JP3282156B2 - カラーフィルタおよびカラー液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタおよびカラー液晶表示装置

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JP3282156B2
JP3282156B2 JP20103895A JP20103895A JP3282156B2 JP 3282156 B2 JP3282156 B2 JP 3282156B2 JP 20103895 A JP20103895 A JP 20103895A JP 20103895 A JP20103895 A JP 20103895A JP 3282156 B2 JP3282156 B2 JP 3282156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペーサー機能を
有するカラーフィルタを用いたカラー液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、使用されているカラー液晶表示装
置は、液晶層の厚み(セルギャップ)を保持するため
に、一般に、図3に示すように、薄膜トランジスタ(T
FT)や複数の走査電極などを具備した電極基板とカラ
ーフィルタ側の基板との間にプラスチックビーズまたは
ガラス繊維をスペーサーとして使用し、周辺シール部に
使用する接着剤(シール剤)にはガラス繊維をスペーサ
ーとして混ぜ込んでいる。ここで表示部および額縁部の
スペーサーとして使用されるプラスチックビーズなどは
散布されるため、電極基板とカラーフィルタ側の基板間
のどの位置(面内位置)に配置されるかは定まっていな
い。また、シール剤へのガラス繊維の混練りもコストが
かかる工程であり、かつ、プラスチックビーズと硬さが
異なるなど、セル組み立て条件の最適化に対して複雑化
する要因を与えている。
【0003】特開昭56−140324、特開昭63−
82405、特開平4−93924、特開平5−196
946には、カラーフィルタを形成する着色層を重ね合
わせた構造をスペーサーとして用いた液晶表示装置が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチックビーズな
どをスペーサーとして用いるカラー液晶表示装置におい
ては、プラスチックビーズなどのスペーサーの位置が定
まっておらず、画素上に位置するスペーサーによる光の
散乱や透過により液晶表示装置の表示品位が低下すると
いう問題があった。
【0005】プラスチックビーズなどのスペーサーを散
布して使用する液晶表示装置には、この他にも下記の問
題がある。すなわち、スペーサーが球状あるいは棒状の
形であり、セル圧着時に点または線で接触するために、
配向膜や透明電極が破損し、表示欠陥が発生しやすいと
いう欠点があった。さらに配向膜や透明電極の破損によ
り、液晶が汚染され、電圧が低下しやすいという欠点も
あった。
【0006】また、スペーサーを均一に散布する工程が
必要であったり、あるいはスペーサーの粒度分布を高精
度に管理することが必要であることから、簡便な方法で
安定した表示品位の液晶表示装置を得ることが難しかっ
た。
【0007】さらに、カラーフィルタにおける画素部と
額縁部の厚みが異なり、かつ、額縁部へのスペーサーの
散布密度が画素部に比較して低くなり易いため、そのよ
うな状態で決まるセルギャップの不均一性を反映して、
額縁に近い画面に干渉縞を生じるなどの不具合が起こり
易かった。
【0008】特開昭56−140324、特開昭63−
82405、特開平4−93924、特開平5−196
946では、2色あるいは3色の着色層を重ね合わせた
構造をスペーサーとして用ることが提案されている。こ
れら開示技術で実際に得られる液晶層の厚み(セルギャ
ップ)は、着色層の1層あるいは2層分の厚みとなり、
十分なセルギャップを持った液晶表示装置を得ることが
難しく、また、着色層の1層あるいは2層分の厚みでセ
ルギャップを保持できたとしても着色層の厚膜化に伴
う、例えば、カラーフィルタ上に形成されるITO膜の
耐久性の低下など、満足な信頼性を有する液晶表示装置
が得られにくかった。
【0009】更に、着色層を重ね合わせた構造を持つス
ペーサーが画素部周辺のみに存在することから上記のよ
うに画面周辺部においてセルギャップを均一に保持する
ことが難しいという問題点があった。
【0010】同時に、繁雑なガラス繊維のシール剤への
混練りが必要であること、ガラス繊維がプラスチックビ
ーズと硬さが異なるというセル組み工程の複雑化の要因
を排することができないなどの問題点があった。
【0011】本発明は、前記の問題点に鑑み、十分なセ
ルギャップを実現するとともに、画面全体で均一なセル
ギャップを保持し、前記した従来の欠点を克服するカラ
ーフィルタおよびカラー液晶表示装置を提供することを
目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のカラーフィルタおよびカラー液晶表示装置
は、以下の構成を有するものである。
【0013】すなわち、本発明は透明基板上に樹脂中に
遮光剤を分散させてなる樹脂ブラックマトリクスを設
け、さらにその上に3原色からなるポリイミド着色層を
複数配列したカラーフィルタにおいて、(A)前記樹脂
ブラックマトリクスが表示領域内のマトリクスおよび表
示領域周辺部に設けられた額縁とさらに額縁周辺のシー
ル部に相当する領域に設けられた独立したパターンを形
成し、(B)前記樹脂ブラックマトリクスの表示領域内
のマトリクスおよび額縁周辺のシール部に相当する領域
に設けられた独立したパターン上に3原色からなるポリ
イミド着色層の積層により形成されたスペーサーを有
し、(C)表示領域内のマトリクス上に形成された3原
色からなるポリイミド着色層の積層により形成されたス
ペーサーの1個当りの面積が、額縁周辺のシール部に相
当する領域に形成されたスペーサーの1個当りの面積と
異なる、ことを特徴とするカラーフィルタであり、ま
た、透明電極基板と透明電極を有するカラーフィルタに
より液晶層を狭持したカラー液晶表示装置において、カ
ラーフィルタが、透明基板上に樹脂中に遮光剤を分散さ
せてなる樹脂ブラックマトリクスと3原色からなるポリ
イミド着色層を設けたカラーフィルタであり、(A)前
記樹脂ブラックマトリクスが表示領域内のマトリクスお
よび表示領域周辺部に設けられた額縁とさらに額縁周辺
のシール部に相当する領域に設けられた独立したパター
ンを形成し、(B)前記樹脂ブラックマトリクスの表示
領域内のマトリクスおよび表示領域周辺部に設けられた
独立したパターン上に3原色からなるポリイミド着色層
の積層により形成されたスペーサーを有し、(C)表示
領域内のマトリクス上に形成された3原色からなるポリ
イミド着色層の積層により形成されたスペーサーの1個
当りの面積が、額縁周辺のシール部に相当する領域に形
成されたスペーサーの1個当りの面積と異なる、ことを
特徴とするカラー液晶表示装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
【0015】本発明の液晶表示装置に使用するカラーフ
ィルタは、透明基板上に樹脂および遮光剤からなる樹脂
ブラックマトリクスを設け、さらにその上に3原色から
なる着色層を複数配列したものである。カラーフィルタ
は3原色からなる各着色層により被覆された画素を一絵
素とし、多数の絵素により構成されている。ここで言う
ブラックマトリクスは、表示領域内のマトリクス、すな
わち、各画素間に配列された遮光領域を形成するととも
に、表示領域周辺部に設けられた額縁および額縁周辺の
シール部(液晶表示装置を作成の基板貼り合わせ時にシ
ール剤を塗布する部分)に相当する領域に設けられた独
立したパターンを形成する。表示領域内のマトリクスは
液晶表示装置の表示コントラストを向上させるために設
けられており、表示領域周辺部に設けられた額縁は画面
周辺部における光の漏れ込みを防ぐために形成されてい
る。
【0016】本発明のカラーフィルタに用いられる透明
基板としては、特に限定されるものでなく、石英ガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、表面
をシリカコートしたソーダライムガラスなどの無機ガラ
ス類、有機プラスチックのフィルムまたはシートなどが
好ましく用いられる。
【0017】この透明基板上に樹脂および遮光剤からな
る樹脂ブラックマトリクスを設けるが、ブラックマトリ
クスに用いられる樹脂としては、特に限定されないが、
エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ゼラチンなどの感光性または非感光性の材料が
好ましく用いられる。ブラックマトリクス用樹脂は、画
素や保護膜に用いられる樹脂よりも高い耐熱性を有する
樹脂が好ましく、また、ブラックマトリクス形成後の工
程で使用される有機溶剤に耐性を持つ樹脂が好ましいこ
とからポリイミド系樹脂が特に好ましく用いられる。
【0018】ポリイミド系樹脂としては、特に限定され
ないが、通常一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリイミド前駆体(n=1〜2)を、加熱もしく
は適当な触媒によってイミド化したものが好適に用いら
れる。
【0019】
【化1】 また、ポリイミド系樹脂には、イミド結合の他に、アミ
ド結合、スルホン結合、エーテル結合、カルボニル結合
などのイミド結合以外の結合が含まれていても差支えな
い。
【0020】上記一般式(1)中、R1 は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する3価または4価の有機基であ
る。耐熱性の面から、R1 は環状炭化水素、芳香族環又
は芳香族複素環を含有し、かつ、炭素数6〜30の3価
または4価の基が好ましい。
【0021】R1 の例として、フェニル基、ビフェニル
基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフ
ェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニル
プロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオ
ロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンチル基など
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】R2 は少なくとも2個以上の炭素原子を有
する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2 は環
状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素環を含有し、かつ
炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2 の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノ
ン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニル
メタン基、ジシクロヘキシルメタン基などが挙げられる
が、これらに限定されない。構造単位(1)を主成分と
するポリマは、R1 、R2 がこれらのうち各々1種から
構成されていても良いし、各々2種以上から構成される
共重合体であつてもよい。さらに、基板との接着性を向
上させるために、耐熱性を低下させない範囲でジアミン
成分として、シロキサン構造を有するビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサンなどを共重合する
のが好ましい。
【0023】構造単位(1)を主成分とするポリマーの
具体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3、3
´,4、4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、3、3´,4、4´−ビフェニルトリフルオロプロ
パンテトラカルボン酸二無水物、3、3´,4、4´−
ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,5,−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
などからなる群から選ばれた1種以上のカルボン酸二無
水物と、パラフェニレンジアミン、3、3´−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4、4´−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3、4´ジアミノジフェニルエーテル、3、3
´−ジアミノジフェニルスルホン、4、4´−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4、4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタン、4、4´−ジアミノジフェニメタンなどの
群から選ばれた1種以上のジアミンから合成されたポリ
イミド前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのポリイミド前駆体は公知の方法すなわち、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組み合わ
せ、溶媒中で反応させることにより合成される。
【0024】ブラックマトリクス用の遮光剤としては、
カーボンブラック、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸
化物粉、金属硫化物粉、金属粉の他に、赤、青、緑色の
顔料の混合物などを用いることができる。この中でも、
特にカーボンブラックは遮光性が優れており、特に好ま
しい。分散のよい粒径の小さいカーボンブラックは主と
して茶系統の色調を呈するので、カーボンブラックに対
する補色の顔料を混合させて無彩色にするのが好まし
い。
【0025】ブラックマトリクス用の樹脂がポリイミド
の場合、黒色ペースト溶媒としては、通常、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶
媒、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系極性溶媒など
が好適に使用される。
【0026】カーボンブラックやカーボンブラックに対
して補色の顔料等の遮光剤を分散させる方法としては、
例えば、ポリイミド前駆体溶液中に遮光剤や分散剤等を
混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、ボー
ルミル等の分散機中で分散させる方法などがあるが、こ
の方法に特に限定されない。また、カーボンブラックの
分散性向上、あるいは塗布性やレベリング性向上のため
に種々の添加剤が加えられていてもよい。
【0027】樹脂ブラックマトリクスの製法としては、
黒色ペーストを透明基板上に塗布・乾燥した後に、パタ
ーニングを行う。黒色ペーストを塗布する方法として
は、ディップ法、ロールコータ法、スピナー法、ダイコ
ーティング法、ワイヤーバーによる方法などが好適に用
いられ、この後、オーブンやホットプレートを用いて加
熱乾燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使用
する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが、通常
60〜200℃で1〜60分加熱することが好ましい。
【0028】このようにして得られた黒色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光・現像を行う。必要に応じ
て、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、
また、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、前
駆体からポリイミド系樹脂を得る場合には、塗布量によ
り若干異なるが、通常200〜300℃で1〜60分加
熱するのが一般的である。以上のプロセスにより、透明
基板上に額縁を有するブラックマトリクスが形成され
る。
【0029】本発明で用いられる樹脂ブラックマトリク
スの膜厚は、好ましくは0.5〜1.5μm、より好ま
しくは0.8μm〜1.2μmである。後述するように
樹脂ブラックマトリクスの膜厚は液晶表示装置のセルギ
ャップを確保する上で重要であり、膜厚が0.5μmよ
りも薄い場合は、十分なセルギャップの確保が難しくな
り、また、遮光性が不十分になることからも好ましくな
い。また、膜厚が1.5μmよりも厚い場合は、遮光性
は確保できるものの、カラーフィルタの平坦性が犠牲に
なり易く、段差が生じ易い。表面段差が生じた場合、カ
ラーフィルタ上部に透明導電膜や液晶配向膜を形成させ
ても段差は殆ど軽減されず、液晶配向膜のラビングによ
る配向処理が不均一になったり、セルギャップにバラツ
キが生じたりして、液晶表示装置の表示品位が低下す
る。表面段差を小さくするためには、着色層上に透明保
護膜を設けることが有効であるが、カラーフィルタの構
造が複雑になり、製造コストが高くなる点では不利であ
る。
【0030】また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性
は、OD値(透過率の逆数の常用対数)で表されるが、
液晶表示装置の表示品位を向上させるためには、好まし
くは2.5以上であり、より好ましくは3.0以上であ
る。また、樹脂ブラックマトリクスの膜厚の好適な範囲
を前述したが、OD値の上限は、これとの関係で定めら
れるべきである。
【0031】樹脂ブラックマトリクスの反射率は、反射
光による影響を低減し液晶表示装置の表示品位を向上さ
せるために、400〜700nmの可視領域での視感度
補正された反射率(Y値)で2%以下が好ましく、より
好ましくは1%以下である。
【0032】樹脂ブラックマトリクス間には、通常(2
0〜200)μm×(20〜300)μmの開口部が設
けられるが、この開口部を少なくとも被覆するように3
原色からなる着色層が複数配列される。
【0033】カラーフィルタを構成する着色層は、少な
くとも3原色の色彩を含む。すなわち、加色法によりカ
ラー表示を行う場合は、赤(R)、緑(G)、青(B)
の3原色が選ばれ、減色法によりカラー表示を行う場合
は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の
3原色が選ばれる。一般には、これらの3原色を含んだ
要素を1単位としてカラー表示の絵素とすることができ
る。着色層には、着色剤により着色された樹脂が用いら
れる。
【0034】着色層に用いられる着色剤としては、有機
顔料、無機顔料、染料などを好適に用いることができ、
さらには、紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤などの
種々の添加剤を添加しても良い。有機顔料としては、フ
タロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリ
ドン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系が
好適に用いられる。
【0035】着色層に用いられる樹脂としては、エポキ
シ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ゼラチンなどの感光性または非感光性の材料が好ま
しく用いられ、着色剤をこれらの樹脂中に分散あるいは
溶解させて着色することが好ましい。感光性の樹脂とし
ては、光分解型樹脂、光架橋型樹脂光重合型樹脂などの
タイプがあり、特に、エチレン不飽和結合を有するモノ
マ、オリゴマまたはポリマと紫外線によりラジカルを発
生する開始剤とを含む感光性組成物、感光性ポリアミッ
ク酸組成物などが好適に用いられる。非感光性の樹脂と
しては、上記の各種ポリマなどで現像処理が可能なもの
が好ましく用いられるが、透明導電膜の成膜工程や液晶
表示装置の製造工程でかかる熱に耐えられるような耐熱
性を有する樹脂が好ましく、また、液晶表示装置の製造
工程で使用される有機溶剤への耐性を持つ樹脂が好まし
いことから、ポリイミド系樹脂が特に好ましく用いられ
る。
【0036】着色層を形成する方法としては、着色ペー
ストを樹脂ブラックマトリクスを形成した基板上に塗布
・乾燥した後に、パターニングを行う。着色剤を分散ま
たは溶解させ着色ペーストを得る方法としては、溶媒中
に樹脂と着色剤を混合させた後、三本ロール、サンドグ
ラインダー、ボールミル等の分散機中で分散させる方法
などがあるが、この方法に特に限定されない。
【0037】着色ペーストを塗布する方法としては、黒
色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロールコータ
法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーに
よる方法などが好適に用いられ、この後、オーブンやホ
ットプレートを用いて加熱乾燥(セミキュア)を行う。
セミキュア条件は、使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布
量によりことなるが通常60〜200℃で1〜60分加
熱することが好ましい。
【0038】このようにして得られた着色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光・現像を行う。必要に応じ
て、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、
また、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、樹
脂により異なるが、前駆体からポリイミド系樹脂を得る
場合には、通常200〜300℃で1〜60分加熱する
のが一般的である。以上のプロセスにより、ブラックマ
トリクスを形成した基板上にパターニングされた着色層
が形成される。
【0039】上記のように樹脂ブラックマトリクスを形
成した基板上に第1色目の着色層を全面にわったて形成
した後に、不必要な部分をフォトリソグラフィ法により
除去し、所望の第1色目の着色層のパターンを形成す
る。この場合、樹脂ブラックマトリクスの開口部を少な
くとも被覆する部分と着色層の積層によりスペーサーを
形成する部分に着色層を残す。着色層の積層によるスペ
ーサーを形成する部分は表示領域内のマトリクス上およ
び額縁周辺部のシール部に相当する領域上の双方であ
る。また、スペーサーによるセルギャップの制御をより
均一に行うために、着色層の積層によるスペーサーを表
示領域周辺部に設けられた額縁上にも形成することがで
きる。第2色目、第3色目も同様な操作を繰り返し、樹
脂ブラックマトリクスの開口部上には1層の着色層が、
また、スペーサーには3層の着色層が残るように着色層
を形成する。開口部上の着色層とスペーサーを形成する
着色層とは連続していても、また、分離されていても差
支えない。ただし、カラーフィルタ上に形成するITO
膜を開口部上の着色層とスペーサー間で断線させ、カラ
ーフィルタ側と対向基板との導通を防止する場合は、開
口部上の着色層とスペーサーを形成する着色層とは分離
・分画されている方が好ましい。
【0040】3原色の着色層の膜厚は、特に限定されな
いが、1層当たり1〜3μmであることが好ましく、こ
の場合の3原色の着色層の各膜厚の合計は、3〜9μm
となる。合計膜厚が3μmよりも小さい場合には、十分
なセルギャップが得られず、また、9μmを越える場合
には、着色層の均一塗布が難しくなり、さらにカラーフ
ィルタ上に形成される透明導電膜の信頼性が低下し、好
ましくない。
【0041】本発明のカラーフィルタを用いてセルギャ
ップを保持した場合は、例えば、3原色としてR、G、
Bを選んだ場合、Rに対してはG+B+Bk(樹脂ブラ
ックマトリクス)の膜厚が、Gに対してはB+R+Bk
の膜厚が、また、Bに対してはR+G+Bkの膜厚が液
晶表示装置におけるセルギャップに相当することにな
る。 着色層を形成するペーストにおいて着色剤の分散
性を上げたり、均一塗布などを目的としてレベリング性
を向上させた場合には、3原色からなる着色層の積層に
より形成されたスペーサー高さは、画素部における3原
色の着色層の各膜厚の合計よりも小さくなる。すなわ
ち、セルギャップはRに対してはG+B+Bkの膜厚よ
りも小さくなり、同様にGに対してはB+R+Bk、ま
た、Bに対してはR+G+Bkの膜厚よりも小さくな
る。
【0042】本発明における3原色からなる着色層の積
層により形成されたスペーサーが樹脂ブラックマトリク
スの表示領域内のマトリクス上、表示領域周辺部に設け
られた額縁周辺のシール部、場合によっては額縁上に形
成されるが、スペーサーの面積や配置場所は液晶表示装
置を作成する場合にカラーフィルタと対向する透明電極
基板(アクテイブマトリクス基板)の構造に大きく影響
を受ける。そのため対向する透明電極基板側の制約がな
い場合は、スペーサーの面積や配置場所は、特に限定さ
れないが、画素のサイズを考えた場合、表示領域内のマ
トリクス上に設けられるスペーサーひとつ当たりの面積
は、10μm2 〜1000μm2 であることが好まし
い。10μm2 よりも小さい場合は、精密なパターンの
形成や積層が難しく、また、1000μm2 よりも大き
い場合は、スペーサーの形状にもよるがブラックマトリ
クス上に完全に配置することが難しくなる。また、額縁
周辺部のシール部に相当する領域および表示領域周辺部
に設けられた額縁上のスペーサーの面積は、10μm2
以上であれば特に限定されるものでない。表示領域内の
マトリクス上に設けられるスペーサーとは面積を変える
ことも、単位面積当たりの数を変えることも可能であ
る。液晶表示装置を製造する際のカラーフィルタと透明
電極基板との貼り合わせ条件にもよるが、例えば、表示
領域内のマトリクス上に設けられるスペーサーよりも面
積を大きくしても差支えない。
【0043】また、本発明では、透明電極基板がカラー
フィルタのスペーサーと接触する部位(ただし、透明導
電膜が成膜されない額縁周辺部のシール部を除く)に絶
縁膜を形成することが好ましい。スペーサー上にも均一
に透明導電膜が形成されており、対向基板である透明電
極基板側の透明導電膜や回路と極く薄い配向膜を挟んで
近接・接触し、電気的に短絡してしまう危険が大きい。
スペーサーと接触する部位の絶縁膜は、抵抗値の大きい
無機酸化物あるいはポリマーから選ばれる。無機酸化物
としては例えば、SiNx(シリコンナイトライド)、
SiO2 (シリコンオキサイド)、Al2 3 (アルミ
ナ)、TaOx(タンタルオキサイド)、MoOx(モ
リブデンオキサイド)、Cr2 3 (クロムオキサイ
ド)、TiO2 (チタニア)、ZrO2 (ジルコニ
ア)、CeO2 (セリウムオキサイド)、MgO(マグ
ネシウムオキサイド)、BeO(ベリリウムオキサイ
ド)などであり、ポリマーとしてはポリイミド、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂など絶縁性を保ち、液晶に不溶な
らば何でもよい。
【0044】スペーサーと接触する部位の絶縁膜は、T
FTの形成工程中あるいは別途設けられた工程で設置す
る。絶縁膜の設置位置は、表示のための開口部を除いて
任意に選べる。TFT上でも配線上でも、また、額縁上
でも、絶縁面積としてはスペーサーの面積より大きくし
て位置ズレが多少起こっても導通しないよう配慮する。
【0045】透明導電膜が成膜されない額縁周辺部のシ
ール部では絶縁膜を形成してもしなくても良い。
【0046】以上の透明電極基板側への絶縁膜の設置に
より、カラーフィルタのスペーサーと透明電極基板との
導通の危険性をより確実に回避することができる。
【0047】次に本発明のカラーフィルタを用いて作成
したカラー液晶表示装置について説明する。本発明のカ
ラー液晶表示装置を図1,2に示す。上記カラーフィル
タと透明電極基板とを対向させて作成する。図2には、
樹脂ブラックマトリクスの表示領域内のマトリクス上、
表示領域周辺部に設けられた額縁上、および、額縁周辺
のシール部に相当する領域に設けられた独立したパター
ン上の全てに3原色からなる着色層の積層により形成さ
れたスペーサーが配置されたカラーフィルタの例を平面
図として示す。カラーフィルタには、必要に応じて着色
層上に透明保護膜を設けても差支えないが、構成が複雑
になり、製造コストを考えた場合に不利である。また、
カラーフィルタ上にはITO膜などの透明電極を形成す
る。カラーフィルタと対向する透明電極基板としては、
ITO膜などの透明電極が透明基板上にパターン化され
て設けられる。透明電極基板上には、透明電極以外に、
薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイオード(T
FD)素子、および走査線、信号線などとともに本発明
の絶縁部位を設け、TFT液晶表示装置やTFD液晶表
示装置を作成することができる。透明電極を有するカラ
ーフィルタおよび透明電極基板上には液晶配向膜が設け
られ、ラビングなどによる配向処理が施される。配向処
理後にシール剤を用いてカラーフィルタおよび透明電極
基板を貼り合わせ、シール部に設けられた注入口から液
晶を注入した後に、注入口を封止する。偏光板を基板の
外側に貼り合わせた後にICドライバー等を実装するこ
とによりモジュールが完成する。
【0048】本発明のカラーフィルタおよびそれを用い
たカラー液晶表示装置は、パソコン、ワードプロセッサ
ー、エンジニアリング・ワークステーション、ナビゲー
ションシステム、液晶テレビ、ビデオなどの表示画面に
用いられ、また、鮮明な画質の液晶プロジェクションな
どにも好適に用いられる。
【0049】以下、好ましい実施態様を用いて本発明を
更に詳しく説明するが、用いた実施態様によって本発明
の効力はなんら制限されるものでない。
【0050】
【実施例】
(樹脂ブラックマトリクスおよびシール部パターンの作
成)3,3´、4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、お
よび、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサンをN−メチル−2−ピロリドンを溶媒として反応
させ、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液を得
た。
【0051】下記の組成を有するカーボンブラックミル
ベースをホモジナイザーを用いて、7000rpm で30分分散
し、ガラスビーズを濾過して、ブラックペーストを調製
した。
【0052】 カーボンブラックミルベース カーボンブラック (MA100、三菱化成(株)製) 4.6部 ポリイミド前駆体溶液 24.0部 N−メチルピロリドン 61.4部 ガラスビーズ 90.0部 300×350mmのサイズの無アルカリガラス(日本
電気ガラス(株)製、OA−2)基板上にスピナーを用
いて、ブラックペーストを塗布し、オーブン中135℃
で20分間セミキュアした。続いて、ポジ型レジスト
(Shipley “Microposit”RC100 30cp)をスピナーで塗
布し、90℃で10分間乾燥した。レジスト膜厚は1.
5μmとした。キャノン(株)製露光機PLA−501
Fを用い、フォトマスクを介して、露光を行った。
【0053】次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シドを2重量%含んだ23℃の水溶液を現像液に用い、
基板を現像液にディップさせ、同時に10cm幅を5秒
で1往復するように基板を揺動させて、ポジ型レジスト
の現像とポリイミド前駆体のエッチングを同時に行っ
た。現像時間は、60秒であった。その後、メチルセル
ソルブアセテートでポジ型レジストを剥離し、さらに、
300℃で30分間キュアし、シール部パターンと額縁
を有する樹脂ブラックマトリクス基板を得た。樹脂ブラ
ックマトリクスの膜厚は、0.90μmであり、OD値
は3.0であった。また、樹脂ブラックマトリクスとガ
ラス基板との界面における反射率(Y値)は1.2%で
あった。
【0054】(着色層の作成)次に、赤、緑、青の顔料
として各々Color index No.65300 Pigment Red 177で示
されるジアントラキノン系顔料、Color Index No.74265
Pigment Green 36 で示されるフタロシアニングリーン
系顔料、Color Index No.74160 Pigment Blue15-4で示
されるフタロシアニンブルー系顔料を用意した。ポリイ
ミド前駆体溶液に上記顔料を各々混合分散させて、赤、
緑、青の3種類の着色ペーストを得た。まず、樹脂ブラ
ックマトリクス基板上に青ペーストを塗布し、80℃で
10分熱風乾燥し、120℃20分間セミキュアした。
この後、ポジ型レジスト(Shipley "Microposit" RC100
30cp )をスピナーで塗布後、80℃で20分乾燥し
た。マスクを用いて露光し、アルカリ現像液(Shipley
"Microposit" 351)に基板をディップし、同時に基板
を揺動させながら、ポジ型レジストの現像およびポリイ
ミド前駆体のエッチングを同時に行なった。その後、ポ
ジ型レジストをメチルセルソルブアセテートで剥離し、
さらに、300℃で30分間キュアした。着色画素部の
膜厚は2.0μmであった。このパターニングにより青
色画素の形成とともに樹脂ブラックマトリクス上、額縁
上、および、額縁周辺部のシール部パターン上にスペー
サーの1段目を形成した。
【0055】水洗後に、同様にして、赤色画素の形成と
ともに樹脂ブラックマトリクス上、額縁上、および、額
縁周辺部のシール部パターン上にスペーサーの2段目を
形成した。赤色画素部の膜厚は、1.8μmであった。
【0056】さらに水洗後に、同様にして、緑色画素の
形成とともに樹脂ブラックマトリクス上、額縁上、およ
び、額縁周辺部のシール部パターン上にスペーサーの3
段目を形成し、カラーフィルタを作成した。緑色画素部
の膜厚は、1.9μmであった。
【0057】着色層の積層により樹脂ブラックマトリク
ス上、額縁上、および、額縁周辺部のシール部パターン
上に設けられたスペーサーの面積は、いずれも一個当た
り約200μm2 とした。スペーサーの高さ(樹脂ブラ
ックマトリクス上、額縁上、シール部パターン上の着色
層3層分の厚さ)は、5.0μmであり、これは着色層
の各膜厚の合計(5.7μm)よりも低い。なおスペー
サーは、2画素に1個の割合で画面内に設けた。また画
面周辺部の樹脂ブラックマトリクスで形成した額縁上に
も画面内と同様な密度で色重ねによるスペーサーを設け
た。額縁周辺部のシール部パターン上のスペーサーも同
様な密度で形成した。シール部パターンの面積はスペー
サーの約2倍とした。
【0058】(カラー液晶表示装置の作成)上記カラー
フィルタ上にスパッタリング法によりITO膜をマスク
成膜した。ITO膜の膜厚は、1500オングストロー
ムであり、表面抵抗は20Ω/□であった。このITO
膜上にポリイミド系の配向膜を設け、ラビング処理を施
した。
【0059】一方、TFT(薄膜トランジスタ)素子を
備えた透明電極基板は以下のように作成した。
【0060】まず、透明の無アルカリガラス基板(日本
電気ガラス(株)製、OA−2)上にクロムを真空蒸着
により膜付けし、フォトエッチングの手法によってゲー
ト電極をパターニングした。次に、プラズマCVDによ
り、約5000オングストローム厚さのシリコンナイト
ライド膜(SiNx)を形成し、絶縁膜とした。引き続
いて、アモルファスシリコン膜(a−Si)およびエッ
チングストッパ膜層としてのSiNxを連続形成した。
次に、フォトエッチングの手法によってエッチングスト
ッパ層のSiNxをパターニングした。この時、スペー
サと接触する部位はエッチングせず、一個当たり面積を
約250μm2 として残した。オーミックコンタクトを
とるためのn+a−Siの成膜とパターニング、さら
に、表示電極となる透明電極(ITO)を成膜し、パタ
ーニングした。この時、スペーサと接触する部位をエッ
チングして、一個当たりの面積約250μm2 の透明電
極がなく下地のSiNxが剥きだしとなる部分を作成し
た。さらに配線材料としてのアルミの全面蒸着を行い、
フォトエッチングの手法によってドレイン電極とソース
電極を作成した際、前記したスペーサと接触する部位と
なる一個当たりの面積約250μm2 のSiNxが剥き
だし部分に蒸着されたアルミをエッチングにより除い
た。ドレイン電極とソース電極をマスクとしてチャンネ
ル部のn+a−Siをエッチング除去し、TFTを完成
させた。
【0061】最後に、カラーフィルタ同様にポリイミド
系の配向膜を設け、ラビング処理を施した。
【0062】配向膜を設けたカラーフィルタと薄膜トラ
ンジスタ素子を備えた透明電極基板とをガラス繊維を混
練りしないエポキシ接着剤をシール剤として用いて貼り
合わせた後に、シール部に設けられた注入口から液晶を
注入した。液晶の注入は、空セルを減圧下に放置後、注
入口を液晶槽に浸漬し、常圧に戻すことにより行った。
液晶を注入後、注入口を封止し、さらに偏光板を基板の
外側に貼り合わせセルを作成した。得られた液晶表示装
置は、セルギャップの均一性に優れた良好な表示品位の
ものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタは、着色層の積
層により形成されたスペーサーを樹脂ブラックマトリク
ス上および額縁周辺部シール部相当領域に設け、スペー
サー位置に対応する透明基板側に絶縁部位を設けたもの
であり、これを用いて液晶表示装置を作成した場合に以
下の効果が得られる。
【0064】(1) スペーサーが画素部上に存在せず、ス
ペーサーによる光の散乱や透過による表示品位の低下が
なく、特に表示のコントラストが向上する。
【0065】(2) スペーサーが面で対向する透明電極基
板と接触するために、配向膜や透明電極の破損が少な
く、欠陥の少ない表示が得られる。
【0066】(3) スペーサーを散布する工程が不要にな
り、液晶表示装置の製造工程が簡略化される。
【0067】(4) スペーサーの粒度分布を高精度に管理
する必要がなく、液晶表示装置の製造が容易になる。
【0068】(5) 樹脂ブラックマトリクスと着色層2層
分の膜厚のセルギャップが表示領域内およびシール部で
保持され、十分均一なセルギャップを持った液晶表示装
置が得られる。
【0069】(6) カラーフィルタ上のITO膜の耐久性
が良好である。
【0070】(7) スペーサー上のITOを介してのカラ
ーフィルタ上の透明(コモン)電極とアクティブマトリ
クス基板側の透明電極や回路との電気的な短絡の危険を
回避できる。
【0071】(8) シール剤へのギャップ材の混練り工程
が不要になり、液晶表示装置の製造工程が簡略化され
る。
【0072】(9) 表示画面領域とシール部でのスペーサ
ーとギャップ材硬さの差がなくなり、均一なギャップが
得られやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られたカラーフィルタを使用し
たカラー液晶表示装置の断面図である。
【図2】本発明により得られたカラーフィルタの平面図
(概念図)である。
【図3】従来のカラー液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1、13…透明基板(ガラス基板) 2…樹脂ブラックマトリクス 3…着色層(B) 4…着色層(R) 5…着色層(G) 6…透明電極 7、9…配向膜 8…液晶 10…画素電極 11…絶縁膜 12…液晶駆動回路付属電極 14…3原色からなる着色層の積層により形成されたス
ペーサー 15…シール部に相当する領域に設けられた独立した樹
脂ブラックマトリクスのパターン 16…表示領域 17…額縁 18…シール部 19…クロムブラックマトリクス 20…保護膜 21…プラスチックビーズ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−93924(JP,A) 特開 平6−222370(JP,A) 特開 平7−49414(JP,A) 特開 平6−265869(JP,A) 特開 平4−130401(JP,A) 特開 平3−274503(JP,A) 特開 平4−156403(JP,A) 実開 昭63−146828(JP,U)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に樹脂中に遮光剤を分散させ
    てなる樹脂ブラックマトリクスを設け、さらにその上に
    3原色からなるポリイミド着色層を複数配列したカラー
    フィルタにおいて、 (A)前記樹脂ブラックマトリクスが表示領域内のマト
    リクスおよび表示領域周辺部に設けられた額縁とさらに
    額縁周辺のシール部に相当する領域に設けられた独立し
    たパターンを形成し、 (B)前記樹脂ブラックマトリクスの表示領域内のマト
    リクスおよび額縁周辺のシール部に相当する領域に設け
    られた独立したパターン上に3原色からなるポリイミド
    着色層の積層により形成されたスペーサーを有し、 (C)表示領域内のマトリクス上に形成された3原色か
    らなるポリイミド着色層の積層により形成されたスペー
    サーの1個当りの面積が、額縁周辺のシール部に相当す
    る領域に形成されたスペーサーの1個当りの面積と異な
    る、 ことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 表示領域周辺部に設けられた額縁上に3
    原色からなる着色層の積層により形成されたスペーサー
    を有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    タ。
  3. 【請求項3】 樹脂ブラックマトリクスを形成する樹脂
    がポリイミドであることを特徴とする請求項1記載のカ
    ラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 樹脂ブラックマトリクスの膜厚が、0.
    5〜1.5μmである請求項1記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 樹脂ブラックマトリクスのOD値が、
    2.5以上であることを特徴とする請求項1記載のカラ
    ーフィルタ。
  6. 【請求項6】 樹脂ブラックマトリクスの反射率が、2
    %以下であることを特徴とする請求項1記載のカラーフ
    ィルタ。
  7. 【請求項7】 3原色からなる着色層の各膜厚の合計
    が、3〜9μmである請求項1記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 表示領域内のマトリクス上に形成された
    3原色からなる着色層の積層により形成されたスペーサ
    ーの面積が1個当り10μm2 〜1000μm2 であ
    る請求項1記載のカラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 表示領域内のマトリクス上に形成された
    3原色からなる着色層の積層により形成されたスペーサ
    ーの1個当りの面積が、額縁周辺部のシール部に相当す
    る領域に形成されたスペーサーの1個当りの面積より小
    さいことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  10. 【請求項10】 表示領域内のマトリクス上に形成され
    た3原色からなる着色層の積層により形成されたスペー
    サーの1個当りの面積および/または単位面積当りの数
    が、額縁上に形成されたスペーサの1個当りの面積およ
    び/または単位面積当りの数と異なることを特徴とする
    請求項2記載のカラーフィルタ。
  11. 【請求項11】 透明電極基板と透明電極を有するカラ
    ーフィルタにより液晶層を狭持したカラー液晶表示装置
    において、カラーフィルタが、透明基板上に樹脂中に遮
    光剤を分散させてなる樹脂ブラックマトリクスと3原色
    からなるポリイミド着色層を設けたカラーフィルタであ
    り、 (A)前記樹脂ブラックマトリクスが表示領域内のマト
    リクスおよび表示領域周辺部に設けられた額縁とさらに
    額縁周辺のシール部に相当する領域に設けられた独立し
    たパターンを形成し、 (B)前記樹脂ブラックマトリクスの表示領域内のマト
    リクスおよび表示領域周辺部に設けられた独立したパタ
    ーン上に3原色からなるポリイミド着色層の積層により
    形成されたスペーサーを有し、 (C)表示領域内のマトリクス上に形成された3原色か
    らなるポリイミド着色層の積層により形成されたスペー
    サーの1個当りの面積が、額縁周辺のシール部に相当す
    る領域に形成されたスペーサーの1個当りの面積と異な
    る、 ことを特徴とするカラー液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 透明電極基板がカラーフィルタのスペ
    ーサーと接触する部位に絶縁膜を有することを特徴とす
    る請求項11記載のカラー液晶表示装置。
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