JP3937890B2 - インクジェット方式カラーフィルタ用隔壁とその形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置やカラー撮像管素子等に用いられるインクジェット方式カラーフィルタに使用される隔壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置やカラー撮像管に用いられるカラーフィルタは、一般に、感放射線性樹脂から形成した塗膜に所定のパターンマスクを介して放射線を露光して露光部を硬化させ、その後現像処理を行うことにより未露光部を除去してパターンを形成したのち、染色する方法や、予め赤色、青色または緑色の着色剤を混合した感放射線性性樹脂組成物を順次用いて、前記と同様に、塗膜の形成、露光および現像処理を行うフォトリソグラフィー法により製造されている。しかし、これらの方法は、画素の形成工程が煩雑で、コストも高いなどの欠点を有している。
そして、このような欠点を改善すべく、近年、インクジェット方式によりカラーフィルタを形成する技術が検討されている。
例えば、特開平5−72325号公報には、予め所定パターンの隔壁を形成した基板上に、インクジェット方式によりインクを塗出させ乾燥して、隔壁で区画された領域に画素を形成したのち、画素表面に透明樹脂からなる保護膜を形成するカラーフィルタの形成方法が、また特開昭59−75205号公報には、同様に隔壁を形成した基板上に、着色剤を含有する硬化性樹脂組成物をインクジェット方式により塗出させたのち、硬化するカラーフィルタの形成方法が、それぞれ開示されている。
【0003】
しかし、これらの方法により形成されたカラーフィルタは、画素の表面平滑性や画素間の膜厚の均一性が不十分であり、画素欠陥が生じる場合があるなど、製品の歩留まり上問題があった。そして、このような問題は、インクジェット方式によりカラーフィルタを形成する際に従来から使用されている隔壁を用いる場合にある確率で生じることが避けられず、カラーフィルタの形成プロセスやインク材料などの改善を試みても十分解決できないものであった。
また、従来のインクジェット方式によるカラーフィルタの形成方法では、基板上にクロムでブラックマトリックス相当の遮光部を形成し、次いでその上に透明な隔壁を形成して、カラーフィルタの形成に供していた。
しかし、このような遮光部および隔壁の形成工程を経る方法では、コストが高くなり、また特に反射型カラーフィルタの場合には、隔壁自体が透明であるため、入射光が遮光部で反射され、コントラストが下がるという欠点があった。
そこで、このような問題および欠点を解決しうる隔壁の開発が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、カラーフィルタをインクジェット方式により形成する際に用いられ、表面平滑性および膜厚の均一性に優れた画素をもたらすことができ、また低コストで、かつコントラストの低下を招くおそれのないインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、隔壁の高さ方向にインクジェット方式カラーフィルタ用インクとの接触角が異なる少なくとも2つの領域を有し、最も低い接触角を有する領域が、(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂および(C)多官能性モノマーを含有し、かつ(B)アルカリ可溶性樹脂が(b1)アクリル酸および/またはメタクリル酸を必須成分とし、場合により、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートおよびω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートの群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含有するカルボキシル基含有不飽和単量体成分と、(b2)スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンの重合体分子鎖末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチル(メタ)アクリレートの重合体分子鎖末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種との共重合体である第1の隔壁形成用組成物(以下、「隔壁形成用組成物(I)」という。)から形成され、最も高い接触角を有する領域が、(E)(e−1)ヘキサフルオロプロピレンと、(e−2)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と、(e−3)上記(e−1)成分および(e−2)成分と共重合可能な他の不飽和化合物との共重合体、(F)架橋性化合物、(G)光酸発生剤、並びに(H)(E)成分以外のフッ素含有有機化合物を含有する第2の隔壁形成用組成物(以下、「隔壁形成用組成物( II )」という。)から形成されてなり、最も高い接触角を有する領域が最も低い接触角を有する領域の上部に位置することを特徴とするインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁、によって達成される。
【0006】
インクジェット方式カラーフィルタ用隔壁
本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁は、隔壁の高さ方向にインクジェット方式カラーフィルタ用インクとの接触角が異なる少なくとも2つの領域を有し、最も高い接触角を有する領域が最も低い接触角を有する領域の上部に位置するものであるが、各領域のインクジェット方式カラーフィルタ用インクとの接触角(以下、単に「接触角」という。)は、最も低い接触角を有する領域において、好ましくは40度未満、さらに好ましくは5〜30度であり、最も高い接触角を有する領域において、好ましくは40度以上、さらに好ましくは40〜70度である。
本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁は、場合により、最も低い接触角を有する領域を2つ以上有することができ、また最も高い接触角を有する領域を2つ以上有することができる。
【0007】
本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁における各領域の合計高さは、最も低い接触角を有する領域が、通常、0.5〜4.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmであり、最も高い接触角を有する領域が、通常、0.5〜4.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmである。最も低い接触角を有する領域の合計高さと最も高い接触角を有する領域の合計高さとの比は、通常、1:4〜4:1、好ましくは1:2〜2:1である。
【0008】
また、本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁は、光学密度(OD値)が、1.0以上、好ましくは1.5〜3.0であることが望ましい。このような光学密度(OD値)を有することにより、十分な遮光性を発現することができる。
【0009】
このような本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁は、低コストであり、かつコントラストの低下を招くおそれがなく、また当該隔壁を使用することにより、カラーフィルタをインクジェット方式にて形成する際に、表面平滑性および膜厚の均一性に優れた画素を得ることができ、画素電極の誤作動を起こすことのない液晶表示素子を得ることができる。
【0010】
インクジェット方式カラーフィルタ用隔壁の形成方法
本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁を形成する方法は、当該隔壁が前記特性を有する限り特に限定されないが、好ましい方法としては、少なくとも下記(イ)〜(ニ)の工程を経る方法を挙げることができる。
(イ) 基板上に、隔壁1成用組成物(I)の塗膜を形成する工程。
(ロ) 上記(イ)の塗膜上に、隔壁形成用組成物 II の塗膜を形成する工程。
(ハ) 上記(イ)および(ロ)の工程により得られた塗膜の少なくとも一部に放射線を照射して硬化させる工程。
(ニ) 放射線を照射された各塗膜を現像する工程。
以下、この方法に使用される各隔壁形成用組成物およびこの方法のプロセスについて順次説明する。
【0011】
隔壁形成用組成物(I)
以下、隔壁形成用組成物(I)を構成する各成分について説明する。
【0012】
−(A)着色剤−
本発明における着色剤は、カラーフィルタの用途に応じて適宜選定することができるが、黒色の塗膜を形成する着色剤(以下、「黒色着色剤」という。)が好ましい。
黒色着色剤は、カラーフィルタの用途に応じて適宜選定することができるが、発色性が高くかつ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましい。
前記顔料は、無機顔料でも有機顔料でもよく、また1種類の顔料でも2種類以上の顔料を混合したものでもよいが、本発明における黒色着色剤としては、特に、カーボンブラックおよび/または2種以上の有機顔料の組み合せが好ましい。
【0013】
前記カーボンブラックとしては、例えば、SAF、SAF−HS、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、HAF、HAF−LS、HAF−HS、NAF、FEF、FEF−HS、SRF、SRF−LM、SRF−LS、GPF、ECF、N−339、N−351等のファーネスブラック;FT、MT等のサーマルブラック;アセチレンブラック等を挙げることができる。
これらのカーボンブラックは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、カーボンブラック以外の黒色の無機顔料としては、例えば、チタンブラック、Cu−Fe−Mn系酸化物、合成鉄黒等の金属酸化物等を挙げることができる。
これらの黒色の無機顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0014】
前記有機顔料しては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ71;
C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254;
C.I.ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット29;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン136、C.I.ピグメントグリーン210;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
これらの有機顔料は、所望の色相が得られるように適宜選定して使用することができるが、本発明における特に好ましい有機顔料は、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントブルー15:4および/またはC.I.ピグメントブルー15:6との混合物である。
【0015】
また、本発明における黒色着色剤には、必要に応じて体質顔料を添加することもできる。
前記体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ白、グロス白、サタン白、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。
これらの体質顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
体質顔料の使用割合は、黒色着色剤100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部である。
本発明において、前記各顔料は、場合により、それらの表面をポリマーで改質して使用することができる。
【0016】
−(B)アルカリ可溶性樹脂−
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂前記(b1)成分と(b2)成分との共重合体からなり、(A)着色剤に対してバインダーとして作用し、かつ隔壁の製造に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性の樹脂である。
【0023】
アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体
(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカクロラクトンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体
等を挙げることができる。
【0024】
アルカリ可溶性樹脂におけるカルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。この場合、カルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合が5重量%未満では、得られる組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、アルカリ現像液による現像時に、形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000である。
また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、通常、3,000〜60,000、好ましくは5,000〜25,000である。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の使用量は、(A)着色剤100重量部に対して、通常、10〜1,000重量部、好ましくは20〜500重量部である。この場合、アルカリ可溶性樹脂の使用量が10重量部未満では、例えば、アルカリ現像性が低下したり、パターンが形成される部分以外の領域での地汚れや膜残りが発生するおそれがあり、一方1,000重量部を超えると、相対的に着色剤濃度が低下するため、目的とする色濃度を達成することが困難となる場合がある。
【0026】
−(C)多官能性モノマー−
本発明における多官能性モノマーとしては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類や、
トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フォスフェート
等を挙げることができる。
【0027】
これらの多官能性モノマーのうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのこはく酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、パターン強度が高く、パターン表面の平滑性に優れ、かつパターンが形成される部分以外の領域での地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。
前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
本発明における多官能性モノマーの使用量は、(B)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部である。この場合、多官能性モノマーの使用量が5重量部未満では、パターン強度やパターン表面の平滑性が低下する傾向があり、一方500重量部を超えると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、パターンが形成される部分以外の領域での地汚れや膜残りが発生しやすくなる傾向がある。
【0029】
また、本発明においては、前記多官能性モノマーの一部を単官能性モノマーで置き換えることもできる。
このような単官能性モノマーとしては、例えば、(B)アルカリ可溶性樹脂について例示したカルボキシル基含有不飽和モノマーおよび他の不飽和モノマーや、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートのほか、市販品として、M−5300、M−5400、M−5600(商品名、東亜合成化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0030】
これらの単官能性モノマーのうち、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート(M−5300)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
前記単官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
単官能性モノマーの使用割合は、多官能性モノマーと単官能性モノマーの合計に対して、通常、90重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
【0031】
−光重合開始剤−
隔壁形成用組成物(I)には、必要に応じて、光重合開始剤を添加することができる。
前記光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の露光により分解または結合の開裂を生じ、ラジカル、アニオン、カチオン等の、前記(C)多官能性モノマーおよび場合により使用される単官能性モノマーの重合を開始することができる活性種を発生する化合物を意味する。
このような光重合開始剤としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン結合を有する化合物、他の光ラジカル発生剤、トリハロメチル基を有する化合物等を挙げることができる。
【0032】
前記ビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾールおよび2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
これらのビイミダゾール系化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ないエネルギー量の露光により硬化反応を十分進行させるとともに、コントラストが高く、未露光部で硬化反応が生じることがないため、露光後の塗膜は、現像液に対して不溶性の硬化部分と、現像液に対して高い溶解性を有する未硬化部分とに明確に区分され、パターンの欠落、欠損やアンダーカットのない優れた隔壁を形成することができる。
【0033】
また、前記ベンゾイン結合を有する化合物および他の光ラジカル発生剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、4−アジドベンズアルデヒド、4−アジドアセトフェノン、4−アジドベンザルアセトフェノン、アジドピレン、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ジベンゾイル、ベンゾインイソブチルエーテル、N−フェニルチオアクリドン、トリフェニルピリリウムパークロレート等を挙げることができる。
【0034】
さらに、前記トリハロメチル基を有する化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
【0035】
これらのベンゾイン結合を有する化合物、他の光ラジカル発生剤およびトリハロメチル基を有する化合物のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が、形成されたパターンが現像時に基板から脱離し難く、パターン強度および感度も高い点で好ましい。
前記光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
本発明においては、必要に応じて、前記光重合開始剤と共に、増感剤、硬化促進剤および高分子化合物からなる光架橋剤あるいは光増感剤(以下、「高分子光架橋・増感剤」という。)の群から選ばれる1種以上をさらに併用することもできる。
前記増感剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
また、前記硬化促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等の連鎖移動剤を挙げることができる。
さらに、前記高分子光架橋・増感剤は、光架橋剤および/または光増感剤として機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その例としては、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの単独重合体あるいは共重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
【0037】
これらの増感剤、硬化促進剤および高分子光架橋・増感剤のうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンおよび2−メルカプトベンゾチアゾールが、形成されたパターンが現像時に基板から脱落し難く、パターン強度および感度も高い点で好ましい。
【0038】
本発明における光重合開始剤の使用量は、(C)多官能性モノマーと単官能性モノマーとの合計100重量部に対して、通常、200重量部以下、好ましくは120重量部以下である。
【0039】
−熱重合開始剤−
また、隔壁形成用組成物(I)には、必要に応じて、熱重合開始剤を添加することができる。
前記熱重合開始剤は、カラーフィルタ用隔壁を形成する際の加熱処理により、前記(C)多官能性モノマーおよび場合により使用される単官能性モノマーの重合を開始することができるラジカルを発生する化合物を意味する。このような熱重合開始剤を含有することにより、隔壁形成用組成物(I)を低温で硬化させることができ、プラスチック製基板上に隔壁を形成する用途に適するものとなる。
【0040】
前記熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物、過酸化水素等を挙げることができ、これらのうちアゾ系化合物が好ましい。
前記アゾ系化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキセン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド〔2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル〕、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−{1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル}プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−エチルプロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔N−n−ブチル−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N,N−ジメチル−2−メチルプロピオンアミド) 、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル) 、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン) 等を挙げることができる。
これらのアゾ系化合物のうち、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が好ましい。
【0041】
また、前記有機過酸化物としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1‘−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンを挙げることができ、これらのうちラウロイルペルオキシド等が好ましい。
熱重合開始剤として有機過酸化物または過酸化水素を用いる場合には、これらを還元剤と共に用いてレドックス系開始剤としてもよい。
【0042】
本発明における熱重合開始剤の使用量は、(C)多官能性モノマーと単官能性モノマーとの合計100重量部に対して、通常、20重量部以下、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量である。隔壁形成用組成物(I)が熱重合開始剤を好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部の範囲内で含有することにより、硬化時の加熱処理が比較的低温であっても基板との密着性のよい隔壁を得ることができるため、プラスチック製基板上に隔壁を形成する用途に特に適したものとなる。
【0043】
−他の添加剤−
さらに、隔壁形成用組成物(I)には、必要に応じて、他の添加剤を添加することもできる。
他の添加剤としては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ポリ(フロロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;
ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;
ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤
等を挙げることができる。
【0044】
また、隔壁形成用組成物(I)には、該組成物から形成される塗膜のアルカリ現像液に対する溶解性をより改善し、かつ現像処理後の未溶解物の残存をより抑制するために、有機酸を添加するこもできる。
前記有機酸としては、脂肪族カルボン酸あるいはフェニル基含有カルボン酸が好ましい。
前記脂肪族カルボン酸の具体例としては、
ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等のモノカルボン酸類;
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸等のジカルボン酸類;
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等のトリカルボン酸類
等を挙げることができる。
【0045】
また、前記フェニル基含有カルボン酸としては、例えば、カルボキシル基が直接フェニル基に結合した芳香族カルボン酸や、カルボキシル基が炭素鎖を介してフェニル基に結合したカルボン酸を挙げることができ、それらの具体例としては、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類;トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の3価以上の芳香族ポリカルボン酸類や、フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロけい皮酸、マンデル酸、フェニルこはく酸、アトロパ酸、けい皮酸、シンナミリデン酸、クマル酸、ウンベル酸等を挙げることができる。
【0046】
これらの有機酸のうち、マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、フタル酸等の脂肪族ジカルボン酸類および芳香族ジカルボン酸類が、アルカリ溶解性、後述する溶剤に対する溶解性、パターンが形成される部分以外の領域での地汚れの防止等の観点から好ましい。
前記有機酸は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0047】
有機酸の使用量は、隔壁形成用組成物(I)全体に対して、通常、10重量%以下、好ましくは1重量%以下である。この場合、有機酸の使用量が10重量%を超えると、形成されたパターンの基板に対する密着性が低下する傾向がある。
【0048】
−溶剤−
隔壁形成用組成物(I)は、通常、(A)着色剤以外の各成分を適当な溶剤に溶解した液状組成物(以下、「液状組成物(i) 」という。)として調製される。
このような溶剤としては、各成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0049】
液状組成物(i) を調製するための溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
【0050】
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソ酪酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類
等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0051】
さらに、前記溶剤と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を併用することもできる。
これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0052】
前記溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましく、また高沸点溶剤としてはγ−ブチロラクトン等が好ましい。
【0053】
溶剤の使用量は、(B)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、100〜10,000重量部、好ましくは500〜5,000重量部である。
【0054】
隔壁形成用組成物( II
以下、隔壁形成用組成物(II) を構成する各成分について説明する。
【0055】
−(E)共重合体−
(e−1)ヘキサフルオロプロピレンと、(e−2)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と、(e−3)上記(e−1)成分および(e−2)成分と共重合可能な他の不飽和化合物との共重合体(以下、「(E)共重合体」という。)において、(e−2)成分である不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、イタコン酸等の不飽和モノ−またはジ−カルボン酸;
(メタ)アクリロイロキシ酢酸、3−(メタ)アクリロイロキシプロピオン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピオン酸、4−(メタ)アクリロイロキシブタン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸の(メタ)アクリレート類;
4−(メタ)アクリロイロキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイロキシ安息香酸、2−(メタ)アクリロイロキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイロキシフタル酸、3−(メタ)アクリロイロキシフタル酸、4−(メタ)アクリロロオキシイソフタル酸、5−(メタ)アクリロイロキシイソフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシテレフタル酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸の(メタ)アクリレート類;
コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル、イソフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル、テレフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル、テトラヒドロフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル、テトラヒドロイソフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル、テトラヒドロテレフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ〕エチル等のジカルボン酸のモノ(メタ)アクリロイロキシエチルエステル;
【0056】
イタコン酸のモノメチルエステル、モノエチルエステル、モノ−n−プロピルエステル、モノ−i−プロピルエステル、モノ−n−ブチルエステル、モノ−sec−ブチルエステル、モノ−t−ブチルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル類;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ムコン酸、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、cis−1.2.3.6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物等の不飽和ポリカルボン酸酸無水物類
等を挙げることができる。
これらの(e−2)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
また、(e−3)上記(e−1)成分および(e−2)成分と共重合可能な不飽和化合物としては、例えば、
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;
2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;
アリルアルコール;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−デシルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の(シクロ)アルキルビニルエーテル類;
【0058】
パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(n−プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(n−ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(i−ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(n−プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;
式CH2 =CH−O−Rf(Rfはフッ化アルキル基もしくはフッ化アルコキシアルキル基を示す。)で表される(フルオロアルキル)ビニルエーテルまたは(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル類;
フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;
【0059】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;
エチレン、プロピレン、イソブテン等のα−オレフィン類;
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(ノナフルオロ−n−ブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0060】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート類;
アリルグリシジルエーテル、2−ビニルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等の不飽和エポキシ化合物;
【0061】
ビニルグリシジルエーテル、2−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−2−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−4−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等の不飽和グリシジルエーテル類
等を挙げることができる。
これらの共重合可能な不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0062】
共重合可能な不飽和化合物のうち、(E)共重合体の収率を高める観点から、フッ素原子を含まない不飽和化合物としては、(シクロ)アルキルビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類が好ましく、特に、(E)共重合体のフッ素含量を高める観点から、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の、分子量が小さい不飽和化合物が好ましい。
また、(E)共重合体の硬度を高める観点では、例えば、i−プロピルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ピバリン酸ビニル等の分岐鎖を有する不飽和化合物が有効である。
さらには、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類および/またはパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類も共重合可能な不飽和化合物として好適に使用することができる。
【0063】
(E)共重合体における各不飽和化合物の含有率は、ヘキサフルオロプロピレンが好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは25〜55重量%であり、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物が好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%であり、共重合可能な不飽和化合物が好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜45重量%である。この場合、ヘキサフルオロプロピレンの含有率が53重量%未満のときは、フッ素含量を高めるべく、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類あるいはパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類のような、ヘキサフルオロプロピレン以外の含フッ素不飽和化合物を共重合させることが望ましい。 また、(E)共重合体における全フッ素含量は、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは45重量%以上である。
なお、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物の含有率が1重量%未満であると、得られる共重合体のアルカリ溶解度が低下し、また硬化物の架橋密度を十分高くすることが困難となり、隔膜を形成する際の感度や残膜率が低下するおそれがある。
【0064】
(E)共重合体は、通常、各不飽和化合物を、適当な重合溶剤中でラジカル重合することにより製造される。また必要に応じて、官能基を有する不飽和化合物の場合、該官能基を保護した状態で重合したのち、保護基を脱離させる処理を行ってもよい。
【0065】
(E)共重合体の製造に用いられる重合溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系非プロトン性極性溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル、乳酸エチル等のエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等のカルボン酸アルコキシエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等の(ジ)グリコールジアルキルエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ジ)グリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート等のグリコールモノアルキルエーテルエステル類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類を挙げることができる。
これらの重合溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
不飽和化合物と重合溶剤との割合は特に限定されないが、通常、不飽和化合物の合計100重量部に対して、重合溶剤20〜1,000重量部である。
【0066】
また、ラジカル重合に使用される重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1−ビス−(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物や過酸化水素等を挙げることができる。
また、これらの有機過酸化物および過酸化水素は、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤として用いてもよい。
前記重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0067】
(E)共重合体のMwは、通常、1,000〜200,000、好ましくは2,000〜70,000のものである。この場合、Mwが1,000未満であると、パターン形状、残膜率や硬化物の耐熱性が低下するおそれがあり、一方200,000を超えると、塗布性、現像性やパターン形状が不十分となるおそれがある。
本発明において、(E)共重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0068】
−(F)架橋性化合物−
架橋性化合物は、下記する(G)光酸発生剤より発生した酸の作用により架橋されうる基(以下「酸架橋基」という)を少なくとも1つ有する化合物である。
酸架橋基としては、例えば、アミノ基、アルコキシアルキル基、エポキシ基等が好ましく、アルコキシアルキル基としてはアルコキシメチル基がさらに好ましい。
前記アルコキシメチル基は特に限定されるものではなく、その具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基等を挙げることができる。
【0069】
アミノ基または/およびアルコキシアルキル基を少なくとも1つ有する架橋性化合物の具体例としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、尿素樹脂、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、アルコキシメチル化尿素樹脂等を挙げることができる。
前記アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂およびアルコキシメチル化尿素樹脂はそれぞれ、メチロール化メラミン樹脂、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化グリコールウリル樹脂およびメチロール化尿素樹脂のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得ることができる。
【0070】
これらのアミノ基または/およびアルコキシアルキル基を少なくとも1つ有する架橋性化合物のうち、アルコキシメチル化メラミン樹脂およびアルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂が好ましく、それらの市販品には、例えば、サイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30(以上、三和ケミカル(株)製)等の商品名で市販されているものがあり、これらも好ましく使用することができる。
【0071】
また、エポキシ基を有する架橋性化合物としては、エポキシ基を分子内に2つ以上有する化合物が好ましく、その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0072】
エポキシ基を有する架橋性化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等を、フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等を、環式脂肪族エポキシ樹脂として、CY175、CY177、CY179(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、ERL−4234、ERL−4299、ERL−4221、ERL−4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ工業(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等を、脂肪族ポリグリシジルエーテルとして、エポライト100MF(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等挙げることができ、これらを使用することもできる。
これらのエポキシ基を有する架橋性化合物の市販品のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が好ましい。
【0073】
以上挙げた架橋性化合物の大部分は高分子量体であるが、架橋性化合物の化合物の分子量は特に制限されるものではなく、例えばビスフェノールAまたはビスフェノールFのグリシジルエーテル等の低分子量化合物を使用することもできる。
前記架橋性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0074】
本発明における架橋性化合物の使用量は、(E)共重合体100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部である。この場合、架橋性化合物の使用量が1重量部未満であると、組成物の架橋反応が不十分となり、パターンの形成が困難となるおそれがあり、一方100重量部を超えると、組成物のアルカリ溶解度が過大となって、現像処理後の残膜率が低下する傾向がある。
【0075】
−(G)光酸発生剤−
光酸発生剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線による露光により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤としては、例えば、トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等を挙げることができる。
【0076】
前記トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、例えば、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
【0077】
また、前記ジアリールヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等を挙げることができる。
【0078】
また、前記トリアリールスルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等を挙げることができる。
【0079】
これらの光酸発生剤のうち、トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が好ましく、ジアリールヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート等が好ましく、またトリアリールスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート等が好ましい。
【0080】
本発明における光酸発生剤の使用量は、(E)共重合体100重量部に対して、通常、0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部である。この場合、光酸発生剤の使用量が0.001重量部未満では、露光による酸の発生量が少なくなって、(E)共重合体の架橋反応が不十分となり、現像処理後の残膜率や、得られるパターンの耐熱性、耐薬品性、基板との密着性等が低下するおそれがあり、一方30重量部を超えると、組成物の感度が低下する傾向がある。
【0081】
−(H)フッ素含有有機化合物−
(E)成分以外のフッ素含有有機化合物(以下、「(H)フッ素含有有機化合物」という。)は、形成される隔壁と、カラーフィルタの形成に用いられるインクとの接触角を調整する目的で用いられる成分であり、該化合物の分子量は特に制限されず、低分子でも高分子でもよい。
(H)フッ素含有有機化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、(パーフルオロアルキル)アルキレンオキシド付加物、(パーフルオロアルキル)トリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基と親水基とを含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親油基と含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親水基と新油基とを含有するオリゴマー、パーフルオロアルキルと親水基とを含有するウレタン化合物や、カルボン酸のパーフルオロアルキルエステル、燐酸のパーフルオロアルキルエステル等を挙げることができる。
【0082】
(H)フッ素含有有機化合物の市販品には、例えば、メガファックF116、同F120、同F142D、同F144D、同F150、同F160、同F171、同F172、同F173、同F177、同F178A、同F178K、同F179、同F183、同F184、同F191、同F812、同F815、同F824、同F833、DEFENSAMCF300、同MCF310、同MCF312、同MCF323(以上、大日本インキ工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(以上、旭硝子(株)製)等の商品名で市販されているものがあり、これらを使用することもできる。
前記(H)フッ素含有有機化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0083】
本発明における(H)フッ素含有有機化合物の使用量は、(E)共重合体100重量部に対して、通常、0.001〜11重量部、好ましくは0.01〜9重量部である。この場合、(H)フッ素含有有機化合物の使用量が0.001重量部未満では、隔壁とカラーフィルタの形成に用いられるインクとの接触角が小さくなり、インクが画素領域外へ拡がるおそれがあり、一方11重量部を超えると、得られる組成物の感度が低下したり、組成物のアルカリ溶解度が過大となり、現像処理後の残膜率が低下するおそれがある。特に、(H)フッ素含有有機化合物を(E)共重合体に対して0.01〜9重量部使用すると、隔壁とインクとの接触角が20〜60度の範囲の好ましい値となり、画素領域外へのインクの拡がることがなくなり、また画素の表面平滑性にも優れたカラーフィルタを得ることができる。
【0084】
−他の添加剤−
隔壁形成用組成物(II)には、増感剤を添加することができる。
前記増感剤としては、例えば、3−位および/または7−位に置換基を有するクマリン類、フラボン類、ジベンザルアセトン類、ジベンザルシクロヘキサン類、カルコン類、キサンテン類、チオキサンテン類、ポルフィリン類、フタロシアニン類、アクリジン類、アントラセン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。増感剤の使用量は、(E)共重合体100重量部に対して、通常、30重量部以下、好ましくは0.1〜20重量部以下である。
【0085】
また、隔壁形成用組成物(II)には、塗布性の改善(例えばストリエーションの防止)や現像性の改良を計るために、フッ素系以外の界面活性剤を添加することもできる。
前記フッ素系以外の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
また、フッ素系以外のノニオン系界面活性剤の市販品には、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.57、95(共栄油脂化学工業(株)製)等の商品名で市販されているものがあり、これらを用いることもできる。
これらのフッ素系以外の界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0086】
フッ素系以外の界面活性剤の使用量は、組成物中における固形分100重量部に対して、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0087】
さらに、隔壁形成用組成物(II)には、基板との密着性を改良するために、シランカップリング剤等の接着助剤を添加することができ、また耐熱性を改良するために多価アクリレート等の不飽和化合物等を添加することもでき、また必要に応じて、帯電防止剤、保存安定剤、ハレーション防止剤、消泡剤、顔料、熱酸発生剤等を添加することもできる。
【0088】
−溶剤−
隔壁形成用組成物(II)は、通常、各成分を適当な溶剤に溶解した液状組成物(以下、「液状組成物(ii) 」という。)として調製される。
このような溶剤としては、各成分を溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
組成物溶液(ii) を調製するための溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0089】
さらに、前記溶剤と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を併用することもできる。
これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0090】
前記溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が好ましく、また高沸点溶剤としてはγ−ブチロラクトン等が好ましい。
溶剤の使用量は、(E)共重合体100重量部に対して、通常、100〜10,000重量部、好ましくは500〜5,000重量部である。
【0091】
次に、基板上に本発明のカラーフィルタ用隔膜を形成するプロセスについて説明する。
本発明において使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコンや、プラスチック製基板として、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0092】
先ず、(イ)の工程において、基板上に液状組成物(i)を塗布したのち、ベークを行って溶剤を蒸発させて、隔壁形成用組成物(I)の塗膜を形成する。
液状組成物(i)を基板に塗布する際には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布等の適宜の塗布法を採用することができる。
液状組成物(i)の塗布厚さは、溶剤蒸発後の膜厚として、好ましくは0.6〜4.7μm、さらに好ましくは1.2〜3.5μm、特に好ましくは1.2〜2.5μmである。
【0093】
その後、(ロ)の工程において、隔壁形成用組成物(I)の塗膜上に液状組成物(ii)を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させて、隔壁形成用組成物(II) の塗膜を形成する。
液状組成物(ii)を隔壁形成用組成物(I)の塗膜上に塗布する際には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布等の適宜の塗布法を採用することができるが、通常、液状組成物(i)の塗布法と同じ方法が採用される。
液状組成物(ii)の塗布厚さは、溶剤蒸発後の膜厚として、好ましくは0.6〜4.7μm、さらに好ましくは1.2〜3.5μm、特に好ましくは1.2〜2.5μmである。
【0094】
その後、(ハ)の工程において、上記(イ)および(ロ)の工程により得られた塗膜の少なくとも一部に、通常フォトマスクを介して、所定のパターン形状に露光して硬化させる。
露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、通常、10〜10,000J/m2 、好ましくは100〜5,000J/m2 、さらに好ましくは100〜2,000J/m2 である。
また露光後には、必要に応じて露光後ベークすることもできる。
【0095】
その後、(ニ)の工程において、露光された各塗膜を現像液、好ましくはアルカリ現像液を用いて現像して、各塗膜の未露光部を溶解除去したのち、好ましくはポストベークを行うことにより、所定のパターン形状の隔膜を形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができ、現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
【0096】
現像後、ポストベークを行うことが好ましい。このポストベークの条件は、加熱温度として、通常、100〜250℃、好ましくは100〜230℃の広い範囲の温度を採用することができる。また、隔壁形成用組成物(I)が熱重合開始剤を含有する場合には、加熱温度を、通常、100〜150℃、好ましくは100〜120℃の比較的低温とすることができ、これにより基板としてプラスチック製基板を使用した場合でも基板の変形や黄変を避けることができる。加熱時間は、通常、20分〜1時間、好ましくは30分〜1時間である。
【0097】
このようにして形成された隔膜は、例えば、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子、カラーセンサー等に用いられるカラーフィルタを、インクジェット方式により作製する際に極めて好適に使用することができる。
なお、インクジェット方式によりカラーフィルタを作製する方法は、本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔膜を用いる以外は、公知の方法にしたがって実施することができる。
【0098】
【発明の実施の形態】
【実施例】
実施例1
(A)着色剤としてカーボンブラック90重量部、(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/グリセロールメタクリレート/N−マレイミド共重合体(共重合モル比=15/15/35/10/25、Mw=30,000、Mn=10,000)80重量部、および(C)多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部を、全固形分濃度が22重量%になる量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合して、隔壁形成用組成物(I)の液状組成物(i−1)を調製した。
その後、液状組成物(i−1)をガラス基板上にスピナーを用いて塗布したのち、100℃のホットプレート上で2分間ベークして、隔壁形成用組成物(I)からなる膜厚1.2μmの塗膜(以下、「第1層塗膜」という。)を形成した。
【0099】
次いで、(E)共重合体としてヘキサフルオロプロピレン/クロトン酸/エチルビニルエーテル共重合体(共重合モル比=55/25/20、Mw=10,000)100重量部、(F)架橋性化合物としてヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂であるサイメル300を36重量部、(G)光酸発生剤として2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン10重量部、および(H)フッ素含有有機化合物としてメガファックF172(パーフルオロアルキル基と親油基と含有するオリゴマー)6重量部を、全体の固形分濃度が40重量%になる量のメチルイソブチルケトンに溶解して、隔壁形成用組成物(II)の液状組成物(ii−1)を調製した。
その後、第1層塗膜上に、液状組成物(ii−1)をスピナーを用いて塗布したのち、110℃のホットプレート上で2分間プレベークして、隔壁形成用組成物(II)からなる塗膜(以下、「第2層塗膜」という。)を形成して、合計膜厚が3.0μmの塗膜を形成した。
【0100】
次いで、ガラス基板上に形成した塗膜に高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、365nm、405nm、436nmの各波長を含む紫外線を1,500J/m2 の露光量で露光したのち、110℃のホットプレート上で2分間露光後ベークした。
その後、現像液として23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液を用い、現像液の吐出圧を0.2MPa(ノズル径1.0mm)として、シャワー現像を3分間行ったのち、水洗し、乾燥して、隔壁を形成した。
その後、この隔壁が形成されたガラス基板を220℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークして、ガラス基板上に、膜厚2.7μmのマトリックス状隔壁を形成した。
次いで、下記の手順で評価を行った。
【0101】
<放射線感応性の評価>
前述したようにして、ガラス基板上に形成した第1層塗膜および第2層塗膜からなる塗膜に、TOPPANマスク(凸版印刷(株)製)を介して、365nm、405nm、436nmの各波長を含む紫外線を1,500J/m2 の露光量で露光したのち、ポストベークおよび現像を行ったときの限界解像度を測定した。
このとき、1,500J/m2 の露光量では露光が不十分で、現像後に残膜しなかった場合を“残膜せず”とした。
測定結果を表1に示す。
<光学濃度(OD値)の評価>
得られたマトリックス状隔壁の光学濃度(OD値)を、光学濃度計(マクベス)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
【0102】
<接触角の評価>
液状組成物(i)をガラス基板上に塗布したのち、220℃のクリーンオーブン内で30分間ベークして第1層塗膜を形成した。
また、液状組成物(ii)を別のガラス基板上に塗布して形成した塗膜に、365nm、405nm、436nmの各波長を含む紫外線を4,000J/m2 の露光量で露光したのち、220℃のクリーンオーブン内で30分間露光後ベークして第2層塗膜を形成した。
次いで、第1層塗膜および第2層塗膜の各表面に、インクジェット方式用インク(ジェイエスアール(株)製:商品名オプトマーCR3010R)を約10μリットル滴下して、接触角を測定した。
測定結果を表1に示す。
<画素表面平滑性の評価>
画素容積30ピコリットルのマトリックス状隔壁を形成したガラス基板上に、インクジェット方式により、インクジェット方式用インク(オプトマーCR3010R)を180ピコリットル滴下したのち、220℃のクリーンオーブン内で30分間加熱して、100個の画素を形成した。このとき、膜厚を画素毎に10点測定して、画素表面平滑性を、下記式により評価した。
【0103】
【数1】
Figure 0003937890
【0104】
このとき、インクが隔壁で区画された画素領域から溢れ出て混色してしまい、膜厚測定不能な場合を“混色”、画素全体にインクが濡れ広がらず、画素が形成できない場合を“画素形成不能”とした。
評価結果を表1に示す。
<白欠陥発生の評価>
前記画素表面平滑性の評価の場合と同様にして、100個の画素を形成した。このとき、インクが定着せず白欠陥が発生した画素領域の数により、白欠陥発生を評価した。
評価結果を表1に示す。
【0105】
実施例2
(A)着色剤としてカーボンブラック90重量部、(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/グリセロールメタクリレート/N−マレイミド共重合体(共重合モル比=15/15/35/10/25、Mw=30,000、Mn=10,000)80重量部、(C)多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、および光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン40重量部を、全体の固形分濃度が22重量%になる量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合して、隔壁形成用組成物(I)の液状組成物(i−2)を調製した。
次いで、実施例1の液状組成物(i−1)に代えて液状組成物(i−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、隔壁を形成して評価を行った。
評価結果を表1に併せて示す。
【0106】
比較例1
(A)着色剤としてカーボンブラック40重量部、(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/グリセロールメタクリレート/N−マレイミド共重合体(共重合モル比=15/15/35/10/25、Mw=30,000、Mn=10,000)80重量部、(C)多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、および光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン40重量部を、全体の固形分濃度が26重量%になる量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合して、隔壁形成用組成物の液状組成物(iii−1)を調製した。
次いで、液状組成物(iii−1)のみを用いて単層塗膜を形成し、隔膜の膜厚を2.7μmとした以外は、実施例1と同様にして、隔壁を形成して評価を行った。
評価結果を表1に併せて示す。
【0107】
比較例2
(A)着色剤としてカーボンブラック40重量部、(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/グリセロールメタクリレート/N−マレイミド共重合体(共重合モル比=15/15/35/10/25、Mw=30,000、Mn=10,000)80重量部、(C)多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン40重量部、および(H)フッ素含有有機化合物としてメガファックF172を20重量部を、全体の固形分濃度が26重量%になる量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合して、隔壁形成用組成物の液状組成物(iii−2)を調製した。
次いで、液状組成物(iii−2)のみを用いて単層塗膜を形成し、隔膜の膜厚を2.7μmとした以外は、実施例1と同様にして、隔壁を形成して評価を行った。
評価結果を表1に併せて示す。
【0108】
比較例3
(A)着色剤としてカーボンブラック40重量部、(E)共重合体としてヘキサフルオロプロピレン/クロトン酸/エチルビニルエーテル共重合体(共重合モル比=55/25/20、Mw=10,000)100重量部、(F)架橋性化合物としてサイメル300を36重量部、(G)光酸発生剤として2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン10重量部、および(H)フッ素含有有機化合物としてメガファックF172を6重量部を、全体の固形分濃度が30重量%になる量のメチルイソブチルケトンと混合して、隔壁形成用組成物の液状組成物(iii−3)を調製した。
次いで、液状組成物(iii−3)のみを用いて単層塗膜を形成し、隔膜の膜厚を2.7μmとした以外は、実施例1と同様にして、隔壁を形成して評価を行った。
評価結果を表1に併せて示す。
【0109】
【表1】
Figure 0003937890
【0110】
実施例3
(A)着色剤としてカーボンブラック90重量部、(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/グリセロールメタクリレート/N−マレイミド共重合体(共重合モル比=15/15/35/10/25、Mw=30,000、Mn=10,000)80重量部、(C)多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、および熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル10重量部を、全固形分濃度が22重量%になる量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合して、隔壁形成用組成物(I)の液状組成物(i−3)を調製した。
その後、液状組成物(i−3)をポリエーテルスルホン製基板上にスピナーを用いて塗布したのち、100℃のホットプレート上で2分間ベークして、隔壁形成用組成物(I)からなる膜厚1.2μmの塗膜(以下、「第1層塗膜」という。)を形成した。
【0111】
次いで、(E)共重合体としてヘキサフルオロプロピレン/クロトン酸/エチルビニルエーテル共重合体(共重合モル比=55/25/20、Mw=10,000)100重量部、(F)架橋性化合物としてヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂であるサイメル300を36重量部、(G)光酸発生剤として2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン10重量部、および(H)フッ素含有有機化合物としてメガファックF172(パーフルオロアルキル基と親油基と含有するオリゴマー)6重量部を、全体の固形分濃度が40重量%になる量のメチルイソブチルケトンに溶解して、隔壁形成用組成物(II)の液状組成物(ii−1)を調製した。
その後、第1層塗膜上に、液状組成物(ii−1)をスピナーを用いて塗布したのち、110℃のホットプレート上で2分間プレベークして、隔壁形成用組成物(II)からなる塗膜(以下、「第2層塗膜」という。)を形成して、合計膜厚が3.0μmの塗膜を形成した。
【0112】
次いで、基板上に形成した塗膜に高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、365nm、405nm、436nmの各波長を含む紫外線を1,500J/m2 の露光量で露光したのち、110℃のホットプレート上で2分間露光後ベークした。
その後、現像液として23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液を用い、現像液の吐出圧を0.2MPa(ノズル径1.0mm)として、シャワー現像を3分間行ったのち、水洗し、乾燥して、隔壁を形成した。
その後、この隔壁が形成された基板を150℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークして、基板上に、膜厚2.7μmのマトリックス状隔壁を形成した。
【0113】
得られたマトリックス状隔壁を光学顕微鏡を用いて観察したところ、未露光部の基板上には現像残さは認められなかった。
また、得られたマトリックス状隔壁にカッターで1mm間隔の縦10列、横10行の碁盤目状に切り込みを入れて、JIS K5400 8.5に準拠し、テープ剥離試験を行った。その結果、碁盤目100個は基板から全く剥離せず、得られた隔壁のポリエーテルスルホン製基板との密着性が優れていた。
【0114】
【発明の効果】
本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁は、カラーフィルタをインクジェット方式により形成する際に用いられ、表面平滑性および膜厚の均一性に優れ、画素電極の誤作動を起こすことがない画素をもたらすことができ、また低コストで、かつコントラストの低下を招くおそれのないものである。

Claims (3)

  1. 隔壁の高さ方向にインクジェット方式カラーフィルタ用インクとの接触角が異なる少なくとも2つの領域を有し、最も低い接触角を有する領域が、(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂および(C)多官能性モノマーを含有し、かつ(B)アルカリ可溶性樹脂が(b1)アクリル酸および/またはメタクリル酸を必須成分とし、場合により、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートおよびω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートの群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含有するカルボキシル基含有不飽和単量体成分と、(b2)スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンの重合体分子鎖末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチル(メタ)アクリレートの重合体分子鎖末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種との共重合体である第1の隔壁形成用組成物から形成され、最も高い接触角を有する領域が、(E)(e−1)ヘキサフルオロプロピレンと、(e−2)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と、(e−3)上記(e−1)成分および(e−2)成分と共重合可能な他の不飽和化合物との共重合体、(F)架橋性化合物、(G)光酸発生剤、並びに(H)(E)成分以外のフッ素含有有機化合物を含有する第2の隔壁形成用組成物から形成されてなり、最も高い接触角を有する領域が最も低い接触角を有する領域の上部に位置することを特徴とするインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁。
  2. 光学密度(OD値)が1.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁。
  3. 少なくとも下記(イ)〜(ニ)の工程を経ることを特徴とする請求項1または請求項に記載のカラーフィルタ用隔壁の形成方法。
    (イ) 基板上に、第1の隔壁形成用組成物の塗膜を形成する工程。
    (ロ) 第1の隔壁形成用組成物の塗膜の上に、第2の隔壁形成用組成物の塗膜を形成する工程。
    (ハ) 上記(イ)および(ロ)の工程により得られた塗膜の少なくとも一部に放射線を照射して硬化させる工程。
    (ニ) 照射された各塗膜を現像する工程。
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