JP2004151618A - 感光性樹脂およびネガ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】撥インク性およびその持続性に優れ、さらにはアルカリ溶解性、現像性に優れた感光性樹脂およびネガ型感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】この感光性樹脂(A)は、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体(a1)と、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体(a2)と、必要により(a1)および(a2)と共重合可能な重合性単量体(a3)とからなる共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させてなる。ネガ型感光性樹脂組成物は、感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】この感光性樹脂(A)は、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体(a1)と、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体(a2)と、必要により(a1)および(a2)と共重合可能な重合性単量体(a3)とからなる共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させてなる。ネガ型感光性樹脂組成物は、感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶用カラーフィルタ等の製造に用いられる感光性樹脂、およびそれを用いたネガ型感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路(IC)、液晶ディスプレイ(LCD)用薄膜トランジスタ(TFT)回路等の回路製造用のマスクを作成するために感光性樹脂組成物が用いられており、より微細なパターン構造を形成することのできる感光性樹脂組成物が要求されている。
【0003】
一方、感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜、回路保護膜、カラーフィルタ用隔壁材、有機ELディスプレイ用隔壁材等の永久膜形成材料としても注目されている。例えば、液晶カラーフィルタの製造においては、微小画素内にインクを噴射塗布するインクジェット法が提案されており、感光性樹脂組成物を画素パターンの隔壁として形成することが行なわれている。
【0004】
この場合、隔壁となる感光性樹脂組成物は永久膜形成材料として用いられるため、基材との密着性が要求される。また、隣り合う画素領域間におけるインクの混色等が起こるのを防止するために、水やキシレン等のインク溶剤に対する撥溶剤性である、いわゆる撥インク性が要求されている。
【0005】
このような、撥インク性を有する感光性樹脂組成物として、例えば、(イ)ヘキサフルオロプロピレン、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物およびこれらの成分と共重合可能な不飽和化合物との含フッ素共重合体、(ロ)放射線の照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、(ハ)架橋性化合物、(ニ)(イ)成分以外の含フッ素有機化合物、並びに(ホ)有機溶媒からなる、カラーフィルタ隔壁形成用感放射線性樹脂組成物が開示されており、含フッ素有機化合物としてパーフルオロアルキル基の含有が例示されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、低誘電率樹脂組成物として、フッ素原子及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体とエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体から成る共重合体(ヘ)、1分子中にエチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を1つずつ有する化合物(ト)、任意成分として飽和モノカルボン酸(チ)との反応物と、必要に応じて多塩基酸無水物(リ)を反応させた不飽和基含有樹脂が開示されており、トリフルオロエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートからなる共重合体((ヘ)成分)と、アクリル酸((ト)成分)とを反応させた後、次いで無水コハク酸((リ)成分)を反応させた不飽和基含有樹脂が例示されている(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−281815号公報
【特許文献2】
特開2001−253928号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特開平11−281815号公報における樹脂組成物においては、撥インク性に寄与する含フッ素有機化合物(ニ)が添加成分となっており、樹脂成分である含フッ素共重合体(イ)とは直接結合していない。このため、現像後に行なわれる洗浄工程等によって、撥インク性能が低下してしまい、撥インク性の持続性が不充分であるという問題があった。
【0009】
また、特開2001−253928号公報における樹脂組成物は、低誘電率化を目的とするものであるため、やはり撥インク性およびその持続性が不充分である。さらに、アルカリ溶解性、現像性も不充分であって微細なパターン形成が困難であるという問題があった。
【0010】
よって、本発明の目的は、撥インク性およびその持続性に優れ、さらにはアルカリ溶解性、現像性に優れた感光性樹脂および感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の感光性樹脂(A)は、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体(a1)の重合単位と、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体(a2)の重合単位とを含む共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させてなることを特徴とする。
【0012】
本発明の感光性樹脂によれば、感光性樹脂(A)内に撥インク性を付与する重合性単量体(a1)からなる重合単位と、光照射で架橋して硬化するエチレン性不飽和二重結合とを有している。このため、撥インク成分を単に添加した場合と異なり、撥インク性の持続性が高く、後工程にて洗浄工程等を経た場合でも撥インク性能が低下することがない。
【0013】
また、本発明の感光性樹脂(A)は、共重合体(a)と化合物(b)との反応によるエチレン性不飽和二重結合を導入する過程を含めて、製造工程において高温条件を必要としない。したがって、感光性樹脂(A)の有するカルボキシル基がエステル化等を引き起こすことなく、目的通りの酸価、分子量を有する感光性樹脂(A)の分子設計が可能であり、優れたアルカリ溶解性、現像性を有するので、微細なパターン形成が可能である。
【0014】
本発明においては、前記共重合体(a)が、さらに、前記重合性単量体(a1)および(a2)と共重合可能な重合性単量体(a3)の重合単位を含む共重合体であることが好ましい。特に重合性単量体(a3)として、カルボキシル基との反応性が低く、且つ、化合物(b)の反応性基と低温で反応し得る部位を有する単量体を用いることにより、エチレン性不飽和二重結合を共重合体に導入の際に、感光性樹脂(A)のカルボキシル基がエステル化するのを防ぎ、したがって現像性が低下するのを防止することができる。
【0015】
本発明においては、前記重合性単量体(a1)が、炭素数4〜15のパーフルオロアルキル基を有する単量体であることが好ましい。この態様によれば、撥インク性が更に良好となり、しかも、他の共重合成分である重合性単量体(a2)、重合性単量体(a3)との相溶性が良好となる。
【0016】
一方、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記の感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする。これによれば、撥インク性およびその持続性に優れ、さらにはアルカリ溶解性、現像性に優れたネガ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。なお、本明細書において特に説明のない場合、%は質量%を表す。
【0018】
また、以下の具体的化合物名において、(メタ)アクリレートと記載されたものは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。同様に、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味する。
【0019】
まず、本発明の感光性樹脂(A)について説明する。感光性樹脂(A)は、重合性単量体(a1)の重合単位と、重合性単量体(a2)の重合単位とを含む共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させて得られる。共重合体(a)には、さらに、重合性単量体(a3)の重合単位を含むことが好ましい。
【0020】
重合性単量体(a1)としては、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体を用いる。これにより、感光性樹脂(A)に撥インク性を付与することができ、かつ、共重合化することによって撥インク性の持続性も付与することができる。
【0021】
水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基としては、特に、ポリフルオロアルキル基を有する重合性単量体が好ましい。このようなポリフルオロアルキル基を有する単量体としては、CH2=CR4COOR5Rf、CH2=CR4COOR5NR4SO2Rf、CH2=CR4COOR5NR4CORf、CH2=CR4COOCH2CH(OH)R5Rf、CH2=CR4CR4=CFRf等が挙げられる。ただし、Rfは炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基を、R4は水素原子またはメチル基を、R5は炭素数1〜6の2価有機基をそれぞれ示す。
【0022】
Rfは直鎖状でもよく、分岐状でもよく、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。Rfの具体例としては、CF3、CF2CF3、CF2CHF2、(CF2)2CF3、(CF2)3CF3、(CF2)4CF3、(CF2)5CF3、(CF2)6CF3、(CF2)7CF3、(CF2)8CF3、(CF2)9CF3、(CF2)11CF3、(CF2)15CF3、CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CF3、CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CF3、CF(CF3)O(CF2)5CF3が挙げられる。
【0023】
Rfはパーフルオロアルキル基であることが好ましい。これによって、撥インク性が良好となる。また、Rfの炭素数は4〜15であることが好ましい。これによって、撥インク性および他の共重合成分である単量体との相溶性が良好となる。
【0024】
R5の具体例としては、CH2、CH2CH2、CH(CH3)、CH2CH2CH2、C(CH3)2、CH(CH2CH3)、CH2CH2CH2CH2、CH(CH2CH2CH3)、CH2(CH2)3CH2、CH(CH2CH(CH3)2)等が挙げられる。なお、本発明においてはR5は有していなくてもよく、単結合であってもよい。
【0025】
また、上記の重合性単量体(a1)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
感光性樹脂(A)における重合性単量体(a1)の重合単位の割合は、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましい。この範囲であると撥インク性、アルカリ溶解性、現像性が良好となる。
【0027】
次に、重合性単量体(a2)は、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体である。これにより、感光性樹脂(A)にアルカリ可溶性を付与することができる。なお、本明細書において、カルボキシル基は、COOHで表される官能基である。また、カルボキシル基はカルボン酸塩であってもよい。
【0028】
重合性単量体(a2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、もしくはそれらの塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
感光性樹脂(A)における重合性単量体(a2)の重合単位の割合は、5〜80%が好ましく、10〜50%がより好ましい。この範囲であるとアルカリ溶解性、現像性が良好となる。また、重合性単量体(a2)のカルボキシル基の一部を、化合物(b)との反応性基として使用できる。
【0030】
次に、重合性単量体(a3)は、重合性単量体(a1)および(a2)と共重合可能であって、重合性単量体(a1)および(a2)以外の重合性単量体である。
【0031】
重合性単量体(a3)は、少なくとも化合物(b)の反応性基と反応し得る反応性基を有していることが好ましい。このような重合性単量体(a3)としては、水酸基を有する単量体が挙げられる。重合性単量体(a3)が水酸基を有する場合、化合物(b)を適宜選択することで、重合性単量体(a3)と化合物(b)との反応において低温での反応条件を選択することができる。この場合、高分子化、ゲル化することがなく、目的通りの酸価および分子量を実現できるため好ましい。
【0032】
水酸基を有する単量体の具体例としては、ビニルフェノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)等が挙げられる。
【0033】
さらに、水酸基を有する単量体としては、末端が水酸基であるPOA鎖を有する単量体であってもよい。なお、本明細書においてPOA鎖とはポリオキシアルキレン鎖をいう。例えば、CH2=CHOCH2C6H10CH2O(C2H4O)kH(ここで、kは1〜100の整数、以下同じ。)、CH2=CHOC4H8O(C2H4O)kH、CH2=CHCOOC2H4O(C2H4O)kH、CH2=C(CH3)COOC2H4O(C2H4O)kH、CH2=CHCOOC2H4O(C2H4O)m(C3H6O)nH(ここで、mは0または1〜100の整数であり、nは1〜100の整数であり、m+nは1〜100である。以下同じ。)、CH2=C(CH3)COOC2H4O(C2H4O)m(C3H6O)nH等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
上記以外の重合性単量体(a3)としては、炭化水素系オレフィン類、ビニルエーテル類、イソプロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル化合物、クロロオレフィン類、フルオロオレフィン類、共役ジエン類が挙げられる。なかでも、ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましい。また、これらには、水酸基以外の官能基が含まれていてもよい。水酸基以外の官能基としては、例えばカルボニル基、アルコキシ基等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
ビニルエーテル類の具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等の芳香族基含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0036】
(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0038】
感光性樹脂(A)における重合性単量体(a3)の重合単位の割合は、70%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。この範囲であるとアルカリ溶解性、現像性が良好となる。
【0039】
また、本発明における共重合体(a)は、重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)の重合単位からなる共重合体が好ましい。
【0040】
重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)を含む共重合体(a)は、例えば、以下の方法によって合成できる。すなわち、重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)を溶媒に溶解して加熱し、重合開始剤を加えて反応させる方法である。該反応においては、必要に応じて連鎖移動剤を存在させるのが好ましい。反応温度は、80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)、重合開始剤、溶剤および連鎖移動剤は連続して添加してもよい。
【0041】
前記合成方法における溶媒としては、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセルソルブ類、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類、メチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルラクテート、n−ブチルラクテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
重合開始剤としては、公知の有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物、無機過酸化物は、還元剤と組み合わせて、レドックス系触媒として使用することもできる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチル−α−クミルパーオキシド等が挙げられる。
【0044】
無機過酸化物としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過炭酸塩等が挙げられる。
【0045】
アゾ化合物としては、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等が挙げられる。なかでも、低温分解性を有することから2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
【0046】
連鎖移動剤としては、メルカプタン類、ハロゲン化アルキル類等を挙げることができる。メルカプタン類としては、n−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2−メルカプトエタノール等が挙げられる。ハロゲン化アルキル類としては、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
次に、化合物(b)について説明する。化合物(b)は、エチレン性不飽和二重結合と、エチレン性不飽和二重結合以外の共重合体(a)と反応するための反応性基とを有する。
【0048】
このような反応性基としては、カルボキシル基または水酸基と反応し得る反応性基が好ましく、水酸基と反応し得る反応性基がより好ましい。水酸基と優先的に反応する反応性基としては、イソシアネート基、塩化アシル基が挙げられ、カルボキシル基と優先的に反応する反応性基としてはエポキシ基が挙げられる。
【0049】
エチレン性不飽和二重結合とイソシアネート基を有する化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。また、エチレン性不飽和二重結合と塩化アシル基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリロイルクロライドが挙げられる。また、エチレン性不飽和二重結合とエポキシ基を有する化合物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートが挙げられる。なお、これらの化合物(b)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】
化合物(b)が水酸基と優先的に反応する反応性基を有する場合には、共重合体(a)の水酸基数の50〜200モル%となるよう化合物(b)を配合することが好ましく、80〜150モル%となるよう配合することがより好ましい。
【0051】
また、化合物(b)がカルボキシル基と優先的に反応する反応性基を有する場合には、共重合体(a)のカルボキシル基数の10〜80モル%となるよう化合物(b)を配合することが好ましく、20〜60モル%となるよう配合することがより好ましい。
【0052】
なお、共重合体(a)と、化合物(b)を反応させる際には、触媒や中和剤を加えてもよい。例えば、化合物(b)がイソシアネート基を有する場合、錫化合物等を用いることができる。錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(マレイン酸モノエステル)、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジ(マレイン酸モノエステル)、ジブチル錫ジアセテート等が挙げられる。化合物(b)が塩化アシル基を有する場合、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、テトラメチル尿素等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】
また、共重合体(a)と、化合物(b)との反応においては、反応温度は80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。反応温度が80℃を超えると、共重合体の官能基同士が反応してゲル化することがあるので好ましくない。
【0054】
反応に用いる溶媒としては、上記の共重合体(a)を合成するときに使用する溶剤の説明で例示した溶剤が挙げられる。また、該反応においては重合禁止剤を配合することが好ましい。重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤を使用することができ、具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
【0055】
上記の感光性樹脂(A)の数平均分子量は、1000以上20000未満が好ましく、1500以上15000未満がより好ましく、2000以上10000未満が特に好ましい。この範囲であるとアルカリ溶解性、現像性が良好であり、例えば、100μ以下、より好ましくは50μm以下の微細なパターンを形成できる。
【0056】
次に、上記の感光性樹脂(A)を含む、本発明のネガ型感光性樹脂組成物について説明する。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する感光性樹脂組成物である。
【0057】
ラジカル架橋剤(B)は、少なくとも2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であることが好ましい。具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
ラジカル架橋剤(B)の市販品としては、アロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(東亜合成化学工業社製)、KAYARAD DPHA、同D−310、同D−330、同TMPTA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬社製)、V−295、同−300、同−360、同−GPT、同−3PA、同−400(大阪有機化学工業(株)製)、PPZ(出光石油化学(株)製)が挙げられる。
【0059】
ラジカル架橋剤(B)の配合量は、感光性樹脂(A)の100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、50〜200質量部がより好ましい。この範囲であると現像性が良好である。
【0060】
光重合開始剤(C)は特に限定されないが、光ラジカル発生剤が好ましい。光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン等のアシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミノ安息香酸類、フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン等のハロゲン化合物、アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。
【0061】
特に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の脂肪族アミン類、上記アミノ安息香酸類、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等は、その他の光ラジカル発生剤と共に用いられて、増感効果を示すことがある。
【0062】
光重合開始剤(C)の市販品としては、IRGACURE−184、同261、同369、同500、同651、同907(以上、チバ−ガイギー社製)、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(以上、メルクジャパン社製)、KAYACURE−DETX、同 MBP、同 DMBI 、同 EPA、同 OA (以上、日本化薬社製)、VICURE−10、同55(以上、STAUFFER Co.LTD 製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD 製)、SANDORAY 1000(SANDOZCo.LTD 製)、DEAP(APJOHN Co.LTD 製)、QUANTACURE−PDO、同 ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP
Co.LTD 製)等が挙げられる。
【0063】
なお、上記の光重合開始剤(C)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】
光重合開始剤(C)の配合量は、感光性樹脂(A)の100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。この範囲であると現像性が良好である。
【0065】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、必要に応じてシランカップリング剤(D)を使用することができる。これにより、基材との密着性が向上することがある。
【0066】
シランカップリング剤の具体例としては、テトラエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、POA鎖含有トリエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0067】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、希釈剤(E)を使用することができる。
【0068】
希釈剤(E)の具体例としては、重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)の説明で例示した重合性単量体が挙げられる。また、共重合体(a)を合成するときに使用する溶剤の説明で例示した溶剤が挙げられる。また、その他の希釈剤(E)としては、n−ブタン、n−ヘキサン等の鎖式炭化水素、シクロヘキサン等の環式飽和炭化水素、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、必要に応じ熱硬化剤(F)を使用することができる。これにより、感光性樹脂の耐熱性、耐透水性が向上することがある。
【0070】
熱硬化剤(F)としては、例えば、アミノ樹脂、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物、ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂、2個以上のオキサゾリン基を有する化合物、2個以上のアジリジン基を有する化合物、多価金属類、2個以上のメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0071】
アミノ樹脂としては、メラミン系化合物、グアナミン系化合物、尿素系化合物等のアミノ基の一部もしくはすべてをヒドロキシメチル化した化合物、または該ヒドロキシメチル化した化合物の水酸基の一部もしくはすべてをメタノール、エタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール等でエーテル化した化合物、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
【0072】
2個以上のヒドラジノ基を有する化合物としては、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ヘプタン二酸ジヒドラジド、オクタン二酸ジヒドラジド、ノナン二酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、ヘキサデカン二酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられる。エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、トリメリット酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジドが挙げられる。
【0073】
ポリカルボジイミド化合物は、公知の有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素縮合反応により得られる。このときに公知の触媒としてトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等のリン酸系化合物を用いることができる。また、有機ジイソシアネートと水酸基含有ポリエチレングリコールの混合物を用いることによりノニオン親水性ポリカルボジイミド化合物が得られる。
【0074】
エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0075】
2個以上のオキサゾリン基を有する化合物としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン等の重合性単量体の共重合体を挙げることができる。
【0076】
2個以上のアジリジン基を有する化合物としては、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕、2,2,2−トリスヒドロキシメチルエタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0077】
多価金属類としては、塩化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、クロム酸およびその塩、重クロム酸およびその塩、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン、硫酸アルミニウム、トリアセチルアルミニウム、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、フッ化ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム等が挙げられる。
【0078】
2個以上のメルカプト基を有する化合物としては、脂肪族ジメルカプト化合物、芳香族ジメルカプト化合物等が挙げられる。
【0079】
脂肪族ジメルカプト化合物としては、1,6−ジメルカプトヘキサン、ジメルカプトジエチルエーテル、トリグリコールジメルカプタン、ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイド等の脂肪族ジメルカプト化合物等が挙げられる。
【0080】
芳香族ジメルカプト化合物としては、3,4−ジメルカプトトルエン、ビス(4−メルカプトフェニル)サルファイド、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0081】
上記の熱硬化剤(F)のうち、特に、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、2個以上のオキサゾリン基を有する化合物が好ましい。
【0082】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、必要に応じて硬化促進剤、着色剤、増粘剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、紫外線吸収剤等を使用することができる。着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料、メタリック顔料等が例示される。
【0083】
次に、上記のネガ型感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法について説明する。
【0084】
まず、公知の塗膜形成方法によって、ネガ型感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。塗膜の形成方法としては、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法などが挙げられる。
【0085】
次に塗膜を加熱し、溶剤を揮発させて流動性のない塗膜を得る。加熱条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、好ましくは60〜120℃、10〜600秒間程度の幅広い範囲で使用できる。
【0086】
次に加熱された塗膜に所定パターンのマスクを介して光照射した後、現像液により現像し、未露光部分を除去する。照射する光としては、紫外線が好ましく、照射装置として、公知の超高圧水銀灯等を用いることができる。
【0087】
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン等の環状アミン類のアルカリ類からなるアルカリ水溶液を用いることができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒、界面活性剤などを適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
【0088】
現像時間は、30〜180秒間が好ましい。また現像方法は液盛り法、ディッピング法などのいずれでもよい。現像後、流水洗浄を行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、基板上の水分を除去する。続いて、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、好ましくは150〜250℃で、5〜90分間加熱処理をすることによって、パターンが形成される。
【0089】
このように、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、それ自体はアルカリ可溶性であり、光照射により光重合開始剤(C)からラジカルが発生し、主として感光性樹脂(A)およびラジカル架橋剤(B)が架橋され硬化し、アルカリ現像によって光照射されていない部分が除去されるネガ型レジストとして使用できる。
【0090】
そして、基板の表面にパターン化された塗膜は、上記のように後工程にて洗浄工程を経ることが多いが、本発明のネガ型感光性樹脂組成物から得られる塗膜は、洗浄工程を経ても撥インク性が良好であり、優れた撥インク性とその持続性、アルカリ溶解性、現像性を得ることができる。
【0091】
この機構は、必ずしも明確ではないが、まず、感光性樹脂(A)における重合性単量体(a1)による重合単位は、撥インク性を付与する。さらに、化合物(b)を反応させて得られるエチレン性不飽和二重結合は光照射によって硬化するので、この硬化によって、撥インク性の持続性が高くなるものと考えられる。
【0092】
なお、上記の撥インク性は、水およびキシレンの接触角で見積もることができる。水の接触角は90度以上が好ましく、100度以上がより好ましい。また、キシレンの接触角は30度以上が好ましく、40度以上がより好ましい。
【0093】
さらに、本発明の感光性樹脂(A)は、エチレン性不飽和二重結合を導入する過程を含めて、製造工程において高温条件を必要としない。したがって、感光性樹脂(A)の有するカルボキシル基がエステル化等を引き起こすことなく、目的通りの酸価、分子量を有する感光性樹脂(A)の分子設計が可能であり、優れたアルカリ溶解性、現像性を有する。したがって、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、微細なパターンを形成することが可能である。具体的には100μ以下のパターン形成に好ましく用いられ、50μm以下のパターン形成により好ましく用いられる。
【0094】
【実施例】
以下に、合成例および実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、これにより本発明は限定されない。なお、以下において、特に断らない限り、部および%は質量基準である。また、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によりポリスチレンを標準物質として測定した値である。以下の各例において用いた化合物の略号を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
[感光性樹脂の合成]
[合成例1]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、MAAの72.0g、2−HEMAの72.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体1の溶液を得た。該重合体1の数平均分子量は5000であった。
【0097】
得られた重合体1のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体1の240gを得た。
【0098】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体1の100g、MOIの36.2g、DBTDLの0.15g、BHTの1.8gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂1の溶液を得た。該感光性樹脂1の数平均分子量は7000であった。
【0099】
得られた感光性樹脂1のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂1の135gを得た。
【0100】
[合成例2]
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体1の100g、ACの20.9g、TEAの23.4gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂2の溶液を得た。該感光性樹脂2の数平均分子量は6200であった。
【0101】
得られた感光性樹脂2のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、塩酸1%水溶液にて洗浄し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂2の112gを得た。
【0102】
[合成例3]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、MAAの48.0g、N−MAAの48.0g、IBMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの24.2gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体2の溶液を得た。該重合体2の数平均分子量は2000であった。
【0103】
得られた重合体2のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体2の240gを得た。
【0104】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体2の100g、MOIの30.7g、DBTDLの0.12g、BHTの1.5gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂3の溶液を得た。該感光性樹脂3の数平均分子量は3000であった。
【0105】
得られた感光性樹脂3のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂3の130gを得た。
【0106】
[合成例4]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの144.0g、MAAの96.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体3の溶液を得た。該重合体3の数平均分子量は5000であった。
【0107】
得られた重合体3のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体3の240gを得た。
【0108】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体3の100g、ECAの42.4g、メチルイソブチルケトンの100gを仕込み、撹拌しながら、50℃で48時間重合させ、感光性樹脂4の溶液を得た。該感光性樹脂4の数平均分子量は9500であった。
【0109】
得られた感光性樹脂4のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂4の140gを得た。
【0110】
[合成例5]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C4FMAの96.0g、MAAの72.0g、2−HEMAの72.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体4の溶液を得た。該重合体4の数平均分子量は5000であった。
【0111】
得られた重合体4のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体4の240gを得た。
【0112】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体4の100g、MOIの35.8g、DBTDLの0.14g、BHTの1.8gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂5の溶液を得た。該感光性樹脂5の数平均分子量は7000であった。
【0113】
得られた感光性樹脂5のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂5の132gを得た。
【0114】
[合成例6]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C8FAの96.0g、MAAの72.0g、2−HEMAの72.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体5の溶液を得た。該重合体5の数平均分子量は5000であった。
【0115】
得られた重合体5のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体5の240gを得た。
【0116】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体5の100g、MOIの35.8g、DBTDLの0.14g、BHTの1.8gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂6の溶液を得た。該感光性樹脂6の数平均分子量は7000であった。
【0117】
得られた感光性樹脂6のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂6の134gを得た。
【0118】
[合成例7]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、MAAの48.0g、2−HEMAの48.0g、MMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの6.9gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体6の溶液を得た。該重合体6の数平均分子量は7000であった。
【0119】
得られた重合体6のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体6の240gを得た。
【0120】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体6の100g、ACの13.9g、TEAの15.6gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂7の溶液を得た。該感光性樹脂7の数平均分子量は8100であった。
【0121】
得られた感光性樹脂7のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、塩酸1%水溶液にて洗浄し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂7の110gを得た。
【0122】
[合成例8]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、AAの48.0g、2−HEMAの48.0g、CHMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体7の溶液を得た。該重合体7の数平均分子量は5000であった。
【0123】
得られた重合体7のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体7の240gを得た。
【0124】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体7の100g、MOIの23.8g、DBTDLの0.10g、BHTの1.2gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂8の溶液を得た。該感光性樹脂8の数平均分子量は6400であった。
【0125】
得られた感光性樹脂8のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂8の121gを得た。
【0126】
[合成例9]
撹拌機を備えた内容積0.3Lのオートクレーブに、EEAの100.0g、GMAの40.0g、TFEMAの60.0gおよび重合開始剤ベンゾイルパーオキサイドの3.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、75℃で5時間重合させ、重合体8の50%溶液を得た。
【0127】
次いで、温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量500mLのガラス製フラスコに、該重合体8の50%溶液の300g、AAの26.9g、メチルヒドロキノンの0.16gおよびトリフェニルホスフィンの0.9gを仕込み、95℃で32時間重合させ、さらに無水コハク酸の49.8g、EEAの79.4gを追加で仕込み、90℃で10時間重合させ、樹脂1の溶液を得た。樹脂1の数平均分子量は20000であった。
【0128】
得られた樹脂1のEEA溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂9の220gを得た。
【0129】
[合成例10]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、MAAの96.0g、2−HEMAの96.0g、IBMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体9の溶液を得た。該重合体9の数平均分子量は5000であった。
【0130】
得られた重合体9のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体9の240gを得た。温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体9の100g、MOIの47.7g、DBTDLの0.19g、BHTの2.4gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、樹脂2の溶液を得た。樹脂2の数平均分子量は7100であった。
【0131】
得られた樹脂2のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂10の142gを得た。
【0132】
[感光性樹脂の評価]
アルカリ溶解性:感光性樹脂1〜10のそれぞれ1gに対し、1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の19gを加えて、溶解性を調べた。溶解したものを○、完全には溶解しなかったものを×と記載した。表2に評価結果を示す。
【0133】
【表2】
【0134】
[ネガ型感光性樹脂組成物の評価]
表3に示す割合で、感光性樹脂1〜10、ラジカル架橋剤、光重合開始剤および必要に応じその他成分を配合して、例1〜11のネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0135】
次に、ガラス基板の表面にスピンナーを用いて、ネガ型感光性樹脂組成物を塗布した後、100℃で2分間ホットプレート上でプリベークし、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。
【0136】
その後、塗膜にマスク(ライン/スペ−ス=20μm/20μm)を接触させ、超高圧水銀灯により150mJ/cm2照射し、次いで未露光部分を0.1重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に40秒間浸漬し現像し、未露光部を水により洗い流し、乾燥させた。次いで、ホットプレート上で、220℃で1時間加熱することにより、パターンが形成されたガラス基板を得た。
【0137】
パターンが形成されたガラス基板について、以下の方法で、撥インク性、撥インク持続性、現像性の評価を行なった。その結果を表3にまとめて示す。例1〜8が実施例であり、例9〜11が比較例である。
【0138】
撥インク性:撥インク性として、ガラス基板に形成されたパターンの樹脂部分の水およびキシレンの接触角を測定した。
【0139】
撥インク持続性:パターンが形成されたガラス基板を5mm/secの一定速度で試料台上を搬送させながら、高圧噴射装置として超高圧ジェット精密洗浄システムAF5400S(旭サナック(株)製)を使用して扇状に拡がる薄層の水噴射を試料に施した。超高圧マイクロジェットは、扇状の噴射面が、試料の進行方向に直角であり、かつ試料面に垂直な方向に噴射した。また、そのときの超高圧マイクロジェットの印加圧力は、150kgf/cm2(14.7MPa)とした。水洗後のガラス基板の形成されたパターンの樹脂部分の水およびキシレンの接触角を測定した。
【0140】
現像性:完全に現像できたものを○、現像されない部分があったものを×と記載した。
【0141】
【表3】
【0142】
【発明の効果】
本発明によれば、撥インク性の持続性が高く、後工程にて洗浄工程等を経た場合にも撥インク性能が低下することがない。また、製造工程において高温条件を必要としないため、カルボキシル基がエステル化等を引き起こすことなく、目的通りの酸価、分子量を有する感光性樹脂の分子設計が可能となり、優れたアルカリ溶解性、現像性を有する。したがって、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、撥インク性が要求される、インクジェット方式の液晶用カラーフィルタの製造等に好適に用いられる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶用カラーフィルタ等の製造に用いられる感光性樹脂、およびそれを用いたネガ型感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路(IC)、液晶ディスプレイ(LCD)用薄膜トランジスタ(TFT)回路等の回路製造用のマスクを作成するために感光性樹脂組成物が用いられており、より微細なパターン構造を形成することのできる感光性樹脂組成物が要求されている。
【0003】
一方、感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜、回路保護膜、カラーフィルタ用隔壁材、有機ELディスプレイ用隔壁材等の永久膜形成材料としても注目されている。例えば、液晶カラーフィルタの製造においては、微小画素内にインクを噴射塗布するインクジェット法が提案されており、感光性樹脂組成物を画素パターンの隔壁として形成することが行なわれている。
【0004】
この場合、隔壁となる感光性樹脂組成物は永久膜形成材料として用いられるため、基材との密着性が要求される。また、隣り合う画素領域間におけるインクの混色等が起こるのを防止するために、水やキシレン等のインク溶剤に対する撥溶剤性である、いわゆる撥インク性が要求されている。
【0005】
このような、撥インク性を有する感光性樹脂組成物として、例えば、(イ)ヘキサフルオロプロピレン、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物およびこれらの成分と共重合可能な不飽和化合物との含フッ素共重合体、(ロ)放射線の照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、(ハ)架橋性化合物、(ニ)(イ)成分以外の含フッ素有機化合物、並びに(ホ)有機溶媒からなる、カラーフィルタ隔壁形成用感放射線性樹脂組成物が開示されており、含フッ素有機化合物としてパーフルオロアルキル基の含有が例示されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、低誘電率樹脂組成物として、フッ素原子及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体とエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体から成る共重合体(ヘ)、1分子中にエチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を1つずつ有する化合物(ト)、任意成分として飽和モノカルボン酸(チ)との反応物と、必要に応じて多塩基酸無水物(リ)を反応させた不飽和基含有樹脂が開示されており、トリフルオロエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートからなる共重合体((ヘ)成分)と、アクリル酸((ト)成分)とを反応させた後、次いで無水コハク酸((リ)成分)を反応させた不飽和基含有樹脂が例示されている(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−281815号公報
【特許文献2】
特開2001−253928号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特開平11−281815号公報における樹脂組成物においては、撥インク性に寄与する含フッ素有機化合物(ニ)が添加成分となっており、樹脂成分である含フッ素共重合体(イ)とは直接結合していない。このため、現像後に行なわれる洗浄工程等によって、撥インク性能が低下してしまい、撥インク性の持続性が不充分であるという問題があった。
【0009】
また、特開2001−253928号公報における樹脂組成物は、低誘電率化を目的とするものであるため、やはり撥インク性およびその持続性が不充分である。さらに、アルカリ溶解性、現像性も不充分であって微細なパターン形成が困難であるという問題があった。
【0010】
よって、本発明の目的は、撥インク性およびその持続性に優れ、さらにはアルカリ溶解性、現像性に優れた感光性樹脂および感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の感光性樹脂(A)は、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体(a1)の重合単位と、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体(a2)の重合単位とを含む共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させてなることを特徴とする。
【0012】
本発明の感光性樹脂によれば、感光性樹脂(A)内に撥インク性を付与する重合性単量体(a1)からなる重合単位と、光照射で架橋して硬化するエチレン性不飽和二重結合とを有している。このため、撥インク成分を単に添加した場合と異なり、撥インク性の持続性が高く、後工程にて洗浄工程等を経た場合でも撥インク性能が低下することがない。
【0013】
また、本発明の感光性樹脂(A)は、共重合体(a)と化合物(b)との反応によるエチレン性不飽和二重結合を導入する過程を含めて、製造工程において高温条件を必要としない。したがって、感光性樹脂(A)の有するカルボキシル基がエステル化等を引き起こすことなく、目的通りの酸価、分子量を有する感光性樹脂(A)の分子設計が可能であり、優れたアルカリ溶解性、現像性を有するので、微細なパターン形成が可能である。
【0014】
本発明においては、前記共重合体(a)が、さらに、前記重合性単量体(a1)および(a2)と共重合可能な重合性単量体(a3)の重合単位を含む共重合体であることが好ましい。特に重合性単量体(a3)として、カルボキシル基との反応性が低く、且つ、化合物(b)の反応性基と低温で反応し得る部位を有する単量体を用いることにより、エチレン性不飽和二重結合を共重合体に導入の際に、感光性樹脂(A)のカルボキシル基がエステル化するのを防ぎ、したがって現像性が低下するのを防止することができる。
【0015】
本発明においては、前記重合性単量体(a1)が、炭素数4〜15のパーフルオロアルキル基を有する単量体であることが好ましい。この態様によれば、撥インク性が更に良好となり、しかも、他の共重合成分である重合性単量体(a2)、重合性単量体(a3)との相溶性が良好となる。
【0016】
一方、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記の感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする。これによれば、撥インク性およびその持続性に優れ、さらにはアルカリ溶解性、現像性に優れたネガ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。なお、本明細書において特に説明のない場合、%は質量%を表す。
【0018】
また、以下の具体的化合物名において、(メタ)アクリレートと記載されたものは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。同様に、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味する。
【0019】
まず、本発明の感光性樹脂(A)について説明する。感光性樹脂(A)は、重合性単量体(a1)の重合単位と、重合性単量体(a2)の重合単位とを含む共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させて得られる。共重合体(a)には、さらに、重合性単量体(a3)の重合単位を含むことが好ましい。
【0020】
重合性単量体(a1)としては、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体を用いる。これにより、感光性樹脂(A)に撥インク性を付与することができ、かつ、共重合化することによって撥インク性の持続性も付与することができる。
【0021】
水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基としては、特に、ポリフルオロアルキル基を有する重合性単量体が好ましい。このようなポリフルオロアルキル基を有する単量体としては、CH2=CR4COOR5Rf、CH2=CR4COOR5NR4SO2Rf、CH2=CR4COOR5NR4CORf、CH2=CR4COOCH2CH(OH)R5Rf、CH2=CR4CR4=CFRf等が挙げられる。ただし、Rfは炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基を、R4は水素原子またはメチル基を、R5は炭素数1〜6の2価有機基をそれぞれ示す。
【0022】
Rfは直鎖状でもよく、分岐状でもよく、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。Rfの具体例としては、CF3、CF2CF3、CF2CHF2、(CF2)2CF3、(CF2)3CF3、(CF2)4CF3、(CF2)5CF3、(CF2)6CF3、(CF2)7CF3、(CF2)8CF3、(CF2)9CF3、(CF2)11CF3、(CF2)15CF3、CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CF3、CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CF3、CF(CF3)O(CF2)5CF3が挙げられる。
【0023】
Rfはパーフルオロアルキル基であることが好ましい。これによって、撥インク性が良好となる。また、Rfの炭素数は4〜15であることが好ましい。これによって、撥インク性および他の共重合成分である単量体との相溶性が良好となる。
【0024】
R5の具体例としては、CH2、CH2CH2、CH(CH3)、CH2CH2CH2、C(CH3)2、CH(CH2CH3)、CH2CH2CH2CH2、CH(CH2CH2CH3)、CH2(CH2)3CH2、CH(CH2CH(CH3)2)等が挙げられる。なお、本発明においてはR5は有していなくてもよく、単結合であってもよい。
【0025】
また、上記の重合性単量体(a1)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
感光性樹脂(A)における重合性単量体(a1)の重合単位の割合は、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましい。この範囲であると撥インク性、アルカリ溶解性、現像性が良好となる。
【0027】
次に、重合性単量体(a2)は、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体である。これにより、感光性樹脂(A)にアルカリ可溶性を付与することができる。なお、本明細書において、カルボキシル基は、COOHで表される官能基である。また、カルボキシル基はカルボン酸塩であってもよい。
【0028】
重合性単量体(a2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、もしくはそれらの塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
感光性樹脂(A)における重合性単量体(a2)の重合単位の割合は、5〜80%が好ましく、10〜50%がより好ましい。この範囲であるとアルカリ溶解性、現像性が良好となる。また、重合性単量体(a2)のカルボキシル基の一部を、化合物(b)との反応性基として使用できる。
【0030】
次に、重合性単量体(a3)は、重合性単量体(a1)および(a2)と共重合可能であって、重合性単量体(a1)および(a2)以外の重合性単量体である。
【0031】
重合性単量体(a3)は、少なくとも化合物(b)の反応性基と反応し得る反応性基を有していることが好ましい。このような重合性単量体(a3)としては、水酸基を有する単量体が挙げられる。重合性単量体(a3)が水酸基を有する場合、化合物(b)を適宜選択することで、重合性単量体(a3)と化合物(b)との反応において低温での反応条件を選択することができる。この場合、高分子化、ゲル化することがなく、目的通りの酸価および分子量を実現できるため好ましい。
【0032】
水酸基を有する単量体の具体例としては、ビニルフェノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)等が挙げられる。
【0033】
さらに、水酸基を有する単量体としては、末端が水酸基であるPOA鎖を有する単量体であってもよい。なお、本明細書においてPOA鎖とはポリオキシアルキレン鎖をいう。例えば、CH2=CHOCH2C6H10CH2O(C2H4O)kH(ここで、kは1〜100の整数、以下同じ。)、CH2=CHOC4H8O(C2H4O)kH、CH2=CHCOOC2H4O(C2H4O)kH、CH2=C(CH3)COOC2H4O(C2H4O)kH、CH2=CHCOOC2H4O(C2H4O)m(C3H6O)nH(ここで、mは0または1〜100の整数であり、nは1〜100の整数であり、m+nは1〜100である。以下同じ。)、CH2=C(CH3)COOC2H4O(C2H4O)m(C3H6O)nH等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
上記以外の重合性単量体(a3)としては、炭化水素系オレフィン類、ビニルエーテル類、イソプロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル化合物、クロロオレフィン類、フルオロオレフィン類、共役ジエン類が挙げられる。なかでも、ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましい。また、これらには、水酸基以外の官能基が含まれていてもよい。水酸基以外の官能基としては、例えばカルボニル基、アルコキシ基等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
ビニルエーテル類の具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等の芳香族基含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0036】
(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0038】
感光性樹脂(A)における重合性単量体(a3)の重合単位の割合は、70%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。この範囲であるとアルカリ溶解性、現像性が良好となる。
【0039】
また、本発明における共重合体(a)は、重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)の重合単位からなる共重合体が好ましい。
【0040】
重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)を含む共重合体(a)は、例えば、以下の方法によって合成できる。すなわち、重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)を溶媒に溶解して加熱し、重合開始剤を加えて反応させる方法である。該反応においては、必要に応じて連鎖移動剤を存在させるのが好ましい。反応温度は、80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)、重合開始剤、溶剤および連鎖移動剤は連続して添加してもよい。
【0041】
前記合成方法における溶媒としては、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセルソルブ類、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類、メチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルラクテート、n−ブチルラクテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
重合開始剤としては、公知の有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物、無機過酸化物は、還元剤と組み合わせて、レドックス系触媒として使用することもできる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチル−α−クミルパーオキシド等が挙げられる。
【0044】
無機過酸化物としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過炭酸塩等が挙げられる。
【0045】
アゾ化合物としては、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等が挙げられる。なかでも、低温分解性を有することから2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
【0046】
連鎖移動剤としては、メルカプタン類、ハロゲン化アルキル類等を挙げることができる。メルカプタン類としては、n−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2−メルカプトエタノール等が挙げられる。ハロゲン化アルキル類としては、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
次に、化合物(b)について説明する。化合物(b)は、エチレン性不飽和二重結合と、エチレン性不飽和二重結合以外の共重合体(a)と反応するための反応性基とを有する。
【0048】
このような反応性基としては、カルボキシル基または水酸基と反応し得る反応性基が好ましく、水酸基と反応し得る反応性基がより好ましい。水酸基と優先的に反応する反応性基としては、イソシアネート基、塩化アシル基が挙げられ、カルボキシル基と優先的に反応する反応性基としてはエポキシ基が挙げられる。
【0049】
エチレン性不飽和二重結合とイソシアネート基を有する化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。また、エチレン性不飽和二重結合と塩化アシル基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリロイルクロライドが挙げられる。また、エチレン性不飽和二重結合とエポキシ基を有する化合物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートが挙げられる。なお、これらの化合物(b)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】
化合物(b)が水酸基と優先的に反応する反応性基を有する場合には、共重合体(a)の水酸基数の50〜200モル%となるよう化合物(b)を配合することが好ましく、80〜150モル%となるよう配合することがより好ましい。
【0051】
また、化合物(b)がカルボキシル基と優先的に反応する反応性基を有する場合には、共重合体(a)のカルボキシル基数の10〜80モル%となるよう化合物(b)を配合することが好ましく、20〜60モル%となるよう配合することがより好ましい。
【0052】
なお、共重合体(a)と、化合物(b)を反応させる際には、触媒や中和剤を加えてもよい。例えば、化合物(b)がイソシアネート基を有する場合、錫化合物等を用いることができる。錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(マレイン酸モノエステル)、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジ(マレイン酸モノエステル)、ジブチル錫ジアセテート等が挙げられる。化合物(b)が塩化アシル基を有する場合、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、テトラメチル尿素等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】
また、共重合体(a)と、化合物(b)との反応においては、反応温度は80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。反応温度が80℃を超えると、共重合体の官能基同士が反応してゲル化することがあるので好ましくない。
【0054】
反応に用いる溶媒としては、上記の共重合体(a)を合成するときに使用する溶剤の説明で例示した溶剤が挙げられる。また、該反応においては重合禁止剤を配合することが好ましい。重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤を使用することができ、具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
【0055】
上記の感光性樹脂(A)の数平均分子量は、1000以上20000未満が好ましく、1500以上15000未満がより好ましく、2000以上10000未満が特に好ましい。この範囲であるとアルカリ溶解性、現像性が良好であり、例えば、100μ以下、より好ましくは50μm以下の微細なパターンを形成できる。
【0056】
次に、上記の感光性樹脂(A)を含む、本発明のネガ型感光性樹脂組成物について説明する。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する感光性樹脂組成物である。
【0057】
ラジカル架橋剤(B)は、少なくとも2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であることが好ましい。具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
ラジカル架橋剤(B)の市販品としては、アロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(東亜合成化学工業社製)、KAYARAD DPHA、同D−310、同D−330、同TMPTA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬社製)、V−295、同−300、同−360、同−GPT、同−3PA、同−400(大阪有機化学工業(株)製)、PPZ(出光石油化学(株)製)が挙げられる。
【0059】
ラジカル架橋剤(B)の配合量は、感光性樹脂(A)の100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、50〜200質量部がより好ましい。この範囲であると現像性が良好である。
【0060】
光重合開始剤(C)は特に限定されないが、光ラジカル発生剤が好ましい。光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン等のアシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミノ安息香酸類、フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン等のハロゲン化合物、アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。
【0061】
特に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の脂肪族アミン類、上記アミノ安息香酸類、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等は、その他の光ラジカル発生剤と共に用いられて、増感効果を示すことがある。
【0062】
光重合開始剤(C)の市販品としては、IRGACURE−184、同261、同369、同500、同651、同907(以上、チバ−ガイギー社製)、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(以上、メルクジャパン社製)、KAYACURE−DETX、同 MBP、同 DMBI 、同 EPA、同 OA (以上、日本化薬社製)、VICURE−10、同55(以上、STAUFFER Co.LTD 製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD 製)、SANDORAY 1000(SANDOZCo.LTD 製)、DEAP(APJOHN Co.LTD 製)、QUANTACURE−PDO、同 ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP
Co.LTD 製)等が挙げられる。
【0063】
なお、上記の光重合開始剤(C)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】
光重合開始剤(C)の配合量は、感光性樹脂(A)の100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。この範囲であると現像性が良好である。
【0065】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、必要に応じてシランカップリング剤(D)を使用することができる。これにより、基材との密着性が向上することがある。
【0066】
シランカップリング剤の具体例としては、テトラエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、POA鎖含有トリエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0067】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、希釈剤(E)を使用することができる。
【0068】
希釈剤(E)の具体例としては、重合性単量体(a1)、(a2)、(a3)の説明で例示した重合性単量体が挙げられる。また、共重合体(a)を合成するときに使用する溶剤の説明で例示した溶剤が挙げられる。また、その他の希釈剤(E)としては、n−ブタン、n−ヘキサン等の鎖式炭化水素、シクロヘキサン等の環式飽和炭化水素、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
さらに、本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、必要に応じ熱硬化剤(F)を使用することができる。これにより、感光性樹脂の耐熱性、耐透水性が向上することがある。
【0070】
熱硬化剤(F)としては、例えば、アミノ樹脂、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物、ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂、2個以上のオキサゾリン基を有する化合物、2個以上のアジリジン基を有する化合物、多価金属類、2個以上のメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0071】
アミノ樹脂としては、メラミン系化合物、グアナミン系化合物、尿素系化合物等のアミノ基の一部もしくはすべてをヒドロキシメチル化した化合物、または該ヒドロキシメチル化した化合物の水酸基の一部もしくはすべてをメタノール、エタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール等でエーテル化した化合物、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
【0072】
2個以上のヒドラジノ基を有する化合物としては、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ヘプタン二酸ジヒドラジド、オクタン二酸ジヒドラジド、ノナン二酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、ヘキサデカン二酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられる。エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、トリメリット酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジドが挙げられる。
【0073】
ポリカルボジイミド化合物は、公知の有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素縮合反応により得られる。このときに公知の触媒としてトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等のリン酸系化合物を用いることができる。また、有機ジイソシアネートと水酸基含有ポリエチレングリコールの混合物を用いることによりノニオン親水性ポリカルボジイミド化合物が得られる。
【0074】
エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0075】
2個以上のオキサゾリン基を有する化合物としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン等の重合性単量体の共重合体を挙げることができる。
【0076】
2個以上のアジリジン基を有する化合物としては、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕、2,2,2−トリスヒドロキシメチルエタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0077】
多価金属類としては、塩化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、クロム酸およびその塩、重クロム酸およびその塩、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン、硫酸アルミニウム、トリアセチルアルミニウム、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、フッ化ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム等が挙げられる。
【0078】
2個以上のメルカプト基を有する化合物としては、脂肪族ジメルカプト化合物、芳香族ジメルカプト化合物等が挙げられる。
【0079】
脂肪族ジメルカプト化合物としては、1,6−ジメルカプトヘキサン、ジメルカプトジエチルエーテル、トリグリコールジメルカプタン、ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイド等の脂肪族ジメルカプト化合物等が挙げられる。
【0080】
芳香族ジメルカプト化合物としては、3,4−ジメルカプトトルエン、ビス(4−メルカプトフェニル)サルファイド、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0081】
上記の熱硬化剤(F)のうち、特に、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、2個以上のオキサゾリン基を有する化合物が好ましい。
【0082】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、必要に応じて硬化促進剤、着色剤、増粘剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、紫外線吸収剤等を使用することができる。着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料、メタリック顔料等が例示される。
【0083】
次に、上記のネガ型感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法について説明する。
【0084】
まず、公知の塗膜形成方法によって、ネガ型感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。塗膜の形成方法としては、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法などが挙げられる。
【0085】
次に塗膜を加熱し、溶剤を揮発させて流動性のない塗膜を得る。加熱条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、好ましくは60〜120℃、10〜600秒間程度の幅広い範囲で使用できる。
【0086】
次に加熱された塗膜に所定パターンのマスクを介して光照射した後、現像液により現像し、未露光部分を除去する。照射する光としては、紫外線が好ましく、照射装置として、公知の超高圧水銀灯等を用いることができる。
【0087】
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン等の環状アミン類のアルカリ類からなるアルカリ水溶液を用いることができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒、界面活性剤などを適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
【0088】
現像時間は、30〜180秒間が好ましい。また現像方法は液盛り法、ディッピング法などのいずれでもよい。現像後、流水洗浄を行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、基板上の水分を除去する。続いて、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、好ましくは150〜250℃で、5〜90分間加熱処理をすることによって、パターンが形成される。
【0089】
このように、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、それ自体はアルカリ可溶性であり、光照射により光重合開始剤(C)からラジカルが発生し、主として感光性樹脂(A)およびラジカル架橋剤(B)が架橋され硬化し、アルカリ現像によって光照射されていない部分が除去されるネガ型レジストとして使用できる。
【0090】
そして、基板の表面にパターン化された塗膜は、上記のように後工程にて洗浄工程を経ることが多いが、本発明のネガ型感光性樹脂組成物から得られる塗膜は、洗浄工程を経ても撥インク性が良好であり、優れた撥インク性とその持続性、アルカリ溶解性、現像性を得ることができる。
【0091】
この機構は、必ずしも明確ではないが、まず、感光性樹脂(A)における重合性単量体(a1)による重合単位は、撥インク性を付与する。さらに、化合物(b)を反応させて得られるエチレン性不飽和二重結合は光照射によって硬化するので、この硬化によって、撥インク性の持続性が高くなるものと考えられる。
【0092】
なお、上記の撥インク性は、水およびキシレンの接触角で見積もることができる。水の接触角は90度以上が好ましく、100度以上がより好ましい。また、キシレンの接触角は30度以上が好ましく、40度以上がより好ましい。
【0093】
さらに、本発明の感光性樹脂(A)は、エチレン性不飽和二重結合を導入する過程を含めて、製造工程において高温条件を必要としない。したがって、感光性樹脂(A)の有するカルボキシル基がエステル化等を引き起こすことなく、目的通りの酸価、分子量を有する感光性樹脂(A)の分子設計が可能であり、優れたアルカリ溶解性、現像性を有する。したがって、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、微細なパターンを形成することが可能である。具体的には100μ以下のパターン形成に好ましく用いられ、50μm以下のパターン形成により好ましく用いられる。
【0094】
【実施例】
以下に、合成例および実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、これにより本発明は限定されない。なお、以下において、特に断らない限り、部および%は質量基準である。また、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によりポリスチレンを標準物質として測定した値である。以下の各例において用いた化合物の略号を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
[感光性樹脂の合成]
[合成例1]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、MAAの72.0g、2−HEMAの72.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体1の溶液を得た。該重合体1の数平均分子量は5000であった。
【0097】
得られた重合体1のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体1の240gを得た。
【0098】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体1の100g、MOIの36.2g、DBTDLの0.15g、BHTの1.8gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂1の溶液を得た。該感光性樹脂1の数平均分子量は7000であった。
【0099】
得られた感光性樹脂1のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂1の135gを得た。
【0100】
[合成例2]
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体1の100g、ACの20.9g、TEAの23.4gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂2の溶液を得た。該感光性樹脂2の数平均分子量は6200であった。
【0101】
得られた感光性樹脂2のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、塩酸1%水溶液にて洗浄し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂2の112gを得た。
【0102】
[合成例3]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、MAAの48.0g、N−MAAの48.0g、IBMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの24.2gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体2の溶液を得た。該重合体2の数平均分子量は2000であった。
【0103】
得られた重合体2のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体2の240gを得た。
【0104】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体2の100g、MOIの30.7g、DBTDLの0.12g、BHTの1.5gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂3の溶液を得た。該感光性樹脂3の数平均分子量は3000であった。
【0105】
得られた感光性樹脂3のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂3の130gを得た。
【0106】
[合成例4]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの144.0g、MAAの96.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体3の溶液を得た。該重合体3の数平均分子量は5000であった。
【0107】
得られた重合体3のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体3の240gを得た。
【0108】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体3の100g、ECAの42.4g、メチルイソブチルケトンの100gを仕込み、撹拌しながら、50℃で48時間重合させ、感光性樹脂4の溶液を得た。該感光性樹脂4の数平均分子量は9500であった。
【0109】
得られた感光性樹脂4のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂4の140gを得た。
【0110】
[合成例5]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C4FMAの96.0g、MAAの72.0g、2−HEMAの72.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体4の溶液を得た。該重合体4の数平均分子量は5000であった。
【0111】
得られた重合体4のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体4の240gを得た。
【0112】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体4の100g、MOIの35.8g、DBTDLの0.14g、BHTの1.8gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂5の溶液を得た。該感光性樹脂5の数平均分子量は7000であった。
【0113】
得られた感光性樹脂5のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂5の132gを得た。
【0114】
[合成例6]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C8FAの96.0g、MAAの72.0g、2−HEMAの72.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体5の溶液を得た。該重合体5の数平均分子量は5000であった。
【0115】
得られた重合体5のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体5の240gを得た。
【0116】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体5の100g、MOIの35.8g、DBTDLの0.14g、BHTの1.8gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂6の溶液を得た。該感光性樹脂6の数平均分子量は7000であった。
【0117】
得られた感光性樹脂6のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂6の134gを得た。
【0118】
[合成例7]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、MAAの48.0g、2−HEMAの48.0g、MMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの6.9gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体6の溶液を得た。該重合体6の数平均分子量は7000であった。
【0119】
得られた重合体6のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体6の240gを得た。
【0120】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体6の100g、ACの13.9g、TEAの15.6gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂7の溶液を得た。該感光性樹脂7の数平均分子量は8100であった。
【0121】
得られた感光性樹脂7のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、塩酸1%水溶液にて洗浄し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂7の110gを得た。
【0122】
[合成例8]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、C6FMAの96.0g、AAの48.0g、2−HEMAの48.0g、CHMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体7の溶液を得た。該重合体7の数平均分子量は5000であった。
【0123】
得られた重合体7のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体7の240gを得た。
【0124】
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体7の100g、MOIの23.8g、DBTDLの0.10g、BHTの1.2gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、感光性樹脂8の溶液を得た。該感光性樹脂8の数平均分子量は6400であった。
【0125】
得られた感光性樹脂8のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂8の121gを得た。
【0126】
[合成例9]
撹拌機を備えた内容積0.3Lのオートクレーブに、EEAの100.0g、GMAの40.0g、TFEMAの60.0gおよび重合開始剤ベンゾイルパーオキサイドの3.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、75℃で5時間重合させ、重合体8の50%溶液を得た。
【0127】
次いで、温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量500mLのガラス製フラスコに、該重合体8の50%溶液の300g、AAの26.9g、メチルヒドロキノンの0.16gおよびトリフェニルホスフィンの0.9gを仕込み、95℃で32時間重合させ、さらに無水コハク酸の49.8g、EEAの79.4gを追加で仕込み、90℃で10時間重合させ、樹脂1の溶液を得た。樹脂1の数平均分子量は20000であった。
【0128】
得られた樹脂1のEEA溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂9の220gを得た。
【0129】
[合成例10]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、アセトンの555.0g、MAAの96.0g、2−HEMAの96.0g、IBMAの48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤V−70の5.0gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、40℃で18時間重合させ、重合体9の溶液を得た。該重合体9の数平均分子量は5000であった。
【0130】
得られた重合体9のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、重合体9の240gを得た。温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、重合体9の100g、MOIの47.7g、DBTDLの0.19g、BHTの2.4gおよびアセトンの100gを仕込み、撹拌しながら、30℃で18時間重合させ、樹脂2の溶液を得た。樹脂2の数平均分子量は7100であった。
【0131】
得られた樹脂2のアセトン溶液に水を加え再沈精製し、次いで石油エーテルにて再沈精製し、真空乾燥し、感光性樹脂10の142gを得た。
【0132】
[感光性樹脂の評価]
アルカリ溶解性:感光性樹脂1〜10のそれぞれ1gに対し、1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の19gを加えて、溶解性を調べた。溶解したものを○、完全には溶解しなかったものを×と記載した。表2に評価結果を示す。
【0133】
【表2】
【0134】
[ネガ型感光性樹脂組成物の評価]
表3に示す割合で、感光性樹脂1〜10、ラジカル架橋剤、光重合開始剤および必要に応じその他成分を配合して、例1〜11のネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0135】
次に、ガラス基板の表面にスピンナーを用いて、ネガ型感光性樹脂組成物を塗布した後、100℃で2分間ホットプレート上でプリベークし、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。
【0136】
その後、塗膜にマスク(ライン/スペ−ス=20μm/20μm)を接触させ、超高圧水銀灯により150mJ/cm2照射し、次いで未露光部分を0.1重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に40秒間浸漬し現像し、未露光部を水により洗い流し、乾燥させた。次いで、ホットプレート上で、220℃で1時間加熱することにより、パターンが形成されたガラス基板を得た。
【0137】
パターンが形成されたガラス基板について、以下の方法で、撥インク性、撥インク持続性、現像性の評価を行なった。その結果を表3にまとめて示す。例1〜8が実施例であり、例9〜11が比較例である。
【0138】
撥インク性:撥インク性として、ガラス基板に形成されたパターンの樹脂部分の水およびキシレンの接触角を測定した。
【0139】
撥インク持続性:パターンが形成されたガラス基板を5mm/secの一定速度で試料台上を搬送させながら、高圧噴射装置として超高圧ジェット精密洗浄システムAF5400S(旭サナック(株)製)を使用して扇状に拡がる薄層の水噴射を試料に施した。超高圧マイクロジェットは、扇状の噴射面が、試料の進行方向に直角であり、かつ試料面に垂直な方向に噴射した。また、そのときの超高圧マイクロジェットの印加圧力は、150kgf/cm2(14.7MPa)とした。水洗後のガラス基板の形成されたパターンの樹脂部分の水およびキシレンの接触角を測定した。
【0140】
現像性:完全に現像できたものを○、現像されない部分があったものを×と記載した。
【0141】
【表3】
【0142】
【発明の効果】
本発明によれば、撥インク性の持続性が高く、後工程にて洗浄工程等を経た場合にも撥インク性能が低下することがない。また、製造工程において高温条件を必要としないため、カルボキシル基がエステル化等を引き起こすことなく、目的通りの酸価、分子量を有する感光性樹脂の分子設計が可能となり、優れたアルカリ溶解性、現像性を有する。したがって、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、撥インク性が要求される、インクジェット方式の液晶用カラーフィルタの製造等に好適に用いられる。
Claims (4)
- 水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下のアルキル基を有する重合性単量体(a1)の重合単位と、1個以上のカルボキシル基を有する重合性単量体(a2)の重合単位とを含む共重合体(a)と、エチレン性不飽和二重結合および前記共重合体(a)との反応性基を有する化合物(b)とを反応させてなることを特徴とする感光性樹脂(A)。
- 前記共重合体(a)が、さらに、前記重合性単量体(a1)および(a2)と共重合可能な重合性単量体(a3)の重合単位を含む共重合体である請求項1に記載の感光性樹脂(A)。
- 前記重合性単量体(a1)が、炭素数4〜15のパーフルオロアルキル基を有する単量体である請求項1又は2に記載の感光性樹脂(A)。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の感光性樹脂(A)と、ラジカル架橋剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
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