JP5098670B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、図2に示すように、基板1上に形成された遮光部2が備える開口部に同一量の着色層形成用塗工液がインクジェット法により塗布されて着色層3が形成された場合、膜厚が薄い遮光部2が備える開口部に形成された着色層3(図2(b))に比べ、膜厚が厚い遮光部2が備える開口部に形成された着色層3(図2(a))は、その表面が平坦なものとなることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
また、上記シュリンク工程におけるシュリンク前遮光部の加熱温度を、上述した温度とすることにより、シュリンク前遮光部をシュリンクさせることにより得られる遮光部の膜厚を抑制することができる。これにより、本発明の製造方法により製造されるカラーフィルタを用いて液晶表示装置を組み立てる際に問題無く組み立てを行なうことができる。
さらに、上記低温ベイク工程における遮光部用パターンの加熱温度を100℃〜190℃の範囲内とすることにより、上記シュリンク前遮光部を基板への密着性に優れ、十分に乾燥したものとすることができる。
また、上記シュリンク工程におけるシュリンク前遮光部の加熱温度を、上述した温度とすることにより、シュリンク前遮光部をシュリンクさせることにより得られる遮光部の膜厚を抑制することができる。これにより、本発明の製造方法により製造されるカラーフィルタを用いて液晶表示装置を組み立てる際に問題無く組み立てを行なうことができる。
さらに、上記低温ベイク工程における遮光部用パターンの加熱温度を100℃〜190℃の範囲内とすることにより、上記シュリンク前遮光部を基板への密着性に優れ、十分に乾燥したものとすることができる。
さらにまた、上記撥インク化遮光部用パターン形成工程を有することにより、上記遮光部用パターンを撥インク化するための工程を不要なものとすることができる。このため、コストの低減を図ることができる。
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法の第1態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により形成された着色層とを有するカラーフィルタとする製造方法であって、上記基板上に、開口部を備える遮光部用パターンを形成する遮光部用パターン形成工程、上記遮光部用パターンを100℃〜190℃の範囲内の温度で加熱する低温ベイク工程、および、上記遮光部用パターンの表面に撥インク性を付与する撥インク化工程、を少なくとも有し、シュリンク前遮光部を形成するシュリンク前遮光部形成工程と、上記シュリンク前遮光部が備える開口部に、インクジェット法により、着色層形成用塗工液を塗布し、着色層用パターンを形成する着色層用パターン形成工程と、上記着色層用パターンを加熱して着色層を形成する着色層ベイク工程と、上記着色層用パターン形成工程後のシュリンク前遮光部を、上記低温ベイク工程における加熱温度よりも50℃〜150℃の範囲内で高い温度で加熱し、上記シュリンク前遮光部をシュリンクさせて遮光部を形成するシュリンク工程と、を有することを特徴とする態様である。
ここで、(a)〜(b)が遮光部用パターン形成工程であり、(c)が低温ベイク工程であり、(d)が撥インク化工程であり、(a)〜(d)がシュリンク前遮光部形成工程である。また、(e)が着色層用パターン形成工程であり、(f)が着色層ベイク工程およびシュリンク工程である。
また、上記シュリンク工程におけるシュリンク前遮光部の加熱温度を、上述した温度とすることにより、シュリンク前遮光部をシュリンクさせることにより得られる遮光部の膜厚を抑制することができる。これにより、本態様の製造方法により製造されるカラーフィルタを用いて液晶表示装置を組み立てる際に問題無く組み立てを行なうことができる。
したがって、図3に示すように、同量の着色層形成用塗工液が塗布された場合であっても、遮光部の膜厚が高い(図3中のHの場合)場合における着色層形成用塗工液の表面形状(図3中の実線a)は、遮光部の膜厚が低い(図3中のhの場合)場合における着色層形成用塗工液の表面形状(図3中の破線b)に比べて、凸形状が緩和されることになる。
したがって、上記着色層用パターン形成工程において、インクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液は、膜厚の厚い上記シュリンク前遮光部の壁面に沿って持ち上げられることが可能となり、その表面の凸形状が緩和される。また、このような表面形状の着色層形成用塗工液からなる塗膜を乾燥させることにより、表面が平坦な着色層とすることができるのである。
また、上記シュリンク工程より前に、上記遮光部用パターンまたはシュリンク前遮光部が、上記シュリンク工程における加熱温度以上の温度で加熱処理がされないものである。高温で加熱処理されると上記遮光部用パターンまたはシュリンク前遮光部がシュリンク(収縮)し、上記着色層用パターン形成工程を行なう際における上記シュリンク前遮光部の膜厚が低いものとなり、本発明の効果を発揮することができないからである。
以下、本態様のカラーフィルタの製造方法の各工程について詳細に説明する。
本態様のカラーフィルタの製造方法におけるシュリンク前遮光部形成工程は、遮光部用パターン形成工程、低温ベイク工程、および、撥インク化工程を有し、シュリンク前遮光部を形成する工程である。
本態様のカラーフィルタの製造方法におけるシュリンク前遮光部形成工程に含まれる遮光部用パターン形成工程は、上記基板上に、開口部を備える遮光部用パターンを形成する工程である。
なお、転写法により、上記遮光部用パターンを形成する方法としては、転写法により遮光部を形成する場合に一般的に用いられる材料を、後述する基板に転写した後、パターン露光および現像を行う方法であっても良く、後述する基板にパターン状に転写する方法であっても良いが、通常、前者の方法が用いられる。
本工程に用いられる遮光部形成用塗工液としては、上記遮光部を形成した際に、所望の遮光性を発揮する材料を含むものであれば良く、フォトリソグラフィー法による遮光部の形成に一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、遮光材料および感光性を有する樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを挙げることができる。
本工程に用いられる基板としては、上記遮光部を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来よりカラーフィルタに用いられているものを用いることができる。このような基板としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができる。なかでも本工程において無機基板を用いることが好ましく、無機基板のなかでもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
本工程において、上記遮光部形成用塗工液の塗布方法としては、上記遮光部形成用層を均一な膜厚で形成することができる方法であれば良く、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等の一般的な方法を用いることができる。
本工程において、上記遮光部形成用塗工液を塗布することにより形成された遮光部形成用層を露光する方法としては、所望の領域にのみ上記遮光部用パターンを形成することができる方法であれば良く、カラーフィルタにおける遮光部の形成に、一般的に用いられる方法を使用することができる。
例えば、上記遮光部形成用層の表面から数十μm程度の間隙をあけてマスクを配置し、露光するプロキシミティ露光を行うことができる。この露光により、上記樹脂としてネガ型感光性樹脂を用いた場合には照射部分で硬化反応が生じ、ポジ型感光性樹脂を用いた場合には照射部分で酸発生反応が生じる。
本態様のカラーフィルタの製造方法におけるシュリンク前遮光部形成工程に含まれる低温ベイク工程は、上記遮光部用パターンを、100℃〜190℃の範囲内の温度で加熱し、基板への密着性の向上および乾燥を十分に図る工程である。
また、一般的な遮光部の形成において通常行なわれるポストベーク温度よりも低い温度で加熱する工程である。
の範囲内であることが好ましい。上記範囲より低いと、上記シュリンク前遮光部の基板への密着性や乾燥が不十分なものとなるおそれがあるからである。また、上記範囲より高いと、上記遮光部用パターンがシュリンク(収縮)してしまい、十分な厚みを有するシュリンク前遮光部を形成することが困難になるからである。
本態様のカラーフィルタの製造方法におけるシュリンク前遮光部形成工程に含まれる撥インク化工程は、上記遮光部用パターンの表面に撥インク性を付与する工程である。
上記撥インク化工程を有することにより、上記シュリンク前遮光部の表面を撥インク性を有するものとすることができる。このため、後述する着色層形成用塗工液を、上記開口部内に安定的に塗布することができ、着色層を混色の無いものとすることができるからである。
このような方法によれば、樹脂を含有する上記遮光部用パターンに選択的にフッ素を導入することができるからである。
本工程は、遮光部用パターン形成工程、低温ベイク工程、および、撥インク化工程を少なくとも有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記遮光部用パターン形成工程後に、上記遮光部形成用パターンを加熱し、上記遮光部用パターンの乾燥を行なうプリベーク工程を挙げることができる。
上記プリベーク工程における加熱温度としては、通常、80℃程度とされる。
本態様のカラーフィルタの製造方法における着色層用パターン形成工程は、上記シュリンク前遮光部が備える開口部に、インクジェット法により、着色層形成用塗工液を塗布し、着色層用パターンを形成する工程である。
なお、上記ノズルのピッチが上記開口部のピッチと異なる場合において、上記ノズルのピッチが、上記開口部のピッチの整数倍または整数分の1倍に相当するピッチでない場合は、例えば、上記ノズルのピッチが上記開口部のピッチと同一、整数倍、または、整数分の1倍となるように上記インクジェットヘッドを回転させて傾かせて用いればよい。
本態様のカラーフィルタの製造方法における着色層ベイク工程は、上記着色層用パターンを加熱して着色層を形成する工程である。
本態様のカラーフィルタの製造方法におけるシュリンク工程は、上記着色層用パターン形成工程後のシュリンク前遮光部を、上記低温ベイク工程における加熱温度よりも50℃〜150℃の範囲内で高い温度で加熱し、上記シュリンク前遮光部をシュリンクさせて遮光部を形成する工程である。
なお、上記着色層ベイク工程およびシュリンク工程が同一である場合における加熱温度は、通常、両者の加熱温度のうちより高い加熱温度に合わせるものである。
また、上記着色層ベイク工程およびシュリンク工程を独立した工程とする場合の実施順としては、上記着色層ベイク工程、シュリンク工程の順に実施しても良く、逆の順で実施しても良いが、通常、加熱温度が低い工程を先に行なう。高い加熱温度で加熱する工程を先に行なった場合には、再度、加熱する工程を行なっても効果が変わらないからである。また、高い上記着色層用パターンのみ、または、シュリンク前遮光部のみを選択的に加熱することは困難だからである。
本態様のカラーフィルタの製造方法は、シュリンク前遮光部形成工程と、着色層用パターン形成工程と、着色層ベイク工程と、シュリンク工程と、を少なくとも有するものであれば良く、必要に応じて、その他の工程を有するものであっても良い。例えば、上記着色層用パターン形成工程前に上記シュリンク前遮光部が形成された基板の表面にプラズマを照射することにより、上記基板に表面に付着した有機残渣をドライエッチングにより除去するプラズマ前処理工程、上記着色層ベイク工程およびシュリンク工程により形成される着色層および遮光部上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程、上記着色層上にITO、IZO等の透明電極を形成する透明電極形成工程、対向基板とのセルギャップを均一にするためのスペーサー材を所定の位置に形成するスペーサー形成工程、および、液晶の配向を制御するための構造物を形成する配向制御構造物形成工程等を挙げることができる。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法の第2態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、基板と、基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により形成された着色層とを有するカラーフィルタとする製造方法であって、上記基板上に、撥インク剤を含み、開口部を備え、撥インク性を有する撥インク化遮光部用パターンを形成する撥インク化遮光部用パターン形成工程、および、上記撥インク化遮光部用パターンを100℃〜190℃の範囲内の温度で加熱する低温ベイク工程、を有し、シュリンク前遮光部を形成するシュリンク前遮光部形成工程と、上記シュリンク前遮光部が備える開口部に、インクジェット法により、着色層形成用塗工液を塗布し、着色層用パターンを形成する着色層用パターン形成工程と、上記着色層用パターンを加熱して着色層を形成する着色層ベイク工程と、上記着色層用パターン形成工程後のシュリンク前遮光部を、上記低温ベイク工程における加熱温度よりも50℃〜150℃の範囲内で高い温度で加熱し、上記シュリンク前遮光部をシュリンクさせて遮光部を形成するシュリンク工程と、を有することを特徴とする態様である。
ここで、(a)〜(b)が撥インク化遮光部用パターン形成工程であり、(c)が低温ベイク工程であり、(a)〜(c)がシュリンク前遮光部形成工程である。また、(d)が着色層用パターン形成工程であり、(e)が着色層ベイク工程およびシュリンク工程である。
また、上記シュリンク工程におけるシュリンク前遮光部の加熱温度を、上述した温度とすることにより、シュリンク前遮光部をシュリンクさせることにより得られる遮光部の膜厚を抑制することができる。これにより、本態様の製造方法により製造されるカラーフィルタを用いて液晶表示装置を組み立てる際に問題無く組み立てを行なうことができる。
さらに、上記低温ベイク工程における遮光部用パターンの加熱温度を100℃〜190℃の範囲内のとすることにより、上記シュリンク前遮光部を基板への密着性に優れ、十分に乾燥したものとすることができる。
さらにまた、上記撥インク化遮光部用パターン形成工程を有することにより、形成される遮光部用パターンが撥インク剤を含むものとすることができる。このため、上記遮光部用パターンを撥インク化することなく、撥インク性を有するシュリンク前遮光部を形成することができる。このため、撥インク化するための工程を不要なものとすることができ、コストの低減を図ることができる。
なお、着色層用パターン形成工程、着色層ベイク工程、およびシュリンク工程については、上記「1.第1態様」の項に記載された内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
以下、本態様のカラーフィルタの製造方法の各工程について詳細に説明する。
本態様のカラーフィルタの製造方法におけるシュリンク前遮光部形成工程は、撥インク化遮光部用パターン形成工程、および、低温ベイク工程を少なくとも有するものである。
ここで、上記低温ベイク工程については、上記「1.第1態様」の「(1)シュリンク前遮光部形成工程」の項に記載された内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様におけるシュリンク前遮光部形成工程における撥インク化遮光部用パターン形成工程は、基板上に、撥インク剤を含み、開口部を備え、撥インク性を有する撥インク化遮光部用パターンを形成する工程である。
なお、本工程に用いられる基板としては、上記「1.第1態様」の「(1)シュリンク前遮光部形成工程」の項に記載したものと同様のものとすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程に用いられる撥インク剤としては、上記シュリンク前遮光部の表面に所定の撥インク性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような撥インク剤としては、例えば、フッ素含有基と親水基または親油基とを有するモノマーまたはオリゴマー、フッ素含有高分子化合物、および、フッ素含有物質の微粒子等を挙げることができる。
また、上記フッ素含有物質の微粒子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテル系共重合体、3フッ化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等からなる微粒子を挙げることができる。
さらに、上記フッ素含有基と親水基または親油基とを有するモノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、下記一般式(1)〜(6)で表される化合物を例示することができる。
なお、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を含むものである。
本工程における上記撥インク化遮光部用パターンの形成方法としては、上記撥インク剤を含む撥インク化遮光部用パターンを、所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば良く、具体的には、上記「1.第1態様」の「(1)シュリンク前遮光部形成工程」の「(a)遮光部用パターン形成工程」の項に記載した方法と同様の方法を用いることができる。
なお、遮光部形成用塗工液、ならびに、上記撥インク性遮光部形成用塗工液の塗布、露光および現像方法としては、カラーフィルタにおける遮光部の形成において、一般的に用いられるものおよび方法を使用することができる。具体的には、上記「1.第1態様」の「(1)シュリンク前遮光部形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができる。
本工程は、上記撥インク化遮光部用パターン形成工程、および、低温ベイク工程を少なくとも有するものであれば良いが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記「1.第1態様」の「(1)シュリンク前遮光部形成工程」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様のカラーフィルタの製造方法は、シュリンク前遮光部形成工程と、着色層用パターン形成工程と、着色層ベイク工程と、シュリンク工程と、を少なくとも有するものであれば良く、必要に応じて、その他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記「1.第1態様」の「(5)カラーフィルタの製造方法」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
1.シュリンク前遮光部形成工程
カラーフィルタ用ガラス材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning(コーニング)社製EAGLE2000を用意し、アルカリ性水溶液を用い洗浄した後、UVオゾン処理を施した。このガラス基板上にカーボンブラックを含有したブラックマトリクス形成用材料(新日鉄化学社製ネガ型レジストNSBK)をスピンコーターで、硬化前時点での膜厚が10μmとなるように塗布した。この基板をホットプレートにて、80℃で3分間のプリベークを施した。
上記親疎液性を有するシュリンク前遮光部を形成したガラス基板に対し、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布した。塗工液はカラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等からなるRGB各色の顔料分散型インクを用い、1つの開口部あたり130滴にて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計した。このときのインクジェットヘッドへの印加電圧は75V、パルス幅は6μsであった。インクジェットヘッドは1ヘッドに対し100ノズルを有するものを用い、1色につき1ヘッド、すなわちRGB3色にて3ヘッドを用いた。塗布は遮光部の1つの開口部(1画素)あたり1ノズルが配置されるように位置決めして行い、かつインク吐出液滴が開口部内に着弾するように行った。
次いで、基板をホットプレートを用い100℃にて10分間プリベークした。
次いで、オーブンにて230℃で30分間加熱した。
これにより、上記シュリンク前遮光部の膜厚は収縮し、膜厚が2.00μmの遮光部を有するカラーフィルタを形成した。
ブラックマトリクス形成用材料として、自己撥インキ性を発現するブラックマトリクス形成用材料(東京応化社製ネガ型レジストCFPR BK-IJ)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。
なお、得られたシュリンク前遮光部の膜厚は、膜厚2.19μmであった。
また、表面張力40mN/mの液体との接触角は、上記シュリンク前遮光部上で60°、それ以外の部分で10°以下であった。
さらに、カラーフィルタ作製後における遮光部の膜厚は、2.00μmであった。
上記シュリンク前遮光部形成工程において、オーブンにて230℃で30分間のベイクを施し、遮光部を形成した以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを形成した。
なお、上記シュリンク前遮光部形成工程により得られた遮光部の膜厚は2.00μmであった。
また、表面張力40mN/mの液体との接触角は、上記遮光部上で57°、それ以外の部分で10°以下であった。
上記シュリンク前遮光部形成工程において、オーブンにて230℃で30分間のベイクを施し、遮光部を形成した以外は、実施例2と同様にして、カラーフィルタを形成した。
上記シュリンク前遮光部形成工程により得られた遮光部の膜厚は、2.00μmであった。
また、表面張力40mN/mの液体との接触角は、上記遮光部上で60°、それ以外の部分で10°以下であった。
上記シュリンク前遮光部形成工程において、90℃で30分間のベイクを施した以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタを形成した。
上記シュリンク前遮光部形成工程により得られたシュリンク前遮光部の膜厚は、2.25μmであった。
また、表面張力40mN/mの液体との接触角は、上記遮光部上で55°、それ以外の部分で10°以下であった。
さらに、カラーフィルタ作製後における遮光部の膜厚は、2.00μmであった。
実施例および比較例により得られた着色層の形状を光学干渉式非接触形状測定機(菱化システム社製micro map)にて計測した。測定箇所は、着色層の中心を通るように、着色層の短辺方向にスキャンすることにより行なった。
その結果、実施例1〜2により形成された着色層の形状は、比較例1〜2により形成された着色層の形状よりも、平坦化した断面形状が得られた。実施例1および比較例1により得られた着色層の測定結果を、図6に示す。
また、実施例1および比較例1により得られた着色層の断面の膜厚データ中の、膜厚の頻度をヒストグラムとしたものを、図7に示す。その結果、実施例1の方が比較例1よりもシャープな分布となり、このデータからも実施例1の着色層の形状が比較例1の形状より平坦化していることが示された。
2、102 … 遮光部
3、103 … 着色層
10、100 … カラーフィルタ
12 … シュリンク前遮光部
12´ … 遮光部用パターン
13 … 着色層用パターン
22 … 遮光部形成用層
32 … 撥インク化遮光部用パターン
42 … 撥インク化遮光部形成用層
Claims (3)
- 基板と、前記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、前記開口部にインクジェット法により形成された着色層とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記基板上に、開口部を備える遮光部用パターンを形成する遮光部用パターン形成工程、前記遮光部用パターンを100℃〜190℃の範囲内の温度で加熱する低温ベイク工程、および、前記遮光部用パターンの表面に撥インク性を付与する撥インク化工程、を少なくとも有し、シュリンク前遮光部を形成するシュリンク前遮光部形成工程と、
前記シュリンク前遮光部が備える開口部に、インクジェット法により、着色層形成用塗工液を塗布し、着色層用パターンを形成する着色層用パターン形成工程と、
前記着色層用パターンを加熱して着色層を形成する着色層ベイク工程と、
前記着色層用パターン形成工程後のシュリンク前遮光部を、前記低温ベイク工程における加熱温度よりも50℃〜150℃の範囲内で高い温度で加熱し、前記シュリンク前遮光部をシュリンクさせて遮光部を形成するシュリンク工程と、
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記着色層ベイク工程および前記シュリンク工程が同一工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色層形成用塗工液が塗布される際のシュリンク前遮光部の膜厚が、前記遮光部の膜厚の105%〜130%の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
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