JP2008268699A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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英士 青木
Takeshi Ikeda
武司 池田
Junichi Kaminaga
純一 神永
Naganori Ohama
長法 大濱
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Abstract

【課題】熱による変形を発生せず、逆テーパー形状の隔壁部を提供し、これにより各画素に白抜け、混色不良、ムラの発生を防止し、平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを製造する。
【解決手段】(a)撥インキ性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物を基板1上に塗工する工程、(b)パターン露光する工程、(c)現像して前記感光性樹脂組成物からなる隔壁2を形成する工程、(d)前記隔壁2をUV照射により硬化させる工程、(e)前記隔壁2を180℃未満の温度で熱硬化させる工程、(f)前記隔壁2で区切られた画素内に、インキジェット方式によりインキを吐出して着色層3を形成する工程を含み、前記(c)工程において形成される隔壁2上部の表面積(A)と、隔壁2と基板1との接触面の表面積(B)が、0.9<(B)/(A)<1.0の関係式で表されるカラーフィルタの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界放射型表示装置、蛍光表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)及び液晶表示装置などに用いるカラーフィルタの製造方法に関するものである。
カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタは、カラー液晶表示装置等に不可欠な部材で、液晶表示装置の画質を向上させたり、各画素にそれぞれの原色の色彩を与えたりする役割を有している。このカラーフィルタの製造方法は、従来種々の検討が重ねられており、代表的な方法として、フォトリソグラフィー方式、インキジェット方式などが知られている。フォトリソグラフィー方式では、基板全体に各色の感光性樹脂層の塗布膜を形成し、後に塗布膜の不要な部分を取り除き、残ったパターンを各色画素とする。この方法では塗布膜の多くが不要となるため、カラーフィルタの製造時に大量の顔料等の材料が無駄になる。また、色画素毎に露光、現像工程を行うため、工程数が多くなる。このようなことから、フォトリソグラフィー方式によるカラーフィルタの製造は、コスト、環境面、共に問題を有していた。この点で近年はインキジェット方式が注目されている。インキジェット方式によるカラーフィルタの製造は、R、G、Bの3色の着色樹脂組成物(以下、着色層とする。)をインキとして用い、各色を同時に印刷することができる。このため、材料の無駄も少なく、また、画素の形成工程が短縮されるため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンが期待できる。
インキジェット方式を用いたカラーフィルタ基板の製造方法として、特許文献1〜5に記載されている方法が提案されている。特許文献1には、ガラス基板上の所望する着色層領域外へのインキの広がりを防止するため、予め各画素間を区切る黒色の隔壁部にフッ酸系撥水・撥油剤を含有させてパターン形成することによって、着色領域内のみにインキを定着させることが記載されている。また、特許文献2、特許文献3には、含フッ素化合物及び/または含ケイ素化合物を含有する黒色樹脂層を、着色層形成工程におけるインキにじみ、混色を防止するための仕切り壁とすることが記載されている。特許文献4には、各画素の隔壁部分および画素のいずれかの表面が撥水・撥油性を有するように形成した後に、その撥水・撥油性をなくす基板処理の工程を含ませる製造方法が記載されている。これらの方法は、工程数が少ない点で、環境負荷と製造コストを低減できる非常に好ましい方法と言える。
しかし、前記従来の方法において、インキ吐出装置により印刷した着色層が平坦な形状にならず、凸型形状になる問題点があった。このため、カラーフィルタの各画素の形状にばらつきが生じ、層厚の薄い部分で白抜けと呼ばれる不良を発生し、また色度の違いから色ムラの問題を発生し、これを用いて製造されたカラー液晶表示装置の品質不良の原因となった。そこで、隔壁部を四角形状又は逆テーパー形状にすることで、着色層を平坦にする方法が提案されている(特許文献5)。しかし、実際に隔壁部を逆テーパー形状とすることは、製造技術上難しく、例えば特許文献5に記載の露光を不足気味に行う方法では、十分に断面形状が逆テーパー状にならず、色ムラを防止することができなかった。
特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平7−35917号公報 特開平7−248413号公報 特開2002−62422号公報
本発明は、前記の問題点を解決するために為されたもので、その課題とするところは、インキジェット方式により各画素が印刷されるカラーフィルタにおいて、熱による変形を発生せず、逆テーパー形状の隔壁部を提供し、これにより各画素に白抜け、混色不良、ムラの発生を防止し、平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタの製造方法の提供である。
本発明者の検討によれば、感光性樹脂組成物に遮光性をもたせ、膜厚を2μm以上と厚めにする。パターン露光工程にて感光性樹脂組成物の上部より露光し、隔壁部上部と比較して隔壁部下部を硬化が不十分な状態とする。現像工程にて、隔壁部下部は、隔壁部上部と比較して現像液に溶解しやすいことから、隔壁部の下部が優先的に現像され、逆テーパー形状を形成する。さらに、表面をUV照射により充分に硬化させることで、180℃未満の温度で熱硬化させる際にも熱による変形が発生せず、逆テーパー形状を維持することを見出した。
請求項1に記載の発明は、
少なくとも
(a)撥インキ性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物を基板上に塗工する工程
(b)パターン露光する工程
(c)現像して前記感光性樹脂組成物からなる隔壁を形成する工程
(d)前記隔壁をUV照射により硬化させる工程
(e)前記隔壁を180℃未満の温度で熱硬化させる工程
(f)前記隔壁で区切られた画素内に、インキジェット方式によりインキを吐出して着色層を形成する工程
をこの順で含むカラーフィルタの製造方法であって、前記(c)工程において形成される隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、0.9<(B)/(A)<1.0の関係式で表されることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記(d)工程におけるUV照射量が、前記(b)工程における露光量より大きいことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記撥インキ性を付与する材料が、質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記着色層を形成する工程が、インキジェット方式により有機溶剤系の顔料分散型インキを吐出して着色層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記隔壁の少なくとも一部が遮光性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項1に係る発明では、前記(c)工程において、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が0.9<(B)/(A)<1.0の関係式で表される逆テーパー形状の隔壁を形成することで、各画素に白抜け、混色不良、ムラの発生を防止し、平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを製造することができた。
請求項2に係る発明では、前記(d)工程におけるUV照射量を、前記(b)工程における露光量より大きく設定し、隔壁表面を充分に硬化させることで、前記(e)工程における熱硬化の際にも熱による変形がなく、良好な逆テーパー形状の隔壁を形成することができた。これにより、各画素に白抜け、混色不良、ムラの発生を防止し、平坦で均一な着色層を有するカラーフィルタを製造することができた。
請求項3に係る発明では、撥インキ性を付与する材料に質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素化合物を用いることにより、隔壁表面の撥インキ性と開口部基材表面の親インキ性を両立することができ、平坦な着色層を有する高精細なカラーフィルタが安定して製造できた。
請求項4に係る発明によって、耐熱性や耐候性が良好なカラーフィルタが安定して製造できた。
請求項5に係る発明によって、コントラストと透過する光量が両立したカラーフィルタを安定して製造することが可能となった。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
(カラーフィルタの構成)
図1に示すように、インキジェット方式によって着色層を形成して製造するカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色インキの混色を防止するため、透明基板1上に隔壁2を設ける。さらにカラーフィルタのコントラスト向上のため、隔壁2の一部又は全部に遮光性を付与することが望ましい。一般的に遮光性を付与する手段として、隔壁2の一部分又は全部分に黒色の材料を用い、黒色部分を設ける。ついで透明基板1上に赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層3を形成し、これを液晶用とする場合は、さらに透明導電層、配向膜層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介して、液晶表示装置を構成する。以下では、透明基板1、隔壁2および赤、緑、青の着色層3を合わせてカラーフィルタとする。必要に応じて前記カラーフィルタ上に保護層4を設けることができる。
(カラーフィルタの製造方法)
図2は、本発明のカラーフィルタの製造方法の好ましい実施形態の工程を示す断面模式図であり、図中、1は透明基板、5は感光性樹脂組成物、6は紫外線照射、7はフォトマスク、8はインキジェット装置である。以下、本発明によるカラーフィルタの製造方法を説明する。
まず透明基板1上に隔壁を形成するための感光性樹脂組成物5をスリットダイコーター、スピンコーター等、公知の塗工装置を用いて均一に塗工する(工程a)。カラーフィルタの透明基板としては、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。特にガラス基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れているために好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物はネガ型の感光性樹脂組成物であり、200〜500nmの波長域に感光性を有するものを用いる。主成分はバインダー樹脂、ラジカル重合性を有する化合物、光重合開始剤、溶剤、撥インキ性を付与する材料(撥インキ剤)、および必要に応じて遮光性部材からなる。
溶剤の沸点は、基板上に塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる点から100℃以上であることが望ましい。また、短時間で乾燥することで、撥インキ剤を塗膜表面に安定して偏析できる点から沸点130℃以下の溶剤を含有していることが望ましい。さらに、該溶剤の溶剤比は、効果の現れる10%から溶解性の悪くなる70%の範囲であることがより望ましい。
撥インキ剤は、隔壁にインキに対する撥インキ性を付与するものである。撥インキ剤は、隔壁形成に用いる感光性樹脂組成物に、予め添加して用いることができる。撥インキ剤として、含フッ素化合物もしくは含ケイ素化合物を用いることができ、これらを混合して用いることもできる。前記含フッ素化合物の例として、質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体は、本発明において隔壁表面の撥インキ性と開口部基材表面の親インキ性を両立する上で特に好ましい。また、後述するように隔壁を多層構造にする場合には、少なくとも最上部の層を形成する感光性樹脂組成物に撥インキ剤を添加して撥インキ性を付与すればよい。
黒色遮光部材は、隔壁に遮光性を付与し、カラーフィルタのコントラストを向上させるものである。黒色遮光部材としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。これらの黒色遮光部材は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。
この他、隔壁形成に用いる感光性樹脂組成物には、必要に応じて相溶性のある添加剤、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
次に、塗工した感光性樹脂組成物の溶剤成分を除去するため必要に応じて、減圧乾燥処理やプリベーク処理を施すことができる。この際、フッ素系の撥インキ剤を用いた場合は、塗膜中に分散した撥インキ剤が徐々に塗膜表面に偏析する性質を有しており、塗工から溶剤が揮発して塗膜が完固するまでの時間により、撥インキ剤の偏析状態が変化する。そのため均一な性能の隔壁を得る上で、本工程における塗工から減圧乾燥及びプリベークまでの時間間隔は均一に保つことが望ましい。
前記乾燥方法において、前述のように沸点が100℃から130℃の低沸点の溶剤を、感光性樹脂組成物の溶剤として含むことにより、素早く乾燥できる。これは、撥インキ剤の隔壁表面への偏析を促進し、減圧乾燥工程及びその前後の時間や、プリベーク工程及びその前後の時間の変化に対しても安定した隔壁の形成が可能となる。
次に、フォトリソグラフィー方式により隔壁パターンを形成する(工程b)。この工程におけるパターン露光工程では、遮光性をもたせた膜厚2μm以上の感光性樹脂組成物の上部より露光し、隔壁部上部と隔壁部下部の硬化具合をコントロールする。
次に、パターン露光した感光性樹脂組成物に現像液を供給して現像処理を行い、非露光部を除去し、感光性樹脂組成物のパターンを得る(工程c)。隔壁パターンの現像工程における現像液としては、非露光部を溶解させることのできる溶液、例えば、水酸化ナトリウムあるいは炭酸ナトリウム等のアルカリ性水溶液等を用いることができる。現像の際、隔壁部上部と比較して隔壁部下部は硬化が不十分であり、現像液に溶解しやすいことから、隔壁部下部が優先的に現像され、逆テーパー形状を形成することができた。形状は、現像時間によりコントロールすることが可能である。図3に示すように、隔壁上部の表面積(A)、隔壁と基板との接触面の表面積(B)を定義した時、現像時間が長いほど、これらの比「(B)/(A)」が小さくなる。着色層を形成した際の画素の平坦性、隔壁の直線性を考慮し、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、0.9<(B)/(A)<1.0の関係式で表されることが望ましい。
次に、露光・現像工程により形成された隔壁層に、上面から200〜500nmのUVを照射することにより充分に硬化させる(工程d)。照射する露光量としては、充分な硬化を行うため、少なくとも先の(b)工程における露光時の光量より大きいことが好ましい(例えば(b)工程の2〜50倍)。隔壁を180℃未満の温度で熱硬化させる工程において、熱により変形せず逆テーパー形状を維持するために重要である。さらに、着色層を形成する際に生じる隔壁表面の荒れの大きさが縮小し、数も減少させることができることから、365nmで100mJ/cm以上であることが望ましい。
また、照射する光源として、感光性樹脂が200〜500nmの波長域に感光性を有することから、この波長域に少なくとも1つ以上の分光ピークを有することが特に好ましい。
逆に、撥インキ剤の分解を促進する波長を含むものは、分解された撥インキ剤が開口部の基板表面を汚染するため適さない。高圧水銀ランプあるいはメタルハライドランプが特に好ましい。
隔壁層が遮光性を有する遮光層である場合、前記高圧水銀ランプあるいはメタルハライドランプによるUV照射では、隔壁の表面は硬化するものの、遮光されるために内部までは硬化しない場合がある。この場合には、前記の隔壁形成の工程後に、加熱処理を施して熱硬化させる工程を設けることが好ましい(工程e)。加熱方法としてはコンベクションオーブン、ホットプレート、ハロゲンヒーター、IRオーブンによる加熱等が利用でき、特に限定されるものではない。しかし180℃を超える温度で加熱すると、前工程において隔壁の表面を高圧水銀ランプあるいはメタルハライドランプによりUV硬化させても、開口部基板表面に撥インキ剤が再付着し、インキジェットにより着色層を形成した際に白抜けや平坦性の悪化を招くため、熱硬化させるための加熱温度は180℃未満に抑えることが望ましい。
以上のような工程で形成される隔壁は、1.0μm以上の高さで形成することが好ましい。さらに1.5μm〜5μmの高さで形成することがより好ましい。隔壁の高さが1.0μm以下であると着色インキの混色を生じる。一方、隔壁の高さが5μm以上になると、精細な隔壁の形成が困難であるとともに、着色層との段差が大きくなるため好ましくない。
また隔壁は、1層、又は2層以上の多層構造であっても構わない。一般的に、一回の工程で形成できる隔壁の高さには制限があるため、層厚の大きい隔壁を形成する場合、同じパターンの隔壁を積層し、多層構造とすることができる。隔壁を多層構造とした場合、そのうちの少なくとも1層に遮光性を付与し、遮光層とすることが好ましい。多層構造とした場合の少なくとも最上層は、撥インキ剤を含有した感光性樹脂組成物を用いて、前記の通り形成することが好ましい。最上層が撥インキ性であれば、着色層の混色や色むらの防止といった効果を得ることが出来る。
次に隔壁を形成した基板上に、公知のインキジェット方式により、3色の着色インキを印刷して着色層3を形成し(工程f)、焼成することにより、カラーフィルタとなる。
ここで焼成条件は、200℃〜250℃で10分〜60分間加熱することが好ましい。この焼成において、着色インキとともに隔壁が完全に硬化して、カラーフィルタとして十分な耐性が得られる。またこの焼成の際、隔壁上の撥インキ剤は熱分解されるため、次工程において、保護層4等を形成する場合には、既に撥インキ性は低下している。このために保護層等は隔壁状にも形成することができる。さらに隔壁上の撥インキ剤を完全に除くためには、溶剤や洗剤による洗浄、低圧水銀ランプによるUV照射或いはエキシマUV照射、研磨等の工程を設けることが可能である。
以上の工程により本発明のカラーフィルタが製造できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
各実施例においては下記の材料を用いた。
[透明基板]
無アルカリガラス“#1737”(コーニング社製)
[感光性樹脂組成物]
シクロヘキサノン(沸点155.7℃)・・・60重量部
メチルイソブチルケトン(MIBK、沸点116.2℃)・・・20重量部
クレゾール−ノボラック樹脂“EP4050G”(旭有機材工業社製)・・・20重量部
カーボン顔料“MA−8”(三菱マテリアル社製)・・・23重量部
分散剤“ソルスパース#5000”(ゼネカ社製)・・・1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物“トリメチロールプロパントリアクリレート”(大阪有機化学工業社製)・・・5重量部
光重合開始剤“イルガキュア369”(チバスペシャリティケミカルズ社製)・・・2重量部
含フッ素化合物“モディパーF−600”(日本油脂社製、質量平均分子量35000)・・・0.5重量部
<実施例1>
前記の感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布し、膜厚2μmの感光性樹脂組成物の膜を形成した。その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、i線露光量50mJ/cmのUV照射を感光性樹脂組成物の上部より行い、現像時間65秒の現像処理を行った。
作製した隔壁の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を観察したところ、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、(B)/(A)=0.95の関係式で表される逆テーパー形状であった。
続いて、i線露光量1700mJ/cmのUVを照射し、150℃、20分間オーブンで加熱処理を行った。
この隔壁を有する基板上に、インキジェット装置を用いて着色インキを印刷したところ、表1に示すように、いずれの基板についても着色層に白抜けや混色は生じていなかった。
<比較例1>
前記の感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布し、膜厚2μmの感光性樹脂組成物の膜を形成した。その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、i線露光量50mJ/cmのUV照射を感光性樹脂組成物の上部より行い、現像時間80秒の現像処理を行った。
作製した隔壁の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を観察したところ、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、(B)/(A)=0.85の関係式で表される逆テーパー形状であった。この隔壁は、現像によって隔壁上部の一部が剥れ落ち、直線性の悪い形状をしていた。
続いて、i線露光量1700mJ/cmのUVを照射し、150℃、20分間オーブンで加熱処理を行った。
この隔壁を有する基板上に、インキジェット装置を用いて着色インキを印刷したところ、
表1に示すように、いずれの基板についても着色層に白抜けや混色は生じていなかったが、隔壁の直線性が悪いため、ムラとなる不良が発生してしまった。
<比較例2>
前記の感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布し、膜厚2μmの感光性樹脂組成物の膜を形成した。その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、i線露光量50mJ/cmのUV照射を感光性樹脂組成物の上部より行い、現像時間50秒の現像処理を行った。
作製した隔壁の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を観察したところ、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、(B)/(A)=1.05の関係式で表される順テーパー形状であった。この隔壁は、現像不足により開口部に露出した基板表面に残渣が付着していた。
続いて、i線露光量1700mJ/cmのUVを照射し、150℃、20分間オーブンで加熱処理を行った。
この隔壁を有する基板上に、インキジェット装置を用いて着色インキを印刷したところ、表1に示すように、画素の平坦性が悪く、層厚の薄い部分で白抜けが発生した。また、撥インキ性を有する感光性樹脂組成物の微小な残渣を核として着色層をはじき、白抜けが発生した。
<実施例2>
前記の感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布し、膜厚2μmの感光性樹脂組成物の膜を形成した。その後格子状のパターンであるフォトマスクを用いて、i線露光量50mJ/cmのUV照射を感光性樹脂組成物の上部より行い、現像時間65秒の現像処理を行った。
作製した隔壁の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を観察したところ、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、(B)/(A)=0.95の関係式で表される逆テーパー形状であった。
続いて、表2に示すi線露光量にてUVを照射し、150℃、20分間オーブンで加熱処理を行った。
加熱処理後の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡で断面を観察したところ、UVを照射しない条件では、熱による変形が起こり、隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、(B)/(A)=1.05の関係式で表される順テーパー形状となった。一方、UVを100mJ/cm、1700mJ/cm照射した条件では、加熱処理前の形状を維持し、(B)/(A)=0.95の関係式で表される逆テーパー形状であった。
この隔壁を有する基板上に、インキジェット装置を用いて着色インキを印刷したところ、UVを照射しない条件では、表2に示すように、画素の平坦性が悪く、層厚の薄い部分で白抜けが発生した。また、撥インキ剤の開口部基板表面への再付着による白抜け、混色が発生し、さらに、残渣を核にした白抜け、隔壁表面の荒れが発生した。UVを100mJ/cm照射することで、画素の平坦性、撥インキ剤の開口部基板表面への再付着による白抜け、混色は解消したが、隔壁表面の荒れは残った。UVを1700mJ/cm照射することで、画素の平坦性、撥インキ剤の開口部基板表面への再付着による白抜け、混色、隔壁表面の荒れを解消することができた。
Figure 2008268699
Figure 2008268699
本発明の製造方法により得られたカラーフィルタは、電界放射型表示装置、蛍光表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)及び液晶表示装置などに有用である。
本発明の隔壁を備えたカラーフィルタの断面模式図である。 本発明のカラーフィルタ製造工程の断面模式図である。 本発明の現像工程後の隔壁の断面模式図である。
符号の説明
1…透明基板
2…隔壁
3…着色層
4…保護層
5…感光性樹脂組成物
6…紫外線照射
7…フォトマスク
8…インキジェット装置
a…基板上に感光性樹脂組成物を塗工する工程
b…マスクパターンで露光する工程
c…現像して隔壁を形成する工程
d…UV照射処理により隔壁を硬化させる工程
e…180℃未満の温度で隔壁を熱硬化させる工程
f…インキジェット方式によりインキを吐出して着色層を形成する工程
g…完成したカラーフィルタ

Claims (5)

  1. 少なくとも
    (a)撥インキ性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物を基板上に塗工する工程
    (b)パターン露光する工程
    (c)現像して前記感光性樹脂組成物からなる隔壁を形成する工程
    (d)前記隔壁をUV照射により硬化させる工程
    (e)前記隔壁を180℃未満の温度で熱硬化させる工程
    (f)前記隔壁で区切られた画素内に、インキジェット方式によりインキを吐出して着色層を形成する工程
    をこの順で含むカラーフィルタの製造方法であって、前記(c)工程において形成される隔壁上部の表面積(A)と、隔壁と基板との接触面の表面積(B)が、0.9<(B)/(A)<1.0の関係式で表されることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記(d)工程におけるUV照射量が、前記(b)工程における露光量より大きいことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記撥インキ性を付与する材料が、質量平均分子量が10,000〜100,000の含フッ素共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記着色層を形成する工程が、インキジェット方式により有機溶剤系の顔料分散型インキを吐出して着色層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記隔壁の少なくとも一部が遮光性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
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