JP2012121262A - インクジェット装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板と、該基板上に設けられた電極と、該電極上に設けられた突起部及び電気−機械変換膜とを有し、該電気−機械変換膜は、前記電極又は前記突起部表面を部分的に表面改質する工程(1)、前記電極上に化学溶液堆積法液を部分的に塗布する工程(2)、当該部分的に塗布された化学溶液堆積法液を乾燥・熱分解・結晶化する工程(3)により形成され、前記突起部は、絶縁材料からなると共に何れの面も親水性であり、前記化学溶液堆積法液を塗布する塗工箇所を囲繞するように形成されてなり、前記突起部の基板と反対側の面は、撥水膜が形成されてなり、前記突起部の断面形状は、前記基板と反対側の面の幅が前記基板側の面の幅よりも長い形状であり、前記工程(2)は、前記突起部の囲繞内面に接するように前記化学溶液堆積法液を塗布する事を特徴とする。
【選択図】図2
Description
しかしながら、特許文献1の方法では、CSD液が撥水性の上層に達したときに、CSD液の乾燥過程で端部が盛り上がるコーヒーステイン現象が起きるので、厚さが均一な圧電素子膜を得ることができない。
(I):基板と、該基板上に設けられた電極と、該電極上に設けられた突起部及び電気−機械変換膜と、を含む積層構成を有し、前記電気−機械変換膜の変形によりインクを吐出するインクジェット装置であって、前記電気−機械変換膜は、前記電極表面または前記突起部表面を部分的に表面改質する工程(1)と、前記電極上に化学溶液堆積法液をインクジェット方式により部分的に塗布する工程(2)と、当該部分的に塗布された化学溶液堆積法液を乾燥・熱分解・結晶化する工程(3)とにより、或いはさらに、前記工程(2)及び前記工程(3)を繰り返す工程(4)とにより、形成されてなり、前記突起部は、絶縁材料からなると共に何れの面も親水性であり、且つ、前記化学溶液堆積法液を塗布する塗工箇所を囲繞するように形成されてなり、前記突起部の基板と反対側の面は、撥水膜が形成されてなり、前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における当該突起部の形状は、前記基板と反対側の面の幅が、前記基板側の面の幅よりも長い形状であり、前記工程(2)は、前記突起部の囲繞内面に接するように前記化学溶液堆積法液を塗布することを特徴とするインクジェット装置である。
(II):前記突起部は、多層構成であることを特徴とする上記(I)に記載のインクジェット装置である。
(III):前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における当該突起部の高さは、前記電気−機械変換膜の膜厚よりも高いことを特徴とする上記(I)または(II)に記載のインクジェット装置である。
(IV):前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における、当該突起部の高さに対する当該突起部の前記基板側の面の幅の比率(幅/高さ)は、0.8以上であることを特徴とする上記(I)乃至(III)のいずれか1項に記載のインクジェット装置である。
(V):前記電気−機械変換膜の前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における前記基板と反対側の面の幅は、当該突起部の前記基板と反対側の面の幅よりも広いことを特徴とする上記(I)乃至(IV)のいずれか1項に記載のインクジェット装置である。
(VI):基板と、該基板上に設けられた電極と、該電極上に設けられた突起部及び電気−機械変換膜と、を含む積層構成を有し、前記電気−機械変換膜の変形によりインクを吐出するインクジェット装置の製造方法であって、前記電気−機械変換膜は、前記電極表面または前記突起部表面を部分的に表面改質する工程(1)と、前記電極上に化学溶液堆積法液をインクジェット方式により部分的に塗布する工程(2)と、当該部分的に塗布された化学溶液堆積法液を乾燥・熱分解・結晶化する工程(3)とにより、或いはさらに、前記工程(2)及び前記工程(3)を繰り返す工程(4)とにより、形成されてなり、前記突起部は、絶縁材料からなると共に何れの面も親水性であり、且つ、前記化学溶液堆積法液を塗布する塗工箇所を囲繞するように形成されてなり、前記突起部の基板と反対側の面は、撥水膜が形成されてなり、前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における当該突起部の形状は、前記基板と反対側の面の幅が、前記基板側の面の幅よりも長い形状であり、前記工程(2)は、前記突起部の囲繞内面に接するように前記化学溶液堆積法液を塗布することを特徴とするインクジェット装置の製造方法である。
(VII):上記(I)乃至(V)のいずれか1項に記載のインクジェット装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置である。
次に、本発明に係るインクジェット装置についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1、図2を用いて、本発明のインクジェット装置について説明する。
尚、以下において突起部101の上面とは、当該突起部101の囲繞方向に対する垂直方向断面における基板105と反対側の面を意味し、突起部101の下面とは、当該突起部101の囲繞方向に対する垂直方向断面における基板105側の面を意味する。
一般的に、撥水膜と親水膜が連続している膜上の、撥水膜と親水膜の境目に液滴が塗布されると、表面張力により撥水膜側から親水膜側へ液滴が移動することが知られている。
従って、突起部101または下部電極104を、親水処理または撥水処理の表面改質を行うことで撥水膜側から親水膜側への液滴の移動を促し、後述する電気−機械変換膜102の原液であるCSD液108を所望の位置に塗布せしめることができる。
なお、本実施の形態における表面改質では、突起部101の上面を撥水処理する表面改質を行ったが、本発明では下部電極104を親水処理する表面改質を行う等、電気−機械変換膜102の原液であるCSD液108を所望の位置に塗布せしめることができる限り表面改質の態様に制限はない。
即ち、表面改質された突起部101を有する下部電極104上にCSD液をインクジェット方式により部分的に塗布する(工程2)。
しかる後に、この部分的に塗布されたCSD液を乾燥・熱分解・結晶化する(工程3)。
なお、表面改質された突起部101を有する下部電極104上にCSD液をインクジェット方式により部分的に塗布する工程(工程2)と、この部分的に塗布されたCSD液を乾燥・熱分解・結晶化する工程(工程3)と、を繰り返し、所望の厚さの電気−機械変換膜102を形成(工程4)しても良い。
上記に対して、図4に示す本発明の電気−機械変換膜102の形成方法は、下部電極104上のCSD液を塗布する塗工箇所の周囲を囲むように形成された突起部101の断面形状が、上面の幅が下面の幅よりも長い形状であることから、突起部101の端部がCSD液108の蒸発を規制する屋根のような働きをするため、CSD液108の端部からの蒸発が遅くなってコーヒーステイン現象が起きにくくなり、厚さが均一の電気−機械変換膜102を得ることができる。
図5の実施例は、CSD液108を塗布する突起部101が、上層112と下層113の2層から構成されたものである。2層とも親水性の絶縁体で、上層112よりも下層113の方がエッチングされやすい材料で構成されている。そのため、上面の幅が下面の幅よりも長い断面形状の突起部101を形成することができる。なお、本実施例は2層の例を示したが、3層以上の構成でも下層になるに従ってエッチングしやすい材料を用いることで、上面の幅が下面の幅よりも長い断面形状の突起部101を形成することができる。
CSD液108を塗布する塗工箇所の周囲を囲むように形成された突起部101の高さH1が、電気−機械変換膜102の所望の膜厚H2より高くなっている。
突起部101の高さH1を、電気−機械変換膜102の膜厚H2よりも高くすることで、電気−機械変換膜102の形成過程におけるCSD液108の乾燥時のコーヒーステイン現象を防止することができる。
フォトリソグラフィー法を用いて、オーバーエッチング処理によって形成された突起部101は、下面の幅L1が高さH1に対して一般的に2割程度細く形成される。2割程度のオーバーエッチングであれば、成膜がしやすく、低コストで成膜できるため、突起部101の高さH1と下面の幅L1との関係は、高さH1に対する幅L1の比率(幅L1/高さH1)が0.8以上であることが望ましい。
突起部101の下面の幅L1及び上面の幅L2より、電気−機械変換膜102の上面の幅L3及び下面の幅L4が広い構成になっている。即ち、L2<L3が成り立つ。
電気−機械変換膜102の上面の幅L3及び下面の幅L4が、突起部101の下面の幅L1及び上面の幅L2より広いことによって、電気−機械変換膜102に電圧を印加した際に発生する伸縮振動による、電気−機械変換膜102の所望の変位を得ることができる。
101 突起部
102 電気−機械変換膜
103 上部電極
104 下部電極
105 基板
106 電気−機械変換素子
107 インクジェットヘッド
108 CSD(化学溶液堆積法)液
109 撥水膜
200 記録媒体
201 インクジェット装置
202 プラテン
203 輻射型ヒータ
204 供給ロール
205 張架ローラ
206 搬送ローラ
207 巻き取りロール
Claims (7)
- 基板と、
該基板上に設けられた電極と、
該電極上に設けられた突起部及び電気−機械変換膜と、を含む積層構成を有し、
前記電気−機械変換膜の変形によりインクを吐出するインクジェット装置であって、
前記電気−機械変換膜は、前記電極表面または前記突起部表面を部分的に表面改質する工程(1)と、前記電極上に化学溶液堆積法液をインクジェット方式により部分的に塗布する工程(2)と、当該部分的に塗布された化学溶液堆積法液を乾燥・熱分解・結晶化する工程(3)とにより、或いはさらに、前記工程(2)及び前記工程(3)を繰り返す工程(4)とにより、形成されてなり、
前記突起部は、絶縁材料からなると共に何れの面も親水性であり、且つ、前記化学溶液堆積法液を塗布する塗工箇所を囲繞するように形成されてなり、
前記突起部の基板と反対側の面は、撥水膜が形成されてなり、
前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における当該突起部の形状は、前記基板と反対側の面の幅が、前記基板側の面の幅よりも長い形状であり、
前記工程(2)は、前記突起部の囲繞内面に接するように前記化学溶液堆積法液を塗布することを特徴とするインクジェット装置。 - 前記突起部は、多層構成であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。
- 前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における当該突起部の高さは、前記電気−機械変換膜の膜厚よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット装置。
- 前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における、当該突起部の高さに対する当該突起部の前記基板側の面の幅の比率(幅/高さ)は、0.8以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
- 前記電気−機械変換膜の前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における前記基板と反対側の面の幅は、当該突起部の前記基板と反対側の面の幅よりも広いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
- 基板と、該基板上に設けられた電極と、該電極上に設けられた突起部及び電気−機械変換膜と、を含む積層構成を有し、前記電気−機械変換膜の変形によりインクを吐出するインクジェット装置の製造方法であって、
前記電気−機械変換膜は、前記電極表面または前記突起部表面を部分的に表面改質する工程(1)と、前記電極上に化学溶液堆積法液をインクジェット方式により部分的に塗布する工程(2)と、当該部分的に塗布された化学溶液堆積法液を乾燥・熱分解・結晶化する工程(3)とにより、或いはさらに、前記工程(2)及び前記工程(3)を繰り返す工程(4)とにより、形成されてなり、
前記突起部は、絶縁材料からなると共に何れの面も親水性であり、且つ、前記化学溶液堆積法液を塗布する塗工箇所を囲繞するように形成されてなり、
前記突起部の基板と反対側の面は、撥水膜が形成されてなり、
前記突起部の囲繞方向に対する垂直方向断面における当該突起部の形状は、前記基板と反対側の面の幅が、前記基板側の面の幅よりも長い形状であり、
前記工程(2)は、前記突起部の囲繞内面に接するように前記化学溶液堆積法液を塗布することを特徴とするインクジェット装置の製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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