JP5831798B2 - 電気機械変換膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気機械変換膜の製造方法に関するものである。
従来、電気機械変換膜を電極で挟むように構成された電気機械変換素子は、例えばインクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備え、媒体を搬送しながらインク滴を用紙に付着させて画像形成を行うインクジェット記録装置で用いられている。ここでの媒体は「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。また、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、インクとは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
そして、上記インクジェット記録装置は、主として、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する吐出室、加圧液室、圧力室、インク流路室と称する液室と、該液室内のインクを吐出するための圧力発生手段とで構成されている。この圧力発生手段として、圧電素子などの電気機械変換素子を用いて吐出室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型の圧力発生手段が知られている。このピエゾ型の圧力発生手段に使用される電気機械変換素子は、下部電極と、電気機械変換層と、上部電極とが積層したものからなる。各圧力室にインク吐出の圧力を発生させるのに個別の電気機械変換素子が配置されることになる。電気機械変換層は電気機械変換膜を形成する工程を複数回行って形成される。電気機械変換膜は例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が用いられ、これらは複数の金属酸化物を主成分としているので一般に金属複合酸化物と称される。
この電気機械変換膜の製造方法としては、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法、レーザアブレーション法等があるが、これらのうち、ゾルの塗布、乾燥、熱分解、結晶化という工程により成膜するゾルゲル法は、結晶状態の制御性に優れている。このゾルゲル法を用いた電気機械変換膜の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の製造方法では、下部電極となる白金(Pt)は濡れ性が強く、下部電極の表面は親液性の特性を有する親液面となる。そして、Si基板上に白金を成膜し、この白金の表面に上記PZTの成分を含む溶液を塗布する。そのPZT溶液が塗布された表面は濡れ性が弱くなり、疎液性の特性を有する疎液面となる。そして、塗布された上記PZT溶液の膜上にフォトリソグラフィーにより所定のパターンに形成されたフォトレジストを配置し、そのフォトレジストの所定のパターンに合わせたエッチングを行う。具体的には、酸素プラズマの照射又はUV光の照射によりフォトレジストで被覆されずに剥き出しになっている上記PZT溶液の膜を除去し、フォトレジストで被覆されていた上記PZT溶液の膜は残る。その後、加工に用いたフォトレジストを取り除いてフォトレジストによって被覆されていた上記PZT溶液の膜のパターニングを完了する。以上の工程を行うことにより、下部電極上のPZT液が塗布される所定部分以外の表面を疎液面にする表面改質が行われる。
次に、上記エッチングによって上記PZT溶液の膜が除去された下部電極上の所定部分に、電気機械変換膜を形成するための原料を含むゾルゲル液の液滴を液滴吐出ヘッドのノズルから滴下する塗布工程を行う。そして、上記所定部分に滴下された上記ゾルゲル液の膜のみにレーザ光を照射しながら走査して所定の温度での熱処理を行うレーザ光照射による熱処理工程を行う。具体的には、上記ゾルゲル液の膜が形成されたベース基板を固定し、レーザ光のスポット外輪部が所定部分に形成された上記ゾルゲル液の膜端部に沿うように、レーザ光を照射しながら走査する。あるいは、ベース基板をXY軸移動ステージ上に設置し、当該XY軸移動ステージをX軸方向−Y軸方向に移動させることによって、固定されたレーザ光の照射位置に下部電極上の所定部分を相対的に走査させて照射する。このレーザ光照射による熱処理工程では上記ゾルゲル液の膜の所定部分にレーザ光を照射すると、レーザ光の一部が上記ゾルゲル液の膜を通って下部電極にも照射される。これにより、上記ゾルゲル液の膜は、レーザ光照射による加熱及び下部電極からの熱伝導によって加熱される。そして、上記ゾルゲル液の膜を乾燥させ熱分解して結晶化させて、積層構造の電気機械変換膜を形成している。ここでのレーザ光照射による熱処理工程は、上記ゾルゲル液を乾燥させる工程、乾燥させた上記ゾルゲル液の膜を熱分解させる工程、及び熱分解された上記ゾルゲル液の膜を結晶化させる工程を含んでいる。
しかしながら、上記特許文献1の電気機械変換膜の製造方法では、レーザ光の一部が下部電極に照射されて下部電極を加熱しているので、加熱された下部電極の熱は上記ゾルゲル液の膜に伝熱するほか、下部電極の直下層のSi基板にも拡散してしまう。このため、下部電極の温度は所望の温度まで上昇できずに上記ゾルゲル液の膜の加熱が不十分となってしまうと共に、下部電極の伝熱によってSi基板が損傷してしまう虞がある。よって、電気機械変換膜の品質が悪化するという問題点があった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ゾルゲル液の膜の加熱効率を高めることで電気機械変換膜の品質を向上できる電気機械変換膜の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基板上に下部電極となる金属膜を成膜する成膜工程と、前記金属膜を厚み方向にエッチングするエッチング工程と、該金属膜上に電気機械変換膜の成分を含有するゾルゲル液を塗布する塗布工程と、レーザ光源から照射されたレーザ光によって金属膜を加熱して前記ゾルゲル液の膜に熱処理を施す熱処理工程とを有する電気機械変換膜の製造方法において、前記成膜工程では、前記基板上に前記金属膜よりも熱伝導率の低い絶縁膜を成膜するとともに、該絶縁膜上に前記金属膜を成膜し前記エッチング工程では、前記電気機械変換膜をパターニングする部分に隣接する外周部の前記金属膜を厚み方向にエッチングし、当該エッチング部分から前記絶縁膜を露出させ、前記塗布工程では、前記金属膜上と、前記金属膜のエッチング部分から露出している前記絶縁膜上とに前記ゾルゲル液を塗布し、前記熱処理工程では、前記塗布工程で前記金属膜上に塗布した前記ゾルゲル液の膜と前記塗布工程で前記絶縁膜上に塗布した前記ゾルゲル液の膜とに、レーザ光を照射することを特徴とするものである。
本発明において、熱処理工程では、レーザ光の照射によって、金属膜上に塗布されたゾルゲル液を加熱したことによる熱が、そのゾルゲル液の直下に設けられている金属膜に伝わり、金属膜を加熱する。加熱された金属膜の熱は、当該金属膜に接し、かつ絶縁膜上に塗布されたゾルゲル液に伝わり、そのゾルゲル液を加熱する。これにより、金属膜上と絶縁膜上とに亘るゾルゲル液の膜を所望の温度まで効率良く加熱することができる。よって、ゾルゲル液の膜の十分な加熱ができることで電気機械変換膜の品質を向上することができる。
本発明によれば、下部電極の熱の拡散を抑制して電気機械変換膜の加熱効率を高めることで電気機械変換膜の品質を向上させることができるという効果が得られる。
本発明の実施形態の液滴吐出装置の一構成例を示す概略構成図である。 本実施形態の液滴吐出装置の概略透視斜視図である。 本実施形態に係る電気機械変換膜の形成を伴う電気機械変換素子の製造工程を示す工程断面図である。 P(分極)−E(電界強度)のヒステリシス曲線を示す特性図である。 製造方法で製造した電気機械変換素子を用いて構成した液滴吐出ヘッドの一構成例を示す概略構成図である。 図5の液吐出ヘッドを複数並べた構成例を示す概略構成図である。 本実施形態の電気機械変換膜の製造工程を示す工程断面図である。 本実施形態の電気機械変換膜の別の製造工程を示す工程断面図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出塗布装置の構成を示す斜視図である。 パターン形状と同等領域のレーザ照射を行う概要を示す概略図である。 本実施形態の電気機械変換膜の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の実施形態の液滴吐出装置の一構成例を示す概略構成図である。また、図2は本実施形態の液滴吐出装置の概略透視斜視図である。両図に示す本発明の液滴吐出装置の一例であるインクジェット記録装置100は、主に、記録装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101と、キャリッジ101に搭載した本発明を実施して製造した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド102と、記録ヘッド102へインクを供給するインクカートリッジ103とを含んで構成される印字機構部104を有している。また、装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙105を積載可能な給紙カセット106を抜き差し自在に装着することができ、また用紙105を手差しで給紙するための手差しトレイ107を開倒することができ、給紙カセット106或いは手差しトレイ107から給送される用紙105を取り込み、印字機構部104によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ108に排紙する。
印字機構部104は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド109と従ガイドロッド110とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ101にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド102を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には記録ヘッド102に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103を交換可能に装着している。インクカートリッジ103は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド102へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド102へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
また、記録ヘッド102としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド109に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド110に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ111で回転駆動される駆動プーリ112と従動プーリ113との間にタイミングベルト114を張装し、このタイミングベルト104をキャリッジ101に固定しており、主走査モータ111の正逆回転によりキャリッジ101が往復駆動される。
一方、給紙カセット106にセットした用紙105を記録ヘッド102の下方側に搬送するために、給紙カセット106から用紙105を分離給装する給紙ローラ115及びフリクションパッド116と、用紙105を案内するガイド部材117と、給紙された用紙105を反転させて搬送する搬送ローラ118と、この搬送ローラ118の周面に押し付けられる搬送コロ119及び搬送ローラ118からの用紙105の送り出し角度を規定する先端コロ120とを設けている。搬送ローラ118は副走査モータ121によってギヤ列を介して回転駆動される。そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ118から送り出された用紙105を記録ヘッド102の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材122を設けている。この印写受け部材122の用紙搬送方向下流側には、用紙105を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ123、拍車124を設け、さらに用紙105を排紙トレイ108に送り出す排紙ローラ125及び拍車126と、排紙経路を形成するガイド部材127、128とを配設している。
記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド102を駆動することにより、停止している用紙105にインクを吐出して1行分を記録し、用紙105を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙105の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙105を排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド102の吐出不良を回復するための回復装置129を配置している。回復装置129はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置129側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド102をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
このように、このインクジェット記録装置は、本実施形態のインクジェットヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて画像品質が向上する。
次に、本発明の実施形態の電気機械変換膜の製造工程について説明する。なお、本実施形態では、圧電定数d31の変形を利用した横振動(ベンドモード)型の電気機械変換膜を有する電気機械変換素子を例として説明するが、本発明はこの型の電気機械変換膜に限定されることなく適用可能である。
電気機械変換膜がPZT膜の場合、酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムを出発材料として合成したPZT前駆体溶液を用いることができる。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解した後、脱水する。化学量論的組成に対し鉛量を10[mol%]過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、上記酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と均一に混合することによりPZT前駆体溶液を合成することができる。このPZT前駆体溶液のPZT濃度は例えば0.1[mol/l]にする。
また、電気機械変換膜がPZT膜の場合のPZT前駆体溶液は、非特許文献1に記載されている、酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、均一溶液として得るようにしてもよい。上記PZT前駆体溶液は「ゾルゲル液」とも呼ばれる。
PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O、一般にPZT(53/47)と示される。酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物の出発材料は、この化学式に従って秤量される。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
また、下地となる基板上の第1の電極の表面に電気機械変換膜としてのパターン化したPZT膜を得る場合、上記溶液を塗布液として液滴吐出方式で塗布することにより塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでパターン化したPZT膜が得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100[nm]以下の膜厚が得られるようにするのが好ましい。そして、前駆体濃度は、電気機械変換膜の成膜面積とPZT前駆体溶液の塗布量との関係から適正化するように調整するのが好ましい。また、液滴吐出装置の電気機械変換素子として用いる場合、このPZT膜の膜厚は1[μm]〜2[μm]が要求される。この膜厚を得るには十数回、工程を繰り返すことになる。
更に、ゾルゲル法によるパターン化した電気機械変換層の形成の場合には、下地となる基板の濡れ性を制御したPZT前駆体溶液の塗り分けをする。これは、非特許文献2に示されているアルカンチオールが特定金属上に自己配列する現象を利用したものであり、まず、基板の白金族金属の表面に、チオールのSAM(Self assembled monolayer)膜を形成する。SAM膜上はアルキル基が配置しているので、疎液性になる。このSAM膜は、例えば周知のフォトリソグラフィ・エッチングにより、フォトレジストを用いてパターニングすることができる。レジスト剥離後も、パターン化SAM膜は残っているので、この部位は疎液性になっている。一方、SAM膜が除去された部位は白金表面が露出しているため、親液性になっている。この表面エネルギーのコントラストを利用してPZT前駆体溶液の塗り分けをすることができる。本実施形態では、上記SAM膜を、PZT前駆体溶液を塗布しない領域に選択的に形成した後、以下に示すように、PZT前駆体溶液の消費量を低減することができる液滴吐出方式による塗工(インクジェット塗工)でPZT前駆体溶液を選択的に塗布している。
図3は本発明の一実施形態に係る電気機械変換膜の形成を伴う電気機械変換素子の製造工程を示す工程断面図である。同図の(a)に示す基板11の表面(上面)には、チオールとの反応性に優れた第1の電極としての図示しない白金族金属からなる白金電極が、例えばスパッタ法により形成されている。この基板11の白金電極の表面に、同図の(b)に示すようにSAM膜12が形成される。SAM膜12は、アルカンチオール液に基板11をディップして自己配列させることで得られる。本例では、CH(CH)−SHのアルカンチオールの分子を一般的な有機溶媒(アルコール、アセトン、トルエンなど)に所定濃度(例えば数[mol/l])で溶解させたアルカンチオール液を用いた。このアルカンチオール液に基板11を浸漬させ、所定時間後に取り出した後、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し乾燥することにより、白金電極の表面にSAM膜12を形成することができる。次に、同図の(c)に示すように、フォトリソグラフィーによりフォトレジスト13をパターン形成し、同図の(d)に示すようにドライエッチング(例えば、酸素プラズマの照射又はUV光の照射)によりSAM膜12を除去し、加工に用いたフォトレジスト13を除去してSAM膜12のパターニングを終了する。このように形成されたSAM膜12は、純水に対する接触角が例えば92度であり、疎液性を示す。一方、SAM膜12が除去されて露出した基板11の白金電極の表面は、純水に対する接触角が例えば54度であり、親液性を示す。
次に、図3の(a)〜(d)に示す工程を行った後、PZT前駆体溶液の液滴をノズルから吐出させる液滴吐出方式、具体的には液滴吐出ヘッド14によりPZT前駆体溶液15が塗布される(図3の(e)参照)。このPZT前駆体溶液15の塗布は、疎液部であるSAM膜上にはPZT膜16が形成されず、SAM膜を除去された親液部のみにPZT膜が形成されるように行われる。最後に、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで電気機械変換膜17が得られる(図3の(f)参照)。
上記図3の方法では、上記図3の(a)〜(d)及び液滴吐出方式によるPZT前駆体溶液の塗布、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各熱処理を1回ずつ実行して所定膜厚の電気機械変換膜を得る場合について示したが、上記図3の(a)〜(d)、液滴吐出方式によるPZT前駆体溶液の塗布の図3の(e)、及び溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各熱処理の図3の(f)を、所定回数(2回以上)繰り返して実行して薄めに設定した電気機械変換膜を多層に重ねて形成し、所定膜厚の電気機械変換膜を得るようにしてもよい。この場合、電気機械変換膜のクラックの発生をより確実に防止できる。
また、上記図3の方法では、第1の電極上のPZT前駆体溶液が塗布される所定部分以外の表面をSAM膜によって疎液面にする表面改質を行っているが、第1の電極の表面が疎液面の場合は、その第1の電極上のPZT前駆体溶液が塗布される所定部分の表面を親液面にする表面改質を行ってもよい。
上述した製造工程を15回繰り返し500[nm]の膜を得た。このとき作製された膜にクラックなどの不良は生じなかった。さらに、15回のPZT前駆体の選択塗布とレーザ照射を行い、結晶化処理をした。膜にクラックなどの不良は生じなかった。膜厚は1000[nm]に達した。このパターン化膜に上部電極(白金)を成膜し電気特性、電気機械変換能(圧電定数)の評価を行った。その結果、図4のP(分極)−E(電界強度)のヒステリシス曲線が得られた。膜の比誘電率は1220、誘電損失は0.02、残留分極は19.3[μC/cm]、抗電界は36.5[kV/cm]であり、通常のセラミック焼結体と同等の特性を持っていることがわかった。また、電気−機械変換能は電界印加による変形量をレーザドップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。その圧電定数d31は120[pm/V]となり、こちらもセラミック焼結体と同等の値であった。この値は液体吐出ヘッドに用いる圧電素子として十分設計できうる特性値である。電極膜として白金やSrRuOやLaNiOなどの酸化物を溶媒に溶かし、インクジェット法で塗布、レーザ照射することで圧電体層と同様に電極膜も形成することができる。
図5は上記製造方法で製造した電気機械変換素子を用いて構成した液滴吐出ヘッドの一構成例を示す概略構成図である。図示の例では、液室基板となるシリコン基板20上に、振動板30、密着層41及び下部電極(第1の電極)42を積層し、その下部電極(第1の電極)42上の所定部分に、上記簡便な製造方法により、バルクセラミックスと同等の性能を持つ電気機械変換素子(PZT素子)43及び上部電極44をパターン化して形成することができる。その後、シリコン基板20の裏面(図中の下面)からエッチング除去工程により液室22aを形成し、ノズル孔21を有するノズル板22を接合することにより、液滴吐出ヘッド50を作製することができる。なお、図中には液体供給手段、流路、流体抵抗についての記述は省略した。また、図5の液滴吐出ヘッド50は、図6に示すように複数個並べるように構成することもできる。
本実施形態に係るゾルゲル法による電気機械変換膜の製造方法を説明する。
図7は本実施形態の電気機械変換膜の製造工程を示す工程断面図である。同図の(a)に示すように、先ずスパッタを用いてSi基板201上にSiOなどの絶縁膜202、白金(Pt)系の下部電極膜203の順に成膜する。そして、同図の(b)に示すように、フォトリソエッチングにより電気機械変換膜をパターニングする外周部の下部電極膜203を厚み方向に部分的に除去する。次に、同図の(c)に示すように、スピンコートによりPZT前駆体のゾルゲル液を塗布し、120℃で乾燥させ、PZT前駆体膜204を形成する。同図の(d)に示すように、電気機械変換膜を形成する部分である照射範囲にレーザ光205を照射する。これにより、ゾルゲル膜が光を吸収加熱されるとともに底部のPtの下部電極膜203が加熱され、PZT前駆体膜204が結晶化される。その後、同図の(e)に示すように、希塩酸で結晶化されていないPZT前駆体膜204をエッチングすると結晶化した部分のみが残り、電気機械変換膜206が形成される。これを繰り返すことにより、膜厚が5[μm]の電気機械変換膜を得ることができる。使用するレーザ光の波長は400[nm]以上で、スポット径は、電気機械変換膜の形状が直方体であれば平面形状のいずれかの幅と略同等であることが好ましい。レーザ照射領域は、非レーザ照射領域から断熱されているため、効率良く下部電極膜203が加熱されると共に、下部電極膜203からの熱が熱伝導でPZT前駆体を乾燥、熱分解、結晶化することができる。
図8は本実施形態の電気機械変換膜の別の製造工程を示す工程断面図である。同図に示す製造工程は、基板の表面改質の工程を含んだ本実施形態の電気機械変換膜の製造工程である。図7と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図の(a)に示すように、先ずスパッタを用いてSi基板201上にSiOなどの絶縁膜202、白金(Pt)系の下部電極膜203の順に成膜する。そして、同図の(b)に示すように、フォトリソエッチングにより電気機械変換膜をパターニングする外周部の下部電極膜203を部分的に除去する。次に、同図の(c)に示すように、SAM膜207をアルカンチオール液に下部電極膜203をディップして自己配列させることで得られる。ここではCH(CH)−SHを使用した。アルカンチオールは金属上にしか自己配列しないため、SiOが露出している部分には形成されない。同図の(d)に示すように、PZTを形成する部分のSAM膜207を除去し、必要部分のSAM膜207を保護するためにフォトリソグラフィーによりフォトレジスト208をパターニングする。そして、同図の(e)に示すように、例えば酸素プラズマ209を基板表面に照射することにより、同図の(f)に示すように、PZTを形成する部分のSAM膜107を除去する。その後フォトレジスト208を剥離する。同図の(g)、(h)に示すように、PZT前駆体のゾルゲル液を塗布し、120℃で乾燥させ、PZT前駆体膜204を形成する。同図の(i)に示すように、電気機械変換膜を形成する部分である照射範囲にレーザ光205を照射する。これにより、ゾルゲル膜が光を吸収加熱されるとともに底部のPtの下部電極膜203が加熱され、PZT前駆体膜204が結晶化される。その後、同図の(j)に示すように、電気機械変換膜206が形成される。本工程により形成されたSAM膜207の純水に対する接触角は92.2度であり疎液性を示し、SAM膜207を除去した基板上のPtの接触角は5.4度と親液性となる。本実施形態ではSAM膜207を酸素プラズマ209で除去する例を説明したが、紫外線などのレーザ照射でも良い。
図9は本実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出塗布装置の構成を示す斜視図である。本実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載した図9に示す液滴吐出塗布装置60によれば、架台61の上に、Y軸駆動手段62が設置してあり、その上に基板63を搭載するステージ64がY軸方向に駆動できるように設置されている。ステージ64には図示されていない真空、静電気などの吸着手段が付随して設けられており、基板63が固定されている。また、X軸支持部材65にはX軸駆動手段66が取り付けられており、これにZ軸駆動手段67上に搭載されたヘッドベース68が取り付けられており、X軸方向に移動できるようになっている。ヘッドベース68の上には液体を吐出させる液滴吐出ヘッド69が搭載されている。この液滴吐出ヘッド69には図示されていない液体タンクから供給用パイプ70を介して液体(PZT前駆体溶液)が供給される。更に、図示していない、レーザーヘッドが液滴吐出ヘッド69に隣接して配されており、X軸駆動手段を共有することにより液滴吐出ヘッド69と同期した駆動を行う。図7の(h)に示すように、PZT前駆体の溶液を図9の液滴吐出ヘッド69で塗布すると、PZTパターンはSAM膜207が形成されていないSiOなどの絶縁膜202の領域まで広がり、その後レーザ光205によって乾燥と結晶化が行われる。この時のレーザ照射領域は30ミクロン径であり、スキャンしてパターン上全面に照射した。レーザ光205による加熱領域はSiOなどの絶縁膜202が断熱層となり、塗布領域下部の島状のPt領域となり効率的に加熱される。また、PZTパターン部以外に形成されたSAM膜207は200℃以上でダメージを受けるが、加熱領域がPZTパターン部のみのためダメージを受けない。そのため、PZT前駆体の溶液の塗布とレーザ照射を繰り返すのみで、所定の領域に所定の膜厚の電気機械変換膜を形成することが可能となる。
本実施形態で用いた絶縁膜はSiOであるが材料は限定されるものではない。ただし、Ptとの熱伝導率の差が大きいほど効率は良く、SiOは7[W/M・℃]とPtの70[W/M・℃]の1/10であった。そのときの膜厚は、SiOが1[μm]、Ptは0.2[μm]であった。溶液は出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対し鉛量を10[mol%]過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、先記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT濃度は0.1[mol/l]にした。一度の成膜で得られる膜厚は100[nm]が好ましく、前駆体濃度は成膜面積と前駆体塗布量の関係から適正化される。接触角のコントラストのため前駆体溶液は親水部にのみ広がりパターンを形成する。これを第一の加熱(溶媒乾燥)として120℃処理後、有機物の熱分解を行い90[nm]の膜厚を得た。この加熱工程をレーザ照射で行う。ここで、波長980[nm]の半導体レーザでスポット径がPZTを形成する幅よりも広いスポット径を持つ。引き続きインクジェット塗布装置によりPZT前駆体を塗布する。このときの膜厚は180[nm]であった。これをレーザ照射によりLaNiOを加熱し、間接的にPZT前駆体を乾燥させる。ここで、波長980[nm]に対するLaNiOの光吸収率はおよそ60%であり、Ptの光吸収率はおよそ20%であるため、Ptはほとんど温度上昇することがないため、Pt上の撥水膜も除去されない。乾燥後のPZT前駆体の膜厚は90[nm]であった。これらの工程を6回繰り返し540[nm]の膜を得たのち、熱分解処理を行った。膜にクラックなどの不良は生じなかった。さらに、6回のPZT前駆体の選択塗布、そして乾燥を行い、レーザ照射により結晶化処理をした。膜にクラックなどの不良は生じなかった。膜厚は1000[nm]に達した。これらのレーザによる加熱工程において、SAM膜は除去されることなく、最後まで水に対する接触角は90°以上を保っていた。そして、SAM膜をホットプレート加熱により除去し、このPZTパターン化膜に上部電極(白金)を成膜し電気特性、電気−機械変換能(圧電定数)の評価を行った。
また、PZT膜の結晶化を行うレーザの照射領域をPZTパターン形成領域と同等の形状にすることによりPZTの加熱時の昇温レートが高まり、膜質の向上を図ることができる。図10にパターン形状と同等領域のレーザ照射を行う概要図を示す。本実施形態では0.05×1[mm]のPZTパターンと同等の照射領域となるようにレーザ光源300の光学系を設計し、パターンの並び方向に移動させながらシャッターの開閉によりパターン部となるPZT前駆体膜204の部分のみにレーザ光を照射し、高速処理が実現できた。シャッターの開閉を行わずにレーザ光の走査を行ってもかまわない。更に、本実施形態の変形例として図11に示すように、下部電極203の接続方法ととして基板201上に導電性膜210を成膜し、この導電性膜210と下部電極203はスルーホールで接続部分211で電気的に接続される。これにより、各下部電極203が共通に電気的に接続されることになる。この場合、接続部分の下部電極203との接続面積を極力小さくすれば下部電極203の熱が接続部分211を介して導電性膜210に伝わることを最小限に抑えられる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
成膜工程では、基板上に金属膜よりも熱伝導率の低い絶縁膜を成膜するとともに、該絶縁膜上に金属膜を成膜しエッチング工程では、電気機械変換膜をパターニングする部分に隣接する外周部の金属膜を厚み方向にエッチングし、当該エッチング部分から絶縁膜を露出させ、塗布工程では、金属膜上と、金属膜のエッチング部分から露出している絶縁膜上とにゾルゲル液を塗布し、熱処理工程では、塗布工程で金属膜上に塗布したゾルゲル液の膜と塗布工程で絶縁膜上に塗布したゾルゲル液の膜とに、レーザ光を照射する。これによれば、上記実施形態について説明したように、熱処理工程でレーザ光の照射によって、下部電極膜203上に塗布されたPZT前駆体膜204を加熱したことによる熱が、そのPZT前駆体膜204の直下に設けられている下部電極膜203に伝わり、下部電極膜203を加熱する。加熱されたことによる下部電極膜203の熱は、下部電極膜203に接し、かつ絶縁膜202上に塗布されたPZT前駆体膜204に伝わる。これにより、下部電極膜203上と絶縁膜202上とに亘るPZT前駆体膜204を所望の温度まで効率良く加熱することができる。よって、電気機械変換膜への十分な加熱ができることで電気機械変換膜の品質を向上することができる
態様
(態様A)において、金属膜上に選択的に撥液膜を形成する工程を有し、塗布工程では金属膜上にゾルゲル液を液滴吐出ヘッドにより選択的に吐出する。これによれば、上記実施形態について説明したように、所定の部分に電気機械変換膜の成分溶液を塗布することができる。
(態様
(態様A)又は(態様B)において、塗布工程及び熱処理工程を繰り返し、所望の膜厚の電気機械変換膜を製造する。これによれば、上記実施形態について説明したように、一つの層における電気機械変換膜の品質を向上させることで多層の電気機械変換膜の品質も向上でき、信頼の高い所望の膜厚の電気機械変換膜を提供できる。
(態様
(態様A)において、絶縁膜の熱伝導率が金属膜の熱伝導率の1/10以下である。これによれば、上記実施形態について説明したように、レーザ光照射によって加熱されたことによる下部電極膜203の熱がSi基板201に伝わることを防ぐことができる。
(態様
(態様)において、レーザ光源から照射されたレーザ光の照射径が絶縁膜の露出部分の幅と略同である。これによれば、上記実施形態について説明したように、簡単にレーザ光を照射するだけでよく、高精度なレーザ光源や走査装置が不要となり、製造コストを低く抑えられる
50 液滴吐出ヘッド
60 液滴吐出塗布装置
100 インクジェット記録装置
201 Si基板
202 絶縁膜
203 下部電極膜
204 PZT前駆体膜
205 レーザ光
206 電気機械変換膜
207 SAM膜
208 フォトレジスト
209 酸素プラズマ
210 導電性膜
211 接続部分
300 レーザ光源
特開2008−187302号公報 特開2006−309995号公報
K.D.Budd, S.K.Dey and D.A.Payne,Proc.Brit.Ceram.Soc.36,107(1985) A.Kumar and G.M.Whitesides, Appl.Phys.Lett.,63,2002(1993)

Claims (5)

  1. 基板上に下部電極となる金属膜を成膜する成膜工程と、前記金属膜を厚み方向にエッチングするエッチング工程と、該金属膜上に電気機械変換膜の成分を含有するゾルゲル液を塗布する塗布工程と、レーザ光源から照射されたレーザ光によって金属膜を加熱して前記ゾルゲル液の膜に熱処理を施す熱処理工程とを有する電気機械変換膜の製造方法において、
    前記成膜工程では、前記基板上に前記金属膜よりも熱伝導率の低い絶縁膜を成膜するとともに、該絶縁膜上に前記金属膜を成膜し
    前記エッチング工程では、前記電気機械変換膜をパターニングする部分に隣接する外周部の前記金属膜を厚み方向にエッチングし、当該エッチング部分から前記絶縁膜を露出させ、
    前記塗布工程では、前記金属膜上と、前記金属膜のエッチング部分から露出している前記絶縁膜上とに前記ゾルゲル液を塗布し、
    前記熱処理工程では、前記塗布工程で前記金属膜上に塗布した前記ゾルゲル液の膜と前記塗布工程で前記絶縁膜上に塗布した前記ゾルゲル液の膜とに、レーザ光を照射することを特徴とする電気機械変換膜の製造方法
  2. 求項1記載の電気機械変換膜の製造方法において、
    前記金属膜上に選択的に撥液膜を形成する工程を有し、前記塗布工程では前記金属膜上に前記ゾルゲル液を液滴吐出ヘッドにより選択的に吐出することを特徴とする電気機械変換膜の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電気機械変換膜の製造方法において、
    前記塗布工程及び前記熱処理工程を繰り返し、所望の膜厚の電気機械変換膜を製造することを特徴とする電気機械変換膜の製造方法。
  4. 請求項1記載の電気機械変換膜の製造方法において、
    前記絶縁膜の熱伝導率が前記金属膜の熱伝導率の1/10以下であることを特徴とする電気機械変換膜の製造方法。
  5. 請求項記載の電気機械変換膜の製造方法において、
    前記レーザ光源から照射されたレーザ光の照射径が前記絶縁膜の露出部分の幅と略同であることを特徴とする電気機械変換膜の製造方法
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