JP5724490B2 - 圧電アクチュエータおよびその作製方法、液体吐出ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

圧電アクチュエータおよびその作製方法、液体吐出ヘッドおよび記録装置 Download PDF

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Description

この発明は、圧電アクチュエータおよびその作製方法、圧電アクチュエータを用いる液体吐出ヘッドおよび記録装置に関する。
インクジェットプリンタに用いられる液体吐出ヘッドは、インクが導入される加圧室の壁面をなす振動板を圧電アクチュエータにより変形させて、加圧室内のインクに圧力を印加し、加圧室内のインクを「加圧室に連通するノズル」を通して吐出させ記録媒体に付着させる。
振動板を基板とする圧電アクチュエータは一般に、電圧の印加により変形する圧電膜の両面を1対の電極膜で挟持した構成となっている。圧電膜を構成する圧電体としては「ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)セラミックス」などが用いられ、これらは複数の金属酸化物を主成分としているので一般に「金属複合酸化物」と呼ばれている。
圧電アクチュエータを作製する方法は、従来から種々の方法が提案されている。
出願人は先に「基板上に1以上の連通溝を有する隔壁を設けて複数の圧電素子形成領域を画成し、インクジェット方式により共通電極材料前駆体液を、圧電素子形成領域及び連通溝に塗布・焼成して共通電極を形成し、インクジェット方式により圧電体ゾルゲル液を、圧電素子形成領域に塗布・焼成して圧電材料層を形成し、さらに、インクジェット方式により個別電極材料前駆体液を、圧電素子形成領域に塗布・焼成して個別電極を形成する作製方法」を提案した(特許文献1)。
この発明は、特許文献1に開示された作製方法における「連通溝を有する隔壁」の形成を不要とし、より容易に圧電アクチュエータを作製できる新規な圧電アクチュエータ作製方法の提供、かかる作製方法により作製される圧電アクチュエータ、およびこれを用いる液体吐出ヘッド、かかる液体吐出ヘッドを用いるインクジェットプリンタの実現を課題とする。
この発明の圧電アクチュエータ作製方法は「電圧の印加により変形可能な圧電膜を有する圧電アクチュエータを作製する方法」であって、第1電極膜形成工程、単分子膜形成工程、パターニング工程、塗布工程、圧電膜化工程および第2電極膜形成工程を有する(請求項1)。
「第1電極膜形成工程」は、圧電アクチュエータを形成する基板上に、第1電極となる第1電極膜を形成する工程である。基板上に形成する圧電アクチュエータが複数個ある場合、第1電極膜は、第1電極膜形成工程により「複数の圧電アクチュエータに共通」して形成される。基板上に単一のアクチュエータが形成される場合、第1電極膜は「圧電膜の矩形形状よりも広い領域」に形成される。
「単分子膜形成工程」は、第1電極膜形成工程で基板上に形成された第1電極膜上の所望のエリアに、自己組織化による単分子膜を形成する工程である。「所望のエリア」は、1以上の圧電アクチュエータの圧電膜が形成される領域である。
「自己組織化による単分子膜」はSAM膜として知られており、単分子膜形成工程は第1電極膜上にSAM膜を形成する工程である。SAM膜を形成する処理を「SAM処理」とも言う。
「パターニング工程」は、第1電極膜上に形成された単分子膜に「圧電膜の矩形形状」をパターニングし、第1電極膜を「矩形状に露出」させる工程である。
このパターニング工程は、例えば、後述するように、周知の「フォトリソグラフィの手法と酸素プラズマ照射の手法」等により容易に実行可能である。
「塗布工程」は、矩形状に露出した第1電極膜部分に「圧電膜となる圧電膜材料の前駆液」をインクジェット方式で塗布する工程である。
「圧電膜化工程」は、塗布された前駆液を圧電膜に変質させる工程である。
「第2電極膜形成工程」は、圧電膜化された圧電膜の上に第2電極となる第2電極膜を形成する工程である。
「圧電膜材料の前駆液」と「第1電極膜の材料」と「単分子膜」の材料は、前駆液に対して第1電極膜が親液性で、単分子膜が疎液性となるように調整される。
前駆液、第1電極膜、単分子膜の材料がこのように調整されていると、前駆液をインクジェット方式で「矩形状に露出した第1電極面」に塗布するとき、前駆液は単分子膜の疎液性により弾かれて単分子膜には付着せず、第1電極膜の親液性により「露出している第1電極膜」には良好に付着して第1電極膜を濡らす。
前駆液は、インクジェット方式により塗布されるので、第1電極膜が露出している部分に位置精度良く塗布でき、塗布量を高精度に調整できる。
「圧電膜化工程」は、塗布された前駆液を乾燥し、熱分解する「乾燥・熱分解工程」と、熱分解された圧電膜材料を結晶化させる「結晶化工程」を含む。
即ち、塗布された前駆液は、乾燥・熱分解工程後は「固体状の膜」となるが、この固体状の膜が「結晶化工程」で結晶化されることにより「圧電膜」に変質する。
上記の方法において、単分子膜形成工程から乾燥・熱分解工程まで、もしくは単分子膜形成工程から結晶化工程までを行なった後、必要に応じ「必要厚の圧電膜」を得るために「単分子膜形成工程と塗布工程と乾燥・熱分解工程」もしくは「単分子膜形成工程と塗布工程と乾燥・熱分解工程と結晶化工程」を「繰り返し工程」として繰り返して行なうことができる。この繰り返し工程では「パターニング工程」を行なう必要は無い。
請求項1記載の圧電アクチュエータ作製方法は、アクチュエータを形成する基板をSi基板とし、第1電極膜、第2電極膜の材料を「白金族元素もしくはその酸化物」とし、単分子膜の材料を「アルカンチオール材料」とし、圧電膜の前駆液を「金属の複合酸化物の前駆液」として実施することができる(請求項2)。
この請求項2記載の圧電アクチュエータ作製方法は、第1電極膜の材料を白金族金属とし、圧電膜材料の前駆液を「PZT前駆体溶液」として良好に実現できる(請求項3)。
上記請求項1〜3に記載の圧電アクチュエータ作製方法は何れも、「複数回の単分子膜形成工程」と「複数回の塗布工程」と「複数回の乾燥・熱分解工程」と「1回以上の結晶化工程」とを行なって、複数の圧電膜を「階層的に積層」して形成し、階層的に積層される複数の圧電膜の「長手方向(矩形の長手方向)の大きさが「上層の圧電膜ほど小さく」なるように、インクジェット方式による複数回の塗布工程を制御することを特徴とする。
請求項1〜3の任意の1に記載の圧電アクチュエータ作製方法においては、第2電極膜を「圧電膜上にインクジェット方式で形成」することができる(請求項4)。
この発明の圧電アクチュエータは、請求項1〜4の任意の1に記載の圧電アクチュエータ作製方法により基板上に作成された圧電アクチュエータである(請求項5)。
この発明の「液体吐出ヘッド」は、請求項5記載の圧電アクチュエータを用いた液体吐出ヘッドである(請求項6)。
この発明の記録装置は、請求項6に記載の液体吐出ヘッドを備えた記録装置である。
以上に説明したように、この発明によれば新規な圧電アクチュエータ作製方法を提供できる。この作製方法では、第1電極膜上への前駆液の塗布を、インクジェット方式で行なうので、塗布位置に正確且つ適量に前駆液を塗布できる。塗布された前駆液は、単分子層の疎液性により弾かれるので、露出された第1電極膜部分に適正に留まり、圧電膜化工程により良好な圧電膜とすることができる。このように、この発明の作製方法では、基板上に良好な圧電アクチュエータを容易に且つ低コストで作製できる。
液体吐出ヘッドの圧電アクチュエータをこの作製方法で作製することで、液体吐出ヘッドやこれを用いる記録装置のコストを低減化できる。
圧電アクチュエータの作製方法を説明するための図である。 圧電アクチュエータの作製方法を説明するための図である。 実施の形態2の圧電膜の形態を説明するための図である。 実施の形態2の圧電アクチュエータのP−Eヒステリシス曲線を示す図である。 実施の形態2、3の圧電アクチュエータの長手方向の変位量を示す図である。 圧電アクチュエータに形成されうる保護膜を説明するための図である。 実施の形態3の圧電膜の形態を説明するための図である。 実施の形態3の圧電アクチュエータのP−Eヒステリシス曲線を示す図である。 第2電極膜をインクジェット方式で形成する場合の説明図である。 インクジェット塗布装置を説明するための図である。 液体吐出ヘッドを説明するための図である。 液体吐出ヘッドを説明するための図である。 インクジェットプリンタを説明するための図である。 インクジェットプリンタを説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
以下に挙げる実施の形態1、2、3のうち、実施の形態1は、第1電極膜形成工程、単分子膜形成工程、パターニング工程、塗布工程、圧電膜化工程および第2電極膜形成工程の各工程を説明するための図であり、実施の形態2、3が、発明の実施の形態である。
「実施の形態1」
図1以下を参照して、実施の形態1を説明する。
図1は「単分子膜形成工程」と「パターニング工程」を説明するための図である。
図1(a)は、Si基板1の表面に「第1電極膜形成工程」により第1電極膜1Aを均一に形成された状態を示している。
第1電極膜形成工程では「電極材料である白金」をスパッタによりSi基板1の表面に成膜して第1電極膜1Aとしている。即ち、第1電極膜1Aは白金膜である。
この白金膜の表面に「単分子膜形成工程」を行い単分子膜であるSAM膜を形成する。
SAM膜は、基板1の表面の第1電極膜1Aを「アルカンチオール液にディップして自己配列させる」ことにより得られる。
この実施の形態では、アルカンチオール液として「CH(CH)−SH」を用いた。
図1(b)は、「CH(CH)−SH」の分子(ML)が自己配列してSAM膜2が形成された状態を示している。
このように形成されたSAM膜2の上にフォトレジスト3の層を形成し、フォトリソグラフィにより「除去すべきSAM膜部分の上部のフォトレジスト」を除去する。
図1(c)は、このようにフォトレジスト3を除去した状態を示している。
この状態において、例えば「酸素プラズマ」を照射することにより、フォトレジストに覆われていないSAM膜2を「形成すべき圧電膜の矩形状」に除去する。
そうすると、基板1の表面に形成された白金膜(第1電極膜)1Aの表面が露出する。
白金膜の「露出した部分の形状」は、圧電膜の矩形形状に合同な形状である。
さらに、酸素プラズマ照射の際に「マスク」として用いられたフォトレジスト3を除去する。図1(d)の左図はこの状態を示し、符号1A1で示す領域で白金膜1Aの表面が露出している。白金膜1Aの露出した領域1A1の形状は「矩形状」であり、その長手方向は、図1(d)左図において図面に直交する方向である。
図1(d)右図は、SAM膜2に囲繞されて「矩形状に露出」した白金膜1A1を示している。この矩形の形状は、長手方向の長さが1mm、幅(短手方向の長さ)は80μmである。
なお、SAM膜2の除去は、上記酸素プラズマの照射に限らず、例えば「UV光照射」で実行することもできる。
続いて、図1(e)に示すように、インクジェット塗布装置の液体吐出ヘッド4を用いて、前駆液6の塗布を行なう。
前駆液を構成するための「溶液」は、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いる。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水し、化学量論組成に対し鉛量を10モル%過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる「鉛抜けによる結晶性低下」を防ぐためである。
イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、上記「酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液」と混合することで「PZT前駆液(圧電膜となる圧電膜材料の前駆液)」を合成した。このPZT濃度は0.1モル/リットルにした。
以下では前駆液6を、PZT前駆液6と記すこともある。
SAM膜6は「前駆液6に対して」に対して疎液性であり、露出した白金膜1A1の表面は「前駆液6に対して」親液性である。
このため、露出した白金膜1A1に液体吐出ヘッド4によりPZT前駆液6を塗布すると、前駆液6は、露出した「親液性の白金膜1A1」の表面を濡らして付着するが、SAM膜2には、疎液性により弾かれて付着しない。
図1(e)は、露出した白金膜1A1の表面に前駆液6が塗布された状態を示す。接触角のコントラスト(親液性と疎液性の差)により、前駆液6は親液部である白金膜1A1にのみに広がり矩形状のパターンを形成する。
このように塗布された前駆液6に対し「第1加熱(溶媒乾燥)工程として120℃で処理」した後、有機物の熱分解処理を行う。
第1過熱工程で熱処理されると、塗布された前駆液6は乾燥して「厚み」を減じ、膜状になる。この膜状のものを、便宜上以下においては「前駆膜」と称する。
図1(f)において符号6Aは「熱分解処理で得られた前駆膜」を示している。
1度の塗布工程で塗布される前駆液に第1過熱工程を行なって得られる前駆膜6Aの厚さは、膜の長手方向中心部で100nm前後が好ましい。液体吐出ヘッド4により1度の塗布工程で塗布される前駆液6における前駆体濃度は「成膜面積と前駆体塗布量の関係」に応じて適正化しておく。
説明中の実施の形態では、熱分解処理後の矩形状の「前駆膜6A」は、長手方向の中心部で膜厚:90nmであった。
引き続き「繰返し工程」を行う。
図1(f)の状態で「イソプロピルアルコールによる洗浄」を行なうと、白金膜1A上のSAM膜2が除去されて図2(a)に示す如き状態となる。
洗浄後、上記と同様の浸漬処理によりSAM膜2を再度形成する。
SAM膜2は、第1電極膜である白金膜1Aとアルカンチオール分子との組み合わせで形成されるものであり、前駆膜6A上には形成されない。従って、繰り返し工程における2度目以降の単分子膜形成工程では、SAM膜2は「自動的に矩形形状をパターニングされた状態」で形成される。このように自動的にパターニングされたSAM膜の状態を図2(b)に示している。
即ち、SAM膜2は「前駆液に対して疎液性」で、熱分解処理後の前駆膜6Aは「前駆液に対して親液性」である。
この状態で、1度目に形成した前駆膜6Aに位置合わせして、インクジェット塗布装置の液体吐出ヘッド4によりPZT前駆体6を塗布する。
図2(c)は、この状態を示している。塗布された前駆液6は前駆膜6A上に重ね塗りされた状態となる。
続いて、1回目と同じ加熱プロセスにより乾燥・熱分解工程を実施すると、重ね塗りされた前駆液6が乾燥・熱分解されて、先に形成されている前駆膜6Aと一体となって前駆膜6Bが得られる。このときの膜厚は180nmであった。
この状態を図2(d)の左図に示す。同図右図は、SAM膜2の「矩形形状にパターニングされた部分」に前駆膜6Bが形成されている様子を示している。
上記の工程を6回繰り返して「厚さ:540nmの前駆膜」を得たのち「結晶化工程」として700℃の温度での結晶化熱処理をRTA(急速熱処理)で行なった。この処理において「前駆膜のクラックの発生」等の不良は生じなかった。
結晶化工程により「厚さ:540nmの前駆膜」は、その前駆成分が結晶化して「PZT結晶」となり、圧電膜に変質する。図2(e)は、Si基板1上の白金膜による第1電極膜1Aの表面に圧電膜6Dが形成された状態を示している。
このようにして、圧電膜6Dを形成したのち、図2(f)に示すように、圧電膜6D上に白金により第2電極膜1Bを形成して圧電アクチュエータとした。
図2(e)、(f)においては、図の左右方向が矩形形状の長手方向である。
圧電膜6Dの厚さは、長手方向の中央部から長手方向の両端部の極く近傍に至るまで、同じ厚さ(180nm)であり、第2電極膜1Bの長手方向の両端部1B1、1B2における圧電膜6Dの厚さ(「端部膜厚」と呼ぶ。)も180nmであった。
「端部膜厚」は、圧電膜の長手方向の長さをXとするとき、長手方向両端部から0.1X(長さ:Xの10%)だけ中心部側へ変位した位置における膜厚である。
なお、第2電極膜1Bは、公知の適宜の方法で形成することが可能であるが、インクジェット方式で形成することができる。
「実施の形態2」
図2(d)の状態から、上記の繰り返し工程を更に4回繰り返して、膜厚:540nmの圧電膜を形成した。なお、結晶化工程は、全部で6層の前駆膜を形成した後、一括して行った。
このように形成された厚さ:540nmの圧電膜に対して、さらに、上記SAM膜形成工程、前駆液塗布工程、120℃での乾燥工程、500℃での熱分解工程、700℃での結晶化工程を6回行ない、厚さ:90nmの圧電膜を全体で7層に形成した。
第1電極膜上に直接に形成されている第1層の膜厚は上記の540nmであり、その上に積層された6層の圧電膜の厚さは何れも90nmである。
第1層の上に積層される6層の圧電膜は、その長手方向の長さが「直前の層の長手方向の長さよりも20%短くなる」ようにインクジェット塗布装置による塗布を制御した。
この塗布処理は、PZT膜断面形状が「長手方向に左右対称」になるように、両端部で塗布条件を同じにした。結晶化処理が施された膜にクラックなどの不良は生じなかった。
図3に、このように形成した全7層構造の圧電膜を説明図的に示す。
7層の圧電膜を、図の如く下から第1層L1、第2層L3・・・第7層L7とする。図の左右方向が長手方向であり、第i層(i=1〜7)の長手方向の長さをXとすると、上記の如く、
i+1=0.8X
である。
中心部膜厚は1080nmに達し、端部膜厚(第1層L1の端部膜厚)は540nmである。各層L1〜L7の長手方向の中央位置は揃っている。
図3に示した7層構造の圧電膜の第7層L7の上面に白金による第2電極膜を形成し、
圧電膜の電気特性、電気−機械変換能(圧電定数)の評価を行った。
電気特性として圧電膜の比誘電率は1163、誘電損失は0.03、残留分極は16.5μC/cm、抗電界は10.7kV/cmであり「通常のセラミック焼結体と同等の特性」を持つ。
図4に、「P−Eヒステリシス曲線」を示す。横軸は「印加電界」、縦軸は「分極率」を示す。
「電気−機械変換能」は電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。その圧電定数d31(結晶軸d31方向の圧電係数)は120pm/Vとなり、セラミック焼結体と同等の値であった。
図3のような、圧電膜の長さが上層ほど短くなるようにすると、長手方向中心部の変形が、端部からの拘束を軽減されるため中心部変形量を大きくすることができる。
図5の破線は、実施の形態2の圧電アクチュエータの長手方向の変形量を示す。中心部変形量は、セラミック焼結体(実線)に比べ20%向上している。これは液体吐出ヘッドの圧電アクチュエータとして十分設計できうる特性値である。
図3の圧電膜に第2電極膜を形成したのと同種の圧電アクチュエータで、長手方向中心部膜厚:Tと端部膜厚Tの倍率R(=T/T)が「1.25<R<3.0」の範囲にあるようにすると、上記の端部からの拘束を軽減して、中心部変形量を大きくする効果が認められた。
図3に即して説明した「圧電膜の上に白金膜による第2電極膜を形成した圧電アクチュエータ」の第2電極膜側に、窒化シリコンによる厚み:200nmの保護膜をスパッタリングで形成した。この保護膜付き圧電アクチュエータの断面観察をしたところ、長手方向の最端部のPZTは、図6(a)に示すように、中心部に向かって8.5°のテーパを有していた。このテーパは、中心部(図の右方)に向かって4.4μmに渡って連続し、それ以降は第1層の端部膜厚である540nmでテーパは見られなかった。
圧電膜上に成膜した保護膜を観察すると、第1層の最端部のテーパ(8.5°)が小さいため、圧電膜と保護膜の界面から最表面までの保護層の膜厚(「実効膜厚」)が、長手方向の位置に依存せずほぼ一定の大きさを維持していた。
具体的には、実効膜厚は198nmであり、成膜膜厚に対する実効膜厚は99.4%であった。
比較のために、スピンコートやスパッタで成膜したPZTの圧電膜を用意した。この場合は、レジストパターニングのドライエッチングの際に、オーバーエッチングが発生し、圧電膜端部にテーパが生じる。これらのテーパは50〜70°程度の高いテーパを有するため上記「低いテーパを有するPZT圧電膜」の場合と同条件で成膜した保護膜の実効膜厚は68.4nmで、成膜膜厚に対する実行膜厚は34.2%であった。
即ち、実施の形態2で形成した低いテーパを有するPZT圧電膜の方が「必要な保護膜の膜厚を効率良く確保できる」ことを意味する。
「実施の形態3」
実施の形態2と同様の工程で、第1層を形成し、第1層の上にさらに6層の圧電膜を形成した。このとき形成した6層の圧電膜は、図7に示すように、第1層L1の上の第2層L21〜第7層L27の層の長さ(図の左右方向の長さ)が、1層あがるたびに「直下の層の長さ」を片側10%ずつ短くなるようにし、圧電膜厚が、長手方向両端部側から中央部に向かって減少し、両端部で1080nm、中央部で最小膜厚:540nmとなるようにした。
7層の圧電膜の断面形状が長手方向において左右対称になるように、両端部で同じ条件を用いて前駆液の塗布を行なった。結晶化処理による結晶化工程が施された圧電膜にクラックなどの不良は生じなかった。
この圧電膜上に第2電極膜を白金のスパッタリングで成膜し、電気特性、電気−機械変換能(圧電定数)の評価を行った。
圧電膜の比誘電率は1163、誘電損失は0.03、残留分極は19.3μC/cm2、抗電界は3.3kV/cmであった。図8に「P−Eヒステリシス曲線」を図4にならって示す。
「電気−機械変換能」は、電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。その圧電定数:d31は120pm/Vとなり、こちらもセラミック焼結体と同等の値であった。
また、長手方向の中心部膜厚:TCと端部膜厚:Teの倍率R(=TC/Te)が「0.33<R<0.67」の範囲とすることにより、図5の「点線」のように、セラミック焼結体に比べて10%の中心部変形量の向上が認められた。
図5から明らかなように、セラミック焼結体や実施の形態2に示した「1.25<R<3.0」の範囲の圧電アクチュエータでは、長手方向の変形量が山形(実線と破線)になるが、実施の形態3の圧電アクチュエータでは点線で示すように変形量が「長手方向に水平」を保つ。このような変形量分布は「液体吐出ヘッドとして安定した振動モード」を実現でき、液体吐出ヘッドの圧電アクチュエータとして十分設計できうる特性値である。
第2電極膜は、請求項4記載のように「圧電膜上にインクジェット方式で形成」することができる。この場合の実施の1形態を、図9を参照して説明する。
図9は、圧電膜の長手方向から見た断面図であり、符号256は基板を支持する基体、符号255はSi基板、符号254は第1電極膜を示し、符号253はPZT結晶による圧電膜を示している。
インクジェット塗布装置の液体吐出ヘッド250に「微細な白金微粒子をコロイド状に分散させた液体」を充填し、インクジェット方式で塗布する。この塗布においても前述の「接触角のコントラストを利用して塗布領域」を規制した。
第2電極膜は、短絡を防止するために「PZT結晶の圧電膜253の膜パターンより小さい領域」に塗布する必要があるため「圧電膜253上にも上記液体を弾く疎液領域を設ける必要」がある。
これを実現するため、白金を塗布しない領域に「レジスト252をパターニング」し、レジスト252で覆われていない圧電膜表面に塗布を行い、120℃で白金の塗布液を乾燥処理した後にレジスト252を剥離し、最終的に250℃で焼結した。焼成後の白金膜の膜厚は0.5μmであり、比抵抗は5×10−6Ωcmであった。
以下、上に説明したインクジェット塗布装置の1例を、図10を参照して説明する。
図10は、インクジェット塗布装置を説明するための斜視図である。
同図において、架台200上に、Y軸駆動手段201が設置され、その上に基板202(塗布対象)を搭載するステージ203がY軸方向に駆動可能に設置されている。ステージ203には図示されない「真空、静電気などを利用する吸着手段」が設けられており、基板202を固定する。
X軸支持部材204には、X軸駆動手段205が取り付けられており、これにZ軸駆動手段211上に搭載されたヘッドベース206が取り付けられており、X軸方向に移動できるようになっている。
ヘッドベース206の上には「塗布液を吐出」させる液体吐出ヘッド208が搭載されている。液体吐出ヘッド208には、図示されない「液タンク」から供給用パイプ210を介して塗布液が供給される。
上記X、Y、Z駆動手段205、201、211により、塗布対象(塗布液が前駆液であるときには、SAM膜をパターニングされて露出した第1電極膜表面、塗布液が白金液である場合には圧電膜表面)に対する位置調整を行い、液体吐出ヘッド208から塗布液を吐出して塗布を行なう。
図11に、液体吐出ヘッドPHの構成を示す。図12には、図11の液体吐出ヘッドPHをアレイ配列した状態を示す。
図11において、圧力室21は、ノズル板10、圧力室基板20、振動板30により4方を囲繞され、図面に直交する方向の両端部は板部材で閉ざされ、一方の板部材を貫通する導液管により塗布液を導入できるようになっている。圧力室基板20および振動板30は「Siの板」である。図12に示すように、圧力室基板20は、隣接する圧力室を隔てる隔壁となっている。
図11において、圧力室21は図面に直交する方向へ長い直方体状であって、その長さは1mmより若干大きい。ノズル11は、ノズル板10における上記長手方向の1端部側に「小径の円孔」として穿設されている。
圧力室21は、導入された塗布液により満たされており、振動板30の変形により塗布液に圧力を作用させてノズル11から吐出させる。
振動板30の上部には密着層41を介して第1電極膜42が形成され、その上に形成された圧電膜43および第2電極膜44と、により圧電アクチュエータ40が構成されている。
圧電アクチュエータ40の変形により振動板30を変形させて圧力室内の体積を変化させ、塗布液に圧力を作用させる。
上記圧電アクチュエータを上に説明した作製方法で作製でき、このようにして請求項6記載の液体吐出ヘッドを実現できる。圧電アクチュエータの部分は、図11に示す形態のものに換えて、実施の形態2や3に示したものを適宜用いうることは言うまでもない。
なお、図11、図12に示した液体吐出ヘッドでは、先ず、Si基板の表面に密着層41を介して第1電極膜42を形成し、その上に、先に説明したプロセスで圧電膜43、第2電極膜44が形成される。図12の場合には、複数個の圧電アクチュエータが一度に形成される。
このようにして圧電アクチュエータを形成した後、Si基板を裏面側からエッチングで侵刻して圧力室21となるべき空間(その天井部分が振動板30となる。)を形成し、しかるのちに、ノズル11を穿設されたノズル板10を接合して上記空間を閉ざして液体吐出ヘッドが形成される。
最後に、図13、14を参照して、「記録装置」の1例であるインクジェットプリンタの実施の1形態を説明する。
図13は斜視図的説明図、図14は機構部の側面説明図である。
インクジェットプリンタは、記録装置本体81の内部に「主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド」、この記録ヘッドへ「吐出液であるインク」を供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等を収納している。
本体81の下方部には、多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着でき、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができる。
給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示されない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)からなるヘッド94を、複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
キャリッジ93には、ヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95が交換可能に装着される。
インクカートリッジ95は、上方には「大気と連通する大気口」、下方には「インクジェットヘッドへインクを供給する供給口」を有し、内部には「インクが充填された多孔質体」を有し、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクの圧力を「わずかな負圧」に維持している。
記録ヘッドとして、ここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
キャリッジ93は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に摺動自在に載置されており、キャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装し、このタイミングベルト100をキャリッジ93に固定し、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
給紙カセット84にセットされた用紙83をヘッド94の下方側に搬送するため、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101及びフリクションパッド102と、用紙83を案内するガイド部材103と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104と、搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105及び搬送ローラ104からの「用紙83の送り出し角度」を規定する先端コロ106とを設けている。搬送ローラ104は副走査モータ107によってギヤ列を介して回転駆動される。
キャリッジ93の「主走査方向の移動範囲」に対応して、搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する「用紙ガイド部材」として印写受け部材109を設けている。
印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112が設けられ、さらに用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114、排紙経路を形成するガイド部材115、116を配設している。
記録時には、キャリッジ93を移動させつつ、画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動して、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
キャリッジ93の移動方向右端側の「記録領域を外れた位置」に、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117を配置している。
回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
キャリッジ93は、印字待機中には回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
記録途中などに「記録と関係しないインク」を吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等がクリーニング手段により除去され、吐出不良が解消される。吸引されたインクは、本体下部に設置された図示されない廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては、本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
1 Si基板
2 SAM膜
3 フォトレジスト
1A 第1電極膜
1A1 SAM膜をパターニングされて第1電極膜が露出した部分
6 PZT結晶となるべき前駆液
6A 前駆液に乾燥・熱分解工程を施した後の前駆膜
特開2011−018836号公報

Claims (7)

  1. 電圧の印加により変形可能な圧電膜を有する圧電アクチュエータを作製する方法であって、
    前記圧電アクチュエータを形成する基板上に、第1電極となる第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、
    前記第1電極膜形成工程により形成された前記第1電極膜上の所望のエリアに、自己組織化による単分子膜を形成する単分子膜形成工程と、
    該単分子膜形成工程により形成された前記単分子膜を矩形状にパターニングし、前記第1電極膜を前記矩形状露出させるパターニング工程と、
    該パターニング工程により前記矩形状に露出した前記第1電極膜部分に、前記圧電膜となる圧電膜材料の前駆液をインクジェット方式で塗布する塗布工程と、
    該塗布工程により塗布された前記前駆液を圧電膜に変質させる圧電膜化工程と、
    該圧電膜化工程により圧電膜化された前記圧電膜の上に第2電極となる第2電極膜を形成する第2電極膜形成工程と、
    を備え、
    前記圧電膜材料の前駆液に対して、前記第1電極膜が親液性で、前記単分子膜が疎液性であり、
    前記圧電膜化工程が、
    前記塗布工程により塗布された前記前駆液を乾燥し、熱分解する乾燥・熱分解工程と、該乾燥・熱分解工程により熱分解された前記圧電膜材料を結晶化させる結晶化工程を有し、
    複数回の前記単分子膜形成工程と、
    複数回の前記塗布工程と、
    複数回の前記乾燥・熱分解工程と、
    1回以上の前記結晶化工程と、を行なって、複数の前記圧電膜を階層的に積層して形成し、
    階層的に積層される複数の前記圧電膜の、長手方向の大きさが、上層の圧電膜ほど小さくなるように、インクジェット方式による複数回の前記塗布工程を制御することを特徴とする圧電アクチュエータ作製方法。
  2. 請求項1記載の圧電アクチュエータ作製方法において、
    前記圧電アクチュエータを形成する基板がSi基板であり、
    前記第1電極膜、前記第2電極膜の材料が、白金族元素もしくはその酸化物であり、
    前記単分子膜の材料がアルカンチオール材料であり、
    前記圧電膜の前駆液が、金属の複合酸化物の前駆液であることを特徴とする圧電アクチュエータ作製方法。
  3. 請求項2記載の圧電アクチュエータ作製方法において、
    前記第1電極膜の材料が白金族金属であり、
    前記圧電膜材料の前駆液がPZT前駆体溶液であることを特徴とする圧電アクチュエータ作製方法。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の圧電アクチュエータ作製方法において、
    前記第2電極膜を、前記圧電膜上にインクジェット方式で形成することを特徴とする圧電アクチュエータ作製方法。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の圧電アクチュエータ作製方法により前記基板上に作成された圧電アクチュエータ。
  6. 請求項5記載の圧電アクチュエータを用いた液体吐出ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体吐出ヘッドを備えた記録装置。
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