JP4270211B2 - 表示装置用カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
この表示装置に用いるカラーフィルタは、多くの場合、カラーフィルタは画素として形成されて使用されるものである。この表示装置用カラーフィルタの画素を形成する方法として、これまで実用されてきた方法としては、フォトリソグラフィイ法、印刷法などがあげられる。
表示装置用カラーフィルタをインクジェット法により形成する方法においては、インクジェットによるインク粒子の飛散や、インクのにじみが発生し易いので、カラーフィルタの画素形状を鮮明なものにするために、予め、マトリックス状遮光層を画素の境界に設ける方法がとられている。
特に、マトリックス状遮光層にインクに対しヌレ性の悪い、撥インク性を付与する際には、マトリックス状遮光層の材料として撥インク性物貭を用いるために、僅かな残渣でもインクのガラス基板面への親和性を損ないやすい。
そして、このようなカラーフィルタを表示装置に用いた場合、色ムラが生じたり、光の漏れによるコントラストの低下が生じたりして、表示品質が悪化したものとなる。
透明基板上にマトリックス状遮光層を形成する工程と、
前記透明基板およびマトリックス状遮光層の上に感光性樹脂からなる受像層を形成する工程と、前記受像層を透明基板の裏面から露光する工程と、前記マトリックス遮光層上の受像層を現像除去する工程と、前記マトリックス遮光層間の受像層上にインクジェット法によりパターン状着色層を形成する工程と、を有することを特徴とした表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、前記マトリックス状遮光層が、撥インク性物質を含み、前記マトリックス状遮光層及びパターン状着色層の上にオーバーコート層を形成する工程を有し、前記受像層はアルカリ可溶性の親水性アクリル樹脂からなることを特徴とする表示装置用カラーフィルタの製造方法である。
また、本発明は、上記発明による、インクが画素部に均一に着色し、着色ムラが生ぜず、また、画素周辺部で着色が十分である表示装置用カラーフィルタを製造する方法となる。
また、本発明は、上記発明による表示装置用カラーフィルタを備えた表示装置であるので、表示品質のよい表示装置が得られる。
図1は、本発明による表示装置用カラーフィルタの一実施例を示す平面図である。
また、図2は、図1に示す本発明による表示装置用カラーフィルタの一実施例のA−A断面図である。
図1及び図2に示すように、表示装置用カラーフィルタ(1)は、透明基板(2)の上にマトリックス状遮光層(5)が形成され、この透明基板(2)の上のマトリックス状遮光層(5)の間には、受像層(3)が形成され、更に、この受像層の上には、赤色(R),緑色(G),青色(B)各々のパターン状着色層(4)が形成されている。
図3に示すように、表示装置用カラーフィルタ(1)は、透明基板(2)の上にマトリックス状遮光層(5)が形成され、この透明基板(2)の上のマトリックス状遮光層(5)の間には、受像層(3)が形成され、更に、この受像層の上には、赤色(R),緑色(G),青色(B)各々のパターン状着色層(4)が形成され、パターン状着色層(4)が形成された透明基板の全面にオーバーコート層(6)が形成されている。
具体的には、厚さは、0.1μm〜2μm程度とされる。また、このマトリックス状遮光層の形成は、例えば、フォトリソグラフィー法により形成されるものである。
これはカラーフィルタ層の外観面での平坦性、耐性面での耐湿性、耐薬品性などの性能を補うため、また、カラーフィルタ層からの溶出物を阻止するバリア性を確保するために用いられるものである。用いる材料としては、熱硬化型でマレイミドを含むアクリル系共重合体、エポキシ樹脂組成物などの透明樹脂が好適である。
親水性アクリル樹脂を用いることにより、ノズルから噴射したインク粒子がマトリックス状遮光層(5)の間の受像層(3)上に均一に着色せず、マトリックス状遮光層(5)にまで広がりパターン状着色層(4)に着色ムラや点状の欠落が生じるのを防ぐものである。
この親水性アクリル樹脂の親水性の程度によって着色ムラや点状の欠落に強弱が現れる。
また、光重合開始剤としては、例えば、第一工業製薬社製 BDK、チバガイギー社製 ダロキュア1173を用いることができる。
この裏面側から露光後、現像・焼成させることでマトリックス状遮光層の間に受像層を設けることができる。
この部分の樹脂を除去することによって、カラーフィルタ表面の凹凸を減少させるものである。
樹脂としては、カゼイン、ゼラチン、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂などが用いられ、色素との関係にて適宜選択されるものである。
耐熱性や耐光性が要求される際にはアクリル樹脂が好ましいものである。
分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して使用してもよい。溶媒としては溶解性の他に経時安定性、乾燥性などが要求され、色素、樹脂との関係にて適宜選択されるものである。
インクの粒子化周波数は5〜100KHz程度、ノズル径としては5〜80μm程度,ヘッドを3個配置し1ヘッドにノズルを1〜30個組み込んだ装置が好適である。また、必要に応じパターン状着色層(4)の形成後に加熱などの硬化を行ってもよい。
<実施例1>
(マトリックス状遮光層の作製)
無アルカリガラス(コーニング社製、品番7059)上に、黒色に着色されたフォトレジスト(新日鉄化学社製 V−259BK)をスピンコータによって、約1.5μmの塗膜に形成した。
次に、マスクを介して100mJ/cm2のUV光露光を行い、指定現像液を用いて現像後、230℃で60分間の加熱硬化し、厚さ約1.5μmのマトリックス状遮光層を得た。
UV硬化型親水性アクリル樹脂(日立化成社製 ヒタロイド)を、マトリックス状遮光層を形成したガラス基板上にスピンコータによって、約0.5μmの塗膜に形成した。
次に、40℃で20分間の加熱硬化し、ガラス基板の裏面側から120mJ/cm2のUV光露光を行い、5%NaOH水溶液にて現像後、120℃で10分間の乾燥をし、ガラス基板の表面のマトリックス状遮光層の間に受像層を形成した。
メタクリル酸20部、メチルメタクリレート10部、ブチルメタクリレート55部、ヒドロキシエチレンメタクリレート15部をエチルセロソルブ300gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75部を加え70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合樹脂を得た。
得られたアクリル共重合樹脂を樹脂濃度が10%になるようにエタノールで希釈しアクリル共重合樹脂の希釈液とした。
この着色インクを用い、インクジェット法によりマトリックス状遮光層の間の受像層上に、各色のパターン状着色層を形成し、200℃にて1時間の加熱硬化後、線幅約100μmのパターン状着色層を得た。
このようにして得られたパターン状着色層からなる表示装置用カラーフィルタは、ノズルから噴射したインクが画素部に均一に着色し、着色ムラが生ぜず、また、画素周辺部で着色が十分である表示装置用カラーフィルタであった。
また、このようにして得られた表示装置用カラーフィルタを用いた表示装置の表示品質は良好なものであった。
(受像層の作製)
マトリックス状遮光層を形成していない無アルカリガラス(コーニング社製、品番7059)上に、受像層として、UV硬化型親水性アクリル樹脂(日立化成社製 ヒタロイド)をスピンコータによって、約0.5μmの塗膜に形成した。40℃で20分間の加熱硬化し、ガラス基板の表面側から120mJ/cm2のUV光露光を行い、受像層を形成した。
次に、黒色に着色されたフォトレジスト(新日鉄化学社製 V−259BK)をスピンコータによって、約1.5μmの塗膜に形成した。
マスクを介して100mJ/cm2のUV光露光を行い、指定現像液を用いて現像後、230℃で60分間の加熱硬化し厚さ約1.5μmのマトリックス状遮光層を受像層上に得た。
実施例1と同一の着色インク、着色法にてカラーフィルタを作製した。
得られたパターン状着色層からなる表示装置用カラーフィルタは、各画素内にて、ハジキによる着色ムラが生じた。また、受像層の接触角は約80度であり、ヌレ性は悪いものであった。
また、このようにして得られた表示装置用カラーフィルタを用いた表示装置の表示品質は色ムラの多いものであった。
2…透明基板
3…受像層
4…パターン状着色層
5…マトリックス状遮光層
6…オーバーコート層
R…赤色パターン状着色層
G…緑色パターン状着色層
B…青色パターン状着色層
Claims (1)
- 透明基板上にマトリックス状遮光層を形成する工程と、
前記透明基板およびマトリックス状遮光層の上に感光性樹脂からなる受像層を形成する工程と、
前記受像層を透明基板の裏面から露光する工程と、
前記マトリックス遮光層上の受像層を現像除去する工程と、
前記マトリックス遮光層間の受像層上にインクジェット法によりパターン状着色層を形成する工程と、
を有することを特徴とした表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
前記マトリックス状遮光層が、撥インク性物質を含み、前記マトリックス状遮光層及びパターン状着色層の上にオーバーコート層を形成する工程を有し、前記受像層はアルカリ可溶性の親水性アクリル樹脂からなることを特徴とする表示装置用カラーフィルタの製造方法。
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