JP7302262B2 - 感光性着色樹脂組成物、硬化物、及び画像表示装置 - Google Patents

感光性着色樹脂組成物、硬化物、及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性着色樹脂組成物等に関する。詳しくは、例えば液晶ディスプレイ等のカラーフィルターにおいて着色スペーサー等の形成に好ましく用いられる感光性着色樹脂組成物、この感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物、この硬化物を含む画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)は液晶への電圧のオン・オフにより液晶分子の並び方が切り替わる性質を利用している。一方で、LCDのセルを構成する各部材は、フォトリソグラフィー法に代表される、感光性樹脂組成物を利用した方法によって形成されるものが多い。この感光性樹脂組成物は、微細な構造を形成し易く、大画面用の基板に対しての処理もし易いといった理由から、今後さらにその適用範囲は広がる傾向にある。
従来、遮光性を有さないスペーサーをTFT型LCDに使用する場合、スペーサーを透過してくる光によりスイッチング素子としてのTFTが誤作動を起こすことがあった。これを防止するため、遮光性を有するスペーサー(着色スペーサー)を用いる方法が検討されている。
一方で近年、パネル構造の変化に伴い、高さの異なる着色スペーサーをフォトリソグラフィー法により一括形成する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、エポキシ変性樹脂と特定の分散剤を併用するなどすることで、液晶の電圧保持率が確保され、段差がコントロールでき、基板との密着性に優れた着色スペーサーが得られると記載されている。
一方で、特許文献2には、特定の反応性ポリカルボン酸化合物を使用することで、高い顔料濃度でも現像性が良好になると記載されている。
国際公開第2013/062011号 特開2016-047919号公報
近年、パネル構造の変化に伴い、着色スペーサーの耐薬品性が重要となってきている。即ち、配向膜を形成する際の溶剤(N-メチルピロリドン、NMP)に対する耐薬品性(NMP耐性)が高いことが望まれており、特に、着色スペーサーに含まれる有機顔料由来の不純物等の当該溶剤中への溶出が少ないことが求められている。
本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載されている感光性着色樹脂組成物では、耐薬品性は十分ではなかった。
一方で、特許文献2では有機顔料を用いた評価を行っておらず、耐薬品性についても何ら検討されていない。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐薬品性が高い硬化膜を形成可能な感光性着色樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の着色剤と、特定のアルカリ可溶性樹脂を併用することで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[9]の構成を有する。
[1] (A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合開始剤、及び(D)エチレン性不飽和化合物を含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記(A)着色剤が、有機顔料を含有し、
前記(B)アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(b1)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有することを特徴とする感光性着色樹脂組成物。
Figure 0007302262000001
(式(b1)中、Rb11は水素原子又はメチル基を表す。
b12は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
nは2又は3の整数を表す。
式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。)
[2] 前記一般式(b1)において、Rb12が下記一般式(b1-1)で表される基である、[1]に記載の感光性着色樹脂組成物。
Figure 0007302262000002
(式(b1-1)中、*は各々結合手を表す。)
[3] 前記有機顔料が、(i)有機着色顔料を含有する、[1]又は[2]に記載の感光性着色樹脂組成物。
[4] 前記(i)有機着色顔料が、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、[3]に記載の感光性着色樹脂組成物。
[5] 前記有機顔料が、(ii)有機黒色顔料を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物。
[6] 前記(A)着色剤が、さらにカーボンブラックを含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物。
[7] 着色スペーサー形成用である、[1]~[6]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物。
[9] [8]に記載の硬化物を含む画像表示装置。
本発明によれば、耐薬品性が高い硬化膜を形成可能な感光性着色樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味し、「酸(無水物)」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。また、本発明において「アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体を意味する。
また、本発明において「モノマー」とは、いわゆる高分子物質(ポリマー)に相対する用語であり、狭義の単量体(モノマー)の外に、二量体、三量体、オリゴマー等も含む意味である。
本発明において「全固形分」とは、感光性着色樹脂組成物中又は後述するインク中に含まれる、溶剤以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。なお、測定方法については後述する。一方、「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定により算出される。
また顔料に関し、「C.I.」とはカラーインデックスを意味する。
また、本明細書において、「質量」で表される百分率や部は「重量」で表される百分率や部と同義である。
[感光性着色樹脂組成物]
本発明の感光性着色樹脂組成物は、
(A)着色剤
(B)アルカリ可溶性樹脂
(C)光重合開始剤
(D)エチレン性不飽和化合物
を必須成分として含有し、必要に応じて、更に分散剤、溶剤、シランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等、その他の配合成分を含むものであり、通常、各配合成分が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
<(A)着色剤>
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(A)着色剤を含有する。(A)着色剤を含有することで遮光性を付与することができる。
そして本発明の感光性着色樹脂組成物における(A)着色剤は、有機顔料を含有する。有機顔料を含有することで、紫外線透過率をコントロールして効果的に硬化させることができるため、塗膜の表層及び内部の硬化度が均一になる傾向がある。その結果、表面平滑性が良好となり、また、着色スペーサーに使用した場合には圧縮特性などの機械特性が良化し、ハーフトーンマスクを使用した段差形成において段差が作りやすくなる傾向がある。
(A)着色剤に含まれる有機顔料は、1種単独でもよいし、2種以上であってもよい。特に、可視領域において均一に遮光するとの観点からは、2種以上であることが好ましい。有機顔料としては、(i)有機着色顔料や(ii)有機黒色顔料が挙げられる。ここで、(i)有機着色顔料とは、黒色以外の色を呈する有機顔料のことを意味し、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料、紫色顔料、緑色顔料、黄色顔料等が挙げられる。
有機顔料の中でも、NMP耐性の観点から(i)有機着色顔料を用いることが好ましい。
(i)有機着色顔料は、1種を単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。特に、遮光性の用途に用いる場合には、可視領域において均一に遮光するとの観点からは色の異なる有機着色顔料を組み合わせて用いることがより好ましく、黒に近い色を呈する有機着色顔料の組み合わせを用いることがさらに好ましい。
これらの(i)有機着色顔料の化学構造は特に限定されないが、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等が挙げられる。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、遮光性、分散性の観点から好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、149、168、177、179、194、202、206、207、209、224、242、254、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントレッド177、254、272を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、赤色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントレッド254、272を用いることがより好ましい。
橙色(オレンジ)顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも分散性や遮光性の観点から、C.I.ピグメントオレンジ13、43、64、72を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、オレンジ顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントオレンジ64、72を用いることがより好ましい。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、遮光性の観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、60、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントブルー15:6、16、60を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、青色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、かかる観点からはC.I.ピグメントブルー60を用いることがより好ましい。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、遮光性の観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、29、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントバイオレット23、29を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、紫色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントバイオレット29を用いることがより好ましい。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58、59を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
これらの中でも、遮光性や、形状及び段差のコントロールの観点から、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
これらの中でも、遮光性や、形状及び段差のコントロールの観点からは、以下の顔料のうち少なくとも1種以上を含有するものとすることが好ましい。
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド177、254、272
橙色顔料:C.I.ピグメントオレンジ43、64、72
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15:6、60
紫色顔料:C.I.ピグメントバイオレット23、29
また、有機着色顔料を2種以上併用する場合の、有機着色顔料の組み合わせについては特に限定されないが、遮光性の観点から、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
なお、色の組み合わせについては特に限定されないが、遮光性の観点からは例えば、赤色顔料と青色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料と紫色顔料の組み合わせなどが好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物が(i)有機着色顔料を含む場合、遮光性、NMP耐性の観点から、後述する(ii)有機黒色顔料をさらに含有することが好ましい。また、遮光性の観点からは、後述するカーボンブラックをさらに含有することが好ましい。
一方で、有機顔料の中でも、遮光性の観点から(ii)有機黒色顔料を用いることが好ましい。
(ii)有機黒色顔料の中でも、液晶の電圧保持率の低下を抑制し、また、紫外線の吸収を抑制して形状や段差をコントロールし、遮光性を高くするとの観点からは、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する場合がある。)、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む有機黒色顔料(以下、「一般式(1)で表される有機黒色顔料」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
Figure 0007302262000003
式(1)中、R11及びR16は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子を表し;
12、R13、R14、R15、R17、R18、R19及びR20は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、R21、COOH、COOR21、COO-、CONH2、CONHR21、CONR2122、CN、OH、OR21、COCR21、OOCNH2、OOCNHR21、OOCNR2122、NO2、NH2、NHR21、NR2122、NHCOR22、NR21COR22、N=CH2、N=CHR21、N=CR2122、SH、SR21、SOR21、SO221、SO321、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR21又はSO2NR2122を表し;
12とR13、R13とR14、R14とR15、R17とR18、R18とR19、及びR19とR20からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合してもよく、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR21ブリッジによって互いに結合してもよく;
21及びR22は各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基を表す。
化合物(1)及び化合物(1)の幾何異性体は、以下のコア構造を有し(ただし、構造式中の置換基は省略している)、トランス-トランス異性体が恐らく最も安定である。
Figure 0007302262000004
化合物(1)がアニオン性である場合、その電荷を任意の公知の適したカチオン、例えば金属、有機、無機又は金属有機カチオン、具体的にはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、一級アンモニウム、二級アンモニウム、トリアルキルアンモニウムなどの三級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどの四級アンモニウム又は有機金属錯体によって補償した塩であることが好ましい。また、化合物(1)の幾何異性体がアニオン性である場合、同様の塩であることが好ましい。
一般式(1)の置換基及びそれらの定義においては、遮蔽率が高くなる傾向があることから、以下のものが好ましい。これは、以下の置換基は吸収がなく、顔料の色相に影響しないと考えられるからである。
12、R14、R15、R17、R19及びR20は各々独立に、好ましくは水素原子、フッ素原子、又は塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子である。
13及びR18は各々独立に、好ましくは水素原子、NO2、OCH3、OC25、臭素原子、塩素原子、CH3、C25、N(CH32、N(CH3)(C25)、N(C252、α-ナフチル、β-ナフチル、SO3H又はSO3 -であり、さらに好ましくは水素原子又はSO3Hであり、特に好ましくは水素原子である。
11及びR16は各々独立に、好ましくは水素原子、CH3又はCF3であり、さらに好ましくは水素原子である。
好ましくは、R11とR16、R12とR17、R13とR18、R14とR19、及びR15とR20からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせが同一であり、より好ましくは、R11はR16と同一であり、R12はR17と同一であり、R13はR18と同一であり、R14はR19と同一であり、かつ、R15はR20と同一である。
炭素数1~12のアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基又はドデシル基である。
炭素数3~12のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、トリメチルシクロヘキシル基、ツジル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルカリル基、カリル基、メンチル基、ノルピニル基、ピニル基、アダマンタン-1-イル基又はアダマンタン-2-イル基である。
炭素数2~12のアルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、2-プロペン-2-イル基、2-ブテン-1-イル基、3-ブテン-1-イル基、1,3-ブタジエン-2-イル基、2-ペンテン-1-イル基、3-ペンテン-2-イル基、2-メンチル-1-ブテン-3-イル基、2-メチル-3-ブテン-2-イル基、3-メチル-2-ブテン-1-イル基、1,4-ペンタジエン-3-イル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基又はドデセニル基である。
炭素数3~12のシクロアルケニル基は、例えば、2-シクロブテン-1-イル基、2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基、3-シクロヘキセン-1-イル基、2,4-シクロヘキサジエン-1-イル基、1-p-メンテン-8-イル基、4(10)-ツジェン-10-イル基、2-ノルボルネン-1-イル基、2,5-ノルボルナジエン-1-イル基、7,7-ジメチル-2,4-ノルカラジエン-3-イル基又はカンフェニル基である。
炭素数2~12のアルキニル基は、例えば、1-プロピン-3-イル基、1-ブチン-4-イル基、1-ペンチン-5-イル基、2-メチル-3-ブチン-2-イル基、1,4-ペンタジイン-3-イル基、1,3-ペンタジイン-5-イル基、1-ヘキシン-6-イル基、シス-3-メチル-2-ペンテン-4-イン-1-イル基、トランス-3-メチル-2-ペンテン-4-イン-1-イル基、1,3-ヘキサジイン-5-イル基、1-オクチン-8-イル基、1-ノニン-9-イル基、1-デシン-10-イル基又は1-ドデシン-12-イル基である。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
前記一般式(1)で表される有機黒色顔料は、好ましくは下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)、及び化合物(2)の幾何異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む有機黒色顔料である。
Figure 0007302262000005
このような有機黒色顔料の具体例としては、商品名で、Irgaphor(登録商標)
Black S 0100 CF(BASF社製)が挙げられる。
この有機黒色顔料は、好ましくは後述される分散剤、溶剤、方法によって分散して使用される。また、分散の際に化合物(1)のスルホン酸誘導体、特に化合物(2)のスルホン酸誘導体が存在すると、分散性や保存性が向上する場合があるため、有機黒色顔料がこれらのスルホン酸誘導体を含むことが好ましい。
前記一般式(1)で表される有機黒色顔料以外の(ii)有機黒色顔料としては、例えば、アニリンブラックやペリレンブラック等が挙げられる。
(ii)有機黒色顔料は、1種を単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性着色樹脂組成物が(ii)有機黒色顔料を含む場合、遮光性の観点から、さらに後述するカーボンブラックを含有することが好ましい。
前述のとおり、本発明の感光性着色樹脂組成物における(A)着色剤は有機顔料を含有するが、さらに無機黒色顔料を含有するものとすることができる。
無機黒色顔料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。これらの中でも、遮光性、画像特性の観点からカーボンブラックを好ましく用いることができる。カーボンブラックの例としては、以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
三菱ケミカル社製:MA7、MA8、MA11、MA77、MA100、MA100R、MA100S、MA220、MA230、MA600、MCF88、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#900、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#2650、#3030、#3050、#3150、#3250、#3400、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B
デグサ社製:Printex(登録商標、以下同じ。)3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch(登録商標、以下同じ。)120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL(登録商標、以下同じ。)99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN(登録商標、以下同じ。) XC72R、ELFTEX(登録商標)-8
ビルラー社製:RAVEN(登録商標、以下同じ。)11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
カーボンブラックは、樹脂で被覆されたものを使用しても構わない。樹脂で被覆されたカーボンブラックを使用すると、ガラス基板への密着性や体積抵抗値を向上させる効果がある。樹脂で被覆されたカーボンブラックとしては、例えば特開平09-71733号公報に記載されているカーボンブラック等が好適に使用できる。体積抵抗や誘電率の点で、樹脂被覆カーボンブラックが好適に用いられる。
樹脂による被覆処理に供するカーボンブラックとしては、NaとCaの合計含有量が100ppm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常、製造時の原料油や燃焼油(又はガス)、反応停止水や造粒水、更には反応炉の炉材等から混入したNaや、Ca,K,Mg,Al,Fe等を組成とする灰分がパーセントのオーダーで含有されている。この内、NaやCaは、各々数百ppm以上含有されているのが一般的であるが、これらを少なくすることで、透明電極(ITO)やその他の電極への浸透を抑制して、電気的短絡を防止できる傾向がある。
これらのNaやCaを含む灰分の含有量を低減する方法としては、カーボンブラックを製造する際の原料油や燃料油(又はガス)並びに反応停止水として、これらの含有量が極力少ない物を厳選すること及びストラクチャーを調整するアルカリ物質の添加量を極力少なくすることにより可能である。他の方法としては、炉から製出したカーボンブラックを水や塩酸等で洗いNaやCaを溶解し除去する方法が挙げられる。
具体的にはカーボンブラックを水、塩酸、又は過酸化水素水に混合分散させた後、水に難溶の溶媒を添加していくとカーボンブラックは溶媒側に移行し、水と完全に分離すると共にカーボンブラック中に存在した殆どのNaやCaは、水や酸に溶解、除去される。NaとCaの合計量を100ppm以下に低減するためには、原材料を厳選したカーボンブラック製造過程単独或は水や酸溶解方式単独でも可能な場合もあるが、この両方式を併用することにより更に容易にNaとCaの合計量を100ppm以下とすることができる。
また樹脂被覆カーボンブラックは、pH6以下のいわゆる酸性カーボンブラックであることが好ましい。水中での分散径(アグロミレート径)が小さくなるので、微細ユニットまでの被覆が可能となり好適である。さらに平均粒子径40nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸収量140ml/100g以下であることが好ましい。前記範囲内とすることで、遮光性の良好な塗膜が得られる傾向がある。平均粒子径は数平均粒子径を意味し、電子顕微鏡観察により数万倍で撮影された写真を数視野撮影し、これらの写真の粒子を画像処理装置により2000~3000個程度計測する粒子画像解析により求められる円相当径を意味する。
樹脂で被覆されたカーボンブラックを調製する方法には特に限定がないが、たとえばカーボンブラックおよび樹脂の配合量を適宜調整した後、1.樹脂とシクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの溶剤とを混合して加熱溶解させた樹脂溶液と、カーボンブラックおよび水を混合した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを分離させた後、水を除去して加熱混練して得られた組成物をシート状に成形し、粉砕した後、乾燥させる方法;2.前記と同様にして調製した樹脂溶液と懸濁液とを混合撹拌してカーボンブラックおよび樹脂を粒状化した後、得られた粒状物を分離、加熱して残存する溶剤および水を除去する方法;3.前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラックを得た後、これに樹脂を添加してドライブレンドする方法;4.被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノマー成分と水とを高速撹拌して懸濁液を調製し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂を得た後、これにカーボンブラックを添加して混練し、カーボンブラックと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフトさせ)、冷却および粉砕する方法などを採用することができる。
被覆処理する樹脂の種類も特に限定されるものではないが、合成樹脂が一般的であり、さらに構造の中にベンゼン環を有する樹脂の方が両性系界面活性剤的な働きがより強いため分散性及び分散安定性の点から好ましい。
具体的な合成樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1~30質量%が好ましく、前記下限値以上とすることで被覆を十分なものとすることができる傾向がある。一方、前記上限値以下とすることで、樹脂同士の粘着を防ぎ、分散性が良好なものとすることができる傾向がある。
このようにして樹脂で被覆処理してなるカーボンブラックは、常法に従い着色スペーサーの遮光材として用いることができ、この着色スペーサーを構成要素とするカラーフィルターを常法により作成することができる。このようなカーボンブラックを用いると、高遮光率でかつ表面反射率が低い着色スペーサーが低コストで達成できる傾向がある。また、カーボンブラック表面を樹脂で被覆したことにより、CaやNaをカーボンブラック中に封じ込める働きもあることも推測される。
これらの顔料は、平均粒子径が通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.25μm以下となるよう、分散して用いることが好ましい。ここで平均粒子径の基準は顔料粒子の数である。
なお、本発明の感光性着色樹脂組成物において、顔料の平均粒子径は、動的光散乱(DLS)により測定された顔料粒子径から求めた値である。粒子径測定は、十分に希釈された感光性着色樹脂組成物(通常は希釈して、顔料濃度0.005~0.2質量%程度に調製。但し測定機器により推奨された濃度があれば、その濃度に従う)に対して行い、25℃にて測定する。
また、上述の有機顔料、無機黒色顔料の他に、染料を使用してもよい。着色剤として使用できる染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
<(B)アルカリ可溶性樹脂>
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(B)アルカリ可溶性樹脂を含有する。(B)アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、アルカリ現像液で現像可能となり、着色スペーサー等のパターンを作成することができる。
[アルカリ可溶性樹脂(B-1)]
本発明の感光性着色樹脂組成物における(B)アルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(b1)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有する。
Figure 0007302262000006
(式(b1)中、Rb11は水素原子又はメチル基を表す。
b12は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
nは2又は3の整数を表す。
式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。)
前述のとおり、本発明の感光性着色樹脂組成物における(A)着色剤は、有機顔料を含有する。有機顔料を含有することで、配向膜を形成する際の溶剤(NMP)に対して有機顔料由来の不純物が溶出しやすくなる傾向があるが、アルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有するものとすることで耐薬品性が高くなり、NMPに対する有機顔料由来の不純物の溶出を抑制できる。その詳細な機構は明らかになっていないが、以下のように推測される。
アルカリ可溶性樹脂(B-1)は前記式(b1)で表される部分構造を有するものであり、ベンゼン環を主鎖に有することにより、緻密で疎水性が高い膜が形成しやすくなると考えられる。そして主鎖のベンゼン環に結合した2以上の側鎖に架橋基を有することで、露光による架橋点が主鎖近傍にできやすくなり、さらに緻密な塗膜を形成しやすくなり、NMPに浸漬した際にNMPが塗膜内部に浸透しにくくなり、有機顔料由来の不純物がレジスト塗膜からNMPに溶出するのが抑制されると考えられる。
(Rb12
前記式(b1)において、Rb12は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でもNMP耐性や製造コストの観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性、現像性が向上する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環、ジシクロペンタン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも膜強度とNMP耐性、現像性の観点から、ジシクロペンタン環、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシ基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性、現像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも製造コストの観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性、現像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性、現像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、下記式(b1-1)~(b1-6)で表される基等が挙げられる。これらの中でも骨格のNMP耐性、膜強度の観点から、下記式(b1-1)で表される基が好ましい。式中の*は各々結合手を表す。
Figure 0007302262000007
前記のとおり、式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、前記式(b1)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(b2)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007302262000008
(式(b2)中、Rb11、Rb12及びnは、前記式(b1)のものと同義である。
b13は水素原子又は多塩基酸残基を表す。
式(b2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。)
本発明の感光性着色樹脂組成物における(B)アルカリ可溶性樹脂が、前記一般式(b2)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有することで、現像時の現像形態が、現像液に均一に溶解するものとなりやすい傾向がある。現像形態が劣る場合には、未露光部が剥離状に現像され、現像後に基板上に剥離片がパーティクルとして残り、表示不良の原因となる可能性があるが、前記一般式(2)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有することで、未露光部が現像液に均一に溶解し、表示不良の問題が生じにくくなる傾向となる。
これは、前記一般式(2)で表される部分構造において、架橋基であるエチレン性不飽和基の近傍にRb13が存在するため、架橋部付近の現像性を損なうことなく良好な現像形態が得られると考えられる。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
また、アルカリ可溶性樹脂(B-1)は、前記式(b1)で表される部分構造の他に、下記一般式(b3)で表される部分構造を有していてもよい。アルカリ可溶性樹脂(B-1)が下記一般式(b3)で表される部分構造をさらに有することで、架橋部位の数を調整しやすく、テーパー形状の制御がしやすい傾向がある。
Figure 0007302262000009
(式(b3)中、Rb21は水素原子又はメチル基を表す。
b22は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
式(b3)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。)
前記式(b3)中のRb22としては、前記式(b1)中のRb12として挙げたものを好ましく採用することができる。
また、前記式(b3)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(b4)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007302262000010
(式(b4)中、Rb21及びR22は、前記式(b3)のものと同義である。
b23は水素原子又は多塩基酸残基を表す。
式(b4)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は結合手を表す。)
前記式(b4)中のRb23としては、前記式(b2)中のRb13として挙げたものを好ましく採用することができる。
また、アルカリ可溶性樹脂(B-1)は、前記式(b1)で表される部分構造と前記式(b3)で表される部分構造の両方を含むことが好ましい。
前記式(b1)で表される部分構造と前記式(b3)で表される部分構造の合計に対する前記式(b1)で表される部分構造の含有割合は特には限定されないが、通常20モル%以上であり、40モル%以上が好ましく、50モル%以上がさらに好ましく、また通常100モル%以下であり、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が良化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで、合成が容易になる傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂(B-1)は、前記式(b2)で表される部分構造と前記式(b4)で表される部分構造の両方を含むことが好ましい。
前記式(b2)で表される部分構造と前記式(b4)で表される部分構造の合計に対する前記式(b2)の含有割合は特には限定されないが、通常20モル%以上であり、40モル%以上が好ましく、50モル%以上がさらに好ましく、また通常100モル%以下であり、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が良化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで、合成が容易になる傾向がある。
アルカリ可溶性樹脂(B-1)1分子中に含まれる、前記式(b1)、(b2)、(b3)、(b4)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、アルカリ可溶性樹脂(B-1)1分子中に含まれる、前記式(b1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂(B-1)1分子中に含まれる、前記式(b2)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、15以下が好ましく、10以下がよりに好ましい。5以下がさらに好ましい前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
以下にアルカリ可溶性樹脂(B-1)の具体例を挙げる。
Figure 0007302262000011
Figure 0007302262000012
Figure 0007302262000013
これらの中でも、NMP耐性の観点から前記式(B-1-1)のアルカリ可溶性樹脂がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B-1)の製造方法は特に限定されないが、例えば下記式(b11)で表される部分構造を有するエポキシ樹脂に、エチレン性不飽和モノカルボン酸又はエステル化合物を付加し、任意でイソシアネート基含有化合物を反応させた後、更に多塩基酸又はその無水物を反応させて製造することできる。例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸のカルボキシ基が開環付加されることにより、エポキシ化合物にエステル結合(-COO-)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸無水物の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。また多塩基酸無水物を付加するときに、多価アルコールを同時に添加して付加する方法も挙げられる。
Figure 0007302262000014
(式(b11)中、Rb12及びnは、前記式(b1)のものと同義である。
式(b11)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。)
その他、特開2016-47919号公報、特開2017-190403号公報に記載の方法で、製造することも可能である。
アルカリ可溶性樹脂(B-1)の酸価は特に限定されないが、20mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がさらに好ましく、50mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、また、150mgKOH/g以下が好ましく、140mgKOH/g以下がより好ましく、130mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
アルカリ可溶性樹脂(B-1)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上であり、また、通常20000以下、好ましくは15000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは8000以下である。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
本発明の感光性着色樹脂組成物における(B)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性樹脂(B-1)以外のアルカリ可溶性樹脂(以下、「その他のアルカリ可溶性樹脂」と称する場合がある。)をさらに含有してもよい。その他のアルカリ可溶性樹脂を含有することで、パターニング性、現像性が良好となる傾向があり、好ましい。
その他のアルカリ可溶性樹脂としては、パターニング性の観点からは、(B-1)以外のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)」と称する場合がある。)を含むことが好ましい。一方で現像性の観点から、側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂(B-3)(以下、「アクリル共重合樹脂(B-3)」と称する場合がある。)を含むことが好ましい。
まずエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)について詳述する。
[(エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)]
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)は、前記式(b11)で表される部分構造を有さないエポキシ樹脂にエチレン性不飽和モノカルボン酸又はエステル化合物を付加し、任意でイソシアネート基含有化合物を反応させた後、更に多塩基酸又はその無水物を反応させた樹脂である。例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸のカルボキシ基が開環付加されることにより、エポキシ樹脂にエステル結合(-COO-)を介してエチレン性不飽和基が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸無水物の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。また多塩基酸無水物を付加するときに、多価アルコールを同時に添加して付加されたものも挙げられる。
また上記反応で得られた樹脂のカルボキシ基に、更に反応し得る官能基を有する化合物を反応させて得られる樹脂も、上記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)に含まれる。
ここで、エポキシ樹脂とは、具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタンとの重合エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)アダマンタンのジグリシジルエーテル化物、などが挙げられ、このように主鎖に芳香族環を有するものを好適に用いることができる。
中でも、高い硬化膜強度の観点から、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、などが好ましく、ビスフェノールAエポキシ樹脂が更に好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「jER(登録商標、以下同じ。)828」、「jER1001」、「jER1002」、「jER1004」、日本化薬社製の「NER-1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃)等)、ビスフェノールF型樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「jER807」、「jER4004P」、「jER4005P」、「jER4007P」、日本化薬社製の「NER-7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃)等)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、三菱ケミカル社製の「jERYX-4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN-201」、三菱ケミカル社製の「jER152」、「jER154」、ダウケミカル社製の「DEN-438」)、(o,m,p-)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN(登録商標、以下同じ。)-102S」、「EOCN-1020」、「EOCN-104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC(登録商標)」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN(登録商標、以下同じ。)-501」、「EPPN-502」、「EPPN-503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル社製の「セロキサイド(登録商標、以下同じ。)2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、DIC社製の「EXA-7200」、日本化薬社製の「NC-7300」、「XD-1000」)、ビフェニル型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NC-7000」)、大阪有機化学工業社製の「E-201」、等を好適に用いることができる。これらの中で、日本化薬社製の「XD-1000」、日本化薬社製の「NC-3000」、新日鉄住金化学社製の「ESF-300」、大阪有機化学工業社製の「E-201」等が好ましい
エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等、および、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水コハク酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水コハク酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物などが挙げられる。これらの中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
多塩基酸(無水物)としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、およびそれらの無水物などが挙げられる。これらの中でも、信頼性の観点から、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、またはヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、コハク酸無水物又はテトラヒドロフタル酸無水物がより好ましい。
多価アルコールを用いることで、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することができ、分子量と粘度のバランスをとることができる傾向がある。また、分子中への酸基の導入率を増やすことができ、感度や密着性等のバランスがとれやすい傾向がある。
多価アルコールとしては、例えばトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,2,3-プロパントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)としては、前述のもの以外に、韓国公開特許第10-2013-0022955号公報に記載のもの等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)の中でも、膜強度や直線性の観点から、下記一般式(i)で表される部分構造を有し、前記式(b1)で表される部分構造を有さないエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-1)」と称する場合がある。)、及び下記一般式(ii)で表される部分構造を有し、前記式(b1)で表される部分構造を有さないエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)」と称する場合がある。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
Figure 0007302262000015
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表す。
bは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。
Figure 0007302262000016
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。
dは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
e及びRfは各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂肪族基を表す。
l及びmは各々独立に0~2の整数を表す。
*は各々結合手を表す。
これらの中でもまず、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-1)について詳述する。
Figure 0007302262000017
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表す。
bは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。
前記式(i)中のRbとしては、前記式(b1)中のRb12として挙げたものを好ましく採用することができる。
式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
また、前記式(i)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(i-1)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007302262000018
式(i-1)中、Ra及びRbは、前記式(i)のものと同義である。
Yは水素原子又は多塩基酸残基を表す。
式(i-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。
前記式(i-1)中のRYとしては、前記式(b2)中のRb13として挙げたものを好ましく採用することができる。
前記式(i-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される繰り返し単位構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-1)1分子中に含まれる、前記式(i)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-1)の具体例を挙げる。
Figure 0007302262000019
Figure 0007302262000020
Figure 0007302262000021
Figure 0007302262000022
Figure 0007302262000023
Figure 0007302262000024
Figure 0007302262000025
次に、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)について詳述する。
Figure 0007302262000026
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。
dは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
e及びRfは各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂肪族基を表す。
l及びmは各々独立に0~2の整数を表す。
*は各々結合手を表す。
(Rd
前記式(ii)において、Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がよりさらに好ましく、12以上が特に好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもパターニング特性の観点から、フルオレン環が好ましい。
また、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基における、2価の炭化水素基は特に限定されないが、例えば、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像性の向上の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で膜強度の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でもNMP耐性の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも膜強度の観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシ基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも製造コストの観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する
傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、前記式(b1-1)~(b1-6)で表される基等が挙げられる。これらの中でも膜強度の観点から、前記式(b1-3)で表される基が好ましい。
これらの2価の炭化水素基に対して、側鎖である環状炭化水素基の結合態様は特に限定されないが、例えば、脂肪族基や芳香族環基の水素原子1つを該側鎖で置換した態様や、脂肪族基の炭素原子の1つを含めて側鎖である環状炭化水素基を構成した態様が挙げられる。
(Re、Rg
前記式(ii)において、Re及びRfは各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂肪族基を表す。
2価の脂肪族基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。
その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで感度の悪化や現像時の膜減りを抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状の脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状の脂肪族基としては、前述の2価の直鎖状の脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常12以下であり、10以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜となり、基板密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで感度の悪化や現像時の膜減りを抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環、ジシクロペンタジエン等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、ジシクロペンタジエン環、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
(l、m)
前記式(ii)において、l及びmは各々独立に0~2の整数を表す。前記下限値以上とすることでパターニング適性が良好となり、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。現像性の観点からl及びmが0であることが好ましい。一方で、パターニング適性、表面荒れの観点からl及びmが1以上であることが好ましい。
また、前記式(ii)で表される部分構造は、NMP耐性の観点から、下記式(ii-1)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007302262000027
式(ii-1)中、Rc、Re、Rf、l及びmは前記式(ii)と同義である。
αは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。
nは1以上の整数である。
式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。
(Rα
前記式(ii-1)において、Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常6以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシ基等が挙げられる。これらの中でも合成の容易性の観点から、無置換が好ましい。
nは1以上の整数を表すが、2以上が好ましく、また、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
これらの中でも、膜強度と現像性の両立の観点から、Rαが1価の脂肪族環基であることが好ましく、アダマンチル基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-1)で表される部分構造の具体例を挙げる。
Figure 0007302262000028
Figure 0007302262000029
Figure 0007302262000030
Figure 0007302262000031
Figure 0007302262000032
また、前記式(ii)で表される部分構造は、現像密着性の観点から、下記式(ii-2)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007302262000033
式(ii-2)中、Rc、Re、Rf、l及びmは前記式(ii)と同義である。
βは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
*は各々結合手を表す。
(Rβ
前記式(ii-2)において、Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシ基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
これらの中でも、膜強度と現像性の両立の観点から、Rβが2価の脂肪族環基であることが好ましく、2価のアダマンタン環基であることがより好ましい。
一方で、膜強度と現像性の両立の観点から、Rβが2価の芳香族環基であることが好ましく、2価のフルオレン環基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-2)で表される部分構造の具体例を挙げる。
Figure 0007302262000034
Figure 0007302262000035
Figure 0007302262000036
Figure 0007302262000037
一方で、前記式(ii)で表される部分構造は、現像性の観点から、下記式(ii-3)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007302262000038
式(ii-3)中、Rc、Rd、Re、Rf、l及びmは前記式(ii)と同義である。
Zは水素原子又は多塩基酸残基を表す。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)1分子中に含まれる、前記式(ii)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-2)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、70mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、110mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、さらに好ましくは3500以上であり、また、通常30000以下、好ましくは15000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは8000以下、特に好ましくは5000以下である。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
次に、アクリル共重合樹脂(B-3)について詳述する。
[アクリル共重合樹脂(B-3)]
アクリル共重合樹脂(B-3)は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する。エチレン性不飽和基を有するものとすることで、露光による光硬化により、現像時にアルカリ現像液による膜減りが起こりにくくなり、表面平滑性が良好となる。また柔軟な主骨格を持つことで現像時に現像液が浸透しやすくなり、溶解現像形態となりやすい傾向がある。
(一般式(1)で表される部分構造単位)
アクリル共重合樹脂(B-3)が有する、エチレン性不飽和基を有する側鎖を含む部分構造は特に限定されないが、膜の柔軟性に伴うラジカルの発散しやすさの観点から、例えば、下記一般式(1)で表される部分構造単位を有することが好ましい。
Figure 0007302262000039
(式(1)中、Ra1及びRa2は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。*は結合手を表す。)
また、前記式(1)で表される部分構造単位の中でも、感度やアルカリ現像性の観点から、下記一般式(1’)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007302262000040
(式(1’)中、Ra1及びRa2は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Rxは水素原子又は多塩基酸残基を表す。)
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(1)で表される部分構造単位を含む場合、その含有割合は特に限定されないが全繰り返し単位に対して10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がよりさらに好ましく、50モル%以上が特に好ましく、また、90モル%以下が好ましく、85モル%以下がより好ましく、80モル%以下がさらに好ましく、75モル%以下がよりさらに好ましく、70モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(1’)で表される繰り返し単位を含む場合、その含有割合は特に限定されないが全繰り返し単位中に、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましく、30モル%以上がよりさらに好ましく、35モル%以上が特に好ましく、また、80モル%以下が好ましく、75モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましく、65モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ現像性が良好になりやすい傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が確保しやすい傾向がある。
(一般式(2)で表される繰り返し単位)
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(1)で表される部分構造単位を含む場合、他に含まれる繰り返し単位は特に限定されないが、現像密着性の観点から、例えば、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 0007302262000041
上記式(2)中、Ra3は水素原子又はメチル基を表し、Ra4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
(Ra4
前記式(2)において、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
a4におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、8以上であることが特に好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が高くなり、現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
a4における芳香族環基としては、1価の芳香族炭化水素環基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は6以上であることが好ましく、また、24以下であることが好ましく、22以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、18以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ベンゼン環、又はナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
a4におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、Ra4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表すが、これらの中でも現像性と膜強度の観点から、アルキル基又はアルケニルが好ましく、アルキル基がより好ましい。
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、その含有割合は特に限定されないが全繰り返し単位中に、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましく、20モル%以上が特に好ましく、また、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、40モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(一般式(3)で表される繰り返し単位)
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(1)で表される部分構造単位を含む場合、他に含まれる繰り返し単位として、耐熱性、膜強度の観点から下記一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれることが好ましい。
Figure 0007302262000042
上記式(3)中、Ra5は水素原子又はメチル基を表し、Ra6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。tは0~5の整数を表す。
(Ra6
前記式(3)においてRa6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。
a6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも現像性と膜強度の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
a6におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
a6におけるアルキニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルキニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
a6におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも現像性の観点からはフッ素原子が好ましい。
a6におけるアルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルコシ基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
a6におけるアルキルスルフィド基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルスルフィド基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルキルスルフィド基におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、Ra6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、ヒドロキシル基又はカルボキシ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
前記式(3)においてtは0~5の整数を表すが、製造容易性の観点からはtが0であることが好ましい。
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、その含有割合は特に限定されないが全繰り返し単位中に、0.5モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、2モル%以上がさらに好ましく、5モル%以上が特に好ましい。また、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下がさらに好ましく、20モル%以下がよりさらに好ましく、15モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(一般式(4)で表される繰り返し単位)
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(1)で表される部分構造単位を有する場合、他に含まれる繰り返し単位として、現像性の観点から下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 0007302262000043
上記式(4)中、Ra7は水素原子又はメチル基を表す。
アクリル共重合樹脂(B-3)が前記一般式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、その含有割合は特に限定されないが全繰り返し単位中に、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましく、また、80モル%以下が好ましく70モル%以下がより好ましく、60%モル以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
一方で、アクリル共重合樹脂(B-3)の酸価は特に限定されないが、30mgKOH/g以上が好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、60mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、また、150mgKOH/g以下が好ましく、140mgKOH/g以下がより好ましく、130mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
アクリル共重合樹脂(B-3)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上、さらに好ましくは6000以上、よりさらに好ましくは7000以上、特に好ましくは8000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下である。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
なお、アクリル共重合樹脂(B-3)の具体例としては、例えば、特開平8-297366号公報や特開2001-89533号公報に記載の樹脂が挙げられる。
本発明における(B)アルカリ可溶性樹脂は、その他のアルカリ可溶性樹脂として、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)、アクリル共重合樹脂(B-3)以外のアルカリ可溶性樹脂をさらに含んでいてもよい。
また、(B)アルカリ可溶性樹脂の酸価は特に限定されないが、30mgKOH/g以上が好ましく、50mgKOH/g以上がより好ましく、60mgKOH/g以上が好ましく、また、300mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下がさらに好まし、80mgKOH/g以下が特にに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。なお、(B)アルカリ可溶性樹脂が2種以上の混合物の場合には、酸価は、その含有割合に応じた加重平均値を意味する。
<(C)光重合開始剤>
(C)光重合開始剤は、光を直接吸収し、分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。必要に応じて重合促進剤(連鎖移動剤)、増感色素等の付加剤を添加して使用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59-152396号公報、特開昭61-151197号公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000-56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体;特開平10-39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル-s-トリアジン誘導体;α-アミノアルキルフェノン誘導体;特開2000-80068号公報、特開2006-36750号公報等に記載されているオキシムエステル系化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、チタノセン誘導体類としては、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6-トリフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,6-ジフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,4-ジフルオロフェニ-1-イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6-ジフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウム〔2,6-ジ-フルオロ-3-(ピロ-1-イル)-フェニ-1-イル〕等が挙げられる。
また、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類としては、2-(2’-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2’-クロロフェニル)-4,5-ビス(3’-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(2’-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2’-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、(4’-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
また、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体類としては、2-トリクロロメチル-5-(2’-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2’-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2’-(6’’-ベンゾフリル)ビニル)〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等が挙げられる。
また、ハロメチル-s-トリアジン誘導体類としては、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等が挙げられる。
また、α-アミノアルキルフェノン誘導体類としては、2-メチル-1〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、4-ジメチルアミノエチルベンゾエ-ト、4-ジメチルアミノイソアミルベンゾエ-ト、4-ジエチルアミノアセトフェノン、4-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-エチルヘキシル-1,4-ジメチルアミノベンゾエート、2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4-(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、特に、感度や製版性の点でオキシムエステル系化合物が有効であり、フェノール性水酸基を含むアルカリ可溶性樹脂を用いる場合などは、特にこのような感度に優れたオキシムエステル系化合物が有用である。オキシムエステル系化合物は、その構造の中に紫外線を吸収する構造と光エネルギーを伝達する構造とラジカルを発生する構造を併せ持っているために、少量で感度が高く、かつ、熱反応に対して安定であり、少量で高感度な感光性着色樹脂組成物を得ることが可能である。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007302262000044
上記式(IV)中、R21aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
21bは芳香環を含む任意の置換基を示す。
22aは、置換基を有していてもよいアルカノイル基、又は、置換基を有していてもよいアリーロイル基を示す。
nは0または1の整数を示す。
21aにおけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性や感度の観点から、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチルエチル基、プロピル基等が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、4-(2-メトキシ-1-メチル)エトキシ-2-メチルフェニル基又はN-アセチル-N-アセトキシアミノ基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
21aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物への溶解性の観点から5以上であることが好ましい。また、現像性の観点から30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましい。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基、アルコキシ基、これらの置換基が連結した基などが挙げられ、現像性の観点からアルキル基、アルコキシ基、これらを連結した基が好ましく、連結したアルコキシ基がより好ましい。
これらの中でも、合成しやすさの観点から、R21aが置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。一方で、現像性の観点から、R21aが置換基を有していてもよい芳香族環基であることが好ましく、連結したアルコキシ基を置換基に有する芳香族環基であることがさらに好ましい。
また、R21bとしては、好ましくは置換されていてもよいカルバゾール基、置換されていてもよいチオキサントニル基又は置換されていてもよいジフェニルスルフィド基が挙げられる。これらの中でも、NMP耐性の観点から、置換されていてもよいジフェニルスルフィド基が好ましい。
また、R22aにおけるアルカノイル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性や感度の観点から、通常2以上、好ましくは3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルカノイル基の具体例としては、アセチル基、エチロイル基、プロパノイル基、ブタノイル基等が挙げられる。
アルカノイル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
また、R22aにおけるアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性や感度の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。アリーロイル基の具体例としては、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
アリーロイル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
これらの中でも、NMP耐性の観点から、R22aが置換基を有していてもよいアルカノイル基であることが好ましく、無置換のアルカノイル基であることがより好ましく、アセチル基であることがさらに好ましい。
また特開2016-133574号公報に記載される開始剤も、着色剤による液晶層の汚染が低減されるという点からも好適に用いられる。
光重合開始剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
光重合開始剤には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素、重合促進剤を配合させることができる。増感色素としては、特開平4-221958号公報、特開平4-219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3-239703号公報、特開平5-289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3-239703号公報、特開平5-289335号公報に記載の3-ケトクマリン化合物、特開平6-19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47-2528号公報、特開昭54-155292号公報、特公昭45-37377号公報、特開昭48-84183号公報、特開昭52-112681号公報、特開昭58-15503号公報、特開昭60-88005号公報、特開昭59-56403号公報、特開平2-69号公報、特開昭57-168088号公報、特開平5-107761号公報、特開平5-210240号公報、特開平4-288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン、4-アミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-チアジアゾール、(p-ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p-ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p-ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p-ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p-ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p-ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp-ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。このうち最も好ましいものは、4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル等の芳香族アミン、n-ブチルアミン、N-メチルジエタノールアミン等の脂肪族アミン、後述するメルカプト化合物等が用いられる。重合促進剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<(D)エチレン性不飽和化合物>
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(D)エチレン性不飽和化合物を含む。(D)エチレン性不飽和化合物を含むことで、感度が向上する。
本発明に用いられるエチレン性不飽和化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物である。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、及びエチレン性不飽和結合を1個有するカルボン酸と、多価又は1価アルコールのモノエステル、等が挙げられる。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性不飽和基の数は特に限定されないが、通常2個以上であり、好ましくは4個以上であり、より好ましくは5個以上であり、また、好ましくは8個以下であり、より好ましくは7個以下である。前記下限値以上とすることで高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで溶媒への溶解性が向上する傾向がある。例えば、上限と下限の組み合わせとしては、2~8個が好ましく、4~7個がより好ましく、5~7個がさらに好ましく挙げられる。
多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
多塩基性カルボン酸及び不飽和カルボン酸と、多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル又はポリイソシアネート化合物とポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られるようなウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、DPHA-40H、UX-5000、UX-5002D-P20、UX-5003D、UX-5005(日本化薬社製)、U-2PPA、U-6LPA、U-10PA、U-33H、UA-53H、UA-32P、UA-1100H(新中村化学工業社製)、UA-306H、UA-510H、UF-8001G(共栄社化学社製)、UV-1700B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7630B、UV7640B(日本合成化学工業社製)等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性の観点から(D)エチレン性不飽和化合物として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いることがより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(E)分散剤>
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(A)着色剤を微細に分散させ、かつその分散状態を安定化させるため、(E)分散剤を含むことが好ましい。
(E)分散剤としては、官能基を有する高分子分散剤が好ましく、さらに、分散安定性の面からカルボキシ基;リン酸基;スルホン酸基;又はこれらの塩基;一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の官能基を有する高分子分散剤が好ましい。中でも特に、一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の塩基性官能基を有する高分子分散剤が顔料を分散する際に少量の分散剤で分散することができるとの観点から特に好ましい。
また、高分子分散剤としては、例えばウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標。BASF社製。)、DISPERBYK(登録商標。ビックケミー社製。)、ディスパロン(登録商標。楠本化成社製。)、SOLSPERSE(登録商標。ルーブリゾール社製。)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(登録商標。味の素社製。)等を挙げることができる。
これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常700以上、好ましくは1000以上であり、また通常100000以下、好ましくは50000以下である。
これらの内、顔料の分散性の観点から、(E)分散剤は官能基を有するウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことが好ましく、アクリル系高分子分散剤を含むことが特に好ましい。
また分散性、保存性の面から、塩基性官能基を有し、ポリエステル結合及び/又はポリエーテル結合を有する高分子分散剤が好ましい。
ウレタン系及びアクリル系高分子分散剤としては、例えばDISPERBYK-160~167、182シリーズ(いずれもウレタン系)、DISPERBYK-2000、2001、BYK-LPN21116等(いずれもアクリル系)(以上すべてビックケミー社製)が挙げられる。
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300~10000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1000~200000の分散樹脂等が挙げられる。これらをベンジルクロリド等の四級化剤で処理することで、3級アミノ基の全部又は一部を4級アンモニウム塩基にすることができる。
上記のポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′-ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの三量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300~10000の化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1~25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1~25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,8-オクタメチレングリコール、2-メチル-1,8-オクタメチレングリコール、1,9-ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N-メチルジエタノールアミン等のN-アルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1~25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1~25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトンである。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6-ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300~10,000、好ましくは500~6,000、さらに好ましくは1,000~4,000である。
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されないが、例えば炭素数1~4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的にはイミダゾール環又はトリアゾール環、などが挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジプロピル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジブチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N-ジプロピルエチレンジアミン、N,N-ジブチルエチレンジアミン、N,N-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジエチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジプロピル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジブチル-1,4-ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環構造である場合の該含窒素ヘテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等の含窒素ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環のうち好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2-アミノイミダゾール、1-(2-アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、5-(2-アミノ-5-クロロフェニル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール-3,5-ジオール、3-アミノ-5-フェニル-1H-1,3,4-トリアゾール、5-アミノ-1,4-ジフェニル-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-1-ベンジル-1H-2,4-トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系高分子分散剤を製造する際の原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100質量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300~10,000の化合物が10~200質量部、好ましくは20~190質量部、さらに好ましくは30~180質量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2~25質量部、好ましくは0.3~24質量部である。
ウレタン系高分子分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記製造に際して、通常、ウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1~100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5~95mgKOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表した値である。前記下限値以上とすることで分散能力が良化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良化する傾向がある。
なお、以上の反応で高分子分散剤にイソシアネート基が残存する場合にはさらに、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
ウレタン系高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常1000~200000、好ましくは2000~100000、より好ましくは3000~50000の範囲である。前記下限値以上とすることで分散性及び分散安定性が良化する傾向があり、前記上限値以下とすることで溶解性が向上し分散性が良化する傾向がある。
アクリル系高分子分散剤としては、官能基(ここでいう官能基とは、高分子分散剤に含有される官能基として前述した官能基である。)を有する不飽和基含有単量体と、官能基を有さない不飽和基含有単量体とのランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を使用することが好ましい。これらの共重合体は公知の方法で製造することができる。
官能基を有する不飽和基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ダイマー等のカルボキシ基を有する不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの4級化物などの3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体が具体例として挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
官能基を有さない不飽和基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、α-メチルスチレン、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミドなどのN-置換マレイミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマーなどのマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系高分子分散剤は、特に好ましくは、官能基を有するAブロックと官能基を有さないBブロックからなるA-B又はB-A-Bブロック共重合体であるが、この場合、Aブロック中には上記官能基を含む不飽和基含有単量体由来の部分構造の他に、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造が含まれていてもよく、これらが該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、官能基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、通常80質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
Bブロックは、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造からなるものであるが、1つのBブロック中に2種以上の単量体由来の部分構造が含有されていてもよく、これらは、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
該A-B又はB-A-Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。
このアクリル系高分子分散剤を合成するに際しては、特開平9-62002号公報や、P.Lutz, P.Masson et al, Polym. Bull. 12,
79 (1984), B.C.Anderson, G.D.Andrews et
al, Macromolecules, 14, 1601(1981), K.Hatada, K.Ute,et al, Polym. J. 17, 977(1985), 18, 1037(1986), 右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,
366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46, 189(1989), M.Kuroki, T.Aida, J. Am. Chem. Sic, 109, 4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43, 300(1985), D.Y.Sogoh, W.R.Hertler et al, Macromolecules, 20, 1473(1987)などに記載の公知の方法を採用することができる。
本発明で用いることができるアクリル系高分子分散剤はA-Bブロック共重合体であっても、B-A-Bブロック共重合体であってもよく、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比は1/99~80/20、特に5/95~60/40(質量比)であることが好ましく、この範囲内にすることで分散性と保存安定性のバランスの確保ができる傾向がある。
また、本発明で用いることができるA-Bブロック共重合体、B-A-Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1~10mmolであることが好ましく、この範囲内にすることで良好な分散性を確保できる傾向がある。
なお、このようなブロック共重合体中には、通常、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があるが、そのアミン価は1~100mgKOH/g程度であり、分散性の観点から、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上、さらに好ましくは50mgKOH/g以上、また、好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下、さらに好ましくは75mgKOH/g以下である。
ここで、これらのブロック共重合体等の分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5~1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン
価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[質量%]を表す。〕
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常10mgKOH/g以下であり、その重量平均分子量(Mw)は、1000~100000の範囲が好ましい。前記範囲内とすることで良好な分散性を確保できる傾向がある。
4級アンモニウム塩基を官能基として有する場合、高分子分散剤の具体的な構造については特に限定されないが、分散性の観点からは、下記式(i)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(i)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007302262000045
上記式(i)中、R31~R33は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し;
31~R33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよく;
34は水素原子又はメチル基であり;
Xは2価の連結基であり;
-は対アニオンである。
上記式(i)のR31~R33における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上であって、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(i)のR31~R33における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31~R33における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルイソプロピル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であることが好ましく、フェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることがより好ましい。
これらの中でも、分散性の観点から、R31~R33が各々独立に、アルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、具体的には、R31及びR33が各々独立に、メチル基、又はエチル基であり、かつ、R32がフェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることが好ましく、R31及びR33がメチル基であり、かつ、R32がフェニルメチル基であることがさらに好ましい。
また、前記高分子分散剤が官能基として3級アミンを有する場合、分散性の観点からは、下記式(ii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(ii)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007302262000046
上記式(ii)中、R35及びR36は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり;
35及びR36が互いに結合して環状構造を形成してもよく;
37は水素原子又はメチル基であり;
Zは2価の連結基である。
上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアルキル基としては、上記式(i)のR31~R33として例示したものを好ましく採用することができる。
上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアリール基としては、上記式(i)のR31~R33として例示したものを好ましく採用することができる。
上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記式(i)のR31~R33として例示したものを好ましく採用することができる。
これらの中でも、R35及びR36が各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基、又はエチル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31~R33及び上記式(ii)のR35及びR36におけるアルキル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられる。
上記式(i)及び(ii)において、2価の連結基X及びZとしては、例えば、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-CONH-R43-基、-COOR44-基〔但し、R43及びR44は単結合、炭素数1~10のアルキレン基、又は炭素数2~10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは-COO-R44-基である。
また、上記式(i)において、対アニオンのY-としては、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、CH3COO-、PF6 -等が挙げられる。
前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合と前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下であり、さらに好ましくは40モル%以下であり、特に好ましくは35モル%以下であり、また、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは30モル%以上である。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、また、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましく、15モル%以下であることが特に好ましい。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、15モル%以上であることがさらに好ましく、20モル%以上であることが特に好ましく、また、60モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることがさらに好ましく、25モル%以下であることが特に好ましい。
また、高分子分散剤は、溶媒等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記式(iii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iii)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007302262000047
上記式(iii)中、R40はエチレン基又はプロピレン基であり;R41は置換基を有していてもよいアルキル基であり;
42は水素原子又はメチル基であり;
nは1~20の整数である。
上記式(iii)のR41における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上であって、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
また、上記式(iii)におけるnは溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散性の観点から、1以上であって、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることがより好ましく、4モル%以上であることがさらに好ましく、また、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。前記範囲内の場合には溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散安定性の両立が可能となる傾向がある。
また、高分子分散剤は、分散剤の溶媒等バインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるという観点から、下記式(iv)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iv)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007302262000048
上記式(iv)中、R38は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり;R39は水素原子又はメチル基である。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上であって、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルイソプロピル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であることが好ましく、フェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることがより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R38がアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチル基であることがより好ましい。
38における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R38で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iv)で表される繰り返し単位の含有割合は、分散性の観点から、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、また、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
高分子分散剤は、繰り返し単位(i)、繰り返し単位(ii)、繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N-メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
高分子分散剤は、分散性をより高めるとの観点から、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有するAブロックと、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A-Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であることが好ましい。Aブロックに4級アンモニウム塩基だけでなく3級アミノ基も導入することにより、意外にも、分散剤の分散能力が著しく向上する傾向がある。また、Bブロックが繰り返し単位(iii)を有することが好ましく、さらに繰り返し単位(iv)を有することがより好ましい。
Aブロック中において、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、1つのAブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0~50モル%、より好ましくは0~20モル%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
繰り返し単位(iii)及び(iv)以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N-メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0~50モル%、より好ましくは0~20モル%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
<(F)溶剤>
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(F)溶剤を含んでもよい。(F)溶剤を含むことで、顔料を溶剤中に分散でき、また、塗布が容易となる。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、通常、(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合開始剤、(D)エチレン性不飽和化合物、及び必要に応じて使用されるその他の各種材料が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。溶剤の中でも、分散性や塗布性の観点から有機溶剤が好ましい。
有機溶剤の中でも、塗布性の観点から沸点が100~300℃の範囲のものを選択するのが好ましく、沸点が120~280℃の範囲のものを選択するのがより好ましい。なお、ここでいう沸点は、圧力1013.25hPaにおける沸点を意味し、以下沸点に関しては全て同様である。
このような有機溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3-メトキシプロピオン酸、3-エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロリド、アミルクロリドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等。
上記に該当する市販の有機溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ(「セロソルブ」は登録商標。以下同じ。)、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィー法にて着色スペーサーを形成する場合、有機溶剤としては沸点が100~200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120~170℃の沸点を持つものである。
上記有機溶剤のうち、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の有機溶剤を併用してもよい。併用する有機溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる感光性着色樹脂組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5質量%~30質量%が好ましく、5質量%~20質量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ有機溶剤(以下「高沸点溶剤」と称す場合がある。)を併用することも好ましい。このような高沸点溶剤を併用することにより、感光性着色樹脂組成物は乾きにくくなるが、組成物中における顔料の均一な分散状態が、急激な乾燥により破壊されることを防止する効果がある。すなわち、例えばスリットノズル先端における、着色剤などの析出・固化による異物欠陥の発生を防止する効果がある。このような効果が高い点から、上述の各種溶剤の中でも、特にジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
高沸点溶剤を併用する場合、有機溶剤中の高沸点溶剤の含有割合は、3質量%~50質量%が好ましく、5質量%~40質量%がより好ましく、5質量%~30質量%が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、例えばスリットノズル先端で色材などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こすのを抑制できる傾向があり、また前記上限値以下とすることで組成物の乾燥温度が遅くなるのを抑制し、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を抑制できる傾向がある
なお、沸点150℃以上の高沸点溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であってもよく、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の高沸点溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
<感光性着色樹脂組成物のその他の配合成分>
本発明の感光性着色樹脂組成物には、上述の成分の他、シランカップリング剤等の密着向上剤、界面活性剤(塗布性向上剤)、顔料誘導体、光酸発生剤、架橋剤、メルカプト化合物、重合禁止剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜配合することができる。
(1)密着向上剤
本発明の感光性着色樹脂組成物には、基板との密着性を改善するため、密着向上剤を含有させてもよい。密着向上剤としては、シランカップリング剤、燐酸基含有化合物等が好ましい。
シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、(メタ)アクリル系、アミノ系等種々のものを1種単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
好ましいシランカップリング剤として、例えば、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類が挙げられるが、特に好ましくは、エポキシシラン類のシランカップリング剤である。
燐酸基含有化合物としては、(メタ)アクリロイル基含有ホスフェート類が好ましく、下記一般式(g1)、(g2)又は(g3)で表されるものが好ましい。
Figure 0007302262000049
上記一般式(g1)、(g2)及び(g3)において、R51は水素原子又はメチル基を表し、l及びl’は1~10の整数であり、mは1、2又は3である。
これらの燐酸基含有化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(2)界面活性剤
本発明の感光性着色樹脂組成物には、塗布性向上ため、界面活性剤を含有させてもよい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等各種のものを用いることができる。中でも、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましく、中でもフッ素系やシリコン系の界面活性剤が塗布性の面で効果的である。
このような界面活性剤としては、例えば、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、DFX-18(ネオス社製)、BYK-300、BYK-325、BYK-330(ビックケミー社製)、KP340(信越シリコーン社製)、F-470、F-475、F-478、F-559(DIC社製)、SH7PA(東レ・ダウコーニング社製)、DS-401(ダイキン社製)、L-77(日本ユニカー社製)、FC4430(3M社製)等が挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(3)顔料誘導体
本発明の感光性着色樹脂組成物には、分散性、保存性向上のため、分散助剤として顔料誘導体を含有させてもよい。
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもフタロシアニン系、キノフタロン系が好ましい。
顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシ基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
顔料誘導体の具体例としてはフタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(4)光酸発生剤
光酸発生剤とは、紫外線により酸を発生することができる化合物であり、露光を行った際に発生する酸の作用により、例えばメラミン化合物等架橋剤があることで架橋反応を進行させることとなる。係る光酸発生剤の中でも、溶剤に対する溶解性、特に感光性着色樹脂組成物に使われる溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましいものであり、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p-アニシル)ヨードニウム、ビス(m-ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p-クロロフェニル)ヨードニウム、ビス(n-ドデシル)ヨードニウム、p-イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、p-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウムなどのジアリールヨードニウム、あるいはトリフェニルスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩等や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n-ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体類、あるいは、2-メチル-4,6-ビストリクロロメチルトリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビストリクロロメチルトリアジンなどのトリアジン化合物等を挙げることができるがこの限りではない。
(5)架橋剤
本発明の感光性着色樹脂組成物には、さらに架橋剤を加えることができ、例えばメラミン又はグアナミン系の化合物を用いることができる。これら架橋剤としては、例えば、下記一般式(6)で示されるメラミン又はグアナミン系の化合物を挙げることができる。
Figure 0007302262000050
式(6)中、R61は-NR6667基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R61が-NR6667基の場合はR62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つが-CH2OR68基を表し、R61が炭素数6~12のアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが-CH2OR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素又は-CH2OR68基を表し、R68は水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。
ここで、炭素数6~12のアリール基は典型的にはフェニル基、1-ナフチル基又は2-ナフチル基であり、これらのフェニル基やナフチル基には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基が結合していてもよい。アルキル基及びアルコキシ基は、それぞれ炭素数1~6程度であることができる。R68で表されるアルキル基は、上記のなかでも、メチル基又はエチル基、とりわけメチル基であるのが好ましい。
一般式(6)に相当するメラミン系化合物、すなわち下記一般式(6-1)の化合物には、ヘキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンなどが包含される。
Figure 0007302262000051
式(6-1)中、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つがアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが-CH2OR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素原子又は-CH2OR68基を表し、R68は水素原子又はアルキル基を表す。
また、一般式(6)に相当するグアナミン系化合物、すなわち一般式(6)中のR61がアリールである化合物には、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、トリメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラエトキシメチルベンゾグアナミンなどが包含される。
さらに、メチロール基又はメチロールアルキルエーテル基を有する架橋剤を用いることもできる。以下にその例を挙げる。
2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-4-メチルフェノール、4-tert-ブチル-2,6-ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、5-エチル-1,3-ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ-1,3,5-トリアジン-2-オン(通称N-エチルジメチロールトリアゾン)又はそのジメチルエーテル体、ジメチロールトリメチレン尿素又はそのジメチルエーテル体、3,5-ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ-1,3,5-オキサジアジン-4-オン(通称ジメチロールウロン)又はそのジメチルエーテル体、テトラメチロールグリオキザールジウレイン又はそのテトラメチルエーテル体。
なお、これら架橋剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(6)メルカプト化合物
重合促進剤として、また、基板への密着性の向上のため、メルカプト化合物を添加することも可能である。
メルカプト化合物の種類としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、エチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトイソブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等の複素環を有するメルカプト化合物又は脂肪族多官能メルカプト化合物等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)が、感度、NMP耐性の観点からが好ましい。
これらは種々のものを1種単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
(7)重合禁止剤
本発明の感光性着色樹脂組成物には、形状制御の観点から、重合禁止剤を含有させてもよい。重合禁止剤を含有することでそれが塗布膜下層のラジカル重合を阻害することから、テーパー角(硬化物断面に於ける支持体と硬化物のなす角度)を制御できると考えられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルヒドロキノン、メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-クレゾール(BHT)などが挙げられる。これらの中でも形状制御の観点から、2,6-ジ-tert-ブチル-4-クレゾールが好ましい。また人体への安全性の観点から、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルヒドロキノンが好ましい。
重合禁止剤は、1種又は2種以上を含有することが好ましい。(B)アルカリ可溶性樹脂を製造する際に、当該樹脂中に重合禁止剤が含まれることがあり、それを本発明の重合禁止剤として用いてもよいし、樹脂中に重合禁止剤の他に、それと同一、又は異なる重合禁止剤を感光性着色樹脂組成物製造時に添加してもよい。
<感光性着色樹脂組成物中の各成分の含有割合>
本発明の感光性着色樹脂組成物における(A)着色剤の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性を確保出来る傾向があり、前記上限値以下とすることでパターニング性が向上する傾向がある。
また、感光性着色樹脂組成物における、有機顔料の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで硬化に必要な紫外線光の損失を抑えつつ遮光性を確保出来る傾向があり、前記上限値以下とすることでパターニング性が向上する傾向がある。
また、感光性着色樹脂組成物が(i)有機着色顔料を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで硬化に必要な紫外線光の損失を抑えつつ遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が良好となる傾向がある。
(A)着色剤が(i)有機着色顔料を含む場合、赤色顔料及び橙色顔料の含有割合の合計は特に限定されないが、(A)着色剤中に8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましく、また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで黒色に近い色調にできる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高感度となる傾向がある。
(A)着色剤が(i)有機着色顔料を含む場合、青色顔料及び紫色顔料の含有割合の合計は特に限定されないが、(A)着色剤中に20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上がよりさらに好ましく、75質量%以上が特に好ましく、また、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が良好となる傾向がある。
また、感光性着色樹脂組成物が(ii)有機黒色顔料を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、また、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が良好となる傾向がある。
(A)着色剤が(ii)有機黒色顔料を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、(A)着色剤中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が良好となる傾向がある。
また、(A)着色剤として有機顔料以外の着色剤としてカーボンブラックを含む場合、その含有割合は特に限定されないが、(A)着色剤中に1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が上がる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
(A)着色剤として(i)有機着色顔料及び(ii)有機黒色顔料を含む場合、(ii)有機黒色顔料の含有割合は特に限定されないが、(i)有機着色顔料と(ii)有機黒色顔料の含有割合の合計に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、また、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、40質量%以下がよりさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで黒色に近い色調にできる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が良好となる傾向がある。
本発明の感光性着色樹脂組成物における(B)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、よりさらに好ましくは35質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。前記下限値以上とすることで現像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高い感度となる傾向がある。
本発明の感光性着色樹脂組成物中における、アルカリ可溶性樹脂(B-1)の含有割合は特に限定されないが、全固形分に対して、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、また、通常80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。前記下限値以上とすることでNMP耐性及び現像形態が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性、パターニング性が良好となる傾向がある。
(B)アルカリ可溶性樹脂がアルカリ可溶性樹脂(B-1)以外のアルカリ可溶性樹脂を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中に、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性、パターニング性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が良好となる傾向がある。
(B)アルカリ可溶性樹脂がエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B-2)を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中に、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでパターニング性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性、NMP耐性が向上する傾向がある。
(B)アルカリ可溶性樹脂がアクリル共重合樹脂(B-3)を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、(B)アルカリ可溶性樹脂中に、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでNMP耐性が向上する傾向がある。
また、全固形分中における(B)アルカリ可溶性樹脂及び(D)エチレン性不飽和化合物の含有割合の総和は、特に限定されないが、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、45質量%以上が特に好ましく、また、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高い感度となる傾向がある。
また、(A)着色剤100質量部に対する(B)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は特に限定されないが、10質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、50質量部以上がさらに好ましく、80質量部以上が特に好ましく、また、1000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、200質量部以下がさらに好ましく、120質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が良化する傾向があり、前記上限値以下とすることで遮光性が高くなる傾向がある。
また、(A)着色剤100質量部に対するアルカリ可溶性樹脂(B-1)の含有割合は特に限定されないが、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上が特に好ましく、また、500質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましく、70質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでNMP耐性が良化する傾向があり、前記上限値以下とすることで遮光性が高くなる傾向がある。
(C)光重合開始剤の含有割合は特に限定されないが、本発明の感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、よりさらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。(C)光重合開始剤の含有割合を前記下限値以上とすることで感度、及びNMP耐性が良化する傾向があり、前記上限値以下とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。
(C)光重合開始剤と共に重合促進剤を用いる場合、重合促進剤の含有割合は特に限定されないが、本発明の感光性着色樹脂組成物の全固形分中に好ましくは0.05質量%以上、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、重合促進剤は、(C)光重合開始剤100質量部に対して通常0.1~50質量部、特に0.1~20質量部の割合で用いることが好ましい。重合促進剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、露光光線に対する感度、及びNMP耐性が良化する傾向があり、前記上限値以下とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。
また、(C)光重合開始剤と共に増感色素を用いる場合、その含有割合は特に限定されないが、感度の観点から感光性着色樹脂組成物中の全固形分中に通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
(D)エチレン性不飽和化合物の含有割合は特に限定されないが、本発明の感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。前記下限値以上とすることで適正な感度を維持し、露光部の現像液による溶解を抑制でき、また画素のシャープ性や密着性の低下を抑制できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで、露光部への現像液の浸透性が高くなるのを抑制し、良好な画像を得ることが容易となる傾向がある。
一方で、(D)エチレン性不飽和化合物100質量部に対する(B)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、通常80質量部以上、100質量部以上が好ましく、150質量部以上がより好ましく、200質量部以上がさらに好ましく、250質量部以上が特に好ましく、また、通常700質量部以下、500質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましく、300質量部以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで剥離等のない適正な溶解現像状態となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像液に対して適切な溶解時間を得ることができる傾向がある。
感光性着色樹脂組成物が(E)分散剤を含有する場合、(E)分散剤の含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常1質量%以上であり、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また通常30質量%以下、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで、十分な分散性が得られやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで相対的に他の成分の割合が減ることで感度、製版性等が低下するのを抑制できる傾向がある。
また、(A)着色剤100質量部に対する(E)分散剤の含有割合は、特に限定されないが、通常5質量部以上、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、通常50質量部以下、特に30質量部以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることで、十分な分散性が得られやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで相対的に他の成分の割合が減ることで感度、製版性等が低下するのを抑制できる傾向がある。
なお、本発明の感光性着色樹脂組成物が(F)溶剤を含む場合、全固形分の含有割合は特に限定されないが、塗布性の観点から通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、また通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
密着向上剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.1~5質量%、好ましくは0.2~3質量%、さらに好ましくは0.4~2質量%である。密着向上剤の含有割合を前記下限値以上とすることで密着性の向上効果を十分に得ることができる傾向があり、前記上限値以下とすることで感度が低下したり、現像後に残渣が残り欠陥となったりするのを抑制できる傾向がある。
また、界面活性剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.001~10質量%、好ましくは0.005~1質量%、さらに好ましくは0.01~0.5質量%、最も好ましくは0.03~0.3質量%である。界面活性剤の含有割合を前記下限値以上とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすく、他の特性の悪化も抑制できる傾向がある。
<感光性着色樹脂組成物の物性>
本発明の感光性着色樹脂組成物は、着色スペーサー形成用に好適に使用することができ、着色スペーサーとして用いるとの観点からは黒色を呈していることが好ましい。また、その塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度(OD)が0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましく、1.4以上であることがよりさらに好ましく、1.5以上であることが特に好ましく、1.8以上であることが最も好ましく、通常4.0以下であり、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。
<感光性着色樹脂組成物の製造方法>
本発明の感光性着色樹脂組成物(以下、「レジスト」と称することがある。)は、常法に従って製造される。
通常、(A)着色剤は、予めペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが好ましい。分散処理により(A)着色剤が微粒子化されるため、レジストの塗布特性が向上する。
分散処理は、通常、(A)着色剤、(E)分散剤、及び(F)溶剤、並びに(B)アルカリ可溶性樹脂の一部又は全部を併用した系にて行うことが好ましい(以下、分散処理に供する混合物、及び該処理にて得られた組成物を「インク」又は「顔料分散液」と称することがある)。特に(E)分散剤として高分子分散剤を用いると、得られたインク及びレジストの経時の増粘が抑制される(分散安定性に優れる)ので好ましい。
このように、レジストを製造する工程において、(A)着色剤、(E)分散剤、及び(F)溶剤を少なくとも含有する顔料分散液を製造することが好ましい。
顔料分散液に用いることができる(A)着色剤、(E)分散剤、及び(F)溶剤としては、それぞれ感光性着色樹脂組成物に用いることができるものとして記載したものを好ましく採用することができる。また、顔料分散液における(A)着色剤の各着色剤の含有割合としても、感光性着色樹脂組成物における含有割合として記載したものを好ましく採用することができる。
なお、感光性着色樹脂組成物に配合する全成分を含有する液に対して分散処理を行った場合、分散処理時に生じる発熱のため、高反応性の成分が変性する可能性がある。従って、高分子分散剤を含む系にて分散処理を行うことが好ましい。
サンドグラインダーで(A)着色剤を分散させる場合には、0.1~8mm程度の粒子径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常0℃から100℃であり、好ましくは室温から80℃の範囲である。分散時間は液の組成及び分散処理装置のサイズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジストの20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が50~300の範囲となるように、インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジストの光沢度が低い場合には、分散処理が十分でなく荒い顔料(色材)粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等が不十分となる可能性がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理を行うと、顔料が破砕して超微粒子が多数生じるため、却って分散安定性が損なわれる傾向がある。
また、インク中に分散した顔料の分散粒径は通常0.03~0.3μmであり、動的光散乱法等により測定される。
次に、上記分散処理により得られたインキと、レジスト中に含まれる、上記の他の成分を混合し、均一な溶液とする。レジストの製造工程においては、微細なゴミが液中に混じることがあるため、得られたレジストはフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
[硬化物]
本発明の感光性着色樹脂組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物は、着色スペーサーとして好適に用いることができる。
[着色スペーサー]
次に、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いた着色スペーサーについて、その製造方法に従って説明する。
(1)支持体
着色スペーサーを形成するための支持体としては、適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。主に透明基板が使用されるが、材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルフォンなどの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。また、基板の表面にITO、IZO等の透明電極が成膜されている場合もある。透明基板以外では、TFTアレイ上に形成することも可能である。
支持体には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行ってもよい。
透明基板の厚さは、通常0.05~10mm、好ましくは0.1~7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01~10μm、好ましくは0.05~5μmの範囲である。
(2)着色スペーサー
本発明の感光性着色樹脂組成物は、公知のカラーフィルター用感光性着色樹脂組成物と同様の用途に使用されるが、以下、着色スペーサー(ブラックフォトスペーサー)として使用される場合について、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いたブラックフォトスペーサーの形成方法の具体例に従って説明する。
通常、ブラックフォトスペーサーが設けられるべき基板上に、感光性着色樹脂組成物を、塗布等の方法により膜状或いはパターン状に供給し、溶剤を乾燥させる。続いて、露光-現像を行うフォトリソグラフィー法などの方法によりパターン形成を行う。その後、必要により追露光や熱硬化処理を行うことにより、該基板上にブラックフォトスペーサーが形成される。
(3)着色スペーサーの形成
[1]基板への供給方法
本発明の感光性着色樹脂組成物は、通常、溶剤に溶解或いは分散された状態で、基板上へ供給される。その供給方法としては、従来公知の方法、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行うことができる。また、インクジェット法や印刷法などにより、パターン状に供給されてもよい。中でも、ダイコート法によれば、塗布液の使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くない、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗布量は用途により異なるが、例えばブラックフォトスペーサーの場合には、乾燥膜厚として、通常0.5μm~10μm、好ましくは1μm~9μm、特に好ましくは1μm~7μmの範囲である。また、乾燥膜厚あるいは最終的に形成されたスペーサーの高さが、基板全域に渡って均一であることが重要である。ばらつきが大きい場合には、液晶パネルにムラ欠陥を生ずることとなる。
ただし、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する場合は、最終的に形成されたブラックフォトスペーサーの高さは異なるものとなる。
尚、基板としてはガラス基板など、公知の基板を使用することができる。また、基板表面は平面であることが好適である。
[2]乾燥方法
基板上に感光性着色樹脂組成物溶液を供給した後の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥方法によるのが好ましい。また、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法を組み合わせてもよい。
乾燥の条件は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40℃~130℃の温度で15秒~5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50℃~110℃の温度で30秒~3分間の範囲で選ばれる。
[3]露光方法
露光は、感光性着色樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを感光性着色樹脂組成物の塗布膜に近接させる方法や、露光マスクを感光性着色樹脂組成物の塗布膜から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によってもよい。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によってもよい。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、脱酸素雰囲気下で行ったり、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ったりしてもよい。
本発明の好ましい態様として、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成する場合は、例えば、遮光部(光透過率0%)と、複数の開口部として、平均光透過率の最も高い開口部(完全透過開口部)に対して平均光透過率の小さい開口部(中間透過開口部)を有する露光マスクを用いる。この方法により、中間透過開口部と完全透過開口部の平均光透過率の差、即ち露光量の差により、残膜率の差異を生じさせる。
中間透過開口部は、例えば、微小な多角形の遮光ユニットを有するマトリックス状遮光パターンによって作成する方法等が知られている。また吸収体として、クロム系、モリブデン系、タングステン系、シリコン系などの材料の膜によって、光透過率を制御し作成する方法等が知られている。
上記の露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、青紫色半導体レーザー、近赤外半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
光学フィルターとしては、例えば薄膜で露光波長における光透過率を制御可能なタイプでもよく、その場合の材質としては、例えばCr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
露光量としては、通常、1mJ/cm2以上、好ましくは5mJ/cm2以上、より好ましくは10mJ/cm2以上であり、通常300mJ/cm2以下、好ましくは200mJ/cm2以下、より好ましくは150mJ/cm2以下である。
また、近接露光方式の場合には、露光対象とマスクパターンとの距離としては、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。
[4]現像方法
上記の露光を行った後、アルカリ性化合物の水溶液、又は有機溶剤を用いる現像によって、基板上に画像パターンを形成することができる。この水溶液には、さらに界面活性剤、有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ-・ジ-又はトリエタノールアミン、モノ-・ジ-又はトリメチルアミン、モノ-・ジ-又はトリエチルアミン、モノ-又はジイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、モノ-・ジ-又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤、が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独で使用しても水溶液と併用して使用してもよい。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10~50℃の範囲、中でも15~45℃、特に好ましくは20~40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
[5]追露光及び熱硬化処理
現像の後の基板には、必要により上記の露光方法と同様な方法により追露光を行ってもよく、また熱硬化処理を行ってもよい。この際の熱硬化処理条件は、温度は100℃~280℃の範囲、好ましくは150℃~250℃の範囲で選ばれ、時間は5分間~60分間の範囲で選ばれる。
本発明の着色スペーサーの大きさや形状等は、これを適用するカラーフィルターの仕様等によって適宜調整されるが、本発明の感光性着色樹脂組成物は、特に、フォトリソグラフィー法によりスペーサーとサブスペーサーの高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成するのに有用であり、その場合、スペーサーの高さは通常2~7μm程度であり、サブスペーサーは、スペーサーよりも通常0.2~1.5μm程度低い高さを有する。
また、本発明の着色スペーサーの1μm当たりの光学濃度(OD)は、遮光性の観点から、1.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上がさらに好ましく、通常4.0以下であり、3.0以下であることが好ましい。ここで光学濃度(OD)は後述する方法にて測定した値である。
[カラーフィルター]
カラーフィルターは、液晶駆動基板(アレイ基板)上に、赤色、緑色、青色の画素着色層を形成することができる。あるいは透明基板としてのガラス基板上に、画素着色層を形成してもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、上述のような本発明の着色スペーサーを備えるものである。
例えば、本発明の着色スペーサーを有する液晶駆動基板(アレイ基板)上に配向膜を形成し、対極基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入することで、本発明の着色スペーサーを備えた、液晶表示装置等の画像表示装置を製造することができる。
一方で、本発明の着色スペーサーを対極基板側に設置し、液晶駆動基板(アレイ基板)と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入することでも、本発明の着色スペーサーを備えた、液晶表示装置等の画像表示装置を製造することができる。
また例えば、特開2014-215614号公報に記載されているように、特定の配向物質を用い、液晶セルに液晶を注入した後に紫外線を照射することで、液晶配向性を向上させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いた感光性着色樹脂組成物の構成成分は次の通りである。
<アルカリ可溶性樹脂-I>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10質量部、グリシジルメタクリレート85.2質量部およびジシクロペンタニル骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)66質量部を滴下し、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル8.47質量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部およびハイドロキノン0.12質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたアルカリ可溶性樹脂-IのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは8400、酸価は80mgKOH/gであった。
<アルカリ可溶性樹脂-II>
日本化薬社製「ZCR-8024H」(重量平均分子量Mw=3500、酸価=57mgKOH/g)。下記式(b5)で表される部分構造を有する。
Figure 0007302262000052
<アルカリ可溶性樹脂-III>
日本化薬社製「ZCR-8029H」(重量平均分子量Mw=5900、酸価=62mgKOH/g)。前記式(b5)で表される部分構造を有する。
<アルカリ可溶性樹脂-IV>
日本化薬社製「ZCR-1571H」(重量平均分子量Mw=3000、酸価=61mgKOH/g)。下記式(b6)で表される部分構造を有し、前記式(b5)で表される部分構造を有さない。
Figure 0007302262000053
<アルカリ可溶性樹脂-V>
日本化薬社製「ZCR-1664H」(重量平均分子量Mw=6600、酸価=62mgKOH/g)。前記式(b6)で表される部分構造を有し、前記式(b5)で表される部分構造を有さない。
<分散剤-I>
ビックケミー社製「BYK-LPN21116」(4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有さないBブロックからなる、アクリル系A-Bブロック共重合体。アミン価は70mgKOH/g。酸価は1mgKOH/g以下。)
<エチレン性不飽和化合物-I>
DPHA:日本化薬社製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
<エチレン製不飽和化合物-II>
DPHA-40H:日本化薬社製 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートの縮合物。
<光重合開始剤-I>
以下の化学構造を有するオキシムエステル系光重合開始剤
Figure 0007302262000054
<界面活性剤>
DIC社製 メガファック F-554
<添加剤>
日本化薬社製 KAYAMER PM-21(メタクリロイル基含有ホスフェート)
<溶剤-I>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤-II>
MB:3-メトキシ-1-ブタノール
<単位膜厚当たりの光学濃度(単位OD値)の測定>
単位膜厚当たりの光学濃度は以下の手順にて測定した。
まず、調製した感光性着色樹脂組成物を加熱硬化後の膜厚が3.5μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後に、ホットプレートで90℃にて140秒間乾燥した。得られた塗布膜に対し、露光マスクを用いず、露光を行った。照射光としては波長365nmでの強度が45mW/cm2である紫外線を用い、露光量は50mJ/cm2とした。続いて、0.05質量%の水酸化カリウムと0.08質量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A-60」)を含有する水溶液からなる現像液を用い、25℃において水圧0.05MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、予め未露光の塗膜が溶解除去される時間を測定しておき、その時間の1.6倍とした。その後、オーブン230℃で20分間加熱硬化する事で、硬化膜基板1を得た。得られた硬化膜基板1の光学濃度(OD)を透過濃度計グレタグマクベスD200-IIによって測定し、膜厚を菱化システム社製非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(R)2.0により測定し、光学濃度(OD)及び膜厚から、単位膜厚当たりの光学濃度を算出した。なお、OD値は遮光能力を示す数値であり、数値が大きい程高遮光性であることを示す。
<NMP溶出試験>
N-メチルピロリドン(NMP)溶出試験は以下の手順にて行った。
まず、調製した感光性着色樹脂組成物を、加熱硬化後の膜厚が3μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後にホットプレート90℃で140秒間乾燥した。得られた塗布膜に対し、露光マスクを用いず、露光を行った。照射光としては波長365nmでの強度が45mW/cm2である紫外線を用い、露光量は50mJ/cm2とした。続いて、0.04質量%の水酸化カリウムと0.08質量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A-60」)を含有する水溶液からなる現像液を用い、25℃において水圧0.05MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、予め未露光の塗膜が溶解除去される時間を測定しておき、その時間の1.6倍とした。その後、オーブン温度230℃で20分間加熱硬化して硬化膜基板2を得た。作製した硬化膜基板2から測定用基板(2.5cm×1.0cm角)2枚を切り出してNMP8mL入りの10mL用バイアル瓶に浸漬した。そして、その測定用基板入りのバイアル瓶を、80℃の熱浴に40分間静置した状態でNMP溶出試験を実施した。40分間静置後に熱浴からバイアル瓶を取り出して、そのNMP溶出溶液の吸光度を、分光光度計(島津製作所社製「UV-3100PC」)により300~800nmの波長範囲で1nmおきに測定した。光源には、ハロゲンランプ及び重水素ランプ(切り替え波長360nm)を使用して、検出器には、フォトマルを使用しており、スリット幅2nmを測定条件としている。また、試料溶液(NMP溶出溶液)を1cm角の石英セルに入れて測定した。吸光度とは、分光法において、ある物体を光が通過した際に光強度がどの程度減衰するかを示す無次元量であり、以下の式で定義される。
A(吸光度)=-log10(I/I0) (I:透過光強度、I0:入射光強度)
また、同じ光源から試料溶液とNMP単独液へそれぞれ光を入射させた際、NMP単独液を透過してきた光強度をI0、試料溶液を透過してきた光強度をIと見なすことができる。したがって、上式の(I/I0)は光の透過率を表しており、吸光度Aは、透過率の逆数を対数表現した値ということになる。吸光度Aは、試料溶液に含有される物質の濃度などを算出する際に用いられる表記である。吸光度A=0の場合は、全く光を吸収しない状態(透過率100%)を示しており、吸光度A=∞の場合は、全く光を透過しない状態(透過率0%)を示していることになる。つまり、吸光度が高いほど、レジスト塗膜成分が多くNMPへ溶出しており、NMP耐性が悪いことを示している。測定した吸光度のスペクトル面積を算出して、以下の基準にてNMP耐性を評価した。本評価基準である吸光度のスペクトル面積は、各波長における吸光度の和で表すことができ、溶出したレジスト成分の総和を意味していることになる。
NMP耐性評価基準:吸光度のスペクトル面積値による判定(波長300~800nm)
○: 30以下
×: 30超過
<顔料分散液1の調製>
表1に記載の顔料、分散剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を、表1に記載の質量比となるように混合した。この混合液をペイントシェーカーにより25~45℃の範囲で3時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液の2.5倍の質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、顔料分散液1を調製した。
Figure 0007302262000055
[実施例1~2、比較例1~2]
全固形分中に占める各成分の固形分の含有割合が表2に記載の値になるように各成分を加え、さらに溶剤を加え、攪拌、溶解させて、感光性着色樹脂組成物を調製した。得られた感光性着色樹脂組成物の全固形分の含有割合は19質量%であり、含まれる溶剤はPGMEA:MB=80:20(質量比)であった。また、前述の方法にて測定した単位OD、およびNMP溶出試験の評価結果を表2に示す。
Figure 0007302262000056
<現像形態の評価>
現像形態の評価は以下の手順にて行った。
調製した感光性着色樹脂組成物を最終的な膜厚が3μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後にホットプレート90℃で140秒間乾燥した。露光を行わず、0.04質量%の水酸化カリウムと0.08質量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A-60」)を含有する水溶液からなる現像液を用い、25℃において水圧0.05MPaのシャワー現像を施し、現像時の未露光部の溶解のタイプを目視観察にて判定した。未露光部が現像液に均一に溶解するタイプと、未露光部が膜状に剥離されるタイプに大別した。剥離されるタイプでは、現像液に感光性着色樹脂組成物由来の剥離片が残り、パーティクルとして基板表面を汚染する可能性がある。
○:未露光部が現像液に均一に溶解する。
△:未露光部が膜状に剥離したものが見られる。
実施例1及び2はいずれも○であった。
表2の実施例1及び2と比較例1及び2との比較から、アルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有する感光性着色樹脂組成物を用いることで、NMP耐性が十分に高い硬化膜が得られていることがわかる。一方で、アルカリ可溶性樹脂(B-1)を含まない感光性着色樹脂組成物を用いた場合には、NMP耐性が不十分であった。
アルカリ可溶性樹脂(B-1)はベンゼン環を主鎖に有するため、緻密で疎水性の高い膜が形成しやすい。さらにベンゼン環に結合した2以上の側鎖に架橋基を有することで、エチレン性不飽和化合物とアルカリ可溶性樹脂(B-1)の架橋点が増えやすくなり、さらに緻密な塗膜となり、NMPに浸漬した際にNMPが硬化膜中に浸透しにくくなり、それによってレジスト塗膜成分のNMPへの溶出が抑制され、耐薬品性が良好になったと考えられる。

Claims (7)

  1. (A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合開始剤、及び(D)エチレン
    性不飽和化合物を含有する感光性着色樹脂組成物であって、
    前記(A)着色剤が、有機顔料を含有し、
    前記(B)アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(b1)で表される部分構造を有するア
    ルカリ可溶性樹脂(B-1)を含有し、
    前記有機顔料が、(i)有機着色顔料を含有し、
    前記(i)有機着色顔料の含有割合が、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%
    以上60質量%以下であることを特徴とする感光性着色樹脂組成物。
    Figure 0007302262000057
    (式(b1)中、Rb11は水素原子又はメチル基を表す。
    b12は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
    nは2又は3の整数を表す。
    式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
    *は各々結合手を表す。)
  2. 前記一般式(b1)において、Rb12が下記一般式(b1-1)で表される基である、
    請求項1に記載の感光性着色樹脂組成物。
    Figure 0007302262000058
    (式(b1-1)中、*は各々結合手を表す。)
  3. 前記(i)有機着色顔料が、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも
    1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求
    に記載の感光性着色樹脂組成物。
  4. 前記有機顔料が、(ii)有機黒色顔料を含有する、請求項1~のいずれか1項に記
    載の感光性着色樹脂組成物。
  5. 前記(A)着色剤が、さらにカーボンブラックを含有する、請求項1~のいずれか1
    項に記載の感光性着色樹脂組成物。
  6. 着色スペーサー形成用である、請求項1~のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組
    成物。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物。
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