JP2013057806A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮光層と着色層からなるカラーフィルタ表面の平坦性と着色層内の平坦性を改善するカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に所定のパターンよりなる遮光層を形成する工程と、前記遮光層の開口部に着色材料をインクジェット法により規定の配列となるように吐出する工程と、前記着色材料に含まれる溶剤を蒸発させる乾燥工程と、前記着色材料を光重合させて硬化する硬化工程と、前記硬化工程後の着色材料をさらに熱硬化し着色層を形成する加熱工程とを有し、前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用い、かつ膜厚分布(T1に対するT2およびT3の百分率)が、前記遮光層の膜厚に対して90〜110%の範囲内である製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】透明基板上に所定のパターンよりなる遮光層を形成する工程と、前記遮光層の開口部に着色材料をインクジェット法により規定の配列となるように吐出する工程と、前記着色材料に含まれる溶剤を蒸発させる乾燥工程と、前記着色材料を光重合させて硬化する硬化工程と、前記硬化工程後の着色材料をさらに熱硬化し着色層を形成する加熱工程とを有し、前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用い、かつ膜厚分布(T1に対するT2およびT3の百分率)が、前記遮光層の膜厚に対して90〜110%の範囲内である製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、主にカラー液晶ディスプレイに使用されるカラーフィルタの製造方法に関する。また本発明は、該製造方法に使用される着色材料および該製造方法により製造されたカラーフィルタに関する。
近年、携帯電話、パーソナルコンピュータ、薄型カラーテレビの発展に伴い、 カラー液晶ディスプレー(以下LCDと記す)の需要が増加しており、 特に、薄型カラーテレビの大型化が著しい。しかしながら、需要の増加に合わせて低価格化の進行も著しく、部材の中でもコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、透明基板上に所定のパターンよりなる遮光層(ブラックマトリクス、 以下BMと略称する)が設けられ、このBMの開口部に通常赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色層からなる画素を備え、R、G、Bのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッターとして作動し、R、G、Bのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来、行われているカラーフィルタの着色層の製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に、染色される透明の水溶性の高分子材料をフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染料水溶液に浸漬して透明なパターンを染色する。これを3回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフィルタの着色層からなる着色画素を形成するものである。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより着色のパターンを得る。 さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの着色層からなる着色画素を形成する。
さらに、他の方法としては、熱硬化性樹脂に顔料を分散させてR、G、Bの3回印刷を行った後、樹脂を加熱硬化させる方法等を挙げることができる。しかしながら、いずれの方法も、R、G、Bの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
これらの問題点を解決するカラーフィルタの製造方法として、近年、インクジェット方式を利用したカラーフィルタの製造方法が、前記した染色法および顔料分散法と比べて工程数が少なく 低コスト化が可能として検討されている。一方でインクジェット法には、各着色領域の画素のにじみ、混色が避けられず、カラーフィルタとしての品質は劣るものになる欠点があった。
インクジェット方式を用いた低コストでなおかつ高品質なカラーフィルタの製造方法として、例えば、特許文献1には 、仕切りパターン(BM)の臨界表面張力と、間隙の被印刷面(画素部)の臨界表面張力との間の表面張力を有する印刷インキを用いることで、均一な光透過性が得られ、インクジェット方式による着色インクの吐出の際、ガラス基板上の所望する着色領域外への着色インクの広がりを防止する技術が開示されている。また、特許文献2、特許文献3には、含フッ素化合物及び/または含ケイ素化合物を含有するBMを、着色工程におけるインクにじみ、混色を防止するための仕切り壁とすることが記載されている。
また、特許文献4には、遮光パターン上部の撥インク性と、遮光パターン間(すなわち画素部)の撥インク性を水の接触角で、それぞれ、90−120°、30° 以下とすることにより、遮光パターン間(画素部)での着色インクの広がりを良好にし、遮光パターン上部には、着色インクが付着しにくくすることで、画素周辺での色抜けのないカラーフィルタが開示されている。ここでは、遮光パターン間を親インク処理剤により表面処理し、撥インク性をコントロールしている。
更に近年、ハイビジョン対応の大型液晶テレビ等の拡大に伴い、液晶表示装置等への高精細の要求が高まっている。しかし、インクジェット方式特有の「平坦化不良」による、着色部内で色むらが生じる不具合や、パネル化した際の基板間に挟まれた液晶分子の配向不良などの不具合が発生しやすい問題がある。 そこで、特許文献5には、表面張力が特定範囲のインクを、隔壁で囲まれた領域の容積の3−10倍の体積付与する技術が開示され、また、特許文献6には、インクジェット方式での、インクの物性や付与量、透明基板表面のインク濡れ性を制御して、着色部の膜厚差が0.5μm以下、着色部の最薄部とBMの厚さとの差を0.5μm以下とする技術が開示され、特許文献7には、乾燥、硬化工程におけるインク収縮時に、インクが隔壁に良好に付着することで、画素周縁部の膜厚が隔壁の80%以上で、画素の平均膜厚が隔壁の80%未満で、画素の平均膜厚に対する最大・最小膜厚の差が20%以下とする技術が開示されている。
通常、インクジェット方式では、着色材料を高濃度にするとノズルが詰まるため、着色材料を溶剤で希釈し、低濃度にしてBM開口部に吐出している。
しかしながら、上記した特許文献1−7に開示された方法を用いても、溶剤分の多い着色材料は、吐出直後の膜厚がBMの膜厚以上になることから、そのまま急激に加熱すると、乾燥が進行してゆく際に同時にインキの硬化も進行するため、吐出直後にみられる山形状が維持されてしまう。さらに溶剤が蒸発した後にはインキの粘度が大幅に上昇しているため、インキの流動は起こりえない。したがって、それ以降の加熱工程において形状が変化することはなく、乾燥工程において形成された形状が着色層の形状となり、平坦化の制御が困難な問題があった。
しかしながら、上記した特許文献1−7に開示された方法を用いても、溶剤分の多い着色材料は、吐出直後の膜厚がBMの膜厚以上になることから、そのまま急激に加熱すると、乾燥が進行してゆく際に同時にインキの硬化も進行するため、吐出直後にみられる山形状が維持されてしまう。さらに溶剤が蒸発した後にはインキの粘度が大幅に上昇しているため、インキの流動は起こりえない。したがって、それ以降の加熱工程において形状が変化することはなく、乾燥工程において形成された形状が着色層の形状となり、平坦化の制御が困難な問題があった。
さらに、乾燥工程後に加熱工程を経ると、着色材料内の架橋成分(バインダー成分)が硬化収縮するが、遮光層についてはあらかじめ加熱工程を経ている関係上、遮光層と着色層との境界において、膜厚差が大きくなるといった問題が生じる。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明は、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造に際し、遮光層と着色層からなるカラーフィルタ表面の平坦性と着色層内の平坦性を改善する製造方法、着色材料および該製造方法により製造されたカラーフィルタの提供を課題とする。あわせて、着色層内で白むらが生じる不具合や、パネル化した際の基板間に挟まれた液晶分子の配向不良などの不具合が発生しないカラーフィルタを提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、少なくとも、透明基板上に所定のパターンよりなる遮光層を形成する工程と、前記遮光層の開口部に着色材料をインクジェット法により規定の配列となるように吐出する工程と、前記着色材料に含まれる溶剤を蒸発させる乾燥工程と、前記着色材料を光重合させて硬化する硬化工程と、前記硬化工程後の着色材料をさらに熱硬化し着色層を形成する加熱工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用い、かつ
前記乾燥工程で得られる前記着色材料内の膜厚分布が、前記遮光層の膜厚に対して90〜110%の範囲内であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記バインダー樹脂の質量平均分子量が、500〜10000であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記着色材料において、着色剤と、バインダー樹脂及び光重合モノマーとの固形分比率が、(着色剤):(バインダー樹脂及び光重合モノマー)として、質量比で1:4〜1:1であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記着色材料の粘度が、1〜20mPa・sの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法を実施するために使用される着色材料であって、前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用いることを特徴とする着色材料である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタである。
前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用い、かつ
前記乾燥工程で得られる前記着色材料内の膜厚分布が、前記遮光層の膜厚に対して90〜110%の範囲内であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記バインダー樹脂の質量平均分子量が、500〜10000であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記着色材料において、着色剤と、バインダー樹脂及び光重合モノマーとの固形分比率が、(着色剤):(バインダー樹脂及び光重合モノマー)として、質量比で1:4〜1:1であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記着色材料の粘度が、1〜20mPa・sの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法を実施するために使用される着色材料であって、前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用いることを特徴とする着色材料である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタである。
本発明では、予め形成されたBMの開口部にインクジェット方式により着色材料を吐出した後、着色材料に含まれる溶剤を蒸発させる乾燥工程(プレベーク工程)後の着色材料の膜厚分布を、BMの膜厚に対して90〜110%となるように着色層の膜厚を減少させている。このような割合で膜厚を減少させた場合、加熱工程(ポストベーク工程)後においても均一な膜厚の着色層が得られ、色ムラが発生することはない。さらに、着色材料中に光重合開始剤としてオキシムエステル系化合物を含むことから、硬化工程において、被膜の表面と内部の双方を十分に硬化させることができる。そして、この硬化後の着色材料は高い架橋密度を有しており、よってポストベーク工程後の着色層の収縮が殆ど考慮されず、BMと着色層における膜厚差も抑制でき、カラーフィルタとして平坦性に優れたものとなる。すなわち、色むらのない平坦性にすぐれたカラーフィルタを得ることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタを一実施形態に基づいて、図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を、側断面で工程順に示した概略図である。
まず、図1(a)に示すように、透明基板1上に隔壁を構成する光硬化性の遮光層2を形成する。
透明基板1は、カラーフィルタとしての透明性や、機械的強度の特性が満足するものであれば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフィン、及びポリアクリレート等のプラスチックシート及びプラスチックフィルムなどでも良いが、一般的にはガラス基板を用いる。
遮光層2は、光硬化性の感光性着色組成物を用いて透明基板1上に設けられる。感光性着色組成物は、黒色顔料、インク用バインダー樹脂、光開始剤、撥水剤等を溶剤に分散して構成されたものである。
この感光性着色組成物は、例えばバーコーター、ロールコーター、スピンコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布方法を用いて透明基板1上に塗布することが出来る。
感光性着色組成物に含まれる黒色顔料としては、有機黒色顔料、無機黒色顔料の一般的な顔料を用いることが出来る。例えば、有機顔料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、酸化チタン、鉄黒などを単体あるいは混合して用いるものである。
ここで、感光性着色組成物に含まれる撥水剤とは、BMの開口部への着色材料の充填時に、着色材料をはじき、隣接する画素への侵入を防止する役割を有するものである。撥水剤の材料は特には限定されないが、フッ素化合物や、ケイ素化合物が撥水性に優れるために好ましい。
また、撥水剤は過剰に含有させると、ブラックマトリクス形成工程の最終工程であるポストベーク工程(本硬化)の際に、蒸発し、ブラックマトリクス開口部に露出したガラス基板表面に薄く付着することで、インクを付与する際にガラス基板表面とインクとの濡れ性が悪くなり、開口部内にインクが均一に拡がらず、白抜けや色ムラが発生する。
撥水剤の具体的な例を挙げると、主鎖または側鎖に有機シリコーンやアルキルフルオロ基を有するもので、シロキサン成分を含むシリコーン樹脂やシリコーンゴム、この他にはフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等やこれらの共重合体等のフッ素樹脂などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
次に、図1(b)に示すように、フォトマスク3を介して光照射を行い、遮光層2をパターン状に硬化させ、現像等の処理を行うことにより、図1(c)に示すように、光遮蔽パターン4を有するブラックマトリクス(BM)基板を得ることができる。なお、図1(c)では、光遮蔽パターン4の厚さはT1である。
遮光層2の露光手段としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等のラジカル重合性化合物が反応する波長の光を放出するものを使用することができる。
光遮蔽パターン4の形成後、一般的な洗浄工程(水洗浄、エアー洗浄等)を行った後、任意に加熱(ポストベーク)を行うことが出来る。これにより、パターン化された樹脂層を十分に熱硬化することができ、且つBM表面から撥インク剤を溶出させる効果により、BM(隔壁)の撥インク性をより高くすることが出来る。加熱温度は、例えば120℃〜250℃であり、加熱時間は、3分〜60分程度である。
その後、図1(d)に示すように、インクジェット法により、複数色の着色材料を光遮蔽パターン4の開口部に吐出し、例えば赤色着色層5R、緑色着色層5G、及び青色着色層5Bを形成する。この場合、開口部への着色材料の吐出量は最適化する必要がある。
インクジェットに用いる装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があるが、ピエゾ変換方式の装置を用いることが望ましい。また。インクジェット装置のインクの粒子化周波数は5〜100kHz程度が望ましい。また、インクジェット装置のノズル径は、5〜80μm程度が望ましい。また、インクジェット装置はヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いるのが好ましい。
着色材料に使用する溶剤としては、インクジェット印刷における適性を考慮し、表面張力が35mN/m以下で、且つ、沸点が130℃以上のものが好ましい。表面張力が35mN/m以上であるとインクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼし、また、沸点が130℃以下であるとノズル近傍での乾燥性が著しく高くなり、その結果、ノズル詰まり等の不良発生を招く傾向となる。
具体的には、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、上記要件を満たす溶剤であれば好ましく用いることができ、また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して用いても構わない。
着色材料における着色剤としては、耐候性に優れるものを用いることが好ましい。具体的にはC.I.Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、208、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue15、15:6、16、22、29、60、64、C.I.Pigment Green 7、36、C.I.Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、C.I.Pigment Orange 36、C.I.Pigment Violet23等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種以上の材料を混合して用いることができる。
本発明に使用し得るバインダー樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ノボラック系樹脂等が挙げられる。
本発明における樹脂の一例となるアクリル系樹脂としては、単量体(モノマー)として(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等の重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのモノマーは、その1種単独で、または、2種以上を併用することもできる。さらに、これらアクリレートと共重合可能なスチレン、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−ブチルマレイミド、ラウリルマイレミド等の化合物を共重合させることも出来る。
また、アクリル系樹脂にエチレン性不飽和基を付加させることも出来る。アクリル系樹脂にエチレン性不飽和基を付加させる方法としては、グリシジルメタクリレート等のエポキシ含有樹脂にアクリル酸等のエチレン性不飽和基とカルボン酸含有化合物を付加する方法や、メタアクリル酸等のカルボン酸含有樹脂にグリシジルメタアクリレート等のエポキシ含有アクリレートを付加する方法、また、ヒドロキシメタアクリレート等の水酸基含有樹脂にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有アクリレートを付加する方法等があげられるが、これらの例に限定されるものではない。
本発明における樹脂の一例となるノボラック樹脂としては、フェノールノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂等があげられる。
また、バインダー樹脂の質量平均分子量は、500〜10000の範囲内であることが好ましく、さらに500〜8000の範囲内であることがより好ましい。バインダー樹脂の質量平均分子量が10000を超えると、着色材料の乾燥工程時にインキの流動性が不足し、パターン平坦性が劣ってしまう。また、バインダー樹脂の質量平均分子量が500未満では、カラーフィルタに要求される耐溶剤性、耐熱性などの物性を満足させることができない。
本発明に使用し得る光重合モノマーの例として、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらは、1種単独で、または、2種以上を併用することができる。
また、着色材料において、着色剤と、バインダー樹脂及び光重合モノマーとの固形分比率は、(着色剤):(バインダー樹脂及び光重合モノマー)として、質量比で1:4〜1:1であることが好ましい。バインダー樹脂及び光重合モノマーの割合が4を超えると、着色剤濃度が低く、必要な濃度を得るための着色層の厚みが厚く成り、作業性が悪くなり、バインダー樹脂及び光重合モノマーの割合を1未満にして着色剤の量を多くすると、着色材料の乾燥工程時にインキの流動性が不足し、パターン平坦性が劣ってしまう。
本発明における光重合開始剤はオキシムエステル化合物であるが、オキシムエステル化合物としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等が例示できる。
なお、これらオキシムエステル化合物に加えて、そのほかの光重合開始剤を添加することもできる。そのほかの光重合開始剤としては、アルキルフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物を例示できる。
なお、アルキルフェノン系化合物としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が例示できる。
なお、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。
また、ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が例示できる。
また、チオキサントン系化合物チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が例示できる。
また、トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が例示できる。
また、ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。
また、キノン系化合物としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等が例示できる。
なお、アルキルフェノン系化合物としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が例示できる。
なお、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。
また、ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が例示できる。
また、チオキサントン系化合物チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が例示できる。
また、トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が例示できる。
また、ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。
また、キノン系化合物としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等が例示できる。
着色材料の分散剤は、溶剤への着色剤の分散性を向上させるために用いることができる。分散剤として、イオン性、非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等があり、その他に有機顔料誘導体、ポリエステルなどが上げられる。分散剤は1種類を単独で使用しても良く、また、必要に応じて2種以上を混合して用いることも可能である。
着色材料の粘度としては、使用温度(例えば室温20℃)で1〜20mPa・sの範囲にあることが好ましく、さらにいえば、5〜15mPa・sの範囲にあるとさらに好ましい。着色材料の粘度が20mPa・sを超えると、インクジェット吐出時にインキが所定の位置に着弾しない不良や、ノズル詰りといった不良を招く傾向がある。一方、着色材料の粘度が1mPa・s未満である場合、インキを吐出する際に、インキが飛散するような状況を招く傾向がある。
次に、図1(e)に示すように、赤色着色層5R、緑色着色層5G、及び青色着色層5Bを形成した後、50〜150℃で1〜5分間加熱する(乾燥工程)。その結果、各着色層中の溶剤の蒸発により、着色層5R、5G,5Bの体積は減少し、図2に示すような膜厚分布(最小膜厚(T2)、最大膜厚(T3))を有する塗膜となる。なお本発明では、T1の膜厚に対するT2およびT3の膜厚の百分率をそれぞれ算出し、その百分率範囲を膜厚分布という。
このように着色層5R、5G、5Bの形成後、プレベーク工程(乾燥工程)により所定の膜厚まで減少させるのは、次のような理由による。
即ち、前述したように、インクジェット方式では、着色材料を高濃度にするとノズルが詰まるため、通常、低濃度にしてBM開口部に吐出しているが、溶剤分の多い着色材料は、吐出直後の膜厚がBMの膜厚以上になることから、そのまま急激に加熱すると、乾燥が進行してゆく際に同時にインキの硬化も進行するため、吐出直後にみられる凸形状が維持されてしまう。さらに溶剤が蒸発した後にはインキの粘度が大幅に上昇しているため、インキの流動は起こりえない。したがって、それ以降の加熱工程において形状が変化することはなく、乾燥工程において形成された形状が着色層の形状となる。
これに対し、本発明の製造方法では、インクジェット方式により膜厚T1のBMの開口部に着色材料を吐出した後、プレベークによる乾燥後に得られる膜厚分布を、膜厚T1に対して90〜110%となるように着色層の膜厚を減少させている。このような割合で膜厚を減少させた場合、加熱工程(ポストベーク工程)後においても均一な膜厚の着色層が得られ、色ムラが発生することはない。
膜厚分布が90%未満となる場合では、遮光部と着色部との膜厚差が大きく、カラーフィルタ表面の凹凸形状により液晶パネル作製工程での工程不良の要因となるため好ましくない。また、110%を超えるような膜厚を有する場合、加熱硬化後において画素形状が凸形状になることで膜厚に不均一が生じ、色むらが発生してしまう。
次に、プレベーク工程の後、着色材料を光重合させ、硬化させる。光重合は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ等を用いて紫外線や電子ビーム、X線等を照射により、着色材料中の光重合開始剤の光反応をおこし、着色材料中の光重合モノマーを重合することにより半硬化させる。光重合開始剤にあわせた露光ランプを用い、光重合モノマーを硬化させる必要があるが、高圧水銀ランプを用いて紫外線により光重合するのが一般的である。
また、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を使用するには、次のような理由による。
着色材料に含まれるバインダー成分は熱硬化性樹脂よりなるため、加熱工程を経ると硬化反応により、硬化収縮を起こす。一般的に加熱温度により、その硬化反応速度や割合は変化するが、カラーフィルタに要求される耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性、耐熱性などの物性を満足させるためには、一般的には高温での処理が必要となる。その場合、着色層の硬化収縮量は無視できない程変化するため、予め加熱処理が実施されている遮光層と着色層との間に膜厚差が生じてしまう。
そこで、加熱工程前に光重合により着色材料が高い架橋を有することができれば、加熱処理の際の高温での処理を必要とせず、また、仮に高温での加熱処理に対しても着色層の収縮が殆ど考慮されず、加熱工程時の着色層の硬化収縮がほとんど無視できる。
加熱工程としては、160℃〜240℃で、10分〜60分の条件で行うことが望ましい。加熱温度が低すぎる又は加熱時間が短すぎると、着色材料の硬化が進まず、カラーフィルタとしての耐熱性、耐薬品性等に問題があり、加熱温度が高すぎる又は加熱時間が長すぎると、着色剤が変色し、カラーフィルタとしての色純度が劣化する懸念がある。また、加熱する方法として、ホットプレート、熱風炉、遠赤外線炉などを用いることができる。
このようにして、図1(f)に示すように着色層を形成した後、図1(g)に示すように、表面に保護層6を形成して、カラーフィルタが完成する。
ここで、保護層6はカラーフィルタ表面の平滑性、耐候性を向上させるために設けるものである。保護層6は、カルボキシル基を有する化合物とエポキシ基を有する化合物を溶剤等に溶解したものをスピンコート法やダイコート法等の適切な塗工方法を用いてコーティングした後、加熱により架橋させて形成することができる。カルボキシル基を有する化合物としては、加熱により、エポキシ基と架橋反応を行うことができるカルボキシル基を有する化合物であればよい。ところで、カルボキシル基とエポキシ基は反応性が高いので、製造工程で問題が生じることがある。このため、前記カルボキシル基がアルキルビニルエーテルによりブロックされた化合物を用いることが望ましい。
カルボキシル基を有する化合物の具体例としては、1−イソプロポキシエチル(メタ)アクリレート、1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、1−t−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、1−(1−メチルヘキシロキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(1,1−ジメチルプロポキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−イソプロプキシエチル(メタ)アクリルアミド、1−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、1−t−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、1−(1−メチルヘキシロキシ)エチル(メタ)アクリルアミド、1−(1,1−ジメチルプロポキシ)エチル(メタ)アクリルアミド、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸−2,4−ビス(プロポキシエチル)−1−((メタ)アクリロキシエチル)エステル等の単量体もしくは共重合体が一例として挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルイタコネート、グリシジルフマレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単量体、あるいは共重合体などが一例として挙げられる。特にエポキシ基を有する化合物にアクリル樹脂を用いると、透明性、耐候性に優れた保護層を得ることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルイタコネート、グリシジルフマレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単量体、あるいは共重合体などが一例として挙げられる。特にエポキシ基を有する化合物にアクリル樹脂を用いると、透明性、耐候性に優れた保護層を得ることができる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
[BM用着色組成物の調製]
ポリイミド前駆体(東レ(株)製:「セミコファインSP−510」)10質量部、カーボンブラック7.5質量部、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)130質量部、分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」)5質量部、開始剤5質量部及び撥インク剤(ポリアルキルシロキサン)0.5質量部をビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散しブラックマトリクス用の着色組成物を調製した。
[BM用着色組成物の調製]
ポリイミド前駆体(東レ(株)製:「セミコファインSP−510」)10質量部、カーボンブラック7.5質量部、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)130質量部、分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」)5質量部、開始剤5質量部及び撥インク剤(ポリアルキルシロキサン)0.5質量部をビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散しブラックマトリクス用の着色組成物を調製した。
[BMパターンの形成]
調整されたブラックマトリクス用の着色組成物を、無アルカリガラス(品番1737:コーニング(株)製)上にスピンコート法により塗布した後、オーブンで90℃×20分プリベークを行った。次いで、所定のパターンのマスクを介して露光し、現像処理を行った後に、オーブンで230℃×1時間のポストベークを行い、ブラックマトリクスを形成した。形成されたブラックマトリクスは、開口幅170μm×520μmとなるセル状パターンであった。ここで、光遮蔽パターンの厚み(T1)即ちBM厚みは、2.0μmとした。
調整されたブラックマトリクス用の着色組成物を、無アルカリガラス(品番1737:コーニング(株)製)上にスピンコート法により塗布した後、オーブンで90℃×20分プリベークを行った。次いで、所定のパターンのマスクを介して露光し、現像処理を行った後に、オーブンで230℃×1時間のポストベークを行い、ブラックマトリクスを形成した。形成されたブラックマトリクスは、開口幅170μm×520μmとなるセル状パターンであった。ここで、光遮蔽パターンの厚み(T1)即ちBM厚みは、2.0μmとした。
[顔料分散液の作製]
次いで、着色材料を作製した。カラーフィルタの製造に用いる着色材料に含まれる着色する顔料には次のものを用いた。赤色(R)顔料として、C.I.Pigment Red254(「イルガフォーレッドB−CF」:チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)、緑色(G)顔料として(「リオノールグリーン 6YK」:東洋インキ製造(株)製)、青色(B)顔料として、C.I.Pigment Blue 15;6(「ヘリオゲンブルー」:BASF(株)製)を用い、表1に示す処方で、ビーズミル分散により十分混連錬し、赤色顔料分散液、緑色着色材料及び青色顔料分散液を作製した。表1に、各色の顔料分散液の組成を示す。
次いで、着色材料を作製した。カラーフィルタの製造に用いる着色材料に含まれる着色する顔料には次のものを用いた。赤色(R)顔料として、C.I.Pigment Red254(「イルガフォーレッドB−CF」:チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)、緑色(G)顔料として(「リオノールグリーン 6YK」:東洋インキ製造(株)製)、青色(B)顔料として、C.I.Pigment Blue 15;6(「ヘリオゲンブルー」:BASF(株)製)を用い、表1に示す処方で、ビーズミル分散により十分混連錬し、赤色顔料分散液、緑色着色材料及び青色顔料分散液を作製した。表1に、各色の顔料分散液の組成を示す。
[着色材料の作製]
このようにして得た顔料分散液(顔料分散ペースト)に、表2に示す処方で、バインダー樹脂、光重合モノマー、光重合開始剤、及び有機溶剤を加えて良く攪拌し、12種のカラーフィルタ用着色材料を(インクA〜L)を作製した。表2に、インクA〜Lの材料組成を示す。
このようにして得た顔料分散液(顔料分散ペースト)に、表2に示す処方で、バインダー樹脂、光重合モノマー、光重合開始剤、及び有機溶剤を加えて良く攪拌し、12種のカラーフィルタ用着色材料を(インクA〜L)を作製した。表2に、インクA〜Lの材料組成を示す。
このようにして調整された12種のカラーフィルタ用着色材料を(インクA〜L)を用いて、先に形成されたブラックマトリクス上頂部の、各着色インク(表面張力30mN/m)に対する接触角を測定したところ、40°であり、前記ブラックマトリクス上頂部が各着色材料に対して、撥インク性が有ることを確認した。
[カラーフィルタ基板の作製]
次いで、カラーフィルタの基板を作製した。ガラス基板上に形成されたブラックマトリクスの開口部に、12pl、180dpi(2.54cm当たり180ドット)ヘッド(セイコーインスツルメンツ(株)製)を搭載したインクジェット印刷装置を用いて、前記赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色の着色材料のインキAを、厚さ2.0μm厚みのBM隔壁に囲まれたパターン内に720pl(7.2×10−13m3 )充填した。その後、ホットプレートにて100℃×5分乾燥させて、プリベーク後の着色層を形成した。さらに、光重合による硬化工程を経て、オーブンで230℃×60分間ポストベークを行い、パターン状着色層を形成し、実施例1のカラーフィルタを得た。
次いで、カラーフィルタの基板を作製した。ガラス基板上に形成されたブラックマトリクスの開口部に、12pl、180dpi(2.54cm当たり180ドット)ヘッド(セイコーインスツルメンツ(株)製)を搭載したインクジェット印刷装置を用いて、前記赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色の着色材料のインキAを、厚さ2.0μm厚みのBM隔壁に囲まれたパターン内に720pl(7.2×10−13m3 )充填した。その後、ホットプレートにて100℃×5分乾燥させて、プリベーク後の着色層を形成した。さらに、光重合による硬化工程を経て、オーブンで230℃×60分間ポストベークを行い、パターン状着色層を形成し、実施例1のカラーフィルタを得た。
<実施例2〜3、比較例1〜33>
実施例1と同様にして、表3に示したインク、BM膜厚の組み合わせで、実施例2〜3、比較例1〜33のカラーフィルタを得た。
実施例1と同様にして、表3に示したインク、BM膜厚の組み合わせで、実施例2〜3、比較例1〜33のカラーフィルタを得た。
これらのカラーフィルタ試料について、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色の着色層の形状を観察し、プリベーク後の膜厚、ポストベーク後の膜厚、遮光層と着色層との段差(最大となる段差)即ちBMとの段差、および画素形状品質を評価した。それらの結果を表3に示す。
なお、画素形状の評価では、以下の通りとした。
・ 平坦:画素内の形状が平坦でかつ、画素中の最小膜厚部と最大膜厚部の色差ΔEab(自乗平均L* a* b* 色差)が3以下。
・ 凸形状:画素内の形状が凸形状でかつ、画素中の最小膜厚部と最大膜厚部の色差ΔEabが5以上。
・ 平坦:画素内の形状が平坦でかつ、画素中の最小膜厚部と最大膜厚部の色差ΔEab(自乗平均L* a* b* 色差)が3以下。
・ 凸形状:画素内の形状が凸形状でかつ、画素中の最小膜厚部と最大膜厚部の色差ΔEabが5以上。
<比較結果>
表3に示した結果から、以下のことが明らかである。即ち、比較例10〜21のようにプレベーク後の着色層の膜厚分布が110%を超える場合、画素形状が凸形状を有する。
表3に示した結果から、以下のことが明らかである。即ち、比較例10〜21のようにプレベーク後の着色層の膜厚分布が110%を超える場合、画素形状が凸形状を有する。
また、比較例22〜33のようにプレベーク後の着色層の着色層のプレベーク後の着色層の膜厚分布が90%未満の場合、画素形状が平坦であっても遮光層と着色層との段差が20%以上となり、画素内及びCF平坦性に対して、好ましくない。
これに対し、実施例1〜3の着色層の膜厚分布が90〜110%の範囲内にあり、かつ、光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を使用した場合には、いずれも着色層は良好な形状を示しており、かつ遮光層と着色層との段差も少なく、良好であった。
また、添加した分子量が大きいインクB、F、Jを使用した場合については、膜厚によらず、いずれも凸形状となり、画素内、及びCF平坦性に対して好ましくない。
また、(着色剤):(バインダー樹脂及び光重合モノマー)において、バインダー樹脂及び光重合モノマーの割合を1未満にして着色剤の量を多くしたインクC、G、Kについても同じく、膜厚によらず、いずれも凸形状となり、画素内、及びCF平坦性に対して好ましくない。
また、光重合開始剤オキシムエステル系化合物以外のものを使用したD,H、Lについては、光架橋による架橋反応が不足していることから、画素形状が平坦な条件の場合においても、加熱工程における収縮が起こり、遮光層と着色層との段差が20%以上となり、カラーフィルタの平坦性に対して好ましくない。
これに対して、添加した樹脂の分子量が500〜10000以内であり、かつ(着色剤):(バインダー樹脂及び光重合モノマー)が1:4〜1:1にあり、光重合開始剤がオキシムエステル系化合物を使用したインクA、E、Iについては画素形状が平坦性を有し、かつ遮光層と着色層との段差も少なく、良好であった。
1・・・透明基板
2・・・遮光層
3・・・フォトマスク
4・・・光遮蔽パターン
5R・・・赤色着色層
5G・・・緑色着色層
5B・・・青色着色層
6・・・保護層
2・・・遮光層
3・・・フォトマスク
4・・・光遮蔽パターン
5R・・・赤色着色層
5G・・・緑色着色層
5B・・・青色着色層
6・・・保護層
Claims (6)
- 少なくとも、透明基板上に所定のパターンよりなる遮光層を形成する工程と、前記遮光層の開口部に着色材料をインクジェット法により規定の配列となるように吐出する工程と、前記着色材料に含まれる溶剤を蒸発させる乾燥工程と、前記着色材料を光重合させて硬化する硬化工程と、前記硬化工程後の着色材料をさらに熱硬化し着色層を形成する加熱工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用い、かつ
前記乾燥工程で得られる前記着色材料内の膜厚分布が、前記遮光層の膜厚に対して90〜110%の範囲内であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記バインダー樹脂の質量平均分子量が、500〜10000であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色材料において、着色剤と、バインダー樹脂及び光重合モノマーとの固形分比率が、(着色剤):(バインダー樹脂及び光重合モノマー)として、質量比で1:4〜1:1であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色材料の粘度が、1〜20mPa・sの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法を実施するために使用される着色材料であって、前記着色材料が、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合モノマー、及び溶剤からなり、前記光重合開始剤として、オキシムエステル系化合物を用いることを特徴とする着色材料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
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JP2011196072A JP2013057806A (ja) | 2011-09-08 | 2011-09-08 | カラーフィルタの製造方法 |
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JP2014215379A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 凸版印刷株式会社 | カラーフィルタおよび液晶表示装置 |
-
2011
- 2011-09-08 JP JP2011196072A patent/JP2013057806A/ja not_active Withdrawn
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