JPH09120063A - カラーフィルタおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタおよびそれを用いた液晶表示装置

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JPH09120063A
JPH09120063A JP21726196A JP21726196A JPH09120063A JP H09120063 A JPH09120063 A JP H09120063A JP 21726196 A JP21726196 A JP 21726196A JP 21726196 A JP21726196 A JP 21726196A JP H09120063 A JPH09120063 A JP H09120063A
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JP
Japan
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black matrix
color filter
resin
liquid crystal
primary colors
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JP21726196A
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Yasuo Kubota
泰生 久保田
Shinichi Yamada
申一 山田
Tetsuya Goto
哲哉 後藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表示品位に優れ、信頼性に優れる液晶表示装置
を、従来に比べて簡易な製法により作成する。 【解決手段】パターンサイドがテーパー化した樹脂ブラ
ックマトリクスおよび額縁上に3原色からなる着色層の
積層により形成されたスペーサーを設けたカラーフィル
タと、それを用いたカラー液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペーサー機能を有す
るカラーフィルタおよびそれを用いたカラー液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカラーフィルタのブラックマトリ
クスは、微細にパターンニングされた金属薄膜、あるい
は遮光剤により着色された樹脂をパターンニングするこ
とにより形成されることが多い。ブラックマトリクスに
用いられている金属薄膜としては、Cr、Ni、Al等
があり、また樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル
系、ポリアミドイミドを含むポリイミド系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ゼ
ラチン等染色可能な動物性タンパク樹脂などの感光性ま
たは非感光性の材料が用いられることが多い。
【0003】また、従来、使用されているカラー液晶表
示装置は、液晶層の厚み(セルギャップ)を保持するた
めに、一般に、図2に示すように、薄膜トランジスタ
(TFT)や複数の走査電極などを具備した電極基板と
カラーフィルタ側の基板との間に、プラスチックビーズ
またはガラス繊維をスペーサーとして有しており、周辺
シール部に使用する接着剤(シール剤)にはガラス繊維
をスペーサーとして混ぜ込んでいる。ここで表示部およ
び額縁部のスペーサーとして使用されるプラスチックビ
ーズなどは散布されるため、電極基板とカラーフィルタ
側の基板間のどの位置(面内位置)に配置されるかは定
まっていない。また、シール剤へのガラス繊維の混練り
もコストがかかる工程であり、かつ、プラスチックビー
ズと硬さが異なるなど、セル組み立て条件の最適化に対
して複雑化する要因を与えている。
【0004】特開昭56−140324、特開昭63−
82405、特開平4−93924、特開平5−196
946には、カラーフィルタを形成する着色層を重ね合
わせた構造をスペーサーとして用いた液晶表示装置が提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属薄膜に
よるブラックマトリクスの場合、反射光が大きく、また
製造コストが高い。一方、遮光剤によって着色された樹
脂をパターンニングして得られたブラックマトリクスの
場合、金属薄膜に比べ低反射という利点のあるものの、
金属薄膜に比べ膜厚当たりの遮光性が低いため、膜厚を
厚くする必要がある。この場合、パターンエッヂが急峻
であることに起因してカラーフィルタ表面の平坦性が低
下し、液晶表示装置の表示品位が低下するという問題が
あった。
【0006】また、プラスチックビーズなどをスペーサ
ーとして用いるカラー液晶表示装置においては、プラス
チックビーズなどのスペーサーの位置が定まっておら
ず、画素上に位置するスペーサーによる光の散乱や透過
により液晶表示装置の表示品位が低下するという問題が
あった。
【0007】プラスチックビーズなどのスペーサーを散
布して使用する液晶表示装置には、この他にも下記の問
題がある。すなわち、スペーサーが球状あるいは棒状の
形であり、セル圧着時に点または線で接触するために、
配向膜や透明電極が破損し、表示欠陥が発生しやすいと
いう欠点があった。さらに配向膜や透明電極の破損によ
り、液晶が汚染され、電圧が低下しやすいという欠点も
あった。
【0008】また、スペーサーを均一に散布する工程が
必要であったり、あるいはスペーサーの粒度分布を高精
度に管理することが必要であることから、簡便な方法で
安定した表示品位の液晶表示装置を得ることが難しかっ
た。
【0009】さらに、カラーフィルタにおける画素部と
額縁部の厚みが異なり、かつ、額縁部へのスペーサーの
散布密度が画素部に比較して低くなり易いため、そのよ
うな状態で決まるセルギャップの不均一性を反映して、
額縁に近い画面に干渉縞を生じるなどの不具合が起こり
易かった。
【0010】特開昭56−140324、特開昭63−
82405、特開平4−93924、特開平5−196
946では、2色あるいは3色の着色層を重ね合わせた
構造をスペーサーとして用ることが提案されている。こ
れら開示技術で実際に得られる液晶層の厚み(セルギャ
ップ)は、着色層の1層あるいは2層分の厚みとなり、
十分なセルギャップを持った液晶表示装置を得ることが
難しく、また、着色層の1層あるいは2層分の厚みでセ
ルギャップを保持できたとしても着色層の厚膜化に伴
う、例えば、カラーフィルタ上に形成されるITO膜の
耐久性の低下など、満足な信頼性を有する液晶表示装置
が得られにくかった。
【0011】更に、着色層を重ね合わせた構造を持つス
ペーサーが画素部周辺のみに存在することから上記のよ
うに画面周辺部においてセルギャップを均一に保持する
ことが難しいという問題点があった。
【0012】同時に、繁雑なガラス繊維のシール剤への
混練りが必要であること、ガラス繊維がプラスチックビ
ーズと硬さが異なるというセル組み工程の複雑化の要因
を排することができないなどの問題点があった。
【0013】本発明は、前記の問題点に鑑み、十分なセ
ルギャップを実現するとともに、画面全体で均一なセル
ギャップを保持し、前記した従来の欠点を克服するカラ
ーフィルタおよびカラー液晶表示装置を提供することを
目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のカラーフィルタおよびカラー液晶表示装置
は、以下の構成を有するものである。
【0015】すなわち、「透明基板上に樹脂中に遮光剤
を分散させてなる樹脂ブラックマトリクスを設け、さら
にその上に3原色からなる着色層を複数配列したカラー
フィルタにおいて、(A)前記ブラックマトリクスの上
面位置におけるパターン幅L1 と下面位置におけるパタ
ーン幅L2 、および膜厚tとの関係が、(L2 −L1
/2≧tであり、(B)前記ブラックマトリクス上の一
部に3原色からなる着色層の積層により形成されたスペ
ーサー部を有することを特徴とするカラーフィルタ。」
であり、また、「透明電極基板と透明電極を有するカラ
ーフィルタにより液晶層を狭持したカラー液晶表示装置
において、カラーフィルタが、透明基板上に樹脂中に遮
光剤を分散させてなる樹脂ブラックマトリクスと3原色
からなる着色層を設けたカラーフィルタであり、(A)
前記ブラックマトリクスの上面位置におけるパターン幅
1 と下面位置におけるパターン幅L2 、および膜厚t
との関係が、(L2 −L1 )/2≧tであり、(B)前
記ブラックマトリクス上に3原色からなる着色層の積層
により形成されたスペーサー部を有することを特徴とす
るカラー液晶表示装置。」である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
【0017】本発明の液晶表示装置に使用するカラーフ
ィルタは、透明基板上に樹脂および遮光剤からなる樹脂
ブラックマトリクスを設け、さらにその上に3原色から
なる着色層を複数配列したものである。カラーフィルタ
は3原色からなる各着色層により被覆された画素を一絵
素とし、多数の絵素により構成されている。ここで言う
ブラックマトリクスは、表示領域内のマトリクス、すな
わち、各画素間に配列された遮光領域を形成するととも
に、表示領域周辺部に設けられた額縁および額縁周辺の
シール部(液晶表示装置を作成の基板貼り合わせ時にシ
ール剤を塗布する部分)に相当する領域に設けられた独
立したパターンを形成する。表示領域内のマトリクスは
液晶表示装置の表示コントラストを向上させるために設
けられており、表示領域周辺部に設けられた額縁は画面
周辺部における光の漏れ込みを防ぐために形成されてい
る。
【0018】本発明のカラーフィルタに用いられる透明
基板としては、特に限定されるものでなく、石英ガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、表面
をシリカコートしたソーダライムガラスなどの無機ガラ
ス類、有機プラスチックのフィルムまたはシートなどが
好ましく用いられる。
【0019】この透明基板上に樹脂および遮光剤からな
る樹脂ブラックマトリクスを設けるが、ブラックマトリ
クスに用いられる樹脂としては、特に限定されないが、
エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ゼラチンなどの感光性または非感光性の材料が
好ましく用いられる。ブラックマトリクス用樹脂は、画
素や保護膜に用いられる樹脂よりも高い耐熱性を有する
樹脂が好ましく、また、ブラックマトリクス形成後の工
程で使用される有機溶剤に耐性を持つ樹脂が好ましいこ
とからポリイミド系樹脂が特に好ましく用いられる。
【0020】ポリイミド系樹脂としては、特に限定され
ないが、通常一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリイミド前駆体(n=1〜2)を、加熱もしく
は適当な触媒によってイミド化したものが好適に用いら
れる。
【0021】
【化1】 また、ポリイミド系樹脂には、イミド結合の他に、アミ
ド結合、スルホン結合、エーテル結合、カルボニル結合
などのイミド結合以外の結合が含まれていても差支えな
い。
【0022】上記一般式(1)中、R1 は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する3価または4価の有機基であ
る。耐熱性の面から、R1 は環状炭化水素、芳香族環又
は芳香族複素環を含有し、かつ、炭素数6〜30の3価
または4価の基が好ましい。
【0023】R1 の例として、フェニル基、ビフェニル
基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフ
ェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニル
プロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオ
ロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンチル基など
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】R2 は少なくとも2個以上のい炭素原子を
有する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2 は
環状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素環を含有し、か
つ炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2 の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノ
ン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニル
メタン基、ジシクロヘキシルメタン基などが挙げられる
が、これらに限定されない。構造単位(1)を主成分と
するポリマは、R1 、R2 がこれらのうち各々1種から
構成されていても良いし、各々2種以上から構成される
共重合体であつてもよい。さらに、基板との接着性を向
上させるために、耐熱性を低下させない範囲でジアミン
成分として、シロキサン構造を有するビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサンなどを共重合する
のが好ましい。
【0025】構造単位(1)を主成分とするポリマーの
具体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3、3
´,4、4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、3、3´,4、4´−ビフェニルトリフルフォロプ
ロパンテトラカルボン酸二無水物、3、3´,4、4´
−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,5,−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
などからなる群から選ばれた1種以上のカルボン酸二無
水物と、パラフェニレンジアミン、3、3´−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4、4´−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3、4´ジアミノジフェニルエーテル、3、3
´−ジアミノジフェニルスルホン、4、4´−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4、4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタン、4、4´−ジアミノジフェニメタンなどの
群から選ばれた1種以上のジアミンから合成されたポリ
イミド前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのポリイミド前駆体は公知の方法すなわち、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組み合わ
せ、溶媒中で反応させることにより合成される。
【0026】ブラックマトリクス用の遮光剤としては、
カーボンブラック、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸
化物粉、金属硫化物粉、金属粉の他に、赤、青、緑色の
顔料の混合物などを用いることができる。この中でも、
特にカーボンブラックは遮光性が優れており、特に好ま
しい。分散のよい粒径の小さいカーボンブラックは主と
して茶系統の色調を呈するので、カーボンブラックに対
する補色の顔料を混合させて無彩色にするのが好まし
い。
【0027】ブラックマトリクス用の樹脂がポリイミド
の場合、黒色ペースト溶媒としては、通常、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶
媒、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系極性溶媒など
が好適に使用される。
【0028】カーボンブラックやカーボンブラックに対
して補色の顔料等の遮光剤を分散させる方法としては、
例えば、ポリイミド前駆体溶液中に遮光剤や分散剤等を
混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、ボー
ルミル等の分散機中で分散させる方法などがあるが、こ
の方法に特に限定されない。また、カーボンブラックの
分散性向上、あるいは塗布性やレベリング性向上のため
に種々の添加剤が加えられていてもよい。
【0029】このようにして得られた黒色ペーストを透
明基板上に塗布・乾燥した後に、パターニングを行うこ
とにより、樹脂ブラックマトリクスを作製する。
【0030】本発明で用いられる樹脂ブラックマトリク
スの遮光性は、OD値(透過率の逆数の常用対数)で表
されるが、液晶表示装置の表示品位を向上させるために
は、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは3.
0以上である。OD値と膜厚とは互いに相関があり、O
D値の上限は、下記で述べる樹脂ブラックマトリクスの
膜厚の好適な範囲との関係で定められるべきである。
【0031】本発明で用いられる樹脂ブラックマトリク
スの膜厚は、好ましくは0.5〜1.5μm、より好ま
しくは0.8μm〜1.2μmである。後述するように
樹脂ブラックマトリクスの膜厚は液晶表示装置のセルギ
ャップを確保する上で重要であり、膜厚が0.5μmよ
り薄い場合は、十分なセルギャップの確保が難しくな
り、また、遮光性が不十分になるので、好ましくない。
逆に、膜厚が厚くなるほど、遮光性は確保できるもの
の、カラーフィルタ表面の平坦性が犠牲になり易く、段
差が生じ易い。
【0032】表面段差が生じた場合には、画素上の保護
膜の有無にかかわらず、カラーフィルタ上部に透明導電
膜、液晶配向膜を形成させても十分には軽減されない。
従って、液晶配向膜のラビングによる液晶配向処理を行
う際に、ラビング不良による液晶配向不良が生じたり、
セルギャップにバラツキが生じたりして、液晶表示装置
の表示品位が低下する。特に、ブラックマトリクスのパ
ターンサイドが切り立っている場合には、ブラックマト
リクス開口部サイド部分におけるカラーフィルタ表面の
段差も急峻、かつ大きくなり、表示品位も低下しやす
い。また、表面段差を小さくするためには、画素上に保
護膜を設けることが有効であるが、カラーフィルタの構
造が複雑になり、製造コストが高くなる点が不利とな
る。
【0033】表面段差を小さくし、表示不良を起こさな
い程度にまで軽減させるには、図3に示したような、ブ
ラックマトリクスの上面位置におけるパターン幅L
1 と、下面位置におけるパターン幅L2 、及び、膜厚t
との関係が、(L2 −L1 )/2≧tであるようなサイ
ドがテーパー化したブラックマトリクスを用いて、カラ
ーフィルタを製造するのが有効であり、好ましい。この
ようなテーパー化したブラックマトリクスを形成させる
と、カラーフィルタ表面の凹凸が小さく、かつゆるやか
になり、表示品位がよくなる。
【0034】t、L1 、L2 を実測するには、触針法に
よる表面形状のプロファイル測定、あるいは、光学顕微
鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡
(TEM)によるカラーフィルタ表面写真、あるいは断
面写真などから算出する方法が好ましい。
【0035】黒色ペーストを塗布する方法としては、デ
ィップ法、ロールコータ法、スピナー法、ダイコーティ
ング法、ワイヤーバーによる方法などが好適に用いら
れ、この後、オーブンやホットプレートを用いて加熱乾
燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使用する
樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが、通常60
〜200℃で1〜60分加熱することが好ましい。
【0036】このようにして得られた黒色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光・現像を行うが、(L2 −L
1 )/2≧tであるような、サイドがテーパー化した形
状を有するブラックマトリクスを得るには、 (イ)露光時の工夫による方法 (ロ)現像時の工夫による方法 (ハ)黒色ペースト被膜の乾燥時の工夫による方法 また、特に、樹脂が非感光である場合には、 (ニ)ポジ型フォトレジスト被膜乾燥時の工夫による方
法 の4種類の方法がある。
【0037】本発明では、(イ)〜(ニ)それぞれの方
法を単独で用いてブラックマトリクスを作製してもよい
が、(イ)〜(ニ)の方法のうち少なくとも2つを同時
に行って作製してもよい。次に、(イ)〜(ニ)それぞ
れの方法について説明する。
【0038】(イ)露光時の工夫による方法 露光は、超高圧水銀灯、ケミカル灯、高圧水銀灯等を用
いて、紫外線等により行う。従来の露光法では、露光時
において、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、フォト
レジスト被膜、また、樹脂が感光性の樹脂である場合
は、黒色ペースト被膜かあるいは酸素遮断膜とマスク下
面との間のギャップが、0〜20μm程度であるのが一
般的である。ところが、本発明における形状を有するブ
ラックマトリクスを露光による方法で得るためには、ギ
ャップを100μm以上、好ましくは400μm以上開
けるのが好ましい。このような条件で露光を行った後
に、現像を行うと、ブラックマトリクスのパターンサイ
ドが急峻でなくなり、テーパーがつく。
【0039】(ロ)現像時の工夫による方法 現像液としては、NaOH、KOH等の無機アルカリ水
溶液やテトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような
有機アルカリ水溶液などのアルカリ現像液が用いられ
る。また、これらアルカリ現像液に、アニオン型、ノニ
オン型等の界面活性剤が添加されていても良い。無機ア
ルカリ現像液を用いた場合には、現像液中に含まれるア
ルカリ重量%によっては、膜剥がれが生じたり、現像液
中の無機イオンが液晶表示素子に混入し、表示不良の原
因になることがあるため、好ましくなく、好ましくは有
機アルカリ現像液を用いるのが良い。
【0040】現像方法としては、現像液と基板を接触さ
せ、レジストの現像とブラックマトリックスのパターン
化を連続して行なう方法が一般的であり、従来よく用い
られているのは、基板を現像液中に浸漬させて現像を行
う、ディップ現像法である。
【0041】ところが、本発明におけるサイドがテーパ
ー化したブラックマトリクスを得るためには、現像液を
スプレー、またはシャワーして現像を行うことが有効で
ある。
【0042】ここで、スプレーとは、現像液を1個のノ
ズル口より、1本の線状で吐出する現像方法であり、シ
ャワーとは、現像液を1個のノズル口より、複数本の線
状に分かれさせて吐出する現像方法である。また、スプ
レー、シャワーいずれの場合にも、ノズル口から現像液
が面上に広がるように工夫されていてもよい。必要であ
れば、光透過性基板を揺動させ、均一にスプレー、ある
いはシャワーが基板に当たるようにしてもよい。あるい
は、ディップと、スプレー、シャワーを複合させて、現
像を行ってもよい。すなわち、ディップさせながら、ス
プレー、あるいはシャワー現像を行ったり、ディップし
た後、スプレー、あるいはシャワー現像を行う方法でも
よい。
【0043】上記(イ)で説明した、ギャップを大きく
開ける露光を行った後には、ディップ現像法でも、サイ
ドがテーパー化したブラックマトリックスを得ることが
できるが、スプレー、あるいはシャワー現像と併用した
方が、テーパーのより大きなブラックマトリックスを得
ることができるので、より好ましい。
【0044】ディップ現像を行った場合、エッチング不
足による残膜が残るほど現像時間が短い場合には、ブラ
ックマトリックスのサイドはなだらかでテーパー化して
いる。
【0045】しかし、残膜が残らない程度に十分に現像
時間を長くした場合には、サイド下部もエッチングさ
れ、ブラックマトリックスのサイドの形状は急峻にな
る。本発明では、現像液をスプレー、またはシャワーす
ることにより、残膜を物理的に除去しやすくなり、エッ
チング時間が短かくなるので、サイドがテーパー化した
ブラックマトリクスを得ることができる。
【0046】(ハ)黒色ペースト塗膜の乾燥時の工夫に
よる方法 上記(ロ)の方法の説明で述べたように、ディップ現像
を行った場合、エッチング不足による開口部内の黒色ペ
ースト残膜が残るほど現像時間が短い場合には、ブラッ
クマトリックスのサイドはなだらかでテーパー化してい
る。
【0047】ただし、この時点の状態としては、現像工
程は、いまだ完全には完了していない。さらに現像を続
けていった際に起こる現象としては、樹脂が非感光性で
ある場合には、ポジ型フォトレジストの現像のさらなる
進行、それに引き続いて起こる開口部内の黒色ペースト
残膜の溶解、及びブラックマトリックスのサイド部分の
所望のサイズまでのエッチングである。また、樹脂が感
光性である場合には、ポジ型フォトレジストは無いの
で、開口部内の黒色ペースト残膜の溶解、及びブラック
マトリックスのサイド部分の所望のサイズまでのエッチ
ングが起こる。
【0048】ところが、樹脂が非感光性である場合、ブ
ラックマトリックスのサイド部分にいては、ブラックマ
トリックス上に積層されているポジ型フォトレジストが
エッチングの進行を物理的に邪魔している。特にシャワ
ー、あるいはスプレーを用いた現像方法の場合、アルカ
リ現像液の液交換が起こりにくく、開口部内の黒色ペー
スト残膜に比べてエッチングされにくい。
【0049】また、樹脂が感光性、非感光性であるにか
かわらず、ブラックマトリックスのサイド部分の上部と
下部とを比較すると、下部においては、ブラックマトリ
クス自体が物理的に邪魔になるため、上部に比べてエッ
チングされにくい。従って、実際に、現像工程のさらな
る進行に続いて起こる現象としては、 1.開口部内の黒色ペースト残膜の溶解、 2.ブラックマトリックスのサイド上部のエッチング、 3.ブラックマトリックスのサイド下部のエッチング、 の順になる。
【0050】ところが、通常の黒色ペースト塗膜の乾燥
条件では、黒色ペースト塗膜の現像液への溶解速度が速
すぎるため、上記3つの項目の間の時間差は、それ程大
きくない。特に、シャワー、あるいはスプレーを用いた
現像方法に比べ、ディップ現像を用いた場合には、上記
3つの項目は見かけ上ほぼ同時に進行していく。従っ
て、ディップ現像を用いた時は、開口部内の残膜がな
く、ブラックマトリックスのサイドの形状がテーパーが
ついた時点で現像工程を終了させることは、事実上困難
であり、ブラックマトリックス加工終了時には、サイド
テーパーはついていない状態にならざるを得ない。
【0051】以上のような問題点を解決するために、本
発明者らが鋭意検討を重ねた結果、黒色ペースト塗膜の
乾燥条件を、通常の場合よりも、より高温、および/ま
たはより長時間行って、ブラックマトリックスの現像速
度を遅くすることにより、ディップ現像を用いた場合で
も、テーパーがついた状態で現像工程を終了させること
が可能であることが分かった。
【0052】本方法によれば、通常の乾燥条件を用いた
場合より現像時間が長くなるため、生産性は低下する
が、開口部内の残膜がなく、かつブラックマトリックス
のサイドの形状がテーパーが保たれている状態の時間の
ラチチュードが広がるため、サイドにテーパーがついた
ブラックマトリックスを容易に得ることができる。
【0053】本方法の乾燥の方法としては、特に限定は
なく、熱風オーブン、ホットプレートなどを好ましく用
いることができる。
【0054】(ニ)ポジ型フォトレジスト乾燥時の工夫
による方法 黒色ペーストに用いる樹脂が非感光性の場合、例えば、
ポリイミド前駆体に遮光剤を分散せしめた黒色ペースト
を用い、ブラックマトリクスパターンを得る場合には、
一般的には、黒色ペースト塗膜上にポジ型フォトレジス
トを塗布、乾燥し、ポジ型フォトレジスト塗膜を形成す
る。通常は、ポジ型フォトレジスト塗膜中の溶媒を十分
に乾固させることができるような温度、乾燥時間で乾燥
を行うが、上記(イ)、(ロ)、(ハ)の方法のいずれ
も用いず、本方法によってのみサイドがテーパー化した
形状を有するブラックマトリクスを得るには、ポジ型フ
ォトレジスト塗膜の乾燥を通常より低温、および/また
は短時間で行う。このような工夫を行った場合には、ポ
ジ型フォトレジストの現像とブラックマトリクスのエッ
チングを同時に行う際に、ポジ型フォトレジスト塗膜の
未露光部もアルカリ現像液により浸蝕されやすくなるた
め、ポジ型フォトレジストパターンサイドがマスクパタ
ーンよりも過剰に現像される。これは、フォトマスクと
被露光基板との間に、本発明の方法(イ)で述べたよう
なギャップを設けず、密着させ、回折光による露光の影
響を無くした場合でも同様である。ポジ型フォトレジス
トパターンサイドの過剰な現像の結果、ポジ型フォトレ
ジストパターンサイドの後退(パターン細り)ととも
に、ブラックマトリクスの膜上面部分のエッチングが進
みやすくなり、ブラックマトリックスパターンサイドに
テーパーがつく。
【0055】本方法に使用できるポジ型フォトレジスト
としては、特に限定されず、ノボラック型などの一般的
なフォトレジストを好ましく用いることができる。フォ
トレジスト膜厚としては、通常の場合と同様でよく、乾
燥後、1〜2μmとなるのが好ましい。また、乾燥の方
法は特に限定されないが、通常の場合と同様に、熱風オ
ーブン、あるいはホットプレートが好ましく用いられ
る。
【0056】好ましい乾燥条件としては、使用するポジ
型フォトレジストの種類によっても若干の相違があるの
で一概には言えないが、乾燥温度としては好ましくは、
50〜90℃、より好ましくは50〜80℃、さらに好
ましくは50〜70℃であり、乾燥時間としては好まし
くは5〜20分、より好ましくは5〜15分、さらに好
ましくは5〜10分である。乾燥温度が上記の範囲より
低温であるか、あるいは乾燥時間が上記の範囲より短時
間である場合には、ポジ型フォトレジストパターンサイ
ドのアルカリ現像液による浸蝕が過剰に速くなりすぎる
ため、ブラックマトリックスの形成においてパターン幅
制御が困難になるため好ましくない。一方、乾燥温度が
上記の範囲より高温であるか、あるいは乾燥時間が上記
の範囲より長時間である場合には、ポジ型フォトレジス
トパターンサイドのアルカリ現像液による浸蝕が起こり
にくくなるため、ブラックマトリクスのパターンサイド
がテーパーになりにくくなり、好ましくない。
【0057】露光、現像後、必要に応じて、ポジ型フォ
トレジストまたは酸素遮断膜を除去し、また、加熱乾燥
(本キュア)する。本キュア条件は、前駆体からポリイ
ミド系樹脂を得る場合には、塗布量により若干異なる
が、通常200〜300℃で1〜60分加熱するのが一
般的である。以上のプロセスにより、透明基板上に額縁
を有するブラックマトリクスが形成される。
【0058】樹脂ブラックマトリクス間には、通常(2
0〜200)μm×(20〜300)μmの開口部が設
けられるが、この開口部を少なくとも被覆するように3
原色からなる着色層が複数配列される。
【0059】カラーフィルタを構成する着色層は、少な
くとも3原色の色彩を含む。すなわち、加色法によりカ
ラー表示を行う場合は、赤(R)、緑(G)、青(B)
の3原色が選ばれ、減色法によりカラー表示を行う場合
は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の
3原色が選ばれる。一般には、これらの3原色を含んだ
要素を1単位としてカラー表示の絵素とすることができ
る。着色層には、着色剤により着色された樹脂が用いら
れる。
【0060】着色層に用いられる着色剤としては、有機
顔料、無機顔料、染料などを好適に用いることができ、
さらには、紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤などの
種々の添加剤を添加しても良い。有機顔料としては、フ
タロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリ
ドン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系が
好適に用いられる。
【0061】着色層に用いられる樹脂としては、エポキ
シ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ゼラチンなどの感光性または非感光性の材料が好ま
しく用いられ、着色剤をこれらの樹脂中に分散あるいは
溶解させて着色することが好ましい。感光性の樹脂とし
ては、光分解型樹脂、光架橋型樹脂光重合型樹脂などの
タイプがあり、特に、エチレン不飽和結合を有するモノ
マ、オリゴマまたはポリマと紫外線によりラジカルを発
生する開始剤とを含む感光性組成物、感光性ポリアミッ
ク酸組成物などが好適に用いられる。非感光性の樹脂と
しては、上記の各種ポリマなどで現像処理が可能なもの
が好ましく用いられるが、透明導電膜の成膜工程や液晶
表示装置の製造工程でかかる熱に耐えられるような耐熱
性を有する樹脂が好ましく、また、液晶表示装置の製造
工程で使用される有機溶剤への耐性を持つ樹脂が好まし
いことから、ポリイミド系樹脂が特に好ましく用いられ
る。
【0062】着色剤を分散または溶解させ着色ペースト
を得る方法としては、溶媒中に樹脂と着色剤を混合させ
た後、三本ロール、サンドグラインダー、ボールミル等
の分散機中で分散させる方法などがあるが、この方法に
特に限定されない。
【0063】着色ペーストを塗布する方法としては、黒
色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロールコータ
法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーに
よる方法などが好適に用いられ、この後、オーブンやホ
ットプレートを用いて加熱乾燥(セミキュア)を行う。
セミキュア条件は、使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布
量によりことなるが通常60〜200℃で1〜60分加
熱することが好ましい。
【0064】このようにして得られた着色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光・現像を行う。必要に応じ
て、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、
また、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、樹
脂により異なるが、前駆体からポリイミド系樹脂を得る
場合には、通常200〜300℃で1〜60分加熱する
のが一般的である。以上のプロセスにより、ブラックマ
トリクスを形成した基板上にパターニングされた着色層
が形成される。
【0065】上記のように、樹脂ブラックマトリクスを
形成した基板上に第1色目の着色層を全面にわたって形
成した後に、不必要な部分をフォトリソグラフィ法によ
り除去し、所望の第1色目の着色層のパターンを形成す
る。この場合、樹脂ブラックマトリクスの開口部を少な
くとも被覆する部分と着色層の積層によりスペーサーを
形成する部分に着色層を残す。着色層の積層によるスペ
ーサーを形成する部分は表示領域内のマトリクス上およ
び額縁周辺部のシール部に相当する領域上の双方であ
る。また、スペーサーによるセルギャップの制御をより
均一に行うために、着色層の積層によるスペーサーを表
示領域周辺部に設けられた額縁上にも形成することがで
きる。第2色目、第3色目も同様な操作を繰り返し、樹
脂ブラックマトリクスの開口部上には1層の着色層が、
また、スペーサーには3層の着色層が残るように着色層
を形成する。開口部上の着色層とスペーサーを形成する
着色層とは連続していても、また、分離されていても差
支えない。ただし、カラーフィルタ上に形成するITO
膜を開口部上の着色層とスペーサー間で断線させ、カラ
ーフィルタ側と対向基板との導通を防止する場合は、開
口部上の着色層とスペーサーを形成する着色層とは分離
・分画されている方が好ましい。
【0066】ITO膜を開口部上の着色層とスペーサー
間で断線させるには、着色層のパターンサイドが、ある
程度の切り立ちを有していることが好ましく、図4に示
したように、着色層の着色層上面位置のパターン幅をL
3 、ブラックマトリクス上面位置におけるパターン幅を
4 、ブラックマトリクスにかかる着色層部分における
ブラックマトリクス上面より着色層上面に至る着色層膜
厚の最大値をtmax とした場合、L3 、L4 、tmax の
関係が|L4 −L3 |≦tmax の範囲内であるのが好ま
しい。より確実に断線を生じさせるには、L3 ≧L4
あるような、パターンサイドが逆テーパー状になってい
る着色層を形成させるのが好ましい。
【0067】着色層のエッヂ部分を逆テーパー状にする
には、着色層の現像の際、現像時間を長くして、オーバ
ーエッチさせる方法が好ましい。現像時間が短いと、L
4 ≧L3 となるようなテーパー状になりやすいため、好
ましくない。
【0068】3原色の着色層の膜厚は、特に限定されな
いが、1層当たり1〜3μmであることが好ましく、こ
の場合の3原色の着色層の各膜厚の合計は、3〜9μm
となる。合計膜厚が3μmよりも小さい場合には、十分
なセルギャップが得られず、また、9μmを越える場合
には、着色層の均一塗布が難しくなり、さらにカラーフ
ィルタ上に形成される透明導電膜の信頼性が低下し、好
ましくない。
【0069】本発明のカラーフィルタを用いてセルギャ
ップを保持した場合は、例えば、3原色としてR、G、
Bを選んだ場合、Rに対してはG+B+Bk(樹脂ブラ
ックマトリクス)の膜厚が、Gに対してはB+R+Bk
の膜厚が、また、Bに対してはR+G+Bkの膜厚が液
晶表示装置におけるセルギャップに相当することにな
る。
【0070】着色層を形成するペーストにおいて着色剤
の分散性を上げたり、均一塗布などを目的としてレベリ
ング性を向上させた場合には、3原色からなる着色層の
積層により形成されたスペーサー高さは、画素部におけ
る3原色の着色層の各膜厚の合計よりも小さくなる。す
なわち、セルギャップはRに対してはG+B+Bkの膜
厚よりも小さくなり、同様にGに対してはB+R+B
k、また、Bに対してはR+G+Bkの膜厚よりも小さ
くなる。
【0071】本発明における3原色からなる着色層の積
層により形成されたスペーサーが樹脂ブラックマトリク
スの表示領域内のマトリクス上、表示領域周辺部に設け
られた額縁周辺のシール部、場合によっては額縁上に形
成されるが、スペーサーの面積や配置場所は液晶表示装
置を作成する場合にカラーフィルタと対向する透明電極
基板(アクテイブマトリクス基板)の構造に大きく影響
を受ける。そのため対向する透明電極基板側の制約がな
い場合は、スペーサーの面積や配置場所は、特に限定さ
れないが、画素のサイズを考えた場合、表示領域内のマ
トリクス上に設けられるスペーサーひとつ当たりの面積
は、10μm2 〜1000μm2 であることが好まし
い。10μm2 よりも小さい場合は、精密なパターンの
形成や積層が難しく、また、1000μm2 よりも大き
い場合は、スペーサーの形状にもよるがブラックマトリ
クス上に完全に配置することが難しくなる。また、額縁
周辺部のシール部に相当する領域および表示領域周辺部
に設けられた額縁上のスペーサーの面積は、10μm2
以上であれば特に限定されるものでない。表示領域内の
マトリクス上に設けられるスペーサーとは面積を変える
ことも、単位面積当たりの数を変えることも可能であ
る。液晶表示装置を製造する際のカラーフィルタと透明
電極基板との貼り合わせ条件にもよるが、例えば、表示
領域内のマトリクス上に設けられるスペーサーよりも面
積を大きくしても差支えない。
【0072】次に本発明のカラーフィルタを用いて作成
したカラー液晶表示装置について説明する。本発明のカ
ラー液晶表示装置を図1,2に示す。上記カラーフィル
タと透明電極基板とを対向させて作成する。図2には、
樹脂ブラックマトリクスの表示領域内のマトリクス上、
表示領域周辺部に設けられた額縁上、および、額縁周辺
のシール部に相当する領域に設けられた独立したパター
ン上の全てに3原色からなる着色層の積層により形成さ
れたスペーサーが配置されたカラーフィルタの例を平面
図として示す。カラーフィルタには、必要に応じて着色
層上に透明保護膜を設けても差支えないが、構成が複雑
になり、製造コストを考えた場合に不利である。また、
カラーフィルタ上にはITO膜などの透明電極を形成す
る。カラーフィルタと対向する透明電極基板としては、
ITO膜などの透明電極が透明基板上にパターン化され
て設けられる。透明電極基板上には、透明電極以外に、
薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイオード(T
FD)素子、および走査線、信号線などとともに本発明
の絶縁部位を設け、TFT液晶表示装置やTFD液晶表
示装置を作成することができる。透明電極を有するカラ
ーフィルタおよび透明電極基板上には液晶配向膜が設け
られ、ラビングなどによる配向処理が施される。
【0073】配向処理後にシール剤を用いてカラーフィ
ルタおよび透明電極基板を貼り合わせ、シール部に設け
られた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封止す
る。偏光板を基板の外側に貼り合わせた後にICドライ
バー等を実装することによりモジュールが完成する。
【0074】本発明のカラーフィルタおよびそれを用い
たカラー液晶表示装置は、パソコン、ワードプロセッサ
ー、エンジニアリング・ワークステーション、ナビゲー
ションシステム、液晶テレビ、ビデオなどの表示画面に
用いられ、また、鮮明な画質の液晶プロジェクションな
どにも好適に用いられる。
【0075】以下、好ましい実施態様を用いて本発明を
更に詳しく説明するが、用いた実施態様によって本発明
の効力はなんら制限されるものでない。
【0076】
【実施例】
実施例1 (樹脂ブラックマトリクスおよびシール部パターンの作
成)3,3´、4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、お
よび、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサンをN−メチル−2−ピロリドンを溶媒として反応
させ、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液を得
た。
【0077】下記の組成を有するカーボンブラックミル
ベースをホモジナイザーを用いて、7000rpm で30分分散
し、ガラスビーズを濾過して、ブラックペーストを調製
した。
【0078】 カーボンブラックミルベース カーボンブラック (MA100、三菱化成(株)製) 4.6部 ポリイミド前駆体溶液 24.0部 N−メチルピロリドン 61.4部 ガラスビーズ 90.0部 300×350mmのサイズの無アルカリガラス(日本
電気ガラス(株)製、OA−2)基板上にスピナーを用
いて、ブラックペーストを塗布し、オーブン中135℃
で20分間セミキュアした。続いて、ポシ型レジスト
(Shipley “Microposit”RC100 30cp)をスピナーで塗
布し、90℃で10分間乾燥した。レジスト膜厚は1.
5μmとした。キャノン(株)製露光機PLA−501
Fを用い、フォトマスクを介して、露光を行った。この
際、フォトマスク下面と、ポジ型フォトレジスト上面の
間のギャップを100μm有するようにした。
【0079】次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シドを2重量%含んだ23℃の水溶液を現像液に用い、
基板を現像液にディップさせ、同時に10cm幅を5秒
で1往復するように基板を揺動させて、ポジ型レジスト
の現像とポリイミド前駆体のエッチングを同時に行っ
た。現像時間は、60秒であった。その後、メチルセル
ソルブアセテートでポジ型レジストを剥離し、さらに、
300℃で30分間キュアし、シール部パターンと額縁
を有する樹脂ブラックマトリクス基板を得た。
【0080】このようにして得られたブラックマトリク
スの、上面位置におけるパターン幅(L1 )、下面位置
におけるパターン幅(L2 )、及び膜厚(t)は、それ
ぞれ、45μm、46.9μm、0.85μmであっ
た。これは、(L2 −L1 )/2≧tを満たす。また、
OD値は3.0であった。
【0081】(着色層の作成)次に、赤、緑、青の顔料
として各々Color index No.65300 Pigment Red 177で示
されるジアントラキノン系顔料、Color Index No.74265
Pigment Green 36 で示されるフタロシアニングリーン
系顔料、Color Index No.74160 Pigment Blue15-4で示
されるフタロシアニンブルー系顔料を用意した。ポリイ
ミド前駆体溶液に上記顔料を各々混合分散させて、赤、
緑、青の3種類の着色ペーストを得た。まず、樹脂ブラ
ックマトリクス基板上に青ペーストを塗布し、80℃で
10分熱風乾燥し、120℃20分間セミキュアした。
この後、ポジ型レジスト(Shipley "Microposit" RC100
30cp )をスピナーで塗布後、80℃で20分乾燥し
た。
【0082】次に、フォトマスクを用いて露光した。こ
の際、フォトマスク下面と、ポジ型フォトレジスト上面
の間のギャップを20μm有するようにした。さらにア
ルカリ現像液(Shipley "Microposit" 351)に基板をデ
ィップし、同時に基板を揺動させながら、ポジ型レジス
トの現像およびポリイミド前駆体のエッチングを同時に
行なった。現像時間は80秒であった。その後、ポジ型
レジストをメチルセルソルブアセテートで剥離し、さら
に、300℃で30分間キュアした。
【0083】このようにして得られた青画素パターン
の、着色層の上面位置におけるパターン幅(L3 )、ブ
ラックマトリクス上面位置におけるパターン幅
(L4 )、ブラックマトリクスにかかる着色層部分にお
けるブラックマトリクス上面より着色層上面に至る膜厚
の最大値(tmax )は、それぞれ、48.1μm、4
7.8μm、2.0μmであった。これは、|L4 −L
3 |/2≦tmax を満たす。
【0084】このパターニングにより青色画素の形成と
ともに樹脂ブラックマトリクス上、額縁上、および、額
縁周辺部のシール部パターン上にスペーサーの1段目を
形成した。
【0085】水洗後に、同様にして、赤色画素の形成と
ともに樹脂ブラックマトリクス上、額縁上、および、額
縁周辺部のシール部パターン上にスペーサーの2段目を
形成した。L3 、L4 、tmax はそれぞれ、47.8μ
m、47.5μm、1.8μmであった。これは、|L
4 −L3 |/2≦tmax を満たす。
【0086】さらに水洗後に、同様にして、緑色画素の
形成とともに樹脂ブラックマトリクス上、額縁上、およ
び、額縁周辺部のシール部パターン上にスペーサーの3
段目を形成し、カラーフィルタを作成した。L3
4 、tmax はそれぞれ、48.0μm、47.5μ
m、1.9μmであった。これは、|L4 −L3 |/2
≦tmax を満たす。
【0087】着色層の積層により樹脂ブラックマトリク
ス上、額縁上、および、額縁周辺部のシール部パターン
上に設けられたスペーサーの面積は、いずれも一個当た
り約200μm2 とした。スペーサーの高さ(樹脂ブラ
ックマトリクス上、額縁上、シール部パターン上の着色
層3層分の厚さ)は、5.0μmであり、これは着色層
の各膜厚の合計(5.7μm)よりも低い。なおスペー
サーは、2画素に1個の割合で画面内に設けた。また画
面周辺部の樹脂ブラックマトリクスで形成した額縁上に
も画面内と同様な密度で色重ねによるスペーサーを設け
た。額縁周辺部のシール部パターン上のスペーサーも同
様な密度で形成した。シール部パターンの面積はスペー
サーの約2倍とした。
【0088】(カラー液晶表示装置の作成)上記カラー
フィルタ上にスパッタリング法によりITO膜をマスク
成膜した。
【0089】ITO膜の膜厚は、1500オングストロ
ームであり、表面抵抗は20Ω/□であった。このIT
O膜上にポリイミド系の配向膜を設け、ラビング処理を
施した。
【0090】また薄膜トランジスタ素子を備えた透明電
極基板を作製し、同様にポリイミド系の配向膜を設け、
ラビング処理を施した。
【0091】配向膜を設けたカラーフィルタと薄膜トラ
ンジスタ素子を備えた透明電極基板とをガラス繊維を混
練りしないエポキシ接着剤をシール剤として用いて貼り
合わせた後に、シール部に設けられた注入口から液晶を
注入した。液晶の注入は、空セルを減圧下に放置後、注
入口を液晶槽に浸漬し、常圧に戻すことにより行った。
【0092】液晶を注入後、注入口を封止し、さらに偏
光板を基板の外側に貼り合わせセルを作成した。得られ
た液晶表示装置は、液晶配向不良、及び、カラーフィル
タ上の透明(コモン)電極とアクティブマトリクス基板
側の透明電極や回路との電気的な短絡もない、セルギャ
ップの均一性に優れた良好な表示品位のものであった。
【0093】実施例2 ブラックマトリクスの露光の際、フォトマスク下面と、
ポジ型フォトレジスト上面の間のギャップを20μmと
し、さらに、ブラックマトリクスの現像の際、基板を前
後に揺動させながら、現像液を基板上方よりスプレーし
たこと以外は、比較例1と同様にして、液晶表示装置を
得た。
【0094】スプレーのノズル口は4個であり、ノズル
口の原点位置は、300×350mmの光透過性基板に
対して、基板の長辺と平行方向に、基板の短辺側の端か
ら175mmの位置に、基板の長辺側の端から、短辺と
平行方向に、60mm、120mm、180mm、24
0mmの位置に並ばせた。ノズル口の高さは、基板表面
から10cmの位置とした。基板の全面に均一に現像液
がスプレーされるように、350mmを5秒に1往復す
るように基板を揺動させた。ノズル口から現像液は1本
線状に吐出させ、1つのノズル口出口での現像液の液圧
は、0.01kgf/cm2とした。
【0095】このようにして得られたブラックマトリク
スにおいて、L1 、L2 、tは、それぞれ、44.8μ
m、46.8μm、0.85μmであった。これは、
(L2−L1 )/2≧tを満たす。また、OD値は3.
0であった。
【0096】また、着色層については、青画素パターン
において、L4 =48.1μm、L3 =47.8μm、
max =2.0μm、赤画素パターンにおいて、L4
47.8μm、L3 =47.5μm、tmax =1.8μ
m、緑画素パターンにおいて、L4 =48.0μm、L
3 =47.5μm、tmax =1.9μmであった。これ
らは、|L4 −L3 |/2≦tmax を満たす。
【0097】得られた液晶表示装置は、液晶配向不良、
及び、カラーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクテ
ィブマトリクス基板側の透明電極や回路との電気的な短
絡もない、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品
位のものであった。
【0098】実施例3 ブラックマトリクスの現像を、ノズル口の形状を変える
ことにより、現像液が5本の線状に分かれて広がって吐
出されるシャワー現像で行ったこと以外は、実施例2と
同様にして、液晶表示装置を得た。この時、現像液の液
圧は、実施例2と同様にした。すなわち、1つのノズル
口にかかる液圧を、0.01kgf/cm2とした。
【0099】このようにして得られたブラックマトリク
スにおいて、L1 、L2 、tは、それぞれ、44.9μ
m、46.9μm、0.85μmであった。これは、
(L2−L1 )/2≧tを満たす。また、OD値は3.
0であった。
【0100】また、着色層については、青画素パターン
において、L4 =48.1μm、L3 =47.8μm、
max =2.0μm、赤画素パターンにおいて、L4
47.8μm、L3 =47.5μm、tmax =1.8μ
m、緑画素パターンにおいて、L4 =48.0μm、L
3 =47.5μm、tmax =1.9μmであった。これ
らは、|L4 −L3 |/2≦tmax を満たす。
【0101】得られた液晶表示装置は、液晶配向不良、
及び、カラーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクテ
ィブマトリクス基板側の透明電極や回路との電気的な短
絡もない、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品
位のものであった。
【0102】実施例4 着色層の露光の際、フォトマスク下面と、ポジ型フォト
レジスト上面の間のギャップを20μmとし、さらに、
着色層の現像の際、現像時間を120秒としたこと以外
は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
【0103】このようにして作製したカラーフィルタ
は、青画素パターンにおいて、L3 =44.0μm、L
4 =43.0μm、tmax =2.0μm、赤画素パター
ンにおいて、L3 =44.7μm、L4 =43.5μ
m、tmax =1.8μm、緑画素パターンにおいて、L
3 =44.8μm、L4 =43.9μm、tmax =1.
9μmであった。これらは、|L4 −L3 |/2≦t
max を満たし、さらに着色層のパターンサイドが逆テー
パー状になっている。
【0104】得られた液晶表示装置は、液晶配向不良、
及び、カラーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクテ
ィブマトリクス基板側の透明電極や回路との電気的な短
絡もない、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品
位のものであった。
【0105】実施例5 ブラックペースト塗膜上に塗布したポジ型レジストの乾
燥を、70℃10分間行った以外は、実施例1と同様に
して液晶表示装置を作製した。
【0106】このようにして得られたブラックマトリク
スにおいて、L1 、L2 、tは、それぞれ、44.5μ
m、46.6μm、0.85μmであった。これは、
(L2−L1 )/2≧tを満たす。また、OD値は3.
0であった。
【0107】また、着色層については、青画素パターン
において、L4 =47.1μm、L3 =46.8μm、
max =2.0μm、赤画素パターンにおいて、L4
47.0μm、L3 =46.6μm、tmax =1.8μ
m、緑画素パターンにおいて、L4 =48.3μm、L
3 =47.9μm、tmax =1.9μmであった。これ
らは、|L4−L3|/2≦tmax を満たす。
【0108】得られた液晶表示装置は、液晶配向不良、
及び、カラーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクテ
ィブマトリクス基板側の透明電極や回路との電気的な短
絡もない、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品
位のものであった。
【0109】実施例6 ブラックペースト塗膜上に塗布したポジ型レジストの乾
燥を、50℃10分間行った以外は、実施例1と同様に
して液晶表示装置を作製した。
【0110】このようにして得られたブラックマトリク
スにおいて、L1 、L2 、tは、それぞれ、44.8μ
m、47.0μm、0.85μmであった。これは、
(L2−L1 )/2≧tを満たす。また、OD値は3.
0であった。
【0111】また、着色層については、青画素パターン
において、L4 =47.0μm、L3 =46.8μm、
max =2.0μm、赤画素パターンにおいて、L4
47.0μm、L3 =46.6μm、tmax =1.8μ
m、緑画素パターンにおいて、L4 =48.3μm、L
3 =47.5μm、tmax =1.9μmであった。これ
らは、|L4 −L3 |/2≦tmax を満たす。
【0112】得られた液晶表示装置は、液晶配向不良、
及び、カラーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクテ
ィブマトリクス基板側の透明電極や回路との電気的な短
絡もない、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品
位のものであった。
【0113】実施例7 ブラックペーストセミキュアを、150℃20分間行っ
た以外は、実施例1はと同様にして液晶表示装置を作製
した。
【0114】このようにして得られたブラックマトリク
スにおいて、L1 、L2 、tは、それぞれ、45.4μ
m、47.2μm、0.85μmであった。これは、
(L2−L1 )/2≧tを満たす。また、OD値は3.
0であった。
【0115】また、着色層については、青画素パターン
において、L4 =46.5μm、L3 =46.0μm、
max =2.0μm、赤画素パターンにおいて、L4
48.0μm、L3 =47.6μm、tmax =1.8μ
m、緑画素パターンにおいて、L4 =47.5μm、L
3 =47.0μm、tmax =1.9μmであった。これ
らは、|L4 −L3 |/2≦tmax を満たす。
【0116】得られた液晶表示装置は、液晶配向不良、
及び、カラーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクテ
ィブマトリクス基板側の透明電極や回路との電気的な短
絡もない、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品
位のものであった。
【0117】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタは、着色層の積
層により形成されたスペーサーを樹脂ブラックマトリク
ス上および額縁周辺部シール部相当領域に設け、また、
樹脂ブラックマトリクスの形状を、サイド部分がなだら
かとなるよう、テーパー化したものであり、これを用い
て液晶表示装置を作成した場合に以下の効果が得られ
る。
【0118】(1) スペーサーが画素部上に存在せず、ス
ペーサーによる光の散乱や透過による表示品位の低下が
なく、特に表示のコントラストが向上する。
【0119】(2) スペーサーが面で対向する透明電極基
板と接触するために、配向膜や透明電極の破損が少な
く、欠陥の少ない表示が得られる。
【0120】(3) スペーサーを散布する工程が不要にな
り、液晶表示装置の製造工程が簡略化される。
【0121】(4) スペーサーの粒度分布を高精度に管理
する必要がなく、液晶表示装置の製造が容易になる。
【0122】(5) 樹脂ブラックマトリクスと額縁上にブ
ラックと着色層2層分の膜厚のセルギャップが保持さ
れ、十分均一なセルギャップを持った液晶表示装置が得
られる。
【0123】(6) カラーフィルタ上のITO膜の耐久性
が良好である。
【0124】(7) 着色層のパターンサイドが切り立って
いるため、ITO膜がスペーサー部で分断され、スペー
サー上のITOを介してのカラーフィルタ上の透明(コ
モン)電極とアクティブマトリクス基板側の透明電極や
回路との電気的な短絡の危険を回避できる。
【0125】(8) シール剤へのギャップ材の混練り工程
が不要になり、液晶表示装置の製造工程が簡略化され
る。
【0126】(9) 表示画面領域とシール部でのスペーサ
ーとギャップ材硬さの差がなくなり、均一なギャップが
得られやすい。
【0127】(10)樹脂ブラックマトリクスのパターンサ
イド部分におけるカラーフィルタ表面の平坦性がよいた
めに、液晶配向膜のラビングが均一に行われ、液晶配向
不良が生じず、また十分均一なセルギャップを持った液
晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られたカラーフィルタを使用し
たカラー液晶表示装置の断面図
【図2】従来のカラー液晶表示装置の断面図
【図3】本発明により得られたブラックマトリクスの断
面図
【図4】本発明により得られたブラックマトリクス、及
び着色層の断面図
【符号の説明】
1、13…透明基板(ガラス基板) 2…樹脂ブラックマトリクス 3…着色層(B) 4…着色層(R) 5…着色層(G) 6…透明電極 7、9…配向膜 8…液晶 10…画素電極 11…絶縁膜 12…液晶駆動回路付属電極 14…クロムブラックマトリクス 15…保護膜 16…プラスチックビーズ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に樹脂中に遮光剤を分散させて
    なる樹脂ブラックマトリクスを設け、さらにその上に3
    原色からなる着色層を複数配列したカラーフィルタにお
    いて、 (A)前記ブラックマトリクスの上面位置におけるパタ
    ーン幅L1 と下面位置におけるパターン幅L2 、および
    膜厚tとの関係が、(L2 −L1 )/2≧tであり、 (B)前記ブラックマトリクス上に3原色からなる着色
    層の積層により形成されたスペーサーを有することを特
    徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】ブラックマトリクスの膜厚が、0.5〜
    1.5μmである請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】ブラックマトリクスのOD値が2.5以上
    であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    タ。
  4. 【請求項4】ブラックマトリクスを形成する樹脂がポリ
    イミドであることを特徴とする請求項1記載のカラーフ
    ィルタ。
  5. 【請求項5】3原色からなる着色層の上面位置における
    パターン幅L3 と下面位置におけるパターン幅L4 、お
    よびブラックマトリクス上の着色層の膜厚の最大値tma
    x との関係が|L4 −L3 |/2≦tmax であることを
    特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】3原色からなる着色層のエッジ部分が逆テ
    ーパー状であることを特徴とする請求項5記載のカラー
    フィルタ。
  7. 【請求項7】3原色の着色層の各膜厚の合計が、3〜9
    μmである請求項1記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】3原色からなる着色層の積層により形成さ
    れたスペーサー部の高さが、3原色の着色層の各膜厚の
    合計よりも低いことを特徴とする請求項1記載のカラー
    フィルタ。
  9. 【請求項9】3原色からなる着色層がポリイミドからな
    ることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  10. 【請求項10】3原色からなる着色層の積層により形成
    されたスペーサー部の面積が1個当り10μm2 〜10
    00μm2 である請求項1記載のカラーフィルタ。
  11. 【請求項11】透明電極基板と透明電極を有するカラー
    フィルタにより液晶層を挟持したカラー液晶表示装置に
    おいて、カラーフィルタが、透明基板上に樹脂中に遮光
    剤を分散させてなる樹脂ブラックマトリクスと3原色か
    らなる着色層を設けたカラーフィルタであり、 (A)前記ブラックマトリクスの上面位置におけるパタ
    ーン幅L1 と下面位置におけるパターン幅L2 、および
    膜厚tとの関係が、 (L2 −L1 )/2≧tであり、 (B)前記ブラックマトリクス上に3原色からなる着色
    層の積層により形成されたスペーサー部を有することを
    特徴とするカラー液晶表示装置。
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