JP2012198479A - カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット法を用いて、カラーフィルタ表面の平坦性と着色層内の平坦性が改善されたカラーフィルタの製造方法と、着色部内で色むらが生じる不具合のない、平坦性が良好なカラーフィルタを提供する。
【解決手段】少なくとも、透明基板上に格子状またはストライプ状の隔壁パターンよりなる遮光層を形成する工程と、前記遮光層を光照射または放射線照射することにより硬化させる工程と、前記遮光層の開口部に、光硬化性樹脂を含む着色インクをインクジェット法により規定の配列となるように吐出して着色インク層を形成する工程と、前記透明基板を加熱して、前記着色インク層の溶媒を乾燥する工程と、フォトマスクを介して前記着色インク層の外縁部に紫外線を照射して前記着色インク層の外縁部を光硬化する工程と、前記透明基板を加熱して、前記遮光層と前記着色インク層全体を熱硬化させる工程と、をこの順に含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶ディスプレイ等に使用されるカラーフィルタの製造方法に係り、特に、インクを微細な液滴にして吐出するインクジェット法によるカラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタに関する。
表示装置用カラーフィルタ(以下CFと略称する)は、透明基板上に所定のパターンよりなる遮光層(以下、ブラックマトリックス、BMと呼称する場合がある)が設けられ、そのBMの開口部に、通常赤(R)緑(G)青(B)の3原色等の色選択を必要に応じて行うための着色層からなる画素を備え、例えば液晶装置ではR、G、Bのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、Bのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われる。
このCFの製造方法として、従来より顔料分散法、染色法、印刷法、電着法等各種の方法が実現されており、とりわけ顔料分散法は高品質のCFの大量生産方法として最も多用されている。まず、透明基板上に、クロム等の金属または金属と金属酸化物の積層薄膜をフォトエッチングプロセスによってBMパターンを形成する、あるいは黒色感光性樹脂組成物の塗布膜を設け、フォトリソプロセスによってこの塗布膜へのパターン露光、現像によってBMパターン形成する。次に、そのBM開口部に赤(R)緑(G)青(B)の顔料などの色素を分散させた着色感光性組成物の塗布膜を設け、フォトリソプロセスによってこの塗布膜へのパターン露光、現像によって着色のパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、Bの着色層からなる着色画素を形成するものが最も一般的である。
近年、携帯電話やパーソナルコンピュータ、薄型カラーテレビの発展に伴い、カラー液晶ディスプレー等の需要が増加しており、特に、薄型カラーテレビの大型化が著しい。しかしながら、需要の増加に合わせて低価格化の進行も著しく、部材の中でもコスト的に比重の高いCFに対するコストダウンの要求が高く、製造コストの削減が強く望まれている。一方で、CFの主要な製造方法である、フォトリソプロセスは、上記したように赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層の形成において、色材塗布、露光、現像、熱硬化の一連の工程を各色毎に繰り返すことで低コスト化の大きな障害になっていた。加えて、設備とその設置スペース、水、色材等の資源の消費においても、近年の基板サイズの大型化に伴ってますます大きな負担が加わるようになった。
これらの問題点を解決する低コストのCFの製造方法として、例えば、特許文献1には、着色層をインクジェット法で形成することが提案されている。インクジェット法で着色層を形成する場合の着色液滴径は数十μm程度であり、CFの画素との関係は、着色液滴径の数十μm程度に対しCFの一画素の大きさは短辺数十μm、長辺数百μm程度である。通常のインクジェット法では、各着色領域の画素のにじみ、混色が避けられない問題があった。このため、あらかじめ、基板上に遮光性のBMパターンをインクジェット法で飛来する着色液滴の堰の役割を果たす凸部として形成しておき、画素の区画内に特定の色の着色液滴を広げることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層が形成された画素を得ることができる。
インクジェット法で使用されるインクの性質は適用するインクジェットヘッドの種類により異なるが、着色材料を高濃度にするとノズルが詰まるため、通常、低濃度にしてBM開口部に吐出している。一般に粘度は数十mPa・s以下であり、それに伴って、固形分比や着色顔料成分比の制約も発生する。一方、CFとして要求される特性である膜厚と色
特性(分光透過率特性)を満足させるためには、熱硬化処理前の着色層の厚さを着色液滴の堰の役割を兼ねたBMパターンの厚さより厚くすることも必要になる。このため着色液滴が画素内の基板表面には濡れやすいが、堰の役割を兼ねたBMパターン表面には濡れにくいようにすることによって、熱硬化処理前に堰を越えることなく高く盛り上げる工夫をしている。
しかしながら、溶媒分の多い着色層は、吐出直後の膜厚がBMの膜厚以上になることから、そのまま急激に加熱すると、乾燥が進行してゆく際に同時にインキの硬化も進行する。さらに溶媒が蒸発した後にはインキの粘度が大幅に上昇しているため、インキの流動は起こりえない。インクの乾燥工程でインクの流動性が失われると、流動性が失われた状態の形状を留めながら熱収縮する傾向があり、複数の着色液滴を同一画素内に射出する場合は、各着色液滴の画素内での流動性が失われた状態に応じた凹凸が生じ、その状態を保ったまま熱収縮することで、画素内の着色層が最終的に平坦にならない問題が生じた。このような場合には、画素内での色濃度にバラツキが生じ、画像の表示品質が劣るという問題が発生する。
そこで、画素内での平坦性を得る方法として、特許文献2には、堰の役割を兼ねるBMパターンとして樹脂組成物からなる隔壁を形成する工程と、この隔壁表面に粗面化処理を施す工程と、この隔壁表面にフッ素原子を含有するガスを導入してプラズマ照射を行いそのインク密着性を向上させるプラズマ処理工程と、インクジェット方式により上記隔壁で囲まれた領域にインクを付与して画素を形成する工程を有する製造方法が開示されている。
また、画素部の乾燥状態を制御することで平坦性を得る方法が提案されている。例えば、特許文献3には、インクの乾燥が完了する前の段階で、インク中の感光性化合物を感光させるべく光を照射する製造方法が開示されている。また、特許文献4では、インクの粘度が大きなものほど高温で乾燥させ、色調のバラツキを抑制する方法が開示されている。さらに、特許文献5には、予め製造された素子の形状を検査して、中心部が凸形状の場合は乾燥工程における溶媒の揮発速度を速くし、中心部が凹形状の場合は乾燥工程における溶媒の揮発速度を遅くするよう、乾燥条件を画素の形状に合わせて調節する方法が開示されている。
特開昭59−75205号公報 特開2002−148429号公報 特開平11−142641号公報 特開2002−372613号公報 特開2003−266003号公報
しかしながら、上記特許文献2の方法は、インクが乾燥し流動性が失われた際に、堰の役割を果たすBMパターンと画素の密着性の向上の効果は失われてしまうため、画素平坦性は熱収縮前の形に依存し、画素平坦性の大幅な改善は見られない問題がある。また、上
記特許文献3の方法では、光硬化性樹脂をインク内に添加し、光硬化させ熱収縮率を抑える方法を用いているが、画素が段差形状を帯びたまま光硬化させるため十分な平坦性を得られない問題がある。また、上記特許文献4の方法では、R、G、Bインクの粘度が高い方から乾燥させる方法が記載されているが、この方法では、乾燥時に揮発した溶剤の気流により画素の平坦性が阻害され、十分な平坦性が得られない問題がある。また、特許文献5の方法は、インクの乾燥速度を制御しても、インクの乾燥による流動性の消失後の画素形状に対しては効果が得られない問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、インクジェット法を用いたカラーフィルタの製造に際して、カラーフィルタ表面の平坦性と着色層内の平坦性が改善されたカラーフィルタの製造方法を提供することを課題としている。あわせて、着色部内で色むらが生じる不具合のない、描画された画像の平坦性が良好なカラーフィルタを提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、
(a)透明基板上に格子状またはストライプ状の隔壁パターンよりなる遮光層を形成する、遮光層形成工程と、
(b)前記遮光層を光照射または放射線照射することにより硬化させる、第1硬化処理工程と、
(c)前記遮光層の開口部に、光硬化性樹脂を含む着色インクをインクジェット法により規定の配列となるように吐出して着色インク層を形成する、着色インク層形成工程と、
(d)前記透明基板を加熱して、前記着色インク層の溶媒を乾燥する、着色インク層乾燥工程と、
(e)フォトマスクを介して前記着色インク層の外縁部に紫外線を照射して前記着色インク層の外縁部を光硬化する、着色インク層外縁部光硬化工程と、
(f)前記透明基板を加熱して、前記遮光層と前記着色インク層全体を熱硬化させる、第2硬化処理工程と、をこの順に含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記着色インク層乾燥工程において、前記透明基板を60〜120℃で2〜15分加熱することを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記第2硬化処理工程において、前記透明基板を200〜280℃で10〜60分加熱することを特徴とする請求項1または2に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記着色インク層外縁部光硬化工程において、100mJ/cm以上の露光量で露光することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記着色インクは、少なくとも着色材料、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、分散剤、溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記着色インク層形成工程が、R、G、Bの少なくとも3色の着色インクを付与する工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記着色インク層外縁部光硬化工程において、
前記外縁部が、前記着色インク層に含まれる領域であって、前記着色インク層の最外周部から80μm以内の領域であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記遮光層は、撥インク性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法である。
次に、本発明の請求項9に係る発明は、透明基板上に、少なくとも遮光層パターンと、その遮光層の開口部に各色の着色層をインクジェット法により規定の配列となるよう形成したカラーフィルタであって、請求項1〜8のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は上記構成の工程からなることで、光硬化性樹脂を含む着色インクを画素内に充填し、乾燥させた後、着色インク層の外縁部を光硬化させることで、着色インク層の中心と外縁部で、熱収縮率を変化させることができ、熱収縮時に凸形状を緩和し、平坦形状に変形させることができた。その結果、カラーフィルタ表面の平坦性と着色層内の平坦性が改善されたインクジェット法を用いたカラーフィルタの製造方法が提供でき、着色部内で色むらが生じる不具合のない、描画された画像の平坦性が良好なカラーフィルタを得ることが可能となる。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、着色インク層乾燥工程において、透明基板を60〜120℃で2〜15分加熱することにより、画素インクの乾燥を促し、画素の耐久性を向上することができ、また、第2硬化処理工程において、透明基板を200〜280℃で10〜60分加熱することで、熱耐性、及び溶剤耐性が十分となるカラーフィルタを製造することができる。とりわけ、着色インク層外縁部光硬化工程において、100mJ/cm以上の露光量で露光することにより、画素の凸形状を緩和できることができ、着色インク層の最外周部から80μm以内の領域に紫外線を照射することで、光硬化による熱収縮率の制御が可能となった。さらに、第2硬化処理工程での加熱処理後の着色層の収縮を考慮しても、遮光層(BM)と着色部における膜厚差も抑制でき、色むらのない平坦性に優れたカラーフィルタを得ることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形態例を断面で示す説明図である。 本発明に係る、着色インク層外縁部光硬化工程で、カラーフィルタとフォトマスクの位置を説明する模式図である。 本発明に係る、着色インク層外縁部光硬化工程で、外縁部露光用アライメント装置を示す模式図である。 本発明に係る、着色インク層外縁部光硬化工程で、露光条件を変化させた際の画素形状を説明する模式図である。
本発明のカラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタを一実施形態に基づいて、図面を参照して以下に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
図1は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形態例を断面で示す説明図である
。図1に示すように、本発明のカラーフィルタの製造方法は、少なくとも、透明基板1上に格子状またはストライプ状の隔壁パターンよりなる遮光層2を形成する遮光層形成工程(図1(a))と、遮光層2を光照射または放射線照射することにより硬化させる第1硬化処理工程(図1(b))と、その後、遮光層2の開口部に、光硬化性樹脂を含む赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の着色インクをインクジェットヘッド4より規定の配列となるように吐出して着色インク層3を形成する着色インク層形成工程(図1(c))と、透明基板1を加熱して、着色インク層3の溶媒を乾燥する着色インク層乾燥工程(図1(d))と、外縁部露光用のフォトマスク5を介して着色インク層3の外縁部に紫外線を照射して、着色インク層3の外縁部を光硬化する着色インク層外縁部光硬化工程(図1(e))と、次に、透明基板1を加熱して、遮光層2と着色インク層3全体を熱硬化させる、第2硬化処理工程(図1(f))と、をこの順に含み、この工程を進行させることで、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)3色を備えたカラーフィルタが完成する。
本発明に係る、透明基板1は、カラーフィルタが要求する機械特性、光学特性を有すれば特に限定されるものではないが、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等が使用できる。
次に、本発明に係る、遮光層(BMパターン)2の形成方法について述べる。ブラックマトリックスのパターニング方法としては、フォトリソグラフィ法、印刷法、転写法等、特に限定されず従来公知の手法を用いることが可能である。精細なパターン形成が可能なフォトリソグラフィ法を用いることが特に好ましい。本発明ではパターニングの手法によらず、黒色のネガ型感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。さらにフッ素化合物等の撥インキ剤を含むものを用いると、特別な工程を必要とすることなく、遮光層2の上表面に撥インキ性を付与できることから特に好ましい。
以下にフォトリソグラフィ法を用いた遮光層の形成方法について詳しく説明する。まず前記黒色のネガ型感光性樹脂組成物を透明基板上に、スリットダイコーター、スピンコーター等の公知の塗工装置を用いて均一に塗工する。その後、溶剤成分を除去するため必要に応じて、減圧乾燥処理やプリベーク処理を施すことができる。この際フッ素系の撥インク剤を用いた場合は、塗膜中に分散した撥インク剤が徐々に塗膜表面に偏析する性質を有しており、遮光層の上表面に撥インキ性を付与することが出来る。
これをパターン露光、現像を行なった後、第1の硬化処理をして、所定のBMパターン2を形成する。なお、第1の硬化処理とは、薬品、インキ等に対する耐性が最小限必要レベルの硬化処理であり、このレベルでは、パターンの形状が微小な変化の状態である。
本発明に係る、第1硬化処理工程では、光照射或いは放射線照射することによりネガ型感光性樹脂組成物を硬化させる。照射する光或いは放射線としては、ネガ型感光性樹脂組成物が硬化する吸収波長を有するものであれば特に限定されるものではないが、紫外線或いは電子線が好ましく使用できる。しかしながら、前記した撥インク剤の分解を促進するような波長を含む場合は、不要な波長は適当なフィルターを介してカットすることが望ましい。本発明では、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等による紫外線照射処理が特に好ましい。なお、遮光層の内部の硬化程度が不十分である場合は、第1硬化処理工程後の遮光層の膜厚をt1とし着色インクをインクジェット後の第2硬化処理工程後の遮光層の膜厚をt2とした場合に、遮光層の膜厚変化が、t1×0.85≦t2≦t1×0.95の範囲を満たす条件内であれば、さらに加熱処理を施して硬化する熱処理を追加して設けることもできる。この場合、加熱方法としては熱風循環式のオーブン、ホットプレート、赤外線による加熱等が利用でき、特に限定されるものではない。
本発明における第1硬化処理工程では、有機溶剤系のインキジェットインキに対しての
耐性を有しながら、インキの熱硬化の第2硬化処理工程において、上記したように、遮光層の膜厚がt1×0.85≦t2≦t1×0.95の範囲で変化するように遮光層の硬化状態を調整することが重要である。
ここで、本発明に係る遮光層の、第2硬化処理工程後の膜厚t2は、1.0〜3.0μmの範囲で、遮光層としての遮光性とともに、パターン形状や着色層を形成するインキの特性およびその膜厚に合わせて適宜調整することが好ましい。
前記ネガ型感光性樹脂組成物としては、その主成分はバインダー樹脂、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤、溶剤、および遮光性部材からなる。まずバインダー樹脂としては、アルカル可溶性の熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。また低温での硬化性を促進するため、これらの樹脂に加えてメラミン誘導体と光酸発生剤を含有させることもできる。メラミン誘導体としては、メチロール基あるいはメトキシメチル基を有している化合物であればよいが、特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましい。
前記ラジカル重合性を有する化合物は、例えばビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーを用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることが出来るがこの限りではない。これらのラジカル重合性を有する化合物は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。ラジカル重合性を有する化合物の量は、バインダー樹脂100質量部に対して1〜200質量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150質量部である。
また前記光重合開始剤は、露光によりラジカルを発生し、ラジカル重合性を有する化合物を通して、バインダー樹脂を架橋させるものである。光重合開始剤の例として具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることが出来る。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20質量部である。
また溶剤として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を用いることができる。溶剤の使用量は、透明基板上に塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる塗布であることが望ましく、感光性樹脂組成物の全質量に対し、溶剤量が50〜97質量%になるよう調製することが好ましい。
また、黒色遮光性部材は、遮光層に遮光性を付与し、カラーフィルタのコントラストを向上させるものである。黒色遮光性部材としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。これらの黒色遮光性部材は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
分散剤としては、非イオン性界面活性剤では、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、また、イオン性界面活性剤では、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩など、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどがあげられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上を混合して使用してもよい。
さらに前記ネガ型感光性樹脂組成物には、撥インク剤を含んでいても構わない。黒色の光硬化性樹脂組成物に撥インク剤を添加することで、インクが隣接する画素に流出することを防ぎ、混色を防止することが出来る。黒色の光硬化性樹脂組成物中に撥インク剤を添加した後に、フォトリソグラフィ法にて、遮光層を形成する。フォトリソグラフィ工程のベーク時に撥インク剤が遮光層の表面部に偏在する。その為、透明基板からもっとも離れた遮光層の表面部の撥インク性が透明基板と接する側の遮光層の撥インク性よりもよくなる。遮光層の透明基板と接する側の表面張力とインクの表面張力との差が小さいことから、画素の平坦性がよくなる。
撥インク剤としては、含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物を用いることができ、これらを混合して用いることがより好ましい。前記含フッ素化合物の例として、具体的には、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ化樹脂などを挙げられることが出来る。特に質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体が好ましい。また、これらの含フッ素化合物は、単独または二種類以上併用して用いることが出来る。前記含ケイ素化合物として、主鎖または側鎖に有機シリコンを有するもので、シロキサン成分を含むシリコン樹脂やシリコーンゴムなどを挙げられることが出来る。また、これらの含ケイ素化合物は、単独または二種類以上併用して用いることが出来る。さらに、前記含フッ素化合物と含シリコン化合物、あるいはその他のインク反発性の成分を併用しても良い。本発明に係る黒色感光性樹脂組成物に含まれる含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物の量は、全質量部に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲で、パターン形状や着色層を形成するインキの特性に合わせて適宜調整することが好ましい。
この他、遮光層形成に用いるネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて相溶性のある添加剤、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。本発明における遮光層を形成するためのネガ型感光性樹脂
組成物は、熱架橋する際の膜減り量が大きい材料を用いることが特に好ましい。
次に、本発明に係る、着色インクについて述べる。本発明に係る着色インクとしてのインクジェット用着色組成物は、少なくとも着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合性開始剤、溶媒を含有する。
本発明に使用し得る樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ノボラック系樹脂等が挙げられる。
アクリル系重合体の単量体(モノマー)の例として、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。さらに、これらアクリレートと共重合可能なモノマーとして、スチレン、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−ブチルマレイミド、及びラウリルマイレミド等の化合物があげられる。
また、アクリル系重合体にエチレン性不飽和基を付加させることも出来る。アクリル系重合体にエチレン性不飽和基を付加させる方法としては、グリシジルメタクリレート等のエポキシ含有樹脂にアクリル酸等のエチレン性不飽和基とカルボン酸含有化合物を付加する方法や、メタアクリル酸等のカルボン酸含有樹脂にグリシジルメタアクリレート等のエポキシ含有アクリレートを付加する方法、また、ヒドロキシメタアクリレート等の水酸基含有樹脂にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有アクリレートを付加する方法等があげられる。
上記したバインダー樹脂の一例となるノボラック樹脂としては、フェノールノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂等があげられる。
本発明に使用される着色剤は、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れる顔料を用いることが好ましい。インクジェット用着色剤の顔料として、具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、Pigment Orange36、Pigment Violet23、等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
分散剤は、樹脂への着色剤の分散を向上させるために用いる。分散剤として、イオン性、非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いることも可能である。
本発明に係る着色インクに使用される光重合性モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。
本発明に係る着色インクに使用される光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等の硫黄化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン類、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。
また、本発明に係る着色インクには、単独では光重合開始剤として機能しないが、上記光重合開始剤と組合せて使用することで光重合開始剤の能力を増大させる化合物を、光重合開始助剤として添加できる。そのような化合物としては、例えばベンゾフェノンと組合せて使用すると効果のあるトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。光重合開始剤の添加量は、樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。0.1質量部未満では、光重合の速度が遅くなって感度が低下する傾向があり、30質量部よりも多いと、基板等との密着性が低下する傾向がある。
着色インクに使用される溶媒は、インクジェット装置の印刷適性により選択され、特に表面張力範囲が35mN/m未満で、且つ、沸点が130℃以上の材料を用いることが好ましい。表面張力が35mN/m以上であるとインクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼす。また、沸点が130℃未満であるとノズル近傍での乾燥性が著しく高くなる。その結果、ノズル詰まり等の不良発生を招くので好ましくない。また、溶媒は、着色組成物の樹脂の熱硬化温度により適宜選択される。樹脂の熱硬化温度と比べ、著しく低い沸点を有する溶媒を用いると、着色層の形状に悪影響を及ぼす懸念が生ずる。
これらの条件を満たす溶媒として、具体的には、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等を挙げることができる。また、この他にも、溶媒の沸点をより高めるために、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることが可能である。また、必要に応じて2種類以上の溶媒を前記条件に合うように混合し、調整したものを用いることができる
次に、着色インク層の形成方法について述べる。着色インク層3の形成には、インクジェット法を用いる。前記した遮光層形成工程と、第1硬化処理工程後の透明基板に対して、図1(c)に示すように、遮光層の開口部に、上記した光硬化性樹脂を含む複数色の着色インクをインクジェット法により、規定の配列となるように吐出して着色インク層3を形成する。例えば赤色着色インク層3R、緑色着色インク層3G、及び青色着色インク層3Bを形成する。この場合、開口部への着色インクの吐出量は最適化する必要がある。
インクジェットに用いる装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があるが、ピエゾ変換方式の装置を用いることが望ましい。また。インクジェット装置のインクの液滴吐出(粒子化)周波数は5〜100kHz程度が望ましい。また、インクジェット装置のノズル径は、5〜80μm程度が望ましい。また、インクジェット装置はヘッドを複数個配置(RGBであれば3個)し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いるのが好ましい。なお、インクの液滴吐出周波数、ヘッドの個数はこれに限定されない。
着色インクをインクジェット法で吐出した後に、着色インク層の溶媒を乾燥する、着色インク層乾燥工程を経た後、本発明のカラーフィルタの製造法のポイントである、着色インク層外縁部光硬化工程に移行する。まず、着色インク層乾燥工程では、透明基板を60〜120℃で2〜15分加熱する。このことにより、画素インクの乾燥を促し、画素の耐久性を向上することができ、前記した透明基板を60〜120℃で2〜15分の加熱範囲外では、乾燥不十分による耐久性不足等の問題が生じる。
次に、着色インク層外縁部光硬化工程では、光或いは放射線の照射により、着色インク内に含まれるネガ型感光性樹脂組成物を硬化させる。照射する光或いは放射線としては、ネガ型感光性樹脂組成物が硬化する吸収波長を有するものであれば特に限定されるものではないが、紫外線或いは電子線が好ましく使用できる。本発明では、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等による紫外線照射処理が特に好ましい。
紫外線の照射部位は着色インク層の外縁部とし、着色インク層の外縁部にのみ紫外線を照射するために、図1(e)に示すように、フォトマスク5を用いて着色インク層中心部の紫外線を遮断する。図2に示すように、着色インク層の最外周部から80μm以内の領域Aに紫外線を照射することで、光硬化による熱収縮率の制御が可能となる。紫外線の照射領域を着色インク層の最外周部から80μm以上にすると、画素内の段差軽減に対する効果を得ることができない。また、着色インク層の外縁部を光硬化する工程では、100mJ/cm以上の露光量で露光することにより、画素の凸形状を緩和できることができる。この着色インク層の外縁部を光硬化する工程で、100mJ/cm以下の露光量で
は、光硬化が不十分になり、画素の凸形状の緩和が不十分となる。
次に、透明基板を加熱して、遮光層と着色インク層全体を熱硬化させる、第2硬化処理工程を進める。着色インク層3と遮光層2全体をオーブンを用いて加熱し、熱硬化させることで、カラーフィルタが完成する。ここで、透明基板を200〜280℃で10〜60分加熱する工程により、熱耐性、及び溶剤耐性が十分となるカラーフィルタを製造することができる。なお、200〜280℃で10〜60分の加熱範囲外では、熱耐性、及び溶剤耐性が不十分となる問題が生じる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
[遮光層(BMパターン)の形成]
先ず、厚さ0.7mmの素ガラス基板上に、黒色遮光剤、光重合開始剤、分散剤、樹脂(モノマーを含む)、溶媒からなる、遮光材料を塗布した後、減圧乾燥、プレベークを経て成膜した。次に、上記のようにして形成した遮光性材料の薄膜に、フォトマスクを介して紫外線を照射して、300mJ/cmの露光量で露光した後、現像、リンスした。現像には、現像液として、0.1%、NaCO水溶液を用いた。その後、上記で得られた遮光層を乾燥した後、撥液性を付与するために露光量5000mJ/cmで露光した後、200℃で10分間ポストベークして膜厚2.3μm、線幅40μm、間隔200μmのBMパターンからなる遮光層を有した基板10が得られた。
[着色インクの調製]
メタクリル酸20質量部、メチルメタクリレート10質量部、ブチルメタクリレート55質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部を乳酸ブチル300質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加え70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合樹脂を得た。得られたアクリル共重合樹脂を樹脂濃度が10%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈しアクリル共重合樹脂の希釈液とした。この希釈液80.1gに対し顔料19.0g、分散剤0.9g、光重合開始剤を0.9g添加して、3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。この各着色ワニスをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで顔料濃度が12〜15質量%、粘度が15mPa・sになるように調整し、R、G、B着色インクを得た。
[画素部の形成]
前記したBMパターンの開口部に、前記R、G、B各色の着色インクを使用し、12pl、180dpiヘッドを搭載したインクジェット印刷装置により、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各々のパターン状着色層3を形成し、ホットプレートにて100℃×5分乾燥させた。
[着色インク層外縁部の露光]
(図1(e))に示した、外縁部の露光の際に用いた外縁部露光用フォトマスク5は、石英基板にクロムをスパッタした後エッチング処理を施し作製した。この外縁部露光用フォトマスクは着色層3の外縁部からの露光幅Aを調節するために、外縁部からの露光幅の違うものを2種類用意した(外縁部からの露光幅をAとした場合、A=10μm、40μmの2種)。マスクの平面形状と平面形状に対応したBMパターン基板位置は図2に示した通りである。
外縁部露光用フォトマスク5と前記BMパターン作成基板10のアライメントは、図3
(a)に示すように、予め作製したアライメントマーク11を基に実施した。前記外縁部露光用フォトマスク5と、前記BMパターン基板10を狙い位置で露光させるために、図3(b)に示した外縁部露光用アライメント装置12に固定した前期外縁部露光用フォトマスク5に対して、前記BMパターン基板10を動作させることでアライメントを行った。前記BMパターン基板10はxyzθ軸に稼動する可動吸着ステージ13に吸着させ、動作させることで、アライメントマーク11を一致させる位置に移動し、位置調整をすることができる。アライメントメーク11の読み取りは外縁部露光用アライメント装置12に設置しているアライメントカメラ14にて行なった。
[CF断面形状の測定]
比較例1:着色インク層3を露光しなかった場合、比較例2:外縁部からの露光幅A=10μmとした場合、実施例1:外縁部からの露光幅A=40μmとした場合)、比較例3:着色インク層3全体を露光した場合、の4条件でCFを作成し、その画素形状を測定した結果を図4に示した。なお、図4に示した画素形状は、露光工程(露光量は1000mJで固定)の後、240℃で15分ポストベークを行ったカラーフィルタを、接触式膜厚計で測定し得たものである。
[評価結果]
図4に示した通り、イ:着色インク層3を露光しなかった時の画素形状は、熱収縮による画素形状の収縮により、画素が大きく収縮した(図4(a))。そのため、着色インク層3を露光しなかった時の平坦性は悪くなり、着色インク層3の最大膜厚(1.7μm)から着色インク層3の最小膜厚(1.2μm)を引いた着色インク層内の段差は、0.5μmとなった。次に、ロ:外縁部からの露光幅A=10μmとした場合の平坦性は、露光部周辺の熱収縮による落ち込みが大きくなってしまったため、図4(b)に示すような画素形状となり、着色インク層3の最大膜厚(1.7μm)から着色インク層3の最小膜厚(1.25μm)を引いた着色インク層内の段差は、0.45μmとなった。それに対して、ハ:外縁部からの露光幅A=40μmとした場合の平坦性は、光硬化による熱収縮率の減少が画素内で最適化され、平坦な画素形状を得ることができ、着色インク層3の最大膜厚(1.7μm)から着色インク層3の最小膜厚(1.55μm)を引いた着色層内の段差は、0.15μmとなった(図4(c))。また、ニ:着色インク層全体を露光した場合には、熱収縮率が全体的に低くなり、画素全体の落ち込みが小さくなり、着色インク層3の最大膜厚(2.0μm)から着色インク層3の最小膜厚(1.55μm)を引いた着色層内の段差は、0.45μmとなった。(図4(d))
このように、着色インク層3の外縁部の露光幅を調節し、露光を行うことで得られたカラーフィルタは、画素内での濃度差が小さく、画素平坦性が良いカラーフィルタであった。
1・・・透明基板 2・・・遮光層(BMパターン) 3・・・着色インク層
4・・・インクジェット装置 5・・・外縁部露光用フォトマスク 6・・・紫外線
10・・・BMパターン作成基板 11・・・アライメントマーク
12・・・外縁部露光用アライメント装置 13・・・吸着可動ステージ
14・・・アライメントカメラ

Claims (9)

  1. 少なくとも、
    (a)透明基板上に格子状またはストライプ状の隔壁パターンよりなる遮光層を形成する、遮光層形成工程と、
    (b)前記遮光層を光照射または放射線照射することにより硬化させる、第1硬化処理工程と、
    (c)前記遮光層の開口部に、光硬化性樹脂を含む着色インクをインクジェット法により規定の配列となるように吐出して着色インク層を形成する、着色インク層形成工程と、
    (d)前記透明基板を加熱して、前記着色インク層の溶媒を乾燥する、着色インク層乾燥工程と、
    (e)フォトマスクを介して前記着色インク層の外縁部に紫外線を照射して前記着色インク層の外縁部を光硬化する、着色インク層外縁部光硬化工程と、
    (f)前記透明基板を加熱して、前記遮光層と前記着色インク層全体を熱硬化させる、第2硬化処理工程と、をこの順に含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記着色インク層乾燥工程において、前記透明基板を60〜120℃で2〜15分加熱することを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記第2硬化処理工程において、前記透明基板を200〜280℃で10〜60分加熱することを特徴とする請求項1または2に記載するカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記着色インク層外縁部光硬化工程において、100mJ/cm以上の露光量で露光することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記着色インクは、少なくとも着色材料、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、分散剤、溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記着色インク層形成工程が、R、G、Bの少なくとも3色の着色インクを付与する工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記着色インク層外縁部光硬化工程において、前記外縁部が、前記着色インク層に含まれる領域であって、前記着色インク層の最外周部から80μm以内の領域であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記遮光層は、撥インク性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法。
  9. 透明基板上に、少なくとも遮光層パターンと、その遮光層の開口部に各色の着色層をインクジェット法により規定の配列となるよう形成したカラーフィルタであって、請求項1〜8のいずれか1項に記載するカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
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