JP2008250088A - カラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)を形成し、この隔壁(遮光パターン)に仕切られた領域にインクジェット方式で着色層を形成したカラーフィルタにおいて、混色不良がなく、かつ均一で密着性がよく、剥がれやクラックのないオーバーコート層を有するカラーフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】透明基板11上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)21aを形成し、隔壁(遮光パターン)21aに仕切られた領域に着色インキにて赤着色層31R、緑着色層32G、青着色層33Bからなる着色層30を形成し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を設けたカラーフィルタにおいて、前記着色インキの表面張力が、50mN/m以下で、かつ前記隔壁(遮光パターン)に対する前記着色インキの接触角が、30°以上50°以下であるカラーフィルタである。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示装置、固体撮像素子などに用いられるカラーフィルタに関するもので、特にインクジェット方式を利用したカラーフィルタに関する。
従来、例えばカラーフィルタの色パターンは染色法や、フォトレジスト中に顔料を分散させた、いわゆる顔料分散法によるものが中心であった。
染色法、顔料分散法とも画素の再現性は良く、高精度にカラーフィルタが製造できるものの、何れも塗布、露光、現像工程を伴うフォトリソグラフィーのプロセスが多く、また樹脂として感光性樹脂を用いるためコスト高となっていた。特に、顔料分散法は顔料を分散させたフォトレジストが高価で、さらなるコスト高の要因となっている。
このため、カラーフィルタの製造方法としてコスト及び生産性の点から近年インクジェット方式によるものが注目されてきた。
インクジェット方式により着色パターンを形成すると、隣り合う画素間のインキが混合して発生する混色が問題となる。
インクジェット方式で混色を防止するカラーフィルタの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
特許文献1には、ガラス基板上の所望する着色領域外への着色インキの広がりを防止するため、予め遮光パターン(ブラックマトリックス)にフッ素系撥水・撥油剤を含有させてパターン形成し、着色領域内のみに着色インクを定着させ着色層を形成するインクジェット方式が記載されている。
また、特許文献2、特許文献3には、着色工程におけるインクにじみ、混色を防止するための仕切り壁として含フッ素化合物及び/または含ケイ素化合物を含有するブラックマトリックスを用い、着色領域内のみに着色インキを定着させ着色層を形成するインクジェット方式が記載されている。
また着色層形成後、着色層を有する基板上にオーバーコート層を形成する際、液体状のオーバーコート材料を塗布、乾燥、硬化の工程を経て形成されるのが一般的である。
しかしながら撥インキ性を有する遮光パターンを隔壁とし、この隔壁に仕切られた領域にインクジェット方式で着色層を形成したカラーフィルタでは、遮光パターンが強い撥インキ性を有するため、着色層を有する基板上にオーバーコート材料を塗布する際にその塗布液をはじいてしまい膜が均一でなくなってしまう。
また、遮光パターンとオーバーコート層との密着性がかなり悪く、剥がれたり、クラックが発生したりしたカラーフィルタとなる。つまりは、液晶ディスプレイに用いる場合、液晶駆動時に応答ムラやコントラスト低下や表示不良など表示品質に悪影響を及ぼすという大きな問題がある。
特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平7−35917号公報
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、撥インキ性を有する遮光インキにて隔
壁(遮光パターン)を形成し、この隔壁(遮光パターン)に仕切られた領域にインクジェット方式で着色層を形成したカラーフィルタにおいて、混色不良がなく、かつ均一で密着性がよく、剥がれやクラックのないオーバーコート層を有するカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明に於いて上記問題を解決するために、まず請求項1では、透明基板上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)を形成し、前記隔壁(遮光パターン)に仕切られた領域に着色インキにて着色層を形成し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を設けたカラーフィルタにおいて、前記着色インキの表面張力が、50mN/m以下で、かつ前記隔壁(遮光パターン)に対する前記着色インキの接触角が、30°以上50°以下であることを特徴とするカラーフィルタとしたものである。
また、請求項2では、前記着色層を形成した後UV洗浄処理を施し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を形成する際、前記隔壁(遮光パターン)に対する前記オーバーコート材料の接触角が、15°未満であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタとしたものである。
また、請求項3では、前記着色層が、インクジェット方式で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタとしたものである。
また、請求項4では、前記隔壁(遮光パターン)を形成する前記遮光インキが、少なくともカーボンブラックを含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルタとしたものである。
さらにまた、請求項5では、前記隔壁(遮光パターン)を形成する前記遮光インキが、少なくともフッ素系化合物を含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項にに記載のカラーフィルタとしたものである。
本発明は、透明基板上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)を形成し、前記隔壁(遮光パターン)に仕切られた領域に着色インキにて着色層を形成し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を設けたカラーフィルタであって、前記着色インキの表面張力が、50mN/m以下で、かつ前記隔壁(遮光パターン)に対する前記着色インキの接触角が、30°以上50°以下であるため、つまり隔壁(遮光パターン)が強い撥インキ性を有するため、インクジェット方式で着色層を形成する際、隣り合う画素間のインキが混合して発生する混色不良は発生しなくなる。
また、本発明は、前記着色層を形成した後UV洗浄処理を施し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を形成する際、前記隔壁(遮光パターン)に対する前記オーバーコート材料の接触角が、15°未満であるため、そのオーバーコート層は均一で、かつ密着性がよく、剥がれやクラックのないカラーフィルタとなる。つまり液晶ディスプレイに用いる場合、液晶駆動時に応答ムラやコントラスト低下や表示不良がないカラーフィルタとなる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のカラーフィルタの一実施例を示す部分模式構成断面図である。
本発明のカラーフィルタ100は、透明基板11上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)21aを形成し、前記隔壁(遮光パターン)21aに仕切られた領
域に着色インキを用いたインクジェット方式にて赤着色層31R、緑着色層32G及び青着色層33Bからなる着色層30を形成し、オーバーコート材料にてオーバーコート層41を設けたものである。
透明基板11の所定位置に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)21aを形成し、隔壁(遮光パターン)21aで仕切られた領域に表面張力が、50mN/m以下の着色インキを用いてインクジェット方式により着色層を形成することにより、隔壁(遮光パターン)21aに対する着色インキの接触角が、30°以上50°以下となる。つまり、隔壁(遮光パターン)21aが強い撥インキ性を有するため、着色層30を形成する際、混色不良は発生しなくなる。また、着色層形成後UV洗浄処理を施し、遮光パターン表面に対する、オーバーコート層を形成するためのオーバーコート材料の接触角が、15°未満になるため、オーバーコート層は均一で、かつ密着性がよく、剥がれやクラックのないカラーフィルタを得ることができる
以下に、カラーフィルタの作製工程順に従って説明する。
図2(a)〜(c)は、本発明のカラーフィルタの製造工程の一例を示す部分模式構成断面図である。
まず、透明基板11上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)21aを形成する(図2(a)参照)。
透明基板11は、ガラス基板、石英基板、TAC(トリアセテートセルロースフィルム)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET、アクリル樹脂等その他のプラスチック等、公知の透明材料を使用することができる。通常は、透明性、強度、耐熱性、対候性において優れたガラス基板を使うのが望ましい。
隔壁(遮光パターン)21aは、透明基板11の表面を多数の領域に区分けすると共に、この多数の領域のそれぞれに吐出されたインクの混色を防止する機能を有するものである。隔壁(遮光パターン)の形成法は印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知の様々な方法が使用できる。
また、隔壁(遮光パターン)21aは、ある程度の高さが必要となるため、遮光層と透明樹脂層とを積層して形成しても良い。隔壁(遮光パターン)を凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、反転印刷、スクリーン印刷、ノズル吐出法など公知の印刷法で形成することも可能である。例えば、フォトリソグラフィー法によって形成する場合には、感光性を付与した感光性樹脂組成物を用いる。
隔壁(遮光パターン)21aを形成する方法の一例を図3(a)〜(c)に示す。
まず、透明基板11上にスピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ディスペンサーなど公知の方法で、隔壁(遮光パターン)を形成するための感光性樹脂組成物からなる遮光インキを塗布し、オーブン等で予備乾燥し、感光層21を形成する(図3(a)参照)。
次に、所望のパターンが形成されたフォトマスク50を介して、感光層21をパターン露光する(図3(b)参照)。ネガ型、ポジ型の感光性樹脂組成物の種類により使用するマスクが異なる。
次に、パターン露光した感光層21を専用の現像液で除去し、光照射、放射線照射又は加熱処理により硬化し、隔壁(遮光パターン)21aを形成する(図3(c)参照)。
上記感光性樹脂組成物からなる遮光インキは、遮光部材、バインダー樹脂、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤、溶剤、および撥インキ材料から構成されている。
感光性樹脂組成物には必要によって、レベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
また、感光性樹脂組成物からなる遮光インキ中の遮光性部材は、隔壁(遮光パターン)であるブラックマトリクスに遮光性を付与し、カラーフィルタのコントラストを向上させるものである。黒色遮光部材としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。これらの黒色遮光部材は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
ただし、感光性樹脂組成物からなる遮光インキ中には、請求項4に係る発明によれば、少なくともカーボンブラックを含有していることが条件であり、カーボンブラックを含有させることにより、隔壁(遮光パターン)の遮光性及びカラーフィルタのコントラストを向上させることができる。
また、感光性樹脂組成物からなる遮光インキ中のバインダー樹脂としては、アルカリ可溶性の熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
また、感光性樹脂組成物からなる遮光インキ中のラジカル重合性を有する化合物は、例えばビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーを用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることが出来るがこの限りではない。これらのラジカル重合性を有する化合物は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。ラジカル重合性を有する化合物の量は、バインダー樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150重量部である。
また、感光性樹脂組成物からなる遮光インキ中の光重合開始剤は、露光によりラジカルを発生し、ラジカル重合性を有する化合物を通して、バインダー樹脂を架橋させるものである。光重合開始剤の例として具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることが出来る。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20重量部である。
また、感光性樹脂組成物からなる遮光インキ中の溶剤の一例として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を用いることができる。溶剤の使用量は、基板上に塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる塗布であることが望ましく、感光性樹脂組成物の全重量に対し、溶剤量が50〜97重量%になるよう調製することが好ましい。
また、請求項5に係る発明によれば、感光性樹脂組成物からなる遮光インキに撥インキ性を与える撥インキ材料は、少なくともフッ素系化合物を含有していることが条件である。
感光性樹脂組成物からなる遮光インキに含まれる含フッ素系化合物の量は、全重量部に対し、好ましくは0.1重量%〜10重量%とし、表面張力が50mN/m以下の着色インキを用いて着色層を隔壁(遮光パターン)21aで仕切られた領域に形成する際、隔壁(遮光パターン)21aに対する着色インキの接触角が30°以上50°以下になる。
具体的には、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ化樹脂などを挙げられることが出来る。特に質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体が、特に好ましい。また、これらの含フッ素系化合物は、単独または2種類以上併用して用いることが出来る。
次に、請求項3に係る発明によれば、隔壁(遮光パターン)21aで仕切られた領域に、着色インキを用いたインクジェット方式にて、赤着色層31R、緑着色層32G、青着色層33Bを形成する(図2(b)参照)。
使用するインクジェット装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があり、特に、ピエゾ変換方式が好適である。インクの粒子化周波数は5〜100KHz程度、ノズル径としては5〜80μm程度,ヘッドを3個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個組み込んだ装置が好適である。隔壁で仕切られた領域にインクジェット方式でインクを吐出後、溶剤を蒸発させ、次いでインク中の樹脂をUV照射や熱等により硬化させ、着色層を形成する。
また、着色インキには、着色顔料、熱硬化性樹脂および溶剤からなり、必要によって、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
また、着色インキ中の着色顔料としては、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Red 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、 Pigment Violet23などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。さらに、これらは要望の色相を得るために2種類以上を混合して用いても構わない。
また、着色インキ中の熱硬化性樹脂としては、熱硬化後の着色層が液晶パネル化プロセスと十分にマッチングするものであれば特に制限されないが、使用できる樹脂として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などが用いられ、色素との関係にて適宜選択される。耐熱性や耐光性が要求される際にはメラミン樹脂が好ましい。
また、着色インキには、樹脂への着色顔料の分散を向上させるために、分散剤を用いてもよく、分散剤として、非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、また、イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩など、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上を混合して使用してもよい。
また、着色インキ中の溶剤としては、インクジェット方式における適性の表面張力範囲50mN/m以下で、且つ、沸点が130℃以上の高沸点溶剤が好ましい。
請求項1に記載したように、着色インキの表面張力が50mN/m以上であると、インクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼし、また、沸点が130℃以下であるとインクジェットノズル近傍での乾燥性が著しく高くなり、その結果ノズル詰まり等の不良発生を招くので好ましくない。具体的には、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、1−(2−メトキシプロポキシ)2−プロパノール、1−(2−エトキシプロポキシ)2−プロパノールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、上記要件を満たす溶剤なら用いることができる。また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して用いても構わない。
次に、着色層形成後、着色層を有する基板上にオーバーコート層を塗布する際にその塗布液をはじかず均一で、隔壁(遮光パターン)とオーバーコート層との密着性がよく、剥がれやクラックのないカラーフィルタとするために、着色層を有する基板上にオーバーコート層を形成する前に、隔壁(遮光パターン)の強い撥インキ性をUV洗浄処理により除去する。UV洗浄処理は、隔壁(遮光パターン)および着色層上に形成されるオーバーコート層のコート性、密着性を高めるための処理であるため、着色層も含めた全面に処理を施せばよい。
UV洗浄処理は常温常圧条件下で、UV洗浄室内を順次通過させて搬送させる方法で処理ができるため、タクトが短く、装置コストが低いというメリットがある。
また、UV照射光強度やUV照射時間等の条件が簡単に任意に設定することができるため、使い勝手もよい。例えばアルカリ水溶液による洗浄処理においては選ぶアルカリに対する撥インキ材料の溶解性が良くないと効果が発現せず、撥インキ材料の選択幅が小さいというデメリットがある。また酸素プラズマ処理は、酸素雰囲気下でプラズマ照射するため装置コスト、ランニングコストが高く、近年のカラーフィルタの大型化に対応させるのが難しいというデメリットがある。
UV洗浄処理の条件としては、基板サイズ、撥インキ剤の構造、ラインの搬送速度等により、隔壁および着色層にダメージの少ない範囲で効果が得られるように、UV照射光強度やUV照射時間が適宜決められる。処理後の隔壁(遮光パターン)表面に対するオーバーコート材料の接触角が、15°未満になるように洗浄することで、オーバーコート層が均一で、かつ密着性がよく、はがれやクラックのないカラーフィルタとなる。
具体的にはUV照射光量としては、500〜10000mJ/cm2が好ましく、UV照射時間としては、0.5〜10分が好ましい。
最後に、アクリル系、ポリイミド系、メラミン系等の熱硬化タイプ、光硬化タイプ、光・熱併用タイプ等の透明樹脂組成物をスピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ディスペンサーなど公知の方法で塗布し、溶剤を乾燥させ、熱硬化、光硬化もしくは光硬化と熱硬化とをあわせた方法等によりオーバーコート層41を形成する(図2(c)参照)。
以上の工程で、透明基板11の所定位置に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)21aを形成し、隔壁(遮光パターン)21aで仕切られた領域に表面張力が、50mN/m以下の着色インキを用いてインクジェット方式により着色層を形成することにより、隔壁(遮光パターン)21aに対する着色インキの接触角が、30°以上50°以下となる。
つまり、隔壁(遮光パターン)21aが強い撥インキ性を有するため、着色層を形成する際、混色不良は発生しなくなる。また、着色層形成後UV洗浄処理を施し、遮光パターン表面に対する、オーバーコート層を形成するためのオーバーコート材料の接触角が、15°未満になるため、オーバーコート層は均一で、かつ密着性がよく、剥がれやクラックのないカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
<隔壁(遮光パターン)の作製>
無アルカリガラス(コーニング社製、品番1737)からなる透明基板11上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)21aを形成した(図2(a)参照)。具体的には、まず、フッ素樹脂を含む感光性樹脂組成物(クレゾール−ノボラック樹脂、シクロヘキサノン、カーボン顔料、分散剤、ラジカル重合性を有する化合物トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤、 含フッ素化合物で形成)からなる遮光インキをスピンコート法により塗布し、オーブンで90℃20分間溶剤を乾燥させ、透明基板11上に厚さ2μmの感光層21を形成した(図3(a)参照)。
次に、所望のパターンが形成されたフォトマスク50を介して300mJ/cm2の露光量でパターン露光した(図3(b)参照)後、アルカリ水溶液で現像し、オーブンで230℃1時間加熱・硬化を行い、ブラックマトリクス状の隔壁(遮光パターン)21aを得た(図3(c)参照)。
隔壁(遮光パターン)21aに対する着色インキの接触角を測定したところ、43°であり、撥インキ性を有する含フッ素化合物が隔壁表面に多く存在し、強い撥インキ性であることを確認した。
<着色インキの調整>
着色インキとして顔料を、溶剤を除くインクの全固形分の合計質量に締める割合が50質量%で必要な分光特性となるように調整し、溶剤をインキに占める全固形分濃度が30質量%となるように、赤色インキ、緑色インキ、青色インキをそれぞれ調整した。
<着色層の形成>
インクジェット方式を用いて赤色インキ、緑色インキ、青色インキからなる各着色インキを用いてそれぞれ隔壁で区切られた領域に付与し、その後加熱硬化して、赤着色層31R、緑着色層32G、青着色層33Bからなる着色層30を得た(図2(b)参照)。
赤着色層31R、緑着色層32G、青着色層33Bの各画素を観察したところ、混色不良が1つも発生していないことを確認した。
<UV洗浄処理>
照射光強度が約10mW/cm2の低圧水銀ランプのUV洗浄装置を用い、UV照射時間としては7分、UV照射光量としては、約4200mJ/cm2の条件で、着色層30が
形成された基板のUV洗浄処理を行った。処理した隔壁(遮光パターン)表面に対するのオーバーコート材料に対する接触角を測定したところ8°であり、隔壁(遮光パターン)表面に存在した撥インキ性を有するフッ素化合物が除去でき、撥インキ性を低下させることができたことを確認した。
<保護層の形成>
UV洗浄処理をした基板に保護層を形成する透明樹脂組成物(固形分20%のアクリルワニス50重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート5重量部、シクロヘキサノン45重量部で形成)をスピンコート法により塗布し、オーブンで90℃20分間溶剤を乾燥し、オーブンで230℃1時間加熱・硬化を行い、厚さ2μmのオーバーコート層41を形成し、カラーフィルタ100を得た(図2(c)参照)。
カラーフィルタ100のオーバーコート層41を確認したところ塗布後ムラもなく、均一で、剥がれもない良好なカラーフィルタであることを確認した。
本発明のカラーフィルタの一実施例を示す部分模式構成断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のカラーフィルタの製造工程の一例を示す部分模式構成断面図である。 (a)〜(c)は、隔壁(遮光パターン)の形成方法の一例を示す部分模式構成断面図である。。
符号の説明
11……透明基板
21……感光層
21a……隔壁(遮光パターン)
30……着色層
31R……赤着色層
32G……緑着色層
33B……青着色層
41……オーバーコート層
50……フォトマスク
100……カラーフィルタ

Claims (5)

  1. 透明基板上に撥インキ性を有する遮光インキにて隔壁(遮光パターン)を形成し、前記隔壁(遮光パターン)で仕切られた領域に着色インキにて着色層を形成し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を設けたカラーフィルタにおいて、前記着色インキの表面張力が、50mN/m以下で、かつ前記隔壁(遮光パターン)に対する前記着色インキの接触角が、30°以上50°以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記着色層を形成した後UV洗浄処理を施し、オーバーコート材料にてオーバーコート層を形成する際、前記隔壁(遮光パターン)に対する前記オーバーコート材料の接触角が、15°未満であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 前記着色層が、インクジェット方式で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記隔壁(遮光パターン)を形成する前記遮光インキが、少なくともカーボンブラックを含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記隔壁(遮光パターン)を形成する前記遮光インキが、少なくともフッ素系化合物を含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項にに記載のカラーフィルタ。
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