JP2007279673A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキジェット方式により各画素が印刷されるカラーフィルタにおいて、撥インキ剤を含む隔壁の品質を向上させることにより、各画素に混色や白抜け不良、ムラがなく、平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを、安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】撥インキ剤を含む感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、隔壁パターンを形成した後、隔壁を不活性雰囲気内で220〜260℃の加熱温度で熱硬化させることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電界放射型表示装置、蛍光表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)及び液晶表示装置などに用いるカラーフィルタ及びその製造方法に関するものである。
カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタは、カラー液晶表示装置等に不可欠な部材で、液晶表示装置の画質を向上させたり、各画素にそれぞれの原色の色彩を与えたりする役割を有している。このカラーフィルタの製造方法は、従来種々の検討が重ねられており、代表的な方法として、フォトリソグラフィー方式、インキジェット方式などが知られている。フォトリソグラフィー方式では、基板全体に各色の感光性樹脂層の塗布膜を形成し、後に塗布膜の不要な部分を取り除き、残ったパターンを各色画素とする。この方法では塗布膜の多くが不要となるため、カラーフィルタの製造時に大量の顔料等の材料が無駄になる。また、色画素毎に露光、現像工程を行うため、工程数が多くなる。このようなことから、フォトリソグラフィー方式によるカラーフィルタの製造は、コスト、環境面、共に問題を有していた。この点で近年はインキジェット方式が注目されている。インキジェット方式によるカラーフィルタの製造は、R、G、Bの3色の着色樹脂組成物をインキとして用い、各色を同時に印刷することができる。このため、材料の無駄も少なく、また、画素の形成工程が短縮されるため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンが期待できる。
インキジェット方式を用いたカラーフィルタ基板の製造方法として、特許文献1〜4に記載されている方法が提案されている。特許文献1には、ガラス基板上の所望する着色層領域外へのインキの広がりを防止するため、予め各画素間を区切る黒色の隔壁部にフッ酸系撥水・撥油剤を含有させてパターン形成することによって、着色領域内のみにインキを定着させることが記載されている。また、特許文献2、特許文献3には、含フッ素化合物及び/または含ケイ素化合物を含有する黒色樹脂層を、着色層形成工程におけるインキにじみ、混色を防止するための仕切り壁とすることが記載されている。特許文献4には、各画素の隔壁部分および画素のいずれかの表面が撥水・撥油性を有するように形成した後に、その撥水・撥油性をなくす基板処理の工程を含ませる製造方法が記載されている。これらの方法は、工程数が少ない点で、環境負荷と製造コストを低減できる非常に好ましい方法と言える。
上記隔壁をフォトリソグラフィー方式にて作成するに当たっては、インキ溶剤に対する耐性を得るために、隔壁パターン形成後に、焼成工程が必要である。しかしながらフッ素化合物あるいはケイ素化合物などの撥インキ性を付与した材料(以下、撥インキ剤)を用いた場合、インキジェット法により着色樹脂組成物を印刷したときに着色樹脂組成物が隔壁パターンを乗り越えて混色が発生するのを防ぐことができる程度の撥インキ性を付与すると、200℃を超えるような温度での焼成においては、撥インキ剤が熱分解して飛散したり、隔壁外に撥インキ剤がブリードアウトすることにより、隔壁で囲まれた開口部の基板表面が撥インキ剤で汚染され、インキジェットにより印刷した着色樹脂組成物の画素が白抜けしたり、画素の形状が平坦にならない等の問題を生じた。一方、このような問題を解決するために、焼成時間を短くしたりすると、隔壁パターンに着色樹脂組成物に含有される有機溶剤系のインキに対する耐溶剤性が不足し、混色したり隔壁パターン表面に荒れが発生する等の問題が生じる。
以上のような従来の状況においては、隔壁表面の撥インキ性と隔壁で囲まれた開口部の基板表面の親インキ性(濡れ性)のバランスをコントロールすることである程度の改善は図れるが、樹脂層の塗布、焼成までの工程の時間などに左右され、安定した調整を行うことは困難であった。また、製造コストの観点からは、焼成工程の処理時間短縮により焼成装置台数の削減が期待できるが、短時間でも隔壁パターンに耐溶剤性が得られる程度の焼成温度まで高くすると、上述のようにインキジェットにより印刷した着色樹脂組成物の画素が白抜けしたり、画素の形状が平坦にならない等の問題を生じてしまうため、品質を維持したままでの加熱時間短縮が望まれる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、インキジェット方式により各画素が印刷されるカラーフィルタにおいて、混色や白抜け及び表面荒れ等の欠陥のない、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを安定して、更にはより処理時間を短縮して製造する方法を提供することである。
特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平7−35917号公報 特開平7−248413号公報
上記課題を解決するために為された請求項1に係る発明は、少なくとも
(a)撥インキ性処理を施した感光性樹脂組成物の塗工液を基板に塗工する工程
(b)前記感光性樹脂組成物をパターン露光する工程
(c)前記感光性樹脂組成物を現像することにより隔壁のパターンを形成する工程
(d)前記隔壁が形成された基板に加熱処理を施して該隔壁を熱硬化させる工程
(e)前記隔壁のパターンで区切られた領域に、インキジェット方式によりインキを吐出して着色層を形成する工程
を有するカラーフィルタの製造方法において、前記(d)工程が、不活性ガス雰囲気内で行われ、かつ加熱温度が220〜260℃であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記(d)工程での不活性ガス雰囲気内の酸素濃度が15%以下であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項3に係る発明は、さらに前記(d)工程において、加熱温度が230〜250℃であり、さらに加熱時間が5〜15分であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項4に係る発明は、さらに前記の感光性樹脂組成物の撥インキ性処理が、質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素化合物の感光性樹脂組成物への添加であることを特徴とするカラーフィルタ製造方法である。
請求項5に係る発明は、さらに隔壁が多層構造であって、少なくとも最上部層が撥インキ性処理を施した感光性樹脂物からなることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項6に係る発明は、さらに隔壁の少なくとも一部が遮光性を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項1に係る発明により、隔壁を熱硬化させる工程を不活性ガス内で行うことによって、通常の大気内で熱硬化させる場合と比較して高い焼成温度を用いることができ、工程時間を短縮することが出来る。またその焼成温度が220〜260℃の範囲にあることにより、隔壁内の撥インキ剤が飛散、あるいはブリードアウトによる白抜けを防ぎ、安定したカラーフィルタを製造することが可能となった。
請求項2に係る発明により、不活性ガス雰囲気内の酸素濃度が15%以下であることによって、高温でも撥インキ剤の熱分解による飛散や隔壁外へのブリードアウトが極力抑えられ、安定した焼成工程が可能となった。
請求項3に係る発明により、隔壁を熱硬化させる工程において焼成温度が230℃から250℃、焼成時間が5分から15分の範囲であることによって、隔壁表面の撥インキ性が向上し、隔壁表面の表面荒れがなく、着色層においても混色、白抜けいずれにたいしても良好な高品質のカラーフィルタが作製できた。
請求項4に係る発明により、撥インキ剤に質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素化合物を用いることによって、隔壁表面の撥インキ性と開口部基材表面の親インキ性を両立することができ、平坦な着色層を有する高精細なカラーフィルタが安定して製造できた。
請求項5に係る発明により、隔壁の撥インキ性の部分と非撥インキ性部分を分けることによって、隔壁表面の撥インキ性と開口部基材表面の親インキ性を両立することができ、平坦な着色層を有する高精細なカラーフィルタを安定して製造することが可能となった。
請求項6に係る発明により、隔壁の遮光部の占める割合が少なくすることによって、コントラストと透過する光量が両立したカラーフィルタを安定して製造することが可能となった。
(カラーフィルタの構成)
図1に示すように、インキジェット方式によって着色層を形成して製造するカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色インキの混色を防止するため、透明基板1上に隔壁部2を設ける。さらにカラーフィルタのコントラスト向上のため、隔壁部2の一部又は全部に遮光性を付与することが望ましい。一般的に遮光性を付与する手段として、隔壁部の一部分又は全部分に黒色の材料を用い、黒色部分を設ける。ついで透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層を形成し、これを液晶用とする場合は、さらに透明導電層、配向膜層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介して、液晶表示装置を構成する。以下では、透明基板、このブラックマトリックスと赤、緑、青の着色画素層を合わせてカラーフィルタとする。さらに、必要に応じて前記カラーフィルタ上に保護層を設けることができる。
(カラーフィルタの製造方法)
以下、本発明によるカラーフィルタの製造方法を説明する。
まず透明基板1上に隔壁を形成するための感光性樹脂組成物3を塗工する(工程a)。
カラーフィルタの透明基板としては、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。特にガラス基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れているために好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物はネガ型の感光性樹脂組成物であり、200〜500nmの波長域に感光性を有するものを用いる。主成分はバインダー樹脂、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤、溶剤、撥インキ剤、および必要に応じて遮光性部材からなる。
まず、バインダー樹脂としては、アルカル可溶性の熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。また低温での硬化性を促進するため、これらの樹脂に加えてメラミン誘導体と光酸発生剤を含有させることもできる。メラミン誘導体としては、メチロール基あるいはメトキシメチル基を有している化合物であればよいが、特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましい。
ラジカル重合性を有する化合物は、例えば、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーを用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることが出来るがこの限りではない。これらのラジカル重合性を有する化合物は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
光重合開始剤は、露光によりラジカルを発生し、ラジカル重合性を有する化合物を通して、バインダー樹脂を架橋させるものである。光重合開始剤の例として具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることが出来る。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
感光性樹脂組成物塗工液の溶剤として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等を用いることができる。溶剤の沸点は、基板上に塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる点から沸点が100℃以上であることが望ましい。
撥インキ剤は、隔壁に着色インキに対する撥インキ性を付与するものである。撥インキ剤は、隔壁形成に用いる感光性樹脂組成物に、予め添加して用いることができる。撥インキ剤として、含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物を用いることができ、これらを混合して用いることもできる。前記含フッ素化合物の例として、質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体は、本発明において隔壁表面の撥インキ性と開口部基材表面の親インキ性を両立する上で特に好ましい。また、後述するように隔壁を多層構造にする場合には、少なくとも最上部の層を形成する感光性樹脂組成物に撥インキ剤を添加して撥インキ性を付与すればよい。
黒色遮光部材は、隔壁に遮光性を付与し、カラーフィルタのコントラストを向上させるものである。黒色遮光部材としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。これらの黒色遮光部材は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
この他、隔壁形成に用いる感光性樹脂組成物には、必要に応じて相溶性のある添加剤、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
上記のような構成からなる感光性樹脂組成物の塗工液を、スリットダイコーター、スピンコーター等、公知の塗工装置を用いて均一に塗工する(工程a)。その後、溶剤成分を除去するため必要に応じて、減圧乾燥処理やプリベーク処理を施すことができる。
次に露光・現像する工程では従来公知の方法を用いることができる。感光性樹脂組成物をパターン露光する工程bではフォトマスク4と高圧水銀灯5を使用して露光し、次に現像工程cを経て隔壁2のパターンが形成される。
以上のような工程で形成される隔壁は、1.0μm以上の高さで形成することが好ましい。さらに1.5μm〜5μmの高さで形成することがより好ましい。隔壁の高さが1.0μm以下であると着色インキの混色を生じる。一方、隔壁の高さが5μm以上になると、精細な隔壁の形成が困難であるとともに、着色層との段差が大きくなるため好ましくない。
また隔壁は、1層、又は2層以上の多層構造であっても構わない。一般的に、一回の工程で形成できる隔壁の高さには制限があるため、層厚の大きい隔壁を形成する場合、同じパターンの隔壁を積層し、多層構造とすることができる。隔壁を多層構造とした場合、そのうちの少なくとも1層に遮光性を付与し、遮光層とすることが好ましい。多層構造とした場合の少なくとも最上層は、撥インキ剤を含有した感光性樹脂組成物を用いて、前記の通り形成することが好ましい。最上層が撥インキ性であれば、着色層の混色や色むらの防止といった本発明の効果を得ることが出来る。
次に、隔壁に着色インキ溶剤に対する耐性を付与するために、焼成炉内で基板を加熱し、隔壁パターン2を熱硬化させる(工程d)。この工程では、感光性樹脂組成物による隔壁パターンが形成された基板を炉内がチッ素や二酸化炭素、希ガス等の不活性ガス雰囲気に維持された熱風式焼成炉6内にて加熱処理を施し、感光性樹脂組成物による隔壁パターンを熱硬化させる。
本発明により不活性ガス雰囲気内で焼成することにより、高温でも撥インキ剤の熱分解による飛散や隔壁外へのブリードアウトが極力抑えられ、隔壁表面の撥インキ性を向上させることが可能となった。このことにより有機溶剤系のインキに対しても溶解しない耐溶剤性が得られることで、インキジェット装置7で着色インキを隔壁パターン2開口部に印刷し各色着色層(R)(G)(B)を形成した際の、画素の混色や白抜け、色むらなどの欠陥を防止できる。
不活性ガスの濃度としては、焼成炉内あるいは隔壁表面において不活性ガス雰囲気内の酸素濃度が15%以下となるように濃度を調節することが好ましい。酸素が15%以下に保たれることにより、高温でも撥インキ剤の熱分解による飛散や隔壁外へのブリードアウトが極力抑えられ、安定した焼成工程となる。
焼成炉内での焼成温度については、後述する実施例に示されるように、220℃から260℃の範囲であれば、撥インキ剤のブリードアウトや飛散による白抜けや、焼成が不十分で隔壁表面のインキ溶剤による損傷を抑制することが出来、従来の方法に比較して焼成時間を短縮することが可能となる。
さらに、焼成温度が230℃から250℃で、焼成時間が5分から15分の範囲であれば、隔壁表面の撥インキ性が向上し、隔壁表面の表面荒れがなく、着色層においても混色、白抜けいずれにたいしても良好な高品質のカラーフィルタが作製できる。焼成温度及び焼成時間がこれ以下であると、焼成が十分な硬化が得られず、インキジェットにより印刷される着色樹脂組成物に含有される有機溶剤系のインキに対する耐溶剤性が不足してしまい、隔壁の表面荒れが発生してしまう場合がある。また、焼成温度及び焼成時間がこれ以上だと、隔壁内の撥インキ剤が蒸発し、撥インキ性が発現しないために着色層の混色が発生する場合や、あるいは撥インキ剤のブリードアウトによって、着色層の白抜けなどが発生する場合がある。
上記加熱処理を施す方法としては、上記炉内が不活性ガス雰囲気に維持された熱風式焼成炉に限定されるものではなく、感光性樹脂組成物による隔壁パターンが形成された基板表面が不活性ガス雰囲気内に維持できるものであればよく、例えば基板表面の感光性樹脂組成物による隔壁パターンに不活性ガスが吹きつけられた状態で加熱処理を施すホットプレート、赤外線照射装置もしくは熱源ランプであってもよい。
上記の工程で隔壁2を作製した後、基板1上の隔壁で区切られた領域に公知のインキジェット装置により着色インキを吐出し、着色層を形成する(工程e)。以上の工程によりカラーフィルタが製造される(f)。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
(隔壁の作製)
撥インキ性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物として、下記組成比で配合した黒色感光性樹脂組成物を用いた。基板としては無アルカリガラス(“♯1737”コーニング社製)を用い、その上にこの黒色感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、温度90℃のホットプレートにて1分間プリベーク処理をして基板上に膜厚2.0μmの被膜を形成した。
[感光性樹脂組成物]
シクロヘキサノン(沸点155.7℃) 80重量部
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材工業社製) 15重量部
メラミン樹脂“MW30”(三和ケミカル社製) 5重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製) 23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機化学工業社製) 5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカルズ社製) 2重量部
含フッ素化合物“モディパーF−600”(日本油脂社製、質量平均分子量35000)
0.5重量部
続いてストライプ状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cm2の露光処理を施し、さらに現像処理を行うことで所望される隔壁パターンを得た。その後、熱風式焼成炉内にて表1から表3に示す焼成条件で加熱処理を施した。
(着色インキの調整)
下記組成物を、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加え、70℃5時間の条件で反応させ、アクリル共重合体樹脂を得た。
[着色インキ組成物]
メタクリル酸 20重量部
メチルメタクリレート 10重量部
ブチルメタクリレート 55重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量部
乳酸ブチル 300重量部
得られたアクリル共重合体樹脂が、全体に対して10重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて希釈し、アクリル共重合体樹脂の希釈液を得た。
この希釈液80.1gに対し、着色顔料19.0g、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.9gを添加して、3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。なお、赤色顔料として、ピグメントレッド177を、緑色顔料としてピグメントグリーン36を、青色顔料としてピグメントブルー15を、各々使用した。
得られた各着色ワニスに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、その顔料濃度が12〜15重量%、粘度が15cpsになるように、各々調整して添加し、赤色、緑色、及び青色着色インキを得た。
(カラーフィルタの作製)
前記隔壁の開口部に、赤、緑、青3色の着色インキ使用し、12pl、180dpiヘッドを搭載したインキジェット印刷装置により、赤色着色層(R)、緑色着色層(G)、青色着色層(B)各々の画素パターンを形成した。
着色インキを吐出した後、まずホットプレートで90℃20分加熱して溶剤を蒸発させた。次に熱風式焼成炉で230℃、30分で加熱処理しインキを硬化させることにより、画素パターンを形成した。
<実施例1〜3及び比較例1〜3>(表1:不活性ガス雰囲気焼成の効果)
このようにして、インクジェット方式により赤色着色層(R)、緑色着色層(G)、青色着色層(B)3色の画素パターンを有するカラーフィルタを作製したところ、通常の焼成雰囲気である比較例1から3では、撥インキ剤のブリードアウトにより白抜けが発生し、また、隔壁表面の荒れが発生した。一方、チッ素を充満させ酸素濃度10%の不活性ガス雰囲気の焼成条件で加熱処理を施した実施例1〜3では、画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れの良好な、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。
<実施例1〜9及び比較例4〜6>(表2:焼成時間の効果)
上記の隔壁の作製において、熱風式焼成炉内にて表2に示す焼成条件で加熱処理を施した後、インクジェット方式により赤色着色層(R)、緑色着色層(G)、青色着色層(B)3色の画素パターンを有するカラーフィルタを作製したところ、チッ素を充満させ酸素濃度10%の不活性ガス雰囲気内での焼成時間が3分である比較例4から6では、感光性樹脂組成物の十分な硬化が得られず、インキジェットにより印刷される着色樹脂組成物に含有される有機溶剤系のインキに対する耐溶剤性が不足してしまうために、混色及び隔壁表面の荒れが発生した。一方、チッ素を充満させ酸素濃度10%の不活性ガス雰囲気内での焼成時間が2分以上である実施例4から9では、画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れの良好な、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。なかでも焼成時間が3分から20分の条件のうちの実施例1から3及び実施例5から8では画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れのより良好な、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。さらには焼成時間10分である実施例2では画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れのない、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。
<実施例1〜9及び比較例7〜12>(表3:焼成温度の効果)
また、上記の隔壁の作製において、熱風式焼成炉内にて表3に示す焼成条件で加熱処理を施した後、インクジェット方式により赤色着色層(R)、緑色着色層(G)、青色着色層(B)3色の画素パターンを有するカラーフィルタを作製したところ、チッ素を充満させ酸素濃度10%の不活性ガス雰囲気内での焼成温度が200℃である比較例7から9では、感光性樹脂組成物の十分な硬化が得られず、インキジェットにより印刷される着色樹脂組成物に含有される有機溶剤系のインキに対する耐溶剤性が不足してしまうために、混色及び隔壁表面の荒れが発生した。また、チッ素を充満させ酸素濃度10%の不活性ガス雰囲気内での焼成温度が280℃である比較例10から12では、撥インキ剤のブリードアウトにより白抜けが発生した。一方、チッ素を充満させ酸素濃度10%の不活性ガス雰囲気内での焼成温度が220℃以上、260℃以下である実施例4から9では、画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れの良好な、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。なかでも焼成温度が220℃から260℃の条件のうちの実施例1から3及び実施例5から8では画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れのより良好な、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。さらには焼成温度240℃である実施例2では画素の混色や白抜け及び隔壁の表面荒れのない、各画素に平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを得ることができた。
本発明のブラックマトリクスを備えたカラーフィルタの断面形状の説明図である。 本発明のカラーフィルタ製造方法の説明図である。
符号の説明
1…基板
2…隔壁パターン(ブラックマトリクス)
3…感光性樹脂組成物
4…フォトマスク
5…高圧水銀ランプ
6…炉内を不活性ガス雰囲気にした熱風式焼成炉
7…インキジェット装置
a…撥インキ剤を含有した感光性樹脂組成物を基板に塗工する工程
b…パターン露光工程
c…現像工程
d…不活性ガス雰囲気内で感光性樹脂組成物の隔壁パターンを熱硬化させる工程
e…インキジェット方式により着色インキを吐出して着色層を形成する工程
f…カラーフィルタ

Claims (6)

  1. 少なくとも
    (a)撥インキ性処理を施した感光性樹脂組成物の塗工液を基板に塗工する工程
    (b)前記感光性樹脂組成物をパターン露光する工程
    (c)前記感光性樹脂組成物を現像することにより隔壁のパターンを形成する工程
    (d)前記隔壁が形成された基板に加熱処理を施して該隔壁を熱硬化させる工程
    (e)前記隔壁のパターンで区切られた領域に、インキジェット方式によりインキを吐出して着色層を形成する工程
    を有するカラーフィルタの製造方法において、
    前記(d)工程が、不活性ガス雰囲気内で行われ、かつ加熱温度が220〜260℃であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記(d)工程において、不活性ガス雰囲気内の酸素濃度が15%以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記(d)工程において、加熱温度が230〜250℃であり、さらに加熱時間が5〜15分であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記感光性樹脂組成物の撥インキ性処理が、質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素化合物の前記感光性樹脂組成物への添加であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。
  5. 前記隔壁が多層構造であって、少なくとも最上部層が撥インキ性処理を施した感光性樹脂物からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記隔壁の少なくとも一部が遮光性を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
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