JP2010061093A - アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 - Google Patents
アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010061093A JP2010061093A JP2009007517A JP2009007517A JP2010061093A JP 2010061093 A JP2010061093 A JP 2010061093A JP 2009007517 A JP2009007517 A JP 2009007517A JP 2009007517 A JP2009007517 A JP 2009007517A JP 2010061093 A JP2010061093 A JP 2010061093A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- layer
- compound
- organic
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性バインダー、および撥液剤を含有し、アクティブ駆動型有機電界発光素子の有機層を区画する断面順テーパ状撥液性隔壁を形成するために用いられる隔壁用感光性組成物であって、撥液剤が架橋性基及びカルボキシル基を有するフッ素系化合物であり、且つ、膜厚2μmの塗膜におけるパターン露光用の光に対する吸光度が0.5以下であることを特徴とするアクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物。
【選択図】なし
Description
一方、ディスプレイ市場では、色再現性に優れた有機EL素子を用いたTV、TV機能を有する携帯電話など、大型画面、高解像、高速動画特性などを必要とする新しいディスプレイの要求から、平面陰極と微小マトリックス型陽極に挟まれたEL層構造と、その両極間にTFTを設け、TFTにより各微小素子をオン/オフさせるアクティブ駆動型有機EL素子が注目され始めている。そして、この方法においては、平面陰極の断線等を防止するために、隔壁は断面が順テーパ状であることが要求されている。
本発明のアクティブ駆動型有機EL素子の隔壁用感光性組成物は、(A)成分;エチレン性不飽和化合物、(B)成分;光重合開始剤、(C)成分;アルカリ可溶性バインダー、および(D)成分;撥液剤、を含有し、アクティブ駆動型有機EL素子の有機層を区画する断面順テーパ状撥液性隔壁を形成するために用いられる隔壁用感光性組成物であって、(D)成分の撥液剤がフッ素系化合物であり、且つ、膜厚2μmの塗膜におけるパターン露光用の光に対する吸光度が0.5以下であることを特徴とする。
本発明のアクティブ駆動型有機EL素子の隔壁用感光性組成物を構成する成分およびその組成について説明する。
本発明のアクティブ駆動型有機EL素子の隔壁用感光性組成物(以下、単に「感光性組成物」という場合がある)は、少なくとも、(A)成分;エチレン性不飽和化合物、(B)成分;光重合開始剤、(C)成分;アルカリ可溶性バインダー、および(D)成分;撥液剤、を含有する。通常は、さらに界面活性剤などを含有することが好ましく、溶剤も含有する。また、本発明の隔壁用感光性組成物は、撥液性の隔壁を形成するために用いられるため、撥液剤を含有するが、前記(A)〜(C)成分のエチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性バインダーなどが、撥液剤としての作用を示すものであってもよい。
本発明の隔壁用感光性組成物は、エチレン性不飽和化合物を含有する。ここで使用されるエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味するが、重合性、架橋性、およびそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸およびそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレンなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には以下の化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価アルコールとの反応物;多価アルコールは具体的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物との反応物;多価アルコールは上記と同じ。アルキレンオキサイド付加物とは具体的にはエチレンオキサイド付加物、またはプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物;アルコールアミン類とは具体的にはジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
メタ)アクリレート等、および同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネートなどが挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、下記一般式(Ia)、(Ib)、または(Ic)で表されるものが好ましい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メ
タ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートなどの芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレートなどの複素環式ポリイソシアネート、などのポリイソシアネート化合物との反応物などが挙げられる。このようなウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、新中村化学社製商品名「U−4HA」、「UA−306A」、「UA−MC340H」、「UA−MC340H」、「U6LPA」などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸またはヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、または前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物などの芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの複素環式ポリエポキシ化合物、など
のポリエポキシ化合物との反応物などが挙げられる。
その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルフォルムアミドなどのビニルアミド類、フタル酸ジアリルなどのアリルエステル類、ジビニルフタレートなどのビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐などにより硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類、および、例えば、特開平5−287215号公報および特開平9−100111号公報などに記載の、多官能(メタ)アクリレート化合物と、粒子径5〜30nmのシリカゾル〔例えば、イソプロパノール分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「IPA−ST」)、メチルエチルケトン分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「MEK−ST」)、メチルイソブチルケトン分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「MIBK−ST」)など〕とを、イソシアネート基或いはメルカプト基含有シランカップリング剤を用いて結合させた化合物などの、エチレン性不飽和化合物にシランカップリング剤を介してシリカゾルを反応させ結合させることにより硬化物としての強度や耐熱性を向上せしめた化合物類、などが挙げられる。
本発明の隔壁用感光性組成物は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、活性光線により、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物が有するエチレン性不飽和基を重合させる化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。
シフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル化トリアジン誘導体;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾールなどのハロメチル化オキサジアゾール誘導体;2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などのヘキサアリールビイミダゾール誘導体;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどのアセトフェノン誘導体;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸エステル誘導体;9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体;ベンズアンスロンなどのアンスロン誘導体;ジシクロペンタジエニル−Ti−ジクロライド、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イルなどのチタノセン誘導体;特開2000−80068号公報、特開2006−036750号公報、特願2008−150546などに記載されている、アセトフェノンオキシム−o−アセテート、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、1−[9−エチル−6−(2−ベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(o−アセチルオキシム)などのオキシムエステル系化合物などが挙げられる。
加熱すると熱分解して発生するラジカルにより、未架橋のエチレン性不飽和化合物や未反応のアルカリ可溶性バインダーなどに熱重合を生じさせることにより隔壁の熱溶融を抑制し、高いテーパ角の隔壁が得られる面で特に好ましい。
本発明の隔壁用感光性組成物は、1種または2種以上のアルカリ可溶性バインダーを含有する。本発明において、バインダーとしては現像液で現像可能なものであれば特に限定されないが、現像液としてはアルカリ現像液が好ましいため、本発明においてはアルカリ可溶性バインダーを用いる。アルカリ可溶性バインダーとしては、カルボキシ基または水酸基含有の各種樹脂などが挙げられる。中でも、適度なテーパ角の隔壁が得られることおよび隔壁の熱溶融による流出が抑えられ撥液性を保持できることなどより、カルボキシル基と、側鎖にエチレン性不飽和基とを有する樹脂が特に好ましい。
[1−1−3−a−1]カルボキシル基含有(共)重合体(1)
カルボキシル基含有バインダーの代表的なものとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどのスチレン類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロニトリルなどの(メタ)アクリロニトリル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニルなどのビニル化合物類、などとの共重合体が挙げられる。
また、前記の不飽和カルボン酸に代えて、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに多塩基酸(無水物)を付加させた化合物と、前記のスチレン類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル化合物類、などとの共重合体が挙げられる。
側鎖にエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有(共)重合体として、例えば、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミドなどの2種以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、または、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミドなどの2種以上のエチレ性不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、またはさらに不飽和カルボン酸エステルなどとを、前者のエチレン性不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた共重合体などが挙げられる。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有(共)重合体として、例えば、カルボキシル基含有(共)重合体に、エポキシ基含有不飽和化合物を反応させて、カルボキシル基含有(共)重合体のカルボキシル基の一部にエポキシ基含有不飽和化合物
のエポキシ基を付加させて変性した変性カルボキシル基含有(共)重合体が挙げられる。そのカルボキシル基含有(共)重合体としては、前述したカルボキシル基含有(共)重合体の(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、及び、スチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体などが好ましい。また、そのエポキシ基含有不飽和化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モルアルキルモノグリシジルエステルなどの脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、および、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシエチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。そして、これらのエポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有(共)重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させることにより得られる。なお、反応は公知の方法により実施することができる。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有(共)重合体として、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、前述の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物または脂環式エポキシ基含有不飽和化合物、またはさらに不飽和カルボン酸エステルやスチレンなどとを、前者のカルボキシル基含有不飽和化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させて、該共重合体のエポキシ基に不飽和カルボン酸のカルボキシル基を付加させて変性した変性エポキシ基およびカルボキシル基含有(共)重合体が挙げられる。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有(共)重合体として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、(メタ)アクリル酸エステルなどのエチレン性不飽和化合物10〜95モル%との共重合体を、共重合体に含まれるエポキシ基の10〜100モル%に、エチレン性不飽和モノカルボン酸を付加し、さらに付加したときに生成する水酸基の10〜100モル%に、多塩基酸(無水物)を付加して得られる酸変性エポキシ基含有(共)重合体が挙げられる。
0モル%以上、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、95モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。共重合体におけるエポキシ基含有(メタ)アクリレートの共重合割合が過度に多いと、相対的に他の不飽和化合物の共重合割合が少ないことにより、耐熱性や強度が低下する傾向となる。エポキシ基含有(メタ)アクリレートの共重合割合が過度に少ないと、アルカリ可溶性成分の付加量が不十分となる傾向となる。
)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−iso−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド類、(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物類、シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのモノマレイミド類、N−(メタ)アクリロイルフタルイミドなどのようなラジカル重合性化合物も挙げられる。
[1−1−3−c−1]酸変性エポキシ樹脂
カルボキシル基およびエチレン性不飽和基含有樹脂として、例えば、エポキシ樹脂のエチレン性不飽和基モノカルボン酸付加体に、多塩基酸(無水物)が付加された、カルボキシル基およびエチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂が挙げられる。即ち、エポキシ樹脂のエポキシ基に、エチレン性不飽和モノカルボン酸のカルボキシ基が開環付加されることにより、エポキシ樹脂にエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸(無水物)の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。
カルボキシル基およびエチレン性不飽和基含有樹脂として、例えば、フェノール樹脂のエチレン性不飽和基含有エポキシ化合物付加体に、多塩基酸(無水物)が付加された、カルボキシル基およびエチレン性不飽和基含有フェノール樹脂が挙げられる。即ち、フェノール樹脂のフェノール性水酸基に、エチレン性不飽和基含有エポキシ化合物のエポキシ基が開環付加されることにより、フェノール樹脂にエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸(無水物)の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。
その他、アルカリ現像液に対して劣化しやすい基板の有機電界発光素子に隔壁を設けようとする場合であって、弱アルカリ性のアルカリ性化合物の現像液、或いはアルカリ性化合物を含有しない現像液を用いる場合においては、アルカリ可溶性バインダーとして、ポリビニルアルコール、あるいは前記[1−1−3−a−1]カルボキシル基含有(共)重合体(1)で挙げた共単量体(好ましい例としては、酢酸ビニルなど)を0.1〜40モル%、好ましくは1〜30モル%共重合させたビニルアルコール共重合体、あるいは前記[1−1−3−a−1]カルボキシル基含有(共)重合体(1)で挙げた共重合体をエステル化反応により0.1〜40モル%、好ましくは1〜30モル%導入した変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。また、さらに、適度なテーパ角形成と撥液性の保持を目的として、前記[1−1−3−c−1]酸変性エポキシ樹脂で挙げたエチレン性不飽和モノカルボン酸(好ましい例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応物など)、あるいはさらに多塩基酸(無水物)(好ましい例としては、テトラヒドロフタル酸無水物など)をエステル化反応により0.1〜30モル%、好ましくは0.5〜20モル%導入した変性ポリビニルアルコール、または、特開2008−45047号公報に記載の、(メタ)アクリロイル(オキシ)基あるいは(メタ)アクリルアミド基を有しアルデヒド基を有する化合物(好ましい例としては、4−アクリロイルオキシブタナールなど)、あるいはジアルキルアセタール基を有する化合物(好ましい例としては、N−(2,2−ジメトキシエチル)メタクリルアミドなど)をフォルマール反応により0.1〜30モル%、好ましくは0.5〜20モル%導入した変性ポリビニルアルコール、などが好ましく用いられる。
本発明の隔壁用感光性組成物は、撥液剤を含有する。撥液剤としては、シリコン含有化合物やフッ素系化合物が挙げられるが、本発明においては、架橋性基及びカルボキシル基を有するフッ素系化合物の撥液剤を少なくとも含有することを必須とする。撥液剤の分子量は特に制限されず、低分子量の化合物でも、高分子量体であってもよい。本発明の隔壁用感光性組成物に撥液剤として含まれるフッ素系化合物は、この感光性組成物を用いて隔壁を形成した場合、隔壁の表面に配向して、インキのにじみや混色を防止する働きをする。さらに詳しくは、ビニル(共)重合体中のフルオロアルキル基は、インキをはじき、インキが隔壁を越えて隣接する領域に進入することによるインキのにじみや混色を防ぐ働きをする。
現像処理で流れ出てしまうことは好ましくない。この点において、撥液剤として、撥液性樹脂を用いるのも有効であるが、撥液剤として、露光時に架橋反応をすることができる架橋性基を有する化合物(以下、「架橋性基含有撥液剤」と称す場合がある。)を用いることとしている。
以下にこのような架橋性基含有撥液剤について、具体的に説明する。
エポキシ樹脂タイプ架橋性基含有撥液剤としては、エポキシ樹脂に、フッ素原子置換アルキル基あるいは芳香環を有するカルボン酸(例えばフッ素置換カルボン酸)を付加させたもの(例えばフッ素置換酸変性エポキシ樹脂)、好ましくはさらにα,β−不飽和基含有カルボン酸をエポキシ樹脂に付加させたものが、光あるいは熱処理により架橋して隔壁からの溶出が防止されるため好ましい。また、さらに必要に応じて、感光性組成物の溶剤あるいは現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解性を向上させるために、これらα,β−不飽和基含有カルボン酸付加で生成する水酸基に、多価カルボン酸(無水物)を付加させた、不飽和基およびカルボキシル基含有エポキシ樹脂が挙げられる。
モル比率は、1:0〜0.1:0.9の範囲が好ましく、また、フッ素原子置換カルボン酸とα,β−不飽和モノカルボン酸は合計でエポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.5〜1化学当量付加させることが好ましい。また、この付加反応時の温度としては、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度とすることができる。さらに、多価カルボン酸(無水物)の付加量としては、前記付加反応で生じた水酸基の1化学当量に対して、通常0〜1化学当量とすることができる。
フェノール樹脂タイプ架橋性基含有撥液剤としては、フェノール樹脂に、フッ素原子置換アルキル基あるいは芳香環を有するエポキシ化合物(例えばフッ素置換エポキシ化合物)或いはカルボン酸(例えばフッ素置換カルボン酸)或いはイソシアネート化合物(例えばフッ素置換イソシアネート化合物)を付加させたもの(例えばフッ素置換エポキシ、酸、或いはイソシアネート変性フェノール樹脂)、好ましくはさらにα,β−不飽和モノグリシジル化合物、α,β−不飽和モノカルボン酸、或いはα,β−不飽和モノイソシアネート化合物をフェノール樹脂に付加させたものが、光あるいは熱処理により架橋して隔壁からの溶出が防止されるため好ましい。また、さらに必要に応じて、感光性組成物の溶剤あるいは現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解性を向上させるために、これらにさらに多価カルボン酸(無水物)を付加させた、不飽和基およびカルボキシル基含有フェノール樹脂が挙げられる。
旭有機材工業社製フェノールノボラック樹脂「SP1006N」(Mw:6,000)1.04gと、メタアクロイルオキシエチルイソシアネート0.56gとトリエチルアミン0.04gをテトラハイドロフラン10g中に溶解させ、80℃で12時間反応させた。反応液に水100gを添加して反応物を析出させた後、析出物を水洗、乾燥し、反応物(1)0.9gを得た。次いで反応物(1)0.8gと、パーフルオロオクチルグリシジルエーテル0.4gと、ジメチルエタノール0.02gをイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させ、90℃で10時間反応させた。反応液を分液ロートに移して、水洗し、有機層をMgSO4 とモレキュラシーブにより乾燥させた後、溶液を濃縮、乾燥し、含フッ素有機化合物(SS−1)0.5gを得た。含フッ素有機化合物(SS−1)0.5gをテトラヒドロフラン10gに溶解した溶液に1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾリニウムクロライド0.1gと、マロン酸0.25gと、トリエチルアミン0.1gを添加した後、24時間室温で反応させ、さらに50℃で1時間反応させた後、分液ロートにて水洗し、モレキュラシーブで有機層を乾燥した後、濃縮、乾燥して、架橋性基とカルボキシル基を有する含フッ素有機化合物(SS−2)0.5gを得た。
旭有機材工業社製フェノールノボラック樹脂「SP1006N」(Mw:6,000)1.04gと、アクロイルオキシエチルグリシジルエーテル0.50gと、ジメチルアミノエタノール0.04gと、パーフルオロオクチルグリシジルエーテル0.5gをイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させ、90℃で10時間反応させた。反応液を分液ロートに移して、水洗し、有機層をMgSO4 とモレキュラシーブにより乾燥させた後、溶液を濃縮、乾燥して含フッ素有機化合物(SS−3)0.5gを得た。含フッ素有機化合物(SS−3)0.5gに1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾリニウムクロライド0.1gと、マロン酸0.25gと、トリエチルアミン0.1gを添加した後、24時間、室温にて反応させ、さらに50℃にて1時間反応させた後、分液ロートにて水洗し、モレキュラシーブにて有機層を乾燥した後、濃縮、乾燥して、架橋性基とカルボキシル基を有する含フッ素有機化合物(SS−4)0.5gを得た。
旭有機材工業社製フェノールノボラック樹脂「SP1006N」(Mw:6,000)1.04gと、ジメチルアミノエタノール0.04gと、パーフルオロオクチルグリシジルエーテル0.5gをイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させ、90℃で10時間反応させた。反応液を分液ロートに移して水洗し、有機層をMgSO4 とモレキュラシーブにより乾燥させた後、溶液を濃縮、乾燥して含フッ素有機化合物(SS−5)0.5gを得た。
旭有機材工業社製フェノールノボラック樹脂「SP1006N」(Mw:6,000)1.04gと、メタアクロイルオキシエチルイソシアネート0.56gと、トリエチルアミン0.04gをテトラハイドロフラン10g中に溶解させ、80℃で12時間反応させた。反応液に水100gを添加して反応物を析出させた後、析出物を水洗、乾燥し、反応物(2)0.9gを得た。ついで反応物(2)0.8gと、パーフルオロヘキシルグリシジルエーテル0.4gと、ジメチルエタノール0.02gをイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させ、90℃で10時間反応させた。反応液を分液ロートに移して、水洗し、有機層をMgSO4 とモレキュラシーブにより乾燥させた後、溶液を濃縮、乾燥して含フッ素有機化合物(SS−6)0.55gを得た。含フッ素有機化合物(SS−6)0.5gに1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾリニウムクロライド0.1gと、マロン酸0.25gと、トリエチルアミン0.1gを添加した後、24時間、室温で反応させ、さらに50℃で1時間反応させた後、分液ロートにて水洗し、
モレキュラシーブで有機層を乾燥した後、濃縮、乾燥して、架橋性基とカルボキシル基を有する含フッ素有機化合物(SS−7)0.45gを得た。
旭有機材工業社製フェノールノボラック樹脂「SP1006N」(Mw:6,000)1.04gと、アクロイルオキシエチルグリシジルエーテル0.50gと、ジメチルアミノエタノール0.04gと、パーフルオロヘキシルグリシジルエーテル0.5gをイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させ、90℃で10時間反応させた。反応液を分液ロートに移して水洗し、有機層をMgSO4 とモレキュラシーブにより乾燥させた後、溶液を濃縮、乾燥して含フッ素有機化合物(SS−8)0.52gを得た。含フッ素有機化合物(SS−8)0.5gをテトラヒドロフラン10gに溶解した溶液に1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾリニウムクロライド0.1gと、マロン酸0.25gと、トリエチルアミン0.1gを添加した後、24時間、室温で反応させ、さらに50℃で1時間反応させた後、分液ロートにて水洗し、モレキュラシーブで有機層を乾燥した後、濃縮、乾燥し、架橋性基とカルボキシル基を有する含フッ素有機化合物(SS−9)0.5gを得た。
旭有機材工業社製フェノールノボラック樹脂「SP1006N」(Mw:6,000)1.04gと、ジメチルアミノエタノール0.04gと、パーフルオロヘキシルグリシジルエーテル0.5gをイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させ、90℃で10時間反応させた。反応液を分液ロートに移して水洗し、有機層をMgSO4 とモレキュラシーブにより乾燥させた後、溶液を濃縮、乾燥して含フッ素有機化合物(SS−10)0.51gを得た。
大日本インキ社製「メガファックRS102」を5重量%含有するイソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液10gに、1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾリニウムクロライド0.1g、マロン酸0.25g、トリエチルアミン0.1gを添加した後、24時間室温にて反応させ、さらに50℃で1時間反応させた後、分液ロートにて水洗、モレキュラーシーブにて乾燥した後、濃縮、乾燥させ、架橋性基とカルボン酸を有する含フッ素有機化合物(SS−11)を得た。
本発明で用いる撥液剤としての含フッ素有機化合物としては、特開2005−105115号公報に記載の主鎖骨格にフッ素を有するフェノキシ樹脂タイプの含フッ素有機化合物を用いることもできる。このような含フッ素有機化合物としては、架橋性官能基(K)とフェノール性水酸基を有する化合物(Y−1)および/または架橋性官能基(K)とフッ素原子置換芳香環を有する化合物(Y−2)と、下記一般式(IV)で示される含フッ素芳香族化合物(F)と、フェノール性水酸基を3個以上有する化合物(C)とを、脱フッ化水素(HF)剤の存在下に縮合反応させて得られる、架橋性官能基(K)とエーテル結合を有し、数平均分子量(Mn)が1×103 〜5×105 である架橋性含フッ素芳香族プレポリマーが挙げられる。
ましくは0.01重量%以上、好ましくは11重量%以下、より好ましくは9重量%以下である。感光性組成物中のこの撥液剤の含有量がこの下限を下回ると、撥液性隔壁の撥液性が不十分なため発光層形成用インクが隣の区画に流れ出して混色が起きるおそれがあり、上限を上回ると、非隔壁部の発光層形成用インクに対する濡れ性が低下し、均一な発光層を形成し得ない場合がある。
本発明の隔壁用感光性組成物には、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、(B)成分の光重合開始剤、(C)成分のアルカリ可溶性バインダー、(D)成分の撥液剤、の外に、(E)成分;界面活性剤、並びに、水素供与性化合物、熱重合開始剤、アミノ化合物、着色剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物、その他の樹脂などを適宜配合することができる。
本発明の隔壁用感光性組成物には、組成物の塗布液としての塗布性、および塗布膜の現像性の向上などを目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤、或いは、フッ素系やシリコーン系などの界面活性剤を含有することが好ましい。特に、本発明の感光性組成物は、フッ素系またはシリコーン系の界面活性剤を含有することが好ましい。
ン24」など、第4級アンモニウム塩類では花王社製「コータミン24P」、「コータミン86W」などが挙げられる。
本発明の隔壁用感光性組成物には、感度の向上などを目的として、以下に挙げるような水素供与性化合物が前記光重合開始剤と共に併用されてもよい。
さらに、本発明の隔壁用感光性組成物には、熱重合開始剤が含有されていてもよい。このような熱重合開始剤の具体例としては、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物および過酸化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の隔壁用感光性組成物には、熱硬化を促進するためにアミノ化合物が含まれていてもよい。この場合、感光性組成物中のアミノ化合物の含有量としては、感光性組成物の全固形分に対して、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。また、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。感光性組成物中のアミノ化合物の含有量が過度に多いと、感光性組成物の保存安定性が悪化する可能性がある。また、含有量が少ないと硬化促進効果が期待できない。
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アミノ化合物としては中でも、メラミン樹脂およびその変性樹脂が好ましく、メチロール基の変性割合が、70%以上の変性樹脂が更に好ましく、80%以上の変性樹脂が特に好ましい。
着色剤としては、顔料、染料等公知の着色剤を用いることができる。また、例えば、顔料を用いる際に、その顔料が凝集したりせずに安定して感光性組成物中に存在できるように、公知の分散剤や分散助剤が併用されてもよい。特に撥液性隔壁を黒色に着色することで、鮮明な画素が得られる効果がある。黒色着色剤としては黒色染料や、カーボンブラック、チタンブラックなどの他、有機顔料を混合させて黒く着色することも低導電性を持たせる効果として有効である。着色剤の含有量としては感光性組成物の全固形分に対して、通常60重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
塗布性向上剤あるいは現像改良剤としては、例えば公知の、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、フッ素系、シリコーン系界面活性剤を用いることができる。また、現像改良剤として、有機カルボン酸或いはその無水物など公知のものを用いることもできる。また、その含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
感光性組成物には、安定性向上の観点等から、ハイドロキノン、メトキシフェノールなどの重合禁止剤や、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール(BHT)などのヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含有することが好ましい。その含有量としては、感光性組成物の全固形分に対して、通常5ppm以上1000ppm以下、好ましくは10ppm以上600ppm以下の範囲である。その含有量が過度に小さいと、安定性が悪化する傾向となる。一方、過度に多いと、例えば光および/または熱による硬化の際に、硬化が不十分となる可能性がある。特に、通常のフォトリソグラフィー法に使用される場合には、感光性組成物の保存安定性および感度の両面からみた最適量に設定する必要がある。
感光性組成物には、基板との密着性を改善するため、シランカップリング剤を添加することも好ましい。シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系、イミダゾール系など種々の物が使用できるが、特にエポキシ系、イミダゾール系
のシランカップリング剤が好ましい。その含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。
また、本発明の感光性組成物は、さらに、硬化物としての強度の向上と共に、アルカリ可溶性樹脂との適度な相互作用(マトリックス構造)により、優れた塗布膜の平坦性とテーパ角の向上等を目的として、無機充填剤を含有していてもよい。そのような無機充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、或いは、これらを各種シランカップリング剤により表面処理したものなどが挙げられる。
本発明の隔壁用感光性組成物は、通常溶剤を含有し、前述の各成分を溶剤に溶解または分散させた状態で使用される(以下、溶剤を含む感光性組成物を「感光性組成物溶液」と記すことがある。)。その溶剤としては、特に制限は無いが、例えば、水と、以下に記載する有機溶剤が挙げられる。
1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ジメトキシテトラヒドロフランのようなテトラヒドロフラン類などである。
本発明の隔壁用感光性組成物は、前述した通り、(A)成分;エチレン性不飽和化合物、(B)成分;光重合開始剤、(C)成分;アルカリ可溶性バインダー、および(D)成分;撥液剤、を含有し、有機電界発光素子の有機層を区画する撥液性隔壁を形成するため
に用いられる隔壁用感光性組成物である。
本発明の隔壁用感光性組成物は、基板上に乾燥膜厚が2μmとなるように塗布し、該塗膜にパターン露光用の光を照射したときの吸光度が0.5以下であることを特徴とする。尚、「パターン露光用の光」とは、基板上に形成された隔壁用感光性組成物層に光活性線の光源を照射してパターン(隔壁)を形成するときの後述する露光光源の光を言い、該光を照射したときの吸光度を、例えば紫外−可視分光光度計により測定したものであり、その吸光度は、0.3以下であるのが好ましく、0.2以下であるのが特に好ましい。吸光度が0.5より大きい場合には、基板上に形成された隔壁用感光性組成物層を露光する際の露光光源の光が、基板近傍の層部分へ到達することが困難となり、該部分の硬化が不十分となって、断面順テーパ状の隔壁が得られ難くなる。
また、本発明の隔壁用感光性組成物は、基板上に乾燥膜厚が2μmとなるように塗布し、該塗膜に、線幅15μmの細線パターンを有するマスクを介して、波長365nmの紫外光を100mJ/cm2 で照射し、次いで、23℃、水圧0.14MPaのシャワー現像を行うことにより得られる細線画像を細線画像1とし、該細線画像1をさらに230℃で30分間加熱して得られる細線画像を細線画像2としたときに、下記式(1)を満たすものであるのが好ましい。
1.10≦W1 /W2 ≦2.5 ・・・(1)
〔式(1)中、W1 は、細線画像1の側面と基板とが形成するテーパ角(°)を表し、W2 は、細線画像2の側面と基板とが形成するテーパ角(°)を表す。〕
(b)例えば、(C)成分のアルカリ可溶性バインダーとして、エチレン性不飽和基を有するものを用いる。エチレン性不飽和基が加熱により架橋し、隔壁の過度な溶融を防止できる。
(c)例えば、(C)成分のアルカリ可溶性バインダーとして、ノボラック樹脂、フェノキシ樹脂、フルオレン含有樹脂、後述の式(II)及び(IIa) 〜(IIc) で表される多核脂環アルキル(メタ)アクリレートの共重合体を用いる。これにより、高いテーパ角の隔壁が
得られやすい。
(d)例えば、(B)成分の光重合開始剤として、アセトフェノン誘導体系の化合物を用いる。これにより、加熱すると熱分解して発生するラジカルにより、未架橋のエチレン性不飽和化合物や未反応のアルカリ可溶性バインダー等に熱重合を生じさせることにより隔壁の熱溶融を抑制し、高いテーパ角の隔壁が得られる。
(e)例えば、(B)成分の光重合開始剤の含有割合を、特定範囲の量とすることにより、基板近くの感光性組成物も十分に硬化させて、基板との密着性を発現し、その結果、現像時における基板近くの硬化膜の溶出、或いは剥離を防止し、高いテーパ角の隔壁が得られる。
本発明において、基板上に乾燥膜厚が2μmとなるように本発明の隔壁用感光性組成物を塗布し、得られた塗布膜に、線幅15μmの細線パターンを有するマスクを介して、波長365nmの紫外光を100mJ/cm2 で照射し、次いで、23℃、水圧0.14MPaのシャワー現像を行うことにより得られる細線画像を「細線画像1」とする。
テーパ角W1 の測定・算出には、まず、走査型電子顕微鏡S4100(日立製作所社製)により、細線画像1の断面形状を観察する。走査型電子顕微鏡による観察は、倍率が通
常1,000倍以上、好ましくは1,500倍以上、通常5,000倍以下、3,000倍以下として行う。走査型電子顕微鏡の測定により、細線画像1の断面図を得る。図1は、テーパ角を説明するための断面図である。図1において細線画像11は、基板12の平面上に凸部を形成し、凸状の断面形状を有している。かかる断面図において、細線画像11と基板12との境界面をS、細線画像1の高さを層厚Hとする。そして、断面の輪郭上における、層厚Hの1/6倍の高さの点Aと、層厚Hの1/2倍の高さの点Bとを結び延長した直線を直線Tとした場合に、直線Tと境界面Sとのなす角をテーパ角Wとする。
上記で得られた細線画像1をさらに230℃で、30分間加熱して得られる画像を細線画像2とする。この加熱にはホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。
このようにして、細線画像1のテーパ角W1 と細線画像2のテーパ角W2 が求められたところで、前記(1)式のW1 /W2 を算出する。W1 /W2 として、1.10以上であることが必須であり、好ましくは1.15以上、また、2.5以下であることが必須であり、好ましくは1.5以下である。W1 /W2 は、形成された画像(隔壁)が加熱によりどの程度変化するかを表している。従って、W1 /W2 が小さいということは加熱による変化が少なく、隔壁の材料(例えば、撥液性を示す材料)が流出しにくいことを示す。W1 /W2 が上記下限を下回ると隔壁を形成する材料の流出が過度に抑えられ、一方、上記上限を上回ると隔壁を形成する材料が過度に流出するおそれがあり好ましくない。
次に、上述の本発明の隔壁用感光性組成物を用いて撥液性隔壁を形成する方法について説明する。
[2−1]隔壁用感光性組成物の塗布工程
まず、本発明の感光性組成物を基板上、もしくは基板上に形成された電極層や有機層などの他の層上に塗布して、塗布膜(以下「隔壁形成用レジスト層」と称す場合がある。)を形成するが、この隔壁形成用レジスト層を形成するに先立ち、隔壁形成用レジスト層の下引き層となる層を形成してもよい。
と共に露光時に重合させることも、それぞれの界面での接着性を確保する意味で有用である。
感光性組成物を塗布して得られる塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、またはコンベクションオーブンを使用することが好ましい。乾燥条件は、感光性組成物の溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができ、通常40℃以上、好ましくは50℃以上、通常130℃以下、好ましくは110℃以下の温度で乾燥する。また、乾燥時間としては、15秒以上が好ましく、30秒以上が好ましく、5分以下が好ましく、3分以下が好ましい。乾燥温度が低過ぎたり乾燥時間が短い場合には十分に乾燥を行うことができず、残った溶剤による、露光時の感度低下、現像不良や解像性の低下のおそれがあり、乾燥温度が高過ぎたり、乾燥時間が長過ぎると、生産性低下や、基板、その他の層の熱劣化の問題があり、好ましくない。なお、乾燥は、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う減圧乾燥法であってもよく、また加熱乾燥との併用でもよい。
感光性組成物を基板上、または基板上に形成された有機層上や上記下引き層上に、全面塗布乾燥することで隔壁形成用レジスト層を形成した後、隔壁のパターン(バンクパターン)を露光して、現像処理することにより隔壁を形成する。
露光は、感光性組成物を塗布、乾燥して形成された隔壁形成用レジスト層上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線または可視光線等の光活性線
の光源を照射して行う。このように露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを隔壁形成用レジスト層に近接させる方法や、露光マスクを隔壁形成用レジスト層から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によってもよい。また、露光マスクを用いないレーザー光による走査露光方式によってもよい。この際、必要に応じ、酸素による隔壁形成用レジスト層の感度の低下を防ぐため、脱酸素雰囲気下で行ったり、隔壁形成用レジスト層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。
上記の露光を行った後、現像することで、隔壁の画像パターンを形成することができる。現像に用いる現像液としては、限定されるものではないが、アルカリ性化合物の水溶液や有機溶剤、水などを用いることが好ましい。現像液には、さらに界面活性剤、緩衝剤、錯化剤、染料または顔料を含ませることができる。
現像の後、必要に応じて、隔壁表面の撥液剤を架橋や固定したりして撥液性を高めるためや、テーパ角を制御するために、上記の露光方法と同様な方法により追露光を行ってもよく、また硬化性を向上させたり、テーパ角を制御するために、熱硬化処理を行ってもよい。追露光の条件としては、上記露光条件と同様である。
本発明のアクティブ駆動型有機EL素子の隔壁用感光性組成物は、アクティブ駆動型有機EL素子の有機層を区画する撥液性隔壁を形成するために用いられるものである。すなわち、上述のようにして形成された断面順テーパ状撥液性隔壁は、当該隔壁により区画された領域に有機層を形成するために用いられる。
以下に、この有機層の形成方法について説明する。
成させるには、通常、有機層の成分を溶剤に溶解または分散させたインクをバンク区画内に供給して乾燥する。このインクをバンク区画内に供給させる方法は特に限定されないが、インクジェット法(液滴吐出法)やノズルプリント法(液流吐出法)といったインク吐出型の塗布法が好ましい(特開昭59−75205号公報、特開昭61−245106号公報、特開昭63−235901号公報など参照。)。すなわち、インク吐出型の塗布法は特定の領域にのみ選択的にインクを塗布することができ、材料ロスが少なく、また効率的な製造プロセスで良好に有機層を形成することができるという利点を有している。また、インクの塗布とパターニングの両方を同時に行うことが可能であるという特徴があるため、現像工程を省略できるという大きな利点があり、製造コストの点で極めて有利な製造法である。
本発明のアクティブ駆動型有機EL素子の隔壁用感光性組成物を用いて基板上に直接または他の層を介して断面順テーパ状撥液性隔壁を形成し、この隔壁に区画された領域内に有機層を形成してアクティブ駆動型有機EL表示装置を製造することができる。本発明において、赤緑青の各素子を有機電界発光素子といい、各素子が集合したものを有機EL表示装置という。また、前述の通り、感光性組成物の塗布に先立って下引き層を形成した場合は、隔壁は、下引き層を有する2層以上の積層構造となっている。
本発明の有機EL素子において、バンク区画内に形成される有機層としては、高精度に色分けができるという点においても発光層であることが好ましい。また、撥液性隔壁は、有機層上に形成されていることが好ましく、この有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層あるいは、正孔注入層上の正孔輸送層が好ましい。
図2は、本発明の有機EL素子の構造例を示す断面の模式図であり、図2において、1
は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
基板1は有機EL素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機EL素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金などの金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などにより構成される。
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。本発明に係る正孔注入層3の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔注入層3を湿式成膜法により形成することが好ましい。正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以
上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
湿式成膜法により正孔注入層3を形成する場合、通常は、正孔注入層3を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物および溶剤を含有する。正孔輸送性化合物は、通常、有機EL素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、高分子化合物であっても、低分子化合物であってもよい。
は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar1 〜Ar5 のうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物か
ら一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があり、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
もよい。
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成することができる。成膜工程における温度は、組成物中に結晶が生じることによる膜の欠損を防ぐため、10℃以上が好ましく、50℃以下が好ましくい。成膜工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
真空蒸着法により正孔注入層3を形成する場合には、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物など)の1種または2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層4を湿式成膜法により形成することが好ましい。正孔輸送層4は、正孔注入層がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。ただし、本発明の有機EL素子は、正孔輸送層を省いた構成であってもよい。
率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、発光層5に接するため、発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ピレン、ペリレンなどの多環系芳香族、フルオレン、トリフェニレン、カルバゾール、トリアリールアミン、テトラアリールベンジジン、1,4−ビス(ジアリールアミノ)ベンゼンなどが挙げられる。
ネルギー照射は、それぞれ単独、あるいは組み合わせて行ってもよい。組み合わせる場合、実施する順序は特に限定されない。
正孔注入層3の上、または正孔輸送層4を設けた場合には正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と、陰極9から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。更に、発光層5は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層5を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
発光材料とは、不活性ガス雰囲気下、室温で、希薄溶液中における、蛍光量子収率が30%以上である材料であって、希薄溶液中における蛍光スペクトルとの対比から、それを用いて作製された有機電界発光素子に通電した際に得られるELスペクトルの一部または全部が、該材料の発光に帰属される材料、と定義される。発光材料としては、通常、有機電界発光素子の発光材料として使用されているものであれば限定されない。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。また、青色は蛍光発光材料を用い、緑色や赤色は燐光発光材料を用いるなど、組み合わせて用いてもよい。なお、発光材料としては、溶剤への溶解性を向上させる目的で、分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基が導入されたりしている材料を用いることが好ましい。
発光層5には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層3における(低分子量の正孔輸送性化合物)として例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence,1997年,Vol.72−74,pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications,1996年,pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals,1997年,Vol.91,pp.209)、熱解離性基を有する芳香族アミン化合物(特願2008−204342)などが挙げられる。
み合わせおよび比率で併用してもよい。また、発光層5が正孔輸送性化合物を含む場合、発光層5における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層5には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス〔6’−(2’,2”−ビピリジル)〕−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)などが挙げられる。
湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、上記材料を適切な溶剤に溶解させて発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。発光層5を湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる発光層用溶剤としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。発光層用溶剤の好適な例は、上記正孔注入層形成用組成物で説明した溶剤と同様である。
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔が陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
るが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金など等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀などの適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金などの低仕事関数合金電極が挙げられる。なお、陰極9の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
本発明に係る有機EL素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
本発明の感光性組成物を用いて、図2に示す上述のような本発明の有機EL素子を製造するには、基板1上に陽極2と、有機層としての正孔注入層3と正孔輸送層4とを形成し、この上に必要に応じて前述の下引き層を形成した後、本発明の感光性組成物を塗布して隔壁形成用レジスト層を形成し、その後、露光、現像を行って、撥液性隔壁を形成する。その後、この隔壁で区画された領域内に、有機層として発光層5を形成し、さらに、正孔阻止層6、電子輸送層7、電子注入層8および陰極9を形成して有機EL素子10とする。
本発明のアクティブ駆動型有機EL表示装置は、上述の本発明のアクティブ駆動型有機EL素子を用いたものである。本発明の有機EL表示装置の型式や構造については特に制
限はなく、本発明の有機EL素子を用いて常法に従って組み立てることができる。例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機EL表示装置を形成することができる。
なお、以下の実施例および比較例で用いた感光性組成物の調製に用いた各成分の詳細は次の通りである。
(A1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製)
(A2)以下の化合物(A2−a)と化合物(A2−b)との混合物(ナガセケムテックス社製「デコナールアクリレートDA−314」)
(B1)以下の化合物(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「イルガキュアー907」)
(C1)以下のようにして合成した前記[1−1−3−b−4]酸変性エポキシ基含有共重合体
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン20重量部、グリシジルメタクリレート57重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製「FA−513M」)82重量部を滴下し、さらに140℃で2時間攪拌し続けた。次に、反応容器内を空気置換し、アクリル酸27重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52重量部と、トリエチルアミン0.7重量部を加え、120℃で3.5時間反応させ、アルカリ可溶性バインダー(C1)を得た。得られたアルカリ可溶性バインダー(C1)の重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、約8,000であった。
重量平均分子量(Mw)4,000のm−クレゾールノボラック樹脂120重量部とグリシジルメタクリレート71重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート191重量部に溶解し、パラメトキシフェノール0.19重量部およびテトラエチルアンモニウムクロライド1.9重量部を加え、90℃で13時間反応させた。ガスクロマトグラフィー分析でグリシジルメタクリレートが1%以下になったことを確認し、テトラヒドロフタル酸無水物45.6重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.6重量部を加え、95℃でさらに5時間反応させた。赤外線吸収スペクトルで酸無水物がなくなったことを確認し、アルカリ可溶性バインダー(C2)を得た。得られたアルカリ可溶性バインダー(C2)の重量平均分子量(Mw)は7,500であった。
(D1)前記合成例7で製造された、架橋性基とカルボキシル基を有する含フッ素有機化合物(SS−11)
(D2)大日本インキ化学工業社製「メガファックRS102」(架橋性基を有する含フッ素有機化合物)
(D3)大日本インキ化学工業社製「メガファックF475」(架橋性基もカルボキシル基も有さない含フッ素有機化合物)
(E)成分;界面活性剤
(E1)ビックケミカル社製ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤「BYK330」
<隔壁用感光性組成物の調製>
エチレン性不飽和化合物(A1)24重量部、エチレン性不飽和化合物(A2)24重量部、光重合開始剤(B1)2.5重量部、アルカリ可溶性バインダー(C2)48重量部、撥液剤(D1)1重量部、界面活性剤(E1)0.1重量部、および熱架橋剤5重量部と、溶剤としてPGMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含有する隔壁用感光性組成物を調製した。
調製した感光性組成物を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にスピンコート法により塗布し乾燥させて膜厚2μmの隔壁用感光性組成物層を形成し、その感光性組成物層について、露光光源としての3kW高圧水銀灯より波長365nmの紫外光を100mJ/cm2 の露光量で照射したときの吸光度を紫外−可視分光光度計((株)日立製作所製「U−3900」)により測定した。結果を表1に示す。
ガラス基板の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nmの厚みで成膜した(スパッタ成膜品、シート抵抗15Ω)。この透明導電膜に、通常のフォトリソグラフィー技術により、2mm幅のストライプにパターニングし陽極を形成した。陽極を形成した基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、紫外線オゾン洗浄を行った。
陽極の上に正孔注入層を形成した。
正孔注入層の材料として、下記式で表される芳香族アミン系高分子化合物(W1:重量平均分子量(Mw)29,400、数平均分子量(Mn)12,600)、電子受容性化合物(W2)および溶剤として安息香酸エチルを含有する正孔注入層形成用組成物を調製した。この組成物の固形分(芳香族アミン系高分子化合物および電子受容性化合物)の濃度は2重量%とした。また、(W1):(W2)=10:4(重量比)とした。
上記正孔注入層の上に正孔輸送層を形成した。正孔輸送層の材料として、以下に示す化合物(X1)および溶剤としてトルエンを含有する正孔輸送層形成用組成物を調製した。この組成物中における化合物(X1)の濃度は0.4重量%とした。
前記で調製した隔壁用感光性組成物を、上記正孔輸送層上に、スピンコート法により塗布した。塗布膜をホットプレート上で窒素雰囲気下、80℃で3分間乾燥させ、乾燥膜厚2μmの塗布膜を形成した。
走査型顕微鏡で細線画像1の断面図を得た。この断面図を、図1のようにして、細線画像1と正孔輸送層との境界面をS、細線画像1の高さを層厚Hとした。断面の輪郭上における、層厚Hの1/6倍の高さの点Aと、層厚Hの1/2倍の高さの点Bとを結び延長した直線を直線Tとした。この直線Tと境界面Sとのなす角を測定し、テーパ角とした。
また、上記のようにして得られた細線画像を有する基板について、以下(1)〜(3)の通りの評価を行った。結果を表1に示す。
(1)細線再現性
細線画像2の線幅を測定し、露光時に使用したマスクの線幅(15μm)からの太り(線幅の増加)を測定した。結果を以下A〜Cの三段階で評価した。太りが小さい方が、高解像度の有機EL表示装置に好適である。
A:細線画像2の線幅が20μm未満
B:細線画像2の線幅が20μm以上30μm未満
C:細線画像2の線幅が30μm以上
隔壁の撥液性を評価するために、以下の通り評価用サンプルを作製した。
上記実施例1と同様にして、正孔輸送層までを形成し、隔壁用感光性組成物を、上記正孔輸送層上に、スピンコート法により塗布し、塗布膜をホットプレート上で80℃にて、3分間乾燥させ、乾燥膜厚2μmの塗布膜を形成した。その後、マスクを用いずに、塗布膜を実施例1と同様の条件で全面露光した後、実施例1と同様にして現像処理を行い、次いで230℃で30分間加熱した。加熱により硬化した硬化膜について、シクロヘキシルベンゼンに対する接触角を測定した。接触角は、協和界面科学(株)製CA−D型接触角測定装置により、23℃、湿度50%の条件下で測定した。結果を以下A〜Cの三段階で評価した。接触角が大きい方が撥液性が高い。
A:接触角が40°以上
B:接触角が20°以上40°未満
C:接触角が20°未満
隔壁で区画された領域の濡れ性を評価するために、以下の通り評価用サンプルを作製した。
上記実施例1と同様にして、正孔輸送層までを形成し、隔壁用感光性組成物を、上記正孔輸送層上に、スピンコート法により塗布し、塗布膜をホットプレート上で80℃にて、3分間乾燥させ、乾燥膜厚2μmの塗布膜を形成した。その後、露光せずに、実施例1と同様にして、現像処理を行い、次いで230℃で30分間加熱した。得られた正孔輸送層上の膜について、シクロヘキシルベンゼンに対する接触角を測定した。接触角は、上記と同様の方法により測定した。結果を以下A〜Cの三段階で評価した。接触角が小さい方が濡れ性が高い。
A:接触角が3°未満
B:接触角が4°以上10°未満
C:接触角が10°以上
表1に示す成分組成としたこと以外は、それぞれ実施例1と同様にして隔壁用感光性組
成物を調製した。この隔壁用感光性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、吸光度を測定し、細線画像までを作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<隔壁の形成>
前記と同様にして、基板上に陽極、正孔注入層、及び正孔輸送層を形成し、その上に、実施例1、2及び比較例1、2の各隔壁用感光性組成物を用い、30μm幅のライン状の開口が100μmピッチで格子状に並ぶマスクを用いた外は同様にして、それぞれ、隔壁を形成した。
次に、以下の示す化合物(Y1)、(Y2)、およびイリジウム錯体(Y3)を、(Y1):(Y2):(Y3)=10:10:1(重量比)の比率で、溶剤としてシクロヘキシルベンゼンを用い、固形分濃度1重量%の発光層形成用組成物を調製した。
実施例1、2の各隔壁用感光性組成物を用いて形成した隔壁においては、25plの吐出インクの隔壁区画外への決壊(インクが隔壁を乗り越えて隣の区画に混入し、インクが合体する現象)は発生せず、乾燥後、均一な膜厚の発光層が隔壁区画内に成膜された。一方、比較例1、2の隔壁用感光性組成物を用いて形成した隔壁においては、吐出インクが隔壁区画外へ決壊した。
次に、発光層までを成膜した基板を真空蒸着装置内に移し、装置内の真空度が5.1×10-4Pa以下になるまで排気した後、正孔阻止材料として、下記の化合物(Z1)を、蒸着速度を0.7〜1.0Å/秒の範囲で制御し、発光層の上に膜厚5nmで蒸着することにより、正孔阻止層を形成した。
次に、電子輸送材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムを、蒸着速度を0.6〜1.5Å/秒の範囲で制御し、前記正孔阻止層の上に膜厚30nmで蒸着することにより、電子輸送層を形成した。
続けて、陰極蒸着用の真空蒸着装置に移して、装置内の真空度が2.1×10-4Pa以下になるまで排気した後、フッ化リチウム(LiF)を、蒸着速度を0.07〜0.1Å/秒の範囲で制御し、前記電子輸送層の上に膜厚0.5nmで蒸着することにより、電子注入層を形成した。
さらに、アルミニウムを、蒸着速度を0.7〜6.1Å/秒の範囲で制御し、前記電子注入層の上に膜厚80nmで蒸着することにより、陰極を形成した。
<封止>
上記方法で得られた各層が形成された基板と、別途用意した封止用のガラスとを紫外線硬化性樹脂により貼り合わせ、紫外線を照射することにより、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を得た。
実施例1、2の隔壁用感光性組成物を用いて作製した各有機電界発光素子について、電圧を印加して発光状況を確認したところ、発光層が隔壁区画から溢れて隣の画素と混ざり合うこともなく、隔壁区画内および発光層全面でほぼ均一な発光を呈することを確認することができた。
比較例1において、光重合開始剤(B1)の量を2.5重量部から40重量部に変更して調製した感光性組成物は、吸光度が0.9であり、その感光性組成物を用いた外は、実施例1と同様にして細線画像までを作製し評価を行ったところ、現像処理前後の細線画像の側面は逆テーパであった。また、このときの細線再現性はC、隔壁の撥液性はA、隔壁で区画された領域の濡れ性はCであった。さらに、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製したところ、吐出したインクの隔壁区画外への決壊は見られなかったが、インク乾燥後、直径10〜100μmのはじきが多数発生した。また、有機電界発光素子としての評価を行ったところ、有機電界発光は観測されず、このことから、逆テーパによる陰極電極の断線が生じたものと考えられた。
成物を用い、インクジェット法により乾燥膜厚10nmになるように隔壁区画内に塗布し、乾燥させて正孔輸送層を形成し、さらに、この正孔輸送層上に、実施例と同様にして発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、および陰極を形成し、封止処理を行うことにより、前述の実施例3と同様の有機電界面発光素子が得られることが、明らかである。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
10 有機電界発光素子
11 細線画像
12 基板
Claims (8)
- (A)成分;エチレン性不飽和化合物、(B)成分;光重合開始剤、(C)成分;アルカリ可溶性バインダー、および(D)成分;撥液剤、を含有し、アクティブ駆動型有機電界発光素子の有機層を区画する断面順テーパ状撥液性隔壁を形成するために用いられる隔壁用感光性組成物であって、(D)成分の撥液剤が架橋性基及びカルボキシル基を有するフッ素系化合物であり、且つ、膜厚2μmの塗膜におけるパターン露光用の光に対する吸光度が0.5以下であることを特徴とするアクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物。
- (A)成分のエチレン性不飽和化合物を、重量比で、(C)成分のアルカリ可溶性バインダーの0.15以上1.5以下の割合で含有することを特徴とする、請求項1に記載の隔壁用感光性組成物。
- さらに(E)成分;界面活性剤としてフッ素系界面活性剤および/またはシリコーン系界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の隔壁用感光性組成物。
- 基板上に、直接または他の層を介して、断面順テーパ状隔壁および該隔壁によって区画された領域を有し、該隔壁によって区画された領域内に有機層を有するアクティブ駆動型有機電界発光表示装置において、該隔壁が請求項1ないし3のいずれか一項に記載の隔壁用感光性組成物を用いて形成されたことを特徴とするアクティブ駆動型有機電界発光表示装置。
- 基板上に、陽極、並びに、正孔注入層および/または正孔輸送層を有し、該正孔注入層または正孔輸送層上に、該隔壁用感光性組成物を用いて形成された断面順テーパ状隔壁を有することを特徴とする、請求項4に記載のアクティブ駆動型有機電界発光表示装置。
- 断面順テーパ状隔壁で区画される有機層が発光層であることを特徴とする、請求項4または5に記載のアクティブ駆動型有機電界発光表示装置。
- 該隔壁が下引き層を有する積層構造であることを特徴とする、請求項4ないし6のいずれか一項に記載のアクティブ駆動型有機電界発光表示装置。
- 基板上に、直接または他の層を介して、断面順テーパ状隔壁及び該隔壁によって区画された領域を有し、該隔壁によって区画された領域内に有機層を有するアクティブ駆動型有機電界発光表示装置において、該隔壁の側面と基板または他の層とが形成するテーパ角が15°以上であることを特徴とする、請求項4ないし7のいずれか一項に記載のアクティブ駆動型有機電界発光表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009007517A JP2010061093A (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008203260 | 2008-08-06 | ||
JP2009007517A JP2010061093A (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010061093A true JP2010061093A (ja) | 2010-03-18 |
Family
ID=42187913
Family Applications (5)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008290383A Pending JP2010062120A (ja) | 2008-08-06 | 2008-11-12 | 有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物および有機電界発光表示装置 |
JP2009007517A Pending JP2010061093A (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
JP2009007515A Active JP5417854B2 (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
JP2009007516A Active JP5262738B2 (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
JP2009070244A Active JP5332787B2 (ja) | 2008-08-06 | 2009-03-23 | 隔壁用感光性組成物およびそれを用いた有機電界発光表示装置 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008290383A Pending JP2010062120A (ja) | 2008-08-06 | 2008-11-12 | 有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物および有機電界発光表示装置 |
Family Applications After (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009007515A Active JP5417854B2 (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
JP2009007516A Active JP5262738B2 (ja) | 2008-08-06 | 2009-01-16 | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 |
JP2009070244A Active JP5332787B2 (ja) | 2008-08-06 | 2009-03-23 | 隔壁用感光性組成物およびそれを用いた有機電界発光表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (5) | JP2010062120A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190046834A (ko) | 2016-09-05 | 2019-05-07 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 유기 전계 발광 소자 격벽 형성용 감광성 수지 조성물, 격벽, 유기 전계 발광 소자, 화상 표시 장치 및 조명 |
WO2019146685A1 (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 三菱ケミカル株式会社 | 着色感光性樹脂組成物、隔壁、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 |
WO2020244549A1 (zh) * | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 北京师范大学 | 量子点光刻胶、由其获得的量子点发光层、包含该量子点发光层的qled及其制备和应用 |
US10931887B2 (en) | 2016-03-17 | 2021-02-23 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Collation device |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003066604A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-05 | Jsr Corp | スペーサー用感放射線性樹脂組成物、スペーサーおよび液晶表示素子 |
JP5618118B2 (ja) * | 2009-01-09 | 2014-11-05 | 日立化成株式会社 | 感光性樹脂組成物,並びにこれを用いた感光性エレメント,ソルダーレジスト及びプリント配線板 |
JP2014048556A (ja) * | 2012-09-03 | 2014-03-17 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 感光性樹脂組成物 |
JP6065749B2 (ja) * | 2013-05-29 | 2017-01-25 | 住友ベークライト株式会社 | 感光性樹脂組成物および電子装置 |
KR101962481B1 (ko) * | 2013-07-23 | 2019-07-17 | 동우 화인켐 주식회사 | 착색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 컬러 필터 및 표시 장치 |
JP5613851B1 (ja) * | 2014-02-28 | 2014-10-29 | Jsr株式会社 | 表示又は照明装置 |
JP2017533576A (ja) | 2014-08-21 | 2017-11-09 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 電子装置のための酸素置換ベンゾクロブテン(benzoclobutene)由来組成物 |
WO2016026123A1 (en) | 2014-08-21 | 2016-02-25 | Dow Global Technologies Llc | Compositions comprising oxygen substituted benzocyclobutenes and dienophiles, and electronic devices containing same |
WO2016026122A1 (en) | 2014-08-21 | 2016-02-25 | Dow Global Technologies Llc | Benzocyclobutenes derived compositions, and electronic devices containing the same |
US10042253B2 (en) * | 2016-01-11 | 2018-08-07 | Samsung Display Co., Ltd. | Photosensitive resin composition, film prepared by using the photosensitive resin composition, and organic light-emitting display device including the film |
JP2017201350A (ja) * | 2016-05-02 | 2017-11-09 | 日立化成株式会社 | 感光性導電フィルム、導電パターンの形成方法及び導電パターン基板の製造方法 |
KR102175480B1 (ko) * | 2016-09-30 | 2020-11-06 | 후지필름 가부시키가이샤 | 구조체, 컬러 필터, 고체 촬상 소자, 화상 표시 장치, 구조체의 제조 방법 및 유기물층 형성용 조성물 |
JP7010240B2 (ja) * | 2016-12-22 | 2022-01-26 | Agc株式会社 | ネガ型感光性樹脂組成物 |
KR102377266B1 (ko) * | 2018-01-10 | 2022-03-22 | 동우 화인켐 주식회사 | 바인더 수지, 착색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 디스플레이 격벽 구조물 및 이를 포함하는 자발광 표시장치 |
KR102377269B1 (ko) * | 2018-01-10 | 2022-03-22 | 동우 화인켐 주식회사 | 바인더 수지, 착색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 디스플레이 격벽 구조물 및 이를 포함하는 표시장치 |
KR102377268B1 (ko) * | 2018-01-11 | 2022-03-22 | 동우 화인켐 주식회사 | 바인더 수지, 착색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 격벽 구조물 및 이를 포함하는 표시장치 |
KR102377423B1 (ko) * | 2018-01-11 | 2022-03-22 | 동우 화인켐 주식회사 | 바인더 수지, 착색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 격벽 구조물 및 이를 포함하는 표시장치 |
JP2019160473A (ja) * | 2018-03-09 | 2019-09-19 | 三菱ケミカル株式会社 | 有機電界発光素子隔壁形成用着色感光性組成物、隔壁、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 |
WO2021090836A1 (ja) * | 2019-11-06 | 2021-05-14 | 三菱ケミカル株式会社 | 感光性樹脂組成物、硬化物、隔壁、有機電界発光素子、カラーフィルタ及び画像表示装置 |
KR20230082786A (ko) * | 2021-12-02 | 2023-06-09 | 덕산네오룩스 주식회사 | 표면 장력이 낮은 감광성 조성물 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004042474A1 (ja) * | 2002-11-06 | 2004-05-21 | Asahi Glass Company, Limited | ネガ型感光性樹脂組成物 |
JP2004151618A (ja) * | 2002-11-01 | 2004-05-27 | Asahi Glass Co Ltd | 感光性樹脂およびネガ型感光性樹脂組成物 |
JP2005148391A (ja) * | 2003-11-14 | 2005-06-09 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 隔壁形成用レジスト組成物、el表示素子の隔壁、およびel表示素子 |
JP2007095608A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法 |
WO2007069703A1 (ja) * | 2005-12-15 | 2007-06-21 | Asahi Glass Company, Limited | 含フッ素重合体、ネガ型感光性組成物及び隔壁 |
JP2008122806A (ja) * | 2006-11-14 | 2008-05-29 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 着色感光性樹脂組成物 |
Family Cites Families (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3331035B2 (ja) * | 1993-02-05 | 2002-10-07 | 富士写真フイルム株式会社 | 感光性樹脂組成物及び画像形成方法 |
JP3470352B2 (ja) * | 1993-07-23 | 2003-11-25 | 東レ株式会社 | カラーフィルタ |
JP3660455B2 (ja) * | 1996-12-27 | 2005-06-15 | 株式会社日立製作所 | 光重合性組成物およびそれを用いたパターン形成方法 |
JPH1131585A (ja) * | 1997-07-11 | 1999-02-02 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
JPH11133600A (ja) * | 1997-10-30 | 1999-05-21 | Jsr Corp | 表示パネルスペーサー用感放射線性樹脂組成物 |
ATE530951T1 (de) * | 2001-07-26 | 2011-11-15 | Basf Se | Lichtempfindliche harzzusammensetzung |
JP4094863B2 (ja) * | 2002-02-12 | 2008-06-04 | 三星エスディアイ株式会社 | 有機el表示装置 |
JP4360168B2 (ja) * | 2002-10-01 | 2009-11-11 | 東レ株式会社 | ポジ型感光性樹脂組成物 |
JP2004235128A (ja) * | 2002-12-04 | 2004-08-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 有機el素子およびその製造方法 |
JP4139210B2 (ja) * | 2002-12-17 | 2008-08-27 | ローム株式会社 | 電極パターンの形成方法及び有機elディスプレイパネル |
JP2004234901A (ja) * | 2003-01-28 | 2004-08-19 | Seiko Epson Corp | ディスプレイ基板、有機el表示装置、ディスプレイ基板の製造方法および電子機器 |
JP2006179423A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Nippon Zeon Co Ltd | ネガ型感放射線性樹脂組成物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示素子の絶縁膜 |
JP4742789B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-08-10 | 東レ株式会社 | アルカリ現像用感光性透明樹脂組成物、および半透過型液晶表示装置 |
JP2007025426A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Toppan Printing Co Ltd | インキ吐出印刷物及びその製造方法 |
JP2007095606A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Seiko Epson Corp | 有機el装置、その製造方法、及び電子機器 |
TW200735700A (en) * | 2005-11-28 | 2007-09-16 | Asahi Glass Co Ltd | Process for producing organic el, color filter and diaphragm |
JP5183069B2 (ja) * | 2006-01-08 | 2013-04-17 | ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. | フォトレジストのためのコーティング組成物 |
JP2007256684A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Fujifilm Corp | 感光性組成物及び表示装置用遮光膜形成用材料 |
JP5040395B2 (ja) * | 2006-03-27 | 2012-10-03 | 凸版印刷株式会社 | 印刷物及び印刷物の製造方法 |
JP2007293231A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-11-08 | Fujifilm Corp | 感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、光学素子及びその製造方法、並びに表示装置 |
JP4912049B2 (ja) * | 2006-06-13 | 2012-04-04 | カルソニックカンセイ株式会社 | ラジエータコアサポート構造 |
JP2007334152A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Fujifilm Corp | ポジ型感光性組成物及びパターン形成方法 |
JP2008083089A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-04-10 | Fujifilm Corp | 光硬化性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法 |
JP2008098033A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Canon Inc | 有機el表示装置 |
JP4506788B2 (ja) * | 2007-06-25 | 2010-07-21 | カシオ計算機株式会社 | Elパネルの製造方法 |
-
2008
- 2008-11-12 JP JP2008290383A patent/JP2010062120A/ja active Pending
-
2009
- 2009-01-16 JP JP2009007517A patent/JP2010061093A/ja active Pending
- 2009-01-16 JP JP2009007515A patent/JP5417854B2/ja active Active
- 2009-01-16 JP JP2009007516A patent/JP5262738B2/ja active Active
- 2009-03-23 JP JP2009070244A patent/JP5332787B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004151618A (ja) * | 2002-11-01 | 2004-05-27 | Asahi Glass Co Ltd | 感光性樹脂およびネガ型感光性樹脂組成物 |
WO2004042474A1 (ja) * | 2002-11-06 | 2004-05-21 | Asahi Glass Company, Limited | ネガ型感光性樹脂組成物 |
JP2005148391A (ja) * | 2003-11-14 | 2005-06-09 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 隔壁形成用レジスト組成物、el表示素子の隔壁、およびel表示素子 |
JP2007095608A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法 |
WO2007069703A1 (ja) * | 2005-12-15 | 2007-06-21 | Asahi Glass Company, Limited | 含フッ素重合体、ネガ型感光性組成物及び隔壁 |
JP2008122806A (ja) * | 2006-11-14 | 2008-05-29 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 着色感光性樹脂組成物 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10931887B2 (en) | 2016-03-17 | 2021-02-23 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Collation device |
KR20190046834A (ko) | 2016-09-05 | 2019-05-07 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 유기 전계 발광 소자 격벽 형성용 감광성 수지 조성물, 격벽, 유기 전계 발광 소자, 화상 표시 장치 및 조명 |
KR20220139427A (ko) | 2016-09-05 | 2022-10-14 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 유기 전계 발광 소자 격벽 형성용 감광성 수지 조성물, 격벽, 유기 전계 발광 소자, 화상 표시 장치 및 조명 |
WO2019146685A1 (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 三菱ケミカル株式会社 | 着色感光性樹脂組成物、隔壁、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 |
WO2020244549A1 (zh) * | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 北京师范大学 | 量子点光刻胶、由其获得的量子点发光层、包含该量子点发光层的qled及其制备和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5332787B2 (ja) | 2013-11-06 |
JP2010062123A (ja) | 2010-03-18 |
JP5417854B2 (ja) | 2014-02-19 |
JP2010062124A (ja) | 2010-03-18 |
JP2010062120A (ja) | 2010-03-18 |
JP5262738B2 (ja) | 2013-08-14 |
JP2010062129A (ja) | 2010-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5262738B2 (ja) | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 | |
JP5428910B2 (ja) | アクティブ駆動型有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物およびアクティブ駆動型有機電界発光表示装置 | |
JP2010129344A (ja) | 下引き層用組成物、有機薄膜パターニング用基板、有機電界発光素子、有機el表示装置および有機el照明 | |
CN110024485B (zh) | 有机el显示装置 | |
TW201905117A (zh) | 含有量子點之硬化性組成物、含有量子點之硬化物、光學構件之製造方法及顯示裝置之製造方法 | |
TWI826804B (zh) | 有機電致發光元件阻隔壁形成用感光性樹脂組合物、阻隔壁、有機電致發光元件、圖像顯示裝置及照明 | |
JP5540625B2 (ja) | 有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、有機elディスプレイおよび有機el照明 | |
WO2010104183A1 (ja) | 有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 | |
TWI772604B (zh) | 感光性樹脂組成物、分隔壁、有機電致發光元件、影像顯示裝置及照明 | |
JP2010033925A (ja) | 有機薄膜パターニング用基板およびその製造方法、有機電界発光素子およびその製造方法、並びに有機el表示装置および有機el照明 | |
JP2009123696A (ja) | 有機電界発光素子、画像表示装置、及び有機電界発光素子の製造方法 | |
JP5673777B2 (ja) | 有機薄膜パターニング用基板、有機電界発光素子、並びに有機el表示装置および有機el照明 | |
JP2011146375A (ja) | 有機電界発光素子の隔壁用感光性組成物及び表示装置 | |
JP2010108927A (ja) | 有機電界発光素子、該有機電界発光素子の製造方法、有機el表示装置および有機el照明 | |
JP6834613B2 (ja) | 有機el表示装置及びその製造方法 | |
JP2010192475A (ja) | 有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明 | |
JP2010073340A (ja) | 有機電界発光素子、有機el表示装置、有機el照明および有機薄膜パターニング用基板 | |
JP2010192122A (ja) | 有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 | |
JP7236209B2 (ja) | 隔壁形成用感光性樹脂組成物、隔壁、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 | |
JP2010192123A (ja) | 有機電界発光素子、有機elディスプレイ、及び有機el照明 | |
JP2013214533A (ja) | 有機el照明 | |
JP2010098301A (ja) | 有機薄膜パターニング用基板、有機電界発光素子、並びにこれを用いた有機el表示装置および有機el照明 | |
WO2021125160A1 (ja) | 感光性樹脂組成物、隔壁、有機電界発光素子、及び画像表示装置 | |
JP2010073598A (ja) | 有機薄膜パターニング用基板、有機電界発光素子、有機el表示装置および有機el照明 | |
TW202244069A (zh) | 著色感光性樹脂組合物、硬化物、阻隔壁、有機電致發光元件、包含發光性奈米結晶粒子之彩色濾光器及圖像顯示裝置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110929 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131015 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140304 |