青色顔料を用いることが好ましく、青色顔料と紫色顔料を併用して用いることがより好ましい。この場合の青色顔料としては、遮光性の観点から、C.I.ピグメントブルー15:6及び60からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、C.I.ピグメントブルー60がより好ましい。また、この場合の紫色顔料としては、遮光性の観点から、C.I.ピグメントバイオレット23及び29からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、C.I.ピグメントバイオレット29が好ましい。
特に、前記(a−1)黒色顔料としてカーボンブラックを用いる場合には、カーボンブラックは赤色顔料や橙色顔料の吸収波長域にも吸収波長域を有するため、カーボンブラックと、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種とを併用することが好ましい。
また、上述の黒色顔料、着色顔料の他に、染料を使用してもよい。色材として使用できる染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
これらの顔料は、平均粒子径が通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.25μm以下となるよう、分散して用いることが好ましい。ここで平均粒子径の基準は顔料粒子の数である。
なお、本発明において、顔料の平均粒子径は、動的光散乱(DLS)により測定された顔料粒子径から求めた値である。粒子径測定は、十分に希釈された感光性着色組成物(通常は希釈して、顔料濃度0.005〜0.2質量%程度に調製。但し測定機器により推奨された濃度があれば、その濃度に従う)に対して行い、25℃にて測定する。
<(b)アルカリ可溶性樹脂>
本発明で用いる(b)アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はなく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂等が挙げられるが、中でもエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これらは1種を単独で、或いは複数種を混合して使用することができる。
本発明で用いる(b)アルカリ可溶性樹脂としては、特に下記アルカリ可溶性樹脂(b1)及び/又はアルカリ可溶性樹脂(b2)(以下「カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂」と称す場合がある。)が優れた製版性という観点から好適に用いられる。
<アルカリ可溶性樹脂(b1)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
<アルカリ可溶性樹脂(b2)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
原料となるエポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、三菱化学社製の「エピコート(登録商標。以下同じ。)828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ(例えば、日本化薬社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(例えば、三菱化学社製の「エピコート807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004等」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、三菱化学社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−201」、三菱化学社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル社製の「DEN−438」)、(o,m,p−)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN(登録商標。以下同じ。)−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC(登録商標)」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN(登録商標。以下同じ。)−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイド(登録商標。以下同じ。)EHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、DIC社製の「EXA−7200」、日本化薬社製の「NC−7300」)、下記一般式(B1)〜(B4)で表されるエポキシ樹脂、等を好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(B1)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「XD−1000」、下記一般式(B2)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「NC−3000」、下記一般式(B4)で表されるエポキシ樹脂として新日鉄住金化学社製の「ESF−300」等が挙げられる。
Figure 0006561533
上記一般式(B1)において、aは平均値を示し0〜10の数を示す。R111は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基のいずれかを表す。なお、1分子中に存在する複数のR111は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0006561533
上記一般式(B2)において、bは平均値を示し0〜10の数を示す。R121は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基のいずれかを表す。なお、1分子中に存在する複数のR121は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0006561533
上記一般式(B3)において、Xは下記一般式(B3−1)又は(B3−2)で表される連結基を示す。但し、分子構造中に1つ以上のアダマンタン構造を含む。cは2又は3の整数を示す。
Figure 0006561533
Figure 0006561533
上記一般式(B3−1)及び(B3−2)において、R131〜R134及びR135〜R137は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。*は結合手を示す。
Figure 0006561533
上記一般式(B4)において、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R141及びR142はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表す。R143及びR144はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基を表す。x及びyはそれぞれ独立して0以上の整数を表す。
これらの中で、一般式(B1)〜(B4)のいずれかで表されるエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−又はp−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノカルボン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸(メタ)、アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体、或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートに(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸(無水物)を付加させた単量体、(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させる方法としては、公知の手法を用いることができる。例えば、エステル化触媒の存在下、50〜150℃の温度で、α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとエポキシ樹脂とを反応させることができる。ここで用いるエステル化触媒としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
なお、エポキシ樹脂、α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステル、及びエステル化触媒は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸及び/又はその無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
多塩基酸及び/又はその無水物としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、及びこれらの無水物等から選ばれた、1種又は2種以上が挙げられる。
好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、又はこれらの無水物である。特に好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、無水テトラヒドロフタル酸、又はビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応に関しても公知の手法を用いることができ、エポキシ樹脂へのα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの付加反応と同様な条件下で、継続反応させて目的物を得ることができる。多塩基酸及び/又はその無水物成分の付加量は、生成するカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましく、さらに20〜140mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ現像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで硬化性能が良好となる傾向がある。
なお、この多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応時に、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールを添加し、多分岐構造を導入したものとしてもよい。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、通常、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物を混合した後、もしくは、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物及び多官能アルコールを混合した後に、加温することにより得られる。この場合、多塩基酸及び/又はその無水物と多官能アルコールの混合順序に、特に制限はない。加温により、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物と多官能アルコールとの混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して多塩基酸及び/又はその無水物が付加反応する。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は通常1000以上、好ましくは1500以上であり、通常10000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは6000以下である。この重量平均分子量が小さいと、現像液に対する溶解性が高く、大きすぎると現像液に対する溶解性が低い。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
また、前述のカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の一部を、他のバインダー樹脂に置き換えて用いてもよい。即ち、カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と他のバインダー樹脂を併用してもよい。この場合において、(b)アルカリ可溶性樹脂におけるカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の割合を、50質量%以上、特に80質量%以上とすることが好ましい。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と併用しうる他のバインダー樹脂に制限は無く、感光性着色組成物に通常使用される樹脂から選択すればよい。例えば、特開2007−271727号公報、特開2007−316620号公報、特開2007−334290号公報などに記載のバインダー樹脂などが挙げられる。なお、他のバインダー樹脂はいずれも、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、(b)アルカリ可溶性樹脂として、顔料や分散剤等との相溶性の観点から、アクリル系樹脂を用いることが好ましく、特開2014−137466号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸の如き不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、不飽和単量体(b2)としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き(メタ)アクリル酸エステル;
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如きビニルエーテル;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた感光性着色組成物を得ることができる傾向がある。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
<(c)光重合開始剤>
(c)光重合開始剤は、光を直接吸収し、分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。必要に応じて重合促進剤(連鎖移動剤)、増感色素等の付加剤を添加して使用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000−56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体;特開平10−39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体;特開2000−80068号公報、特開2006−36750号公報等に記載されているオキシムエステル誘導体等が挙げられる。
具体的には、例えば、チタノセン誘導体類としては、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,4−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウム〔2,6−ジ−フルオロ−3−(ピロ−1−イル)−フェニ−1−イル〕等が挙げられる。
また、ビイミダゾール誘導体類としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
また、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体類としては、2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−(6”−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類としては、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
また、α−アミノアルキルフェノン誘導体類としては、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、特に、感度や製版性の点でオキシムエステル系化合物が有効であり、フェノール性水酸基を含むアルカリ可溶性樹脂を用いる場合などは、感度の点で不利になるため、特にこのような感度に優れたオキシムエステル系化合物が有用である。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、国際公開第2008/075564号公報に記載のもの、国際公開第2009/131189号公報に記載のもの、特開2011−132215号公報に記載のもの、特表2014−500852号公報に記載のものなどが挙げられる。
光重合開始剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
光重合開始剤には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素、重合促進剤を配合させることができる。増感色素としては、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。このうち最も好ましいものは、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合促進剤としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル等の芳香族アミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン等の脂肪族アミン、後述するメルカプト化合物等が用いられる。重合促進剤は、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(d)エチレン性不飽和化合物>
本発明の感光性着色組成物は、(d)エチレン性不飽和化合物を含む。(d)エチレン性不飽和化合物を含むことで、感度が向上する。
本発明に用いられるエチレン性不飽和化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物である。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、及びエチレン性不飽和結合を1個有するカルボン酸と、多価又は1価アルコールのモノエステル、等が挙げられる。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和基を二個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性不飽和基の数は特に限定されないが、通常2以上であり、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上であり、また、好ましくは8以下であり、より好ましくは7以下である。前記下限値以上とすることで高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで溶媒への溶解性が向上する傾向がある。
多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
多塩基性カルボン酸及び不飽和カルボン酸と、多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル又はポリイソシアネート化合物とポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られるようなウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、DPHA−40H、UX−5000、UX−5002D−P20、UX−5003D、UX−5005(日本化薬社製)、U−2PPA、U−6LPA、U−10PA、U−33H、UA−53H、UA−32P、UA−1100H(新中村化学工業社製)、UA−306H、UA−510H、UF−8001G(協栄社化学社製)、UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7630B、UV7640B(日本合成化学社製)等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性の観点から(d)エチレン性不飽和化合物として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いることがより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(e)溶剤>
本発明の感光性着色組成物は、(e)溶剤を含む。(e)溶剤を含むことで、顔料を溶剤中に分散でき、また、塗布が容易となる。
本発明の感光性着色組成物は、通常、(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)エチレン性不飽和化合物、(f)分散剤、及び必要に応じて使用されるその他の各種材料が、(e)溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。溶剤の中でも、分散性や塗布性の観点から有機溶剤が好ましい。
有機溶剤の中でも、塗布性の観点から沸点が100〜300℃の範囲のものを選択するのが好ましく、沸点が120〜280℃の範囲のものを選択するのがより好ましい。なお、ここでいう沸点は、圧力1013.25hPaにおける沸点を意味する。
このような有機溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロリド、アミルクロリドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等。
上記に該当する市販の有機溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ(「セロソルブ」は登録商標、以下同じ。)、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィー法にて着色スペーサーを形成する場合、有機溶剤としては沸点が100〜200℃(圧力1013.25hPa条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点を持つものである。
上記有機溶剤のうち、塗布性、表面張力などのバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の有機溶剤を併用してもよい。併用する有機溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる着色樹脂組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ有機溶剤(以下「高沸点溶剤」と称す場合がある。)を併用することも好ましい。このような高沸点溶剤を併用することにより、感光性着色組成物は乾きにくくなるが、組成物中における顔料の均一な分散状態が、急激な乾燥により破壊されることを防止する効果がある。すなわち、例えばスリットノズル先端における、色材などの析出・固化による異物欠陥の発生を防止する効果がある。このような効果が高い点から、上述の各種溶剤の中でも、特にジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
有機溶剤中の高沸点溶剤の含有割合は、3質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、5質量%〜30質量%が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、例えばスリットノズル先端で色材などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こすのを抑制できる傾向があり、また前記上限値以下とすることで組成物の乾燥温度が遅くなるのを抑制し、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を抑制できる傾向がある
なお、沸点150℃以上の高沸点溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であってもよく、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の高沸点溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
<(f)分散剤>
本発明の感光性着色組成物においては、(a)着色剤を微細に分散させ、且つその分散状態を安定化させることが品質の安定性確保には重要なため、(f)分散剤を含む。
(f)分散剤としては、官能基を有する高分子分散剤が好ましく、更に、分散安定性の面からカルボキシル基;リン酸基;スルホン酸基;又はこれらの塩基;一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の官能基を有する高分子分散剤が好ましい。中でも特に、一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の塩基性官能基を有する高分子分散剤が顔料を分散する際に少量の分散剤で分散することができるとの観点から特に好ましい。
また、高分子分散剤としては、例えばウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標。BASF社製。)、DISPERBYK(登録商標。ビックケミー社製。)、ディスパロン(登録商標。楠本化成社製。)、SOLSPERSE(登録商標。ルーブリゾール社製。)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(登録商標。味の素社製。)等を挙げることができる。
これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常700以上、好ましくは1000以上であり、また通常100000以下、好ましくは50000以下である。
これらの内、顔料の分散性の観点から、(f)分散剤は官能基を有するウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことが好ましく、アクリル系高分子分散剤を含むことが特に好ましい。
また分散性、保存性の面から、塩基性官能基を有し、ポリエステル結合及び/又はポリエーテル結合を有する高分子分散剤が好ましい。
ウレタン系及びアクリル系高分子分散剤としては、例えばDISPERBYK160〜166、182シリーズ(いずれもウレタン系)、DISPERBYK2000、2001、LPN21116等(いずれもアクリル系)(以上すべてビックケミー社製)が挙げられる。
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1000〜200000の分散樹脂等が挙げられる。これらをベンジルクロリド等の四級化剤で処理することで、3級アミノ基の全部又は一部を4級アンモニウム塩基にすることができる。
上記のポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの三量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトンである。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10000、好ましくは500〜6000、更に好ましくは1000〜4000である。
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されないが、例えば炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的にはイミダゾール環又はトリアゾール環、などが挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環構造である場合の該含窒素ヘテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等の含窒素ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環のうち好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系高分子分散剤を製造する際の原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100質量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物が10〜200質量部、好ましくは20〜190質量部、更に好ましくは30〜180質量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2〜25質量部、好ましくは0.3〜24質量部である。
ウレタン系高分子分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記製造に際して、通常、ウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1〜100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5〜95mgKOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表した値である。アミン価が上記範囲より低いと分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなる。
なお、以上の反応で高分子分散剤にイソシアネート基が残存する場合には更に、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
ウレタン系高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常1000〜200000、好ましくは2000〜100000、より好ましくは3000〜50000の範囲である。この分子量が1000未満では分散性及び分散安定性が劣る場合があり、200000を超えると溶解性が低下し分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となる場合がある。
アクリル系高分子分散剤としては、官能基(ここでいう官能基とは、高分子分散剤に含有される官能基として前述した官能基である。)を有する不飽和基含有単量体と、官能基を有さない不飽和基含有単量体とのランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を使用することが好ましい。これらの共重合体は公知の方法で製造することができる。
官能基を有する不飽和基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ダイマー等のカルボキシル基を有する不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの4級化物などの3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体が具体例として挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
官能基を有さない不飽和基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、α−メチルスチレン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのN−置換マレイミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマーなどのマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系高分子分散剤は、特に好ましくは、官能基を有するAブロックと官能基を有さないBブロックからなるA−B又はB−A−Bブロック共重合体であるが、この場合、Aブロック中には上記官能基を含む不飽和基含有単量体由来の部分構造の他に、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造が含まれていてもよく、これらが該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、官能基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、通常80質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
Bブロックは、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造からなるものであるが、1つのBブロック中に2種以上の単量体由来の部分構造が含有されていてもよく、これらは、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
該A−B又はB−A−Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法があり、このうち、アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば下記スキームで表される。
Figure 0006561533
上記スキーム中、Ar1は1価の有機基であり、Ar2はAr1とは異なる1価の有機基であり、Mは金属原子であり、s及びtはそれぞれ1以上の整数である。
ラジカルリビング重合法は重合活性種がラジカルであり、例えば下記スキームで示される。
Figure 0006561533
上記スキーム中、Ar1は1価の有機基であり、Ar2はAr1とは異なる1価の有機基であり、j及びkはそれぞれ1以上の整数であり、Raは水素原子又は1価の有機基であり、RbはRaとは異なる水素原子又は1価の有機基である。
このアクリル系高分子分散剤を合成するに際しては、特開平9−62002号公報や、P.Lutz, P.Masson et al, Polym. Bull. 12, 79 (1984), B.C.Anderson, G.D.Andrews et al, Macromolecules, 14, 1601(1981), K.Hatada, K.Ute,et al, Polym. J. 17, 977(1985), 18, 1037(1986), 右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36, 366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46, 189(1989), M.Kuroki, T.Aida, J. Am. Chem. Sic, 109, 4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43, 300(1985), D.Y.Sogoh, W.R.Hertler et al, Macromolecules, 20, 1473(1987)などに記載の公知の方法を採用することができる。
本発明で用いることができるアクリル系高分子分散剤はA−Bブロック共重合体であっても、B−A−Bブロック共重合体であってもよく、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比は1/99〜80/20、特に5/95〜60/40(質量比)であることが好ましく、この範囲内にすることで分散性と保存安定性のバランスの確保ができる傾向がある。
また、本発明で用いることができるA−Bブロック共重合体、B−A−Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1〜10mmolであることが好ましく、この範囲内にすることで良好な分散性を確保できる傾向がある。
なお、このようなブロック共重合体中には、通常、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があるが、そのアミン価は1〜100mgKOH/g程度であり、分散性の観点から、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上、さらに好ましくは50mgKOH/g以上、また、好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下、さらに好ましくは75mgKOH/g以下である。
ここで、これらのブロック共重合体等の分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[質量%]を表す。〕
また、このブロック共重合体のアミン価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常10mgKOH/g以下であり、その重量平均分子量(Mw)は、1000〜100000の範囲が好ましい。前記範囲内とすることで良好な分散性を確保できる傾向がある。
4級アンモニウム塩基を官能基として有する場合、高分子分散剤の具体的な構造については特に限定されないが、分散性の観点からは、下記式(i)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(i)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0006561533
上記式(i)中、R31〜R33は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R31〜R33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R34は水素原子又はメチル基である。Xは2価の連結基であり、Y-は対アニオンである。
上記式(i)のR31〜R33における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(i)のR31〜R33における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31〜R33における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基であることが好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることがより好ましい。
これらの中でも、分散性の観点から、R31〜R33が各々独立にアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、具体的には、R31及びR33が各々独立にメチル基、又はエチル基であり、かつ、R32がフェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることが好ましく、R31及びR33がメチル基であり、かつ、R32がフェニルメチレン基であることがさらに好ましい。
また、前記高分子分散剤が官能基として3級アミンを有する場合、分散性の観点からは、下記式(ii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(ii)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0006561533
上記式(ii)中、R35及びR36は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R35及びR36が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R37は水素原子又はメチル基である。Zは2価の連結基である。
また、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアルキル基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。
同様に、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアリール基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。また、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。
これらの中でも、R35及びR36が各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基、又はエチル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31〜R33及び上記式(ii)のR35及びR36におけるアルキル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられる。
上記式(i)及び(ii)において、2価の連結基X及びZとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−CONH−R43−基、−COOR44−基〔但し、R43及びR44は単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは−COO−R44−基である。
また、上記式(i)において、対アニオンのY-としては、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、CH3COO-、PF6 -等が挙げられる。
前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合と前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下であり、さらに好ましくは40モル%以下であり、特に好ましくは35モル%以下であり、また、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは30モル%以上である。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、また、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましく、15モル%以下であることが特に好ましい。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、15モル%以上であることがさらに好ましく、20モル%以上であることが特に好ましく、また、60モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることがさらに好ましく、25モル%以下であることが特に好ましい。
また、高分子分散剤は、溶媒等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記式(iii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iii)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0006561533
上記式(iii)中、R40はエチレン基又はプロピレン基であり、R41は置換基を有していてもよいアルキル基であり、R42は水素原子又はメチル基である。nは1〜20の整数である。
上記式(iii)のR41における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
また、上記式(iii)におけるnは溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散性の観点から、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることがより好ましく、4モル%以上であることがさらに好ましく、また、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。前記範囲内の場合には溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散安定性の両立が可能となる傾向がある。
また、高分子分散剤は、分散剤の溶媒等バインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるという観点から、下記式(iv)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iv)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0006561533
上記式(iv)中、R38は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である。R39は水素原子又はメチル基である。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基であることが好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることがより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R38がアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチレン基であることがより好ましい。
38における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R38で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iv)で表される繰り返し単位の含有割合は、分散性の観点から、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、また、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
高分子分散剤は、繰り返し単位(i)、繰り返し単位(ii)、繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
高分子分散剤は、分散性をより高めるとの観点から、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有するAブロックと、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A−Bブロック共重合体又はB−A−Bブロック共重合体であることが好ましい。Aブロックに4級アンモニウム塩基だけでなく3級アミノ基も導入することにより、意外にも、分散剤の分散能力が著しく向上する傾向がある。また、Bブロックが繰り返し単位(iii)を有することが好ましく、更に繰り返し単位(iv)を有することがより好ましい。
Aブロック中において、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、1つのAブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
繰り返し単位(iii)及び(iv)以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
また分散安定性向上の点から、(f)分散剤は、後述する顔料誘導体と併用することが好ましい。
<(g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子>
本発明の感光性着色組成物は、(g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子(以下、「(g)特定透過率の粒子」と略記する場合がある。)を含む。本発明の感光性着色組成物は、(a)着色剤として、少なくとも(a−1)黒色顔料を含むものであるが、黒色顔料は可視光領域においてバランスよく光を吸収するものであるため、一般的に紫外領域においても光を吸収し、露光時に照射される紫外線をも吸収してしまう。そのため、着色剤含有割合を高くするなどして遮光性を高くした場合においては特に、膜表面近傍と膜底部近傍の架橋密度差が大きくなり、スペーサーのパターン表面において、熱硬化過程の熱収縮により、その輪郭部に対して中心部が窪み、スペーサーの圧縮特性が悪化する傾向がある。そこで本発明の感光性着色組成物は、さらに(g)特定透過率の粒子を含むことで、紫外透過率を損なうことなく、架橋密度差の原因となるアルカリ可溶性樹脂等のバインダーの量を減らすことが可能となる。このため、膜内部の光硬化を妨げずに熱変形を抑制することができ、表面中心部における窪みの発生が抑制でき、その結果、スペーサーの圧縮特性が良好となると考えられる。
(g)特定透過率の粒子の波長365nmにおける透過率は、通常30%以上であるが、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは55%以上であり、また、通常100%以下であり、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下である。前記下限値以上とすることで、露光時に紫外線透過を損なうことなく光硬化することができる傾向がある。
波長365nmにおける透過率の値は、測定対象粒子を15質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液を用意し、分光光度計により200〜1000nmの波長範囲で1nmおきに当該分散液の吸光度を測定し、波長365nmにおける吸光度の値を用いて算出することができる。ただし、上記条件で測定した場合において波長365nmにおける吸光度が測定限界値以上となる場合には、当該測定限界値を用いて透過率を算出すればよい。
透過率が上記範囲を満足する粒子としては、例えば、無機粒子又は樹脂粒子が挙げられ、簡便に所望の粒子径のものが得られるとの観点からは無機粒子が好ましく、粒径をさらに小さくできるという観点から、酸化物粒子であることがより好ましい。
酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニアが挙げられ、分散性の観点からは酸化ケイ素(シリカ)の粒子であることがより好ましい。
シリカ粒子としては、乾式シリカ、コロイダルシリカ、又はその溶剤分散品などが使用できる。これらは有機溶剤中に分散させた後に、他の成分と混合して感光性着色組成物の調製に用いることが好ましい。もしくは(a)着色剤とシリカとを混合して分散させて添加してもよい。
(g)特定透過率の粒子の平均粒子径は、BET法等で測定することができ、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、また、100nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで分散安定性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで変形抑制能の効果が顕著となる傾向がある。
本発明に使用できるシリカ粒子の一例として、乾式シリカとしては、日本アエロジル社製のアエロジルシリーズが、コロイダルシリカとしては、日産化学社製のスノーテックスシリーズ、オルガノシリカゾルシリーズなどが挙げられる。
樹脂粒子としては、アクリル樹脂微粒子が挙げられるがこの限りではない。感光性着色組成物の調製に当たり、樹脂微粒子は(e)溶剤中に分散させたものを用いてもよいし、(a)着色剤と混合して共分散させてもよい。樹脂粒子のBET法による平均粒子径は、シリカ微粒子と同様の理由から、20〜500nmであることが好ましく、30〜300nmであることがより好ましい。
<感光性着色組成物のその他の配合成分>
本発明の感光性着色組成物には、上述の成分の他、シランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等を適宜配合することができる。
(1)密着向上剤
本発明の感光性着色組成物には、基板との密着性を改善するため、密着向上剤を含有させてもよい。密着向上剤としては、シランカップリング剤、燐酸基含有化合物等が好ましい。
シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、(メタ)アクリル系、アミノ系等種々のものを1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
好ましいシランカップリング剤として、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類が挙げられるが、特に好ましくは、エポキシシラン類のシランカップリング剤である。
燐酸基含有化合物としては、(メタ)アクリロイル基含有ホスフェート類が好ましく、下記一般式(g1)、(g2)又は(g3)で表されるものが好ましい。
Figure 0006561533
上記一般式(g1)、(g2)及び(g3)において、R51は水素原子又はメチル基を示し、l及びl’は1〜10の整数、mは1、2又は3である。
これらの燐酸基含有化合物も1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(2)界面活性剤
本発明の感光性着色組成物には、塗布性向上ため、界面活性剤を含有させてもよい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等各種のものを用いることができる。中でも、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましく、中でもフッ素系やシリコン系の界面活性剤が塗布性の面で効果的である。
このような界面活性剤としては、例えば、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン社製)、DFX−18(ネオス社製)、BYK−300、BYK−325、BYK−330(ビックケミー社製)、KP340(信越シリコーン社製)、F−470、F−475、F−478、F−559(DIC社製)、SH7PA(トーレシリコーン社製)、DS−401(ダイキン社製)、L−77(日本ユニカー社製)、FC4430(住友3M社製)等が挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(3)顔料誘導体
本発明の感光性着色組成物には、分散性、保存性向上のため、分散助剤として顔料誘導体を含有させてもよい。
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもフタロシアニン系、キノフタロン系が好ましい。
顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
顔料誘導体の具体例としてはフタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(4)光酸発生剤
光酸発生剤とは、紫外線により酸を発生することができる化合物であり、露光を行った際に発生する酸の作用により、例えばメラミン化合物等架橋剤があることで架橋反応を進行させることとなる。係る光酸発生剤の中でも、溶剤に対する溶解性、特に感光性着色組成物に使われる溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましいものであり、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ビス(n−ドデシル)ヨードニウム、p−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウムなどのジアリールヨードニウム、あるいはトリフェニルスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩等や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体類、あるいは、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチルトリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチルトリアジンなどのトリアジン化合物等を挙げることができるがこの限りではない。
(5)架橋剤
本発明の感光性着色組成物には、さらに架橋剤を加えることができ、例えばメラミン又はグアナミン系の化合物を用いることができる。これら架橋剤としては、例えば、下記一般式(6)で示されるメラミン又はグアナミン系の化合物を挙げることができる。
Figure 0006561533
式(6)中、R61は−NR6667基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R61が−NR6667基の場合はR62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つ、そしてR61が炭素数6〜12のアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが−CH2OR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素又は−CH2OR68基を表し、ここにR68は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ここで、炭素数6〜12のアリール基は典型的にはフェニル基、1−ナフチル基又は2−ナフチル基であり、これらのフェニル基やナフチル基には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基が結合していてもよい。アルキル基及びアルコキシ基は、それぞれ炭素数1〜6程度であることができる。R68で表されるアルキル基は、上記のなかでも、メチル基又はエチル基、とりわけメチル基であるのが好ましい。
一般式(6)に相当するメラミン系化合物、すなわち下記一般式(6−1)の化合物には、ヘキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンなどが包含される。
Figure 0006561533
式(6−1)中、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つがアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが−CH2OR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素原子又は−CH2OR68基を表し、ここにR68は水素原子又はアルキル基を表す。
また、一般式(6)に相当するグアナミン系化合物、すなわち一般式(6)中のR61がアリールである化合物には、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、トリメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラエトキシメチルベンゾグアナミンなどが包含される。
さらに、メチロール基又はメチロールアルキルエーテル基を有する架橋剤を用いることもできる。以下にその例を挙げる。
2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、5−エチル−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−オン(通称N−エチルジメチロールトリアゾン)又はそのジメチルエーテル体、ジメチロールトリメチレン尿素又はそのジメチルエーテル体、3,5−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン−4−オン(通称ジメチロールウロン)又はそのジメチルエーテル体、テトラメチロールグリオキザールジウレイン又はそのテトラメチルエーテル体。
なお、これら架橋剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。架橋剤を用いる際の量は、感光性着色組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
(6)メルカプト化合物
重合促進剤として、また、基板への密着性の向上のため、メルカプト化合物を添加することも可能である。
メルカプト化合物の種類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の複素環を有するメルカプト化合物又は脂肪族多官能メルカプト化合物等が挙げられる。これらは種々のものを1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
<感光性着色組成物中の成分配合量>
本発明の感光性着色組成物において、(a)着色剤の含有量は、感光性着色組成物中の全固形分量に対して通常10質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、さらに30質量%以上であることが好ましく、また、通常60質量%以下であることが好ましく、さらに50質量%以上であることが好ましい。(a)着色剤の含有量を前記下限値以上とすることで、十分な光学濃度(OD)が得られる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで十分な製版特性が得られやすい傾向がある。
また、(a)着色剤100質量部に対する(a−1)黒色顔料の含有量は、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、また、通常100質量部以下であり、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性を向上できる傾向があり、前記上限値以下とすることで形状制御できる傾向がある。
また、(a)着色剤がカーボンブラックを含む場合、(a)着色剤100質量部に対するカーボンブラックの含有量は、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、また、通常100質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、80質量部以下であることがさらに好ましく、70質量部以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性を向上できる傾向があり、前記上限値以下とすることで形状制御できる傾向がある。
また、(a)着色剤が有機黒色顔料を含む場合、(a)着色剤100質量部に対する有機黒色顔料の含有量は、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、また、通常100質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、80質量部以下であることがさらに好ましく、70質量部以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性を向上できる傾向があり、前記上限値以下とすることで形状制御できる傾向がある。
また、(a)着色剤が着色顔料を含む場合、(a)着色剤100質量部に対する着色顔料の含有量は、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましく、25質量部以上であることが特に好ましく、また、90質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることがさらに好ましく、40質量部以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで形状制御が容易となる傾向があり、前記上限値以下とすることで遮光性が良好となる傾向がある。
また、(a)着色剤が赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含む場合、(a)着色剤100質量部に対する赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料は1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましく、また、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、15質量部以下であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで十分な光学濃度(OD)が得られる傾向があり、前記上限値以下とすることで製版特性の確保ができる傾向がある。
また、(a)着色剤が青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含む場合、(a)着色剤100質量部に対する、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料は20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、40質量部以上であることがさらに好ましく、また、80質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性を確保できる傾向があり、前記上限値以下とすることで製版特性の確保ができる傾向がある。
(b)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、通常85質量%以下、好ましくは80質量%以下である。(b)アルカリ可溶性樹脂の含有量を前記下限値以上とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。また前記上限値以下とすることで、露光部への現像液の浸透性が高くなるのを抑制でき、画素のシャープ性や密着性の低下を抑制できる傾向がある。
(c)光重合開始剤の含有割合は本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下である。(c)光重合開始剤の含有割合を前記下限値以上とすることで感度低下を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。
(c)光重合開始剤と共に重合促進剤を用いる場合、重合促進剤の含有割合は、本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して、好ましくは0.05質量%以上で、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、重合促進剤は、(c)光重合開始剤100質量部に対して通常0.1〜50質量部、特に0.1〜20質量部の割合で用いることが好ましい。重合促進剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、露光光線に対する感度の低下を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。
また、本発明の感光性着色組成物中に占める増感色素の配合割合は感度の観点から感光性着色組成物中の全固形分中、通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
(d)エチレン性不飽和化合物の含有割合は本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。(d)エチレン性不飽和化合物の含有割合を前記上限値以下とすることで、露光部への現像液の浸透性が高くなるのを抑制し、良好な画像を得ることが容易となる傾向がある。なお、(d)エチレン性不飽和化合物の含有割合の下限値は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上である。
なお、本発明の感光性着色組成物は、(e)溶剤を使用することで、その固形分濃度が通常5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%となるように調液される。
(f)分散剤の含有割合は感光性着色組成物の固形分中通常1質量%以上であり、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また通常30質量%以下、20質量%以下が好ましく、15質量%以下が特に好ましい。また、(a)着色剤100質量部に対する(f)分散剤の含有割合は、通常5質量部以上、10質量部以上が特に好ましく、通常50質量部以下、特に30質量部以下であることが好ましい。(f)分散剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、十分な分散性が得られやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで相対的に他の成分の割合が減ることで感度、製版性等が低下するのを抑制できる傾向がある。
(g)特定透過率の粒子の含有割合は感光性着色組成物の固形分中通常1質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、12質量%以上が特に好ましく、また通常50質量%以下、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、(a)着色剤100質量部に対する(g)特定屈折率の粒子の含有割合は、通常10質量部以上、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上が特に好ましく、通常100質量部以下、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。前記下限値以上とすることで、表面中心部における窪みの発生を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで遮光性を損なわずに形状制御できる傾向がある。
密着向上剤を用いる場合、その含有割合は、感光性着色組成物中の全固形分に対して通常0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.4〜2質量%である。密着向上剤の含有割合を前記下限値以上とすることで密着性の向上効果を十分に得ることができる傾向があり、前記上限値以下とすることで感度が低下したり、現像後に残渣が残り欠陥となったりするのを抑制できる傾向がある。
また、界面活性剤を用いる場合、その含有割合は、感光性着色組成物中の全固形分に対して通常0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%、最も好ましくは0.03〜0.3質量%である。界面活性剤の含有量を前記下限値以上とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすく、他の特性の悪化も抑制できる傾向がある。
<感光性着色組成物の物性>
本発明の感光性着色組成物は、着色スペーサー形成用に好適に使用することができ、着色スペーサーとして用いるとの観点からは黒色を呈していることが好ましい。また、その塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度(OD)が0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、1.2以上であることがさらに好ましく、1.5以上であることがよりさらに好ましく、1.8以上であることが特に好ましく、通常4.0以下であり、3.0以下であることがより好ましい。
また、本発明の感光性着色組成物は、形成した着色スペーサー表面の輪郭部の高さと、表面中心部の高さの差が、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下、よりさらに好ましくは0.08μm以下、特に好ましくは0.06μm以下となるものであることが好ましい。この場合における着色スペーサーとは、塗布膜厚(塗布後、100℃にて70秒間ホットプレート上で加熱乾燥した後の膜厚)を2.7μmとし、直径18μmの円形パターンの完全透過開口部を有する露光マスクを用いて形成したものを意味する。なお、輪郭部とは、例えば円柱の着色スペーサーであれば、円形状の表面と円筒状の側面との境界部を意味する。
また、本発明の感光性着色組成物は、形成した着色スペーサーの弾性復元率が好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上となるものであることが好ましい。この場合における着色スペーサーとは、塗布膜厚(塗布後、100℃にて70秒間ホットプレート上で加熱乾燥した後の膜厚)を2.7μmとし、直径18μmの円形パターンの完全透過開口部を有する露光マスクを用いて形成したものを意味する。また、この場合における弾性復元率は、後述の<圧縮特性の評価>に記載の手順で測定して得た値を意味する。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明の感光性着色組成物(以下、「レジスト」と称することがある。)は、常法に従って製造される。
通常、(a)着色剤は、予めペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが好ましい。分散処理により(a)着色剤が微粒子化されるため、レジストの塗布特性が向上する。
分散処理は、通常、(a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤、並びに(b)アルカリ可溶性樹脂の一部又は全部を併用した系にて行うことが好ましい(以下、分散処理に供する混合物、及び該処理にて得られた組成物を「インク」又は「顔料分散液」と称することがある)。特に(f)分散剤として高分子分散剤を用いると、得られたインク及びレジストの経時の増粘が抑制される(分散安定性に優れる)ので好ましい。
このように、レジストを製造する工程において、(a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤を少なくとも含有する顔料分散液を製造することが好ましい。顔料分散液に用いることができる(a)着色剤、(e)有機溶剤、及び(f)分散剤としては、それぞれ感光性着色組成物に用いることができるものとして記載したものを好ましく採用することができる。
なお、感光性着色組成物に配合する全成分を含有する液に対して分散処理を行った場合、分散処理時に生じる発熱のため、高反応性の成分が変性する可能性がある。従って、高分子分散剤を含む系にて分散処理を行うことが好ましい。
サンドグラインダーで(a)着色剤を分散させる場合には、0.1〜8mm程度の粒子径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常0℃から100℃であり、好ましくは室温から80℃の範囲である。分散時間は液の組成及び分散処理装置のサイズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジストの20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が50〜300の範囲となるように、インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジストの光沢度が低い場合には、分散処理が十分でなく荒い顔料(色材)粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等が不十分となる可能性がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理を行うと、顔料が破砕して超微粒子が多数生じるため、却って分散安定性が損なわれる傾向がある。
また、インク中に分散した顔料の分散粒径は通常0.03〜0.3μmであり、動的光散乱法等により測定される。
次に、上記分散処理により得られたインキと、レジスト中に含まれる、上記の他の成分を混合し、均一な溶液とする。レジストの製造工程においては、微細なゴミが液中に混じることが多いため、得られたレジストはフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
[硬化物]
本発明の感光性着色組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。感光性着色組成物を硬化してなる硬化物は、着色スペーサーとして好適に用いることができる。
[着色スペーサー]
次に、本発明の感光性着色組成物を用いた着色スペーサーについて、その製造方法に従って説明する。
(1)支持体
着色スペーサーを形成するための支持体としては、適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。主に透明基板が使用されるが、材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルフォンなどの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。また、基板の表面にITO、IZO等の透明電極が成膜されている場合もある。透明基板以外では、TFTアレイ上に形成することも可能である。
支持体には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行ってもよい。
透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
(2)着色スペーサー
本発明の感光性着色組成物は、公知のカラーフィルター用感光性着色組成物と同様の用途に使用されるが、以下、着色スペーサー(ブラックフォトスペーサー)として使用される場合について、本発明の感光性着色組成物を用いたブラックフォトスペーサーの形成方法の具体例に従って説明する。
通常、ブラックフォトスペーサーが設けられるべき基板上に、感光性着色組成物を、塗布等の方法により膜状或いはパターン状に供給し、溶剤を乾燥させる。続いて、露光−現像を行うフォトリソグラフィー法などの方法によりパターン形成を行う。その後、必要により追露光や熱硬化処理を行うことにより、該基板上にブラックフォトスペーサーが形成される。
(3)着色スペーサーの形成
[1]基板への供給方法
本発明の感光性着色組成物は、通常、溶剤に溶解或いは分散された状態で、基板上へ供給される。その供給方法としては、従来公知の方法、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行うことができる。また、インクジェット法や印刷法などにより、パターン状に供給されても良い。中でも、ダイコート法によれば、塗布液の使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くない、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗布量は用途により異なるが、例えばブラックフォトスペーサーの場合には、乾燥膜厚として、通常0.5μm〜10μm、好ましくは1μm〜9μm、特に好ましくは1μm〜7μmの範囲である。また、乾燥膜厚あるいは最終的に形成されたスペーサーの高さが、基板全域に渡って均一であることが重要である。ばらつきが大きい場合には、液晶パネルにムラ欠陥を生ずることとなる。
ただし、本発明の感光性着色組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する場合は、最終的に形成されたブラックフォトスペーサーの高さは異なるものとなる。
尚、基板としてはガラス基板など、公知の基板を使用することができる。また、基板表面は平面であることが好適である。
[2]乾燥方法
基板上に感光性着色組成物溶液を供給した後の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥方法によるのが好ましい。また、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法を組み合わせても良い。
乾燥の条件は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40℃〜130℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50℃〜110℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
[3]露光方法
露光は、感光性着色組成物の塗布膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを感光性着色組成物の塗布膜に近接させる方法や、露光マスクを感光性着色組成物の塗布膜から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によっても良い。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によっても良い。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、脱酸素雰囲気下で行ったり、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ったりしてもよい。
本発明の好ましい態様として、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成する場合は、例えば、遮光部(光透過率0%)と、複数の開口部として、平均光透過率の最も高い開口部(完全透過開口部)に対して平均光透過率の小さい開口部(中間透過開口部)を有する露光マスクを用いる。この方法により、中間透過開口部と完全透過開口部の平均光透過率の差、即ち露光量の差により、残膜率の差異を生じさせる。
中間透過開口部は、例えば、微小な多角形の遮光ユニットを有するマトリックス状遮光パターンによって作成する方法等が知られている。また吸収体として、クロム系、モリブデン系、タングステン系、シリコン系などの材料の膜によって、光透過率を制御し作成する方法等が知られている。
上記の露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、青紫色半導体レーザー、近赤外半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
光学フィルターとしては、例えば薄膜で露光波長における光透過率を制御可能なタイプでも良く、その場合の材質としては、例えばCr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
露光量としては、通常、1mJ/cm2以上、好ましくは5mJ/cm2以上、より好ましくは10mJ/cm2以上であり、通常300mJ/cm2以下、好ましくは200mJ/cm2以下、より好ましくは150mJ/cm2以下である。
また、近接露光方式の場合には、露光対象とマスクパターンとの距離としては、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。
[4]現像方法
上記の露光を行った後、アルカリ性化合物の水溶液、又は有機溶剤を用いる現像によって、基板上に画像パターンを形成することができる。この水溶液には、さらに界面活性剤、有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−・ジ−又はトリメチルアミン、モノ−・ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤、が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
[5]追露光及び熱硬化処理
現像の後の基板には、必要により上記の露光方法と同様な方法により追露光を行っても良く、また熱硬化処理を行っても良い。この際の熱硬化処理条件は、温度は100℃〜280℃の範囲、好ましくは150℃〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5分間〜60分間の範囲で選ばれる。
本発明の着色スペーサーの大きさや形状等は、これを適用するカラーフィルターの仕様等によって適宜調整されるが、本発明の感光性着色組成物は、特に、フォトリソグラフィー法によりスペーサーとサブスペーサーの高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成するのに有用であり、その場合、スペーサーの高さは通常2〜7μm程度であり、サブスペーサーは、スペーサーよりも通常0.2〜1.5μm程度低い高さを有する。
また、本発明の着色スペーサーの表面は、圧縮特性の観点から平坦であることが好ましく、係る観点から、表面の輪郭部の高さと、表面中心部の高さの差が、0.5μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましく、0.08μm以下であることがよりさらに好ましく、0.06μm以下であることが特に好ましく、通常0.00μm以上である。
また、本発明の着色スペーサーの1μm当たりの光学濃度(OD)は、遮光性の観点から、0.5以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましく、1.5以上がよりさらに好ましく、1.8以上が特に好ましく、通常4.0以下であり、3.0以下が好ましい。ここで光学濃度(OD)は後述する方法にて測定した値である。
本発明の着色スペーサーは、パネル製造時の荷重ムラへの対応との観点から、弾性復元率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、75%以上であることが特に好ましい。
弾性復元率は以下に説明する負荷−除荷試験における測定結果から算出することができる。詳細には、特開2009−31778号公報に記載の方法を採用することができる。
まず、負荷−除荷試験の微小硬度計としては、例えば、島津製作所社製(島津ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S)等が用いられる。試験条件は、測定温度23℃、直径50μmの平面圧子を使用し、一定速度(0.22gf/sec)で着色スペーサーに荷重を加え、荷重が5gfに達したところで5秒間保持し、続いて同速度にて除荷を行い、荷重−変位曲線を得る。この荷重−変位曲線より、最大変位H[max]、最終変位H[Last]を測定する。そして、最大変位H[max]を総変形量とする。
弾性復元率は、前記の微小硬度計による負荷−除荷試験により測定された値に基づいて、それぞれ下記式により計算される。
弾性復元率(%)={(最大変位H[max]−最終変位H[Last])/最大変位H[max]}×100
[カラーフィルター]
本発明のカラーフィルターは、上述のような本発明の着色スペーサーを備えるものであり、例えば透明基板としてのガラス基板上に、ブラックマトリクスと、赤色、緑色、青色の画素着色層と、オーバーコート層とが積層されて、着色スペーサーを形成した後配向膜を形成して製造される。
このような本発明の着色スペーサーを有するカラーフィルターと液晶駆動側基板とを貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入することで、本発明の着色スペーサーを備えた、液晶表示装置等の画像表示装置を製造することができる。
次に、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いた着色感光性組成物の構成成分は次の通りである。
<アルカリ可溶性樹脂−I>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10質量部、グリシジルメタクリレート85.2質量部及びトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA−513M)66質量部を滴下し、及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部及びハイドロキノン0.12質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたアルカリ可溶性樹脂−IのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400、酸価は80mgKOH/gであった。
<アルカリ可溶性樹脂−II>
日本化薬(株)製「ZCR−1642H」(MW=6500、酸価=98mg−KOH/g)
<アルカリ可溶性樹脂−III>
Figure 0006561533
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50g、アクリル酸13.65g、メトキシブチルアセテート60.5g、トリフェニルホスフィン0.936g、及びパラメトキシフェノール0.032gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液25質量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.76質量部、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)3.3質量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)3.5質量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところで、メトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50質量%となるよう調製し、酸価131mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2600のカルボキシル基含有エポキシメタアクリレート樹脂(アルカリ可溶性樹脂−III)を得た。
<分散剤−I>
ビックケミー社製「DISPERBYK−LPN21116」(側鎖に4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有さないBブロックからなる、アクリル系A−Bブロック共重合体。アミン価は70mgKOH/g。酸価は1mgKOH/g以下。)
分散剤−IのAブロック中には、下記式(1a)及び(2a)の繰り返し単位が含まれ、Bブロック中には下記式(3a)の繰り返し単位が含まれる。分散剤−Iの全繰り返し単位に占める下記式(1a)、(2a)、及び(3a)の繰り返し単位の含有割合はそれぞれ11.1モル%、22.2モル%、6.7モル%である。
Figure 0006561533
<分散剤−II>
ビックケミー社製「DISPERBYK−167」(ウレタン系高分子分散剤)
<顔料誘導体>
ルーブリゾール社製「Solsperse12000」
<溶剤−I>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤−II>
MB:3−メトキシブタノール
<光重合開始剤−I>
以下の化学構造を有する化合物を用いた。
Figure 0006561533
<光重合性モノマー>
DPHA:日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
<界面活性剤>
DIC(株)製 メガファック F−559
<添加剤−I>
日本化薬(株)製、KAYAMER PM−21(メタクリロイル基含有ホスフェート)
<添加剤−II>
日産化学社製 オルガノシリカゾル PMA−ST
(シリカ含有量30.7質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散溶液、平均粒子径(BET法)10nm、波長365nmにおける透過率は59%)
なお、波長365nmにおける透過率は以下の手順にて測定した。
まず測定対象の粒子を15質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液を用意し、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製「U−3010」)により200〜1000nmの波長範囲で1nmおきに当該分散液の吸光度を測定した。次いで、波長365nmにおける吸光度の値から、透過率(%)を算出した。
<光学濃度(OD)の評価>
後述のパターン2を有するガラス基板の光学濃度(OD)を透過濃度系(グレタグマクベス社製「D200−II」)にて測定した。さらに測定箇所の膜厚も測定し、単位膜厚(1μm)あたりの光学濃度(単位OD)を算出した。
<形状評価>
後述のパターン1を有するガラス基板について、(株)菱化システムの三次元非接触表面形状計測システム Micromapにて、50倍の光学レンズを用い、Focusモードで70μm×70μmの視野において、パターン断面の高さを0.7μmおきに測定した。測定結果から、パターンの中心の高さと、パターンのエッジの高さとの差を算出した。
<圧縮特性の評価>
後述のパターン1を有するガラス基板について、以下の手順にて弾性復元率を測定した。
負荷−除荷試験の微小硬度計として、島津製作所社製(島津ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S)を用い、測定温度23℃、直径50μmの平面圧子を使用し、一定速度(0.22gf/sec)でスペーサーに荷重を加え、荷重が5gfに達したところで5秒間保持し、続いて同速度にて除荷を行い、荷重−変位曲線を得た。この荷重−変位曲線より、最大変位H[max]、最終変位H[Last]を測定した。
次いで、下記式により弾性復元率を算出した。
弾性復元率(%)={(最大変位H[max]−最終変位H[Last])/最大変位H[max]}×100
<顔料分散液1の調製>
表1に記載の顔料、分散剤、分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を、表1に記載の質量比となるように混合した。この溶液をペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で3時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液の2.5倍の質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、顔料分散液1を調製した。
Figure 0006561533
<顔料分散液2(被覆カーボンブラック分散液)>
カーボンブラックは、通常のオイルファーネス法で製造した。但し、原料油としては、Na、Ca、S分量の少ないエチレンボトム油を用い、燃焼用にはコークス炉ガスを用いた。更に、反応停止水としては、イオン交換樹脂で処理した純水を用いた。得られたカーボンブラック540gを純水14500gと共にホモミキサーを用い5,000〜6,000rpmで30分撹拌しスラリーを得た。このスラリーをスクリュー型撹拌機付容器に移し約1,000rpmで混合しながらエポキシ樹脂「エピコート828」(三菱化学(株)製)60gを溶解したトルエン600gを少量ずつ添加していった。約15分で、水に分散していたカーボンブラックは全量トルエン側に移行し、約1mmの粒となった。
次に、60メッシュ金網で水切りを行った後、真空乾燥機に入れ、70℃で7時間乾燥し、トルエンと水を完全に除去した。
得られた被覆カーボンブラック、分散剤、顔料誘導体及び溶剤を、表1に記載の質量比となるように混合した。
これを攪拌機により十分に攪拌し、プレミキシングを行った。次に、ペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で6時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液と同じ質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して顔料分散液2を調製した。
[実施例1及び比較例1]
上記調製した顔料分散液1及び2を用いて、固形分中の比率が表2の配合割合となるように各成分を加え、さらに固形分が22質量%となるようにPGMEAを加え、攪拌、溶解させて、感光性着色組成物を調製した。得られた感光性着色組成物を用いて、後述する方法で評価を行った。
Figure 0006561533
<硬化物の形成方法>
ガラス基板(AGC社製「AN100」)上にスピナーを用いて各感光性着色組成物を塗布した。次いで、100℃にて70秒間、ホットプレート上で加熱乾燥して膜厚2.7μmの塗布膜を形成した。
得られた塗布膜に対し、直径18μmの円形パターンの完全透過開口部を有する露光マスクを用いて露光処理を施した。露光ギャップ(マスクと塗布面間の距離)は、220μmであった。光射光としては、波長365nmでの強度が32mW/cm2である紫外線を用い、露光量は80mJ/cm2とした。また、紫外線照射は空気下で行った。
続いて、0.05質量%の水酸化カリウムと0.08質量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、25℃において水圧0.15MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、未露光の塗膜が溶解除去される時間の1.5倍とした。
これらの操作により、不要部分を除去したパターンを得た。当該パターンの形成された基板をオーブン中、230℃で20分間加熱してパターンを硬化させ、略円柱状のスペーサーパターン(パターン1)を得た。また、露光マスクを使わず、ガラス基板に感光性着色組成物を塗布したべた膜のパターン(パターン2)も作成した。
前記パターン2の単位膜厚(1μm)あたりの光学濃度(OD)を前述の方法で測定した。また、パターン1の形状評価及び圧縮特性評価を前述の方法で行った。これらの結果をそれぞれ表2に示した。
一般に、着色スペーサーの遮光性を向上させるために顔料濃度を高くする方法や、遮光性の高い有機顔料を使用する方法が知られている。しかしながらそのような方法を適用すると、紫外透過率が下がり、膜厚方向に架橋密度の差が生じ、膜の表面に比べて膜内部の架橋密度が低くなり、熱硬化過程で膜表面と内部で熱変形の差が生じ、表面中心部における窪みが発生する。そのことにより、圧縮特性が悪化すると考えられる。
実施例1と比較例1との比較から、波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子を用いることで、パターン表面中心部における窪みが抑制でき、弾性復元率の値が改善できていることがわかる。他方、実施例1と比較例2との比較から、波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子に代えて、当該透過率が0.001%のカーボンブラックを用いた場合には、パターン表面中心部において大きな窪みが生じ、弾性復元率の値も悪化している。
本発明の感光性着色組成物では、特定屈折率の粒子を使用することで、紫外透過率を損なうことなく、熱変形の要因となるバインダーの量を減らすことが可能である。このため、膜内部の光硬化を妨げることがなく、熱変形を抑制することができる。これにより、表面中心部における窪みの発生を抑制でき、圧縮特性が良好になることが考えられる。
本発明の感光性着色組成物によれば、遮光性が高く、表面中心部における窪みの発生を抑制し、圧縮特性が良好となる着色スペーサーを提供することができ、さらに、このような着色スペーサーを備える画像表示装置を提供することができる。よって、本発明は感光性着色組成物、硬化物、着色スペーサー及び画像表示装置の各分野において、産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims (12)

  1. (a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)エチレン性不飽和化合物、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する、着色スペーサー形成用感光性着色組成物であって、
    (a)着色剤が、(a−1)黒色顔料、及び(a−2)着色顔料を含み、
    前記(a−2)着色顔料が、C.I.ピグメントブルー60及びC.I.ピグメントバイオレット29を含み、
    さらに前記組成物中に(g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子を含むことを特徴とする着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  2. (g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子がシリカ粒子である、請求項1に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  3. (a−1)黒色顔料がカーボンブラックを含む、請求項1又は2に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  4. (a−1)黒色顔料100質量部に対して、(g)波長365nmにおける透過率が30%以上の粒子を10質量部以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  5. (a)着色剤の含有割合が全固形分に対して60質量%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  6. 硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度が1.0以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  7. 形成した着色スペーサーの表面の輪郭部の高さと、該着色スペーサーの表面の中心部の高さの差が0.2μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  8. 形成した着色スペーサーの弾性復元率が70%以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  9. フォトリソグラフィー法により高さの異なる着色スペーサーを一括形成するために用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の着色スペーサー形成用感光性着色組成物を硬化して得られる硬化物。
  11. 請求項10に記載の硬化物から形成される着色スペーサー。
  12. 請求項11に記載の着色スペーサーを備える画像表示装置。
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