JP4797417B2 - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等に用いるカラーフィルタに関する。さらに詳しくは、インクジェット方式により各画素が印刷されるカラーフィルタにおいて、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタに関する。
カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタは、カラー液晶表示装置等に不可欠な部材で、液晶表示装置の画質を向上させたり、各画素にそれぞれの原色の色彩を与えたりする役割を有している。このカラーフィルタの製造方法は、従来種々の検討が重ねられており、代表的な方法として、フォトリソグラフィー方式、インキジェット方式などが知られている。フォトリソグラフィー方式では、基板全体に各色の感光性樹脂層の塗布膜を形成し、後に塗布膜の不要な部分を取りのぞき、残ったパターンを各色画素とする。この方法では塗布膜の多くが不要となるため、カラーフィルタの製造時に大量の顔料等の材料が無駄になる。また、各色画素毎に露光、現像工程を行うため、工程数が多くなる。このようなことから、フォトリソグラフィー方式によるカラーフィルタの製造は、コスト、環境面、共に問題を有していた。特に近年、液晶表示装置の大型化が進行しているが、これに伴いカラーフィルタ基板も大型化し、材料の無駄がさらに膨大なものとなる。この問題を克服するカラーフィルタの製造方法として、近年インキジェット方式が注目されている。インクジェット方式よるカラーフィルタの製造は、R、G、Bの3色の感光性樹脂組成物をインクとして用い、各色を同時に印刷するため、一度に行うことができる。このため、顔料等の材料の無駄もほとんど発生せず、また、同時に3色画素の形成工程が短縮されるため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンが期待できる。
インクジェット方式を用いたカラーフィルタ基板の製造方法として、特許文献1〜5に記載されている方法が提案されている。特許文献1には、ガラス基板上の所望する着色層領域外へのインクの広がりを防止するため、予め各画素間を区切る黒色の隔壁部にフッ酸系撥水・撥油剤を含有させてパターン形成することによって、着色領域内のみにインクを定着させることが記載されている。また、特許文献2、特許文献3には、含フッ素化合物及び/または含ケイ素化合物を含有する黒色樹脂層を、着色層形成工程におけるインクにじみ、混色を防止するための仕切り壁とすることが記載されている。特許文献4には、各画素の隔壁部および画素をいずれかの表面が撥水・撥油性を有するように形成した後に、該撥水・撥油性をなくす基板処理の工程を含ませる製造方法が記載されている。
しかし、上記従来の方法では、インクジェットにより印刷した着色樹脂組成物(以下、着色層とする。)が平坦な形状にならず、凸型形状になる問題点があった。このため、カラーフィルタの各画素の形状にばらつきが生じ、層厚の薄い部分で「白抜け」と呼ばれる不良を発生し、また色度の違いから色ムラの問題を発生し、これを用いて製造されたカラー液晶表示装置の品質不良の原因となった。そこで、隔壁部を四角形状又は逆テーパー形状にすることで、着色層を平坦する方法が提案されている(特許文献5、6)。しかし、熱硬化性樹脂等の樹脂組成物を用いて作成した従来の隔壁部は、熱硬化工程(150℃〜250℃程度)で、角が丸みを帯びる現象(以下、熱ダレという)を発生した。この熱ダレは、熱硬化工程の温度が高い、又は隔壁部の膜厚が大きいとより顕著に現出した。そして、この熱ダレを防止するため、隔壁部を150℃未満の低温で焼成して行うと、隔壁部の樹脂が十分に硬化しきらないため、インクジェットの着色インクに隔壁部の樹脂が溶解してしまう問題が発生した。特許文献5、6には、この問題に対する解決手段が示されておらず、このため、インクジェット方式によって製造するカラーフィルタにおいて、熱ダレや溶解の問題を発生せずに四角形状又は逆テーパー形状の隔壁部を得ることは、依然困難であった。
特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平7−35917号公報 特開平7−248413号公報 特開平2002−62422号公報 特開平2004−245972号公報
本発明は、上記の問題点を解決するために為されたもので、その課題とするところは、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法において、隔壁部の熱硬化性樹脂の熱ダレによる変形を発生せず、理想的な四角形状又は逆テーパー形状の隔壁部を提供し、これにより各画素内の着色組成物が平坦な色ムラのないカラーフィルタの製造方法を提供することである。
ところで、本発明者の検討によれば、隔壁部にバインダー樹脂と、バインダー樹脂と架橋反応するメラミン誘導体を用い、低温で熱硬化を行ったところ、熱ダレの発生しない良好な形状の隔壁部を得た。さらにこの隔壁部は着色インクに溶解することもなかった。そして、このため、インクジェットで形成した各画素内の着色組成物が平坦となり、色むらのない良好な特性を有する高精細なカラーフィルタを得ることができた。
また、本発明の製造方法で、膜厚が1.5μm以上の隔壁部を形成したところ、該隔壁部は熱ダレを発生せず、四角又は逆テーパー形状となった。そして、この1.5μm以上の膜厚の隔壁部を有するカラーフィルタに、インクジェット方式で着色層を印刷したところ、平坦な着色層が得られ、さらに1.5μm未満の膜厚の隔壁部を有するカラーフィルタと比べ、混色防止の効果がより強化されることが見出された。本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、請求項1に記載の発明は、隔壁で区切られた画素内に、インクジェット方式により着色層を印刷して形成するカラーフィルタの製造方法において、前記隔壁が少なくともバインダー樹脂、メラミン樹脂を含む樹脂組成物からなり、前記隔壁を形成する際に、前記樹脂組成物を100〜125℃で熱硬化する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記隔壁の一部又は全部が黒色であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
請求項3に記載の発明は、前記隔壁を形成する樹脂組成物が、光酸発生剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
請求項4に記載の発明は、前記隔壁を形成する樹脂組成物が、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
請求項5に記載の発明は、前記隔壁を形成する樹脂組成物が、含フッ素化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
請求項6に記載の発明は、前記隔壁を形成する樹脂組成物が、含ケイ素化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
請求項7に記載の発明は、隔壁で区切られた画素内に、インクジェット方式により着色層を印刷して形成するカラーフィルタにおいて、前記隔壁が少なくともバインダー樹脂、メラミン樹脂を含む樹脂組成物を含み、前記隔壁が四角又は逆テーパー形状であり、
前記隔壁の高さが1.5μm〜5.0μmであることを特徴とするカラーフィルタ。
本発明によると、着色インク等、有機溶媒に溶解せず、かつ、四角又は逆テーパー形状の隔壁部を得ることができた。このため、平坦な着色層を備え、色むらの発生しない高精細なカラーフィルタを得ることができた。
また、本発明によると、膜厚が1.5μm以上で、着色インク等、有機溶媒に溶解せず、かつ四角又は逆テーパー形状の隔壁部を形成することができた。このため、平坦な着色層を備え、かつ色むら及び混色の発生しない高精細なカラーフィルタを得ることができた。
図1に示すように、インクジェット方式によって着色層を形成して製造するカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色インクの混色を防止するため、透明基板1上に隔壁部を設ける。さらにカラーフィルタのコントラスト向上のため、隔壁部2の一部又は全部に遮光性を付与することが望ましい。一般的に遮光性を付与する手段として、隔壁部の一部分又は全部分に黒色の材料を用い、黒色部分を設ける。以下の記載において、隔壁部の一部又は全部を便宜的に「ブラックマトリクス」と呼ぶが、該ブラックマトリクスは、必ずしも黒色部分を有するものではない。次いで透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層を形成し、これを液晶用とする場合は、さらに透明導電層、配向膜層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介して、液晶表示装置を構成する。以下では、透明基板、このブラックマトリックスと赤、緑、青の着色画素層を合わせてカラーフィルタとする。必要に応じて前記カラーフィルタ上に保護層4を設けることができる。
前記した通り、着色層はブラックマトリックス間の開口部に設けられ、通常赤色画素パターン(R)、緑色画素パターン(G)、および青色画素パターン(B)の3原色からなる画素パターンが所望の形状に配置されたものである。その一般的な形成方法としては、顔料分散法、染料法、電着法、印刷法、転写法やインクジェット方式などが挙げられる。本発明では、インクジェット装置により着色樹脂組成物をパターニングし、その後後述する加熱工程を経て着色層3を形成する。
カラーフィルタの透明基板1には、硝子基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でも硝子基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
カラーフィルタの着色層3に用いられる着色樹脂組成物は着色剤、熱硬化性樹脂、溶媒等公知の材料を用いることができ、必要に応じて、分散剤等の添加剤を添加して調製することができる。
以下、ブラックマトリクスの形成について詳細に説明する。ブラックマトリクスは、印刷法又はフォトリソグラフィー法(以下、フォト法とする。)のいずれによってもパターン形成することができる。印刷法でブラックマトリックスを形成する場合、バインダー樹脂、メラミン樹脂を含む印刷材料を用いて、ブラックマトリクスのパターンを印刷することができる。フォトリソグラフィー法によってブラックマトリクスを形成する場合、ネガ型感光性樹脂組成物を用いる場合と、ポジ型感光性樹脂組成物を用いる場合に分けられる。前者のネガ型の場合、バインダー樹脂、メラミン樹脂、ラジカル重合性を有する光重合開始剤を含むネガ型感光性樹脂材料を、基板1上に塗布し、マスクを用いて露光しパターニングし、ブラックマトリクスのパターンを形成することができる。ネガ型感光性樹脂は、露光、現像後に逆テーパー形状となる。また、後者のポジ型の場合、バインダー樹脂、メラミン樹脂を含むポジ型感光性樹脂材料を、基板1上に塗布し、マスクを用いて露光してパターニングし、ブラックマトリクスのパターンを形成することができる。ポジ型感光性樹脂も、ネガ型と同様に露光、現像後に逆テーパー形状となる。またポジ型、ネガ型いずれの場合においてもブラックマトリクスの耐薬品性を向上させるため、前記の感光性樹脂材料に光酸発生剤を加えることができる。本発明では、ブラックマトリクスを印刷法、フォト法(ポジ型およびネガ型)のいずれで形成する場合においても、バインダー樹脂、メラミン樹脂を含むことを特徴とする。また、ブラックマトリクスの一部又は全部に遮光性を付与するため、遮光性を有する部位(以下、遮光層とする)の材料に黒色遮蔽部材を含ませることができる。また、着色インクの混色、色むらを防止するため、ブラックマトリクスの一部又は全部に撥インク剤を付与することが好ましい。
ブラックマトリクスは、前記の印刷法又はフォト法によりパターン形成する。この後100〜125℃の温度条件で焼成を行うことで、四角又は逆テーパー形状のブラックマトリクスを得ることができる。125℃以上でブラックマトリクスを熱硬化すると、ブラックマトリクスが椀状の形状になってしまい、四角又は逆テーパー形状のブラックマトリクスが得られない。一方、100℃未満でブラックマトリクスを焼成すると、インクジェットより吐出された着色インクに、ブラックマトリクスの樹脂が溶解してしまう。また焼成時間は5分〜60分が好ましい。
ブラックマトリクスは、1.5μm以上の高さで形成することが好ましい。さらに2μm〜5μmの高さで形成することがより好ましい。ブラックマトリクスの高さが1.5μm以下であると着色インクの混色を生じる。一方、ブラックマトリクスの高さが高すぎると、熱ダレが顕著になり、ブラックマトリクスが椀状の形状になってしまい、四角又は逆テーパー形状のブラックマトリクスが得られない。
ブラックマトリクスは、1層、又は2層以上の多層構造とすることができる。一般的に、一回の工程で形成できるブラックマトリクスの高さには制限があるため、層厚の大きいブラックマトリクスを形成する場合、同じパターンのブラックマトリクスを積層し、多層構造とする。1層のブラックマトリクスを形成する場合、印刷法又はフォト法を用いて形成することができ、この場合、該ブラックマトリクス全体に遮光性を付与し、1層の遮光層とすることができる。ブラックマトリクスを多層構造とした場合、そのうちの少なくとも1層に遮光性を付与し、遮光層とすることが好ましい。以下、多層構造のブラックマトリクスの製造方法において、最下層を遮光層とし、その上部を非遮光層とした一例について説明するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
まず透明基板1上に遮光層を形成する。遮光層は、前記した印刷材料を用いた印刷法、又は感光性樹脂材料を用いたフォト法で形成することができるが、これ以外の公知の方法で形成することも可能である。例えば、金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタリング等の方法により基板上又は非遮光層上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し形成する方法などが挙げられる。
透明基板上に形成された遮光層上に、さらに必要に応じた回数、遮光層パターンに応じてパターン加工された非遮光層を、フォト法又は印刷法で積層する。遮光層の上にさらに高さのある隔壁を形成することで、インクジェット法により吐出された着色インクを隔壁間の開口部に十分に受容することができ、同時にインクによる混色を防止する効果を得られる。フォト法を用いた場合、遮光層の形成時に欠陥が発生していた場合でも、パターン加工された感光性樹脂がその欠陥を補修して、画素を区切る隔壁部として機能する。このため、遮光層の欠陥によるインクの混色を防止できる。また、ポジ型感光性樹脂材料を用いフォト法で非遮光層を形成すると、あらかじめ基板に形成しておいた遮光層がマスクとなり、裏露光が出来るので、特別なマスクを用意する必要なく、低コストかつ容易に非遮光層を積層できる。
遮光層上に同じパターンの非遮光層を形成した後、この多層構造の積層体を100℃〜125℃の条件で焼成して硬化させブラックマトリクスとする。この後、公知のインクジェット方式により、3色の着色インクを印刷し、この着色インクを焼成して、カラーフィルタとする。
以上は、ブラックマトリクスを多層構造とし、透明基板上に遮光層に非遮光層を積層した一例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の形態のブラックマトリクスにおいても、前記の所定の材料を用い、かつ前記の所定の条件で焼成を行うことで、本発明の効果を得ることができる。
以下、ブラックマトリクスの形成に用いる印刷材料及び感光性樹脂材料に含まれる成分及び材料について詳細に説明する。
本発明のバインダー樹脂は、低温の加熱によりメラミン誘導体と十分に架橋反応し、ブラックマトリクスに耐溶剤性を付与するものである。バインダー樹脂としては、メラミン誘導体と架橋反応するものであればよく、アミノ基、アミド基地、カルボキシル基、ヒドロキシル基を含有している樹脂であれば、メラミン樹脂のメチロール基又はメトキシメチル基と低温で効果的に架橋反応するため好ましい。具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
本発明のメラミン誘導体は、低温の加熱によりバインダー樹脂と十分に架橋反応し、ブラックマトリクスに耐溶剤性を付与するものである。メラミン誘導体として、メチロール基あるいはメトキシメチル基を有している化合物であればよいが、特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましい。メラミン誘導体の一例として、ジー、トリ、テトラー、ペンター、ヘキサーメチロールメラミン、あるいは、ジー、トリー、テトラー、ペンター、ヘキサーメチロールメラミン、あるいは、ジー、トリー、テトラー、ペンター、ヘキサーメチロールメラミンなどのメラミン化合物、あるいはこれらの化合物とホルムアルデヒド等と反応させることにより得られるメラミン誘導体等を挙げることが出来る。これらのメラミン誘導体は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
メラミン誘導体の量は、バインダー樹脂100重量部に対して1から50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは5から30重量部である。5重量部未満であれば、インクジェットの着色インクに隔壁部の樹脂が溶解してしまう問題が発生し、30重量部を超えるとフォト法で行う際は、現像を行うことが出来ない等の問題が生じた。
本発明の光酸発生剤は、露光を行った際に発生する酸の作用により、メラミン誘導体とバインダー樹脂の脱水反応及び架橋反応を促進するものである。光酸発生剤の中でも特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましい。一例として、具体的には、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(4−アニシル)ヨードニウム、ビス(3―ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert―ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−クロロフェニル)ヨードニウム、ビス(4−n−ドデシルフェニル)ヨードニウム、4−イソブチルフェニル(4−トリル)ヨードニウム、4−イソピルフェニル(4−トリル)ヨードニウムなどのジアリールヨードニウム、あるいはトリフェニルスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体塩、あるいは、2−メチルー4,6−ビストリクロロメチルトリアジン、2−(4−メトキシフェニル)―4,6−ビストリクロロメチルトリアジン、2−{2−(5−メチルフランー2−イル)エテニル}−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン化合物、あるいは1,2−ナフトキノンジアジド、1,2−ナフトキノンジアジドー4−スルホンサンナトリウム、1,2−ナフトキノンジアジドー5−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノンジアジドー4−スルホン酸エステル誘導体、1,2−ナフトキノンジアジドー5−スルホン酸エステル誘導体などのジアゾナフトキノン化合物等を挙げることが出来る。
光酸発生剤の添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して1から50重量部の範囲を採ることが可能であり、好ましくは3から30重量部である。
ラジカル重合性を有する化合物は、例えばビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーを用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることが出来るがこの限りではない。これらのラジカル重合性を有する化合物は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。ラジカル重合性を有する化合物の量は、バインダー樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150重量部である。
光重合開始剤は、露光によりラジカルを発生し、ラジカル重合性を有する化合物を通して、バインダー樹脂を架橋させるものである。光重合開始剤の例として具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることが出来る。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20重量部である。
ブラックマトリクスの形成に用いる印刷材料又は感光性樹脂材料は、必要に応じて適当な溶媒にて希釈することができる。溶媒は基材上に印刷又は塗布した後に乾燥させる。上記溶媒の一例として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を用いることができる。溶媒の使用量は、基板上に印刷又は塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる塗布であることが望ましい。このような溶媒の含有割合として、印刷材料又は感光性樹脂材料の全重量に対し、溶媒量が50〜97重量%になるよう調製することが好ましい。
黒色遮光部材は、ブラックマトリクスに遮光性を付与し、カラーフィルタのコントラストを向上させるものである。黒色遮光部材としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。これらの黒色遮光部材は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
撥インク剤は、ブラックマトリクスに着色インクに対する撥インク性を付与するものである。撥インク剤は、ブラックマトリクス形成に用いる印刷材料又は感光性樹脂材料に、予め添加して用いることができる。撥インク剤として、含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物を用いることができ、これらを混合して用いることがより好ましい。前記含フッ素化合物の例として、具体的には、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ化樹脂などを挙げられることが出来る。また、これらの含フッ素化合物は、単独または二種類以上併用して用いることが出来る。前記含ケイ素化合物として、主鎖または側鎖に有機シリコンを有するもので、シロキサン成分を含むシリコン樹脂やシリコーンゴムなどを挙げられることが出来る。また、これらの含ケイ素化合物は、単独または二種類以上併用して用いることが出来る。さらに、前記含フッ素化合物と含シリコン化合物、あるいはその他のインク反発性の成分を併用しても良い。本発明における印刷材料または感光性樹脂材料に含まれる含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物の量は、全重量部に対し、好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
この他、ブラックマトリクス形成に用いる印刷材料または感光性樹脂材料には、必要に応じて相溶性のある添加剤、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
<比較例1〜8>
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物A]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 2重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行い、現像処理を行った。続いて、透明基板を表1の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱した(表1に示す比較例1〜8)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例1〜4で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例5〜8で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。この結果を表1に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
OD値の定義を以下に示す。可視光を1μmの試料に透過させたときの入射光強度をI0、透過光強度をIとし、次式から求める。
OD値=−log(I/I0)。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例1〜7で作製したブラックマトリクスはいずれも着色インキに溶解してしまった。比較例8で作製したブラックマトリクスも着色インクに若干溶解して、膜厚の低下が見られた。この結果を表1に示す。
<実施例1〜3及び比較例9〜13>
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物B]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 4重量部
ラジカル重合性を有する化合物“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 2重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行い、さらに現像処理を行った。続いて、透明基板を表1の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱した(表1に示す実施例1〜3及び比較例9〜13)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例9及び実施例1〜3で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例10〜13で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表1に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例9で作製したブラックマトリクスは着色インキに溶解してしまった。また実施例1〜3及び比較例10〜13で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例1〜3で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表1に示す。
<実施例5〜7及び比較例14〜17及び参考例>
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物C]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
ラジカル重合性を有する化合物“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 2重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行った。その後、現像処理を行った。続いて、透明基板を表1の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱した(表1に示す実施例5〜7及び比較例14〜17及び参考例)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例5〜7、参考例で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例14〜17で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表1に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、参考例で作製したブラックマトリクスは一部着色インキに溶解してしまった。また実施例5〜7及び比較例14〜17で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例5〜7で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表1に示す。
<実施例8〜11及び比較例18〜21>
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物D]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート“V#300”(大阪有機化学社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
光酸発生剤(2−{2−(5−メチルフランー2−イル)エテニル}−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン) 3重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行い、現像処理を行った。続いて、透明基板を表2の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱した(表2に示す実施例8〜11及び比較例18〜21)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例8〜11で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例18〜21で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表2に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、実施例8〜11及び比較例18〜21で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例8〜11で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表2に示す。
<比較例22〜29>
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物E](ポジ型)
バインダー樹脂 “SPR6812”(ローム・アンド・ハース電子材料社製)
100重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行い、現像処理を行った。続いて、透明基板を表2の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱した(表2に示す比較例22〜29)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例22〜25で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例26〜29で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表2に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例22〜29で作製したブラックマトリクスはいずれも着色インキに溶解してしまった。結果を表2に示す。
<実施例12〜14及び比較例30〜34>
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物F](ポジ型)
バインダー樹脂 “SPR6812”(ローム・アンド・ハース電子材料社製)
100重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 20重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行い、現像処理を行った。続いて、透明基板を表2の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱した(表2に示す実施例12〜14及び比較例30〜34)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例12〜14で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例30〜34で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表2に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、実施例12〜14及び比較例30〜34で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例12〜14で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表2に示す。
<実施例15>
(ブラックマトリクスの作成)
比較例2で作製した透明基板上のブラックマトリクス(厚さ2μm)上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物X]
ポジ型バインダー樹脂 “SPR6812”(ローム・アンド・ハース電子材料社製)
100重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 20重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部

その後、透明基板をプリベークし、比較例2で作製した透明基板上のブラックマトリクスをマスクの代わりとして、超高圧水銀灯により100mJ/cm2で裏露光を行い、現像処理を行った。続いて、透明基板を100℃で30分オーブン加熱した。
作製した積層構造のブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例15で作製した積層構造のブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。
続いて、このブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、ブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらにブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表3に示す。
<比較例35>
(ブラックマトリクスの作成)
比較例2で作製した透明基板上のブラックマトリクス(厚さ2μm)上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物X]
ポジ型バインダー樹脂 “SPR6812”(ローム・アンド・ハース電子材料社製)
100重量部含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、比較例2で作製した透明基板上のブラックマトリクスをマスクの代わりとして、超高圧水銀灯により100mJ/cm2で裏露光を行った。その後、現像処理を行った。続いて、透明基板を100℃で30分オーブン加熱した。
作製した積層構造のブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例35で作製した積層構造のブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。
続いて、このブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、ブラックマトリクスは着色インクに溶解してしまった。結果を表3に示す。
<実施例16>
(ブラックマトリクスの作成)
実施例1で作製した透明基板上のブラックマトリクス(厚さ2μm)上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、2.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物X]
ポジ型バインダー樹脂 “SPR6812”(ローム・アンド・ハース電子材料社製)
100重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 20重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、実施例1で作製した透明基板上のブラックマトリクスをマスクの代わりとして、超高圧水銀灯により100mJ/cm2で裏露光を行った。その後、現像処理を行った。続いて、透明基板を100℃で30分オーブン加熱した。
作製した積層構造のブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例16で作製した積層構造のブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。
続いて、このブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、ブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらにブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表3に示す。
Figure 0004797417
Figure 0004797417
Figure 0004797417
(実施例17)
光酸発生剤に、
2−{2−(5−メチルフランー2−イル)エテニル}−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン“TME−トリアジン”(三和ケミカル社製)を、
を用いた以外は実施例5と全く同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例18)
実施例17で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
(実施例19)
クレゾールノボラック樹脂の代わりに、
ポリ(4−ビニルフェノール)“マルリンカーM S−1”(丸善石油化学社製)を用いた以外は実施例1と同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例20)
実施例19で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
(実施例21)
クレゾールノボラック樹脂の代わりに、
アクリレート樹脂“サイクロマーP−ACA200M”(ダイセル化学社製)を用いた以外は実施例1と同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例22)
実施例21で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
(実施例23)
クレゾールノボラック樹脂の代わりに、
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂“R−140p”(三井化学社製)を用いた以外は実施例1と同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例24)
実施例23で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
(実施例25)
メラミン樹脂に、
メチル化メラミン樹脂“スミマールM−100”(住友化学社製)を用いた以外は実施例1と同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例26)
実施例25で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
(実施例27)
光酸発生剤に、
トリフェニルスルホニウム塩“UVI−6992”(ダウケミカル社製)1重量部を、
を用いた以外は実施例9と全く同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例28)
実施例27で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
(実施例29)
光酸発生剤に、
1,2−ナフトキノン−(2)−ジアジド−5−スルホン酸エステル“4NT−250”(東洋合成社製)3重量部を用いた以外は、実施例9と全く同様に、ブラックマトリクスを作製した。
(実施例30)
実施例29で作製したブラックマトリクス上に、実施例16で示されている方法と同様の手段でブラックマトリクスを積層し、多層構造のブラックマトリクスとした。
実施例17〜30で作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、ブラックマトリクスはいずれも逆テーパー形状をしていた。続いて、実施例17〜30のブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、ブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらにブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。
(実施例31及び比較例36)
(ブラックマトリクスの作成)
透明基板として、無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用いた。この透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、1.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物B]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート“V#300”(大阪有機化学社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行った。その後、現像処理を行った。この際、ポストベーク温度100℃で、30分オーブン加熱したブラックマトリクス(実施例31)と、ポストベーク温度150℃で、30分オーブン加熱したブラックマトリクス(比較例36)を作製した。これらのブラックマトリクスの形状を表4に示す。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例31で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、実施例31及び比較例31で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例31で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表1に示す。
(実施例32〜36、比較例37〜41)
実施例31で作製したブラックマトリクス(膜厚1μm)に上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、0.5μm、1.0μm、2.0μm、3.0μm、4.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物B]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
シクロヘキサノン 80重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート“V#300”(大阪有機化学社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行った。その後、現像処理を行った。この際、ポストベーク温度100℃で、30分オーブン加熱したブラックマトリクス(実施例32〜36)と、ポストベーク温度150℃で、30分オーブン加熱したブラックマトリクス(比較例37〜41)を作製した。これらのブラックマトリクスの形状を表4に示す。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、実施例32〜36で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例37〜41で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表4に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ3であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、実施例32〜36及び比較例37〜41で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例37〜41で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表4に示す。
(比較例42)
透明基板上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、1.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物A]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
シクロヘキサノン 80重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート“V#300”(大阪有機化学社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部

その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行った。その後、現像処理を行った。この際、ポストベーク温度100℃で、30分オーブン加熱したブラックマトリクス(比較例42)を作製した。これらのブラックマトリクスの形状を表4に示す。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例42で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状になった。結果を表4に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例42で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解してしまった。結果を表4に示す。
(比較例43〜47)
比較例42で作製したブラックマトリクス(膜厚1μm)に上に、下記の組成比を有する感光性樹脂組成物を、0.5μm、1.0μm、2.0μm、3.0μm、4.0μmの膜厚に塗布した。
[感光性樹脂組成物A]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
シクロヘキサン 80重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート“V#300”(大阪有機化学社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板をプリベークし、その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2露光を行った。その後、透明基板の現像処理を行った。この際、ポストベーク温度100℃で、30分オーブン加熱したブラックマトリクス(比較例43〜47)を作製した。これらのブラックマトリクスの形状を表4に示す。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例43〜47で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。結果を表4に示す。続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ3であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例43〜47で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解してしまった。結果を表6に示す。
Figure 0004797417
以下では、ブラックマトリクスを、印刷法を用いて作成した実施例及び比較例について説明する。
(比較例48〜55)
透明基板上に、下記の組成比を有する印刷用樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に反転印刷法を用いて塗布した。尚、反転印刷に際し、ブランケット版としては、表面にシリコン樹脂を被覆した金属ロールを使用した。また、剥離部材として、表面を隔壁パターンの反転パターンに応じた凸凹パターンに加工した平板状ガラスを使用した。インク組成物をブランケット版上にスリットコーターを用いて塗布し、ブランケット版上に一様なインク層を形成した。次に、剥離部材によって、ブランケット版のインク層のうち不要な部分を除去し、ブランケット版上に遮光層パターンの反転パターンを形成した。その後、反転パターンが形成されたブランケット版を、透明基板の一方の主面を当接して、この透明基板面上に反転パターンを転写し、透明基板上にブラックマトリクスを形成した。
[印刷用樹脂組成物A]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
シクロヘキサン 80重量部
“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板を、表6の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱しブラックマトリクスを作製した。(表6に示す比較例48〜55)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例48〜51で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例52〜55で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表6に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例48〜51で作製したブラックマトリクスは着色インキに溶解してしまった。結果を表6に示す。
(実施例37〜39及び比較例56〜60)
透明基板上に、下記の組成比を有する印刷用樹脂組成物を、3本ローラで十分混練した後、2.0μmの膜厚に反転印刷法を用いて塗布した。尚、反転印刷に際し、ブランケット版としては、表面にシリコン樹脂を被覆した金属ロールを使用した。また、剥離部材として、表面を隔壁パターンの反転パターンに応じた凸凹パターンに加工した平板状ガラスを使用した。インク組成物をブランケット版上にスリットコーターを用いて塗布し、ブランケット版上に一様なインク層を形成した。次に、剥離部材によって、ブランケット版のインク層のうち不要な部分を除去し、ブランケット版上に遮光層パターンの反転パターンを形成した。その後、反転パターンが形成されたブランケット版を、透明基板の一方の主面を当接して、この透明基板面上に反転パターンを転写し、透明基板上にブラックマトリクスを形成した。
[印刷用樹脂組成物B]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
メラミン樹脂“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
シクロヘキサン 80重量部
“MX−706”(三和ケミカル社製) 6重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
含フッ素化合物“F179” (大日本インキ化学社製) 0.5重量部
その後、透明基板を、表6の1〜8に示す温度条件で、30分オーブン加熱しブラックマトリクスを作製した。(表6に示す実施例37〜39及び比較例56〜60)。
作製したブラックマトリクスの形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を確認したところ、比較例56及び実施例37〜39で作製したブラックマトリクスは、逆テーパー形状をしていた。比較例57〜60で作製したブラックマトリクスは、熱ダレを発生し丸みを帯びた椀状の形状になった。結果を表6に示す。
続いて、ブラックマトリクスのOD値(光学濃度)を測定したところ6であり、充分な遮光性を有することから、いずれも光遮光層として使用できることを確認した。
また、このブラックマトリクスを有する基板上に、インクジェット装置を用いて着色インクを印刷したところ、比較例56で作製したブラックマトリクスは着色インキに溶解してしまった。また実施例37〜39及び比較例57〜60で作製したブラックマトリクスは着色インクに溶解しなかった。さらに実施例37〜39で作製したブラックマトリクスの側面と着色インクの接触角を測定したところ、いずれも30°程度であり、着色インクに対しさらに撥インク性があることを確認した。結果を表6に示す。
Figure 0004797417
以下、上記の実施例で作成したブラックマトリクスを備えたカラーフィルタに、インクジェット装置を用いて着色インク層を形成する工程を説明する。
<本発明のブラックマトリクスを用いたカラーフィルタの作成>
(着色インクの調整)
[着色インク組成物]
メタクリル酸 20重量部
メチルメタクリレート 10重量部
ブチルメタクリレート 55重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量部
乳酸ブチル 300重量部
上記組成からなる着色インク組成物を、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加え、70℃5時間の条件で反応させ、アクリル共重合体樹脂を得た。得られたアクリル共重合体樹脂が、全体に対して10重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて希釈し、アクリル共重合体樹脂の希釈液を得た。
この希釈液80.1gに対し、着色顔料19.0g、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.9gを添加して、3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。なお、赤色顔料として、ピグメントレッド177を、緑色顔料としてピグメントグリーン36を、青色顔料としてピグメントブルー15を、各々使用した。
得られた各着色ワニスに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、その顔料濃度が12〜15重量%、粘度が15cpsになるように、各々調整して添加し、赤色、緑色、及び青色着色インクを得た。
前記の着色インク組成物に添加される着色顔料の具体的な例としては、Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、Pigment Blue15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Red20、24、86、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185、Pigment Orange36、Pigment Violet23などがあげることができ、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
前記の着色インク組成物に用いられる溶媒としては、その表面張力がインクジェット方式に好適な範囲例えば40mN/m以下であり、かつ、沸点が130℃以上のものを好ましく使用できる。表面張力が40mN/mを超えると、インクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼす傾向があり、また、沸点が130℃未満であると、ノズル近傍での乾燥性が著しく高くなりすぎて、ノズル詰まり等の不良発生を招く傾向がある。好適な溶媒として、例えば2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができ、必要に応じて、単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。溶媒は、溶解性の他、経時安定性、及び乾燥性などが要求され、使用される着色剤、及びバインダ樹脂との特性に応じて適宜選択される。
前記の着色インク組成物には以下に挙げるバインダー樹脂を配合することができる。前記着色インク組成物のバインダー樹脂としては、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びメラミン樹脂などがあげられ、使用される着色剤に応じて適宜選択され得る。例えば耐熱性や耐光性が要求される際にはアクリル樹脂が好ましい。
前記着色インク組成物のバインダー樹脂への色素の分散を向上させるために、着色パターン塗布インクに分散剤を添加することができる。分散剤としては、非イオン性界面活性剤例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、また、イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩など、その他に、有機顔料誘導体、及びポリエステル等などがあげられる。分散剤は単独で、あるいは二種以上を混合して使用することができる。
また、各色の着色層は、ブラックマトリクスの高さ等に応じて調整することができ、例えば1μmないし2μmの厚さで形成することができる。
(カラーフィルタの作製)
実施例1〜39で作成したブラックマトリクスを有する透明基板に対して、赤色、緑色、及び青色着色インクを使用し、12pl、180dpiヘッドを搭載したインクジェット印刷装置により、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各々の着色層を形成した。
このようにして得られたカラーフィルタは、平滑性が良好であり、画素内のΔEabを測定したところ、全て1未満であり、色むらの少ない良好なカラーフィルタであることがわかった。なお、ΔEab(色差)は、ミクロアナライザーにより測定した。
また、実施例32〜36で作成したブラックマトリクスを有するカラーフィルタにおいてインクジェットによる着色インクの混色の有無を検証したところ、表5のような結果を得た。
Figure 0004797417
本発明のブラックマトリクスを備えたカラーフィルタの断面形状の説明図である。 本発明のブラックマトリクスを備えたカラーフィルタの断面形状の説明図である。
符号の説明
1…透明基板
2…隔壁部(ブラックマトリクス)
3…着色層
4…遮光部
5…非遮光部

Claims (7)

  1. 隔壁で区切られた画素内に、インクジェット方式により着色層を印刷して形成するカラーフィルタの製造方法において、
    前記隔壁が少なくとも、125℃以下の低温の加熱によりメラミン誘導体と十分に架橋反応するバインダー樹脂、メラミン誘導体を含む樹脂組成物からなり、
    前記隔壁を形成する際に、前記樹脂組成物を100〜125℃で熱硬化する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記隔壁の一部又は全部が黒色であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記隔壁を形成する樹脂組成物が、光酸発生剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記隔壁を形成する樹脂組成物が、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記隔壁を形成する樹脂組成物が、含フッ素化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記隔壁を形成する樹脂組成物が、含ケイ素化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 隔壁で区切られた画素内に、インクジェット方式により着色層を印刷して形成するカラーフィルタにおいて、前記隔壁が少なくとも125℃以下の低温の加熱によりメラミン誘導体と十分に架橋反応するバインダー樹脂、メラミン誘導体を含む樹脂組成物からなり、前記隔壁が四角又は逆テーパー形状であり、前記隔壁の高さが1.5μm以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
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