JP2010244006A - インキジェット法カラーフィルタの製造方法、およびインキジェット法カラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】インキジェット方式により各画素が印刷されるカラーフィルタにおいて、隣接画素間の混色が無く、画素内および画素隔壁間の段差が小さく、カラー液晶表示装置とした際の色ムラの無い、高品質なカラーフィルタ、およびその製造方法、特に工程数が少なく生産効率の高い製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上(11)に隔壁パターンを有し(12a)、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキ(13b)を吐出して着色層を形成するカラーフィルタの製造方法において、少なくとも、透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程、該隔壁および着色層に紫外線を照射する工程、該隔壁および着色層を熱硬化する工程を有することを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】透明基板上(11)に隔壁パターンを有し(12a)、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキ(13b)を吐出して着色層を形成するカラーフィルタの製造方法において、少なくとも、透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程、該隔壁および着色層に紫外線を照射する工程、該隔壁および着色層を熱硬化する工程を有することを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置等に用いるカラーフィルタの製造方法に係り、特にインキジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法および該製造方法により製造されたインキジェット法カラーフィルタに関する。
カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタは、カラー液晶表示装置等に不可欠な部材で、液晶表示装置の画質を向上させたり、各画素にそれぞれの原色の色彩を与えたりする役割を有している。このカラーフィルタの製造方法は、従来種々の検討が重ねられており、代表的な方法として、フォトリソグラフィー方式、インキジェット方式などが知られている。フォトリソグラフィー方式では、顔料を分散させた感光性樹脂層の塗布膜を基板全体に形成し、後に塗布膜の不要な部分を取りのぞき、残ったパターンを各色画素とする。この方法では塗布膜の多くが不要となるため、カラーフィルタの製造時に大量の顔料分散感光性樹脂液等の材料が無駄になる。また、色画素毎に露光、現像工程を行うため、工程数が多くなる。このようなことから、フォトリソグラフィー方式によるカラーフィルタの製造は、コスト、環境面、共に問題を有していた。近年では、液晶テレビやカラー液晶ディスプレイの普及に伴い、カラーフィルタのコストダウンに対する要求が高まっており、特にインキジェット方式が注目されている。インキジェット方式によるカラーフィルタの製造は、R、G、Bの3色の着色樹脂組成物をインクとして用い、各色を同時に必要箇所にのみ印刷することができる。このため、材料の無駄も少なく、また、画素の形成工程が短縮されるため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンが期待できる。
インキジェット方式を用いたカラーフィルタ基板の製造方法として、大きく分けると、透明基板上の着色層を形成する部分に多孔質の吸着層を設けておき、この吸着層に染料インキを吐出する製法と、透明基板上に隔壁を形成し、隔壁に囲まれた領域にインキを吐出する製法の2つに分けられる。前者は段差の無い平坦なカラーフィルタが得られるという利点があるものの、染料インキは耐久性が低いので、長期信頼性や、カラー液晶表示装置の製造工程における加熱処理やUV処理工程に対する耐性に難があった。このため、液晶テレビやカーナビ等に用いられる高い信頼性が要求されるカラーフィルタの製造方法としては適さない。
一方で、隔壁を形成して着色層をインキジェット法で形成する場合は、インキジェット用のインキは吐出性を確保するために溶剤で希釈して所定範囲の粘度に調整する必要があり、インキジェットでの塗出直後の膜厚は、溶剤が揮発して乾固した着色層の膜厚の3〜5倍になる。隣接する画素間での混色を防止するため、隔壁表面には撥インキ性を持たせる必要がある。その方法として特許文献1〜4に記載の方法が提案されている。これらの手法を用いることで混色を防止することは可能であるが、特許文献5に記載されているように、このようにして形成される着色層は、平坦にすることが難しく、着色層の膜厚の最も厚い部分と最も薄い部分の差(以下「画素内段差」と呼ぶ)が大きくなると、カラー液晶表示装置とした時の色ムラや光漏れによるコントラスト比の低下が問題となる。また隔壁と着色層の最も薄い部分との膜厚差(以下「画素隔壁間段差」と呼ぶ)が大きい場合も、液晶の配向を乱し色ムラが発生する。従って、画素内段差、画素隔壁間段差を極小とする事が重要であるが、特許文献5には、その具体的な手法までは記載されていない。
さらに特許文献6には、隔壁の高さを、着色層の仕上がり膜厚に対して1.5〜2.0倍程度とすることで、画素内段差の少ない平坦な着色層が得られるものの、画素隔壁間段差が大きくなるので、カラー液晶表示装置とした際の色ムラが発生しやすいことが記されている。その対策として隔壁の熱収縮を利用して硬化処理を2段階に分けることが提案されているが、インキジェット法カラーフィルタ用の隔壁として使用できる材料の熱収縮率には限界があり、更なる改善が求められていた。また特許文献7および8には、隔壁を2層構造とし、上層を撥インキ性のポジレジスト層として、その高さとインキジェットにより形成される着色層の高さを規定することで平坦性の高い着色層を形成でき、その後、ポジレジスト層を除去することで画素隔壁間段差も低減出来ることが提案されている。しかし、この手法では、工程数が多くなるため、インキジェット法を用いることのコストメリットが出せないという問題を有していた。
本発明は、上記の問題点を解決するために為されたもので、その課題とするところは、インキジェット方式により各画素が印刷されるカラーフィルタにおいて、隣接画素間の混色が無く、画素内および画素隔壁間の段差が小さく、カラー液晶表示装置とした際の色ムラの無い、高品質なカラーフィルタ、およびその製造方法、特に工程数が少なく生産効率の高い製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本願発明の構成を以下に示す。
(請求項1)
透明基板と、この透明基板上に設けられた隔壁パターンと、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により設けられた着色層を備えたカラーフィルタの製造方法において、少なくとも、
(a)透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程、
(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程、
(c)該隔壁および着色層に紫外線を照射する工程、
(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程、からなることを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項2)
前記(a)透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程が、少なくとも、
(a1)透明基板上に感光性樹脂組成物を塗布する工程、
(a2)前記感光性樹脂組成物に対し、パターン露光、現像を行う工程、
(a3)現像後の前記感光性樹脂組成物に対し180℃未満の温度で加熱処理を行う工程、
からなることを特徴とする請求項1に記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項3)
前記(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程が、
(d1)該隔壁および着色層を200℃〜250℃で熱硬化する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項4)
前記(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程を、
前記着色インキの少なくとも一部の成分が、該隔壁パターンの側面から該隔壁内に滲みこむように行なうことを特徴とする請求項1〜3記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項5)
前記(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程を、
該隔壁が該着色インキとの接触の後、少なくとも膜厚方向で1〜20%膨潤させるように行うことを特徴とする請求項1〜4記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項6)
前記感光性樹脂組成物が少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含み、さらに前記着色インキが少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜5記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項7)
(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程において、該隔壁の膜厚が該着色インキとの接触前の膜厚に対して、95%〜75%まで収縮することを特徴とする請求項1〜6記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項8)
前記隔壁が有色或いは遮光性材料を含有することを特徴とする請求項1〜7に記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項9)
前記着色インキが有機溶剤系の顔料分散型インキであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項1)
透明基板と、この透明基板上に設けられた隔壁パターンと、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により設けられた着色層を備えたカラーフィルタの製造方法において、少なくとも、
(a)透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程、
(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程、
(c)該隔壁および着色層に紫外線を照射する工程、
(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程、からなることを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項2)
前記(a)透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程が、少なくとも、
(a1)透明基板上に感光性樹脂組成物を塗布する工程、
(a2)前記感光性樹脂組成物に対し、パターン露光、現像を行う工程、
(a3)現像後の前記感光性樹脂組成物に対し180℃未満の温度で加熱処理を行う工程、
からなることを特徴とする請求項1に記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項3)
前記(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程が、
(d1)該隔壁および着色層を200℃〜250℃で熱硬化する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項4)
前記(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程を、
前記着色インキの少なくとも一部の成分が、該隔壁パターンの側面から該隔壁内に滲みこむように行なうことを特徴とする請求項1〜3記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項5)
前記(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程を、
該隔壁が該着色インキとの接触の後、少なくとも膜厚方向で1〜20%膨潤させるように行うことを特徴とする請求項1〜4記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項6)
前記感光性樹脂組成物が少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含み、さらに前記着色インキが少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜5記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項7)
(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程において、該隔壁の膜厚が該着色インキとの接触前の膜厚に対して、95%〜75%まで収縮することを特徴とする請求項1〜6記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項8)
前記隔壁が有色或いは遮光性材料を含有することを特徴とする請求項1〜7に記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
(請求項9)
前記着色インキが有機溶剤系の顔料分散型インキであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
請求項1の発明は、透明基板上にまず半硬化の隔壁パターンで囲まれた領域を形成し、この領域にインキジェットで着色インキを吐出して、紫外線照射処理をして、隔壁パターンと着色インクの双方を熱硬化するものである。この発明によれば、隔壁パターンを完全に硬化させない状態で着色インクを付与するので、隣接画素間での混色が無く、着色インキ成分が隔壁内に浸透させることができ、隔壁高さの上昇およびインキの内部流動が促進される効果を奏した。
さらにその後に紫外線照射処理を行うことで着色層の硬化収縮は抑えられ、逆に隔壁の収縮は大きくなり、画素内段差も画素隔壁間段差も小さい平坦性の良好なカラーフィルタを、生産効率を落とすことなく低コストで製造することができた。
さらにその後に紫外線照射処理を行うことで着色層の硬化収縮は抑えられ、逆に隔壁の収縮は大きくなり、画素内段差も画素隔壁間段差も小さい平坦性の良好なカラーフィルタを、生産効率を落とすことなく低コストで製造することができた。
請求項2の発明は、透明基板上に感光性樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程において、180℃未満の熱処理を行うことを特徴とする。
この発明によれば、隔壁パターンを完全に硬化させない状態で着色インクを付与するので、隣接画素間での混色が無く、着色インキ成分が隔壁内に浸透させることができ、着色インキと接触した際の隔壁の膜厚方向への膨潤が大きくなることによって隔壁高さの上昇およびインキの内部流動が促進される効果を奏した。
この発明によれば、隔壁パターンを完全に硬化させない状態で着色インクを付与するので、隣接画素間での混色が無く、着色インキ成分が隔壁内に浸透させることができ、着色インキと接触した際の隔壁の膜厚方向への膨潤が大きくなることによって隔壁高さの上昇およびインキの内部流動が促進される効果を奏した。
また、請求項3の発明は、紫外線照射処理工程後に該隔壁および着色層に対して200℃〜250℃で熱処理を行うことを特徴としている。この方法によれば、着色層の混色やムラを発生すること無く、熱硬化後は隔壁が大きく熱収縮することから、画素内段差および画素隔壁間段差の小さい平坦性の良好なインキジェット法カラーフィルタを、生産効率を落とすことなく低コストで製造することができる。
請求項4に記載の発明は、インキジェット法により着色インキを隔壁内に吐出した際、該着色インキの少なくとも1成分が該隔壁パターンの側面から該隔壁内に滲み込むことを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法であり、着色インキ成分が隔壁に浸透することで、隔壁高さの上昇およびインキの内部流動の促進により、画素内段差の小さい平坦性の良好なインキジェット法カラーフィルタを、生産効率を落とすことなく低コストで製造することができる。
請求項5に記載の発明は、該着色インキとの接触により、該隔壁が少なくとも膜厚方向に1〜20%膨潤することを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法であり、隔壁高さが高くなることで画素内段差が小さい平坦性の良好なインキジェット法カラーフィルタを、生産効率を落とすことなく低コストで製造することができる。ここで、着色インキとの接触による隔壁の膜厚方向への膨潤が1%未満では、画素内平坦性への効果が殆ど見られず、20%を超えると隔壁の耐性が不十分となり、隣の画素との混色や色ムラの不良を発生しやすく好ましくない。
請求項6に記載の発明は、前記隔壁パターンを形成する樹脂組成物が少なくともモノマー成分と光重合開始剤を含み、該着色インキが少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含むことを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法であり、紫外線照射工程において、着色層および隔壁が紫外線硬化することで、特に隔壁近くの画素周辺部の熱硬化収縮が抑えられ、画素内段差が小さい平坦性の良好なインキジェット法カラーフィルタを、生産効率を落とすことなく低コストで製造することができる。
請求項7に記載の発明は、前記該隔壁および着色層を熱硬化する工程において、該隔壁の膜厚が該着色インキとの接触前の膜厚に対して、95%〜75%まで収縮することを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法であり、着色インキの熱硬化処理と共に隔壁を収縮させて、余分な工程を設けることなく、画素隔壁間段差を減少させると共に、隔壁部の耐性も良好な、高品質のインキジェット法カラーフィルタを安価に製造することが出来る。上記熱処理後の隔壁の膜厚が、着色インキとの接触前の膜厚の95%よりも厚いと画素隔壁間段差が大きくなると共にカラーフィルタとしての充分な耐性が得られにくく好ましくない。また着色インキとの接触前の膜厚の75%未満まで収縮すると、やはり液晶表示装置とした際に色ムラを発生し好ましくない。
請求項8に記載の発明は、隔壁が有色或いは遮光性材料を含有することを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法であり、コントラスト比の高い、表示性能に優れた、高品質なカラーフィルタを提供できる。
請求項9に記載の発明は、着色インキが有機溶剤系の顔料分散型インキであることを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法であり、信頼性が高く、色再現性の広い、高品質なカラーフィルタを提供できる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタを一実施形態に基づいて、
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように、透明基板11上に膜厚がtaの半硬化の隔壁パターン12aを形成する。
透明基板11は、カラーフィルタとしての透明性や、機械的強度の特性が満足するものであれば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフィン、及びポリアクリレート等のプラスチックシートおよびプラスチックフィルムなどでも良いが、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れるガラス基板を用いることが好ましい。
半硬化の隔壁パターン12aの形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法、転写法等、特に限定されず従来公知の手法を用いることが可能であるが、精細なパターン形成が可能なフォトリソグラフィー法を用いることが特に好ましい。いずれの手法でも、パターン形成後、隔壁を形成する樹脂組成物の硬化温度以上の温度で熱処理しない、より好ましくは180℃以上の温度で熱処理しないことで、半硬化の隔壁パターンを得ることができる。更に好ましくは、熱処理を行わず光照射或いは放射線照射処理を行って半硬化させる、また光照射或いは放射線照射処理後に120℃から180℃の温度で5分から60分間熱処理することで半硬化の隔壁パターンを得ることができる。
また、隔壁が有色或いは遮光性材料を含有してブラックマトリクスとしての機能を有することで、製造工程を削減し、高性能なカラーフィルタが得られる点で好ましい。さらにフッ素化合物・珪素化合物等の公知の撥インキ剤を含有させることで、特別な工程を必要とすることなく、隔壁パターンの上表面に撥インキ性を付与して、隣接画素間の混色を防止することができる。
また、隔壁が有色或いは遮光性材料を含有してブラックマトリクスとしての機能を有することで、製造工程を削減し、高性能なカラーフィルタが得られる点で好ましい。さらにフッ素化合物・珪素化合物等の公知の撥インキ剤を含有させることで、特別な工程を必要とすることなく、隔壁パターンの上表面に撥インキ性を付与して、隣接画素間の混色を防止することができる。
以下に黒色のネガ型の感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法によるブラックマトリクスの半硬化の隔壁パターン形成方法について詳しく説明する。まず前記黒色のネガ型感光性樹脂組成物を透明基板11上に、スリットダイコーター、スピンコーター等の公知の塗工装置を用いて均一に塗工する。その後、溶剤成分を除去するため必要に応じて、減圧乾燥処理やプリベーク処理を施すことができる。この際フッ素系の撥インク剤を用いた場合は、塗膜中に分散した撥インク剤が徐々に塗膜表面に偏析する性質を有しており、ブラックマトリクスの上表面に撥インキ性を付与することが出来る。これをパターン露光、現像を行い所定のブラックマトリクスパターンを形成する。続いて光照射或いは放射線照射することによりネガ型感光性樹脂組成物を硬化させる。照射する光或いは放射線としては、ネガ型感光性樹脂組成物が硬化する吸収波長を有するものであれば特に限定されるものではないが、紫外線或いは電子線が特に好ましい。しかしながら、前記した撥インク剤の分解を促進するような波長を含む場合は、不要な波長は適当なフィルターを介してカットすることが望ましい。本発明では、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等による紫外線照射処理が特に好ましい。さらに、加熱処理を施して熱硬化させる工程を設けることもできるが、加熱温度はネガ型感光性樹脂組成物の硬化温度以下、より好ましくは180℃以下の温度で熱処理を行う。加熱方法としては熱風循環式のオーブン、ホットプレート、赤外線による加熱等が利用でき、特に限定されるものではない。但し本発明においては、完全に熱硬化させてしまわず、インキジェットインキに接触することによって膜厚方向に1〜20%膨潤するように調整することが望ましい。
前記ネガ型感光性樹脂組成物としては、その主成分はバインダー樹脂、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤、溶剤、および遮光性部材からなる。
まずバインダー樹脂としては、アルカル可溶性の熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。また低温での硬化性を促進するため、これらの樹脂に加えてメラミン誘導体と光酸発生剤を含有させることもできる。メラミン誘導体としては、メチロール基あるいはメトキシメチル基を有している化合物であればよいが、特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましい。
まずバインダー樹脂としては、アルカル可溶性の熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。また低温での硬化性を促進するため、これらの樹脂に加えてメラミン誘導体と光酸発生剤を含有させることもできる。メラミン誘導体としては、メチロール基あるいはメトキシメチル基を有している化合物であればよいが、特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましい。
前記ラジカル重合性を有する化合物は、例えばビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーを用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることが出来るがこの限りではない。これらのラジカル重合性を有する化合物は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。ラジカル重合性を有する化合物の量は、バインダー樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150重量部である。
また前記光重合開始剤は、露光によりラジカルを発生し、ラジカル重合性を有する化合物を通して、バインダー樹脂を架橋させるものである。光重合開始剤の例として具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン二量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることが出来る。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20重量部である。
また溶剤の一例として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を用いることができる。溶剤の使用量は、基板上に塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる塗布であることが望ましく、感光性樹脂組成物の全重量に対し、溶剤量が50〜97重量%になるよう調製することが好ましい。
また、黒色遮光部材は、ブラックマトリクスに遮光性を付与し、カラーフィルタのコントラストを向上させるものである。黒色遮光部材としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。これらの黒色遮光部材は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
さらに前記ネガ型感光性樹脂組成物には、撥インク剤を含んでいても構わない。撥インク剤として、含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物を用いることができ、これらを混合して用いることがより好ましい。前記含フッ素化合物の例として、具体的には、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ化樹脂などを挙げられることが出来る。特に質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体が好ましく、具体的には特願2005−209886に記載の含フッ素共重合体が挙げられる。また、これらの含フッ素化合物は、単独または二種類以上併用して用いることが出来る。前記含ケイ素化合物として、主鎖または側鎖に有機シリコンを有するもので、シロキサン成分を含むシリコン樹脂やシリコーンゴムなどを挙げられることが出来る。また、これらの含ケイ素化合物は、単独または二種類以上併用して用いることが出来る。さらに、前記含フッ素化合物と含シリコン化合物、あるいはその他のインク反発性の成分を併用しても良い。本発明における感光性樹脂組成物に含まれる含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物の量は、全重量部に対して、0.1重量%〜10重量%の範囲で、パターン形状や着色層を形成するインキの特性に合わせて適宜調整することが好ましい。
この他、ブラックマトリクス形成に用いるネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて相溶性のある添加剤、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
続いて、図1(b)に示すように、半硬化の隔壁パターン12aにより囲まれた領域に、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色インキ13bをインキジェット装置にて吐出して所定量を充填する。この時、半硬化の隔壁パターン12aは、着色インキ13bの構成成分が隔壁側面から隔壁内に滲みこみ、膜厚tbの隔壁パターン12bとなる。その後着色インキ中の溶剤成分を揮発させ、着色層を形成する。
使用するインキジェット装置としては、インキ吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があり、特にピエゾ変換方式が好適である。インキの粒子化周波数は5〜100KHz程度、ノズル径としては5〜80μm程度,ヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個組み込んだ装置が好適である。
前記着色インキ13bとしては、着色剤、バインダー成分、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤、溶媒等公知の材料を用いることができ、必要に応じて、分散剤、安定剤、レベリング剤等の添加剤を添加して調製することができる。着色剤としては、染料や顔料を用いることができるが、耐熱性や耐候性等の信頼性の点で顔料分散型が特に好ましい。また溶媒としては、水系および有機溶剤系を利用することができるが、本発明においては有機溶剤を用いるのが特に好ましい。また溶媒は、溶解性の他に経時安定性、乾燥性なども要求され、色素、樹脂との関係にて適宜選択される。
着色インキ材料の顔料としては、耐候性に優れるものを用いることが好ましい。具体的にはC.I.Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、208、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、C.I.Pigment Blue15、15:6、16、22、29、60、64、C.I.Pigment Green 7、36、58、C.I.Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、C.I.Pigment Orange 36、C.I.Pigment Violet23等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種以上の材料を混合して用いることができる。
バインダー成分としては、それ自体は重合反応性のない樹脂、及び、それ自体が重合反応性を有する樹脂のいずれを用いてもよく、また、2種以上のバインダーを組み合わせて用いても良い。そして、バインダー成分を主体とし、必要に応じて、多官能のモノマーやオリゴマー、単官能のモノマーやオリゴマー、電離放射線により活性化する光重合開始剤、及び、増感剤などを配合して、電離放射線硬化性バインダー系を構成しても良い。
非重合性バインダーとしては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:アクリル酸、メタクリル酸、トリメリット酸、メチルアクリレート、カプロラクトン、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーである。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
一方、熱重合性官能基を有する樹脂をバインダー成分として用いる場合、例えば、次に示すようなエチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーの1種または2種以上を重合させた単独重合体または共重合体を用いることができる:アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチルなどの(メタ)アクリレート類;o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類;またメチル化メラミン、ブチル化メラミン、混合エーテル化メラミン、メチル化ベンゾグアナミン、混合エーテル化ベンゾグアナミン等のメラミン類である。
前記ラジカル重合性を有する化合物は、例えばビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーを用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることが出来るがこの限りではない。これらのラジカル重合性を有する化合物は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。ラジカル重合性を有する化合物の量は、バインダー成分100重量部に対して1〜200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150重量部である。
また前記光重合開始剤は、露光によりラジカルを発生し、ラジカル重合性を有する化合物を通して、バインダー樹脂を架橋させるものである。光重合開始剤の例として具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン二量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることが出来る。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー成分100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20重量部である。
分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインキ組成物中に必要に応じて配合される。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
すなわち、高分子分散剤では、キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
上記着色インキに用いる溶剤は、特に限定されるものではなく、使用される顔料、バインダー、インキに要求される品質等に応じて選択することができる。使用する溶剤としては、例えば、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチル等が挙げられる。上記溶剤は、二種類以上を混合して用いることもできる。
本発明の着色インキにおいて、着色剤として顔料を用いる場合は、あらかじめ顔料を全使用量の一部の溶剤中で分散剤と混合して分散性を付与し、得られた顔料分散体(すなわち高濃度の顔料分散液)を他の配合成分と共に残部の溶剤中に投入して混合し着色インキとすることが多い。顔料分散体を調製するためには、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような顔料を分散させやすい溶剤を用いることが好ましい。
また、着色インキの粘度は、1〜20mPa・sの範囲に調整することで、インキジェット方式での吐出性を安定させ、効率よく品質良好なカラーフィルタを製造することが出来る。
半硬化の隔壁パターンを形成した後は、この隔壁パターンに囲まれた領域に、インキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する。
この工程では、着色インキ13bを塗工した基板を必要に応じて減圧乾燥装置あるいは80℃〜150℃のホットプレートやオーブン等の公知の乾燥装置を用いてプレベークして、インキの溶剤成分を揮発させ、図1(c)に示すように、隔壁12cの膜厚tcとほぼ同等の膜厚となる着色インキの乾燥物13cを形成する。
この工程では、着色インキ13bを塗工した基板を必要に応じて減圧乾燥装置あるいは80℃〜150℃のホットプレートやオーブン等の公知の乾燥装置を用いてプレベークして、インキの溶剤成分を揮発させ、図1(c)に示すように、隔壁12cの膜厚tcとほぼ同等の膜厚となる着色インキの乾燥物13cを形成する。
続いて、図1(c)に示すように、隔壁12cと着色層13cを形成した透明基板11の表面或いは裏面から、紫外線照射処理を行う。紫外線照射処理としては公知の手法を用いることができ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等による紫外線照射処理が特に好ましい。
その後、図1(d)に示す加熱処理を行う。熱風循環式オーブン、IRオーブン、ホットプレート等の公知の加熱装置を用いて、200〜250℃の温度で3分〜60分間ポストベーク処理を行い、着色層13dおよび隔壁12dを熱硬化させて、図1(d)に示す本発明のインキジェット法カラーフィルタを得ることができる。
こうして製造された本発明のインキジェットカラーフィルタは、図1(d)に示すように、着色層13dの最大膜厚t−maxと最小膜厚t−minの差(つまり画素内段差)、および隔壁12dの膜厚tdと着色層13dの最小膜厚t−minの差(つまり画素隔壁間段差)をそれぞれ小さくすることが出来る。好ましくは画素内段差が0.3μm以下、画素隔壁間段差が0.5μm以下とすることで、液晶表示装置とした際の色ムラがなく、コントラスト比の高い高品質なカラーフィルタとなり特に好ましい。
さらに本発明のインキジェット法カラーフィルタでは、着色インキ成分が隔壁内に滲み込んでいることを特徴とし、着色インキ成分が隔壁内に浸透することで隔壁の膜厚方向への膨潤も促進され、より画素内段差の小さい着色層が形成される。隔壁内に滲み込む着色インキ成分としては、溶剤成分、低分子量のモノマー成分、およびバインダー成分、着色剤成分等が上げられ、特に限定されるものではない。本発明のインキジェット法カラーフィルタでは、隔壁への浸透性の点から水系よりも有機溶剤系の着色インキの方が好ましい。また本発明のインキジェットカラーフィルタに用いられる隔壁は、有色或いは遮光性材料を含むことで、隔壁への浸透成分による色ムラが見えにくくなり好ましい。
また本発明において、少なくとも着色インキの溶剤成分が隔壁に浸透すると、隔壁パターンに囲まれた開口部の中央より隔壁に接する開口部周縁の方が、相対的にインキ濃度が高い状態となり、開口部中央から周縁部に向かっての着色インキの内部流動が促進される。
すると、着色層中央部の膜厚は下がり、周縁部の膜厚は上がることにより、さらに画素内平坦性が向上することとなる。
すると、着色層中央部の膜厚は下がり、周縁部の膜厚は上がることにより、さらに画素内平坦性が向上することとなる。
本発明では、完全に硬化していない半硬化の隔壁を用いることで、着色インキ成分が隔壁に浸透し易くなる効果が得られた。またポストベーク前に紫外線照射することで、隔壁の収縮を大きくし、さらに着色層は中央部の熱収縮に比べて画素周縁部の熱収縮が小さくなる。これらを同時に行うことで、画素内段差、画素隔壁間段差を大きく低減することができ、極めて画素内平坦性の良好なインキジェットカラーフィルタを得ることができる。
引続き、図2を用いて本発明の別の形態のインキジェット法カラーフィルタについて説明する。
図2は、本発明のインキジェット法カラーフィルタの一実施形態を示す断面図であり、RGBの着色層をインキジェット法で形成して加熱処理まで行った後の形態を示すものであり、隔壁12は、隔壁の中央部分膜厚t1に比べて、着色層と接する隔壁端部の膜厚t2の方が厚いことを特徴とするものである。つまり隔壁パターン12の殆どの面積を占める部分の膜厚はt1であり、画素隔壁間段差(t1−tmin)をより小さくすることが出来る。一方、着色層13R、13G、13Bの形状に影響するのは隔壁の端部の高さt2であり、t2は出来るだけ高い方が画素内段差(tmax−tmin)を小さくすることが出来る。
上記のような形状の隔壁を形成するための一例を挙げると、本発明のインキジェット法カラーフィルタの製造法を用いることで、隔壁パターン12に囲まれた領域に着色インキを吐出して着色インキ中の成分が隔壁の側面から隔壁12内に浸透すると、浸透方向における隔壁内の浸透成分の濃度分布は、隔壁中央部よりも着色層と接する隔壁の端部の方が高くなることから、煩雑な工程を必要とすることなく、t1<t2の隔壁形状を形成できて、特に好ましい。
ここで、加熱処理前の隔壁は必ずしもt1<t2である必要はない。つまり最終的なt1の膜厚が薄くなれば、液晶表示装置とした際の色ムラの一原因となる画素隔壁間段差を縮小することが出来る。
本発明のインキジェット法カラーフィルタは、さらに必要に応じて保護層を形成しても構わない。さらに、必要に応じて透明導電層や液晶配向分割突起やフォトスペーサー、配向膜層を順次積層せしめ、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介して、液晶表示装置を構成することができる。
以下に本発明の一例として、フッ素化合物を撥インキ剤として含有した黒色のネガ型感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により隔壁パターンを形成し、顔料分散型の有機溶剤形インキを用いた場合の実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
<実施例1>
隔壁パターンを形成するための黒色のネガ型感光性樹脂組成物として、下記組成比で配合し、3本ローラで十分混練したものを用い、これを透明ガラス基板(コーニング社製「1737」)上に塗布し、露光、現像後、高圧水銀ランプにより3000mJ/cm2の紫外線照射処理を行い、隔壁パターン基板を形成した。
隔壁パターンを形成するための黒色のネガ型感光性樹脂組成物として、下記組成比で配合し、3本ローラで十分混練したものを用い、これを透明ガラス基板(コーニング社製「1737」)上に塗布し、露光、現像後、高圧水銀ランプにより3000mJ/cm2の紫外線照射処理を行い、隔壁パターン基板を形成した。
[黒色のネガ型感光性樹脂組成物]
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物
“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 2重量部
含フッ素化合物“モディパーF600” (日本油脂社製) 0.5重量部
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材社製) 20重量部
シクロヘキサノン 80重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物
“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカル社製) 2重量部
含フッ素化合物“モディパーF600” (日本油脂社製) 0.5重量部
続いて、RGBの着色インクとして、下記組成比で配合して、ビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散して調製したインク組成物を用い、ピエゾ方式、ノズル解像度180dpiのヘッドを搭載したインキジェット記録装置を用いて、前記隔壁パターンの開口部にRGB3色の着色インキを充填した。引続き100℃のホットプレート上で3分間加熱してプレベークし、高圧水銀ランプにより3000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内で240℃30分のポストベーク処理を行い、実施例1のカラーフィルタを得た。
[赤色のインキ組成物]
赤色顔料C.I.Pigment Red254“イルガフォーレッドB−CF”(チバスペシャルティケミカル社製) 20重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
メチル化メラミン樹脂“ニカラックMW−30”(三和ケミカル社製) 5重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
“アロニクスM−450”(東亞合成社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア907”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
赤色顔料C.I.Pigment Red254“イルガフォーレッドB−CF”(チバスペシャルティケミカル社製) 20重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
メチル化メラミン樹脂“ニカラックMW−30”(三和ケミカル社製) 5重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
“アロニクスM−450”(東亞合成社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア907”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
[緑色のインキ組成物]
緑色顔料C.I.Pigment Green36
“リオノールグリーン6YK”(東洋インキ製造社製) 20重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
メチル化メラミン樹脂“ニカラックMW−30”(三和ケミカル社製) 5重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート“アロニクスM−450”(東亞合成社製)
5重量部
光重合開始剤“イルガキュア907”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
緑色顔料C.I.Pigment Green36
“リオノールグリーン6YK”(東洋インキ製造社製) 20重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
メチル化メラミン樹脂“ニカラックMW−30”(三和ケミカル社製) 5重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート“アロニクスM−450”(東亞合成社製)
5重量部
光重合開始剤“イルガキュア907”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
[青色のインキ組成物]
青色顔料C.I.Pigment Blue15:6“ヘリオゲンブルー”(BASF社製)
20重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
メチル化メラミン樹脂“ニカラックMW−30”(三和ケミカル社製) 5重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート“アロニクスM−450”(東亞合成社製)
5重量部
光重合開始剤“イルガキュア907”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
青色顔料C.I.Pigment Blue15:6“ヘリオゲンブルー”(BASF社製)
20重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
メチル化メラミン樹脂“ニカラックMW−30”(三和ケミカル社製) 5重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート“アロニクスM−450”(東亞合成社製)
5重量部
光重合開始剤“イルガキュア907”(チバスペシャリティケミカル社製) 1重量部
<実施例2>
前記実施例1において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀灯により1000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内にて温度160℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成した以外は実施例1と同様にして実施例2のカラーフィルタを得た。
前記実施例1において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀灯により1000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内にて温度160℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成した以外は実施例1と同様にして実施例2のカラーフィルタを得た。
<実施例3>
前記実施例1において、隔壁パターンを形成するための黒色のネガ型感光性樹脂組成物として、黒色のネガ型感光性樹脂組成物(新日鐵化学社製「V259−BK739P」)にフッ素化合物(大日本インキ化学工業社製「F179」)を固形分質量比で0.5%添加したものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例3のカラーフィルタを得た。
前記実施例1において、隔壁パターンを形成するための黒色のネガ型感光性樹脂組成物として、黒色のネガ型感光性樹脂組成物(新日鐵化学社製「V259−BK739P」)にフッ素化合物(大日本インキ化学工業社製「F179」)を固形分質量比で0.5%添加したものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例3のカラーフィルタを得た。
<実施例4>
前記実施例3において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀灯により1000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内にて温度150℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成した以外は実施例3と同様にして実施例4のカラーフィルタを得た。
前記実施例3において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀灯により1000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内にて温度150℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成した以外は実施例3と同様にして実施例4のカラーフィルタを得た。
<比較例1>
前記実施例1において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、熱風式焼成炉内にて230℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例1と同様にして比較例1のカラーフィルタを得た。
前記実施例1において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、熱風式焼成炉内にて230℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例1と同様にして比較例1のカラーフィルタを得た。
<比較例2>
前記実施例1において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀ランプにより800mJ/cm2の紫外線照射処理を行い、隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例1と同様にして比較例2のカラーフィルタを得た。
前記実施例1において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀ランプにより800mJ/cm2の紫外線照射処理を行い、隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例1と同様にして比較例2のカラーフィルタを得た。
<比較例3>
前記実施例3において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀ランプにより1000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内にて190℃で20分間加熱処理を行って隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例3と同様にして比較例3のカラーフィルタを得た。
前記実施例3において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、高圧水銀ランプにより1000mJ/cm2の紫外線照射処理を行った後、熱風式焼成炉内にて190℃で20分間加熱処理を行って隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例3と同様にして比較例3のカラーフィルタを得た。
<比較例4>
前記実施例3において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、熱風式焼成炉内にて200℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例3と同様にして比較例4のカラーフィルタを得た。
前記実施例3において、透明ガラス基板上に黒色のネガ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後、熱風式焼成炉内にて200℃で20分間加熱処理を行って、隔壁パターンを形成し、且つ着色インキを充填、プレベーク後、紫外線照射処理を行わず、ポストベーク処理した以外は実施例3と同様にして比較例4のカラーフィルタを得た。
ここで、前記実施例1〜4および比較例1〜4の隔壁パターン基板およびカラーフィルタについて、インキジェット塗工前の隔壁の膜厚(ta)、およびインキジェットで着色インキを充填してプレベーク処理した後の隔壁の膜厚(tc)、およびポストベーク処理後の隔壁中央部の膜厚(t1d)と着色層と接する隔壁端部の膜厚(t2)を触針式の膜厚計により測定した。さらにポストベーク処理後の着色層の膜厚が最も厚い部分(tmax)と最も薄い部分(tmin)の膜厚についても測定し、併せて表1に示した。
さらに、前記実施例1〜4および比較例1〜4のカラーフィルタの表面に、スパッタリングによりITO(Indium Tin Oxide)の透明電極を形成し、ポリイミドよりなる配向膜を設け、液晶を滴下して、対向するTFT基板と貼り合せて液晶セルを形成した。得られた液晶セルの両面に偏光板を貼り付け、冷陰極管を用いたバックライトを設けて液晶表示装置とした。この液晶表示装置にて色ムラ等の表示状態を評価し、表1に示した。
さらに実施例1、2および比較例1のカラーフィルタの隔壁部について、SAICAS(ダイプラ・ウィンテス社製)を用いて、膜厚方向に斜めに切削して隔壁内部を露出させ、その切削面を飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF−SIMS)により陽イオンおよび負イオン分析を行った。その結果、実施例1、2のカラーフィルタの隔壁内部からは比較例1では検出されなかった着色インキ由来のピークが検出され、隔壁内部にインク成分の存在が確認された。
実施例1〜4のカラーフィルタは、隔壁の膜厚がインキジェット前後で1〜20%増加し、着色インキの乾燥過程において隔壁高さが高い状態となり、画素内平坦性が良好な着色層が得られた。その後紫外線照射処理を経てポストベーク処理により、隔壁高さは初期の隔壁高さの95〜75%となり、隔壁画素間段差の小さいカラーフィルタが得られた。さらに実施例1〜3のカラーフィルタは隔壁中央部の膜厚(t1)よりも着色層と接する隔壁端部の膜厚(t2)の方が高く、画素内平坦性、隔壁画素間段差共に小さい、良好なカラーフィルタとなった。実施例1〜4のカラーフィルタは、着色層の混色等の不良も無く、液晶表示装置としても色ムラの無い良好なカラーフィルタであった。
一方で比較例2のカラーフィルタは、隔壁が着色インキとの接触により変質してしまい、混色の不良が多発した。比較例1,3,4のカラーフィルタは、混色等の不良は見られなかったものの、画素内段差および画素隔壁間段差が大きく、液晶表示装置とした時色ムラが確認された。
本発明によると、着色層の平坦性に優れ、隔壁との段差も小さく、混色や白抜け等の欠陥の無い、品質および信頼性の高いカラーフィルタを、インキジェット方式により簡易なプロセスで効率よく製造することが出来る。よって上記カラーフィルタを用いて、色ムラの無いカラー表示特性に優れた液晶表示装置を安価に提供することが出来る。
11…透明基板
12…隔壁パターン
12a…インキジェット前の隔壁パターン
12b…インキジェット直後の隔壁パターン
12c…プレベーク後、紫外線照射時の隔壁パターン
12d…ポストベーク後の隔壁パターン
13…着色層
13b…インキジェット直後の着色層
13c…プレベーク後、紫外線照射時の着色層
13d…ポストベーク後の着色層
ta…12aの隔壁パターンの膜厚
tb…12bの隔壁パターンの膜厚
tc…12cの隔壁パターンの膜厚
td…12dの隔壁パターンの膜厚
t1…隔壁パターン中央部の膜厚
t2…着色層と接する隔壁パターン端部の膜厚
12…隔壁パターン
12a…インキジェット前の隔壁パターン
12b…インキジェット直後の隔壁パターン
12c…プレベーク後、紫外線照射時の隔壁パターン
12d…ポストベーク後の隔壁パターン
13…着色層
13b…インキジェット直後の着色層
13c…プレベーク後、紫外線照射時の着色層
13d…ポストベーク後の着色層
ta…12aの隔壁パターンの膜厚
tb…12bの隔壁パターンの膜厚
tc…12cの隔壁パターンの膜厚
td…12dの隔壁パターンの膜厚
t1…隔壁パターン中央部の膜厚
t2…着色層と接する隔壁パターン端部の膜厚
Claims (9)
- 透明基板と、この透明基板上に設けられた隔壁パターンと、該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により設けられた着色層を備えたカラーフィルタの製造方法において、少なくとも、
(a)透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程、
(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程、
(c)該隔壁および着色層に紫外線を照射する工程、
(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程、からなることを特徴とするインキジェット法カラーフィルタの製造方法。 - 前記(a)透明基板上に樹脂組成物を用いて半硬化の隔壁パターンを形成する工程が、少なくとも、
(a1)透明基板上に感光性樹脂組成物を塗布する工程、
(a2)前記感光性樹脂組成物に対し、パターン露光、現像を行う工程、
(a3)現像後の前記感光性樹脂組成物に対し180℃未満の温度で加熱処理を行う工程、
からなることを特徴とする請求項1に記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。 - 前記(d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程が、
(d1)該隔壁および着色層を200℃〜250℃で熱硬化する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。 - 前記(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程を、
前記着色インキの少なくとも一部の成分が、該隔壁パターンの側面から該隔壁内に滲みこむように行なうことを特徴とする請求項1〜3記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。 - 前記(b)該隔壁パターンに囲まれた領域にインキジェット法により着色インキを吐出して着色層を形成する工程を、
該隔壁が該着色インキとの接触の後、少なくとも膜厚方向で1〜20%膨潤させるように行うことを特徴とする請求項1〜4記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。 - 前記感光性樹脂組成物が少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含み、さらに前記着色インキが少なくともラジカル重合性を有する化合物と光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜5記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
- (d)該隔壁および着色層を熱硬化する工程において、該隔壁の膜厚が該着色インキとの接触前の膜厚に対して、95%〜75%まで収縮することを特徴とする請求項1〜6記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
- 前記隔壁が有色或いは遮光性材料を含有することを特徴とする請求項1〜7に記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
- 前記着色インキが有機溶剤系の顔料分散型インキであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインキジェット法カラーフィルタの製造方法。
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JP2009220944A JP2010244006A (ja) | 2009-03-18 | 2009-09-25 | インキジェット法カラーフィルタの製造方法、およびインキジェット法カラーフィルタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012060251A1 (ja) * | 2010-11-04 | 2012-05-10 | 大日本印刷株式会社 | カラーフィルタの製造方法 |
JP2012098618A (ja) * | 2010-11-04 | 2012-05-24 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタ付tft基板 |
WO2012066754A1 (ja) * | 2010-11-15 | 2012-05-24 | シャープ株式会社 | カラーフィルタ基板及び表示パネル |
US9881985B2 (en) | 2012-02-28 | 2018-01-30 | Boe Technology Group Co., Ltd. | OLED device, AMOLED display device and method for manufacturing same |
-
2009
- 2009-09-25 JP JP2009220944A patent/JP2010244006A/ja active Pending
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