JP2009063875A - パターン形成基板、カラーフィルタ、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板と、この透明基板上に直交する格子状に形成された隔壁パターンと、この隔壁パターンに区画された複数色の着色パターンを備えたパターン形成基板において、この着色パターンは、色ごとに略ストライプ状に形成され、この隔壁パターンは、この着色パターンのストライプの長手方向と略直交方向に設けられたX方向隔壁パターン及び、この着色パターンのストライプの長手方向と略平行方向に設けられたY方向隔壁パターンからなり、X方向隔壁パターンの上表面のフッ素イオンの量が、Y方向隔壁パターンと比較して小さいことを特徴とするパターン形成基板である。
【選択図】図1
Description
充填する場合には、開口部毎に担当するノズルが決定されるため、ノズル毎の吐出量バラツキによって、開口部毎の着色パターンの色度がバラツクという問題があった。
また、インクの乾燥時に生じるインクの片寄りによって発生する画素形状の問題を解決するために、非表示部に凹部を形成する凹部形成工程と、非表示部の凹部に着弾するインクと表示部に着弾するインクとが連続するようにインクを吐出させる方法が知られている(特許文献3)。しかし、特許文献3によれば、隔壁を含めた画素形状に制限があり、例えば格子状に隔壁および凹部して、着色パターンのインクジェットを行うと、異なるインク同士が隣接して混色を生じるおそれがあった。
請求項1に記載の発明によれば、前記隔壁パターンのうち、X方向隔壁パターンが相対的にフッ素の量が少なくなるから、この部分の親インク性が向上する。このため、このY方向隔壁パターンに隣接する開口部(画素)に吐出された異なる色のインクの混色が防止される一方、X方向隔壁パターンに隣接する開口部(画素)に吐出された同色のインクが混合する。これにより、このX方向隔壁パターンを跨いで隣接する開口部内の同色のインク量が等しくなるように調整される。この結果、開口部毎にインク供給量のバラツキがあっても、親インク性の高いX方向隔壁パターン上をインクが流動し、相互にレベリング作用を生じるため、充填された開口部毎のインク量のバラツキを抑制したパターン形成基板とすることができた。そして、開口部に着色顔料を含む着色インクを吐出して、着色パターンを形成する場合には、充填された開口部毎の着色パターンの色度バラツキを抑制することができ、色ムラとならず、色度が均一なカラーフィルタとすることができた。
また、係る発明よれば乾燥工程時において、インクがより基板全体に分布することから、インクの乾燥時に生じるインクの片寄りによって発生する画素形状の問題も軽減することができた。
本発明によれば、上記の発明の効果にと共に、X方向隔壁パターンの表面の飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)の全負イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、フッ素イオンの検出強度が0.2以下とするので、表面に含フッ素化合物が少なく、撥インク性がほとんどない隔壁パターンとなり、開口部にインクを充填した際、開口部毎にインク供給量のバラツキがあっても、撥インク性のほとんどないX方向隔壁パターン上をインクが流れることにより、充填された開口部毎のインク量のバラツキを抑制することができた。
また、Y方向隔壁パターン上のフッ素イオンの検出強度が0.3〜0.6であるから、表面に含フッ素化合物が存在し、強い撥インク性を持った隔壁パターンとなり、インクを充填する際、混色を避けたい隣接する開口部の着色パターン同士の混色を防ぐことができた。
請求項6に記載の発明によれば、前記隔壁パターンのうち、X方向隔壁パターンのフッ素イオンの検出強度が比較的小さい第2の領域を含むから、このX方向隔壁パターンに隣接する開口部(画素)に吐出されたインクが混合される。これにより、このX方向隔壁パターンを跨いで隣接する開口部内のインク量が均衡するように調整される。この結果、開口部毎にインク供給量のバラツキがあっても、フッ素イオンの検出強度が比較的小さいX方向隔壁パターンの第2の領域上をインクが流動し、相互にレベリング作用を生じるため、充填された開口部毎のインク量のバラツキを抑制したパターン形成基板とすることができた。そして、開口部に着色顔料を含む着色インクを吐出して、着色パターンを形成する場合には、充填された開口部毎の着色パターンの色度バラツキを抑制することができ、色ムラとならず、色度が均一なカラーフィルタとすることができた。
また、係る発明よれば乾燥工程時において、インクがより基板全体に分布することから、インクの乾燥時に生じるインクの片寄りによって発生する画素形状の問題も軽減することができた。
さらに同時に本発明では、X方向隔壁パターンの全てを第2の領域とせずに、フッ素イオンの検出強度が、Y方向隔壁パターンとほぼ同一の第1の領域を含むことによって(図1(b))、万が一、Y方向隔壁パターンを跨いで混色が生じた場合でも、混色により汚染されたインクが、X方向隔壁パターンを跨いで、さらに同色のインクを汚染する割合を下げる効果を奏した。このため、比較的簡単な補修により混色を修正したパターン形成体並びにカラーフィルタを提供することができた。
係る発明によれば、請求項6と同一の効果を得られるだけでなく、前記第2の領域は、当該X方向隔壁パターンが、前記着色パターンの長手方向に沿って交互に設けられるから(図1(c))、万が一、Y方向隔壁パターンを跨いで混色が生じ、混色により汚染されたインクが、さらにX方向隔壁パターンを跨いで隣の同色のインクを汚染した場合でも、またさらに次に隣接する同色のインクを汚染する割合を下げる効果を奏した。このため、比較的簡単な補修により混色を修正できるパターン形成体ならびにカラーフィルタを提供することができた。
なお、本発明に係るパターン形成体は、表示ディスプレイの表示画面を構成する光学部品として好適に利用できる。この場合には、多数の前記領域は表示画面を構成する画素に相当する。また、隔壁パターンには遮光部材を混合してブラックマトリクスとしての機能を併せ持つことができる。
光学部品としては、例えば、カラー液晶ディスプレイの表示画面を構成するカラーフィルタが例示でき、この場合には、着色パターンは透過光を着色する着色層を構成し、この着色層は前記領域ごとに異なる色彩を有する複数色のものである。
また、光学部品として、有機エレクトロルミネセンス素子を例示することもでき、この場合には、着色パターンは有機発光材料層を構成する。また、前記領域ごとに異なる色彩を有する複数色の有機発光材料層である。
なお、この外、本発明に係るパターン形成体として、回路基板、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を例示することができる。
隔壁パターンの形成法は印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知の様々な方法が使用できる。例えば、フォトリソグラフィー法によって形成する場合には、感光性を付与した感光性樹脂組成物を用いる。
本発明では、X方向隔壁パターン及びY方向隔壁パターンの表面のフッ素の量を規定することを特徴する。フッ素の量の測定は、隔壁パターン表面を飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)で負イオン分析を行うことにより行う。
Y方向隔壁パターンのフッ素の量を、X方向隔壁パターンの量より大きくする。具体的には、隔壁パターン表面を飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)で負イオン分析を行った結果に対し、全負イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、X方向隔壁パターンの表面のフッ素イオンの検出強度がY方向隔壁パターンの検出強度よりも小さくする。さらに好ましくは、X方向隔壁パターンの検出強度が0.2以下となるような隔壁パターンを形成することが好ましい。0.2を超えると撥インク性が強すぎて、X方向隔壁パターンのレベリング作用を損なうおそれが生じる。また、Y方向隔壁パターンの検出強度が0.3〜0.6となるような隔壁パターンを形成することが好ましい。0.3よりも小さいと、Y方向隔壁パターンの撥インク効果が十分でなく、混色するおそれが生じる。0.6よりも大きいと撥インク性が強すぎて、かえってX方向隔壁パターンを介した同色のインクによるレベリング作用を損なうおそれが生じる。なお、交点の隔壁パターンのフッ素の量について特に限定はないが、混色防止のため、少なくともX方向隔壁パターン(またはX方向隔壁パターンの第2の領域)よりフッ素の検出強度を高くすることが必要である。好ましくはY方向隔壁パターンのフッ素の検出強度と同一とすることが好ましい。Y方向隔壁パターンと同一とした場合は、交点部分がインクを区切る隔壁として効果的に機能する。
たとえば、1画素おきに第2の領域の位置が交互するパターン(図1(c))や、2画素、3画素ごと、複数画素ごとに交互するパターンとすることができる。また、ランダムに第2の領域の位置を変えるようにしてもよい。
この構成によれば、第2の領域は、当該X方向隔壁パターンが、前記着色パターンの長手方向に沿って交互に設けられるから、万が一、Y方向隔壁パターンを跨いで混色が生じ、混色により汚染されたインクが、さらにX方向隔壁パターンを跨いで隣の同色のインクを汚染した場合でも、またさらに次に隣接する同色のインクを汚染する割合を下げる効果を奏する。
また全体的に撥インク性を発現する隔壁パターンを印刷法やフォトリソグラフィー法等の公知の方法で形成した後、X方向隔壁パターン部分をフェムト秒レーザーやYAGレーザー等のレーザーを照射し取り除き形成する方法やミクロ研磨を行い物理的に取り除く方法も使用できる。また、界面活性性を有する撥インク性材料を用いて隔壁パターンをフォトリソグラフィー法で作製する際に、マスクにハーフトーンマスクを用いて、膜厚の異なる隔壁パターン1を作製することで、親インク性の高いX方向隔壁パターンを形成する方法が挙げられる。しかし、これらに限定するものではない。
また、隔壁パターンが撥インク性である場合、上のX方向隔壁パターン(又は第2の領域)の径は5〜200μmが好ましい。この範囲であればX方向隔壁パターン上をインクが隣の開口部に移動することができ、レベリング効果を期待できる。
また、隔壁パターンを樹脂系の組成物を用いて設ける場合、スピンコート、ダイコート、ロールコート、カーテンコートなど全面に組成物を塗布した後にフォトリソ法で形成する方法や、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、平版印刷、インクジェット印刷、転写法など最初からパターニングを行う方法で形成することができる。
以下では、便宜上フォトリソ法に則して説明するが、本発明は係る方式に限定されるものではない。
溶媒の一例として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を用いることができる。溶媒の使用量は、基板上に印刷又は塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる塗布であることが望ましい。このような溶媒の含有割合として、樹脂組成物の全重量に対し、溶媒量が50〜97重量%になるよう調製することが好ましい。
モノマーとしては、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは、側鎖にビニル基あるいはアリル基を有する分子を用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることができる。これらのモノマーは単独で用いても、2種類以上混合してもよい。モノマーの量は、バインダー樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150重量部である。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物が挙げられる。また、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体を使用することもできる。また、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体を使用しても良い。また、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体であっても良い。また、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体を使用することもできる。また、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20重量部である。
添加剤として、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
クマトリックス基板として用いることができる。遮光剤としては公知の材料を用いることができる。具体的にはカーボンブラックやアニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、黒色顔料、黒色染料、無機顔料、及び有機顔料等を用いることができる。これらの遮光剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
また、緑色の着色顔料としては、C.I. Pigment Green 7、C.I. Pigment Green 36を使用することができる。さらには、C.I. Pigment Green 36とC.I. Pigment Yellow 150、C.I. Pigment Yellow 139またはC.I. Pigment Yellow 13との混合物を用いることができる。
また、青色の着色顔料としては、C.I. Pigment Blue 15、C.I. Pigment Blue 15:3、C.I. Pigment Blue 15:4、C.I. Pigment Blue 15:6、C.I. Pigment Blue 22、C.I. Pigment Blue 60等が挙げられる。また、これらに挙げた顔料は、2種以上を混合して用いても良い。
また樹脂バインダーとしてはポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などが用いられ、色素との関係にて適宜選択される。さらに、これらも2種類以上を混合して用いても構わない。
本発明では、後者の「最初からパターニングを行う方法で形成する方式」を採用する方法において適用すると、特に有利な効果を奏するものである。以下では、インクジェット法の場合を例に説明するが、本発明を係る方式に限定するものではない。
インクジェット印刷装置により、透明基板上と、この上の隔壁パターンを含むパターン形成体にインクを付与し、カラーフィルタを形成する。以下では、RGBの着色インク層を備えたカラーフィルタの製造方法を説明する。着色インク層の代わりに有機発光層などを形成することも可能である。
前述したとおり、インクジェット印刷装置によるカラーフィルタには、ストライプ状に付与されるインクの向きと、主走査方向を平行としながら、インクの吐出を行う方法(第1の方法)が知られている。また、ストライプ状に付与されるインクの向きと、主走査方向が垂直としながら、インクの吐出を行う方法(第2の方法)が知られている。本発明では、いずれの方法を用いてもよい。第2の方法を用いたカラーフィルタの製造方法の概略を図5に示す。
RBG三色の着色インクを吐出するインクジェットヘッド42がそれぞれ(計3つ)配置されている。インクジェットヘッド42は、ノズルが、主走査の方向(第2の方向44)と略垂直になるように配置される。
この3個のインクジェットヘッドは一体不可分として単一のインクジェットヘッドユニットを構成している。このインクジェットヘッドユニットを、基板41上を、第2の方向に平行に走査し、RBG3色の着色インク層43を形成する(図5(a))。着色インク層43は、3色それぞれが第1の方向と平行になるようにストライプ状に形成される。着色インク層43は、第1の方向と平行になる格子状に形成してもよい。基板41上には、あらかじめ、必要に応じて前述した隔壁を設けると着色インクの混色を効果的に防止することができる。また、基板41上に、透明な樹脂からなる受像層をあらかじめ、設けることもできる。続いて、インクジェットヘッドユニットは、第1の方向にそって副走査し、その後、さらに逆方向に主走査することができる(図5(b))。
また、インクの粒子化周波数は5〜100KHz程度、ノズル径としては5〜80μm程度,ヘッドを3個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個組み込んだ装置が好適である。隔壁パターンで仕切られた開口部にインクジェット方式でインクを吐出後、溶剤を蒸発させ、次いでインク中の樹脂をUV照射や熱等により硬化させ、着色パターンを形成する。以下、詳細に一例を説明する。
基板搬送ステージ2には塗工対象となる基板を搭載する。基板としてカラーフィルタ、有機エレクトロルミネセンス素子などの光学素子の他、配線回路基板、バイオチップなど精細なパターンを有する素子等を挙げることができる。基板搬送ステージ2は、所定の基板搬送ステージ搬送方向11に沿って移動する。基板搬送ステージ搬送方向11は主走査方向と平行である。
インクジェットヘッドユニット14はインクジェットヘッドユニット移動軸4上を主走査方向に沿って移動する。インクジェットヘッドユニット移動軸4は、インクジェットヘッドユニットの走査方向11と直交している。インクジェットヘッドユニットは、このインクジェットヘッドユニット移動軸に沿って副走査される。
以下、インクジェットヘッドユニットが副走査される方向を第1の方向とし、インクジェットヘッドユニットが主走査の方向を第2の方向とする。
基板搬送ステージ2は、基板1を固定するための真空吸着穴を備え、基板表面より突出するものなく基板を固定することができる。これによって、基板1とインクジェットヘッド13のギャップを極小に近づけられる。
吐出制御部9には、インクジェットヘッドユニット移動の軌跡の直線性の測定値を記憶する記憶部(図示しない)が内蔵されている。
これによって、インクジェットヘッドユニットの第1の方向軸上の任意の位置での直線性を把握することができ、仮にインクジェットヘッドユニット14が所望の位置において、第1の方向軸に対し直線でないとしても、その位置での直線性(ズレ)に応じてノズルの吐出タイミングを変えることで、塗工精度を補正することができる。
インクジェットヘッドユニット14は複数のインクジェットヘッドを備えている。インクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルを備えている。このノズルは、第1の方向に沿った位置が、所定の等間隔になるように配置する。
インクジェットヘッドの配向が所定の向きからずれることをインクジェットヘッドの回転ズレという。このため、インクジェット塗工装置は回転方向(以下、θ方向ともいう)のズレを補正するためのθ調整機構15を備えている。θ調整機構15により、インクジェットヘッドユニットが複数のインクジェットヘッドを搭載する際、当該複数のインクジェットヘッドの全体の大まかな方向を調整することができる。
図1にはこのインクジェットヘッドの回転ズレを検出するための検出手段(倒立顕微鏡7)が2つ示されている。また、インクジェットヘッドが傾き、上下方向(第3の方向)のズレが生じる場合がある。この第3の方向のずれを修正するため、ギャップ調整機構(図示せず)を設けることが効果的である。
インクジェットヘッド13は、第1の方向に沿って、平行に配置されている。また、ノズル範囲よりインクジェットヘッド本体の幅が広いため、隣り合うインクジェットヘッドは、第2の方向そってずらした千鳥状の配置となっている。このため、インクジェットヘッドに属するノズルの吐出タイミングを、当該インクジェットヘッドと隣接するインクジェットヘッドとの間に生じる第2の方向の距離に応じて、変えることによりインク吐出を精度よく直線状とすることができる。
<隔壁の作成>
透明基板として無アルカリガラスを用いた。感光性樹脂組成物(アクリル樹脂、シクロヘキサノン、カーボン顔料、分散剤、ラジカル重合性を有する化合物トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤で形成)を透明基板上に厚さ2.0μmとなるようスピンコート法により塗布、ホットプレートで溶剤を乾燥、格子状の隔壁パターンが形成されるよう作製したフォトマスク介して露光、アルカリ水溶液で現像、オーブンで加熱焼成を行い、格子状のブラックマトリクス状の隔壁パターンを得た。次にさらにこの基板上に含フッ素化合物を含む感光性樹脂組成物(アクリル樹脂、シクロヘキサノン、ラジカル重合性を有する化合物トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤、含フッ素化合物で形成)を厚さ0.1μmとなるようスピンコート法により塗布、ホットプレートで溶剤を乾燥、Y方向隔壁パターンのみが形成されるよう作製したフォトマスク介してY方向隔壁パターンが積層できるように格子上の隔壁パターンとアライメント露光、アルカリ水溶液で現像、オーブンで加熱焼成を行い、透明基板上に図1(a)に示す隔壁パターンを形成した。隔壁パターンの表面の飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)による負イオン分析で、全負イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、X方向隔壁パターン1の表面のフッ素イオンの検出強度が約0.05であり、この隔壁パターンに仕切られた開口部にインクジェット方式でインクを充填したところ開口部毎にインク供給量のバラツキがあっても、表面に撥インク性材料である含フッ素化合物がほとんどない、つまり撥インク性のほとんどないX方向隔壁パターン上をインクが流動し、相互にレベリング作用を生じ、充填された開口部毎のインク量のバラツキを抑制することができる隔壁パターンであることを確認した。
またY方向隔壁パターン1の表面のフッ素イオンの検出強度が約0.5であり、インクを充填する際、表面に撥インク性材料である含フッ素化合物が存在する、つまり強い撥インク性を有するY方向隔壁パターン上はインクをはじき、混色を避けたい隣接する開口部の着色パターン同士の混色を防ぐことができる隔壁パターンであることも確認した。
また隔壁パターンの光学濃度が4以上であり、白輝点や光漏れによるコントラスト低下の少ない隔壁パターンであることを確認した。
この基板にインクジェット方式を用いて赤、青、緑からなる着色インク(溶剤を除くインクの全固形分の合計質量に締める割合が50質量%で必要な分光特性となるように調整し、溶剤をインクに締める全固形分濃度が30質量%となるように調整した)をそれぞれ隔壁パターンで区切られた開口部に吐出し、その後加熱硬化してカラーフィルタを得た。
このカラーフィルタにおいて、着色パターンを形成した各画素の膜厚を測定したところ、同色の隣接する画素の膜厚差の最大値が50nm以下であり、また同色の隣接する画素の色差ΔE*ab(L*a*b*表色系を用いたときの色差)を測定したところ、最大値が0.5以下であり、色ムラの少ないカラーフィルタであることを確認した。
<隔壁の作成>
透明基板として無アルカリガラスを用いた。撥インク性材料を含む感光性樹脂組成物(アクリル樹脂、シクロヘキサノン、カーボン顔料、分散剤、ラジカル重合性を有する化合物トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤、含フッ素化合物で形成)を透明基板上に厚さ2.0μmとなるようスピンコート法により塗布、ホットプレートで溶剤を乾燥、格子状の隔壁パターンが形成されるよう作製したフォトマスク介して露光、アルカリ水溶液で現像、オーブンで加熱焼成を行い、格子状のブラックマトリクス状の隔壁パターンを得た。次にこの基板のX方向隔壁パターン部にフォムト秒レーザーを照射させ、表面の撥インク性材料である含フッ素化合物を取り除くことで、透明基板上に図1(b)に示す隔壁パターンを形成した。隔壁パターンの表面の飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)による負イオン分析で、全負イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、X方向隔壁パターン1の表面のフッ素イオンの検出強度が約0.05であり、この隔壁パターンに仕切られた開口部にインクジェット方式でインクを充填したところ開口部毎にインク供給量のバラツキがあっても、表面に撥インク性材料である含フッ素化合物がほとんどない、つまり撥インク性のほとんどないX方向隔壁パターン上をインクが流動し、相互にレベリング作用を生じ、充填された開口部毎のインク量のバラツキを抑制することができる隔壁パターンであることを確認した。
またY方向隔壁パターン1の表面のフッ素イオンの検出強度が約0.5であり、インクを充填する際、表面に撥インク性材料である含フッ素化合物が存在する、つまり強い撥インク性を有するY方向隔壁パターン上はインクをはじき、混色を避けたい隣接する開口部の着色パターン同士の混色を防ぐことができる隔壁パターンであることも確認した。
また隔壁パターンの光学濃度が4以上であり、白輝点や光漏れによるコントラスト低下の少ない隔壁パターンであることを確認した。
この基板にインクジェット方式を用いて赤、青、緑からなる着色インク(溶剤を除くインクの全固形分の合計質量に締める割合が50質量%で必要な分光特性となるように調整し、溶剤をインクに締める全固形分濃度が30質量%となるように調整した)をそれぞれ隔壁パターンで区切られた開口部に吐出し、その後加熱硬化してカラーフィルタを得た。
このカラーフィルタにおいて、着色パターンを形成した各画素の膜厚を測定したところ、同色の隣接する画素の膜厚差の最大値が50nm以下であり、また同色の隣接する画素の色差ΔE*ab(L*a*b*表色系を用いたときの色差)を測定したところ、最大値が0.5以下であり、色ムラの少ないカラーフィルタであることを確認した。
以下に本発明の比較例1を具体的に説明する。
<隔壁の作成>
透明基板として無アルカリガラスを用いた。撥インク性材料を含む感光性樹脂組成物(アクリル樹脂、シクロヘキサノン、カーボン顔料、分散剤、ラジカル重合性を有する化合物トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤、含フッ素化合物で形成)を透明基板上に厚さ2.0μmとなるようスピンコート法により塗布、ホットプレートで溶剤を乾燥、格子状の隔壁パターンが形成されるよう作製したフォトマスク介して露光、アルカリ水溶液で現像、オーブンで加熱焼成を行い、格子状のブラックマトリクス状の隔壁パターンを形成した。隔壁パターンの表面の飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)による負イオン分析で、全負イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、X方向隔壁パターン1とY方向隔壁パターン2の表面ともにフッ素イオンの検出強度が約0.5であり、X方向隔壁パターン1の表面にも撥インク性材料である含フッ素化合物が存在する、つまり強い撥インク性を有する隔壁パターンであることを確認した。
この基板にインクジェット方式を用いて赤、青、緑からなる着色インク(溶剤を除くインクの全固形分の合計質量に締める割合が50質量%で必要な分光特性となるように調整し、溶剤をインクに締める全固形分濃度が30質量%となるように調整した)をそれぞれ隔壁パターンで区切られた開口部に吐出し、その後加熱硬化してカラーフィルタを得た。
このカラーフィルタにおいて、着色パターンを形成した各画素の膜厚を測定したところ、同色の隣接する画素の膜厚差の最大値が50nm以上であり、また同色の隣接する画素の色差ΔE*ab(L*a*b*表色系を用いたときの色差)を測定したところ、最大値が1.0であり、色むらが発生したカラーフィルタとなった。
以下に本発明の比較例2を具体的に説明する。
<隔壁の作成>
透明基板として無アルカリガラスを用いた。感光性樹脂組成物(アクリル樹脂、シクロヘキサノン、カーボン顔料、分散剤、ラジカル重合性を有する化合物トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤で形成)を透明基板上に厚さ2.0μmとなるようスピンコート法により塗布、ホットプレートで溶剤を乾燥、格子状の隔壁パターンが形成されるよう作製したフォトマスク介して露光、アルカリ水溶液で現像、オーブンで加熱焼成を行い、格子状のブラックマトリクス状の隔壁パターンを形成した。隔壁パターンの表面の飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)による負イオン分析で、全負イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、X方向隔壁パターン1とY方向隔壁パターン2の表面ともにフッ素イオンの検出強度が約0.05であり、Y方向隔壁パターン1の表面の撥インク性材料である含フッ素化合物がほとんどない、つまり撥インク性のほとんどない隔壁パターンであることを確認した。
この基板にインクジェット方式を用いて赤、青、緑からなる着色インク(溶剤を除くインクの全固形分の合計質量に締める割合が50質量%で必要な分光特性となるように調整し、溶剤をインクに締める全固形分濃度が30質量%となるように調整した)をそれぞれ隔壁パターンで区切られた開口部に吐出し、着色インクを充填したところ、混色を避けたい隣接する開口部の着色パターン同士が混色を起こし、大面積の混色不良が発生した。
100…X方向隔壁パターン
2…基板搬送ステージ
200…Y方向隔壁パターン
3…メンテナンスステーション
300…透明基板
4…インクジェットヘッドユニット移動軸(第1の方向)
5…リニアスケール
6…インクジェットヘッドユニット移動ベース
7…倒立顕微鏡
8…搬送ステージ制御部
9…吐出制御部
10…メインコントローラ
11…基板搬送ステージ搬送方向(第2の方向)
12…インクジェットヘッドユニット移動方向(第1の方向)
13…インクジェットヘッド
14…インクジェットヘッドユニット
15…θ調整機構(θ軸)
16…昇降機構(第3の方向)
17…第3の方向
18…θ方向
19…インクジェットヘッドベース板
20…アライメントマーク
41…基板
42…インクジェットヘッド
43…着色インク層
44…第2の方向
45…第1の方向
51…基板
52…インクジェットヘッド
53…着色インク層
54…ノズル
Claims (13)
- 透明基板と、
前記透明基板上に略直交する格子状に形成された隔壁パターンと、
前記隔壁パターンに区画された開口部の中に設けられた複数色の着色パターンを備えたパターン形成基板において、
前記着色パターンは、色ごとに略ストライプ状に形成されていて、
前記隔壁パターンは、前記着色パターンのストライプの長手方向と略直交方向に設けられたX方向隔壁パターン及び、前記着色パターンのストライプの長手方向と略平行方向に設けられたY方向隔壁パターンからなり、
X方向隔壁パターンの上表面の飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、Y方向隔壁パターンの上表面のフッ素イオンの検出強度と比較して小さいことを特徴とするパターン形成基板。 - 透明基板と、
前記透明基板上に略直交する格子状に形成された隔壁パターンと、
前記隔壁パターンに区画された開口部の中に設けられた複数色の着色パターンを備えたパターン形成基板において、
前記着色パターンは、色ごとに略ストライプ状に形成されていて、
前記隔壁パターンは、前記着色パターンのストライプの長手方向と略直交方向に設けられたX方向隔壁パターン及び、前記着色パターンのストライプの長手方向と略平行方向に設けられたY方向隔壁パターンからなり、
X方向隔壁パターンの上表面の飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、全負イオンの検出強度の合計1に対して0.2以下であり、
Y方向隔壁パターンの上表面の飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が全負イオンの検出強度の合計1に対して0.3〜0.6であることを特徴とするパターン形成基板。 - 前記隔壁パターンが遮光剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のいずれかにパターン形成基板。
- 前記隔壁パターンの光学濃度が2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成基板。
- 少なくとも前記Y方向隔壁パターンに、撥インク性成分が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成基板。
- 透明基板と、
前記透明基板上に略直交する格子状に形成された隔壁パターンと、
前記隔壁パターンに区画された開口部の中に設けられた複数色の着色パターンを備えたパターン形成基板において、
前記着色パターンは、色ごとに略ストライプ状に形成されていて、
前記隔壁パターンは、前記着色パターンのストライプの長手方向と略直交方向に設けられたX方向隔壁パターン及び、前記着色パターンのストライプの長手方向と略平行方向に設けられたY方向隔壁パターンからなり、
Y方向隔壁パターンの上表面の飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、全負イオンの検出強度の合計1に対して0.3〜0.6であり、
X方向隔壁パターンの上表面は、飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、Y方向隔壁パターンとほぼ同一の第1の領域と、飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、全負イオンの検出強度の合計1に対して0.2以下である第2の領域とからなることを特徴とするパターン形成基板。 - 透明基板と、
前記透明基板上に略直交する格子状に形成された隔壁パターンと、
前記隔壁パターンに区画された開口部の中に設けられた複数色の着色パターンを備えたパターン形成基板において、
前記着色パターンは、色ごとに略ストライプ状に形成されていて、
前記隔壁パターンは、前記着色パターンのストライプの長手方向と略直交方向に設けられたX方向隔壁パターン及び、前記着色パターンのストライプの長手方向と略平行方向に設けられたY方向隔壁パターンからなり、
Y方向隔壁パターンの上表面の飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、全負イオンの検出強度の合計1に対して0.3〜0.6であり、
X方向隔壁パターンの上表面は、飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、Y方向隔壁パターンとほぼ同一の第1の領域と、飛行時間型二次イオン質量分析計によるフッ素イオンの検出強度が、全負イオンの検出強度の合計1に対して0.2以下である第2の領域とからなり、
前記第2の領域は、当該X方向隔壁パターンに隣接する2つのY方向隔壁パターンのうち、選択された1のY方向隔壁パターンに近接した領域に設けられ、
さらに、前記Y方向隔壁パターンの選択が、前記着色パターンの長手方向に沿って交互に行われることを特徴とするパターン形成基板。 - 画素に隣接する辺において、前記第1の領域の前記X方向隔壁パターン全体にしめる長さの割合が50%〜90%であることを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のパターン形成基板。
- 前記隔壁パターンが遮光剤を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン形成基板。
- 前記X方向隔壁パターンの光学濃度が2以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のパターン形成基板。
- 前記Y方向隔壁パターン2が撥インク性材料を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のパターン形成基板。
- 前記着色パターンが着色顔料により形成させた請求項1〜11に記載のパターン形成基板を用いたカラーフィルタ。
- 請求項12に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
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