JP3644243B2 - 感放射線性樹脂組成物、カラーフィルタおよび液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物、カラーフィルタ隔壁、カラーフィルタおよび液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、インクジェット記録技術を利用したカラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される隔壁を作成するためのネガ型レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物、上記隔壁、それを有するカラーフィルタおよび液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタを形成するには感放射線性組成物が使用されている。かかる組成物としては、高感度、基板との密着性、耐溶剤性等が要求されるため、一般にネガ型の感放射線性組成物が用いられている。
【0003】
このようなネガ型感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを形成する際にはまず、通常、透明基板上に蒸着されたクロム層をエッチングすることによりマトリックス状の遮光層を形成するか、あるいは樹脂を用いてブラックマトリックスの遮光層を形成する。次に、着色剤を分散したネガ型感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、フォトマスクを介して放射線を照射した後、現像して、放射線非照射部を現像液で溶解することにより、画素パターンを形成しており、前記着色剤としては、赤、緑および青の3原色が使用されている。
【0004】
しかしながら、上記の方法を用いて画素パターンを形成すると、各色毎に放射線の照射と現像の工程を行わなければならないため、3回のフォト工程を必要とし、手間とコストがかかる。これに伴い、低コストでカラーフィルタを提供できるインクジェット法が提案されている。これは、画素が構成される領域に赤、緑、青のインクを噴射塗布し硬化させて画素を形成する行う方法であり、あらかじめフォト工程で隔壁を形成し、その画素部にインクを吐出する方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、この方法では、各色領域の滲みや隣り合う領域間の混色等が起りうる。したがって、この隔壁を構成する材料には、着色剤の着色目的領域外への拡がりが抑制される特性が求められている。
さらに、このインクジェット法を用いて画素パターンを形成した場合、隔壁内に形成した画素の表面平滑性が十分ではなく、表示ムラが発生しやすいという問題がある。
【0006】
また、インクジェット法による反射型用の隔壁材としても使用できるようにするためには、可視光領域における透明性が必要になる。さらにクロムのマトリックスを形成する際のエッチング時のパターニングマスクとしても機能し、かつそのまま隔壁として利用できるようにするためには、密着性や耐薬品性が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルカリ性水溶液で現像でき、高感度であり、しかも、平坦性、耐熱性等の諸特性とともに、インクジェット法を用いて、インクの吐出を行う際の混色を容易に防止し、画素内の表面平滑性が優れたカラーフィルタを作製するための隔壁を与え得る感放射線性樹脂組成物を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、インクジェット法によりカラーフィルタを形成する際、遮光層上に隔壁を形成できるだけでなく、クロムによる遮光層形成の際のエッチング工程でパターニングマスクとして機能し、かつそのまま隔壁としても使用できるような耐薬品性、密着性に優れた隔壁を与え得るとともに、反射型のカラーフィルタの隔壁にも使用できるような可視光領域に於ける透明性に優れた隔壁を与え得る感放射線性樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、カラーフィルタ隔壁、それを有するカラーフィルタおよびそのカラーフィルタを備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、(A)、(a−1)ヘキサフルオロプロピレン、(a−2)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物および(a−3)上記(a−1)成分および(a−2)成分と共重合可能な不飽和化合物との含フッ素共重合体、
(B)、放射線の照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、
(C)、架橋性化合物、
(D)、(A)成分以外の含フッ素有機化合物並びに
(E)、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を溶解している有機溶媒からなることを特徴とする、カラーフィルタ隔壁形成用感放射線性樹脂組成物によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の上記感放射線性樹脂組成物の硬化物からなるカラーフィルタ隔壁により達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、本発明の上記隔壁を有するカラーフィルタによって達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第4に、本発明の上記カラーフィルタを備えた液晶表示装置によって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物について具体的に説明する。
【0011】
<(A)成分>
(A)成分として用いられる重合体は、
(a−1)ヘキサフルオロプロピレンと、
(a−2)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と、
(a−3)上記(a−1)成分および(a−2)成分と共重合可能な不飽和化合物との含フッ素共重合体である。
【0012】
かかる重合体を構成する(a−2)成分の不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物としては、例えばクロトン酸、マレイン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、イタコン酸などの不飽和モノ−またはジ−カルボン酸;
(メタ)アクリロイルオキシ酢酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタン酸などのヒドロキシ脂肪酸の(メタ)アクリレート;
4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシフタル酸、3−(メタ)アクリロイルオキシフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシイソフタル酸、5−(メタ)アクリロイルオキシイソフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシテレフタル酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸の(メタ)アクリレート;
コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、イソフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、テレフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、テトラヒドロフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、テトラヒドロイソフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、テトラヒドロテレフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ)エチルなどのジカルボン酸のモノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル;
イタコン酸のモノメチル、モノエチル、モノプロピル、モノ−i−プロピル、モノブチル、モノ−sec−ブチル、モノ−tert−ブチルなどの不飽和カルボン酸の、カルボキシル基を有するモノアルキルエステル;
【0013】
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ムコン酸、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、メチル−5−ノルボルネン2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロ無水フタル酸などの不飽和酸カルボン酸の酸無水物;
などが挙げられる。これらのカルボキシル基含有単量体は単独でも2種以上の併用してもよい。
【0014】
上記(a−1)成分および(a−2)成分と共重合可能な(a−3)成分である不飽和化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどの水酸基含有ビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどの水酸基含有アリルエーテル;アリルアルコール;
【0015】
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル;
【0016】
パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)もしくはパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル);あるいは式 CH2=CH−O−Rf(Rfはフッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコキシアルキル基を示す)で表される(フルオロアルキル)ビニルエーテルもしくは(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル;
【0017】
フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフィン;
【0018】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;
エチレン、プロピレン、イソブテンなどのα-オレフィン;
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル;
【0019】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;
【0020】
グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;
アリルグリシジルエーテル、2−ビニルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等のエポキシ基含有不飽和脂肪族化合物;
ビニルグリシジルエーテル、2−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−2−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−4−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等のグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらの単量体は単独でも2種以上併用してもよい。
【0021】
かかる共重合可能な単量体のうち、本発明における含フッ素共重合体の収率を高める点から、フッ素原子を含まない単量体としてはアルキルビニルエーテル、シクロアルキルビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステルが好適に使用される。なかでも含フッ素共重合体のフッ素含量を高める点で、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの低分子量単量体が特に好ましい。さらにはヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル、パーフルオロアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテルとを併用することも好適である。また、含フッ素共重合体の高硬度化には、例えばイソプロピルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ピバリン酸ビニルなどの分岐状単量体の使用が有効である。
【0022】
本発明における含フッ素共重合体を構成する各単量体の比率としては、ヘキサフルオロプロピレンが好ましくは20〜70重量%、より好ましくは25〜55重量%、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物が好ましくは1〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%、他の共重合可能な単量体が好ましくは10〜70重量%である。この場合、ヘキサフルオロプロピレンが53重量%未満となる場合にはフッ素含量を高めるべく、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)あるいはパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)のようなヘキサフルオロプロピレン以外の他の含フッ素単量体を共重合することが望ましい。また、含フッ素共重合体における全フッ素含量は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上である。不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物の構造単位の割合が1重量%未満の場合には、重合体のアルカリ溶解度が低下し、しかも、十分な架橋密度が得難く、感度や残膜率が低下する場合がある。
【0023】
含フッ素重合体は、通常、前記(a−1)、(a−2)および(a−3)の特定単量体、または特定単量体と共重合性単量体とを、重合溶媒中でラジカル重合することにより製造される。また、必要に応じて、特定単量体および共重合性単量体の官能基を保護した状態でこれらを重合し、その後、脱保護処理を行ってもよい。
【0024】
含フッ素共重合体を製造するために用いられる重合溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系非プロトン性極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル等のエステル;3−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシエステル;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等の(ジ)グリコールジアルキルエステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ジ)グリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート等のグリコールモノアルキルエーテルエステル;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトンを挙げることができる。これらの重合溶媒は単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
重合溶媒と反応原料との割合は特に限定されないが、通常、反応原料100重量部に対して重合溶媒20〜1,000重量部である。
【0026】
ラジカル重合のための重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1−ビス−(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物または過酸化水素を挙げることができる。過酸化物を重合開始剤として使用する場合には、これと還元剤とを組み合わせてレドックス系重合開始剤として使用してもよい。
【0027】
含フッ素共重合体は、そのポリスチレン換算数平均分子量が、通常、1,000〜200,000、好ましくは2,000〜70,000のものである。ポリスチレン換算数平均分子量が1,000未満の含フッ素共重合体を用いる場合には、得られるパターンの形状が不良なものとなったり、パターンの残膜率が低下したり、パターンの耐熱性が低下したりする場合がある。一方、ポリスチレン換算数平均分子量が200,000を超える含フッ素共重合体を用いる場合には、感放射線性樹脂組成物の塗布性が不良となったり、現像性が低下したり、また、得られるパターンの形状が不良となったりする場合がある。
【0028】
<(B)成分>
(B)成分である放射線の照射を受けて酸を発生する酸発生化合物としては、例えばトリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等を用いることができる。
【0029】
上記トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、例えばトリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0030】
上記ジアリールヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
【0031】
上記トリアリールスルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
【0032】
これらの化合物のうち、トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジンまたは2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン;
ジアリールヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートまたは4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート;
トリアリールスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナートまたは4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテートをそれぞれ好ましいものとして挙げることができる。
【0033】
(B)成分の使用割合は、(A)成分100重量部に対して、0.001〜30重量部、特に、0.01〜10重量部であることが好ましい。
(B)成分の使用割合が(A)成分100重量部に対して0.001重量部未満の場合には、放射線の照射を受けて発生する酸の量が少ないため、(A)成分の分子の架橋が十分に進まず、現像処理後における残膜率、得られるパターンの耐熱性、耐薬品性、基板との密着性等が低下する場合がある。一方、(B)成分の使用割合が(A)成分100重量部に対して30重量部を超える場合には、当該組成物は、感度の低いものとなりやすい。
【0034】
<(C)成分>
(C)成分である架橋性化合物は、前記(B)より発生した酸の作用により架橋されうる基(以下「架橋基」という)を少なくとも1つ有する化合物である。
この架橋基としては、例えばアミノ基、アルコキシアルキル基、エポキシ基が好ましい基として挙げられる。アルコキシアルキル基としては、アルコキシメチル基がさらに好ましい。
アミノ基または/およびアルコキシアルキル基を少なくとも1つ含有する化合物の具体例としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、尿素樹脂、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、アルコキシメチル化尿素樹脂等を挙げることができる。
【0035】
上記アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂およびアルコキシメチル化尿素樹脂は、それぞれメチロール化メラミン樹脂、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化グリコールウリル樹脂およびメチロール化尿素樹脂のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基等を挙げることができる。
【0036】
これらの樹脂のうち、アルコキシメチル化メラミン樹脂およびアルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂が好ましい架橋性化合物として挙げられる。
また、市販品としては、サイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30(以上、三和ケミカル(株)製)等の商品名で市販されているものを好ましく使用することができる。
【0037】
エポキシ基を少なくとも1つ含有する化合物としては、エポキシ基を分子内に2個以上含有する化合物が好ましい。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0038】
これらの市販品を示せば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等を、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート152、同154(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等を、環式脂肪族エポキシ樹脂としては、CY175、CY177、CY179(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、ERL−4234、ERL−4299、ERL−4221、ERL−4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ工業(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等を、脂肪族ポリグリシジルエーテルとしては、エポライト100MF(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等を挙げることができる。
【0039】
これらのうち好ましいものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0040】
以上例示した化合物の大部分は高分子量体であるが、この化合物の分子量は、特に制限されるものではなく、例えばビスフェノールAまたはビスフェノールFのグリシジルエーテル等の低分子量体等を使用することもできる。
これらの架橋性化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
(C)成分の使用割合は、(A)成分100重量部に対して1〜100重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましい。
(C)成分の使用割合が(A)成分100重量部に対して1重量部未満の場合には、系の架橋が不十分となるため、パターンを形成すること自体が困難となる場合がある。一方、(C)成分の使用割合が(A)成分100重量部に対して100重量部を超える場合には、当該組成物全体のアルカリ溶解性が過大となって、現像処理後における残膜率が低下する方向となる。
【0042】
<(D)成分>
(D)成分である含フッ素有機化合物は、得られた隔壁と、カラーフィルタの形成に用いられるインクとの接触角を調整する目的で用いられる。これらの化合物の分子量は特に制限されず、低分子量の化合物でも、高分子量体であってもよい。
具体例としては、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルアルキレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基と親水基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親油基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親水基と新油基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキルと親水基を含むウレタン、パーフルオロアルキルエステル、パーフルオロアルキル燐酸エステル等のフッ素含有有機化合物を挙げることができる。これらの市販品としては、メガファックF116、同F120、同F142D、同F144D、同F150、同F160、同F171、同F172、同F173、同F177、同F178A、同F178K、同F179、同F183、同F184、同F191、同F812、同F815、同F824、同F833、DEFENSA MCF300、同MCF310、同MCF312、同MCF323(以上、大日本インキ工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(以上、旭硝子(株)製)等の商品名で市販されている含フッ素有機化合物を使用することができる。
これらの含フッ素有機化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
本発明における(D)成分の使用割合は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.001〜11重量部以下、より好ましくは0.01〜9重量部である。(D)成分の使用割合が(A)成分100重量部に対して0.001重量部未満の場合には、カラーフィルタ用着色剤に使用されているインクと本発明の組成物との間の接触角が小さくなり、インクが着色領域外へ拡がりやすくなる。一方、(D)成分の使用割合が(A)成分100重量部に対して11重量部を超える場合には、得られる感放射線性樹脂組成物の感度低下、あるいは溶解性過剰により、現像処理後における残膜率が低下する場合がある。(D)成分を(A)成分に対して0.01〜9重量部含有させると、得られる隔壁とカラーフィルタを形成するインクとの接触角が20〜60度と好ましい値となり、着色目的領域外へのインクの拡がりがなく、画素内の表面平滑性にも優れたカラーフィルタを得ることができる。
【0044】
<(E)成分>
上記組成物溶液を調製するための溶剤としては、前述の含フッ素共重合体を製造するために用いられる重合溶媒として例示したものと同様のものを用いることができる。さらに、必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテタート、カルビトールアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。
【0045】
<その他の成分>
本発明の感放射線性樹脂組成物には、増感剤が含有されていてもよい。増感剤としては、例えば3−位および/または7−位に置換基を有するクマリン類、フラボン類、ジベンザルアセトン類、ジベンザルシクロヘキサン類、カルコン類、キサンテン類、チオキサンテン類、ポルフィリン類、フタロシアニン類、アクリジン類、アントラセン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類等を用いることができる。
増感剤の使用割合は、(A)成分100重量部に対して、30重量部以下、好ましくは0.1〜20重量部以下である。
【0046】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物においては、塗布性の改善(例えばストリエーションの防止)や現像性の改良を行うために、フッ素系以外の界面活性剤も添加することができる。
フッ素系以外の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステルの如きノニオン系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.57、95(共栄油脂化学工業(株)製)等の商品名で市販されているその他の界面活性剤を用いることができる。
【0047】
これらフッ素系以外の界面活性剤の使用割合は、組成物中における固形分100重量部に対して、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
【0048】
さらに、本発明の感放射線性樹脂組成物においては、基板との密着性を改良するために、シランカップリング剤等の接着助剤を添加することができ、また耐熱性を改良することを目的として多価アクリレート等の不飽和化合物などを添加することもできる。
更に、本発明の感放射線性樹脂組成物においては、必要に応じて、帯電防止剤、保存安定剤、ハレーション防止剤、消泡剤、顔料、熱酸発生剤等を添加することもできる。
【0049】
<インクと隔壁との接触角>
インクジェット法により、着色剤であるインクの着色目的領域外への拡がりがないカラーフィルタを得るためには、使用するインクと感放射線性樹脂組成物によって形成される隔壁表面(インクが付着する面)との間の濡れ性を調整することが好ましい。
【0050】
インクと隔壁との間の接触角(インクが基板表面に接触した直後、1分以内に測定される値)は、好ましくは20〜60度、特に好ましくは40〜55度である。接触角が20度より小さいと、隔壁内のインクは隔壁と濡れ性が良すぎるため、インクと隔壁の界面部分でインクが盛り上がったり、隔壁を乗り越えて着色目的領域外へ拡がってしまう場合がある。一方、接触角が60度より大きいと、隔壁内のインクは隔壁と濡れ性が悪く、隔壁とインクの界面に色抜けが起きたり、インクの中央が盛り上がることによって色ムラが起きてしまう場合がある。
【0051】
<隔壁の形成>
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いることにより、例えば次のようにして隔壁を形成することができる。
先ず、感放射線性樹脂組成物を、例えばその固形分の濃度が5〜60重量%となるように溶剤に溶解し、これを孔径0.2〜10μm程度のフィルターで濾過することにより組成物溶液を調製する。
そして、この組成物溶液をガラスウェハー等の基板の表面に塗布し、プリベークを行うことにより溶剤を除去して感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する。次いで、形成された塗膜に対して放射線照射処理を行った後、PEB処理を行う。その後、現像処理を行って放射線未照射部分を除去することにより隔壁が形成される。
【0052】
組成物溶液を基板に塗布する方法としては、回転塗布法、流し塗布法、ロール塗布法等の各種の方法を採用することができる。
プリベークの条件は、例えば加熱温度が50〜150℃、加熱時間が30秒間〜600秒間である。
放射線照射処理に使用される放射線としては、波長365nmのi線、436nmのg線等の紫外線、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線が挙げられる。
【0053】
現像処理に用いられる現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−5−ノナン等が単独でまたは2種類以上溶解されてなるアルカリ水溶液を用いることができる。また、このアルカリ水溶液に、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤が適量添加されてなるものを使用することもできる。
現像処理時間は、例えば10〜300秒間であり、現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法等を利用することができる。
【0054】
現像処理後に、流水洗浄によるリンス処理を行い、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾し、必要に応じて例えば紫外線を該薄膜の表面に照射した後、ホットプレート、オーブン等の加熱装置によりポストベークを行う。ポストベークの条件は、通常、例えば150〜250℃の温度で3分〜2時間でよい。このようにして硬化した隔壁が基板の上に形成される。こうして得られる隔壁の薄膜は、高解像度、平坦度、耐熱性、透明度、硬度等の物性に優れている。
さらに、この基板の画素が構成される領域に赤、緑、青のインク(例えば、JSR製:オプトマーCR3010R)をインクジェット法によって噴射塗布し、着色された該樹脂層を熱処理により硬化させることによりカラーフィルタが得られる。
噴射塗布したインクと、隔壁との接触角が20〜60度である本発明の感放射線性樹脂組成物を用いれば、着色剤であるインクの着色目的外への拡がりがなく、しかも得られたカラーフィルタは、画素内の表面平滑性にも優れている。接触角の測定方法としては市販されているゴニオメーター等を利用することにより直接測定することが可能である。
【0055】
以上のことから、本発明の感放射線性樹脂組成物は、インクジェット記録技術を利用したカラー液晶表示装置、およびカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される隔壁材に有用である。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、以下において、重合体のポリスチレン換算数平均分子量は、昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−21を用い、キャリア溶媒をテトラヒドロフラン(THF)とし、流速1ml/minで40℃条件下にて測定した。
【0057】
〔含フッ素共重合体の合成例〕
合成例1
内容積0.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル270g、エチルビニルエーテル(EVE)22.5g、クロトン酸(CA)40.3gおよび過酸化ラウロイル5.4gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。次いでヘキサフルオロプロピレン(HFP)117gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は8.3kgf/cm2を示した。その後、70℃で12時間攪拌下に反応を継続し、圧力が7.kgf/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放、固形分濃度16.8%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を水に投入しポリマーを析出させた後、n−ヘキサンにて再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い80gの含フッ素共重合体を得た(以下、この樹脂を「樹脂(1)」と称する)。
得られた樹脂(1)を昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−2でポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、2,800であった。
【0058】
合成例2
内容積0.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EDM)270g、エチルビニルエーテル(EVE)10.7g、クロトン酸(CA)47.4g、ヘプタデカフルオロノナン酸ビニル42.63g、および過酸化ラウロイル5.4gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。次いでヘキサフルオロプロピレン(HFP)118gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は8.5kgf/cm2を示した。その後、70℃で12時間攪拌下に反応を継続し、圧力が8.1kgf/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放、固形分濃度16.0%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を水に投入しポリマーを析出させた後、n−ヘキサンにて再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い80gの含フッ素共重合体を得た(以下、この樹脂を「樹脂(2)」と称する)。
得られた樹脂(2)を昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−21でポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、1,800であった。
【0059】
合成例3
内容積0.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル270g、エチルビニルエーテル(EVE)16.3g、クロトン酸(CA)40.3g、ヘプタフルオロブチルビニルエーテル19.7g、および過酸化ラウロイル5.4gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。次いでヘキサフルオロプロピレン(HFP)117gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は8.2kgf/cm2を示した。その後、70℃で12時間攪拌下に反応を継続し、圧力が7.5kgf/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放、固形分濃度16.0%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を水に投入しポリマーを析出させた後、n−ヘキサンにて再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い80gの含フッ素共重合体を得た(以下、この樹脂を「樹脂(3)」と称する)。
得られた樹脂(3)を昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−21でポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、1,900であった。
【0060】
合成例4
内容積0.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル270g、エチルビニルエーテル(EVE)17.0g、クロトン酸(CA)47.4gおよび過酸化ラウロイル5.4gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。次いでヘキサフルオロプロピレン(HFP)118gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は8.5kgf/cm2を示した。その後、70℃で12時間攪拌下に反応を継続し、圧力が8.0kgf/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。 室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放、固形分濃度16.2%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を水に投入しポリマーを析出させた後、n−ヘキサンにて再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い80gの含フッ素共重合体を得た(以下、この樹脂を「樹脂(4)」と称する)。 得られた樹脂(4)を昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−21でポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、2,000であった。
【0061】
合成例5
内容積0.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル270g、エチルビニルエーテル(EVE)34.2g、クロトン酸(CA)27.2gおよび過酸化ラウロイル5.4gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。次いでヘキサフルオロプロピレン(HFP)119gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は7.6kgf/cm2を示した。その後、70℃で12時間攪拌下に反応を継続し、圧力が6.3kgf/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放、固形分濃度19.6重量%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を水に投入しポリマーを析出させた後、n−ヘキサンにて再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い80gの含フッ素共重合体を得た(以下、この樹脂を「樹脂(5)」と称する)。
得られた樹脂(5)を昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−21でポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、8,400であった。
【0062】
実施例1
(A)成分として、樹脂(3)を100重量部、(B)成分として2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン5重量部、(C)成分としてヘキサメトキシメチロールメラミン樹脂である「サイメル300」20重量部、および(D)成分としてメガファックF172(大日本インキ工業(株)製;パーフルオロアルキル基と親油性基含有オリゴマー)6重量部を、全体の固形分濃度が40%になるように(E)成分であるジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、本発明の感放射線性樹脂組成物を溶液として調製した。
【0063】
<マトリックス状隔壁を形成したガラス基板の形成>
ガラス基板上にスピンナーを用いて、組成物溶液1を塗布した後、110℃で2分間ホットプレート上でプリベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。
【0064】
得られた塗膜に、NSR1505i6A縮小投影露光機((株)ニコン製、NA=0.45,λ=365nm)により最適焦点深度で紫外線照射処理を行った後、ホットプレート上で110℃で2分間PEB処理を行った。次いで、0.5重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、25℃で1分間現像処理を行い、水で洗浄して乾燥することにより、隔壁を形成した。
【0065】
この隔壁が形成されたガラス基板をホットプレート上で200℃で1時間加熱することにより、隔壁のポストベークを行い、マトリックス状隔壁を形成したガラス基板を得た。
【0066】
<放射線感応性の評価>
紫外線照射時に照射時間を変えて、PEB処理および現像を行い、5.0μm×5.0μm以下の大きさの解像度で、しかもその時の感度が30mJ/cm2 以下でパターニングが可能な放射線感応性を○とし、50mJ/cm2 以下でパターニングが可能な放射線感応性を△とし、上記解像度および50mJ/cm2 以下の感度のいずれか、または両者がこの基準に達しない放射線感応性を×とした。結果を表1に示す。
【0067】
<耐熱寸法安定性の評価>
マトリックス状隔壁を形成したガラス基板を200℃のオーブンを用いて1時間加熱した後、隔壁の膜厚変化を測定した。加熱後の膜厚が、加熱前の膜厚の95%を超える場合を○、90〜95%の範囲にある場合を△、90%未満の場合を×とした。結果を表1に示す。
【0068】
<透明性の評価>
上記と同様にしてマトリックス状隔壁を形成したガラス基板を得た。
次いで、得られたガラス基板の透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム(日立製作所製)」を用いて400〜800nmの波長で測定した。このとき最低透過率が95%を超える場合を○、90〜95%の範囲にある場合を△、90%未満の場合を×とした。結果を表1に示す。
【0069】
<耐薬品性の評価>
マトリックス状隔壁を形成したガラス基板を30℃の硝酸第二セリウムアンモニウム+過塩素酸混合水溶液中に15分間浸せきし、膜厚変化を測定し、10%以下の膜厚変化を○、10%以上の膜厚変化を△、膨潤が大きく、基板から剥がれてしまう状態を×とした。結果を表1に示す。
【0070】
<接触角の評価>
紫外線照射処理を全面にほどこして作成したマトリックス状隔壁を形成したガラス基板に、インク(JSR製;オプトマーCR3010R)を10μl程度滴下し、接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0071】
<画素表面均一性の評価>
マトリックス状隔壁を形成したガラス基板にインクジェット法によりインク(JSR製;オプトマーCR3010R)を滴下し、220℃のオーブンを用いて30分加熱した後、画素内の膜厚を測定し、膜厚のバラツキが2%未満の場合を◎、2%以上3%未満の範囲にある場合を○、3%以上5%未満の範囲にある場合△、5%以上の場合を×とした。結果を表1に示す。
【0072】
実施例2
(A)成分として樹脂(1)を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の感放射線性樹脂組成物の調製、隔壁の形成および評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0073】
実施例3
(A)成分として樹脂(4)を用い、(D)成分として、メガファックF177(大日本インキ工業(株)製;パーフルオロアルキル基と親水性基・親油性基含有オリゴマー)3重量部を溶解させた以外は実施例1と同様にして、本発明の感放射線性樹脂組成物の調製、隔壁の形成および評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0074】
実施例4
(A)成分として樹脂(5)を用い、(D)成分として、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(メガファックF178K;大日本インキ工業(株)製)3重量部を溶解させた以外は実施例1と同様にして、本発明の感放射線性樹脂組成物の調製、隔壁の形成および評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0075】
実施例5
(A)成分として樹脂(4)を用い、(D)成分として、DEFENSA MCF310(大日本インキ工業(株)製;非イオン性フッ素系表面保護剤)3重量部を溶解させた以外は実施例1と同様にして、本発明の感放射線性樹脂組成物の調製、隔壁の形成および評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0076】
比較例1
(A)成分として樹脂(1)を用い、(D)成分を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較用の感放射線性樹脂組成物の調製、隔壁の形成および評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0077】
比較例2
(A)成分として樹脂(2)を用い、(D)成分として、メガファックF172(大日本インキ工業(株)製;パーフルオロアルキル基と親油性基含有オリゴマー)9重量部を溶解させた以外は比較例1と同様にして、比較用の感放射線性樹脂組成物の調製、隔壁の形成および評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、アルカリ性水溶液で現像でき、高解像度、高感度であり、しかも、耐熱性、耐薬品性、透明性等の諸特性とともに、インクジェット記録技術を利用したカラーフィルタ製造において、着色剤であるインクの着色目的領域外への拡がりがなく、画素内の表面平滑性に優れたインクの噴射塗布ができる隔壁を容易に形成することができる。
Claims (3)
- (A)、(a−1)ヘキサフルオロプロピレン、(a−2)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物および(a−3)上記(a−1)成分および(a−2)成分と共重合可能な不飽和化合物との含フッ素共重合体、
(B)、放射線の照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、
(C)、架橋性化合物、
(D)、(A)成分以外の含フッ素有機化合物並びに
(E)、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を溶解している有機溶媒からなることを特徴とする、カラーフィルタ隔壁形成用感放射線性樹脂組成物。 - 含フッ素共重合体(A)において、ヘキサフルオロプロピレン(a−1)が20〜70重量%であり、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(a−2)が1〜40重量%でありそして上記共重合可能な不飽和化合物(a−3)が10〜70重量%である、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 含フッ素共重合体(A)100重量部当り、酸発生化合物(B)が0 . 001〜30重量部であり、架橋性化合物(C)が1〜100重量部でありそして含フッ素有機化合物(D)が0 . 001〜11重量部である、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
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