JP2007155923A - 離画壁及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に形成された離画壁であって、前記離画壁の断面において、前記離画壁の前記基板からの高さが最も高い点における前記基板からの高さをhと、前記基板から0.8hの位置に前記基板と平行な線をL1と、L1と前記離画壁表面が接する点における接線をL2と、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3の交点から前記離画壁までの距離dをhで除した値d/hが0.04以下であり、且つ、前記離画壁の上表面に撥インク性化合物が存在することを特徴とする離画壁である。
【選択図】なし
Description
また、プラズマ処理により離画壁を撥インク処理する方法が知られている(例えば、特許文献12参照。)。
<1> 基板上に形成された離画壁であって、前記離画壁の断面において、前記離画壁の前記基板からの高さが最も高い点における前記基板からの高さをhと、前記基板から0.8hの位置に前記基板と平行な線をL1と、L1と前記離画壁表面が接する点における接線をL2と、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3との交点から前記離画壁までの距離dをhで除した値d/hが0.04以下であり、且つ、前記離画壁の上表面に撥インク性化合物が存在することを特徴とする離画壁である。
本発明の離画壁は、基板上に形成された離画壁であって、前記離画壁の断面において、前記離画壁の前記基板からの高さが最も高い点における前記基板からの高さをhと、前記基板から0.8hの位置に前記基板と平行な線をL1と、L1と前記離画壁表面が接する点における接線をL2と、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3との交点から前記離画壁までの距離dをhで除した値d/hが0.04以下であり、且つ、前記離画壁の上表面に撥インク性化合物が存在することを特徴とする。
また、本発明において上表面とは、離画壁の表面であって該表面の接線と基板表面とのなす角度が10°以下の範囲をいう。
d/h値が0.04よりも大きいと、後述するインクジェット法によりカラーフィルタを製造する際に着色液体組成物(インク)のはみ出し、混色又は境界乱れなどが起こりやすくなり好ましくない。d/h値の好ましい範囲は0.03以下であり、さらに好ましくは0.025以下である。
なお、本発明における表面粗さは接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定したRaの値である。
本発明の離画壁用組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、離画壁に遮光性が要求される際には、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、離画壁用組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
黒色濃色体として、更に例示すると、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
かかる離画壁用感光性組成物を光硬化させる際の貧酸素雰囲気下とは、不活性ガス下、減圧下、酸素を遮断しうる保護層下から選ばれる1又は2以上のことを指しており、これらは詳しくは以下の通りである。
酸素透過率が2000cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、離画壁を所望の形状にすることが困難となることがある。
これらの値は、実際には基板上に形成された離画壁を、基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察することで測定する。こうして得られた離画壁形状を固定化する工程を経ることで、一旦その空隙に打滴されたインクは離画壁を乗り越えにくくなり、その結果、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜けなどを防いで良好なカラーフィルタを得ることができる。
また、仮支持体上に少なくとも離画壁用感光性組成物層を有する感光性転写材料を用い、該仮支持体を「酸素を遮断しうる保護層」として用いてもよい。この場合は、上記酸素遮断層を設ける必要がなく、工程数を削減することが可能である。
カラーフィルタを構成する基板(永久支持体)、即ち離画壁が形成される基板としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フィルムが挙げられる。
また、仮支持体を酸素を遮断しうる保護層として用いる場合は、仮支持体を残したまま(剥離せずに)、該仮支持体の上方に所望のフォトマスク(例えば、石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該仮支持体の間の距離を適宜(例えば、200μm)に設定し、露光する。次いで、仮支持体を除去し、照射後所定の処理液を用いて現像処理して、パターニング画像を得て、引き続き必要に応じて、水洗処理して、離画壁を得る。
照射後所定の処理液を用いて現像処理する。現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
本発明におけるインクとは、離画壁形成後に該離画壁の凹部(画素部分)に付与される液体のことで特に制限は無い。該インクには、顔料を分散させることや、熱で硬化あるいは光で硬化したりする仕組みを組み込むことなどで着色液体組成物とすることが好ましい。
本発明における撥インク性化合物とは、離画壁上面に存在させた場合に該離画壁上面が上記インクを弾く性質をもつようになる化合物のことであり、それ以外に特に制限は無い。フッ素原子やケイ素原子を含むことが好ましい。
該撥インク処理として、離画壁上面に撥インク材料を塗布する方法や、撥インク層を新たに設ける方法、プラズマ処理により撥インク性を付与する方法、撥インク性物質を離画壁に練りこむ方法、隣接層に撥インク性化合物を含有させる方法、重合性基を有する撥インク性化合物溶液に浸して露光する方法などが挙げられる。
(1)<撥インク性物質を離画壁に練りこむ方法>
「混色」を防ぐ手段として、上述した離画壁用感光性組成物に含フッ素樹脂(A)を含有させる方法がある。
CH2=CR1COOQ2Rf、CH2=CR1OCOQ1Rf、CH2=CR1OQ1Rf、CH2=CR1CH2OQ1Rf、CH2=CR1COOQ2NR1SO2Rf、CH2=CR1COOQ2NR1CORf、CH2=CR1COOQ2NR1COOQ2Rf、CH2=CR1COOQ2OQ1Rf等が挙げられる。ただし、R1は水素原子又はメチル基を、Q1は単結合又は炭素数1〜6の2価有機基を、Q2は炭素数1〜6の2価有機基を、それぞれ示す。Q1、Q2は環状構造を有していてもよい。
−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−CH(CH2CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2(CH2)3CH2−、−CH(CH2CH(CH3)2)−、−CH2CH(OH)CH2−、−CH2CH2NHCOOCH2−、−CH2CH(OH)CH2OCH2−等が挙げられる。Q1は単結合であってもよい。
合成の容易さの観点から、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH(OH)CH2−が好ましい。
CH2=CHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)n−1CF3 (nは3〜9)、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n−1C6F13 (nは2〜6)、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n−1C3F7 (nは2〜6)。
HOOC−Cp−1F2(p−1)−O−(CpF2p−O)n−1−CqF2q+1 式3
式3中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
HOCH2−Cp−1F2(p−1)−O−(CpF2p−O)n−1−CqF2q+1 式4
式4中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板上の離画壁に合致した位置にインキ反発性を有する仕切り壁を作製する方法がある。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、プラズマによる撥インク化処理をする方法がある。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、撥インク性を有する材料を全面に塗布する方法がある。
撥インク性を有する材料としてはポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーンゴム、パーフルオロアルキルアクリレート、ハイドロカーボンアクリレート、メチルシロキサン等、一般に撥インク材料と考えられるもので着色液体組成物に対する接触角が50°以上のものであれば特に限定されるものではない。
「混色」を防ぐ手段として、仮支持体上に少なくとも隣接層と離画壁用感光性組成物層をこの順で有してなる感光性転写材料(以下、撥インク処理用多層フィルムと称することがある。)を用いることにより本発明の離画壁を形成する方法がある。熱可塑性樹脂層を仮支持体と隣接層間に設けることが、圧着時の密着性をよくする点で好ましい。撥インク処理用多層フィルムを用いて離画壁を形成することで、離画壁の上表面のみに撥インク性を付与することが可能である。
好ましい、重合性基を有するフッ素化合物として、下記のものが挙げられる。
フッ素原子と重合性不飽和二重結合を有する高分子化合物。さらに、このポリマーは、アルカリ水溶液に可溶とすることが好ましく、その場合、現像工程で未反応の高分子化合物を除去することが可能となり、手間が少なく、環境適合性に優れたプロセスを提供することが可能となる。さらに隣接層の塗布溶液に溶解するために水溶性基を含有することが好ましい。
このような本発明で使用される高分子化合物は、フッ素モノマー部と二重結合含有部との共重合体であり、さらに親水性モノマー部を含むことが好ましい。
該高分子化合物は以下のようにして合成することができる。
また(b)の方法に用いる、二重結合前駆体を有するモノマーとしては、例えば2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜、2−(2−ブロモ−2−メチル−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。
尚、「塩基などの処理により二重結合を導入」する方法をより詳細に説明すると、塩基を作用させることにより、フッ素含有モノマー、親水性モノマー及び二重結合前駆体を有するモノマーの共重合体から脱酸反応を促進し、二重結合前駆体を二重結合に変換する方法である。ここで、前記塩基としては無機・有機塩基を用いることができ、有機塩基が好ましく、特に、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンなどの3級アルキルアミン類等を用いることができる。
更に、(c)の方法で含フッ素高分子化合物を合成する際、フッ素ポリマー中のカルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩と、水酸基及びエポキシ基などの官能基と、の反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなど挙げられる。
一般に、エチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、撥インク化反応の高感度化という観点から、反応性のより高いエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーや、より長鎖のモノマーが好ましい。
(フッ素含有モノマー)
フッ素ポリマーの原料として使用されるフッ素含有モノマーとしては、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のフッ素含有モノマーが挙げられる。
CH2=CR1COOR2Rf・・・(I)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−、−C(CpH2p+1)H−、−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2O−、Rfは−CnF2n+1、−(CF2)nH、−CnF2n+1−CF3、−(CF2)pOCnH2nCiF2i+1、−(CF2)pOCmH2mCiF2iH、−N(CpH2p+1)COCnF2n+1、−N(CpH2p+1)SO2CnF2n+1である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。〕
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CHRg・・・(III)
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CR3COOR5RjR6OCOCR4=CH2 ・・・(IV)
〔式中、R3、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6は−CqH2q−、−C(CqH2q+1)H−、−CH2C(CqH2q+1)H−又は−CH2CH2O−、Rjは−CtF2tである。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。〕
CH2=CHR7COOCH2(CH2Rk)CHOCOCR8=CH2・・・(V)
(式中、R7、R8は水素原子又はメチル基、Rkは−CyF2y+1である。但し、yは1〜16の整数である。)
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えば、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)4CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C7F15CON(C2H5)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH2、C2F5SO2N(C3H7)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6(CH2)3OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)10(CH2)3OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)4CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C2F5(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CFO(CH2)5OCOCH=CH2、CF3(CF2)4OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C2F5CON(C2H5)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)2CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF2)6C(C2H5)OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)8CH2OCOCH=CH2、H(CF2)4CH2OCOCH=CH2、H(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)10OCOCH=CH2、C2F5SO2N(C2H5)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)4OCOCH=CH2、C2F5SO2N(C2H5)C(C2H5)HCH2OCOCH=CH2等が挙げられる。
撥インク能を上げるという観点から、パーフルオロ基の主鎖炭素原子数は多いほうが好ましい。6個以上が特に有効である。具体的には、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、C7F15CON(C2H5)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6(CH2)3OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)10(CH2)3OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)6C(C2H5)OCOC(CH3)=CH2、H(CF2)8CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)10OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)4OCOCH=CH2、C10F21CH=CH2、C7F15OCF=CF2及びC8F17OCF=CF2、CH2=CHCOOCH2CH(CH2C8F17)OCOCH=CH2などが挙げられる。
本発明の撥油及び撥インク性の官能基と重合性不飽和二重結合を有し、且つアルカリ水、もしくは水に膨潤可能な高分子化合物を合成する際に使用される親水性モノマーとしては次のモノマーを挙げることができる。
本発明で有用な親水性モノマーとは、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモノマー、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離し得る酸性基を有するモノマーが挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基、エチレンオキシド基などの非イオン性の基を有する親水性モノマーを用いることもできる。
このうち非イオン性のものが液晶層への不純物混入の懸念が少ない点でより好ましい。
具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートをあげることができる。
本発明のフッ素原子と重合性不飽和二重結合を有する高分子化合物は構成要素としてフッ素原子、および重合性不飽和二重結合基の他にも他のモノマーが共重合されていても良い。これらのモノマーは本発明の高分子化合物の溶剤溶解性などを上げるのに使用される。このような目的で使用されるモノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、などのアクリル酸エステルを使用することができる。
また、本発明のフッ素原子と重合性不飽和二重結合を有する高分子化合物は、そのTgが低い方が、撥インク化が進行しやすくなるため、そのようなモノマーが共重合されていることも好ましい。アルキル(炭素数3以上)アクリレートを使用することができる。
「混色」を防ぐ手段として、パターン形成後の離画壁を、重合性基を有する撥インク性化合物に接触させ、接触させた状態で基板表面側から離画壁上面を露光する方法がある。露光することにより、重合性基を有する撥インク性化合物を離画壁上面に固定することができる。
本工程において、パターンを形成した基材に接触させる撥インク性化合物は、重合性基と、撥インク性の官能基を有する化合物であれば、如何なるものも用いることができるが、それらは、モノマー、マクロマー、オリゴマーなどのいずれの形態を有するものであってよい。
(シリコーン系モノマー)
本発明に用いうるシリコーン系モノマーとしては、Si−CH3基もしくは−O−Si
−CH3基を有するシリコーン系モノマーを挙げることが出来る。具体的にはシリコンアク
リレートまたはシリコンメタクリレートであり、一般式(CH3O)nSi(CH3)4−n−R3−O−CO−CR4=CH2 (ここで、nは1〜10の整数である。)で表されるものであり、R3は連結基であり、R4はメチルもしくは水素である。その他、例えば、特開2003−335984公報の段落番号〔0025〕に記載されるシリコーン系モノマーもまた、好適なものとして挙げることができる。
離画壁上面に重合性撥インク性化合物を接触させ、露光すればよい。このとき、重合性撥インク性化合物を単独で付与するいわゆる無溶媒で実施してもよいが、他の溶剤や添加剤を含有する組成物として接触させてもよい。ハンドリング性の観点から、このような重合性撥インク性化合物が溶解するような溶媒で希釈することもできる。ここで用いる溶媒には特に制限はないが、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、プロパノール、等が好ましい。
離画壁上面に重合性撥インク性化合物を接触させる方法としてはパターン形成後の離画壁基板を重合性撥インク性化合物の液(溶液)に浸すのが簡便である。この場合、露光後、基板の洗浄を行うことが好ましい。
撥インク性化合物として含フッ素化合物を用いる場合、炭素数4以上10以下のパーフルオロアルキル基を含む化合物を含フッ素化合物として用いることが好ましい。この場合、ESCAで測定した離画壁の上表面のフッ素原子数/炭素原子数は0.10以上であることが好ましく、0.30以上であることがさらに好ましい。
また、同じく2)を行う場合の加熱温度は100〜250℃、好ましくは120〜240℃程度であり、その加熱時間は、10〜20分程度である。温度が100℃より低い場合には離画壁の硬化が進まない懸念があり、250℃より大きい場合には離画壁形状が崩れてしまう懸念がある。
用いるインクは油性、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。また、公知のカラーフィルタ作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、顔料などの着色剤を含有させた離画壁用感光性組成物を、好適なものとして用いることができる。
このカラーフィルタは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用できる。
オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号0018〜0028に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製「オプトマーSS6699G」)が挙げられる。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
離画壁用組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・下記分散剤 0.65%
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
・下記構造物1 30%
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28
モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
・C.I.P.B15:6 18部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 15部
・シクロヘキサノン 50部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 17部
・C.I.P.Y139 18部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 15部
・シクロヘキサノン 50部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 17部
・C.I.P.V23 12部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 18部
・シクロヘキサノン 60部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 10部
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250)
15部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 23部
・シクロヘキサノン 60部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 10部
棒状銀微粒子(長軸長さL:400nm、幅b:30nm、厚さt:25nm、b/t=1.2)73.5gと、分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア(株)製)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gと、を混合した。これを、超音波分散機(商品名:Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、棒状銀微粒子分散液(K顔料分散物6)を得た。
尚、本実施例における各種形状の棒状銀微粒子は、Materials Chemistry and Physics 2004,84,P197−204に記載されている微粒子の調製方法により、銀塩還元時のpH、反応温度を変化させることにより、各種形状の棒状銀微粒子の分散液として調製した。
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(アイエスピー・ジャパン(株)製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。 別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
(A)操作
前記金属粒子を含有する液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この操作(A)を2回繰り返して水相の可溶性物質を除去した。
この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
[感光性転写材料K1の製法]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る酸素遮断層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記離画壁用組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの酸素遮断層と、離画壁用感光性組成物層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と酸素遮断層とブラック(K)の離画壁用感光性組成物層とが一体となった感光性転写材料を作製し、サンプル名を感光性転写材料K1とした。
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) 9.1部
・フッ素系ポリマー(C6F13CH2CH2OCOCH=CH2 40部と
H(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2 55部と
H(OCHCH2)7OCOCH=CH2 5部との共重合体、平均分子量3万、メチルエチルケトン30%溶液、大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF780F) 0.54部
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
得られたシランカップリング処理ガラス基板に、上記の製法にて作製された感光性転写材料からカバーフィルムを除去し、除去後に露出した離画壁用感光性組成物層の表面と前記シランカップリング処理ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。続いてポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
フッ素系モノマー2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(『CHEMINOX FAMAC−8』、ユニマテック製)をプロパノールに溶かして5%の溶液とした。
離画壁基板に上記FAMAC−8/プロパノール溶液を落とし上から石英板をかぶせて均一な液膜とした。 この状態で、超高圧水銀灯を有す露光機(ウシオ電機(株)製)で、全面露光した。露光量は3000mJ/cm2とした。
露光後に石英版をはずし、離画壁基板をプロパノールで洗浄した。
その結果、離画壁上表面だけにフッ素化合物が存在する離画壁を形成することができた。
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物を調製した。
〈赤色画素用着色インク組成物の組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素用着色インク組成物の場合と同様にして青色(B)画素用着色インク組成物を調製した。
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
このカラーフィルタのITO抵抗を測定した(三菱化学(株)製「ロレスタ」;四探針法でシート抵抗を測定)ところ、12Ω/□という非常に低い値を示した。これは、本発明を用いることで予期せずブラックマトリックス表面の平坦性が高まったためと考えられる。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例1の離画壁の作製において、ポスト露光をせずに、撥インク処理を以下の方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔プラズマ撥インク化処理〕
離画壁を形成した基板に、特開2003−344640号公報の図5に記載のプラズマ処理装置と同等のものを用いて、以下の条件にてプラズマ撥インク化処理を行った。
使用ガス :CF4 ガス流量 :350sccm
圧力 :50Pa
RFパワー :800W
処理時間 :90sec
実施例1の離画壁の作製において、ポスト露光を520mJ/cm2、撥インク処理を実施例2の方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例1の離画壁の作製において、ポスト露光を1050mJ/cm2、撥インク処理を以下の方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
〔プラズマ撥インク化処理2〕
離画壁を形成した基板に、特開2003−344640号公報の図5に記載のプラズマ処理装置と同等のものを用いて、以下の条件にてプラズマ撥インク化処理を行った。
使用ガス :C5F8 ガス流量 :350sccm
圧力 :50Pa
RFパワー :800W
処理時間 :90sec
実施例1の離画壁の作製において、撥インク処理を実施例2の方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例1の離画壁の作製において、露光量300mJ/cm2でパターン露光し、ポスト露光を1050mJ/cm2、酸素遮断層用塗布液:処方P1を酸素遮断層用塗布液:処方P2に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
<酸素遮断層用塗布液:処方P2>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
・重合性Fポリマーa 5.2部
フッ素含有ポリマーの合成例 重合性Fポリマーa
冷却管および温度計を設置した1000mlの三口フラスコに、アクリル酸(東京化成社製)50.0g(0.694mol)、N, N−ジメチルアクリルアミド(東京化成社製)70.0g(0.71mol)、2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(ユニマテック社製)80.0g(0.16mol)、n−プロパノール400.0g、n−ドデシルメルカプタン(東京化成社製)9.47g(46.8×10−3mol)を入れ、撹拌した。この反応液をオイルバスで加熱し、内温を70度とした。2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)0.359g(1.56×10−3mol)をn−プロパノール2.0gに溶かし、反応液中に滴下した。2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)の滴下後、反応液の温度が96度まで達した。反応液の入った三口フラスコを一度オイルバスから引き上げ、空気中で冷まして70度で安定させた。2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)を滴下してから2.5時間後、再びn−プロパノール2.0gに溶かした2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)0.359g(1.56×10−3mol)を反応液中に滴下した。さらにその1.5時間後に、同様にn−プロパノール2.0gに溶かした2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬社製)0.359g(1.56×10−3mol)を反応液中に滴下した。その後、内温を80度に上げて、5.3時間重合反応をさせた。
この反応液を室温に戻し、2,5−ジ−アミルハイドロキノン0.059g(n−プロパノール2.0gに溶かしたグリシジルメタクリレート(東京化成社製)59.2g(0.42mol)、n−プロパノール100g、n−プロパノール12.4gに溶かした2−エチル−4−メチルイミダゾール(和光純薬社製)0.92g(8.32×10−3mol)を加えて撹拌し、均一な溶液とした。この反応液をオイルバスで加熱し、内温を70度とした。14時間後に過熱を止めて室温に戻し、反応を終了させた。
GPC(ポリスチレン換算,テトラヒドロフラン溶媒)にて分子量を測定したところ重量平均分子量3500であった。またNMR(ブルッカー社製 300MHz)にて組成を測定したところ,カルボキシル基含有モノマー単位:グリシジル基含有モノマー単位:アミド基含有モノマー単位:パーフルオロ基含有モノマー単位=18:27:45:10の比率(モル比)にて導入されていることが判明した。
実施例6の離画壁の作製において、ポスト露光を3100mJ/cm2に変更した以外は、実施例6と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例7の離画壁の作製において、離画壁用組成物K1を離画壁用組成物K2に変更した以外は、実施例7と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例7の離画壁の作製において、離画壁用組成物K1を離画壁用組成物K3に変更した以外は、実施例7と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例7の離画壁の作製において、離画壁用組成物K1を離画壁用組成物K4に変更した以外は、実施例7と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例7の離画壁の作製において、離画壁用組成物K1を離画壁用組成物K5に変更した以外は、実施例7と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例7の離画壁の作製において、離画壁用組成物K1を離画壁用組成物K6に変更した以外は、実施例7と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上表に記載の組成よりなる離画壁用組成物K7を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃3分間プリベークして離画壁用感光性組成物層K7を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と離画壁用感光性組成物層K7の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
実施例13の離画壁の作製において、離画壁用組成物K7を離画壁用組成物K8に変更した以外は、実施例13と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例13の離画壁の作製において、離画壁用組成物K7を離画壁用組成物K9に変更した以外は、実施例13と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例13の離画壁の作製において、離画壁用組成物K7を離画壁用組成物K10に変更した以外は、実施例13と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例1の離画壁の作製において、ポスト露光と撥インク処理をしない方法に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例13の離画壁の作製において、パターン露光を大気圧下で行い、ポスト露光と撥インク処理をしない方法に変更した以外は、実施例13と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例15の離画壁の作製において、パターン露光を大気圧下で行い、ポスト露光をしない方法に変更した以外は、実施例15と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
(離画壁の形状の評価)
得られた離画壁付き基板を、基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察した。離画壁の基板からの高さが最も高い点での離画壁高さをhと、0.8hの位置に基板と平行な線をL1と、L1と離画壁表面の接点における接線をL2と、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3との交点から離画壁までの距離dと定義した。
得られたカラーフィルタを200倍の光学顕微鏡で目視観察して画素間の混色の有無を調べた。500画素観察して下記のランクに分けた。結果を表3に示す。
得られたカラーフィルタを200倍の光学顕微鏡で観察してはみ出しと画素境界を調べた。
離画壁の光学濃度は以下の方法で測定した。
まず、離画壁作製前のガラス基板上に塗設された離画壁用感光性組成物層に前記超高圧水銀灯を用いて塗布面側から500mJ/cm2の露光を行った。次いでこの光学濃度(O.D.)をマクベス濃度計(商品名:TD−904、マクベス社製)を用いて測定し、更に240℃120分ベークを行った後に光学濃度(O.D.)を測定した。別途、ガラス基板の光学濃度(OD0)を同様の方法で測定し、前記O.D.からOD0を差し引いて、ベーク前及び後における膜の光学濃度とした。表にはベーク後の値を示した。
表示装置 : 表示の良/難有り
ESCAで測定した。
各実施例/比較例において、パターン露光を同じ露光量でベタ露光とした測定用ベタサンプルを作製し、その表面の原子数比をESCA(アルバック−ファイ製、PHI−5300、検出角度45°)で測定した。実施例16においては、(ケイ素原子数/炭素原子数)、それ以外は(フッ素原子数/炭素原子数)を測定した。
離画壁上表面の表面粗さは下記方法により測定した。表面粗さは接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定したRaの値である。
また僅かなインクはみだしも観察されず、RGB画素の境界はきわめてはっきりとした直線(マスクどおり)であった。
比較例のカラーフィルタは、混色が数多くあった。たとえ撥インク性化合物がBMの上表面にあっても、断面形状が角張っていないものはRGB画素の境界がやや乱れて、表示装置の表示ムラの原因となった。
このように、断面形状が角張っているBMの上面に撥インク性化合物があることで、特異的に、極めて優れたカラーフィルタを作製することが可能となった。角張った離画壁を形成するには貧酸素雰囲気下で離画壁をパターン露光することが有効であることも分かった。
2 基板
Claims (16)
- 基板上に形成された離画壁であって、
前記離画壁の断面において、前記離画壁の前記基板からの高さが最も高い点における前記基板からの高さをhと、前記基板から0.8hの位置に前記基板と平行な線をL1と、L1と前記離画壁表面が接する点における接線をL2と、hの位置に基板と平行な線をL3としたとき、L2とL3との交点から前記離画壁までの距離dをhで除した値d/hが0.04以下であり、且つ、前記離画壁の上表面に撥インク性化合物が存在することを特徴とする離画壁。 - d/hが0.03以下であることを特徴とする請求項1に記載の離画壁。
- 前記上表面の表面粗さが50nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の離画壁。
- 光学濃度が2.5以上6.0以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の離画壁。
- 前記撥インク性化合物が含フッ素化合物及び/又は含ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の離画壁。
- 前記含フッ素化合物が炭素数4以上10以下のパーフルオロアルキル基を含む化合物であることを特徴とする請求項5に記載の離画壁。
- ESCAで測定した前記上表面のフッ素原子数/炭素原子数が0.10以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の離画壁。
- 前記含ケイ素化合物がシリコーンであることを特徴とする請求項5に記載の離画壁。
- ESCAで測定した前記上表面のケイ素原子数/炭素原子数が0.10以上であることを特徴とする請求項5又は8に記載の離画壁。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の離画壁を製造する製造方法であって、
離画壁用感光性組成物を貧酸素雰囲気下にて露光し、その後現像する工程を含むことを特徴とする離画壁の製造方法。 - 前記貧酸素雰囲気下が、不活性ガス雰囲気下、減圧下及び酸素を遮断しうる保護層下から選ばれる1又は2以上である請求項10に記載の離画壁の製造方法。
- 前記現像後に再露光を行うことによって前記離画壁の形状を固定化することを特徴とする請求項10又は11に記載の離画壁の製造方法。
- 前記再露光における露光量が500mJ/cm2以上であることを特徴とする請求項12に記載の離画壁の製造方法。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の離画壁と、前記離画壁間に設けられた複数の画素と、を有するカラーフィルタ。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の離画壁と、前記離画壁間に設けられた複数の画素と、を有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記離画壁間に着色液体組成物による液滴をインクジェット法で付与する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項14に記載のカラーフィルタを有する液晶表示装置。
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